JPH09230567A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及びそのためのハロゲン化銀写真感光材料の自動現像処理装置 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及びそのためのハロゲン化銀写真感光材料の自動現像処理装置

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JPH09230567A
JPH09230567A JP5845796A JP5845796A JPH09230567A JP H09230567 A JPH09230567 A JP H09230567A JP 5845796 A JP5845796 A JP 5845796A JP 5845796 A JP5845796 A JP 5845796A JP H09230567 A JPH09230567 A JP H09230567A
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JP
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layer
processing
tank
magnetic recording
sensitive material
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Application number
JP5845796A
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English (en)
Inventor
Naoki Arai
直樹 新井
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録層付きハロゲン化写真感光材料を、
処理液が少なくて済む狭い処理槽中で搬送処理し、たと
え、当該感光材料が処理槽の内壁等に接触しても、傷が
付きにくい等、優れた磁気記録特性を維持することが可
能な感光材料の処理方法を提供する 【解決手段】 支持体を挟んで、感光層としての乳剤層
と、磁性体粒子を含有する磁気記録層とを有するハロゲ
ン化銀写真感光材料であって、少なくとも磁気記録層側
の最外層に、ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸と高
級アルコールのエステル、高級脂肪酸アミド、及び高級
脂肪酸金属塩の少なくとも1つの化合物を含有する感光
材料を、感光材料の進行面に直交するタンク厚みが2cm
以下の薄層処理槽で処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄層処理槽適性を
有するハロゲン化銀写真感光材料(以下、単に感光材料
と言うこともある)の処理方法及びハロゲン化銀写真感
光材料の自動現像処理装置に関するものである。本発明
は特に、処理槽中での接触によるスリキズや剥離に強
く、低容量薄層処理層処理適性を有するハロゲン化銀感
光材料の処理方法及びハロゲン化銀写真感光材料の自動
現像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀カラー写真感光材料
の撮影システムは、いわゆる”写ルンですSuper8
00”に代表されるレンズ付き高感度フイルムの普及に
より、極めて便利になり、いつでも手軽に高画質な写真
が楽しめるようになった。しかし、撮影システムの利便
性が向上したのに比べ、処理システムの迅速性、簡便性
はまだユーザーの要求を満足させるものに到っておら
ず、更なる処理の迅速化、超迅速化、低補充化、小型化
などが極めて重要な課題である。しかしながら、特に撮
影用高感度感光材料の処理のみでの発展性は限界にきて
おり、上記要求に適した感光材料及び処理方法の開発が
必須となっている。これらの要求を満たす一つの処理方
法として処理液タンク容量を減らせられる薄層処理槽方
式がある。しかしこの方法ではタンク容量を小さくする
ためにタンクの形状を細い管状にせざるを得ない。その
場合、感光材料の搬送時に感光材料の後部が振れるとき
処理槽壁と接触し感光材料に接触傷がついたり、感光材
料表面から剥離が起こりそれが蓄積し凝集すると処理済
感光材料表面に異物の付着を引き起こす。処理液量が少
ないと、この凝集物の濃度は高くなり処理後の感光材料
表面への付着量が増し表面の凹凸となる。特に、新写真
システムとして期待されている、支持体を挟んで、乳剤
層と磁気記録層とを有する感光材料の場合、磁気記録層
表面側の凹凸は磁気記録特性の劣化に繋がり、またその
凹凸が磁気ヘッドで削られ、それに付着すると磁気記録
特性の劣化になり問題となる。感光材料に処理液中での
耐剥離性やスリキズ耐性を持たせるには、一般に塗布バ
インダー量を上げるのが基本的手段として知られてい
る。しかし、単に塗布バインダー量を上げただけの塗布
膜では、乾燥負荷増などの弊害が大きくすぐには利用で
きない。これを直すには、ゼラチンの一部をポリマーラ
テックスに置き換える法がある。しかし、このような技
術を磁気記録層を有する感光材料に適用しても、薄層処
理槽で処理する場合、磁気記録に関係する上記欠点を克
服できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、磁気記録層付きハロゲン化写真感光材料を、処理液
が少なくて済む狭い処理槽中で搬送処理し、たとえ、当
該感光材料が処理槽の内壁等に接触しても、傷が付きに
くく、また、塗布成分の剥落が少なく、更に剥落物の感
光材料表面への付着を少なく出来、かくして、優れた磁
気記録特性を維持することが可能な感光材料の処理方法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の方
法によって達成された。すなわち、 (1) 支持体を挟んで、感光層としての乳剤層と、磁
性体粒子を含有する磁気記録層とを有するハロゲン化銀
写真感光材料であって、少なくとも磁気記録層側の最外
層に、ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸と高級アル
コールのエステル、高級脂肪酸アミド、及び高級脂肪酸
金属塩の少なくとも1つの化合物を含有する感光材料
を、感光材料の進行面に直交するタンク厚み(W)が2
cm以下の薄層処理槽で処理する処理方法。 (2) 該感光材料が、支持体の一方側にそれぞれ少な
くとも1層の赤感層、緑感層、青感層及び保護層を有
し、他方側に磁気記録層と最外層としての滑り層とを有
し、その滑り層に請求項1に記載の化合物の少なくとも
1つを含有することを特徴とする上記(1)に記載の処
理方法。 (3)ハロゲン化銀写真感光材料の処理をする薄層処理
槽と、その薄層処理層に搬入され得、支持体を挟んで、
感光層としての乳剤層と、磁性体粒子を含有する磁気記
録層とを有するハロゲン化銀写真感光材料であって、少
なくとも磁気記録層側の最外層に、ポリオルガノシロキ
サン、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル、高級脂
肪酸アミド、及び高級脂肪酸金属塩の少なくとも1つの
化合物を含有する感光材料とを有し、前記薄層処理槽
は、感光材料の進行面に直交するタンク厚みが2cm以下
である、ハロゲン化銀写真感光材料の自動現像処理装
置。
【0005】なお、本発明にいう処理槽は、特に現像処
理槽(例えば、発色現像槽)であり、他の処理工程の処
理槽も薄層処理槽となっていることは、自動現像処理装
置の低容量化のために好ましい。処理液量が少なく細い
管状のタンク形状のような、薄層処理槽を有する処理機
の場合には、処理液中での感光材料の滑り特性は、予想
外なことに磁気記録特性に特に有効であることがわかっ
た。即ち、上記本発明(1)によれば、処理液中での感
光材料の少なくとも磁気記録層側表面の滑り易さが、特
定の化合物の添加によって調節され、これにより、槽壁
と感光材料の磁気記録層側表面が接触するとき生ずる擦
れ等を軽減することができる。かくして、優れた磁気記
録特性を維持することが可能である。上記(2)の形態
では、特にその利点が効果的に発揮される。なお、実用
上、Wは、好ましくは、0.1〜2cm、より好ましく
は、0.3〜2cm、更に好ましくは0.5〜2cmであ
る。また、薄層処理槽は、低容積であること、即ち、5
0ミリリットル〜2リットルが好ましく、100ミリリ
ットル〜2リットルがより好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明に用いられる感光材料は、支持体を挟ん
で、感光層としての乳剤層と、磁性体粒子を含有する磁
気記録層とを有する。まず、感光材料の乳剤層側に関し
て説明する。乳剤層は、黒白フィルム用のものであって
もよいが、その典型的な例としては、支持体上に、実質
的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲ
ン化銀乳剤層から成る感光層を少なくとも1つ有するハ
ロゲン化銀写真感光材料である。該感光層は青色光、緑
色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光
層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
ては、一般に単位感光層の配列が、支持体側から順に赤
感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。し
かし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同
一感色性層中に異なる感光層が挟まれたような設置順を
もとり得る。上記のハロゲン化銀感光層の間および最上
層、最下層には非感光層を設けてもよい。これらには、
後述のカプラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれ
ていてもよい。各単位感光層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045に記載
されているように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層
を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列す
るのが好ましい。また、特開昭57-112751 号、同62- 20
0350号、同62-206541 号、62-206543 号に記載されてい
るように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に
近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。具体例として
支持体から最も遠い側から、低感度青感光層(BL)/高
感度青感光層(BH)/高感度緑感光層(GH)/低感度緑
感光層(GL) /高感度赤感光層(RH)/低感度赤感光層
(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、また
はBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができ
る。また特公昭 55-34932 号公報に記載されているよう
に、支持体から最も遠い側から青感光層/GH/RH/GL/
RLの順に配列することもできる。また特開昭56-25738
号、同62-63936号に記載されているように、支持体から
最も遠い側から青感光層/GL/RL/GH/RHの順に配列す
ることもできる。また特公昭49-15495号に記載されてい
るように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、
中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下
層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を
配置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光
度の異なる3層から構成される配列が挙げられる。この
ような感光度の異なる3層から構成される場合でも、特
開昭59-202464 号に記載されているように、同一感色性
層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高
感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。そ
の他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あ
るいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順
に配置されていてもよい。また、4層以上の場合にも、
上記の如く配列を変えてよい。色再現性を改良するため
に、US 4,663,271、同 4,705,744、同 4,707,436、特開
昭62-160448 、同63- 89850 の明細書に記載の、BL,GL,
RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のド
ナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接して配置す
ることが好ましい。更に、感光層上には、保護層を設け
ることが好ましい。この保護層は、当業界で利用しうる
任意の、配置、形態、材質を利用できる。通常、ゼラチ
ン等の親水性コロイド層からなり、必要により、マット
剤等が含有される。
【0007】上記感光層としての乳剤層に用いられる好
ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨウ化銀を含
む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀で
ある。特に好ましいのは約0.2モル%から約10モル%
までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀
である。
【0008】本発明に用いる感光材料に適用することが
できる技術および無機・有機素材については、欧州特許
出願公開第436,938A2号の下記の箇所及び下記
に引用の特許に記載されている。 1.層構成: 第146頁34行目〜第14
7頁25行目 2.ハロゲン化銀乳剤: 第147頁26行目〜第14
8頁12行目 3.イエローカプラー: 第137頁35行目〜第14
6頁33行目、第149頁21行目〜23行目 4.マゼンタカプラー: 第149頁24行目〜第28
行目;欧州特許出願公開第421,453A1号の第3
頁5行目〜第25頁55行目 5.シアンカプラー: 第149頁29行目〜33行
目;欧州特許出願公開第432,804A2号の第3頁
28行目〜第40頁2行目 6.ポリマーカプラー: 第149頁34行目〜38行
目;欧州特許出願公開第435,334A2号の第11
3頁39行目〜第123頁37行目 7.カラードカプラー: 第53頁42行目〜第137
頁34行目、第149頁39行目〜45行目 8.その他の機能性カプラー: 第7頁1行目〜第53
頁41行目、第149頁46行目〜第150頁3行目;
欧州特許出願公開第435,334A2号の第3頁1行
目〜第29頁50行目 9.防腐・防黴剤: 第150頁25行目〜28行
目 10.ホルマリンスカベンジャー: 第149頁15行目
〜17行目 11.その他の添加剤: 第153頁38行目〜47行
目;欧州特許出願公開第421,453A1号の第75
頁21行目〜第84頁56行目、第27頁40行目〜第
37頁40行目 12.分散方法: 第150頁4行目〜24行目 13.支持体: 第150頁32行目〜34行
目 14.膜厚・膜物性: 第150頁35行目〜49行
目 15.発色現像工程: 第150頁50行目〜第15
1頁47行目 16.脱銀工程: 第151頁48行目〜第15
2頁53行目 17.自動現像機: 第152頁54行目〜第15
3頁2行目 18.水洗・安定工程: 第153頁3行目〜37行目
【0009】次に、本発明に用いられる感光材料の磁気
記録層について説明する。磁気記録層は、支持体の、感
光層のある側とは反対側に設けられる。磁気記録層のあ
る側でも、各種の機能を発揮する様々な層が適宜設けら
れてよい。よって、磁気記録層は、最外層であってもな
くても良い。磁気記録層は、磁性体粒子をバインダー中
に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上に
塗設したものである。上記磁性体粒子は、γFe2O3 など
の強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイ
ト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性
金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェラ
イト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。
Co被着γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。
形状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等い
ずれでもよい。比表面積では SBET で20m2/g 以上が好
ましく、30m2/g 以上が特に好ましい。強磁性体の飽和
磁化(σs)は、好ましくは 3.0×104 〜 3.0×105A/mで
あり、特に好ましくは4.0 ×104 〜2.5 ×105A/mであ
る。強磁性体粒子を、シリカおよび/またはアルミナや
有機素材による表面処理を施してもよい。さらに、磁性
体粒子は特開平6-161032に記載された如くその表面にシ
ランカップリング剤又はチタンカップリング剤で処理さ
れてもよい。又特開平4-259911号、同5-81652 号に記載
の表面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用でき
る。
【0010】次に磁性粒子に用いられるバインダーは、
特開平4-219569号に記載のの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は
生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体,
糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用することが
できる。上記樹脂のTgは -40℃〜 300℃、重量平均分子
量は 0.2万〜 100万である。例えばビニル系共重合体、
セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、
セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセ
テートブチレート、セルローストリプロピオネートなど
のセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタ
ール樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特
にセルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バイン
ダーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系
の架橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシ
アネート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、などのイソシアネート類、これらのイソシアネ
ート類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリ
レンジイソシアナート3molとトリメチロールプロパン1m
olの反応生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮
合により生成したポリイソシアネートなどがあげられ、
例えば特開平6-59357 号に記載されている。
【0011】前述の磁性体粒子を上記バインダ−中に分
散する方法は、特開平6-35092 に記載されている方法の
ように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなど
が好ましく併用も好ましい。特開平5-088283に記載の分
散剤や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録
層の厚みは 0.1μm〜10μm、好ましくは 0.2μm〜5
μm、より好ましくは 0.3μm〜 3μmである。磁性体
粒子とバインダーの重量比は好ましくは 0.5:100〜60:1
00からなり、より好ましくは1:100 〜30:100である。磁
性体粒子の塗布量は 0.005〜 3g/m2 、好ましくは0.01
〜 2g/m2 、さらに好ましくは0.02〜 0.5g/m2 であ
る。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.01〜0.5 0 が
好ましく、0.03〜0.20がより好ましく、0.04〜0.15が特
に好ましい。磁気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布
又は印刷によって全面またはストライプ状に設けること
ができる。磁気記録層を塗布する方法としてはエアード
クター、ブレード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバ
ースロール、トランスファーロール、グラビヤ、キス、
キャスト、スプレイ、ディップ、バー、エクストリュー
ジョン等が利用でき、特開平5-341436号等に記載の塗布
液が好ましい。
【0012】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、前記したように、別の機能性層を設け
て、これらの機能を付与させてもよく、粒子の少なくと
も1種以上がモース硬度が5以上の非球形無機粒子の研
磨剤が好ましい。非球形無機粒子の組成としては、酸化
アルミニウム、酸化クロム、二酸化珪素、二酸化チタ
ン、シリコンカーバイト等の酸化物、炭化珪素、炭化チ
タン等の炭化物、ダイアモンド等の微粉末が好ましい。
これらの研磨剤は、その表面をシランカップリング剤又
はチタンカップリング剤で処理されてもよい。これらの
粒子は磁気記録層に添加してもよく、また磁気記録層上
にオーバーコート(例えば保護層,潤滑剤層など)して
も良い。この時使用するバインダーは前述のものが使用
でき、好ましくは磁気記録層のバインダーと同じものが
よい。磁気記録層を有する感光材料については、US 5,3
36,589、同 5,250,404、同 5,229,259、同 5,215,874、
EP 466,130に記載されている。
【0013】本発明に用いられる感光材料の支持体は、
その機能を発揮するかぎり、特別な制限はないが、ポリ
エステル支持体が好ましい。これについて記すが、後述
する感光材料、処理、カートリッジ及び実施例なども含
め詳細については、公開技報、公技番号94-6023(発明協
会;1994.3.15.)に記載されている。その支持体に用いら
れるポリエステルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必
須成分として形成され、芳香族ジカルボン酸として2,
6−、1,5−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジ
カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
ジオールとしてジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールが挙げられる。この重合ポリマー
としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフ
タレート等のホモポリマーを挙げることができる。特に
好ましいのは2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル
%〜 100モル%含むポリエステルである。中でも特に好
ましいのはポリエチレン 2,6−ナフタレートであ
る。平均分子量の範囲は約 5,000ないし 200,000であ
る。本発明のポリエステルのTgは50℃以上であり、さら
に90℃以上が好ましい。
【0014】ポリエステル支持体は、巻き癖をつきにく
くするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好まし
くはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理はこの
温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しながら
熱処理してもよい。この熱処理時間は、0.1 時間以上15
00時間以下、さらに好ましくは 0.5時間以上 200時間以
下である。支持体の熱処理は、ロ−ル状で実施してもよ
く、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。表面
に凹凸を付与し(例えばSnO2や Sb2O5等の導電性無機微
粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端部に
ロ−レットを付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部
の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望まし
い。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バッ
ク層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後の
どこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤
塗布後である。このポリエステルには紫外線吸収剤を練
り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、三菱
化学製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエステ
ル用として市販されている染料または顔料を練り込むこ
とにより目的を達成することが可能である。
【0015】本発明で利用する感光材料は、支持体と感
光層とを接着させるために、表面処理することが好まし
い。薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処
理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プ
ラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処
理、などの表面活性化処理が挙げられる。表面処理の中
でも好ましいのは、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ
処理、グロー処理である。次に下塗法について述べる
と、単層でもよく2層以上でもよい。下塗層用バインダ
ーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエ
ン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料とする共
重合体を始めとして、ポリエチレンイミン、エポキシ樹
脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチン
が挙げられる。支持体を膨潤させる化合物としてレゾル
