JP3574954B2 - 2−アリールプロピオン酸化合物の光学分割方法 - Google Patents

2−アリールプロピオン酸化合物の光学分割方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、有機カルボン酸化合物、とりわけ2−アリールプロピオン酸化合物を光学的に活性な状態で取得するための光学分割方法に係わるものである。従って、光学的に活性な2−アリールプロピオン酸を取得するうえで利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
ラセミ体を、それぞれの対掌体に分離するために最も普通に採られている方法は、ラセミ体と光学活性なアミンや酸とを反応させて塩をつくり生成した塩の溶解度の差を利用して分別し、得られる塩に中和等の適宜方法を講じてもとの物質を再生し、それぞれの対掌体を得るというものである。
【0003】
ここでは、ラセミ体が塩基化合物である場合には分割試薬として、(+)又は(−)−酒石酸、(−)−リンゴ酸、(−)−マンデル酸などが用いられ、酸性化合物の場合には、分割試薬としてブルシン、シンコニン、キニーネ、ストリキニーネ、モルヒネ等の光学活性なアミンを用いるのが一般である。
【0004】
しかしながら、どのラセミ体に、どの分割試薬を使用すれば良いかということについて、一義的あるいは法則的に定めることができるというものではなく、現実に分割を受けるラセミ体に種々の分割試薬、溶媒等を、条件を変えながら、適用してみて事の成否を究明するという方法が採られているのである。
【0005】
本件発明が対象としている2−アリールプロピオン酸の光学分割に係わる事例として、
(1)2−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸を(R)−(+)−1−フェニルエチルアミンを使って光学分割し、(S)−(+)−2−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸を得ているものがある(Liebigs Ann.Chem.621,34,1959年)。
【0006】
(2)2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸をモルヒネを使って分割した事例があるが、分割試薬の取り扱いに法的制約があることや、左旋性の化合物はモルヒネと塩をつくるので分離が容易であるが、右旋性のものは然程簡単にはゆかない(Ann.Chim.25,483,1902年)。
などがある。
【0007】
本件発明者らの実験的確認によれば、ラセミ体2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸を分割するために、前出のLiebigs Ann.Chem.621,34(1959年)に記載されている条件を2−(4−ニトロフェニル)プロピオン酸を2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸に代えた以外は同じにして、実験を試みたがジアステレオマーの結晶を取得するに至らなかったという経緯がある。(参考例2参照)
【0008】
酵素による反応の特異性を利用して、ラセミ体2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルエステルの一方対掌体だけを選択的に加水分解させて取り除き、残った他方対掌体を取得する方法(特開昭63−63397号)があるが、生成物の光学純度が悪い。
【0009】
いづれの方法を採るにしても、分割後の光学純度が満足されるものでなければならないことは無論のことであるから、同じ手法を何度も繰り返すとか、他の方法と組み合わせるとかして満足のゆく対掌体を取り出すこととなるのである。
このような状況のもとにおいて、本件発明者らは、試行錯誤のすえ、2−アリールプロピオン酸の光学活性体を満足すべき光学純度で取得することができる極めてシンプルな分割方法を見い出したものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
Figure 0003574954
(式中Arは置換されていてもよい芳香族炭化水素を示す)
で示されるラセミ体2−アリールプロピオン酸を原料として極めて簡単な操作でもって、光学対掌体を優れた光学純度で取得する方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
Figure 0003574954
(式中Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素を示す)
で示されるラセミ体2−アリールプロピオン酸化合物に分割剤として1−フェニルエチルアミン又は1−(4−メチルフェニル)エチルアミンから選ばれる光学対掌体の一つを選定された溶媒中、反応させ、析出する結晶を取得する。
【0012】
ここにおいて、原料化合物における置換基を有していてもよい置換基としては、OH、Cl、Br、I、CHO−、CO−、CH−、C−、C−(ノルマル及びイソ)、C−(ノルマル、イソ、ターシャリー)が挙げられ、選定された溶媒としては、水を加えないアルコール、水を加えられていてもよいアセトン、メチルエチルケトン、水を加えられている酢酸エステル(メチルエステル、エチルエステル)、水を加えられているメチルイソブチルケトンが挙げられる。
【0013】
