JP3578530B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料に関する。さらに詳しくは、未発色部(地肌)および発色画像の保存安定性に優れた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子供与性発色性化合物と電子受容性化合物(顕色剤)との呈色反応を利用した感熱記録材料はよく知られている(例えば、特公昭43−4160号公報、特公昭45−14039号公報)。感熱記録材料は比較的安価であり、また、記録機器がコンパクトで且つメンテナンスフリーである等という利点があり、ファクシミリ、記録計、プリンターの分野において幅広く利用されている。最近では、感熱記録材料の利用分野はさらに広がり、且つ多様化しており、さらに過酷な環境下での用途(例えば、ラベル、プリペイドカード等)へと広がっている。しかし、従来より公知の、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔”ビスフェノールA”〕、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステルなどを電子受容性化合物とする感熱記録材料は、過酷な環境下(例えば、油、溶剤、油脂、蛍光ペン等の筆記具等との接触下あるいは多湿環境下)では、その未発色部が著しく汚染(地汚れ)されたり、また発色画像が褪色したりする等の欠点がある。このような欠点を改良するものとしては、スルフォニル基を有するジフェノール化合物を電子受容性化合物とする感熱記録材料が提案されている(特開平5−50760号公報、特開平6−183159号公報)。しかしながら、過酷な環境下で長時間保存した場合、その発色画像の保存安定性にやや難点があることが判明した。現在では、未発色部および発色画像の保存安定性に一層優れた感熱記録材料が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、未発色部および発色画像の保存安定性に優れた感熱記録材料を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の要望にこたえるべく、感熱記録材料に関し鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、電子供与性発色性化合物および電子受容性化合物を含有する感熱記録材料において、該電子受容性化合物として、一般式(1)(化2)で表される化合物の1水和物と一般式(2)(化2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する感熱記録材料に関するものである。
【0005】
【化2】
Figure 0003578530
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の感熱記録材料に関して、詳細に説明する。本発明には、一般式(1)で表される化合物の1水和物を使用する。
【0007】
一般式(1)で表される化合物は、例えば、英国特許第1214700号に記載の方法により製造することができる。すなわち、例えば、塩基の存在下で、4,4’−ジクロロジフェニルスルフォンとレゾルシノールを反応させることにより製造することができる。
【0008】
本発明に係る一般式(2)で表される化合物において、一方の水酸基の置換位置は、エーテル結合に対して、オルト位、メタ位またはパラ位であり、より好ましくは、メタ位またはパラ位である。また、他方の水酸基の置換位置は、スルフォニル基に対して、オルト位、メタ位またはパラ位であり、より好ましくは、パラ位である。一般式(2)で表される化合物の中で、特に好ましい化合物は、式(2−a)および式(2−b)(化3)で表される化合物である。
【0009】
【化3】
Figure 0003578530
一般式(2)で表される化合物は、例えば、特開平6−183159号公報に記載の方法により製造することができる。すなわち、例えば、塩基の存在下で、4−クロロ−4’−ヒドロキシジフェニルスルフォンとハイドロキノン、または4−クロロ−4’−ヒドロキシジフェニルスルフォンとレゾルシノールを反応させることにより製造することができる。
【0010】
一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物は、製造条件などの違いにより、時として、水和物を形成する場合がある。例えば、一般式(1)で表される化合物は、無水和物(融点は154〜157℃)が存在するのは無論であるが、水和物(1水和物、融点は175〜178℃)も安定に存在する。一般式(1)で表される化合物の1水和物および一般式(2)で表される化合物(無水和物または水和物)は、本発明の感熱記録材料の電子受容性化合物として好適に使用することができる。本発明の感熱記録材料においては、電子受容性化合物の使用量に関しては、特に限定するものではないが、一般に、電子供与性発色性化合物100重量部に対して、50〜700重量部程度、より好ましくは、100〜500重量部程度使用するのが望ましい。
【0011】
本発明の感熱記録材料の特徴は、電子受容性化合物として、一般式(1)で表される化合物の1水和物および一般式(2)で表される化合物を併用するところにある。尚、一般式(1)で表される化合物の1水和物および一般式(2)で表される化合物の使用割合に関しては、特に限定するものではないが、感熱記録材料の諸特性を考慮すると、一般式(2)で表される化合物を、一般式(1)で表される化合物に対して、0.1〜50重量%使用することが好ましく、0.5〜40重量%使用することがより好ましく、1〜35重量%使用することがさらに好ましく、2〜30重量%使用することが特に好ましい。
【0012】
本発明の感熱記録材料に使用する無色ないし淡色の電子供与性発色性化合物としては、特に限定するものではないが、トリアリールメタン系化合物、ビニルフタリド系化合物、ジアリールメタン系化合物、ローダミン−ラクタム系化合物、チアジン系化合物、フルオラン系化合物、ピリジン系化合物、スピロ系化合物、フルオレン系化合物など各種公知の電子供与性発色性化合物が挙げられ、より好ましくは、フルオラン系化合物であり、中でも一般式(A)(化4)で表されるフルオラン系化合物は好ましい。
【0013】
【化4】
Figure 0003578530
(式中、AおよびBは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数3〜8のアルコキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基またはテトラヒドロフルフリル基を表し、さらに、AとBは隣接する窒素原子と共に複素環を形成してもよく、Z1 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子を、Z2 およびZ3 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基を表す)
【0014】