シンとp−クロルフェノールがある。下塗層にはゼラチ
ン硬化剤としてはクロム塩(クロム明ばんなど)、アル
デヒド類(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒドな
ど)、イソシアネート類、活性ハロゲン化合物(2,4
−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、
エピクロルヒドリン樹脂、活性ビニルスルホン化合物な
どを挙げることができる。SiO2、TiO2、無機物微粒子又
はポリメチルメタクリレート共重合体微粒子(0.01〜10
μm)をマット剤として含有させてもよい。
【0016】また本発明に利用する感光材料には、帯電
防止剤が好ましく用いられる。それらの帯電防止剤とし
ては、カルボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含
む高分子、カチオン性高分子、イオン性界面活性剤化合
物を挙げることができる。帯電防止剤として最も好まし
いものは、 ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2
MgO 、BaO 、MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種
の体積抵抗率が107 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω
・cm以下である粒子サイズ 0.001〜1.0 μm結晶性の金
属酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,
C など)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物の微粒子である。感光材料への含有
量としては、5 〜500mg/m2 が好ましく特に好ましくは
10〜350mg/m2 である。導電性の結晶性酸化物又はその
複合酸化物とバインダーの量の比は1/300 〜100/1 が好
ましく、より好ましくは 1/100〜100/5 である。
【0017】本発明では、支持体の、磁気記録層側の最
外層(例えば、磁気記録層自身、滑り層)に、以下の化
合物を含有させることを必須とする。その化合物は、ポ
リオルガノシロキサン、高級脂肪酸と高級アルコールの
エステル、高級脂肪酸アミド、及び高級脂肪酸金属塩の
少なくとも1つの化合物である。これによって、感光材
料には空気中及び処理液中で滑り性が発揮される。特
に、処理液中での滑り性が発揮され、本発明の効果を達
成する上で重要である。好ましい滑り性としては空気中
での(最外層とステンレス球との)動摩擦係数で0.25以
下0.01以上である。この時の測定は直径 5mmのステンレ
ス球に対し、荷重100g、60cm分で搬送した時の値を表す
(25℃、60%RH)。この評価において相手材として感光
層面に置き換えてももほぼ同レベルの値となる。更に好
ましい動摩擦係数は、0.20以下0.03以上である。このよ
うな滑り性を発揮させる化合物が、特に好ましく利用で
きる。なお、上記滑り層とは、好ましい滑り性を発揮す
るために設けられるものであり、上記特定化合物自身か
らなってもよいし、他の材料、例えば、バインダーのヒ
ドロキシプロピルセルロースに上記特定化合物を含有さ
せてもよい。ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジ
メチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリスチ
リルメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン
等を用いることができる。特にポリジメチルシロキサン
や長鎖アルキル基を有するエステルが好ましい。上記の
「高級」とは、好ましくは、炭素数10以上、より好ま
しくは、12以上である。そして、好ましくは炭素数6
0以下、より好ましくは、50以下である。
【0018】それぞれの代表的化合物例を、以下に、場
合により商品名等も含めて示すが、それらに限定される
ものではない。 (A.ポリオルガノシロキサン) A−1.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
92) A−2.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
96−20cs) A−3.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
96−100cs) A−4.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
96−500cs) A−5.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
96−1000cs) A−6.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
96H−6000cs) A−7.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
96H−12500cs) A−8.ポリジメチルシロキサン−アルキレンオキシド
コポリマー (チッソ(株):PS07
4) A−9.ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン
(ビックケミー・ジャパン:BYK−310) A−10.水酸基含有ポリエステル変性ジメチルポリシ
ロキサン(ビックケミー・ジャパン:BYK−370)
【0019】(B.高級脂肪酸と高級アルコールのエス
テル) B−1.C18H37COOC16H33 B−2.C15H31COOC16H33 B−4.C17H35COOC40H81
【0020】なお、これら長鎖アルキル基を持つエステ
ルには分散剤としてC50H101O(CH2CH2O)16Hを併用した。 (C.高級脂肪酸アミド) C−1.C21H43CONHC4H9 C−2.C21H43CONHC2H5 C−3.C17H35CONHC4H9 C−4.C21H43CONH2
【0021】(D.高級脂肪酸金属塩) D−1.(C17H35COO)2Ca D−2. C21H43COOK 上記の特定化合物が単独若しく複数種で最外層における
塗布量は、利用する個々の化合物で異なるが、通常は、
0.2〜90mg/m2 であり、好ましくは0.4〜6
0mg/m2 である。なお、上記以外に滑り性を発揮す
る任意の化合物を併用してもよい。また、滑り性を発揮
する化合物は、支持体の感光層側にも設けることが好ま
しい。これによって、薄層処理槽で処理しても、感光層
も傷がつきにくくなり、より高品質な画像が得られやす
い。滑り性を発揮する化合物は、最外層以外の任意の層
に添加してもよいが、最外層に添加することが好まし
い。
【0022】本発明に利用する感光材料にはマット剤が
含まれることが好ましい。マット剤としては乳剤層側、
磁気記録層側どちらに含まれていてもよいが、乳剤層側
の最外層に添加するのが特に好ましい。マット剤は処理
液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好ましくは両者を
併用することである。例えばポリメチルメタクリレー
ト、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸= 9/1
又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。
粒径としては 0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も
狭いほうが好ましく、平均粒径の0.9 〜 1.1倍の間に全
粒子数の90%以上が含有されることが好ましい。又マッ
ト性を高めるために 0.8μm以下の微粒子を同時に添加
することも好ましく例えばポリメチルメタクリレート
(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル
酸= 9/1(モル比)、 0.3μm))、ポリスチレン粒子
(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)が挙げられ
る。
【0023】次に、本発明で用いられる感光材料を収納
するのに好適なフィルムパトローネについて記す。その
パトローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよ
い。好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどで
ある。パトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよ
くカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニ
オン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー
等を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防止さ
れたパトローネは特開平1-312537号、同1-312538号に記
載されている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下
が好ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を
付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込ん
だプラスチックを使って製作される。パトローネのサイ
ズは現在 135サイズのままでもよいし、カメラの小型化
には、現在の 135サイズの25mmのカートリッジの径を22
mm以下とすることも有効である。パトローネのケースの
容積は、30cm3 以下好ましくは 25cm3以下とすることが
好ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用さ
れるプラスチックの重量は5g〜15g が好ましい。
【0024】更に、スプールを回転してフイルムを送り
出すパトローネでもよい。またフイルム先端がパトロー
ネ本体内に収納され、スプール軸をフイルム送り出し方
向に回転させることによってフイルム先端をパトローネ
のポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらは
US 4,834,306、同 5,226,613に開示されている。本発明
に用いられる写真フイルムは現像前のいわゆる生フイル
ムでもよいし、現像処理された写真フイルムでもよい。
又、生フイルムと現像済みの写真フィルムが同じ新パト
ローネに収納されていてもよいし、異なるパトローネで
もよい。
【0025】本発明で用いられる感光材料を収納するカ
ートリッジとしては、米国特許第4, 848, 893
号、同5, 317, 355号、同5, 347, 334
号、同5, 296, 886号、特開平 6−85128
号の態様が好ましい。本発明で用いられる感光材料を撮
影するカメラとして好ましい態様を記す。簡易装填とし
て特開平6−8886号、同6−99908号、自動巻
き上げとして特開平6−57398号、同6−1011
35号、撮影途中取り出しとして特開平6−20569
0号、プリントアスペクト比選択記録機能として特開平
5−293138号、同5−283382号、二重露光
防止機能として特開平6−101194号、使用状態表
示機能として特開平5−150577号の態様が好まし
い。本発明で用いられるラボ処理、機器として好ましい
態様を記す。磁気記録利用関連としては特開平6−95
265号、同4−123054号、米国特許5, 03
4, 838号、同5, 041, 933号、プリントアス
ペクト比選択可能機構として特開平5−19364号、
プリントへの情報印字機能として特開平2−18483
5号、同4−186335号、同6−79968号、イ
ンデックスプリント機能として特開平5−11353
号、同5−232594号、アタッチ、デタッチ機能と
して特開平6−148805号、スプライス機能として
特開平5−119461号、カートリッジマガジン機能
として特開平4−346346号、同5−19439号
の態様が好ましい。
【0026】本発明では、Wが2cm以下である薄層処理
槽であるなら、当業界で利用しうる任意の形態のものが
利用できる。ただし、処理部のタンク容量をVmL、感
光材料の外処理部の入口から出口までのパス長をLcm
としたときに、V/L≦25の処理タンクを有する薄層
処理槽を利用するのが好ましい。このような薄層処理槽
を図に基づき説明する。図1に示すように、当該薄層処
理槽の一形態に係る感光材料処理装置装置10は、結晶
性樹脂によりU字状に形成される発色現像槽12に、同
じく結晶性樹脂によりU字状に形成される漂白定着槽1
4が連結材18Aを介して繋がり、さらに、それぞれ結
晶性樹脂によりU字状に形成されつつ一列に連結材18
C、18Dにより連結された3つの安定槽16が、漂白
定着槽14に連結材18Bを介して繋がった構造となっ
ている。そして、発色現像槽12内には発色現像液が貯
留され、漂白定着槽14内には漂白定着液が貯留され、
3つの安定槽16内には、それぞれ安定液が貯留されて
いる。従って、この感光材料処理装置10の発色現像槽
12の開放端側から撮影済のネガフィルムFが挿入され
ると、処理槽であるこれら発色現像槽12、漂白定着槽
14及び3つの安定槽16に順にネガフィルムFが漬け
られてカラ−ネガフィルムFの現像処理がされる。
【0027】また、最後の安定槽16の開放端側には乾
燥ファン22が配置されており、この乾燥ファン22に
安定槽16内から出てきたカラ−ネガフィルムFが挿入
されて乾燥されることになる。さらに、この感光材料処
理装置10には、各処理槽を全体的に覆うような図示し
ないカバーが取り付けられている。これら処理槽の内の
例えば発色現像槽12を図2に拡大して示し、発色現像
槽12の横断面を図3に表す。この図3に示すように、
