JP3578593B2 - 基板整列装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板整列装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、被処理基板例えば半導体ウエハ(以下単にウエハともいう)を処理あるいは検査するに際して、ウエハには結晶の方向性があることから、ウエハの向きについて位置合せを行わなければならない。このため、ウエハの周縁部には、位置決め用の印として、オリエンテーションフラット(オリフラともいう)もしくはノッチが設けられている。なお、オリフラよりもノッチの方がウエハの切欠面積が小さく、無駄になる部分が少ないことから、大口径ウエハに多く採用される傾向がある。
【0003】
そして、例えば多数枚のウエハを一括して処理するバッチ式の処理装置においては、8インチウエハの場合、プラスチック製の搬送用容器であるカセット(キャリアともいう)内に複数枚例えば25枚のウエハを垂直状態で収容したままの状態で、下方からカセット内のウエハにローラを接触させて回転を与え、オリフラを一方向に整列させるようにしたバッチ式の基板整列装置が提案されている。また、ウエハを一枚ずつ処理する枚葉式の処理装置においては、回転テーブル上にウエハを一枚ずつ載せて、ウエハの向きおよび中心の位置合せを行うようにした機構が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウエハの直径が例えば12インチ(300mm)を超える大口径化に伴い、既存のバッチ式基板整列装置では、ウエハに自重によるストレスが多くかかるようになるため、適用することが困難になって来ている。また、ウエハのパーティクル汚染を抑えるために密閉型のカセットが検討されているが、この場合にはカセット内でウエハの位置合せを行うことができない。
【0005】
このような場合には、ウエハをカセット内から取り出して位置合せを行わなければならないが、例えば熱処理をバッチ式に行う熱処理装置では、ウエハを複数枚例えば5枚ずつ一括して熱処理用治具であるウエハボートに移載することから、既述のように回転テーブルにウエハを一枚ずつ載せて行う機構ではスループットが低下してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものである。本発明の目的は、複数の被処理基板に対して一括して中心および向きの位置合せを行うことができる基板整列装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、ベースプレートに立設された固定枠と、該固定枠に昇降可能に設けられた昇降枠と、該昇降枠に上下方向に適宜間隔で多段に且つ片持梁状に設けられ、搬送アームにより水平状態で多段に支持されて水平方向から搬送された複数枚の被処理基板の周縁部をすくい上げて多段に支持する平面ほぼU字状の水平な支持板と、上記固定枠に水平な支持フレームを介して上記支持板と対応してその内側に多段に配置され、上記支持板の下降により支持板から被処理基板が受け渡される回転テーブルと、上記ベースプレート上に配設された駆動手段により被処理基板のほぼ半径方向に移動操作され、各段の被処理基板の周縁部に少なくとも3方向から接触して一括して心出しを行う支柱と、被処理基板の周縁部に有する位置決め用の印を検出する検出部と、この検出部からの検出信号により上記印が一方向に揃うように回転テーブルの回転量を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
これにより、簡単な構成で複数枚の被処理基板に対して一括して中心および向きの位置合せを行うことが可能となり、装置のコンパクト化およびスループットの向上が図れる。上記基板整列装置においては、上記支持板の上面に被処理基板の周縁部を支持板の上面から浮かせた状態に支持する複数の支持ピンが周方向に適宜間隔で設けられ、該支持ピンは被処理基板をすくい上げる時にその周縁部に接して予備的な心出しを行うテーパー部と、心出しされた被処理基板の周縁部を小範囲で水平移動可能に支持する段部とを有し、上記支柱が支持ピンの段部に支持されている被処理基板の心出しを行うことが被処理基板にストレスを与えないように2段階で心出しを行う上で好ましい。また、上記支持フレームは内部が中空に形成され、支持フレーム内の先端側には回転テーブルを取付ける従動プーリが回転可能に設けられ、支持フレーム内の基端側には電動モータで駆動される駆動プーリが配置され、駆動プーリと従動プーリにはベルトが巻き掛けられ、隣合う電動モータの干渉を避けるために電動モータが左右に交互に配置されていることが好ましい。
【0011】
【実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明の実施の形態に係る基板整列装置を含む移載ステーションの一部を示す概略斜視図、図2は同基板整列装置を示す平面図、図3は同基板整列装置を示す側面図である。
【0012】
バッチ式処理装置の一つである例えば縦型熱処理装置の筐体内には、被処理基板である半導体ウエハWの移載を行うための移載ステーションが設けられている。この移載ステーションには、大口径例えば直径300mmの複数枚例えば13枚のウエハWを多段に収容したプラスチック製の搬送用容器であるカセット1と、複数枚例えば5枚のウエハWを多段に支持して同軸上(同一中心線上)で心出し(中心の位置合せ:センタリング)およびノッチ合せ(周方向の位置合せ)を行う基板整列装置2と、これらカセット1と基板整列装置2との間あるいはこの基板整列装置2と図示しない熱処理用治具である垂直起立状態のウエハボートとの間でウエハWの移替えを行う移載機構3とが設けられている。
【0013】
上記ウエハWの周縁部には、結晶方向を示す位置決め用の印として、小半円形の切欠部であるノッチ4が設けられている(図2参照)。上記カセット1は、移載ステーションにおけるカセットステージに載置される。上記カセット1としては、ウエハWのパーティクル汚染を抑えるために、前面開放部に図示しない着脱可能な蓋体を備えた密閉型であることが好ましい。カセット1の蓋体は、図示しない開閉機構により開閉されるようになっている。
【0014】