電子供与性発色性化合物の具体例としては、トリアリールメタン系化合物としては、例えば、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔”クリスタルバイオレットラクトン”〕、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−メチルピロール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリドなどがある。
【0015】
ビニルフタリド系化合物としては、例えば、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス〔1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−ピロリジノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリドなどがある。ジアリールメタン系化合物としては、例えば、4,4−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどがある。ローダミン−ラクタム系化合物としては、例えば、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(4−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(4−クロロアニリノ)ラクタムなどがある。チアジン系化合物としては、例えば、3,7−ビス(ジエチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノオキサジン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、4ーニトロベンゾイルメチレンブルーなどがある。
【0016】
フルオラン系化合物としては、例えば、3,6−ジメトキシフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジ−n−ヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’,3’−ジクロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、
【0017】
3−N−イソペンチル−N−エチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−エトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−モルホリノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−プロピル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−プロピル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
【0018】
3−N−シクロヘキシル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−オクチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−2’−メトキシエチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−2’−メトキシエチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−2’−メトキシエチル−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−2’−エトキシエチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−2’−エトキシエチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−3’−メトキシプロピル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−3’−メトキシプロピル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−3’−エトキシプロピル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−3’−エトキシプロピル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
【0019】
3−N−2’−テトラヒドロフルフリル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(4’−メチルフェニル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3’−メチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、2,2−ビス〔4’−(3−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチルフルオラン)−7−イルアミノフェニル〕プロパン、3−〔4’−(4−フェニルアミノフェニル)アミノフェニル〕アミノ−6−メチル−7−クロロフルオランなどがある。
【0020】
ピリジン系化合物としては、例えば、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−ブトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリドなどがある。
【0021】
スピロ系化合物としては、例えば、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピランなどがある。フルオレン系化合物としては、例えば、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリドなどがある。勿論、これらの電子供与性発色性化合物に限定されるものではなく、これらの電子供与性発色性化合物は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
【0022】
本発明の感熱記録材料は、電子受容性化合物として、一般式(1)で表される化合物の 1 水和物と一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするものであるが、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、他の電子受容性化合物を併用することも可能である。この場合、全電子受容性化合物中に占める一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物の総量の割合は、通常、30重量%以上、好ましくは、50重量%以上、より好ましくは、70重量%以上に調整するのが望ましい。一般式(1)で表される化合物 1 水和物および一般式(2)で表される化合物以外の電子受容性化合物としては、特に限定するものではないが、フェノール誘導体あるいはその金属塩、有機酸誘導体あるいはその金属塩、錯体、尿素誘導体などの有機電子受容性化合物、あるいは無機電子受容性化合物など各種公知の電子受容性化合物が挙げられる。
【0023】
