JP3609457B2 - サリチル酸誘導体、該誘導体の金属塩および感熱記録材料 - Google Patents
サリチル酸誘導体、該誘導体の金属塩および感熱記録材料 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、感圧または感熱記録材料等の記録材料用の電子受容性化合物、あるいは高分子材料用のモノマーまたは添加剤として有用なサリチル酸誘導体および該サリチル酸誘導体の金属塩に関し、さらには保存安定性を向上させた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子供与性発色性化合物と電子受容性化合物(顕色剤)との呈色反応を利用した記録材料(例えば、感圧記録材料、感熱記録材料など)はよく知られている。この電子受容性化合物として、フェノ−ル化合物またはカルボン酸化合物などの有機酸化合物が有用であることが知られており、数多くの化合物が提案されている。例えば、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔“ビスフェノール−A”〕は低価格で入手しやすいという点で広く利用されているものの、ビスフェノールAを電子受容性化合物として使用した感熱記録材料は、未発色部および発色画像の保存安定性が悪い等の問題点がある。
現在では、これらの問題点を克服した、保存安定性に優れた感熱記録材料が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、感圧、感熱記録材料等の記録材料用の電子受容性化合物、あるいは高分子材料用のモノマーまたは添加剤として有用なサリチル酸誘導体および該誘導体の金属塩を提供することである。さらには、上述の問題点を克服した保存安定性に優れた感熱記録材料を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の要望にこたえるべく鋭意検討した結果、本発明に達した。
すなわち、本発明は、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体およびその金属塩である。
【化3】
(式中、X1 およびX2 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、Yはアルキレン基を表し、Zは酸素原子または硫黄原子を表す)
さらに本発明は、電子供与性発色性化合物と電子受容性化合物を含有する感熱記録材料において、該電子受容性化合物として上記の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該酸誘導体の金属塩を少なくとも一種含有する感熱記録材料である。
【0005】
本発明のサリチル酸誘導体は前記一般式(1)で表されるものであり、より詳細には、
一般式(1)において、X1 およびX2 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、好ましくは水素原子、炭素数1〜20の鎖状アルキル基、炭素数5〜14の環状アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、フェニル基、フッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜4の鎖状アルキル基、シクロヘキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、クミル基またはフェニル基であり、特に水素原子が好ましい。
【0006】
一般式(1)において、Yはアルキレン基を表し、好ましくは分岐していてもよい総炭素数1〜20のアルキレン基であり、より好ましくは分岐していてもよい総炭素数1〜8のアルキレン基であり、さらに好ましくは分岐していてもよい総炭素数1〜4のアルキレン基であり、特にトリメチレン基が好ましい基である。
一般式(1)において、Zは酸素原子または硫黄原子を表し、好ましくは酸素原子である。
【0007】
本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体は、サリチル酸骨格内にカーバメート基を有するものであるが、カーバメート基の置換位置はサリチル酸骨格において、3位、4位、5位または6位の位置であり、3位、4位または5位に置換されていることが好ましく、4位または5位に置換されていることがより好ましく、4位に置換されていることが特に好ましい。
【0008】
即ち、本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の好ましい具体例として、下記の一般式(1−a)〜(1−c)で表されるサリチル酸誘導体を挙げることができ、より好ましくは一般式(1−a)または(1−b)で表されるサリチル誘導体であり、一般式(1−a)で表されるサリチル酸誘導体は特に好ましい。
【化4】
【化5】
【化6】
(式中、X1 、X2 、YおよびZは前記に同じ)
【0009】
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体としては、例えば、以下に示す化合物を例示することができるが、勿論、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体は、一般式(2)で表される化合物に対して、一般式(3)で表されるカルボン酸誘導体またはそのアルカリ金属塩を作用させることにより好適に製造される。
【化7】
(式中、R1 はアリール基を表し、X1 およびX2 は前記に同じ)
H−Z−Y−COOH (3)
(式中、YおよびZは前記に同じ)
【0014】
一般式(2)で表される化合物において、R1 はアリール基を表し、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基であり、より好ましくは置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基であり、特に、置換基を有していてもよいフェニル基は好ましい。
一般式(2)で表される化合物は公知の化合物であり、それ自体公知の方法、代表的にはアミノサリチル酸誘導体とクロロギ酸アリールエステル類を反応させる方法により好適に製造される。
【0015】
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体を製造する際のもう一方の原料である一般式(3)で表されるカルボン酸誘導体またはそのアルカリ金属塩は公知の化合物であり、それ自体公知の方法により好適に製造される。
【0016】
一般式(3)で表される化合物として、例えば、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、3−ヒドロキシペンタン酸、4−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、4−ヒドロキシヘキサン酸、5−ヒドロキシヘキサン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシヘプタン酸、3−ヒドロキシヘプタン酸、4−ヒドロキシヘプタン酸、5−ヒドロキシヘプタン酸、6−ヒドロキシヘプタン酸、7−ヒドロキシヘプタン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、4−ヒドロキシオクタン酸、5−ヒドロキシオクタン酸、6−ヒドロキシオクタン酸、7−ヒドロキシオクタン酸、8−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシノナン酸、3−ヒドロキシノナン酸、4−ヒドロキシノナン酸、5−ヒドロキシノナン酸、6−ヒドロキシノナン酸、7−ヒドロキシノナン酸、8−ヒドロキシノナン酸、2−ヒドロキシデカン酸、3−ヒドロキシデカン酸、4−ヒドロキシデカン酸、5−ヒドロキシデカン酸、6−ヒドロキシデカン酸、7−ヒドロキシデカン酸、8−ヒドロキシデカン酸、9−ヒドロキシデカン酸、10−ヒドロキシデカン酸、2−ヒドロキシパルチミン酸、16−ヒドロキシパルチミン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロパン酸、3−メルカプトプロパン酸等の化合物を具体的に例示することができる。
【0017】
上述の方法により一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体を製造する際には、溶媒を用いてもよい。かかる溶媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒等の有機溶媒または水溶媒を挙げることができる。上記の溶媒は単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
【0018】
溶媒の使用量に関しては、特に制限するものではないが、余りに過多に使用することは、製造効率の点で好ましくないことは自明であり、また少なすぎる量の使用は、製造に長時間を要することになり製造効率の点で好ましくない。通常、溶媒は一般式(2)で表される化合物に対して、0.5〜200倍重量使用することが好ましく、0.5〜100倍重量使用することがより好ましい。
【0019】
一般式(3)で表される化合物の使用量に関しては、特に制限するものではないが、通常、一般式(2)で表される化合物1モルに対して、0.9〜2.0モル程度であり、1〜1.2モル程度であることがより好ましい。
反応温度については、特に制限はないが、通常、−20℃〜溶媒の沸点の範囲で行うことが好ましく、0℃〜溶媒の沸点で行うことがより好ましい。
反応時間は、反応温度により異なるが、通常は、数分〜数時間を必要とする。反応の経過は、公知の分析手段(例えば、高速液体クロマトグラフィー)により追跡することができるので、反応の終点を決定することができる。
【0020】
上記の方法で一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体を製造する際に、塩基を使用してもよい。塩基として特に制限されるものではなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ピリジン等の有機塩基を挙げることができる。これらの塩基は、単独で使用しても、複数併用してもよい。
塩基の使用量に関しては、特に制限されるものではないが、通常、一般式(2)で表される化合物1モルに対して、0.01〜10モル程度使用するのが好ましく、0.1〜5モル程度使用することがより好ましい。
反応終了後、反応生成物は、通常の後処理操作(例えば、濾過、乾燥、中和、溶媒留去など)を行って得ることができ、さらに公知の精製方法(例えば、再結晶、カラムクロマトグラフィーなど)によりさらに純度を高めることができる。以上の方法により本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体が製造できる。
【0021】
この本発明のサリチル酸誘導体は、同一分子内にカルボキシル基を2個有する構造であり、したがって、本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩は、何れか一方のカルボキシル基のみが金属塩化された化合物、および2つのカルボキシル基がともに金属塩化された化合物が存在し、これら両者を包含するものである。
すなわち、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩においては、一方のカルボキシル基のみが金属塩化された化合物(以下、金属塩・モノ体と称する)、および2つのカルボキシル基がともに多価金属塩された化合物(以下、金属塩・ジ体と称する)が存在し、本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩は、前述の金属塩・モノ体および金属塩・ジ体の両者を包含するものである。
【0022】
本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩とは、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価の金属塩、ならびに2価、3価および4価の金属塩(多価金属塩)を包含するものである。
多価金属塩の具体例としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ニッケル、スズ、銅、マンガン、コバルト、チタン、アルミニウム、鉄等の塩を挙げることができ、好ましくは、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ニッケル、マンガン、コバルト、アルミニウムの塩であり、より好ましくは、亜鉛、カルシウム、マンガンの塩であり、特に、亜鉛塩は好ましい。
【0023】
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体のアルカリ金属塩は、通常、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体1モルに対して、0.8〜2.4モル、好ましくは、1.0〜2.2モルのアルカリ金属化合物(例えば、水酸化リチルム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなど)を水の存在下で作用させることにより製造することができる。
【0024】
また、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の多価金属塩は、該サリチル酸誘導体のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等の金属塩)、アミン塩、アンモニウム塩などの水可溶性の塩の水溶液と、水可溶性の対応する多価金属化合物の水溶液とから複分解法により、水難溶性のあるいは水不溶性のサリチル酸誘導体の多価金属塩として製造される。この際、所望に応じて加熱を行ったり、あるいは有機溶媒を共存させてもよい。
上記の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩などの水可溶性の塩は、通常、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体1モルに対して、0.8〜2.4モル、好ましくは、1.0〜2.2モルのアルカリ金属化合物(例えば、水酸化リチルム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなど)あるいはアミン化合物(例えば、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルエタノールアミン、モルホリン、アンモニアなど)を水の存在下で作用させることにより製造することができる。
【0025】
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩を製造する際、水以外にも、水可溶性の有機溶媒、例えば、メタノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒などを共存させてもよい。