上記移載機構3は、複数枚例えば5枚のウエハWを一括して移載できるように薄板状のフォーク5を多段に有する搬送アーム6を備えており、この搬送アーム6が水平方向に進退、水平回動および昇降可能に構成されている。また、上記搬送アーム6のフォーク5は、配列間隔(上下間隔)が可変に構成されていることが好ましい。
【0015】
上記基板配列装置2は、図2ないし図3にも示すように、上記搬送アーム6により水平方向から搬送された複数枚のウエハWの周縁部をすくい上げて多段に支持する昇降可能な支持部7を備えている。この支持部7は、平面ほぼU字状に形成された水平な支持板8により構成されている。支持板8は、上下方向に適宜間隔例えば上記カセット1内のウエハ収納間隔(ウエハ収納溝ピッチ)と同じ間隔で多段例えば5段に配置され、基端部が昇降枠9に共通に取付けられることにより、片持梁状に設けられている。これら支持板8の間隔を精度よく保持するために、隣合う支持板8の基部側間にスペーサ10を介設し、これらスペーサ10を介して支持板8を昇降枠9に固定することが好ましい。
【0016】
上記昇降枠9は、ベースプレート11上に立設された固定枠12にガイド例えばリニアガイド13を介して昇降可能に支持されている。また、固定枠12には、上記昇降枠9を昇降操作する例えばボールネジを有する昇降駆動部14が取付けられている。昇降枠9の昇降高さレベルの検出は、昇降駆動部14にエンコーダ等のセンサーを設けて行うようにしてもよく、あるいは図示例のように、昇降枠9に被検出体であるドグ15を設け、固定枠12にそのドグ15を検出するセンサー16を設けて行うようにしてもよい。
【0017】
上記支持部7を構成する支持板8は、その上面にウエハWの下面を面接触で直接支持するように構成されていてもよいが、ウエハ心出し時の摩擦抵抗の軽減やフォーク5による移載の容易化等を図るために、支持板8の上面に各ウエハWの周縁部を支持板8の上面から浮かせた状態で支持する複数個例えば4個の支持ピン17が周方向に適宜間隔で設けられていることが好ましい。また、この支持ピン17は、ウエハWをすくい上げる時にその周縁部に接して予備的な心出しを行うテーパー部18と、心出しされたウエハWの周縁部を小範囲で水平移動可能に支持する段部19とを有していることが後述する如くウエハにストレスを与えないように2段階で心出しを行う上で好ましい。
【0018】
上記支持ピン17は、例えば所定高さの円柱部の上端にこれよりも小径の円錐部もしくは裁頭円錐部を形成することにより簡単に得られる。支持ピン17の上端とその直上に位置する支持板8との間には、ウエハWを水平方向から搬入搬出するための所定の隙間が形成されている必要がある。上記支持ピン17の材料としては、例えば石英であってもよいが、摩擦抵抗が小さく、またウエハに対するパーティクル汚染も少ない樹脂例えばPEEK樹脂が好適である。
【0019】
上記支持部7の周囲には、各段のウエハWの周縁部に少なくとも3方向から接触してウエハWの心出しを一括して行う支柱20が配置され、これら支柱20がウエハWのほぼ半径方向に移動可能に設けられている。図示例では、支柱20は、ウエハWの周囲に位置するようにその周方向にほぼ等間隔で3本配置されており、レイアウト上そのうちの1本が支持板8の内側に配置されている。また、支持板8の周縁部には、他の2本の支柱20との干渉を避けるための切欠部21が設けられていることが好ましい。支柱20の材料としては、例えば石英であってもよいが、アルミナが好適である。また、支柱20の形状としては、円柱状が好ましい。
【0020】
上記支柱20をウエハWのほぼ半径方向に移動操作する駆動手段として、上記ベースプレート11上には、各支柱20の下端部を支持してウエハWのほぼ半径方向に進退移動させるエアシリンダ22が配設されている。図示例のエアシリンダ22は、上部にリニアガイド23を介して水平方向に進退移動する作動体24を備えており、この作動体24に上記支柱20が立設されている。上記支柱20の移動ストロークを規制するために、上記ベースプレート11上には、図7にも示すように、エアシリンダ22の一側方に位置させてこれと平行なストッパー軸25がストッパーベース26を介して設けられている。
【0021】
上記ストッパー軸25には、上記エアシリンダ22の作動体24に固定されたアーム27が摺動可能に係合されており、これにより支柱20の移動ストロークエンド(前進エンドと後退エンド)が規制されるように構成されている。また、上記ストッパー軸25の基部側には、ストッパーベース26に螺合するネジ部28が形成されており、ストッパー軸25を回転することにより、支柱20の移動ストロークエンドの位置を調整できるようになっている。支柱20がウエハWの周縁部を必要以上に押圧してストレスを与えることがないようにするために、その前進エンドの位置を上記ストッパー軸25の回転により調整する。
【0022】
上記支持部7の内側には、支持部7の下降によりウエハWを載置する円板状の回転テーブル29が支持部7の支持板8と対応して多段例えば5段に配置されている。 各回転テーブル29は、水平な支持フレーム30の先端側上部に設けられており、各支持フレーム30の基部側が上記固定枠12に共通に固定されている。上記回転テーブル29および支持フレーム30は、上記支持板8の昇降移動に干渉しない大きさに形成されている。
【0023】
上記回転テーブル29の上面には、ウエハWを直接支持してもよいが、ごみの付着防止等の観点よりウエハWを回転テーブル29の上面から浮して支持するための複数例えば3個の突状支持材31が設けられていることが好ましい。この突状支持材31の材料としては、緩衝性および摩擦抵抗を有するもの、その中でもウエハに対するパーティクル汚染の少ない例えばフッ素系ゴム、具体的にはカルレッツ(商品名)が好ましい。
【0024】
上記支持フレーム30は、図4にも示すように、回転テーブル29の基部側回転部32を収容するために内部が中空となった箱状に形成されていることが好ましい。この場合、支持フレーム30は、上部が開放された箱状に形成されており、その上部にフレームカバー33がネジ止め等により着脱可能に取付けられていることがメンテナンス上好適である。上記支持フレーム30内の先端側には、支軸34が立設され、この支軸34に軸受例えばクロスベアリング35を介して従動プーリ36が上記フレームカバー33を貫通する状態で回転可能に取付けられ、この従動プーリ36の上端部に回転テーブル29がネジ止め等により着脱可能に取付けられている。上記従動プーリ36等が回転テーブル29の基部側回転部32を構成している。
