JP2002332277A - 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法 - Google Patents

光学活性2−メチルピペラジンの製造方法

Info

Publication number
JP2002332277A
JP2002332277A JP2001390810A JP2001390810A JP2002332277A JP 2002332277 A JP2002332277 A JP 2002332277A JP 2001390810 A JP2001390810 A JP 2001390810A JP 2001390810 A JP2001390810 A JP 2001390810A JP 2002332277 A JP2002332277 A JP 2002332277A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methylpiperazine
optically active
salt
separated
yield
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001390810A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002332277A5 (ja
Inventor
Hidetsugu Ikeda
秀継 池田
Tetsuro Wataya
哲朗 渡谷
Yukio Takahashi
幸男 高橋
Hajime Hasegawa
元 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daitou Kagaku KK
Original Assignee
Daitou Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daitou Kagaku KK filed Critical Daitou Kagaku KK
Priority to JP2001390810A priority Critical patent/JP2002332277A/ja
Publication of JP2002332277A publication Critical patent/JP2002332277A/ja
Publication of JP2002332277A5 publication Critical patent/JP2002332277A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2−メチルピペラジンのS−体及びR−体の
両対掌体を1種類の光学分割剤を用いて分離できる光学
活性2−メチルピペラジンの製造方法を提供すること、
更には、従来よりも高収率で光学活性2−メチルピペラ
ジンを製造できて、使用した光学分割剤を効率良く回収
できる光学活性2−メチルピペラジンの製造方法を提供
すること。 【解決手段】 ラセミ−2−メチルピペラジン1当量と
光学活性な2−フェノキシプロピオン酸2〜3当量を反
応溶媒中で反応させることにより生じる難溶性ジアステ
レオマー塩である光学活性2−メチルピペラジンフェノ
キシプロピオネートを反応混合物中より分離した母液か
ら難溶性ジアステレオマー塩を構成する2−メチルピペ
ラジン対掌体とは逆の2−メチルピペラジン対掌体を分
離することを特徴とする光学的に活性な(S)−(+)
−又は(R)−(−)−2−メチルピペラジンの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬品、農薬の原料
として有用な光学活性2−メチルピペラジンの改良され
た製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、安定性、回収性に優れた
光学活性2−フェノキシプロピオン酸による光学活性2
−メチルピペラジンの製造方法を特開平9−26818
1に開示した。この製造方法を工業的に実施するには一
層の改良が望まれる。特に、一種類の光学分割剤を用い
て、2−メチルピぺラジンの両対掌体を得る方法が切望
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、なかんずく、(1)従来の製造方法よりも
高収率の光学活性2−メチルピペラジンの製造方法を提
供すること、(2)光学分割剤を効率良く回収できる光
学活性2−メチルピペラジンの製造方法を提供するこ
と、及び、(3)医薬中間体として共に有用な、2−メ
チルピペラジンのS−体及びR−体の両対掌体を1種類
の光学分割剤を用いて分離できる光学活性2−メチルピ
ペラジンの製造方法を提供すること、である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の諸課題は、以下の
手段により達成された。 1)ラセミ−2−メチルピペラジン1当量と光学活性な
2−フェノキシプロピオン酸2〜3当量を反応溶媒中で
反応させることにより生じる難溶性ジアステレオマー塩
である光学活性2−メチルピペラジンフェノキシプロピ
オネートを反応混合物中より分離した母液から難溶性ジ
アステレオマー塩を構成する2−メチルピペラジン対掌
体とは逆の2−メチルピペラジン対掌体を分離すること
を特徴とする光学的に活性な(S)−(+)−又は
(R)−(−)−2−メチルピペラジンの製造方法、
【0005】2)ラセミ−2−メチルピペラジン1当量
と光学活性な2−フェノキシプロピオン酸2〜3当量を
反応溶媒中で反応させることにより生じる難溶性ジアス
テレオマー塩である光学活性2−メチルピペラジンフェ
ノキシプロピオネートを反応混合物中より分離すること
により、難溶性ジアステレオマー塩を構成する2−メチ
ルピペラジン対掌体を分離する工程(1)及び、工程
(1)において難溶性ジアステレオマー塩を分離した母
液に工程(1)で使用した2−フェノキシプロピオン酸
と同一対掌体の光学活性2−フェノキシプロピオン酸を
0.01〜0.5当量加え、生成した結晶を分離して得
た母液から工程(1)で分離される2−メチルピペラジ
ン対掌体とは逆の対掌体を分離する工程(2)、を含む
ことを特徴とする光学的に活性な(S)−(+)−及び
(R)−(−)−2−メチルピペラジンの製造方法、こ
こで、光学活性2−フェノキシプロピオン酸を0.01
〜0.5当量加えて生成した結晶の分離は通常0〜30
℃で行われる。
【0006】上記の2)記載の製造方法において、工程
(2)で得られた母液を濃縮した残渣に、無機鉱酸と有
機溶媒(トルエン、ジクロロメタン、シクロへキサン、
など)の混合物を加え、光学分割剤2−フェノキシプロ
ピオン酸を有機溶媒に抽出した後、水層を濃縮して光学
活性2−メチルピペラジンの体掌体を鉱酸塩として回収
する工程(3)を、工程(2)に引き続いて実施するこ
とができる。
【0007】上記の工程(3)で得られた光学活性2−
メチルピペラジン鉱酸塩は後に5)として詳しく述べる
ように再結晶により光学精製することができる。こうし
