JP3577221B2 - 放射線治療用ベッドシステム - Google Patents

放射線治療用ベッドシステム Download PDF

Info

Publication number
JP3577221B2
JP3577221B2 JP21246698A JP21246698A JP3577221B2 JP 3577221 B2 JP3577221 B2 JP 3577221B2 JP 21246698 A JP21246698 A JP 21246698A JP 21246698 A JP21246698 A JP 21246698A JP 3577221 B2 JP3577221 B2 JP 3577221B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bed
axis
irradiation
rotation
patient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21246698A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11313900A (ja
Inventor
亨 菅
英生 野中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Oobayashi Seisakusyo KK
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Oobayashi Seisakusyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd, Oobayashi Seisakusyo KK filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP21246698A priority Critical patent/JP3577221B2/ja
Publication of JPH11313900A publication Critical patent/JPH11313900A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3577221B2 publication Critical patent/JP3577221B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照射部から照射される陽子線を患部にあてて治療する際に、患者を固定するためのベッドを含む陽子線治療用ベッドシステムに係り、特に、回転照射室(ガントリと称する)を有する陽子線治療装置に用いるのに好適な、ベッド上面に固定された患者に対して、任意の方向と距離からの照射、特に、照射方向が患者軸心に対して直角ではないノンコンプラナー照射を実現することが可能な陽子線治療用ベッドシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の放射線による癌治療には、X線、ガンマ線、電子線及び速中性子線等が利用されてきた。これらの放射線は、図14に示す如く、身体表面近くで放射線が最も強いため、深部の癌を治療する場合には、正常な体表面付近の組織をも傷付けてしまう可能性が大きい。一方、水素原子から電子をはぎ取った、正の電荷を持ち、電子の1836倍の質量を持つ陽子を、加速器を使って高エネルギまで加速して得られる陽子線は、身体表面から一定の深さで線量が最大になるブラッグピークPを形成し、その後急速に零になるという特性がある。
【0003】
これは、陽子が電子に及ぼす電気力は近距離で大きいので、陽子の運動エネルギが大きく高速で走っている時は、周辺電子と作用する時間が短く、電離量は小さいが、運動エネルギを失い止まる寸前になると、作用する時間が長くなり、電離量は急速に増加するためである。
【0004】
そのため、身体の深部に位置する癌であっても、癌以外の正常細胞に比較的障害を与えずに治療することが可能となる。又、陽子線自体の生物に与える効果(RBE)が、X線の場合とほぼ同じであることから、陽子線治療は、従来のX線治療における知識や経験の蓄積を十二分に活用できるという利点も合せ持っている。これらの特徴を生かし、機能器官を除去しないで治療する、生活の質(クォリティ・オブ・ライフ)の向上を目指した治療装置として、陽子線治療装置が導入されつつある。
【0005】
このような陽子線治療装置は、図15に例示する如く、概略、治療装置Aと、付属装置Bと、付帯設備装置Cにより構成される。
【0006】
前記治療装置Aは、例えば、陽子を加速して、取り出された陽子ビームのエネルギを変え、且つエネルギの広がりを制限する陽子線加速装置1と、その陽子ビームの安定軌道を確保し、損失無く照射室へ輸送するためのビーム輸送装置(BTS)2と、陽子ビームを成形処理し、身体の病巣位置に的確にこれを照射するための回転照射装置(ガントリ)3及び固定照射装置4を含む。
【0007】
前記陽子線加速装置1は、例えば、陽子を235(MeV)のエネルギまで加速する加速器本体であるサイクロトロンと、それから照射された陽子ビームのエネルギを、必要に応じて、そのエネルギ分散を制限しながら変えるためのエネルギ分析装置(ESS)とからなる。
【0008】
前記回転照射装置3は、照射野、照射深さ等の照射要求条件を実現する照射部(ノズル)と、その入口までビームを輸送するビーム輸送装置(BTS)2の端末部と、該ノズルとビーム輸送装置2の端末と、その先端に取り付けたノズルを搭載した任意角度で照射を行うための構造体からなり、これに隣接して、患者の患部位置決め装置を含む治療用ベッドシステムが設けられている。
【0009】
前記固定照射装置4は、回転照射装置3と略々同じ装置であるが、ノズルから照射される陽子線が、例えば水平方向のみに固定されている点が回転照射装置3と相違する。
【0010】
前記付属装置Bは、照射治療を計画するための診断装置、治療計画システム及び治療具工作機械を含む。前記診断装置は、患者の体内患部情報を収集するためのMRI、CTスキャナー及び患部位置決め確認用のX線シミュレータからなる。前記治療計画システムは、診断装置で得られた体内患部情報を基に照射治療計画を実施するためのハードウェア及びソフトウェア等で構成される。前記治療具工作機械は、治療計画からの出力に基づき患者コリメータやボーラスをオンラインで加工するNC放電加工機、NCマニシングセンタ及びNC三次元測定器によって構成される。なお、この付属装置Bは、本願発明の要旨から外れるものであるので、これ以上の説明は省略する。