【0025】
上記支持フレーム30内の基端側には、電動モータ好ましくはパルスモータ37で駆動される駆動プーリ38が配置され、この駆動プーリ38と上記従動プーリ36にはベルト好ましくはタイミングベルト39が巻き掛けられている。上記モータ38は、図5にも示すように、モータベース40に取付けられており、このモータベース40が上記支持フレーム30の基端側下面にネジ41で取付けられている。
【0026】
上記モータベース40には、ネジ41での取付けに際して位置調整が可能なように長穴42が設けられていると共に、上記タイミングベルト39に所望のテンションを与えるべくモータベース40を引っ張るためのフック43が一体的に設けられている。このフック43にプルゲージを引っ掛けて引っ張ることにより、タイミングベルト39を適正な張力で張ることができる。なお、隣合うモータ37同士の干渉を避けるために、モータ37は左右に交互に配置されていることが好ましい。
【0027】
また、上記支持フレーム30の基端側には、図6にも示すように、内部を負圧に排気する図示しない排気手段例えば排気系に通じる吸引チューブを接続するための排気口44が設けられていることがパーティクル汚染を防止する上で好ましい。これにより、回転テーブル29の基部側回転部32やタイミングベルト39等から発生するごみが支持フレーム30外に飛散することを防止でき、ウエハWのパーティクル汚染を防止できる。
【0028】
一方、上記支持部7の側方には、ウエハWの周縁部に有するノッチ4を検出する検出部45が設けられ、この検出部45からの検出信号に基いて上記ノッチ4が一方向に揃うように回転テーブル29の回転量を制御部46により制御するように構成されている。上記検出部45は、ベースプレート11上に立設されたセンサータワー47に各回転テーブル29上のウエハWと対応して設けられている。
【0029】
上記検出部45は、図8にも示すように、各ウエハWの周縁部を挟んで対向する投光部48と受光部49を有する光センサーからなり、投光部48から受光部49に向う例えば赤外光線からなる光軸がウエハWの周縁部で遮断された状態から、ノッチ4を通って通過する状態になることによりノッチ4の位置を検出できるようになっている。誤検出を防止するために、隣合う光センサー間には遮光板50が配置されていることが好ましい。また、上記支持板8の周縁部には、検出部45を有するセンサータワー47との干渉を避けるために切欠部51が設けられていることが好ましい。
【0030】
上記ウエハWのノッチ4を一方向に整列させる基板整列方法においては、上記回転テーブル29の駆動によりウエハWを一方向に回転させ、上記ノッチ4が検出部45を越える(オーバーランする)ようにして回転を停止させた後、逆方向に低速で回転させながら上記検出部45によりノッチ4を検出するように構成されていることが検出精度の向上を図る上で好ましい。また、上記検出部45によりノッチ4の位置を検出したら、その位置から所望の回転角度だけウエハWを回転させるようにすることにより、ノッチ4を所望の方向に整列させることができる。
【0031】
以上の構成からなる基板整列装置2は、設置台52上に設置されるが、その場合、位置決めの容易化を図るためにキネマティック・カップリング53を採用することが好ましい。このキネマティック・カップリング53は、図3ないし図9に示すように、基板整列装置2のベースプレート11の底部に配設された断面逆V字状の溝54を有するブロック55と、このブロック55の溝54に係合する球面状の先端部を有する軸体56とから構成されている。
【0032】
上記ブロック55は、ベースプレート11の下面に所定の間隔で放射状に3個取付けられる。上記軸体56は、設置台52に上記ブロック55と対応させて3本立設される。軸体56は、設置台52に螺合されていて高さ調整が可能になっている。これら軸体56上にブロック55の溝54が係合するように基板整列装置2を載置することにより、基板整列装置2を所定の位置に容易に位置決めすることができる。位置決め後、図示しない固定ボルトにより基板整列装置2のベースプレート11を設置台52に固定すればよい。このように位置決めが容易にできるため、狭隘な空間に基板整列装置2を設置する場合にも、設置が正確且つ容易にでき、メンテナンスも容易である。
【0033】
上記3個のブロック55のうち、1個のブロック55は基板整列装置2に対する搬送アーム6によるウエハWの搬送方向Xに一致させておくことが好ましい。これにより、他の2個のブロック55に対応する軸体56による左右の高さ調整を行うだけで、搬送されるウエハWに対する平行調整を容易に行うことが可能となる。
【0034】
次に、上記構成からなる基板整列装置2の作用および基板整列方法について述べる。先ず、移載機構3の搬送アーム6のフォーク5をカセット1内に進入させて複数枚例えば5枚のウエハWを多段状態で一括してすくい上げ、カセット1内から搬出する。次に、基板整列装置2の方向に上記フォーク5の向きを変えて前進させることにより、ウエハWを基板整列装置2内に水平方向から搬入する。この時、基板整列装置2における支持部7の支持板8は、昇降ストロークのほぼ中間位置に設定されており、ウエハWおよびフォーク5は、支持板8上の支持ピン17や回転テーブル29と接触することなく最上段の支持板8上方および隣合う支持板8間に水平に進入する。
【0035】
上記搬送アームによりウエハWが基板整列装置2内に搬送されると、昇降駆動部14が起動し、昇降枠9を介して支持板8が上昇エンドまで上昇移動する。これら支持板8の上昇移動により、ウエハWがフォーク5上からすくい上げられる。この時、支持板8上に設けられている支持ピン17がテーパー部18と段部19を有する形状に形成されているため、ウエハWの周縁部が支持ピン17のテーパー部18により内方へ案内され、概略的で予備的な心出しが行われながら、最終的に段部19に支持される。上記すくい上げ終了後、フォーク5が基板整列装置2から後退する。
【0036】
