JP3583802B2 - 面付型電気錠 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、面付型電気錠、殊に、デッドボルトを兼ねるラッチを含むラッチ組立体を有する新規な面付型電気錠に関する。
【0002】
【従来の技術】
面付型電気錠として従来最も一般的なものは、前端に傾斜面のないデッドボルトをソレノイドの作動により錠箱から突出入させるものである。この面付型電気錠は、自動施錠ができないこと、また、空錠として用いるときは別にラッチを設ける必要があって、全体としての構造が複雑になるなどの欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、デッドボルトを兼ねるラッチ、そのラッチに添設されたトリガー及びそれらを被うラッチケースから成る既存のラッチ組立体を利用することにより、全体としての構造が簡単であるに関わらず、自動施錠を行い得る面付型電気錠を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の面付型電気錠は、扉の室内側表面の自由側端縁部に装着された錠箱内に、その扉枠に対向する側面を貫通して水平方向に移動できるように案内され、外方に突出する方向である前方に付勢されたデッドボルトを兼ねるラッチと、このラッチの後方部分としてラッチに一体的に結合され、前後方向に延在すると共に、後方部分の上下方向の側端縁に切欠を形成したラッチ杆と、ラッチの斜面と反対側の側面に接合するように配設され、錠箱の扉枠に対向する側面を貫通して水平方向に移動できるように案内されると共に、前方に付勢されたトリガーと、このトリガーの後方部分としてトリガーに一体的に結合され、前後方向に延在すると共に、後方部分に上下方向に突出するつば部を形成したたトリガー杆と、このトリガー杆の反対側においてラッチ杆と接合するように配設され、前後方向に延在すると共に同方向に移動できるように案内され、また、前端に上下方向に突出する突片を一体に形成した解錠板と、これらラッチ杆、トリガー杆及び解錠板に上下方向から跨がるように配設され、その前方部に係止爪、及び、傾斜部を有し、トリガー杆のつば部に係合可能に臨む折曲部を形成して、係止爪がラッチ杆の切欠に係合する方向に付勢されたストッパーとを有し、閉扉時ラッチが扉枠の係入孔に投入され、トリガーが錠箱への没入位置にあるときストッパーがラッチ杆の切欠と係合してラッチを突出状態に保持し、以て不正解錠を防止し、また、トリガー杆及び解錠板の何れか一方に前後方向に細長いガイド孔を、他方にこれと摺動可能に係合する突起を夫々形成し、更に、開扉時、トリガー杆のつば部によりストッパーの折曲部及び係止爪をラッチ杆から離間させ、以てラッチ及びラッチ杆が解錠板とは独立に錠箱へ没入し或いは錠箱から突出できるようにし、一方、解錠時、解錠板及びラッチ杆を少し後方に移動させることにより、解錠板の突片をストッパーの折曲部と係合させ、その係止爪とラッチ杆の切欠との係合を解くようにしたラッチ組立体を、ラッチの進退方向が水平となるように錠箱に固定すると共に、扉外面の操作部材に駆動されて錠箱内で前後方向に摺動可能に案内され、前方に向け付勢されたリトラクターを前記ラッチの後端部に係合させ、一方、錠箱内にソレノイドを設け、錠箱内において扉と平行な平面内で回動可能に枢支された停止片の一端をソレノイドの作動杆に連係させ、ソレノイドの作動杆の変位により、停止片の他端をリトラクターの移動軌跡内に選択的に進出させて、施錠時リトラクターを前進位置に拘束するようにしたことを特徴とする。
【0005】
【作用】
図1〜図3はいずれも扉の開放状態を示し、この状態ではラッチ組立体のラッチ及びそれに添設されたトリガーはいずれも突出位置にある。
【0006】
ここで、扉枠(図示しない)に対し扉を閉鎖すると、突出しているラッチ及びトリガーはラッチと扉枠との間のくさび作用により共に錠箱内に一旦没入し、扉枠の係入孔に至ってラッチのみが再び突出し、トリガーは没入位置に留まる。
【0007】
この際、操作部材を図3で右回りに回して操作軸及び係合部材を介してリトラクターを後退させようとしても、停止片の他端がリトラクターの後退領域内に位置しているので、操作部材によるラッチの没入は不能となり、施錠が行われたことになる。