【0026】
上記の水可溶性の多価金属化合物としては、例えば、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化アルミニウム等の塩化物、酢酸亜鉛、酢酸マンガン等の酢酸塩等が挙げられる。
これらの水可溶性の多価金属化合物の使用量は、上記の方法で得られる一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩などの水可溶性の塩に対して、例えば、0.5〜4.0当量、好ましくは、1.0〜2.4当量である。
【0027】
本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体は、既に述べたように、同一分子内にカルボキシル基を2個有する構造であり、例えば、一方のカルボキシル基がアルカリ金属塩化された化合物(以下、アルカリ金属塩・モノ体と称する)、ならびに2つのカルボキシル基がともにアルカリ金属塩化された化合物(以下、アルカリ金属塩・ジ体と称する)が存在する。この場合、例えば、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体のアルカリ金属塩とは、上述のアルカリ金属塩・モノ体およびアルカリ金属塩・ジ体を包含するものであり、該サリチル酸誘導体のアルカリ金属塩1モルに対して、2価の亜鉛化合物(例えば、硫酸亜鉛など)0.5モルが1当量に相当するものである。
【0028】
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩を製造する際の温度は、特に制限されるものではないが、約0℃〜約50℃が好ましく、より好ましくは、約10℃〜約40℃である。
複分解の後、公知の方法(例えば、濾過、乾燥など)により、本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩を得ることができる。
上述のように製造される一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩は一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の種類、製造条件などによって、時として水和物等の溶媒和物を形成することがあるが、該金属塩の溶媒和物も本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩に包含される。
【0029】
本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体のアルカリおよび/または多価金属塩を感熱記録材料の電子受容性化合物として、使用する場合、好ましくは水難溶性または水不溶性の多価金属塩であり、より好ましくは、2価の金属塩である。
【0030】
本発明の感熱記録材料は、電子供与性発色性化合物と電子受容性化合物を含有する感熱記録材料において、該電子受容性化合物として一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩を少なくとも1種含有するものである。
また、本発明のサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩の電子受容性化合物しての効果は、さらに金属化合物を含有させることにより、感熱記録材料における発色画像の保存安定性が高めるられる。
【0031】
金属化合物としては、2価、3価または4価の金属、例えば、亜鉛、マグネシウム、バリウム、カルシウム、アルミニウム、スズ、チタン、ニッケル、コバルト、マンガン、鉄などから選ばれる金属の酸化物、水酸化物、硫化物、ハロゲン化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、硝酸塩などを挙げることができる。特に、亜鉛化合物が好ましい。
金属化合物の具体例としては、例えば、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、アルミン酸亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、リン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、チオシアン亜鉛、硫酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、酸化スズ、酸化チタンが挙げられる。これらの金属化合物は、単独で使用しても、あるいは複数併用してもよい。特に好ましくは、炭酸亜鉛、酸化亜鉛である。
これら金属化合物の使用量については、特に限定するものではないが、通常、電子受容性化合物として使用する一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩100重量部に対して、1〜500重量部、好ましくは、3〜300重量部の範囲で使用するのが望ましい。
【0032】
金属化合物を、本発明の感熱記録材料に含有させるには、その方法として、特に限定するものではないが、例えば、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩と金属化合物を、予め混合した混合物を、分散処理して得られた分散液、あるいは一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩と金属化合物を夫々別個に分散し、これらの分散液を混合して得られた分散液を、支持体上に塗布する方法が適用される。
【0033】
本発明の感熱記録材料に使用する電子受容性化合物としての一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩に金属化合物および/または熱可融性化合物の混合物を調製する際、攪拌混合しなくともよいが、適当な攪拌、混合装置を用いて攪拌混合を行うことは好ましい。攪拌、混合装置としては、例えば、乳鉢、プロペラ型攪拌機、タービン型攪拌機、パドル型攪拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー、ラインミキサー、ラインホモミキサー等のメディアを用いない攪拌、混合装置、あるいは、アトライター、セントリーミル等の攪拌槽型ミル、サンドグラインダー、クレーンミル、パールミル、マターミル、ダイノミル等の流通管型ミル、コニカルボールミル、アニュラーミル等のアニュラー型連続湿式攪拌ミル等のメディア(例えば、ガラスビーズ、セラミックボール、スチールボール等)を充填した攪拌、混合装置を挙げることができる。
通常、該混合物は、大気圧下で調製できるが、所望に応じて、減圧下あるいは加圧下で調製してもよい。さらに、所望に応じて、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガス雰囲気下で、該混合物を調製することもできる。
【0034】
本発明に使用する無色ないし淡色の電子供与性発色性化合物としては、トリアリールメタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、ローダミン−ラクタム系化合物、フルオラン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ジビニルフタリド系化合物、ピリジン系化合物、スピロ系化合物、フルオレン系化合物、チアジン系化合物などの各種公知の電子供与性発色性化合物が挙げられる。
【0035】
上記の電子供与性発色性化合物の中でも、好ましくは、フルオラン系化合物であり、より好ましくは、一般式(a)で表されるフルオラン系化合物である。
【化8】
(式中、AおよびBは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数3〜8のアルコキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基またはテトラヒドロフルフリル基を表し、さらに、AとBは結合してピロリジン環、ピペリジン環またはモルホリン環を形成してもよく、Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子を表し、YおよびZは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリフルオロメチル基を表す)
【0036】
電子供与性発色性化合物のいくつかの具体例を挙げると、トリアリールメタン系化合物としては、例えば、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔“クリスタルバイオレットラクトン”〕、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−メチルピロール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリドなどがある。
【0037】
ジアリールメタン系化合物としては、例えば、4,4−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどがある。
【0038】
ローダミン−ラクタム系化合物としては、例えば、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(4−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(2−クロロアニリノ)ラクタムなどがある。
【0039】
フルオラン系化合物としては、例えば、3,6−ジメトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3,6−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジ−n−ヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’,3’−ジクロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−エトキシ−7−アニリノフルオラン、
【0040】
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−モルホリノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−オクチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−プロピル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−オクチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
【0041】
3−N−シクロペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−オクチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−メトキシエチル)−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−エトキシエチル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−メトキシプロピル)−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−メトキシプロピル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−テトラヒドロフルフリル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(4’−メチルフェニル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
【0042】
3−ジエチルアミノ−6−エチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3’−メチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、2,2−ビス〔4’−(3−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチルフルオラン)−7−イルアミノフェニル〕プロパン、3−〔4’−(4−フェニルアミノフェニル)アミノフェニル〕アミノ−6−メチル−7−クロロフルオランなどがある。
【0043】
インドリルフタリド系化合物としては、例えば、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(2−エトキシ−4−ジブチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドなどがある。
【0044】
ジビニルフタリド系化合物としては、例えば、3,3−ビス〔2,2−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔2,2−ビス(4−ピロリジノフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス〔2−(4−メトキシフェニル)−2−(4−ジメチルアミノフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔2−(4−メトキシフェニル)−2−(4−ピロリジノフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリドなどがある。
【0045】
ピリジン系化合物としては、例えば、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−n−ブトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−4または7−アザフタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4または7−アザフタリドなどがある。
【0046】
スピロ系化合物としては、例えば、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピランなどがある。
【0047】
フルオレン系化合物としては、例えば、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−(N−アリル−N−メチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)−スピロ〔フルオレン−9,6’−6’H−クロメノ(4,3−b)インドール〕、3,6−ビス(ジメチルアミノ)−3’−メチル−スピロ〔フルオレン−9,6’−6’H−クロメノ(4,3−b)インドール〕、3,6−ビス(ジエチルアミノ)−3’−メチル−スピロ〔フルオレン−9,6’−6’H−クロメノ(4,3−b)インドール〕などがある。