次に、後退位置に待機している心出し用の3本の支柱20がエアシリンダ22の駆動によりほぼ半径方向内方へ前進し、これら支柱20が各段のウエハWの周縁部に同時に接触して押圧することにより、複数枚のウエハWの心出しが一括して行われる。この時、ウエハWの周縁部が支持ピン17の段部19上に小範囲で水平移動可能に支持されていることから、心出しが円滑に容易に行われる。上記支柱20の前進エンドがストッパー軸25により規制されることにより、ウエハWには必要以上の押圧力が作用することがなく、ウエハWにストレスを与える恐れはない。
【0037】
また、第1段階として、支持ピン17のテーパー部18により各段のウエハWの概略的で予備的な心出しを個別に行った後、第2段階として、共通の支柱20により一括して全段のウエハWの最終的な心出し(本心出し)を行うというようにウエハWの心出しを2段階で行うようにしたので、ウエハWにストレスを与えることなく円滑に心出しを行うことが可能となる。この心出しにより、ウエハWの中心が回転テーブル29の回転中心に一致される。上記心出しの終了後、支柱20は後退エンドまで後退してウエハの周縁部から離れる。
【0038】
次に、支持部7の支持板8が下降エンドまで下降移動し、各段のウエハWが支持ピン17上から回転テーブル29上に受け渡される。こうしてウエハWが回転テーブル29上に載置されると、回転テーブル29がモータ37の駆動により一方向例えば時計方向に回転し、ウエハWを回転させる。このウエハWの回転により、その周縁部のノッチ4が光センサーからなる検出部45に至ると、この検出部45によりノッチ4の位置が検出され、この検出信号に基いて制御部46によりノッチ4が一方向に揃うように回転テーブル29の回転量が制御される。
【0039】
この場合、上記回転テーブル29の駆動によりウエハWを一方向(時計方向)に回転させ、上記ノッチ4が検出部45を越える(オーバーランする)ようにして回転を停止させた後、逆方向(反時計方向)に低速で回転させながら上記検出部45によりノッチ4を検出するように制御することが好ましい。これにより、ノッチ4の位置を正確に検出することが可能となる。また、上記検出部45によりノッチ4の位置を検出したら、その位置から所定の回転角度だけウエハWを同方向(反時計方向)に回転させるようにすることにより、ノッチ4を所定の方向に向けて整列させることができる。
【0040】
こうしてウエハWの心出しおよびノッチ合せが終了したなら、支持板8が昇降ストロークのほぼ中間位置まで上昇移動することにより、回転テーブル29上からウエハWをすくい上げる。次いで、ウエハWと回転テーブル29との間に搬送アーム6のフォーク5が進入し、ウエハWをすくい上げて基板整列装置2から搬出し、図示しないウエハボートに移載する。
【0041】
このように上記基板整列装置2ないし基板整列方法によれば、複数枚のウエハWを多段に支持して同軸上で心出しおよびノッチ合せを行うことが可能となり、スループットの向上が図れ、例えば密閉型のカセットを用いた場合のスループット対策に有効である。また、多段構造で、構成が簡単であるため、コンパクト化が図れ、占有スペースも狭くてよい。
【0042】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。例えば、ウエハWの周縁部に設けられる印としては、必ずしもノッチ、あるいはオリフラである必要はなく、例えばマークやバーコード等であってもよい。また、回転テーブル29の駆動手段としては、必ずしもベルト駆動である必要はなく、例えば薄型のモータを回転テーブルに直結するようにしてもよい。
【0043】
また、基板整列装置2は、複数台並設して使用するようにしてもよい。例えば、図10に示すように、カセットステージにカセット1を左右に2個並べて設置するようにし、その下方に基板整列装置2を左右に2台設置するようにしてもよい。これによれば、一方の基板整列装置でウエハの心出しおよびノッチ合せを行っている間に他方の基板整列装置におけるウエハの移載作業を行うことができ、スループットの更なる向上が図れる。
【0044】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0046】
本発明によれば、簡単な構成で複数枚の被処理基板に対して一括して中心および向きの位置合せを行うことが可能となり、装置のコンパクト化およびスループットの向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る基板整列装置を含む移載ステーションの一部を示す概略斜視図である。
【図2】同基板整列装置を示す平面図である。
【図3】同基板整列装置を示す側面図である。
【図4】回転テーブルの支持フレームを示す縦断面図である。
【図5】モータ部分を下方から見た状態を示す底面図である。
【図6】支持フレームの基部側の内部構造を示す平面断面図である。
【図7】支柱の駆動機構を示す一部断面平面図である。
【図8】検出部を示す側面図である。
【図9】キネマティック・カップリングの配置構成を概略的に示す説明図である。
【図10】処理装置において基板整列装置を2連に配置した場合の配置構成を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ(被処理基板)
2 基板整列装置
4 ノッチ(印)
6 搬送アーム
7 支持部
17 支持ピン
18 テーパー部
19 段部
20 支柱
29 回転テーブル
30 支持フレーム
44 排気口
45 検出部
46 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板整列装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、被処理基板例えば半導体ウエハ(以下単にウエハともいう)を処理あるいは検査するに際して、ウエハには結晶の方向性があることから、ウエハの向きについて位置合せを行わなければならない。このため、ウエハの周縁部には、位置決め用の印として、オリエンテーションフラット(オリフラともいう)もしくはノッチが設けられている。なお、オリフラよりもノッチの方がウエハの切欠面積が小さく、無駄になる部分が少ないことから、大口径ウエハに多く採用される傾向がある。
【0003】
