JPH095956A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその画像形成方法

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JPH095956A
JPH095956A JP17966395A JP17966395A JPH095956A JP H095956 A JPH095956 A JP H095956A JP 17966395 A JP17966395 A JP 17966395A JP 17966395 A JP17966395 A JP 17966395A JP H095956 A JPH095956 A JP H095956A
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group
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acid
preferable
silver halide
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JP17966395A
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Hajime Nakagawa
肇 中川
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】現像処理を迅速化しても、画像保存性及び磁気
記録性能が悪化しないカラー感材を提供する。 【構成】透明支持体上に、青感性、緑感性、赤感性ハロ
ゲン化銀乳剤層および非感光性層をそれぞれ少なくとも
1層有し、前記赤感性層中にマスキング用カプラーを含
有し、前記感光性層中または/および非感光性層中に含
まれるシアンカプラーの全量のうちの90モル%以上が
例えばI−8のシアンカプラーである。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は迅速処理に適し、さらに
保存安定性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料お
よびその画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラー写真感光材料の現像処理は、その
処理時間の短縮の努力がなされてきている。カラーネガ
感材の現像処理時間は、1972年に導入されたコダッ
ク社のC−41処理により非常に迅速化した。乾燥工程
を含まないウエット処理時間で17分20秒まで短縮さ
れ、また近年ミニラボ市場向けに導入された富士フイル
ム(株)の迅速処理CN−16FAにおいては、8分15秒ま
で短縮されている。
【0003】一方感材の処理方法においては、一般にカ
ラー現像、脱銀、水洗および安定処理が施される。従来
これらの現像処理工程の時間短縮化は、カラーネガの現
像処理を例に取れば、主に脱銀工程の短縮によってなさ
れてきており、カラー現像処理や水洗および安定処理の
時間の短縮が望まれている。
【0004】発色現像時間を短縮させるには、発色現像
処理液の処理温度や現像主薬の濃度を上げることにより
可能である。しかしながら、処理液中の発色現像主薬の
濃度を上ると、処理後の感材中に発色現像主薬が多く残
存することにより画像安定性の悪化(例えば処理後の経
時による増色など)が問題となってきた。これらの画像
安定性の悪化は、カラー現像の後浴である脱銀工程や水
洗工程、あるいは安定化工程の処理時間が短縮されるほ
ど顕著になり、これは後浴での現像主薬の洗い出しが不
充分になることに起因すると考えられる。
【0005】感材中に残存する現像主薬量を低減するに
は、水洗または安定浴のpHを低く設定することにより
可能であることが知られている。しかしながら水洗また
は安定浴のpHを低く設定すると、シアン色画像の軟調
化が起こることが明らかになり改良が望まれている。
【0006】一方、米国特許4,974,196号およ
び国際公開特許90/04254号には、写真フィルム
の裏面に磁気記録を可能とする磁性体粒子を含有した磁
性そう有するロール状フィルム及び磁気ヘッドを有する
撮影用カメラが開示されている。この改良技術によれ
ば、磁性層に感光材料の種類やメーカー等の識別情報、
撮影時の条件に関わる情報、顧客に関する情報、プリン
ト条件やプリント焼き増し条件に関わる情報などをフィ
ルム上で磁気的に入/出力することにより、プリント品
質の向上、プリント作業の効率化、ラボ事務処理の効率
化を図ることが可能となる。しかしこれらの磁気記録層
を設けた感材を上記のような主薬濃度の高い処理液で処
理すると、磁気記録性能が著しく劣化し満足な情報提供
ができないということが判明した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、迅速化された現像処理を行っても画像保存性や磁気
記録性能の悪化しないハロゲン化銀カラー写真感光材料
を提供することにあり、さらには迅速処理に適した感光
材料と現像処理方法の組み合わせを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は以下の感光
材料および画像形成方法によって達成される。 (1)透明支持体上に、青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑
感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀乳剤層お
よび非感光性層をそれぞれ少なくとも1層有し、かつ前
記赤感性層中にマスキング用カプラーを含有する感光材
料において、前記感光性層中または/および非感光性層
中に含まれるシアン色画像形成カプラーの全量のうちの
90モル%以上が下記一般式(I)〜(III)で表される
シアンカプラーであることを特徴とするハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料。 一般式(I)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1 は−CONR4R5 、−SO2NR4R5
−NHCOR4、−NHCOOR6 、−NHSO2R6、−NHCONR4R5 また
は−NHSO2NR4R5を、R2 はナフタレン環に置換可能な基
を、lは0ないし3の整数を、Yは水素原子もしくは−
NHR3を、R3 は置換基を、Xは水素原子または芳香族第
一級アミン現像薬酸化体とのカップリング反応により離
脱可能な基それぞれ表わす。ただし、R4 及びR5 は同
じでも異なっていてもよく、独立に水素原子、アルキル
基、アリール基または複素環基を、R6 はアルキル基、
アリール基または複素環基を表わす。lが複数のときは
2 は同じでも異なっていてもよく、また互いに結合し
て環を形成してもよい。R2 とR3 、またはR3 とXと
が互いに結合して環を形成してもよい。また、R1 、R
2 、R3またはXにおいて2価もしくは2価以上の基を
介して互いに結合する2量体またはそれ以上の多量体を
形成してもよい。またYが水素原子のときR1 は−CONR
4Ar を表わす)
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】一般式(II) および(III) において、R21
はアルキル基、アリール基または複素環基を、R22はア
ルキル基を、R23は水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カ
ルボンアミド基またはウレイド基を、R24はアルキル
基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、またはアミノ基を、X- は水素原子またはカッ
プリング離脱基を、nは0または1をそれぞれ表わす。 (2)前記(1)に記載のハロゲン化銀カラー写真感光
材料を、カラー現像工程、脱銀工程、水洗および/また
は安定化処理工程を有し、該水洗および/または安定化
処理工程のうちの少なくとも1浴のpHが4〜6である
処理工程を用いて現像処理することを特徴とするハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料の画像形成方法。 (3)前記の感光材料が、透明支持体をはさんでハロゲ
ン化銀乳剤層の反対側に磁性体粒子を含有する磁気記録
層を有することを特徴とする(2)に記載の画像形成方
法。
【0014】以下に本発明の感光材料および画像形成方
法について詳細に説明する。
【0015】まず一般式(I)により表わされる化合物
について詳しく述べる。R1 は−CONR4R5 、−SO2NR
4R5、−NHCOR4、NHCOOR6 、−NHSO2R6 、−NHCONR4R5
または−NHSO2NR4R5を表わし、R4 、R5 及びR6 はそ
れぞれ独立に総炭素原子数(以下C数という)1〜30
のアルキル基、C数6〜30のアリール基又はC数2〜
30の複素環基を表わす。R4 及びR5 はまた水素原子
であってもよい。
【0016】R2 はナフタレン環に置換可能な基(原子
を含む。以下同じ)を表わし、代表例としてハロゲン原
子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボニ
ル基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、アルキル基、ア
リール基、複素環基、カルボンアミド基、スルホンアミ
ド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ウレイド
基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイ
ルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ニトロ
基、イミド基を挙げることができる。l=2ときの例と
してジオキシメチレン基、トリメチレン基等があるた。
(R2)lのC数は0〜30である。
【0017】Yは水素原子もしくは−NHR3で表わされる
基であり、Yが水素原子のとき、前述のR1 は−CONR4A
r に限定される。ここでR4 は前述の説明と同じ基を表
わし、ArはC数6〜30のアリール基である。
【0018】Yは好ましくは、−NHR3で表わされる基で
ある。
【0019】またR3 は置換基を表わし、好ましくは下
記式(I−1)で表わされる。 式(I−1) R7(Y)m − 式(I−1)においてYは>NH、>COまたは>SO
2 を、mは0または1の整数を、R7 は水素原子、C数
1〜30のアルキル基、C数6〜30のアリール基、C
数2〜30の複素環基、−COR8
【0020】
【化7】
【0021】または−SO2 10をそれぞれ表わす。こ
こでR8 、R9 及びR10は前記R4 、R5 及びR6 にそ
れぞれ同じ意味である。R1 またはR7 において、−N
4 5 のR4 とR5 及び−NR8 9 のR8とR9
それぞれ互いに結合して含窒素複素環(例えばピロリジ
ン環、ピペリジン環、モルホリン環)を形成してもよ
い。
【0022】Xは水素原子または芳香族第一級アミン現
像薬酸化体とのカップリング反応により離脱可能な基
(離脱基という。離脱原子を含む。以下同じ。)を表わ
し、離脱基の代表例としてハロゲン原子、
【0023】
【化8】
【0024】チオシアナート基、C数1〜30の窒素原
子でカップリング活性位に結合する複素環基(例えばコ
ハク酸イミド基、フタルイミド基、ピラゾリル基、ヒダ
ントイニル基、2−ベンゾトリアゾリル基)を挙げるこ
とができる。ここでR11は前記R6 に同じ意味である。
【0025】以上においてアルキル基は直鎖状、分岐鎖
状または環状のいずれであってもよく、また不飽和結合
を含んでいても置換基(例えばハロゲン原子、ヒドロキ
シル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシ
ル基、カルバモイル基、カルボンアミド基)を有してい
てもよく、代表例として、メチル、イソプロピル、イソ
ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキ
シル、n−ドデシル、n−ヘキサデシル、2−メトキシ
エチル、ベンジル、トリフルオロメチル、3−ドデシル
オキシプロピル、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェ
ノキシ)プロピルがある。
【0026】またアリール基は縮合環(例えばナフチル
基)であっても、置換基(例えばハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボ
ンアミド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スル
ファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基)を有していてもよく、代表例としてフェニル、
トリル、ペンタフルオロフェニル、2−クロロフェニ
ル、4−ヒドロキシフェニル、4−シアノフェニル、2
−テトラデシルオキシフェニル、2−クロロ−5−ドデ
シルオキシフェニル、4−t−ブチルフェニルがある。
【0027】また複素環基はO、N、S、P、Se、T
eの少なくとも1個のヘテロ原子を環内に含む3〜8員
の単環もしくは縮合環の複素環基であって、置換基(例
えばハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキシル基、
ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、アミノ基、カルバモイル基、スルフ
ァモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基)を有していてもよく、代表例として、2−ピリジ
ル、4−ピリジル、2−フリル、4−チエニル、ベンゾ
トリアゾール−1−イル、5−フェニルテトラゾール−
1−イル、5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾー
ル−2−イル、5−メチル−1,3,4−オキサジアゾ
ール−2−イルがある。
【0028】以下に本発明に於ける好ましい置換基例を
説明する。R1 としては−CONR4 5 または−SO
2 NR4 5 が好ましく、具体例としてカルバモイル、
N−n−ブチルカルバモイル、N−n−ドデシルカルバ
モイル、N−(3−n−ドデシルオキシプロピル)カル
バモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−〔3
−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)プロピル〕
カルバモイル、N−ヘキサデシルカルバモイル、N−
〔4−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチ
ル〕カルバモイル、N−(3−ドデシルオキシ−2−メ
チルプロピル)カルバモイル、N−〔3−(4−t−オ
クチルフェノキシ)プロピル〕カルバモイル、N−ヘキ
サデシル−N−メチルカルバモイル、N−(3−ドデシ
ルオキシプロピル)スルファモイル、N−〔4−(2,
4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチル〕スルファモ
イルがある。R1 は特に好ましくは−CONR4 5
ある。
【0029】Yが水素原子のときR1 は−CONR4
rで表わされるが、好ましい具体例としては、N−(2
−n−テトラデシルオキシフェニル)カルバモイル、N
−(2−n−テトラデシルオキシ−5−メチルフェニ
ル)カルバモイル、N−(4−n−テトラデシルオキシ
フェニル)カルバモイルなどが挙げられる。
【0030】R2 、lとしてはl=0すなわち無置換の
ものが最も好ましく、次いでl=1が好ましい。R2
好ましくはハロゲン原子、アルキル基(例えばメチル、
イソプロピル、t−ブチル、シクロペンチル)、カルボ
ンアミド基(例えばアセトアミド、ピパリンアミド、ト
リフルオロアセトアミド、ベンズアミド)、スルホンア
ミド(例えばメタンスルホンアミド、トルエンスルホン
アミド)またはシアノ基である。
【0031】R3 は好ましくは式(I−1)においてm
=0であり、さらに好ましくはR7が−COR8 〔例え
ばフォルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、2−
エチルヘキサノイル、ピバロイル、ベンゾイル、ペンタ
フルオロベンゾイル、4−(2,4−ジ−t−ペンチル
フェノキシ)ブタノイル〕、−COOR10〔例えばメト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、イソブトキシカ
ルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル、n−
ドデシルオキシカルボニル、2−メトキシエトキシカル
ボニル〕または−SO2 10〔例えばメチルスルホニ
ル、n−ブチルスルホニル、n−ヘキサデシルスルホニ
ル、フェニルスルホニル、p−トリルスルホニル、p−
クロロフェニルスルホニル、トリフルオロメチルスルホ
ニル〕であり、特に好ましくはR7 が−COOR10であ
る。
【0032】Xは好ましくは水素原子、ハロゲン原子、
−OR11〔例えばエトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、
2−メトキシエトキシ、2−(2−ヒドロキシエトキ
シ)エトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ、エトキ
シカルボニルメトキシ、カルボキシエトキシ、3−カル
ボキシプロポキシ、N−(2−メトキシエチル)カルバ
モイルメトキシ、1−カルボキシトリデシルオキシ、2
−メタンスルホンアミドエトキシ、2−(カルボキシメ
チルチオ)エトキシ、2−(1−カルボキシトリデシル
チオ〕エトキシのようなアルコキシ基、例えば4−シア
ノフェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、4−メトキ
シフェノキシ、4−t−オクチルフェノキシ、4−ニト
ロフェノキシ、4−(3−カルボキシプロパンアミド)
フェノキシ、4−アセトアミドフェノキシ基のようなア
リールオキシ基〕または−SR11〔例えばカルボキシメ
チルチオ、2−カルボキシメチルチオ、2−メトキシエ
チルチオ、エトキシカルボニルメチルチオ、2,3−ジ
ヒドロキシプロピルチオ、2−(N,N−ジメチルアミ
ノ)エチルチオのようなアルキルチオ基、例えば4−カ
ルボキシフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ、4
−(3−カルボキシプロパンアミド)フェニルチオのよ
うなアリールチオ基〕であり、特に好ましくは水素原
子、塩素原子、アルコキシ基またはアルキルチオ基であ
る。
【0033】またXは離脱した後、写真性有用基となる
化合物でもよい。つまり現像抑制剤、カブラセ剤、現像
促進剤、漂白促進剤、脱銀促進剤もしくは、これらの前
駆体でもよい。具体的には、現像抑制剤の例としては、
テトラゾリルチオ基、チアジアゾリルチオ基、オキサジ
アゾリルチオ基、トリアゾリルチ基、ベンズイミダゾリ
ルチオ基、ベンズチアゾリルチオ基、テトラゾリルセレ
ノ基、ベンズオキサゾリルチオ基、ベンゾトリアゾリル
基、トリアゾリル基、またはベンゾイミダゾリル基が挙
げられる。これらの基は例えば米国特許第3,227,554
号、同3,384,657号、同3,615,506 号、同3,617,291
号、同3,733,201 号、同3,933,500 号、同3,958,993
号、同3,961,959 号、同4,149,886 号、同4,259,437
号、同4,095,984号、同4,477,563 号、同4,782,012
号、ヨーロッパ公開特許第348,139A号、同354,532A号ま
たは英国特許第1,450,479 号に記載されているものであ
る。
【0034】またXは、一般式(I)の状態でマスキン
グカプラーとなり得る化合物であってもよい。
【0035】一般式(I)で表わされるカプラーは置換
基R1 、R2 、R3 またはXにおいてそれぞれ2価もし
くは2価以上の基を介して互いに結合する2量体または
それ以上の多量体を形成してもよい。この場合、前記の
各置換基において示した炭素数範囲の規定外となっても
よい。一般式(I)で示されるカプラーが多量体を形成
する場合、シアン色素形成カプラー残基を有する付加重
合性エチレン様不飽和化合物(シアン発色モノマーの単
独もしくは共重合体が典型例であり、好ましくは式(I
−2)で表わされる。 式(I−2) −(Gi gi−(Hj hj− 式(I−2)においてGi は発色性モノマーから誘導さ
れるくり返し単位であり式(I−3)により表わされる
基であり、Hj は非発色性モノマーから誘導されるくり
返し単位であり式(I−3)により表わされる基であ
り、iは正の整数、jは0または正の整数をそれぞれ表
わし、gi及びhiはそれぞれGi またはHj の重量分
率を表わす。ここでiまたはjが複数のとき、Gi また
はHJ は複数の種類くり返し単位を含むことを表わす。 式(I−3)
【0036】
【化9】
【0037】式(I−3)においてRは水素原子、炭素
原子数1〜4のアルキル基または塩素原子を表わし、A
は−CONH−、−COO−または置換もしくは無置換
のフェニレン基を示し、Bは置換もしくは無置換のアル
キレン基、フェニレン基、オキシジアルキレン基のよう
に両末端に炭素原子を有する2価の基を表わし、Lは−
CONH−、−NHCONH−、−NHCOO−、−N
HCO−、−OCONH─、−NH−、−COO−、−
OCO−、−CO−、−O−、−SO2 −、NHSO2
−、または−SO2 NH−を表わす。a、b、cは0ま
たは1の整数を表わす。Qは一般式(I)で表わされる
化合物のR1 、R2 、R3 またはXより水素原子1個を
除去したシアンカプラー残基を表わす。
【0038】くり返し単位Hj を与える芳香族第一級ア
ミン現像薬の酸化生成物とカップリングしない非発色性
エチレン型単量体としては、アクリル酸、α−クロロア
クリル酸、α−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル
酸など)これらのアクリル酸類から誘導されるアミドも
くしはエステル(例えば、アクリルアミド、メタクリル
アミド、n−ブチルアクリルアミド、t−ブチルアクリ
ルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレー
ト、iso−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート、n−オクチルアクリレート、ラウリルア
クリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート及びβ−ヒドロキシエ
チルメタクリレート)、ビニルエステル(例えばビニル
アセテート、ビニルプロピオネート及びビニルラウレー
ト)、アクリロニトリル、メタクリニトリル、芳香族ビ
ニル化合物(例えばスチレン及びその誘導体、例えばビ
ニルトルエン、ジビニルベンセン、ビニルアセトフェノ
ン及びスルホスチレン)、イタコン酸、シトラコン酸、
クロトン酸、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエ
ーテル(例えばビニルエチルエーテル)、マレイン酸エ
ステル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルピリ
ジン及び2−及び4−ビニルピリジン等がある。
【0039】特にアクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、マレイン酸エステル類が好ましい。ここで使用
する非発色性エチレン型モノマーは2種以上を一緒に使
用することもできる。例えばメチルアクリレートとブチ
ルアクリレート、ブチルアクリレートとスチレン、ブチ
ルメタクリレートとメタクリル酸、メチルアクリレート
とジアセトンアクリルアミドなどが使用できる。
【0040】ポリマーカプラー分野で周知の如く前記式
(I−3)に相当するビニル系単量体と共重合させるた
めのエチレン系不飽和単量体は形成される共重合体の形
態、例えば固体状、液体状、ミセル状や物理的性質及び
/または化学的物質、例えば溶解性(水あるいは有機溶
媒への溶解性)、写真コロイド組成物の結合剤例えばゼ
ラチンとの相溶性、その可撓性、熱安定性、現像薬酸化
体とのカップリング反応性、写真コロイド中で耐拡散性
等が好影響を受けるように選択することができる。これ
らの共重合体はランダムな共重合体でも、特定のシーケ
ンス(例えばブロック共重合体、交互共重合体)を持っ
た共重合体であってもよい。
【0041】本発明に用いられるシアンポリマーカプラ
ーの数平均分子量は通常数千から数百万のオーダーであ
るが、5000以下のオリゴマー状のポリマーカプラー
も利用することができる。本発明に用いられるシアンポ
リマーカプラーは有機溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブ
チル、エタノール、塩化メチレン、シクロヘキサノン、
ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート)に可