【0048】
チアジン系化合物としては、例えば、ベンゾイルロイコメチレンブルー、4−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルーなどがある。
これらの電子供与性発色性化合物は単独で使用しても、あるいは複数併用してもよい。
【0049】
電子供与性発色性化合物としては、特に、黒色発色するフルオラン系化合物が好ましく、中でも、好ましくは、ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−プロピル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−メトキシエチル)−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3’−メチルフェニルアミノ)フルオランである。
【0050】
本発明の感熱記録材料においては、電子供与性発色性化合物および電子受容性化合物の使用割合は、特に限定するものではないが、通常、電子供与性発色性化合物100重量部に対し、電子受容性化合物50〜700重量部、好ましくは、100〜500重量部使用するのが望ましい。
【0051】
本発明の感熱記録材料は、電子受容性化合物として一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩を少なくとも1種を含有するものであるが、本発明の所望の効果を損なわない範囲で他の電子受容性化合物を併用することも可能である。
この場合、全電子受容性化合物中に占める一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩の割合は、通常、10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上に調整するのが望ましい。
【0052】
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩以外の電子受容性化合物としてはフェノール誘導体、有機酸あるいはその金属塩、錯体、尿素誘導体などの有機電子受容性化合物あるいは酸性白土などの無機電子受容性化合物が挙げられる。
これらの化合物のいくつかの具体例を挙げると、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4−フェニルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、ハイドロキノン、レゾルシノール、4−tert−オクチルカテコール、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔“ビスフェノールA”〕、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)酢酸エチルエステル、4,4−(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸−n−ブチルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸フェネチルエステル、2,4−ジヒドロキシ安息香酸フェノキシエチルエステル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル、没食子酸−n−プロピルエステル、没食子酸−n−オクチルエステル、没食子酸−n−ドデシルエステル、没食子酸−n−オクタデシルエステル、ハイドロキノンモノベンジルエーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、
【0053】
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−tert−ブチルジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−クロロジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−n−ブトキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルフォン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2−メトキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルフォン、2−エトキシ−2’−ヒドロキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−3−メチル−4’−n−プロポキシジフェニルスルフォン、ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)スルフォン、ビス(2−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)スルフォン、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,7−ビス(4’−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4’−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタンなどのフェノール誘導体、あるいはこれらフェノール誘導体の金属塩(たとえば、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、チタン等の金属塩)、
【0054】
例えば、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、3−メチル−5−α−メチルベンジルサリチル酸、4−〔2’−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3’−(4−メチルフェニルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、4−〔3’−(4−メトキシフェニルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5−{4’−〔2−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ〕クミル}サリチル酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、6−アセトキシ−2−ナフトエ酸、フタル酸モノベンジルエステル、フタル酸モノフェニルエステル、イソフタル酸、4−メチル安息香酸、2−ベンゾイル安息香酸、2−(4’−クロロベンゾイル)安息香酸、4−ニトロ安息香酸、4−クロロ安息香酸、4−ホルミル安息香酸などの有機酸あるいはこれらの金属塩(たとえば、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、チタン等の金属塩)、
【0055】
例えば、チオシアン酸亜鉛アンチピリン錯体、モリブデン酸アセチルアセトン錯体などの錯体、
例えば、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)チオ尿素、1,4−ジ(3’−クロロフェニル)−3−チオセミカルバジド、N−フェニル−N’−(4−メチルフェニルスルフォニル)尿素、4,4’−ビス(4”−メチルフェニルスルフォニルカルボニルアミノ)ジフェニルメタンなどの尿素誘導体などの有機電子受容性化合物、
【0056】
例えば、酸性白土、アタパルガイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、活性白土、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛などの無機電子受容性化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの電子受容性化合物は、複数併用することもできる。これらの中でも、特にフェノール誘導体は好ましい電子受容性化合物である。
【0057】
本発明の感熱記録材料は、以下述べるように、公知の感熱記録材料を製造するための各種公知の処方(熱可融性化合物の添加など)がさらに付与される。
本発明の感熱記録材料において、所望により熱可融性化合物(融点約70〜150℃、より好ましくは、融点約80〜130℃の化合物)を本発明の感熱記録材料にさらに添加することは、高速記録に対応した感熱記録材料を得るためには好ましいことである。この場合、熱可融性化合物の使用量に関しては、特に限定するものではないが、通常、電子供与性発色性化合物100重量部に対し、熱可融性化合物10〜700重量部、好ましくは、20〜500重量部使用するのが望ましい。
【0058】
熱可融性化合物の具体例としては、例えば、カプロン酸アミド、カプリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルシン酸アミド、リノ−ル酸アミド、リノレン酸アミド、N−エチルカプリン酸アミド、N−ブチルラウリン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、N−メチルオレイン酸アミド、N−ステアリルシクロヘキシルアミド、N−オクタデシルアセトアミド、N−オレインアセトアミド、ステアリル尿素、ステアリン酸アニリド、ベンズアニリド、リノール酸アニリド、アセト酢酸アニリド、o−アセト酢酸トルイジド、p−アセト酢酸アニシジド、N−エチルカルバゾール、4−メトキシジフェニルアミン、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどの含窒素化合物、
【0059】
例えば、4−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステル、2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)エステル、アジピン酸ジフェニルエステル、グルタル酸ジフェナシルエステル、ジ(4−メチルフェニル)カーボネート、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジ−n−ブチルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、イソフタル酸ジ−n−ブチルエステル、イソフタル酸ビス(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)エステル、ビス〔2−(ベンゾイルオキシ)エチル〕スルフィドなどのエステル化合物、
【0060】
例えば、4−ベンジルビフェニル、m−ターフェニル、フルオレン、フルオランテン、2,6−ジイソプロピルナフタレン、3−ベンジルアセナフテンなどの炭化水素化合物、
【0061】
例えば、2−ベンジルオキシナフタレン、2−(4’−メチルベンジルオキシ)ナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3’−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4’−メチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4’−エチルフェノキシ)エタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−フェノキシエタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−(3’−メチルフェノキシ)エタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−(2’−メチルフェノキシ)エタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−フェノキシプロパン、1−フェノキシ−2−(4’−メトキシフェノキシ)プロパン、1,2−ビス(4’−メトキシフェノキシ)プロパン、1,3−ビス(4’−メトキシフェノキシ)プロパン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−(2’−クロロフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシブタン、ビス〔2−(4’−メトキシフェノキシ)エチル〕エーテル、4−(4’−メチルフェノキシ)ビフェニル、1,2−ジフェノキシベンゼン、1,4−ジフェノキシベンゼン、1,4−ビスベンジルオキシベンゼン、1,4−ビス(2’−クロロベンジルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2’−クロロフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4’−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3’−メチルフェノキシメチル)ベンゼン、4−(4’−クロロベンジルオキシ)エトキシベンゼン、4,4’−ビス(フェノキシ)ジフェニルエーテル、1,4−ビス(4’−ベンジルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス〔(4’−メチルフェニルオキシ)メトキシメチル〕ベンゼン、4−(4’−メトキシベンジルチオ)アニソール、1−フェノキシ−2−(4’−メトキシフェニルチオ)エタン、1,2−ビス(4’−メトキシフェニルチオ)エタン、1−(4’−メチルフェノキシ)−2−(4’−メトキシフェニルチオ)エタン、ベンジル−4−メチルチオフェニルエーテル、4,4’−ビス(フェノキシ)ジフェニルチオエーテル、4,4’−ジ−n−ブトキシジフェニルスルフォンなどのエ−テル化合物あるいは含硫黄化合物、
【0062】
例えば、1,4−ジ(グリシジルオキシ)ベンゼン、1,4−ジグリシジルテレフタレート、4−グリシジルオキシ−4’−イソプロピルオキシジフェニルスルフォン、4−〔(2,3−エポキシ−2−メチル)プロピルオキシ〕フェニル−4’−(ベンジルオキシ)フェニルスルフォン、4−〔(2,3−エポキシ)プロピルオキシ〕フェニル−4’−(4−メチルベンジルオキシ)ジフェニルスルフォンなどのエポキシ基を有する化合物、
【0063】
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール化合物などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの熱可融性化合物は、単独で使用しても、あるいは複数併用してもよい。
【0064】
本発明の感熱記録材料を製造するには、特殊な方法によらなくとも公知の方法により製造することができる。