そして、例えば多数枚のウエハを一括して処理するバッチ式の処理装置においては、8インチウエハの場合、プラスチック製の搬送用容器であるカセット(キャリアともいう)内に複数枚例えば25枚のウエハを垂直状態で収容したままの状態で、下方からカセット内のウエハにローラを接触させて回転を与え、オリフラを一方向に整列させるようにしたバッチ式の基板整列装置が提案されている。また、ウエハを一枚ずつ処理する枚葉式の処理装置においては、回転テーブル上にウエハを一枚ずつ載せて、ウエハの向きおよび中心の位置合せを行うようにした機構が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウエハの直径が例えば12インチ(300mm)を超える大口径化に伴い、既存のバッチ式基板整列装置では、ウエハに自重によるストレスが多くかかるようになるため、適用することが困難になって来ている。また、ウエハのパーティクル汚染を抑えるために密閉型のカセットが検討されているが、この場合にはカセット内でウエハの位置合せを行うことができない。
【0005】
このような場合には、ウエハをカセット内から取り出して位置合せを行わなければならないが、例えば熱処理をバッチ式に行う熱処理装置では、ウエハを複数枚例えば5枚ずつ一括して熱処理用治具であるウエハボートに移載することから、既述のように回転テーブルにウエハを一枚ずつ載せて行う機構ではスループットが低下してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものである。本発明の目的は、複数の被処理基板に対して一括して中心および向きの位置合せを行うことができる基板整列装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、ベースプレートに立設された固定枠と、該固定枠に昇降可能に設けられた昇降枠と、該昇降枠に上下方向に適宜間隔で多段に且つ片持梁状に設けられ、搬送アームにより水平状態で多段に支持されて水平方向から搬送された複数枚の被処理基板の周縁部をすくい上げて多段に支持する平面ほぼU字状の水平な支持板と、上記固定枠に水平な支持フレームを介して上記支持板と対応してその内側に多段に配置され、上記支持板の下降により支持板から被処理基板が受け渡される回転テーブルと、上記ベースプレート上に配設された駆動手段により被処理基板のほぼ半径方向に移動操作され、各段の被処理基板の周縁部に少なくとも3方向から接触して一括して心出しを行う支柱と、被処理基板の周縁部に有する位置決め用の印を検出する検出部と、この検出部からの検出信号により上記印が一方向に揃うように回転テーブルの回転量を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
これにより、簡単な構成で複数枚の被処理基板に対して一括して中心および向きの位置合せを行うことが可能となり、装置のコンパクト化およびスループットの向上が図れる。上記基板整列装置においては、上記支持板の上面に被処理基板の周縁部を支持板の上面から浮かせた状態に支持する複数の支持ピンが周方向に適宜間隔で設けられ、該支持ピンは被処理基板をすくい上げる時にその周縁部に接して予備的な心出しを行うテーパー部と、心出しされた被処理基板の周縁部を小範囲で水平移動可能に支持する段部とを有し、上記支柱が支持ピンの段部に支持されている被処理基板の心出しを行うことが被処理基板にストレスを与えないように2段階で心出しを行う上で好ましい。また、上記支持フレームは内部が中空に形成され、支持フレーム内の先端側には回転テーブルを取付ける従動プーリが回転可能に設けられ、支持フレーム内の基端側には電動モータで駆動される駆動プーリが配置され、駆動プーリと従動プーリにはベルトが巻き掛けられ、隣合う電動モータの干渉を避けるために電動モータが左右に交互に配置されていることが好ましい。
【0011】
【実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明の実施の形態に係る基板整列装置を含む移載ステーションの一部を示す概略斜視図、図2は同基板整列装置を示す平面図、図3は同基板整列装置を示す側面図である。
【0012】
バッチ式処理装置の一つである例えば縦型熱処理装置の筐体内には、被処理基板である半導体ウエハWの移載を行うための移載ステーションが設けられている。この移載ステーションには、大口径例えば直径300mmの複数枚例えば13枚のウエハWを多段に収容したプラスチック製の搬送用容器であるカセット1と、複数枚例えば5枚のウエハWを多段に支持して同軸上(同一中心線上)で心出し(中心の位置合せ:センタリング)およびノッチ合せ(周方向の位置合せ)を行う基板整列装置2と、これらカセット1と基板整列装置2との間あるいはこの基板整列装置2と図示しない熱処理用治具である垂直起立状態のウエハボートとの間でウエハWの移替えを行う移載機構3とが設けられている。
【0013】
上記ウエハWの周縁部には、結晶方向を示す位置決め用の印として、小半円形の切欠部であるノッチ4が設けられている(図2参照)。上記カセット1は、移載ステーションにおけるカセットステージに載置される。上記カセット1としては、ウエハWのパーティクル汚染を抑えるために、前面開放部に図示しない着脱可能な蓋体を備えた密閉型であることが好ましい。カセット1の蓋体は、図示しない開閉機構により開閉されるようになっている。
【0014】
上記移載機構3は、複数枚例えば5枚のウエハWを一括して移載できるように薄板状のフォーク5を多段に有する搬送アーム6を備えており、この搬送アーム6が水平方向に進退、水平回動および昇降可能に構成されている。また、上記搬送アーム6のフォーク5は、配列間隔(上下間隔)が可変に構成されていることが好ましい。
【0015】
上記基板配列装置2は、図2ないし図3にも示すように、上記搬送アーム6により水平方向から搬送された複数枚のウエハWの周縁部をすくい上げて多段に支持する昇降可能な支持部7を備えている。この支持部7は、平面ほぼU字状に形成された水平な支持板8により構成されている。支持板8は、上下方向に適宜間隔例えば上記カセット1内のウエハ収納間隔(ウエハ収納溝ピッチ)と同じ間隔で多段例えば5段に配置され、基端部が昇降枠9に共通に取付けられることにより、片持梁状に設けられている。これら支持板8の間隔を精度よく保持するために、隣合う支持板8の基部側間にスペーサ10を介設し、これらスペーサ10を介して支持板8を昇降枠9に固定することが好ましい。