【0011】
前記付帯設備装置Cは、加速器やビーム輸送機器へ電力を供給する直流電流電源を主体とした各種電源、電流導体(コイル)直接冷却用の純水冷却供給設備等からなるものである。なお、この付帯設備装置Cも、本願発明の要旨から外れるものであるので、これ以上の説明は省略する。
【0012】
前記陽子線治療装置は、医療装置であるとの観点から、患者及び医療スタッフに対しての安全を最優先にしているが、片や病院内で小人数でなお且つ医療スタッフ主導で運転されるとの観点から、その安全性、操作性及び保守の容易性が追及されている。このシステムは、加速器としてサイクロトロンを採用しており、他の加速器方式と比較して、サイクロトロンから生成されるビームの特性として、
▲1▼最大電流値を大きく取れること(最大300nA)、
▲2▼その電流値及びビーム形状の短時間変動が極めて小さいこと、
▲3▼ビーム照射位置の時間変動が極めて小さいこと、
▲4▼時間構造的に連続ビームからパルスビームまでの多様構造をとることができること、
を挙げることができる。
【0013】
又、ビーム特性以外のサイクロトロンの大きな特徴として、加速器定常運転での調整対象機器は3つだけという単純機器構成となっていることと、積極的に磁場変動や高周波変動を付加する他の加速器とは違い、サイクロトロンは一定磁場であることから、早い磁場変動に影響され易いMRIやCTシミュレータ等の性能に影響を与え難いこと等の特徴を挙げることができる。これらのサイクロトロンの特徴は、本陽子線治療装置に対して次に挙げるような特徴点をもたらす。
【0014】
(1)加速器自体で時間的、空間的に安定した治療照射ができるので、加速器以降の系が単純化され、信頼できるものになる(例えば、照射野がφ20cm以下であれば、構造的に簡単で安定した散乱方式が採用できる等)。
【0015】
(2)患者の呼吸と共に規則、不規則変動する患部位置に対応させて、長時間患者を拘束することなく、適切な照射ができる。
【0016】
(3)治療照射として、近将来の理想照射形態である種々の3次元照射に十二分に対応する能力を有する。
【0017】
(4)照射の立ち上げ、立ち下げ時間が短く、治療に供される時間を多くとれ、操作が簡単で又加速器の知識、経験を有する運転要員を必要としない。
【0018】
(5)医療電子機器に対する磁場変動、高周波変動ノイズ対策が容易である。
【0019】
陽子線治療装置全体の観点からは、患者、医療スタッフが日常的にアクセスしなければならない照射治療部回りの装置が、安全性の確保及び照射・運転性能の発揮の点から、加速装置以上に重要なところである。照射治療部回りの構成は、上述したように、照射装置と患者の位置決め装置から構成されるが、これらに対しては特に安全性の確保を最優先する必要がある。
【0020】
安全施策に関しては、基本的にはフェイルセーフの考え方を徹底したものとし、電気機械の基本的な安全設計及び放射線劣化防止等のための材質の選定等、機器そのものに対する安全施策実施は勿論のこと、患者に対する施策及び医療スタッフに対する施策を、様々な場合を想定して織り込む必要がある。例えば、患者に対する安全を確保するだけでも、設定線量を超えた過剰な線量照射の防止、ガントリ構造体駆動、受像管駆動及びベッド駆動等に起因する機械的障害事故の防止、機器事故発生時の患者の安全緊急避難の確保、患者コリメータ及びボーラスの交換時の機器落下の未然災害防止、患者自身の照射時の異変検知及び安全緊急対応等、種々の事故想定をして安全施策を織り込む必要がある。
【0021】
照射治療部回りに要求される機能は、治療計画システムを用いて作成した照射条件どおりに患部に照射すること、つまり照射対象の患部に対して計画通りの線量分布及び線量値になるように、陽子線を許容誤差内で照射することである。これらを実現するためには、ビームに対する患者患部の照射位置を精度良く決めなければならないことと、計画した線量分布を、ノズル内に配置された各種ビーム成形用機器にて精度良く実現することが要求される。
【0022】
前者の要求を満足するために、患者患部の位置決めは、まずビーム軸と患部の照射中心を、ノズル内と照射空間に設置したクロスレーザポインタを用いて患部体表面上の基準マーキングと一致させることで水平垂直の粗決めを行い、その後、照射空間に設置された、電子信号による画像再構築を行うDRR(Digital Radiography Reconstruction )装置から得られる患者患部の水平垂直のX線画像情報を、治療計画で設定された照射位置に一致させるようにベッドを移動させることで精密位置決めを行う手順で実施される。又、精密位置決めできる前提として、ビーム軸(ノズル)及び照射中心位置の再現性も含んだ位置精度が十分確保されることが要求される。
【0023】
後者の線量分布要求は、基本的にはビーム特性が治療に関わる代表時間内で再現性を含めて時間的、空間的な十分安定していれば大半解決されることであり、後の半分は、人体の吸収を模した水からなるファントム等を使用しての照射治療前の線量分布の測定を、いかに精度を上げて、短時間で実施できるかに依存している。
【0024】
又、放射線照射による癌の治療では、周辺の正常組織が回復不能な影響を受けないよう、癌組織のみに致死的な線量を集中することが理想であり、陽子線治療は、図14に示したように、物質に入射した陽子線が、停止する直前にブラッグピークPで最大の線量を与えるという性質を利用して、癌組織のみを該ブラッグピークPで被うことにより、この理想を実現しようとするものである。
【0025】
ところで、加速器から得られる陽子線は細いビーム状であり、そのエネルギ(ブラッグピークの深さ)も一定である。一方、癌組織は、様々な大きさと複雑な形状を持ち、その体内における深さも一定ではなく、又、陽子線が通過しなければならない組織の密度も一様ではない。従って、陽子線治療を行うためには、陽子線ビームを、▲1▼癌全体が一度に照射できる位の幅広いビームに拡大し、▲2▼癌の深さに応じてそのエネルギを調整し、▲3▼奥行きのある癌組織全体が一様に照射できるよう、癌の厚みに応じてエネルギ分布を持たせ、更に、▲4▼癌の輪郭や陽子線が通過する組織の不均一さに応じた補正を加える必要がある。
【0026】
又、このようにして癌の形状や深さに合わせて調整した陽子線を、照射条件通りに患者の体内の癌組織に正確に照射して、計画通りの線量分布及び線量値になるよう、許容誤差内で照射する必要がある。
【0027】
これを実現するためには、計画した線量分布をボーラスやコリメータ等の照射野形成装置で精度良く実現するだけでなく、ビームに対する患者の照射位置を精度良く決める必要がある。
