JP3570003B2 - 長尺状部材収納ケース - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、長尺状部材をロール状に巻いて収納した容器の開口から長尺状部材を引出して用いる長尺状部材収納ケースに係わり、更に詳しくは長尺状部材の先端の引き出し又は引き込みを自在にして所定以上の巻き込みを防止する長尺状部材収納ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、長尺状部材をロール状に巻いて収納して用いるものがある。このようなものとしては、近年では、ロール状に巻いた受像紙とインクリボンを1組にして内蔵した印字カセットが知られている。
【0003】
図9(a) は、そのような印字カセットの使用中の状態を示す断面図であり、同図(b) は、その印字カセットに上蓋を固着した外観図である。同図(a) においてプラテンローラ1と印字ヘッド2は、装置本体(プリンタ)側に設けられ、図の紙面垂直方向に立設されている。この印字ヘッド2はプラテンローラ1に対し図の両方向矢印Aで示す圧接及び離隔する方向に回動自在に支持される。このプラテンローラ1と印字ヘッド2とが圧接する対向部によって印字部が形成される。この印字部には少なくとも被記録紙4が通紙される。上記の印字ヘッド2はサーマルヘッドであり多数の印字素子(発熱素子)が支持軸と平行する方向に並んでおり、所定の印字信号制御により選択的に発熱されて被記録紙4に印字を行う。被記録紙4は、印字時にはプラテンローラ1の回転によって搬送される。プラテンローラ1は印字のときは図の矢印Bで示す反時計回り方向に回転(正回転)する。
【0004】
上記の被記録紙4が感熱紙であれば印字ヘッド2の発熱制御で発色して印字される。通常、サーマルプリンタ(熱転写記録装置)では印字にインクリボンが汎用される。そのため一般にはインクリボンを収納した印字カセットを用いる。又、近年、長尺の被記録紙(受像紙)をインクリボンと一体に収納した印字カセットもある。上述の図9(a) の印字カセット3は、そのような印字カセットを示している。同図(a) に示す印字カセット3においては、用紙テープ(受像紙)4がロール4−1状に形成されて用紙リール4−2に保持され、更にこの用紙リール4−2に係合する紙送り軸3−1に保持されて印字部に供給される。インクリボン5も同様にロール5−1状に形成されてリボン供給リール5−2に保持され、更にこのリボン供給リール5−2に係合するリボン送軸3−2に保持されて印字部に供給される。リボン巻取リール5−3は、これに係合するリボン巻取軸3−3に駆動されて使用済みのインクリボン5を巻き取るように構成されている。
【0005】
このような印字カセット3では、印字カセット3に内蔵されるインクリボン5と用紙テープ4を用いて印字する関係から、装置本体の印字部は印字カセットの縁部に近接して形成される。このため印字部を構成するプラテンローラ1及び印字ヘッド2の通入及び逃げ部を印字カセット3側に形成する。このため、印字カセット3には、図9(a) に示すように印字部に対応する空洞部6が設けられている。この空洞部6に位置する印字部に用紙テープ4及びインクリボン5を供給するために、この空洞部6の上側部に印字部材供給口7が設けられている。
【0006】
上記の印字カセット3がカラー印刷用である場合は、これに収納されるインクリボン5は、通常イエロー、マゼンタ及びシアンの3色又はこれらに文字専用の黒を更に加えた4色を1組として、各色をリボンの長手方向に面順次に並べて繰り返し塗布して構成される。そして印字(印刷)を行う場合は、まず、1色目のイエローを印字するために、用紙テープ4とインクリボン5が同時に送られる。そして、イエローの印字終了後に、2色目のマゼンタが印字開始位置に来るまでインクリボン5は送り方向に巻き取られる。一方、用紙テープは用紙リール4−2の図の矢印Cで示す反時計回り方向への逆転により巻き戻され、イエローのときと同一の印字開始位置に戻る。それから、マゼンタの印字が始まり、以後3色目のシアンを印字するときには、用紙テープ4は再び印字開始位置まで巻き戻される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、用紙テープ4を巻き戻すときの位置決めは、用紙テープ4の裏面に予め印刷等で付与してある位置マークを、不図示の光学センサ等で検知することにより行っている。