発色現像槽12内の空間12Cは、発色現像槽12の内
壁面の一部であるガイド部12BによりネガフィルムF
が案内されつつ搬送されるように、このガイド部12B
によってスリット状に形成されている。つまり、発色現
像槽12内の空間12Cの幅方向の長さがネガフィルム
Fの幅寸法より若干大きくされ、この空間12Cの厚み
がネガフィルムFの厚みより若干厚くされたスリット状
に、この空間12Cがガイド部12Bにより形成されて
いる。この為、このガイド部12Bが、U字状のネガフ
ィルムFの搬送経路Tを構成することにもなる。また、
発色現像槽12の幅方向の中央部の壁部12Aには、図
3上、上下面とも窪みとなる凹部26が搬送経路Tに沿
って溝状に形成されており、ネガフィルムFの画像形成
部分には発色現像槽12の内壁面が接しないようにされ
ている。
【0028】以上より、発色現像槽12はスリット状の
タンクとされていて、この発色現像槽12のタンク容量
をVミリリットルとし、発色現像液にカラ−ネガフィル
ムFが接触し始める位置から現像液内よりネガフィルム
Fが排出される位置までの搬送距離であるパス長をLcm
としたときに、V/Lの値が25以下とされて現像液の
少量化が図られている。尚ここで、タンク容量には、循
環系の液量や現像液の温調のために用いられることがあ
るサブタンク等の容量は除外する。さらに、漂白定着槽
14及び安定槽16等の他の処理槽の内部にも同様にス
リット状の空間が形成されており、また、上記の連結材
18A、18B、18C、18Dも発色現像槽12と同
様に、内部にスリット状の通路を有したU字状に形成さ
れ、発色現像槽12、漂白定着槽14及び3つの安定槽
16と接合されるように、それぞれ逆U字状に配置され
る。
【0029】図2及び図4に示すように、発色現像槽1
2内には、U字状のネガフィルムFの搬送経路Tに沿っ
て所定の間隔で膨らんだ空間である膨出部28が5個所
配置されている。これらの膨出部28内には、両端部に
それぞれ駆動輪30Aを有した搬送手段である一対の搬
送ローラ30が相互に対向してそれぞれ回転可能に配置
されている。従って、一対の搬送ローラ30が回転され
ると、一対の搬送ローラ30の駆動輪30A間にネガフ
ィルムFのパーホレーション部分が挟持されつつ、ネガ
フィルムFが発色現像槽12内の搬送経路Tに沿って搬
送されることになる。そして、これら搬送ローラ30の
駆動輪30Aの内の一方には、周方向に沿って並ぶよう
に磁極が配置された円板状の磁石32が、取り付けられ
ている。これら一対の搬送ローラ30の磁石32と発色
現像槽12の壁部12Aを介して対向する発色現像槽1
2の外側の部分には、一対の伝達ローラ34が配置され
ている。この一対の伝達ローラ34の一端側である磁石
32と対向する側には、搬送ローラ30の駆動輪30A
と同様に周方向に沿って磁極が並ぶように配置された円
板状の磁石36がそれぞれ設置されており、一対の伝達
ローラ34の他端側には、相互に噛み合うギヤ38がそ
れぞれ取り付けられている。さらに、一方の伝達ローラ
34の他端側より突出した回転軸40の先端部にスプロ
ケット42が取り付けられている。また、漂白定着槽1
4及び安定槽16等の他の処理槽にも同様に一対の搬送
ローラ30を内蔵した膨出部28がそれぞれ複数形成さ
れており、これらの膨出部28にも、スプロケット42
を有した一対の伝達ローラ34がそれぞれ配置されてい
る。そして、感光材料処理装置10全体にわたって各ス
プロケット42にチェーン44が巻き掛けられており、
感光材料処理装置10に配置されたモータ46によりこ
のチェーン44が駆動回転されることになる。
【0030】以上より、チェーン44がモータ46によ
り回転されるのに伴って、スプロケット42を有した一
方の伝達ローラ34がそれぞれ回転され、これに合わせ
て、ギヤ38で噛み合っている他方の伝達ローラ34も
回転される。この結果、一対の伝達ローラ34の磁石3
6と現像槽12の壁部12Aを介して対向する搬送ロー
ラ30の磁石32が磁力の影響を受け、磁石32を有し
た一対の搬送ローラ30が一対の伝達ローラ34と共に
回転することになる。他方、図2に示すように、発色現
像槽12の最下部である中央部と、発色現像槽12の導
入及び排出側寄りの部分との間を繋ぐように、循環路で
ある配管52が配置されている。この配管52の途中に
は、発色現像槽12の中央部から現像槽12の導入側寄
りの部分及び発色現像槽12の排出側寄りの部分へ現像
液を送るためのポンプ54が、設置されている。さら
に、配管52のポンプ54の下流側の位置には、ポンプ
54により送られる現像液を所定の温度に加熱する鋳込
みヒータ56が設置されている。また、この配管52の
鋳込みヒータ56の下流側の位置で、発色現像槽12の
導入側寄りの部分及び現像槽12の排出側寄りの部分へ
繋がれるように、配管52が枝分かれしている。このポ
ンプ54の下流側の配管52の部分には、鋳込みヒータ
56内を配管52と同様に通過する補充路である配管5
8の一端側が接続されており、この配管58の他端側が
補充液を貯留した補充タンク60に接続されている。そ
して、この配管58の途中には、補充タンク60内の補
充液を配管52に送り込むためのポンプ62が配置され
ている。従って、鋳込みヒータ56はこのポンプ62に
より送られた補充液をも加熱することになる。ここで鋳
込みヒータ56は、特開平5−80479号公報及び特
開平5−204117号公報に示されているように、ヒ
ータ及び熱伝導性のよい配管パイプが温度センサととも
に熱伝導性のよい金属に鋳込まれて形成されたものであ
り、配管パイプ内を通る現像液及び補充液に迅速にかつ
効率よく熱が伝えられて現像槽12内の現像液の液温を
一定温度に維持することを可能とするものである。そし
て、この温度センサが、配管52、58内を流れる現像
液及び補充液の温度を検出するようになっていて、鋳込
みヒータ56の作動状態をこの温度センサによる現像液
及び補充液の検出温度に基づき調整可能となっている。
尚、循環系の配管52の長さを出来るだけ短くして、配
管52内に保有される現像液の液量を最小限にすること
により、液温を保つための現像液の循環量も必要最小限
として、攪拌による現像液の空気酸化を少なくすること
ができる。
【0031】一方、規定量の補充液が補充ポンプ62に
より補充タンク60から吸い出され、この補充液が補充
系の配管58を通って発色現像槽12に供給されるが、
補充液が鋳込みヒータ56内の図示しない配管パイプを
通る際に、発色現像槽12内の現像液の液温と同一液温
まで昇温される。尚、補充系の鋳込みヒータ56内の配
管パイプは、補充液がこの配管パイプを通る間に所定の
温度まで上昇するのに充分な長さの管路長を有する。補
充液を補充するタイミングは、新たに処理されるカラ−
ネガフィルムFが発色現像槽12に挿入される直前であ
り、この時に補充ポンプ62を作動して規定量の補充液
を補充し、さらに処理中に必要に応じて補充する。従っ
て、カラ−ネガフィルムFの処理時には、発色現像槽1
2内の現像液の品質が常時一定に維持される。そして、
補充液は、発色現像槽12内に循環された現像液と一緒
に、或いは独立に、カラ−ネガフィルムFが挿入される
発色現像槽12の上部に供給される。尚、補充液が供給
された量だけ発色現像槽12中の現像液は一時的に増加
するが、カラ−ネガフィルムFの処理に伴って発色現像
槽12から増加分は排出されることになる。但し、発色
現像槽12のカラ−ネガフィルムFの出口側に図示しな
いオーバフロー廃液口を設け、このオーバフロー廃液口
から増加分を排出して廃液タンク(図示せず)に貯留す
るようにしてもよい。また、補充液は、特開平4−12
8841号公報に記載されているような可撓性のある密
閉容器である補充タンク60に貯留されており、内部の
補充液が補充ポンプ62によって吸い出されていくにつ
れて補充タンク60は偏平になってゆく。従って、補充
タンク60内に空気が入り込んで補充液が酸化されるこ
とはなく、補充タンク60内の補充液は使い尽くされる
まで初期の品質を長期間に亘って維持する事が出来る。
【0032】本発明の方法に使用しうる好適な薄層処理
槽の他の一実施形態である感光材料処理装置を断面図を
参照して次に説明する。図5に示すように、その感光材
料処理装置510は処理液量を低減して簡易に処理する
ためにスリット状処理路512を設けている。ここで用
いられるスリット状処理路512とは、感光材料が通過
する処理タンク内の通路を感光材料の進行方向に対して
直角に切断した断面が、横幅(感光材料の幅方向)に対
して厚みの薄い所謂スリット型であることを意味する。
なお、このスリット型の形状は長方形であっても、長円
形であってもよい。ここで、この処理タンク中におい
て、感光材料の進行方向に対して直交するタンク断面の
厚みをWとしたとき、Wは、好ましくは、0.1〜2c
m、より好ましくは、0.3〜2cm、更に好ましくは
0.5〜2cmである。また、処理タンク中において、処
理タンク底部において処理路が形成する曲率をRとした
とき、10≦R≦70mmφであることが好ましく、さ
らに、20≦R≦50mmφであることが好ましい(こ
の好ましい条件は、図1ないし4で説明した装置を含
め、本発明の方法で利用できる各処理装置にとっても、
同様である)。
【0033】この処理路512のパス長は処理液の種類
や処理に要する時間(処理液中の浸漬時間)に合わせて
決定される。スリット状の処理路512は感光材料処理
装置の全ての処理槽に設けてもよく、一部の処理槽に設
け、他の処理槽は従来と同様の処理槽とすることもでき
る。この感光材料処理装置510においては、すべての
処理槽にスリット状の処理路512が設けてあり、処理
時間に応じたパス長を有する発色現像槽514、漂白槽
516が隣接して配置され、発色現像槽514にて現像
処理された感光材料は一対の搬送ローラ518により次
の処理タンクである漂白槽516に送り出される。さら
に、漂白槽516に隣接して、2つの定着槽520、水
洗槽522、2つの安定槽524がそれぞれ配置された
構造となっている。そして、発色現像槽514内には現
像液が貯留され、漂白槽516内には漂白液が貯留さ
れ、2つの定着槽520内にはそれぞれ定着液が貯留さ
れ、水洗槽522、2つの安定槽524内には、それぞ
れ水洗水が貯留されている。所望によっては、漂白槽5
16と定着槽520とで、一つの漂白・定着槽を構成し
ていてもよい。従って、この感光材料処理装置510の
現像槽514の開放端側から撮影済のネガフィルムFが
挿入されると、処理槽であるこれら発色現像槽514、
漂白槽516、2つの定着槽520、水洗槽522、2
つの安定槽524に順にネガフィルムFが漬けられてネ
ガフィルムFの現像処理がなされる。また、最後の安定
槽524の開放端側には乾燥ファン(図示せず)が配置
されており、この乾燥ファンに安定槽524内から出て
きたネガフィルムFが挿入されて乾燥されることにな
る。
【0034】以上より、発色現像槽514はスリット状
のタンクとされていて、この発色現像槽514のタンク
容量をVミリリットルとし、現像液にネガフィルムFが
接触し始める位置(処理タンク入口)から現像液内より
ネガフィルムFが排出される位置(処理タンク出口)ま
での距離であるパス長をLcmとしたときに、V/Lの値
が25以下とされて現像液の少量化が図られている。な
お、ここでいうタンク容量(V)には、循環系の液量や
現像液の温調のために用いられることがあるサブタンク
等の容量は除外する。さらに、定着槽520及び安定槽
524等の他の処理槽の内部も同様にスリット状の空間
が形成されており、発色現像槽514、漂白槽516、
2つの定着槽520、水洗槽522、及び2つの安定槽
524が接合してそれぞれ配置される。なお、上記で
は、カラ−写真感光材料の処理槽に関して説明したが、
勿論、黒白写真感光材料を処理する場合には、それ用に
設計すればよい。その設計は、上記又は下記の説明や公
知技術から、当業者ならば容易である。
【0035】また、本発明の方法における感光材料の搬
送速度は毎分0.1m〜5mであることが好ましく、毎
分0.2m〜3mであることがより好ましく、毎分0.
3m1.5mであることが特に好ましい。
【0036】図1〜5に例示した処理装置を含めて、本
発明に利用できる任意の処理装置は、以下で例示的に説
明する各技術を所望に応じて適宜利用できる。本発明に
利用する処理機は、各種搬送方式を用いることができ
る。搬送機構には、(1)ドラムの回転により狭い隙間
に満たされた液中に感光材料を挿入、搬送、送り出すい
わゆるドラム処理が知られているが、これらは写真工業
12月号(1974)p.45に記されている。この方
法では、ドラムの内壁又は外壁を利用して感光材料を現
像するが、小液量処理槽装置の作り易さから外壁型が好
ましい。さらには、(2)対向ローラー、千鳥ローラー
等により、ローラーのニップ力のより感光材料を搬送さ
せるローラー搬送型処理機が知られており、これらは写
真工業2月号(1975)p.71に記されている。こ
の方法は小さい装置の作り易さから本発明に好ましく使
用できる。また、特開平4−95953号記載のよう
に、感光材料が通過するような溝を設けて、搬送ルート
を制御する方法を加えて用いると尚、好ましい。この方
法では、一般に支持体が厚い感光材料の場合の搬送に適
性があり、薄い支持体の場合には対向ローラー型が好ま
しい。更に薄い支持体の場合には、対向ローラーの対を
たくさん設置するとか、厚い支持体(タブリーダーとも
言う)の後端に感光材料を接合させて処理するのが好ま
しい。場合にはよっては処理槽挿入部にフィード機構
(挿入機構)を設けても良い。
【0037】また(3)感光材料を処理する時に、予め
処理槽に前通ししてあるリーダーの後端に露光済み感光
材料を接合して、このレーダーを巻き取る等の駆動を掛
けて感光材料を処理する方法があるが、この方式は撮影
感光材料では一般にシネ式現像、プリント感光材料では
リーダートレーラー搬送現像と言われてており、これら
は写真工業3月号(1975)p.70や同4月号(1
975)p.40や同5月号(1975)p.36や同
6月号(1975)p.41に記されている。(図A参
照) これらの処理方式は感光材料の前後のいわゆる長尺のリ
ーダーを接合して処理する必要であるが、プリント材料