【0028】
上述の如き陽子線治療装置では、加速器としてのサイクロトロンからは極めて質のよい陽子線が発生すると共に、ノズルから患部方向に照射される陽子線ビームは、ビーム軸(ノズル)及び照射中心位置の再現性も含んだ位置精度が十分確保されるので、これに対応して、患者の患部を移動して位置決めする治療台となるベッドも、これに対応して、数十kgの重量があり、且つ石材のような固体と比べて柔らかい水嚢のような人体を、慣性力による遅れを最小限にして迅速且つ的確に移動させ、ノズルから放射される陽子線が最大効率を発揮する位置まで、患部を位置合わせすることができるような位置決め駆動手段を備えていなければならない。そして地震等の災害時には、陽子線の放射を速やかに停止すると共に、患者を乗せたベッドを一定位置に固定させておかなければならない。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の放射線治療等に用いられているベッドは、患者を固定した状態で、照射室へ一軸方向に挿入し、且つ、照射部は患者の軸心回りに回転できるだけであり、陽子線治療で要求される、任意の方向と距離からの照射、特に、照射方向が患者軸心に対して直角ではないノンコンプラナー照射を実現することはできなかった。
【0030】
本発明は、前記問題点を解決するべくなされたもので、治療用ベッド上面に固定された患者に対し、任意の方向と距離からの照射、特に、ノンコンプラナー照射を実現することを第1課題とする。
【0031】
本発明は、又、人体を固定的に保持するベッドを一定の空間内でいずれの位置へも運搬することができ、且つ、ベッドの向きを自由に設定し、その設定位置に長時間位置合わせしておくことができ、且つ、地震等の不意な振動に対して、ベッドを支える部分にブレーキが掛かるようにすることを第2の課題とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明は、照射部から照射される陽子線を患部にあてて治療する際に、患者を固定するためのベッドを含む陽子線治療用ベッドシステムであって、該ベッドを、患者に関して互いに垂直な3軸の回りに独立して回動するための回動手段と、前記ベッドを、床面に関して互いに垂直な3軸の方向へ独立して平行移動するための平行移動手段と、を備え、前記平行移動手段が、前記ベッド又はベッド載置台を、照射室外から照射室内に向かう前後のY軸方向に駆動するY軸駆動手段を備えたY軸スライド板と、該Y軸スライド板を上下のZ軸方向に駆動するZ軸駆動手段を備えた上下台と、該上下台を左右のX軸方向に駆動するX軸駆動手段を備えた台座と、を含み、前記ベッドが照射室外から照射室内に挿入された時、前記回動の中心が、該照射室内に位置するように、前記ベッドを、患者の高さ方向であるアイソセントリック軸回りに回転自在とする相対アイソセントリック回転駆動機構を前記上下台の中心線に対してオフセットして、前記ベッド載置台に取り付けることにより、前記第1の課題を解決したものである
【0033】
又、前記回動手段を、前記ベッドをその長手方向を中心軸にして回転させるローリング回転駆動手段を備えたヒンジ台と、該ヒンジ台に支えられた該ベッドの長手方向端部を回転させてベッド面を傾斜させるピッチング回転駆動手段を備えたベット基台と、該ベッド基台を支え、これをX、Y平面方向に回転駆動させる相対アイソセントリック回転駆動手段を備えたベッド載置台とを用いて構成したものである。
【0037】
更に、3次元方向にそれぞれ生じる加速度を検知する加速度センサを前記ベッドに設けると共に、前記回動手段(ローリング回転駆動手段、ピッチング回転駆動手段、相対アイソセントリック回転駆動手段)や前記平行移動手段(Y軸駆動手段、Z軸駆動手段、X軸駆動手段)に対して、加速度センサの出力が減少する方向に駆動指令を発する制御手段を設けることができる。
【0038】
又、前記上下台と台座の間には、摩擦によるブレーキ機構と嵌め合いによるブレーキ機構とを共に設けることができる。
【0039】
又、前記台座に敷設され、複数個の孔を有するレールと、該レール上を摺動自在に設けられ、前記上下台が固定されたスライドベースと、該スライドベースの車輪又は前記レールを狭圧するブレーキ機構と、前記レール上の孔に嵌合可能なブレーキ棒とを設けることができる。
又、前記ベッドを患者の軸心方向であるローリング軸回りに回転自在とするためのローリング回転駆動機構を有し、該ローリング回転駆動機構は、ローリング軸を回転させるモータと、該ローリング軸とギヤ機構を介して結合されたハンドルとを有することができる
【0040】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、図1に示す如く、陽子線14の照射部12が、患者を固定する治療用ベッド20の回りに回転可能とされた回転ガントリ100を有する陽子線治療装置に適用した本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0041】
本発明の第1実施形態は、図2に示す如く、照射部12から照射される陽子線14を患部にあてて治療する際に、患者10を固定するためのベッド20を含む治療用ベッドシステムにおいて、該ベッド20を、図2に矢印Aで示すような、照射部12の回動方向を含む面と平行な左右(横手)方向(X軸方向とする)Sxに移動自在とするための、回転ガントリ100手前の準備室110(図1参照)側に固定されたスライドレール32上を平行移動可能なスライドベース34を含むX軸方向移動機構30と、前記ベッド20を、該X軸方向と垂直な上下(高さ)方向(Z軸方向とする)Szに移動自在とするための、前記スライドベース34上に固定された上下台42を含むZ軸方向移動機構40と、図1に示した準備室110から回転ガントリ100に進入する前後(長手)方向(Y軸方向とする)Syに移動自在とするための、前記上下台42の上部に固定されたベース板52上をSy方向にスライド可能なベッド載置台54を含むY軸方向移動機構50と、前記ベッド20を、患者の高さ方向であるアイソセントリック軸(i軸)62の回りにθi回転(相対アイソセントリック回転と称する)自在とするための、前記ベッド載置台54のガントリ側先端近傍に取り付けられた相対アイソセントリック回転駆動機構60と、該相対アイソセントリック回転駆動機構60のi軸62の上端に固定されたベッド基台64に配設され、前記ベッド20を患者10の軸心方向であるローリング軸(r軸)72の回りにθr回転(ローリング回転と称する)自在とするためのローリング回転駆動機構70と、該ローリング回転駆動機構70により回転される回転台74に配設された、前記ベッド20を患者10の軸心と垂直なピッチング軸(p軸)82の回りにθp回転(ピッチング回転と称する)自在とするためのピッチング回転駆動機構80とが備えられている。