溶の親油性ポリマーであってもゼラチン水溶液等親水コ
ロイドに混和可能な親水性ポリマーであっても、また親
水コロイド中でミセル形成可能な構造と性状を有するポ
リマーであってもよい。
【0042】有機溶媒に可溶の親油性ポリマーカプラー
を得るためには共重合成分として主として親油性非発色
性エチレン様モノマー(例えばアクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ビニルベン
ゼン類等)を選ぶことが好ましい。前記一般式(I−
3)で表わされるカプラーユニットを与えるビニル系単
量体の重合で得られる親油性ポリマーカプラーを有機溶
媒に溶かしたものをゼラチン水溶液中にラテックスの形
で乳化分散して作ってもよく、あるいは直接乳化重合法
で作ってもよい。
【0043】親油性ポリマーカプラーをゼラチン水溶液
中にラテックスの形で乳化分散する方法については米国
特許第3,451,820号に、乳化重合については米
国特許第4,080,211号、同3,370,952
号に記載されている方法を用いることができる。または
中性またはアルカリ性の水に可溶の親水性ポリマーカプ
ラーを得るためには、N−(1,1−ジメチル−2−ス
ルホナートエチル)アクリルアミド、3−スルホナート
プロピルアクリレート、スチレンスルホン酸ナトリウ
ム、スチレンスルフィン酸カリウム、アクリルアミド、
メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、N−ビ
ニルピロリドン、N−ビニルピリジン等の親水性の非発
色性エチレン様モノマーを共重合体成分として用いるの
が好ましい。
【0044】親水性ポリマーカプラーは水溶液として塗
布液に添加することが可溶であり、また低級アルコー
ル、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、シク
ロヘキサノン、乳酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド等の水と混和する有機溶媒と水との
混合溶媒に溶解し添加することもできる。さらに、アル
カリ水溶液、アルカリ水含有有機溶媒に溶解させて添加
してもよい。また、界面活性剤を少量添加してもよい。
【0045】以下に式(I)における各置換基及び式
(I)で表わされるシアンカプラーの具体例を示す。 R1 の例
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】
【化12】
【0049】
【化13】 2 の例
【0050】
【化14】 3 NH−の例
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
【0053】
【化17】
【0054】
【化18】
【0055】
【化19】 Xの例
【0056】
【化20】
【0057】
【化21】
【0058】
【化22】
【0059】
【化23】
【0060】
【化24】
【0061】
【化25】 一般式(I)で表わされるシアンカプラーの具体例
【0062】
【化26】
【0063】
【化27】
【0064】
【化28】
【0065】
【化29】
【0066】
【化30】
【0067】
【化31】
【0068】
【化32】
【0069】
【化33】
【0070】
【化34】
【0071】
【化35】
【0072】
【化36】
【0073】
【化37】
【0074】
【化38】
【0075】
【化39】
【0076】式(I)で表わされるシアンカプラーの前
記以外の具体例及び/またはこれらの化合物の合成方法
は例えば米国特許第4,690,889号、特開昭60
−237448号、同61−153640号、同61−
145557号、同63−208042号、同64−3
1159号、及び西独特許第3823049A号に記載
されている。式(I)で表わされるシアンカプラーは、
特開昭62−269958号に記載されているように、
分散用の高沸点有機溶媒を少量用いることが、鮮鋭性及
び脱銀性をさらに改良する上で好ましい。
【0077】具体的には、式(I)で表わされるシアン
カプラーに対して高沸点有機溶媒を重量比で0.3以下
で、より好ましくは0.1以下で使用する。式(I)で
表わされるシアンカプラーの添加量の総和は、全シアン
カプラーの30モル%以上、好ましくは50モル%以
上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90
モル%以上である。
【0078】以下に、本発明のハロゲン化銀カラー写真
感光材料に含有される前記一般式(II)または(III)の
シアンカプラー、即ち、フェノール系シアンカプラーに
ついて詳しく説明する。
【0079】前記一般式(II) または(III)において、
21は総炭素原子数(以下C数という)1〜36(好ま
しくは1〜24)の直鎖状、分岐状もしくは環状の不飽
和結合を含んでも置換されていてもよいアルキル基、C
数6〜36(好ましくは6〜24)の置換されてもよい
アリール基、またはC数2〜36(好ましくは2〜2
4)の置換されてもよい複素環基である。ここで複素環
基とは環内に少なくとも1個のN、O、S、P、Se、
Teから選ばれたヘテロ原子を有する5〜7員の縮環し
てもよい複素環基であり、例えば2−フリル、2−チエ
ニル、4−ピリジン、2−イミダゾリル、4−キノリル
が挙げられる。R21の置換基の例として、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、
アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、ウレイド基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基(以上
置換基群Aという)が挙げられる。該置換基としては、
好ましくは、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、シ
アノ基、アルキル基、アリールオキシ基、アルキルスル
ホニル基、アリールスルホニル基、カルボンアミド基ま
たはスルホンアミド基が挙げられる。
【0080】前記一般式(II) または一般式(III)にお
いてR21は好ましくはアルキル基またはアリール基であ
る。
【0081】前記一般式(II) においてR22は、C数1
〜36(好ましくは2〜24)の直鎖状、分岐鎖状もし
くは環状のアルキル基である。R22は好ましくはC数1
〜8のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、t−ブチル、シクロペンチル)であ
る。
【0082】前記一般式(II) または(III)において、
23は水素原子、ハロゲン原子(F、Cl、Br、
I)、C数1〜16(好ましくは1〜8)の直鎖状、分
岐鎖状もしくは環状のアルキル基、C数6〜24(好ま
しくは6〜12)のアリール基、C数1〜24(好まし
くは1〜8)のアルコキシ基、C数は6〜24(好まし
くは6〜12)のアリールオキシ基、C数1〜24(好
ましくは2〜12のカルボンアミド基、またはC数1〜
24(好ましくは1〜12)のウレイド基である。ここ
で、R23がアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、カルボンミド基またはウレイド基のと
き、前記置換基群Aから選ばれた置換基で置換されてい
てもよい。
【0083】前記一般式(II) においてR23は、好まし
くはハロゲン原子であり、前記一般式(III)にいてR23
は好ましくは水素、ハロゲン原子、アルコキシ基または
カルボンアミド基であり、特に好ましくは水素である。
【0084】前記一般式(II) においてR22とR23とが
互いに結合して環を形成してもよい。また、一般式(II
I)においてR23とR24とが互いに結合して環を形成して
もよい。このときR23は単結合またはイミノ基として環
の構成要素となってもよい。
【0085】前記一般式(III)において、R24は前記R
21と同義であり、C数1〜36(好ましくは1〜24)
のアルコキシ基、C数は6〜36(好ましくは6〜2
4)のアリールオキシ基、またはC数1〜36(好まし
くは1〜24)のアルキルもしくはアリール置換アミノ
基である。
【0086】前記一般式(II) または(III)において
X′は水素原子または芳香族第1級アミン現像薬の酸化
体とのカップリング反応により離脱可能なカップリング
離脱基を表わす。このカップリング離脱基の例としては
ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、スルホ基、C数
1〜36(好ましくは1〜24)のアルコキシ基、C数
6〜36(好ましくは6〜24)のアリールオキシ基、
C数2〜36(好ましくは2〜24)のアシルオキシ
基、C数1〜36(好ましくは1〜24)のアルキルも
しくはアリールスルホニルオキシ基、C数1〜36(好
ましくは1〜24)のアルキルチオ基、C数6〜36
(好ましくは6〜24)のアリールチオ基、C数4〜3
6(好ましくは4〜24)のイミド基、C数1〜36
(好ましくは1〜24)のカルバモイルオキシ基または
C数1〜36(好ましくは2〜24)の窒素原子でカッ
プリング活性位に結合する複素環基(例えばテトラゾー
ル−5−イル)、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,
4−トリアゾール−1−イル)が挙げられる。ここで、
アルコキシ基以下の基は前記置換基群Aから選ばれる基
で置換されていてもよい。前記X′は好ましくは水素原
子、フッ素原子、塩素原子、スルホ基、アルコキシ基ま
たはアリールキシ基であり、特に好ましくは水素原子ま
たは塩素原子であり、最も好ましくは塩素原子である。
【0087】また一般式(II) または(III)において
X′は離脱した後、写真性有用基となる化合物でもよ
い。つまり現像抑制剤、カブラセ剤、現像促進剤、漂白
促進剤、脱銀促進剤、もしくはこれらの前駆体でもよ
い。具体的には、現像抑制剤の例としては、テトラゾリ
ルチオ基、チアジアゾリルチオ基、オキサジアゾリルチ
オ基、トリアゾリルチオ基、ベンズイミダゾリルチオ
基、ベンズチアゾリルチオ基、テトラゾリルセレノ基、
ベンズオキサゾリルチオ基、ベンゾトリアゾリル基、ト
リアゾリル基、またはベンゾイミダゾリル基が挙げられ
る。これらの基は例えば米国特許第3,227,554 号、同3,
384,657 号、同3,615,506 号、同3,617,291 号、同3,73
3,201 号、同3,933,500 号、同3,958,993 号、同3,961,
959 号、同4,149,886 号、同4,259,437 号、同4,095,98
4 号、同4,477,563 号、同4,782,012 号、ヨーロッパ公
開特許第348,139A号、同354,532A号または英国特許第1,
450,479 号に記載されているものである。
【0088】またX′は一般式(II) または(III)の状
態でマスキングカプラーとなり得る化合物であってもよ
い。
【0089】一般式(II) または(III)において、nは
0または1の整数を表わす。
【0090】一般式(III)においてnが1のとき特に好
ましいのは、以下の一般式(IV) で表わされる構造のも
のである。
【0091】
【化40】
【0092】一般式(IV) においてR1 は総炭素原子数
(以下C数という)1〜36(好ましくは4〜30)
の、置換されていてもよい直鎖状、分岐状もしくは環状
のアルキル基、C数6〜36(好ましくは12〜30)
の置換されていてもよいアリール基またはC数2〜36
(好ましくは12〜30)の複素環基を表わす。ここで
複素環基とは環内に少なくとも一個のN、O、S、P、
Se、Teから選ばれるヘテロ原子を有する5〜7員の
縮環していてもよい複素環基を表わし、例として2−フ
リル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、4
−ピリミジル、2−イミダゾリル、4−キノリルなどが
ある。R1 の置換基の例として、ハロゲン原子、シアノ
基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、アルキル
基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルス
ルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボ
ニル基、アシル基、カルボンアミド基、スルホンアミド
基、カルバモイル基、スルファモイル基、イミド基、ア
ミノ基、ウレイド基、アルコキシルカルボニルアミノ基
またはスルファモイルアミノ基(以上置換基群Aとい
う)などがあり、好ましい置換基の例としてアリール
基、複素環基、アリールオキシ基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基またはイミド基がある。
【0093】一般式(IV) においてR2 はC数6〜36
(好ましくは6〜15)のアリール基を表わし、前記置
換基群Aから選ばれる置換基で置換されていても、縮合
環であってもよい。ここで、好ましい置換基として、ハ
ロゲン原子(F、Cl、Br、I)、シアノ基、ニトロ
基、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル)、アルキ
ル基(例えばメチル、t−ブチル、トリフルオロメチ
ル、トリクロロメチル)、アルコキシ基(例えばメトキ
シ、エトキシ、ブトキシ、トリフルオロメトキシ)、ア
ルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル、プロピ
ルスルホニル、ブチルスルホニル、ベンジルスルホニ
ル)、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニ
ル、p−トリルスルホニル、p−クロロフェニルスルホ
ニル)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカル
ボニル、ブトキシカルボニル)、スルホンアミド基(例
えばメタンスルホンアミド、トリフルオロメタンスルホ
ンアミド、トルエンスルホンアミド)、カルバモイル基
(例えばN,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニル
カルバモイル)またはスルファモイル基(例えばN,N
−ジエチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイ
ル)が挙げられる。R2は好ましくはハロゲン原子、シ
アノ基、スルホンアミド基、アルキルスルホニル基、ア
リールスルホニル基およびトリフルオロメチル基の中か
ら選ばれる置換基を少なくとも一つ有するフェニル基で
あり、さらに好ましくは4−シアノフェニル、4−シア
ル−3−ハロゲノフェニル、3−シアノ−4−ハロゲノ
フェニル、4−アルキルスルホニルフェニル、4−アル
キルスルホニル−3−ハロゲノフェニル、4−アルキル
スルホニル−3−アルコキシフェニル、3−アルコキシ
−4−アルキルスルホニルフェニル、3,4−ジハロゲ
ノフェニル、4−ハロゲノフェニル、3,4,5−トリ
ハロゲノフェニル、3,4−ジシアノフェニル、3−シ
アノ−4,5−ジハロゲノフェニル、4−トリフルオロ
メチルフェニルまたは3−スルホンアミドフェニルであ
り、特に好ましくは4−シアノフェニル、3−シアノ−
4−ハロゲノフェニル、4−シアノ−3−ハロゲノフェ
ニル、3,4−ジシアノフェニルまたは4−アルキルス
ルホニルフェニルである。
【0094】一般式(IV) においてZは水素原子または
芳香族第一級アミン現像薬の酸化体とのカップリング反
応により離脱可能なカップリング離脱基を表わす。カッ
プリング離脱基の例として、ハロゲン原子、スルホ基、
C数1〜36(好ましくは1〜24)のアルコキシ基、
C数6〜36(好ましくは6〜24)のアリールオキシ
基、C数2〜36(好ましくは2〜24)のアシルオキ
シ基、C数1〜36(好ましくは1〜24)のアルキル
スルホニル基、C数6〜36(好ましくは6〜24)の
アリールスルホニル基、C数1〜36(好ましくは2〜
24)のアルキルチオ基、C数6〜36(好ましくは6
〜24)のアリールチオ基、C数4〜36(好ましくは
4〜24)のイミド基、C数1〜36(好ましくは1〜
24)のカルバモイルオキシ基またはC数1〜36(好
ましくは2〜24)の窒素原子でカップリング活性位に
結合する複素環基(例えばピラゾリル、イミダゾリル、
1,2,4−トリアゾール−1−イル、テトラゾリル)
がある。ここでアルコキシ基以下の基は前記置換基群A
から選ばれた置換基により置換されていてもよい。Zは
好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複
素環基チオ基であり、特に好ましくは水素原子、塩素原
子、アルコキシ基またはアリールオキシ基である。
【0095】またZは離脱した後、写真性有用基となる
化合物でもよい。つまり現像抑制剤、カブラセ剤、現像
促進剤、漂白促進剤、脱銀促進剤、もしくはこれらの前
駆体でもよい。具体的には、現像抑制剤の例としては、
テトラゾリルチオ基、チアジアゾリルチオ基、オキサジ
アゾリルチオ基、トリアゾリルチオ基、ベンズイミダゾ
リルチオ基、ベンズチアゾリルチオ基、テトラゾリルセ
レノ基、ベンズオキサゾリルチオ基、ベンゾトリアゾリ
ル基、トリアゾリル基、またはベンゾイミダゾリル基が
挙げられる。これらの基は例えば米国特許第3,227,554
号、同3,384,657 号、同3,615,506 号、同3,617,291
号、同3,733,201 号、同3,933,500 号、同3,958,993
号、同3,961,959 号、同4,149,886 号、同4,259,437
号、同4,095,984 号、同4,477,563 号、同4,782,012
号、ヨーロッパ公開特許第348,139A号、同354,532A号ま
たは英国特許第1,450,479 号に記載されているものであ
る。
【0096】またZは、一般式(IV) の状態でマスキン
グカプラーとなり得る化合物であってもよい。
【0097】以下に一般式(II) または(III)における
各置換基の例を示す。
【0098】
【化41】
【0099】
【化42】
【0100】
【化43】
【0101】
【化44】
【0102】
【化45】
【0103】
【化46】
【0104】
【化47】
【0105】
【化48】
【0106】
【化49】
【0107】
【化50】
【0108】
【化51】
【0109】
【化52】
【0110】
【化53】
【0111】以下に一般式(IV) におけるR1 、R2
びZの具体例を示す。 R1 の例
【0112】
【化54】
【0113】
【化55】
【0114】
【化56】
【0115】
【化57】
【0116】
【化58】
【0117】
【化59】 2 の例
【0118】
【化60】
【0119】
【化61】
【0120】
【化62】 Zの例
【0121】
【化63】
【0122】
【化64】
【0123】
【化65】
【0124】
【化66】
【0125】
【化67】
【0126】
【化68】
【0127】
【化69】
【0128】以下に一般式(II) で表わされるカプラー
の具体例を示す。
【0129】
【化70】
【0130】
【化71】
【0131】
【化72】
【0132】以下に一般式(III)で表わされるカプラー
の具体例を示す。
【0133】
【化73】
【0134】
【化74】
【0135】
【化75】
【0136】
【化76】
【0137】
【化77】
【0138】
【化78】
【0139】
【化79】
【0140】前記一般式(II) または(III)における置
換基の上記以外の具体例、並びにこれらを含むシアンカ
プラーの合成方法は、例えば、米国特許第2,369,
929号、同第2,772,162号、同2,895,
826号、同第3,772,002号、同第4,32
7,173号、同第4,333,999号、同第4,3
34,011号、同第4,430,423号、同第4,
500,635号、同第4,518,687号、同第
4,564,586号、同第4,609,619号、同
第4,686,177号、同第4,746,602号、
特開昭59−164555号の各明細書に記載されてい
る。
【0141】以下に一般式(IV)で表わされるシアンカ
プラーの具体例を示す。ただし、A〜Z、a〜fは化5
4、化55、化56、化57、化58、化59、化60
におけるR1 の具体例の通し番号である。
【0142】
【表1】
【0143】
【表2】
【0144】
【表3】
【0145】
【表4】
【0146】
【表5】
【0147】一般式(IV) で表されるシアンカプラーは
例えば特開昭56−65134号、同61−2757
号、同63−159848号、同63−161450
号、同63−161451号、特開平1−254956
号及び米国特許第4,923,791号の各明細書に記
載の合成法により合成することができる。
【0148】本発明の(I)〜(IV) で表わされるシア
ンカプラーは単独のカプラーのみを用いてもよいし、複
数のカプラーを併用してもよい。また好ましい化合物は
(I)または(IV) の化合物であり、特に好ましいのは
(I)の化合物である。
【0149】本発明の感材中の(I)〜(IV) で表わさ
れるシアンカプラーの使用量は、1m2あたり0.01mm
ol〜5mmolの範囲であり、特に(I)〜(IV) の化合物
の総モル数は1m2あたり0.5mmol〜5mmolの範囲であ
り、シアン色画像形成カプラーの全量のうちの90%モ
ル以上で用いる。本発明の目的においては、(I)〜
(IV) の化合物の使用量を増やすほど良い結果が得ら
れ、95モル%以上用いるとさらに好ましく、98モル
%以上が最も好ましい。
【0150】本発明において、シアン色画像形成カプラ
ーとは通常の発色現像処理後にシアン色画像を形成し得
るカプラーであり、たとえば現像主薬酸化体との反応の
後に感材から処理液中へ流出していく様な可溶性の色素
を形成するカプラーは含まれない。またシアン色画像形
成カプラーの全量とは赤感層とそれ以外の層(たとえば
アンチハレーション層や青感層、緑感層)に含まれるシ
アン色画像形成カプラーも含める。すなわち、感材に含
まれる全量のことである。
【0151】マスキング用カプラーとは、発色色素の不
要吸収を補正するための、いわゆるカラードカプラーで
ある。カラードカプラーについては、リサーチディスク
ロージャーNo.17643のVII −G項、同No.307105 のVII
─G項、米国特許第4,163,670 号、特公昭57-39413号、
米国特許第4,004,929 号、同第4,138,258 号、英国特許
第1,146,368 号、欧州特許第423,727A号に記載のものが
好ましい。また、米国特許第4,774,181 号に記載のカッ
プリング時に放出された蛍光色素により発色色素の不要
吸収を補正するカプラーや、米国特許第4,777,120 号に
記載の現像主薬と反応して色素を形成しうる色素プレカ
ーサー基を離脱基として有するカプラーを用いることも
好ましい。
【0152】本発明の感光材料の赤感層で用いるマスキ
ング用カプラーとしては、EP 456,257A1の5頁に記載の
式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエローカラ
ードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、US 4,833,069
に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9(カラム
8)、CC-13(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カラム8)、
WO92/11575のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマ
スキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ま
しい。また本発明の一般式(I)で表わされるシアンカ
プラーの具体例のうち、I−61〜I−65、I−7
1、I−72などが好ましく用いられる。
【0153】以下に本発明に使用される磁気記録層につ
いて詳細を説明する。磁気記録層の記録媒体としては、
磁性粒子がもちいられるが、本発明で用いられる磁性粒
子は、γFe2 3 などの強磁性酸化鉄(FeOx、 4
/3<x≦ 3/2) 、Co被着γFe2 3 などのCo被着
強磁性酸化鉄(FeOx、 4/3<x≦ 3/2) 、Co被着
マグネタイト、その他Co含有の強磁性酸化鉄、Co含
有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、強
磁性合金、さらにその他のフェライト、例えば六方晶系
のBaフェライト、Srフェライト、Pbフェライト、
Caフェライトあるいはこれらの固溶体またはイオン置
換体などを使用できるが、Co被着γFe2 3 などの
Co被着強磁性酸化鉄で、Fe2+/Fe3+比が0〜10
%のものが透過濃度の点から好ましい。
【0154】これらの強磁性粉末の製法は既知であり、
本発明で用いられる強磁性体についても公知の方法にし
たがって製造することができる。強磁性体の形状・サイ
ズについて述べる。形状としては針状、米粒状、球状、
立方体状、板状等いずれでもよいが、針状が電磁変換特
性上好ましい。粒子サイズは、針状の場合は長軸が0.