のように多量に生産する必要がある場合には、適した方
法である。これと類似した搬送法として、(4)エンド
レスリーダーベルト方式、エンドレスチェーン方式が知
られている。この方法は写真工業5月号(1975)
p.36や同6月号(1975)p.41に記載されて
いる。これらの方法は液持ちだし、液持込みが多く本発
明には適さない。上述した(3)の方式でリーダーが長
尺でなく短い物を使い、このリーダー((5)ショート
リーダーとも言う)を特別な駆動で移動させる事により
結果として、感光材料を搬送する方法も最近用いられ、
本発明に適用することができ、好ましい態様の1つであ
る。この方法には(5−1)ショートリーダーに付けら
れた穴に対応する凸部を多数有するベルト(タイミング
ベルト)の回転移動でショートリーダーを動かし、その
結果感光材料を処理する方法である。
【0038】他の方法として(5−2)ショートリーダ
ーに付けられた穴に対応する凸部を有するギヤ(スプロ
ケット)の回転でショートリーダーを移動させ、感光材
料を処理する方法が知られている。例えば特開平4−1
01139に記載の方法である。この方法は好ましい搬
送方式の1つである。特にスプロケットで搬送する方法
は好ましい。本発明のような、小液量の処理方式として
は、ベルト搬送方式として、特開平2−67551、特
開平2−103043がエンドレスベルト方式として特
開平2−67550、実開平2−58744が磁気搬送
方式として、特開平1−154155がスプロケット搬
送として特開平4−101139が知られている。本発
明に利用する処理機の処理タンクは温度のコントロール
や浮遊物の除去のために循環されるのが好ましい。循環
の速度は処理タンクの大きさで異なるが、毎分0.1〜
30リットル、好ましくは0.2〜10リットルであ
る。循環が弱すぎると、温度のコントリールが困難にな
り、強すぎると、液が劣化したり、溢れたりする場合が
生じる。本発明で利用する循環方法は、循環系は処理タ
ンクの底部よりタンク液を吸入し、タンクの上部に排出
する方法が望ましい。タンクの上部とは液面より深さ1
0cm以内の箇所に排出される場合が特に好ましい。ま
た、液面の上部に圧力による液の溢れを防止する目的
で、ワイパーブレード等により、液面付近を覆う方法か
好ましく用いることができる。同時にこのワイパーブレ
ードはスクイジーとしても作用することができる。ポン
プとしてはイワキ社製のマグネットポンプMD−10、
MD−20、MD−30等が好ましく用いられる。
【0039】さらに、上記循環系に、強力な噴射を設け
て、(ジェット攪拌)感光材料の膜面に当て、短時間で
目標の写真特性を得たり、脱銀速度を速めたり、水洗浴
や安定浴での各種成分の洗い出しを促進することができ
る。ジェット攪拌の方式としては、特開平3−4144
7、特開平4−83251、同5−11421、同5−
224382、同5−281688、同7−19943
6号等に記載されている。各処理液における、ジェット
攪拌の方法は、より具体的には特開昭62−18346
0号第3頁右下欄〜第4頁右下欄の発明の実施例の項に
記載された乳剤面に向かい合って設けられたノズルから
ポンプで圧送された液を吐出させる方式が好ましい。ポ
ンプとしてはイワキ社製のマグネットポンプMD−1
0、MD−15、MD−20等を使用することが出来
る。ノズルの穴径は直径0.3〜2mm、好ましくは
0.5〜1.5mmである。また、ノズルはチャンバー
板面及び感光材料面に対しできるだけ垂直方向に、かつ
円形に開いていることが好ましいが、角度としては搬送
方向側から60度〜120度、形状として長方形やスリ
ット状でもよい。ノズルの数はタンク容量1L当り5個
〜200個、好ましくは10個〜100個である。ま
た、噴流が感光材料の一部に偏って当たると、現像ムラ
や残色ムラが発生するため、同じ場所だけにあたらない
ように、ノズルの位置を順次ずらしておくことが好まし
い。例えば搬送方向に対し垂直に2〜8個程度の穴列
を、適当な間隔で位置を少しずつ変えたものである。ノ
ズルから感光材料までの距離は近すぎると上記のムラが
発生し易く、遠すぎると攪拌効果が弱まるので、0.5
〜12mmとするのが好ましく、より好ましくは1〜9
mmである。
【0040】各ノズルから吐出す液の流速も、同様に最
適範囲が存在し、好ましくは0.5〜5m/秒、特に好
ましくは1〜3m/秒である。一般に現像処理は化学反
応であるために、現像中の温度を指定の温度で、一定の
温度フレ幅の範囲に管理する事が写真性能を安定に得る
ために必要な事である。特に自動現像機では人が温度を
調べる事が無いために、温度の安定管理は重要である。
自動現像機におけるこのような温度の自動制御、均質制
御の部分を温度調節(温調)と言う。言い換えれば、温
調は処理槽の液温を指定の温度に、しかも均質に保つた
めの機能である。従って加熱する部分(H)と冷却する
部分(C)(これは空冷の場合にはいらない)と液を循
環する部分(J)、さらには温度検出部分(S)とに機
能を分けることが出来る。Sは温度制御に必要で処理槽
に設置される事が好ましい。(特開平1−17094
4) それぞれのH、C、Jの機能の組み合わせを処理槽中で
行う場合と、別槽中で行う場合とその中間とがある。小
液量処理槽ではHとJは少なくとも処理槽外が好まし
く、Hはサブタンク(処理槽と直接つなかった空気開放
槽)中に配置するか、循環経路中に設置するか、循環経
路中に設置されたハンプタンク(空気未開放槽:補充混
合槽)中に設置するのが好ましい。循環に用いるポンプ
は軸流(プロペラ)ポンプ、いわゆるケミカルポンプが
多用されるが、スクリューポンプ、ギヤポンプ、ピスト
ンポンプなども使用できる。加熱する部分(H)に使用
するヒーターはニクロム線を絶縁体で埋包したステンレ
スヒーター、セラミックの発熱を利用したセラミックヒ
ーター、カーボン繊維の発熱を利用した面状ヒーター、
鋳込みヒーター(体積型ヒーターでヒーター中に空洞が
ありこの中に温調液を通過させて加熱する方法)等があ
るが(特開昭62−246057)本目的には鋳込みヒ
ーターを用い循環系にヒーターを組み込む方法が液量の
増加も少なく、最も好ましい方法である。この鋳込みヒ
ーターは特開平5−80479、特開平5−20411
7に詳細な記載がある。
【0041】小液量処理槽の温調を効率よく行うための
循環の流れは前述した循環方法に準じるが、特開平4−
83251の図1の様に例えばU字型スリット型処理槽
であればU字型の下部より液を取り出し、両側のU字型
の上部に戻す方式が好ましい。この図に有るように戻す
時は感光材料の幅全面に均一に液が吹きかけられるよう
に感光材料幅方向にスリットになったノズルで吹き出す
のが最も好ましい。また、U字型上部より液を取り出
し、他方のU字型の上部に戻す場合でサブタンクが有る
場合には一般的にサブタンク側から液を取り出す方が温
調の安定化の為に好ましい。この場合には、戻す側の液
面上部には液吹き出し防止用のブレードを設置すると良
い。例えば、特開平3−257450の図2の78のワ
イパー部材が好ましい。この場合、サブタンクに温調安
定化を施せば、サブタンクが無い方のU字型の上部から
取り出す方式の循環の方が液出し防止用のブレードを設
置する必要が無くなる。温度を一定に保つための制御も
必要である。感光材料が液に入った時、補充がなされた
時の温度低下に対する制御、ヒーターの加熱防止用の制
御、省エネルギー制御、外気温度予測、その他等が有
る。例えば特開昭58−211149、特開昭62−2
38556、特開昭62−238557、特開昭62−
246058、特開平1−177542、特開平1−2
00421、特開平1−214850等である。
【0042】本発明に利用する処理機は、露光済の感光
材料の処理量に応じて、補充される機能を有する場合が
好ましい。補充の方法は、各種方式を採用することがで
きる。例えば、特開平5−173299号記載のよう
に、循環系の直接濃縮液を補充する方法、特開平6−1
94811号記載のようにストックタンクに濃縮液を一
度ストックし、その後補充する方法、特開昭64−55
560、同64−55561、同64−55562号記
載のように完成液のカートリッジから直接タンクに補充
する完成補充液方式、特開平3−134666号記載の
ように、カートリッジからストックタンクに一旦補充液
を自動供給し、その後、処理タンクに補充される方法、
EP−590583A1記載のように濃縮液と水を直接
タンクに補充する方法、特開平5−188533、同6
−202297、同7−169339号等に記載の固体
処理剤と水を補充する方法等が挙げられる。本発明の処
理機においては、液面の開口面積は比較的小さいため
に、補充は循環系やサブタンクを設けて、その箇所に補
充するのが好ましい。また、循環系に補充する場合に
は、循環経路の一部に膨らみを設け(ハンプタンク)、
その箇所に補充するのも好ましい方法である。また、処
理液の補充に関しては、補充ポンプが用いられるが、ベ
ローズ式補充ポンプが好ましい。また、補充精度を向上
させる方法として、ポンプ停止時の逆流を防止するた
め、補充ノズルへの送液チューブの径を補足することは
有効である。好ましい内径は1〜8mm、特に好ましく
は2〜5mmである。
【0043】本発明に利用する自動処理機には種々の部
品材料が用いられるが、好ましい材料を以下に記載す
る。処理槽および温調槽等のタンク材質、処理ラックや
接液部のガイド類の材質としては、変性PPO(変性ポ
リフェニレンオキサイド)、変性PPE(変性ポリフェ
ニレンエーテル)樹脂が好ましい。変性PPOは日本ジ
ーイープラスチック社製「ノリル」、変性PPEは旭化
成工業製「ザイロン」、三菱瓦斯化学製「ユピエース」
等が挙げられる。これらの材質は現像液、定着液、漂白
定着液などに対して耐薬品性の優れた材料である。これ
らの材料は射出形成に適しており、また低発泡成形やシ
ンプレス成形、ガスカウンタープレッシャー成形などの
各種の中空成形も行うことができる利点がある。これら
の成形方法を利用して処理槽と温調槽の一体成形化や複
雑な構造のガイドやラック類の一体成形化が可能になっ
た、さらに肉厚な成形体やブロック等肉厚部材を作るこ
とが可能になった。エンジニアリングブロー成形によっ
て自動現像機のカバー類などの大型ハウジング部材など
にも利用できる。これらの材質は、一般のABSよりも
耐熱温度が高いため自動現像機の乾燥部材質にも使用で
きる。さらに耐熱や鋼性を必要な時はガラス繊維強化や
フィラー添加されたグレードを使用することができる。
また、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン樹脂)は、処理液(例えば、カラー現像液、漂白液、
定着液、漂白定着液)に対する耐薬品性を有しているた
め、タンクに一部やラック類に使用することができる。
電気化学工業製「デンカ」、宇部興産製「サイコラッ
ク」や三菱モンサント化成、日本合成ゴムなど各社のA
BS樹脂を使用できる。ABSは、80℃以下の環境で
使用することが好ましい。また、ABSは射出成形によ
る成形性が良好で、成形時のヒケが少なく平面性良く成
形できるため自動現像機のハウジングにも適した材料で
ある。プロセサの供給部やカセット類にも適した材質で
ある。
【0044】また、オレフィン系樹脂のPE(ポリエチ
レン)、PP(ポリプロピレン)は、処理液一般に(例
えば、カラー現像液、漂白液、定着液、安定液)に対し
て高い耐薬品性を有している。PEは昭和電工、宇部興
産などで多数の製品がある。PPは宇部興産、チッソ、
三井東圧化学、旭化成など多数の製品がある。自動現像
機では補充タンクや廃液タンクなどの材質として使用さ
れている。材料が安価で中空成形で容易に大型タンクを
製作できるため、高い寸法精度を必要としない部位に好
ましく用いることができる。また、PVC(ポリ塩化ビ
ニル樹脂)は、耐薬品性に優れ、安価で簡単に溶接でき
るため加工性にすぐれている。PVCとしては電気化学
工業や理研ビニル工業などのほかに各種モールダーメー
カーなど多くの会社より多品種が生産されている。タキ
ロン工業「タキロンプレート」や三菱樹脂「ヒシプレー
ト」から押出成形された板材が市販されており、また各
種変性処理されたPVCも市販されており容易に用いる
ことができる。アクリル変性PVCとしては、筒中プラ
スチック「カイダック」やサンアロー化学などから市販
されている。アクリル変性PVCは、表面が平滑に仕上
がり撥水性が良く、タンクに使用した場合、処理液の析
出(例 発色現像液から主薬などの析出)をひきおこし
にくく適した材料である。PVCの押出や射出成形品の
表面を平滑にするための工夫としては、変性PVCの他
に大豆油などを添加して成形時の流動性を向上させるこ
とは効果が高い。大豆油(好ましくは変性大豆油)の添
加は、樹脂表面を平滑化し、スリキズなどによって感光
材料の品質を損ねないだけでなく、成形時の流動性を向
上させる効果がある。発色現像主薬などの析出対策や感
光材料の搬送性向上のために処理槽や処理部のガイドの
材質として、結晶性ポリマーが用いることができる。P
BT(ポリプチレンテレフタレート)、HDPE(超高
密度ポリエチレン樹脂)、PTFE(ポリ四ふっ化エチ
レン樹脂)、PFA(四ふっ化エチレン・パーフルオロ
アルコキシエチレン樹脂)、PVDF(ポリふっ化ビニ
リデン樹脂)などが感光材料が接触するガイドや処理液
(例えば、発色現像液)が析出しやすい液界面部分など
に適している。上記のふっ化物はPPEなどの他の材質
にコーティングしても効果を発揮する。
【0045】処理部のローラー材質としては、PVC
(ポリ塩化ビニル樹脂)、PP(ポリプロピレン)、P
E(ポリエチレン)、UHMPE(超高分子量ポリエチ
レン)、PMP(ポリメチルペンテン)、PPS(ポリ
フェニレンサルファイド)、変性PPO(変性ポリフェ
ニレンオキサイド)、変性PPE(変性ポリフェニレン
エーテル)などの熱可塑性樹脂が適している。PP、P
E、PMPなどのオレフィン系樹脂はローラー表面を平
滑に射出成形でき、比重が小さいため回転負荷が小さく
できるため、搬送される感光材料の乳剤面側にキズがつ
きにくく適している。これらは、ターン部の鼓ローラー
などに良く使われている。UHMPEやPTFE(PF
AやPVDFを含む)などの材質は、感光材料がしゅう