しかしながら、上記の光学センサが検知ミスを起こしたり故障すると、用紙テープ4の巻き戻しが停止せず、用紙テープ4の先端が印字カセット3の印字部材供給口7よりも内部に引き込まれてしまうということがしばしば発生する。又、印字カセット3を装置本体から外部に取り出した状態で、用紙テープ4の用紙リール4−2を指先などで誤って回転させ、上記同様に用紙テープ4の先端を印字部材供給口7よりも内部に引き込んでしまうことがしばしば発生した。このように用紙テープ4の先端が印字部材供給口7よりも内部に引き込まれてしまうと、これを印字部材供給口7から外部に引出すことは、印字カセット3を分解しない限りは殆ど不可能である。しかし、印字カセット3は、不用意に上蓋8を開けて分解などすると、特にインクリボン5がミクロン単位の厚さであるために僅かの衝撃で破損したり皺などを生じやすく使用に堪えなくなる。したがって、印字カセット3を分解して内部に引き込まれている用紙テープ4を外部に引き出して原状に復元する作業は至難の技であり極めて手数がかかって面倒であるという問題があった。
【0008】
このような事故に備えて、用紙リール4−2にワンウェイ機構を取り付け用紙テープ4を供給方向へのみ回転させるように出来れば問題はないが、カラー印刷の場合は、上述したように用紙テープ4を印字部に往復させる必要があるから、そのようなワンウェイ機構を採用するわけにもいかず、何等かの解決策が待ち望まれていた。
【0009】
本発明の課題は、長尺状部材をロール状に巻いて収納した容器の開口(部材供給口)から長尺状部材を引き出し又は引き込んで使用する際、所定以上の巻き込みを防止する長尺状部材収納ケースを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】
以下に、本発明に係わる長尺状部材収納ケースの構成を述べる。
本発明の長尺状部材収納ケースは、長尺状部材を収納するケースと、該ケースに設けられた開口と、上記長尺状部材を巻回し、該長尺状部材を上記開口を介して繰り出し及び引き込み可能に保持する回転自在な保持手段と、上記開口から上記長尺状部材の繰り出し方向近傍に設けられた検知部と、上記長尺状部材と係合且つ、上記検知部に係合可能な検知端と上記保持手段に係合可能な阻止端を有し、上記長尺状部材の繰り出し先端が上記検知部の位置よりも繰り出されているときは、上記長尺状部材の介在により上記検知端が上記検知部に非係合となると同時に上記阻止端が上記保持手段と非係合となって上記長尺状部材の繰り出し及び引き込みのための上記保持手段の回転動作を許容し、上記長尺状部材の繰り出し先端が上記検知部の位置に引き戻されたときに、上記長尺状部材の介在が解かれて上記検知端が上記検知部に係合すると同時に上記阻止端が上記保持手段と係合して上記長尺状部材の引き込みのための上記保持手段の回転動作を阻止する阻止機構とを備えて構成される。
【0011】
これにより、長尺状部材がケースの開口から所定距離離れた基準位置よりも開口内に巻き込まれることが防止される。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
図1は第1の実施例に係わる印字カセットの平断面図である。同図に示す印字カセット10は、カラー印刷用の熱転写プリンタに使用される印字カセットである。同図に示すように、印字カセット10は、長尺状部材収納ケースとして、カセットケース11内に長尺状部材であるテープ状の用紙(受像紙)12を用紙リール13にロール状に卷着している。用紙リール13には同軸に回転する歯車14が一体に固着している。未使用の印字カセット10の場合は、図の手前から見ると上記用紙リール13には歯車14の歯のみ覗かせて歯車14が隠れる程度一杯に受像紙12が卷着されている。印字カセット10は、それらの部材によってカセットケース11の略左半分を専有されている。尚、同図に示す受像紙12のロールの状態は、既に使用が進行している状態を示している。
【0013】
また、カセットケース11の右側には、上方に略1/2を占めて断面が上向きのコの字形をなす空洞部15が形成されている。この空洞部15の上記上向きコの字の開口部左端には印字部材給送口16が形成され、同開口部右端にはリボン引き込み口17が形成されている。上述の受像紙12は印字部材給送口16から空洞部15の開口部に供給される。
【0014】
