JP4138928B2 - D−アロイソロイシンの製造方法および製造の中間体 - Google Patents
D−アロイソロイシンの製造方法および製造の中間体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬とくに循環器系薬(たとえばWO94/28,901)製造の中間体として有用な、D−アロイソロイシンの製造方法の改良に関する。 本発明はまた、その製造の過程で中間体として生成する新規な錯体をも包含する。
【0002】
この明細書の記述においては、酒石酸およびその誘導体の立体配置に関してはRS表示法を用いた。 これは、DL(またはdl)表示では混乱を生じやすく、古い時代には同じ異性体を、ある研究者はD体とし、別の研究者はL体とした例があるからである。 アミノ酸に関しては、このような問題がないので、便宜的なDL表示によった。
【0003】
【従来の技術】
D−アロイソロイシンすなわち式IIの(2R,3S)−2−アミノ−3−メチルペンタン酸は、
【0004】
【化2】
【0005】
必須アミノ酸の一種であるL−イソロイシンの立体異性体であるが、これまで工業的に実施可能な製造方法は知られていないため、きわめて高価である上に、大量に入手することは困難であった。
【0006】
既知の製造方法のうち有力なものは2種あって、一つはアロイソロイシンのラセミ体を光学分割することであり、いま一つは式IIIのL−イソロイシン
【0007】
【化3】
【0008】
をエピメリ化して得られるエピマー混合物から、D−アロ体を分離することである[たとえば、金子武夫編『アミノ酸工業−合成と利用』講談社サイエンティフィック(1973)p.133 を参照]。 ラセミ体の分割は、N−アセチル誘導体をキニンを分割剤として実施できることが知られている[W. A. Huffmann, A. W. Ingersoll,J.Am.Chem.Soc., 73, 3366 (1951) ]が、この方法ではN−アセチル体に誘導することが必要である上に、ラセミ体の入手からして容易ではない。
【0009】
これに対し、大量に生産されているL−イソロイシンのエピメリ化は、比較的容易に実施できる[たとえば、田辺製薬の特公昭63−55505号]。 しかし、既知のエピマー混合物の分割方法は、いずれもエピマー混合物を誘導体とした上で分割するものであって、エピマー混合物をそのまま分割する方法は知られていない。 すなわち、N−フォルミル体をメチルエチルケトンから再結晶する方法[Dow Chemical, Brit.704983 (1954)]、エピマー混合物をZ−化またはBoc−化し、光学活性α−フェネチルアミンとの塩として溶解度差で分離する方法[G. Flouret, S. H. Nagasawa, J.Org.Chem. 40, 2635 (1975)]、N−アセチル体を酵素を用いて不斉加水分解することによりL−イソロイシンを除去し、残ったN−アセチル−D−アロイソロイシンを取得する方法[P. Lloyd-Williams et al., J.Chem.Soc., Perkin Trans. I, vol. 1994, 1969]などが報告されているが、これらの方法によるときは、いずれにしても分割生成物が誘導体として得られるのであって、所望の光学活性体に至るまでには、さらに置換基の除去などの工程を必要とし、煩雑で、実用的な製造方法とはいえない。
【0010】
一方、アミノ酸の光学分割はよく研究されているが、N−アシル体またはエステルなどの誘導体にして分割することが多く、そのままで光学分割剤とのジアステレオマー塩として分割する例は少ない。 光学分割剤としては、酸性の強いスルフォン酸類、酒石酸あるいはマンデル酸を使用する例がいくつか知られているが、ロイシン、イソロイシンなどの中性脂肪族アミノ酸での成功例はない。
【0011】
