JP3408266B2 - フェノール化合物の結晶および該結晶を含有する感熱記録材料 - Google Patents

フェノール化合物の結晶および該結晶を含有する感熱記録材料

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JP3408266B2
JP3408266B2 JP10412292A JP10412292A JP3408266B2 JP 3408266 B2 JP3408266 B2 JP 3408266B2 JP 10412292 A JP10412292 A JP 10412292A JP 10412292 A JP10412292 A JP 10412292A JP 3408266 B2 JP3408266 B2 JP 3408266B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェノ−ル化合物の新規
な結晶に関し、さらには該結晶を電子受容性化合物とし
て含有する感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、多くのフェノ−ル化合物が知
られており、有機工業薬品、樹脂材料等として、広く利
用されている。また、電子供与性発色性化合物と電子受
容性化合物(顕色剤)との呈色反応を利用した感熱記録
材料はよく知られている(たとえば特公昭43−416
0号公報、特公昭45−14039号公報)。電子受容
性化合物としては、フェノ−ル化合物が広く利用されて
おり、中でも、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔別名、ビスフェノ−ルA〕は、低価格で
入手し易いという点で広く利用されてはいるものの、ビ
スフェノ−ルAを電子受容性化合物として使用した感熱
記録材料は発色画像の保存安定性が悪いという問題があ
る。また、電子供与性発色性化合物と電子受容性化合物
の他にさらに熱可融性化合物(増感剤)を含有した発色
感度を向上させた感熱記録材料も広く利用されている。
【0003】熱可融性化合物として、タ−フェニル類
(特公昭63−7958号公報)、4−ベンジルオキシ
安息香酸ベンジル(特公昭63−30878号公報)、
ナフト−ル誘導体(特公昭63−42590号公報)、
ベンジルビフェニル類(特公平2−11437号公
報)、ジアリ−ルオキシアルカン誘導体(特開昭60−
56588号公報、特開昭61−16888号公報)あ
るいはシュウ酸エステル誘導体(特開平1−1583号
公報)などが提案されている。しかし、これらの熱可融
性化合物を含有する感熱記録材料は、発色画像の保存安
定性が著しく悪く、通常は熱可融性化合物を添加しない
場合に比べ、発色画像の保存安定性は一層劣るという問
題点があるのが現状である。現在では、上述したような
問題点を克服した、発色画像の保存安定性にすぐれた感
熱記録材料が強く求められている。
【0004】本発明に係る4−(4’−tert−ブチルベ
ンゼンスルフォニル)フェノ−ルは、4−(4’−tert
−ブチルベンゼンスルフォニル)アニソ−ルに臭化水素
酸を作用させて製造されることが知られている(欧州公
開特許83204号)。しかし上記公開特許に記載され
ている4−(4’−tert−ブチルベンゼンスルフォニ
ル)フェノ−ルに関するデ−タ−は赤外線スペクトル、
1H−NMRスペクトルおよび質量分析のデ−タ−のみ
であり、該化合物の結晶性に関してはまったく開示され
ていない。4−(4’−tert−ブチルベンゼンスルフォ
ニル)フェノ−ルを感熱記録材料用電子受容性化合物と
して用いる場合には、該化合物の結晶性の問題が、製造
される感熱記録材料に大きな影響を与えることが判っ
た。すなわち、4−(4’−tert−ブチルベンゼンスル
フォニル)フェノ−ルの無定型(アモルファス)を電子
受容性化合物とする感熱記録材料は、その未発色部の白
色度が著しく悪く、かつその未発色部の保存安定性も非
常に悪く、すぐに黒灰色に汚れるという欠点があり、実
用的な感熱記録材料とは言い難く、無定型の4−(4’
−tert−ブチルベンゼンスルフォニル)フェノ−ルは、
感熱記録材料用の電子受容性化合物としては利用価値の
低いものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、フェ
ノ−ル化合物の新規な結晶を提供すると共に、該結晶を
電子受容性化合物として用い、未発色部および発色画像
の保存安定性を著しく改善した感熱記録材料を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の要
望にこたえるべく、フェノ−ル化合物に関し鋭意検討し
た結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、式
(1)(化2)で表されるフェノ−ル化合物の結晶
【化2】 であり、さらには電子供与性発色性化合物および電子受
容性化合物を含有する感熱記録材料において、該電子受
容性化合物として式(1)で表されるフェノ−ル化合物
の結晶を含有することを特徴とする感熱記録材料であ
り、また電子供与性発色性化合物、電子受容性化合物お
よび熱可融性化合物を含有する感熱記録材料において、
該電子受容性化合物として式(1)で表されるフェノ−
ル化合物の結晶を含有することを特徴とする感熱記録材
料である。
【0007】本発明に係る式(1)で表される化合物
は、それ自体公知の方法〔例えば、Polymer,18,35
4(1977)に記載の方法〕に従い製造することがで
きる。すなわち、たとえば、4−(4’−tert−ブチル
ベンゼンスルフォニル)クロロベンゼンに、塩基(たと