【0042】
図2において、Bは照射中心(アイソセンタと称する)である。
【0043】
前記照射部12は、図1に示した如く、回転ガントリ100の内周面に沿ってベッド20の周囲を回転移動できるようにされている。この照射部12には、図15に示した如く、陽子を加速して、取り出された陽子ビームのエネルギを変え、且つ、エネルギの広がりを制限する、サイクロトロン及びエネルギ分析装置(ESS)を含む陽子加速装置1、及び、該陽子加速装置1で発生された陽子ビームの安定軌道を確保して、少ない損失で回転ガントリ100へ輸送するためのビーム輸送装置2が接続されている。
【0044】
前記相対アイソセントリック回転駆動機構60のi軸62は、Z軸方向移動機構40の移動中心線(上下台42の中心線42C)に対して、オフセット配置が可能となるよう、Y軸方向移動機構50により任意の位置に調整可能であり、回転ガントリ100内に位置させることができる。
【0045】
次に本実施形態の動作について説明する。
【0046】
患者の治療に当たっては、治療対象臓器の形状、深さ及び向きを考慮した治療時の体位と、陽子線を放射するノズル方向とその位置が、治療シミュレーション時に計算され、それらの位置データは、患部位置決め装置の制御系に、陽子線治療装置を使用する操作者に便利な座標系(例えばX、Y、Z座標系)にて入力する。入力されたデータ(位置や角度)は、ベッド20のX軸、Y軸、Z軸方向の位置、i軸(相対アイソセントリック回転)、p軸(ピッチング回転)、r軸(ローリング回転)の回転角度、患者の患部位置として座標変換され、ベッドの各軸はこれらの変換データを入力位置データとして捕らえ、各軸を駆動して患者の患部を所望の位置に移動させる。このとき、シミュレーションで得られた患者の体位が不具合の時は、患者の体位が微調整される。
【0047】
アイソセンタBを中心として、ベッド20を回動している状態を図3に、陽子線14の照射方向が患者10の軸心に対して直角でないノンコンプラナー照射を行っている状態を、図4に示す。
【0048】
本実施形態においては、相対アイソセントリック回転のi軸62を、Z軸方向移動機構40の上下台42の中心線42cに対してオフセットさせ、回転ガントリ100内に配置できるようにしているので、照射部12との位置合わせが容易である。なお、i軸62を回転ガントリ外に位置させることも可能である。
【0049】
次に第1実施形態を具体化した本発明の第2実施形態を詳細に説明する。
【0050】
本実施形態は、第1実施形態と同様のX軸方向移動機構30、Z軸方向移動機構40、Y軸方向移動機構50、相対アイソセントリック回転駆動機構60、ローリング回転駆動機構70、ピッチング回転駆動機構80を備えており、対応する部分には、同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0051】
本実施形態におけるX軸方向移動機構30のスライドレール32は、図5に詳細に示す如く、図1に示した準備室110の床に掘られたピット112の底面114に固定されており、十分なX軸方向移動距離L(本実施形態ではL=2200mm)を確保するようにされている。該ピット112の上面には、無端ベルト状に連結され、前記スライドベース34のSx方向への移動と共に移動する無限覆帯状のアクセスフロア116(図1参照)が設けられており、患者やオペレータの回転ガントリ100へのアクセスが容易とされている。
【0052】
図5において、118は、該アクセスフロア116を移動方向両端で保持しつつ方向転換するための半月状のガイドプレート、120は、ピット112上部に配設された、32と同様のX軸方向ガイドレール(図5参照)である。
【0053】
本実施形態におけるZ軸方向移動機構40の上下台42を、上下のZ軸方向Szに駆動するための伸縮シリンダ43は、図5に詳細に示す如く、例えば3段式とされ、前記ピット112の深さDが大きくない場合でも、十分なZ軸方向移動距離H(本実施形態ではH=700mm)を確保できるようにされている。
【0054】
本実施形態におけるY軸方向移動機構50は、図6及び図7に詳細に示す如く、前記ベース板52内側の後端近傍に配置された電気モータ56及びトルクリミッタ57と、該モータ56によって回動される送りねじ58と、該送りねじ58と螺合する、前記ベッド載置台54の内側に固定されたナット59を含んで構成されており、十分なY軸方向移動距離E(実施形態ではE=1600mm)(図10参照)を確保するようにされている。
【0055】
本実施形態における相対アイソセントリック回転駆動機構60は、図7に詳細に示す如く、i軸62の回りに、前記ベッド基台64を回転駆動するための電気モータ66を含んで構成されており、十分な相対アイソセントリック回転角(実施形態では±90°)だけ相対アイソセントリック回転するようにされている。
【0056】
本実施形態におけるローリング回転駆動機構70は、図7及び図8に詳細に示す如く、r軸72の回りに、ベッド20をローリング回転するためのギヤ機構76及び手動ハンドル78を含んで構成されており、図9に示す如く、患者10が載置されたベッド20を、r軸72の回りに十分なローリング回転角(実施形態では±5°)だけローリング回転するようにされている。
【0057】
本実施形態におけるピッチング回転駆動機構80は、図7、図8及び図10に詳細に示す如く、軸受84で支持されたp軸82の回りに、前記ベッド20を、十分なピッチング回転角θp(実施形態では±3°)だけピッチング回転するための電気モータ86、ギヤ機構87及びトルクリミッタ88を含んで構成されている。
【0058】
第2実施形態におけるベッド20の平面的な移動状態を図11に示す。
【0059】
次に、本発明の第3実施形態を詳細に説明する。
【0060】
本実施形態も、第1、第2実施形態に類似するX軸方向移動機構30、Z軸方向移動機構40、Y軸方向移動機構50、相対アイソセントリック回転駆動機構60、ローリング回転駆動機構70、ピッチング回転駆動機構80を備えており、対応する部分には、同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0061】