01〜0.8μm、長軸/短軸比は2〜100が好まし
く、更に長軸は0.05〜0.3μm、長軸/短軸比は
4〜15がより好ましい。比表面積ではSBET で20m2
/g以上が好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。
【0155】強磁性体の飽和磁化(σs )は大きいほど
好ましいが、50emu/g以上、さらに好ましくは70em
u/g以上であり、実用上は100 emu/g以下となる。ま
た、強磁性体の角型比(σr /σs )は40%以上、さ
らには45%以上が好ましい。保磁力(Hc)は小さす
ぎると消去されやすく、大きすぎるとシステムによって
は書き込めなくなるため適度な値が好ましく、200 O
e 以上3000 Oe 以下、好ましくは500 Oe 以上2
000 Oe 以下、さらに好ましくは650 Oe以上95
0 Oe 以下である。
【0156】これらの強磁性体粒子を、例えば特開昭5
9−23505や特開平4−096052記載のものな
どのような、シリカおよび/またはアルミナで表面処理
してもよい。また、特開平4−195726、同4−1
92116、同4−259911、同5−081652
記載のような無機および/または有機の素材による表面
処理を施してもよい。さらに、これらの強磁性体粒子は
その表面にシランカップリング剤又はチタンカップリン
グ剤で処理されてもよい。カップリング剤としては例え
ば特公平1−261469に記載されているような既知
の素材が使えるが、以下の化合物も利用できる。
【0157】 化合物例〔1〕−1. ビニルトリクロルシラン 〃 〔1〕−2. ビニルトリエトキシシラン 〃 〔1〕−3. γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 〃 〔1〕−4. γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 〃 〔1〕−5. N−β(アミノエチル) γ−アミノプロピル メチ ルジメトキシシラン 〃 〔1〕−6. N−フェニル−γ−アミノプロピル トリメトキシシ ラン 〃 〔1〕−7. ビニルオクチルトリメトキシシラン 〃 〔1〕−8. 10−(ビニルオキシカルボニル)ノニル トリメト キシシラン 〃 〔1〕−9. p−ビニルフェニル トリイソプロピルシラン 〃 〔1〕−10. 3−(グリシジルオキシ)プロピル トリエトキシシ ラン 〃 〔1〕−11. 3−(アクリロイル)プロピル トリメトキシシラン 〃 〔1〕−12. 11−(メタクリロイル)ウンデシル トリメトキシ シラン 〃 〔1〕−13. 3−アミノプロピル トリメトキシシラン 〃 〔1〕−14. 3−フェニルアミノプロピル トリメトキシシラン 〃 〔1〕−15. 3−N,N−ジブチルアミノプロピル トリメトキシ シラン 〃 〔1〕−16. 3−トリメチルアンモニオプロピル トリメトキシシ ラン・アイオダイド 〃 〔1〕−18. 3−イソシアニルプロピル メチルジメトキシシラン 〃 〔1〕−19. 3−(ポリ(重合度10)オキシエチニル)オキシプ ロピル トリメトキシシラン 〃 〔1〕−20. 3−メトキシ(ポリ(重合度6)オキシエチニル)オ キシプロピル トリメトキシシラン 〃 〔1〕−21. デシルトリメトキシシラン
【0158】 化合物例〔2〕−1. イソプロピルトリイソステアロイルチタネート 〃 〔2〕−2. イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネ ート 〃 〔2〕−3. イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート )チタネート 〃 〔2〕−4. テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト) チタネート 〃 〔2〕−5. テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チ タネート 〃 〔2〕−6. テトラ(2,2’−ジアリルオキシメチル−1−ブチ ル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート 〃 〔2〕−7. ビス(ジオクチルパイロホスフェートオキシアセテー トチタネート 〃 〔2〕−8. ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタ ネート 〃 〔2〕−9. イソプロピルトリオクタノイルチタネート 〃 〔2〕−10. イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネー ト 〃 〔2〕−11. イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート 〃 〔2〕−12. イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネ ト 〃 〔2〕−13. イソプロピルトリクミルフェニルチタネート 〃 〔2〕−14. イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル )チタネート 〃 〔2〕−15. ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート 〃 〔2〕−16. ジイソステアロイルエチレンチタネート
【0159】これらのシランカップリング剤及びチタン
カップリング剤の磁気粒子に対する添加量は1.0〜2
00重量%が好ましく、これより少ないと液安定性の点
で劣り多過ぎても同様に液安定性が悪い。好ましくは1
〜75重量%であり、より好ましくは2〜50重量%で
ある。又、本発明のこれらのシランカップリング剤及び
チタンカップリング剤の添加は一般に知られている方法
で本発明の磁気粒子に処理され、その表面を修飾し磁気
材料の塗布液安定性を付与することができる。即ち、カ
ップリング剤は、磁気粒子への直接処理方法とインテグ
ラルブレンド法によって処理される。直接法では乾式法
とスラリー法および、スプレー法に大きく分類される。
直接処理方法で得られた磁気材料はバインダー中に添加
され磁気粒子の表面に確実にカップリング剤が修飾でき
る点で優れている。その中で乾式法は磁気粒子にシラン
カップリング剤のアルコール水溶液、有機溶剤又は水溶
液中で均一に分散させた後乾燥して実施するものであり
一般的である。ヘンシェルミキサー、スーパーミキサ
ー、レデイミキサー、V型ブレンダー、オープンニーダ
ー等の攪拌機を使用するのが好ましい。これらの攪拌機
の中でも特にオープンニーダーが好ましい。磁気粒子と
少量の水、または水を含有する有機溶剤およびカップリ
ング剤を混合しオープンニーダーで攪拌して水を除去し
た後、更に微細分散するのが好ましい。又スラリー法は
磁気材料の製造において磁気粒子をスラリー化する工程
がある場合にそのスラリー中にカップリング剤を添加す
るもので、製造工程で処理できる利点を有する。スプレ
ー法は磁気材料の乾燥工程において磁気粒子にカップリ
ング剤を添加するもので、製造工程で処理できる利点を
有するが処理の均一性に難点がある。インテグラルブレ
ンド法について述べると、カップリング剤を磁気粒子と
バインダー中に添加する方法であり、良く混練する必要
があり簡便な方法である。
【0160】次に本発明の磁性粒子が好ましく用いられ
るバインダーについて記す。本発明に用いられるバイン
ダーは従来、磁気記録媒体用の結合剤として使用されて
いる公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性
樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解性ポリマ
ー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導体など)
およびこれらの混合物を使用することができる。好まし
い上記樹脂のTgは−40℃〜300℃、重量平均分子
量は0.2万〜100万、好ましくは0.5万〜30万
である。上記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニルとビニルアル
コール、マレイン酸および/またはアクリル酸との共重
合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル・アクリロニトロル共重合体、エチレン・酢酸ビニル
共重合体などのビニル系共重合体、ニトロセルロース、
セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、
セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセ
テートブチレート、セルローストリプロピオネート、セ
ルロースドデカノエート樹脂などのセルロース誘導体、
アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリ
エーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ
アミド樹脂、アミノ樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ブ
タジエンアクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコ
ーン系樹脂、フッ素系樹脂を挙げることができる。上記
熱硬化性樹脂または、反応型樹脂としては加熱により分
子量がきわめて大きくなる物で、たとえばフェノール樹
脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、硬化型ポリウレタ
ン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シ
リコン樹脂、アクリル系反応樹脂、エポキシ−ポリアミ
ド樹脂、ニトロセルロースメラミン樹脂、高分子量ポリ
エステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、
尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/高分
子量ジオール/ポリイソシアネートの混合物、ポリアミ
ン樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。上記放射
線硬化型樹脂としては上記熱可塑性樹脂に放射線硬化官
能基として炭素−炭素不飽和結合を有する基を結合させ
たものが用いられる。好ましい官能基としてはアクリロ
イル基、メタクリロイル基などがある。これらのバイン
ダ−の中ではセルロースジアセテートが好ましい。以上
列挙のバインダー中に、極性基(エポキシ基、CO
2 M、OH、NR2 、NR3 X、SO3 M、OSO
3 M、PO3 2 、OPO3 2 、ただしMは水素、ア
ルカリ金属またはアンモニウムであり、一つの基の中に
複数のMがあるときは互いに異なっていてもよい、Rは
水素またはアルキル基である)を導入したものが磁性体
の分散性、耐久性上好ましい。極性基の含有量としては
ポリマー1グラム当り10-7〜10-3当量が、好ましく
はさらには10-6〜10-4当量が好ましい範囲である。
【0161】以上列挙のバインダーは単独または数種混
合で使用され、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネ
ート系の公知の架橋剤、および/あるいは放射線硬化型
ビニル系モノマーを添加して硬化処理することができ
る。イソシアネート系架橋剤としてはイソシアネート基
を2個以上有するポリイソシアネート化合物で、たとえ
ばトリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5
−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
ジイソシアネートなどのイソシアネート類、これらのイ
ソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物(例え
ば、トリレンジイソシアナート3mol とトリメチロール
プロパン1mol の反応生成物)、及びこれらのイソシア
ネート類の縮合により生成したポリイソシアネートなど
があげられる。放射線硬化ビニル系モノマーとしては、
放射線照射によって重合可能な化合物であって、炭素−
炭素不飽和結合を分子中に1個以上有する化合物であ
り、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル
アミド類、アリル化合物、ビニルエステル類、ビニルエ
ステル類、ビニル異節環化合物、N−ビニル化合物、ス
チレン、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、オレフィン酸等があげられる。これらのうち好まし
いものとして(メタ)アクリロイル基を2個以上有す
る、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、などの
ポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート類、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリイ
ソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物
との反応物、等がある。これらの架橋剤は、架橋剤を含
むバインダー全体に対して5から45wt%であることが
好ましい。
【0162】また、本発明の磁気記録層に親水性バイン
ダーも使用できる。使用する親水性バインダーとして
は、リサーチ・ディスクロージャー No.17643、2
6頁、および同 No.18716、651頁に記載されて
おり、水溶性ポリマー、セルロースエステル、ラテック
スポリマー、水溶性ポリエステルなどが例示されてい
る。水溶性ポリマーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、カゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポ
リビニールアルコール、ポリアクリル酸共重合体、無水
マレイン酸共重合体などであり、セルロースエステルと
してはカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロースなどである。ラテックスポリマーとしては塩
化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合体、
アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重
合体、ブタジエン含有共重合体などである。この中で最
も好ましいのはゼラチンである。ゼラチンは、その製造
過程において、ゼラチン抽出前、アルカリ浴に浸漬され
る所謂アルカリ処理(石灰処理)ゼラチン、酸浴に浸漬
される酸処理ゼラチンおよびその両方の処理を経た二重
浸漬ゼラチン、酵素処理ゼラチンのいずれでもよい。必
要に応じて一部分をコロイド状アルブミン、カゼイン、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ースなどのセルロース誘導体、寒天、アルギン酸ソー
ダ、デンプン誘導体、デキストランなどの糖誘導体、合
成親水性コロイド、たとえばポリビニルアルコール、ポ
リ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸共重合体、
ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体、部分加水分
解物、ゼラチン誘導体などをゼラチンと併用してもよ
い。
【0163】ゼラチンを含む磁気記録材料を硬膜するの
は好ましい。磁性記録層に使用できる硬膜剤としては、
たとえば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如
きアルデヒド系化合物類、ジアセチル、シクロペンタン
ジオンの如きケトン化合物類、ビス(2−クロロエチル
尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,
5−トリアジン、そのほか米国特許第3,288,77
5号、同2,732,303号、英国特許第974,7
23号、同1,167,207号などに記載されている
反応性のハロゲンを有する化合物類、ジビニルスルホ
ン、5−アセチル−1,3−ジアクリロイルヘキサヒド
ロ−1,3,5−トリアジン、そのほか米国特許第3,
635,718号、同3,232,763号、英国特許
第994,869号などに記載されている反応性のオレ
フィンを持つ化合物類、N−ヒドロキシメチルフタルイ
ミド、その他米国特許第2,732,316号、同2,
586,168号などに記載されているN−メチロール
化合物、米国特許第3,103,437号等に記載され
ているイソシアナート類、米国特許第3,017,28
0号、同2,983,611号等に記載されているアジ
リジン化合物類、米国特許第2,725,294号、同
2,725,295号等に記載されている酸誘導体類、
米国特許第3,091,537号等に記載されているエ
ポキシ化合物類、ムコクロル酸のようなハロゲンカルボ
キシアルデヒド類をあげることができる。あるいは無機
化合物の硬膜剤としてクロム明バン、硫酸ジルコニウ
ム、特公昭56−12853号、同58−32699
号、ベルギー特許825,726号、特開昭60−22
5148号、特開昭51−126125号、特公昭58
−50699号、特開昭52−54427号、米国特許
3,321,313号などに記載されているカルボキシ
ル基活性型硬膜剤などを例示できる。硬膜剤の使用量
は、通常乾燥ゼラチンに対して0.01〜30重量%、
好ましくは0.05〜20重量%である。
【0164】前述の磁性体を上記バインダ−中に分散す
る方法は、例えば特願平4−189652の他、種々の
公知の手段が可能であるが、ニーダー、ピン型ミル、ア
ニュラー型ミルなどが好ましく、ニーダーとピン型ミ
ル、もしくはニーダーとアニュラー型ミルの併用も好ま
しい。ニーダーとしては、開放型(オープン)、密閉
型、連続型などがあり、その他3本ロールミル、ラボプ
ラストミル等の混練機も用いられる。また、分散に際し
て特開平5−088283記載の分散剤や、その他の公
知の分散剤が使用できる。
【0165】磁気記録層の厚みは0.1μ〜10μ、好
ましくは0.2μ〜5μ、より好ましくは0.3μ〜3
μである。磁気粒子とバインダーの重量比は好ましくは
0.5:100〜60:100からなり、より好ましく
は1:100〜30:100である。磁性体としての塗
布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01〜2g/
m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g/m2である。
【0166】本発明の磁気記録層は、写真用支持体の裏
面に塗布又は印刷によって全面またはストライプ状に設
けることができる。また、磁性粒子を分散したバインダ
ーの溶液と支持体作成用のバインダーの溶液を全面又は
ストライプ状に共流延して磁気記録層を有する支持体を
作成することも好ましい。この場合、2種類のポリマー
の組成は異なってもよいが同一にするのが好ましい。こ
の磁気記録層を塗布する方法としてはエアードクターコ
ート、ブレードコート、エアナイフコート、スクイズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャ
ストコート、スプレイコート、ディップコート、バーコ
ート、エクストリュージョンコート等が利用出来、その
他の方法も可能であり、これらの具体的説明は朝倉書店
発行の「コーティング工学」253頁〜277頁(昭和
46.3.20.発行)に詳細に記載されている。この
ような方法により、支持体上に塗布された磁気記録層は
必要により層中の磁性材料を直ちに乾燥しながら配向さ
せる処理を施したのち、形成した磁気記録層を乾燥す
る。このときの支持体の搬送速度は、通常2m/分〜5
00m/分でおこなわれ、乾燥速度は20℃〜250℃
で制御される。磁性体を配向させるには永久磁石やソレ
ノイドコイルを用いる方法がある。永久磁石の強度は2
000Oe 以上が好ましく、3000 Oe 以上が特に好
ましい。ソレノイドの場合は500 Oe 以上でもよい。
また、乾燥時の配向のタイミングは特願平5−0058
22に記載されているように磁気記録層内の残留溶剤が
5%〜70%の地点が望ましい。又必要により表面平滑
化加工を施したりして、本発明の磁気記録層を製造す
る。これらは、例えば、特公昭40−23625号公
報、特公昭39−28368号公報、米国特許第347
3960号明細書、等に示されている。又、特公昭41
−13181号公報に示される方法はこの分野における
基本的、且つ重要な技術と考えられる。
【0167】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよい。必要に応じて磁気記録層に隣接する
保護層を設けて耐傷性を向上させてもよい。例えば、無
機,有機の微粒子(例えば、シリカ,SiO2 ,SnO
2 ,Al2 3 ,TiO2 ,架橋ポリメチルメタクリレ
ート,炭酸バリウム,シリコーン微粒子など)を添加す
るのは好ましい。
【0168】例えば、磁気記録層に添加物を組み込み、
バック層表面に0.8μ以下の突起をつけることによ
り、磁気入出力時のゴミ付きによる磁気出力エラーを防
止し、かつ磁気特性の一つであるS/N を悪化させずかつ
写真性に影響を与えない方法がある。バック面に表面突
起を付与する方法としてバック面に粒子を添加する、塗
布乾燥時にブラッシングを発生させたり、ベナードセル
を意図的に発生させる方法があるが、表面突起物の形状
を自由にコントロールできる意味でバック面に粒子を添
加する事が好ましい。
【0169】添加される粒子は現像処理液不溶であり、
素材としては無機微粒子、ポリマー粒子、架橋したポリ
マー粒子等が使用できる。本発明の粒子の例として、無