どうする部分や処理液の撥水を必要とする部分に適して
いる。ローラーに処理液の析出部が付着して固化したも
のによって感光材料がきずつけられるのを防ぐ効果があ
る。これらの材質をローラー表面(コーティングを含
む)に備えたローラーは、処理液の界面に位置するロー
ラーやスクイズ部分のローラーに適している。PVC
は、押出成形によってローラーに加工しやすく適してい
る。また、2重押出成形によってローラーの表面に硬度
の低い軟質の樹脂部分を有したローラーを容易に製造す
ることができ、感光材料に対してソフトタッチで接触で
き好ましい。搬送力を伴うローラーにはPVCの他に変
性PPO、変性PPE、変性PPSなどが鋼性を高く、
高い回転トルクに耐えることができるため適している。
これらは、鋼性をさらに高めるためにガラス繊維強化や
マイカ、タルク、チタン酸カリウムなどのミネラル添加
の強化剤を使用することが好ましい。強化物を添加する
ことによってローラーの曲げ弾性率が向上して経時変化
によるクリープ変形を防止でき長期の使用によってロー
ラーがたわむことがなく安定した搬送性を確保すること
ができる。また、無機物を樹脂に添加して成形すること
でローラー表面に現れた無機質粒子によって表面を梨地
状に荒らして搬送物のスリップを防止することができ
る。添加する無機物の粒子径や添加量を調製しローラー
表面粗度をコントロールできる。搬送ローラーの直径が
小さいものや感光材料の幅が広くローラー長の長いもの
には熱硬化性樹脂が適している。PF(フェノール樹
脂)、熱硬化性ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂
が好ましい。エポキシ樹脂もアルカリ性処理液以外の一
部の処理液には適している。PFとしてはレゾール系が
好ましく、三井東圧化学「OR−85」は特に適してい
る。補強のためにグラファイトを添加するとよい。この
ローラーは細く(例えば外径8mm)できるため、処理
ラックを小型化できる。熱硬化性ウレタン樹脂として
は、日本ユニポリマー「ユニロン」、大日本インキ化学
工業「パンデックス」、武田薬品工業「タケネート」な
どが適している。
【0046】現像液による耐汚染防止のためにはフッ素
径樹脂で被膜されたローラーも好ましい。具体的には、
特開平4−161955号に開示された樹脂などを用い
ることができる。ニップローラー等の軟質ローラーに
は、エラストマーを用いることができる。例えば、オレ
フィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレ
タン系エラストマー、塩ビ系エラストマーなどが好まし
い。処理部のギヤ、スプロケットとしては、PA(ポリ
アミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、U
HMPE(超高分子量ポリエチレン)、PPS(ポリフ
ェニレンサルファイド)、LCP(全芳香族ポリエステ
ル樹脂、液晶ポリマー)、PEEK(ポリエーテルエー
テルケトン)など熱可塑性結晶性樹脂が適している。P
Aとしては、66ナイロン、6ナイロン、12ナイロン
等のポリアミド樹脂のほかに分子鎖中に芳香族環をもつ
芳香族系ポリアミドや変性ポリアミドが含まれる。66
ナイロン、6ナイロンとしては東レやデュポン「ザイテ
ル」、12ナイロンとしては東レ「リルサン」、ダイセ
ル・ヒュルス「ダイアミド」などが適している。芳香族
系ポリアミドとしては、三菱瓦斯化学「レニー」ポリア
ミドMXD6、変性ポリアミドでは三井石油化学「アー
レン」変性ポリアミド6Tなどが適している。PAは、
吸水率が高いため処理液中で膨潤しやすいためガラス繊
維強化や炭素繊維強化グレードが好ましい。芳香族系ポ
リアミドは、比較的吸水率が低いため膨潤しにくく、高
い寸法精度を得ることができる。そのほかコンプレッシ
ョン成形によって得られたMCナイロンのような高分子
量品は繊維強化なしでも十分な性能を得ることができ
る。そのほかに、「ポリスライダー」のような含油ナイ
ロン樹脂も使われる。PBTはPAとは反対に極めて吸
水率が低いため処理液に対して高い耐薬品性を有してい
る。東レや大日本インキ化学工業のPBTや日本ジーイ
ープラスチックス「バロックス」が用いられる。PBT
はガラス繊維強化品でも未強化品でも部位に応じて使用
される。ギヤの噛み合いを良化するためにはガラス強化
品と未強化品と組み合わせて使用することが好ましい。
UHMPEとしては、未強化品が適しており、三井石油
化学「リューブマー」、「ハイゼックスミリオン」、作
新工業「ニューライト」、旭化成「サンファイン」、大
日本印刷「超高分子ポリエチレンUHMW」が適してい
る。PPSとしては、ガラス繊維や炭素繊維強化のもの
が好ましい。LCPとしては、ICIジャパン「ビクト
レックス」、住友化学「エコノール」、日本石油「ザイ
ダー」、ポリプラスチックス「ベクトラ」などを用いる
ことができる。PEEKは、現像機のいずれの処理液に
対しても極めて耐薬品性や耐久性が良好で未強化品で十
分な性能を発揮する好適な材質である。
【0047】軸受などの材質としては、超高分子ポリエ
チレンなどが好ましい。自動現像機の処理液中で使用さ
れるバネやスプリングとしては通常ステンレス(SUS
316)、チタンなとが使用される。チタンではバネや
スプリングを適切につくることができない場合、プラス
チックスプリングを用いることができる。荷重が加わっ
た時の変形量が少ない(フック則の臨界歪が1.6%以
下)用途であれば、PBT(例 日本ジーイープラスチ
ックス「バロックス310」など)、PP(例 旭化成
「M−1500」など)、変性PPO(例 日本ジーイ
ープラスチックス「ノリル731J」など)、変性PP
E(例 旭化成「ザイロン220V」など)で使用が用
いられる。スプリング力が弱い場合、ガラス繊維強化し
た材質を使用することも効果がある。スプリングが長期
にわたって安定したニップ力を得るためには、PSF
(ポリスルホン)、PAR(ポリアリレート)、PES
(ポリエーテルスルホン)、PEI(ポリエーテルイミ
ド)、PAI(ポリアミドイミド)が適している。特に
スーパーエンプラの非結晶性樹脂が優れておりPSF、
PES、PEIは、特に好ましい。PSFは、アモコ
「ユーデルP1700」、PESはICI「VICTR
EX 4800G」、PEIは日本ジーイープラスチッ
クス「ウルテム」などが使用できる。強い荷重で長期に
使用するスプリングの場合はPEEKやPPS、LCP
などの結晶性樹脂が使われる。非結晶樹脂はクリープが
少なく、成形時の寸法精度がきわめて良いため、低荷重
のバネにはきわめて適している。高い疲労限界応力を必
要とする部位では結晶性樹脂が適しておりPEEKは、
ICI「VICTREX 450G」、PPS「ライト
ン」、LCPI型 住友化学「エコノール E200
0」、LCPII型ポリプラスチック「ベクトラ A95
0」などが代表的なグレードである。スクイズローラー
等の軟質材料としては、発泡、塩化ビニル樹脂や発泡シ
リコン樹脂、発泡ウレタン樹脂が適している。発泡ウレ
タン樹脂としては東洋ポリマー(株)製「ルビセル」が
挙げられる。
【0048】配管、配管の継手、アジテーションジェッ
トパイプの継手、シール材などのゴム材質およびエラス
トマーとしては、EPDMゴム、シリコンゴム、バイト
ンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラス
トマー、ウレタン系エラストマー、塩ビ系エラストマー
などが好ましい。具体例としては、住友ベークライト
(株)製「スミフレックス」、三井石油化学(株)製
「ミラストマー」(オレフィン系エラストマー)、三菱
油化(株)製「サーモラン」(ゴム入りオレフィン系エ
ラストマー)、同「ラバロン」、日本モンサント化成
(株)又はエーイーエス・ジャパン(株)製「サントプ
レーン」、三菱化成ビニル(株)製「サンプレーン」
(高弾性塩ビ系エラストマー)、特開平3−19805
2号に記載のシリコンゴムやバイトンゴムなどを挙げる
ことができる。搬送ベルトなどのベルトの芯材として
は、超高強度ポリエチレン樹脂繊維(例えば、特開平4
−6554号に記載)、ポリフッ化ビニリデン樹脂繊維
(例えば、特開平4−16941号に記載)、アラミド
繊維(例えば、東レ・デュポン(株)製「ケブラ」)な
どを用いることができる。以上述べてきた処理装置の処
理槽を初めとした各々の個所に用いられるプラスチック
などの材料については、「プラスチック成形材料商取引
便覧−特性データーベース−1991年版」(株)合成
樹脂工業新聞社発行に基づいて容易に選択、入手するこ
とができる。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)本実施例で用いた感光材料は、下記の方法
により作成した。 1)支持体 ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー100重
量部と紫外線吸収剤としてTinuvinP.326
(チバ・ガイギー社製)2重量部とを乾燥した後、30
0℃にて溶融後、T型ダイから押し出し140℃で3.
3倍の縦延伸を行い、続いて130℃で3.3倍の横延
伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固定して厚さ90
μmのPENフイルムを得た。なおこのPENフィルム
にはブルー染料,マゼンタ染料及びイエロー染料(前述
の公技番号94−6023号記載のI−1、I−4、I
−6、I−24,I−26、I−27、II−5)を適
当量添加した。
【0050】2)帯電防止層の塗設 厚さ90μmのポリエチレンナフタレート支持体につい
て、その各々の両面に、処理雰囲気圧力0.2Torr、雰
囲気気体中のH2O分圧75%:放電周波数30KHz、出
力2500W、処理強度0.5kV・A・分/m2 でグロ
ー放電処理を施した。この支持体上の片側の面に、下記
組成の塗布液を特公昭58−4589号公報のバー塗布
法を用いて塗布した。 ・導電性微粒子分散液(SnO2/Sb2O5 複合酸化物粒子濃度 10%の水分散液、一次粒子径0.005μmの二次 凝集体でその平均粒径が0.05μm) 270mg/m2 ・ゼラチン 22.5mg/m2 ・ポリグリセロールポリグリシジルエーテル 8.3mg/m2 ・ポリ(重合度20)オキシエチレンソルビタン モノラウレート 5.4mg/m2 さらに、帯電防止層を塗設後、直径20cmのステンレス
巻芯に巻きつけて、110℃(PEN支持体のTg:1
19℃)、48時間加熱し熱履歴させた。
【0051】3)下塗層の塗設 帯電防止層を塗設した面とは反対の側の面に下塗り層と
して下記組成の塗布液をバー塗布法を用いて塗布した。 ・ゼラチン 110mg/m2 ・サリチル酸 25mg/m2 ・ポリ(アミド−エピクロルヒドリン)重縮合物 5mg/m2 ・メタノール/n−プロパノール 85/10(wt比)の混合溶剤を用いた 。
【0052】4)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の帯電防止層を塗布した片方の面に
バック層として下記組成の磁気記録層、さらに滑り層を
塗設した。4−1)磁気記録層の塗設 下記の磁気記録層を設けた。その時の乾燥温度と時間は
110℃4分であった。 ・3−ポリ(重合度15)オキシエチレンプロピルオキシトリメトキシシラン( 15重量%)で被覆処理されたコバルト- γ- 酸化鉄 (比表面積43m2/g,長軸0.14 μm,単軸0.03μm,飽和磁化89emu/g,Fe+2/Fe +3=6/94,表面は酸化アルミ と酸化珪素 で酸化鉄の2重量%で処理されている)(酸化鉄の分散はオープンニーダーとサ ンドミルで実施した) 55mg/m2 ・ジアセチルセルロース(バインダー) 1140mg/m2 ・ミリオネート MR−400 (日本ポリウレタン工業(株)製)(架橋剤) 8.5mg/m2 ・Al2 3 (平均粒径1.0μm)(研磨剤) 15mg/m2 磁気記録層用の塗布液の溶剤としては、2−ブタノン/
シクロヘキサノン 1/1(wt比)の混合溶剤を用い
た。
【0053】4−2)滑り層の塗設 下記に示す化合物の固形分塗布量が下記のようになるよ
うに、2−プロパノール/シクロヘキサノン 85/1
5(wt比)の組成の混合溶剤を用いて塗布液を調製
し、バーコーターを用いて塗布した。また乾燥条件は1
10℃、4分間で乾燥した。これを滑り層の基本組成と
した。 ・ヒドロキシプロピルセルロース(バインダー) 25.0mg/m2 ・C6 13CH(OH)C1020COOC4081 7.5 mg/m2 (化合物a)(滑り剤B−3) .C50101 O(CH2 CH2 O)16H 7.5 mg/m2 (化合物b) (化合物aの分散剤) ・BYK−310(ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン) BYKケミジャパン(株)製(滑り剤A−9) 1.5mg/m2 ・C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4SO3N a (塗布助剤)1.5mg/m2 滑り剤B−3は下記のように添加した。 化合物aと化合物bは2−プロパノール/シクロヘキサ
ノンの混合溶媒中での分散物(平均粒径0.02μm)
にしてから添加した。
【0054】塗布はバーコーターを用いて塗布した。ま
た乾燥条件は110℃5分間であった。X−ライト(ブ
ルーフィルター)での磁気記録層のDB の色濃度増加分
は約0.1、また磁気記録層の飽和磁化モーメントは
4.2emu/g、保磁力7.3×104 A/m、角形比は
65%であった。
【0055】5)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に下記の組成の
各層を同時重層塗布し、カラーネガティブ写真フィルム
を作成した。これを感光層の基本組成とした。
【0056】5)−1感光層の作成 下記に示すような組成の各層を重層塗布し、カラーネガ
フィルムである各試料を作成した。 (乳剤の調製) 沃臭化銀乳剤の調製:不活性ゼラチン30g、臭化カリ
ウム6g、蒸留水1リットルを溶かした水溶液を75℃
で攪拌しておき、ここへ硝酸銀5.0gを溶かした水溶
液35cc及び臭化カリウム3.2g、沃化カリウム0.