て、2)に記載した製造方法によると、工程(1)で得
られた難溶性ジアステレオマー結晶から2−メチルピペ
ラジンの一方の対掌体を分離することができ、又、工程
(2)又は具体例としての工程(3)により2−メチル
ピペラジンの他方の対掌体を得ることができる。ここ
で、光学分割剤2−フェノキシプロピオン酸は一方の光
学活性体のみを使用すれば足りる点を特筆すべきであ
る。
【0008】3)炭素数が3ないし5の分岐アルキル基
を有するアルコール、環形成炭素数が5又は6の環状ア
ルキル基を有するアルコール、又は炭素数が3ないし5
のアルキル基を有するアルコールの酢酸エステルを反応
溶媒として使用する、1)又は2)記載の光学活性2−
メチルピペラジンの製造方法、ここで、反応溶媒は、2
−メチルピペラジンに対し5倍〜15倍の範囲で用いる
ことが好ましい。
【0009】4)2−ブタノール、2−メチル−1−プ
ロパノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノー
ル、又は酢酸ブチルを反応溶媒として使用する1)ない
し3)いずれか1つに記載の光学活性2−メチルピペラ
ジンの製造方法、
【0010】5)光学活性2−メチルピペラジン鉱酸
塩、好ましくは塩酸塩を有機溶媒に加え、再結晶するこ
とにより光学活性2−メチルピペラジン鉱酸塩を光学精
製することを特徴とする光学活性2−メチルピペラジン
の製造方法、ここで、鉱酸としては、塩酸、臭化水素
酸、沃化水素酸、弗化水素酸、硫酸が例示できる。この
光学精製に使用する有機溶媒としては、メタノール、エ
タノール、1−プロパノール、含水エタノール等を例示
できる。この有機溶剤は溶質に対して3倍〜30倍の範
囲で用いることが好ましい。溶質は有機溶剤中に完全に
溶解しても良いが、一部が懸濁状態にある状態を維持す
ることにより、再結晶の効率を高めることができる。こ
の光学活性2−メチルピペラジン塩酸塩を再結晶により
光学精製することは、文献あるいは特許により既に公知
である光学分割剤による光学分割にも応用でき、実施例
36から41に検証結果を記載した。
【0011】6)光学活性2−メチルピペラジン鉱酸塩
の光学精製に用いる有機溶媒として、メタノール、エタ
ノール、1−ブタノール、2−ブタノール、又は2−プ
ロパノールを使用する5)記載の光学活性2−メチルピ
ペラジンの製造方法、
【0012】7)光学活性2−メチルピペラジン塩酸塩
を低級アルコール、エーテル、トルエン、又はこれらの
混合溶媒中に懸濁して得られる懸濁液に塩基を作用させ
て生じる不溶分を濾別して得られる溶液から少なくとも
溶媒の一部を留去するか、又はこの溶液を冷却すること
により、光学活性2−メチルピペラジンを結晶として分
離することを特徴とする、光学活性2−メチルピペラジ
ンの製造方法。
【0013】発明者らは工業的に合成が容易で、安定
性、回収性に優れた光学活性2−フェノキシプロピオン
酸を用いて、上記1)又は2)に記載の製造方法により
2−メチルピペラジンの光学分割が高収率でおこなえる
こと、2−フェノキシプロピオン酸の一方の対掌体を用
いて光学分割することで、2−メチルピペラジンの両方
の対掌体を共に得ることができることを見出した。すな
わち、本発明では、上記2)に記載したように、光学活
性2−フェノキシプロピオン酸の一方の対掌体とラセミ
−2−メチルピペラジンを反応溶媒中で混合溶解して光
学活性2−メチルピペラジンのジアステレオマー塩を析
出させ、その分離母液から得た光学活性2−メチルピペ
ラジンの他方対掌体の鉱酸塩を再結晶することで光学的
に純粋な形で精製し、さらにおのおのを複分解すること
によって、光学活性2−メチルピペラジンの両方の対掌
体を得ることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳しく説明する。ジ
アステレオマー法による光学分割とは、光学分割剤とラ
セミ化合物を溶媒に溶解し、析出した光学活性ジアステ
レオマー塩を結晶として得ることにより、光学活性体を
得る方法である。この場合、難溶性ジアステレオマー塩
を濾別した分離母液から回収された光学活性2−メチル
ピペラジンの一方の対掌体の光学純度は、従来使用され
てきた光学分割剤では低く再度の光学分割を必要とす
る。これに対して、上記2)に記載の製造方法によって
難溶性ジアステレオマーを精製して得た2−メチルピペ
ラジンの収率、光学純度は98%ee以上と驚くほど高
い。また当該ジアステレオマー塩を分離して得た母液よ
り得られる、2−メチルピペラジンのもう一方の対掌体
の光学純度も80〜95%eeと同様に高い。ただし、
上記2)記載の製造方法における工程(2)前段の結晶
の生成とその分離は、分離母液中の2−メチルピペラジ
ンの光学純度が充分に高い場合は必要が無く、上記3)
の方法で光学精製すれば、光学純度98%ee以上の2
−メチルピペラジンが得られる。以上のように、結晶性
ジアステレオマー塩及び、その分離母液の両方から上記
2)に記載の製造方法により、2−メチルピペラジンの
両方の対掌体を容易に高純度で得ることができる。
【0015】また、分析の結果、易溶性、難溶性ジアス
テレオマー塩はいずれも2−メチルピペラジン二(2−
フェノキシプロピオン酸)塩ではなく、2−メチルピペ
ラジン三(2−フェノキシプロピオン酸)塩であること
を発明者等は見いだした。
【0016】本発明で使用される光学分割剤は光学活性
2−フェノキシプロピオン酸であり、R−体、S−体の
いずれも用いることができる。原料としては、ラセミ−
2−メチルピペラジンはもとより、いずれか一方の光学
異性体が過剰に含まれるものでもよい。また、使用する
溶媒は光学分割剤と基質の両者とも変質することなく溶
解するものが好ましい。具体的には、メタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブ
タノール、2−ブタノールといった低級アルコール(炭
素数1〜5のアルキル基を有するアルコールであって、
1,2又は3級アルコール、直鎖状、分岐状のアルコー
ルを含む。以下同じ)、またはその酢酸エステル類が好
ましい。
【0017】前記1)記載の光学活性2−フェノキシプ
ロピオン酸の使用量はラセミ−2−メチルピペラジンに
対し2.0〜3.0モル当量、好ましくは2.5〜2.
8モル当量である。この混合比率で基質と光学分割剤を
上記反応溶媒中で室温から溶媒の沸点の温度範囲におい
て撹拌混合して均一溶液とした後、内温を室温から溶媒
の沸点までの間の特定の温度まで徐々に下げ、必要があ
れば冷却してジアステレオマー塩を析出させる。析出し
たジアステレオマー塩を濾過などの方法で分離し、必要
があれば再結晶する。得られた精製ジアステレオマー塩
をトルエン、ジクロロメタンなどの有機溶媒に懸濁後、
塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、弗化水素酸、又は硫酸
などの無機鉱酸水溶液と混合する。内容物が溶解した
ら、水層からは水を留去するなどの方法で光学活性2−
メチルピペラジン鉱酸塩を得る。また、有機層からは光