【0008】
また、没入位置に存するトリガーは、ラッチを突出状態に保持させるものであって、不正解錠を防止する。
【0009】
デッドボルトを兼ねるラッチを解錠させるには、ソレノイドに通電して作動杆を図3で左方に変位させる。作動杆の変位に伴って、停止片が図3で矢印A方向に回動すると、停止片とリトラクターとの係合状態が解かれる。
【0010】
ここで、操作部材を手で持って回転軸及び係合部材を図3で右方向に回すと、リトラクターの後退に伴ってラッチが錠箱、すなわちラッチケース内に没入するので、扉は扉枠に対し手で開放できることになる。
【0011】
【実施例】
以下図面に示す実施例に基いてこの発明を説明する。
図1〜図3において、符号1は扉10の室内側表面101にねじ91等で取り付けられる錠箱、11はその蓋板、2は錠箱1内にねじ92等で組み付けられた既存のラッチ組立体である。
【0012】
この発明に用いられるラッチ組立体2は、デッドボルトを兼ねるラッチ21と、そのラッチ21に互に可動に添設されたトリガー22と、ラッチ21及びトリガー22を被うラッチケース23(中ケース)とを包含して構成され、国内外で汎用されているものであるから、その構造及び作用については図6及び図7において簡単に説明する。
【0013】
先端に斜面を有するラッチ21は、その進退方向が水平となるように装着され、後方部分は板状のラッチ杆24として構成されている。トリガー22の後方部分は板状のトリガー杆25として構成されており、トリガー杆25の中間部分には側面形が山形のつば部25aを有する。
【0014】
ラッチ杆24を中央にしてそれに添設されたトリガー杆25の反対側には前端の側面形がY字状とされた解錠板26が添設してある。
【0015】
前記のラッチ杆24、トリガー杆25及び解錠板26はラッチ杆24を中央にして相互に重合された状態でラッチケース23内を前後方向に移動可能に案内されている。
【0016】
更に、ラッチ杆24の前方幅広部の中央には、その軸線に沿って細長いガイド孔24aが開口させてあり、このガイド孔24aには、前記解錠板26の先端に設けた折曲部26aが摺動可能に係合している。また、ラッチ杆24及び解錠板26の後端部の側面形は互にほぼ同形のT字状に形成してある。
【0017】
図6及び図7に示すように、ラッチ21及びラッチ杆24を前方に向け付勢させる圧縮ばね27は、入れ子状の棒状案内手段28の回りに装着してあり、トリガー22及びトリガー杆25を前方に向け付勢させる圧縮ばね29は、入れ子状の棒状案内手段30の回りに装着してある。
【0018】
一方、上記のラッチ杆24、トリガー25及び解錠板26には、これらの上部から跨がるようにして側面形がL字状のストッパー31が配設されている。
【0019】
このストッパー31は、その前方部に形成された係止爪31aがラッチ杆24に形成された切欠き24bに近接する方向に例えば兼用の圧縮ばね27、29により付勢されているが、トリガー22が突出している開扉時には、その折曲部31bがトリガー杆25の山形状つば部25aに乗り上がり、係止爪31aは切欠き24bの移動軌跡から外れており、係止爪31aと切欠き24bとは係合しない。
【0020】
前記のような構成のラッチ組立体2は、エフ・エフ・ラッチ(F・F・latch)とも称せられるもので、上述したように周知である。扉が閉鎖され、トリガー22がラッチケース23内に押し込まれると、トリガー22と一体的に結合されたトリガー杆25のつば部25aが後方に移動する。
【0021】
その移動に伴ってストッパ31が前傾して、係止爪31aがラッチ杆24における切欠き24bの移動軌跡内に進出するので、扉枠の係入孔において突出したラッチ21は、工具類によりラッチケース23内に押し戻されることが阻止され、もって不正解錠が防止される。
【0022】
一方、解錠のため、ラッチ杆24及び解錠板26の後端部を一体的に後方に移動させると、解錠板26のY字状先端の一方(図6で上方)の突片がストッパ31の前端を圧縮ばね27、29による付勢力に抗して外方(上方)に押し上げるので、ストッパ31の係止爪31aがラッチ杆24の切欠き24bの移動軌跡外に退避することになり、ラッチ21を扉枠の係入孔から抜き出すことを可能とし、もって解錠に至る。