図12は、本実施形態のベッド20の自由度を説明するための斜視図である。このベッドシステムは、床面114に対して固定された台座115を持つ。台座115は、細長状に形成され、床面に対してX軸方向に固定されている。台座115には、スライドベース34がX軸方向に滑動自在に設けられている。スライドベース34の実際の構造を述べると、台座115には2本のスライドレール32が敷設され、それらレールには数センチメートル毎に複数個の孔33があけられている。スライドベース34には、該レール32上を転動する車輪が設けられ、スライドベース34は該レール32の上を移動する。又、スライドベース34にはブレーキシューが設けられ、このブレーキシューが車輪を狭圧するのではなく、レール32を狭圧することによって、スライドベース34を台座115に固定する。なお、ブレーキ機構は、従来から知られているように、ブレーキシューが車輪の周縁を挟持することによって、スライドベース34をレール上に停止させる構造を採ってもよい。又、スライドベース34には、緊急停止用のブレーキ棒が設けられ、前記ブレーキが作動中にも関わらず、事故あるいは地震等の振動によりスライドベース34がレール上を異常な状態で移動するような場合には、緊急のブレーキが作動し、前記ブレーキ棒がレール32上に突出し、レール32上の孔33に嵌合してスライドベース34をレール32上に固定させる。
【0062】
台座115に固定されたパルスモータ122により回転されるスクリュー棒124が回転自在に台座115に設けられ、一方、スライドベース34には、このスクリュー棒124と螺合するボールスクリュー126が取り付けられている。従って、患者の患部位置決めシステムから送られる位置指令信号によりパルスモータ122を回転させると、その回転角度に比例して、正確にスライドベース34をX軸方向に移動させることができる。なお、パルスモータ122には、台座115に対する相対的な移動量を検知するパルスコーダ123を設けておき、このパルスコーダ123の検知量を帰還量として、スライドベース34の台座115に対する相対的な移動量を負帰還制御すれば、スライドベース34を一層正確に位置制御できる。
【0063】
スライドベース34の上には、上下方向に伸縮自在な上下台42が固定されており、患者の患部位置決め装置の制御系から送られる上下位置指令信号により、その先端に取り付けられたY軸スライド板52を上下方向(Z軸方向)に移動させる。上下台42は、理論的には剛体構造であり、上下方向にのみ伸縮する構造である。従って、実際は、振動衝撃による歪み量が全体の駆動系に対して無視可能な範囲内に収まるように、頑丈な鉄骨による櫓構造の組合せであり、それら櫓は印籠継ぎ構造に組み合わされ、パルスモータ駆動による伸縮シリンダ43により、これら櫓同士がスライドして、実質的な上下台42の高さを調整する。なお、この上下台42も、例えばインダクトシンのような位置検出器が設けられると共に、これから得られる上下位置信号を基にスライドベース34と同様な帰還による高さ制御を行うことができる。図には詳細に示さないが、上下台42の各印籠継ぎによるスライド部にはブレーキ構造が設けられており、緊急時に上下台42の動作を固定することができる。
【0064】
上下台42の先端に固定されたY軸スライド板52は、Y軸方向に細長状に形成されている。Y軸スライド板52は正確にY軸方向を向いて配置され、且つその中央部で上下台42の先端に接続されている。Y軸スライド板52は実質的に剛体構造である。図には示されていないが、Y軸スライド板52上には台座115と同様なレールが設けられ、その上をベッド載置台54がY軸方向に移動できるように載置されている。図には詳細に示さないが、ベッド載置台54にはブレーキ機構が設けられており、緊急時にこれの動作をY軸スライド板52に対して固定することができる。患者の患部位置決めシステムの制御系から送られるY軸位置指令信号により、ベッド載置台54をY軸方向に移動させる。なお、このY軸スライド板52にも、例えばインダクトシンのような位置検出器が設けられ、ベッド載置台54のY軸スライド板52に対する相対的な位置を検出すると共に、これから得られる上下位置信号を基にスライドベース34と同様な帰還によるY軸制御を行うことができる。
【0065】
図12、図13に示すように、ベッド載置台54にはZ軸を中心として回転する短いアイソセントリック軸(i軸)62が設けられ、更にパルスモータと減速機構により、i軸62を回転させる相対アイソセントリック回転駆動機構60が設けられている。この回転量は患者の患部位置決め装置の制御系から送られる回転位置指令信号により決まり、その先端に取り付けられたベッド基台64をZ軸と平行なi軸62の回りにθi度回転させる。この相対アイソセントリック回転駆動機構60には、例えば回転エンコーダのような、i軸62のベッド載置台54に対する相対的な回転角度を検知する回転検知器が設けられ、回転軸の回転角度を検知すると共に、これから得られる回転位置信号を帰還信号とする相対アイソセントリック角回転帰還制御を行うことができる。
【0066】
図12、特に図13に詳細に示すように、ベッド基台64にはヒンジ機構130が設けられ、患者を載置するベッド20を支えるヒンジ台132をベッド基台64上のピッチング軸(p軸)を中心として回転させる。この回転量は、患者の患部位置決め装置の制御系から送られる回転位置指令信号により行われる。134は、p軸を回転させるためのp軸モータでパルスモータから構成され、その軸には、この回転軸の回転角度を検知する回転エンコーダ136が設けられている。なお、p軸制御においても、回転軸の回転角度を回転エンコーダにより検知すると共に、これから得られる回転位置指令信号を帰還信号とするピッチング角回転負帰還制御を行うことができる。勿論、p軸にもブレーキ機構が設けられている。
【0067】
ヒンジ台132には、ベッド20をローリング軸(r軸)に対して揺動回転させるr軸モータ140が設けられる。該r軸モータ140には、r軸の回転角度を検知する回転エンコーダ142が取り付けられている。ベッド基台64にはブレーキ機構が設けられており、緊急時にベッド20の動作をベッド基台64に対して固定することができる。患者の患部位置決め装置の制御系から送られる位置指令信号により、ベッド20をr軸に沿って回転させる。なお、回転エンコーダ142からの信号によりベッド20のヒンジ台132に対する相対的な位置を検出すると共に、これから得られる位置信号を基にスライドベース34と同様な帰還によるローリング角制御を行うことができる。
【0068】