学分割剤である2−フェノキシプロピオン酸が回収でき
る。
【0018】一方、ジアステレオマー塩を分離した母液
に光学活性2−フェノキシプロピオン酸(分割に使用し
たものと同一の対掌体)を添加して、不要な2−メチル
ピペラジンの対掌体を、難溶性ジアステレオマー塩とし
て除去する。この操作は母液中の2−メチルピペラジン
の光学純度が充分に高い場合は必要がなく、このとき添
加する2−フェノキシプロピオン酸は2−メチルピペラ
ジンに対して、前記2)記載のように0.01〜0.5
モル当量が好適である。生成した難溶性ジアステレオマ
ー塩を除去したのち溶媒を留去して、精製ジアステレオ
マー塩と同様の処理をおこなって前記2)記載の方法で
2−メチルピペラジンの対掌体は無機鉱酸塩として得る
ことができる。また、光学分割剤もジアステレオマー塩
を鉱酸で複分解する際の有機層から効率良く回収でき
る。
【0019】得られた2−メチルピペラジンの両対掌体
の鉱酸塩は前記5)に記載の方法で光学精製することに
より、光学純度98%ee以上の光学活性2−メチルピ
ペラジン鉱酸塩を得ることができる。
【0020】ところで、2−メチルピペラジンは遊離ア
ミンの状態では、きわめて吸湿性が高く、潮解しやす
い。また、二酸化炭素を吸収しやすいため取り扱いには
注意を要する。前記2)〜5)いずれか1つに記載の製
造方法によって得られた2−メチルピペラジン鉱酸塩、
例えば2−メチルピペラジン二塩酸塩は吸湿性の低い、
良結晶性の物質で、保管、移送、取り扱いがきわめて容
易であり、2−メチルピペラジン塩から遊離アミンへの
変換も通常の有機反応に準じて容易におこなうことがで
きる。
【0021】さらに、本発明者らは2−メチルピペラジ
ン塩から結晶状の遊離アミンを高収率で得る前記6)記
載の製造方法を見出した。通常、光学活性2−メチルピ
ペラジンは蒸留法で単離している。しかし、融点(91
℃)と沸点(155℃)の差が小さく、昇華しやすいた
め製造時に配管、コンデンサーの閉塞がおこりやすく操
作上問題がある。また、蒸留法では回収率も低くコスト
面からも望ましくないと考えられる上融点が高いことか
ら、単離した2−メチルピペラジンは使用に際し再度融
解しなければならず不便である。本発明による結晶状光
学活性2−メチルピペラジンは秤量、溶解、移動等、使
用に利便性が高いと考えられる。
【0022】従来の科学文献、公開特許公報での光学活
性2−メチルピペラジンの単離は光学分割剤との分離、
抽出のみで単離精製の記述がなく、製造における実用性
に乏しい。本発明によれば、2−メチルピペラジンの両
対掌体を容易に取り扱うことが可能となり実用的であ
る。
【0023】以下本発明による光学活性2−メチルピペ
ラジン両対掌体の製造方法について更に詳述する。前記
2)の工程(1)記載のジアステレオマー塩生成工程を
経由する光学活性2−メチルピペラジンを得る方法、及
び、前記2)の工程(2)である、ジアステレオマー塩
分離母液からの光学活性2−メチルピペラジンのもう一
方の対掌体を得る方法に分け詳細に説明する。
【0024】工程(1):ジアステレオマー塩生成工程
を経由する光学活性2−メチルピペラジンを得る方法 本発明による光学活性2−メチルピペラジンの製造方法
においては、有機溶媒として炭素数1〜5の一級アルコ
ールまたは二級アルコール、シクロペンタノール、酢酸
エステル類等を、単独あるいは所望の比率で混ぜた混合
物を使用する(後述する実施例の1から9、29から3
5に対応する)。得られたジアステレオマー塩を再結晶
により光学精製した後、光学活性2−メチルピペラジン
無機鉱酸塩として単離する(実施例1から9、29から
35に対応)。得られた光学活性2−メチルピペラジン
無機鉱酸塩の光学純度が低い場合、再結晶することで光
学精製できる(実施例25から28、36から40に対
応)。得られた光学活性2−メチルピペラジン無機鉱酸
塩を、前記6)記載の製造方法で処理し、光学活性2−
メチルピペラジンのアミン遊離体として得ることができ
る(実施例10から24、41に対応)。このとき光学
活性2−メチルピペラジン無機鉱酸塩を低級アルコール
または、エーテル、炭化水素中でアルコラートまたは、
アルカリ金属炭酸塩などの塩基と室温で処理する。
【0025】工程(2):ジアステレオマー塩分離母液
からの光学活性2−メチルピペラジンのもう一方の対掌
体を得る方法 前記2)において工程(1)記載の方法で、ジアステレ
オマー塩分離母液中に優位に存在する光学活性2−メチ
ルピペラジンの光学純度を上げた後、光学分割で結晶と
して得られたジアステレオマー塩と反対の対掌体の無機
鉱酸塩を分離母液から得ることができる(実施例1から
9、30から36に対応)。ただし、分離母液中の2−
メチルピペラジンの光学純度が90%ee以上の場合
は、前記2)の工程(2)前段に記載した光学純度向上
の工程を省き、前記5)に記載の方法で塩酸塩等の光学
精製を行うことにより(実施例25から29、37から
41に対応)、98%ee以上の光学純度の2−メチル
ピペラジンを得ることができる。このようにして得られ
た光学活性2−メチルピペラジン無機鉱酸塩は前記6)
記載の方法でアミン遊離の光学活性2−メチルピペラジ
ンとして得ることができる(実施例10から24に対
応)。
【0026】
【実施例】2−メチルピペラジンの光学純度測定法につ
いて述べる。 前処理:光学活性2−メチルピペラジンをジシクロヘキ
シルカルボジイミドを用いて4−t−ブチル安息香酸の
アミドに誘導し、測定サンプルとした。分析条件は以下
の通りである。 カラム:ダイセル製キラルパックAD 4.6×250
mm キャリア:ヘキサン:2−プロパノール=9:1 0.
1%ジエチルアミン含有 カラム温度:室温 検出器:UV254nm 流速:0.5ml/分
【0027】(実施例1)ラセミ−2−メチルピペラジ
ン15.0g(0.15mol)、(R)−2−フェノ
キシプロピオン酸69.8g(0.42mol)、2−
プロパノール250mlを混合し内容物を加熱還流、溶
解した。溶解後、溶液を25℃まで一夜冷却した。生じ
た結晶を分離、乾燥して粗ジアステレオマー塩48.0
g(収率106.9%)を得た。 [α]:+21.2°(c=1.0 MeOH) この粗ジアステレオマー塩を2−プロパノールから2回
再結晶して、精製ジアステレオマー塩(R)−2−メチ
ルピペラジン三((R)−2−フェノキシプロピオン
酸))41.3g(収率92.0%)を得た。 [α]:+23.0°(c=1.0 MeOH) 融点149℃ NMRスペクトル(δ;CDCl) 0.5 (d, 3H, Me:R−2−メチルピペラジ
ン) 1.6 (d, 9H, Me:R−2−フェノキシプロ
ピオン酸) 2.6〜3.2(m, 7H,R−2−メチルピペラジ
ン) 4.7 (q, 3H, CH−OPh,:R−2−フェ
ノキシプロピオン酸) 6.9 (q, 9H:R−2−フェノキシプロピオン
酸) 7.2 (q, 6H:R−2−フェノキシプロピオン
酸) 精製−ジアステレオマー塩41.3g(69mmo
l)、ジクロロメタン140ml、35%塩酸、25.