この空洞部15の下方にはインクリボン19が収納されている。インクリボン19は、長尺のベースフィルム上に、Y(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の3色、又は文字等に専用されるBk(ブラック)を加えた4色のインクが、面順次に繰り返し塗布されて形成されている。インクリボン19は、未使用部分がリボン供給リール21に卷着され、使用済み部分がリボン巻取リール22に卷着されて、印字部材給送口16とリボン引き込み口17間に、インク面を上向きにして受像紙12の下方に張設される。
【0015】
また、上記の印字部材給送口16の上部から空洞部15の開口部に張り出してプレート24が突設されている。このプレート24の先端部には、受け孔24−1が穿設されている。この受け孔24−1と用紙リール12との間には、受け孔24−1に受容される検知端26−1を備えた引き込み防止アーム26が配設される。
【0016】
図2は、上記引き込み防止アーム26の配設状態をカセットケース11内部から見た拡大斜視図である。同図及び前述の図1を用いて上記引き込み防止アーム26を以下に説明する。
【0017】
引き込み防止アーム26は、カセットケース11の前部底面に添い付けて配設され、略中央を支点軸26−2に回動自在に支持され、ねじりバネ26−3により反時計回り方向に付勢されている。この引き込み防止アーム26は、前述したように、プレート24先端の受け孔24−1に対応する一端に検知端26−1を備え、他端に爪26−4を備えている。
【0018】
受像紙12は、インクリボン19よりも幅広く形成されており、表面の滑らかな台紙テープ上に、裏糊付きのラベル用紙を予め所定サイズにハーフカット(金型により台紙テープを残しラベル用紙のみを打ち抜く)したブランク(打ち抜き製品部、つまりラベル)が面順次に配置されている。受像紙12の幅方向の両端には上記ハーフカットによりラベル部分と分離した、インクリボン19と重ならないオフセット(ゆとり代)12−1が形成されている。
【0019】
上記ねじりバネ26−3により反時計回り方向に付勢されている引き込み防止アーム26の検知端26−1は、上記の付勢力により受像紙12の一方のゆとり代12−1に圧接している。ゆとり代12−1は、上述したように台紙テープとラベル用紙の二重構造であるから、ねじりバネ26−3に付勢されている検知端26−1の圧接により変形することなく、その圧接に抗して引き込み防止アーム26の回動を抑止するに充分な剛性を有している。
【0020】
このような構成の上記の印字カセット10が、特には図示しない熱転写プリンタに装着されると、熱転写プリンタの印字ヘッドが印字カセット10の空洞部15内に位置し、同じくプラテンローラが空洞部15の開口部上方に位置して、印字の際には受像紙12及びインクリボン19を圧接して挟持する。また、印字カセット10の用紙リール13及びリボン巻取りール22は、それぞれ熱転写プリンタの印字カセット軸・駆動機構に係合して回転駆動される。
【0021】
上記熱転写プリンタの印字ヘッドには、これと対峙するインクリボン19の幅方向に対応して配列されている多数の発熱素子を備えている。これらの発熱素子は印字情報に基づいて選択的に発熱され、その熱エネルギーによってインクリボン19のインクを受像紙12に転写して記録(印刷、印字)を行う。このときプラテンローラは受像紙12を印字方向に搬送し、リボン巻取リール22は使用済みインクリボン19を順次巻き取っていく。
【0022】
フルカラーの印刷では、例えば最初にY(イエロー)を印字する。イエローの印字が終了すると印字ヘッドとプラテンローラによる受像紙12及びインクリボン19の圧接・挟持を解除し、一方では、リボン巻取リール22の回転により、インクリボン19の次の色であるM(マゼンタ)を印字開始位置まで搬送し、他方では、イエローの印字面に次のマゼンタを塗り重ねるべく用紙リール13の図の矢印Dで示す反時計回り方向への回転により受像紙12を巻き戻す。
【0023】
通常、受像紙12は、1画面分の印字が完了すると、その印字済み部分が所定の長さで自動的に切断されるから、図1に示すように、受像紙12の新たな印字面は常に始端12−2を有している。この始端12−2が、上記3色又は4色の塗り重ねを行うたびに、印字部すなわち空洞部15の開口部を進退する。通常この進退に伴う位置決めは、光学素子等からなる位置決めセンサが受像紙12の状態を読み取った信号に基づいて正しく制御されている。
【0024】