機粒子としては、硫酸バリウム、マンガンコロイド、二
酸化チタン、硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ
素などの無機物の微粉末、更に例えば湿式法やケイ酸の
ゲル化より得られる合成シリカ等の二酸化ケイ素やチタ
ンスラッグと硫酸により生成する二酸化チタン(ルチル
型やアナタース型)等があげられる。また、粒径の比較
的大きい、例えば20μm以上の無機物から粉砕した
後、分級(振動ろ過、風力分級など)する事によっても
得られる。また、高分子化合物としては、ポリテトラフ
ルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリ
レート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレンカーボ
ネート、でんぷん等があり、またそれらの粉砕分級物も
あげられる。また、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、イタコン酸ジエステル、クロトン酸エステ
ル、マレイン酸ジエステル、フタル酸ジエステル、スチ
レン誘導体、ビニルエステル類、アクリルアミド類、ビ
ニルエーテル類、アリル化合物、ビニルケトン類、ビニ
ル異節環化合物、アリル化合物、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、多官能モノマー類、シロキサン3次
元重合物、ベンゾグアナミン/ホルムアルデヒド縮合
物、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒド縮
合物、メラミン/ホルムアルデヒド縮合物等の単量体の
1種または2種以上の重合体である高分子化合物を種々
の手段、例えば懸濁重合法、スプレードライ法、あるい
は分散法等によって粒子としたものであっても良い。写
真性を悪化させないため該粒子は平均粒径0.1μから
1μが好ましくその塗布量は1から100mg/m2が好ま
しい。
【0170】該粒子の少なくとも1種以上がモース硬度
が5以上の非球形無機粒子であることが磁気ヘッドに付
いた汚れをクリーニングする効果があり更に好ましい。
非球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム(α
−アルミナ、γ−アルミナ、コランダム等)、酸化クロ
ム(Cr2O3 )、酸化鉄(α−Fe2O3 )、二酸化珪素、二
酸化チタン、シリコンカーバイト(SiC )等の酸化物、
炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイアモンド等の微
粉末が好ましく、更に好ましくは、酸化アルミニウム、
酸化クロム(Cr2O3 )が良い。また、本非球形無機粒子
はマグネ層に添加してもよく、またマグネ層上にオーバ
ーコートしても良い。この時使用するバインダーは前述
マグネ層バインダーで記述したものが使用でき、好まし
くはマグネ層のバインダーと同じものがよい。
【0171】次に本発明の透明支持体について詳細を説
明する。本発明の透明支持体は、従来からカラーフィル
ムに実用されているトリアセチルセルロースやポリエチ
レンテレフタレートを使用することはできるが、好まし
くはポリエチレン芳香族ジカルボキシレート系ポリエス
テル支持体を用いるのが磁気記録性の観点で最も望まし
い。本発明のポリエステルは、ジオールと芳香族ジカル
ボン酸を必須成分として形成されるが、その他のジカル
ボン酸との混用もよく使用可能な二塩基酸としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、
ナフタレンジカルボン酸(2,6−、1,5−、1,4
−、2,7−)、ジフェニレンp,p′−ジカルボン
酸、テトラクロロ無水フタル酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、無水コハク酸、マレイン
酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水シト
ラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、、3,6−エン
ドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、ハロゲン化テレフタル酸、ビス
(p−カルボキシフェンノール)エーテル、1,1−ジ
カルボキシ−2−フェニル エチレン、1,4−ジカル
ボキシメチルフェノール、1,3−ジカルボキシ−5フ
ェニルフェノール、3−スルフォイソフタル酸ソーダ
【0172】等を挙げることができる。必須である芳香
族ジカルボン酸は前述したジカルボン酸の中で、ベンゼ
ン核を少なくとも一個有するものである。次にジオール
としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタン
ジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデ
カンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキ
サンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、
カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、1,4−ベ
ンゼンジメタノール、ジメチロールナフタレン、p−ヒ
ドロキシエチルオキシベンゼン、ビスフェノールA等を
挙げることができる。
【0173】また、必要に応じて、単官能または、3以
上の多官能の水酸基含有化合物あるいは、酸含有化合物
が共重合されていても構わない。また、本発明のポリエ
ステルには、分子内に水酸基とカルボキシル基(あるい
はそのエステル)を同時に有する化合物が共重合されて
いても構わなくサリチル酸などがある。
【0174】これらのジオール、ジカルボン酸のモノマ
ーとしては、まず好ましい芳香族ジカルボン酸として
2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)、テレフ
タル酸(TPA)、イソフタル酸(IPA)、オルトフ
タル酸(OPA)、パラフェニレンジカルボン酸(PP
DC)、ジオールとして、(ポリ)エチレングリコール
(PEGまたはEG))、シクロヘキサンジメタノール
(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、ビ
スフェノールA(BPA)、ビフェノール(BP)、共
重合成分であるヒドロキシカルボン酸としてパラヒドロ
キシ安息香酸(PHBA)、6−ヒドロキシ−2−ナフ
タレンカルボン酸(HNCA)を共重合させたものが挙
げられる。
【0175】これらの中でポリマーとして好ましいの
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレー
ト(PCT)等のホモポリマー、およびテレフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールのコポリ
マー(テレフタル酸とナフタレンジカルボン酸の混合モ
ル比は0.9:0.1〜0.1:0.9の間が好まし
く、0.8:0.2〜0.2:0.8が更に好まし
い。)、テレフタル酸とエチレングリコール、ビスフェ
ノールAのコポリマー(エチレングリコールとビスフェ
ノールAの混合モル比は0.6:0.4〜0:1.0の
間が好ましく、更には0.5:0.5〜0:0.9が好
ましい。)、イソフタール酸、パラフェニレンジカルボ
ン酸、テレフタル酸とエチレングリコールのコポリマー
(イソフタール酸;パラフェニレンジカルボン酸のモル
比はテレフタル酸を1とした時それぞれ0.1〜0.
5、0.1〜0.5、更に好ましくは、それぞれ0.2
〜0.3、0.2〜0.3が好ましい)、テレフタル
酸、ネオペンチルグリコールとエチレングリコールのコ
ポリマー(ネオペンチルグリコールとエチレングリコー
ルのモル比は1:0〜0.7:0.3が好ましく、より
好ましくは0.9:0.1〜0.6:0.4)テレフタ
ル酸、エチレングリコールとビフェノールのコポリマー
(エチレングリコールとビフェノールのモル比は、0:
1.0〜0.8:0.2が好ましく、さらに好ましくは
0.1:0.9〜0.7:0.3である。)、パラヒド
ロキシ安息香酸、エチレングリコールとテレフタル酸の
コポリマー(パラヒドロキシ安息香酸、エチレングリコ
ールのモル比は1:0〜0.1:0.9が好ましく、さ
らに好ましくは0.9:0.1〜0.2:0.8)等の
共重合体が好ましい。以上の中でも特に好ましいのは
2,6−ナフタレンジカルボン酸を含むポリエステルで
ある。具体的には2,6−ナフタレンジカルボン酸を
0.1〜1.0含むポリエステルである。中でも特に好
ましいのはポリエチレン 2,6−ナフタレートであ
る。
【0176】これらのホモポリマーおよびコポリマー
は、従来公知のポリエステルの製造方法に従って合成で
きる。例えば酸成分をグリコール成分と直接エステル化
反応するか、または酸成分としてジアルキルエステルを
用いる場合は、まず、グリコール成分とエステル交換反
応をし、これを減圧下で加熱して余剰のグリコール成分
を除去することにより、合成することができる。あるい
は、酸成分を酸ハライドとしておき、グリコールと反応
させてもよい。この際、必要に応じて、エステル交換反
応、触媒あるいは重合反応触媒を用いたり、耐熱安定化
剤を添加してもよい。これらのポリエステル合成法につ
いては、例えば、高分子実験学第5巻「重縮合と重付
加」(共立出版、1980年)第103頁〜第136
頁、“合成高分子V”(朝倉書店、1971年)第18
7頁〜第286頁の記載を参考に行うことができる。
【0177】これらのポリエステルの好ましい平均分子
量の範囲は約5000ないし200000である。さら
に、これらのポリエステルには別の種類のポリエステル
との接着性を向上させるために、別のポリエステルを一
部ブレンドしたり、別のポリエステルを構成するモノマ
ーを共重合させたり、または、これらのポリエステル中
に、不飽和結合を有するモノマーを共重合させ、ラジカ
ル架橋させたりすることができる。得られたポリマーを
2種類以上混合したのポリマーブレンドは、特開昭49
−5482、同64−4325、特開平3−19271
8、リサーチ・ディスクロージャー283,739−4
1、同284,779−82、同294,807−14
に記載した方法に従って、容易に形成することができ
る。
【0178】本発明のポリエステルはそのTgが50℃
以上であるが、その使用条件は、一般に十分注意されて
取り扱われるわけではなく、特に真夏の屋外においてそ
の気温が40℃までに晒されることが多々有り、この観
点から本発明のTgは安全をみこして55℃以上が好ま
しい。さらに好ましくは、Tgは60℃以上であり特に
好ましくは70℃以上である。更に完全をきすためには
Tgが90℃以上が好ましい。これは、この熱処理によ
る巻き癖改良の効果が、ガラス転移温度を超える温度に
さらされると消失するため、一般ユーザーに使われた際
に過酷な条件である温度、即ち夏季の温度40℃を超え
る温度以上のガラス転移温度を有するポリエステルが好
ましい。
【0179】次に本発明に用いるポリエステルの好まし
い具体的化合物例を示すが、本発明がこれに限定される
ものではない。 ポリエステル化合物例 P−0:〔テレフタル酸(TPA)/エチレングリコール(EG) )(1 00/100)〕 (PET) Tg=80℃ P−1:〔2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)/エチレングリコー ル(EG)(100/100)〕(PEN) Tg=119℃ P−2:〔テレフタル酸(TPA)/シクロヘキサンジメタノール(CHDM )(100/100)〕 Tg=93℃ P−3:〔TPA/ビスフェノールA(BPA) (100/100)〕 Tg=192℃
【0180】 P−4: 2,6−NDCA/TPA/EG(50/50/100) Tg=92℃ P−5: 2,6−NDCA/TPA/EG(75/25/100) Tg=102℃ P−6: 2,6−NDCA/TPA/EG/BPA(50/50/75/ 25) Tg=112℃ P−7: TPA/EG/BPA(100/50/50)Tg=105℃ P−8: TPA/EG/BPA(100/25/75)Tg=135℃ P−9: TPA/EG/CHDM/BPA(100/25/25/50) Tg=115℃
【0181】 P−10:IPA/PPDC/TPA/EG(20/50/30/100) Tg=95℃ P−11:NDCA/NPG/EG(100/70/30) Tg=105℃ P−12:TPA/EG/BP(100/20/80) Tg=115℃ P−13:PHBA/EG/TPA(200/100/100) Tg=125℃ P−14:PEN/PET(60/40) Tg=95℃ P−15:PEN/PET(80/20) Tg=104℃ P−16:PAr/PEN(50/50) Tg=142℃ P−17:PAr/PCT(50/50) Tg=118℃ P−18:PAr/PET(60/40) Tg=101℃ P−19:PEN/PET/PAr(50/25/25)Tg=108℃ P−20:TPA/5−スルフォイソフタル酸(SIP)/EG(95/5/ 100) Tg=65℃ P−21:PEN/SIP/EG(99/1/100) Tg=115℃
【0182】本発明のこれらの支持体は、50μm以上
300μm以下の厚みである。50μm未満では乾燥時
に発生する感光層の収縮応力に耐えることができず、一
方300μmを越えるとコンパクト化のために厚みを薄
くしようとする目的と矛盾する。より好ましくはその腰
の強さから厚い方が好ましく50〜200μmであり、
更には80〜115μmが好ましく、特に好ましくは8
5〜〜105μmである。以上のような本発明のポリエ
ステルは全てTACよりも強い曲弾性率を有し、当初の
目的であるフィルムの薄手化を実現可能であった。しか
し、これらの中でも強い曲弾性を有しているのがPE
T,PENであり、これを用いるとTACで122μm
必要だった膜厚を105μm以下にまで薄くすることが
可能である。次に本発明のポリエステル支持体は熱処理
を施されることを特徴とし、その際には40℃以上ガラ
ス転移温度以下の温度で0.1〜1500時間行う必要
がある。この効果は熱処理温度が高いほど早く進む。し
かし熱処理温度がガラス転移温度を越えると巻きぐせの
付き易いフイルムとなる。従ってこの熱処理はガラス転
移温度以下で行うことが必要である。
【0183】熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好
ましくはTg −20℃以上Tg未満で熱処理を行う。4
0℃未満で行うと十分な巻き癖効果を得るためには長時
間を要し工業生産性が劣る。熱処理はこの温度範囲内の
一定温度で実施してもよく、冷却しながら熱処理しても
よい。冷却の平均冷却速度は−0.01〜−20℃/時
間、より好ましくは−0.1〜−5℃/時間である。こ
の熱処理時間は、0.1時間以上1500時間以下、さ
らに好ましくは0.5時間以上200時間以下である。
0.1時間以下では十分な効果を得ることができず、1
500時間以上では効果が飽和する一方、支持体の着色
や脆化が起こりやすくなる。
【0184】巻き癖解消の効果をより一層増大させるに
は、この熱処理の前にTg以上融点(DSCで求めた融
解温度)未満の温度で熱処理をし、支持体の熱履歴を消
去させた後、上記40℃以上Tg未満の温度で再熱処理
を行うとよい。本発明では、この熱処理を「前熱処理」
と呼び、前項で述べた40℃以上Tg未満の熱処理を
「後熱処理」と呼び区別する。前熱処理温度はTg以上
融点未満、さらに好ましくはTg+20℃以上結晶化温
度(DSCで求めた結晶化温度)以下で行うのがよい。
融点以上の温度で前熱処理を行うと、支持体の弾性が著
しく低下することにより面状や搬送性に問題が生じる。
前熱処理はこの温度範囲内で、一定温度で実施してもよ
く(定温前熱処理)、降温しながら実施してもよく(降
温前熱処理)、また昇温しながら実施してもよい(昇温
前熱処理)。前熱処理の時間は、0.1分以上1500
時間以下、さらに好ましくは1分以上1時間以下であ
る。0.1分以下では十分な効果を得ることができず、
1500時間以上では効果が飽和する一方で、支持体の
着色や脆化が起こりやすくなる。この前熱処理の後、後
熱処理を実施するが、前熱処理終了温度から後熱処理開
始温度にまで急速冷却してもよく、Tgをまたいで徐々
に後熱処理開始温度にまで冷却してもよい。また一度室
温に冷却した後、後熱処理温度に上昇させてもよい。こ
れらの前熱処理と後熱処理の方法の組み合わせは幾つか
あるが、Tg +20℃以上結晶化温度以下で定温前熱処
理をした後、TgからTg−20℃の温度範囲まで冷却
速度−0.1〜−5℃/時間で冷却しながら後熱処理す
るのが好ましい。
【0185】このような支持体の熱処理は、ロ−ル状で
実施してもよく、またウェブ状で搬送しながら実施して
もよい。ロ−ル状で熱処理する場合、ロ−ルを室温か
ら恒温槽中で熱処理する方法、ウェブ搬送中に所定温
度にした後ロ−ル状に巻取り熱処理する方法のいずれの
方法で実施してもよい。の方法は昇温、降温に時間を
要するが、設備投資が少なくて済む利点がある。の方
法は高温での巻取り設備が必要だが昇温時間を省略でき
る利点がある。ロ−ル状での熱処理では、熱処理中に発
生する熱収縮応力のために、巻締まりによるしわや、巻
芯部の切り口写り等の面状故障が発生しやすい。このた
め、表面に凹凸を付与し(例えばSnO2やSb2O5 等の導電
性無機微粒子を塗布する)、支持体間のきしみを低減さ
せることで巻締まりによるしわを防止したり、支持体の
端部にロ−レットを付与し端部のみ少し高くすることで
巻芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが
望ましい。一方、ウェブ状で熱処理する場合、長大な後
熱処理工程を必要とするが、ロ−ル状での熱処理に比べ
て良好な支持体面状が得られる。これらの熱処理方法の
中で、前熱処理をウェブ状で行い、後熱処理をロール状
で行うのが好ましい。前熱処理をウェブ状で行うと、ロ
−ル状で行った場合に比べ面状故障が起きにくく、後熱
処理は比較的長時間を要するためである。
【0186】これらの熱処理は支持体製膜後、グロ−放
電処理後、バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、
下塗り塗布後のどこの段階で実施してもよい。好ましい
のは帯電防止剤塗布後である。これにより熱処理中の支
持体の面状故障となる帯電によるゴミの付着を防ぐこと
ができる。さらにまた本発明のポリエステルを熱処理す
る方法において、時間を短縮するために、予めTg以上
に短時間加熱(好ましくはTgの20℃以上100℃以
下の5分〜3時間処理する)することが好ましい。さら
に熱処理で用いられるロール巻き芯は、そのフィルムへ
の温度伝播が効率よくいくために中空かないしは加熱出
来るように、電気ヒーター内蔵または高温液体を流液で
きるような構造を有するものが好ましい。ロール巻き芯
の材質は特に限定されないが、熱による強度ダウンや変
形のないものが好ましく、例えばステンレス,ガラスフ
ァイバー入り樹脂を挙げることが出来る。
【0187】次に本発明のポリエステルについて、その
写真支持体としての機能を更に高めるために、種々の添
加剤を共存させることが好ましい。これらのポリエステ
ルフィルム中に蛍光防止および経時安定性付与の目的で
紫外線吸収剤を、練り込んでも良い。紫外線吸収剤とし
ては、可視領域に吸収を持たないものが望ましく、かつ
その添加量はポリエステルフィルムの重量に対して通常
0.01重量%ないし20重量%、好ましくは0.05
重量%ないし10重量%程度である。0.01重量%未
満では紫外線劣化を抑える効果が期待できない。紫外線
吸収剤としては2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ド
デシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,
2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノンなどのベンゾフェノン系、2(2′−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
(2′−ヒドロキシ3′,5′−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2(2′−ヒドロキシ−3′
−ジ−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニ
ル、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤が
挙げられる。
【0188】また本発明の好ましい芳香族系ポリエステ
ルの屈折率は、1.6〜1.7と高いのに対し、この上
に塗設する感光層の主成分であるゼラチンの屈折率は
1.50〜1.55とこの値より小さい。従って、光が
フイルムエッジから入射した時、ベースと乳剤層の界面
で反射しやすい。従って、ポリエステル系のフイルムは
いわゆるライトパイピング現象(ふちかぶり)を起こ
す。この様なライトパイピング現象を回避する方法とし
ては、支持体に不活性無機粒子等を含有させる方法、な
らびに染料を添加する方法等が知られている。本発明に
おいて好ましいライトパイピング防止方法は、フイルム
ヘイズを著しく増加させない染料添加による方法であ
る。この時フイルム染色に使用する染料については特に
限定を加えるものでは無いが、色調は感光材料の一般的
な性質上グレー染色が好ましく、また染料はポリエステ
ルフィルムの製膜温度域での耐熱性に優れ、かつポリエ
ステルとの相溶性に優れたものが好ましい。染料として
は、上記観点から三菱化成製のDiaresin、日本
化薬製のKayaset等ポリエステル用として市販さ
れている染料を混合することにより目的を達成すること
が可能である。染色濃度に関しては、マクベス社製の色
濃度計にて可視光域での色濃度を測定し少なくとも0.