0g(0.24mol)、蒸留水25mlを混合して、
固形分が溶解したら静置後分液した。得られた水層を減
圧乾固して、(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩1
1.7g(収率90.5%)を得た。 [α]:+5.33°(c=1.0 ギ酸) 塩酸塩からナトリウムメトキシドを用いて遊離アミンを
得た。得られた(R)−2−メチルピペラジンの分析値
は以下の通り。 [α]:−20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.6%ee 一方、粗結晶分離母液に(R)−2−フェノキシプロピ
オン酸5.0g(0.03mol)を添加して25℃で
一夜撹拌した。不溶分を濾別後、溶媒を留去した。残渣
にジクロロメタン140ml、35%塩酸25.0g
(0.24mol)蒸留水25.0mlを加え、撹拌、
静置、分液した。水層を減圧乾固して、(S)−2−メ
チルピペラジン二塩酸塩10.2g(収率78.6%)
を得た。 [α]:−5.15°(c=1.0 ギ酸) 上記と同様な操作をおこなって、遊離アミンを得た。 [α]:−20.1°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度99.0%ee なお、光学分割剤である(R)−2−フェノキシプロピ
オン酸は定量的に回収できた。
【0028】(実施例2)ラセミ−2−メチルピペラジ
ン15.0g(0.15mol)、(S)−2−フェノ
キシプロピオン酸69.8g(0.42mol)を2−
プロパノール250ml中に混合し、以下実施例1と同
様な操作をおこない、精製ジアステレオマー塩42.0
g(収率93.5%)を得た。 [α]:−23.0°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩11.5g
(収率88.5%)を得た。 [α]:−5.41°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:+20.2 (c=1.0 t−ブチルメ
チルエーテル) 光学純度 99.2%ee
【0029】また、粗ジアステレオマー塩分離母液を実
施例1と同様に処理して、(R)−2−メチルピペラジ
ン二塩酸塩10.8g(収率75.1%)を得た。 [α]:+5.1°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:−20.1°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 98.8%ee
【0030】(実施例3)ラセミ−2−メチルピペラジ
ン15.0g(0.15mol)、(R)−2−フェノ
キシプロピオン酸69.8g(0.42mol)をメタ
ノール250ml中に混合し、以下実施例1と同様な操
作をおこない、精製ジアステレオマー塩30.0g(収
率66.8%)を得た。 [α]:+22.9°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩7.5g(収
率58.1%)を得た。 [α]:+5.17°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:−20.3° (c=1.0 t−ブチルメ
チルエーテル) 光学純度 99.0%ee また、粗ジアステレオマー塩分離母液を実施例1と同様
に処理して、(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩
6.9g(収率53.2%)を得た。 [α]:−5.02°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:+20.5°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 98.0%ee
【0031】(実施例4)ラセミ−2−メチルピペラジ
ン15.0g(0.15mol)、(R)−2−フェノ
キシプロピオン酸69.8g(0.42mol)をエタ
ノール250ml中に混合し、以下実施例1と同様な操
作をおこない、精製ジアステレオマー塩30.5g(収
率68.0%)を得た。 [α]:+22.9°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩8.5g(収
率65.5%)を得た。 [α]:+5.01°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:−20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0032】また、粗ジアステレオマー塩分離母液を実
施例1と同様に処理して、(S)−2−メチルピペラジ
ン二塩酸塩7.8g(収率60.1%)を得た。 [α]:−4.88°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:+20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 98.6%ee
【0033】(実施例5)ラセミ−2−メチルピペラジ
ン15.0g(0.15mol)、(R)−2−フェノ
キシプロピオン酸69.8g(0.42mol)を1−
プロパノール250ml中に混合し、以下実施例1と同
様な操作をおこない、精製ジアステレオマー塩30.4
g(収率67.8%)を得た。 [α]:+23.0(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩8.5g(収
率65.5%)を得た。 [α]:+5.01°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:−20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度99.0%ee
【0034】また、粗ジアステレオマー塩分離母液を実
施例1と同様に処理して、(S)−2−メチルピペラジ
ン二塩酸塩8.0g(収率61.6%)を得た。 [α]:−4.96°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:+20.4°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 98.6%ee
【0035】(実施例6)ラセミ−2−メチルピペラジ
ン15.0g(0.15mol)、(R)−2−フェノ
キシプロピオン酸、69.8g(0.42mol)を1
−ブタノール250ml中に混合し、以下実施例1と同
様な操作をおこない、精製ジアステレオマー塩22.4
g(収率49.8%)を得た。 [α]:+22.9°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩6.0g(収
率46.5%)を得た。 [α]:+5.23°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:−20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee また、粗ジアステレオマー塩分離母液を実施例1と同様
に処理して、(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩
5.3g(収率41.0%)を得た。 [α]:−5.06°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:+20.0°(c=1.0 ギ酸) 光学純
度 99.0%ee
【0036】(実施例7)ラセミ−2−メチルピペラジ
ン15.0g(0.15mol)、(R)−2−フェノ
キシプロピオン酸69.8g(0.42mol)を2−
ブタノール250ml中に混合し、以下実施例1と同様
な操作をおこない、精製ジアステレオマー塩41.2g
(収率91.7%)を得た。 [α]:+22.90°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩11.0g
(収率90.1%)を得た。 [α]:+5.13°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:−20.3°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee また、粗ジアステレオマー塩分離母液を実施例1と同様
に処理して、(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩1
0.0g(収率77.0%)を得た。 [α]:−4.74°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:+20.1°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度99.0%ee
【0037】(実施例8)ラセミ−2−メチルピペラジ
ン15.0g(0.15mol)、(R)−2−フェノ
キシプロピオン酸69.8g(0.42mol)を2−
メチル−1−プロパノール250ml中に混合し、以下
実施例1と同様な操作をおこない、精製ジアステレオマ
ー塩42.0g(収率92.0%)を得た。 [α]:+22.9°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩11.0g
(収率90.1%)を得た。 [α]:+5.13°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:−20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee また、粗ジアステレオマー塩分離母液中のS−体の光学
純度が90.2%eeであったため、母液に(R)−2
−フェノキシプロピオン酸を添加せず塩酸で複分解し、
(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩10.2g(収
率77.0%)を得た。 [α]:−5.03°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:+20.1°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0038】(実施例9)ラセミ−2−メチルピペラジ
ン15.0g(0.15mol)、(R)−2−フェノ
キシプロピオン酸69.8g(0.42mol)をシク
ロペンタノール250ml中に混合し、以下実施例1と
同様な操作をおこない、精製ジアステレオマー塩39.
5g(収率88.0%)を得た。 [α]:+23.3°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩10.7g
(収率82.4%)を得た。 [α]:+5.31°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:−20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee また、粗ジアステレオマー塩分離母液中のS−体の光学
純度が90.8%eeであったため、母液に(R)−2
−フェノキシプロピオン酸を添加せず塩酸で複分解し、
(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩10.0g(収
率77.4%)を得た。 [α]:−5.20°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:+20.20°(c=1.0 t−ブチルメ
チルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0039】(実施例10)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と28%ナト
リウムメトキシドメタノール溶液23.2g(0.12
mol)を25℃で1時間撹拌した。不溶物を濾別後、
溶媒を留去した。残渣にシクロヘキサン30mlを加え
て加熱、還流後、不溶分を熱濾過して、20℃まで冷却
した。生じた結晶を分離、乾燥して、(R)−2−メチ
ルピペラジンを4.5g(収率77.5%)得た。
【0040】NMRスペクトル 1.0 (d, 3H, Me) 1.6 (br, 2H, NH) 2.4 (t, 1H, CH) 2.6〜3.2 (m, 6H, −CH−) 融点 90℃(シクロヘキサン) [α]:−20.3(c=1.0 t−ブチルメチル
エーテル) 光学純度99.6%ee
【0041】(実施例11)(S)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と28%ナト
リウムメトキシドメタノール溶液23.2g(0.12
mol)を25℃で1時間撹拌した。不溶物を濾別後、
溶媒を留去した。残渣にシクロヘキサン30mlを加え
て加熱、還流後、不溶分を熱濾過して、20℃まで冷却
した。生じた結晶を分離し、乾燥して、(S)−2−メ
チルピペラジンを4.4g(収率75.7%)得た。N
