JPH08190183A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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JPH08190183A
JPH08190183A JP1838695A JP1838695A JPH08190183A JP H08190183 A JPH08190183 A JP H08190183A JP 1838695 A JP1838695 A JP 1838695A JP 1838695 A JP1838695 A JP 1838695A JP H08190183 A JPH08190183 A JP H08190183A
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acid
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JP1838695A
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Hiroyuki Seki
裕之 関
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気出力エラー及び感材の汚れを改良する。 【構成】磁気記録層を有するハロゲン化銀カラー写真感
光材料を、例えば下記一般式(A)で表される化合物と
ジカルボン酸化合物とを含有する漂白能を有する処理液
で処理する。 一般式(A) R11−SM11 式中、R11はアルキル基又はヘテロ環基を表す。M11
例えば水素原子、アルカリ金属原子等を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー写真
感光材料(以下、単に感光材料又は感材ということもあ
る)の処理方法に関し、詳しくは磁気記録層を有するハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料の優れた磁気出力性を得
る処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、感光材料においては、撮影時やプ
リント時に画像情報を提供するのみであったが、特開平
4−68336号公報や、特開平4−73737号公報
に開示されているように、感光材料に透明磁気記録層を
全面に付与することにより、画像以外に、撮影の日時、
天候、縮小/拡大比等の撮影条件、再プリント枚数、ズ
ームしたい箇所、メッセージ、及び、現像、プリント条
件などを感光材料に入力でき、また、テレビ/ビデオ等
の映像機器への入力も可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような便利な機能を持つ磁気記録層を有する感光材料
を処理すると、処理を続ける(ランニング処理)につ
れ、磁気記録の読みとりにエラーが増加したり、感材が
汚れたりする問題が発生し、その結果、所望する仕上が
りにならなかったり、写真性に影響を与えたりすること
になり、改良が望まれていた。本発明の目的は、磁気記
録層を有する感光材料の磁気出力性や汚れ付着が改良さ
れた処理方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記現象は主に前浴であ
る現像液成分がランニング処理することで感光材料によ
り漂白液に持ち込まれ、その劣化化合物と磁気記録層と
の相互作用によるものと本発明者は推定し、漂白液にお
ける種々の組成について鋭意検討した。その結果、上記
課題は、以下に記載する感光材料の処理方法によって達
成することを、見いだした。
【0005】(1)透明支持体上に、少なくとも1層の
ハロゲン化銀乳剤層を有し、かつ該透明支持体の該ハロ
ゲン化銀乳剤層に対して反対面に透明磁気記録層を有す
るハロゲン化銀カラー写真感光材料を、発色現像後に漂
白能を有する処理液で処理する方法において、該漂白能
を有する処理液が下記一般式(A)、(B)又は(C)
で表される化合物の少なくとも1種とジカルボン酸化合
物の少なくとも1種を含有することを特徴とするハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
【0006】一般式(A) R11−SM11 一般式(B) R12−S−S−R13 一般式(A)及び(B)中、R11、R12及びR13は、そ
れぞれ独立に、アルキル基、又はヘテロ環基を表す。M
11は水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム、又は
下記一般式(I)で表される基を表す。R11とM11は連
結して5員もしくは6員のヘテロ環を形成してもよい。
一般式(I)
【0007】
【化3】
【0008】一般式(I)中、X1 、X2 及びX3 は、
それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。 一般式(C)
【0009】
【化4】
【0010】一般式(C)中、nは1、2又は3を表
す。n=2又は3の時、Aはn価の脂肪族連結基、芳香
族連結基又はヘテロ環連結基を表し、n=1の時、Aは
1価の脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基又は水素原子を
表す。Xは−O−、−S−又は−N(R24)−を表す。
21及びR22はそれぞれ低級アルキル基を表し、R23
低級アルキレン基を表し、R24は低級アルキル基を表
す。ここで、R21とR22、R21とA、R21とR23、R22
とA、又はR22とR23は連結して環を形成してもよい。
kは0又は1を表す。mは0又は1を表す。pは0又は
1を表す。Yはアニオンを表す。qは0、1、2又は3
を表し、一般式(C)の化合物が電気的中性な分子とな
るように選ばれる。
【0011】(2)該漂白能を有する処理液中のアンモ
ニウムイオン濃度が、該処理液中のアンモニウムイオン
濃度とアルカリ金属イオン濃度との合計に対して0〜5
0モル%であることを特徴とする上記(1)に記載のハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
【0012】(3)該漂白能を有する処理液が、水溶性
界面活性剤を含有することを特徴とする上記(1)又は
(2)に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理
方法。
【0013】本発明により、磁気記録層を有する感光材
料に対して、充分な磁気記録の読みとり性能が得られ、
更に感材付着の汚れの減少する結果が得られた。
【0014】次に、本発明における磁気記録層に関して
詳細に記述する。磁気記録層は、磁性粒子とバインダー
の分散物からなる。本発明で用い得る磁性粒子は、γ−
Fe2 3 などの強磁性酸化鉄(FeOx、4/3<x
≦3/2)、Co被着γ−Fe2 3 などのCo被着強
磁性酸化鉄(FeOx、4/3<x≦3/2)、Co被
着マグネタイト、その他Co含有の強磁性酸化鉄、Co
含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、
強磁性合金、さらにその他のフェライト、例えば六方晶
系のBaフェライト、Srフェライト、Pbフェライ
ト、Caフェライトあるいはこれらの固溶体またはイオ
ン置換体などを使用できるが、Co被着γ−Fe2 3
などのCo被着強磁性酸化鉄で、Fe2+/Fe3+比が0
〜10%のものが透過濃度の点から好ましい。
【0015】強磁性体の形状としては針状、米粒状、球
状、立方体状、板状等いずれでもよいが、針状が電磁変
換特性上好ましい。またその粒子サイズは、針状の場合
は長軸が0.01〜0.8μm、長軸/短軸比は2〜1
00が好ましく、更に長軸は0.05〜0.3μm、長
軸/短軸比は4〜15がより好ましい。比表面積ではS
BET で20m2/g以上が好ましく、30m2/g以上が特
に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は大きいほど
好ましいが、50emu/g以上、さらに好ましくは70em
u/g以上であり、実用上は100emu/g以下となる。ま
た、強磁性体の角型比(σr/σs)は40%以上、さ
らには45%以上が好ましい。保磁力(Hc)は小さす
ぎると消去されやすく、大きすぎるとシステムによって
は書き込めなくなるため適度な値が好ましく、200Oe
以上3000 Oe 以下、好ましくは500Oe以上200
0 Oe 以下、さらに好ましくは650Oe以上950Oe以
下である。
【0016】これらの強磁性体粒子を、例えば特開昭5
9−23505や特開平4−096052記載のものな
どのような、シリカおよび/またはアルミナで表面処理
してもよい。また、特開平4−195726、同4−1
92116、同4−259911、同5−081652
記載のような無機および/または有機の素材による表面
処理を施してもよい。さらに、これらの強磁性体粒子は
その表面にシランカップリング剤又はチタンカップリン
グ剤で処理されてもよい。次に本発明の磁性粒子が好ま
しく用いられるバインダーについて記す。本発明に用い
られるバインダーは従来、磁気記録媒体用の結合剤とし
て使用されている公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分
解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体、糖誘
導体など)およびこれらの混合物を使用することができ
る。好ましい上記樹脂のTgは−40℃〜300℃、重
量平均分子量は0.2万〜100万、好ましくは0.5
万〜30万である。
【0017】バインダーの中ではセルロースジ(または
トリ)アセテートが好ましい。バインダーは単独または
数種混合で使用され、エポキシ系、アジリジン系、イソ
シアネート系の公知の架橋剤、および/あるいは放射線
硬化型ビニル系モノマーを添加して硬化処理することが
できる。特に好ましいのはイソシアネート系架橋剤であ
り、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、これ
らのイソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物
(例えば、トリレンジイソシアナート3mol とトリメチ
ロールプロパン1mol の反応生成物)、及びこれらのイ
ソシアネート類の縮合により生成したポリイソシアネー
トなどがあげられる。またエポキシ基を有する架橋剤と
しては、例えばトリメチロールプロパン トリグリシジ
ル付加物やペンタエリスリトールのテトラグリシジル付
加物等が好ましい。放射線硬化ビニル系モノマーとして
は、放射線照射によって重合可能な化合物であって、好
ましいものとしては(メタ)アクリロイル基を2個以上
有する、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
などのポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート
類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレ
ート化合物との反応物、等がある。これらの架橋剤は、
架橋剤を含むバインダー全体に対して5から45wt%
であることが好ましい。
【0018】また、本発明の磁気記録層に親水性バイン
ダーも使用でき、水溶性ポリマー、セルロースエステ
ル、ラテックスポリマー、水溶性ポリエステルなどが例
示されている。水溶性ポリマーとしては、ゼラチン、ゼ
ラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、で
んぷん、ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸共重
合体、無水マレイン酸共重合体などであり、セルロース
エステルとしてはカルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロースなどである。ラテックスポリマー
としては塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有
共重合体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニ
ル含有共重合体、ブタジエン含有共重合体などである。
この中で最も好ましいのはゼラチンである。ゼラチンの
硬膜剤としては、たとえば、2−ヒドロキシ−4,6−
ジクロロ−1,3,5−トリアジン、ジビニルスルホ
ン、米国特許第3,103,437号等に記載されてい
るイソシアナート類、米国特許第3,017,280
号、同2,983,611号等に記載されているアジリ
ジン化合物類、米国特許3,321,313号などに記
載されているカルボキシル基活性型硬膜剤などを例示で
きる。硬膜剤の使用量は、通常乾燥ゼラチンに対して
0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20重量
%である。
【0019】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、種々の公知の手段が可能であるが、ニーダ
ー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが好ましく、ニ
ーダーとピン型ミル、もしくはニーダーとアニュラー型
ミルの併用も好ましい。磁気記録層の厚みは0.1μ〜
10μ、好ましくは0.2μ〜5μ、より好ましくは
0.3μ〜3μである。磁気粒子とバインダーの重量比
は好ましくは0.5:100〜60:100からなり、
より好ましくは1:100〜30:100である。磁性
体としての塗布量は0.005〜3g/m2、好ましくは
0.01〜2g/m2、さらに好ましくは0.02〜0.
5g/m2である。
【0020】本発明の磁気記録層は、写真用支持体の裏
面に塗布又は印刷によって全面またはストライプ状に設
けることができる。この磁気記録層を塗布する方法とし
てはエアードクターコート、ブレードコート、エアナイ
フコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロー
ルコート、トランスファーロールコート、グラビヤコー
ト、キスコート、キャストコート、スプレイコート、デ
ィップコート、バーコート、エクストリュージョンコー
ト等が利用出来、その他の方法も可能であり、これらの
具体的説明は朝倉書店発行の「コーティング工学」25
3頁〜277頁(昭和46.3.20.発行)に詳細に
記載されている。磁気記録層に、潤滑性向上、カール調
節、帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ
持たせてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機
能を付与させてもよく、必要に応じて磁気記録層に隣接
する保護層を設けて耐傷性を向上させてもよく、例え
ば、無機、有機の微粒子(例えば、シリカ,SiO2
SnO2 ,Al2 3 ,TiO2 ,架橋ポリメチルメタ
クリレート,炭酸バリウム,シリコーン微粒子など)を
添加するのは好ましい。また本発明においては、磁気記
録層側に帯電防止層を設けることが好ましい。それらの
帯電防止剤としては、特に制限はなく、たとえばアニオ
ン性高分子電解質としてはカルボン酸及びカルボン酸
塩、スルホン酸塩を含む高分子で例えば特開昭48−2
2017号、特公昭46−24159号、特開昭51−
30725号、特開昭51−129216号、特開昭5
5−95942号に記載されているような高分子であ
る。カチオン性高分子としては例えば特開昭49−12
1523号、特開昭48−91165号、特公昭49−
24582号に記載されているようなものがある。また
イオン性界面活性剤もアニオン性とカチオン性とがあ
り、例えば特開昭49−85826号、特開昭49−3
3630号、米国特許第2,992,108、米国特許
第3,206,312、特開昭48−87826号、特
公昭49−11567号、特公昭49−11568号、
特開昭55−70837号などに記載されているような
化合物を挙げることができる。
【0021】帯電防止剤として最も好ましいものは、Z
nO、TiO2 、SnO2 、Al23 、In2 3
SiO2 、MgO、BaO、MoO3 、V2 5 の中か
ら選ばれた少くとも1種の結晶性の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,
Cなど)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物の微粒子である。本発明に使用され
る導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物の微粒子ま
たは針状フィラーはその体積抵抗率が107 Ω−cm以
下、より好ましくは105 Ω−cm以下である。またその
粒子サイズは0.001〜1.0μm、特に0.001
〜0.3μmとすることが望ましい。更に効率良く導電
性を与えるために、一次微粒子を一部凝集させて0.0
1〜0.2μmにした導電性の結晶性酸化物又はその複
合酸化物の微粒子やフィラーを用いることが好ましい。
更に、これらを用いて帯電防止層を作製する場合に到達
する導電性としては、好ましくは生,処理後共にその電
気抵抗が1012Ω以下であり、より好ましくは1010Ω
以下、特に好ましいのは電気抵抗が109.5 Ω以下であ
る。その場合一般的に感材への含有量としては、5〜5
00mg/m2が好ましく特に好ましくは10〜350mg/
m2である。また、バインダーの量は1〜500mg/m2
好ましく、特に5〜300mg/m2が好ましい。導電性の
結晶性酸化物又はその複合酸化物の微粒子または針状フ
ィラーとバインダーの量の比は1/300〜100/1
が好ましく、より好ましくは1/100〜100/5で
ある。
【0022】本発明の感材には滑り性が有る事が好まし
い。滑り性はハロゲン化銀乳剤層面、磁気記録層面とも
によいが磁気記録層面の方が効果が大きい。好ましい滑
り性としては動摩擦係数で0.25以下0.01以上で
ある。この時の測定は直径5mmのステンレス球に対し、
60cm/m2で移動した時の値を表す。この評価において
相手材として感光層面に置き換えてもほぼ同レベルの値
となる。本発明に使用可能な滑りとしては、例えば、特
公昭53−292号公報に開示されているようなポリオ
ルガノシロキサン、米国特許第4,275,146号明
細書に開示されているような高級脂肪酸アミド、特公昭
58−33541号公報、英国特許第927,446号
明細書或いは特開昭55−126238号及び同58−
90633号公報に開示されているような高級脂肪酸エ
ステル(炭素数10〜24の脂肪酸と炭素数10〜24
のアルコールのエステル)、そして、米国特許第3,9
33,516号明細書に開示されているような高級脂肪
酸金属塩、また、特開昭58−50534号に開示され
ているような、直鎖高級脂肪酸と直鎖高級アルコールの
エステル、世界公開90108115.8に開示されて
いるような分岐アルキル基を含む高級脂肪酸−高級アル
コールエステル等が知られている。
【0023】又、高級脂肪酸及びその誘導体、高級アル
コール及びその誘導体としては、高級脂肪酸、高級脂肪
酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、
高級脂肪酸の多価アルコールエステル等、また、高級脂
肪族アルコール、高級脂肪族アルコールのモノアルキル
フォスファイト、ジアルキルフォスファイト、トリアル
キルフォスファイト、モノアルキルフォスフェート、ジ
アルキルフォスフェート、トリアルキルフォスフェー
ト、高級脂肪族のアルキルスルフォン酸、そのアミド化
合物またはその塩等を用いることができる。又、本発明
に使用することができる滑り剤は、有機溶剤中に分散す
る方法も各種用いる事ができる。有機溶剤中に分散する
方法としては、滑り剤を有機溶剤中で、ボールミル、サ
ンドグラインダー等により、固体分散法する方法、滑り
剤を有機溶剤中で加温溶解しておき、攪拌しながら冷却
析出させて分散する方法、また、滑り剤を有機溶剤中で
加温溶解しておき、これを、常温または冷却した有機溶
剤中に添加して冷却析出させて分散する方法、また、相
互に相溶しない有機溶剤同志により乳化する方法等であ
る。用いられる分散機としては、通常の攪拌機が使用で
きるが、特に好ましいのは、超音波分散機、ホモジナイ
ザーである。
【0024】本発明においては、像様露光された感光材
料は、発色現像液で処理され、脱銀処理され、その後に
水洗及び/又は安定液で処理される。脱銀処理は、基本
的には漂白能を有する処理液で漂白処理した後、定着能
を有する処理液で定着処理される。このように漂白処理
と定着処理は個別に行なわれてもよいし、漂白能と定着
能を兼ね備えた漂白定着液で同時に行なわれてもよい
(漂白定着処理)。これらの漂白処理、定着処理及び漂
白定着処理は、それぞれ、1槽でもよいし、2槽以上で
あってもよい。
【0025】本発明における漂白能を有する処理液と
は、脱銀工程に用いられる処理液のうち、漂白剤を含有
する処理液のことを意味し、具体的には、漂白液と漂白
定着液をいう。本発明における脱銀処理の具体的な態様