【0016】
上記昇降枠9は、ベースプレート11上に立設された固定枠12にガイド例えばリニアガイド13を介して昇降可能に支持されている。また、固定枠12には、上記昇降枠9を昇降操作する例えばボールネジを有する昇降駆動部14が取付けられている。昇降枠9の昇降高さレベルの検出は、昇降駆動部14にエンコーダ等のセンサーを設けて行うようにしてもよく、あるいは図示例のように、昇降枠9に被検出体であるドグ15を設け、固定枠12にそのドグ15を検出するセンサー16を設けて行うようにしてもよい。
【0017】
上記支持部7を構成する支持板8は、その上面にウエハWの下面を面接触で直接支持するように構成されていてもよいが、ウエハ心出し時の摩擦抵抗の軽減やフォーク5による移載の容易化等を図るために、支持板8の上面に各ウエハWの周縁部を支持板8の上面から浮かせた状態で支持する複数個例えば4個の支持ピン17が周方向に適宜間隔で設けられていることが好ましい。また、この支持ピン17は、ウエハWをすくい上げる時にその周縁部に接して予備的な心出しを行うテーパー部18と、心出しされたウエハWの周縁部を小範囲で水平移動可能に支持する段部19とを有していることが後述する如くウエハにストレスを与えないように2段階で心出しを行う上で好ましい。
【0018】
上記支持ピン17は、例えば所定高さの円柱部の上端にこれよりも小径の円錐部もしくは裁頭円錐部を形成することにより簡単に得られる。支持ピン17の上端とその直上に位置する支持板8との間には、ウエハWを水平方向から搬入搬出するための所定の隙間が形成されている必要がある。上記支持ピン17の材料としては、例えば石英であってもよいが、摩擦抵抗が小さく、またウエハに対するパーティクル汚染も少ない樹脂例えばPEEK樹脂が好適である。
【0019】
上記支持部7の周囲には、各段のウエハWの周縁部に少なくとも3方向から接触してウエハWの心出しを一括して行う支柱20が配置され、これら支柱20がウエハWのほぼ半径方向に移動可能に設けられている。図示例では、支柱20は、ウエハWの周囲に位置するようにその周方向にほぼ等間隔で3本配置されており、レイアウト上そのうちの1本が支持板8の内側に配置されている。また、支持板8の周縁部には、他の2本の支柱20との干渉を避けるための切欠部21が設けられていることが好ましい。支柱20の材料としては、例えば石英であってもよいが、アルミナが好適である。また、支柱20の形状としては、円柱状が好ましい。
【0020】
上記支柱20をウエハWのほぼ半径方向に移動操作する駆動手段として、上記ベースプレート11上には、各支柱20の下端部を支持してウエハWのほぼ半径方向に進退移動させるエアシリンダ22が配設されている。図示例のエアシリンダ22は、上部にリニアガイド23を介して水平方向に進退移動する作動体24を備えており、この作動体24に上記支柱20が立設されている。上記支柱20の移動ストロークを規制するために、上記ベースプレート11上には、図7にも示すように、エアシリンダ22の一側方に位置させてこれと平行なストッパー軸25がストッパーベース26を介して設けられている。
【0021】
上記ストッパー軸25には、上記エアシリンダ22の作動体24に固定されたアーム27が摺動可能に係合されており、これにより支柱20の移動ストロークエンド(前進エンドと後退エンド)が規制されるように構成されている。また、上記ストッパー軸25の基部側には、ストッパーベース26に螺合するネジ部28が形成されており、ストッパー軸25を回転することにより、支柱20の移動ストロークエンドの位置を調整できるようになっている。支柱20がウエハWの周縁部を必要以上に押圧してストレスを与えることがないようにするために、その前進エンドの位置を上記ストッパー軸25の回転により調整する。
【0022】
上記支持部7の内側には、支持部7の下降によりウエハWを載置する円板状の回転テーブル29が支持部7の支持板8と対応して多段例えば5段に配置されている。 各回転テーブル29は、水平な支持フレーム30の先端側上部に設けられており、各支持フレーム30の基部側が上記固定枠12に共通に固定されている。上記回転テーブル29および支持フレーム30は、上記支持板8の昇降移動に干渉しない大きさに形成されている。
【0023】
上記回転テーブル29の上面には、ウエハWを直接支持してもよいが、ごみの付着防止等の観点よりウエハWを回転テーブル29の上面から浮して支持するための複数例えば3個の突状支持材31が設けられていることが好ましい。この突状支持材31の材料としては、緩衝性および摩擦抵抗を有するもの、その中でもウエハに対するパーティクル汚染の少ない例えばフッ素系ゴム、具体的にはカルレッツ(商品名)が好ましい。
【0024】
上記支持フレーム30は、図4にも示すように、回転テーブル29の基部側回転部32を収容するために内部が中空となった箱状に形成されていることが好ましい。この場合、支持フレーム30は、上部が開放された箱状に形成されており、その上部にフレームカバー33がネジ止め等により着脱可能に取付けられていることがメンテナンス上好適である。上記支持フレーム30内の先端側には、支軸34が立設され、この支軸34に軸受例えばクロスベアリング35を介して従動プーリ36が上記フレームカバー33を貫通する状態で回転可能に取付けられ、この従動プーリ36の上端部に回転テーブル29がネジ止め等により着脱可能に取付けられている。上記従動プーリ36等が回転テーブル29の基部側回転部32を構成している。
【0025】
上記支持フレーム30内の基端側には、電動モータ好ましくはパルスモータ37で駆動される駆動プーリ38が配置され、この駆動プーリ38と上記従動プーリ36にはベルト好ましくはタイミングベルト39が巻き掛けられている。上記モータ38は、図5にも示すように、モータベース40に取付けられており、このモータベース40が上記支持フレーム30の基端側下面にネジ41で取付けられている。
【0026】
上記モータベース40には、ネジ41での取付けに際して位置調整が可能なように長穴42が設けられていると共に、上記タイミングベルト39に所望のテンションを与えるべくモータベース40を引っ張るためのフック43が一体的に設けられている。このフック43にプルゲージを引っ掛けて引っ張ることにより、タイミングベルト39を適正な張力で張ることができる。なお、隣合うモータ37同士の干渉を避けるために、モータ37は左右に交互に配置されていることが好ましい。