中性アミノ酸すなわちアミノ基とカルボキシル基以外の官能基をもたないアミノ酸をそのエステルに誘導して、ジベンゾイル酒石酸またはその置換誘導体を分割剤として光学分割した例は、いくつか知られている。 たとえば、アラニンのベンジルエステルは(2R,3R)−ジベンゾイル酒石酸によって分割され、D−アラニンとの塩が難溶性塩として析出する[W. Langenbeck, O. Herbst, Chem.Ber., 86, 1524(1953)]。 ロイシンのエチルエステルでは、これと同様に、L−エステルと(2R,3R)−ジベンゾイル酒石酸との塩が析出する[W. Langenbeck, G. Zimmermann, Chem.Ber., 84,524(1951); G. Losse, H.Jeschkeit, Chem.Ber., 90,1275(1957)]。 保護基を与えてないアミノ酸類を、光学分割剤としてジベンゾイル酒石酸を用いて分割した例としては、リジンの分割[F. J. Kearley, A. W. Ingersoll, J.Am.Chem.Soc., 73, 5783(1951)]とアスパラギンの分割[E. Fogassy, M. Acs, J. Gressay, Periodica Polytechnica, 20,179 (1976)]が報告されている。 しかし、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンなどの中性脂肪族アミノ酸をエステルに誘導せず直接、ジベンゾイル酒石酸またはその置換誘導体によって光学分割することは試みられていなかった。
【0012】
発明者らは、L−イソロイシンをエピメリ化して得られるエピマー混合物の光学分割によってD−アロイソロシンを製造する方法の改良を意図して研究し、エピマー混合物を誘導体に変えることなくそのまま光学分割する方法を探索した結果、驚くべきことに、式Iで表される(2S,3S)−酒石酸のO,O’−ジアロイルエステル類が、水、またはメタノール、エタノールなどの低級アルコール類、またはそれらの混合溶液中で、D−アロイソロイシンと難溶性の錯体をつくって析出し、L−イソロイシンと容易に分離できることを見出した。
【0013】
【化4】
【0014】
式Iで表される化合物のL−イソロイシンとの錯体は、D−アロイソロイシンとの錯体に比べて溶解度が著しく高く、したがって光学純度の高いD−アロイソロイシンとの錯体を固液分離によって取得し、ほぼ定量的といってもよいくらいの収率で単離することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した発明者らの新しい知見を活用し、L−イソロイシンとD−アロイソロイシンとのエピマー混合物を誘導体に変換することなく直接光学分割することが可能であり、したがって簡単な工程で、しかも高収率かつ高純度でD−アロイソロイシンを取得することのできる方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のD−アロイソロイシンの製造方法は、L−イソロイシンとD−アロイソロイシンとのエピマー混合物に、溶媒中で、式Iで示される(2S,3S)−酒石酸誘導体を作用させ、
【0017】
【化5】
【0018】
(式中、Rは水素原子、C1−C3の低級アルキル基、低級アルコキシ基、塩素原子、臭素原子またはニトロ基を表し、nは0,1または2である。)
析出するD−アロイソロイシンと式Iで示される化合物との錯体を溶液から分離し、分離した固体の錯体を分解してD−アロイソロイシンを単離することからなる。
【0019】
上記した、本発明のD−アロイソロイシンの製造に際して生成する中間体である、式Iの化合物とD−アロイソロイシンとの錯体もまた、本発明の一部を構成する。
【0020】