を以下にあげるがこれらに限定されるものではない。 1.漂白−定着 2.漂白定着 3.漂白−漂白定着 4.漂白定着−漂白定着 5.漂白−漂白定着−定着 6.漂白−漂白定着−漂白定着 7.漂白−定着−定着 8.漂白−定着−漂白定着 9.漂白定着−定着 10.漂白定着−漂白 尚、これらの処理の間には任意、水洗工程をもうけても
よい。
【0026】次に、本発明の一般式(A)、(B)、
(C)の化合物について更に詳細に述べる。式(A)及
び式(B)中、M11は水素原子、アルカリ金属原子、ア
ンモニウム、又は前記一般式(I)に示される基を表わ
す。ここでX1 、X2 、X3 はそれぞれ同じでも異なっ
ていてもよく、水素原子又はアルキル基を表わす。アル
キル基の好ましい炭素数は1〜3である。R11、R12
びR13はアルキル基又はヘテロ環残基を表わし、それぞ
れ同じでも異なっていてもよい。アルキル基の好ましい
炭素数としては1〜5であり、特に1〜3が最も好まし
い。ヘテロ環残基としては、ピリジン、トリアジンなど
の含窒素6員環及び、アゾール、ピラゾール、トリアゾ
ール、チアジアゾールなどの含窒素5員環が好ましい
が、なかでも環形成原子群のうち2個以上が窒素原子で
ある場合が特に好ましい。R11とM11は連結して、5員
もしくは6員のヘテロ環を形成してもよい。好ましいヘ
テロ環としては、硫黄原子と窒素原子を含む5員のヘテ
ロ環が挙げられる。上記のX1 、X2 、X3 、R11、R
12及びR13はさらにアルキル基、アルコキシ基、アリー
ル基、カルボキシ基、スルホ基、−N(R15)R14(こ
こでR14及びR15は、各々独立に、水素原子、置換もし
くは無置換の低級アルキル基、又は低級アシル基を表わ
す。)、ヒドロキシ基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、スルホンアミド基などの置換基で置換されていて
もよい。
【0027】一般式(A)及び(B)の中で好ましいも
のとしては、下記一般式(A−I)、(B−I)、(A
−II)〜(A−VI)で表わされる。
【0028】
【化5】
【0029】式(A−I)中、R31、R32は同一でも異
なってもよく、水素原子、置換もしくは無置換の低級ア
ルキル基(好ましくは炭素数1〜5、特にメチル、エチ
ル、プロピルが好ましい)、又は低級アシル基(好まし
くは炭素数1〜3、例えばアセチル、プロピオニルな
ど)を示し、nは1〜3の整数である。R31、R32は互
いに連結して環を形成してもよい。R31、R32として
は、特に置換もしくは無置換低級アルキル基が好まし
い。ここでR31、R32が有する置換基としては、ヒドロ
キシル基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基などを
挙げることができる。
【0030】
【化6】
【0031】式(B−I)中、R33、R34は一般式(A
−I)のR31、R32と同義である。nは1〜3の整数で
ある。R33とR34は互いに連結して環を形成してもよ
い。R33、R34としては、特に置換もしくは無置換低級
アルキル基が好ましい。ここでR33、R34が有する置換
基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ
基、アミノ基などを挙げることができる。
【0032】
【化7】
【0033】式(A−II)、(A−III)、(A−IV)
中、R35は水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原
子、臭素原子など)、アミノ基、置換もしくは無置換の
低級アルキル基(好ましくは炭素数1〜5、特にメチ
ル、エチル、プロピルが好ましい)、置換もしくは無置
換のアルキルアミノ基(メチルアミノ、エチルアミノ、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノなど)、または置換も
しくは無置換のアルキルチオ基(エチルチオ、プロピル
チオなど)を表わす。ここでR35が有する置換基として
は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アミ
ノ基などを挙げることができる。
【0034】
【化8】
【0035】式(A−V)中、R36、R37は、同一でも
異なってもよく、各々水素原子、置換基を有してもよい
アルキル基(好ましくは低級アルキル基、例えばメチ
ル、エチル、プロピル)、置換基を有してもよいフェニ
ル基、又は置換基を有してもよい複素環基(より具体的
には、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を
少なくとも1個以上含んだ複素環基、例えばピリジン
環、チオフェン環、チアゾリジン環、ベンゾオキサゾー
ル環、ベンゾトリアゾール環、チアゾール環、イミダゾ
ール環など)を表わす。R38は、水素原子又は置換基を
有してもよい低級アルキル基(好ましくは炭素数1〜
3、例えばメチル、エチルなど)を表わす。ここで、R
36〜R38が有する置換基としてはヒドロキシル基、カル
ボキシル基、スルホ基、アミノ基、低級アルキル基など
がある。R39は、水素原子又はカルボキシル基を表わ
す。
【0036】
【化9】
【0037】式(A−VI)中、R40、R41、R42は同一
でも異なってもよく、各々水素原子又は低級アルキル基
(好ましくは炭素数1〜3、例えばメチル、エチルな
ど)を表わす。R40とR41又はR42は互いに連結して環
を形成してもよい。R43は置換基(例えば、メチルなど
の低級アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ
アルキル基など)を有してもよいアミノ基、スルホン酸
基、カルボキシル基を表わす。R40〜R42としては、特
に、水素原子、メチル基またはエチル基が好ましく、R
43としてはアミノ基またはジアルキルアミノ基が好まし
い。以下に一般式(A−I)、(B−I)、(A−II)
〜(A〜VI)の化合物の具体例を示す。
【0038】
【化10】
【0039】
【化11】
【0040】
【化12】
【0041】
【化13】
【0042】
【化14】
【0043】
【化15】
【0044】以上の化合物はいずれも公知の方法で合成
し得るが、特に一般式(A−I)の化合物については米
国特許第4,285,984号、G. Schwarzenbach et
al.,Helv. Chem. Acta., 38, 1147 (1955) 、R. O. Cli
nton et al., J. Am. Chem.Soc., 70, 950 (1948) ;一
般式(B−I)の化合物については特開昭53−956
30号公報;一般式(A−II)、(A−III)の化合物に
ついては特開昭54−52534号公報;一般式(A−
IV)の化合物については特開昭51−68568号、同
51−70763号、同53−50169号公報;一般
式(A−V)の化合物については特公昭53−9854
号公報、特開昭59−214855号公報;一般式(A
−VI)の化合物については特開昭53−94927号公
報を参照することができる。
【0045】次に、一般式(C)の化合物について述べ
る。式(C)中、n=2又は3のとき、Aはn価の脂肪
族連結基、芳香族連結基又はヘテロ環連結基を表し、n
=1のとき、Aは1価の脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環
基又は水素原子を表す。Aで表わされる脂肪族連結基と
しては、炭素数3〜12のアルキレン基(例えばトリメ
チレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレンなど)を挙
げることができる。芳香族連結基としては、炭素数6〜
18のアリーレン基(例えばフェニレン、ナフチレンな
ど)を挙げることができる。ヘテロ環連結基としては、
1個以上のヘテロ原子(例えば酸素原子、硫黄原子、窒
素原子)からなるヘテロ環基(例えば、チオフェン、フ
ラン、トリアジン、ピリジン、ピペリジンなど)を挙げ
ることができる。ここで、脂肪族連結基、芳香族連結
基、ヘテロ環連結基は通常1個であるが、2個以上が連
結してもよく、連結形式は直接でもあるいは2価の連結
基(例えば、−O−、−S−、−N(R25)−、−SO
2 −、−CO−又はこれらの連結基から形成できる連結
基でもよく、R25は低級アルキル基を表わす。)を介し
て連結してもよい。又、この脂肪族連結基、芳香族連結
基、ヘテロ環連結基は置換基を有してもよい。置換基と
してはアルコキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、ヒド
ロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、スルホンアミド
基、スルファモイル基などが挙げられる。
【0046】Xは−O−、−S−又は−N(R24)−を
表す。R24は低級アルキル基(例えばメチル、エチルな
ど)を表わす。R21、R22は置換又は無置換の低級アル
キル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ペンチルなど)を表わし、置換基としては、ヒド
ロキシ基、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、メト
キシエトキシ、ヒドロキシエトキシなど)、アミノ基
(例えば、無置換アミノ、ジメチルアミノ、N−ヒドロ
キシエチル−N−メチルアミノなど)が好ましい。ここ
で、置換基が2個以上のときに、同じでも異なってもよ
い。R23は炭素数1〜5の低級アルキレン基(メチレ
ン、エチレン、トリメチレン、メチルメチレンなど)を
表わす。Yはアニオンを表し、例えば、ハライドイオン
(塩素イオン、臭素イオンなど)、硝酸イオン、硫酸イ
オン、p−トルエンスルホネート、オキザレートなどが
挙げられる。又、R21とR22は炭素原子又はヘテロ原子
(例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子)を介して連結
し、5員又は6員のヘテロ環(例えばピロリジン環、ピ
ペリジン環、モルホリン環、トリアジン環、イミダゾリ
ジン環など)を形成してもよい。R21(あるいはR22
とAは炭素原子又はヘテロ原子(例えば酸素原子、窒素
原子、硫黄原子)を介して連結し、5員又は6員のヘテ
ロ環(例えばヒドロキシキノリン環、ヒドロキシインド
ール環、イソインドリン環など)を形成してもよい。さ
らに、R21(あるいはR22)とR23は炭素原子又はヘテ
ロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子)を介
して連結し、5員又は6員のヘテロ環(例えば、ピペリ
ジン環、ピロリジン環、モルホリン環など)を形成して
もよい。kは0又は1、mは0又は1、nは1、2又は
3、pは0又は1、そしてqは0、1、2又は3を表わ
す。ここで、qは一般式(C)の化合物が電気的中性な
分子となるように選ばれる。以下に本発明の一般式
(C)に含まれる具体的化合物を記すが、これに限られ
るものではない。
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】
【化19】
【0051】一般式(C)の化合物の合成は一般によく
知られた以下の文献に記載の方法により合成することが
できる。例えば、米国特許第4,552,834号、特
公昭54−12056号、特開昭51−192953
号。本発明に用いられる一般式(A)、(B)、(C)
の化合物の漂白能を有する処理液中への添加量は処理す
る写真材料の種類、処理温度、目的とする処理に要する
時間等によって相違するが、処理液1リットル当り1×
10-5〜10-1モルが適当であり、好ましくは1×10
-4〜5×10-2モルである。
【0052】本発明において、ジカルボン酸化合物と
は、1分子内にカルボキシル基を2つ有する飽和ジカル
ボン酸化合物又は不飽和ジカルボン酸化合物や、1分子
内にカルボキシル基を2つ有する芳香族ジカルボン酸等
の化合物のことを表す。本発明においては、下記一般式
(K)で表される飽和ジカルボン酸化合物又は不飽和ジ
カルボン酸化合物が好ましい。 一般式(K) HOOC−L−COOH (式中、Lは炭素数1〜4の無置換の脂肪族基を表
す。) Lにおける脂肪族基は、飽和であっても不飽和であって
もよく、アルキレン基、アルケニレン基が挙げられる。
特にアルキレン基が好ましい。以下にジカルボン酸化合
物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではな
い。
【0053】
【化20】
【0054】
【化21】
【0055】以上の例示化合物の中で好ましいのは(I
−2)、(I−3)、(I−4)、(I−5)、(I−
6)、(I−9)、(I−10)、(I−11)であ
り、特には(I−3)、(I−4)、(I−6)が好ま
しい。また、ジカルボン酸化合物は単独で使用しても併
用してもよいが、本発明においては(I−3)と(I−
6)の併用が特に好ましい。本発明におけるジカルボン
酸化合物は、漂白かぶり等の点から漂白能を有する処理
液において0.1〜2.0モル/リットル含有すること
が好ましく、より好ましくは0.3〜1.5モル/リッ
トル含有することが好ましい。
【0056】磁気記録層を有する感光材料を、各種アミ
ノポリカルボン酸からなる漂白剤と、ジカルボン酸等の
カルボン酸化合物等を含有する処理液で処理することが
特開平6−95318号公報に開示されているが、本発
明一般式(A)、(B)、(C)で表される化合物との
併用により、磁気出力性及び感材の汚れを改善すること
については開示されていない。
【0057】本発明における漂白能を有する処理液に
は、本発明の効果を損なわない範囲においては上記ジカ
ルボン酸化合物の他、酢酸、グリコール酸、プロピオン
酸、ピリジン−2−カルボン酸等pKa2.0〜5.5
の有機酸をバッファー剤として併用することができる。
本発明におけるpKaは酸解離定数の逆数の対数を表
し、イオン強度0.1モル/リットル、25℃で求めら
れた値を示す。pKa2.0〜5.5の有機酸の具体例
としては、特開平3−107147号公報第5頁右下欄
第2行目〜第6頁左上欄第10行目に記載されている化
合物が挙げられる。本発明においては、ジカルボン酸以
外で臭気の強い酢酸やプロピオン酸等pKa2.0〜
5.5の有機酸は、処理浴の液(感光材料が直接触れる
処理液)中の濃度として0.0〜0.5モル/リット
ル、特には0.0〜0.3モル/リットルの範囲にする
ことが作業環境の点で好ましい。
【0058】本発明においては、漂白能を有する処理液
に含有される漂白剤としては、赤血塩、塩化第二鉄、重
クロム酸塩、過硫酸塩、臭素酸塩、過酸化水素等の無機
酸化剤の他、有機酸鉄(III)錯塩が知られているが、本
発明においては、環境保全、取扱上の安全性、金属の腐
食性等の点から、有機酸鉄(III)錯塩が好ましい。
【0059】本発明に使用される漂白能を有する処理液
に含有する有機酸鉄(III)錯塩としては、例えばエチレ
ンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シク
ロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、ヒド
ロキシエチルイミノ二酢酸、グリコールエーテルジアミ
ン四酢酸等の有機酸の鉄(III)錯塩、特開平4−121
739号公報、第4頁右下欄〜第5頁左上欄に記載の
1,3−プロピレンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩をはじ
めとする漂白剤、欧州特許公開第461413号公報に
記載のカルバモイル系の漂白剤、特開平4−17443
2号公報に記載のヘテロ環を有する漂白剤、N−(2−
カルボキシフェニル)イミノ二酢酸鉄(III)錯塩をはじ
めとする欧州特許公開第520457号公報に記載の漂
白剤、エチレンジアミン−N−(2−カルボキシフェニ
ル)−N,N’,N’−三酢酸鉄(III)錯塩をはじめと
する欧州特許公開第530828号公報に記載の漂白
剤、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸鉄(III)
錯塩をはじめとする欧州特許公開第567126号公報
に記載の漂白剤、2−(1−カルボキシ−2−フェニル
−エチルアミノ)−コハク酸鉄(III)錯塩をはじめとす
る欧州特許公開第588289号公報に記載の漂白剤、
2−(ビス−カルボキシメチル−アミノ)−プロピオン
酸鉄(III)錯塩をはじめとする欧州特許公開第5919
34号公報に記載の漂白剤の他、欧州特許公開第501
479号公報に記載の漂白剤、欧州特許公開第4616
70号公報に記載の漂白剤、欧州特許公開第43000
0号公報に記載の漂白剤、特開平3−144446号公
報の(11)頁に記載のアミノポリカルボン酸鉄(III)
錯塩が好ましく用いられる。本発明においては、上記漂
白剤を単独でも、2種類以上を併用してもよい。
【0060】以下に本発明における好ましい漂白剤を構
成する有機酸の具体例を挙げるが、特にこれらに限定さ
れるものではない。 BL−1 : N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸 BL−2 : メチルイミノ二酢酸 BL−3 : イミノ二酢酸 BL−4 : ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 BL−5 : エチレンジアミン四酢酸 BL−6 : 1,3−プロピレンジアミン四酢酸 BL−7 : 1,4−ブチレンジアミン四酢酸 BL−8 : ジエチレンチオエーテルジアミン四酢酸 BL−9 : グリコールエーテルジアミン四酢酸 BL−10 : trans-1,2−シクロヘキサンジアミン
四酢酸
【0061】BL−11 : エチレンジアミン−N,
N’−ジ(2−アセトアミド)二酢酸 BL−12 : trans-1,2−シクロヘキサンジアミン
−N,N’−ジ(2−アセトアミド)二酢酸 BL−13 : o−キシレンジアミン四酢酸 BL−14 : N−(2−カルボキシフェニル)イミノ
二酢酸 BL−15 : エチレンジアミン−N−(2−カルボキ
シフェニル)−N,N’,N’−三酢酸 BL−16 : 1,3−プロピレンジアミン−N−(2
−カルボキシフェニル)−N,N’,N’−三酢酸 BL−17 : モノプロピオン酸イミノ二酢酸 BL−18 : モノカルボン酸イミノ二プロピオン酸 BL−19 : エチレンジアミン−N,N’−ジコハク
酸 BL−20 : 1,3−プロピレンジアミン−N,N’
−ジコハク酸
【0062】BL−21 : エチレンジアミン−N,
N’−ジマロン酸 BL−22 : 1,3−プロピレンジアミン−N,N’
−ジマロン酸 BL−23 : ジエチレントリアミン五酢酸 BL−24 : エチレンジアミン−N,N’,N’−三
酢酸−N−モノプロピオン酸 BL−25 : 1,3−プロピレンジアミン−N,
N’,N’−三酢酸−N−モノプロピオン酸 BL−26 : 2−{[1−(カルボキシエチル)−カ
ルボキシメチルアミノ]エチル}−カルボキシメチルア
ミノ安息香酸 BL−27 : 2−(1−カルボキシ−2−フェニル−
エチルアミノ)−コハク酸 BL−28 : 2−[1−カルボキシ−2−(1H−イ
ミダゾール−4−イル−エチルアミノフェニル−エチル
アミノ]−コハク酸 BL−29 : 2−[(カルボキシ−フェニル−メチ
ル)−アミノ]−コハク酸 BL−30 : 2−(1−カルボキシ−エチルアミノ)
−コハク酸 BL−31 : 2−(ビス−カルボキシメチル−アミ
ノ)−プロピオン酸
【0063】尚、本発明においては、脱銀性に優れる点
でN−(2−カルボキシフェニル)イミノ二酢酸鉄(II
I)錯塩をはじめとする欧州特許公開第520457号公
報に記載の漂白剤や、エチレンジアミン−N−(2−カ
ルボキシフェニル)−N,N’,N’−三酢酸鉄(III)
錯塩をはじめとする欧州特許公開第530828号公報
に記載の漂白剤の他、1,3−ジアミノプロパン四酢酸
鉄(III)錯塩が好ましく、また、生分解性に優れる点で
エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸鉄(III)錯塩
をはじめとする欧州特許公開第567126号公報に記
載の漂白剤や、2−(1−カルボキシ−2−フェニル−
エチルアミノ)−コハク酸鉄(III)錯塩をはじめとする
欧州特許公開第588289号公報に記載の漂白剤、2
−(ビス−カルボキシメチル−アミノ)−プロピオン酸
鉄(III)錯塩をはじめとする欧州特許公開第59193
4号公報に記載の漂白剤が好ましい。
【0064】本発明において、漂白能を有する処理液で
使用される有機酸鉄(III)錯塩は、予め錯形成された鉄
(III)錯塩として添加して溶解してもよく、又、錯形成
化合物としての有機酸と鉄(III)塩(例えば、塩化第二
鉄、硝酸鉄(III)、硫酸第二鉄、臭化第二鉄、硫酸鉄
(III)アンモニウムなど)とを共存させて、処理液中で
錯形成をさせてもよい。錯形成化合物としての有機酸
は、鉄(III)イオンの錯形成に必要とする量よりもやや
過剰にしてもよく、過剰に添加するときには通常0.0
1〜15モル%の範囲で過剰にすることが好ましい。本
発明の漂白能を有する処理液に含有される有機酸鉄(II
I)錯塩はアルカリ金属塩又はアンモニウム塩として用い