一般的には、水存在下、電子供与性発色性化合物、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩、さらに所望に応じて、熱可融性化合物、金属化合物などを、一緒に、あるいは別々に水溶性バインダー中で、ボールミル、サンドミル、サンドミル(縦型、横型)、アトライタ、コロイダルミルなどの混合、粉砕機により、通常、3μm以下、好ましくは、2μm以下の粒径にまで粉砕分散し、混合し、感熱記録層用の塗液を調整することができる。かかる塗液中には、バインダーが、全固形分の5〜50重量%程度配合される。
【0065】
バインダーとしては、水溶性バインダーが一般的に用いられ、例えば、ポリビニールアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルフォン化変性ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、エピクロルヒドリン変成ポリアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、メチロール変成ポリアクリルアミド、デンプン、デンプン誘導体(酸化デンプン、エーテル化デンプン等)、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム等を例示することができるが、これらに限定されるものでない。
【0066】
更に必要に応じて、本発明の感熱記録材料の記録層中には、顔料、水不溶性バインダー、金属石鹸、ワックス、界面活性剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、架橋剤、ヒンダードフェノール、消泡剤などを添加する。
顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、ロウ石、カオリン、クレー、ケイソウ土、シリカなどの無機顔料、スチレンマイクロボール、ナイロン粒子、尿素−ホルマリン充填剤、ポリエチレン粒子、セルロース充填剤、デンプン粒子などの有機顔料が用いられる。
【0067】
水不溶性バインダーとしては、合成ゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンが一般的であり、例えば、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョンなどが知られており、必要に応じて使用される。
金属石鹸としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸亜鉛などの高級脂肪酸金属塩を挙げることができる。
【0068】
ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルボキシ変成パラフィンワックス、カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、ポリスチレンワックス、キャンデリアワックス、モンタンワックス、高級脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0069】
界面活性剤(分散剤)としては、例えば、スルホコハク酸系のアルカリ金属塩〔例えば、ジ(n−ヘキシル)スルホコハク酸、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩〕、ドデシルベンゼンスルフォン酸のナトリウム塩、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸金属塩、フッ素含有の界面活性剤などが挙げられる。
【0070】
紫外線吸収剤、紫外線安定剤としては、例えば、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、トリアゾール誘導体、ヒンダードアミン誘導体などが挙げられる。
架橋剤としては、例えば、グリオキザールなどのアルデヒド化合物、エポキシ化合物、ポリアミド樹脂、ジグリシジル化合物、アジリジン化合物、塩化マグネシウム、塩化第二鉄などが挙げられる。
【0071】
ヒンダードフェノールとしては、フェノール性水酸基のオルト位の少なくとも1つが分枝アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましく、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノ−ル)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2−メチル−6−エチルベンジル)イソシアヌル酸、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)スルフィドなどが挙げられる。
【0072】
本発明の感熱記録材料において、記録層の形成方法に関しては特に限定されるものではなく、従来より公知の技術に従って形成することができる。
例えば、感熱記録層用の塗液を、支持体上にエアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、ワイヤーバーなどの適当な塗布装置で塗布、乾燥して記録層を形成することができる。
また、塗液の塗布量に関しても特に限定されるものではなく、一般に乾燥重量で1.5〜12g/m2、好ましくは、2.5〜10g/m2の範囲で調整される。
【0073】
支持体としては紙、プラスチックシート、合成紙、あるいはこれらを組み合わせた複合シート、さらには不織布シート、成型物が用いられる。
なお、必要に応じて感熱記録層の表面および/あるいは裏面に樹脂などからなる保護層(オーバーコート層)を設けたり、支持体と感熱記録層の間に単層あるいは複数層の顔料(例えば、カオリン)あるいは合成樹脂(例えば、プラスチック球状粒子、プラスチック球状中空粒子)などからなる下塗り層(アンダーコート層)を設けること、感熱記録層と下塗り層との間、あるいは感熱記録層と保護層との間に顔料、バインダーなどからなる中間層を設けることも勿論可能であり、さらには支持体の裏側面に粘着加工を施すなど感熱記録材料の製造方法における各種の公知技術を付与しえる。さらに記録層の形成後、スーパーキャレンダー処理を施すこともできる。
【0074】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例において、%は重量%を表す。
製造例1(例示化合物番号22の化合物の製造)
4−フェニルオキシカルボニルアミノサリチル酸23.5gおよび3−ヒドロキシブタン酸ナトリウム塩21.7gをN,N−ジメチルホルムアミド140gに溶解させた溶液に対して、炭酸水素ナトリウム7.2gを装入した後、該溶液を60℃で6時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を水1500mlに排出した後、pH4となるまで希塩酸水を少量ずつ加えた。析出した固形物を濾過、水洗し、粗生成物として4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸18.1gを得た。粗生成物を酢酸エチル500mlに溶解させた後、不溶物を濾過して取り除いた。該溶液を活性炭処理した後、酢酸エチルを減圧留去して得られた固体を50℃で乾燥した。無色結晶として、4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸14.8gを得た。
融点 197〜199℃
H1 −NMR δ(DMSO−d6 ):1.7〜2.6(m,4H)、3.9〜4.3(m,2H)、6.8〜7.8(m,3H)、9.8〜9.9(s,1H)、11.0〜13.0(br,2H)
FAB−MS m/z=284(MH+ )
【0075】
製造例2〔例示化合物番号22の化合物の亜鉛塩・モノ体の製造)
製造例1で製造した4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸45.0gにメタノール500mlを加えて得た溶液に対して、炭酸水素ナトリウム13.4gを溶解した水溶液250mlを滴下した後、室温で1時間攪拌した。得られた4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸のナトリウム塩の溶液に対して、硫酸亜鉛七水和物22.9gを溶解した水溶液750mlを、室温で1時間要して滴下した。さらに室温で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過、水洗した後、40℃で24時間乾燥して、4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸の亜鉛塩・モノ体46.0gを無色結晶として得た。
融点 >300℃
【0076】
製造例3〔例示化合物番号22の化合物の亜鉛塩・ジ体の製造)
製造例1で製造した4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸45.0gにメタノール500mlを加えて得られた溶液に対して、炭酸水素ナトリウム26.7gを溶解した水溶液500mlを滴下した後、室温で1時間攪拌した。得られた4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸のナトリウム塩の溶液に対して、硫酸亜鉛七水和物45.7gを溶解した水溶液1000mlを、室温で1時間要して滴下した。さらに室温で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過、水洗した後、40℃で24時間乾燥して、4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸の亜鉛塩・ジ体48.0gを無色結晶として得た。
融点 >300℃
【0077】
〔感熱記録紙の評価〕
1.未発色部の保存安定性試験
以下の実施例および比較例で作成した各感熱記録紙の塗布直後の未発色部(地肌)の白色度を色差計(Σ−80、日本電色製)を用いて測定した。
なお、保存安定性試験は、耐油性試験および耐筆記具性試験を行った。
耐油性試験は、各感熱記録紙にジオクチルフタレートを含有したカプセル塗工紙を重ね、加圧ロールを通過させた後、1週間25℃で保存した後の、白色度を色差計を用いて測定した。
数値が大きいほど、未発色部の白色度が優れていることを示している。
耐筆記具性試験は、各感熱記録紙の未発色部分に蛍光ペンで筆記した後、25℃、72時間放置後の、未発色部分の白色度を目視で観察した。○は汚れの無い白色度の高い状態を示し、×は黒灰色に汚れた状態を示す。
【0078】
2.発色画像の保存安定性試験
各感熱記録紙を、感熱紙発色装置(大倉電気製TH−PMD)を用いて、マクベス濃度計(TR−524型)を用いて測定した発色濃度が0.9である発色画像を形成した後、保存安定性試験を行った。
なお、保存安定性試験は、耐湿熱性試験および耐油性試験を行い、各試験後の各感熱記録紙の発色画像の残存率を調べた。
耐湿熱性試験は各感熱記録紙を、40℃、90%相対湿度中に24時間保存した後の発色画像濃度を、マクベス濃度計を用いて測定し、発色画像の残存率を求めた。
耐油性試験は各感熱記録紙に、ジオクチルフタレートを含有したカプセル塗工紙を重ね、加圧ロールを通過させた後、1週間25℃で保存した後の発色画像濃度を、マクベス濃度計を用いて測定し、発色画像の残存率を求めた。
残存率(%)=(各試験後の発色画像濃度/試験前の発色画像濃度(0.9)) ×100
数値が大きいほど、発色画像の保存安定性が優れていることを示している。
【0079】
上記A液、B液、C液をそれぞれサンドグラインディングミルで平均粒子径が1.5μmになるように分散し分散液を調整した。
A液100g、B液250g、C液250gの分散液と30%パラフィンワックス23gを混合して、これを上質紙に乾燥塗布量が5.0g/m2となるように塗布、乾燥し、感熱記録紙を作成した。
尚、各実施例に使用したA液中の電子供与性発色性化合物、C液中の熱可融性化合物およびB液中の電子受容性化合物として用いた一般式(1)で表される安息香酸誘導体または該誘導体の金属塩を、第1表(表1および2)に示した。
尚、第1表中、熱可融性化合物aは、2−ベンジルオキシナフタレンを、
熱可融性化合物bは、1,2−ビス(3’−メチルフェノキシ)エタンを、
熱可融性化合物cは、4−(4’−メチルフェノキシ)ビフェニルを、
熱可融性化合物dは、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステルを表す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
実施例17〜25
上記実施例において、B液の代わりに、下記のD液を用いた以外は、同様の方法により、感熱記録紙を作製した。
なお、使用したA液中の電子供与性発色化合物、C液中の熱可融性化合物およびD液中の電子受容性化合物として用いた一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の亜鉛塩を第2表(表3)に示した。
尚、第2表中、熱可融性化合物aは、2−ベンジルオキシナフタレンを、
熱可融性化合物bは、1,2−ビス(3’−メチルフェノキシ)エタンを、
熱可融性化合物cは、4−(4’−メチルフェノキシ)ビフェニルを、
熱可融性化合物dは、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステルを表す。
【0083】
【表3】
【0084】
比較例1〜5
A液100g、B液250g、C液250gの分散液と30%パラフィンワックス23gを混合して、これを上質紙に乾燥塗布量が5.0g/m2となるように塗布、乾燥し、感熱記録紙を作成した。C液中の熱可融性化合物として、2−ベンジルオキシナフタレンを使用した。
尚、各比較例に使用したA液中の電子供与性発色性化合物およびB液中の電子受容性化合物は第3表(表4)に示した。
【0085】
【表4】
第4表(表5)および第5表(表6)には、実施例1〜25および比較例1〜5で作成した感熱記録紙の未発色部および発色画像の保存安定性試験の結果を示した。
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
第4表および第5表の結果から明らかなように、本発明の電子受容性化合物として一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩を含有する感熱記録材料は、従来の感熱記録材料に比較して、未発色部および発色画像の保存安定性に優れている。
【0088】
【発明の効果】
本発明のサリチル酸誘導体は同一分子内に2つのカルボキシル基を有する構造で、金属塩を感熱記録材料の電子受容性化合物として用い、未発色部および発色画像の保存安定性に優れたものを提供できる。また、同一分子内に2個のカルボキシル基を有する化合物として多種の金属塩を記録材料として提供できるばかりでなく産業上、各種用途への適用が期待できる。
【産業上の利用分野】