えば水酸化カリウム)を作用させることにより好適に製
造することができる。
【0008】このように製造される式(1)で表される
4−(4’−tert−ブチルベンゼンスルフォニル)フェ
ノ−ルの化合物には、驚くべきことに結晶型の異なる2
種の結晶(結晶変態)が存在することが明らかになっ
た。すなわち、式(1)で表されるフェノ−ル化合物の
2種の結晶の内、一方の結晶は、Cu−Kα線によるX
線回折法における回折角(2Θ)18.9°に強いピ−
クを示すX線回折図により特徴づけられる結晶(以後、
1−a型結晶と称する)である(該結晶のX線回折図は
第1図に示した)。もう一方の結晶は、Cu−Kα線に
よるX線回折法における回折角(2Θ)17.7°およ
び25.2°に強いピ−クを示すX線回折図により特徴
づけられる結晶(以後、1−b型結晶と称する)である
(該結晶のX線回折図は第2図に示した)。尚、回折角
の表示においては±0.2°程度の誤差はある。また、
参考のために第3図には式(1)で表される化合物の無
定型(アモルファス)のX線回折図を示した。1−a型
結晶は、融点が162〜164℃であり、一方1−b型
結晶の融点は114〜116℃であり、この2種の結晶
は上記したようにX線回折図が異なるばかりでなく融点
も大きく異なる。
【0009】1−a型結晶は、式(1)で表される化合
物を、完溶するに必要な量の芳香族炭化水素系溶媒(ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等)に加
熱溶解後、室温付近にまで放置、冷却し結晶を析出させ
ることにより製造することができる。また、1−a型結
晶は、式(1)で表される化合物を、完溶するに不充分
な量の芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クロロベンゼン等)中でも、数時間〜数十時
間、沸点付近の温度で加熱、攪拌後、室温付近にまで放
置、冷却し結晶を濾過することによっても好適に製造す
ることができる。一方1−b型結晶は、式(1)で表さ
れる化合物を高濃度(通常約20〜90重量%、好まし
くは約25〜70重量%)で含有する芳香族炭化水素系
溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン
等)に、室温以上の温度(通常40〜80℃)でアルコ
−ル系溶媒(メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−
ル等)を添加し、結晶を析出させることにより、製造す
ることができる。1−a型結晶を1−b型結晶へ、ある
いは1−b型結晶を1−a型結晶へと結晶型を互いに変
換することも可能であり、必要に応じて上述した結晶の
析出方法あるいは変換方法により容易に変換できる。
【0010】上述したように、式(1)で表されるフェ
ノ−ル化合物には、結晶型の異なる2種の結晶が存在す
るが、これら2種の結晶は共に、感熱記録材料用の電子
受容性化合物として有用である。本発明の式(1)で表
されるフェノ−ル化合物の結晶、すなわち、1−a型結
晶あるいは1−b型結晶を電子受容性化合物とする感熱
記録材料は、発色画像の保存安定性に優れており、実用
上利用価値の高い感熱記録材料である。特に、1−a型
結晶を電子受容性化合物とする感熱記録材料は、未発色
部の保存安定性にも非常に優れた感熱記録材料であり、
後述する熱可融性化合物を添加することにより、発色感
度が良好で且つ未発色部および発色画像の保存安定性に
優れた感熱記録材料を得ることができるという特徴を有
している。また、1−b型結晶を電子受容性化合物とす
る感熱記録材料は、熱可融性化合物を添加しなくても、
発色感度が良好で発色画像の保存安定性に優れた感熱記
録材料であるという特徴を有している。
【0011】本発明の感熱記録材料においては、通常、
電子供与性発色性化合物100重量部に対し、電子受容
性化合物として式(1)で表される化合物の結晶10〜
500重量部、好ましくは20〜400重量部使用する
のが望ましい。本発明に使用する無色ないし淡色の電子
供与性発色性化合物としては、トリアリ−ルメタン系化
合物、ジアリ−ルメタン系化合物、ロ−ダミン−ラクタ
ム系化合物、フルオラン系化合物、インドリルフタリド
系化合物、ピリジン系化合物、スピロ系化合物、フルオ
レン系化合物などが挙げられる。
【0012】これらの化合物のいくつかの具体例を挙げ
ると、トリアリ−ルメタン系化合物としては、3,3−
ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルア
ミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)フタリ
ド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,
3−ジメチルインド−ル−3−イル)フタリド、3−
(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルイ
ンド−ル−3−イル)フタリド、3,3−ビス(9−エ
チルカルバゾ−ル−3−イル)−6−ジメチルアミノフ
タリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−
(1−メチルピロ−ル−3−イル)−6−ジメチルアミ
ノフタリド、3,3−ビス〔2,2−ビス(4−ジメチ
ルアミノフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テト
ラクロロフタリドなどがある。
【0013】ジアリ−ルメタン系化合物としては、4,
4−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエ−
