JP3564854B2 - スクリーン版およびそれを用いたプリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどの各種電子機器等に使用されるプリント配線板を製造するためのスクリーン版およびそれを用いたプリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種電子機器等に数多く使用されているプリント配線板は電子機器の小型化や多機能化に伴い、配線の高密度化や電子部品の表面実装化が著しく、絶縁基板上に形成される導体パターンや電子部品が実装されるランドはますます狭ピッチ、細線化や小形状化し、エッチングレジストの高解像度、高位置精度が要求されるようになり、印刷法によるパターン形成はますます困難になってきている。
【0003】
以下に、従来のスクリーン版およびプリント配線板の製造方法について説明する。図4は従来のスクリーン版およびプリント配線板の導体パターン形成の製造過程を示す断面図及び平面図である。図4において、21は絶縁基板、22は銅はく、23はエッチングレジスト、24はエッチングレジスト印刷用スクリーン版、25は乳剤非形成部、26は乳剤形成部(乳剤部)、27はスキージ、28は紗、29は乳剤、30は導体パターン形成用マスクフィルム、31は導体パターン、32ははがれた乳剤である。
【0004】
以上のように構成されたスクリーン版およびプリント配線板の導体パターンの形成について、以下に説明する。まず図4(a)に示すように、線状の合成樹脂を網状に織ったスクリーン版24上に乳剤29を塗布・乾燥し、導体パターン形成用マスクフィルム30と乳剤面を密着させ、300〜400mJ/cm2の紫外線照射を行い、スクリーン版の露光を行う。
【0005】
次に図4(b)に示すように、水で未露光部を現像・除去し、20〜40℃の温風で乾燥する。次に図4(d)に示すように、所定の大きさに切断された銅張積層板21上にスクリーン版24を配置し、そのスクリーン版上にエッチングレジストインキを施し、スキージ27をスクリーン版上を摺動させ、銅張り積層基板上にエッチングレジストインキを印刷転写する。次に、800〜1500mJ/cm2の紫外線照射をしエッチングレジストを硬化形成する。塩化第2銅などの溶液を用いてエッチングレジスト非形成部のエッチングを行い、エッチングレジストを剥離し、図4(e)(f)のような導体パターン31を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
配線の高密度化に対応するためドライフィルム・電着レジスト等の写真現像法等があるが、生産性・コスト等の面からプリント配線板の導体パターン形成は上述のようにスクリーン印刷法がよく用いられる。しかしながら、従来の製造方法では、図4(c)に示すように、広面積の乳剤非形成部25に隣接する乳剤形成部26はスキージによる摺動の摩擦を集中して受けるのでスクリーンの紗28から乳剤32が剥がれやすく、隣接する乳剤非形成部25の紗28に詰まり、エッチングレジストインキが転写印刷されず、図4の(e)(f)のごとくエッチングにより導体パターンの欠損や断線を生じプリント配線板の信頼性を損なうという問題があった。
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、製造工程の歩留まりを著しく向上させ、電子機器の信頼性をも向上させるプリント配線板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明は、版枠に固定された網状の紗に乳剤形成部と、互いに近隣する広面積の乳剤非形成部と狭面積の乳剤非形成部を備え、広面積の乳剤非形成部に点状または線状の乳剤が形成され、前記乳剤は狭面積の乳剤非形成部に近づく程、形成密度を高くして形成されていることを特徴とするスクリーン版を用いることにより所期の目的を達成するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、版枠に固定された網状の紗に乳剤形成部と、互いに近隣する広面積の乳剤非形成部と狭面積の乳剤非形成部を備え、広面積の乳剤非形成部に点状または線状の乳剤が形成され、前記乳剤は狭面積の乳剤非形成部に近づく程、形成密度を高くして形成されていることを特徴とするスクリーン版としたものであり、印刷時のスキージ摺動による相対的に広面積の乳剤非形成部に隣接する乳剤部への集中荷重を軽減する作用を有し、乳剤はがれを防止することができる。
【0010】