てもよい。アルカリ金属塩としてはリチウム塩、ナトリ
ウム塩、カリウム塩等、アンモニウム塩としては、アン
モニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等を挙げるこ
とが出来る。迅速な漂白性の観点からはアンモニウム塩
が好ましいが、環境問題の観点では自然界に排出される
窒素原子の低減が望まれることから、ナトリウム塩やカ
リウム塩が好ましい。本発明において、漂白能を有する
処理液の漂白剤として、上述した有機酸鉄(III)錯塩か
らなる漂白剤に加え、上述した無機酸化剤を漂白剤とし
て併用してもよい。
【0065】漂白能を有する処理液中の有機酸鉄(III)
錯塩の総濃度としては、本発明においては、0.003
〜3.00モル/リットルの範囲が適当であり、0.0
2〜2.00モル/リットルの範囲が好ましく、より好
ましくは0.05〜1.00モル/リットルの範囲であ
り、特には0.1〜0.5モル/リットルの範囲が好ま
しいが、上述したような無機酸化剤を併用する場合には
鉄(III)錯塩の総濃度としては0.005〜0.030
モル/リットルの範囲が好ましい。
【0066】本発明の漂白能を有する処理液には、種々
の水溶性界面活性剤を含有することが好ましく、特には
補充処理剤に添加することが好ましい。水溶性界面活性
剤としては、ポリアルキレングリコール型非イオン性界
面活性剤、多価アルコール型非イオン性界面活性剤、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩型アニオン性界面活性剤、
高級アルコール硫酸エステル塩型アニオン性界面活性
剤、アルキルナフタレンスルホン酸塩型アニオン性界面
活性剤、4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤、
アミン塩型カチオン性界面活性剤、アミノ塩型両性界面
活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、シリコン系界面活
性剤等がある。具体的には特開平4−194851号公
報に記載の水溶性界面活性剤があげられ、本発明におい
てはポリアルキレングリコール型非イオン性の水溶性界
面活性剤を用いるのが好ましく、特に下記一般式(W)
で表されるアルキルフェノキシポリエチレンオキサイド
類やアルキルフェノキシポリヒドロキシプロピレンオキ
サイド類のポリアルキレングリコール型非イオン性の水
溶性界面活性剤が好ましい。
【0067】
【化22】
【0068】(Wは−CH2 CH2 O−又は−CH2
H(OH)CH2 O−を表わし、R1及びR2 はそれぞ
れアルキル基を表わし、nは0又は1を表わす。mは−
CH2CH2 O−又は−CH2 CH(OH)CH2 O−
の付加モル数を表わす。) R1 及びR2 のアルキル基としては、炭素数3〜20、
好ましくは炭素数6〜12、特にオクチル、ノニル、ド
デシルが好ましく、また付加モル数としてのmは特に6
〜14が好ましい。本発明においてはWは−CH2 CH
(OH)CH2 O−で示されるポリヒドロキシプロピレ
ンオキサイド型非イオン性の水溶性界面活性剤が本発明
の効果を顕著にすることから好ましい。以下に好ましい
水溶性界面活性剤の例を示すが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0069】
【化23】
【0070】水溶性界面活性剤の添加量は、漂白能を有
する処理液1リットルあたり0.005g〜3gが好ま
しく、特に好ましくは0.02〜1.0gである。
【0071】本発明においては、好ましく水溶性界面活
性剤が添加される漂白能を有する処理液の補充剤は、液
体であっても固体(粉剤、顆粒、錠剤)であってもよ
く、顆粒、錠剤においてはバインダーとしての用途も兼
ねて、ポリエチレングリコール系の界面活性剤が好まし
い。写真処理剤を固形化するには、特開平4−2913
6号公報、同4−85535号公報、同4−85536
号公報、同4−88533号公報、同4−85534号
公報、同4−172341号公報に記載されているよう
に、濃厚液又は微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性バイ
ンダーを混練し、成形するか、仮成形した写真処理剤の
表面に水溶性バインダーを噴霧したりすることにより、
被覆層を形成する等、任意の手段が採用できる。錠剤処
理剤の製造方法は、例えば、特開昭51−61837号
公報、同54−155038号公報、同52−8802
5号公報、英国特許1213808号公報に記載される
一般的な方法で製造でき、さらに顆粒処理剤は、例え
ば、特開平2−109042号公報、同2−10904
3号公報、同3−39735号公報及び同3−3973
9号公報等に記載される一般的な方法で製造できる。更
にまた粉末処理剤は、例えば、特開昭54−13333
2号公報、英国特許725892号公報、同72986
2号公報及びドイツ特許3733861号公報等に記載
されるが如き一般的な方法で製造できる。
【0072】又、本発明の漂白能を有する処理液のpH
は、3.0〜7.0が適当であり、漂白液においては特
にpH3.5〜5.0の範囲が好ましく、一方、漂白定
着液においてはpH4.0〜6.5の範囲が特に好まし
い。このようなpHにするのに、本発明においては前述
した有機酸をバッファー剤として添加することが好まし
い。尚、pH調整用に使用するアルカリ剤としては、ア
ンモニア水、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。本発明の漂白
能を有する処理液を上記pHに調節するには、上記のア
ルカリ剤と、公知の酸(無機酸、有機酸)を使用するこ
とが出来る。
【0073】これらの本発明の漂白能を有する液での処
理は、発色現像後に直ちに行なうことが好ましいが、反
転処理の場合には調整浴(漂白促進浴であってもよ
い。)等を介して行なうことが一般である。これらの調
整浴には、後述の画像安定剤を含有してもよい。本発明
において漂白能を有する液には漂白剤の他に特開平3−
144446号公報の(12)ページに記載の再ハロゲ
ン化剤、pH緩衝剤及び公知の添加剤、アミノポリカル
ボン酸類、有機ホスホン酸類等が使用でき、再ハロゲン
化剤としては臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アン
モニウム、塩化カリウム等を用いることが好ましく、そ
の含有量としては、漂白能を有する液1リットル当り
0.1〜1.5モルが好ましく、0.1〜1.0モルが
より好ましく、0.1〜0.8以下が特に好ましい。
【0074】本発明においては、漂白能を有する処理液
中のアンモニウムイオン濃度が、該処理液中のアンモニ
ウムイオン濃度とアルカリ金属イオン濃度との合計に対
して0〜50モル%であることが好ましく、特には0〜
30モル%が好ましい。
【0075】本発明において漂白能を有する液には、硝
酸化合物、例えば硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム等
を用いることが好ましい。本発明においては、漂白能を
有する液1リットル中の硝酸化合物濃度は0〜0.3モ
ルが好ましく、0〜0.2モルがより好ましい。通常は
ステンレスの腐食を防止するために、硝酸アンモニウム
や硝酸ナトリウムなどの硝酸化合物を添加するが、本発
明においては、硝酸化合物は少なくても腐食が起こりに
くく脱銀も良好である。
【0076】漂白能を有する液の補充量は感光材料1m2
あたり30〜500mlが好ましく、より好ましくは5
0〜150mlである。漂白液で処理する場合の処理時
間は3分以下が好ましく、特に好ましくは10秒から6
0秒、最も好ましくは15〜40秒である。脱銀工程の
時間の合計は、脱銀不良が生じない範囲で短い方が好ま
しい。好ましい時間は1分〜3分、更に好ましくは1分
〜2分である。また、処理温度は25℃〜50℃、好ましく
は35℃〜45℃である。好ましい温度範囲においては、脱
銀速度が向上し、かつ処理後のステイン発生が有効に防
止される。本発明の漂白能を有する処理液は、処理に際
し、エアレーションを実施することが写真性能をきわめ
て安定に保持するので特に好ましい。エアレーションに
は当業界で公知の手段が使用でき、漂白能を有する処理
液中への、空気の吹き込みやエゼクターを利用した空気
の吸収などが実施できる。空気の吹き込みに際しては、
微細なポアを有する散気管を通じて、液中に空気を放出
させることが好ましい。このような散気管は、活性汚泥
処理における曝気槽等に、広く使用されている。エアレ
ーションに関しては、イーストマン・コダック社発行の
Z−121、ユージング・プロセス・C−41第3版
(1982年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項を
利用できる。本発明の漂白能を有する処理液を用いた処
理に於いては、攪拌が強化されていることが好ましく、
その実施には特開平3−33847号公報の第8頁、右
上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、そのま
ま利用できる。
【0077】また、本発明において、漂白能を有する処
理液の前浴には、各種漂白促進剤を添加することができ
る。このような漂白促進剤については、例えば、米国特
許第3,893,858号明細書、ドイツ特許第1,2
90,821号明細書、英国特許第1,138,842
号明細書、特開昭53−95630号公報、リサーチ・
ディスクロージャー第17129号(1978年7月
号)に記載のメルカプト基またはジスルフィド基を有す
る化合物、特開昭50−140129号公報に記載のチ
アゾリジン誘導体、米国特許第3,706,561号明
細書に記載のチオ尿素誘導体、特開昭58−16235
号公報に記載の沃化物、ドイツ特許第2,748,43
0号明細書に記載のポリエチレンオキサイド類、特公昭
45−8836号公報に記載のポリアミン化合物などを
用いることができる。更に、米国特許第4,552,834 号に
記載の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感光材
料中に添加してもよい。
【0078】定着能を有する処理液には、保恒剤として
亜硫酸塩(例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、
亜硫酸アンモニウム)、ヒドロキシルアミン類、ヒドラ
ジン類、アルデヒド化合物の重亜硫酸塩付加物(例えば
アセトアルデヒド重亜硫酸ナトリウム、特に好ましくは
特開平3−158848号記載の化合物)又は特開平1
−231051号明細書に記載のスルフィン酸化合物な
どを含有させることができる。さらに、各種の蛍光増白
剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリド
ン、メタノール等の有機溶剤を含有させることができ
る。さらに定着能を有する処理液には処理液の安定化の
目的で各種アミノポリカルボン酸類や、有機ホスホン酸
類等のキレート剤の添加が好ましい。好ましいキレート
剤としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ
スホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テ
トラキス(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリメチレ
ンホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレント
リアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、1,
2−プロピレンジアミン四酢酸を挙げることができる。
【0079】また、漂白定着液や定着液には液のpHを
一定に保つために、緩衝剤を添加するのも好ましい。例
えば、リン酸塩、あるいはイミダゾール、1−メチル−
イミダゾール、2−メチル−イミダゾール、1−エチル
−イミダゾールのようなイミダゾール類、トリエタノー
ルアミン、N−アリルモルホリン、N−ベンゾイルピペ
ラジン等があげられる。
【0080】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法
としては、特開昭 62-183460号や特開平3-33847 号公報
の第8頁、右上欄6行目〜左下欄2行目に記載の感光材
料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭
62-183461号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる方
法、更には液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面
を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流
化することによってより攪拌効果を向上させる方法、処
理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられる。こ
のような攪拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、定着液
のいずれにおいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中
への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度
を高めるものと考えられる。また、前記の攪拌向上手段
は、漂白促進剤を使用した場合により有効であり、促進
効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作
用を解消させることができる。
【0081】本発明の感光材料に用いられる自動現像機
は、特開昭 60-191257号、同 60-191258号、同 60-1912
59号に記載の感光材料搬送手段を有していることが好ま
しい。前記の特開昭 60-191257号に記載のとおり、この
ような搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著
しく削減でき、処理液の性能劣化を防止する効果が高
い。このような効果は各工程における処理時間の短縮
や、処理液補充量の低減に特に有効である。また、本発
明の漂白能を有する液は、処理に使用後のオーバーフロ
ー液を回収し、成分を添加して組成を修正した後、再利
用することが出来る。このような使用方法は、通常、再
生と呼ばれるが、本発明はこのような再生も好ましくで
きる。再生の詳細に関しては、富士写真フイルム株式会
社発行の富士フイルム・プロセシングマニュアル、フジ
カラーネガティブフィルム、CN−16処理(1990
年8月改訂)第39頁〜40頁に記載の事項が適用でき
る。
【0082】漂白能を有する液の再生に関しては、前述
のエアレーションの他、「写真工学の基礎−銀塩写真編
−」(日本写真学会編、コロナ社発行、1979年)等
に記載の方法が使用できる。具体的には電解再生の他、
臭素酸や亜鉛素酸、臭素、臭素プレカーサー、過硫酸
塩、過酸化水素、触媒を利用した過酸化水素、亜臭素
酸、オゾン等による漂白液の再生方法が挙げられる。電
解による再生においては、陰極及び陽極を同一漂白浴に
入れたり、或いは隔膜を用いて陽極槽と陰極槽を別浴に
して再生してりするほか、やはり隔膜を用いて漂白液と
現像液及び/又は定着液を同時に再生処理したりするこ
とができる。定着液、漂白定着液の再生は、蓄積する銀
イオンを電解還元することでおこなわれる。その他、蓄
積するハロゲンイオンを陰イオン交換樹脂により除去す
ることも、定着性能を保つ上で好ましい。本発明の漂白
能を有する液は、保存の際に酸素透過速度が1cc/m2.d
ay.atm以上の密閉容器に入れておくことが好ましい。こ
の条件では、本発明の効果がより顕著となる。
【0083】本発明の現像処理に用いる発色現像液は、
好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分
とするアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬とし
ては、アミノフェノール系化合物も有用であるが、p-フ
ェニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、その代
表例としては、3-メチル-4- アミノ-N,N- ジエチルアニ
リン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β- ヒドロキ
シエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N-
β- メタンスルホンアミドエチルアニリン、3-メチル-4
- アミノ-N- エチル- β- メトキシエチルアニリン、4-
アミノ-3- メチル-N- メチル-N-(3-ヒドロキシプロピ
ル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(3-ヒ
ドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N-
エチル-N-(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ
-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニ
リン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(3-ヒドロキ
シプロピル)アニリン、4-アミノ-3- プロピル -N-メチ
ル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3-
メチル-N- メチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、
4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキシブチ
ル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(4-
ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- エチル-N-
エチル-N-(3-ヒドロキシ-2- メチルプロピル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(4- ヒドロキシブチ
ル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(5- ヒド
ロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N-(5-
ヒドロキシペンチル)-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メトキシ-N- エチル-N-(4-ヒドロキシ
ブチル)アニリン、4-アミノ-3- エトキシ-N,N- ビス(5
- ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3- プロピ
ル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、及びこれらの硫
酸塩、塩酸塩もしくはp-トルエンスルホン酸塩などが挙
げられる。これらの中で、3-メチル-4- アミノ-N- エチ
ル-N -β- ヒドロキシエチルアニリン、4-アミノ-3- メ
チル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、
4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキシブチ
ル)アニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β-
メタンスルホンアミドエチルアニリン及びこれらの塩酸
塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくは硫酸塩が好まし
く、更には3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N -β- ヒド
ロキシエチルアニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル
-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メ
チル-N-エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン及び
これらの塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくは硫酸
塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ2種以上併
用することもできる。
【0084】芳香族第一級アミン現像主薬の使用量は発
色現像液1リットル当たり好ましくは0.0002モル
〜0.2モル、さらに好ましくは0.001モル〜0.