テル、N−ハロフエニル−ロイコオ−ラミン、N−2,
4,5−トリクロロフエニルロイコオ−ラミンなどがあ
る。
【0014】ロ−ダミン−ラクタム系化合物としては、
ロ−ダミン−B−アニリノラクタム、ロ−ダミン−(4
−ニトロアニリノ)ラクタム、ロ−ダミン−B−(4−
クロロアニリノ)ラクタムなどがある。
【0015】フルオラン系化合物としては、3,6−ジ
メトキシフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキ
シフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3
−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−7−メ
チルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジル
アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチル
アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジ−n−
ヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−
クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(3−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(2,3−ジクロロアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(3−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−
(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n
−ブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−アニリノ
フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−エトキシ
−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−モルホリノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−
n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジ−n−オクチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N
−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−n−プロピル−N−メチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−プロピル
−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−N−イソプロピル−N−メチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル
−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−N−n−ブチル−N−エチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−
N−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−N−イソブチル−N−メチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチ
ル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−N−イソペンチル−N−エチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ヘキ
シル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−N−n−オクチル−N−エチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロ
ヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−プロ
ピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシ
ル−N−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ヘキ
シルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−N−シクロヘキシル−N−n−ヘプチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキ
シル−N−n−オクチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−デ
シルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−N−2’−メトキシエチル−N−メチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−2’−メト
キシエチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−N−2’−エトキシエチル−N−
メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−2’−エトキシエチル−N−エチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−3’−メ
トキシプロピル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−N−3’−エトキシプロピル
−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−N−2’−メトキシエチル−N−イソブチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N
−2’−テトラヒドロフルフリル−N−エチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(4’
−メチルフェニル)−N−エチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−エチルアミノ
−6−メチル−7−(2’,6’−ジメチルフェニルア
ミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メ
チル−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フ
ルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’,
6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、2,2−
ビス〔4’−(3−N−シクロヘキシル−N−メチルア
ミノ−6−メチルフルオラン)−7−イルアミノフェニ
ル〕プロパンなどがある。
【0016】インドリルフタリド系化合物としては、
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインド−ル−3
−イル)フタリド、3,3−ビス(1−オクチル−2−
メチルインド−ル−3−イル)フタリド、3−(2−エ
トキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エ
チル−2−メチルインド−ル−3−イル)フタリド、3
−(2−エトキシ−4−ジブチルアミノフェニル)−3
−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)フ
タリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェ
ニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインド−ル−
3−イル)フタリドなどがある。
【0017】ピリジン系化合物としては、3−(2−エ
トキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オ
クチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−4または
7−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチル
アミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイン
ド−ル−3−イル)−4または7−アザフタリド、3−
(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)
−3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イ
ル)−4または7−アザフタリド、3−(2−エトキシ
−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−
2−フェニルインド−ル−3−イル)−4または7−ア
ザフタリド、3−(2−ブトキシ−4−ジエチルアミノ
フェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインド−
ル−3−イル)−4または7−アザフタリドなどがあ
る。
【0018】スピロ系化合物としては、3−メチル−ス
ピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフト
ピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−
ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフ
ト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピ
ル−スピロ−ジベンゾピランなどがある。フルオレン系
化合物としては、3’,6’−ビスジエチルアミノ−5
−ジエチルアミノスピロ(イソベンゾフラン−1,9’
−フルオレン)−3−オン、3’,6’−ビスジエチル
アミノ−7−ジエチルアミノ−2−メチルスピロ(1,
3−ベンゾオキサジン−4,9’−フルオレン)などが
ある。
【0019】これらの電子供与性発色性化合物は単独、
あるいは発色画像の色調の調整や多色感熱記録材料を得
るなどの目的で2種以上混合して用いても良い。すでに
述べたように本発明の感熱記録材料は、電子供与性発色
性化合物および電子受容性化合物を含有する感熱記録材
料において、該電子受容性化合物として式(1)で表さ
れる化合物の結晶を含有する感熱記録材料であるが、所