反応は冷却下乃至加熱下に行われ、反応後室温にて撹拌することによって、ジアステレオマーが析出する。分割剤として使用される1−フェニルエチルアミン又は1−(4−メチルフェニル)エチルアミンから選ばれる光学対掌体は、ラセミ体2−アリールプロピオン酸1モルに対し、理論上は0.5モル、即ち対掌体と当モル使用すればよいことになるが、多すぎるとジアステレオマーの光学純度が低下するし、少なすぎるとジアステレオマーの取得量が減少するので、対掌体相当量として、5〜10%過剰に使用するのがよく、R体、S体いづれの対掌体を先に加えても支障はない。場合によっては、分割剤としての1−フェニルエチルアミン又は1−(4−メチルフェニル)エチルアミンと2−アリールプロピオン酸とのジアステレオマーの一つを反応液中に存在させることがジアステレオマーの析出を助長することがある。ここに得たジアステレオマーを前記選定された溶媒に懸濁等して、洗浄処理を施すと取得物の光学純度の向上に有効である。
【0014】
かくて、取得したジアステレオマーを適宜溶媒中塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、蓚酸等の水溶液を用いて塩を分解し、目的物たる2−アリールプロピオン酸光学対掌体を取得することができる。
【0015】
かくて、得られる2−アリールプロピオン酸の光学対掌体は、その光学純度において極めて優れているという特徴を備えている。一回限りの分割操作で驚くべき光学純度のものが得られることになる。
【0016】
以下、実施例を記述して、本件発明の手順を具体的に説明する。
【実施例1】
(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=+40.6゜(neat))190.89g、トルエン1250mlらなる溶液に2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸250gを室温で分割添加した。室温で0.5時間、続いて内温90〜95℃で1時間攪拌した後冷却した。氷水冷却攪拌を1時間行なった後結晶を濾取しトルエンで洗浄し、2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩426.9gを得た。mp.124−134℃
【0017】
【実施例2】
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩200gにアセトン1800mlを加え1時間加熱還流した。(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩を接種しつつゆっくり冷却し内温25℃で1時間攪拌した。析出結晶を濾取しアセトンで洗浄し類白色結晶71.44g(HPLC96.6%ee)を得た。これをアセトン285mlに懸濁し1時間加熱還流後、内温20℃で1時間攪拌し結晶を濾取しアセトンで洗浄して(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩65.52g(mp.151−153℃[α] 20=+14.6゜(c=1.00,EtOH)、HPLC98.2%ee)を得た。
【0018】
(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩60g、酢酸エチル300ml、水150mlの混合物に氷水冷却下濃塩酸23.98gを加えpH2とした。有機層を分取し更に酢酸エチルで水層を再抽出した。有機層を合わせ水洗し無水硫酸マグネシウム乾燥し、減圧濃縮して33.68gの結晶を得た。これを水で再結晶して(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の針状結晶31.82gを得た。(mp.164−165℃ [α] 20=+70.3゜(c=1.00,EtOH) HPLC98.9%ee)
【0019】
先の二つのアセトン母液を減圧濃縮し残さにトルエンを加え分散後、析出結晶を濾取し111.09gの類白色結晶を得た。この結晶に酢酸エチル500ml、水200mlを加え、氷水冷却下濃塩酸44.39gを加えてpH2とした後有機層を分取した。水層を酢酸エチルで再抽出した後有機層を合わせ水洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥し減圧濃縮した。残さにヘキサンを加え分散後結晶を濾取し、61.46g(HPLC60.2%ee)を得た。この結晶60gを(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=−40.7°(neat))45.81g、トルエン300mlからなる溶液に室温で分割添加した。室温で0.5時間、続いて内温85〜90℃で1時間攪拌した後冷却した。氷水冷却攪拌を1時間行なった後結晶を濾取し、トルエンで洗浄し103.29gの結晶を得た。この結晶にアセトン410mlを加え1時間加熱還流した後冷却し、30℃で1時間攪拌してから結晶を濾取し70.88g(HPLC94.2%ee)を得た。更にこの結晶をアセトン280mlに懸濁し、1時間加熱還流後冷却し25℃で1時間攪拌して結晶を濾取、アセトン洗浄して(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩61.94g(mp.152−154℃[α] 20=−14.7°(c=1.00,EtOH) HPLC98.2%ee)を得た。(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩61.9g、酢酸エチル200ml、水100mlの混合物に氷水冷却下濃塩酸24.78gを加えpH2とした。有機層を分取し更に水層を酢酸エチルで再抽出した。有機層を合わせ水洗し、無水硫酸マグネシウム乾燥して減圧濃縮して33.05gの結晶を得た。これを水で再結晶して(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸31.40gを得た。(mp−165−166℃ [α] 20=−71.2°(c=1.00,EtOH) HPLC99%ee以上)