1モルである。
【0085】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、
臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチ
アゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制
剤またはカブリ防止剤などを含むのが一般的である。ま
た必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロ
キシルアミンの他、N,N−ビス(2−スルホナートエ
チル)ヒドロキシルアミンをはじめとする特開平3−1
44446号の一般式(I)で表されるヒドロキシルア
ミン類、亜硫酸塩、N,N-ビスカルボキシメチルヒドラジ
ンの如きヒドラジン類、フェニルセミカルバジド類、ト
リエタノールアミン、カテコールスルホン酸類の如き各
種保恒剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール
のような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレン
グリコール、四級アンモニウム塩、アミン類のような現
像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、1-フェニ
ル-3−ピラゾリドンのような補助現像主薬、粘性付与
剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、ア
ルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるよ
うな各種キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢
酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シ
クロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ
ジ酢酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸、
ニトリロ-N,N,N-トリメチレンホスホン酸、エチレンジ
アミン-N,N,N,N- テトラメチレンホスホン酸、エチレン
ジアミン- ジ(o- ヒドロキシフェニル酢酸) 及びそれ
らの塩を代表例として挙げることができる。
【0086】本発明における発色現像液での処理温度は
20〜55℃、好ましくは30〜55℃である。処理時
間は撮影用感材においては20秒〜10分、好ましくは
30秒〜8分である。更に好ましくは1分〜6分であ
り、特に好ましくは、1分10秒から3分30秒であ
る。プリント用材料においては10秒〜1分20秒、好
ましくは10秒〜60秒であり、更に好ましくは10秒
〜40秒である。
【0087】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンやハイドロキノンモノスルホネートなどの
ジヒドロキシベンゼン類、1-フェニル-3- ピラゾリドン
や1-フェニル-4- メチル-4-ヒドロキシメチル-3- ピラ
ゾリドンなどの3-ピラゾリドン類またはN-メチル-p-ア
ミノフェノールなどのアミノフェノール類など公知の黒
白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用いることが
できる。また、黒白感光材料の処理においても上記の黒
白現像液を使用する。これらの発色現像液及び黒白現像
液のpHは9〜12であることが一般的である。またこれら
の現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料にも
よるが、一般に感光材料1平方メートル当たり3リット
ル以下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させ
ておくことにより 500ml以下にすることもできる。補充
量を低減する場合には処理槽の空気との接触面積を小さ
くすることによって液の蒸発、空気酸化を防止すること
が好ましい。
【0088】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。即
ち、 開口率=〔処理液と空気との接触面積(cm2) 〕÷〔処理
液の容量(cm3) 〕 上記の開口率は、0.1 以下であることが好ましく、より
好ましくは 0.001〜0.05である。このように開口率を低
減させる方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋
等の遮蔽物を設けるほかに、特開平 1-82033号に記載さ
れた可動蓋を用いる方法、特開昭 63-216050号に記載さ
れたスリット現像処理方法を挙げることができる。ま
た、流動パラフィンのような処理液面を覆う液体や低酸
化性及び/又は非酸化性気体を処理液面に接触させる方
法も挙げられる。開口率を低減させることは、発色現像
及び黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程、例え
ば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全ての
工程において適用することが好ましい。また、現像液中
の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることにより
補充量を低減することもできる。
【0089】本発明の脱銀処理は、発色現像後に直ちに
行なうことが好ましいが、反転処理の場合には調整浴
(漂白促進浴、前漂白浴であってもよい。)等を介して
行なうことが一般である。これらの調整浴に、前述の画
像安定剤を用いた調整安定液とすると画像安定性が向上
し好ましい。調整液としては、画像安定化剤以外には、
エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、1,3−プロピレンジアミン四酢酸、シクロヘキサ
ンジアミン四酢酸のようなアミノポリカルボン酸キレー
ト剤、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウムのような
亜硫酸塩及びチオグリセリン、アミノエタンチオール、
スルホエタンチオールなど後述する各種漂白促進剤を含
有させることができる。またスカム防止の目的で、米国
特許4,839,262号に記載のエチレンオキシドで
置換された脂肪酸のソルビタンエステル類、米国特許
4,059,446号及びリサーチ・ディスクロージャ
ー誌191巻、19104(1980)に記載されたポ
リオキシエチレン化合物等を含有させることが好まし
い。これらの化合物は、調整液1リットル当たり0.1
g〜20gの範囲で使用することができるが、好ましく
は1g〜5gの範囲である。調整浴のpHは、通常3〜
11の範囲で用いられるが、好ましくは4〜9、更に好
ましくは4.5〜7である。調整浴での処理時間は、2
0秒〜5分であることが好ましい。より好ましくは20
秒〜100秒であり、最も好ましくは20秒〜60秒で
ある。また、調整浴の補充量は、感光材料1m2 当たり
30ml〜3000mlが好ましいが、特に50ml〜150
0mlであることが好ましい。調整浴の処理温度は20℃
〜50℃が好ましいが、特に30℃〜40℃であること
が好ましい。
【0090】本発明において脱銀処理の後には、水洗水
及び/又は安定液等の処理液で処理される。本発明にお
いて安定液とは、従来カラーネガフィルム、カラー反転
フィルムの最終処理工程に用いられている安定液であ
り、最終工程やリンス工程の場合のその前浴の安定化工
程に用いられている安定液も包含するものであるが、最
終浴として使用するのが好ましい。本発明における安定
液は、安定液に含まれる、色素画像を安定化させる化合
物(後述するが、例えばホルマリン等のアルデヒド化合
物)により、発色現像で形成された色素画像を経時等で
褪色や変色を防止している。
【0091】前述のとうり本発明における安定液には色
素画像を安定化させる化合物(以下、画像安定化剤とい
う)を添加することができる。画像安定化剤としては、
例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズアルデヒド
等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重亜硫酸付
加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導体、ヘキ
サヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロール尿素
やN−メチロールピラゾールなどのN−メチロール化合
物、N,N′−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−
イルメチル)ピペラジン等のアゾリルメチルアミン類等
が挙げられる。これらの画像安定化剤は、特開平2−1
53348号、同4−270344号、同4−3137
53号(対応、欧州特許公開第504609A2号)、
同4−359249号(対応、欧州特許公開第5191
90A2号)、同5−34889号、欧州特許公開第5
21477A1号等に記載されている。
【0092】本発明においては、液中の遊離ホルムアル
デヒド濃度が0〜0.01%の場合、更には0〜0.0
05%の場合に効果が大きく好ましい。このような遊離
ホルムアルデヒド濃度にする画像安定化剤としては、m
−ヒドロキシベンズアルデヒド、ヘキサメチレンテトラ
ミン、N−メチロールピラゾールなどの特開平4−27
0344号記載のN−メチロールアゾール類、N,N′
−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)
ピペラジン等の特開平4−313753号(対応、欧州
特許公開第504609A2号)記載のアゾリルメチル
アミン類が好ましい。特に特開平4−359249号
(対応、欧州特許公開第519190A2号)に記載の
1,2,4−トリアゾールの如きアゾール類と、1,4
−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)
ピペラジンの如きアゾリルメチルアミン及びその誘導体
の併用が、特に好ましい。好ましい画像安定化剤を以下
に示すがこれらに限定されるものではない。
【0093】
【化24】
【0094】
【化25】
【0095】A−23 ヘキサメチレンテトラミン A−24 N−メチロール尿素 本発明において画像安定化剤の含有量としては、安定液
1リットルあたり0.001〜0.1モルが好ましく、
0.001〜0.05モルが更に好ましい。
【0096】本発明における安定液には、酢酸、クエン
酸、硫酸等の有機酸を含有することができるが、本発明
においては安定液の効果を更に発揮させるために安定液
にヒドロキシ基を有する一塩基有機酸を添加することが
好ましい。ヒドロキシ基を有する一塩基有機酸は、ヒド
ロキシ基部位と有機酸部位を有する直鎖または分岐のア
ルキル基から成る。化合物の炭素数としては、2ないし
6のものが好ましく、さらに2ないし4のもの好まし
い。有機酸部位としてはカルボン酸、スルホン酸、リン
酸が好ましく、特にカルボン酸が好ましい。上記ヒドロ
キシ基を有する一塩基有機酸の具体例としては、グリコ
ール酸、酪酸等が挙げられ、グリコール酸が特に好まし
い。本発明の安定液における有機酸の含有量としては、
安定液1リットルあたり0.00001〜0.5モルが
好ましく、0.0001〜0.1モルが更に好ましい。
【0097】本発明における水洗水及び/又は安定液に
は、前述した種々の界面活性剤を含有することが好まし
い。特に乾燥工程に入る直前の処理液(即ち、最終
浴。)に用いることで処理後の感光材料の乾燥時の水滴
ムラを防止する効果がある。最終浴は、水洗水、安定液
いずれでもよいが、安定液が好ましい。界面活性剤の添
加量は、水洗水及び/又は安定液1リットルあたり0.
005g〜3g、好ましくは0.02〜0.3gであ
る。その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫酸アン
モニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alなどの金
属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,786,
583号に記載のアルカノールアミンや特開平1−23
1051号公報に記載のスルフィン酸化合物を含有させ
ることも好ましい。
【0098】更に、本発明においては、安定液中に水溶
性セルロース誘導体を含有してもよい。水溶性セルロー
ス誘導体としてはヒドロキシセルロースやカルボキシメ
チルセルロースが好ましく、その含有量としは、安定液
1リットル当たり0.01〜5.0gが好ましく、0.
05〜1.0gが更に好ましい。
【0099】本発明の安定液は、各種キレート剤を含有
させることが、安定液の安定性を向上し、汚れの発生を
低減するうえで好ましく使用できる。好ましいキレート
剤としては、有機カルボン酸系キレート剤、有機燐酸系
キレート剤、無機燐酸系キレート剤、ポリヒドロキシ化
合物が挙げられる。特に好ましいキレート剤としては、
エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸、イミノ
二酢酸モノプロピオン酸などのアミノポリカルボン酸や
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、
N,N,N′−トリメチレンホスホン酸、ジエチレント
リアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホ
ン酸などの有機ホスホン酸、あるいは、欧州特許34
5,172A1号に記載の無水マレイン酸ポリマーの加
水分解物などをあげることができる。これらのキレート
剤の好ましい添加量は、安定液1リットルあたり0.0
0001〜0.01モルである。
【0100】本発明の安定液は、菌や黴の発生を防止す
る目的で、防菌・防黴剤を添加することが好ましく、こ
れらは市販のものを使用できる。これらの防菌・防黴剤
の例としては特開昭57−157244号及び同58−
105145号に示されるようなチアゾリルベンゾイミ
ダゾール系化合物、特開昭57−8542号に示される
ようなイソチアゾロン系化合物、トリクロロフェノール
に代表されるようなクロロフェノール系化合物、ブロモ
フェノール系化合物、有機スズや有機亜鉛化合物、酸ア
ミド系化合物、ダイアジンやトリアジン系化合物、チオ
尿素系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、アルキル
グアニジン化合物、ベンズアルコニウムクロライドに代
表されるような四級アンモニウム塩、ペニシリン、アミ
ノグリコシド類に代表されるような抗生物質等、ジャー
ナル・アンティバクテリア・アンド・アンティファンガ
ス・エイジェント(J. Antibact. Antifung. Agents)
Vol 1. No.5,p.207〜223(1983)に記載の
汎用の防バイ剤等が挙げられる。これらの中でもイソチ
アゾロン系化合物が好ましく、更に好ましくはベンゾイ
ソチアゾロン化合物が好ましい。本発明においては、特
に1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン及び/また
はその誘導体が好ましく、更には、下記一般式(II)で表
される1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン及び/
またはその誘導体が好ましい。 一般式(II)
【0101】
【化26】
【0102】式中、R1は水素原子、アルキル基またはア
ルコキシ基、R2、R3およびR4は各々水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基またはニト
ロ基を表わす。また、R1、R2、R3またはR4で表わされる
アルキル基およびアルコキシ基のアルキル基部分は好ま
しくは炭素数 1〜6 の直鎖または分岐のアルキル基であ
る。
【0103】上記一般式(II)で表わされる化合物の代表
的具体例を以下に示すが、本発明の化合物はこれらに限
定されるものではない。 例示化合物 1,2-ベンゾイソチアゾリン-3- オン、2-メチル-1,2- ベ
ンゾイソチアゾリン-3- オン、2-エチル-1,2- ベンゾイ
ソチアゾリン-3- オン、2-(n- プロピル)-1,2-ベンゾイ
ソチアゾリン-3- オン、2-(n- ブチル)-1,2-ベンゾイソ
チアゾリン-3-オン、2-(sec- ブチル)-1,2-ベンゾイソ
チアゾリン-3- オン、2-(t- ブチル)-1,2-ベンゾイソチ
アゾリン-3- オン、2-メトキシ-1,2- ベンゾイソチアゾ
リン-3-オン、2-エトキシ-1,2- ベンゾイソチアゾリン-
3- オン、2-(n- プロピルオキシ)-1,2-ベンゾイチアゾ
リン-3- オン、2-(n- ブチルオキシ)1,2- ベンゾイソチ
アゾリン-3- オン、5-クロロ-1,2- ベンゾイソチアゾリ
ン-3- オン、5-メチル-1,2- ベンゾイソチアゾリン-3-
オン、6-エトキシ-1,2- ベンゾイソチアゾリン-3-オ
ン、6-シアノ-1,2- ベンゾイソチアゾリン-3- オン、5-
ニトロ-1,2- ベンゾイソチアゾリン-3- オン。
【0104】また、特開昭48−83820号記載の種
々の殺菌剤、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩
素系殺菌剤、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)
三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技
術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌
防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤も用いることが
できる。これらは2種以上併用してもよい。本発明の安
定液における防腐剤・防菌剤としては、ザ・メルク・イ
ンデックス第11版(1989年)Merk& C
o.,INC.記載のアミノグリコシド類が好ましく、
アミノグリコシド類の中でもゲンタマイシン類が特に好
ましい。特に遊離ホルムアルデヒド濃度が上述の如く低
い安定液において、生成した浮遊物が感光材料に付着す
るのを防止する。
【0105】これら防菌・防黴剤の好ましい添加量とし
ては、安定液1リットル当たり0.001〜1gであ
り、0.005〜0.5gがより好ましい。
【0106】本発明においては、脱銀処理後、水洗処理
を経てから安定液で処理を行なってよいし、水洗処理を
行なうことなく直接に安定液で処理を行なってもよい。
水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカプ
ラー等使用素材による)、用途、更には水洗水温、水洗
タンクの数(段数)、向流、順流等の補充方式、その他
種々の条件によって広範囲に設定し得る。このうち、多
段向流方式における水洗タンク数と水量の関係は、Jour
nal of the Society of Motion Picture and Televisio
n Engineers 第64巻、P. 248〜253 (1955 年5月号)に
記載の方法で、求めることができる。前記文献に記載の
多段向流方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得る
が、タンク内における水の滞留時間の増加により、バク
テリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する
等の問題が生じる。本発明の処理において、このような
問題が解決策として、特開昭62−288838号に記
載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させ
る方法を極めて有効に用いることができる。また、特開
昭57−8542号に記載のイソチアゾロン化合物やサ
イアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウ
ム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀
口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生
技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)
工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」
(1986年)に記載の殺菌剤を用いることが好ましい。
【0107】本発明における安定液及び水洗水のpHは、
4〜9であり、好ましくは5〜8である。処理温度、処
理時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し得る
が、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは25〜
40℃で30秒〜2分である。更に、本発明の安定液による
処理は、水洗を行なうことなく、脱銀処理に引き続き直
接安定液で処理する場合、汚れの防止効果が顕著に現れ
る。また、本発明における安定液での処理は、特開昭5
7−8543号、同58−14834号、同60−22
0345号に記載の公知の方法はすべて用いることがで
きる。
【0108】本発明における水洗及び安定液それぞれの
補充量は、感光材料1m2 当たり50〜3000mlが
好ましく、100〜1200mlがより好ましく、10
0〜900mlが更に好ましく、200〜600mlが
特に好ましい。本発明においては、該定着能を有する処
理液を用いた処理工程後の水洗水及び安定液の補充量の
合計が感光材料1m2 当たり50〜3000mlが好ま