MRスペクトルは実施例10のものと一致した。 融点 90℃(シクロヘキサン) [α]:+20.1°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0042】(実施例12)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と20%ナト
リウムエトキシドエタノール溶液40.8g(0.12
mol)を25℃で1h撹拌した。不溶物を濾別後、溶
媒を留去した。残渣にシクロヘキサン30mlを加えて
加熱、還流後、不溶分を熱濾過して、20℃まで冷却し
た。生じた結晶を分離し、乾燥して、(R)−2−メチ
ルピペラジンを3.5g(収率60.5%)得た。 [α]:−20.1°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 98.8%ee
【0043】(実施例13)(S)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と30%カリ
ウムメトキシドメタノール溶液28.0g(0.12m
ol)を25℃で1時間撹拌した。不溶物を濾別後、溶
媒を留去した。残渣にシクロヘキサン30mlを加えて
加熱、還流後、不溶分を熱濾過して、20℃まで冷却し
た。生じた結晶を分離し、乾燥して、(S)−2−メチ
ルピペラジンを4.0g(収率68.9%)得た。 [α]:+20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.2%ee
【0044】(実施例14)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と28%ナト
リウムメトキシドメタノール溶液23.2g(0.12
mol)を25℃で1時間撹拌した。不溶物を濾別後、
溶媒を留去した。残渣にジイソプロピルエーテル30m
lを加えて加熱、還流後、不溶分を熱濾過して、20℃
まで冷却した。生じた結晶を分離し、乾燥して(R)−
2−メチルピペラジンを3.7g(収率63.6%)得
た。 [α]:−20.3°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0045】(実施例15)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と28%ナト
リウムメトキシドメタノール溶液23.2g(0.12
mol)を25℃で1時間撹拌した。不溶物を濾別後、
溶媒を留去した。残渣にテトラヒドロフラン30mlを
加えて混合した、不溶分を濾別して、溶媒を留去した。
残渣にヘキサン30mlを加えて、0℃まで冷却した。
生じた結晶を分離し、乾燥して、(R)−2−メチルピ
ペラジンを3.6g(収率62.0%)得た。 [α]:−20.1°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0046】(実施例16)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と28%ナト
リウムメトキシドメタノール溶液23.2g(0.12
mol)を25℃で1時間撹拌した。不溶物を濾別後、
溶媒を留去した。残渣に1,2−ジメトキシエタン60
mlを加えて混合した、不溶分を濾別して、溶媒を留去
した。残渣にヘキサン30mlを加えて、0℃まで冷却
した。生じた結晶を分離し、乾燥して、(S)−2−メ
チルピペラジンを3.1g(収率62.0%)を得た。 [α]:−20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0047】(実施例17)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と28%ナト
リウムメトキシドメタノール溶液23.2g(0.12
mol)を25℃で1時間撹拌した。不溶物を濾別後、
溶媒を留去した。残渣にt−ブチルメチルエーテル60
mlを加えて混合した、不溶分を盧別して、溶媒を留去
した。残渣にヘキサン30mlを加えて、0℃まで冷却
した。生じた結晶を分離し、乾燥して(S)−2−メチ
ルピペラジンを4.6g(収率79.0%)を得た。 [α]:−20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0048】(実施例18)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と28%ナト
リウムメトキシドメタノール溶液23.2g(0.12
mol)を25℃で1時間撹拌した。不溶物を盧別後、
溶媒を留去した。残渣にベンゼン60mlを加えて混合
した、不溶分を濾別して、溶媒を留去した。残渣にヘキ
サン30mlを加えて、0℃まで冷却した。生じた結晶
を分離し、乾燥して、(S)−2−メチルピペラジンを
3.4g(収率55.5%)を得た。 [α]:−20.1°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0049】(実施例19)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と無水炭酸カ
リウム26.4g(0.191mol)をテトラヒドロ
フラン60ml中に混合し、4時間加熱還流した。反応
溶液を冷却後、不溶分を濾別し、溶媒を留去した。残渣
にヘキサン30mlを加えて、0℃まで冷却した。生じ
た結晶を分離し、乾燥して(R)−2−メチルピペラジ
ン3.2g(収率55.0%)を得た。 [α]:−20.26°(c=1.0 t−ブチルメ
チルエーテル) 光学純度 99.2%ee
【0050】(実施例20)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と無水炭酸カ
リウム26.4g(0.191mol)を1,2−ジメ
トキシエタン60ml中に混合し、4時間加熱還流し
た。反応溶液を冷却後、不溶分を濾別し、溶媒を留去し
た。残渣にヘキサン30mlを加えて、0℃まで冷却し
た。生じた結晶を分離し、乾燥して(R)−2−メチル
ピペラジン3.2g(収率55.0%)を得た。 [α]:−20.3°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0051】(実施例21)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と無水炭酸カ
リウム26.4g(0.191mol)をベンゼン60
ml中に混合し、4時間加熱還流した。反応溶液を冷却
後、不溶分を濾別し、溶媒を留去した。残渣にヘキサン
30mlを加えて、0℃まで冷却した。生じた結晶を分
離し、乾燥して(R)−2−メチルピペラジン3.0g
(収率55.0%)を得た。 [α]:−20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0052】(実施例22)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と無水炭酸カ
リウム26.4g(191mmol)をt−ブチルメチ
ルエーテル60ml中に混合し、4時間加熱還流した。
反応溶液を冷却後、不溶分を濾別し、溶媒を留去した。
残渣にヘキサン30 mlを加えて、0℃まで冷却し
た。生じた結晶を分離し、乾燥して(R)−2−メチル
ピペラジン4.0g(収率68.9%)を得た。 [α]:−20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0053】(実施例23)(S)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩10.0g(58mmol)と無水炭酸カ
リウム26.4g(191mmol)をt−ブチルメチ
ルエーテル60ml中に混合し、4時間加熱還流した。
反応溶液を冷却後、不溶分を濾別し、溶媒を留去した。
残渣にヘキサン30mlを加えて、0℃まで冷却した。
生じた結晶を分離し、乾燥して(R)−2−メチルピペ
ラジン4.2g(収率72.3%)を得た。 [α]:+20.1°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.2%ee
【0054】(実施例24)(R)−2−メチルピペラ
ジン三((R)−2−フェノキシプロピオン酸)塩3
4.7g(58mmol)と無水炭酸カリウム26.4
g(191mmol)をt−ブチルメチルエーテル60
ml中に混合し、4時間加熱還流した。反応溶液を冷却
後、不溶分を濾別し、溶媒を留去した。残渣にヘキサン
30mlを加えて、0℃まで冷却した。生じた結晶を分
離し、乾燥して(R)−2−メチルピペラジン3.9g
(収率67.1%)を得た。 [α]:+20.2°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee
【0055】(実施例25)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩(光学純度92.5%ee)3.0g(1
7.4mmol)をメタノール45mlに加え加熱還流
させ溶解させた後、20〜30℃まで冷却した。得られ
た結晶を分離し、乾燥して光学純度99%eeの(R)
−2−メチルピペラジン2.1g(収率70.0%)を
得た。
【0056】(実施例26)(S)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩(光学純度90.5%ee)3.0g(1
7.4mmol)をメタノール45mlに加え加熱還流
させ溶解させた後、20〜30℃まで冷却した。得られ
た結晶を分離し、乾燥して光学純度99.1%eeの
(S)−2−メチルピペラジン2.0g(収率66.7
%)を得た。
【0057】(実施例27)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩(光学純度92.5%ee)3.0g(1
7.4mmol)をエタノール45mlに加え加熱還流
させ、溶解させた。この溶液を20〜30℃まで冷却し
た。得られた結晶を分離し、乾燥して光学純度97.6
%eeの(R)−2−メチルピペラジン2.2g(収率
73.3%)を得た。
【0058】(実施例28)(S)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩(光学純度90.5%ee)3.0g(1
7.4mmol)を2−プロパノール45mlに加え加
熱還流させ、溶解させた。この溶液を20〜30℃まで
冷却した。得られた結晶を分離し、乾燥して光学純度9
8.3%eeの(S)−2−メチルピペラジン2.2g
(収率73.3%)を得た。
【0059】(実施例29)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩(光学純度92.5%ee)3.0g(1
7.4mmol)を10%含水1−プロパノール30m
lに加え加熱還流させ、溶解させた。この溶液を20〜
30℃まで冷却した。得られた結晶を分離し、乾燥して
光学純度98.5%eeの(R)−2−メチルピペラジ
ン2.0g(収率66.7%)を得た。
【0060】(実施例30)ラセミ−2−メチルピペラ
ジン15.0g(0.15mol)、(S)−2−フェ
ノキシプロピオン酸69.8g(0.42mol)を酢
酸n−ブチル250ml中に溶かし、以下実施例1と同
様な操作をおこない、精製ジアステレオマー塩41.0
g(収率91.0%)を得た。 [α]:−23.1°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩11.3g
(収率87.0%)を得た。 [α]:−5.4°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:+20.3°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee また、粗ジアステレオマー塩分離母液を実施例1と同様
に処理して、(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩1
0.2g(収率78.6%)を得た。 [α]:+5.3°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:−20.1°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度98.8%ee
【0061】(実施例31)ラセミ−2−メチルピペラ
ジン30.0g(0.3mol)、(R)−2−フェノ
キシプロピオン酸139.6g(0.84mol)を酢
酸n−ブチル340ml中に溶かし約95℃で加熱溶解
した。この溶液を室温まで冷却し、生成した結晶と母液
を分離して粗ジアステレオマー塩108.0gを得た。
得られた粗ジアステレオマー塩を酢酸n−ブチル300
mlで再結晶操作を2回行い精製し、75.2gの精製
ジアステレオマー塩を得た(収率83.7%)。 [α]:+23.4°(c=1.0 MeOH) この精製ジアステレオマー塩75.2g(126mmo
l)にn−酢酸ブチル250ml、35%塩酸、47.
3g(0.454mol)、蒸留水47mlを混合し
て、精製ジアステレオマー塩を溶解した後、分液し水層
を得た。有機層をさらに蒸留水47mlで洗浄し、得ら
れた洗液は水層に加えた。このようにして得た水層を半
分まで濃縮したところで1−ブタノール200mlを加
え1−ブタノールを還流しながら共沸蒸留し、水層を除
去した。水層を除去したところで溶液を室温まで冷却し
生成した結晶を分離乾燥し、(R)−2−メチルピペラ
ジン塩酸塩21.0g(収率96.7%)を得た。 [α]:+5.25°(c=1.0 ギ酸) 一方、粗結晶分離母液に35%塩酸56.4g(0.5
4mol)、蒸留水56gを加え、(S)−2−メチル
ピペラジン塩酸塩を水層へ抽出した。得られた水層を半
分まで濃縮し、1−ブタノール250mlを加え、1−
ブタノールを還流しながら共沸蒸留し、水層を除去し
た。水層を除去したところで溶液を室温まで冷却し生成
した結晶を分離乾燥し、(S)−2−メチルピペラジン
塩酸塩20.5g(収率79.0%)を得た。 [α]:−5.0°(c=1.0 ギ酸)
【0062】(実施例32)ラセミ−2−メチルピペラ
ジン15.0g(0.15mol)、(S)−2−フェ
ノキシプロピオン酸69.8g(0.42mol)を酢
酸イソプロピル250mlに溶かした。以下、実施例1
と同様な操作をおこない、精製ジアステレオマー塩4
0.5g(収率90.2%)を得た。 [α]:−23.1°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩11.0g
(収率84.7%)を得た。 [α]:−5.0°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:+20.4°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.3%ee また、粗ジアステレオマー塩分離母液を実施例1と同様
に処理して、(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩1
0.4g(収率80.1%)を得た。 [α]:+5.4°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:−20.3°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 98.0%ee
【0063】(実施例33)ラセミ−2−メチルピペラ
ジン15.0g(0.15mol)、(S)−2−フェ
ノキシプロピオン酸69.8g(0.42mol)を酢
酸t−ブチル250mlに溶かした。以下、実施例1と
同様な操作をおこない、精製ジアステレオマー塩40.
9g(収率91.1%)を得た。 [α]:−22.8°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩11.5g
(収率88.6%)を得た。 [α]:−5.6°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:+20.4°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee また、粗ジアステレオマー塩分離母液を実施例1と同様
に処理して、(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩1
0.4g(収率79.3%)を得た。 [α]:+5.4°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:−20.4°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度98.7%ee
【0064】(実施例34)ラセミ−2−メチルピペラ
ジン15.0g(0.15mol)、(S)−2−フェ
ノキシプロピオン酸69.8g(0.42mol)を酢
酸sec−ブチル250mlに溶かした。以下、実施例
1と同様な操作をおこない、精製ジアステレオマー塩4
2.0g(収率93.5%)を得た。 [α]:−22.8°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩11.0g
(収率84.7%)を得た。 [α]:−5.0°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:+20.4°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.4%ee また、粗ジアステレオマー塩分離母液を実施例1と同様
に処理して、(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩1
0.0g(収率77.0%)を得た。 [α]:+5.0°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:−20.3°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 98.5%ee
【0065】(実施例35)ラセミ−2−メチルピペラ
ジン15.0g(0.15mol)、(S)−2−フェ
ノキシプロピオン酸69.8g(0.42mol)を酢
酸iso−ブチル250mlに溶かし、以下実施例1と
同様な操作をおこない、精製ジアステレオマー塩40.
2g(収率89.5%)を得た。 [α]:−22.9°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩10.4g
(収率80.1%)を得た。 [α]:−5.2°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:+20.3°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 98.9%ee また、粗ジアステレオマー塩分離母液を実施例1と同様
に処理して、(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩1
0.4g(収率80.1%)を得た。 [α]:+5.0°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:−20.1°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 98.0%ee
【0066】(実施例36)ラセミ−2−メチルピペラ
ジン15.0g(0.15mol)、(S)−2−フェ
ノキシプロピオン酸69.8g(0.42mol)を酢
酸エチル250mlに溶かした。以下、実施例1と同様
な操作をおこない、精製ジアステレオマー塩34.0g
(収率75.7%)を得た。 [α]:−23.1°(c=1.0 MeOH) 得られたジアステレオマー塩は実施例1と同様に処理し
て(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩9.0g(収
率69.3%)を得た。 [α]:−5.4°(c=1.0 ギ酸) 得られた塩酸塩は実施例1と同様な処理をおこなって遊
離アミンを得た。 [α]:+20.3°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 99.0%ee また、粗ジアステレオマー塩分離母液を実施例1と同様
に処理して、(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩
8.4g(収率64.7%)を得た。 [α]:+5.0°(c=1.0 ギ酸) この塩酸塩から実施例1と同様な操作をおこなって、遊
離アミンを得た。 [α]:−20.0°(c=1.0 t−ブチルメチ
ルエーテル) 光学純度 98.0%ee
【0067】(実施例37)(R,R)−酒石酸(J.