一般式(1)で表される化合物の1水和物および一般式(2)で表される化合物以外の電子受容性化合物の具体例としては、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4−フェニルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、ハイドロキノン、レゾルシノール、4−tert−オクチルカテコール、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔”ビスフェノールA”〕、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)酢酸エチルエステル、4,4−(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸−n−ブチルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸フェネチルエステル、2,4−ジヒドロキシ安息香酸フェノキシエチルエステル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル、没食子酸−n−プロピルエステル、没食子酸−n−オクチルエステル、没食子酸−n−ドデシルエステル、没食子酸−n−オクタデシルエステル、
【0024】
ハイドロキノンモノベンジルエーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−tert−ブチルジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−クロロジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−n−ブトキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルフォン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、
【0025】
2−メトキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルフォン、2−エトキシ−2’−ヒドロキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−3−メチル−4’−n−プロポキシジフェニルスルフォン、ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)スルフォン、ビス(2−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)スルフォン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,7−ジ(4’−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ジ(4’−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタンなどのフェノール誘導体、あるいはこれらのフェノール誘導体の金属塩(例えば、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩)、
【0026】
例えば、5−〔4’−(2−[ 4−メトキシフェノキシ] エトキシ)クミル〕サリチル酸、4−〔3’−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロポキシ〕サリチル酸、4−〔2’−(4−メトキシフェノキシ)エトキシ〕サリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−デシルオキシカルボニルアミノサリチル酸、5−シクロヘキシルオキシカルボニルアミノサリチル酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸、2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸、フタル酸モノベンジルエステル、フタル酸モノフェニルエステル、イソフタル酸、テレフタル酸、4−メチル安息香酸、2−ベンゾイル安息香酸、2−(4’−クロロベンゾイル)安息香酸、4−ニトロ安息香酸、4−クロロ安息香酸、4−トリフルオロメチル安息香酸、4−ホルミル安息香酸、4−シアノ安息香酸、ステアリン酸などの有機酸誘導体、あるいはこれらの有機酸誘導体の金属塩(例えば、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩)、例えば、チオシアン酸亜鉛アンチピリン錯体、モリブデン酸アセチルアセトン錯体などの錯体、
【0027】
例えば、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)チオ尿素、N,N’−ジ(3−クロロフェニル)チオ尿素、1,4−ジ(3’−クロロフェニル)−3−チオセミカルバジド、N−フェニル−N’−(4−メチルフェニルスルフォニル)尿素、4,4’−ビス(4”−メチルフェニルスルフォニルカルボニルアミノ)ジフェニルメタンなどの尿素誘導体などの有機電子受容性化合物、例えば、酸性白土、アタパルガイト、活性白土、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛などの無機電子受容性化合物を挙げることができるが、これらの化合物に限定されるものではない。これらの電子受容性化合物は、複数併用することもできる。
【0028】
さらに、本発明の感熱記録材料に、増感剤として、熱可融性化合物(融点約70〜150℃、より好ましくは、融点約80〜130℃の化合物)を添加することにより、一層高速記録に対応した感熱記録材料を得ることができる。この場合、熱可融性化合物の使用量は、特に限定するものではないが、通常、電子供与性発色性化合物100重量部に対し、10〜700重量部、好ましくは、20〜500重量部使用するのが望ましい。
【0029】
熱可融性化合物の具体例としては、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルシン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、N−エチルカプリン酸アミド、N−ブチルラウリン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、N−メチルオレイン酸アミド、N−ステアリルシクロヘキシルアミド、N−オクタデシルアセトアミド、N−オレイルアセトアミド、ステアリル尿素、ステアリン酸アニリド、リノール酸アニリド、N−エチルカルバゾール、4−メトキシジフェニルアミン、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどの含窒素化合物、例えば、4−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステル、2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)エステル、アジピン酸ジフェニルエステル、グルタル酸ジフェナシルエステル、ジ(4−メチルフェニル)カーボネート、テレフタル酸ジベンジルエステルなどのエステル化合物、例えば、4−ベンジルビフェニル、m−ターフェニル、フルオレン、フルオランテン、2,6−ジイソプロピルナフタレン、3−ベンジルアセナフテンなどの炭化水素化合物、