本発明は、感圧または感熱記録材料等の記録材料用の電子受容性化合物、あるいは高分子材料用のモノマーまたは添加剤として有用なサリチル酸誘導体および該サリチル酸誘導体の金属塩に関し、さらには保存安定性を向上させた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子供与性発色性化合物と電子受容性化合物(顕色剤)との呈色反応を利用した記録材料(例えば、感圧記録材料、感熱記録材料など)はよく知られている。この電子受容性化合物として、フェノ−ル化合物またはカルボン酸化合物などの有機酸化合物が有用であることが知られており、数多くの化合物が提案されている。例えば、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔“ビスフェノール−A”〕は低価格で入手しやすいという点で広く利用されているものの、ビスフェノールAを電子受容性化合物として使用した感熱記録材料は、未発色部および発色画像の保存安定性が悪い等の問題点がある。
現在では、これらの問題点を克服した、保存安定性に優れた感熱記録材料が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、感圧、感熱記録材料等の記録材料用の電子受容性化合物、あるいは高分子材料用のモノマーまたは添加剤として有用なサリチル酸誘導体および該誘導体の金属塩を提供することである。さらには、上述の問題点を克服した保存安定性に優れた感熱記録材料を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の要望にこたえるべく鋭意検討した結果、本発明に達した。
すなわち、本発明は、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体およびその金属塩である。
【化3】
(式中、X1 およびX2 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、Yはアルキレン基を表し、Zは酸素原子または硫黄原子を表す)
さらに本発明は、電子供与性発色性化合物と電子受容性化合物を含有する感熱記録材料において、該電子受容性化合物として上記の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該酸誘導体の金属塩を少なくとも一種含有する感熱記録材料である。
【0005】
本発明のサリチル酸誘導体は前記一般式(1)で表されるものであり、より詳細には、
一般式(1)において、X1 およびX2 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、好ましくは水素原子、炭素数1〜20の鎖状アルキル基、炭素数5〜14の環状アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、フェニル基、フッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜4の鎖状アルキル基、シクロヘキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、クミル基またはフェニル基であり、特に水素原子が好ましい。
【0006】
一般式(1)において、Yはアルキレン基を表し、好ましくは分岐していてもよい総炭素数1〜20のアルキレン基であり、より好ましくは分岐していてもよい総炭素数1〜8のアルキレン基であり、さらに好ましくは分岐していてもよい総炭素数1〜4のアルキレン基であり、特にトリメチレン基が好ましい基である。
一般式(1)において、Zは酸素原子または硫黄原子を表し、好ましくは酸素原子である。
【0007】
本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体は、サリチル酸骨格内にカーバメート基を有するものであるが、カーバメート基の置換位置はサリチル酸骨格において、3位、4位、5位または6位の位置であり、3位、4位または5位に置換されていることが好ましく、4位または5位に置換されていることがより好ましく、4位に置換されていることが特に好ましい。
【0008】
即ち、本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の好ましい具体例として、下記の一般式(1−a)〜(1−c)で表されるサリチル酸誘導体を挙げることができ、より好ましくは一般式(1−a)または(1−b)で表されるサリチル誘導体であり、一般式(1−a)で表されるサリチル酸誘導体は特に好ましい。
【化4】
【化5】
【化6】
(式中、X1 、X2 、YおよびZは前記に同じ)
【0009】
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体としては、例えば、以下に示す化合物を例示することができるが、勿論、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体は、一般式(2)で表される化合物に対して、一般式(3)で表されるカルボン酸誘導体またはそのアルカリ金属塩を作用させることにより好適に製造される。
【化7】
(式中、R1 はアリール基を表し、X1 およびX2 は前記に同じ)
H−Z−Y−COOH (3)
(式中、YおよびZは前記に同じ)
【0014】
一般式(2)で表される化合物において、R1 はアリール基を表し、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基であり、より好ましくは置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基であり、特に、置換基を有していてもよいフェニル基は好ましい。
一般式(2)で表される化合物は公知の化合物であり、それ自体公知の方法、代表的にはアミノサリチル酸誘導体とクロロギ酸アリールエステル類を反応させる方法により好適に製造される。
【0015】
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体を製造する際のもう一方の原料である一般式(3)で表されるカルボン酸誘導体またはそのアルカリ金属塩は公知の化合物であり、それ自体公知の方法により好適に製造される。
【0016】
一般式(3)で表される化合物として、例えば、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、3−ヒドロキシペンタン酸、4−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、4−ヒドロキシヘキサン酸、5−ヒドロキシヘキサン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシヘプタン酸、3−ヒドロキシヘプタン酸、4−ヒドロキシヘプタン酸、5−ヒドロキシヘプタン酸、6−ヒドロキシヘプタン酸、7−ヒドロキシヘプタン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、4−ヒドロキシオクタン酸、5−ヒドロキシオクタン酸、6−ヒドロキシオクタン酸、7−ヒドロキシオクタン酸、8−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシノナン酸、3−ヒドロキシノナン酸、4−ヒドロキシノナン酸、5−ヒドロキシノナン酸、6−ヒドロキシノナン酸、7−ヒドロキシノナン酸、8−ヒドロキシノナン酸、2−ヒドロキシデカン酸、3−ヒドロキシデカン酸、4−ヒドロキシデカン酸、5−ヒドロキシデカン酸、6−ヒドロキシデカン酸、7−ヒドロキシデカン酸、8−ヒドロキシデカン酸、9−ヒドロキシデカン酸、10−ヒドロキシデカン酸、2−ヒドロキシパルチミン酸、16−ヒドロキシパルチミン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロパン酸、3−メルカプトプロパン酸等の化合物を具体的に例示することができる。
【0017】
上述の方法により一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体を製造する際には、溶媒を用いてもよい。かかる溶媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒等の有機溶媒または水溶媒を挙げることができる。上記の溶媒は単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
【0018】
溶媒の使用量に関しては、特に制限するものではないが、余りに過多に使用することは、製造効率の点で好ましくないことは自明であり、また少なすぎる量の使用は、製造に長時間を要することになり製造効率の点で好ましくない。通常、溶媒は一般式(2)で表される化合物に対して、0.5〜200倍重量使用することが好ましく、0.5〜100倍重量使用することがより好ましい。
【0019】
一般式(3)で表される化合物の使用量に関しては、特に制限するものではないが、通常、一般式(2)で表される化合物1モルに対して、0.9〜2.0モル程度であり、1〜1.2モル程度であることがより好ましい。
反応温度については、特に制限はないが、通常、−20℃〜溶媒の沸点の範囲で行うことが好ましく、0℃〜溶媒の沸点で行うことがより好ましい。
反応時間は、反応温度により異なるが、通常は、数分〜数時間を必要とする。反応の経過は、公知の分析手段(例えば、高速液体クロマトグラフィー)により追跡することができるので、反応の終点を決定することができる。
【0020】
上記の方法で一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体を製造する際に、塩基を使用してもよい。塩基として特に制限されるものではなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ピリジン等の有機塩基を挙げることができる。これらの塩基は、単独で使用しても、複数併用してもよい。
塩基の使用量に関しては、特に制限されるものではないが、通常、一般式(2)で表される化合物1モルに対して、0.01〜10モル程度使用するのが好ましく、0.1〜5モル程度使用することがより好ましい。
反応終了後、反応生成物は、通常の後処理操作(例えば、濾過、乾燥、中和、溶媒留去など)を行って得ることができ、さらに公知の精製方法(例えば、再結晶、カラムクロマトグラフィーなど)によりさらに純度を高めることができる。以上の方法により本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体が製造できる。
【0021】
この本発明のサリチル酸誘導体は、同一分子内にカルボキシル基を2個有する構造であり、したがって、本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩は、何れか一方のカルボキシル基のみが金属塩化された化合物、および2つのカルボキシル基がともに金属塩化された化合物が存在し、これら両者を包含するものである。
すなわち、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩においては、一方のカルボキシル基のみが金属塩化された化合物(以下、金属塩・モノ体と称する)、および2つのカルボキシル基がともに多価金属塩された化合物(以下、金属塩・ジ体と称する)が存在し、本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩は、前述の金属塩・モノ体および金属塩・ジ体の両者を包含するものである。
【0022】
本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩とは、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価の金属塩、ならびに2価、3価および4価の金属塩(多価金属塩)を包含するものである。
多価金属塩の具体例としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ニッケル、スズ、銅、マンガン、コバルト、チタン、アルミニウム、鉄等の塩を挙げることができ、好ましくは、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ニッケル、マンガン、コバルト、アルミニウムの塩であり、より好ましくは、亜鉛、カルシウム、マンガンの塩であり、特に、亜鉛塩は好ましい。
【0023】
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体のアルカリ金属塩は、通常、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体1モルに対して、0.8〜2.4モル、好ましくは、1.0〜2.2モルのアルカリ金属化合物(例えば、水酸化リチルム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなど)を水の存在下で作用させることにより製造することができる。
【0024】
また、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の多価金属塩は、該サリチル酸誘導体のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等の金属塩)、アミン塩、アンモニウム塩などの水可溶性の塩の水溶液と、水可溶性の対応する多価金属化合物の水溶液とから複分解法により、水難溶性のあるいは水不溶性のサリチル酸誘導体の多価金属塩として製造される。この際、所望に応じて加熱を行ったり、あるいは有機溶媒を共存させてもよい。
上記の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩などの水可溶性の塩は、通常、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体1モルに対して、0.8〜2.4モル、好ましくは、1.0〜2.2モルのアルカリ金属化合物(例えば、水酸化リチルム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなど)あるいはアミン化合物(例えば、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルエタノールアミン、モルホリン、アンモニアなど)を水の存在下で作用させることにより製造することができる。
【0025】
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩を製造する際、水以外にも、水可溶性の有機溶媒、例えば、メタノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒などを共存させてもよい。
【0026】
上記の水可溶性の多価金属化合物としては、例えば、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化アルミニウム等の塩化物、酢酸亜鉛、酢酸マンガン等の酢酸塩等が挙げられる。