【0023】
図1〜図5に示すように、錠箱1内で前後方向に適当な案内手段41、41aより摺動案内され、また、前方に向け圧縮ばね42で付勢されるリトラクター4を前記ラッチ21におけるラッチ杆24の後端部に解錠板26の後端部と共に係合させる。
【0024】
リトラクター4は、例えば図4に明示するように板材を適当に折り曲げて製作するとよい。符号41aは圧縮ばね42を収容する錠箱の長さ方向に沿って設けられたばね収容部に嵌め込まれて案内手段の一方を形成する案内用突片で、ばね受けを兼ねる。
【0025】
符号43はラッチ21のT字状の後端部が係合されるコ字状突片、44は後述の回転軸5を逃がすための逃げ溝、45は後述の停止片7の他端が当接する衝合片、46は後述の回転軸5の係合部材53が係合する衝接片をそれぞれ示す。
【0026】
そして、ラッチ21の後端部はラッチ21が突出している状態でリトラクター4との係合部分45(衝合片)においてそのリトラクター4に対し後方への相対的移動が許容されるものであることを要する。
【0027】
錠箱1に回動自在に保持され、外端のつまみやハンドル等の操作部材51で回動する回転軸5は、その内端部に設けた円柱状の取付体52及び係合部材53を介してリトラクター4の衝接片46に係合させる。前記係合部材53の係合胴部は転輪とすることが望ましい。
【0028】
錠箱1内の上部には更にソレノイド6を設ける。このソレノイド6には通電コード62を通じて電流が供給される。そして、ソレノイド6の作動杆61には、錠箱1内に枢支した例えばく字状のレバーをなす停止片7の一端を連係させる。
【0029】
作動杆61と停止片7との連係部は、図示例ではピンと長孔により連係手段が用いられているが、他の連係手段を採用することもできる。符号71は停止片7を矢印A方向とは逆方向に回動させるように付勢させる圧縮ばねである。
【0030】
前記の停止片7は、例えば図5に明示するように板材を適当に折り曲げて製作するとよい。符号72は停止片7と一体のばね受け、73は停止片7の他端の前方に設けた衝合部、74はリトラクター4及び停止片7の戻りのタイミングがずれた際停止片7に対しリトラクター4を前方に向け逃がすために停止片7の他端に後方を低く傾斜させて設けた斜面をそれぞれ示す。
【0031】
停止片7の他端における衝合部73は、ソレノイド6の作動杆61の変位位置により、リトラクター4の作動領域内に選択的に進出させて、そのリトラクター4を前進位置に拘束させることができる。
【0032】
図3は、ソレノイド6に対する通電が断たれ、停止片7の他端の衝合部73がリトラクター4の作動領域内に進出した状態を示している。この状態でラッチ21が扉枠の係入孔(図示しない)に差し込まれた時は、リトラクター4の衝合片45は、操作部材51によりリトラクター4を後方に変位させようとしても停止片7の衝合部73に当接するので、施錠状態が保たれる。
【0033】
【発明の効果】
以上に説明したこの発明の面付型電気錠は、デッドボルトを兼ねるラッチ、そのラッチに添設されたトリガー及びそれらを被うラッチケースを含む既存のラッチ組立体を錠箱に組み付けて利用したものであるから、全体として構造が簡単であるに関わらず、自動施錠が達成されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の面付型電気錠の実施例を示す正面図。
【図2】その部分縦断平面図。
【図3】蓋板を取り外した状態におけるその部分縦断側面図。
【図4】図1の電気錠から取り外したリトラクターの拡大斜視図。
【図5】図1の電気錠から取り外した停止片の拡大斜視図。
【図6】図1の電気錠から取り外したラッチ組立体の拡大部分縦断側面図。
【図7】同じくそのラッチ組立体の拡大部分縦断平面図。
【符号の説明】
10 扉
101 室内側表面
1 錠箱
2 ラッチ組立体
21 ラッチ
22 トリガー
23 ラッチケース
4 リトラクター
5 回転軸
51 操作部材
53 係合部材
6 ソレノイド
61 作動杆
7 停止片
【産業上の利用分野】