【0020】
【実施例3】
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩50gにエタノール250mlを加え10分間加熱還流した。(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩を接種しつつゆっくり冷却し内温25℃で16時間攪拌した。析出結晶を濾取しエタノールで洗浄し(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩を類白色結晶として12.88g得た。(mp151−153℃ [α] 20=+14.8°(c=1.00,EtOH) HPLC98.3%ee)
【0021】
【実施例4】
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸30g、エタノール260mlの溶液に水冷下(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=−40.7°(neat))22.91gを滴下した。同温で0.5時間攪拌後10分間加熱還流した。(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩を接種しつつゆっくり冷却し内温25℃で16時間攪拌した。析出結晶を濾取しエタノールで洗浄し(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩13.49gを得た。(mp151−153℃ [α]20=−14.7°(c=1.00,EtOH) HPLC98.2%ee)
【0022】
【実施例5】
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸10g、酢酸エチル70ml、水3.5mlの溶液に(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩を接種し、続いて20〜25℃で(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=+40.6°(neat))3.85gを滴下した。同温で16時間攪拌し、続いて氷水冷却下3時間攪拌した後析出結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄して(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩5.57gを得た。(mp.152−154℃ [α] 20=+14.8°(c=1.00,EtOH) HPLC99%ee以上)
酢酸エチル母液を希塩酸20mlで洗浄し(pH2−3)酢酸エチル層を分取し、水20mlで洗浄した。全水層をあわせ酢酸エチル30mlで二回再抽出し、先の酢酸エチル層とあわせ無水硫酸マグネシウム乾燥した。乾燥剤を濾別後全容量60mlまで酢酸エチルを減圧濃縮した。水3mlを加え(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩を接種し、(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=−40.7°(neat))3.85gを20〜25℃で滴下した。同温で16時間攪拌し、続いて氷水冷却下3時間攪拌した後析出結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄して(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩7.34gを得た。(mp.152−154℃ [α] 20=−14.6°(c=1.00,EtOH) HPLC98.0%ee)
【0023】
【実施例6】
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸20g、酢酸エチル140ml、水7mlの溶液に(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩を接種し、続いて20〜25℃で(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=−40.7°(neat))7.71gを滴下した。同温で14時間攪拌し、続いて氷水冷却下3時間攪拌した後析出結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄して(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩11.39gを得た。(mp.152−154℃ [α] 20=−14.6°(c=1.00,EtOH) HPLC98.2%ee)酢酸エチル母液を希塩酸40mlで洗浄し(pH2−3)酢酸エチル層を分取し、水40mlで洗浄した。全水層をあわせ酢酸エチル50mlで二回再抽出し、先の酢酸エチル層とあわせ無水硫酸マグネシウム乾燥した。乾燥剤を濾別後全容量130mlまで酢酸エチルを減圧濃縮した。水6.5mlを加え(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩を接種し、(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=+40.6°(neat))7.66gを20〜25℃で滴下した。同温で15時間攪拌し、続いて氷水冷却下3時間攪拌した後折出結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄して(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩14.55gを得た。(mp.152−154℃ [α] 20=+14.0°(c=1.00,EtOH) HPLC97.0%ee)