98gを溶かした水溶液35ccをそれぞれ70cc/分の
流速で30秒間添加した後、pAgを10に上げて30
分間熟成して、種乳剤を調製した。
【0057】つづいて硝酸銀145gを溶かした水溶液
1リットルのうちの所定量及び臭化カリウムと沃化カリ
ウムの混合物の水溶液を、等モル量ずつ所定の温度、所
定のpAgで臨界成長速度近くの添加速度で添加し平板
コア乳剤を調製した。さらにひきつづいて、残りの硝酸
銀水溶液及びコア乳剤調製のときとは異なった組成の臭
化カリウムと沃化カリウムの混合物の水溶液を、等モル
量ずつ臨界成長速度近くの添加速度で添加し、コアを被
覆しコア/シェル型の沃臭化銀乳剤を調製した。アスペ
クト比の調節はコア及びシェル調製時のpAgを選択す
ることにより行った。この乳剤粒子1000個につき個
々の粒子のアスペクト比を測定し、アスペクト比が2:
1以上の粒子の投影面積比を求めたところ64%であっ
た。また、アスペクト比が5:1以上の粒子の投影面積
は48%であった。平均粒子径は1.63μm、平均粒
子厚は0.36μm、平均ヨード含率は7.6モル%で
あった。また、これら乳剤粒子の80%以上に10本以
上の転位線が存在することを透過型電子顕微鏡により確
認した。
【0058】続いて、上記乳剤に増感色素の存在下で金
−硫黄−セレン増感を施した。乳剤を60℃に昇温し、
増感色素ExS−6を以下の感光層組成の第14層に示
す量で加え、60℃で20分間保持した後60℃にてp
H6.3で、1−(4−カルボキシフェニル)−5−メ
ルカプトテトラゾールを1.0×10-5モル/モルA
g、チオ硫酸ナトリウムを0.19×10-5モル/モル
Ag、ジフェニルペンタフルオロフェニルフォスフィン
セレナイド1.0×10-5モル/モルAg、塩化金酸を
0.33×10-5モル/モルAg、およびチオシアン酸
カリウム350×10-5モル/モルAgを添加して、金
−硫黄−セレン増感は最適になるように行なった。ここ
で「金−硫黄−セレン増感を最適になるように行なう」
とは、1/100秒露光した時の感度が最も高くなるよ
うな化学増感を言う。この乳剤を乳剤Pとした。上記の
増感法のうち増感色素をExS−4、−5、−8を第8
層に示す量に変えた乳剤を乳剤Qとした。この他の乳剤
については、乳剤要因一覧表として表1に示した。
【0059】(多層カラー感光材料の作製)上記の下塗
りを施した磁気記録層を有する90μmのポリエチレン
ナフタレートフィルム支持体上に、下記に示すような組
成の各層よりなる多層カラー感光材料である試料を作製
した。 (感光層の組成)塗布量はハロゲン化銀およびコロイド
銀については銀のg/m2 単位で表した量を、またカプ
ラー、添加剤およびゼラチンについてはg/m2 単位で
表した量を、また増感色素については同一層内のハロゲ
ン化銀1モルあたりのモル数で示した。なお、添加物を
示す記号は下記に示す意味を有する。ただし、複数の効
用を有する場合はそのうち一つを代表して載せた。U
V;紫外線吸収剤、Solv;高沸点有機溶剤、Ex
F;染料、ExS;増感色素、ExC;シアンカプラ
ー、ExM;マゼンタカプラー、ExY;イエローカプ
ラー、Cpd;添加剤、H;ゼラチン硬化剤
【0060】第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.15 ゼラチン 1.00 UV−1 3.0×10-2 UV−2 6.0×10-2 UV−3 7.0×10-2 ExF−1 1.0×10-2 ExF−2 4.0×10-2 ExF−3 5.0×10-3 ExM−3 0.11 Cpd−5 1.0×10-3 Solv−1 0.16 Solv−2 0.10
【0061】第2層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 塗布銀量 0.35 沃臭化銀乳剤B 塗布銀量 0.18 ゼラチン 0.77 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.4×10-4 ExS−5 2.3×10-4 ExS−7 4.1×10-6 ExC−1 9.0×10-2 ExC−2 5.0×10-3 ExC−3 4.0×10-2 ExC−5 8.0×10-2 ExC−6 2.0×10-2 ExC−9 2.5×10-2 Cpd−4 2.2×10-2 Cpd−7 1.3×10-3
【0062】第3層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 塗布銀量 0.55 ゼラチン 1.46 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.4×10-4 ExS−5 2.4×10-4 ExS−7 4.3×10-6 ExC−1 0.19 ExC−2 1.0×10-2 ExC−3 1.0×10-2 ExC−4 1.6×10-2 ExC−5 0.19 ExC−6 2.0×10-2 ExC−7 2.5×10-2 ExC−9 3.0×10-2 Cpd−4 1.5×10-3 Cpd−7 2.5×10-3
【0063】第4層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 塗布銀量 1.05 ゼラチン 1.38 ExS−1 2.0×10-4 ExS−2 1.1×10-4 ExS−5 1.9×10-4 ExS−7 1.4×10-5 ExC−1 2.0×10-2 ExC−3 2.0×10-2 ExC−4 9.0×10-2 ExC−5 5.0×10-2 ExC−8 1.0×10-2 ExC−9 1.0×10-2 Cpd−4 1.0×10-3 Cpd−7 1.0×10-3 Solv−1 0.70 Solv−2 0.15
【0064】第5層(中間層) ゼラチン 0.62 Cpd−1 0.13 ポリエチルアクリレートラテックス 8.0×10-2 Solv−1 8.0×10-2
【0065】第6層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 塗布銀量 0.10 沃臭化銀乳剤F 塗布銀量 0.28 ゼラチン 0.31 ExS−3 1.0×10-4 ExS−4 3.1×10-4 ExS−5 6.4×10-5 ExM−1 0.12 ExM−7 2.1×10-2 Solv−1 0.09 Solv−3 7.0×10-3 Solv−5 0.05 Solv−6 0.06
【0066】第7層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤G 塗布銀量 0.20 沃臭化銀乳剤H 塗布銀量 0.20 ゼラチン 0.54 ExS−3 2.7×10-4 ExS−4 8.2×10-4 ExS−5 1.7×10-4 ExM−1 0.27 ExM−7 7.2×10-2 ExY−1 5.4×10-2 Solv−1 0.23 Solv−3 1.8×10-2 Solv−5 0.10 Solv−6 0.20
【0067】第8層(高感度緑感乳剤層) 乳剤Q 塗布銀量 0.65 ゼラチン 0.61 ExS−4 4.3×10-4 ExS−5 8.6×10-5 ExS−8 2.8×10-5 ExM−2 5.5×10-3 ExM−3 1.0×10-2 ExM−5 1.0×10-2 ExM−6 3.0×10-2 ExY−1 1.0×10-2 ExC−1 4.0×10-3 ExC−4 2.5×10-3 Cpd−6 1.0×10-2 Solv−1 0.12 Solv−5 0.05
【0068】第9層(中間層) ゼラチン 0.56 UV−4 4.0×10-2 UV−5 3.0×10-2 Cpd−1 4.0×10-2 ポリエチルアクリレートラテックス 5.0×10-2 Solv−1 3.0×10-2
【0069】第10層(赤感層に対する重層効果のドナー
層) 沃臭化銀乳剤I 塗布銀量 0.40 沃臭化銀乳剤J 塗布銀量 0.20 沃臭化銀乳剤K 塗布銀量 0.39 ゼラチン 0.87 ExS−3 6.7×10-4 ExM−2 0.16 ExM−4 3.0×10-2 ExM−5 5.0×10-2 ExY−2 2.5×10-3 ExY−5 2.0×10-2 Solv−1 0.30 Solv−5 3.0×10-2
【0070】第11層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 9.0×10-2 ゼラチン 0.84 Cpd−1 5.0×10-2 Cpd−2 5.0×10-2 Cpd−5 2.0×10-3 Solv−1 0.13 H−1 0.25
【0071】第12層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 塗布銀量 0.40 沃臭化銀乳剤M 塗布銀量 0.20 沃臭化銀乳剤N 塗布銀量 0.30 ゼラチン 1.75 ExS−6 9.0×10-4 ExY−4 8.5×10-2 ExY−2 5.5×10-3 ExY−3 6.0×10-2 ExY−5 1.00 ExC−1 5.0×10-2 ExC−2 8.0×10-2 Solv−1 0.54
【0072】第13層(中間層) ゼラチン 0.60 ExY−4 0.14 Solv−1 0.14
【0073】第14層(高感度青感乳剤層) 乳剤P 塗布銀量 0.80 ゼラチン 0.95 ExS−6 4.0×10-4 ExY−2 1.0×10-2 ExY−3 2.0×10-2 ExY−5 0.18 ExC−1 1.0×10-2 Solv−1 9.0×10-2
【0074】第15層(第1保護層) 微粒子沃臭化銀乳剤O 塗布銀量 0.12 ゼラチン 0.63 UV−4 0.11 UV−5 0.18 Cpd−3 0.10 Solv−4 2.0×10-2 ポリエチルアクリレートラテックス 9.0×10-2
【0075】第16層(第2保護層) 微粒子沃臭化銀乳剤O 塗布銀量 0.36 ゼラチン 0.85 B−1 (直径 2.0μm) 8.0×10-2 B−2 (直径 2.0μm) 8.0×10-2 B−3 2.0×10-2 ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン(ビックケミ
ー・ジャパン:BYK−310)1.5×10-3 W−5 2.0×10-2 H−1 0.18
【0076】こうして作製した試料には、上記の他に、
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(ゼラチンに
対して平均 200ppm )、n−ブチル−p−ヒドロキシベ
ンゾエート(同約 1,000ppm )、および2−フェノキシ
エタノール(同約 10,000ppm)が添加された。更に、各
層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、
帯電防止性および塗布性をよくするためにW−1〜W−
6、B−1〜B−6、F−1〜F−16および鉄塩、鉛
塩、金塩、白金塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有さ
れている。
【0077】
【表1】
【0078】
【化1】
【0079】
【化2】
【0080】
【化3】
【0081】
【化4】
【0082】
【化5】
【0083】
【化6】
【0084】
【化7】
【0085】
【化8】
【0086】
【化9】
【0087】
【化10】
【0088】
【化11】
【0089】
【化12】
【0090】
【化13】
【0091】
【化14】
【0092】
【化15】
【0093】
【化16】
【0094】
【化17】
【0095】上記基本組成のバック面、乳剤面の塗布試
料を試料トとした。 試料イ:試料トの第2保護層の滑り剤を除去した。さら
にバックの滑り層の滑り剤とその分散剤を除去した。 試料ロ:試料イの第2保護層に滑り剤A−9(段落18
〜21参照)を1.5mg/m2 となるよう添加した
。 試料ハ:試料ロの滑り層に滑り剤A−9を1.5mg/
mとなるよう添加した。 試料ニ:試料ロの滑り層に滑り剤B−3を7.5mg/
2 と分散剤化合物bを7.5mg/m2 となるよう添
加した。 試料ホ:試料ロの滑り層に滑り剤C−4を5.0mg/
2 となるよう添加した。 試料ヘ:試料ロの滑り層に滑り剤D−2を5.5mg/
2 となるよう添加した。
【0096】以上のように作成した試料を24mm幅、
160cmに裁断し、さらに感光材料 の長さ方向の片
側幅方向から0.7mmの所に2mm四方のパーフォレ
ーションを5.8mm間隔で2つ設ける。この2つのセ
ットを32mm間隔で設けたものを作成し、米国特許第
5,296,887号のFIG.1〜FIG.7に説明
されているプラスチック製のフィルムカートリッジに収
納した。この試料に磁気記録層の塗布面側から、ヘッド
ギャップ5μm、ターン数50、パーマロイ材質のオー
ディオタイプ磁気記録ヘッドを用いて、送り速度100
mm/秒で記録波長50μmのデジタル飽和記録を行な
った。
【0097】上記記載の試料の先頭付近に色温度480
0°Kで露光時間100分の1秒のセンシトメトリー用
露光を与え、後端部約50cmには5cmsの一様露光
をし、上記処理機と処理液で処理を行ったのち、再び元
のプラスチック製のフィルムカートリッジに収納した。
合計100本のランニング処理をそれぞれの感光材料で
行った。ランニング処理の91〜100本目についてセ
ンシトメトリーおよび擦り傷と磁気記録特性を調べた。