得られた式Iの化合物とD−アロイソロイシンとの錯体は、メタノール、エタノールなどの低級アルコールに加えるだけで、分割剤である酒石酸−O,O’−ジアロイルエステルを分離することが可能であって、この操作により高純度のD−アロイソロイシンが結晶として析出するから、簡単な精製操作によって純品とすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の方法において出発原料として使用するL−イソロイシンとD−アロイソロイシンとからなるエピマー混合物は、工業的に入手可能なL−イソロイシンを常法により異性化することによって得られる。 イソロイシンにはアミノ基が結合している2−位とメチル基が結合している3−位と、2個の不斉炭素原子が存在するが、3−位の不斉炭素原子は通常の条件ではまったく異性化せず、2−位の不斉炭素原子だけが異性化して、D−アロイソロイシンとのエピマー混合物が生成する。 この異性化すなわちエピメリ化には、光学活性アミノ酸類をラセミ化するときに常用される、すべての方法が採用できる。 具体的には、酸または塩基触媒と混合して加熱すること、中性で必要に応じて加圧を行い加熱すること、などである。 イソロイシンの異性化は比較的遅いので、サリチルアルデヒドなどのアルデヒドの存在下に加熱して、シッフ塩基を経由して異性化する方法が実用的である。
【0022】
このような異性化すなわちエピメリ化はすでに報告されており(前掲特公昭63−55505号)、イソロイシンを氷酢酸中で触媒量のサリチルアルデヒドと100℃に1時間加熱すると、93%のエピメリ化が起こるという(同じ反応条件下でもアルデヒドが存在しないと、エピメリ化率は4%に過ぎない)。 この方法の難点は、エピメリ化により得られる反応液からエピマー混合物を分離するのが困難なことにある。 この問題の解決策として、発明者らは、エピメリ化反応を行なう溶媒として、芳香族炭化水素または水に対する溶解度が比較的低い不活性溶剤を用いるとよいことを見出した。 このような溶媒を使用し、反応後に冷却して晶出するアミノ酸混合物を濾別すれば、溶剤で洗浄するだけで高純度のエピマー混合物を良好な収率で取得することができる。
【0023】
分割剤として使用する、式Iで表した(2S,3S)−酒石酸のO,O’−ジアロイルエステルの具体例は、ジベンゾイル酒石酸、ジ(p−トルオイル)ベンゾイル酒石酸、ジ(3,4−ジメチルベンゾイル)酒石酸、ジ(2−クロロベンゾイル)酒石酸などである。 これらの化合物は、常法にしたがって(2S,3S)−酒石酸を対応する安息香酸または置換安息香酸の塩化物または無水物とともに加熱し、生成するジアロイル酒石酸無水物を加水分解することによって、容易に合成することができる[C. L. Butler, L. H. Cretcher, J.Am.Chem.Soc., 55, 2605(1933);東レ,特開平7−138206号]。 これらの酒石酸誘導体のうち、とくに有用なものは、工業的に入手が容易なジベンゾイル体(R=H,以下「DBTA」と略称する)および(p−トルオイル)体(R=p−Me,n=1,以下「DTTA」と略称する)である。
【0024】
エピマー混合物に対する分割剤である酒石酸誘導体の使用量は、モル比にして0.1ないし0.7の範囲から選ぶ。 これは、後に述べるように、D−アロイソロイシンは(2S,3S)−酒石酸のO,O’−ジアロイルエステル類と1:1の錯体を形成するからである。 酒石酸誘導体のモル比が低ければ、晶出する錯体の量が減少して収率が低下する。 一方、モル比が0.6を超えると、酒石酸誘導体とL−イソロイシンとの錯体が晶出しやすくなり、その結果、得られるD−アロイソロイシンの光学純度が低下する。 このようなわけで、分割剤の使用量の好ましい範囲は、エピマー混合物に対するモル比にして0.3〜0.5、さらに好ましくは0.4〜0.5である。 この条件で晶出する錯体中のD−アロイソロイシンの光学純度は90%de以上であって、97〜98%deに達することもある。
【0025】