しかし、ときとして、位置決めセンサ等の不具合により、受像紙12の始端12−2が所定の位置よりも内側に引き込まれてしまうことがある。勿論このことは、駆動系や制御系に故障が生じたときにも発生し、また、印字カセット3を熱転写プリンタから外部に取り出したときにおいても操作を誤ると起こり得る。
【0025】
図3は、そのような場合、受像紙が完全に内部に引き込まれてしまわないように受像紙を強制停止させた状態を示している。同図に示すように、受像紙12の始端12−2が所定以上に引き込まれてプレート24先端の受け孔24−1の位置よりも後退すると、引き込み防止アーム26の検知端26−1が、受像紙12のゆとり代12−1との当接・係合を解除され、ねじりバネ26−3の付勢力によって反時計回り方向に回動して、プレート24の受け孔24−1内に嵌入する。この嵌入に基づく回動により、引き込み防止アーム26他端の爪26−4が歯車14の歯底に落込んで歯車14と歯合する。用紙リール13と共に歯車14を回転駆動する熱転写プリンタの駆動軸は、駆動伝達系に滑りクラッチを備えており、上記爪26−4と歯車14との歯合による高負荷によりスリップ回転を開始し、歯車14すなわち用紙リール13は回転を強制停止する。
【0026】
これにより受像紙12の始端12−2は、プレート24の受け孔24−1の位置よりも後退した位置で空洞部15内に先端を突出した形で停止する。したがって、印字カセット10をプリンタ本体から外部へ取り出し、引き込み防止アーム26の検知端26−1の嵌入している頭部を受け孔24−1の外から内部へ押込んで、爪26−4と歯車14との歯合を解除してやれば、上記空洞部15内に先端を突出している受像紙12の始端12−2を指先等でつまんで定位置まで引出すことは容易である。
【0027】
このように、本実施例によれば、受像紙12が誤ってカセットケース11の内部に全て引き込まれてしまうような事故は、未然に解消される。
続いて、図4に、上記引き込み防止アームの他の例を第2の実施例として示す。同図に示すように、この引き込み防止アーム28は、上述した引き込み防止アーム26の爪を有する他端から連結梁28−1を受像紙12の幅方向に平行に張り出し、その張り出した連結梁28−1の端部に引き込み防止アーム26と対称にこれと類似のアーム28−2を取り付けている。このアーム28−2には爪は無く、また支点軸も無く、引き込み防止アーム26の検知端26−1と同様の検知端28−3が配設されている。アーム28−2は引き込み防止アーム26と一体になって、引き込み防止アーム26側の支点軸26−2を中心にして回動する。また、図には示していないが、上記検知端28−3に対応する受け孔がプレート24に設けられている。これによって、引き込み防止アーム28は、受像紙12の両側から、両ゆとり代12−1に当接して、より安定した引き込み防止の動作を行う。
【0028】
ところで、上述の実施例では、いずれも受像紙12の幅がインクリボン19の幅よりも広い場合であるが、受像紙12のゆとり代12−1の形成を廃止して台紙テープの幅一杯にラベルを配置する受像紙の構成では、受像紙とインクリボンの幅が略同一であり、受像紙には引き込み防止アームの検知端が当接できる部分がない。
【0029】
図5は、受像紙とインクリボンの幅が同一の場合であっても受像紙の過剰引き込みを防止できる第3の実施例を示している。尚、図5は、空洞部のインクリボンを案内する部分の構成が異なるが、他の部分は図1と同一であるので、変更のある部分及びこの変更に関連して説明を要する部分についてのみ新たな番号又は図1と同一の番号を付与して示している。
【0030】
図5に示すように、印字カセット30は、空洞部15左方の印字部材給送口32は大きく開口しており、その開口下部からプレート24の先端下方にやや離れた位置まで、斜め上方へ、案内板34が空洞部15内に張り出して形成されている。このようにインクリボン19を案内する案内板34がプレート24から離れているために、その案内板34に案内されて空洞部15の上方に形成される装置本体の印字部に給送されるインクリボン19は、上記プレート24の下面に当接しながら送出される受像紙12との間に比較的大きな間隙を形成している。この間隙に引き込み防止アーム26の検知端26−1´が位置するように構成される。
【0031】