しく、100〜1500mlがより好ましく、100〜
900mlが更に好ましく、200〜700mlが特に
好ましい。上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオー
バーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用する
こともできる。水洗水の使用量を低減するためには、イ
オン交換、あるいは限外濾過が用いられるが、とくに限
外濾過を用いるのが好ましい。
【0109】本発明における各種処理液は10℃〜50℃に
おいて使用される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的で
あるが、より高温にして処理を促進し処理時間を短縮し
たり、逆により低温にして画質の向上や処理液の安定性
の改良を達成することができる。自動現像機などを用い
た処理において、上記の各処理液が蒸発により濃縮化す
る場合には、蒸発による濃縮を補正するために、適当量
の水または補正液ないし処理補充液を補充することが好
ましい。水補充を行う具体的方法としては、特に制限は
ないが、中でも特開平1−254959号、同1−25
4960号公報記載の、漂白槽とは別のモニター水槽を
設置し、モニター水槽内の水の蒸発量を求め、この水の
蒸発量から漂白槽における水の蒸発量を算出し、この蒸
発量に比例1て漂白槽に水を補充する方法や特開平3−
248155号、同3−249644号、同3−249
645号、同3−249646号公報記載の液レベルセ
ンサーやオーバーフローセンサーを用いた蒸発補正方法
が好ましい。各処理液の蒸発分を補正するための水は、
水道水を用いてもよいが上記の水洗工程に好ましく使用
される脱イオン処理した水、殺菌された水とするのがよ
い。
【0110】本発明の処理は、種々の現像処理装置を用
いて処理することができる。好ましい現像処理装置とし
ては、富士写真フイルム(株)製自動現像機FNCP−
300II、同FNCP−600II及び同FNCP−
900II等のシネ型現像処理装置、富士写真フイルム
(株)製自動現像機FP−560B、同FP−350等
のミニラボと呼ばれるリーダー搬送方式のシネ型現像処
理装置、ノーリツ鋼機(株)製自動現像機HM−55
S、同H8−440W−4、同HM−60R、HR6−
8360等のハンガータイプの現像処理装置、米国HO
PE社製HOPE138、HOPE2409V等のロー
ラー搬送方式の現像処理装置等が挙げられる。また、現
像処理装置の攪拌方式、材質等については、特開平4−
130432号公報に記載されているものが好ましい。
【0111】本発明の感光材料は、写真構成層の少なく
とも1層に少なくとも1種のラジカルスカベンジャーを
含有することが好ましい。本発明におけるラジカルスカ
ベンジャーとは、25℃でガルビノキシル0.05mmol
dm-3エタノール溶液とテスト化合物の2.5mmoldm-3
タノール溶液とを、ストップトフロー法により混合し、
430nmにおける吸光度の時間変化を測定し、実質的
にガルビノキシルを消色(430nmにおける吸光度を
減少)させる化合物のことを言う。好ましくは、上記に
示す方法により求めたガルビノキシルの消色速度定数が
0.01mmol-1s -1dm3 以上、更に好ましくは0.1mm
ol-1s -1dm3 以上である。ガルビノキシルを用いてラジ
カルスカベンジ速度を求める方法は、Microchemical Jo
urnal 31,18-21(1985)に、ストップトフロー法について
は、例えば、分光研究 第19巻 第6 号(1970)321 頁に
記載されている。
【0112】本発明ではラジカルスカベンジャーとし
て、下記一般式(RS)で表される化合物を用いること
が更に好ましい。以下一般式(RS)で表される化合物
について詳しく説明する。
【0113】
【化27】
【0114】一般式(RS)において、Ra1はアルキル
基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル
基、スルホニル基、スルフィニル基、カルバモイル基、
スルファモイル基、アルコキシカルボニル基またはアリ
ールオキシカルボニル基を表し、Ra2は水素原子または
a1が示した基を表し、Ra1とRa2が互いに結合して、
5〜7員環を形成しても良い。ただし、Ra1がアルキル
基、アルケニル基またはアリール基の時、Ra2はヘテロ
環基、アシル基、スルホニル基、スルフィニル基、カル
バモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル
基またはアリールオキシカルボニル基である。
【0115】一般式(RS)で表わされる化合物をさら
に詳細に説明する。一般式(RS)において、Ra1はア
ルキル基(例えばメチル、エチル、i−プロピル、シク
ロプロピル、ブチル、イソブチル、シクロヘキシル、t
−オクチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、ベンジ
ル)、アルケニル基(例えば、アリル、2−ブテニル、
イソプロペニル、オレイル、ビニル)、アリール基(例
えばフェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(環構成原子と
して窒素原子、イオウ原子、酸素原子またはリン原子の
少なくとも一つを有する5〜7員環状のヘテロ環を形成
する基であり、例えば1,3,5−トリアジン−2−イ
ル、1,2,4−トリアジン−3−イル、ピリジン−2
−イル、ピラジニル、ピリミジニル、プリニル、キノリ
ル、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾール−3−イ
ル、ベンズイミダゾール−2−イル、チエニル、フリ
ル、イミダゾリジニル、ピロリニル、テトラヒドロフラ
ニル、モルホリニル)、アシル基(例えばアセチル、ベ
ンゾイル、ピバロイル、α−(2,4−ジ−tert−アミ
ルフェノキシ)ブチリル、ミリストイル、ステアロイ
ル、ナフトイル、m−ペンタデシルベンゾイル、イソニ
コチノイル)、スルホニル基(例えばメタンスルホニ
ル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエ
ンスルホニル)、スルフィニル基(例えばメタンスルフ
ィニル、ベンゼンスルフィニル)、カルバモイル基(例
えばN−エチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイ
ル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−ブチル−N−
フェニルカルバモイル)、スルファモイル基(例えばN
−メチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモ
イル、N−フェニルスルファモイル、N−シクロヘキシ
ル−N−フェニルスルファモイル、N−エチル−N−ド
デシルスルファモイル)、アルコキシカルボニル基(例
えばメトキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボ
ニル、ベンジルオキシカルボニル、イソアミルオキシカ
ルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル)またはアリ
ールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニ
ル、ナフトキシカルボニル)を表わす。Ra2は水素原子
またはRa1で示した基を表わす。Ra1とRa2が互いに結
合して5〜7員環を形成しても良く、例えばスクシンイ
ミド環、フタルイミド環、トリアゾール環、ウラゾール
環、ヒダントイン環、2−オキソ−4−オキサゾリジノ
ン環が挙げられる。
【0116】一般式(RS)で表わされるRa1およびR
a2の基はさらに置換基で置換されていてもよい。これら
の置換基としては例えばアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルキ
ルアミノ基、アリールアミノ基、カルバモイル基、スル
ファモイル基、スルホ基、カルボキシル基、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、アシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
アシルオキシ基、ヒドロキシアミノ基などが挙げられ
る。
【0117】一般式(RS)で表わされる化合物のう
ち、Ra1がヘテロ環基の場合が好ましい。さらに好まし
くはRa1がヘテロ芳香環基(平衡構造のうち、形式上ヘ
テロ芳香環が形成し得るヘテロ環基をも含む。以後この
意味で使用する。)の場合である。より好ましいものは
下記一般式(RS−I)で表わされる。
【0118】
【化28】
【0119】一般式(RS−I)において、R' a2は水
素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基を
表わす。Zはヘテロ芳香環基を表わす。
【0120】一般式(RS−I)で表わされる化合物の
うち、R' a2が水素原子またはアルキル基のものが好ま
しい。また、Zは環構成原子が炭素原子または窒素原子
から成るものが好ましい。最も好ましくは一般式(RS
−II)で表わされる化合物である。
【0121】
【化29】
【0122】一般式(RS−II)において、R' a2は一
般式(RS−I)におけるR' a2と同じ基を表わす。R
a3およびRa4は同一でも異なってもよく、それぞれ水素
原子または置換基を表わす。一般式(RS−II)で表わ
される化合物のうち、Ra3およびRa4がヒドロキシアミ
ノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、
アリールアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル基またはア
リール基である場合が好ましい。そのようなRa3、Ra4
のなかでも、更に好ましくはRa3がヒドロキシアミノ基
又はジアルキルアミノ基であり、もっとも好ましくは、
a3がヒドロキシアミノ基又は炭素数7以上のアルキル
基を2つ有するジアルキルアミノ基である。以下に本発
明の一般式(RS)で表される化合物の具体例を挙げる
が、これによって本発明が制限されることはない。
【0123】
【化30】
【0124】
【化31】
【0125】
【化32】
【0126】
【化33】
【0127】
【化34】
【0128】本発明のこれらの化合物はJ.Org. Chem.,2
7, 4054('62)、J.Amer.Chem.Soc.,73, 2981('51)、特公
昭49−10692号等に記載の方法またはそれに準じ
た方法によって容易に合成することができる。
【0129】本発明のラジカルスカベンジャーは、写真
感光材料の構成層の中の任意の層に添加することができ
る。とりわけ、水溶性の高いものは感光材料中を拡散す
るためどの層に添加しても効果が得られる。また水溶性
の低いものについては、各感光性層に添加することが好
ましい。具体的な層としては、保護層、中間層、感光性
層、イエローフィルター層等が好ましい。添加の方法と
しては、水可溶性のものは水、またはメタノール、エタ
ノール等の有機溶媒、あるいはそれらの混合溶媒に溶解
して添加することが好ましい。また水溶性の低いものに
ついては、有機溶媒に溶解、または乳化分散して添加す
ることが好ましい。本発明のラジカルスカベンジャーの
好ましい添加量は、感光材料1m2あたり0.1mg〜1
gであり、特に好ましくは0.5mg〜0.5g、最も
好ましくは1mg〜100mgの範囲である。
【0130】本発明の感光材料には、透明支持体上に少
なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層が設けられている。
典型的な例としては、透明支持体上に、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化
銀写真感光材料である。該感光性層は青色光、緑色光、
および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層で
あり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料において
は、一般に単位感光性層の配列が、透明支持体側から順
に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置され
る。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、
また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような
設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間
および最上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。
これらには、後述のカプラー、DIR化合物、混色防止
剤等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する
複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB
923,045に記載されているように高感度乳剤層、低感度
乳剤層の2層を、透明支持体に向かって順次感光度が低
くなる様に配列するのが好ましい。また、特開昭57-112
751 、同62- 200350、同62-206541 、62-206543 に記載
されているように透明支持体より離れた側に低感度乳剤
層、透明支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよ
い。具体例として透明支持体から最も遠い側から、低感
度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度
緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感度赤
感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、または
BH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/
RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭 55-
34932 公報に記載されているように、透明支持体から最
も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列す
ることもできる。また特開昭56-25738、同62-63936に記
載されているように、透明支持体から最も遠い側から青
感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することもでき
る。また特公昭49-15495に記載されているように上層を
最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれより
も低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも
更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体
に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3層
から構成される配列が挙げられる。このような感光度の
異なる3層から構成される場合でも、特開昭59-202464
に記載されているように、同一感色性層中において支持
体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感
度乳剤層の順に配置されてもよい。その他、高感度乳剤
層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤
層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置されていて
もよい。また、4層以上の場合にも、上記の如く配列を
変えてよい。色再現性を改良するために、US 4,663,27
1、同 4,705,744、同 4,707,436、特開昭62-160448 、
同63- 89850 の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光
層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を
主感光層に隣接もしくは近接して配置することが好まし
い。
【0131】本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀
は約0.5 モル%以上約30モル%以下のヨウ化銀を含む、
ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀であ
る。特に好ましいのは約2モル%から約10モル%までの
ヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀であ
る。写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面
体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球
状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面
などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形
でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約 0.2μm以下の微
粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大サイズ
粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよい。本
発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサ
ーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す) No.17
643 (1978 年12月), 22 〜23頁, “I. 乳剤製造(Emul
sion preparation and types)”、および同 No. 18716
(1979年11月), 648 頁、同 No.307105(1989 年11月),
863 〜865 頁、およびグラフキデ著「写真の物理と化
学」,ポールモンテル社刊(P.Glafkides, Chemie et P
hisiquePhotographique, Paul Montel, 1967)、ダフィ
ン著「写真乳剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.F. D
uffin, Photographic Emulsion Chemistry,Focal Pres
s,1966) 、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、
フォーカルプレス社刊(V.L. Zelikman, et al., Makin
g and Coating Photographic Emulsion, Focal Press,
1964)などに記載された方法を用いて調製することがで
きる。
【0132】US 3,574,628、同 3,655,394およびGB 1,4
13,748に記載された単分散乳剤も好ましい。また、アス
ペクト比が約3以上であるような平板状粒子も本発明に
使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutof
f, Photographic Science and Engineering)、第14巻
248〜257頁(1970年);US 4,434,226、同 4,414,310、
同 4,433,048、同 4,439,520およびGB 2,112,157に記載
の方法により簡単に調製することができる。結晶構造は
一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成か
らなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい。エ
ピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が
接合されていてもよく、例えばロダン銀、酸化鉛などの
ハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。ま
た種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。上記の
乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、
粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれ
にも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤
であることが必要である。内部潜像型のうち、特開昭 6
3-264740に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であっ
てもよく、この調製方法は特開昭59-133542に記載され
ている。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって
異なるが、3 〜40nmが好ましく、5 〜20nmが特に好まし
い。
【0133】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はRD No.17643 、同 No.