錯体の晶出に当たっては、分割剤である酒石酸誘導体に加えて、アキラルな酸を系に添加すると、さらに好ましい結果が得られる。 エピマー混合物に対してモル比0.05〜0.7、好ましくは0.4〜0.6のアキラル酸を添加することによって、晶出するD−アロイソロイシンと酒石酸誘導体との錯体の光学純度が向上し、かつ、必要な溶媒の量を大幅に減らすことができる。 アキラルな酸としては、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸およびギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸が使用できる。 無機酸とくに塩酸が好ましい。
【0026】
光学活性な酸またはアミン類を分割剤として使用しジアステレオマー塩を形成させる光学分割において、ラセミ体と当量の分割剤を使用せず、当量より少ない量の分割剤と、不足分を埋め合わせて全体を中和する量のアキラルな酸または塩基を使用することは広く行なわれており、Pope and Peachey 法と呼ばれている[J.Chem.Soc., 75,1066 (1899)]。 本発明のこの態様も、外見上はその一例と理解されそうであるが、アミノ酸エピマー1モルと二塩基酸である酒石酸誘導体1モルとが結合して難溶性の錯体を形成し、この錯体自体が酸性であって中和されていないところへ、さらに余分な酸を加えるのであるから、単純に既知の方法と同一視することはできない。
【0027】
錯体形成の媒体としては、水、低級アルコールまたはそれらの混合物が、好適に使用できる。 低級アルコールの例としては、メタノール、エタノール、1−および2−プロパノールが挙げられる。 水だけを溶媒として用いても、錯体の収率およびD−アロイソロイシンの光学純度に関する限り良好な結果が得られるが、比較的大量の溶媒を必要とする。 この点で、水に若干のメタノールを加えた混合溶媒を用いると、溶媒量を2/3から1/2まで減らすことができて、効率の点で有利である。 水−メタノール系溶媒を使用して生成した錯体は、結晶の濾過が容易であるという点でも好都合である。 メタノールは、混合溶媒中10〜30重量%を占める量が適当である。 10%に満たない少量では、溶媒使用量が少なくて済むという効果が乏しいし、30%を超える大量になると、錯体の収率が低下する。
【0028】
エピマー混合物、酒石酸誘導体および溶媒の混合、さらにアキラル酸を添加する場合はその混合も含めて、錯体を形成する系の準備は、任意の順序で行なうことができるが、分割剤である酒石酸誘導体は水に対する溶解度が低く、かつ強酸性では加水分解されやすい。 そこで、まずエピマー混合物を溶媒に入れ、添加する場合はアキラル酸の一部をここで加えて溶解して置き、これに分割剤を、直接、または好ましくは低級アルコールの溶液とした上で加え、全体を混合してから、残りのアキラル酸を加えて所定の組成とすることが好ましい。 このとき、均一な溶液を形成する必要はなく、固体が一部懸濁した状態であっても差し支えない。
【0029】
このようにして用意した組成物(溶液または懸濁液)を、よく撹拌する。 このとき加熱することが、高品質のものを安定して得る上で好ましい。 加熱したのちは徐冷して、室温またはそれ以下の温度とし、錯体を十分に晶出させる。 濾過・遠心分離などの方法によって結晶を分離取得する。
【0030】
この錯体は、後記する実施データに示すように、元素分析および 1H−NMRスペクトルから、アミノ酸と分割剤とが1:1の比で含まれている。 水分の分析値(Karl-Fischer法による)から、分割剤の種類によってはアミノ酸に対し1〜2個の水分子が結合していることもわかった。 すなわち、分割剤として非置換のDBTAを使用すると無水の錯体が得られ、p−メチル基で置換されたDTTAを使用すると、1〜2分子の水が結合している。
【0031】