図6は、上記引き込み防止アーム26の検知端26−1´の配置を印字カセット30の内部から見た拡大斜視図である。同図に示すように、検知端26−1´はインクリボン19に当接する虞がないので受像紙12の幅方向に受像紙12の略中心線まで伸ばして形成されている。特には図示しないがこれに対応するプレート24の受け孔も受像紙12の幅方向に広く形成されている。このため、検知端26−1´は受像紙12と確実に係合する。
【0032】
図7は、この実施例の受像紙が完全に内部に引き込まれてしまわないように受像紙を強制停止させた状態を示している。この場合も、同図に示すように、受像紙12の始端12−2が所定以上に引き込まれてプレート24先端の受け孔24−1´の位置よりも後退すると、検知端26−1´が受像紙12との係合を解除され、ねじりバネ26−3の付勢力によってプレート24の受け孔24−1´内に嵌入する。この嵌入に基づく回動により、引き込み防止アーム26他端の爪26−4が、歯車14に歯合して、歯車14すなわち用紙リール13を強制的に停止させる。これにより受像紙12の始端12−2は、プレート24の受け孔24−1´の位置よりも後退した位置で空洞部15内に先端を突出した形で停止する。
【0033】
この場合も印字カセット30をプリンタ本体から外部へ取り出し、引き込み防止アーム26の検知端26−1´の嵌入している頭部を受け孔24−1´の外から内部へ押込んで爪26−4と歯車14との歯合を解除し、受像紙12の始端12−2を指先等でつまんで定位置まで引出して原状に復元する。
【0034】
ところで、上述した第1〜第3の実施例では、いずれも用紙リール13を強制的に停止させた後の受像紙12の原状復元を、印字カセット10(又は30)をプリンタ本体から外部に取り出して、爪26−4と歯車14の歯合を手作業で解除することによって行っている。これでも、受像紙の始端が内部に引き込まれてしまった場合のことから比較すれば、充分に問題点は解決されているが、やや手数がかかるという不満が残る虞がある。
【0035】
図8(a),(b),(c)に、そのような手数がかかることのない第4の実施例を示す。同図(a),(b),(c)は、構成を示すとともに動作状態も示している。同図(a)に示すように、歯車35(図1又は図7の歯車14に対応)の歯35−1は追歯(ラチェット)状に形成されている。また、引き込み防止アーム36(図1又は図7の引き込み防止アーム26に対応)は、その検知端36−1(図1の検知端26−1又は図7の検知端26−1´に対応)の受像紙12との当接部が図1又は図7の場合のようにアーム本体から垂直に突出するのではなく、アーム本体の中心から外方へ傾斜する面を形成して突出している。
【0036】
図8(a)は、受像紙12の始端12−2が所定以上に引き込まれてプレート24先端の受け孔24−1の位置よりも後退したために、検知端36−1が受像紙12との係合を解除されて、不図示のねじりバネの付勢力によりプレート24の受け孔24−1内に嵌入して引き込み防止アーム36を反時計回り方向に回動させ、これにより引き込み防止アーム36の鈎爪36−4が歯車35の追歯35−1に歯合して、歯車35の図の矢印Kで示す反時計回り方向の受像紙巻戻し方向への回転を強制的に停止させている。
【0037】
この実施例では、図8(b) に示すように、図の矢印Lで示す時計回り方向の受像紙送り出し方向へ歯車35を回転させると、一方では、引き込み防止アーム36の鈎爪36−4の外面が、それまで歯合していた追歯35−1の背を滑動して持上がり、引き込み防止アーム36を図の矢印Mで示す時計回り方向に回動させ、これによって反対側の端部の検知端36−1を、プレート24の受け孔24−1からの脱出を開始させる。
【0038】
そして、他方では、上記歯車35の回転により繰り出される受像紙12の始端12−2が、上述した検知端36−1の傾斜面に沿って前進し、同図(c) に示すように、検知端36−1の頭部とプレート24の下面の間に進入して、上記受け孔24−1から脱出しつつある検知端36−1を、図の矢印Nで示すように更に下方に押し下げ、これにより、引き込み防止アーム36の鈎爪36−1と歯車35の追歯35−1との係合解除を完成させると共に、受像紙12と引き込み防止アーム36との正常な係合関係を復元する。
【0039】
このように、本実施例では、装置本体から印字カセットを取り出すことなく、装置本体側の例えばテープ送り出しスイッチ等を操作して所定位置へテープを自動的に引き出すことができる。
【0040】