これらの水可溶性の多価金属化合物の使用量は、上記の方法で得られる一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩などの水可溶性の塩に対して、例えば、0.5〜4.0当量、好ましくは、1.0〜2.4当量である。
【0027】
本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体は、既に述べたように、同一分子内にカルボキシル基を2個有する構造であり、例えば、一方のカルボキシル基がアルカリ金属塩化された化合物(以下、アルカリ金属塩・モノ体と称する)、ならびに2つのカルボキシル基がともにアルカリ金属塩化された化合物(以下、アルカリ金属塩・ジ体と称する)が存在する。この場合、例えば、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体のアルカリ金属塩とは、上述のアルカリ金属塩・モノ体およびアルカリ金属塩・ジ体を包含するものであり、該サリチル酸誘導体のアルカリ金属塩1モルに対して、2価の亜鉛化合物(例えば、硫酸亜鉛など)0.5モルが1当量に相当するものである。
【0028】
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩を製造する際の温度は、特に制限されるものではないが、約0℃〜約50℃が好ましく、より好ましくは、約10℃〜約40℃である。
複分解の後、公知の方法(例えば、濾過、乾燥など)により、本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩を得ることができる。
上述のように製造される一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩は一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の種類、製造条件などによって、時として水和物等の溶媒和物を形成することがあるが、該金属塩の溶媒和物も本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩に包含される。
【0029】
本発明の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体のアルカリおよび/または多価金属塩を感熱記録材料の電子受容性化合物として、使用する場合、好ましくは水難溶性または水不溶性の多価金属塩であり、より好ましくは、2価の金属塩である。
【0030】
本発明の感熱記録材料は、電子供与性発色性化合物と電子受容性化合物を含有する感熱記録材料において、該電子受容性化合物として一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩を少なくとも1種含有するものである。
また、本発明のサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩の電子受容性化合物しての効果は、さらに金属化合物を含有させることにより、感熱記録材料における発色画像の保存安定性が高めるられる。
【0031】
金属化合物としては、2価、3価または4価の金属、例えば、亜鉛、マグネシウム、バリウム、カルシウム、アルミニウム、スズ、チタン、ニッケル、コバルト、マンガン、鉄などから選ばれる金属の酸化物、水酸化物、硫化物、ハロゲン化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、硝酸塩などを挙げることができる。特に、亜鉛化合物が好ましい。
金属化合物の具体例としては、例えば、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、アルミン酸亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、リン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、チオシアン亜鉛、硫酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、酸化スズ、酸化チタンが挙げられる。これらの金属化合物は、単独で使用しても、あるいは複数併用してもよい。特に好ましくは、炭酸亜鉛、酸化亜鉛である。
これら金属化合物の使用量については、特に限定するものではないが、通常、電子受容性化合物として使用する一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩100重量部に対して、1〜500重量部、好ましくは、3〜300重量部の範囲で使用するのが望ましい。
【0032】
金属化合物を、本発明の感熱記録材料に含有させるには、その方法として、特に限定するものではないが、例えば、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩と金属化合物を、予め混合した混合物を、分散処理して得られた分散液、あるいは一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩と金属化合物を夫々別個に分散し、これらの分散液を混合して得られた分散液を、支持体上に塗布する方法が適用される。
【0033】
本発明の感熱記録材料に使用する電子受容性化合物としての一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩に金属化合物および/または熱可融性化合物の混合物を調製する際、攪拌混合しなくともよいが、適当な攪拌、混合装置を用いて攪拌混合を行うことは好ましい。攪拌、混合装置としては、例えば、乳鉢、プロペラ型攪拌機、タービン型攪拌機、パドル型攪拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー、ラインミキサー、ラインホモミキサー等のメディアを用いない攪拌、混合装置、あるいは、アトライター、セントリーミル等の攪拌槽型ミル、サンドグラインダー、クレーンミル、パールミル、マターミル、ダイノミル等の流通管型ミル、コニカルボールミル、アニュラーミル等のアニュラー型連続湿式攪拌ミル等のメディア(例えば、ガラスビーズ、セラミックボール、スチールボール等)を充填した攪拌、混合装置を挙げることができる。
通常、該混合物は、大気圧下で調製できるが、所望に応じて、減圧下あるいは加圧下で調製してもよい。さらに、所望に応じて、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガス雰囲気下で、該混合物を調製することもできる。
【0034】
本発明に使用する無色ないし淡色の電子供与性発色性化合物としては、トリアリールメタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、ローダミン−ラクタム系化合物、フルオラン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ジビニルフタリド系化合物、ピリジン系化合物、スピロ系化合物、フルオレン系化合物、チアジン系化合物などの各種公知の電子供与性発色性化合物が挙げられる。
【0035】
上記の電子供与性発色性化合物の中でも、好ましくは、フルオラン系化合物であり、より好ましくは、一般式(a)で表されるフルオラン系化合物である。
【化8】
(式中、AおよびBは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数3〜8のアルコキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基またはテトラヒドロフルフリル基を表し、さらに、AとBは結合してピロリジン環、ピペリジン環またはモルホリン環を形成してもよく、Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子を表し、YおよびZは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基またはトリフルオロメチル基を表す)
【0036】
電子供与性発色性化合物のいくつかの具体例を挙げると、トリアリールメタン系化合物としては、例えば、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔“クリスタルバイオレットラクトン”〕、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−メチルピロール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリドなどがある。
【0037】
ジアリールメタン系化合物としては、例えば、4,4−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどがある。
【0038】
ローダミン−ラクタム系化合物としては、例えば、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(4−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(2−クロロアニリノ)ラクタムなどがある。
【0039】
フルオラン系化合物としては、例えば、3,6−ジメトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3,6−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジ−n−ヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’,3’−ジクロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−エトキシ−7−アニリノフルオラン、
【0040】
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−モルホリノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−オクチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−プロピル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−オクチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
【0041】
3−N−シクロペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−オクチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−メトキシエチル)−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−エトキシエチル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−メトキシプロピル)−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−メトキシプロピル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−テトラヒドロフルフリル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(4’−メチルフェニル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
【0042】
3−ジエチルアミノ−6−エチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3’−メチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、2,2−ビス〔4’−(3−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチルフルオラン)−7−イルアミノフェニル〕プロパン、3−〔4’−(4−フェニルアミノフェニル)アミノフェニル〕アミノ−6−メチル−7−クロロフルオランなどがある。
【0043】
インドリルフタリド系化合物としては、例えば、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(2−エトキシ−4−ジブチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドなどがある。
【0044】
ジビニルフタリド系化合物としては、例えば、3,3−ビス〔2,2−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔2,2−ビス(4−ピロリジノフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス〔2−(4−メトキシフェニル)−2−(4−ジメチルアミノフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔2−(4−メトキシフェニル)−2−(4−ピロリジノフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリドなどがある。
【0045】
ピリジン系化合物としては、例えば、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−n−ブトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−4または7−アザフタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4または7−アザフタリドなどがある。
【0046】
スピロ系化合物としては、例えば、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピランなどがある。
【0047】
フルオレン系化合物としては、例えば、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−(N−アリル−N−メチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)−スピロ〔フルオレン−9,6’−6’H−クロメノ(4,3−b)インドール〕、3,6−ビス(ジメチルアミノ)−3’−メチル−スピロ〔フルオレン−9,6’−6’H−クロメノ(4,3−b)インドール〕、3,6−ビス(ジエチルアミノ)−3’−メチル−スピロ〔フルオレン−9,6’−6’H−クロメノ(4,3−b)インドール〕などがある。
【0048】
チアジン系化合物としては、例えば、ベンゾイルロイコメチレンブルー、4−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルーなどがある。
