JP3575180B2 - オイルポンプ - Google Patents

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    • F04C15/0057Driving elements, brakes, couplings, transmission specially adapted for machines or pumps
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルポンプ、特に、ハウジングに収容されるインナロータ及びアウタロータを備えて、インナロータにて回転軸により回転駆動されるようにしたオイルポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
オイルポンプの一つとして、回転軸が嵌合する内孔に径方向内方に突出する突出部が少なくとも二つ設けられて同突出部(例えば二面幅部)を介して回転軸の回転が伝達されるとともにハウジング内に収容されて両側面をハウジングの内側面に摺接されるインナロータと、このインナロータの複数の外歯に噛合する複数の内歯を有して両歯間に複数のポンプ室を形成するとともにハウジングに形成した凹部にインナロータの回転中心から所定量偏心した回転中心回りに回転可能に収容されてインナロータによって回転されるアウタロータを備えたものがあり、例えば、特開平63−223382号公報に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した公報に示されているオイルポンプにおいては、インナロータの二面幅部(回転軸が嵌合する内孔に径方向内方に突出する突出部を対向して二つ設けた部分)の一側に軸方向に延びる円筒状の凸部が設けられていて、この円筒状凸部をハウジングの内孔に嵌合することにより、インナロータの位置決めを可能とし、組付性の向上を図っている。
【0004】
しかしながら、上記したオイルポンプにおいては、円筒状凸部がその外周面にてハウジングの内孔内周面に摺接するようになっているため、摺動損失が大きく、また円筒状凸部の外周部位に各ロータのハウジングとの摺接面(シール幅確保のためのもの)を形成する必要があって、各ロータ径が大きくなり、その結果摺動面積が増大して、摺動損失が増加するという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した問題に対処すべくなされたものであり、回転軸が嵌合する内孔に径方向内方に突出する突出部が少なくとも二つ設けられて同突出部を介して回転軸の回転が伝達されるとともにハウジング内に収容されて両側面をハウジングの内側面に摺接されるインナロータと、このインナロータの複数の外歯に噛合する複数の内歯を有して両歯間に複数のポンプ室を形成するとともにハウジングに形成した凹部にインナロータの回転中心から所定量偏心した回転中心回りに回転可能に収容されてインナロータによって回転されるアウタロータを備えたオイルポンプにおいて、インナロータの各突出部の一側面に軸方向に突出してハウジングの内孔に嵌合する凸部をそれぞれ設け、これら各凸部の外周面間の径をインナロータの回転時にハウジングの内孔に摺接しないように設定したこと特徴がある。
【0006】
【発明の作用・効果】
本発明によるオイルポンプにおいては、ハウジングの内孔に嵌合する凸部がインナロータの各突出部の一側面に軸方向に突出して設けられていて、インナロータの一側面のシール幅に影響を与えないため、インナロータを大径化する必要がなく、インナロータの一側面での摺動損失の増加を防止することができる。また、各凸部の外周面間の径がインナロータの回転時にハウジングの内孔に摺接しないように設定されているため、摺動損失の増加をもたらすことなく、インナロータのハウジングに対する良好な組付性を確保することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明を実施したオイルポンプを示していて、このオイルポンプはハウジング10とこのハウジング10内に組付けたインナロータ21とアウタロータ22を主要構成部材とするものであり、図2に示したようにエンジンブロック31に組付けられてクランク軸32によって回転駆動されるように構成されている。なお、クランク軸32には、オイルシール33が脱着可能に組付けられるとともに、タイミングベルト(図示省略)を駆動するクランクプーリ34が脱着可能に組付けられるようになっている。また、オイルポンプは、ハウジング10の本体11にインナロータ21とアウタロータ22を組付けた後にカバー12を本体11に組付けることにより組み立てられている。
【0008】
ハウジング10は、本体11とこれに10個の皿ねじ13によって組付けたカバー12によって構成されていて、本体11とカバー12にはクランク軸32が貫通する内孔11a,12aが設けられている。また本体11には、エンジンブロック31に組付けるときに、ピン(図示省略)が嵌合する2個のピン孔11b,11kと、取付ボルト(図示省略)が挿通される9個の取付孔11c,11d,11e,11f,11g,11h,11i,11j,11mが設けられるとともに、当該ハウジング10の組付後に補機部材(図示省略)を組付けるためのねじ孔11nが設けられている。更に本体11には、吸入ポート11pと吐出ポート11qが設けられている。
【0009】