【0030】
例えば、2−ベンジルオキシナフタレン、2−(4’−メチルベンジルオキシ)ナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3’−メチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4’−メチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4’−エチルフェノキシ)エタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−フェノキシエタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−(3’−メチルフェノキシ)エタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−(2’−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4’−メトキシフェニルチオ)エタン、1,5−ビス(4’−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、1,4−ビス(2’−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、4−(4’−メチルフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(2’−クロロベンジルオキシ)ベンゼン、4,4’−ジ−n−ブトキシジフェニルスルフォン、1,2−ジフェノキシベンゼン、1,4−ビス(2’−クロロフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4’−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3’−メチルフェノキシメチル)ベンゼン、4−クロロベンジルオキシ−(4’−エトキシベンゼン)、4,4’−ビス(フェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(フェノキシ)ジフェニルチオエーテル、1,4−ビス(4’−ベンジルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス〔(4’−メチルフェニルオキシ)メトキシメチル〕ベンゼンなどのエーテル化合物、
【0031】
例えば、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルフォン、4−(4−メチルベンジルオキシ)−4’−グリシジルオキシジフェニルスルフォン、N−グリシジルフタルイミドなどのエポキシ化合物、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール化合物などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの熱可融性化合物は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
【0032】
本発明の感熱記録材料を製造するには、特殊な方法によらなくとも公知の方法により製造することができる。一般的には、水存在下、電子供与性発色性化合物、一般式(1)で表される化合物の1水和物、一般式(2)で表される化合物、さらに所望に応じて、熱可融性化合物などを、一緒に、あるいは別々に、ボールミル、サンドミル(縦型、横型)、アトライター、コロイダルミルなどの混合、粉砕機により、通常、3μm以下、好ましくは、2μm以下の粒径にまで粉砕分散し、混合し、記録層用の塗液を調製することができる。
【0033】
係る塗液中には、通常、バインダーが、全固形分の5〜50重量%程度配合される。バインダーとしては、水溶性バインダーが一般に用いられ、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルフォン化変性ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、エピクロルヒドリン変成ポリアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、メチロール変成ポリアクリルアミド、デンプン、デンプン誘導体(酸化デンプン、エーテル化デンプンなど)、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴムなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
更に、必要に応じて、塗液中には、顔料、水不溶性バインダー、金属石鹸、ワックス、界面活性剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、架橋剤、ヒンダードフェノール、リン系化合物、消泡剤などを添加することができる。顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、ロウ石、カオリン、クレー、ケイソウ土、シリカなどの無機顔料、スチレンマイクロボール、ナイロン粒子、尿素−ホルマリン充填剤、ポリエチレン粒子、セルロース充填剤、デンプン粒子などの有機顔料が用いられる。
【0035】
水不溶性バインダーとしては、合成ゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンが一般的であり、例えば、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョンなどを挙げることができる。金属石鹸としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸亜鉛などの高級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルボキシ変成パラフィンワックス、カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、ポリスチレンワックス、キャンデリアワックス、モンタンワックス、高級脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0036】
界面活性剤(分散剤)としては、例えば、スルホコハク酸系のアルカリ金属塩〔例えば、ジ(n−ヘキシル)スルホコハク酸、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩〕、ドデシルベンゼンスルフォン酸のナトリウム塩、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸金属塩、フッ素含有の界面活性剤などが挙げられる。紫外線吸収剤、紫外線安定剤としては、例えば、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、トリアゾール誘導体、サリチル酸誘導体、ヒンダードアミン誘導体などが挙げられる。架橋剤としては、例えば、グリオキザールなどのアルデヒド誘導体、エポキシ化合物、ポリアミド樹脂、ジグリシジル化合物、アジリジン化合物、塩化マグネシウム、塩化第二鉄などが挙げられる。