また、乳剤非形成部に点状、または線状に乳剤を形成することにより、乳剤形成部への集中荷重を軽減しかつ、エッチングレジスト形成の際、欠損部を生じることなく、所望の印刷パターンを形成することができるという作用を有する。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図1、図2および図3を用いて説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるスクリーン版の細部を示す上面図で、図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)は、本発明の実施形態1におけるスクリーン版の製造過程を示す図である。図1〜図3において、1は乳剤、2は紗、3はパターン形成用マスクフィルム、4はスクリーン版、5はスキージ、6はエッチングレジストインキ、7は絶縁基板、8は銅はく、9は導体パターン、10は乳剤形成部、11は乳剤非形成部である。プリント配線板の印刷用スクリーン版4において、ステンレス枠に網状の紗2を固定したものに、感光性乳剤1を塗布し、20〜40℃の温風で乾燥させ、図2(a)に示すようにパターン形成用マスクフィルム3を真空密着させ、200〜350mJ/cm2の紫外線露光を行う。次に、図2(b)に示すように水により未露光部分の感光性乳剤1を膨潤、現像し、20〜40℃の温風で乾燥する。図1、図2(b)のように広面積の乳剤非形成部11aに40〜60μm幅の乳剤1a〜1cがスキージ摺動方向に平行かつ連続し形成された線状部分1aおよび幅広点状部分1b、幅狭点状部分1cと形成され、狭面積の乳剤非形成部11b側に近づく程、乳剤の形成密度を高くしたスクリーン版4を得る。
【0017】
したがって、図2(c)に示すようにスキージ5がスクリーン版4上を摺動してもスキージ5の摺動方向に平行に形成された乳剤1a〜1cの存在により間断なく荷重を分散することができる。
【0018】
図3はプリント配線板の製造工程を示す図である。図3(a)に示すように、所定の大きさに切断された銅張り積層板上にスクリーン版4を配置し、そのスクリーン版4上にエッチングレジストインキを施し、スキージ5をスクリーン版4上を摺動させ、絶縁基板7上の銅はく8上にエッチングレジストインキを印刷転写する。このとき、スクリーン版4の広面積の乳剤非形成部11aには線状および点状の乳剤1a〜1cが約40〜60μmの幅で形成されているが、エッチングレジストインキ6の乳剤1の基板接触面側の裏まわりやにじみ出しにより銅はく8上にはエッチングレジスト6が欠点を生じることなく形成することができる。次に、800〜1200mJ/cm2の紫外線照射によりエッチングレジスト6を硬化し、塩化第2銅などの溶液を用いてエッチングレジスト非形成部のエッチングおよびエッチングレジスト6を剥離し、図3(b)(c)のような導体パターン9を形成する。
【0019】
なお、本発明の実施の形態において、乳剤形状をスキージ摺動方向を長手にした四角形としたが、メッシュ形状や円形、三角形状としても同様の効果を得ることができる。また、プリント配線板の構造は片面プリント配線板としたが両面・多層プリント配線板であっても同様に実施可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明は相対的に広面積な乳剤非形成部に乳剤を形成したスクリーン版を用いて、プリント配線板の導体パターンを形成するので、印刷時のスキージ摺動による乳剤形成部への集中荷重は軽減され、乳剤はがれを防止することができ、エッチングレジストインキの不転写による導体線幅の細りまたは欠損、断線、短絡等の不良を低減することができ、生産歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスクリーン版を示す平面図
【図2】(a)〜(c)は本発明の実施の形態1におけるスクリーン版の製造方法を示す断面図
【図3】(a)〜(c)は本発明のプリント配線板の製造方法を示す断面図、断面図、平面図
【図4】(a)〜(c)は従来のスクリーン版の製造方法を示す断面図
(d)〜(f)は従来のプリント配線板の製造方法を示す断面図、断面図、平面図
【符号の説明】
1 乳剤
1a〜1c 乳剤
2 紗
3 パターン形成用マスクフィルム
4 スクリーン版
5 スキージ
6 エッチングレジスト
7 絶縁基板
8 銅はく
9 導体パターン
10 乳剤形成部
11a,11b 乳剤非形成部
Claims (1)
- 版枠に固定された網状の紗に乳剤形成部と、互いに近隣する広面積の乳剤非形成部と狭面積の乳剤非形成部を備え、広面積の乳剤非形成部に点状または線状の乳剤が形成され、前記乳剤は狭面積の乳剤非形成部に近づく程、形成密度を高くして形成されていることを特徴とするスクリーン版。
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JP6051796A JP3564854B2 (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | スクリーン版およびそれを用いたプリント配線板の製造方法 |
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- 1996-03-18 JP JP6051796A patent/JP3564854B2/ja not_active Expired - Fee Related
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