インナロータ21は、10個の外歯21aを有するとともに、クランク軸32が嵌合する内孔21bを有していて、内孔21bには径方向内方に突出する一対の半月状突出部21c,21dが対向して設けられており、同突出部21c,21d(二面幅部)を介してクランク軸32の回転がインナロータ21に伝達されるようになっている。また、インナロータ21は、その両側面21e,21fにてハウジング10の内側面11r,12bに摺接するようになっていて、両側面21e,21fの内周から外歯21aの歯元円までの幅がシール幅L(図3参照)となっている。
【0010】
アウタロータ22は、インナロータ21の外歯21aに順次噛合する11個の内歯22aを有していて、両歯21a,22a間に複数のポンプ室Rを形成しており、ハウジング10の本体11に形成した凹部11sにインナロータ21の回転中心から所定量偏心した回転中心回りに回転可能に収容されてインナロータ21によって回転されるようになっている。
【0011】
ところで、本実施形態においては、インナロータ21の各突出部21c,21dの一側面(本体11側の側面)に、軸方向に突出してハウジング10の本体内孔11aに嵌合する凸部21c1,21d1がそれぞれ設けられている。各凸部21c1,21d1は、その外周面間の径が本体内孔11aの径より所定量小径とされていて、インナロータ21の回転時に各凸部21c1,21d1がハウジング10の本体内孔11aに摺接しないように設定されている。
【0012】
このように、本実施形態においては、ハウジング10の本体内孔11aに嵌合する各凸部21c1,21d1がインナロータ21の各突出部21c,21dの一側面に軸方向に突出して設けられていて、インナロータ21の一側面のシール幅Lに影響を与えないため、インナロータ21を大径化する必要がなく、インナロータ21の一側面での摺動損失の増加を防止することができる。また、各凸部21c1,21d1の外周面間の径がインナロータ21の回転時にハウジング10の本体内孔11aに摺接しないように設定されているため、摺動損失の増加をもたらすことなく、インナロータ21のハウジング本体11に対する良好な組付性を確保することができる。
【0013】
上記実施形態においては、インナロータ21の内孔21bに一対の半月状突出部21c,21dが対向して設けられていて、同突出部21c,21d(二面幅部)を介してクランク軸32の回転がインナロータ21に伝達される構造のオイルポンプに本発明を実施したが、本発明は、図6及び図7に示したように、インナロータ121の内孔121bに多数のスプライン歯121c(径方向内方に突出する突出部)が設けられていて、これら各スプライン歯121cを介してクランク軸の回転がインナロータ121に伝達される構造のオイルポンプにも同様に実施できるものである。
【0014】
図6及び図7の実施形態においては、各スプライン歯121cの一側面(ハウジング本体側の側面)に、軸方向に突出してハウジング110の本体内孔111aに嵌合する凸部121c1がそれぞれ設けられている。各凸部121c1は、その外周面間の径が本体内孔111aの径より所定量小径とされていて、インナロータ121の回転時に各凸部121c1がハウジング110の本体内孔111aに摺接しないように設定されている。このため、本実施形態においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0015】
なお、図6及び図7の実施形態において、上下一対のスプライン歯121c以外のスプライン歯121cを無くすとともに、これら一対のスプライン歯121cを図6の仮想線にて示した部位にてインナロータ121とは別部材で構成し、これをインナロータ121に圧入嵌合するようにして(スプライン歯121cをクランク軸にも係合するトルク伝達キーのように構成して)、本発明を実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すオイルポンプの背面図である。
【図2】図1の2−2線に沿った縦断側面図である。
【図3】図1及び図2に示したインナロータの正面図である。
【図4】図3の4−4線に沿った断面展開図である。
【図5】図4のA部拡大図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示すインナロータの正面図である。
【図7】図6の7−7線に沿った縦断側面図である。
【符号の説明】
10…ハウジング、11…本体、11a…内孔、11r…内側面、11s…凹部、12…カバー、12b…内側面、21…インナロータ、21a…外歯、21b…内孔、21c,21d…突出部、21c1,21d1…凸部、21e,21f…両側面、22…アウタロータ、22a…内歯、32…クランク軸(回転軸)、R…ポンプ室。

Claims (1)

  1. 回転軸が嵌合する内孔に径方向内方に突出する突出部が少なくとも二つ設けられて同突出部を介して回転軸の回転が伝達されるとともにハウジング内に収容されて両側面をハウジングの内側面に摺接されるインナロータと、このインナロータの複数の外歯に噛合する複数の内歯を有して両歯間に複数のポンプ室を形成するとともにハウジングに形成した凹部にインナロータの回転中心から所定量偏心した回転中心回りに回転可能に収容されてインナロータによって回転されるアウタロータを備えたオイルポンプにおいて、インナロータの各突出部の一側面に軸方向に突出してハウジングの内孔に嵌合する凸部をそれぞれ設け、これら各凸部の外周面間の径をインナロータの回転時にハウジングの内孔に摺接しないように設定したことを特徴とするオイルポンプ。
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