基本的には、ベッド20はr軸に対して回転揺動するものであるが、実際にはベッド20の先端に設けられたハンドル78による手動操作によっても、r軸に対して回転させることができる。この回転量は、回転エンコーダ142から得られる回転位置量に対してインクリメンタルなものであり、このインクリメンタル量を得るために、ハンドル78の軸に回転エンコーダ79が設けられている。ベッド20は、実際にはr軸に対して軸受22により回転自在に保持されている。一方、ハンドル78の回転軸とベッド20を支えるr軸との間はギヤ機構76により結合されており、ギヤ機構76の筐体はベッド20に固定されている。このギヤ機構76は、ハンドル78の回転でベッド20をr軸に対して自由に回転させることができるが、例えばウォームギヤ機構等を使用して、r軸が回転してもハンドル76は回転しない構造である。従って、r軸がr軸モータ140により回転させられたとき、ハンドル76は回転せず、ベッド20が揺動させられることになる。ベッド20の先端には、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度をそれぞれ検知する加速度センサ26が設けられている。
【0069】
治療台は全体に丈夫に構成され、おおよそ全てを剛体と見なすことができるが、各軸を直列に接続した先端のベッド20の、しかもその先端に数十kgの人体を載置した場合、ベッド20の位置、即ち患部位置はベッド20の無荷重状態の位置より下がるが、その歪み量はシミュレートされ、実際に患者を所定位置に移動させるときに補正される。又、治療時に人体の呼吸による位置ずれ等で、治療台全体の系に細かい振動が発生し、患部の位置ずれ原因となることがある。本実施形態に係る治療台は、予め無負荷時の各軸の時定数を測定して既知の値としてある。従って、そのベッド20に人体の重量が装架された場合の総合的なベッド20の振動数はシミュレーションにより計算できる。治療中に加速度センサ26がx軸方向、y軸方向、z軸方向の加速度を検出した場合には、その検出された加速度の方向と逆で、大きさが等しい振動信号を各軸に加算して、患者の患部の位置を静止させる制御を行っている。
【0070】
本実施形態においては、全ての機構が電動可能とされていたが、任意の機構を手動のみとすることもできる。
【0071】
前記実施形態においては、本発明が陽子線治療装置に用いられていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、X線や電子線等の他の放射線治療装置にも同様に適用できることは明らかである。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、治療用ベッド上面に固定された患者に対し、任意の方向と距離からの照射が可能となり、精度の高い照射を行って、治療効果を高めることができる。
【0073】
特に、手動でベッドを長手方向を中心軸にしてローリングさせるハンドル機構を具備した場合には、ベッドを手動により微動させることができるので、患部を照射に最適な位置に微調整することができる。
【0074】
又、前記ヒンジ台、ベッド基台、ベッド載置台、Y軸スライド板、上下台、台座のうちの所望のものに対して、これらを支える部分との間にブレーキ機構を設けた場合には、各回転部分、移動部分の所望のものにブレーキを掛けることができるので、照射の中断等、調整時間中に人等がガントリに入って治療台のいずれの部分に不意に衝突しても、ベッドに位置ずれを発生させず、安全且つ正確な放射治療を再開させることができる。
【0075】
又、3次元方向にそれぞれ生じる加速度を検知する加速度センサを前記ベッドに設けると共に、前記平行移動手段や回動手段に対して、加速度センサの出力が減少する方向に駆動指令を発する制御手段を設けた場合には、ベッドが多少振動しようとしても、加速度センサがこれを捕らえ、ベッドを振動方向と逆方向に駆動するので、ベッドは定位置を保持できる。
【0076】
又、前記上下台と台座の間に、摩擦によるブレーキ機構と嵌め合いによるブレーキ機構とを並設した場合には、通常の動作時には摩擦によるブレーキが使われるが、事故あるいは地震等の災害時に不意に上下台が台座に対して移動を始めると嵌め合いによるブレーキが動作し、治療台全体を台座に対して固定するので、治療台が台座の上を滑って駆動機構等を破壊するようなことがない。
【0077】
又、前記回転移動手段(ローリング回転駆動手段、ピッチング回転駆動手段、相対アイソセントリック回転駆動手段)、平行移動手段(Z軸駆動手段、Y軸駆動手段、X軸駆動手段)の内の所望の駆動手段を、指令位置と現在位置とを常に同じ位置に保つ負帰還制御により駆動するようにした場合には、患部を的確な位置に導入できると共に、その的確な位置は長時間に亘って正確に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体構成を示す斜視図
【図2】本発明の第1実施形態と回転ガントリ及び準備室の配置関係の例を示す斜視図
【図3】第1実施形態における患者への照射状態を示す平面図
【図4】同じく患者に対してノンコンプラナー照射を行っている状態を示す斜視図
【図5】本発明の第2実施形態のX軸方向移動機構とZ軸方向移動機構を示す横断面図
【図6】同じくY軸方向移動機構を示す平面図
【図7】同じくローリング回転駆動機構と相対アイソセントリック回転駆動機構を示す縦断面図
【図8】同じくローリング回転駆動機構とピッチング回転駆動機構を示す平面図
【図9】同じくローリング回転状態を示す横断面図
【図10】同じく縦断面図
【図11】同じく患者への照射状態を示す平面図
【図12】本発明の第3実施形態に係る治療台の自由度を示す斜視図
【図13】同じく回転駆動機構の自由度を拡大して示す斜視図
【図14】陽子線を含む各種放射線における深部線量分布を比較して示す線図
【図15】陽子線治療システムの全体構成図
【符号の説明】
A…治療装置
B…付属装置
C…付帯設備装置
1…陽子線加速装置
2…ビーム輸送装置
3、100…回転照射装置(ガントリ)
4…固定照射装置
10…患者
12…照射部
14…陽子線
20…治療用ベッド
26…加速度センサ
30…X軸方向移動機構
32…スライドレール
34…スライドベース
40…Z軸方向移動機構
42…上下台
43…伸縮ピストン
50…Y軸方向移動機構
52…Y軸スライド板
54…ベッド載置台
60…相対アイソセントリック回転駆動機構
62…アイソセントリック軸(i軸)
64…ベッド基台
70…ローリング回転駆動機構
72…ローリング軸(r軸)
76…ギヤ機構
78…ハンドル
80…ピッチング回転駆動機構
82…ピッチング軸(p軸)
110…準備室
130…ヒンジ機構
132…ヒンジ台