【0037】
ヒンダードフェノールとしては、フェノール性水酸基のオルト位の少なくとも1つが分枝アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましく、例えば、2,6−ジイソプロピル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−オクチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−オクチルハイドロキノン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−tert−ブチル−5−エチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2−メチル−6−エチルベンジル)イソシアヌル酸、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)スルフィドなどが挙げられる。
【0038】
リン系化合物としては、ホスフェイト化合物が好ましく、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)ホスフェイト、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェニル)ホスフェイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイト、ジフェニルホスフェイト、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ホスフェイト、ビス(2,4−ジーtert−ブチルフェニル)ホスフェイト、ビス(4−クロロフェニル)ホスフェイト、ビス(2−フェニルフェニル)ホスフェイト、ビス(4−フェニルフェニル)ホスフェイトなど、あるいはこれらの金属(例えば、カリウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム)塩を挙げることができる。
【0039】
本発明の感熱記録材料において、記録層の形成方法に関しては、特に限定するものではなく、従来より公知の技術に従って形成することができる。例えば、感熱記録層用の塗液を、支持体上に、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、ショート・ドウェルコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、ワイヤーバーなどの適当な塗布装置で塗布、乾燥して記録層を形成することができる。塗液の塗布量に関しては、特に限定するものではないが、一般に、乾燥重量で、1.5〜12g/m2 程度、好ましくは、2.5〜10g/m2 程度で調製される。支持体としては、特に限定するものではないが、例えば、紙、プラスチックシート、合成紙、あるいはこれらを組み合わせた複合シート、不織布シート、さらには成形物、金属蒸着物が用いられる。
【0040】
なお、必要に応じて、感熱記録層の表面および/あるいは裏面に保護層(オーバーコート層)を設けたり、支持体と感熱記録層の間に単層あるいは複数層の顔料(例えば、カオリン、炭酸カルシウム)、あるいは合成樹脂(例えば、プラスチック球状粒子、プラスチック球状中空粒子)などからなる下塗り層(アンダーコート層)を設けること、感熱記録層と下塗り層との間、あるいは感熱記録層と保護層との間に顔料、バインダーなどからなる中間層を設けることも勿論可能であり、さらには、支持体の裏面に粘着加工を施し、粘着ラベルに加工するなど感熱記録材料の製造方法における各種の公知技術が付与しえる。また、感熱記録層および/あるいは保護層の形成後に、スーパーキャレンダー処理を施すこともできる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下ことわりの無い限り%は重量%を表す。
実施例1電子供与性発色性化合物として、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7アニリノフルオランを用い、熱可融性化合物として、2−ベンジルオキシナフタレンを用い、また電子受容性化合物として、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォン〔一般式(1)の化合物〕の1水和物18gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン2g〔式(2−b)の化合物〕を用いて、以下の方法により感熱記録材料を作製した。
Figure 0003578530
A液およびB液をそれぞれ、サンドミルで、平均粒子径が1.5μmになるように分散し、分散液を調製した。次に、A液120g、B液130g、30%パラフィンワックス10g、10%ポリビニルアルコール水溶液170g、および炭酸カルシウム25gを混合攪拌し、記録層用の塗液を調製した。該塗液を上質紙に乾燥塗布量が5.5g/m2となるように塗布、乾燥した後、スーパーキャレンダー処理を施した。
【0042】
実施例2〜
実施例1において、A液中の電子供与性発色性化合物、熱可融性化合物として、第1表(表1、表2)に示した各化合物を用い、さらにB液中の電子受容性化合物としては、以下に示した化合物を用いた以外は、実施例1に記載した方法により感熱記録材料を作製した。尚、第1表中、熱可融性化合物aは、2−ベンジルオキシナフタレンを、熱可融性化合物bは、1,2−ビス(3’−メチルフェノキシ)エタンを、熱可融性化合物cは、4−(4’−メチルフェノキシ)ビフェニルを、熱可融性化合物dは、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステルを表す。尚、B液中の電子受容性化合物として、一般式(1)で表される化合物の1水和物および一般式(2)で表される化合物としては、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォン〔一般式(1)の化合物〕の1水和物18gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン2g〔式(2−b)の化合物〕(実施例2〜6)を使用した。
【0043】
【表1】
Figure 0003578530
【0044】
実施例7〜8
実施例1において、B液中の電子受容性化合物として、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物18gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン2gを使用する代わりに、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物14gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン2gと4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン4g(実施例)、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物14gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン2gと1,4−ビス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン4g(実施例)を使用した以外は、実施例1に記載の方法に従って、感熱記録材料を作製した。