これら試料のISO感度は下記の2種の処理で250〜
200であった。
【0098】6)処理方法 上記試料を、1日当たり0.5m の処理量で図5に示
した自動処理機を用いて1ヶ月間(1週間当たり5日稼
働)処理を行った。このときの感光材料の搬送速度は5
0cm/分、タンクの厚みWは0.8cm、幅は4.1cmで
あった。処理工程及び処理液組成を以下に示す。 (処理工程) 処理工程 時間 温度 補充量* タンク容量(V/L ) カラー現像 3分50秒 38.0℃ 260 ml 0.5リットル (3.3 ) 漂 白 50秒 38.0℃ 130 ml 0.2リットル (4.8 ) 定着(1) 50秒 38.0℃ − 0.2リットル (4.8 ) 定着(2) 50秒 38.0℃ 200 ml 0.2リットル (4.8 ) 水 洗 30秒 38.0℃ 450 ml 0.15リットル (6.0 ) 安定(1) 20秒 38.0℃ − 0.15リットル (9.0 ) 安定(2) 20秒 38.0℃ 390 ml 0.15リットル (9.0 ) 乾 燥 1分30秒 60℃ *感光材料1m2 当たりの補充量 安定液及び定着液は(2) から(1) への向流方式であり、
水洗水のオーバーフロー液は全て定着浴(2) へ導入し
た。また、定着液も(2) から(1) へ向流配管で接続され
ている。尚、発色現像液の漂白工程への持ち込み量、漂
白液の定着工程への持ち込み量、定着液の水洗工程への
持ち込み量は感光材料1m2 当たりそれぞれ65ミリリ
ットル、52ミリリットル、52ミリリットルであっ
た。また、クロスオーバーの時間はいずれも6秒であ
り、この時間は前工程の処理時間に包含される。また、
比較処理機として、富士写真フイルム(株)製フィルム
処理機FP360Bを用いた。この比較処理機のタンク
浴の構成、タンク容量及びV/L値を下表に示す。処理
タンク部の厚みW値はそれぞれ2.5 cmであった。感光材
料の搬送速度は47 cm/分であった。
【0099】処理工程及び処理液組成を以下に示す。 (処理工程) 処理工程 時間 温度 補充量* タンク容量(V/L ) カラー現像 3分50秒 38.0℃ 520 ml 11.5リットル ( 82 ) 漂 白 50秒 38.0℃ 130 ml 4.0リットル (102 ) 定着(1) 50秒 38.0℃ − 4.0リットル (102 ) 定着(2) 50秒 38.0℃ 208 ml 4.0リットル (102 ) 水 洗 30秒 38.0℃ 442 ml 3.0 リットル (128 ) 安定(1) 20秒 38.0℃ − 3.0 リットル (191 ) 安定(2) 20秒 38.0℃ 390 ml 3.0 リットル (191 ) 乾 燥 1分30秒 60℃ *補充量は、m2 当たり 安定液は(2) から(1) への向流方式であり、水洗水のオ
ーバーフロー液は全て定着浴(2) へ導入した。また、定
着液も(2) から(1) へ向流配管で接続されている。尚、
発色現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白液の定着工
程への持ち込み量、及び定着液の水洗工程への持ち込み
量は感光材料35mm幅、1.1m当たりそれぞれ2.5
ミリリットル、2.0ミリリットル、2.0ミリリット
ルであった。また、クロスオーバーの時間はいずれも6
秒であり、この時間は前工程の処理時間に包含される。
【0100】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.3 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 1.4 0.4 沃化カリウム 1.3mg − ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナ−トエチル) ヒドロキシアミン 2.0 2.0 ヒドロキシアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−[N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ] アニリン硫酸塩 4.5 6.4 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整)10.05 10.18
【0101】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモニウム一水塩 118 180 臭化アンモニウム 80 115 硝酸アンモニウム 14 21 コハク酸 40 60 マレイン酸 33 50 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH( アンモニア水にて調整) 4.4 4.0
【0102】 (定着液) タンク液(g) 補充液(g) メタンスルフィン酸アンモニウム 10 30 メタンチオスルホン酸アンモニウム 4 12 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/ リットル) 280ml 840ml イミダゾール 7 20 エチレンジアミン四酢酸 15 45 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(アンモニア水と酢酸にて調整) 7.4 7.45
【0103】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIRA−400)を充填した混床式カラム
に通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3
mg/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌー
ル酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム15
0mg/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜
7.5の範囲にあった。
【0104】 (安定液)タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.2 (平均重合度 10) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール −1−イルメチル)ピペラジン 0.75 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.10 水を加えて 1.0リットル pH
【0105】得られた試料を以下のようにして評価し
た。
【0106】7)各種性能試験と判断基準 1.センシトメトリー 色温度4800°Kの白色光により1/100秒のウエ
ッジ露光し、上記2種類の現像処理を行った。赤光、緑
光、青光でそれぞれ濃度測定を行い特性曲線を求めた。
そこから、かぶり(fog)、感度(S0.1 、かぶり+
0.1のところの露光量の逆数の対数を相対値で表示し
た)を求めた。 2.発色現像液中での圧力特性 上記2種類の現像処理に露光済みのそれぞれの感光材料
を通過させた。スリ傷の見え方、濃度上昇を相対評価し
た。これをwet mark特性とよぶ。3以上を許容
とした。ランニング処理本数はそれぞれ100本とし、
91〜100本目のフィルム後端部に注目して観察し、
平均的に評点した。 5 スリ傷は見えない。 4 スリ傷跡がほとんど見えない。 3 スリ傷跡がわずかに見える。濃度は薄い。 2 スリ傷跡が見える。 1 スリ傷跡がはっきり見え、濃度も濃い。
【0107】3.各現像処理を実施した後の試料の後端
部において、上記のヘッドで信号を記録した時と同一速
度で信号を読みだし、入力ビット数に対し、エラーを発
生したビット数の比率(エラー率)を求めた。このエラ
ー率が0.1%以上であればNGであり、0.05%以
下、好ましくは0.01%以下が許容である。このよう
に低くすると実用上の問題はなくなってくる。
【0108】滑り剤を変えた塗布試料イ〜トにおける結
果を、塗布試料要因などを含めて表2に示した。
【0109】
【表2】
【0110】評 価 従来の処理方法FP−360Bではエラー率の感光材料
差はほとんど現れないが、本発明の処理方法ではその差
がはっきりと現れる。すなわち、乳剤側に滑り剤を用い
ると予想通り発色現像液中での擦り傷であるwet m
ark特性が改良され、バック側の滑り層に本発明定義
の滑り剤を含有しない感光材料イ、ロに対して本発明定
義の滑り剤を含有する感光材料ハ、ニ、ホ、ヘおよびト
ははっきりとエラー率が減少する予想外の効果が得られ
た。なお、写真性には殆ど影響を与えないことがわか
る。
【0111】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、磁気記録
層付きハロゲン化写真感光材料(特に撮影用カラーフィ
ルム)を、処理液が少なくて済む狭い処理槽中で搬送処
理し、たとえ、当該感光材料が処理槽の内壁等に接触し
ても、傷が付きにくく、また、塗布成分の剥落が少な
く、更に剥落物の感光材料表面への付着を少なく出来、
かくして、優れた磁気記録特性を維持することが可能で
ある。しかも、写真特性には実質的に悪影響が及ばな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る処理機の概略
全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る現像槽周辺の
概略拡大構成図である。
【図3】図2の3−3矢視線図である。
【図4】図2の4−4矢視線図である。
【図5】本発明の処理機の他の態様を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】 10 感光材料処理装置 12 現像槽(処理槽) 14 定着槽(処理槽) 16 安定槽(処理槽) F ネガフィルム(感光材料) 52 配管 56 鋳込みヒータ 58 配管 112 鋳込みヒータ 152 鋳込みヒータ 162 鋳込みヒータ 510 感光材料処理装置 512 スリット状処理路 514 発色現像槽 516 漂白槽 520 定着槽 522 水洗槽 524 安定槽

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体を挟んで、感光層としての乳剤層
    と、磁性体粒子を含有する磁気記録層とを有するハロゲ
    ン化銀写真感光材料であって、少なくとも磁気記録層側
    の最外層に、ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸と高
    級アルコールのエステル、高級脂肪酸アミド、及び高級
    脂肪酸金属塩の少なくとも1つの化合物を含有する感光
    材料を、感光材料の進行面に直交するタンク厚みが2cm
    以下の薄層処理槽で処理するハロゲン化銀写真感光材料
    の処理方法。
  2. 【請求項2】 該感光材料が、支持体の一方側にそれぞ
    れ少なくとも1層の赤感層、緑感層、青感層及び保護層
    を有し、他方側に磁気記録層と最外層としての滑り層と
    を有し、その滑り層に請求項1に記載の化合物の少なく
    とも1つを含有することを特徴とする請求項1に記載の
    処理方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀写真感光材料の処理をする
    薄層処理槽と、その薄層処理層に搬入され得、支持体を
    挟んで、感光層としての乳剤層と、磁性体粒子を含有す
    る磁気記録層とを有するハロゲン化銀写真感光材料であ
    って、少なくとも磁気記録層側の最外層に、ポリオルガ
    ノシロキサン、高級脂肪酸と高級アルコールのエステ
    ル、高級脂肪酸アミド、及び高級脂肪酸金属塩の少なく
    とも1つの化合物を含有する感光材料とを有し、前記薄
    層処理槽は、感光材料の進行面に直交するタンク厚みが
    2cm以下である、ハロゲン化銀写真感光材料の自動現像
    処理装置。
JP5845796A 1996-02-21 1996-02-21 ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及びそのためのハロゲン化銀写真感光材料の自動現像処理装置 Pending JPH09230567A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7064113B2 (en) 2001-03-16 2006-06-20 Canon Kabushiki Kaisha Resin composition, method of molding the same, and method of recycling resin composition
US7608593B2 (en) 2001-03-16 2009-10-27 Canon Kabushiki Kaisha Resin composition with biodegradable non-liquid-crystalline and liquid-crystalline polymers

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