01以上であることが必要である。更に好ましくは0.
03以上である。
【0189】本発明によるポリエステルフイルムは、用
途に応じて易滑性を付与することも可能であり、易滑性
付与手段としては特に限定を加えるところでは無いが、
不活性無機化合物の練り込み、あるいは界面活性剤の塗
布等が一般的手法として用いられる。かかる不活性無機
粒子としてはSiO2 、TiO2 、BaSO4 、CaC
3、タルク、カオリン等が例示される。また、上記の
ポリエステル合成反応系に不活性な粒子を添加する外部
粒子系による易滑性付与以外にポリエステルの重合反応
時に添加する触媒等を析出させる内部粒子系による易滑
性付与方法も採用可能である。これら易滑性付与手段に
は特に限定を加えるものでは無いが、写真感光材料用支
持体としては透明性が重要な要件となるため、上記易滑
性付与方法手段では外部粒子系としてはポリエステルフ
イルムと比較的近い屈折率をもつSiO2 、あるいは析
出する粒子径を比較的小さくすることが可能な内部粒子
系を選択することが望ましい。更には、練り込みによる
易滑性付与を行う場合、よりフイルムの透明性を得るた
めに機能付与した層を積層する方法も好ましい。この手
段としては具体的には複数の押し出し機ならびにフィー
ドブロック、あるいはマルチマニフォールドダイによる
共押出し法が例示される。
【0190】これらのポリエステルフイルムを支持体に
使用する場合、これらポリエステル支持体がいずれも疎
水性の表面を有するため、支持体上にゼラチンを主とし
た保護コロイドからなる写真層(例えば感光性ハロゲン
化銀乳剤層、中間層、フィルター層等)を強固に接着さ
せる事は非常に困難である。この様な難点を克服するた
めに用いられている従来技術としては、(1)薬品処
理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処
理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、
レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面
活性化処理をしたのち、直接写真乳剤を塗布して接着力
を得る方法と、(2)一旦これらの表面処理をした後、
あるいは表面処理なしで、下塗層を設けこの上に写真乳
剤層を塗布する方法との二法がある。(例えば米国特許
第2,698,241号、同2,764,520号、同
2,864,755号、同3,462,335号、同
3,475,193号、同3,143,421号、同
3,501,301号、同3,460,944号、同
3,674,531号、英国特許第788,365号、
同804,005号、同891,469号、特公昭48
−43122号、同51−446号等)。
【0191】これらの表面処理は、いずれも、本来は疎
水性であった支持体表面に多少共極性基を作らせる事、
表面の架橋密度を増加させることなどによるものと思わ
れ、その結果として下塗液中に含有される成分の極性基
との親和力が増加すること、ないし接着表面の堅牢度が
増加すること等が考えられる。さらにまたラジカルの発
生による接着機構も考えられる。又、下塗層の構成とし
ても種々の工夫が行なわれており、第1層として支持体
によく接着する層(以下、下塗第1層と略す)を設け、
その上に第2層として写真層とよく接着する親水性の樹
脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂重層法
と、疎水性基と親水性基との両方を含有する樹脂層を一
層のみ塗布する単層法とがある。
【0192】表面処理の中でも好ましいのは、紫外線照
射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。先
ず紫外線照射処理について以下に記す。これらは特公昭
43−2603号、特公昭43−2604号、特公昭4
5−3828号記載の処理方法などによって行われるの
が好ましい。水銀灯は石英管からなる高圧水銀灯で、紫
外線の波長が180〜320nmの間であるものが好ま
しい。紫外線照射は支持体の延伸工程、熱固定時、熱固
定後の何れでもよい。紫外線照射の方法については、光
源は被支持体の表面温度が150℃前後にまで上昇する
ことが支持体性能上問題なければ、主波長が365nmの
高圧水銀灯ランプを使用することができる。低温処理が
必要とされる場合には主波長が254nmの低圧水銀灯が
好ましい。またオゾンレスタイプの高圧水銀ランプ、及
び低圧水銀ランプを使用する事も可能である。処理光量
に関しては処理光量が多いほど支持体と被接着層との接
着力は向上するが、光量の増加に伴い支持体が着色し、
また支持体が脆くなるという問題が発生する。従って、
通常のポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチック
フィルムには、365nmを主波長とする高圧水銀ランプ
で、照射光量20〜10000(mJ/cm2)がよく、より
好ましくは50〜2000(mJ/cm2)である。254nm
を主波長とする低圧水銀ランプの場合には、照射光量1
00〜10000(mJ/cm2)がよく、より好ましくは3
00〜1500(mJ/cm2)である。次にコロナ放電処理
について記すと、、従来公知のいずれの方法、例えば特
公昭48−5043号、同47−51905号、特開昭
47−28067号、同49−83767号、同51−
41770号、同51−131576号等に開示された
方法により達成することができる。放電周波数は50H
z〜5000KHz、好ましくは5KHz〜数100K
Hzが適当であり特に好ましくは10Hz〜30KHz
である。放電周波数が小さすぎると、安定な放電が得ら
れずかつ被処理物にピンホールが生じ、好ましくない。
又周波数が高すぎると、インピーダンスマッチングのた
めの特別な装置が必要となり、装置の価格が大となり、
好ましくない。被処理物の処理強度に関しては、通常は
0.001KV・A・分/m2〜5KV・A・分/m2、好
ましくは0.01KV・A・分/m2〜1KV・A・分/
m2が適当である。電極と誘電体ロールのギャップクリア
ランスは0.5〜2.5mm、好ましくは1.0〜2.0
mmが適当である。コロナ放電処理機はPillar社製
ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用いる
ことができる。又、火焔処理としては天然ガス、液化プ
ロパンガスなどを利用でき空気との混合比が重要であ
る。好ましいガス/空気の混合比は容積比で、プロパン
では1/14〜1/22、より好ましくは1/16〜1
/19である。天然ガスでは1/6〜1/10、より好
ましくは1/7〜1/9である。火焔処理量は、1〜5
0Kcal/m2、より好ましくは3〜20Kcal/m2
である。またバーナーの内炎の先端と支持体の距離を4
cm未満とすることがより効果的である。処理装置として
は春日電気(株)製フレーム処理機を用いることができ
る。処理時の支持体を支えるバックアップローラーは中
空型ロールが好ましく、中に冷却液を透して常時一定の
所定温度にする事が好ましい。
【0193】また効果的な表面処理であるグロー放電処
理は、従来知られているいずれの方法、例えば特公昭3
5−7578号、同36−10336号、同45−22
004号、同45−22005号、同45−24040
号、同46−43480号、米国特許3,057,79
2号、同3,057,795号、同3,179,482
号、同3,288,638号、同3,309,299
号、同3,424,735号、同3,462,335
号、同3,475,307号、同3,761,299
号、英国特許997,093号、特開昭53−1292
62号等を用いることができる。特に本発明で好ましい
Tgが90℃以上200℃以下のポリエステル支持体に
対し要求される接着性付与、黄色化抑制、ブロッキング
防止を同時に満足させる表面処理としてグロー処理がと
くに有効であることがわかった。グロー放電処理の雰囲
気に酸素、窒素、ヘリウムあるいはアルゴンのような種
々のガスを導入しながら行う手法があるが、本発明のポ
リエステル支持体の場合、特殊ガスを導入しても接着性
の著しい効果は見られず、ガスの価格も高価であり工業
的に適しない。これに対して、水蒸気を導入した場合
は、特殊ガスの導入の場合と同等あるいはそれ以上の接
着効果を有し、価格も大幅に安価であり、工業的に優れ
た方法である。
【0194】水蒸気の存在下でグロー放電処理を実施す
る本発明の水蒸気分圧は、10%以上100%以下が好
ましく、更に好ましくは40%以上90%以下である。
10%未満では充分な接着性を得ることが困難となる。
水蒸気以外のガスは酸素、窒素等からなる空気である。
このようなグロー放電の処理雰囲気中に水蒸気を定量的
に導入する方法は、グロー放電処理装置に取付けたサン
プリングチューブからガスを4極子型質量分析器(日本
真空製MSQ−150)に導き、組成を定量しながら行
うことで達成できる。さらに、表面処理すべきフィルム
を予め加熱した状態で真空グロー放電処理を行うと、常
温で処理するのに比べ短時間の処理で接着性が向上し、
黄色化を大幅に減少させることができることを見いだし
た。ここで述べる予熱は後述する卷きぐせ改良のための
熱処理とは異なる。予熱温度は50℃以上Tg以下が好
ましく、70℃以上Tg以下がより好ましく、90℃以
上Tg以下がさらに好ましい。Tg以上の温度で予熱す
ると密着がやや悪化してしまう。真空中でポリマー表面
温度を上げる具体的方法としては、赤外線ヒータによる
加熱、熱ロールに接触させることによる加熱等がある。
例えばフィルム面を115℃に予熱したい場合、115
℃の熱ロールにフィルムを高々1秒間接触するだけで十
分である。加熱方法は前述の方法に限らず、広く公知の
加熱方法を利用することができる。
【0195】このように予熱した支持体をグロー放電処
理するが、上記水蒸気分圧及び支持体の予熱温度等以外
に抑制すべき重要な処理条件として、真空度、電極間電
圧、放電周波数等が挙げられる。これら処理条件を制御
することにより、接着性と黄色化抑制が両立するグロー
放電処理を実施することが可能となる。グロー放電処理
時の圧力は0.005〜20Torrとするのが好ましい。
より好ましくは0.02〜2Torrである。圧力が低すぎ
ると支持体表面を十分に改質することができず、充分な
接着性を得ることができない。一方圧力が高すぎると安
定な放電が起こらない。また、電圧は、500〜500
0Vの間が好ましい。より好ましくは500〜3000
Vである。電圧が低過ぎると支持体表面を十分に改質す
ることができず、十分な接着性を得ることができない。
一方電圧が高すぎると表面が変質してしまい、逆に接着
性が低下する。また、使用する放電周波数は、従来技術
に見られるように、直流から数1000MHz、好まし
くは50Hz〜20MHz、さらに好ましくは1KHz
〜1MHzである。放電処理強度は、0.01KV・A
・分/m2〜5KV・A・分/m2が好ましく、更に好まし
くは0.15KV・A・分/m2〜1KV・A・分/m2
所望の接着性能が得られる。
【0196】このようにして、グロー放電処理を施こし
た支持体は、直ちに冷却ロールを用いて温度を下げるこ
とが好ましい。支持体は温度の上昇に伴ない外力により
塑性変形し易くなり、被処理支持体の平面性が損なわれ
てしまう。さらに低分子量体(モノマー、オリゴマー
等)が支持体表面に析出し、透明性や耐ブロッキング性
を悪化させる可能性がある。次に(2)の下塗法につい
て述べると、これらの方法はいずれもよく研究されてお
り、重層法における下塗第1層では、例えば塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アク
リル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中かち選ば
れた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポ
リエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチ
ン、ニトロセルロース、など数多くのポリマーについ
て、下塗第2層では主としてゼラチンについてその特性
が検討されてきた。単層法においては、多くの支持体を
膨潤させ、親水性下塗ポリマーと界面混合させることに
よって良好な接着性を達成している場合が多い。本発明
に使用する親水性下塗ポリマーとしては、水溶性ポリマ
ー、セルロースエステル、ラテックスポリマー、水溶性
ポリエステルなどが例示される。水溶性ポリマーとして
は、ゼラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アル
ギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニールアルコール、ポ
リアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などで
あり、セルロースエステルとしてはカルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどである。ラ
テックスポリマーとしては塩化ビニル含有共重合体、塩
化ビニリデン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共
重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重
合体などである。この中でも最も好ましいのはゼラチン
である。
【0197】本発明に使用される支持体を膨潤させる化
合物として、レゾルシン、クロルレゾルシン、メチルレ
ゾルシン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、フェノール、o−クロルフェノール、p−クロ
ルフェノール、ジクロルフェノール、トリクロルフェノ
ール、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリフルオロ酢
酸、抱水クロラールなどがあげられる。この中で好まし
いのは、レゾルシンとp−クロルフェノールである。本
発明の下びき層には種々のゼラチン硬化剤を用いること
ができる。ゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム明
ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルタ
ールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハロゲ
ン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−ト
リアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂などを挙げる
ことができる。
【0198】本発明の下びき層にはSiO2 、Ti
2 、マット剤の如き無機物微粒子又はポリメチルメタ
クリレート共重合体微粒子(1〜10μm)をマット剤
として含有することができる。これ以外にも、下塗液に
は、必要に応じて各種の添加剤を含有させることができ
る。例えば界面活性剤、帯電防止剤、アンチハレーショ
ン剤、着色用染料、顔料、塗布助剤、カブリ防止剤等で
ある。本発明において、下塗第1層用の下塗液を使用す
る場合には、レゾルシン、抱水クロラール、クロロフェ
ノールなどの如きエッチング剤を下塗液中に含有させる
必要は全くない。しかし所望により前記の如きエッチン
グ剤を下塗中に含有させることは差し支えない。本発明
に係わる下塗液は、一般によく知られた塗布方法、例え
ばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテン
コート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、
グラビアコート法、或いは米国特許第2,681,29
4号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージ
ョンコート法により塗布することが出来る。所望によ
り、米国特許第2,761,791号、同3,508,
947号、同2,941,898号、及び同3,52
6,528号明細書、原崎勇次著、「コーティング工
学」253頁(1973年、朝倉書店発行)などに記載
された方法により2層以上の層を同時に塗布することが
出来る。本発明において、好ましいのは支持体がポリエ
チレン-2,6- ナフタレンジカルボキシレートが100 ℃〜
115 ℃の間で24時間熱処理されかつその支持体の厚さが
85μm 〜105 μm であり、その表面が紫外線照射処理又
はグロー放電処理されているものであり、バック側の非
感光性親水性層が1 〜7 μm のゼラチン層であり且つ非
感光性親水性層が0.5 〜5 μm のセルロースバインダー
であることを特徴とするものである。この時バック層の
非感光生親水性層のゼラチン量と反対側の乳剤層のゼラ
チン層の重量比は0.1 〜0.5 が好ましい。
【0199】次に本発明の処理方法について詳細を説明
する。本発明の感光材料の現像処理に用いる発色現像液
(カラー現像液)は、好ましくは芳香族第一級アミン系
発色現像主薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。
この発色現像主薬としては、アミノフェノール系化合物
も有用であるが、p-フェニレンジアミン系化合物が好ま
しく使用され、その代表例としては3-メチル-4- アミノ
-N,Nジエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル
-N- β- ヒドロキシエチルアニリン、3-メチル-4- アミ
ノ-N- エチル-N- β-メタンスルホンアミドエチルアニ
リン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル- β- メトキシエ
チルアニリン、4-アミノ-3- メチル-N- メチル-N-(3-ヒ
ドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N-
エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ
-3- メチル-N- エチル-N-(2-ヒドロキシプロピル)アニ
リン、4-アミノ-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシ
プロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル
-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- プ
ロピル -N-メチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N- メチル-N-(4-ヒドロキシブ
チル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-
ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N-
プロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ
-3- エチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシ-2- メチルプロ
ピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(4- ヒ
ドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N,N-
ビス(5- ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミノ-3-
メチル-N-(5-ヒドロキシペンチル)-N-(4-ヒドロキシブ
チル)アニリン、4-アミノ-3- メトキシ-N-エチル-N-(4
-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ-3- エトキシ-
N,N- ビス(5- ヒドロキシペンチル)アニリン、4-アミ
ノ-3- プロピル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、及
びこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp-トルエンスルホン
酸塩などが挙げられる。これらの中で、特に、3-メチル
-4- アミノ-N- エチル-N -β-ヒドロキシエチルアニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプ
ロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-
(4-ヒドロキシブチル)アニリン、及びこれらの塩酸
塩、p-トルエンスルホン酸塩もしくは硫酸塩が磁気記録
の悪化が少ない点で好ましい。これらの化合物は目的に
応じ2種以上併用することもできる。
【0200】芳香族第一級アミン現像主薬の使用量はカ
ラー現像液1リットル当たり0.02モル〜0.1モ
ル、さらに好ましくは0.025モル〜0.08モルで
ある。本濃度よりも主薬濃度が少ないと、十分な迅速性
が得られず、多すぎると、磁気記録の読み取り精度が低
下し、好ましくない。発色現像液は、ヒドロキシルアミ
ン、ジエチルヒドロキシルアミンの他特開平3−144
446号の一般式(I)で表されるヒドロキシルアミン
類、亜硫酸塩、N,N-ビスカルボキシメチルヒドラジンの
如きヒドラジン類、フェニルセミカルバジド類、トリエ
タノールアミン、カテコールスルホン酸類の如き各種保
恒剤、エチレングリコール、ジエチレングリコールのよ
うな有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリ
コール、四級アンモニウム塩、アミン類のような現像促
進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、1-フェニル-3
-ピラゾリドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、ア
ミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキル
ホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各
種キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニト
リロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキ
サンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、
1-ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸、ニトリロ
-N,N,N-トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン-N,
N,N,N- テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン-
ジ(o- ヒドロキシフェニル酢酸) 及びそれらの塩を
代表例として挙げることができる。
【0201】上記の内、保恒剤としては置換ヒドロキシ
ルアミンが最も好ましく、中でもジエチルヒドロキシル
アミン、モノメチルヒドロキシルアミン或いはスルホ基
やカルボキシ基、水酸基などの水溶性基で置換されたア
ルキル基を置換基として有するものが好ましい。最も好
ましい例としては、N,N−ビス(2−スルホエチル)
ヒドロキシルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、
ジエチルヒドロキシルアミン等があげられる。
【0202】本発明に用いられる発色現像液には必要に
応じて、任意のカブリ防止剤を添加できる。カブリ防止
剤としては、塩化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリ
ウムの如きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防
止剤が使用できる。有機カブリ防止剤としては、例えば
ベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、
5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリア
ゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−
ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾ
ール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、イ
ンダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの
如き含窒素ヘテロ環化合物を代表例としてあげることが
できる。
【0203】本発明に使用されるカラー現像液は、好ま
しいpH領域は9.0〜11.0程度である。最も好まし
いタンク液のpHは9.8〜10.5程度である。上記
pHを保持するためには、各種緩衝剤を用いるのが好まし
い。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四
ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N
−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、
グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン
塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチ
ル−1, 3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン
塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを
用いることができる。特に炭酸塩の使用が好ましい。該
緩衝剤の現像液への添加量は、 0.1モル/リットル以上
であることが好ましく、特に 0.1モル/リットル〜 0.4
モル/リットルであることが特に好ましい。また、キレ
ート剤としては生分解性を有する化合物が好ましい。こ
の例としては、特開昭63−146998号、特開昭6
3−199295号、特開昭63−267750号、特
開昭63−267751号、特開平2−229146
号、特開平3−186841号、独国特許373961
0、欧州特許468325号等に記載のキレート剤を挙
げることができる。発色現像液の補充タンクや処理槽中
の処理液は高沸点有機溶剤などの液剤でシールドし、空
気との接触面積を減少させることが好ましい。この液体
シールド剤としては流動パラフィンが最も好ましい。ま
た、補充液に用いるのが特に好ましい。本発明における
発色現像液での処理温度は迅速化のために、高温が好ま
しく、40〜60℃、好ましくは42〜55℃である。
処理時間は撮影用感材においては20秒〜2分、好まし
くは30秒〜1分30秒である。また、補充量は感材1
平方メートル当たり、30〜800ml好ましくは50
〜500ml程度である。
【0204】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1-フェニ
ル-3- ピラゾリドンなどの3-ピラゾリドン類またはN-メ
チル-p- アミノフェノールなどのアミノフェノール類な
ど公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用
いることができる。本発明に用いられる現像液には、必
要により任意の現像促進剤を添加できる。現像促進剤と
しては、特公昭37-16088号、同37−5987号、同38−7826
号、同44-12380号、同45−9019号及び米国特許第3,813,
247 号等に表わされるチオエーテル系化合物、特開昭52
-49829号及び同50-15554号に表わされるp−フェニレン
ジアミン系化合物、特開昭50−137726号、特公昭44-300
74号、特開昭56−156826号及び同52-43429号等に表わさ
れる4級アンモニウム塩類、米国特許第2,494,903号、
同3,128,182 号、同4,230,796 号、同3,253,919 号、特
公昭41-11431号、米国特許第2,482,546 号、同2,596,92
6 号及び同3,582,346 号等に記載のアミン系化合物、特
公昭37-16088号、同42-25201号、米国特許第3,128,183
号、特公昭41-11431号、同42-23883号及び米国特許第3,
532,501 号等に表わされるポリアルキレンオキサイド、
その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、イミダゾー
ル類、等を必要に応じて添加することができる。次に、
本発明の脱銀工程について詳細を説明する。脱銀工程に
おいては、漂白工程、漂白定着工程、定着工程を有する
ことが一般的であり、各種工程が存在する。具体的な工
程を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0205】 (工程1) 漂白定着 (工程2) 漂白−漂白定着 (工程3) 漂白−漂白定着−定着 (工程4) 定着−漂白定着 (工程5) 漂白−定着 本発明においては、水洗又は安定化工程の前浴が漂白定
着工程ある場合に特に著しい効果を奏す。
【0206】漂白能を有する処理液に用いられる漂白剤
としては、アミノポリカルボン酸鉄(III)錯体、過硫酸
塩、臭素酸塩、過酸化水素、及び赤血塩等が用いられる
が、アミノポリカルボン酸(III) 錯体を最も好ましく用
いることができきる。本発明で使用される第二鉄錯塩
は、予め錯形成された鉄錯塩として添加して溶解しても
よく、また、錯形成化合物と第二鉄塩(例えば、硫酸第
二鉄、塩化第二鉄、臭化第二鉄、硝酸鉄(III)、硫酸鉄
(III)アンモニウムなど)とを共存させて漂白能を有す
る液中で錯塩を形成させてもよい。錯形成化合物は、第
二鉄イオンとの錯形成に必要とする量よりもやや過剰に
してもよく、過剰に添加するときには通常0.01〜1
0%の範囲で過剰にすることが好ましい。
【0207】なお、本発明において、漂白能を有する液
中の第二鉄錯塩を形成する化合物としては、エチレンジ
アミン四酢酸(EDTA)、1,3−プロパンジアミン
四酢酸(1,3−PDTA)、ジエチレントリアミン五
酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ
二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N−(2−アセトアミ
ド)イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、N−(2−カルボ
キシエチル)イミノ二酢酸、N−(2−カルボキシメチ
ル)イミノジプロピオン酸、β−アラニンジ酢酸、1,
4−ジアミノブタン四酢酸、グリコールエーテルジアミ
ン四酢酸、N−(2−カルボキシフェニル)イミノジ酢
酸、エチレンジアミン−N−(2−カルボキシフェニ
ル)−N,N’,N’−三酢酸、エチレンジアミン−
N,N’−ジコハク酸、1,3−ジアミノプロパン−
N,N’−ジコハク酸、エチレンジアミン−N,N’−
ジマロン酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N’−ジ
マロン酸等が挙げられるが、特にこれらに限定されるも
のではない。
【0208】本発明の漂白能を有する処理液における第
二鉄錯塩の濃度としては、0.005〜1.0モル/リ
ットルの範囲が適当であり、0.01〜0.50モル/
リットルの範囲が好ましく、より好ましくは、0.02
〜0.30モル/リットルの範囲である。また漂白能を
有する処理液の補充液中の第2鉄錯塩の濃度としては、
好ましくは、0.005〜2モル/リットル、より好ま
しくは0.01〜1.0モル/リットルである。
【0209】漂白能を有する浴またはこれらの前浴に
は、漂白促進剤として種々の化合物を用いることができ
る。例えば、米国特許第3,893,858 号明細書、ドイツ特
許第1,290,812 号明細書、特開昭53-95630号公報、リサ
ーチディスクロージャー第17129 号( 1978年7月号)に
記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化
合物や、特公昭45−8506号、特開昭52-20832号、同53-3
2735号、米国特許3,706,561 号等に記載のチオ尿素系化
合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲン化物が漂