【0024】
【実施例7】
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸20g、メチルイソブチルケトン140ml、水7mlの溶液に(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩を接種し、続いて20〜25℃で(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=+40.6°(neat))7.71gを滴下した。同温で14時間攪拌し、続いて氷水冷却下4時間攪拌した後折出結晶を濾取し、メチルイソブチルケトンで洗浄して(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩12.05gを得た。 (mp.152−154℃ [α] 20=+14.3°(c=1.00,EtOH) HPLC97.5%ee)
メチルイソブチルケトン母液を希塩酸40mlで洗浄し(pH2−3)メチルイソブチルケトン層を分取し、水40mlで洗浄した。全水層をあわせメチルイソブチルケトン50mlで二回再抽出し、先のメチルイソブチルケトン層とあわせ無水硫酸マグネシウム乾燥した。乾燥剤を濾別後全容量120mlまでメチルイソブチルケトンを減圧濃縮した。水6mlを加え(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩を接種し、(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=−40.7°(neat))7.64gを20〜25℃で滴下した。同温で15時間攪拌し、続いて氷水冷却下3時間攪拌した後析出結晶を濾取し、メチルイソブチルケトンで洗浄して(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩15.59%を得た。 (mp.152−154℃ [α] 20=−14.5°(c=1.00,EtOH) HPLC97.8%ee)
【0025】
【実施例8】
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸10g、メチルエチルケトン70ml、水3.5mlの溶液に(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩を接種し、続いて20〜25℃で(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=+40.6°(neat))3.85gを滴下した。同温で13時間攪拌し、続いて氷水冷却下4時間攪拌した後析出結晶を濾取し、メチルエチルケトンで洗浄して(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩5.17gを得た。(mp.152−154℃[α] 20=+14.7°(c=1.00,EtOH) HPLC98.7%ee)
【0026】
【実施例9】
(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩([α] 20=+14.0°(c=1.00,EtOH)、HPLC97.0%ee)200gを酢酸エチル800ml、水600mlに懸濁し氷水冷却下濃塩酸79.84gを加えた。酢酸エチル層を分取し更に水層を酢酸エチル200mlで再抽出した。有機層をあわせ水200mlで洗浄後無水硫酸マグネシウム乾燥し、減圧濃縮して112.08gの結晶を得た。これを水で再結晶して針状晶の(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸105.89gを得た。
mp.165−166℃
[α] 20=+70.4°(c=1.00,EtOH) HPLC99%ee以上
NMR(DMSO−d)δ
1.34(3H,d),3.53(1H,q),6.69(2H,d),7.08(2H,d),9.2−12.2(2H,br)
【0027】
【実施例10】
(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩([α] 20=−14.6°(c=1.00,EtOH)、HPLC98.0%ee)50gを用いた他は実施例9と同様に処理して(R)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸26.30gを得た。
mp.165−166℃
[α] 20=−71.0°(c=1.00,EtOH) HPLC99%ee以上
NMR(DMSO−d)δ
1.34(3H,d),3.54(1H,q),6.73(2H,d),7.12(2H,d),9.2−12.1(2H,br)
【0028】
【実施例11】
2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸10g、酢酸エチル70ml、水7mlの溶液に(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=−40.7°(neat))3.11gを20〜25℃で滴下した。同温で15時間攪拌し、続いて氷水冷却下5時間攪拌した後析出結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄して(S)−(+)−2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩7.00gを得た。これを酢酸エチル100ml、水30mlに懸濁し氷水冷却下濃塩酸2.45gを加えた。酢酸エチル層を分取し、水層を更に酢酸エチルで再抽出した。有機層を合わせ水、飽和食塩水で順次洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した後残渣に水を加えた。析出結晶を濾取し水洗浄して(S)−(+)−2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸4.37gを得た。