Claims (6)

  1. 照射部から照射される陽子線を患部にあてて治療する際に、患者を固定するためのベッドを含む陽子線治療用ベッドシステムであって、
    該ベッドを、患者に関して互いに垂直な3軸の回りに独立して回動するための回動手段と、前記ベッドを、床面に関して互いに垂直な3軸の方向へ独立して平行移動するための平行移動手段と、を備え
    前記平行移動手段が、前記ベッド又はベッド載置台を、照射室外から照射室内に向かう前後のY軸方向に駆動するY軸駆動手段を備えたY軸スライド板と、該Y軸スライド板を上下のZ軸方向に駆動するZ軸駆動手段を備えた上下台と、該上下台を左右のX軸方向に駆動するX軸駆動手段を備えた台座と、を含み、
    前記ベッドが照射室外から照射室内に挿入された時、前記回動の中心が、該照射室内に位置するように、前記ベッドを、患者の高さ方向であるアイソセントリック軸回りに回転自在とする相対アイソセントリック回転駆動機構を前記上下台の中心線に対してオフセットして、前記ベッド載置台に取り付けたことを特徴とする陽子線治療用ベッドシステム。
  2. 請求項1において、前記回動手段が、前記ベッドをその長手方向を中心軸にして回転させるローリング回転駆動手段を備えたヒンジ台と、
    該ヒンジ台に支えられた該ベッドの長手方向端部を回転させてベッド面を傾斜させるピッチング回転駆動手段を備えたベッド基台と、
    該ベッド基台を支え、これをX、Y平面方向に回転駆動させる相対アイソセントリック回転駆動手段を備えたベッド載置台と、
    を含むことを特徴とする陽子線治療用ベッドシステム。
  3. 請求項1において、3次元方向にそれぞれ生じる加速度を検知する加速度センサを前記ベッドに設けると共に、前記回動手段や平行移動手段に対して、加速度センサの出力が減少する方向に駆動指令を発生する制御手段を設けたことを特徴とする陽子線治療用ベッドシステム。
  4. 請求項において、前記上下台と台座の間に、摩擦によるブレーキ機構と嵌め合いによるブレーキ機構とを共に設けたことを特徴とする陽子線治療用ベッドシステム。
  5. 請求項1において、前記台座に敷設され、複数個の孔を有するレールと、該レール上を摺動自在に設けられ、前記上下台が固定されたスライドベースと、該スライドベースの車輪又は前記レールを狭圧するブレーキ機構と、前記レール上の孔に嵌合可能なブレーキ棒とを設けたことを特徴とする陽子線治療用ベッドシステム。
  6. 請求項1において、前記ベッドを患者の軸心方向であるローリング軸回りに回転自在とするためのローリング回転駆動機構を有し、該ローリング回転駆動機構は、ローリング軸を回転させるモータと、該ローリング軸とギヤ機構を介して結合されたハンドルとを有することを特徴とする陽子線治療用ベッドシステム。
JP21246698A 1997-08-04 1998-07-28 放射線治療用ベッドシステム Expired - Fee Related JP3577221B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21246698A JP3577221B2 (ja) 1997-08-04 1998-07-28 放射線治療用ベッドシステム