錯体中のD−アロイソロイシンと酒石酸誘導体との結合の様式は、アルコール中で容易に分解することからみて、通常のジアステレオマー塩のそれよりも弱いと解される。 Fogassy らは、脂環式アミン類とDBTAとのジアステレオマー塩について研究し、その結合が典型的なイオン結合か、それとも水素結合などの緩やかな結合であるのかを、赤外吸収スペクトルにより判定することを提唱している[Tetrahedron, 52(5), 1637-42(1996)]。 それによれば、イオン結合が存在する場合はイオン化したアミノ基の吸収が3400〜2500cm-1に、またカルボキシル基の吸収が1610〜30cm-1および1320〜80cm-1に現れるのに対し、イオン結合がない場合は3400cm-1付近にアミノ基の吸収が、また1720cm-1付近にカルボキシル基の強い吸収が現れる。
【0032】
本発明の錯体は、Fogassy らが研究した脂環式アミン類との錯体ではなくアミノ酸との錯体であり、アミノ酸自身がカルボキシル基をもち、分子内塩を形成している可能性があり、錯体の結合様式を赤外吸収スペクトルに基づいて判定することは困難である。 本発明の錯体においては、アミノ基1個に対しカルボキシル基が3個もあり、イオン的にはまったく中和されない組成である。 このことと、錯体をアルコールに入れると簡単に分解することから、イオン結合で強く結ばれた塩ではなく、水素結合などで弱く結ばれた錯体である可能性が高い。
【0033】
錯体分離後の母液にはL−イソロイシンが溶解しているので、これを回収して前述の方法でエピメリ化し、再使用する。 具体的には、溶媒にアルコールを加えた場合は加熱してアルコール分を蒸発除去したのち、酸性にして適宜の有機溶剤で抽出し、水に対し難溶性の分割剤すなわち酒石酸誘導体を分離する。 残った水溶液を等電点まで中和することにより、イソロイシンが晶出する。
【0034】
前述のようにして分離した錯体の結晶から目的とする光学活性D−アロイソロイシンを取得するには、常法に従うとすれば、錯体を酸性水溶液に入れてアミノ酸を溶解し、水に対し難溶性の酒石酸誘導体を水と混和しない有機溶剤で抽出分離したのち、アミノ酸の酸性水溶液を中和してpHが等電点になるようにし、晶出するD−アロイソロイシンを固液分離することになる。 分割剤の溶媒抽出に次ぐアミノ酸の分離には、イオン交換を利用することもできる。
【0035】
ところが、本発明の錯体は、上述したように分解しやすい物質であって、メタノール、エタノール、イソプロパノールのような極性の強い溶剤に加えるという簡単な操作で、分割剤の酒石酸誘導体が溶解し、D−アロイソロイシンが晶出しておのずから分離するという好都合な性質を示す。 この分離を確実に行なうためには、アルコールによく溶けるトリエチルアミンなどの塩基を、アミノ酸に対し1〜2当量添加するとよい。 より効果的な方法は、アルコールに水を2〜20%含有させた溶剤を使用することである。 約10%の水を含むイソプロパノールを使用したとき、分割剤である酒石酸誘導体をほとんど含まない、光学純度の高いD−アロイソロイシンを、錯体に対し90%以上の回収率で単離できることがわかった。 このようにして得られるアミノ酸の光学純度は錯体中のアミノ酸のそれより高く、分解−晶出の操作それ自体に精製効果が認められる。
【0036】
錯体を分解するための溶剤としては、上記の低級アルコール以外にも、酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類など、極性の大きい溶剤を使用することができる。 いずれも、水を5〜10%添加して使用することが好ましい。
【0037】
錯体を分解して晶出するアミノ酸を分離した後の母液には、分割剤である酒石酸誘導体が、少量のアミノ酸とともに溶解している。 この母液を濃縮して溶剤を蒸発除去すれば、分割剤が固体として残る。 これはそのまま、または必要により精製した後、次の錯体生成サイクルに使用することができる。
【0038】
【実施例】
以下の実施例におけるエピマー混合物およびD−アロイソロイシンの光学純度の測定は、HPLCにより、下記の条件で行なった:
カラム: ダイセル Chiralpak MA(+) 0.46φx5cm
移動相: 2mmol CuSO4+MeOH (85:15)
流 量: 0.5mL/min.