Nakano,J.Med.Chem,33,1645
(1990))60.0g(0.40mol)、(R
S)−2−メチルピペラジン40.0g(0.40mo
l)を脱イオン水200mlに溶かし、60℃まで加熱
撹拌して、内容物を溶解させた。この溶液を10℃まで
一夜冷却し、生じた結晶を分離して、冷脱イオン水50
mlで洗浄した。得られた結晶を60℃で減圧乾燥し
て、ジアステレオマー塩47.6gを収率95.2%で
得た。得られたジアステレオマー塩47.6g(0.1
9mol)に35%塩酸83.0g(0.8mol)を
加え、脱イオン水83mlで混合溶解した。水を留去し
ながら1−ブタノール600mlを添加して、溶媒をブ
タノールへ置換した。この操作終了後、溶液を30℃以
下まで冷却し、生じた結晶を分別し、2−プロパノール
100mlで洗浄した。得られた結晶を60℃で減圧乾
燥して、30.2gの(R)−2−メチルピペラジン二
塩酸塩を収率87.2%で得た。得られた(R)−2−
メチルピペラジン二塩酸塩の光学純度は87.0%ee
であった。このようにして得られた結晶30.2gをメ
タノール300mlに懸濁させ、メタノールの還流下で
1時間撹拌した。その後25℃まで一夜冷却した。生じ
た結晶を分離し、60℃で減圧乾燥して、精製された
(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩22.0gを回
収率72.8%で得た。この時の光学純度は99.0%
ee以上であった。一方、ジアステレオマー塩分離母液
とジアステレオマー塩洗液をあわせた水溶液に35%塩
酸83.0g(0.80mol)を加えて複分解し、上
記(R)−体塩酸塩と同様にブタノール置換操作をおこ
なって、(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩33.
3gをラセミ体からの収率96.2%で得た。このもの
の光学純度は65.0%eeであった。得られた結晶3
3.3gをメタノール330mlに懸濁させ、メタノー
ルの還流下で1時間撹拌した。その後25℃まで一夜冷
却し精製塩24.3gを得た。この操作を再度240m
lのメタノールで行い精製(R)−2−メチルピペラジ
ン二塩酸塩17.0gを回収率51.1%で得た。この
ものの光学純度 99.0%ee以上であった。
【0068】(実施例38)(S,S)−酒石酸60.
0g(0.40mol)、(RS)−2−メチルピペラ
ジン40.0g(0.4mol)脱イオン水200ml
を60℃まで加熱撹拌して、内容物を溶解させた。この
溶液を10℃まで一夜冷却して生じた結晶を分離し、冷
脱イオン水50mlで洗浄した。得られた結晶を60℃
で減圧乾燥して、ジアステレオマー塩48.2gを収率
96.4%で得た。得られた結晶48.2gを実施例1
と同様に塩酸で複分解し、ジアステレオマー塩より
(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩21.1gをラ
セミ体からの収率60.9%で得た。このものの光学純
度99.0%ee以上であった。一方、分離母液も同様
な処理をおこない、(R)−2−メチルピペラジン二塩
酸塩34.6gをラセミ体からの収率100%で得た。
この時の光学純度は67.0%eeであった。得られた
(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩34.6gをメ
タノールで二回再結晶し、16.4g、回収率47.4
%、光学純度99.0%eeの(R)−2−メチルピペ
ラジン二塩酸塩を得た。
【0069】(実施例39)(R,R)−酒石酸12
0.0g(0.80mol)、(RS)−2−メチルピ
ペラジン40.0g(40mol)、脱イオン水320
mlを加熱撹拌混合し、室温まで一夜冷却した。生じた
結晶を分離、乾燥して、ジアステレオマー塩47.4g
を収率59.2%で得た。以後、実施例1と同様に塩酸
で複分解し、(S)−2−メチルピペラジン二塩酸塩1
5.0gを収率43.3%、光学純度95.3%eeで
得た。このようにして得られた(S)−2−メチルピペ
ラジン二塩酸塩15.0gをメタノールで再結晶し、光
学純度99.0%以上の(S)−2−メチルピペラジン
二塩酸塩11.1gを回収率74%で得た。
【0070】(実施例40)(S)−マンデル酸(特開
平4−360877)3.4g(0.20mol)、
(RS)−2−メチルピペラジン10.0g(0.1m
ol)を脱イオン水60mlに加え、50℃で加熱溶解
した。この溶液にアセトン480mlを加え、溶液を加
熱還流し完全に溶解したのを確認後溶液を35℃まで冷
却した。種結晶100mgを添加して室温まで撹拌しな
がら一夜冷却した。この操作で生じた結晶を分離し、減
圧乾燥をおこない、ジアステレオマー塩14.2gを収
率61.4%で得た。得られたジアステレオマー塩1
4.2gを塩酸10.0g、脱イオン水10.0g、ジ
エチルエーテル50mlに混合、溶解した。この時得ら
れた水層を分液し、実施例1と同様にブタノール置換、
塩酸で複分解処理して、(R)−2−メチルピペラジン
二塩酸塩5.2gを収率60.1%、光学純度92.1
%eeで得た。このようにして得た塩酸塩5.2gをメ
タノールで再結晶し、光学純度99.0%以上の(R)
−2−メチルピペラジン二塩酸塩3.7gを回収率7
1.2%で得た。
【0071】(実施例41)(S)−N−ベンゼンスル
ホニルアスパラギン酸(特開平4−128270)5
4.6g(0.20mol)と(RS)−2−メチルピ
ペラジン20.0g(0.20mol)を脱イオン水5
00mlに混合した。この溶液を80℃まで加熱して、
内容物が完溶したことを確認した後溶液を室温まで一夜
冷却した。このようにして生じた結晶を分離、乾燥して
ジアステレオマー塩36.6gを収率98.0%で得
た。得られたジアステレオマー塩36.6gを塩酸40
g、脱イオン水40g、酢酸エチル200mlに混合溶
解し、N−トルエンスルホニルアスパラギン酸を酢酸エ
チル層に抽出して得られた水層を、実施例1と同様にブ
タノール置換、塩酸で複分解処理して、(S)−2−メ
チルピペラジン二塩酸塩16.3g、光学純度92.4
%ee、収率94.0%で得た。このようにして得た塩
酸塩16.3gをメタノールで再結晶し、光学純度9
9.0%以上の(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩
11.9gを回収率73.0%で得た。
【0072】(実施例42)(R)−2−メチルピペラ
ジン二塩酸塩3.0g(光学純度92.5%)を10%
含水2−プロパノール30mlに加え加熱還流した。こ
の溶液を25℃まで冷却し、得られた結晶を分離後乾燥
し(R)−2−メチルピペラジン二塩酸塩2.1g(収
率70.0%)を得た。 [α]:−22.8°(c=1.0 MeOH) 光学純度 98.5%ee
【0073】
【発明の効果】ジアステレオマー塩法による従来の光学
分割は、両対掌体を得るためにはそれぞれの対掌体に対
応する光学分割剤の両対掌体が必要である。しかし、本
発明による製造方法は光学分割剤に一種類の対掌体を用
いることで両対掌体を光学分割できる。本発明の製造方
法によると両対掌体を効率良く得ることができ、医薬原
料として重要な光学活性2−メチルピペラジンの工業的
な製造に寄与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 幸男 神奈川県平塚市須賀2700番地 大東化学株 式会社内 (72)発明者 長谷川 元 神奈川県中郡大磯町東小磯608番地の2

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラセミ−2−メチルピペラジン1当量と光
    学活性な2−フェノキシプロピオン酸2〜3当量を反応
    溶媒中で反応させることにより生じる難溶性ジアステレ
    オマー塩である光学活性2−メチルピペラジンフェノキ
    シプロピオネートを反応混合物中より分離した母液から
    難溶性ジアステレオマー塩を構成する2−メチルピペラ
    ジン対掌体とは逆の2−メチルピペラジン対掌体を分離
    することを特徴とする光学的に活性な(S)−(+)−
    又は(R)−(−)−2−メチルピペラジンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】ラセミ−2−メチルピペラジン1当量と光
    学活性な2−フェノキシプロピオン酸2〜3当量を反応
    溶媒中で反応させることにより生じる難溶性ジアステレ
    オマー塩である光学活性2−メチルピペラジンフェノキ
    シプロピオネートを反応混合物中より分離することによ
    り、難溶性ジアステレオマー塩を構成する2−メチルピ
    ペラジン対掌体を分離する工程(1)及び、 工程(1)において難溶性ジアステレオマー塩を分離し
    た母液に工程(1)で使用した2−フェノキシプロピオ
    ン酸と同一対掌体の光学活性2−フェノキシプロピオン
    酸を0.01〜0.5当量加え、生成した結晶を分離し
    て得た母液から工程(1)で分離される2−メチルピペ
    ラジン対掌体とは逆の対掌体を分離する工程(2)、を
    含むことを特徴とする光学的に活性な(S)−(+)−
    及び(R)−(−)−2−メチルピペラジンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】炭素数が3ないし5の分岐アルキル基を有
    するアルコール、環形成炭素数が5又は6の環状アルキ
    ル基を有するアルコール、又は炭素数が3ないし5のア
    ルキル基を有するアルコールの酢酸エステルを反応溶媒
    として使用する、請求項1又は2記載の光学活性2−メ
    チルピペラジンの製造方法。