尚、上述した第1〜第4の実施例では、いずれも長尺状部材収納ケースとして熱転写プリンタの印字カセットを例にとって説明しているが、これに限ることなく、長尺状部材収納ケースは、巻尺、フィルム、粘着テープ、蛍光テープ等を収納し、これらを引き出して使用するケース等にも適用できる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、駆動係や位置検知センサ等の不具合により又は誤って手動により長尺状部材が収納ケースの内部方向へ引き込まれることがあっても、その長尺状部材の先端が完全に引き込まれる前に長尺状部材を巻き取るリールを強制的に停止させるので、指先等で長尺状部材の先端を引き出すか或はリールを送り出し方向へ回転させて長尺状部材の先端を繰り出すことが容易に可能となり、したがって、長尺状部材が先端まで完全に収納ケース内に引き込まれ長尺状部材の原状復元が不可能になって未使用部分を残したまま長尺状部材収納ケースを廃棄しなければならないような不都合が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係わる印字カセットの平断面図である。
【図2】引き込み防止アームの配設状態をカセットケース内部から見た拡大斜視図である。
【図3】受像紙の始端が所定の位置よりも内側に引き込まれた状態で強制停止している状態を示す図である。
【図4】引き込み防止アームの他の例(第2の実施例)を示す図である。
【図5】受像紙とインクリボンの幅が同一の場合であっても受像紙の過剰引き込みを防止できる第3の実施例を示す図である。
【図6】第3の実施例の引き込み防止アームの検知端の配置を印字カセットの内部から見た拡大斜視図である。
【図7】第3の実施例の受像紙が完全に内部に引き込まれてしまわないように受像紙を強制停止させた状態を示す図である。
【図8】(a),(b),(c) は原状復元に手数がかかることのない第4の実施例の構成及び動作状態図である。
【図9】(a) は従来の印字カセットの使用中の状態を示す断面図、(b) はその印字カセットに上蓋を固着した外観図である。
【符号の説明】
1 プラテンローラ
2 印字ヘッド
3 印字カセット
3−1 紙送り軸
3−2 リボン送軸
3−3 リボン巻取軸
4 用紙テープ(受像紙)
4−1 用紙テープのロール
4−2 用紙リール
5 インクリボン
5−1 インクリボンのロール
5−2 リボン供給リール
5−3 リボン巻取リール
6 空洞部
7 開口
8 上蓋
10 印字カセット
11 カセットケース
12 用紙(受像紙)
12−1 ゆとり代
12−2 始端
13 用紙リール
14 歯車
15 空洞部
16 印字部材給送口
17 リボン引き込み口
19 インクリボン
21 リボン供給リール
22 リボン巻取リール
24 プレート
24−1 受け孔
26 引き込み防止アーム
26−1、26−1´ 検知端
26−2 支点軸
26−3 ねじりバネ
26−4 爪
30 印字カセット
32 印字部材給送口
34 案内板
35 歯車
35−1 追歯
36 引き込み防止アーム
36−1 検知端
36−4 鈎爪
Claims (1)
- 長尺状部材を収納するケースと、
該ケースに設けられた開口と、
前記長尺状部材を巻回し、該長尺状部材を前記開口を介して繰り出し及び引き込み可能に保持する回転自在な保持手段と、
前記開口から前記長尺状部材の繰り出し方向近傍に設けられた検知部と、
前記長尺状部材と係合且つ、前記検知部に係合可能な検知端と前記保持手段に係合可能な阻止端を有し、前記長尺状部材の繰り出し先端が前記検知部の位置よりも繰り出されているときは、前記長尺状部材の介在により前記検知端が前記検知部に非係合となると同時に前記阻止端が前記保持手段と非係合となって前記長尺状部材の繰り出し及び引き込みのための前記保持手段の回転動作を許容し、前記長尺状部材の繰り出し先端が前記検知部の位置に引き戻されたときに、前記長尺状部材の介在が解かれて前記検知端が前記検知部に係合すると同時に前記阻止端が前記保持手段と係合して前記長尺状部材の引き込みのための前記保持手段の回転動作を阻止する阻止機構と、
を備えたことを特徴とする長尺状部材収納ケース。
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JP11073795A JP3570003B2 (ja) | 1995-05-09 | 1995-05-09 | 長尺状部材収納ケース |
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