望に応じて他の電子受容性化合物を1種もしくは複数種
本発明の感熱記録材料に添加しても良い。但し、この場
合、全電子受容性化合物中、式(1)で表される化合物
の結晶の使用量は、20重量%以上、好ましくは40重
量%以上、より好ましくは60重量%以上である。
【0020】式(1)で表されるフェノ−ル化合物の結
晶以外の他の電子受容性化合物としてはフェノ−ル誘導
体、有機酸あるいはその金属塩、錯体、尿素誘導体など
の有機電子受容性化合物、あるいは酸性白土などの無機
電子受容性化合物が挙げられる。
【0021】これらの化合物のいくつかの具体例を挙げ
ると、4−tert−ブチルフェノ−ル、4−tert−オクチ
ルフェノ−ル、4−フェニルフェノ−ル、1−ナフト−
ル、2−ナフト−ル、ハイドロキノン、レゾルシノ−
ル、4−tert−オクチルカテコ−ル、2,2’−ジヒド
ロキシジフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン〔別名、ビスフェノ−ルA〕、1,1
−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)酢酸エチルエステル、4,4−(4’−ヒドロキシ
フェニル)ペンタン酸−n−ブチルエステル、4−ヒド
ロキシ安息香酸ベンジルエステル、4−ヒドロキシ安息
香酸フェネチルエステル、2,4−ジヒドロキシ安息香
酸フェノキシエチルエステル、4−ヒドロキシフタル酸
ジメチルエステル、ハイドロキノンモノベンジルエ−テ
ル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルフィド、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルフィド、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフォン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロ
ポキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−
イソプロポキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ
−4’−n−ブトキシジフェニルスルフォン、3,4−
ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、ビ
ス(2−ヒドロキシ−4−tert−ブチルフェニル)スル
フォン、ビス(2−ヒドロキシ−4−クロロフェニル)
スルフォン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、1,7−ジ(4−ヒドロ
キシフェニルチオ)−3,5ジオキサヘプタン、1,5
−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3オキサペンタ
ンなどのフェノ−ル誘導体、サリチル酸、3−イソプロ
ピルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,
5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α
−メチルベンジルサリチル酸、3−メチル−5−α−メ
チルベンジルサリチル酸、5−〔2’−(4−メトキシ
フェニルオキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフト
エ酸、フタル酸モノベンジルエステル、フタル酸モノフ
ェニルエステルなどの有機酸あるいはこれらの金属塩
(たとえば、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、カルシウ
ム等の金属塩)、チオシアン酸亜鉛アンチピリン錯体、
モリブデン酸アセチルアセトン錯体などの錯体、フェニ
ルチオ尿素、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)チ
オ尿素、1,4−ジ(3’−クロロフェニル)−3−チ
オセミカルバジドなどの尿素誘導体などの有機電子受容
性化合物、酸性白土、アタパルガイト、活性白土、塩化
アルミニウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛などの無機電子受容
性化合物を好ましい化合物として挙げることができる。
【0022】すでに述べたように本発明の感熱記録材料
は、電子供与性発色性化合物および電子受容性化合物を
含有する感熱記録材料において、該電子受容性化合物と
して式(1)で表される化合物の結晶を含有する感熱記
録材料であるが、所望に応じて増感剤として熱可融性化
合物(融点約60〜150℃の化合物、より好ましくは
融点約80〜130℃の化合物)を本発明の感熱記録材
料にさらに添加することは、高速記録に対応した感熱記
録材料を得るためには好ましいことである。この場合、
熱可融性化合物の量は、通常、電子供与性発色性化合物
100重量部に対し、10〜500重量部、好ましくは
20〜400重量部使用するのが望ましい。
【0023】かかる熱可融性化合物の具体例としては、
たとえば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、
ステアリル尿素、N−エチルカルバゾ−ル、4−メトキ
シジフェニルアミンなどの含窒素化合物、4−ベンジル
オキシ安息香酸ベンジルエステル、2−ナフトエ酸フェ
ニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニ
ルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ
(4−メチルベンジル)エステル、シュウ酸ジ(4−ク
ロロベンジル)エステル、グルタル酸ジフェナシルエス
テル、ジ(4−メチルフェニル)カ−ボネ−ト、テレフ
タル酸ジベンジルエステルなどのエステル化合物、4−
ベンジルビフェニル、m−タ−フェニル、フルオレン、
フルオランテンなどの炭化水素化合物、2−ベンジルオ
キシナフタレン、2−(4’−メチルベンジルオキシ)
ナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,2−
ビス(3’−メチルフェノキシ)エタン、1−フェノキ
シ−2−(4−エチルフェノキシ)エタン、4−(4’
−メチルフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(2’
−クロロベンジルオキシ)ベンゼン、4,4’−ジ−n
−ブトキシジフェニルスルフォン、1,2−ジフェノキ
シベンゼン、1,4−ビス(3’−メチルフェニルオキ
シメチル)ベンゼン、4−クロロベンジルオキシ−
(4’−エトキシベンゼン)などのエ−テル化合物など
を挙げることができる。これらの熱可融性化合物は、単
独あるいは2種以上混合して用いても良い。
【0024】本発明の感熱記録材料を製造するには、特
殊な方法によらなくとも公知の方法により製造すること
ができる。一般的には、電子供与性発色性化合物、式
(1)で表される化合物の結晶および熱可融性化合物な
どは、各々水溶性バインダ−中で、ボ−ルミル、サンド
ミルなどの手段により分散し、通常3μ以下、好ましく
は1.5μ以下の粒径にまで粉砕分散し、混合し、塗液
を調整することができる。
【0025】かかる水溶性バインダ−としては、具体的
には、たとえば、ポリビニ−ルアルコ−ル、ヒドロキシ
エチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、エ
ピクロルヒドリン変成ポリアミド、エチレン−無水マレ
イン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル
酸、ポリアクリルアミド、メチロ−ル変成ポリアクリル
アミド、デンプン誘導体、カゼイン、ゼラチン、メチル
セルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、アラビアゴ
ム、カルボキシル基変成ポリビニ−ルアルコ−ルなどを
例示することができる。
【0026】更に必要に応じて、本発明の感熱記録材料
の記録層中には、顔料、水不溶性バインダ−、金属石
鹸、ワックス、界面活性剤、紫外線吸収剤、ヒンダ−ド
フェノ−ル、消泡剤などを添加する。顔料としては、酸
化亜鉛、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、タル
ク、ロウ石、カオリン、ケイソウ土、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ、非晶質シ
リカ、尿素−ホルマリン充填剤、ポリエチレン粒子、セ
ルロ−ス充填剤などが用いられる。
【0027】水不溶性バインダ−としては、合成ゴムラ
テックスあるいは、合成樹脂エマルジョンが一般的であ
り、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニ
トリル−ブタジエンラテックス、アクリル酸メチル−ブ
タジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョンなど
が知られており、必要に応じて使用される。
【0028】金属石鹸としては、高級脂肪酸金属塩が用
いられ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸アルミニウムなどが用いられる。
【0029】ワックスとしては、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、カルボキシ変成パラフ
ィンワックス、カルナウバワックス、ポリエチレンワッ
クス、ポリスチレンワックス、高級脂肪酸エステルなど
が挙げられる。
【0030】界面活性剤としては、スルホコハク酸系の
アルカリ金属塩、フッソ含有の界面活性剤などが挙げら
れる。
【0031】紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベ
ンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノ−ル誘
導体などが挙げられる。ヒンダ−ドフェノ−ルとして
は、フェノ−ル性水酸基のオルソ位の少なくとも1つが
分枝アルキル基で置換されたフェノ−ル誘導体が好まし
く、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシ
ルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−エチル
−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン、1,1,3−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェ
ニル)プロパン、2,2’−メチレン−ビス(6−tert
−ブチル−4−メチルフェノ−ル)、2,2’−メチレ
ン−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノ−
ル)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル
−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシ
アヌル酸、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−te
rt−ブチルフェニル)スルフィドなどが挙げられる。
【0032】本発明の感熱記録材料において、記録層の
形成方法に関しては特に限定されるものではなく、従来
より公知の技術に従って形成することができる。例えば
感熱記録層用の塗液を、支持体上にエア−ナイフコ−タ
−、ブレ−ドコ−タ−、バ−コ−タ−、グラビアコ−タ
−、カ−テンコ−タ−、ワイヤ−バ−などの適当な塗布
装置で塗布、乾燥して記録層を形成することができる。
また塗液の塗布量に関しても特に限定されるものではな
く、一般に乾燥重量で1.5〜12g/m2、好ましくは
2.5〜10g/m2の範囲で調整される。支持体として
は紙、プラスチックシ−ト、合成紙などが用いられる。
なお、必要に応じて感熱記録層の表面及び/あるいは裏
面に保護層を設けたり、支持体と感熱記録層の間に下塗
り層を設けることも勿論可能であり、さらには粘着加工
を施すなど感熱記録材料の製造方法における各種の公知
技術が付与しえる。
【0033】
【実施例】以下、製造例および実施例により本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0034】製造例 1 ( 1−a型結晶の製造 ) 4−(4’−tert−ブチルベンゼンスルフォニル)クロ
ロベンゼン154g、50%水酸化カリウム水溶液12
0gとジメチルスルフォキサイド400mlの混合物を6
0℃で24時間攪拌した。反応混合物を氷水1lに排出
した後、濃塩酸で酸性とした後、析出した固体を濾過、
水洗後、乾燥した。この粗生成物140gをベンゼン1
l中で還流、溶解後、不溶物を濾過し、濾液から50℃
でベンゼン600mlを減圧下で留去し、室温にまで放冷
後、析出した結晶を濾過し、少量のベンゼンで洗浄後、
40℃で乾燥し、無色の結晶として4−(4’−tert−
ブチルベンゼンスルフォニル)フェノ−ルの1−a型結
晶を113gを得た。融点162〜164℃。この結晶
のX線回折図を第1図に示した。
【0035】製造例2 ( 1−b型結晶の製造 ) 4−(4’−tert−ブチルベンゼンスルフォニル)クロ
ロベンゼン154g、50%水酸化カリウム水溶液12
0gとジメチルスルフォキサイド250mlの混合物を6
0℃で24時間攪拌した。反応混合物を氷水800mlに
排出した後、濃塩酸で酸性とした後、析出した固体を濾
過、水洗後、乾燥した。この粗生成物140gをベンゼ
ン1l 中加温し、溶解後、不溶物を濾過し、濾液から5
0℃でベンゼン900mlを減圧下で留去し、4−(4’
−tert−ブチルベンゼンスルフォニル)フェノ−ルを約
60重量%含有するベンゼン溶液を得た。該溶液を55
℃に保温し、該溶液にメタノ−ル150mlを加え、結晶
を析出させた。結晶を濾過し、少量のメタノ−ルで洗浄
後、40℃で乾燥し、無色の結晶として4−(4’−te
rt−ブチルベンゼンスルフォニル)フェノ−ルの1−b
型結晶を92gを得た。融点114〜116℃。この結
晶のX線回折図を第2図に示した。
【0036】製造例3 (1−b型結晶から1−a型結
晶の製造 ) 製造例2で製造した1−b型結晶30gをトルエン12
0mlに110℃で溶解した後、室温にまで放冷後、析出
した結晶を濾過、乾燥し、24gの無色の結晶を得た。
該結晶の融点は162〜164℃であり、X線回折図は
第1図に示した通りの回折図を与え、4−(4’−tert
−ブチルベンゼンスルフォニル)フェノ−ルの1−a型
結晶であることが判明した。
【0037】参考例 ( 式(1)で表される化合物の無
定型の製造 ) 製造例2で製造した1−b型結晶30gをジメチルホル
ムアミド100mlに室温で溶解後、該溶液を15分を要
し、室温で500mlの水中に排出した。析出した固体を
濾過、乾燥し、30gの無色の固体を得た。融点89〜
92℃。この固体のX線回折図は第3図に示したよう
に、実質的に無定型(アモルファス)であった。
【0038】実施例1〜2 下記の方法で調整したA液100g,B液250gの各
分散液と30%パラフィンワックス23gを混合して、
これを上質紙に、乾燥塗布量が5.0±0.5g/m2
なるように塗布、乾燥し、感熱記録紙を作成した。尚、
実施例1および2で使用した電子供与性発色性化合物
は、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオランであり、電子受容性化合物としては実施
例1では1−a型結晶を、また実施例2では1−b型結
晶をそれぞれ使用した。 〔感熱記録層用の分散液の調整法〕 (A液組成) 電子供与性発色性化合物 10g ポリビニ−ルアルコ−ル(クラレ−117)10%水溶液 10g 水 80g 計 100g (B液組成) 電子受容性化合物 20g 軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業、TP−123) 40g ポリビニ−ルアルコ−ル(クラレ−117)10%水溶液 60g 水 130g 計 250g
【0039】比較例1 実施例1において、電子受容性化合物として、1−a型
結晶を使用する代わりに、ビスフェノ−ルAを使用した
以外は、実施例1に記載した方法に従い感熱記録紙を作
成した。
【0040】比較例2 実施例1において、電子受容性化合物として、1−a型
結晶を使用する代わりに、式(1)で表される化合物の
無定型(アモルファス)を使用した以外は、実施例1に
記載した方法に従い感熱記録紙を作成した。
【0041】実施例3〜6 下記の方法で調整したA液100g,B液250g,C