カラム温度:30℃
検出器: 日本分光UV−975 波長254nm。
【0039】
[原料製造例]
反応容器にL−イソロイシン60.0g(0.45mol)、トルエン300mL、氷酢酸110.0g(1.8mol)、サリチルアルデヒド11.2g(0.09mol)を装入し、撹拌しながら、還流下(104℃)に3時間加熱した。 室温まで冷却し、析出した固体を濾過分離して、トルエン30mLずつで3回洗浄したのち乾燥して、54.0gのエピマー混合物を得た。
【0040】
出発原料のL−イソロイシンに対する収率90%、HPLCによるエピマー組成(L−イソロイシン:D−アロイソロイシン)は49:51ないし51:49であって、完全にエピメリ化していた。
【0041】
[実施例1]
原料製造例で製造したエピマー混合物5g(38.1mmol)を、反応容器中の水90mLに懸濁させた。 これに(2S,3S)−DBTA6.83g(19.1mmol)を加え、70℃まで加熱して、撹拌しながら1時間保持した。 反応の結果生じたスラリーを放置して冷却するにまかせ、25℃において固液分離して、固体を水10mLずつで2回洗浄した。 D−アロイソロイシンと(2S,3S)−DBTAとの1:1錯体7.77gを、白色結晶として得た。 収率(エピマー混合物基準)は41.7%、光学純度は95.6%deであった。
【0042】
この錯体の分析結果を下に示す:
融点: 175.5〜176.5℃
IR KBrペレット(cm-1): 3156, 2972, 2942, 2882, 1733(S),
1692(S), 1601(m), 1528(m), 1320, 1266(S), 1118(S), 719(S)
1H−NMR (270MHz,MeOH-d4) δ:0.97(t,3H,J=4.0Hz);
1.00(t,3H,J=4.0Hz); 1.24−1.40(m,1H);
1.43−1.59(m,1H); 2.01−2.14(m,1H);
3.71(d,1H,J=3.5Hz); 4.90(s,7.5H);
5.94(s,2H); 7.50(t,4H);
7.64(m,2H); 8.1(m,4H).
元素分析値:
測定値 C 59.0% H 5.6% N 3.1%
計算値(C24H27NO10) C 58.9% H 5.6% N 2.9%
水分(Karl-Fischer法):0.53%(1水和物 計算値3.55%)。
【0043】
2−プロパノール27mLと水3mLとの混合液を用意し、これに上記の錯体3gを加えた。 加熱して1時間還流させたのち冷却し、25℃において固液分離して、得られた固体を2−プロパノール4mLで3回洗浄した。 D−アロイソロイシン0.71gを白色結晶として得た。 収率は88.3%(錯体基準)、光学純度(HPLC)は100%deであった。
【0044】
[実施例2]
原料製造例で製造したエピマー混合物5g(38.1mmol)を、反応容器中の水49mLに懸濁させ、35%塩酸1.98g(19.1mmol)加えた。 次に、実施例1と同様に、(2S,3S)−DBTA6.83g(19.1mmol)を加えて70℃まで加熱し、撹拌しながら1時間保持した。 以下、実施例1と同様に処理して、D−アロイソロイシンと(2S,3S)−DBTAとの1:1錯体8.21gを、白色結晶として得た。 収率(エピマー混合物基準)は44.0%、光学純度は96.2%deであった。
【0045】
2−プロパノール72mLと水8mLとの混合液に上記の錯体8.0gを加えて、実施例1と同様に、錯体の分解を行なった。 得られたD−アロイソロイシンは1.90g、その収率は88.4%(錯体基準)、光学純度(HPLC)は100%deであった。
【0046】
[実施例3]
原料製造例で製造したエピマー混合物5g(38.1mmol)を、反応容器中の水75mLに懸濁させ、これに、メタノール10mLに(2S,3S)−DBTA6.83g(19.1mmol)を溶解した溶液を滴下して加えたのち70℃まで加熱し、撹拌しながら1時間保持した。 以下、実施例1と同様に処理して、錯体7.39gを得た。 収率(エピマー混合物基準)は39.6%、光学純度は95.6%deであった。