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20921797 1997-08-04
JP9-209217 1997-08-04
JP10-53282 1998-03-05
JP5328298 1998-03-05
JP21246698A JP3577221B2 (ja) 1997-08-04 1998-07-28 放射線治療用ベッドシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11313900A JPH11313900A (ja) 1999-11-16
JP3577221B2 true JP3577221B2 (ja) 2004-10-13

Family

ID=27294898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21246698A Expired - Fee Related JP3577221B2 (ja) 1997-08-04 1998-07-28 放射線治療用ベッドシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3577221B2 (ja)

Families Citing this family (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001041647A1 (en) * 1999-12-08 2001-06-14 Koninklijke Philips Electronics N.V. Carrier for medical facilities with a large displacement range
SE522789C2 (sv) * 2000-03-29 2004-03-09 Stille Surgical Ab Operationsbord
DE10029429B4 (de) * 2000-06-15 2004-03-04 Siemens Ag Operations-Diagnose-Einrichtung mit einer Lagerungsvorrichtung für ein Behandlungs- und/oder Untersuchungsobjekt
JP3780267B2 (ja) * 2003-08-08 2006-05-31 株式会社日立製作所 放射線治療用ベッド装置
CA2528800A1 (en) * 2003-08-08 2005-02-17 Tomotherapy Incorporated Stereotactic upper body fixation and positioning device
US7860550B2 (en) 2004-04-06 2010-12-28 Accuray, Inc. Patient positioning assembly
JP2006051215A (ja) * 2004-08-12 2006-02-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 放射線治療装置用治療台
US7193227B2 (en) 2005-01-24 2007-03-20 Hitachi, Ltd. Ion beam therapy system and its couch positioning method
JP4936924B2 (ja) * 2007-02-20 2012-05-23 稔 植松 粒子線照射システム
CN101815470A (zh) 2007-09-04 2010-08-25 断层放疗公司 患者支承装置
JP5042082B2 (ja) * 2008-03-17 2012-10-03 三菱電機株式会社 粒子線治療装置
WO2009153832A1 (ja) 2008-06-18 2009-12-23 三菱電機株式会社 治療台システム
FR2937854B1 (fr) * 2008-10-31 2010-12-03 Aripa Services Innovations Ind Dispositif pour positionner un patient par rapport a un rayonnement.
JP4862070B2 (ja) * 2009-08-21 2012-01-25 三菱電機株式会社 粒子線照射装置
JP5359697B2 (ja) * 2009-08-31 2013-12-04 富士電機株式会社 体表面モニタ
JP5451461B2 (ja) 2010-03-05 2014-03-26 三菱電機株式会社 駆動式患者台、駆動式患者台の制御装置、駆動式患者台制御用プログラム及びこれらを用いた粒子線治療装置
JP5511904B2 (ja) * 2012-07-10 2014-06-04 三菱電機株式会社 粒子線治療装置
US9443633B2 (en) 2013-02-26 2016-09-13 Accuray Incorporated Electromagnetically actuated multi-leaf collimator
JP5940471B2 (ja) * 2013-02-27 2016-06-29 住友重機械工業株式会社 中性子捕捉療法システム
JP6257927B2 (ja) * 2013-06-05 2018-01-10 東芝メディカルシステムズ株式会社 診断装置
JP5721809B2 (ja) * 2013-12-26 2015-05-20 三菱電機株式会社 駆動式患者台
JP6326364B2 (ja) * 2014-12-24 2018-05-16 株式会社日立製作所 治療台、位置決めシステムならびにその運転方法
CN104971436B (zh) * 2015-06-03 2017-12-05 刘鸿坚 普外科放射治疗设备
KR101715073B1 (ko) * 2015-08-14 2017-03-28 한국원자력연구원 회전형 방사선 조사장치
KR101682415B1 (ko) * 2015-08-14 2016-12-07 한국원자력연구원 방사선 조사장치
CN116943051A (zh) 2016-11-15 2023-10-27 反射医疗公司 放射治疗患者平台
CN107185116A (zh) * 2017-06-16 2017-09-22 周国栋 一种用于肿瘤医疗临床的放射定位装置
WO2019160958A1 (en) 2018-02-13 2019-08-22 Reflexion Medical, Inc. Beam station treatment planning and radiation delivery methods
CN110478629A (zh) * 2019-08-09 2019-11-22 四川省肿瘤医院 一种放疗体位的调控装置
WO2024078307A1 (zh) * 2022-10-14 2024-04-18 中硼(厦门)医疗器械有限公司 载置台定位系统、载置台定位方法及放射治疗系统
CN116159253B (zh) * 2023-04-21 2023-06-27 智维精准(北京)医疗科技有限公司 一种加速器
CN116726415B (zh) * 2023-08-14 2023-10-20 智维精准(北京)医疗科技有限公司 一种偏移补偿系统及直线加速器

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS627334Y2 (ja) * 1980-12-30 1987-02-20
US5013018A (en) * 1989-06-22 1991-05-07 Sicek Bernard W Table positioning for X-ray examinations in plurality of positions
EP0405000B1 (de) * 1989-06-30 1994-11-09 Siemens Aktiengesellschaft Patientenlagerungstisch mit einer mit einem Ausschnitt versehenen Lagerungsplatte
JPH072186B2 (ja) * 1992-06-25 1995-01-18 三鷹光器株式会社 放射線治療用頭部定位器の微動位置合わせ装置
JP2822809B2 (ja) * 1992-09-30 1998-11-11 三菱電機株式会社 位置制御方法および位置制御装置
JPH06134041A (ja) * 1992-10-23 1994-05-17 Hitachi Medical Corp 放射線治療装置
JPH0838628A (ja) * 1994-08-04 1996-02-13 Mitsubishi Electric Corp 放射線治療装置
JPH1071213A (ja) * 1996-08-30 1998-03-17 Hitachi Ltd 陽子線治療システム
JP3519248B2 (ja) * 1997-08-08 2004-04-12 住友重機械工業株式会社 放射線治療用回転照射室

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11313900A (ja) 1999-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3577221B2 (ja) 放射線治療用ベッドシステム
US6094760A (en) Bed system for radiation therapy
JP4616843B2 (ja) 多重室照射治療システム
EP1683545B1 (en) Ion beam therapy system and couch positioning method
US10499861B2 (en) Self-shielded, integrated-control radiosurgery system
EP1446989B1 (en) Device for aligning a patient for delivering radiotherapy
JP3203211B2 (ja) 水ファントム型線量分布測定装置及び放射線治療装置
US6810107B2 (en) System and method for measuring beam quality and dosimetry using electronic portal imaging
US6839404B2 (en) System and method for positioning an electric portal imaging device
JP4695231B2 (ja) 治療台システム
JP2010537784A (ja) 患者支持デバイス
AU2002353904A1 (en) Method and device for delivering radiotherapy
US20090154645A1 (en) Teletherapy treatment center
US20130066134A1 (en) Multiplexed Radiation Therapy
EP1123043A1 (en) Tomotherapy treatment table positioning device
JP2020162837A (ja) 患者搬送台車、粒子線照射システム、及び粒子線照射方法
US20100138997A1 (en) Patient transport unit and method for transporting a patient
JP3707967B2 (ja) 陽子線治療システムの治療台
JPH11309220A (ja) 粒子線治療装置及びx線ct装置
JP2895716B2 (ja) 放射線治療装置
Zhang et al. Recent Patents on Radiotherapy Bed
CA2598262C (en) Method and device for delivering radiotherapy

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040706

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040709

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090716

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090716

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100716

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110716

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110716

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120716

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120716

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees