JP3563510B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像露光された感光材料を処理液に浸漬して処理する感光材料処理装置を用いる処理方法に関し、より詳細には、該処理装置が、少なくとも一カ所がローラ対によって感光材料が搬送されており、感光材料を互いに隣接する処理槽の間の仕切りの間を通過させて下流側の処理槽へ送る搬送路において、ローラの周囲のシール構造を有し、処理槽内の処理液の液面を浮上する流体による流体層で被覆していることを特徴する感光材料の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像露光されたフィルム等の感光材料を処理する感光材料処理装置、例えば自動現像装置では、発色現像液、漂白定着液、水洗水等の処理液に順次処理した後、乾燥処理する。このような自動現像装置では、互いに隣接する処理槽の間で上流側の処理槽から空気中に引き出した感光材料を下流側の処理槽へ送り込むようにしたものが一般的であり、感光材料を互いに隣接する処理槽の間で空気中に引き出すことにより、互いに隣接する処理槽内の処理液が混じり合うのを防止している。
【0003】
一方、感光材料を処理液中から引出したときには、実質的に処理液による感光材料の処理が行われいない。このため、感光材料の処理時間の短縮を図るために、上流側の処理槽から下流側の処理槽へ直接、感光材料を送り込むように搬送路を構成した自動現像装置が種々提案されている。
【0004】
このような自動現像装置では、フィルムを通過させる開口によって上流側の処理液と下流側の処理液とがこの間仕切りに設けた開口から流れ込んで混じり合うのを防止するためにブレードを設けて、このブレードを押し広げて感光材料を通過させるようにしたものがある。しかし、ブレードを設けた場合、このブレードが感光材料を通過させるときの抵抗となって、感光材料の搬送性が損なわれてしまう。
【0005】
このような問題を解消するために、開口に一対のローラを配置すると共に、ローラの周面と開口との間をブレードによって閉塞したものがある。このように開口にローラを設けて、このローラによって感光材料を挟持しながら送り出すことにより、正確に感光材料の搬送が可能となる。
【0006】
しかしながら、ローラとブレードによって開口を閉塞しても、回転するローラのそれぞれのローラの端面とこのローラを支持する側板との間に少なからず隙間が生じている。このため、この隙間から処理液が流れ込んで、上流側と下流側の処理液が混じり合ってしまうと言う問題が生じている。
【0007】
本発明に用いられるローラのシール構造は上記事実を考慮してなされたものであり、搬送性を損なうことなく回転するローラの周囲を確実にシールするためのローラの周囲のシール構造及び、液外を通過させずに感光材料を確実に搬送して処理するものである。
【0008】
従来、ハロゲン化銀写真感光材料(以下感材と略す)においては、撮影時やプリント時に各種の情報を入力したり出力したりすることは殆ど不可能であり、わずかに光学的に撮影日時を入力/出力できるのみであった。ところで、特開平4−68336、特開平4−73737、或いは特開平5−88283号明細書に開示されているように、感材に透明磁気記録層を全面に付与することにより、撮影の日時、天候、縮小/拡大比などの撮影条件、再プリント枚数、ズームしたい箇所、メッセ−ジ、および、現像、プリント条件などを感材に入力可能となる。またテレビ/ビデオなどの映像機器への入力時においても、各種情報が提供できようになり、将来有望な方法といえよう。
【0009】
他方、こういった感材の処理方法においては、一般にカラー現像、脱銀、水洗及び安定処理が施される。ところで、昨今、ミニラボのような店頭での処理が普及するにつれて、仕上がり時間の短納期化および廃液量の低減に対する要求が高まりつつある。従って、前記各処理工程の短縮化と低補充化が各種検討されている。とりわけ、カラー現像の時間短縮には、主薬の高濃度化や処理温度の上昇が、写真特性を損なうことなく、処理時間短縮が可能なため、最も望ましい方法の一つといえよう。
ところで、前記のローラを複数タンク構成(例えば3タンク構成)の水洗及び又は安定工程に適用し、水洗及び又は安定工程の合計処理時間を15秒〜60秒の迅速処理や、水洗及び又は安定工程の合計補充量が少ない条件でランニング処理を行った場合には、ランニング前後のイエローの最小濃度変化が大きく、また、磁気記録性能が劣化してしまい(S/N比の悪化)満足な情報提供ができないこと、が判明した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的はローラ構造を複数タンク構成の処理において、優れた写真性能を有し、磁気記録層を有する感材での磁気記録された情報のS/N比を劣化させることないハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法を提供するとにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は下記の処理方法を用いることにより解決されることを見出した。
(1)感光材料の搬送方向に沿って隣接して設けられた複数の処理槽のそれぞれに貯留している現像能を有する現像能を有する処理液、脱銀能を有する処理液、水洗及び/又は安定化処理液中に感光材料を浸漬して処理する感光材料処理装置を用いる処理方法において、該処理装置が、隣接する処理槽の少なくとも1カ所がローラ対にて感光材料の通過を可能にした仕切り部を備えており、処理槽の間を仕切ると共に、前記感光材料が通過可能な開口が設けられた間仕切りと、前記間仕切りの開口近傍から突設された一対の側板と、前記一対の側板に掛け渡され前記開口を通過する感光材料と接触することにより感光材料に搬送力を付与可能なローラと、前記ローラの上面及び下面と前記間仕切りの開口周縁との間を閉塞して処理液の流れを防止する第1の遮蔽手段と、前記ローラの端面と前記一対の側板のそれぞれの間に設けられ、側板とローラ端面との間を閉塞して処理液の流れを防止する第2の遮蔽手段を有し、かつ処理槽内の処理液がその液面を浮上する流体による流体層で被覆されていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
(2) 前記第2の遮蔽手段が、前記側板と前記ローラの端面の間に介在された非吸水性の弾性部材、前記側板の表面ないし前記ローラの端面の間に設けられた低摩擦力の滑り部材、又は前記側板と前記ローラの端面との間に設けられた撥水性を有するゲル状のシール部材であることを特徴とする上記(1)に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
(3) 前記第1の遮蔽手段が、ブロックと共にブレードが配設されてなることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
(4) 前記の水洗及び/又は安定化処理液による処理の合計処理時間が15秒〜60秒であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
(5) 前記の水洗及び/又は安定化処理液の合計補充量が、感光材料1m2当たり130〜800mLであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
(6) 前記感光材料が、支持体にそれぞれ少なくとも1層の赤感層、緑感層及び青感層を有し、かつ磁性体粒子を含有する磁気記録層を有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0012】
ローラ構造を複数の水洗及び又は安定処理槽に適用してランニング処理を行い、諸写真性能及び磁気記録の出力を評価した。
水洗及び又は安定の合計時間が70秒、あるいは、水洗及び又は安定の合計補充量が900mL/m2 の場合、ローラの周囲のシール構造を有する処理槽を用いると諸写真性能及び磁気記録の出力は良好であった。しかし、水洗及び又は安定の合計時間が60秒以下、あるいは、水洗及び又は安定の合計補充量が800mL/m2 以下の場合、ランニング処理により、イエローの最小濃度が上昇し、磁気記録の出力が低下してしまうことが判明した。特開昭61−258245号に記載の浮遊体(浮き玉)を用いても、改善させることはできなかった。
特開平1−310351号に、処理槽内の処理液液面を浮上する流体による流体層で被覆し、処理液の蒸発、液温低下、空気酸化を防止する技術が開示されている。しかし、上記公報では、水洗及び又は安定工程の超迅速処理あるいは超低補充処理が及ぼす写真性、磁気記録の出力への影響に関する認識を見出すことはできない。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に好ましく用いられるローラのシール構造は、処理槽の仕切り板の開口周縁からローラの周面の上部及び下部へ向けて突設されてローラの軸線方向に沿って接触してローラの周面と仕切り板の間を閉塞して処理液の流れを防止する第一の遮蔽手段と、前記ローラの端面とそれぞれの端面に対向する側板の間に設けられ、側板とローラ端面との間を閉塞してローラと前記第一の遮蔽手段によって区画された前記開口側とこの開口と反対側の間の処理液の流れを防止する第2の遮蔽手段と、によってローラの周囲をシールすることを特徴とする。
【0014】
本発明に好ましく用いられる感光材料処理装置は、感光材料の搬送方向に沿って隣接して設けられた複数の処理槽のそれぞれに貯留している処理液中に感光材料を浸漬して処理する感光材料処理装置であって、少なくとも、一カ所がローラ対によって感光材料が搬送されており、互いに隣接する前記処理槽の間を仕切ると共に前記感光材料が通過可能な開口が設けられた間仕切りと、前記間仕切りの開口近傍から突設された一対の側板と、前記一対の側板に掛け渡され前記開口を通過する感光材料と接触することにより感光材料に搬送力を付与可能なローラと、前記ローラの軸線方向のローラ周面の上面及び下面と前記間仕切りの開口周縁との間を閉塞して処理液の流れを防止する第1の遮蔽手段と、前記ローラの端面と前記一対の側板のそれぞれの間に設けられ側板とローラ端面との間を閉塞して処理液の流れを防止する第2の遮蔽手段と、を有することを特徴とする。感光材料を搬送するために、処理槽の少なくとも一カ所にローラ対を有しており、前記処理槽の間を仕切る開口部に設けられるローラは、一つのローラでも一対のローラであってもよい。
【0015】
本発明の好ましい感光材料処理装置の例としては、前記第2の遮蔽手段が、前記側板と前記ローラの端面の間に介在された非吸水性の弾性部材、前記側板の表面ないし前記ローラの端面の間に設けられた低摩擦力の滑り部材、又は前記側板と前記ローラの端面との間に設けられた撥水性を有するゲル状のシール部材であることを特徴とする。前記第1の遮蔽手段としては、ブロックと共にブレードが配設されてなることが好ましい。
【0016】
本発明のローラの周囲のシール構造では、ローラの周面に当接する第1の遮蔽手段のみでなく、側板とローラの端面との間にだいに遮蔽手段を設けている。これによって、回転するローラの周囲を緊密にシールすることができる。
例えば、間仕切りに設けた開口にローラを配置し、ローラの周囲と間仕切りの開口周縁の間を第1及び第2の遮蔽手段でシールすることにより、開口を通過する流体の流れを確実に防止することができる。
【0017】
本発明に用いられる感光材料処理装置は、互いに隣接する処理槽の間の間仕切りに設けた開口の周縁をローラが掛け渡された一対の側板と、ローラの周面に当接する第1の遮蔽部材によって囲っている。また、このローラの端面と側板の間に、第2の遮蔽手段を設けている。また、ローラの周面近傍に生じる隙間を遮蔽する種々の構造に加えて、このローラの周面近傍に生じている隙間だけでなく、ローラの端面とローラを支持している側板の間に生じている隙間をも遮蔽し、回転するローラの周囲を確実にシールしている。これによって、互いに隣接する処理槽内の処理液が混じり合うことがなく、効率的に感光材料の処理を行うことができる。また、互いに隣接する処理槽内の処理液を仕切っている部分にローラを配置しているため、感光材料を正確に搬送することができる。
【0018】
本発明に好ましく用いられる感光材料処理装置では、側板とローラの端面との間に弾性体を介在させて、この隙間を緊密に埋めている。この弾性体としては、処理液を吸い込むことのない非吸水性のものが好ましい。また、弾性部材は、側板、ローラの端面の何れに設けてもよく、ローラを側板に取り付けたときに、弾性変形して、ローラの回転を妨げることなく、ローラの端面と側板の間を緊密に遮蔽できるものであればよい。
【0019】
本発明に好ましく用いられる感光材料処理装置では、ローラの端面と側板の間に配置した滑り部材によってローラの端面と側板の間を遮蔽している。ローラの端面に滑る部材を接触させることにより、ローラに不必要な負荷を加えることなく、ローラを円滑に回転させることができる。なお、この場合、側板とローラの端面をそれぞれ摩擦抵抗の低い部材を用い、側板にローラの端面を直接接触させるようにしてもよい。
【0020】
本発明に好ましく用いられる感光材料処理装置では、側板とローラの端面との間にゲル状のシール部材を設けている。ゲル状のシール部材を用いることにより、側板とローラの端面を緊密にシールすることができ、処理液が混じり合うのを確実に防止できる。なお、このシール部材としては、ゲル状の部材をローラの端面と接触したときの摩擦抵抗の低い部材によって包み込んで形成したものでもよい。
【0021】
前記カラー現像処理液あるいは補充液に浮上する流体について説明する。
カラー現像液の比重は、通常1.030〜1.100の範囲であり、浮上するためには、カラー現像液の比重よりも低いことが必要である。浮上する流体の比重は、好ましくは、1.030以下であり、より好ましくは1.000以下、特に0.950以下が好ましい。浮上する流体を用いるのは、処理液、補充液に単独でもよいし、併用でも良い。前記浮上する流体は、流体層を形成する必要があり、処理液や補充液と相溶、混和しない必要がある。流体の含水率が、10重量%以下が好ましく、より好ましくは1重量%以下、特に0.2重量%以下が好ましい。前記浮上する流体は、蒸発しないことが好ましい。流体の沸点は100℃以上であることが好ましく、より好ましくは150℃以上、特に200℃以上であることが特に好ましい。
【0022】
前記浮上する流体は、カラー現像液あるいは補充液と反応して、感光材料の処理性に悪影響を及ぼすことがなく、かつ、比較的誘電率が低いもの(比誘電率2〜20程度)であるのが好ましい。
浮上する流体の具体例としては、パラフィン、シクロパラフィンなどの液状飽和炭化水素、リン酸エステル、フタル酸エステル、安息香酸エステル、置換安息香酸エステル、乳酸エステル、脂肪酸エステル、ベンジルアルコールエステル、炭酸エステル、などの各種合成オイル、エーテル系、活性メチレン系、アルコール系化合物等を挙げることができる。
【0023】
以下に具体的化合物を挙げるがこれらに限定されるものではない。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】
上記化合物の中でも、(1) 〜 (8)の化合物が好ましく、特に(1) 流動パラフィンが沸点が高く、含水率が低く、補充液との相溶、混和がなく、更に、補充液成分との反応及び補充液中の油溶成分の溶解性がなく、酸素吸収性、炭酸ガス吸収性が少なく、非常に好ましい。
前記流体層の厚さは、0.1〜20mm程度とするのが好ましい。また、特開昭61−258245号に開示されている浮遊体と併用することも好ましい。
【0027】
本発明に好ましく用いられる感光材料は、支持体上に少なくとも1層の感光性層が設けられていればよい。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料である。該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045に記載されているように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ましい。また、特開昭57−112751 、同62− 200350、同62−206541 、62−206543 に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。
具体例として支持体から最も遠い側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができる。
また特公昭 55−34932 公報に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもできる。また特開昭56−25738、同62−63936に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することもできる。
また特公昭49−15495に記載されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭59−202464 に記載されているように、同一感色性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。
その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。 また、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
色再現性を改良するために、US 4,663,271、同 4,705,744、同 4,707,436、特開昭62−160448 、同63− 89850 の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接して配置することが好ましい。
【0028】
本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。
【0029】
本発明のカラー写真感光材料に用いることができる技術および無機・有機素材については、欧州特許第436,938A2号の下記の箇所及び下記に引用の特許に記載されている。
1.層構成: 第146頁34行目〜第147頁25行目
2.ハロゲン化銀乳剤: 第147頁26行目〜第148頁12行目
3.イエローカプラー: 第137頁35行目〜第146頁33行目、第149頁21行目〜23行目
4.マゼンタカプラー: 第149頁24行目〜第28行目;
欧州特許第421,453A1号の第3頁5行目〜第25頁55行目
5.シアンカプラー: 第149頁29行目〜33行目;
欧州特許第432,804A2号の第3頁28行目〜第40頁2行目
6.ポリマーカプラー: 第149頁34行目〜38行目;
欧州特許第435,334A2号の第113頁39行目〜第123頁37行目
7.カラードカプラー: 第53頁42行目〜第137頁34行目、第149頁39行目〜45行目
8.その他の機能性カプラー: 第7頁1行目〜第53頁41行目、第149頁46行目〜第150頁3行目;
欧州特許第435,334A2号の第3頁1行目〜第29頁50行目
9.防腐・防黴剤: 第150頁25行目〜28行目
10.ホルマリンスカベンジャー: 第149頁15行目〜17行目
11.その他の添加剤: 第153頁38行目〜47行目;
欧州特許第421,453A1号の第75頁21行目〜第84頁56行目、第27頁40行目〜第37頁40行目
12.分散方法: 第150頁4行目〜24行目
13.支持体: 第150頁32行目〜34行目
14.膜厚・膜物性: 第150頁35行目〜49行目
15.発色現像工程: 第150頁50行目〜第151頁47行目
16.脱銀工程: 第151頁48行目〜第152頁53行目
17.自動現像機: 第152頁54行目〜第153頁2行目
18.水洗・安定工程: 第153頁3行目〜37行目
【0030】
次に、本発明に使用されるカラー用処理液について説明する。
本発明に使用される発色現像液には、特開平4−121739の第9頁右上欄1行〜第11頁左下欄4行に記載の化合物を使用することができる。特に迅速な処理を行う場合の発色現像主薬としては、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アニリン、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)アニリン、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−[β−(メタンスルホンアミド)エチル]アニリンが好ましい。
これらの発色現像主薬は発色現像液1リットルあたり0.01〜0.08モルの範囲で使用することが好ましく、特には 0.015〜0.06モル、更には0.02〜0.05モルの範囲で使用することが好ましい。また発色現像液の補充液には、この濃度の 1.1〜3倍の発色現像主薬を含有させておくことが好ましく、特に 1.3〜 2.5倍を含有させておくことが好ましい。
発色現像液には、発色現像主薬の酸化物のタ−ル化防止剤として亜硫酸塩が使用される。亜硫酸塩は1リットルあたり0.01〜0.05モルの範囲で使用するのが好ましく、特には0.02〜0.04モルの範囲が好ましい。補充液においては、これらの
1.1〜3倍の濃度で使用することが好ましい。
また、発色現像液のpHは 9.8〜 11.0 の範囲が好ましいが、特には10.0〜10.5が好ましく、また補充液においては、これらの値から 0.1〜 1.0の範囲で高い値に設定しておくことが好ましい。このようなpHを安定して維持するには、炭酸塩、リン酸塩、スルホサリチル酸塩、ホウ酸塩などの公知の緩衝剤が使用される。
【0031】
発色現像液の補充量は、感光材料1m2 あたり80〜1300ミリリットルが好ましいが、環境汚濁負荷の低減の観点から、より少ない方が好ましく、具体的には130 〜 600ミリリットル、更には130 〜 520ミリリットルが好ましい。
発色現像液中の臭化物イオン濃度は、通常、1リットルあたり0.01〜0.06モルであるが、感度を保持しつつカブリを抑制してディスクリミネーションを向上させ、かつ、粒状性を良化させる目的からは、1リットルあたり 0.015〜0.03モルに設定することが好ましい。臭化物イオン濃度をこのような範囲に設定する場合に、補充液には下記の式で算出した臭化物イオンを含有させればよい。ただし、Cが負になる時は、補充液には臭化物イオンを含有させないことが好ましい。
C=A−W/V
C:発色現像補充液中の臭化物イオン濃度(モル/リットル)
A:目標とする発色現像液中の臭化物イオン濃度(モル/リットル)
W:1m2 の感光材料を発色現像した場合に、感光材料から発色現像液に溶出する臭化物イオンの量(モル)
V:1m2 の感光材料に対する発色現像補充液の補充量(リットル)
また、補充量を低減した場合や、高い臭化物イオン濃度に設定した場合、感度を高める方法として、1−フェニル−3−ピラゾリドンや1−フェニル−2−メチル−2−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンに代表されるピラゾリドン類や3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールに代表されるチオエーテル化合物などの現像促進剤を使用することも好ましい。
【0032】
本発明における漂白能を有する処理液には、特開平4−125558の第4頁左下欄16行〜第7頁左下欄6行に記載された化合物や処理条件を適用することができる。漂白剤は酸化還元電位が 150mV以上のものが好ましいが、その具体例としては特開平5−72694 、同5−173312に記載のものが好ましく、特に1,3−ジアミノプロパン四酢酸、特開平5−173312号第7頁の具体例1の化合物の第二鉄錯塩が好ましい。
また、漂白剤の生分解性を向上させるには、特開平4−251845、同4−268552、EP588,289 、同 591,934、特開平6−208213に記載の化合物第二鉄錯塩を漂白剤として使用することが好ましい。これらの漂白剤の濃度は、漂白能を有する液1リットルあたり0.05〜 0.3モルが好ましく、特に環境への排出量を低減する目的から、 0.1モル〜0.15モルで設計することが好ましい。また、漂白能を有する液が漂白液の場合は、1リットルあたり 0.2モル〜1モルの臭化物を含有させることが好ましく、特に 0.3〜 0.8モルを含有させることが好ましい。
【0033】
漂白能を有する液の補充液には、基本的に以下の式で算出される各成分の濃度を含有させる。これにより、母液中の濃度を一定に維持することができる。
CR =CT ×(V1 +V2 )/V1 +CP
CR :補充液中の成分の濃度
CT :母液(処理タンク液)中の成分の濃度
CP :処理中に消費された成分の濃度
V1 :1m2 の感光材料に対する漂白能を有する補充液の補充量(ミリリットル)
V2 :1m2 の感光材料による前浴からの持ち込み量(ミリリットル)
その他、漂白液にはpH緩衝剤を含有させることが好ましく、特にコハク酸、マレイン酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸など、臭気の少ないジカルボン酸を含有させることが好ましい。また、特開昭53−95630、RDNo.17129、US 3,893,858に記載の公知の漂白促進剤を使用することも好ましい。
漂白液には、感光材料1m2 あたり50〜1000ミリリットルの漂白補充液を補充することが好ましく、特には80〜 500ミリリットル、さらには 100〜 300ミリリットルの補充をすることが好ましい。さらに漂白液にはエアレーションを行なうことが好ましい。
【0034】
定着能を有する処理液については、特開平4−125558の第7頁左下欄10行〜第8頁右下欄19行に記載の化合物や処理条件を適用することができる。
特に、定着速度と保恒性を向上させるために、特開平6−301169の一般式(I)と(II)で表される化合物を、単独あるいは併用して定着能を有する処理液に含有させることが好ましい。またp−トルエンスルフィン酸塩をはじめ、特開平1−224762に記載のスルフィン酸を使用することも、保恒性の向上の上で好ましい。漂白能を有する液や定着能を有する液には、脱銀性の向上の観点からカチオンとしてアンモニウムを用いることが好ましいが、環境汚染低減の目的からは、アンモニウムを減少或いはゼロにする方が好ましい。
漂白、漂白定着、定着工程においては、特開平1−309059に記載のジェット攪拌を行なうことが特に好ましい。
【0035】
漂白定着また定着工程における補充液の補充量は、感光材料1m2 あたり 100〜1000ミリリットルであり、好ましくは 150〜 700ミリリットル、特に好ましくは 200〜 600ミリリットルである。
漂白定着や定着工程には、各種の銀回収装置をインラインやオフラインで設置して銀を回収することが好ましい。インラインで設置することにより、液中の銀濃度を低減して処理できる結果、補充量を減少させることができる。また、オフラインで銀回収して残液を補充液として再利用することも好ましい。
漂白定着工程や定着工程は複数の処理タンクで構成することができ、各タンクはカスケード配管して多段向流方式にすることが好ましい。現像機の大きさとのバランスから、一般には2タンクカスケード構成が効率的であり、前段のタンクと後段のタンクにおける処理時間の比は、 0.5:1〜1:0.5 の範囲にすることが好ましく、特には 0.8:1〜1:0.8 の範囲が好ましい。
漂白定着液や定着液には、保恒性の向上の観点から金属錯体になっていない遊離のキレート剤を存在させることが好ましいが、これらのキレート剤としては、漂白液に関して記載した生分解性キレート剤を使用することが好ましい。
【0036】
水洗及び又は安定液の補充量は、感光材料1m2 あたり130〜800ミリリットルが好ましく、特には150〜700ミリリットル、さらには200〜600ミリリットルが、水洗または安定化機能の確保と環境保全のための廃液減少の両面から好ましい範囲である。このような補充量で行なう処理においては、バクテリアや黴の繁殖防止のために、チアベンダゾール、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3オン、5−クロロ−2−メチルイソチアゾリン−3−オンのような公知の防黴剤やゲンタマイシンのような抗生物質、イオン交換樹脂等によって脱イオン処理した水を用いることが好ましい。脱イオン水と防菌剤や抗生物質は、併用することがより効果的である。
【0037】
また、水洗及び又は安定液タンク内の液は、特開平3−46652 、同3−53246 、同−355542 、同3−121448、同3−126030に記載の逆浸透膜処理を行なって補充量を減少させることも好ましく、この場合の逆浸透膜は、低圧逆浸透膜であることが好ましい。
【0038】
水洗水及び又は安定液の補充量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の滞留時間の増加による、バクテリアの繁殖、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題の解決策として、特開昭62−288,838号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−8,542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0039】
本発明の水洗水や安定液の処理温度は15〜45℃、好ましくは20〜40℃である。また、水洗及び安定化工程の合計処理時間は15秒〜60秒、好ましくは15秒〜50秒である。特に後者の好ましい処理時間において、本発明の効果は有効に発揮できる。
【0040】
更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代り、直接安定液によって処理することもできる。このような安定化処理においては、特開昭57−8543 号、同58−14834号、同60−220345 号に記載の公知の方法はすべて用いることができる。
【0041】
また、安定液には色素画像を安定化させる化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズアルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これらの化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり0.001〜0.02モルであるが、上記塩濃度を越えない範囲で添加することができる。安定液中の遊離ホルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−313753号記載のアゾリルメチルアミン類が好ましい。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリアゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きアゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好ましい。本発明に置いては、こういった画像安定化剤を添加しない方が、低塩濃度に維持するためにも、好ましい態様である。
また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alなどの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,786,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィン酸化合物を必要に応じて添加することができる。
【0042】
水洗水及び/又は安定液には処理後の感光材料の乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活性剤を含有することができる。中でもノニオン性界面活性剤を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノールとしては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニルフェノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加モル数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効果の高いシリコン系界面活性剤を用いることも好ましい。
【0043】
水洗水及び/又は安定液中には、各種キレート剤を含有させることができる。好ましいキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′−トリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの有機ホスホン酸、あるいは、欧州特許345,172A1号に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物などをあげることができる。
【0044】
上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用することもできる。
自動現像機などを用いた処理において、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、蒸発による濃縮を補正するために、適当量の水または補正液ないし処理補充液を補充することが好ましい。水補充を行う具体的方法としては、特に制限はないが、中でも特開平1−254959号、同1−254960号公報記載の、漂白槽とは別のモニター水槽を設置し、モニター水槽内の水の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂白槽における水の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例して漂白槽に水を補充する方法や特開平3−248155号、同3−249644号、同3−249645号、同3−249646号公報記載の液レベルセンサーやオーバーフローセンサーを用いた蒸発補正方法が好ましい。各処理液の蒸発分を補正するための水は、水道水を用いてもよいが上記の水洗工程に好ましく使用される脱イオン処理した水、殺菌された水とするのがよい。
【0045】
また、感光材料に塗布された磁気記録層へのゴミの付着を軽減するには、特開平6−289559に記載の安定液が好ましく使用できる。
本発明における処理においては、発明協会公開技報、公技番号94−4992 に開示された処理液の蒸発補正を実施することが特に好ましい。特に第2頁の(式−1)に基づいて、現像機設置環境の温度及び湿度情報を用いて補正する方法が好ましい。蒸発補正に使用する水は、水洗の補充タンクから採取することが好ましく、その場合は水洗補充水として脱イオン水を用いることが好ましい。
【0046】
本発明に用いられる処理剤としては、上記公開技報の第3頁右欄15行から第4頁左欄32行に記載のものが好ましい。また、これに用いる現像機としては、第3頁右欄の第22行から28行に記載のフイルムプロセサーが好ましい。
本発明を実施するに好ましい処理剤、自動現像機、蒸発補正方式の具体例については、上記の公開技報の第5頁右欄11行から第7頁右欄最終行までに記載されている。
【0047】
写真用現像処理装置は、一般的に、現像槽、定着槽、水洗槽を有しており、カラー感光材料の場合には、基本的には発色現像槽、漂白槽、定着槽、水洗槽を有し、水洗槽の代りに安定槽を有してもよいし両者を有してもよい。また、漂白槽、定着槽は、漂白定着槽であってもよい。他に、中間水洗槽、第1現像槽などを有してもよい。更にこれらの補充液タンク、移液手段などを有している。
他に感光材料の搬送手段、乾燥手段等を有している。
【0048】
次に、本発明に用いられる磁気記録層について説明する。
本発明に用いられる磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上に塗設したものである。
本発明で用いられる磁性体粒子は、γFe2O3 などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co被着γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いずれでもよい。
比表面積では SBET で20m2/g 以上が好ましく、30m2/g 以上が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、好ましくは 3.0×104 〜 3.0×105A/mであり、特に 好ましくは4.0 ×104 〜2.5 ×105A/mである。強磁性体粒子を、シリカおよび/ またはアルミナや有機素材による表面処理を施してもよい。さらに、磁性体粒子 は特開平6−161032に記載された如くその表面にシランカップリング剤又はチタン カップリング剤で処理されてもよい。又特開平4−259911、同5−81652 号に記載の 表面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0049】
次に磁性粒子に用いられるバインダーは、特開平4−219569に記載のの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用することができる。上記樹脂のTgは −40℃〜 300℃、重量平均分子量は 0.2万〜 100万である。例えばビニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルローストリプロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシアネート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリレンジイソシアナート3molとトリメチロールプロパン1molの反応生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮合により生成したポリイソシアネートなどがあげられ、例えば特開平6−59357 に記載されている。
【0050】
前述の磁性体を上記バインダ−中に分散する方法は、特開平6−35092 に記載されている方法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが好ましく併用も好ましい。特開平5−088283に記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録層の厚みは 0.1μm〜10μm、好ましくは 0.2μm〜 5μm、より好ましくは 0.3μm〜 3μmである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ましくは 0.5:100〜60:100からなり、より好ましくは1:100 〜30:100である。磁性体粒子の塗布量は 0.005〜 3g/m2 、好ましくは0.01〜 2g/m2 、さらに好ましくは0.02〜 0.5g/m2 である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.01〜0.5 0 が好ましく、0.03〜0.20がより好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記 録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面またはストライプ状に 設けることができる。磁気記録層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレ ード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トランスファーロール、 グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディップ、バー、エクストリュージョン 等が利用でき、特開平5−341436等に記載の塗布液が好ましい。
【0051】
磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持たせてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイアモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、その表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例えば保護層,潤滑剤層など)しても良い。この時使用するバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有する感材については、US 5,336,589、同 5,250,404、同 5,229,259、同 5,215,874、EP 466,130に記載されている。
【0052】
次に本発明に用いられるポリエステル支持体について記すが、後述する感材、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細については、公開技報、公技番号94−6023(発明協会;1994.3.15.)に記載されている。本発明に用いられるポリエステルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜 100モル%含むポリエステルである。中でも特に好ましいのはポリエチレン 2,6−ナフタレートである。平均分子量の範囲は約 5,000ないし 200,000である。本発明のポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに90℃以上が好ましい。
【0053】
次にポリエステル支持体は、巻き癖をつきにくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間は、0.1 時間以上1500時間以下、さらに好ましくは 0.5時間以上 200時間以下である。支持体の熱処理は、ロ−ル状で実施してもよく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えばSnO2や Sb2O5等の導電性無機微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端部にロ−レットを付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。
このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエステル用として市販されている染料または顔料を練り込むことにより目的を達成することが可能である。
【0054】
次に、本発明では支持体と感材構成層を接着させるために、表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
次に下塗法について述べると、単層でもよく2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げることができる。SiO2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤として含有させてもよい。
【0055】
また本発明においては、帯電防止剤が好ましく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カチオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げることができる。
帯電防止剤として最も好ましいものは、 ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2、MgO 、BaO 、MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率が107 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下である粒子サイズ 0.001〜1.0 μm結晶性の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,C など)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。感材への含有量としては、5 〜500mg/m2 が好ましく特に好ましくは10〜350mg/m2 である。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバインダーの量の比は1/300 〜100/1 が好ましく、より好ましくは 1/100〜100/5 である。
【0056】
本発明の感材には滑り性がある事が好ましい。滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いることが好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.25以下0.01以上である。この時の測定は直径 5mmのステンレス球に対し、 60cm 分で搬送した時の値を表す(25℃、60%RH)。この評価において相手材として感光層面に置き換えてももほぼ同レベルの値となる。
本発明に使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等を用いることができる。添加層としては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポリジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステルが好ましい。
【0057】
本発明の感材にはマット剤が有る事が好ましい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好ましくは両者を併用することである。例えばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸= 9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径としては 0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径の0.9 〜 1.1倍の間に全粒子数の90%以上が含有されることが好ましい。又 マット性を高めるために 0.8μm以下の微粒子を同時に添加することも好ましく例えばポリメチルメタクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸= 9/1(モル比)、 0.3μm))、ポリスチレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)が挙げられる。
【0058】
次に本発明で用いられるフィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパトローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよい。
好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本発明のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー等を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防止されたパトローネは特開平1−312537、同1−312538に記載されている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラスチックを使って製作される。パトローネのサイズは現在 135サイズのままでもよいし、カメラの小型化には、現在の 135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下とすることも有効である。パトローネのケースの容積は、30cm3 以下好ましくは 25cm3以下とすることが好ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用されるプラスチックの重量は5g〜15g が好ましい。
【0059】
更に本発明で用いられる、スプールを回転してフイルムを送り出すパトローネでもよい。またフイルム先端がパトローネ本体内に収納され、スプール軸をフイルム送り出し方向に回転させることによってフイルム先端をパトローネのポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらはUS 4,834,306、同 5,226,613に開示されている。本発明に用いられる写真フイルムは現像前のいわゆる生フイルムでもよいし、現像処理された写真フイルムでもよい。又、生フイルムと現像済みの写真フィルムが同じ新パトローネに収納されていてもよいし、異なるパトローネでもよい。
【0060】
本発明に用いられるカートリッジとしては、米国特許第4, 848, 893号、同5, 317, 355号、同5, 347, 334号、同5, 296, 886号、特開平 6−85128号の態様が好ましい。
本発明の感光材料を撮影するカメラとして好ましい態様を記す。簡易装填として特開平6−8886号、同6−99908号、自動巻き上げとして特開平6−57398号、同6−101135号、撮影途中取り出しとして特開平6−205690号、プリントアスペクト比選択記録機能として特開平5−293138号、同5−283382号、二重露光防止機能として特開平6−101194号、使用状態表示機能として特開平5−150577号の態様が好ましい。
本発明で用いられるラボ処理、機器として好ましい態様を記す。磁気記録利用関連としては特開平6−95265号、同4−123054号、米国特許5, 034, 838号、同5, 041, 933号、プリントアスペクト比選択可能機構として特開平5−19364号、プリントへの情報印字機能として特開平2−184835号、同4−186335号、同6−79968号、インデックスプリント機能として特開平5−11353号、同5−232594号、アタッチ、デタッチ機能として特開平6−148805号、スプライス機能として特開平5−119461号、カートリッジマガジン機能として特開平4−346346号、同5−19439号の態様が好ましい。
【0061】
【実施例】
以下に本発明の処理装置を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1には、本発明を適用した感光材料処理装置である自動現像装置10の水洗及び又は安定処理液処理部12が示されている。この自動現像装置10では、感光材料の一例として長尺のネガフィルム(以下「フィルム14」と言う)を処理液処理部12で処理した後に、処理液処理部12の下流側に設けている図示しない乾燥部によって乾燥処理して仕上げるようになっている。
【0062】
この自動現像装置10の水洗及び又は安定処理液処理部12には、水洗及び又は安定処理槽16が設けられている。この処理槽16には、間仕切りである複数の仕切り板18が設けられている。図1及び図2に示されるように、水洗及び又は安定処理槽16の内部には、側壁16A及び底板16Bからリブ20が突設されており、処理槽16は、リブ20によって処理槽16の内面に沿って形成された略矩形状の開口に仕切り板18Aが嵌め込まれて分割されている。このリブ20と仕切り板18との間には、シール部材22が介在されており、これによって、緊密にシールされている。
【0063】
このように仕切り板18によって分割された水洗及び又は安定処理槽16の各部には、フィルム14の搬送方向(矢印A方向)に沿って、水洗(安定)−1槽24、水洗(安定)−2槽26及び水洗(安定)−3槽28とされている。
処理液処理部12の水洗(安定)−1槽24、水洗(安定)−2槽26及び水洗(安定)−3槽28のそれぞれには、フィルム14の搬送用の搬送ラック30、32、34が設けられている。また、それぞれの仕切り板18には、フィルム14の通過用の矩形状の挿通口36が穿設されている。
【0064】
水洗(安定)−1槽24内の搬送ラック30には、一対のラック側板30Aの間に複数の搬送ローラ38が設けられ、水洗(安定)−1槽20の上方に配置された挿入ローラ40によって上方から送り込まれるフィルム14を仕切り板18の挿通口36へ向けて略L字状の屈曲させながら搬送するようになっている。
水洗(安定)−2槽26内の搬送ラック32には、一対のラック側板32Aの間に設けられた複数の搬送ローラ38によって、水洗(安定)−1槽側の仕切り板18の挿通口36から水洗(安定)−3槽側の仕切り板18の挿通口36の間を直線状にフィルム14を搬送する搬送路が構成されている。また、水洗(安定)−3槽28内の搬送ラック34には、一対のラック側板34Aの間に設けられた複数の搬送ローラ38によって、仕切り板18の挿通口36から斜め上方へ向けてフィルム14を搬送する搬送路が構成されている。
【0065】
このため、挿入ローラ40によって自動現像装置10に引き入れられたフィルム14は、各処理槽内の処理液中から引き出されることなく、搬送ローラ38に挟持されながら搬送され、それぞれの処理液に浸漬された後に水洗槽28から送り出されるようになっている。水洗槽28から送り出されたフィルム14は、図示しないスクイズローラ等によって表面の水分が除去されながら搬送されて乾燥部へ送られる。
一方、搬送ラック30、32、34のそれぞれには、ラック側板30A、32A、34Aにフィルム14の搬送路に沿ってガイド溝42が形成されている。図2に示されるように、このガイド溝42には、搬送ローラ38によって搬送されるフィルム14の幅方向の両端部の非画像部分に対向して設けられている。なお、図2には、水洗(安定)−2部26のフィルム搬送方向に沿った断面を示している。
【0066】
フィルム14は、幅方向の両端部がガイド溝42に入り込んだ状態で搬送されることにより、所定の搬送路に沿って案内されるようになっている。すなわち、自動現像装置10では、長尺のフィルム14のリーダレス搬送を行うようになっている。
なお、各搬送ローラ38は、それぞれラック側板30A、32A、34Aに軸受44を介して回転可能に支持されており、対向する搬送ローラ38の軸受44の間に介在される図示しないコイルバネ等によってフィルム14を挟持する挟持力が付与されている。また、搬送ローラ38には、ラック側板30A、32A、34Aに突出した回転軸38Aに設けられたギヤ46を介して図示しない同一の駆動源から駆動力が伝達されて回転駆動するようになっている。
【0067】
ところで、図1及び図2に示されるように、それぞれの仕切り板18には、フィルム14の搬送方向上流側に挿通口32に対向する仕切りラック50が設けられている。この仕切りラック50には、フィルム14を挟持して搬送するローラ対52が設けられており、このローラ対52は、上下のローラ54、56が挿通口36の幅方向の両側から突設された一対のラック側板58の間に掛け渡されている。それぞれのラック側板58には、所定の間隔で貫通孔58Aが穿設されており、この貫通孔58Aにローラ54、56の回転軸54A、56Aがそれぞれ挿入されて、軸受44を介して回転可能に支持されている。
【0068】
また、ローラ対52の一方のラック側板58から突出した回転軸54A、56Aには、ギヤ46が設けられており、前記した搬送ローラ38と同一の駆動源から伝達される駆動力によって一体回転し、フィルム14を挟持して送り出すようになっている。なお、ローラ54、56としては、硬度30°〜50°の比較的柔らかいゴムローラ等が好まし。これによって、フィルム14を挟持したときに、フィルム14の表面を傷めることがなく、また、フィルム14を挟持したときに、不必要な隙間が生じることがなく、上流側と下流側との間の機密性を高めることができる。
【0069】
図2及び図4に示されるように、ラック側板58には、互いに対向する面に補助側板60が設けられている。この補助側板60には、長軸方向が上下方向に向けられた長円状の凹部60Aが形成されると共に、この凹部60A内に、ラック側板58の貫通孔58Aより小径の貫通孔60Bが穿設されている。補助側板60は、貫通孔60Bがラック側板58の貫通孔58Aと同軸となるように配設されている。また、補助側板60の凹部60Aは、ローラ54、56の外形寸法より僅かに大きな径で貫通孔60Bと同軸的に形成した円状の凹部をつなぎ合わせた形状となっている。
【0070】
ローラ対52は、それぞれのローラ54、56の回転軸54A、56Aが補助側板60の貫通孔60Bからラック側板58の貫通孔58Aへ挿入されて取り付けられている。図2に示されるように、ラック側板58の貫通孔58Aの内部には、小径部58Bが形成されており、この小径部58B内に耐薬品性のシールリング62(図2参照)が配設されており、このシールリング62が回転軸54A、56Aと共に小径部58Bの周縁部分に緊密に当接している。ラック側板58の貫通孔58Aの内部では、このシールリング62によって処理液の流れが防止され、ラック側板58の外面近傍と補助側板60の内面近傍のそれぞれの処理液が、貫通孔58A、60Bを介して混じり合うことがないようになっている。
【0071】
一方、図1、図2及び図4に示されるように、補助側板60の凹部60Aには、第2の閉塞手段として弾性部材64が配設されている。この弾性部材64は、凹部60Aの形状に合わせた長円形状で、ローラ54、56の回転軸54A、56Aが挿入される貫通孔64Aが穿設されている。また、この弾性部材64の肉厚は、ローラ54、56をラック側板58の間に配置したときに、補助側板60の凹部60Aの底面とローラ54、56との端面の間隔と同じかこの間隔よりも僅かに大きくされており、補助側板60の間にローラ54、56を配置したときに、弾性変形して、補助側板60の凹部とローラ54、56の端面とに緊密に当接するようになっている。
【0072】
これによって、ローラ54、56の端面と補助側板58との間の隙間を緊密に閉塞して、ローラ54、56の端面と補助側板60の間を処理液が流れないようにしている。なお、この弾性部材64としては、独立気泡が形成された非吸水性のスポンジ状の樹脂、シリコンゴム等の非吸水性又は非親水性の部材を用いている。また、ローラ54、56の接触点に広い面積で対向させることが、処理液の流出を防止するのにより好ましい。
【0073】
このように配設されたローラ対52のフィルム搬送方向(矢印A方向)の上流側には、ローラ対52の間へフィルム14を案内するガイド溝66がそれぞれに形成された一対のガイドブロック68が配設されている。また、このローラ対52のフィルム搬送方向の下流側には、仕切り板18の挿通口36内から突設された一対のガイドブロック70が設けられている。このガイドブロック70には、ローラ対52に挟持されて挿通口36へ向けて送り出されるフィルム14の幅方向の両端部を案内するガイド溝72が形成されている。
【0074】
これらのガイド溝66、72は、前記したガイド溝42と同様に、フィルム14の幅方向の両端の非画像部分を収容して、フィルム14を所定の方向へ案内するようになっている。なお、ガイドブロック68、70は、それぞれガイド溝66、72の周囲がローラ対52の向けて突出し、ローラ対52の間へ確実にフィルム14を案内することができると共に、ローラ対52から送り出されたフィルム14の幅方向の両端部がガイド溝72に確実に収容されるようになっており、それぞれのガイドブロック68、70は、ガイド溝66、72の上方及び下方がローラ54、56の周面に沿って湾曲されて、ローラ対52の駆動と干渉しないようにされている。
【0075】
一方、図1及び図4に示されるように、一対のラック側板58の間には、上下に略三角形状のブロック74、76が対で配置されて掛け渡されている。これらのブロック74、76は、仕切り板18の挿通口36の上部及び下部から突設され、フィルム14の搬送幅方向の両端が、ラック側板58に設けられた補助側板60の内面に緊密に接合される。このため、挿通口36のフィルム搬送方向の上流側の周囲は、一対の側板58とブロック74、76によって緊密に囲われている。なお、ブロック74、76は、ローラ対52の上下のローラ54、56の周面へ向けて突設され、ローラ54、56の周面に沿って湾曲されている。
【0076】
これらのブロック74、76には、ブロック74、76と共に第1の閉塞手段を構成するブレード78が配設されている。このブレード78は、ブロック74、76の上面及び下面からローラ54、56の周面へ向けて突設され、先端部がローラ54、56の周面に当接されている。なお、ブレード78は、ローラ54、56の周面に軸線方向の両端の間で接触されている。
このため、ローラ54、56とブロック74、76の間の隙間を処理液が流れることがないようにしている。また、これらのブレード78は、耐薬品性の弾性体によって形成されており、ローラ54、56の回転を妨げることなく、ローラ54、56の周面に緊密に接触するようになっている。
【0077】
なお、各搬送ラック30、32、34及びガイドブロック68、70に形成されたガイド溝42、66、72は、フィルム14の搬送方向の上流側が拡幅及び拡径されて、ガイド溝42、66、72のつなぎ目部分でフィルム14に引っ掛かりが生じて、搬送不良を引き起こすことがないようにされている。
【0078】
次に本実施例の作用を説明する。
自動現像装置10では、挿入ローラ40によって装置内部に引き入れたフィルム14を水洗及び又は安定処理液処理部12へ送り込む。水洗及び又は安定処理液処理部12では、送り込まれたフィルム14を搬送ラック30によって水洗(安定)−1槽24内の発色現像液に浸漬しながら搬送した後、水洗(安定)−1槽24と水洗(安定)−2槽26の間の仕切り板18に配設された仕切りラック50へ案内する。仕切りラック50へ案内されたフィルム14は、ローラ対52によって挟持されて、空気中に引き出されることなく挿通口36から隣接する水洗(安定)−2槽26へ送り込まれる。
【0079】
水洗(安定)−2槽26では、このフィルム14を搬送ラック32によって搬送しながら水洗(安定)液に浸漬した後、下流側の水洗(安定)−3槽28との間の仕切り板18に設けられている仕切りラック50へ案内する。仕切りラック50では、このフィルム14を挿通口36から水洗槽28へ、空気中へ引き出すことなく送り込む。
水洗(安定)−3槽28へ送り込まれたフィルム14は、搬送ラック34によって水洗水中を搬送された後、空気中へ引き出され、水洗及び又は安定処理液処理部12から図示しない乾燥部へ送りこまれる。
【0080】
自動現像装置10では、このように水洗及び又は安定処理液処理部12内の各処理液中を、空気に接触させることなく搬送して、水洗及び又は安定の各処理液によって処理された後、乾燥処理されて仕上げられる。このため、例えば、フィルム14を下流画側の処理槽へ向けて送り出すときに、空気中に引き出すことによる実質的な非処理状態を生じさせていないので、効率良く短時間で処理が行われる。
【0081】
ところで、自動現像装置10では、水洗及び又は安定処理槽16を水洗(安定)−1槽24、水洗(安定)−2槽26及び水洗(安定)−3槽28に区画すると共に、上流側の処理槽から下流側の処理槽へ直接フィルム14を送り込む挿通口36が形成された仕切り板18に、挿通口36に対向させて仕切りラック50を設けている。この仕切りラック50は、一対のラック側板58、補助側板60及びブロック74、76によって挿通口36の周囲を緊密に囲っている。
【0082】
このように挿通口36の周囲を囲っているラック側板58とブロック74、76によって囲った開口には、ローラ対52を配置しており、このローラ対52の上下のローラ54、56の周面には、ブロック74、76から突設されたブレード78が当接されている。このブレード78は、ローラ54、56のそれぞれの軸線に沿って緊密に当接しているため、ローラ対52の周面とブロック74、76の間を処理液が通過することがない。なお、ブレード78としては、ローラ54、56と接触したときに、互いの摩耗が少なく、かつ、ローラ54、56の周面に緊密に接触する形状及び材質のものが好ましい。
【0083】
また、ローラ対52が掛け渡されたラック側板58の補助側板60と各ローラ54、56の端面との間には、弾性部材64が配設されている。この弾性部材64は、各ローラ54、56の回転を妨げることなく、ローラ54、56の端面と補助側板60の間の隙間を埋め、この隙間を処理液が通過してしまうことがないようにしている。
すなわち、挿通口36の周囲を囲ったラック側板58とブロック74、76の間の開口部分に配置したローラ対52の周囲の隙間を、ブレード78と弾性部材64によって緊密に埋めているため、ローラ対52の上流側と下流側を緊密に塞ぐことができ、挿通口36を介して上流側の処理槽と下流側の処理槽が混じり合うのを確実に防止している。
【0084】
上流側の処理液と下流側の処理液が混じり合ってしまうと、それぞれの処理液の処理性能が低下し、フィルム14に仕上がり不良を生じさせてしまう。これを防止するためには、それぞれの処理液の補充量を多くする必要があり、また、処理液の入替え(母液の入替え)も頻繁に行う必要があり、装置のランニングコストを上昇させてしまう。
これに対して、本実施例では、互いに隣接する処理槽の間に形成された挿通口36に対向して前記した仕切りラック50を配置しているため、この挿通口36を通過して互いに隣接する処理槽内の処理液が混じり合うのを確実に防止している。このため、処理液が混じり合うのを予測して補充液の補充量を多くする必要もなければ、頻繁に処理液を入れ換える作業も不要となっている。
【0085】
このため、自動現像装置10では、効率の良いフィルム14の処理を可能とすると共に、各処理液及び補充液の量を多くする必要がなく、ランニングコストを上昇させることがない。また、補充液の補充及び処理液の入替えを少なくすることができるため、装置のメンテナンスが容易となる。
なお、本実施例は、本発明の一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。例えば、補助側板60を用いずにラック側板58とローラ54、56の端面を対向させて、この隙間を埋めるようにしてもよい。
【0086】
また、ローラの周囲をシールして処理液の流れを防止する方法としては、ローラの周面のみでなく、軸線方向の両端の端面に生じ易い隙間をもシールすればよい。
例えば、図5に示されるように、ローラ対52のそれぞれのローラ54、56の端面に、ローラ54、56の外形寸法より大きい円板状の弾性部材80を同軸的に装着し、このローラ対52を補助側板60の凹部60Aへ挿入すればよい。このとき、弾性部材80が、凹部60Aの内壁とローラ54、56の端面の間を緊密に閉塞して、凹部60Aとローラ54、56の端面との間で処理液が流れるのを防止することができる。
【0087】
この弾性部材としては、非吸水性のスポンジ状樹脂、ゴム等の種々の弾性体を用いることができる。
ローラの端面と側板との間の隙間を埋める方法としては、ローラの外形寸法を側板に設けた穴より僅かに大きくしてローラの外周部近傍の端面と側板の穴の周縁部を当接させてシールする方法がある(例えば米国特許第5,313,242 号等)。このようにシールする場合、ローラの外周部を二重構造にして、外周部には滑り易い材質にした特殊なローラを用いる必要があると共に、ローラの外形寸法がシール性に影響を及ぼすため極めて精度の高い高価なローラを必要とする。しかも、上下のローラの間に隙間が生じると、この隙間からシール性が損なわれるため、ローラ対の間に厚みのある材料が挿入されたときには、シール性が損なわれるか、この材料の搬送が困難となる。
【0088】
これに対して、補助側板60とローラ54、56の端面との間に弾性部材80を配置してシールしており、この弾性部材80は、ローラ54、56の外径寸法より大きくして、ローラ54、56の接触点では、この弾性部材80が互いに押圧しあって接触面積を広げている。このため、フィルム14を挿入したときに、ローラ54、56の間に隙間が生じても、ローラ54、56の端面側でのシール性が損なわれることがない。すなわち、本実施例では、ローラ54、56によってフィルム14を確実に挟持して送り出すことができる。
【0089】
また、前記したシール方法では、側板に設ける穴をローラの外周面に沿わせて略8の字状に精度良く形成する必要があるのに対して、本実施例では、補助側板60に設けた凹部60Aは、正確にローラ54、56の周面に沿わせて形成する必要がなく、例えば、略矩形状に形成して、この凹部60Aの上端から下端の間を弾性部材80で仕切ることができればよい。
【0090】
この弾性部材80は、非吸水性であることにより押圧されて収縮したときでも処理液を吸い込んでしまうことがない。このため、対で配置された弾性部材80が互いに押圧しあって潰れていた部分が、次に押圧力が解除されて膨らんでも処理液を吸い込んでしまうことがなく、これによって、弾性部材80が伸縮を繰り返しても、上流側の処理液と下流側の処理液とが混じり合ってしまうことがない。なお、この弾性部材80としては、ローラ54、56よりも柔らかい(硬度が小さい)ことがより好ましい。
【0091】
また、図6に示されるように、補助側板60の凹部60Aにリブ82を形成するようにしてもよい。このリブ82には、回転軸54A、56Aが挿通される拡径部84及びローラ54、56の接触点近傍に広い範囲で対向する拡幅部86を形成している。また、リブ82の上端部及び下端部は、図示しないブレード78のローラ54、56の周面への接触位置となっている。
このように形成さたリブ82を用いることにより、ローラ54、56の端面と補助側板60の間をシールすることができる。
【0092】
このリブ82の材質としては、弾性部材78、80と同様に非吸水性のスポンジ、ゴム等を用いることができる。
また、リブ82としては、テフロン、高分子ポリエチレン等の摩擦係数の低い部材を用いてもよい。このとき、ローラ54、56の端面も摩擦係数の低い部材(例えばリブ82と同じ材質)を用い、リブ82が接触しているときの摩擦抵抗を低くするようにすればよい。また、必要に応じてリブ82の先端とローラ54、56の端面との間にシリコングリース等の潤滑用部材を介在させるようにしてもよい。
【0093】
これによって、補助側板60とローラ54、56の端面との間の隙間をシールすることができる。特に、グリース等の潤滑用部材を滑り部材として介在させることにより、リブ82の先端の接触面とローラ54、56の端面の間の隙間を緊密に埋めてシールすることができ好ましい。なお、ローラ54、56の端面と補助側板60(又はラック側板58)を直接接触させる場合には、リブ82等を設けずに補助側板60又はラック側板58の表面に直接ローラ54、56の端面を当接させるようにしてもよい。
さらに、図7に示されるように、補助側板60の貫通孔の周囲にシール部材88を配置してもよい。このシール部材88としては、ゲル状部材90を用い、必要に応じて、このゲル状部材90を袋状の滑り部材92に収容したものを用いることができる。
【0094】
補助側板60とローラ54、56の端面の間に配置されたシール部材88は、補助側板60とローラ54、56の端面との間で押され、その流動性によって補助側板60とローラ54、56の端面との間を緊密に埋めてシールする。このとき滑り部材92を用いることにより、ローラ54、56の回転が妨げられるのを防止することができる。なお、このシール部材88を用いたときにも、ローラ54、56の接触点に広い幅で対向させることにより、より確実にシールすることができる。
【0095】
また、本実施例では、仕切りラックにローラ54、56を対で配置して、フィルム14を挟持搬送する構成としているが、これに限らず、図8に示されるように、一つのローラ56によってフィルム14に搬送力を付与する構成の仕切りラック100であってもよい。
この仕切りラック100では、仕切り板18から突設させたラック側板58に設けた補助側板102にガイド溝66が形成されたガイドブロック104が設けられ、挿通口36からガイド溝72が形成されたガイドブロック106が突設されている。また、ローラ56の上方には、略L字状のブロック108が仕切り板18から突設されて、補助側板102の間に掛け渡されている。
【0096】
このブロック108のローラ56より上流側に突設された先端部には、ブレード110が設けられており、このブレード110が、ローラ56の上部周面に緊密に当接して、ローラ56の上部周面とブロック108の間を緊密にシールドしている。
このように構成された仕切りラック100では、ガイド溝66によって案内されて送り込まれたフィルム14をローラ56とブレード110の間からガイド溝72へ向けて送り出すようになっており、一方にブレード110を設けても、確実にフィルム14を搬送することができる。
【0097】
このように構成された仕切りラック100においても、ローラ56の端面と補助側板102の間に本発明を適用して緊密にシールすることができる。これによって、上流側の処理槽内の処理液と下流側の処理槽内の処理液が混じるのを確実に防止することができる。
【0098】
さらに、本発明は、感光材料に搬送力を付与するローラの周面に生じる隙間を無くする一般的な方法を適用した構成に適用することができる。これによって、ローラの周面のみでなく、ローラの軸線方向の端面近傍を処理液が流れることがないようにすることにより、感光材料を上流側の処理液中から下流側の処理液中へ空気中を通過させることなく直接感光材料を搬送する構成の感光材料処理装置において、上流側の処理液と下流側の処理液とが混じり合うのを確実に防止することができる。
【0099】
なお、本実施例1では、フィルム14をガイド溝42によって案内して搬送する自動現像装置10を用いて説明したが、本発明が適用される感光材料処理装置の構成は、これに限定するものではなく、例えば、長尺のネガフィルムに限らず、シート状のフィルムであってもよく、また、印画紙等の他の感光材料を処理する感光材料処理装置であってもよい。
【0100】
(実施例2)
本実施例で用いた感光材料は、下記の方法により作成した。
1)支持体
ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvinP.326(ガイギー社製)を2重量部と乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し140℃で3.3倍の縦延伸を行い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmのPENフイルムを得た。なおこのPENフィルムにはブルー染料,マゼンタ染料及びイエロー染料(前述の公技番号94−6023号記載のI−1、I−4、I−6、I−24,I−26、I−27、II−5)を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス巻き芯に巻付けて、110℃,48時間の熱履歴を与え巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0101】
2)下塗層の塗設
上記支持体は、その両面にコロナ放電処理,UV放電処理,さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼラチン0.1g/m2 ,ナトリウムα−スルホジ−2−エチルヘキシルサクシネート0.01g/m2 ,サリチル酸0.04g/m2 ,P−クロロフェノール0.2g/m2 ,(CH2 =CHSO2 CH2 CH2 NHCO)2 CH2 を0.012g/m2 、ポリアミド−エピクロルヒドリン重縮合物0.02g/m2 の下塗液を塗布して(10cc/m2 ,バーコーター使用)、下塗層を延伸時高温面側に設けた。乾燥は115℃,6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃となっている)。
3)バック層の塗設
下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を付与した。
【0102】
3−1)帯電防止層の塗設
平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の比抵抗は5Ω−cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒子径約0.08μm)を0.2g/m2 、ゼラチン0.05g/m2 (CH2 =CHSO2 CH2 CH2 NHCO)2 CH2 0.02g/m2 、ポリ(重合度10)オキシエチレンp−ノニルフェノー
ル0.005g/m2 及びレゾルシンと塗布した。
3−2)磁気記録層の塗設
3−ポリ(重合度15)オキシエチレンプロピルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で処理被覆されたコバルト− γ− 酸化鉄 (比表面積43m2/g,長軸0.14μm,単軸0.03μm,飽和磁化89emu/g,Fe+2/Fe +3=6/94,表面は酸化アルミ と酸化珪素で酸化鉄の2重量%で処理されている)0.06g/m2 をジアセチルセルロース1.2g/ m2 (酸化鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施した), 硬化剤としてC2 H5 C(CH2 OCONH−C6 H3 (CH3 )NCO)3 0.3g/ m2 を、溶媒としてアセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノンをもちいて、バーコーターで塗布し膜厚1.2μの磁気記録層の得た。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と3−ポリ(重合度15) オキシエチレンプロピルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で処理被覆された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれ ぞれ10mg/m2 となるように添加した。乾燥は115℃,6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃となっている)。X−ライト(ルーフィルター)での磁気記録層のDB の色濃度増加分は約0.1、また磁気記録層の飽和磁化モーメメントは4.2emu/g,保磁力923Oe,角形比65%であった。
【0103】
3−3)滑り層の調製
ジアセチルセルロース(25mg/m2 )、C6 H13CH(OH)C10H20COOC40H81 (化合物a,6mg/m2)/C50H101 O(CH2 CH2 O)16H(化合物b,9mg/m2 )混合物を塗布した。なお、化合物a/化合物b混合物は 、キシレン/プロピレンモノメチルエーテル(1/1)中で105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチルエーテル(10倍量)に注加分散して作製した後、アセトン中で分散物(平均粒径0.01μ)にしてから添加した。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と研磨剤の3−ポリ(重合度15) オキシエチレンプロピルオキシ トリメトキシシラン( 15 重量% )で被覆された酸化アルミ(0 .15μm)をそれぞれ15mg/m2 となるように添加した。乾燥は115℃,6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃となっている)。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重100g,スピード6cm/分)、静摩擦係数0.07(クリップ法)、また後述する乳剤面と滑り層の動摩擦係数も0.12と優れた特性であった。
4)感材層の塗設
次に、前記で得られたバック層の反対側に下記の組成の各層を同時重層塗布し、カラーネガティブ写真フィルムを作成した。
【0104】
感光層の作成
下記に示すような組成の各層を重層塗布し、カラーネガフィルムである各試料を作成した。
(乳剤Pの調製)
沃臭化銀乳剤の調製:
不活性ゼラチン30g、臭化カリウム6g、蒸留水1リットルを溶かした水溶液を75℃で攪拌しておき、ここへ硝酸銀5.0gを溶かした水溶液35cc及び臭化カリウム3.2g、沃化カリウム0.98gを溶かした水溶液35ccをそれぞれ70cc/分の流速で30秒間添加した後、pAgを10に上げて30分間熟成して、種乳剤を調製した。
【0105】
つづいて硝酸銀145gを溶かした水溶液1リットルのうちの所定量及び臭化カリウムと沃化カリウムの混合物の水溶液を、等モル量ずつ所定の温度、所定のpAgで臨界成長速度近くの添加速度で添加し平板コア乳剤を調製した。さらにひきつづいて、残りの硝酸銀水溶液及びコア乳剤調製のときとは異なった組成の臭化カリウムと沃化カリウムの混合物の水溶液を、等モル量ずつ臨界成長速度近くの添加速度で添加し、コアを被覆しコア/シェル型の沃臭化銀乳剤を調製した。
アスペクト比の調節はコア及びシェル調製時のpAgを適宜選択することにより行った。
この乳剤粒子1000個につき個々の粒子のアスペクト比を測定し、アスペクト比が2:1以上の粒子の投影面積比を求めたところ64%であった。また、アスペクト比が5:1以上の粒子の投影面積は48%であった。平均粒子径は1.63μm、平均粒子厚は0.36μm、平均ヨード含率は7.6モル%であった。また、これら乳剤粒子の80%以上に10本以上の転位線が存在することを透過型電子顕微鏡により確認した。
【0106】
続いて、上記乳剤に金−硫黄増感を施した。
乳剤を60℃に昇温し、増感色素ExS−6を以下の感光層組成の第14層に示す量で加え、60℃で20分間保持した後60℃にてpH6.3で、1−(4−カルボキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを1.0×10−5モル/モルAg、チオ硫酸ナトリウムを0.19×10−5モル/モルAg、塩化金酸を0.33×10−5モル/モルAg、およびチオシアン酸カリウム160×10−5モル/モルAgを添加して、金−硫黄増感を施した。金−硫黄増感は各々の乳剤で最適になるように行なった。ここで「金−硫黄増感を最適になるように行なう」とは、金−硫黄増感後、1/100秒露光した時の感度が最も高くなるような化学増感を言う。
【0107】
(多層カラー感光材料の作製)
下塗りを施した磁気記録層を有する90μmのポリ(エチレン−ナフタレン−2,6−ジカルボン酸)フィルム支持体上に、下記に示すような組成の各層よりなる多層カラー感光材料である試料を作製した。
(感光層の組成)
塗布量はハロゲン化銀およびコロイド銀については銀のg/m2 単位で表した量を、またカプラー、添加剤およびゼラチンについてはg/m2 単位で表した量を、また増感色素については同一層内のハロゲン化銀1モルあたりのモル数で示した。なお、添加物を示す記号は下記に示す意味を有する。ただし、複数の効用を有する場合はそのうち一つを代表して載せた。
UV;紫外線吸収剤、Solv;高沸点有機溶剤、ExF;染料、ExS;増感色素、ExC;シアンカプラー、ExM;マゼンタカプラー、ExY;イエローカプラー、Cpd;添加剤
【0108】
第1層(ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 0.15
ゼラチン 1.00
UV−1 3.0×10−2
UV−2 6.0×10−2
UV−3 7.0×10−2
ExF−1 1.0×10−2
ExF−2 4.0×10−2
ExF−3 5.0×10−3
ExM−3 0.11
Cpd−5 1.0×10−3
Solv−1 0.16
Solv−2 0.10
【0109】
第2層(低感度赤感乳剤層)
沃臭化銀乳剤A 塗布銀量 0.35
沃臭化銀乳剤B 塗布銀量 0.18
ゼラチン 0.77
ExS−1 2.4×10−4
ExS−2 1.4×10−4
ExS−5 2.3×10−4
ExS−7 4.1×10−6
ExC−1 9.0×10−2
ExC−2 5.0×10−3
ExC−3 4.0×10−2
ExC−5 8.0×10−2
ExC−6 2.0×10−2
ExC−9 2.5×10−2
Cpd−4 2.2×10−2
Cpd−7 1.3×10−3
【0110】
第3層(中感度赤感乳剤層)
沃臭化銀乳剤C 塗布銀量 0.55
ゼラチン 1.46
ExS−1 2.4×10−4
ExS−2 1.4×10−4
ExS−5 2.4×10−4
ExS−7 4.3×10−6
ExC−1 0.19
ExC−2 1.0×10−2
ExC−3 1.0×10−2
ExC−4 1.6×10−2
ExC−5 0.19
ExC−6 2.0×10−2
ExC−7 2.5×10−2
ExC−9 3.0×10−2
Cpd−4 1.5×10−3
Cpd−7 2.5×10−3
【0111】
第4層(高感度赤感乳剤層)
沃臭化銀乳剤D 塗布銀量 1.05
ゼラチン 1.38
ExS−1 2.0×10−4
ExS−2 1.1×10−4
ExS−5 1.9×10−4
ExS−7 1.4×10−5
ExC−1 2.0×10−2
ExC−3 2.0×10−2
ExC−4 9.0×10−2
ExC−5 5.0×10−2
ExC−8 1.0×10−2
ExC−9 1.0×10−2
Cpd−4 1.0×10−3
Cpd−7 1.0×10−3
Solv−1 0.70
Solv−2 0.15
【0112】
第5層(中間層)
ゼラチン 0.62
Cpd−1 0.13
ポリエチルアクリレートラテックス 8.0×10−2
Solv−1 8.0×10−2
【0113】
第6層(低感度緑感乳剤層)
沃臭化銀乳剤E 塗布銀量 0.10
沃臭化銀乳剤F 塗布銀量 0.28
ゼラチン 0.31
ExS−3 1.0×10−4
ExS−4 3.1×10−4
ExS−5 6.4×10−5
ExM−1 0.12
ExM−7 2.1×10−2
Solv−1 0.09
Solv−3 7.0×10−3
Solv−5 0.05
Solv−6 0.06
【0114】
第7層(中感度緑感乳剤層)
沃臭化銀乳剤G 塗布銀量 0.20
沃臭化銀乳剤H 塗布銀量 0.20
ゼラチン 0.54
ExS−3 2.7×10−4
ExS−4 8.2×10−4
ExS−5 1.7×10−4
ExM−1 0.27
ExM−7 7.2×10−2
ExY−1 5.4×10−2
Solv−1 0.23
Solv−3 1.8×10−2
Solv−5 0.10
Solv−6 0.20
【0115】
第8層(高感度緑感乳剤層)
乳剤P 塗布銀量 0.65
ゼラチン 0.61
ExS−4 4.3×10−4
ExS−5 8.6×10−5
ExS−8 2.8×10−5
ExM−2 5.5×10−3
ExM−3 1.0×10−2
ExM−5 1.0×10−2
ExM−6 3.0×10−2
ExY−1 1.0×10−2
ExC−1 4.0×10−3
ExC−4 2.5×10−3
Cpd−6 1.0×10−2
Solv−1 0.12
Solv−5 0.05
【0116】
第9層(中間層)
ゼラチン 0.56
UV−4 4.0×10−2
UV−5 3.0×10−2
Cpd−1 4.0×10−2
ポリエチルアクリレートラテックス 5.0×10−2
Solv−1 3.0×10−2
【0117】
第10層(赤感層に対する重層効果のドナー層)
沃臭化銀乳剤I 塗布銀量 0.40
沃臭化銀乳剤J 塗布銀量 0.20
沃臭化銀乳剤K 塗布銀量 0.39
ゼラチン 0.87
ExS−3 6.7×10−4
ExM−2 0.16
ExM−4 3.0×10−2
ExM−5 5.0×10−2
ExY−2 2.5×10−3
ExY−5 2.0×10−2
Solv−1 0.30
Solv−5 3.0×10−2
【0118】
第11層(イエローフィルター層)
黄色コロイド銀 9.0×10−2
ゼラチン 0.84
Cpd−1 5.0×10−2
Cpd−2 5.0×10−2
Cpd−5 2.0×10−3
Solv−1 0.13
H−1 0.25
【0119】
第12層(低感度青感乳剤層)
沃臭化銀乳剤L 塗布銀量 0.40
沃臭化銀乳剤M 塗布銀量 0.20
沃臭化銀乳剤N 塗布銀量 0.30
ゼラチン 1.75
ExS−6 9.0×10−4
ExY−4 8.5×10−2
ExY−2 5.5×10−3
ExY−3 6.0×10−2
ExY−5 1.00
ExC−1 5.0×10−2
ExC−2 8.0×10−2
Solv−1 0.54
【0120】
第13層(中間層)
ゼラチン 0.60
ExY−4 0.14
Solv−1 0.14
【0121】
第14層(高感度青感乳剤層)
乳剤P 塗布銀量 0.80
ゼラチン 0.95
ExS−6 4.0×10−4
ExY−2 1.0×10−2
ExY−3 2.0×10−2
ExY−5 0.18
ExC−1 1.0×10−2
Solv−1 9.0×10−2
【0122】
第15層(第1保護層)
微粒子沃臭化銀乳剤O 塗布銀量 0.12
ゼラチン 0.63
UV−4 0.11
UV−5 0.18
Cpd−3 0.10
Solv−4 2.0×10−2
ポリエチルアクリレートラテックス 9.0×10−2
【0123】
第16層(第2保護層)
微粒子沃臭化銀乳剤O 塗布銀量 0.36
ゼラチン 0.85
B−1 (直径 2.0μm) 8.0×10−2
B−2 (直径 2.0μm) 8.0×10−2
B−3 2.0×10−2
W−5 2.0×10−2
H−1 0.18
【0124】
こうして作製した試料には、上記の他に、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(ゼラチンに対して平均 200ppm )、n−ブチル−p−ヒドロキシベンゾエート(同約 1,000ppm )、および2−フェノキシエタノール(同約 10,000ppm)が添加された。更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、帯電防止性および塗布性をよくするためにW−1〜W−6、B−1〜B−6、F−1〜F−16および鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
【0125】
【表1】
【0126】
【化3】
【0127】
【化4】
【0128】
【化5】
【0129】
【化6】
【0130】
【化7】
【0131】
【化8】
【0132】
【化9】
【0133】
【化10】
【0134】
【化11】
【0135】
【化12】
【0136】
【化13】
【0137】
【化14】
【0138】
【化15】
【0139】
【化16】
【0140】
【化17】
【0141】
【化18】
【0142】
【化19】
【0143】
以上のように作成した試料を24mm幅、160cmに裁断し、さらに感光材料の長さ方向の片側幅方向から0.7mmの所に2mm四方のパーフォレーションを5.8mm間隔で2つ設ける。この2つのセットを32mm間隔で設けたものを作成し、米国特許第5,296,887号のFIG.1〜FIG.7に説明されているプラスチック製のフィルムカートリッジに収納した。
この試料に磁気記録層の塗布面側から、ヘッドギャップ5μm、ターン数50、パーマロイ材質のオーディオタイプ磁気記録ヘッドを用いて、送り速度100mm/秒で記録波長50μmのデジタル飽和記録を行なった。
【0144】
上記記載の試料を、色温度4800Kで5cmsのグレー露光を与え、下記処理工程と処理液でシネ式自動現像機により処理を行ったのち、再び元のプラスチック製のフィルムカートリッジに収納した。下記処理工程にて、1日当たり1m2 の感光材料を10日間ランニング処理を行った。
これら試料のISO感度は250〜200であった。
【0145】
以下、本実施例に用いた処理について説明する。
発色現像、漂白定着については、感光材料が処理槽間を空中で搬送するタイプのシネ式自動現像機(クロスオーバー時間はそれぞれ5秒)を用い、安定(1)〜(3)については、実施例1の自動現像機を用いた。安定(1)〜(3)の処理槽に本発明の浮上流体層を厚さ5mm浮かべた。比較実験として、特開昭61−258245 号記載の浮き玉使用した。
処理工程及び処理液組成を以下に示す。
【0146】
(処理工程)
処理工程 温度 時間 補充量 タンク容量
発色現像 45℃ 70秒 260mL/m2 2リットル
漂白定着 40℃ 90秒 260mL/m2 3リットル
安定(1) 40℃ 表B参照 − 1リットル
安定(2) 40℃ 表B参照 − 1リットル
安定(3) 40℃ 表B参照 表B参照 1リットル
乾 燥 75℃ 30秒 −
安定は(3)から(1)への3タンク向流方式とした。
安定工程時間は(1)〜(3)全て同一の時間であり、その合計時間を表Bに記載した。
【0147】
各処理液の組成は以下の通りである。
【0148】
【0149】
【0150】
上記方法で処理された感材に対し、下記に示す方法により、ランニング前後でのイエロー最小濃度変化、およびランニング後の磁気記録の出力を評価した。
【0151】
<イエローの最小濃度の測定>
感材の階調測定については、ランニング当初およびランニング後の特性曲線においてイエローの最小濃度変化を読み取り、濃度差(ΔDmin)を求めた。
【0152】
<磁気記録の出力の測定方法>
処理後の感材を、ヘッドギャップ2.5μm 、ターン数2000、パーマロイ材の磁気再生ヘッドを用いて孤立再生波の出力信号レベルを測定した。保存前の感材の平均出力レベルを100とし、これに対する保存後の感材の平均出力を%で表した。
磁気記録情報の出力は、85%以上が確保されていないと読み取りエラーが発生してしまう。
【0153】
結果を表B−1、表B−2に示す。
【0154】
【表2】
【0155】
【表3】
【0156】
表B−1より以下のことがわかる。浮き玉を用いた実験1〜5からは、水洗と安定の合計時間が70秒である実験1は写真性、磁気出力とも良好であるが、水洗と安定の合計時間が60秒以下になると写真性、特にイエローの最小濃度変化が著しく、磁気記録の出力も不可レベルである。一方、本発明の液体浮き蓋(例えば流動パラフィン、ドデカン、テトラデカン)を用いた実験6〜12は、水洗と安定の合計時間が60秒以下になっても写真性、磁気出力とも良好であることがわかる。
本発明のローラの周囲のシール構造水洗と液体浮き蓋の組合せに関して、安定の合計時間が15〜60秒が特に好ましい態様であることがわかる。
【0157】
表B−2より以下のことがわかる。浮き玉を用いた実験13〜19からは、水洗と安定の合計補充量が900mL/m2 である実験13は写真性、磁気出力とも良好であるが、水洗と安定の合計補充量が800mL/m2 以下になると写真性、特にイエローの最小濃度変化が著しく、磁気記録の出力も不可レベルである。一方、本発明の液体浮き蓋(例えば流動パラフィン、ドデカン、テトラデカン)を用いた実験20〜28は、水洗と安定の合計補充量が800mL/m2 以下になっても写真性、磁気出力とも良好であることがわかる。
本発明のローラの周囲のシール構造水洗と液体浮き蓋の組合せに関して、安定の合計補充量が130〜800mL/m2 が特に好ましい態様であることがわかる。
【0158】
(実施例3)
実施例2と同様の感光材料を用い、また、自現機については発色現像、漂白定着、安定(1)〜(3)とも、感光材料が処理槽間を空中で搬送するタイプのシネ式自動現像機(クロスオーバー時間はそれぞれ5秒)を用いた。安定(1)〜(3)の処理槽に厚さ5mmの本発明の浮上流体層、あるいは特開昭61−258245 号記載の浮き玉を浮かべた。
処理工程を以下に示した。処理液組成は実施例2と同様のものを用いた。
【0159】
(処理工程)
処理工程 温度 時間 補充量 タンク容量
発色現像 45℃ 70秒 260mL/m2 2リットル
漂白定着 40℃ 90秒 260mL/m2 3リットル
安定(1) 40℃ 表C参照 − 1リットル
安定(2) 40℃ 表C参照 − 1リットル
安定(3) 40℃ 表C参照 表C参照 1リットル
乾 燥 75℃ 30秒 −
安定は(3)から(1)への3タンク向流方式とした。
安定工程時間は(1)〜(3)全て同一の時間であり、その合計時間を表Cに記載した。
【0160】
【表4】
【0161】
実験1、2、3及び6、7、8は実施例2の結果を転記した。空中を搬送する方式の実験結果を実験29〜34に示した。実験1〜3と29〜31を比較すると実験29〜31はイエローの最小濃度変化が更に大きくなっていること、また、感材表面に細かなキズがつき使用に耐えないことが判明した。
また、空中搬送と流動パラフィンを使用した実験32〜34では、磁気記録の出力が極端に低下してしまうことが判明した。ローラ対と液体浮き蓋との組合せ(実験6〜8)が好ましいことがこの実験からも明らかになった。
【0162】
【発明の効果】
本発明のローラ対構造を有し、かつ、処理槽内の処理液の液面を浮上する流体による流体層で被覆した感光材料処理装置を用いることにより、ランニング処理において、良好な写真性能、磁気記録の出力が得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に適用した自動現像装置の処理液処理部の概略構成を示す概略断面図である。
【図2】処理液処理部内の一部のフィルム搬送方向に沿って切断した概略断面図である。
【図3】仕切りラックを示す概略斜視図である。
【図4】仕切りラックの概略構成を示す分解斜視図である。
【図5】第2の遮蔽手段の適用例を示すローラ対近傍の要部斜視図である。
【図6】第2の遮蔽手段の適用例を示すローラ対近傍の要部斜視図である。
【図7】第2の遮蔽手段の適用例を示すローラ対近傍の要部斜視図である。
【図8】本発明が適用可能な仕切りラックの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 自動現像装置(感光材料処理装置)
12 処理液処理部
14 フィルム(感光材料)
16 処理槽
18 仕切り板
24 水洗(安定)−1槽
26 水洗(安定)−2槽
28 水洗(安定)−3槽
36 挿通口
50 仕切りラック
52 ローラ対
58 ラック側板
64 弾性部材(第2の遮蔽手段)
74、76 ブロック(第1の遮蔽手段)
78 ブレード(第1の遮蔽手段)
Claims (6)
- 感光材料の搬送方向に沿って隣接して設けられた複数の処理槽のそれぞれに貯留している現像能を有する現像能を有する処理液、脱銀能を有する処理液、水洗及び/又は安定化処理液中に感光材料を浸漬して処理する感光材料処理装置を用いる処理方法において、
該処理装置が、隣接する処理槽の少なくとも1カ所がローラ対にて感光材料の通過を可能にした仕切り部を備えており、処理槽の間を仕切ると共に、前記感光材料が通過可能な開口が設けられた間仕切りと、前記間仕切りの開口近傍から突設された一対の側板と、前記一対の側板に掛け渡され前記開口を通過する感光材料と接触することにより感光材料に搬送力を付与可能なローラと、前記ローラの上面及び下面と前記間仕切りの開口周縁との間を閉塞して処理液の流れを防止する第1の遮蔽手段と、前記ローラの端面と前記一対の側板のそれぞれの間に設けられ、側板とローラ端面との間を閉塞して処理液の流れを防止する第2の遮蔽手段を有し、
かつ処理槽内の処理液がその液面を浮上する流体による流体層で被覆されていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。 - 前記第2の遮蔽手段が、前記側板と前記ローラの端面の間に介在された非吸水性の弾性部材、前記側板の表面ないし前記ローラの端面の間に設けられた低摩擦力の滑り部材、又は前記側板と前記ローラの端面との間に設けられた撥水性を有するゲル状のシール部材であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
- 前記第1の遮蔽手段が、ブロックと共にブレードが配設されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
- 前記の水洗及び/又は安定化処理液による処理の合計処理時間が15秒〜60秒であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
- 前記の水洗及び/又は安定化処理液の合計補充量が、感光材料1m2当たり130〜800mLであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
- 前記感光材料が、支持体にそれぞれ少なくとも1層の赤感層、緑感層及び青感層を有し、かつ磁性体粒子を含有する磁気記録層を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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