【0027】
また、上記支持フレーム30の基端側には、図6にも示すように、内部を負圧に排気する図示しない排気手段例えば排気系に通じる吸引チューブを接続するための排気口44が設けられていることがパーティクル汚染を防止する上で好ましい。これにより、回転テーブル29の基部側回転部32やタイミングベルト39等から発生するごみが支持フレーム30外に飛散することを防止でき、ウエハWのパーティクル汚染を防止できる。
【0028】
一方、上記支持部7の側方には、ウエハWの周縁部に有するノッチ4を検出する検出部45が設けられ、この検出部45からの検出信号に基いて上記ノッチ4が一方向に揃うように回転テーブル29の回転量を制御部46により制御するように構成されている。上記検出部45は、ベースプレート11上に立設されたセンサータワー47に各回転テーブル29上のウエハWと対応して設けられている。
【0029】
上記検出部45は、図8にも示すように、各ウエハWの周縁部を挟んで対向する投光部48と受光部49を有する光センサーからなり、投光部48から受光部49に向う例えば赤外光線からなる光軸がウエハWの周縁部で遮断された状態から、ノッチ4を通って通過する状態になることによりノッチ4の位置を検出できるようになっている。誤検出を防止するために、隣合う光センサー間には遮光板50が配置されていることが好ましい。また、上記支持板8の周縁部には、検出部45を有するセンサータワー47との干渉を避けるために切欠部51が設けられていることが好ましい。
【0030】
上記ウエハWのノッチ4を一方向に整列させる基板整列方法においては、上記回転テーブル29の駆動によりウエハWを一方向に回転させ、上記ノッチ4が検出部45を越える(オーバーランする)ようにして回転を停止させた後、逆方向に低速で回転させながら上記検出部45によりノッチ4を検出するように構成されていることが検出精度の向上を図る上で好ましい。また、上記検出部45によりノッチ4の位置を検出したら、その位置から所望の回転角度だけウエハWを回転させるようにすることにより、ノッチ4を所望の方向に整列させることができる。
【0031】
以上の構成からなる基板整列装置2は、設置台52上に設置されるが、その場合、位置決めの容易化を図るためにキネマティック・カップリング53を採用することが好ましい。このキネマティック・カップリング53は、図3ないし図9に示すように、基板整列装置2のベースプレート11の底部に配設された断面逆V字状の溝54を有するブロック55と、このブロック55の溝54に係合する球面状の先端部を有する軸体56とから構成されている。
【0032】
上記ブロック55は、ベースプレート11の下面に所定の間隔で放射状に3個取付けられる。上記軸体56は、設置台52に上記ブロック55と対応させて3本立設される。軸体56は、設置台52に螺合されていて高さ調整が可能になっている。これら軸体56上にブロック55の溝54が係合するように基板整列装置2を載置することにより、基板整列装置2を所定の位置に容易に位置決めすることができる。位置決め後、図示しない固定ボルトにより基板整列装置2のベースプレート11を設置台52に固定すればよい。このように位置決めが容易にできるため、狭隘な空間に基板整列装置2を設置する場合にも、設置が正確且つ容易にでき、メンテナンスも容易である。
【0033】
上記3個のブロック55のうち、1個のブロック55は基板整列装置2に対する搬送アーム6によるウエハWの搬送方向Xに一致させておくことが好ましい。これにより、他の2個のブロック55に対応する軸体56による左右の高さ調整を行うだけで、搬送されるウエハWに対する平行調整を容易に行うことが可能となる。
【0034】
次に、上記構成からなる基板整列装置2の作用および基板整列方法について述べる。先ず、移載機構3の搬送アーム6のフォーク5をカセット1内に進入させて複数枚例えば5枚のウエハWを多段状態で一括してすくい上げ、カセット1内から搬出する。次に、基板整列装置2の方向に上記フォーク5の向きを変えて前進させることにより、ウエハWを基板整列装置2内に水平方向から搬入する。この時、基板整列装置2における支持部7の支持板8は、昇降ストロークのほぼ中間位置に設定されており、ウエハWおよびフォーク5は、支持板8上の支持ピン17や回転テーブル29と接触することなく最上段の支持板8上方および隣合う支持板8間に水平に進入する。
【0035】
上記搬送アームによりウエハWが基板整列装置2内に搬送されると、昇降駆動部14が起動し、昇降枠9を介して支持板8が上昇エンドまで上昇移動する。これら支持板8の上昇移動により、ウエハWがフォーク5上からすくい上げられる。この時、支持板8上に設けられている支持ピン17がテーパー部18と段部19を有する形状に形成されているため、ウエハWの周縁部が支持ピン17のテーパー部18により内方へ案内され、概略的で予備的な心出しが行われながら、最終的に段部19に支持される。上記すくい上げ終了後、フォーク5が基板整列装置2から後退する。
【0036】
次に、後退位置に待機している心出し用の3本の支柱20がエアシリンダ22の駆動によりほぼ半径方向内方へ前進し、これら支柱20が各段のウエハWの周縁部に同時に接触して押圧することにより、複数枚のウエハWの心出しが一括して行われる。この時、ウエハWの周縁部が支持ピン17の段部19上に小範囲で水平移動可能に支持されていることから、心出しが円滑に容易に行われる。上記支柱20の前進エンドがストッパー軸25により規制されることにより、ウエハWには必要以上の押圧力が作用することがなく、ウエハWにストレスを与える恐れはない。
【0037】
また、第1段階として、支持ピン17のテーパー部18により各段のウエハWの概略的で予備的な心出しを個別に行った後、第2段階として、共通の支柱20により一括して全段のウエハWの最終的な心出し(本心出し)を行うというようにウエハWの心出しを2段階で行うようにしたので、ウエハWにストレスを与えることなく円滑に心出しを行うことが可能となる。この心出しにより、ウエハWの中心が回転テーブル29の回転中心に一致される。上記心出しの終了後、支柱20は後退エンドまで後退してウエハの周縁部から離れる。
【0038】