18716 および同 No.307105に記載されており、その該当
箇所を後掲の表にまとめた。本発明の感光材料には、感
光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、
ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特
性の異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使
用することができる。US 4,082,553に記載の粒子表面を
かぶらせたハロゲン化銀粒子、US 4,626,498、特開昭 5
9-214852に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒
子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/ま
たは実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用するこ
とが好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲ
ン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問
わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化
銀粒子のことをいい、その調製法は、US 4,626,498、特
開昭 59-214852に記載されている。粒子内部がかぶらさ
れたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成す
るハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異なっていてもよ
い。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀とし
ては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいず
れをも用いることができる。これらのかぶらされたハロ
ゲン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μm
、特に0.05〜0.6 μm が好ましい。また、粒子形状は
規則的な粒子でもよく、多分散乳剤でもよいが、単分散
性(ハロゲン化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも
95%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)
であることが好ましい。
【0134】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の
含有率が 0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀お
よび/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化
銀を 0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲ
ン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)
が0.01〜 0.5μm が好ましく、0.02〜 0.2μm がより好
ましい。微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン
化銀と同様の方法で調製できる。ハロゲン化銀粒子の表
面は、光学的に増感される必要はなく、また分光増感も
不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに先立
ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン系、ベン
ゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物または
亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておくことが好
ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイ
ド銀を含有させることができる。本発明の感光材料の塗
布銀量は、6.0g/ m2以下が好ましく、4.5g/ m2以下が最
も好ましい。
【0135】本発明に使用できる写真用添加剤もRDに
記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示し
た。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866 〜868 頁 強色増感剤 〜649 頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁 5. 光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁 フィルター 〜650 頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 6. バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁 7. 可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁 潤滑剤 8. 塗布助剤、 26 〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 9. スタチツク 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 10. マツト剤 878 〜879 頁
【0136】本発明の感光材料には種々の色素形成カプ
ラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に
好ましい。 イエローカプラー: EP 502,424A の式(I),(II)で表わさ
れるカプラー; EP 513,496A の式(1),(2) で表わされる
カプラー (特に18頁のY-28); EP 568,037Aのクレーム1
の式(I) で表わされるカプラー; US 5,066,576のカラム
1の45〜55行の一般式(I) で表わされるカプラー; 特開
平4-274425の段落0008の一般式(I) で表わされるカプラ
ー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー
(特に18頁のD-35); EP 447,969A1 の4頁の式(Y) で表
わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54(41 頁)); US
4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わ
されるカプラー(特にII-17,19( カラム17),II-24(カラ
ム19))。 マゼンタカプラー; 特開平3-39737(L-57(11 頁右下),L-
68(12 頁右下),L-77(13頁右下); EP 456,257 の〔A-4
〕-63(134 頁),〔A-4 〕-73,-75(139 頁); EP 486,965
のM-4,-6(26 頁),M-7(27頁); EP 571,959AのM-45(19
頁);特開平5-204106の(M-1)(6 頁);特開平4-362631の段
落0237のM-22。 シアンカプラー: 特開平4-204843のCX-1,3,4,5,11,12,1
4,15(14 〜16頁); 特開平4-43345 のC-7,10(35 頁),3
4,35(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特開平6-67385
の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプ
ラー。 ポリマーカプラー: 特開平2-44345 のP-1,P-5(11頁) 。
【0137】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,87
3B、DE 3,234,533に記載のものが好ましい。発色色素の
不要吸収を補正するためのカプラーは、EP 456,257A1の
5 頁に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされる
イエローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、
該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7
(202頁) 、 EX-1(249 頁) 、 EX-7(251 頁) 、US 4,83
3,069に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9
(カラム8)、CC-13(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カ
ラム8)、WO92/11575のクレーム1の式(A) で表わされる
無色のマスキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合
物)が好ましい。現像主薬酸化体と反応して写真的に有
用な化合物残基を放出する化合物(カプラーを含む)と
しては、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合
物:EP 378,236A1の11頁に記載の式(I),(II),(III),(I
V) で表わされる化合物(特にT-101(30頁),T-104(31
頁),T-113(36頁),T-131(45頁),T-144(51頁),T-158(58
頁)), EP436,938A2の 7頁に記載の式(I) で表わされる
化合物(特にD-49(51 頁))、EP 568,037A の式(1) で表
わされる化合物(特に(23)(11 頁))、EP 440,195A2の5
〜6 頁に記載の式(I),(II),(III)で表わされる化合物
(特に29頁のI-(1) );漂白促進剤放出化合物:EP 31
0,125A2の5 頁の式(I),(I')で表わされる化合物(特に6
1頁の(60),(61)) 及び特開平6-59411 の請求項1の式
(I) で表わされる化合物(特に(7)(7 頁); リガンド放
出化合物:US 4,555,478のクレーム1に記載のLIG-X で
表わされる化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合
物) ;ロイコ色素放出化合物:US 4,749,641のカラム3
〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US4,774,181
のクレーム1のCOUP-DYEで表わされる化合物(特にカラ
ム7〜10の化合物1〜11);現像促進剤又はカブラセ剤
放出化合物:US 4,656,123のカラム3の式(1) 、(2) 、
(3) で表わされる化合物(特にカラム25の(I-22)) 及び
EP 450,637A2の75頁36〜38行目のExZK-2; 離脱して初め
て色素となる基を放出する化合物: US 4,857,447のクレ
ーム1の式(I) で表わされる化合物(特にカラム25〜36
のY-1 〜Y-19) 。
【0138】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,5,
16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144
頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US4,199,
363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャ
ー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I) で表わ
される化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12)(カラム4〜
5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化
合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP 298321Aの4
頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24
〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,7,20,21,23,2
4,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118
頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特に
III-10, EP 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-
2, US 5,139,931のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,
42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させ
る素材: EP 411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-4
6; ホルマリンスカベンジャー: EP 477932Aの24〜29頁
のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845の
17頁のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573のカラム13〜23の式
(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-
214852の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜7
6),特にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合
物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139 のP-2
4,37,39(6〜7 頁); US 5,019,492 のクレーム1に記載
の化合物,特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US
4,923,790のカラム3 〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,
9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,79
3のカラム6 〜16のI-1 〜(14),特にI-1,60,(2),(13), U
S 4,952,483 のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36:
化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開
平5-40324 の化合物50;染料: 特開平3-156450の15〜18
頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27 〜29
頁のV-1 〜23, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-
1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28
頁のIII-1 〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26の
Dye-1 〜124 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の
化合物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ない
し(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4,26
8,622の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜1
0), US 4,923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜
(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-3335 の式
(1) で表わされる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜
9頁),EP 520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(6
6)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-1
〜10(14 頁), EP 521823A の式(1) で表わされる化合物
(1) 〜(31) (カラム2〜9)。
【0139】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm 以下であるこ
とが好ましく、23μm 以下がより好ましく、18μm 以下
が更に好ましく、16μm 以下が特に好ましい。また膜膨
潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好
ましい。T1/2 は、発色現像液で30℃、3 分15秒処理し
た時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚としたと
き、膜厚そのが1/2 に到達するまでの時間と定義する。
膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した
膜厚を意味し、T1/2 は、エー・グリーン(A.Green)ら
のフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニ
アリング (Photogr.Sci.Eng.),19卷、2,124 〜129 頁
に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用すること
により測定できる。T1/2 は、バインダーとしてのゼラ
チンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件
を変えることによって調整することができる。また、膨
潤率は 150〜400 %が好ましい。膨潤率とは、さきに述
べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚
−膜厚)/膜厚により計算できる。
【0140】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2 μm〜20μm の親水性コ
ロイド層(バック層と称す)を設けることが好ましい。
このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染料、
紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダ
ー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有させ
ることが好ましい。このバック層の膨潤率は150 〜500
%が好ましい。
【0141】本発明に使用できる適当な透明支持体は、
例えば、前述のRD.No. 17643 の28頁、同 No. 18716
の 647頁右欄から 648頁左欄、および同 No.307105の 8
79頁に記載されている。
【0142】本発明においては透明支持体としてポリエ
チレン芳香族ジカルボキシレート系ポリエステル(以
下、本発明のポリエステルということあり)支持体が好
ましい。本発明のポリエステルは、ジオールと芳香族ジ
カルボン酸を必須成分として形成されるが、その他のジ
カルボン酸との混用もよく使用可能な二塩基酸として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸(2,6−、1,5−、
1,4−、2,7−)、ジフェニレンp,p′−ジカル
ボン酸、テトラクロロ無水フタル酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水コハク酸、マレイ
ン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水シ
トラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エン
ドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、ハロゲン化テレフタル酸、ビス
(p−カルボキシフェンノール)エーテル、1,1−ジ
カルボキシ−2−フェニル エチレン、1,4−ジカル
ボキシメチルフェノール、1,3−ジカルボキシ−5フ
ェニルフェノール、3−スルフォイソフタル酸ソーダ等
を挙げることができる。必須である芳香族ジカルボン酸
は前述したジカルボン酸の中で、ベンゼン核を少なくと
も一個有するものである。
【0143】次にジオールとしては、エチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジ
オール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカン
ジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,1−シク
ロヘキサンジメタノール、カテコール、レゾルシン、ハ
イドロキノン、1,4−ベンゼンジメタノール、ジメチ
ロールナフタレン、p−ヒドロキシエチルオキシベンゼ
ン(PHBA)、ビスフェノールA等を挙げることがで
きる。また、必要に応じて、単官能または、3以上の多
官能の水酸基含有化合物あるいは、酸含有化合物が共重
合されていても構わない。また、本発明のポリエステル
には、分子内に水酸基とカルボキシル基(あるいはその
エステル)を同時に有する化合物が共重合されていても
構わなくサリチル酸などがある。
【0144】形成されるポリマーとして好ましいのは、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート
(PCT)等のホモポリマー、およびテレフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸とエチレングリコールのコポリマ
ー(テレフタル酸とナフタレンジカルボン酸の混合モル
比は0.9:0.1〜0.1:0.9の間が好ましく、
0.8:0.2〜0.2:0.8が更に好ましい。)が
好ましい。特に好ましいのは2,6−ナフタレンジカル
ボン酸を含むポリエステルである。具体的には2,6−
ナフタレンジカルボン酸を0.1〜1.0含むポリエス
テルである。中でも特に好ましいのはポリエチレン
2,6−ナフタレートである。
【0145】これらのホモポリマーおよびコポリマー
は、従来公知のポリエステルの製造方法に従って合成で
き、例えば、高分子実験学第5巻「重縮合と重付加」
(共立出版、1980年)第103頁〜第136頁、
“合成高分子V”(朝倉書店、1971年)第187頁
〜第286頁の記載を参考に行うことができる。これら
のポリエステルの好ましい平均分子量の範囲は約500
0ないし200000である。さらに、これらのポリエ
ステルには別の種類のポリエステルとの接着性を向上さ
せるために、別のポリエステルを一部ブレンドしたり、
別のポリエステルを構成するモノマーを共重合させた
り、または、これらのポリエステル中に、不飽和結合を
有するモノマーを共重合させ、ラジカル架橋させたりす
ることができる。得られたポリマーを2種類以上混合し
たポリマーブレンドは、特開昭49−5482、同64
−4325、特開平3−192718、リサーチ・ディ
スクロージャー283,739−41、同284,77
9−82、同294,807−14に記載した方法に従
って、容易に形成することができる。
【0146】本発明のポリエステルはそのTgが50℃
以上であるが、その使用条件は、一般に十分注意されて
取り扱われるわけではなく、特に真夏の屋外においてそ
の気温が40℃までに晒されることが多々有り、この観
点から本発明のTgは安全をみこして55℃以上が好ま
しい。さらに好ましくは、Tgは60℃以上であり特に
好ましくは70℃以上である。更に完全をきすためには
Tgが90℃以上が好ましい。これは、この熱処理によ
る巻き癖改良の効果が、ガラス転移温度を超える温度に
さらされると消失するため、一般ユーザーに使われた際
に過酷な条件である温度、即ち夏季の温度40℃を超え
る温度以上のガラス転移温度を有するポリエステルが好
ましい。
【0147】次に本発明に用いるポリエステルの好まし
い具体的化合物例を示すが、本発明がこれに限定される
ものではない。 ポリエステル化合物例 P−0:〔テレフタル酸(TPA)/エチレングリコール(EG))(100 /100)〕(PET) Tg=80℃ P−1:〔2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)/エチレングリコー ル(EG)(100/100)〕(PEN) Tg=119℃ P−2:〔テレフタル酸(TPA)/シクロヘキサンジメタノール(CHDM )(100/100)〕 Tg=93℃ P−3:〔TPA/ビスフェノールA(BPA)(100/100)〕 Tg=192℃
【0148】 P−4: 2,6−NDCA/TPA/EG(50/50/100) Tg=92℃ P−5: 2,6−NDCA/TPA/EG(75/25/100) Tg=102℃ P−6: 2,6−NDCA/TPA/EG/BPA(50/50/75/2 5) Tg=112℃ P−7: TPA/EG/BPA(100/50/50) Tg=105℃ P−8: TPA/EG/BPA(100/25/75) Tg=135℃ P−9: TPA/EG/CHDM/BPA(100/25/25/50) Tg=115℃
【0149】 P−10:イソフタル酸(IPA)/NDCA/TPA/EG(20/50/ 30/100) Tg=95℃ P−11:NDCA/ネオペンチルグリコール(NPG)/EG(100/7 0/30) Tg=105℃ P−12:TPA/EG/ビスフェノール(BP)(100/20/80) Tg=115℃ P−13:PHBA/EG/TPA(200/100/100) Tg=125℃ P−14:PEN/PET(60/40) Tg=95℃ P−15:PEN/PET(80/20) Tg=104℃ P−16:ポリアリレート(PAr)/PEN(50/50) Tg=142℃ P−17:PAr/ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT )(50/50) Tg=118℃ P−18:PAr/PET(60/40) Tg=101℃ P−19:PEN/PET/PAr(50/25/25) Tg=108℃ P−20:TPA/5−スルフォイソフタル酸(SIP)/EG(95/5/ 100) Tg=65℃ P−21:PEN/SIP/EG(99/1/100) Tg=115℃
【0150】本発明のこれらの支持体は、50μm以上
300μm以下の厚みである。50μm未満では乾燥時
に発生する感光層の収縮応力に耐えることができず、一
方300μmを越えるとコンパクト化のために厚みを薄
くしようとする目的と矛盾する。より好ましくはその腰
の強さから厚い方が好ましく50〜200μmであり、
更には80〜115μmが好ましく、特に好ましくは8
5〜105μmである。次に本発明のポリエステル支持
体は熱処理を施されることを特徴とし、その際には40
℃以上ガラス転移温度以下の温度で0.1〜1500時
間行う必要がありこれにより巻きぐせの付きにくいフィ
ルムとなる。より好ましくはTg−20℃以上Tg未満
で熱処理である。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で
実施してもよく、冷却しながら熱処理してもよい。冷却
の平均冷却速度は−0.01〜−20℃/時間、より好
ましくは−0.1〜−5℃/時間である。この熱処理時