【0047】
[実施例4]
原料製造例で製造したエピマー混合物5g(38.1mmol)を反応容器中の水40mLに懸濁させ、実施例2と同様に、35%塩酸1.98g(19.1mmol)加えた。 これに、(2S,3S)−DBTA6.83g(19.1mmol)をメタノール10mLに溶解した液を滴下して加え、70℃まで加熱し、撹拌しながら1時間保持した。 放冷後、25℃においてさらに1時間撹拌したのち固液分離し、水10mLで洗浄した。 得られた錯体は8.47gであり、その収率(エピマー混合物基準)は45.4%、光学純度は95.4%deであった。
【0048】
[実施例5]
原料製造例に示した方法により製造したエピマー混合物50g(380mmol)を、反応容器中の水360mLに懸濁させ、35%塩酸8.0g(77mmol)を加えて撹拌し、スラリーとした。 次に、(2S,3S)−DBTA61.3g(171mmol)をメタノール100mLと水80mLとの混合物に溶解した液を滴下した。 さらに、35%塩酸11.9g(114mmol)を水50mLで希釈して加えたのち、70℃まで加熱し、この温度に1時間保持した。 反応液を放冷し、25℃で1時間撹拌したのち、固液分離した。 固体を水100mLで2回洗浄し、乾燥して得られた錯体は、84.7gであった。 収率(エピマー混合物基準)は45.5%、光学純度は94.8%deであった。
【0049】
錯体を濾過分離した母液および洗浄液をあわせ、メタノールを留去して濃縮したのち、濃縮液をメチル−t−ブチルエーテル200mLで抽出して、分割剤を除去した。 残った水溶液をさらに濃縮し、等電点(pH5.94)に中和して、晶出するイソロイシンを回収した。
【0050】
上述のようにして得た錯体80.0g(163mmol)を、2−プロパノール720mLと水80mLとの混合液に入れ、還流下に1時間加熱したのち、冷却して25℃で固液分離した。 2−プロパノール80mLで3回洗浄し、乾燥して、D−アロイソロイシンを白色結晶として得た。 収量19.0g、収率(錯体基準)89.0%、光学純度99.9%deであった。
【0051】
D−アロイソロイシンを分離した濾液と洗浄液とを合せ、2−プロパノールを留去して濃縮し、残った液に、メタノール100mLを加えて溶液とした。 この溶液には、(2S,3S)−DBTAが約58gとイソロイシン少量とが含まれていて、次の光学分割サイクルに使用することができた。
【0052】
[実施例6]
原料製造例で製造したエピマー混合物5g(38.1mmol)を、実施例1と同様に、反応容器中の水90mLに懸濁させた。 これに、(2S,3S)−DTTA7.36g(19.0mmol)を加え、70℃まで加熱して、撹拌しながら1時間保持した。反応の結果生じたスラリーを放置して冷却するにまかせ、25℃において固液分離して、固体を水10mLずつで2回洗浄した。 得られた白色結晶は9.2gであり、下記の分析データから、D−アロイソロイシン:(2S,3S)−DTTA:水の1:1:1〜2の錯体と考えられる。 収率(エピマー混合物基準)は44.3%、光学純度は94.8%deであった。
【0053】
この錯体の分析データを下に示す。 この結果から、アミノ酸とDTTAとの比は1:1であることがわかる。 水分分析値と元素分析との結果が一致しないが、1分子または2分子の水が結合していると推定される。
【0054】
融点: 157〜161℃
IR KBrペレット(cm-1): 3526, 2966, 2924, 1717(S), 1609(S),
1546(m), 1259(S), 1176, 1123, 1108(S), 755(S).
1H−NMR (270MHz,MeOH-d4) δ:0.97(t,3H,J=4.0Hz);
1.00(t,3H,J=4.0Hz); 1.26−1.40(m,1H);
1.43−1.58(m,1H); 2.03−2.13(m,1H);
2.42(s,6H); 3.70(d,1H,J=3.5MHz);
4.89(s,11H); 5.91(s,2H);
7.31(d,4H); 8.03(d,4H).