  4. 【請求項4】2−ブタノール、2−メチル−1−プロパ
    ノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、又
    は酢酸n−ブチルを反応溶媒として使用する請求項1な
    いし3いずれか1つに記載の光学活性2−メチルピペラ
    ジンの製造方法。
  5. 【請求項5】光学活性2−メチルピペラジン鉱酸塩を有
    機溶媒に加え、再結晶することにより光学活性2−メチ
    ルピペラジン鉱酸塩を光学精製することを特徴とする光
    学活性2−メチルピペラジンの製造方法。
  6. 【請求項6】光学活性2−メチルピペラジン鉱酸塩の光
    学精製に用いる有機溶媒として、メタノール、エタノー
    ル、1−ブタノール、2−ブタノール、又は2−プロパ
    ノールを使用する請求項5記載の光学活性2−メチルピ
    ペラジンの製造方法。
  7. 【請求項7】光学活性2−メチルピペラジン鉱酸塩を低
    級アルコール、エーテル又はトルエン中に懸濁して得ら
    れる懸濁液に塩基を作用させて生じる不溶分を濾別して
    得られる溶液の少なくとも溶媒の一部をを留去するか、
    又はこの溶液を冷却することにより、光学活性2−メチ
    ルピペラジンを結晶として分離することを特徴とする、
    光学活性2−メチルピペラジンの製造方法。
JP2001390810A 2001-03-06 2001-12-25 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法 Pending JP2002332277A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001390810A JP2002332277A (ja) 2001-03-06 2001-12-25 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-61394 2001-03-06
JP2001061394 2001-03-06
JP2001390810A JP2002332277A (ja) 2001-03-06 2001-12-25 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002332277A true JP2002332277A (ja) 2002-11-22
JP2002332277A5 JP2002332277A5 (ja) 2005-07-14

Family

ID=26610673

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001390810A Pending JP2002332277A (ja) 2001-03-06 2001-12-25 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002332277A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002316952A (ja) * 2001-04-18 2002-10-31 Daito Kagaku Kk 光学活性2−フェノキシプロピオン酸の光学精製方法
JP2006169158A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Daito Kagaku Kk 光学活性アミノ酸類の製造方法
JP2011057619A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Tokai Univ 光学活性アミン化合物の製造方法、並びに、ジアステレオマー塩及びその製造方法
WO2016021524A1 (ja) * 2014-08-08 2016-02-11 東レ・ファインケミカル株式会社 光学活性2-メチルピペラジンの製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002316952A (ja) * 2001-04-18 2002-10-31 Daito Kagaku Kk 光学活性2−フェノキシプロピオン酸の光学精製方法
JP2006169158A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Daito Kagaku Kk 光学活性アミノ酸類の製造方法
JP4728636B2 (ja) * 2004-12-15 2011-07-20 大東化学株式会社 光学活性アミノ酸類の製造方法
JP2011057619A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Tokai Univ 光学活性アミン化合物の製造方法、並びに、ジアステレオマー塩及びその製造方法
WO2016021524A1 (ja) * 2014-08-08 2016-02-11 東レ・ファインケミカル株式会社 光学活性2-メチルピペラジンの製造方法
JP2016037495A (ja) * 2014-08-08 2016-03-22 東レ・ファインケミカル株式会社 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法
CN105992760A (zh) * 2014-08-08 2016-10-05 东丽精细化工株式会社 光学活性2-甲基哌嗪的制造方法
KR20170039071A (ko) 2014-08-08 2017-04-10 도오레 화인케미칼 가부시키가이샤 광학 활성 2-메틸피페라진의 제조 방법
US9994530B2 (en) 2014-08-08 2018-06-12 Toray Fine Chemicals Co., Ltd. Method of producing optically active 2-methylpiperazine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
MX2007014781A (es) Proceso para la resolucion dinamica de acido (r) o (s)-mandelico (substituido).
JP6137185B2 (ja) (r)−1,1,3−トリメチル−4−アミノインダンの製造方法
JP2008506746A (ja) ジアステレオマーに富んだ化合物の調製方法
JP2002332277A (ja) 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法
CN112939911A (zh) 一种制备左旋Corey内酯关键中间体的手性拆分工艺
JP3484510B2 (ja) 光学活性カルボン酸の製造法
JP5287250B2 (ja) 光学活性トランス−2−アミノシクロヘキサノールの製造方法およびその中間体
JPH07330732A (ja) 光学活性な3−アミノ−1−ベンジルピペリジン誘導体
EP0844230A2 (en) Optical resolution method of (plus, minus)-3,4-dihydroxybutanoic acid
CA2529774A1 (en) Resolution of .alpha.-(phenoxy)phenylacetic acid derivatives
JP3911302B2 (ja) 光学活性2−メチルピペラジンの製造法
JP4093608B2 (ja) 光学活性2−フェノキシプロピオン酸の製造方法
JP4126921B2 (ja) 光学活性なβ−フェニルアラニン誘導体の製造方法
Periasamy et al. Simple and convenient methods for synthesis, resolution and application of aminonaphthols
JPH11180930A (ja) 光学活性trans−シクロブタンジカルボン酸類の製造方法
JP2008115179A (ja) 光学活性2−[(n−ベンジルプロリル)アミノ]ベンゾフェノン化合物の製造方法
JP4218310B2 (ja) 光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類の製造方法およびその中間体
JP2002371060A (ja) 光学活性アミノピペリジン誘導体の製造方法
JPH11322665A (ja) 光学活性α−トリフルオロメチル乳酸の精製方法
JP4193437B2 (ja) 光学活性カルボン酸類
JP3552260B2 (ja) 1−アミノ−2−インダノール類の光学分割法
JP2000198779A (ja) 3―アルキルフラバノノ―ル誘導体の精製法
JP4873207B2 (ja) 光学活性カルボン酸クロリドの精製方法
JP4260911B2 (ja) ピロリジノン誘導体のラセミ化方法
JP2004051604A (ja) 光学活性2−アミノ−2−(2−ナフチル)エタノール類の製造方法およびその中間体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041125

A621 Written request for application examination

Effective date: 20041125

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080805

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080930

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090609