[α] 20=+50.3°(c=2.00,EtOH)85.3%ee (Aldrich:[α] 20=+59°(c=2,EtOH))
NMR(DMSO−d)δ
0.89(6H,d),1.49(3H,d),1.84(1H,tq),2.44(2H,d),3.70(1H,q),7.09(2H,d),7.21(2H,d),12.05(1H,bs)
【0029】
【実施例12】
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸10g、酢酸エチル70ml、水3.5mlの溶液に(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−(4−メチルフェニル)エチルアミン塩を接種し、続いて20〜25℃で(R)−(+)−1−(4−メチルフェニル)エチルアミン([α] 20=+37.2°(neat))4.31gを滴下した。同温で4時間攪拌した後析出結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄して(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−(4−メチルフェニル)エチルアミン塩6.58gを得た。(mp.169−172℃ [α] 20=+14.6°(c=1.00,EtOH)HPLC93.1%ee)
【0030】
【参考例1】
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸40g、酢酸エチル280mlの溶液に(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩を接種し、続いて20〜25℃で(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=+40.6°(neat))15.42gを滴下した。同温で15時間攪拌し、続いて氷水冷却下3時間攪拌した後析出結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄して(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩33.37gを得た。(HPLC44.4%ee)
【0031】
【参考例2】
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸8.31g、30%含水エタノール75mlの溶液に(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩を接種し、続いて20〜25℃で(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン([α] 20=+40.6°(neat))3.03gを滴下した。同温で18時間攪拌したが結晶の析出は認められなかった。続いて氷水冷却下3時間攪拌したが同様に均一溶液のままであった。そこで再び(S)−(+)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩を接種し、氷水冷却下5時間攪拌したが結晶の析出は認められなかった。
HPLC測定条件 カラム Opti−Pak TA(ウオーターズ社製)
移動相 ヘキサン:2−プロパノール:トリフルオロ酢酸=80:20:0.3
流速 1ml/分
検出 UV230nm

Claims (3)

  1. 以下の工程:
    (1)以下の式
    Figure 0003574954
    (式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素を示す)
    で示されるラセミ体2−アリールプロピオン酸と、1−フェニルエチルアミンの光学対掌体および1−(4−メチルフェニル)エチルアミンの光学対掌体からなる群より選択されるいずれか一種の分割剤とを水混合媒体中で反応させる工程;
    (2)反応液から析出する2−アリールプロピオン酸と該分割剤とのジアステレオマーを取り出す工程;および
    (3)取得した該ジアステレオマーを分解し、光学活性な2−アリールプロピオン酸を得る工程;を含み、
    該水混合媒体が、酢酸エステルと水との混合媒体、アセトンと水との混合媒体、メチルイソブチルケトンと水との混合媒体、またはメチルエチルケトンと水との混合媒体である、
    ラセミ体2−アリールプロピオン酸の光学分割方法。
  2. 前記反応液に、さらに前記ジアステレオマーと同じジアステレオマーを接種する、請求項1に記載の分割方法。
  3. 水混合媒体中、ラセミ体2−アリールプロピオン酸1モルに対し、1−フェニルエチルアミンの光学対掌体および1−(4−メチルフェニル)エチルアミンの光学対掌体からなる群より選択されるいずれか一種の分割剤を対掌体相当量反応させる工程を包含し
    該水混合媒体が、酢酸エステルと水との混合媒体、アセトンと水との混合媒体、メチルイソブチルケトンと水との混合媒体、またはメチルエチルケトンと水との混合媒体である、
    2−アリールプロピオン酸と該分割剤とのジアステレオマーの製造方法。
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