白力に優れる点で好ましい。
【0210】その他、本発明に適用されうる漂白能を有
する浴には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナト
リウム、臭化アンモニウム)または塩化物(例えば、塩
化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム)また
は沃化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再ハロゲン
化剤を含むことができる。必要に応じ硼砂、メタ硼酸ナ
トリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、クエン
酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、マロン酸、コハク
酸、グルタ−ル酸などのpH緩衝能を有する1種類以上の
無機酸、有機酸およびこれらのアルカリ金属またはアン
モニウム塩または、硝酸アンモニウム、グアニジンなど
の腐蝕防止剤などを添加することができる。また漂白能
を有する浴には、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤ある
いは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノール等
の有機溶媒を含有させることができる。
【0211】漂白定着液中や定着液中の定着剤成分は、
公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アン
モニウムなどのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウム、
チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩;エチ
レンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−
オクタンジオールなどのチオエーテル化合物、メソイオ
ン化合物およびチオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀
溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上混合して
使用することができる。また、特開昭55−155354号に記
載された定着剤と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化
物などの組み合わせからなる特殊な漂白定着液等も用い
ることができる。本発明においては、チオ硫酸塩、特に
チオ硫酸アンモニウム塩及びチオ硫酸ナトリウム塩の使
用が好ましい。1リットルあたりの定着剤の量は、 0.3
〜2モルが好ましく、更に好ましくは 0.5〜1.0 モルの
範囲である。本発明の漂白定着液や定着液には保恒剤と
して、亜硫酸塩(或いは重亜硫酸塩やメタ重亜硫酸塩
類)を含有するのが望ましいが、とりわけ0.08〜
0.4モル/リットル、更に好ましくは0.1〜0.3
モル/リットル含有するとが好ましい。本濃度域を使用
し、更に本発明の最終浴を用いることで、磁気記録性能
が著しく向上するばかりか、画像保存性上も望ましい結
果を示した。本発明の漂白定着液や定着液は、保恒剤と
して前述した亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜
硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム)、重亜硫酸塩(例
えば、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重
亜硫酸カリウム)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜
硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸
アンモニウム)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有する
以外に、アルデヒド類(ベンズアルデキド、アセトアル
デヒド等)、ケトン類(アセトン等)、アルコルビン酸
類、ヒドロキシルアミン類等を必要に応じて添加するこ
とができる。
【0212】更には漂白液、漂白定着液、定着液は緩衝
剤、蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必
要に応じて添加しても良い。本発明に用いられる漂白
液、漂白定着液において、好ましいpH領域は、4.5
〜6.2であり、更には5〜6が好ましい。本pHより
高くても低くても磁気記録性能が十分に発揮できない場
合が生じることがる。また、定着液の場合はpH5〜8
程度が望ましい。
【0213】本発明に用いられる漂白液、漂白定着液、
定着液への補充量は感光材料1m2当たり、50〜200
0ミリリットルである。特に好ましくは100〜100
0ミリットルである。また、後浴である水洗水や安定浴
のオーバーフロー液を、必要に応じて補充しても良い。
漂白液、漂白定着液、定着液の処理温度は20〜50℃
であり、好ましくは30〜45℃である。処理時間は1
0秒〜3分、好ましくは20秒〜2分である。また、迅
速化の点で、最も好ましくは20秒〜1分30秒であ
る。脱銀処理の時間が短い程、本発明の効果が顕著に得
られる。
【0214】本発明の漂白能を有する処理液は、処理に
際し、エアレーションを実施することが写真性能をきわ
めて安定に保持するので特に好ましい。エアレーション
には当業界で公知の手段が使用でき、漂白能を有する処
理液中への、空気の吹き込みやエゼクターを利用した空
気の吸収などが実施できる。空気の吹き込みに際して
は、微細なポアを有する散気管を通じて、液中に空気を
放出させることが好ましい。このような散気管は、活性
汚泥処理における曝気槽等に、広く使用されている。エ
アレーションに関しては、イーストマン・コダック社発
行のZ−121、ユージング・プロセス・C−41第3
版(1982年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項
を利用できる。本発明の漂白能を有する処理液を用いた
処理に於いては、攪拌が強化されていることが好まし
く、その実施には特開平3−33847号公報の第8
頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、
そのまま利用できる。
【0215】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法
としては、特開昭 62-183460号に記載の感光材料の乳剤
面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭 62-1834
61号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、更には
液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させ
ながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化すること
によってより攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の
循環流量を増加させる方法が挙げられる。このような攪
拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、定着液のいずれに
おいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白
剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高める
ものと考えられる。また、前記の攪拌向上手段は、漂白
促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を著
しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解消
させることができる。
【0216】本発明の感光材料に用いられる自動現像機
は、特開昭 60-191257号、同 60-191258号、同 60-1912
59号に記載の感光材料搬送手段を有していることが好ま
しい。前記の特開昭 60-191257号に記載のとおり、この
ような搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著
しく削減でき、処理液の性能劣化を防止する効果が高
い。このような効果は各工程における処理時間の短縮
や、処理液補充量の低減に特に有効である。
【0217】本発明の感光材料は、脱銀処理後、水洗及
び/又は安定工程を経るのが一般的である。本発明の水
洗又は安定浴のうち少なくとも1浴のpHが4〜6であ
る必要がある。また、pHとは、感光材料が処理される
タンク液のpHを意味する。より好ましいpHは4.5
〜5.5であり、本pHより低くても、高くても画像安
定性や磁気記録の読み取り精度は悪化する。
【0218】本発明の水洗又は安定浴のうち少なくとも
1浴のpHを4〜6に保つためには、該浴に以下に一般
式(V)で示す有基酸を含有する場合が好ましい。 一般式(V)
【0219】
【化80】
【0220】式中、n=1のときAはアルキレン基また
はフェニル基を表し、n=2のときAは単結合又は2価
の連結基を表し、n=3のときAは3価の基を表す。M
は水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム塩を表す。
【0221】次に一般式(V)の化合物の詳細について
説明する。n=1のとき、Aのアルキレン基としては炭
素数1〜10が好ましく、更に好ましくは炭素数2〜5
である。アルキレン基及びフェニル基は、置換基を有し
てもよく置換基としてはヒドロキシ基、ハロゲン原子、
アミノ基、スルホ基、アシルアミノ基等をあげることが
できるが、ヒドロキシ基が特に好ましい。
【0222】n=2のとき、Aは具体的には置換、無置
換のアルキレン基、アルケニル基、フェニル基、シクロ
ヘキシル基、ヘテロ環基(例えばヘテロ原子としてN、
O、Sなどを少くとも1つ含んだ5〜8員環の化合物が
好ましく、特に、Nを含んだ5〜6員環の化合物が好ま
しい。例えば、ピロール、ピリジン、ピロリジン、ピペ
リジンなどを挙げることができる。)等を表す。n=3
のとき、Aは3価の連結基を表し、具体的には、フェニ
ル基、シクロヘキシル基、ヘテロ環基(例えばヘテロ原
子、N、O、Sなどを少くとも1つ含んだ5〜8員環の
化合物が好ましく、特に、Nを含んだ5〜6員環の化合
物が好ましい。例えば、ピロール、ピリジン、ピロリジ
ン、ピペリジンなどを挙げることができる。)等を表
す。n=2、n=3の場合のAで示される基の炭素数と
しては10以下が好ましい。また、n個のMは同一でも
異なってもよい。以下に具体例を示すが、これらに限定
されるものではない。
【0223】
【化81】
【0224】
【化82】
【0225】
【化83】
【0226】
【化84】
【0227】上記化合物中、本発明においては、n=2
のジカルボン酸が好ましい。具体的にはI−20、I−
21、I−22、I−23、I−24、Iー26、I−
27、I−28、I−29を挙げることができる。これ
らの有機酸の添加量は、最終浴1リットルあたり0.0
05〜0.08モル好ましくは0.001モル〜0.0
5モル含有する。また必要に応じて2種以上を併用して
も良い。上記添加量を超えると、むしろ磁気記録の読み
取り精度が悪化する場合が生じる。一般式(V)の化合
物は公知であるし、また市販品を容易に購入することも
できる。
【0228】本発明における水洗水の補充量は、感光材
料の特性(例えばカプラー等使用素材による)、用途、
更には水洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流
等の補充方式、その他種々の条件によって広範囲に設定
し得る。このうち、多段向流方式における水洗タンク数
と水量の関係は、Journal of the Society of MotionPi
cture and Television Engineers 第64巻、P. 248〜253
(1955 年5月号)に記載の方法で、求めることができ
る。前記文献に記載の多段向流方式によれば、水洗水量
を大幅に減少し得るが、タンク内における水の滞留時間
の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が
感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明のカラー
感光材料の処理において、このような問題が解決策とし
て、特開昭62-288,838号に記載のカルシウムイオン、マ
グネシウムイオンを低減させる方法を極めて有効に用い
ることができる。また、特開昭57-8,542号に記載のイソ
チアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソ
シアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベン
ゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(19
86年)三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、
防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編
「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いる
こともできる。
【0229】本発明の水洗水や安定液の処理温度は15
〜45℃、好ましくは20〜40℃である。また、水洗
及び安定化工程の合計処理時間は10秒〜2分、好まし
くは15秒〜45秒である。特に後者の好ましい処理時
間において、本発明の効果は有効に発揮できる。
【0230】更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代
り、直接安定液によって処理することもできる。このよ
うな安定化処理においては、特開昭57-8543 号、同58-1
4834号、同60-220345 号に記載の公知の方法はすべて用
いることができる。
【0231】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重
亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、上記塩濃度を越え
ない範囲で添加することができる。安定液中の遊離ホル
ムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの飛
散が少なくなるため好ましい。このような点から色素画
像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾ
ールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロ
ールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−3
13753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。本発明に置いては、こういった画像安定化剤を添加
しない方が、低塩濃度に維持するためにも、好ましい態
様である。また、その他必要に応じて塩化アンモニウム
や亜硫酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、
Alなどの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許
4,786,583号に記載のアルカノールアミンや、
前記の定着液や漂白定着液に含有することができる保恒
剤、例えば、特開平1−231051号公報に記載のス
ルフィン酸化合物を必要に応じて添加することができ
る。
【0232】水洗水及び/又は安定液には処理後の感光
材料の乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活
性剤を含有することができる。中でもノニオン性界面活
性剤を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエ
チレンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノー
ルとしては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニル
フェノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加
モル数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効
果の高いシリコン系界面活性剤を用いることも好まし
い。
【0233】水洗水及び/又は安定液中には、各種キレ
ート剤を含有させることができる。好ましいキレート剤
としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキ
シエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′−
トリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−N,
N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの有機
ホスホン酸、あるいは、欧州特許345,172A1号
に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物などをあ
げることができる。
【0234】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。自動現像機などを用いた処理におい
て、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、
蒸発による濃縮を補正するために、適当量の水または補
正液ないし処理補充液を補充することが好ましい。水補
充を行う具体的方法としては、特に制限はないが、中で
も特開平1−254959号、同1−254960号公
報記載の、漂白槽とは別のモニター水槽を設置し、モニ
ター水槽内の水の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂
白槽における水の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例し
て漂白槽に水を補充する方法や特開平3−248155
号、同3−249644号、同3−249645号、同
3−249646号公報記載の液レベルセンサーやオー
バーフローセンサーを用いた蒸発補正方法が好ましい。
各処理液の蒸発分を補正するための水は、水道水を用い
てもよいが上記の水洗工程に好ましく使用される脱イオ
ン処理した水、殺菌された水とするのがよい。
【0235】本発明の感光材料は、支持体側から順に赤
感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。し
かし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同
一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順
をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および
最上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。これら
には、後述のカプラー、DIR化合物、混色防止剤等が
含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する複数の
ハロゲン化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,0
45に記載されているように高感度乳剤層、低感度乳剤層
の2層を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に
配列するのが好ましい。また、特開昭57-112751 、同62
- 200350、同62-206541 、62-206543 に記載されている
ように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近
い側に高感度乳剤層を設置してもよい。具体例として支
持体から最も遠い側から、低感度青感光性層(BL)/高
感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感
度緑感光性層(GL) /高感度赤感光性層(RH)/低感度
赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RL
の順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置する
ことができる。また特公昭 55-34932 公報に記載されて
いるように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH
/RH/GL/RLの順に配列することもできる。また特開昭
56-25738、同62-63936に記載されているように、支持体
から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に
配列することもできる。また特公昭49-15495に記載され
ているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤
層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤
層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳
剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められ
た感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59-202464 に記載されているように、同一
感色性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤
層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよ
い。その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤
層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤
層の順に配置されていてもよい。 また、4層以上の場
合にも、上記の如く配列を変えてよい。色再現性を改良
するために、US 4,663,271、同 4,705,744、同 4,707,4
36、特開昭62-160448 、同63- 89850 の明細書に記載
の、BL,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重
層効果のドナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接
して配置することが好ましい。
【0236】本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀
は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ
塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいの
は約2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ
臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。写真乳剤中のハロ
ゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規
則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な
結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するも
の、あるいはそれらの複合形でもよい。ハロゲン化銀の
粒径は、約 0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約
10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤
でも単分散乳剤でもよい。本発明に使用できるハロゲン
化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー
(以下、RDと略す)No.17643 (1978年12月), 22 〜23
頁, “I. 乳剤製造(Emulsion preparation and type
s)”、および同No.18716 (1979年11月),648 頁、同N
o.307105(1989年11月),863 〜865 頁、およびグラフキ
デ著「写真の物理と化学」,ポールモンテル社刊(P.Gl
afkides, Chemie et Phisique Photographique, Paul M
ontel, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」,フォーカ
ルプレス社刊(G.F. Duffin, Photographic Emulsion C
hemistry,Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真
乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V. L. Ze
likman, et al., Making and Coating Photographic Em
ulsion, Focal Press, 1964)などに記載された方法を用
いて調製することができる。
【0237】US 3,574,628、同 3,655,394およびGB 1,4
13,748に記載された単分散乳剤も好ましい。また、アス
ペクト比が約3以上であるような平板状粒子も本発明に
使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutof
f, Photographic Science and Engineering)、第14巻
248〜257頁(1970年);US 4,434,226、同 4,414,310、
同 4,433,048、同 4,439,520およびGB 2,112,157に記載
の方法により簡単に調製することができる。結晶構造は
一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成か
らなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい。エ
ピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が
接合されていてもよく、例えばロダン銀、酸化鉛などの
ハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。ま
た種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。上記の
乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、
粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれ
にも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤
であることが必要である。内部潜像型のうち、特開昭 6
3-264740に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であっ
てもよく、この調製方法は特開昭59-133542に記載され
ている。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって
異なるが、3 〜40nmが好ましく、5 〜20nmが特に好まし
い。
【0238】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はRDNO.17643、同No.187
16および同No.307105 に記載されており、その該当箇所
を後掲の表にまとめた。本発明の感光材料には、感光性
ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロ
ゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の
異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用す
ることができる。US 4,082,553に記載の粒子表面をかぶ
らせたハロゲン化銀粒子、US 4,626,498、特開昭 59-21
4852に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、
コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または
実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用することが
好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化
銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問わ
ず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀
粒子のことをいい、その調製法は、US 4,626,498、特開
昭 59-214852に記載されている。粒子内部がかぶらされ
たコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成する
ハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異なっていてもよい。
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀として
は、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれ
をも用いることができる。これらのかぶらされたハロゲ
ン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μm 、
特に0.05〜0.6 μm が好ましい。また、粒子形状は規則
的な粒子でもよく、多分散乳剤でもよいが、単分散性
(ハロゲン化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95
%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)で
あることが好ましい。
【0239】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の
含有率が 0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀お
よび/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化
銀を 0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲ
ン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)
が0.01〜 0.5μm が好ましく、0.02〜 0.2μm がより好
ましい。微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン
化銀と同様の方法で調製できる。ハロゲン化銀粒子の表
面は、光学的に増感される必要はなく、また分光増感も
不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに先立
ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン系、ベン
ゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物または
亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておくことが好
ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイ
ド銀を含有させることができる。本発明の感光材料の塗
布銀量は、6.0g/ m2以下が好ましく、4.5g/ m2以下が最
も好ましい。
【0240】本発明に使用できる写真用添加剤もRDに
記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示し
た。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866 〜868 頁 強色増感剤 〜649 頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁 5. 光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁 フィルター 〜650 頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 6. バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁 7. 可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁 潤滑剤 8. 塗布助剤、 26 〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 9. スタチツク 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 10. マツト剤 878 〜879 頁
【0241】本発明の感光材料には種々の色素形成カプ
ラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に
好ましい。 イエローカプラー: EP 502,424A の式(I),(II)で表わさ
れるカプラー; EP 513,496A の式(1),(2) で表わされる
カプラー (特に18頁のY-28); EP 568,037Aのクレーム1
の式(I) で表わされるカプラー; US 5,066,576のカラム
1の45〜55行の一般式(I) で表わされるカプラー; 特開
平4-274425の段落0008の一般式(I) で表わされるカプラ
ー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー
(特に18頁のD-35); EP 447,969A1 の4頁の式(Y) で表
わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54(41 頁)); US
4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わ
されるカプラー(特にII-17,19( カラム17),II-24(カラ
ム19))。 マゼンタカプラー; 特開平3-39737(L-57(11 頁右下),L-
68(12 頁右下),L-77(13頁右下); EP 456,257 の A-4 -6
3(134頁), A-4 -73,-75(139頁); EP 486,965 のM-4,-6
(26 頁),M-7(27頁); EP 571,959AのM-45(19 頁);特開平
5-204106の(M-1)(6 頁);特開平4-362631の段落0237のM-
22。 シアンカプラー: 特開平4-204843のCX-1,3,4,5,11,12,1
4,15(14 〜16頁); 特開平4-43345 のC-7,10(35 頁),3
4,35(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特開平6-67385
の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプ
ラー。 ポリマーカプラー: 特開平2-44345 のP-1,P-5(11頁) 。
【0242】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、
DE 3,234,533に記載のものが好ましい。発色色素の不要
吸収を補正するためのカプラーは、EP 456,257A1の5 頁
に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエ
ローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、該EP
に記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7(202
頁) 、 EX-1(249 頁) 、 EX-7(251 頁) 、US 4,833,069
に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9 (カラム
8)、CC-13(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カラム8)、
WO92/11575のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマ
スキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ま
しい。現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化合物
残基を放出する化合物(カプラーを含む)としては、以
下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:EP 37
8,236A1の11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV) で表わ
される化合物(特にT-101(30頁),T-104(31頁),T-113(36
頁),T-131(45頁),T-144(51頁),T-158(58頁)), EP436,93
8A2の 7頁に記載の式(I) で表わされる化合物(特にD-4
9(51 頁))、EP 568,037A の式(1) で表わされる化合物
(特に(23)(11 頁))、EP 440,195A2の5 〜6 頁に記載の
式(I),(II),(III)で表わされる化合物(特に29頁のI-
(1) );漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5 頁の
式(I),(I')で表わされる化合物(特に61頁の(60),(6
1)) 及び特開平6-59411 の請求項1の式(I) で表わされ
る化合物(特に(7)(7 頁); リガンド放出化合物:US
4,555,478のクレーム1に記載のLIG-X で表わされる化
合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物) ;ロイコ色
素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の化合物1
〜6;蛍光色素放出化合物:US4,774,181のクレーム1のC
OUP-DYEで表わされる化合物(特にカラム7〜10の化合
物1〜11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US
4,656,123のカラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表わされ
る化合物(特にカラム25の(I-22)) 及びEP 450,637A2の
75頁36〜38行目のExZK-2; 離脱して初めて色素となる基
を放出する化合物: US 4,857,447のクレーム1の式(I)
で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY-1 〜Y-19)
【0243】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,5,
16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144
頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US4,199,
363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャ
ー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I) で表わ
される化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12)(カラム4〜
5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化
合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP 298321Aの4
頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24
〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,7,20,21,23,2
4,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118
頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特に
III-10, EP 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-
2, US 5,139,931のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,
42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させ
る素材: EP 411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-4
6; ホルマリンスカベンジャー: EP 477932Aの24〜29頁
のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845の
17頁のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573のカラム13〜23の式
(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-
214852の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜7
6),特にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合
物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139 のP-2
4,37,39(6〜7 頁); US 5,019,492 のクレーム1に記載
の化合物,特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US
4,923,790のカラム3 〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,
9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,79
3のカラム6 〜16のI-1 〜(14),特にI-1,60,(2),(13), U
S 4,952,483 のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36:
化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開
平5-40324 の化合物50;染料: 特開平3-156450の15〜18
頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27 〜29
頁のV-1 〜23, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-
1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28
頁のIII-1 〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26の
Dye-1 〜124 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の
化合物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ない
し(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4,26
8,622の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜1
0), US 4,923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜
(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-3335 の式
(1) で表わされる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜
9頁),EP 520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(6
6)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-1
〜10(14 頁), EP 521823A の式(1) で表わされる化合物
(1) 〜(31) (カラム2〜9)。
【0244】本発明は、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよ
びカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料に
適用することができる。また、特公平2-32615 、実公平
3-39784 に記載されているレンズ付きフイルムユニット
用に好適である。本発明に使用できる適当な支持体は、
例えば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18716の 6
47頁右欄から 648頁左欄、および同No.307105 の 879頁
に記載されている。本発明の感光材料は、乳剤層を有す
る側の全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm 以下で
あることが好ましく、23μm 以下がより好ましく、18μ
m 以下が更に好ましく、16μm 以下が特に好ましい。ま
た膜膨潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20秒以下が
より好ましい。T1/2 は、発色現像液で30℃、3 分15秒
処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚と
したとき、膜厚そのが1/2 に到達するまでの時間と定義
する。膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測
定した膜厚を意味し、T1/2 は、エー・グリーン(A.Gr
een)らのフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エ
ンジニアリング (Photogr.Sci.Eng.),19卷、2,124 〜
129 頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用す
ることにより測定できる。T1/2 は、バインダーとして
のゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経
時条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は 150〜400 %が好ましい。膨潤率とは、さ
きに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨
潤膜厚−膜厚)/膜厚 により計算できる。本発明の感
光材料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総
和が2 μm〜20μm の親水性コロイド層(バック層と称
す)を設けることが好ましい。このバック層には、前述
の光吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤、スタチッ
ク防止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布
助剤、表面活性剤を含有させることが好ましい。このバ
ック層の膨潤率は150 〜500 %が好ましい。
【0245】次に、本発明に用いられる磁気記録層につ
いて説明する。本発明に用いられる磁気記録層とは、磁
性体粒子をバインダー中に分散した水性もしくは有機溶
媒系塗布液を支持体上に塗設したものである。本発明で
用いられる磁性体粒子は、γFe2O3 などの強磁性酸化
鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、、Co含有マ
グネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、強磁性
合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライト、Pbフェ
ライト、Caフェライトなどを使用できる。Co被着γFe2O
3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状としては
針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いずれでもよ
い。比表面積では SBET で20m2/g以上が好ましく、30m2
/g以上が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、
好ましくは 3.0×104 〜 3.0×105A/mであり、特に好ま
しくは4.0 ×104 〜2.5 ×105A/mである。強磁性体粒子
を、シリカおよび/またはアルミナや有機素材による表
面処理を施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6-
161032に記載された如くその表面にシランカップリング
剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。又特
開平4-259911、同5-81652 号に記載の表面に無機、有機
物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0246】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4-219569に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放
射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解
性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導
体など)およびそれらの混合物を使用することができ
る。上記の樹脂のTgは -40℃〜 300℃、重量平均分子量
は 0.2万〜 100万である。例えばビニル系共重合体、セ
ルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セ
ルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテ
ートブチレート、セルローストリプロピオネートなどの
セルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特に
セルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダ
ーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の
架橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシア
ネート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、などのイソシアネート類、これらのイソシアネ
ート類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリ
レンジイソシアナート3molとトリメチロールプロパン1m
olの反応生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮
合により生成したポリイソシアネートなどがあげられ、
例えば特開平6-59357 に記載されている。
【0247】前述の磁性体を上記バインダ−中に分散す
る方法は、特開平6-35092 に記載されている方法のよう
に、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが好
ましく併用も好ましい。特開平5-088283に記載の分散剤
や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録層の
厚みは 0.1μm〜10μm、好ましくは 0.2μm〜 5μ
m、より好ましくは 0.3μm〜 3μmである。磁性体粒
子とバインダーの重量比は好ましくは 0.5:100〜60:100
からなり、より好ましくは1:100 〜30:100である。磁性
体粒子の塗布量は 0.005〜 3g/m2、好ましくは0.01〜 2
g/m2、さらに好ましくは0.02〜 0.5g/m2である。磁気記
録層の透過イエロー濃度は、0.01〜0.50が好ましく、0.
03〜0.20がより好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。
磁気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によ
って全面またはストライプ状に設けることができる。磁
気記録層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレ
ード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、
トランスファーロール、グラビヤ、キス、キャスト、ス
プレイ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が利
用でき、特開平5-341436等に記載の塗布液が好ましい。
【0248】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層,潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US 5,336,589、同 5,250,404、同
5,229,259、同 5,215,874、EP 466,130に記載されてい
る。
【0249】次に本発明に用いられるポリエステル支持
体について記すが、後述する感材、処理、カートリッジ
及び実施例なども含め詳細については、公開技報、公技
番号94-6023(発明協会;1994.3.15.)に記載されている。
本発明に用いられるポリエステルはジオールと芳香族ジ
カルボン酸を必須成分として形成され、芳香族ジカルボ
ン酸として2,6−、1,5−、1,4−、及び2,7
−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げられる。
この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジ
メタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙げるこ
とができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸を50モル%〜 100モル%含むポリエステルであ
る。中でも特に好ましいのはポリエチレン 2,6−ナ
フタレートである。平均分子量の範囲は約 5,000ないし
200,000である。本発明のポリエステルのTgは50℃以上
であり、さらに90℃以上が好ましい。
【0250】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好
ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理は
この温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しな
がら熱処理してもよい。この熱処理時間は、 0.1時間以
上1500時間以下、さらに好ましくは 0.5時間以上 200時
間以下である。支持体の熱処理は、ロ−ル状で実施して
もよく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。
表面に凹凸を付与し(例えばSnO2や Sb2O5等の導電性無
機微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端
部にロ−レットを付与し端部のみ少し高くすることで巻
芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望
ましい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、
バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布
後のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防
止剤塗布後である。このポリエステルには紫外線吸収剤
を練り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、
三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエ
ステル用として市販されている染料または顔料を練り込
むことにより目的を達成することが可能である。
【0251】次に、本発明では支持体と感材構成層を接
着させるために、表面処理することが好ましい。薬品処
理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処
理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、
レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面
活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好ましいの
は、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処
理である。次に下塗法について述べると、単層でもよく
2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、
アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から
選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとし
て、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼ
ラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支
持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロル
フェノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としては
クロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルム
アルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネ
ート類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリ
ン樹脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げることが
できる。SiO2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタ
クリレート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤
として含有させてもよい。
【0252】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、 Z
nO、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2、 MgO、 BaO、
MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率
が107 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下であ
る粒子サイズ 0.001〜 1.0μm結晶性の金属酸化物ある
いはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,C など)の微
粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこれらの複合
酸化物の微粒子である。感材への含有量としては、 5〜
500mg/m2が好ましく特に好ましくは10〜350mg/m2であ
る。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバイン
ダーの量の比は1/300 〜 100/1が好ましく、より好まし
くは 1/100〜 100/5である。
【0253】本発明の感材には滑り性がある事が好まし
い。滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いるこ
とが好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.
25以下0.01以上である。この時の測定は直径 5mmのステ
ンレス球に対し、 60cm/分で搬送した時の値を表す(25
℃、60%RH)。この評価において相手材として感光層面
に置き換えてももほぼ同レベルの値となる。本発明に使
用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、高
級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級
アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキサ
ンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシ
ロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチル
フェニルシロキサン等を用いることができる。添加層と
しては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポリ
ジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステル
が好ましい。
【0254】本発明の感材にはマット剤が有る事が好ま
しい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでも
よいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。
マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好
ましくは両者を併用することである。例えばポリメチル
メタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/メタク
リル酸= 9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒子など
が好ましい。粒径としては 0.8〜10μmが好ましく、そ
の粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径の0.9〜 1.