間は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好まし
くは0.5時間以上200時間以下である。0.1時間
以下では十分な効果を得ることができず、1500時間
以上では効果が飽和する一方、支持体の着色や脆化が起
こりやすくなる。巻き癖解消の効果をより一層増大させ
るには、この熱処理の前にTg以上融点(DSCで求め
た融解温度)未満の温度で熱処理をし、支持体の熱履歴
を消去させた後、上記40℃以上Tg未満の温度で再熱
処理を行うとよい。
【0151】このような支持体の熱処理は、ロール状で
実施してもよく、またウェブ状で搬送しながら実施して
もよい。ロール状で熱処理する場合、ロールを室温から
恒温槽中で熱処理する方法、ウェブ搬送中に所定温度に
した後ロール状に巻取り熱処理する方法のいずれの方法
で実施してもよい。ロール状での熱処理では、熱処理中
に発生する熱収縮応力のために、巻締まりによるしわ
や、巻芯部の切り口写り等の面状故障が発生しやすい。
このため、表面に凹凸を付与し(例えばSnO2/Sb
2 5 等の導電性無機微粒子やコロイダルシリカを塗布
する)、支持体間のきしみを低減させることで巻締まり
によるしわを防止したり、支持体の端部にローレットを
付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写り
を防止するなどの工夫を行うことが望ましい。ウェブ状
で熱処理する場合、長大な後熱処理工程を必要とする
が、ロール状での熱処理に比べて良好な支持体面状が得
られる。これらの熱処理は支持体製膜後、グロー放電処
理後、バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗
り塗布後のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは
帯電防止剤塗布後である。これにより熱処理中の支持体
の面状故障となる帯電によるゴミの付着を防ぐことがで
きる。
【0152】次に本発明のポリエステルについて、その
写真支持体としての機能を更に高めるために、種々の添
加剤を共存させることが好ましい。これらのポリエステ
ルフィルム中に蛍光防止および経時安定性付与の目的で
紫外線吸収剤を、練り込んでも良い。紫外線吸収剤とし
ては、可視領域に吸収を持たないものが望ましく、かつ
その添加量はポリエステルフィルムの重量に対して通常
0.01重量%ないし20重量%、好ましくは0.05
重量%ないし10重量%程度である。紫外線吸収剤とし
ては2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキ
シ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,
4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジ
ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノンなど
のベンゾフェノン系、2(2′−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2′−ヒドロキ
シ3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2(2′−ヒドロキシ−3′−ジ−t−ブチル
−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベン
ゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル、サリチル酸メ
チル等のサリチル酸系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0153】またライトパイピング現象を回避するため
に支持体に不活性無機粒子等を含有させる方法、ならび
に染料を添加することが好ましく、染料については特に
限定されなく例えば染料としては、三菱化成製のDia
resin、日本化薬製のKayaset等ポリエステ
ル用として市販されている染料を混合することにより目
的を達成することが可能である。染色濃度に関しては、
マクベス社製の色濃度計にて可視光域での色濃度を測定
し少なくとも0.01以上であることが必要である。更
に好ましくは0.03以上である。本発明によるポリエ
ステルフィルムは、用途に応じて易滑性を付与すること
も可能であり、不活性無機粒子としてはSiO2 、Ti
2 、BaSO4 、CaCO3 、タルク、カオリン等が
添加される。
【0154】これらのポリエステルフィルムを支持体に
使用する場合、これらポリエステル支持体がいずれも疎
水性の表面を有するため、支持体上にゼラチンを主とし
た保護コロイドからなる写真層(例えば感光性ハロゲン
化銀乳剤層、中間層、フィルター層等)を強固に接着さ
せるために各種の表面処理をすることが好ましい。例え
ば、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処
理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プ
ラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処
理、などの表面活性化処理があげられる。これらの表面
処理をした後、下塗層を設けたり直接写真乳剤層を塗布
してもよい。
【0155】表面処理の中でも好ましいのは、紫外線照
射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。先
ず紫外線照射処理について以下に記す。これらは特公昭
43−2603号、特公昭43−2604号、特公昭4
5−3828号記載の処理方法などによって行われるの
が好ましい。水銀灯は石英管からなる高圧水銀灯で、紫
外線の波長が180〜320nmの間であるものが好ま
しい。紫外線照射は支持体の延伸工程、熱固定時、熱固
定後の何れでもよい。被支持体の表面温度が150℃前
後にまで上昇することが支持体性能上問題なければ、主
波長が365nmの高圧水銀灯ランプを使用することが
できる。低温処理が必要とされる場合には主波長が25
4nmの低圧水銀灯が好ましい。またオゾンレスタイプ
の高圧水銀ランプ、及び低圧水銀ランプを使用する事も
可能である。
【0156】次にコロナ放電処理について記すと、従来
公知のいずれの方法、例えば特公昭48−5043号、
同47−51905号、特開昭47−28067号、同
49−83767号、同51−41770号、同51−
131576号等に開示された方法により達成すること
ができる。放電周波数は50Hz〜5000KHz、好
ましくは5KHz〜数100KHzが適当であり特に好
ましくは10Hz〜30KHzである。被処理物の処理
強度に関しては、通常は0.001KV・A・分/m2
5KV・A・分/m2、好ましくは0.01KV・A・分
/m2〜1KV・A・分/m2が適当である。電極と誘電体
ロールのギャップクリアランスは0.5〜2.5mm、好
ましくは1.0〜2.0mmが適当である。コロナ放電処
理機はPillar社製ソリッドステートコロナ処理機
6KVAモデルを用いることができる。又、火焔処理と
しては天然ガス、液化プロパンガスなどを利用でき空気
との混合比が重要である。好ましいガス/空気の混合比
は容積比で、プロパンでは1/14〜1/22、より好
ましくは1〜16〜1/19である。天然ガスでは1/
6〜1/10、より好ましくは1/7〜1/9である。
火焔処理量は、1〜50Kcal/m2、より好ましくは
3〜20Kcal/m2である。またバーナーの内炎の先
端と支持体の距離を4cm未満とすることがより効果的で
ある。
【0157】グロー放電処理は、従来知られているいず
れの方法、例えば特公昭35−7578号、同36−1
0336号、同45−22004号、同45−2200
5号、同45−24040号、同46−43480号、
米国特許3,057,792号、同3,057、795
号、同3,179,482号、同3,288,638
号、同3,309,299号、同3,424,735
号、同3,462,335号、同3,475,307
号、同3,761,299号、英国特許997,093
号、特開昭53−129262号等を用いることができ
る。グロー放電処理の雰囲気に酸素、窒素、ヘリウムあ
るいはアルゴンのような種々のガスを導入しながら行う
手法があるが、水蒸気の存在下でグロー放電処理が好ま
しい。水蒸気分圧は、10%以上100%以下が好まし
く、更に好ましくは40%以上90%以下である。10
%未満では充分な接着性を得ることが困難となる。水蒸
気以外のガスは酸素、窒素等からなる空気である。さら
に、表面処理すべきフィルムを予め加熱することが好ま
しく、50℃以上Tg以下が好ましく、70℃以上Tg
以下がより好ましく、90℃以上Tg以下がさらに好ま
しい。真空中で支持体表面温度を上げる方法としては、
赤外線ヒータによる加熱、熱ロールに接触させることに
よる加熱等がある。
【0158】グロー放電処理時の圧力は0.005〜2
0Torrとするのが好ましい。より好ましくは0.0
2〜2Torrである。また、電圧は、500〜500
0Vの間が好ましい。より好ましくは500〜3000
Vである。使用する放電周波数は、従来技術に見られる
ように、直流から数1000MHz、好ましくは50H
z〜20MHz、さらに好ましくは1KHz〜1MHz
である。放電処理強度は、0.01KV・A・分/m2
5KV・A・分/m2が好ましく、更に好ましくは0.1
5KV・A・分/m2〜1KV・A・分/m2で所望の接着
性能が得られる。このようにして、グロー放電処理を施
こした支持体は、直ちに冷却ロールを用いて温度を下げ
ることが好ましい。
【0159】次に表面処理された支持体の下塗法につい
て述べる。単層でも重層法でもよく例えば塩化ビニル、
塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル
酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた
単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエ
チレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニ
トロセルロース、など数多くのポリマーについて、重層
での下塗第2層では主としてゼラチンを主体とするバイ
ンダーが好ましい。本発明に使用する下塗ポリマーとし
ては、水溶性ポリマー、セルロースエステル、ラテック
スポリマー、水溶性ポリエステルなどが例示される。水
溶性ポリマーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、カ
ゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニ
ールアルコール、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイ
ン酸共重合体などであり、セルロースエステルとしては
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ースなどである。ラテックスポリマーとしては塩化ビニ
ル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合体、アクリ
ル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体、
ブタジエン含有共重合体などである。この中でも最も好
ましいのはゼラチンである。
【0160】本発明に使用される支持体を膨潤させる化
合物として、レゾルシン、クロルレゾルシン、メチルレ
ゾルシン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、フェノール、o−クロルフェノール、p−クロ
ルフェノール、ジクロルフェノール、トリクロルフェノ
ール、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリフルオロ酢
酸、抱水クロラールなどがあげられる。この中で好まし
いのは、レゾルシンとp−クロルフェノールである。本
発明の下びき層には種々のゼラチン硬化剤を用いること
ができる。ゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム明
ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルタ
ールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハロゲ
ン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−ト
リアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂などを挙げる
ことができる。
【0161】本発明の下びき層にはSiO2 、Ti
2 、マット剤の如き無機物微粒子又はポリメチルメタ
クリレート共重合体微粒子(1〜10μm)をマット剤
として含有することができる。本発明の下塗液は、一般
によく知られた塗布方法、例えばディップコート法、エ
アーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコー
ト法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、或い
は米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッ
パーを使用するエクストルージョンコート法により塗布
することが出来る。所望により、米国特許第2,76
1,791号、同3,508,947号、同2,94
1,898号、及び同3,526,528号明細書、原
崎勇次著、「コーティング工学」253頁(1973
年、朝倉書店発行)などに記載された方法により2層以
上の層を同時に塗布することが出来る。本発明におい
て、好ましいのは支持体がポリエチレン−2,6−ナフ
タレンジカルボキシレートが100℃〜115℃の間で
24時間熱処理されかつその支持体の厚さが85μm〜
105μmであり、その表面が紫外線照射処理又はグロ
ー放電処理されているものであり、バック側の非感光性
親水性層が1〜7μmのゼラチン層であり且つ非感光性
親水性層が0.5〜5μmのセルロースバインダーであ
ることを特徴とするものである。この時バック層の非感
光性親水性層のゼラチン量と反対側の乳剤層のゼラチン
層の重量比は0.1〜0.5が好ましい。
【0162】次に本発明で用いられるフイルムパトロー
ネについて記す。本発明で使用されるパトローネ本体及
びスプール、フランジ等の構成部材は合成プラスチック
を主材料とする。
【0163】本発明に用いるプラスチックス材料の具体
例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではな
い。具体例にはポリスチレン、ポリエチレン、ポリカー
ボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリプロピレ
ン、ポリモノクロロトリフルオロエチレン、塩化ビニリ
デン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ピニル−酢酸ピニル共
重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合樹脂、メチルメタクリル樹脂、ビニルホルマール樹
脂、ビニルブチラール樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、テフロン、ナイロン、フェノール樹脂、メラミン樹
脂等がある。
【0164】本発明のパトローネに特に好ましいプラス
チック材料は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリカー
ボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリプロピレ
ンなどである。更に本発明のパトローネは、各種の帯電
防止剤を合有あるいは塗工してもよい。帯電防止剤は特
に限定されないが、カーボンブラック、金属酸化物粒
子、ノニオン、アニオン、カチオン及びベタイン系界面
活性剤又はポリマー等を好ましく用いることが出来る。
これらの帯電防止されたパトローネとして特開平1−3
12537号、同1−312538号に記載されてい
る。
【0165】特に25℃、25%RHでの抵抗が1012
Ω以下が好ましい。通常パトローネは、遮光性を付与す
るためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラ
スチックを使って製作される。パトローネのサイズは現
在のままでもよいし、現在の25m/mのカートリッジ
の径を22m/m以下、好ましくは20m/m以下、1
4m/m以上とするとカメラの小型化に有効である。
【0166】更に本発明で好ましく用いられる、スプー
ルを回転してフイルムを送り出すパトローネについて記
す。まず、パトローネ本体から写真フイルムの先端を予
め引き出しておかなくてもカメラへの装填が可能で、し
かも、カメラ側の給送機構を簡略化することができる写
真フイルムパトローネがある。この写真フイルムパトロ
ーネは、フイルム先端がパトローネ本体内に収納され、
スプール軸をフイルム送り出し方向に回転させることに
よってフイルム先端をパトローネのボート部から外部に
送り出す構造である。このような写真フイルムパトロー
ネとは、米国特許第4834306号(特開平1−30
6845号に対応)、同第4883235(特開平2−
272538号に対応)、同第4948063(特開平
3−126029号に対応)、同第5004176(特
開平4−349454号に対応)、同第5031852
(特開平3−214153号に対応)、同第50328
54(特表平5−508943号に対応)、同第504
6682、同第5049912、同第5064134
(特開平4−232943号に対応)、同第51060
30(特開平4−237042号に対応)、同第515
1730(特開平4−320258号に対応)、同第5
173730(特表平5−508486号に対応)、同
第5200777(特開平5−224350号に対
応)、同第5209419(特開平5−224353号
に対応)、同第5248108(特開平5−22435
1号に対応)、同第5251840(特開平6−351
22号に対応)、同第5270760、同第52968
86、同第5305042、特開平4−115251号
(米国特許5226613号)に開示されている。この
ような写真フイルムパトローネの中で米国特許第483
4306号に開示されているフイルムパトローネには、
フイルムを巻回させたスプール軸の両端にフランジを回
動自在に設けており、これらのフランジ外周には、内側
に向かって隆起させた舌片が設けられている。すなわ
ち、フイルムの最外周は、フランジに設けられた舌片の
内側に挟み込まれておりの舌片によりフイルム最外周の
巻き緩みが防止されている。そして、フイルムがボート
口に向かう位置には、フランジの相互間が幅広になるよ
うに、フランジを変形させるための広開突起が設けられ
ている。すなわち、ボート部付近では、常時広開突起が
フランジを押し広げており、これらのフランジに設けた
舌片に挟み込まれていたフイルムの最外周は、舌片から
脱出できる。これにより、スプール軸をフイルム送り出
し方向に回転させるとフイルム先端がボート部からパト
ローネ外部に送り出されるものである。
【0167】なおフイルム引き出し口の遮光方法は任意
である。従来のように「テレンプ」とよばれるフェルト
状の遮光部材を設けてもよく、またフイルム引き出し口
を開閉可能に形成して必要時以外は閉じた状態に保って
おくようにしてもよい。また、フイルムの先端は必ずし
もフイルム引き出し口の先端に合わせて配置する必要は
なく、パトローネ本体内部に収納されていればよいが、
フイルム引き出し口内に収納されていることが望まし
い。
【0168】また、特開平4−115251号に開示さ
れているフイルムパトローネには、スプール軸の両端で
回動自在に設けられたフランジと、これらのフランジ外
周の内側に向かって突出して形成され、前記スプール軸
に巻回されたフイルム最外周の巻き緩みを防止する舌片
と、パトローネ内部に設けられ、前記フランジをスプー
ル軸に対して傾いた角度で回動自在に規制する第1規制
リブと、前記フランジがスプール軸に対して傾く角度の
限界を規制する第2規制リブとを臟えるとともに、前記
フイルム先端の幅を各舌片の先端間の距離より狭く、か
つフイルム先端の側端と撮影可能部分の側端との段差が
ゆるやかな曲線となるように形成し、この段差がフイル
ム送り出し時に舌片に当接してフランジを押し広げるよ
うにしたものである。また、スプール軸の両端で回動自
在に設けられたフランジと、これらのフランジ外周の内
側に向かって突出して形成され、前記スプール軸に巻回
されたフイルム最外周の巻き緩みを防止する舌片と、フ
イルムがボート口に向かう位置で、前記舌片と当接して
フランジ間隔を広げた状態で規制する広開突起と、パト
ローネ内部に設けられ、前記フランジをスプール軸に対
して傾いた角度で回動自在に規制する規制リブを設けた
ものである。
【0169】本発明に用いられる写真フイルムは現像前
のいわゆる生フイルムでもよいし、現像処理された写真
フイルムでもよい。又、生フイルムと現像済みの写真フ
イルムが同じ新パトローネに収納されていてもよいし、
異なるパトローネでもよい。特に現像済みの写真フイル
ムは長時間保存されることから生フイルム収納用パトロ
ーネよりも、収納容器が大きくかつスプール回転しやす
く又遮光機構(たとえばテレンプなど)を必要としなく
ても良い。場合によっては新パトローネが滑り剤や帯電
防止剤を十分含有している方が好ましい。又、現像処理
済みの写真フイルムは、現像処理時に最終処理浴や塗布
方式(例えばスプレー、転写、塗り付け法など)によっ
て滑り剤や帯電防止剤を付与した後、新カートリッジに
納められても良い。
【0170】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1) 1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製し
た。市販のポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマ
ー100重量部と紫外線吸収剤として Tinuvin P. 32
6(チバ・ガイギーCiba-Geigy社製)2重量部とを常法
により乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから
押し出し140℃で3.0倍の縦延伸を行い、続いて1
30℃で3.0倍の横延伸を行い、さらに250℃で6
秒間熱固定して厚さ90μmのPENフイルムを得た。
さらに、その一部を直径20cmのステンレス巻き芯に巻
付けて、110℃、48時間の熱履歴を与えた。
【0171】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理、および火焔処理をした後、
それぞれの面に下記組成の下塗液を塗設して、下塗層を
延伸時高温面側に設けた。コロナ放電処理はピラーPill
ar社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを
用い、30cm幅支持体を20m/分で処理する。このと
き、電流・電圧の読み取り値より、被処理物は0.37
5KV・A・分/m2の処理がなされた。処理時の放電周
波数は、9.6KHz、電極と誘電体ロールのギャップ
クリアランスは、1.6mmであった。又UV放電処理
は、75℃で加熱しながら放電処理した。さらにグロー
放電処理は、円柱電極で3000Wで30秒間照射し
た。
【0172】 ゼラチン 3g 蒸留水 25ml ソジウム α−スルホ−ジ−2−エチルヘキシルサクシネート 0.05g ホルムアルデヒド 0.02g サリチル酸 0.1g ジアセチルセルロース 0.5g p−クロロフェノール 0.5g レゾルシン 0.5g クレゾール 0.5g (CH2 =CHSO2 CH2 CH2 NHCO)2 CH2 0.2g トリメチロールプロパンのアジリジン3倍モル付加物 0.2g トリメチロールプロパン−トルエンジイソシアナートの3倍モル付加物 0.2g メタノール 15ml アセトン 85ml ホルムアルデヒド 0.01g 酢酸 0.01g 濃塩酸 0.01g
【0173】3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面に、バック層として下記
組成の帯電防止層、磁気記録層、および滑り層を塗設し
た。 3−1)帯電防止層の塗設 3−1−1)導電性微粒子分散液(酸化スズ−酸化アン
チモン複合物分散液)の調製 塩化第二スズ水和物230重量部と三塩化アンチモン2
3重量部をエタノール3000重量部に溶解し、均一溶
液を得た。この溶液に、1Nの水酸化ナトリウム水溶液
を前記溶液のpHが3になるまで滴下し、コロイド状酸
化第二スズと酸化アンチモンの共沈澱を得た。得られた
共沈澱を50℃に24時間放置し、赤褐色のコロイド状
沈澱を得た。
【0174】赤褐色コロイド状沈澱を遠心分離により分
離した。過剰なイオンを除くため、沈澱に水を加え遠心
分離によって水洗した。この操作を3回繰り返し、過剰
イオンを除去した。過剰イオンを除去したコロイド状沈
澱200重量部を水1500重量部に再分散し、650
℃に加熱した焼成炉に噴霧し、青味がかった平均粒径
0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の微
粒子粉末を得た。この微粒子粉末の比抵抗は5Ω・cmで
あった。上記の微粒子粉末40重量部と水60重量部の
混合液をpH7.0に調製し、攪拌機で粗分散の後、横
型サンドミル(商品名ダイノミル;WILLYA.BA
CHOFENAG製)で滞留時間が30分になるまで分
散して調製した。この時の二次凝集体の平均粒径は約
0.04μmであった。
【0175】3−1−2)導電性層の塗設 下記の処方による導電性層を乾燥膜厚が0.2μmにな
るように塗設し、115℃で60秒間乾燥した。 3−1−1)で作製の導電性微粒子分散液 20重量部 ゼラチン 2重量部 水 27重量部 メタノール 60重量部 P−クロロフェノール 0.5重量部 レゾルシン 2重量部 ポリオキシエチレン ノニルフェニルエーテル 0.01重量部 得られた導電性膜の抵抗は、108.0 (100V)であ
り、優れた帯電防止性能を有するものであった。
【0176】3−2)磁気記録層の塗設 磁性体 Co−被着γ−Fe2 3 (長軸0.14μ
m,単軸0.03μmの針状、比表面積41m2/g、飽
和磁化89 emu/g、表面は酸化アルミと酸化珪素でそ
れぞれFe2 3 の2重量%で表面処理されている、保
持力930Oe、Fe+2/Fe+3比は6/94)110
0gを水220g及びポリ(重合度16)オキシエチレ
ンプロピル トリメトキシシランカップリング剤を15
0g添加して、オープンニーダーで3時間良く混練し
た。この粗分散した粘性のある液を70℃で1昼夜乾燥
し、水を除去した後、110℃、1時間加熱して表面処
理をした磁気粒子を作製した。さらに以下の処方で、再
びオープンニーダーにて混練した。
【0177】 上記表面処理済み磁気粒子 1000g ジアセチルセルロース 17g メチルエチルケトン 100g シクロヘキサノン 100g さらに、以下の処方でサンドミル(1/4G)で200
rpm、4時間微細分散した。 上記混練品 100g ジアセチルセルロース 60g メチルエチルケトン 300g シクロヘキサノン 300g さらにジアセチルセルロースと、硬化剤としてトリメチ
ロールプロパン−トルエンジイソシアナートの3倍モル
付加物をバインダーに対して20wt%添加した。得ら
れた液の粘度が約80cpとなるように、等量のメチル
エチルケトンとシクロヘキサノンで希釈した。又、塗布
は、上記の導電性層の上にバーコーターで膜厚が1.2
μmとなるように行った。磁性体の量は62mg/m2とな
るように塗布した。またマット剤としてシリカ粒子
(0.3μm)と研磨剤の酸化アルミ(0.5μm)を
それぞれ10mg/m2となるように添加した。乾燥は11
5℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置
はすべて115℃となっている)。X−ライトのステー
タスMでブルーフィルターを用いた時の、磁気記録層の
B の色濃度の増加分は、約0.1であった。また、磁
気記録層の飽和磁化モーメントは4.2 emu/m2、保磁
力923Oe、角形比は65%であった。
【0178】3−3)滑り層の調製 下記処方液を化合物の固形分塗布量が下記のようになる