【0045】
実施例
実施例1において、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物18gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン2gを使用する代わりに、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物16gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン4gを使用した以外は、実施例1に記載の方法に従って、感熱記録材料を作製した。
【0046】
実施例10
実施例1において、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物18gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン2gを使用する代わりに、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物17gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン3gを使用した以外は、実施例1に記載の方法に従って、感熱記録材料を作製した。
【0047】
実施例11
実施例1において、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物18gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン2gを使用する代わりに、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物19gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン1gを使用した以外は、実施例1に記載の方法に従って、感熱記録材料を作製した。
【0048】
実施例12
実施例1において、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物18gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン2gを使用する代わりに、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物19.5gと4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン0.5gを使用した以外は、実施例1に記載の方法に従って、感熱記録材料を作製した。
【0049】
比較例1
実施例1において、電子受容性化合物として、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物と4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォンを使用する代わりに、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン20gを使用した以外は、実施例1に記載の方法に従って、感熱記録材料を作製した。
【0050】
比較例2
実施例1において、電子受容性化合物として、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物と4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォンを使用する代わりに、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物20gを使用した以外は、実施例1に記載の方法に従って、感熱記録材料を作製した。
【0051】
比較例3
実施例1において、電子受容性化合物として、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォンの1水和物と4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォンを使用する代わりに、4−ヒドロキシ−4’−(3”−ヒドロキシフェニルオキシ)ジフェニルスルフォン20gを使用した以外は、実施例1に記載の方法に従って、感熱記録材料を作製した。
【0052】
〔感熱記録材料の評価〕
(未発色部の保存安定性試験)実施例および比較例で作製した各感熱記録材料の塗布直後の未発色部(地肌)の白色度を色差計(Σ−80、日本電色製)を用いて測定した。尚、保存安定性試験は、耐油性試験を行い、試験後の各感熱記録紙の未発色部の白色度を調べた。耐油性試験は、感熱記録紙の塗布面にサラダオイルを塗布し、25℃で1時間放置後、過剰のサラダオイルを拭き取った後、未発色部の白色度を色差計を用いて測定した。数値が大きい程、白色度が高く、未発色部の保存安定性に優れていることを示している。結果は第2表(表2)に示した。
(発色画像の保存安定性試験)実施例および比較例で作製した各感熱記録材料を感熱記録材料発色装置(大倉電気製TH−PMD)を用いて、マクベス濃度計(TR−524型)により測定した発色濃度が1.0である発色画像を形成した後、保存安定性試験を行った。尚、保存安定性試験は、耐油性試験を行い、試験後の各感熱記録紙の発色画像の保存安定性を調べた。耐油性試験は、感熱記録紙の発色面にサラダオイルを塗布し、25℃で1時間放置後、過剰のサラダオイルを拭き取った後、発色画像濃度を、マクベス濃度計を用いて測定し、発色画像の残存率を求めた。
【式1】
Figure 0003578530
数値が大きいほど、発色画像の保存安定性が優れていることを示している。結果は第2表に示した。
【0053】
【表2】
Figure 0003578530
【0054】
第2表より明らかなように、本発明の感熱記録材料は、未発色部および発色画像の保存安定性に優れていることが判る。
【0055】
【発明の効果】
本発明により、未発色部および発色画像の保存安定性に優れた感熱記録材料を提供することが可能になった。

Claims (2)

  1. 電子供与性発色性化合物および電子受容性化合物を含有する感熱記録材料において、該電子受容性化合物として、一般式(1)(化1)で表される化合物の1水和物と一般式(2)(化1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する感熱記録材料。
    Figure 0003578530
  2. 一般式(2)で表される化合物を、一般式(1)で表される化合物の1水和物に対し、0.1〜50重量%使用する請求項1記載の感熱記録材料。
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