1倍の間に全粒子数の90%以上が含有されることが好ま
しい。又 マット性を高めるために 0.8μm以下の微粒
子を同時に添加することも好ましく例えばポリメチルメ
タクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート
/メタクリル酸= 9/1(モル比)、 0.3μm))、ポリス
チレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)
が挙げられる。
【0255】次に本発明で用いられるフィルムパトロー
ネについて記す。本発明で使用されるパトローネの主材
料は金属でも合成プラスチックでもよい。好ましいプラ
ス45ク材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本発明
のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよくカ
ーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニオ
ン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー等
を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防止され
たパトローネは特開平1-312537、同1-312538に記載され
ている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ま
しい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与す
るためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラ
スチックを使って製作される。パトローネのサイズは現
在 135サイズのままでもよいし、カメラの小型化には、
現在の 135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下
とすることも有効である。パトローネのケースの容積
は、30cm3以下好ましくは 25cm3以下とすることが好ま
しい。パトローネおよびパトローネケースに使用される
プラスチックの重量は5g〜15g が好ましい。
【0256】更に本発明で用いられる、スプールを回転
してフイルムを送り出すパトローネでもよい。またフイ
ルム先端がパトローネ本体内に収納され、スプール軸を
フイルム送り出し方向に回転させることによってフイル
ム先端をパトローネのポート部から外部に送り出す構造
でもよい。これらはUS 4,834,306、同 5,226,613に開示
されている。本発明に用いられる写真フイルムは現像前
のいわゆる生フイルムでもよいし、現像処理された写真
フイルムでもよい。又、生フイルムと現像済みの写真フ
ィルムが同じ新パトローネに収納されていてもよいし、
異なるパトローネでもよい。
【0257】
【実施例】以下に具体例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明の趣旨を越えない限り、実施例に限定
されるものではない。 (実施例1) 1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成し
た。ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー 100
重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイ
ギーCiba-Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、300℃
にて溶融後、T型ダイから押し出し、 140℃で 3.3倍の
縦延伸を行ない、続いて 130℃で 3.3倍の横延伸を行
い、さらに 250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmの PEN
フイルムを得た。なおこの PENフィルムにはブルー染
料,マゼンタ染料及びイエロー染料(公開技報: 公技番
号 94-6023号記載のI-1,I-4,I-6,I-24,I-26,I-27,II-5)
を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス巻き
芯に巻付けて、 110℃、48時間の熱履歴を与え、巻き癖
のつきにくい支持体とした。
【0258】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン 0.1g/m2、ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘ
キシルサクシネート0.01g/m2、サリチル酸0.04g/m2、p
−クロロフェノール 0.2g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2
CH2 0.012g/m2 、ポリアミド−エピクロルヒドリン重縮
合物0.02g/m2の下塗液を塗布して(10cc/m2、バーコータ
ー使用)、下塗層を延伸時高温面側に設けた。乾燥は 1
15℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置
はすべて 115℃となっている)。 3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0259】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径 0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物
の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒
子径 約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチン0.05g/m2、(C
H2 =CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.02g/m2 、ポリ(重合度1
0)オキシエチレン−p−ノニルフェノール 0.005g/m2
及びレゾルシンと塗布した。 3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15) オキシエチレン−プロピルオキシ
トリメトキシシラン(15 重量%)で被覆処理されたコバ
ルト−γ−酸化鉄 (比表面積43m2/g、長軸0.14μm、単
軸0.03μm、飽和磁化 89emu/g、Fe+2/Fe +3=6/94 、表
面は酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄の2重量%で処理され
ている)0.06g/m2をジアセチルセルロース1.1g/m2(酸化
鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施し
た)、硬化剤としてC2H5C(CH2OCONH-C6H3(CH3)NCO)3 7
5mg/m2を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン ジブチルフタレートを用いてバーコ
ーターで塗布し、膜厚 1.2μmの磁気記録層の得た。滑
り剤としてC6H13CH(OH)C10H20COOC40H81を15mg/m2、マ
ット剤としてシリカ粒子(1.0μm)と3−ポリ(重合度1
5) オキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシシラ
ン(15重量%)で処理被覆された研磨剤の酸化アルミ
(0.20μm および1.0 μm)をそれぞれ 50mg/m2および10
mg/m2 となるように添加した。乾燥は 115℃、6分実施
した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて 115
℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層
のDB の色濃度増加分は約 0.1、また磁気記録層の飽和
磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力 7.3×104A/m、角形
比は65%であった。
【0260】3−3)滑り層の調製 ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C6H13CH(OH)C10H20C
OOC40H81 (6mg/m2) 、ポリジメチルシロキサン(分子量
3,000)(1.5mg/m2)の混合物を塗布した。なお、この混合
物は、キシレン/プロピレングリコールモノメチルエー
テル (1/1)中で105℃で溶融し、常温のプロピレングリ
コールモノメチルエーテル(10倍量)に注加分散して作
製した後、アセトン中で分散物(平均粒径0.01μm)にし
てから添加した。乾燥は 115℃、6分行なった(乾燥ゾ
ーンのローラーや搬送装置はすべて 115℃)。滑り層
は、動摩擦係数0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重100
g、スピード6cm/分)、静摩擦係数0.08(クリップ
法)、また後述する乳剤面と滑り層の動摩擦係数も0.20
と優れた特性であった。
【0261】4)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成
の各層を重層塗布し、カラーネガフィルムを作成した。
これを試料101とする。
【0262】(感光層組成)各層に使用する素材の主な
ものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示
し、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。た
だし、増感色素については同一層のハロゲン化銀1モル
に対する塗布量をモル単位で示す。
【0263】第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.09 ゼラチン 1.60 ExM−1 0.12 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 0.030 固体分散染料ExF−3 0.040 HBS−1 0.15 HBS−2 0.02
【0264】第2層(中間層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.065 ExC−2 0.04 ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 1.04
【0265】第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.25 沃臭化銀乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.040 ExC−6 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0266】第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 銀 0.70 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.011 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.03 ExC−6 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0267】第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.10 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−7 0.010 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.050 ゼラチン 1.10
【0268】第6層(中間層) Cpd−1 0.090 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.050 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.10
【0269】第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.15 沃臭化銀乳剤F 銀 0.10 沃臭化銀乳剤G 銀 0.10 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0270】第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤H 銀 0.80 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExC−8 0.010 ExM−2 0.10 ExM−3 0.025 ExY−1 0.018 ExY−4 0.010 ExY−5 0.040 HBS−1 0.13 HBS−3 4.0×10-3 ゼラチン 0.80
【0271】第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.020 ExM−4 0.025 ExM−5 0.040 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.33
【0272】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.015 Cpd−1 0.16 固体分散染料ExF−5 0.060 固体分散染料ExF−6 0.060 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0273】第11層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 銀 0.09 沃臭化銀乳剤K 銀 0.09 ExS−7 8.6×10-4 ExC−8 7.0×10-3 ExY−1 0.050 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 Cpd−2 0.10 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.20
【0274】第12層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 ExY−4 0.010 Cpd−2 0.10 Cpd−3 1.0×10-3 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.70
【0275】第13層(第1保護層) UV−1 0.19 UV−2 0.075 UV−3 0.065 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 1.8
【0276】第14層(第2保護層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.10 H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.15 B−3 0.05 S−1 0.20 ゼラチン 0.70
【0277】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
パラジウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されて
いる。
【0278】
【表6】
【0279】表6において、 (1)乳剤J〜Lは特開平2-191938の実施例に従い、二
酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時に
還元増感されている。 (2)乳剤A〜Iは特開平3-237450の実施例に従い、各
感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウム
の存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されてい
る。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426の実施例に
従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3-237450に記載されている
ような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されてい
る。 (5)乳剤Lは特開昭60-143331 に記載されている内部
高ヨードコアーを含有する二重構造粒子である。
【0280】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水21.7
ミリリットル及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシエトキ
シエトキシエタンスルホン酸ソーダ3ミリリットル並びに5%
水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキシエチレンエ
−テル(重合度10) 0.5gとを 700ミリリットルのポットミル
に入れ、染料ExF−2を 5.0gと酸化ジルコニウムビ
ーズ(直径1mm) 500ミリリットルを添加して内容物を2時間
分散した。この分散には中央工機製のBO型振動ボール
ミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、12.5%ゼラ
チン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過して除き、染料
のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.44
μmであった。
【0281】同様にして、ExF−3、ExF−4及び
ExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径
はそれぞれ、0.24μm、0.45μm、0.52μmであった。
ExF−5はEP549,489Aの実施例1に記載の微小析出
(Microprecipitation)分散方法により分散した。平均
粒径は0.06μmであった。
【0282】
【化85】
【0283】
【化86】
【0284】
【化87】
【0285】
【化88】
【0286】
【化89】
【0287】
【化90】
【0288】
【化91】
【0289】
【化92】
【0290】
【化93】
【0291】
【化94】
【0292】
【化95】
【0293】
【化96】
【0294】
【化97】
【0295】
【化98】
【0296】
【化99】
【0297】
【化100】
【0298】以上のように作成した感光材料を24mm幅、
160cmに裁断し、さらに感光材料の長さ方向の片側幅方
向から 0.7mmの所に2mm四方のパーフォレーションを
5.8mm間隔で2つ設ける。この2つのセットを32mm間隔
で設けたものを作成し、US 5,296,887のFIG. 1〜FIG. 7
に説明されているプラスチック製のフィルムカートリッ
ジに収納した。この試料に磁気記録層の塗布面側からヘ
ッドギャップ5μm、ターン数 2,000の入出力可能なヘ
ッドを用いて、感光材料の上記パーフォレーションの間
に 1,000mm/sの送り速度でFM信号を記録した。FM信号記
録後、乳剤面に1,000cmsの全面均一露光を与えて以下に
記載の方法で各々の処理を行なった後、再び元のプラス
チック製のフィルムカートリッジに収納した。
【0299】作成した試料101に対して、第3層〜第
5層中のシアンカプラーExC−2、ExC−3、Ex
C−5およびExC−7を表7に示すように本発明のシ
アンカプラーおよび/または比較カプラーに等モルで置
き換えた以外は全く試料101と同様に、試料102〜
110を作製した。
【0300】
【表7】
【0301】作製した試料に色温度4800Kでウエッ
ジ露光を与え、下記処理工程でシネ式自動現像機により
現像処理を行った。なお各試料を処理するに当たって、
発色現像液の累積補充量がタンク容量の3倍になるまで
あらかじめ試料101を用いてランニング処理を行っ
た。また用いた安定液は、安定(1) 工程と安定(3) 工程
には下記安定液Aを、安定(2) 工程には下記安定液Dを
用いた。
【0302】以下に処理工程を示す。 (処理工程) 処理工程 温度 時間 補充量* 発色現像 45℃ 75秒 8 漂白定着 40℃ 75秒 20 安 定(1) 40℃ 13秒 − 安 定(2) 40℃ 13秒 − 安 定(3) 40℃ 13秒 15 乾 燥 75℃ 30秒 − (安定は(3) から(1) への3タンク向流方式とした。) *24mm×160cm 1本当たり
【0303】各処理液の組成は以下の通りである。 (発色現像液) (単位g) タンク液 補充液 ジエチレントリアミン五酢酸 4.0 4.0 4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3− ジスルホン酸2ナトリウム塩 0.5 0.5 亜硫酸ナトリウム 4.0 8.0 炭酸カリウム 38.0 38.0 臭化カリウム 4.0 − ヨウ化カリウム 1.3mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 4.8 8.0 N,N−(ジスルフォナートエチル) ヒドロキシルアミン 5.0 8.0 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 10.0(0.034M) 20.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.40
【0304】 (漂白定着液) (単位g) タンク液 補充液 エチレンジアミン−(2−カルボキシ フェニル)−N,N′,N′−三酢酸 0.18モル 0.20モル 塩化第二鉄 0.16モル 0.18モル チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 300 ミリリットル 330 ミリリットル ヨウ化アンモニウム 1.0 − 亜硫酸アンモニウム 20.0 45.0 p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 20.0 25 コハク酸 12.0 12.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(硝酸とアンモニア水で調整) 6.0 5.5
【0305】 (安定液A) タンク液と補充液は同じ処方 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.05 ポリオキシエチレン−p−モノノフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 マロン酸(例示化合物I−21) 1.0 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02 水を加えて 1000ミリリットル pH(NaOH /硫酸にて) 6.5 (安定液B) タンク液と補充液は同じ処方 安定液Aと同じ。但しpHを6.0とする。 (安定液C) タンク液と補充液は同じ処方 安定液Aと同じ。但しpHを5.5とする。 (安定液D) タンク液と補充液は同じ処方 安定液Aと同じ。但しpHを5.0とする。 (安定液E) タンク液と補充液は同じ処方 安定液Aと同じ。但しpHを4.5とする。 (安定液F) タンク液と補充液は同じ処方 安定液Aと同じ。但しpHを4.0とする。 (安定液G) タンク液と補充液は同じ処方 安定液Aと同じ。但しpHを3.5とする。
【0306】処理後の各試料を60℃70%RHの条件
で1週間経時し、経時前のシアン濃度が2.0の露光量
における経時後のシアン濃度の変化を測定した。評価は
経時前の値を100とした相対値で表した。結果を表8
に示す。本発明の感光材料はシアン濃度の増色がほとん
ど見られず、画像保存性が非常に優れた感材であること
が解る。また本発明の化合物の中でも、一般式(I)お
よび(IV) で表される化合物が特に好ましく、中でも
(I)の化合物が好ましい。また(I)の化合物の中で
も特に置換基Yが−NHR3 で表されるものが好まし
い。
【0307】
【表8】
【0308】実施例2 実施例1で作製した試料103と106を用いて表9に
示す各処理液で現像処理を行い、処理後の各試料を用い
て、実施例1で行ったのと同様の経時テストに加え、マ
ゼンタの画像安定性についてもシアン画像と同様の方法
で評価した。結果を表9に示す。本発明の感光材料は、
安定液のpHを低く設定しても処理後のシアン画像の増
色が見られず、画像保存性に優れた感材であることが解
る。ただしpHを4よりも低く設定するとわずかではあ
るがシアン濃度の増色が見られた。また安定液のpHを
6以上に設定すると、経時によりマゼンタ濃度の増色が
見られあまり好ましくない。
【0309】
【表9】
【0310】実施例3 実施例1で作製した試料103と105を用いて以下に
示す処理工程で現像処理を行った。なお処理液は、実施
例1と同様の方法で試料101を用いてランニグ処理を
施したものを用いた。
【0311】 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 60秒 45.0℃ 260ミリリットル 1リットル 漂 白 20秒 45.0℃ 130ミリリットル 1リットル 定 着 40秒 45.0℃ 100ミリリットル 1リットル 安定(1) 15秒 45.0℃ − 1リットル 安定(2) 15秒 45.0℃ − 1リットル 安定(3) 15秒 45.0℃ 400ミリリットル 1リットル 乾 燥 45秒 80℃ *補充量は感光材料1m2当たり (水洗は(3) から定着までは4タンク向流多段カスケード)
【0312】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 4.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1− ジホスホン酸 3.3 3.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 6.5 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 2.0 − 沃化カリウム 1.3mg − ジナトリウム N,N−ビス(スルホナート エチル)ヒドロキシルアミン 12.0 17.0 2−メチル−4−〔N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ〕 アニリン硫酸塩 11.5 15.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調製) 10.05 10.25
【0313】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄 塩アンモニウム一水塩 0.33 0.50 硝酸第二鉄九水和物 0.30 4.5 臭化アンモニウム 0.80 1.20 硝酸アンモニウム 0.20 0.30 酢酸 0.67 1.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水で調製〕 4.0 4.0
【0314】 (定着液) タンク液、補充液共通(g) 亜硫酸アンモウニム 28 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 280ミリリットル イミダゾール 15 エチレンジアミン四酢酸 15 水を加えて 1.0リットル pH〔アンモニア水、酢酸で調製〕 5.8
【0315】(安定液)実施例1で用いたA〜Gの液
を、表10の様に用いた。
【0316】処理後の各試料について、試料作製時に記
録した磁気信号を、入力時と同一速度で読み出し、入力
ビット数に対しエラーを発生したビット数の比率で読み
とりエラー率を求めた。このエラー率が0.1%以上で
あればNGであり、0.05%以下、好ましくは0.0
1%以下であれば実用上の問題はない。またその後、さ
らに実施例1で行ったシアン画像の保存性試験を行っ
た。結果を表10に示す。本発明の、安定浴のpHが4
〜6である処理工程を用いた画像形成方法を用いると、
磁気記録の読み取りエラー率が向上し、またシアン画像
の保存安定性については、本発明のシアンカプラーを用
いた感材は処理後のシアン増色が見られず、画像保存性
に優れたものであることが解った。
【0317】
【表10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/407 G03C 7/407 G11B 5/633 G11B 5/633

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に、青感性ハロゲン化銀乳
    剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀
    乳剤層および非感光性層をそれぞれ少なくとも1層有
    し、かつ前記赤感性層中にマスキング用カプラーを含有
    する感光材料において、前記感光性層中または/および
    非感光性層中に含まれるシアン色画像形成カプラーの全
    量のうちの90モル%以上が下記一般式(I)〜(III)
    で表されるシアンカプラーであることを特徴とするハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は−CONR4R5 、−SO2NR4R5、−NHCOR4、−
    NHCOOR6 、−NHSO2R6、−NHCONR4R5 または−NHSO2NR4R
    5を、R2 はナフタレン環に置換可能な基を、lは0な
    いし3の整数を、Yは水素原子もしくは−NHR3を、R3
    は置換基を、Xは水素原子または芳香族第一級アミン現
    像薬酸化体とのカップリング反応により離脱可能な基を
    それぞれ表わす。ただし、R4 及びR5 は同じでも異な
    っていてもよく、独立に水素原子、アルキル基、アリー
    ル基または複素環基を、R6 はアルキル基、アリール基
    または複素環基を表わす。lが複数のときはR2 は同じ
    でも異なっていてもよく、また互いに結合して環を形成
    してもよい。R2 とR3 、またはR3 とXとが互いに結
    合して環を形成してもよい。また、R1 、R2 、R3
    たはXにおいて2価もしくは2価以上の基を介して互い
    に結合する2量体またはそれ以上の多量体を形成しても
    よい。またYが水素原子のときR1 は−CONR4Ar を表わ
    す) 【化2】 【化3】 一般式(II) および(III) において、R21はアルキル
    基、アリール基または複素環基を、R22はアルキル基
    を、R23は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリ
    ール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボンア
    ミド基またはウレイド基を、R24はアルキル基、アリー
    ル基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ま
    たはアミノ基を、X- は水素原子またはカップリング離
    脱基を、nは0または1をそれぞれ表わす。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写
    真感光材料を、カラー現像工程、脱銀工程、水洗および
    /または安定化処理工程を有し、該水洗および/または
    安定化処理工程のうちの少なくとも1浴のpHが4〜6
    である処理工程を用いて現像処理することを特徴とする
    ハロゲン化銀カラー写真感光材料の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記の感光材料が、透明支持体をはさん
    でハロゲン化銀乳剤層の反対側に磁性体粒子を含有する
    磁気記録層を有することを特徴とする請求項2に記載の
    画像形成方法。
JP17966395A 1995-06-23 1995-06-23 ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその画像形成方法 Pending JPH095956A (ja)

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JP17966395A JPH095956A (ja) 1995-06-23 1995-06-23 ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその画像形成方法

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