これらの電子供与性発色性化合物は単独で使用しても、あるいは複数併用してもよい。
【0049】
電子供与性発色性化合物としては、特に、黒色発色するフルオラン系化合物が好ましく、中でも、好ましくは、ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−プロピル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−メトキシエチル)−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3’−メチルフェニルアミノ)フルオランである。
【0050】
本発明の感熱記録材料においては、電子供与性発色性化合物および電子受容性化合物の使用割合は、特に限定するものではないが、通常、電子供与性発色性化合物100重量部に対し、電子受容性化合物50〜700重量部、好ましくは、100〜500重量部使用するのが望ましい。
【0051】
本発明の感熱記録材料は、電子受容性化合物として一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩を少なくとも1種を含有するものであるが、本発明の所望の効果を損なわない範囲で他の電子受容性化合物を併用することも可能である。
この場合、全電子受容性化合物中に占める一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩の割合は、通常、10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上に調整するのが望ましい。
【0052】
一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩以外の電子受容性化合物としてはフェノール誘導体、有機酸あるいはその金属塩、錯体、尿素誘導体などの有機電子受容性化合物あるいは酸性白土などの無機電子受容性化合物が挙げられる。
これらの化合物のいくつかの具体例を挙げると、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4−フェニルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、ハイドロキノン、レゾルシノール、4−tert−オクチルカテコール、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン〔“ビスフェノールA”〕、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)酢酸エチルエステル、4,4−(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸−n−ブチルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸フェネチルエステル、2,4−ジヒドロキシ安息香酸フェノキシエチルエステル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル、没食子酸−n−プロピルエステル、没食子酸−n−オクチルエステル、没食子酸−n−ドデシルエステル、没食子酸−n−オクタデシルエステル、ハイドロキノンモノベンジルエーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、
【0053】
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−tert−ブチルジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−クロロジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−n−ブトキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルフォン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2−メトキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルフォン、2−エトキシ−2’−ヒドロキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−3−メチル−4’−n−プロポキシジフェニルスルフォン、ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)スルフォン、ビス(2−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)スルフォン、ビス〔4−(3’−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル〕スルフォン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,7−ビス(4’−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4’−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタンなどのフェノール誘導体、あるいはこれらフェノール誘導体の金属塩(たとえば、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、チタン等の金属塩)、
【0054】
例えば、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、3−メチル−5−α−メチルベンジルサリチル酸、4−〔2’−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3’−(4−メチルフェニルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、4−〔3’−(4−メトキシフェニルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5−{4’−〔2−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ〕クミル}サリチル酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、6−アセトキシ−2−ナフトエ酸、フタル酸モノベンジルエステル、フタル酸モノフェニルエステル、イソフタル酸、4−メチル安息香酸、2−ベンゾイル安息香酸、2−(4’−クロロベンゾイル)安息香酸、4−ニトロ安息香酸、4−クロロ安息香酸、4−ホルミル安息香酸などの有機酸あるいはこれらの金属塩(たとえば、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、チタン等の金属塩)、
【0055】
例えば、チオシアン酸亜鉛アンチピリン錯体、モリブデン酸アセチルアセトン錯体などの錯体、
例えば、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)チオ尿素、1,4−ジ(3’−クロロフェニル)−3−チオセミカルバジド、N−フェニル−N’−(4−メチルフェニルスルフォニル)尿素、4,4’−ビス(4”−メチルフェニルスルフォニルカルボニルアミノ)ジフェニルメタンなどの尿素誘導体などの有機電子受容性化合物、
【0056】
例えば、酸性白土、アタパルガイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、活性白土、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛などの無機電子受容性化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの電子受容性化合物は、複数併用することもできる。これらの中でも、特にフェノール誘導体は好ましい電子受容性化合物である。
【0057】
本発明の感熱記録材料は、以下述べるように、公知の感熱記録材料を製造するための各種公知の処方(熱可融性化合物の添加など)がさらに付与される。
本発明の感熱記録材料において、所望により熱可融性化合物(融点約70〜150℃、より好ましくは、融点約80〜130℃の化合物)を本発明の感熱記録材料にさらに添加することは、高速記録に対応した感熱記録材料を得るためには好ましいことである。この場合、熱可融性化合物の使用量に関しては、特に限定するものではないが、通常、電子供与性発色性化合物100重量部に対し、熱可融性化合物10〜700重量部、好ましくは、20〜500重量部使用するのが望ましい。
【0058】
熱可融性化合物の具体例としては、例えば、カプロン酸アミド、カプリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルシン酸アミド、リノ−ル酸アミド、リノレン酸アミド、N−エチルカプリン酸アミド、N−ブチルラウリン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、N−メチルオレイン酸アミド、N−ステアリルシクロヘキシルアミド、N−オクタデシルアセトアミド、N−オレインアセトアミド、ステアリル尿素、ステアリン酸アニリド、ベンズアニリド、リノール酸アニリド、アセト酢酸アニリド、o−アセト酢酸トルイジド、p−アセト酢酸アニシジド、N−エチルカルバゾール、4−メトキシジフェニルアミン、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどの含窒素化合物、
【0059】
例えば、4−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステル、2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)エステル、アジピン酸ジフェニルエステル、グルタル酸ジフェナシルエステル、ジ(4−メチルフェニル)カーボネート、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジ−n−ブチルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、イソフタル酸ジ−n−ブチルエステル、イソフタル酸ビス(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)エステル、ビス〔2−(ベンゾイルオキシ)エチル〕スルフィドなどのエステル化合物、
【0060】
例えば、4−ベンジルビフェニル、m−ターフェニル、フルオレン、フルオランテン、2,6−ジイソプロピルナフタレン、3−ベンジルアセナフテンなどの炭化水素化合物、
【0061】
例えば、2−ベンジルオキシナフタレン、2−(4’−メチルベンジルオキシ)ナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3’−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4’−メチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4’−エチルフェノキシ)エタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−フェノキシエタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−(3’−メチルフェノキシ)エタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−(2’−メチルフェノキシ)エタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−フェノキシプロパン、1−フェノキシ−2−(4’−メトキシフェノキシ)プロパン、1,2−ビス(4’−メトキシフェノキシ)プロパン、1,3−ビス(4’−メトキシフェノキシ)プロパン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−(2’−クロロフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシブタン、ビス〔2−(4’−メトキシフェノキシ)エチル〕エーテル、4−(4’−メチルフェノキシ)ビフェニル、1,2−ジフェノキシベンゼン、1,4−ジフェノキシベンゼン、1,4−ビスベンジルオキシベンゼン、1,4−ビス(2’−クロロベンジルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2’−クロロフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4’−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3’−メチルフェノキシメチル)ベンゼン、4−(4’−クロロベンジルオキシ)エトキシベンゼン、4,4’−ビス(フェノキシ)ジフェニルエーテル、1,4−ビス(4’−ベンジルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス〔(4’−メチルフェニルオキシ)メトキシメチル〕ベンゼン、4−(4’−メトキシベンジルチオ)アニソール、1−フェノキシ−2−(4’−メトキシフェニルチオ)エタン、1,2−ビス(4’−メトキシフェニルチオ)エタン、1−(4’−メチルフェノキシ)−2−(4’−メトキシフェニルチオ)エタン、ベンジル−4−メチルチオフェニルエーテル、4,4’−ビス(フェノキシ)ジフェニルチオエーテル、4,4’−ジ−n−ブトキシジフェニルスルフォンなどのエ−テル化合物あるいは含硫黄化合物、
【0062】
例えば、1,4−ジ(グリシジルオキシ)ベンゼン、1,4−ジグリシジルテレフタレート、4−グリシジルオキシ−4’−イソプロピルオキシジフェニルスルフォン、4−〔(2,3−エポキシ−2−メチル)プロピルオキシ〕フェニル−4’−(ベンジルオキシ)フェニルスルフォン、4−〔(2,3−エポキシ)プロピルオキシ〕フェニル−4’−(4−メチルベンジルオキシ)ジフェニルスルフォンなどのエポキシ基を有する化合物、
【0063】
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール化合物などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの熱可融性化合物は、単独で使用しても、あるいは複数併用してもよい。
【0064】
本発明の感熱記録材料を製造するには、特殊な方法によらなくとも公知の方法により製造することができる。
一般的には、水存在下、電子供与性発色性化合物、一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩、さらに所望に応じて、熱可融性化合物、金属化合物などを、一緒に、あるいは別々に水溶性バインダー中で、ボールミル、サンドミル、サンドミル(縦型、横型)、アトライタ、コロイダルミルなどの混合、粉砕機により、通常、3μm以下、好ましくは、2μm以下の粒径にまで粉砕分散し、混合し、感熱記録層用の塗液を調整することができる。かかる塗液中には、バインダーが、全固形分の5〜50重量%程度配合される。