この発明は、面付型電気錠、殊に、デッドボルトを兼ねるラッチを含むラッチ組立体を有する新規な面付型電気錠に関する。
【0002】
【従来の技術】
面付型電気錠として従来最も一般的なものは、前端に傾斜面のないデッドボルトをソレノイドの作動により錠箱から突出入させるものである。この面付型電気錠は、自動施錠ができないこと、また、空錠として用いるときは別にラッチを設ける必要があって、全体としての構造が複雑になるなどの欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、デッドボルトを兼ねるラッチ、そのラッチに添設されたトリガー及びそれらを被うラッチケースから成る既存のラッチ組立体を利用することにより、全体としての構造が簡単であるに関わらず、自動施錠を行い得る面付型電気錠を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の面付型電気錠は、扉の室内側表面の自由側端縁部に装着された錠箱内に、その扉枠に対向する側面を貫通して水平方向に移動できるように案内され、外方に突出する方向である前方に付勢されたデッドボルトを兼ねるラッチと、このラッチの後方部分としてラッチに一体的に結合され、前後方向に延在すると共に、後方部分の上下方向の側端縁に切欠を形成したラッチ杆と、ラッチの斜面と反対側の側面に接合するように配設され、錠箱の扉枠に対向する側面を貫通して水平方向に移動できるように案内されると共に、前方に付勢されたトリガーと、このトリガーの後方部分としてトリガーに一体的に結合され、前後方向に延在すると共に、後方部分に上下方向に突出するつば部を形成したたトリガー杆と、このトリガー杆の反対側においてラッチ杆と接合するように配設され、前後方向に延在すると共に同方向に移動できるように案内され、また、前端に上下方向に突出する突片を一体に形成した解錠板と、これらラッチ杆、トリガー杆及び解錠板に上下方向から跨がるように配設され、その前方部に係止爪、及び、傾斜部を有し、トリガー杆のつば部に係合可能に臨む折曲部を形成して、係止爪がラッチ杆の切欠に係合する方向に付勢されたストッパーとを有し、閉扉時ラッチが扉枠の係入孔に投入され、トリガーが錠箱への没入位置にあるときストッパーがラッチ杆の切欠と係合してラッチを突出状態に保持し、以て不正解錠を防止し、また、トリガー杆及び解錠板の何れか一方に前後方向に細長いガイド孔を、他方にこれと摺動可能に係合する突起を夫々形成し、更に、開扉時、トリガー杆のつば部によりストッパーの折曲部及び係止爪をラッチ杆から離間させ、以てラッチ及びラッチ杆が解錠板とは独立に錠箱へ没入し或いは錠箱から突出できるようにし、一方、解錠時、解錠板及びラッチ杆を少し後方に移動させることにより、解錠板の突片をストッパーの折曲部と係合させ、その係止爪とラッチ杆の切欠との係合を解くようにしたラッチ組立体を、ラッチの進退方向が水平となるように錠箱に固定すると共に、扉外面の操作部材に駆動されて錠箱内で前後方向に摺動可能に案内され、前方に向け付勢されたリトラクターを前記ラッチの後端部に係合させ、一方、錠箱内にソレノイドを設け、錠箱内において扉と平行な平面内で回動可能に枢支された停止片の一端をソレノイドの作動杆に連係させ、ソレノイドの作動杆の変位により、停止片の他端をリトラクターの移動軌跡内に選択的に進出させて、施錠時リトラクターを前進位置に拘束するようにしたことを特徴とする。
【0005】
【作用】
図1〜図3はいずれも扉の開放状態を示し、この状態ではラッチ組立体のラッチ及びそれに添設されたトリガーはいずれも突出位置にある。
【0006】
ここで、扉枠(図示しない)に対し扉を閉鎖すると、突出しているラッチ及びトリガーはラッチと扉枠との間のくさび作用により共に錠箱内に一旦没入し、扉枠の係入孔に至ってラッチのみが再び突出し、トリガーは没入位置に留まる。
【0007】
この際、操作部材を図3で右回りに回して操作軸及び係合部材を介してリトラクターを後退させようとしても、停止片の他端がリトラクターの後退領域内に位置しているので、操作部材によるラッチの没入は不能となり、施錠が行われたことになる。
【0008】
また、没入位置に存するトリガーは、ラッチを突出状態に保持させるものであって、不正解錠を防止する。