元素分析値:
測定値 C 58.9% H 6.1% N 2.8%
計算値
(C26H31NO10・H2O) C 58.3% H 6.2% N 2.6%
(C26H31NO10・2H2O) C 56.4% H 6.4% N 2.5%
水分(Karl-Fischer法): 6.47%(2水和物 計算値6.51%)。
【0055】
上記の錯体8.0gをメタノール80mLに加え、トリエチルアミン1.6gを添加して、還流下に1時間加熱した。 冷却し、25℃において固液分離して、得られた固体をメタノール2mLで洗浄した。 得られた白色結晶(D−アロイソロイシン)は1.48gであり、収率は76.8%(錯体基準)、光学純度(HPLC)は99.4%deであった。
【0056】
【発明の効果】
前述のように、既知のD−アロイソロイシンの製造方法は、ラセミ体またはL−イソロイシンとD−アロイソロイシンとのエピマー混合物をN−アシル誘導体に導き、分割剤を用いた光学分割−加水分解を行なうか、または酵素による不斉加水分解という、煩雑な工程を経なければならなかった。
【0057】
これに対し、本発明の方法によれば、L−イソロイシンを出発原料とし、そのエピメリ化と酒石酸誘導体との錯体の形成および形成された錯体の分解という、比較的簡単な操作によって、高い光学純度をもったD−アロイソロイシンを、高い収率で工業的に製造することができる。 アミノ酸類の光学分割において、このようにアミノ基またはカルボキシル基を保護することなく、そのまま分割剤で光学分割することのできる例は、きわめて限られている。 とくに、DBTAやDTTAのような酒石酸誘導体を分割剤として直接分割を行なった例は、アスパラギン、リジンの2例しか報告されていない。 アラニン、バリン、ロイシンなどの中性脂肪族アミノ酸の直接分割は、酒石酸誘導体に限らず、他の分割剤を用いた例も知られていない。 このような状況のもとで、L−イソロイシンとD−アロイソロイシンとのエピマー混合物の直接分割を可能にした本発明は、画期的なものといえる。
【0058】
L−イソロイシンは大量に製造されているから、容易に、かつ安価に入手することができる。 分割剤とするジアロイル−(2S,3S)−酒石酸もまた入手容易であり、その使用量はエピマー混合物に対しモル比0.5前後の少量で足りる上、錯体から高い回収率で回収でき、再使用可能である。
【0059】
好ましい態様にあっては、錯体の製造に当たって、分割剤とともに少量の無機酸または有機酸とくに無機酸を添加することにより、溶媒の使用量を大幅に減らすことができ、生産性を著しく向上させることができる。
【0060】
錯体の分解は、低級アルコール、好ましくは適量の水を加えた低級アルコールに錯体を加えるだけで、きわめて容易に実現し、目的とするD−アロイソロイシンを高収率で分離することができる。
【0061】
エピマー混合物からD−アロイソロイシンを分離した後に残るL−イソロイシンは、再びエピメリ化して、原料として再度使用することができ、原料の有効な利用ができる。
【0062】
このように、本発明は初めてD−アロイソロイシンの工業的な生産を実現したものであって、これにより、種々の医薬品、農薬などの生理活性物質をはじめとする、光学活性な機能性材料の利用の途が開かれた。
Claims (8)
- 式IのRが、水素原子であるか、またはp−位に置換したメチル基(n=1)である酒石酸誘導体を使用して実施する請求項1のD−アロイソロイシンの製造方法。
- 溶媒として、水もしくは低級アルコール類、またはこれらの混合物を使用して錯体を生成させる請求項1のD−アロイソロイシンの製造方法。
- エピマー混合物1モルに対し、式1で示される化合物0.1〜0.7モルを作用させて錯体を生成させる請求項1のD−アロイソロイシンの製造方法。
- エピマー混合物1モルに対し、式Iで示される化合物0.1〜0.7モルを作用させ、かつ無機酸0.05〜0.7当量を添加して実施する請求項1のD−アロイソロイシンの製造方法。
- 錯体の分解によるD−アロイソロイシンの単離を、錯体を低級アルコール中に入れて、光学分割剤である酒石酸誘導体だけを溶解させ、D−アロイソロイシンは固体のまま残すことにより実施する請求項1のD−アロイソロイシンの製造方法。
- 低級アルコールとしてイソプロパノールをえらび、これに2〜20重量%の水を添加して使用する請求項6のD−アロイソロイシンの製造方法。
- D−アロイソロイシンと、請求項1に記載の式Iで示される化合物との錯体。
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