ように塗布し、110℃で5分乾燥させて滑り層を得
た。 ジアセチルセルロース 25mg/m26 13CH(OH)C1020COOC4081 (化合物a) 6mg/m250101 O(CH2 CH2 O)16H (化合物b) 9mg/m2 なお、化合物a/化合物b(6:9)は、キシレンとプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル(容量比1:
1)溶媒中で105℃に加熱、溶解し、この液を10倍
量のプロピレングリコールモノメチルエーテル(25
℃)に注加して微細分散液とした。さらに5倍量のアセ
トン中で希釈した後、高圧ホモジナイザー(200気
圧)で再分散し、分散物(平均粒径0.01μm)にし
てから添加して用いた。得られた滑り層の性能は、動摩
擦係数0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重100
g、スピード6cm/minute)、静摩擦係数0.07(ク
リップ法)であり、優れた特性を有する。また後述する
乳剤面との滑り特性も動摩擦係数0.12であった。
【0179】4)感材層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成
の各層を重層塗布し、カラーネガフィルムを作製した。
これを試料101とする。
【0180】(感光層組成)各層に使用する素材の主な
ものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示
し、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。た
だし、増感色素については同一層のハロゲン化銀1モル
に対する塗布量をモル単位で示す。
【0181】第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.09 ゼラチン 1.60 ExM−1 0.12 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 0.030 固体分散染料ExF−3 0.040 HBS−1 0.15 HBS−2 0.02
【0182】第2層(中間層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.065 ExC−2 0.04 ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 1.04
【0183】第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.25 沃臭化銀乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−6 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0184】第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 銀 0.70 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.015 ExC−6 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0185】第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.10 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−7 0.010 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.050 ゼラチン 1.10
【0186】第6層(中間層) Cpd−1 0.090 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.050 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.10
【0187】第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.15 沃臭化銀乳剤F 銀 0.10 沃臭化銀乳剤G 銀 0.10 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0188】第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤H 銀 0.80 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExC−8 0.010 ExM−2 0.10 ExM−3 0.025 ExY−1 0.018 ExY−4 0.010 ExY−5 0.040 HBS−1 0.13 HBS−3 4.0×10-3 ゼラチン 0.80
【0189】第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.020 ExM−4 0.025 ExM−5 0.040 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.33
【0190】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.015 Cpd−1 0.16 固体分散染料ExF−5 0.060 固体分散染料ExF−6 0.060 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0191】第11層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 銀 0.09 沃臭化銀乳剤K 銀 0.09 ExS−7 8.6×10-4 ExC−8 7.0×10-3 ExY−1 0.050 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 Cpd−2 0.10 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.20
【0192】第12層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 ExY−4 0.010 Cpd−2 0.10 Cpd−3 1.0×10-3 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.70
【0193】第13層(第1保護層) UV−1 0.19 UV−2 0.075 UV−3 0.065 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 1.8
【0194】第14層(第2保護層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.10 H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.15 B−3 0.05 S−1 0.20 ゼラチン 70
【0195】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
パラジウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されて
いる。
【0196】
【表1】
【0197】表1において、 (1)乳剤J〜Lは特開平2-191938の実施例に従い、二
酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時に
還元増感されている。 (2)乳剤A〜Iは特開平3-237450の実施例に従い、各
感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウム
の存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されてい
る。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426の実施例に
従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3-237450に記載されている
ような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されてい
る。 (5)乳剤Lは特開昭60-143331 に記載されている内部
高ヨードコアーを含有する二重構造粒子である。
【0198】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水21.7
ミリリットル及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシ
エトキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ3ミリリット
ル並びに5%水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキ
シエチレンエ−テル(重合度10) 0.5gとを 700ミリリ
ットルのポットミルに入れ、染料ExF−2を 5.0gと
酸化ジルコニウムビーズ(直径1mm) 500ミリリットル
を添加して内容物を2時間分散した。この分散には中央
工機製のBO型振動ボールミルを用いた。分散後、内容
物を取り出し、12.5%ゼラチン水溶液8gに添加し、ビ
ーズを濾過して除き、染料のゼラチン分散物を得た。染
料微粒子の平均粒径は0.44μmであった。
【0199】同様にして、ExF−3、ExF−4及び
ExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径
はそれぞれ、0.24μm、0.45μm、0.52μmであった。
ExF−5はEP549,489Aの実施例1に記載の微小析出
(Microprecipitation)分散方法により分散した。平均
粒径は0.06μmであった。
【0200】
【化35】
【0201】
【化36】
【0202】
【化37】
【0203】
【化38】
【0204】
【化39】
【0205】
【化40】
【0206】
【化41】
【0207】
【化42】
【0208】
【化43】
【0209】
【化44】
【0210】
【化45】
【0211】
【化46】
【0212】
【化47】
【0213】
【化48】
【0214】
【化49】
【0215】
【化50】
【0216】上記の試料101を135型フィルムサイ
ズ(対応国際規格 ISO 1007)に裁断加工し、
磁気記録層の塗布面側からヘッドギャップ5μm、ター
ン数2000の入出力可能な磁気ヘッドを用いて磁気入
力を行い、更にウエッジ露光を行なった後、富士写真フ
イルム(株)製自動現像機FNCP−300IIを用い
て、以下の方法で定着液の累積補充量がそのタンクの5
倍になるまでランニング処理を行なった。
【0217】 処 理 工 程 工程 処理時間 処理温度 補充量 タンク容量 発色現像 3分15秒 38.0℃ 550ml/m2 82リットル 漂 白 2分15秒 38.0℃ 200ml/m2 118リットル 水洗(1) 15秒 24.0℃ (2)から(1) へ 20リットル の向流配管方式 水洗(2) 15秒 24.0℃ 200ml/m2 20リットル 定 着 3分00秒 38.0℃ 400ml/m2 77リットル 水洗(3) 30秒 24.0℃ (4)から(3) へ 40リットル の向流配管方式 水洗(4) 30秒 24.0℃ 1000ml/m2 40リットル 安 定 30秒 38.0℃ 300ml/m2 40リットル 乾 燥 4分20秒 55℃
【0218】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.2 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジ ホスホン酸 2.0 2.2 亜硫酸ナトリウム 4.0 4.8 炭酸カリウム 30.0 39.0 臭化カリウム 1.4 0.3 ヨウ化カリウム 1.5mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.1 4(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル アミノ)−2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 6.0 水を加えて 1000ml 1000ml pH 10.05 10.15
【0219】 (漂白液) タンク液 補充液 1,3-プロピレンジアミン四酢酸 鉄(III)アンモニウム塩 0.04モル 0.08モル 1,3-プロピレンジアミン四酢酸 0.005モル 0.01モル N−(2−カルボキシフェニル) イミノ二酢酸鉄(III) 錯塩 0.04モル 0.08モル N−(2−カルボキシフェニル) イミノ二酢酸 0.005モル 0.01モル 臭化アンモニウム 40.0g 60.0g 硝酸アンモニウム 30.0g 45.0g 本発明化合物(表2に記載) 0.005モル 0.01モル 有機酸(表2に記載) 0.55モル 0.8モル 水を加えて 1000ml 1000ml pH(アンモニア水と硝酸にて調整) 4.3 3.8
【0220】 (定着液) タンク液(g) 補充液(g) チオ硫酸ナトリウム 0.7モル 1.0モル 亜硫酸ナトリウム 0.2モル 0.3モル 1,3-プロピレンジアミン四酢酸 5.0 7.0 酢酸(90%) 3.0 4.0 水を加えて 1000ml 1000ml pH(NaOHと酢酸にて調整) 6.2 6.4
【0221】 (安定液) タンク液/補充液共通(g) p−ノニルフェノキシポリグリシドール (グリシドール平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール −1−イルメチル)ピペラジン 0.75 グリコール酸 0.02 ゲンタマイシン 0.01 ヒドロキシエチルセルロース 0.1 (ダイセル化学 HEC SP-200) 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.05 水を加えて 1リットル pH(アンモニア水と硝酸にて調整) 8.5
【0222】上記方法で処理された感光材料について、
下記に示す方法により磁気記録の出力エラー及び感材の
汚れの評価を行った。
【0223】・磁気記録の出力エラー 特開平4−62543号公報実施例1と同様に、処理後
の感光材料を磁気ヘッドで500回出力操作を行い、そ
のエラーした回数を示した。 ・感材の汚れ 処理後の感光材料に対し、磁気記録層側の面を観察し、
下記のようにランク分けを行った。 ○:汚れがないか、或いは殆ど目立たない。 △:一部分に汚れが付着している。 ×:全面にはっきりとした汚れが付着している。
【0224】結果を表2に示す。
【0225】
【表2】
【0226】表2からわかるように、本発明の水準は磁
気記録の読みとり及び感材の汚れにおいて優れた性能を
示している。
【0227】実施例2 本願実施例1と同様に製作・加工・露光した感光材料に
対し、1日1m2ずつ30日間にわたり下記の処理を行
なった(ランニング処理)。各処理は富士写真フイルム
社製自動現像機FP−560Bを用いて以下により行な
った。尚、漂白浴のオーバーフロー液を後浴へ流さず、
すべて廃液タンクへ排出するように改造を行なった。ま
た、このFP−560Bは発明協会公開技報94−49
92号に記載の蒸発補正手段を搭載している。処理工程
及び処理液組成を以下に示す。
【0228】 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量 タンク容量 発色現像 3分05秒 37.8℃ 400 ml/m2 17 リットル 漂 白 50秒 38.0℃ 100 ml/m2 5 リットル 定着(1) 50秒 38.0℃ − 5 リットル 定着(2) 50秒 38.0℃ 300 ml/m2 5 リットル 水 洗 30秒 38.0℃ 500 ml/m2 3.5 リットル 安定(1) 20秒 38.0℃ − 3 リットル 安定(2) 20秒 38.0℃ 500 ml/m2 3 リットル 乾 燥 1分30秒 60℃ 安定液及び定着液は(2) から(1) への向流方式であり、
水洗水のオーバーフロー液は全て定着浴(2) へ導入し
た。尚、発色現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白液
の定着工程への持ち込み量、定着液の水洗工程への持ち
込み量は感光材料35mm巾1m2当たりそれぞれ65ミリ
リットル、50ミリリットル、50ミリリットル、50
ミリリットルであった。また、クロスオーバーの時間は
いずれも6秒であり、この時間は前工程の処理時間に包
含される。上記処理機の開口面積は発色現像液で100
cm2 、漂白液で120cm2 、その他の処理液は約100
cm2 であった。
【0229】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 3.0 カテコール−3,5−ジスルホン酸ジナ トリウム 0.3 0.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.3 炭酸カリウム 39.0 39.0 ジナトリウム−N,N−ビス(2−スルホ ナートエチル)ヒドロキシルアミン 1.5 2.0 臭化カリウム 1.3 − 沃化カリウム 1.3mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3, 3a,7−テトラザインデン 0.05 − 2−メチル−4−[N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ] アニリン硫酸塩 4.5 6.5 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整)10.05 10.21
【0230】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3-プロピレンジアミン四酢酸 鉄(III) ナトリウム塩 113.0 170.0 臭化ナトリウム 70.0 105.0 硝酸ナトリウム 14.0 21.0 本発明化合物(B−I)−1 8ミリモル 10ミリモル コハク酸 34.0 51.0 マレイン酸 28.0 42.0 水溶性界面活性剤(表3に記載) 0.2 0.3 水を加えて 1000ml 1000ml pH(水酸化ナトリウムと硝酸にて調整) 4.6 4.0
【0231】(定着(1)タンク液)上記漂白タンク液
と下記定着タンク液の5対95(容量比)混合液。(p
H6.8)
【0232】 (定着液(2)) タンク液(g) 補充液(g) チオ硫酸アンモニウム水溶液 (750g/リットル) 240.0ml 720.0ml メタンチオスルホン酸アンモニウム 5.0 15.0 メタンスルフィン酸アンモニウム 10.0 30.0 エチレンジアミン四酢酸 13.0 39.0 イミダゾール 7.0 21.0 水を加えて 1000ml 1000ml pH(アンモニア水と酢酸にて調整) 7.4 7.5
【0233】(水洗水)タンク液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型強
塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライトIRA−4
00)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及
びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理
し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/
リットルと硫酸ナトリウム150mg/リットルを添加し
た。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0234】 (安定液)タンク液、補充液共通 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール −1−イルメチル)ピペラジン 0.75g 1,2,4−トリアゾール 1.3g ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.2g (平均重合度 10) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05g p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03g 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン.ナトリウム 0.10g ゲンタマイシン 0.01g 水を加えて 1リットル pH(アンモニア水と硝酸にて調整) 8.5
【0235】上記方法で処理された感材に対し、下記に
示す方法により、マゼンタ色素の経時変化と、磁気記録
の出力エラーを評価した。 ・マゼンタ色素の経時変化 感光材料について濃度測定を行ない、特性曲線から緑色
光(G光)で測定したDmaxを各々読み取った(Dmax(G)
)。次いで、測定後の感光材料を米国特許第5296
887号公報のFig.1〜Fig.7に記載のプラス
チック製のフィルムカートリッジに巻き込み、下記条件
で保存し、経時後のDmaxを同様に測定した。そして下記
のようにしてマゼンタ色素のDmaxの経時変化を求めた。 保存条件:70℃、相対湿度70%、2週間 Dmaxの経時変化(ΔDmax(G) )=(保存後のDmax)−
(保存前のDmax) ・磁気記録の出力エラー 特開平4−62543号公報実施例1と同様に、処理後
の感光材料を磁気ヘッドで2000回出力操作を行い、
そのエラーした回数を示した。
【0236】結果を表3に示す。
【0237】
【表3】
【0238】表3の結果より、界面活性剤の添加によ
り、湿熱経時でのマゼンタ色素の経時変化及び磁気記録
の出力エラーが改善していることがわかる。
【0239】実施例3 本願実施例1において、漂白液を下記のものに置き換え
るほかは、実施例1と同様に処理を行った。
【0240】 (漂白液) タンク液 補充液 2-(1- カルボキシ-2- フェニル- エチル アミノ)-コハク酸鉄(III) 錯塩 0.08モル 0.12モル 2-(1- カルボキシ-2- エチルアミノ )-コハク酸鉄(III) 錯塩 0.08モル 0.12モル ハロゲン化剤(表4に記載) 40.0g 60.0g 本発明化合物(A−III)−1 0.5ミリモル 7.5ミリモル 酒石酸 0.2モル 0.3モル グリコール酸 0.5モル 0.8モル 水を加えて 1000ml 1000ml pH調整 4.3 3.8 (アンモニア水又はNaOHと硝酸にて調整)
【0241】上記方法で処理された感材に対し、下記に
示す方法により、イエロー色素の経時変化と、磁気記録
の出力エラーを評価した。 ・イエロー色素の経時変化 感光材料について濃度測定を行ない、特性曲線から青色
光(B光)で測定したDmaxを各々読み取った(Dmax(B)
)。次いで、測定後の感光材料を特開平4−1152
51号公報に記載のフィルムパトローネに巻き込み、下
記条件で保存し、経時後のDmaxを同様に測定した。そし
て下記のようにしてイエロー色素のDmaxの経時変化を求
めた。 保存条件:70℃、相対湿度70%、2週間 Dmaxの経時変化(ΔDmax(B) )=(保存前のDmax)−
(保存後のDmax) ・磁気記録の出力エラー 特開平4−62543号公報実施例1と同様に、処理後
の感光材料を磁気ヘッドで3000回出力操作を行い、
そのエラーした回数を示した。
【0242】結果を表4に示す。
【0243】
【表4】
【0244】表4の結果より、漂白液中のアンモニウム
イオンの濃度が同液中のアルカリ金属イオンの濃度に対
して50%以下の時に、湿熱経時でのイエロー色素の経
時変化及び磁気記録の出力エラーが改善していることが
わかる。
【0245】
【発明の効果】本発明により、磁気記録層を有するハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料の磁気出力性及び感光材料
の汚れに対し、優れた処理法方を提供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に、少なくとも1層のハロ
    ゲン化銀乳剤層を有し、かつ該透明支持体の該ハロゲン
    化銀乳剤層に対して反対面に透明磁気記録層を有するハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料を、発色現像後に漂白能
    を有する処理液で処理する方法において、該漂白能を有
    する処理液が下記一般式(A)、(B)又は(C)で表
    される化合物の少なくとも1種とジカルボン酸化合物の
    少なくとも1種を含有することを特徴とするハロゲン化
    銀カラー写真感光材料の処理方法。 一般式(A) R11−SM11 一般式(B) R12−S−S−R13 一般式(A)及び(B)中、R11、R12及びR13は、そ
    れぞれ独立に、アルキル基、又はヘテロ環基を表す。M
    11は水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム、又は
    下記一般式(I)で表される基を表す。R11とM11は連
    結して5員もしくは6員のヘテロ環を形成してもよい。 一般式(I) 【化1】 一般式(I)中、X1 、X2 及びX3 は、それぞれ独立
    に、水素原子又はアルキル基を表す。 一般式(C) 【化2】 一般式(C)中、nは1、2又は3を表す。n=2又は
    3の時、Aはn価の脂肪族連結基、芳香族連結基又はヘ
    テロ環連結基を表し、n=1の時、Aは1価の脂肪族
    基、芳香族基、ヘテロ環基又は水素原子を表す。Xは−
    O−、−S−又は−N(R24)−を表す。R21及びR22
    はそれぞれ低級アルキル基を表し、R23は低級アルキレ
    ン基を表し、R24は低級アルキル基を表す。ここで、R
    21とR22、R21とA、R21とR23、R22とA、又はR22
    とR23は連結して環を形成してもよい。kは0又は1を
    表す。mは0又は1を表す。pは0又は1を表す。Yは
    アニオンを表す。qは0、1、2又は3を表し、一般式
    (C)の化合物が電気的中性な分子となるように選ばれ
    る。
  2. 【請求項2】 該漂白能を有する処理液中のアンモニウ
    ムイオン濃度が、該処理液中のアンモニウムイオン濃度
    とアルカリ金属イオン濃度との合計に対して0〜50モ
    ル%であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン
    化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 該漂白能を有する処理液が、水溶性界面
    活性剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記
    載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
JP1838695A 1995-01-11 1995-01-11 ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 Pending JPH08190183A (ja)

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JP1838695A Pending JPH08190183A (ja) 1995-01-11 1995-01-11 ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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JP (1) JPH08190183A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008274296A (ja) * 1998-01-29 2008-11-13 Cabot Corp 分散体の純化方法及びインクジェットインクの製造方法

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JP2008274296A (ja) * 1998-01-29 2008-11-13 Cabot Corp 分散体の純化方法及びインクジェットインクの製造方法

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