【0009】
デッドボルトを兼ねるラッチを解錠させるには、ソレノイドに通電して作動杆を図3で左方に変位させる。作動杆の変位に伴って、停止片が図3で矢印A方向に回動すると、停止片とリトラクターとの係合状態が解かれる。
【0010】
ここで、操作部材を手で持って回転軸及び係合部材を図3で右方向に回すと、リトラクターの後退に伴ってラッチが錠箱、すなわちラッチケース内に没入するので、扉は扉枠に対し手で開放できることになる。
【0011】
【実施例】
以下図面に示す実施例に基いてこの発明を説明する。
図1〜図3において、符号1は扉10の室内側表面101にねじ91等で取り付けられる錠箱、11はその蓋板、2は錠箱1内にねじ92等で組み付けられた既存のラッチ組立体である。
【0012】
この発明に用いられるラッチ組立体2は、デッドボルトを兼ねるラッチ21と、そのラッチ21に互に可動に添設されたトリガー22と、ラッチ21及びトリガー22を被うラッチケース23(中ケース)とを包含して構成され、国内外で汎用されているものであるから、その構造及び作用については図6及び図7において簡単に説明する。
【0013】
先端に斜面を有するラッチ21は、その進退方向が水平となるように装着され、後方部分は板状のラッチ杆24として構成されている。トリガー22の後方部分は板状のトリガー杆25として構成されており、トリガー杆25の中間部分には側面形が山形のつば部25aを有する。
【0014】
ラッチ杆24を中央にしてそれに添設されたトリガー杆25の反対側には前端の側面形がY字状とされた解錠板26が添設してある。
【0015】
前記のラッチ杆24、トリガー杆25及び解錠板26はラッチ杆24を中央にして相互に重合された状態でラッチケース23内を前後方向に移動可能に案内されている。
【0016】
更に、ラッチ杆24の前方幅広部の中央には、その軸線に沿って細長いガイド孔24aが開口させてあり、このガイド孔24aには、前記解錠板26の先端に設けた折曲部26aが摺動可能に係合している。また、ラッチ杆24及び解錠板26の後端部の側面形は互にほぼ同形のT字状に形成してある。
【0017】
図6及び図7に示すように、ラッチ21及びラッチ杆24を前方に向け付勢させる圧縮ばね27は、入れ子状の棒状案内手段28の回りに装着してあり、トリガー22及びトリガー杆25を前方に向け付勢させる圧縮ばね29は、入れ子状の棒状案内手段30の回りに装着してある。
【0018】
一方、上記のラッチ杆24、トリガー25及び解錠板26には、これらの上部から跨がるようにして側面形がL字状のストッパー31が配設されている。
【0019】
このストッパー31は、その前方部に形成された係止爪31aがラッチ杆24に形成された切欠き24bに近接する方向に例えば兼用の圧縮ばね27、29により付勢されているが、トリガー22が突出している開扉時には、その折曲部31bがトリガー杆25の山形状つば部25aに乗り上がり、係止爪31aは切欠き24bの移動軌跡から外れており、係止爪31aと切欠き24bとは係合しない。
【0020】
前記のような構成のラッチ組立体2は、エフ・エフ・ラッチ(F・F・latch)とも称せられるもので、上述したように周知である。扉が閉鎖され、トリガー22がラッチケース23内に押し込まれると、トリガー22と一体的に結合されたトリガー杆25のつば部25aが後方に移動する。
【0021】
その移動に伴ってストッパ31が前傾して、係止爪31aがラッチ杆24における切欠き24bの移動軌跡内に進出するので、扉枠の係入孔において突出したラッチ21は、工具類によりラッチケース23内に押し戻されることが阻止され、もって不正解錠が防止される。
【0022】
一方、解錠のため、ラッチ杆24及び解錠板26の後端部を一体的に後方に移動させると、解錠板26のY字状先端の一方(図6で上方)の突片がストッパ31の前端を圧縮ばね27、29による付勢力に抗して外方(上方)に押し上げるので、ストッパ31の係止爪31aがラッチ杆24の切欠き24bの移動軌跡外に退避することになり、ラッチ21を扉枠の係入孔から抜き出すことを可能とし、もって解錠に至る。
【0023】