次に、支持部7の支持板8が下降エンドまで下降移動し、各段のウエハWが支持ピン17上から回転テーブル29上に受け渡される。こうしてウエハWが回転テーブル29上に載置されると、回転テーブル29がモータ37の駆動により一方向例えば時計方向に回転し、ウエハWを回転させる。このウエハWの回転により、その周縁部のノッチ4が光センサーからなる検出部45に至ると、この検出部45によりノッチ4の位置が検出され、この検出信号に基いて制御部46によりノッチ4が一方向に揃うように回転テーブル29の回転量が制御される。
【0039】
この場合、上記回転テーブル29の駆動によりウエハWを一方向(時計方向)に回転させ、上記ノッチ4が検出部45を越える(オーバーランする)ようにして回転を停止させた後、逆方向(反時計方向)に低速で回転させながら上記検出部45によりノッチ4を検出するように制御することが好ましい。これにより、ノッチ4の位置を正確に検出することが可能となる。また、上記検出部45によりノッチ4の位置を検出したら、その位置から所定の回転角度だけウエハWを同方向(反時計方向)に回転させるようにすることにより、ノッチ4を所定の方向に向けて整列させることができる。
【0040】
こうしてウエハWの心出しおよびノッチ合せが終了したなら、支持板8が昇降ストロークのほぼ中間位置まで上昇移動することにより、回転テーブル29上からウエハWをすくい上げる。次いで、ウエハWと回転テーブル29との間に搬送アーム6のフォーク5が進入し、ウエハWをすくい上げて基板整列装置2から搬出し、図示しないウエハボートに移載する。
【0041】
このように上記基板整列装置2ないし基板整列方法によれば、複数枚のウエハWを多段に支持して同軸上で心出しおよびノッチ合せを行うことが可能となり、スループットの向上が図れ、例えば密閉型のカセットを用いた場合のスループット対策に有効である。また、多段構造で、構成が簡単であるため、コンパクト化が図れ、占有スペースも狭くてよい。
【0042】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。例えば、ウエハWの周縁部に設けられる印としては、必ずしもノッチ、あるいはオリフラである必要はなく、例えばマークやバーコード等であってもよい。また、回転テーブル29の駆動手段としては、必ずしもベルト駆動である必要はなく、例えば薄型のモータを回転テーブルに直結するようにしてもよい。
【0043】
また、基板整列装置2は、複数台並設して使用するようにしてもよい。例えば、図10に示すように、カセットステージにカセット1を左右に2個並べて設置するようにし、その下方に基板整列装置2を左右に2台設置するようにしてもよい。これによれば、一方の基板整列装置でウエハの心出しおよびノッチ合せを行っている間に他方の基板整列装置におけるウエハの移載作業を行うことができ、スループットの更なる向上が図れる。
【0044】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0046】
本発明によれば、簡単な構成で複数枚の被処理基板に対して一括して中心および向きの位置合せを行うことが可能となり、装置のコンパクト化およびスループットの向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る基板整列装置を含む移載ステーションの一部を示す概略斜視図である。
【図2】同基板整列装置を示す平面図である。
【図3】同基板整列装置を示す側面図である。
【図4】回転テーブルの支持フレームを示す縦断面図である。
【図5】モータ部分を下方から見た状態を示す底面図である。
【図6】支持フレームの基部側の内部構造を示す平面断面図である。
【図7】支柱の駆動機構を示す一部断面平面図である。
【図8】検出部を示す側面図である。
【図9】キネマティック・カップリングの配置構成を概略的に示す説明図である。
【図10】処理装置において基板整列装置を2連に配置した場合の配置構成を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ(被処理基板)
2 基板整列装置
4 ノッチ(印)
6 搬送アーム
7 支持部
17 支持ピン
18 テーパー部
19 段部
20 支柱
29 回転テーブル
30 支持フレーム
44 排気口
45 検出部
46 制御部
Claims (3)
- ベースプレートに立設された固定枠と、該固定枠に昇降可能に設けられた昇降枠と、該昇降枠に上下方向に適宜間隔で多段に且つ片持梁状に設けられ、搬送アームにより水平状態で多段に支持されて水平方向から搬送された複数枚の被処理基板の周縁部をすくい上げて多段に支持する平面ほぼU字状の水平な支持板と、上記固定枠に水平な支持フレームを介して上記支持板と対応してその内側に多段に配置され、上記支持板の下降により支持板から被処理基板が受け渡される回転テーブルと、上記ベースプレート上に配設された駆動手段により被処理基板のほぼ半径方向に移動操作され、各段の被処理基板の周縁部に少なくとも3方向から接触して一括して心出しを行う支柱と、被処理基板の周縁部に有する位置決め用の印を検出する検出部と、この検出部からの検出信号により上記印が一方向に揃うように回転テーブルの回転量を制御する制御部とを備えたことを特徴とする基板整列装置。
- 上記支持板の上面には被処理基板の周縁部を支持板の上面から浮かせた状態に支持する複数の支持ピンが周方向に適宜間隔で設けられ、該支持ピンは被処理基板をすくい上げる時にその周縁部に接して予備的な心出しを行うテーパー部と、心出しされた被処理基板の周縁部を小範囲で水平移動可能に支持する段部とを有し、上記支柱が支持ピンの段部に支持されている被処理基板の心出しを行うことを特徴とする請求項1記載の基板整列装置。
- 上記支持フレームは内部が中空に形成され、支持フレーム内の先端側には回転テーブルを取付ける従動プーリが回転可能に設けられ、支持フレーム内の基端側には電動モータで駆動される駆動プーリが配置され、駆動プーリと従動プーリにはベルトが巻き掛けられ、隣合う電動モータの干渉を避けるために電動モータが左右に交互に配置されていることを特徴とする請求項1記載の基板整列装置。
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