液250gの各分散液と30%パラフィンワックス23
gを混合して、これを上質紙に、乾燥塗布量が5.0±
0.5g/m2となるように塗布、乾燥し、感熱記録紙を
作成した。尚、各実施例に使用した電子供与性発色性化
合物および電子受容性化合物として用いた式(1)で表
される化合物の結晶の種類は第1表に示した。 〔感熱記録層用の分散液の調整法〕 (A液組成) 電子供与性発色性化合物 10g ポリビニ−ルアルコ−ル(クラレ−117)10%水溶液 10g 水 80g 計 100g (B液組成) 電子受容性化合物 20g 軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業、TP−123) 40g ポリビニ−ルアルコ−ル(クラレ−117)10%水溶液 60g 水 130g 計 250g (C液組成) 熱可融性化合物(2−ベンジルオキシナフタレン) 20g ポリビニ−ルアルコ−ル(クラレ−117)10%水溶液 10g 水 220g 計 250g 上記A液,B液,C液をそれぞれサンドグラインディン
グミルで平均粒子径が1.5μ以下になるように分散し
分散液を調整した。
【表1】
【0042】比較例3 B液中の電子受容性化合物として1−a型結晶の代わり
に、ビスフェノ−ルAを使用した以外は、実施例3に記
載した方法に従い感熱記録紙を作成した。
【0043】〔感熱記録紙の評価〕 (未発色部の保存安定性試験)実施例1〜6および比較
例1〜3で作成した各感熱記録紙の塗布直後の未発色部
(地肌)の白色度を色差計(日本電色製Σ−80型)を
用いて測定した。比較例2で作成した感熱記録紙の未発
色部は、塗布直後すでに黒灰色に汚れていた。尚、保存
安定性試験は、耐湿熱性試験を行い、試験後の各感熱記
録紙の未発色部の白色度を調べた。耐湿熱性試験は各感
熱記録紙を、60℃、90%相対湿度中に24時間保存
した後の白色度を色差計を用いて測定した。結果を第2
表に示した。数値が大きいほど、白色度が高く、実用上
有用な感熱記録紙である。
【0044】(発色画像の保存安定性試験)実施例1〜
6および比較例1、3で作成した各感熱記録紙を感熱紙
発色装置(大倉電気製TH−PMD型)を用いて、マク
ベス濃度計(TR−524型)を用いて測定した発色濃
度が0.9である発色画像を形成した後、保存安定性試
験を行った。尚、保存安定性試験は、耐湿熱性試験およ
び耐油性試験を行い、各感熱記録紙の画像保存安定性を
調べた。耐湿熱性試験は各感熱記録紙を、60℃、90
%相対湿度中に24時間保存した後の発色画像濃度を、
マクベス濃度計を用いて測定し、発色画像の残存率を求
めた。耐油性試験は各感熱記録紙に、ジオクチルフタレ
−トを含有したカプセル塗工紙を重ね、加圧ロ−ルを通
過させた後、1週間25℃で保存した後の発色画像濃度
を、マクベス濃度計をもちいて測定し、発色画像の残存
率を求めた。尚、各試験後の発色画像の残存率は、次の
式より求めた。 数値が大きいほど、発色画像の保存安定性が優れている
ことを示している。
【0045】結果を第2表に示した。
【表2】
【0046】第2表より明らかなように、本発明の電子
受容性化合物として式(1)で表される化合物の結晶を
含有する感熱記録材料は、従来の電子受容性化合物を含
有する感熱記録材料に比較して、発色画像の保存安定性
(耐湿熱性および耐油性)は非常に優れている。また、
本発明の式(1)で表される化合型の結晶を電子受容性
化合物とする感熱記録材料は式(1)で表される化合物
の無定型(アモルファス)を電子受容性化合物とする感
熱記録材料に比較して、塗布直後の未発色部の白色度は
非常に優れている。
【0047】
【発明の効果】本発明により式(1)で表される化合物
の結晶型の異なる2種の新規な結晶を提供することがで
き、また該結晶を電子受容性化合物とすることにより、
発色画像の保存安定性に優れた感熱記録材料を提供する
ことが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】式(1)で表されるフェノ−ル化合物の1−a
型結晶のX線回折図である。
【図2】式(1)で表されるフェノ−ル化合物の1−b
型結晶のX線回折図である。
【図3】式(1)で表されるフェノ−ル化合物の無定型
(アモルファス)のX線回折図である。各図面におい
て、横軸は回折角(2Θ)°を表し、縦軸は回折強度を
表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 317/00 B41M 5/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 で表され、Cu−Kα線によるX線回折法における回折
    角(2θ)18.9°に強いピ−クを示すX線回折図ま
    たは回折角(2θ)17.7°および25.2°に強い
    ピ−クを示すX線回折図により特徴づけられるフェノ−
    ル化合物の結晶。
  2. 【請求項2】 電子供与性発色性化合物および電子受容
    性化合物を含有する感熱記録材料において、該電子受容
    性化合物として請求項1記載のフェノ−ル化合物の結晶
    を含有することを特徴とする感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 電子供与性発色性化合物、電子受容性化
    合物および熱可融性化合物を含有する感熱記録材料にお
    いて、該電子受容性化合物として請求項1記載のフェノ
    −ル化合物の結晶を含有することを特徴とする感熱記録
    材料。
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