図1〜図5に示すように、錠箱1内で前後方向に適当な案内手段41、41aより摺動案内され、また、前方に向け圧縮ばね42で付勢されるリトラクター4を前記ラッチ21におけるラッチ杆24の後端部に解錠板26の後端部と共に係合させる。
【0024】
リトラクター4は、例えば図4に明示するように板材を適当に折り曲げて製作するとよい。符号41aは圧縮ばね42を収容する錠箱の長さ方向に沿って設けられたばね収容部に嵌め込まれて案内手段の一方を形成する案内用突片で、ばね受けを兼ねる。
【0025】
符号43はラッチ21のT字状の後端部が係合されるコ字状突片、44は後述の回転軸5を逃がすための逃げ溝、45は後述の停止片7の他端が当接する衝合片、46は後述の回転軸5の係合部材53が係合する衝接片をそれぞれ示す。
【0026】
そして、ラッチ21の後端部はラッチ21が突出している状態でリトラクター4との係合部分45(衝合片)においてそのリトラクター4に対し後方への相対的移動が許容されるものであることを要する。
【0027】
錠箱1に回動自在に保持され、外端のつまみやハンドル等の操作部材51で回動する回転軸5は、その内端部に設けた円柱状の取付体52及び係合部材53を介してリトラクター4の衝接片46に係合させる。前記係合部材53の係合胴部は転輪とすることが望ましい。
【0028】
錠箱1内の上部には更にソレノイド6を設ける。このソレノイド6には通電コード62を通じて電流が供給される。そして、ソレノイド6の作動杆61には、錠箱1内に枢支した例えばく字状のレバーをなす停止片7の一端を連係させる。
【0029】
作動杆61と停止片7との連係部は、図示例ではピンと長孔により連係手段が用いられているが、他の連係手段を採用することもできる。符号71は停止片7を矢印A方向とは逆方向に回動させるように付勢させる圧縮ばねである。
【0030】
前記の停止片7は、例えば図5に明示するように板材を適当に折り曲げて製作するとよい。符号72は停止片7と一体のばね受け、73は停止片7の他端の前方に設けた衝合部、74はリトラクター4及び停止片7の戻りのタイミングがずれた際停止片7に対しリトラクター4を前方に向け逃がすために停止片7の他端に後方を低く傾斜させて設けた斜面をそれぞれ示す。
【0031】
停止片7の他端における衝合部73は、ソレノイド6の作動杆61の変位位置により、リトラクター4の作動領域内に選択的に進出させて、そのリトラクター4を前進位置に拘束させることができる。
【0032】
図3は、ソレノイド6に対する通電が断たれ、停止片7の他端の衝合部73がリトラクター4の作動領域内に進出した状態を示している。この状態でラッチ21が扉枠の係入孔(図示しない)に差し込まれた時は、リトラクター4の衝合片45は、操作部材51によりリトラクター4を後方に変位させようとしても停止片7の衝合部73に当接するので、施錠状態が保たれる。
【0033】
【発明の効果】
以上に説明したこの発明の面付型電気錠は、デッドボルトを兼ねるラッチ、そのラッチに添設されたトリガー及びそれらを被うラッチケースを含む既存のラッチ組立体を錠箱に組み付けて利用したものであるから、全体として構造が簡単であるに関わらず、自動施錠が達成されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の面付型電気錠の実施例を示す正面図。
【図2】その部分縦断平面図。
【図3】蓋板を取り外した状態におけるその部分縦断側面図。
【図4】図1の電気錠から取り外したリトラクターの拡大斜視図。
【図5】図1の電気錠から取り外した停止片の拡大斜視図。
【図6】図1の電気錠から取り外したラッチ組立体の拡大部分縦断側面図。
【図7】同じくそのラッチ組立体の拡大部分縦断平面図。
【符号の説明】
10 扉
101 室内側表面
1 錠箱
2 ラッチ組立体
21 ラッチ
22 トリガー
23 ラッチケース
4 リトラクター
5 回転軸
51 操作部材
53 係合部材
6 ソレノイド
61 作動杆
7 停止片
Claims (1)