【0065】
バインダーとしては、水溶性バインダーが一般的に用いられ、例えば、ポリビニールアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルフォン化変性ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、エピクロルヒドリン変成ポリアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、メチロール変成ポリアクリルアミド、デンプン、デンプン誘導体(酸化デンプン、エーテル化デンプン等)、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム等を例示することができるが、これらに限定されるものでない。
【0066】
更に必要に応じて、本発明の感熱記録材料の記録層中には、顔料、水不溶性バインダー、金属石鹸、ワックス、界面活性剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、架橋剤、ヒンダードフェノール、消泡剤などを添加する。
顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、ロウ石、カオリン、クレー、ケイソウ土、シリカなどの無機顔料、スチレンマイクロボール、ナイロン粒子、尿素−ホルマリン充填剤、ポリエチレン粒子、セルロース充填剤、デンプン粒子などの有機顔料が用いられる。
【0067】
水不溶性バインダーとしては、合成ゴムラテックスまたは合成樹脂エマルジョンが一般的であり、例えば、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョンなどが知られており、必要に応じて使用される。
金属石鹸としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸亜鉛などの高級脂肪酸金属塩を挙げることができる。
【0068】
ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルボキシ変成パラフィンワックス、カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、ポリスチレンワックス、キャンデリアワックス、モンタンワックス、高級脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0069】
界面活性剤(分散剤)としては、例えば、スルホコハク酸系のアルカリ金属塩〔例えば、ジ(n−ヘキシル)スルホコハク酸、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩〕、ドデシルベンゼンスルフォン酸のナトリウム塩、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸金属塩、フッ素含有の界面活性剤などが挙げられる。
【0070】
紫外線吸収剤、紫外線安定剤としては、例えば、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、トリアゾール誘導体、ヒンダードアミン誘導体などが挙げられる。
架橋剤としては、例えば、グリオキザールなどのアルデヒド化合物、エポキシ化合物、ポリアミド樹脂、ジグリシジル化合物、アジリジン化合物、塩化マグネシウム、塩化第二鉄などが挙げられる。
【0071】
ヒンダードフェノールとしては、フェノール性水酸基のオルト位の少なくとも1つが分枝アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましく、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノ−ル)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2−メチル−6−エチルベンジル)イソシアヌル酸、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)スルフィドなどが挙げられる。
【0072】
本発明の感熱記録材料において、記録層の形成方法に関しては特に限定されるものではなく、従来より公知の技術に従って形成することができる。
例えば、感熱記録層用の塗液を、支持体上にエアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、ワイヤーバーなどの適当な塗布装置で塗布、乾燥して記録層を形成することができる。
また、塗液の塗布量に関しても特に限定されるものではなく、一般に乾燥重量で1.5〜12g/m2、好ましくは、2.5〜10g/m2の範囲で調整される。
【0073】
支持体としては紙、プラスチックシート、合成紙、あるいはこれらを組み合わせた複合シート、さらには不織布シート、成型物が用いられる。
なお、必要に応じて感熱記録層の表面および/あるいは裏面に樹脂などからなる保護層(オーバーコート層)を設けたり、支持体と感熱記録層の間に単層あるいは複数層の顔料(例えば、カオリン)あるいは合成樹脂(例えば、プラスチック球状粒子、プラスチック球状中空粒子)などからなる下塗り層(アンダーコート層)を設けること、感熱記録層と下塗り層との間、あるいは感熱記録層と保護層との間に顔料、バインダーなどからなる中間層を設けることも勿論可能であり、さらには支持体の裏側面に粘着加工を施すなど感熱記録材料の製造方法における各種の公知技術を付与しえる。さらに記録層の形成後、スーパーキャレンダー処理を施すこともできる。
【0074】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例において、%は重量%を表す。
製造例1(例示化合物番号22の化合物の製造)
4−フェニルオキシカルボニルアミノサリチル酸23.5gおよび3−ヒドロキシブタン酸ナトリウム塩21.7gをN,N−ジメチルホルムアミド140gに溶解させた溶液に対して、炭酸水素ナトリウム7.2gを装入した後、該溶液を60℃で6時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を水1500mlに排出した後、pH4となるまで希塩酸水を少量ずつ加えた。析出した固形物を濾過、水洗し、粗生成物として4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸18.1gを得た。粗生成物を酢酸エチル500mlに溶解させた後、不溶物を濾過して取り除いた。該溶液を活性炭処理した後、酢酸エチルを減圧留去して得られた固体を50℃で乾燥した。無色結晶として、4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸14.8gを得た。
融点 197〜199℃
H1 −NMR δ(DMSO−d6 ):1.7〜2.6(m,4H)、3.9〜4.3(m,2H)、6.8〜7.8(m,3H)、9.8〜9.9(s,1H)、11.0〜13.0(br,2H)
FAB−MS m/z=284(MH+ )
【0075】
製造例2〔例示化合物番号22の化合物の亜鉛塩・モノ体の製造)
製造例1で製造した4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸45.0gにメタノール500mlを加えて得た溶液に対して、炭酸水素ナトリウム13.4gを溶解した水溶液250mlを滴下した後、室温で1時間攪拌した。得られた4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸のナトリウム塩の溶液に対して、硫酸亜鉛七水和物22.9gを溶解した水溶液750mlを、室温で1時間要して滴下した。さらに室温で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過、水洗した後、40℃で24時間乾燥して、4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸の亜鉛塩・モノ体46.0gを無色結晶として得た。
融点 >300℃
【0076】
製造例3〔例示化合物番号22の化合物の亜鉛塩・ジ体の製造)
製造例1で製造した4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸45.0gにメタノール500mlを加えて得られた溶液に対して、炭酸水素ナトリウム26.7gを溶解した水溶液500mlを滴下した後、室温で1時間攪拌した。得られた4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸のナトリウム塩の溶液に対して、硫酸亜鉛七水和物45.7gを溶解した水溶液1000mlを、室温で1時間要して滴下した。さらに室温で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過、水洗した後、40℃で24時間乾燥して、4−(3’−カルボキシプロピルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸の亜鉛塩・ジ体48.0gを無色結晶として得た。
融点 >300℃
【0077】
〔感熱記録紙の評価〕
1.未発色部の保存安定性試験
以下の実施例および比較例で作成した各感熱記録紙の塗布直後の未発色部(地肌)の白色度を色差計(Σ−80、日本電色製)を用いて測定した。
なお、保存安定性試験は、耐油性試験および耐筆記具性試験を行った。
耐油性試験は、各感熱記録紙にジオクチルフタレートを含有したカプセル塗工紙を重ね、加圧ロールを通過させた後、1週間25℃で保存した後の、白色度を色差計を用いて測定した。
数値が大きいほど、未発色部の白色度が優れていることを示している。
耐筆記具性試験は、各感熱記録紙の未発色部分に蛍光ペンで筆記した後、25℃、72時間放置後の、未発色部分の白色度を目視で観察した。○は汚れの無い白色度の高い状態を示し、×は黒灰色に汚れた状態を示す。
【0078】
2.発色画像の保存安定性試験
各感熱記録紙を、感熱紙発色装置(大倉電気製TH−PMD)を用いて、マクベス濃度計(TR−524型)を用いて測定した発色濃度が0.9である発色画像を形成した後、保存安定性試験を行った。
なお、保存安定性試験は、耐湿熱性試験および耐油性試験を行い、各試験後の各感熱記録紙の発色画像の残存率を調べた。
耐湿熱性試験は各感熱記録紙を、40℃、90%相対湿度中に24時間保存した後の発色画像濃度を、マクベス濃度計を用いて測定し、発色画像の残存率を求めた。
耐油性試験は各感熱記録紙に、ジオクチルフタレートを含有したカプセル塗工紙を重ね、加圧ロールを通過させた後、1週間25℃で保存した後の発色画像濃度を、マクベス濃度計を用いて測定し、発色画像の残存率を求めた。
残存率(%)=(各試験後の発色画像濃度/試験前の発色画像濃度(0.9)) ×100
数値が大きいほど、発色画像の保存安定性が優れていることを示している。
【0079】
上記A液、B液、C液をそれぞれサンドグラインディングミルで平均粒子径が1.5μmになるように分散し分散液を調整した。
A液100g、B液250g、C液250gの分散液と30%パラフィンワックス23gを混合して、これを上質紙に乾燥塗布量が5.0g/m2となるように塗布、乾燥し、感熱記録紙を作成した。
尚、各実施例に使用したA液中の電子供与性発色性化合物、C液中の熱可融性化合物およびB液中の電子受容性化合物として用いた一般式(1)で表される安息香酸誘導体または該誘導体の金属塩を、第1表(表1および2)に示した。
尚、第1表中、熱可融性化合物aは、2−ベンジルオキシナフタレンを、
熱可融性化合物bは、1,2−ビス(3’−メチルフェノキシ)エタンを、
熱可融性化合物cは、4−(4’−メチルフェノキシ)ビフェニルを、
熱可融性化合物dは、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステルを表す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
実施例17〜25
上記実施例において、B液の代わりに、下記のD液を用いた以外は、同様の方法により、感熱記録紙を作製した。
なお、使用したA液中の電子供与性発色化合物、C液中の熱可融性化合物およびD液中の電子受容性化合物として用いた一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の亜鉛塩を第2表(表3)に示した。
尚、第2表中、熱可融性化合物aは、2−ベンジルオキシナフタレンを、
熱可融性化合物bは、1,2−ビス(3’−メチルフェノキシ)エタンを、
熱可融性化合物cは、4−(4’−メチルフェノキシ)ビフェニルを、
熱可融性化合物dは、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステルを表す。
【0083】
【表3】
【0084】
比較例1〜5
A液100g、B液250g、C液250gの分散液と30%パラフィンワックス23gを混合して、これを上質紙に乾燥塗布量が5.0g/m2となるように塗布、乾燥し、感熱記録紙を作成した。C液中の熱可融性化合物として、2−ベンジルオキシナフタレンを使用した。
尚、各比較例に使用したA液中の電子供与性発色性化合物およびB液中の電子受容性化合物は第3表(表4)に示した。
【0085】
【表4】
第4表(表5)および第5表(表6)には、実施例1〜25および比較例1〜5で作成した感熱記録紙の未発色部および発色画像の保存安定性試験の結果を示した。
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
第4表および第5表の結果から明らかなように、本発明の電子受容性化合物として一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体または該誘導体の金属塩を含有する感熱記録材料は、従来の感熱記録材料に比較して、未発色部および発色画像の保存安定性に優れている。
【0088】
【発明の効果】
本発明のサリチル酸誘導体は同一分子内に2つのカルボキシル基を有する構造で、金属塩を感熱記録材料の電子受容性化合物として用い、未発色部および発色画像の保存安定性に優れたものを提供できる。また、同一分子内に2個のカルボキシル基を有する化合物として多種の金属塩を記録材料として提供できるばかりでなく産業上、各種用途への適用が期待できる。
Claims (4)
- 請求項1記載の一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属塩。
- 感熱記録材料が、さらに金属化合物を含有する請求項3記載の感熱記録材料。
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