- 扉の室内側表面の自由側端縁部に装着された錠箱内に、その扉枠に対向する側面を貫通して水平方向に移動できるように案内され、外方に突出する方向である前方に付勢されたデッドボルトを兼ねるラッチと、このラッチの後方部分としてラッチに一体的に結合され、前後方向に延在すると共に、後方部分の上下方向の側端縁に切欠を形成したラッチ杆と、ラッチの斜面と反対側の側面に接合するように配設され、錠箱の扉枠に対向する側面を貫通して水平方向に移動できるように案内されると共に、前方に付勢されたトリガーと、このトリガーの後方部分としてトリガーに一体的に結合され、前後方向に延在すると共に、後方部分に上下方向に突出するつば部を形成したトリガー杆と、このトリガー杆の反対側においてラッチ杆と接合するように配設され、前後方向に延在すると共に同方向に移動できるように案内され、また、前端に上下方向に突出する突片を一体に形成した解錠板と、これらラッチ杆、トリガー杆及び解錠板に上下方向から跨がるように配設され、その前方部に係止爪、及び、傾斜部を有し、トリガー杆のつば部に係合可能に臨む折曲部を形成して、係止爪がラッチ杆の切欠に係合する方向に付勢されたストッパーとを有し、閉扉時ラッチが扉枠の係入孔に投入され、トリガーが錠箱への没入位置にあるときストッパーがラッチ杆の切欠と係合してラッチを突出状態に保持し、以て不正解錠を防止し、また、トリガー杆及び解錠板の何れか一方に前後方向に細長いガイド孔を、他方にこれと摺動可能に係合する突起を夫々形成し、更に、開扉時、トリガー杆のつば部によりストッパーの折曲部及び係止爪をラッチ杆から離間させ、以てラッチ及びラッチ杆が解錠板とは独立に錠箱へ没入し或いは錠箱から突出できるようにし、一方、解錠時、解錠板及びラッチ杆を少し後方に移動させることにより、解錠板の突片をストッパーの折曲部と係合させ、その係止爪とラッチ杆の切欠との係合を解くようにしたラッチ組立体を、ラッチの進退方向が水平となるように錠箱に固定すると共に、扉外面の操作部材に駆動されて錠箱内で前後方向に摺動可能に案内され、前方に向け付勢されたリトラクターを前記ラッチの後端部に係合させ、一方、錠箱内にソレノイドを設け、錠箱内において扉と平行な平面内で回動可能に枢支された停止片の一端をソレノイドの作動杆に連係させ、ソレノイドの作動杆の変位により、停止片の他端をリトラクターの移動軌跡内に選択的に進出させて、施錠時リトラクターを前進位置に拘束するようにしたことを特徴とする面付型電気錠。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04049694A JP3583802B2 (ja) | 1994-02-15 | 1994-02-15 | 面付型電気錠 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP04049694A JP3583802B2 (ja) | 1994-02-15 | 1994-02-15 | 面付型電気錠 |
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JPH07229335A JPH07229335A (ja) | 1995-08-29 |
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Family Applications (1)
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JP04049694A Expired - Fee Related JP3583802B2 (ja) | 1994-02-15 | 1994-02-15 | 面付型電気錠 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3583802B2 (ja) |
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-
1994
- 1994-02-15 JP JP04049694A patent/JP3583802B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07229335A (ja) | 1995-08-29 |
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