JPH09204025A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH09204025A
JPH09204025A JP8012754A JP1275496A JPH09204025A JP H09204025 A JPH09204025 A JP H09204025A JP 8012754 A JP8012754 A JP 8012754A JP 1275496 A JP1275496 A JP 1275496A JP H09204025 A JPH09204025 A JP H09204025A
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JP
Japan
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group
silver halide
layer
sensitive
emulsion
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Application number
JP8012754A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yamagami
博之 山上
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で且つ粒状性、色再現性および鮮鋭性
が共に優れ、保存期間中に写真性能の変動が少ない感光
材料の提供。 【解決手段】 最も高感度の緑感性ハロゲン化銀乳剤層
が平均アスペクト比が2以上で、ヨウ化銀含有率が5モ
ル%以上のヨウ臭化銀乳剤を含有し、かつ該緑感性ハロ
ゲン化銀層の少なくとも一層に特定のカプラーを含有
し、さらに青感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン
化銀乳剤層、非感光性親水性コロイド層又は該緑感性乳
剤層の少なくとも一層に該緑感性乳剤層が分光増感され
た領域の光を吸収することにより該緑感性乳剤層の感度
を20%以上低減する染料を含有する、異なる感光度を
もつ少なくとも二層の緑感性乳剤層を有するハロゲン化
銀カラー写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀カラー
写真感光材料に関し、特に平板状ハロゲン化銀乳剤と新
規な現像抑制剤放出化合物およびイラジエーション防止
染料を含有し、高感度で鮮鋭性、粒状性が良好であり、
かつ保存中の写真性能の変動が少ないハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料、特に
撮影用カラー感材においては、高感度で粒状性および鮮
鋭性が良好であり、保存中の写真性能の変動が少ないこ
とが要望されている。
【0003】色再現性および鮮鋭性を改良する手段とし
ては、特開昭51−146828号、同60−2186
45号、同61−156127号、同63−37346
号、特開平1−280755号、同1−219747
号、同2−230139号、ヨーロッパ特許公開348
139号、同354532号および同403019号等
に記載されている、現像抑制化合物をふたつのタイミン
グ基を介して放出するカプラーが知られている。確か
に、これらのタイミングDIRカプラーを用いることに
より、層間効果やエッジ効果が向上して色再現性と鮮鋭
性がある程度改良されたが、実質的に現像抑制剤の放出
が一段であること、またはその放出タイミングが好まし
くないことにより、その効果はまだまだ不充分なもので
あった。また、これらカプラーを用いた感光材料は、保
存中の写真性能の変動が大きいという問題もあった。
【0004】一方、高感度で粒状性、鮮鋭性の優れた感
材を提供する技術としては、ハロゲン化粒子の直径と厚
みの比(アスペクト比)が8:1位以上の平板状ハロゲ
ン化粒子を用いることが、たとえば特開昭58−113
934号等に提案されているが、色再現性、粒状性およ
び感材の保存性はまだまだ不満足なレベルであった。
【0005】高感度でかつ優れた粒状性を得るためには
乳剤の高ヨード化が必要であり、特開昭64−204
3、特公平5−75096などに提案されているが、鮮
鋭度の点で今一歩であった。
【0006】また、イラジエーション防止染料を用いて
鮮鋭度を向上させることが知られており、RD1764
3,RD18716,RD307105などに記載され
ているが、多量に使用すると、感度低下、保存性の劣化
などの問題があった。
【0007】特開昭5−11414に平板粒子とダブル
タイミングDIRカプラーの併用により粒状性、鮮鋭
度、保存性が改良されることが提案されているが、ある
程度量以上の染料との併用については記載されておら
ず、改良効果はまだまだ不充分なものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、高感度で且つ粒状性、色再現性および鮮鋭性が共に
優れる感光材料を提供することである。第二の目的は、
保存期間中に写真性能の変動が少ない感光材料を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、支持体上に
少なくとも一層の青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハ
ロゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳剤層を有
するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該緑感
性ハロゲン化銀乳剤層が異なる感光度をもつ少なくとも
二種類の感光性ハロゲン化銀層からなり、該感光性ハロ
ゲン化銀層のうちで最も高感度のハロゲン化銀乳剤層に
含有されるハロゲン化銀粒子が平均アスペクト比が2以
上、ヨウ化銀含有率5モル%以上のヨウ臭化銀であり、
かつ該感光性ハロゲン化銀層に下記一般式(I)および
/または下記一般式(II)で表される化合物を含有し、
さらに少なくとも一層に該緑感性ハロゲン化銀乳剤層が
分光増感された領域の光を吸収し、該緑感性ハロゲン化
銀乳剤層の感度を20%以上低減する染料を含有するこ
とを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料によっ
て解決された。
【0010】
【化3】
【0011】(式中Aはカプラー残基または酸化還元基
を表わし、L1 およびL3 は2価のタイミング基を表わ
し、L2 は3価もしくはそれ以上の結合手を有するタイ
ミング基を表わし、PUGは写真性有用基を表わす。j
とnはそれぞれ独立に0、1または2を表わし、mは1
または2を表わし、sはL2 の価数から1を引いた数で
あり2以上の整数を表わす。またL1 、L2 もしくはL
3 が分子内に複数個存在するとき、それらは全て同じで
あっても異なっていても良い。また複数個存在するPU
Gは全て同じであっても異なっていても良い。)
【0012】
【化4】 (式中、AとPUGは一般式(I)における定義と同義
である。L4 は−OCO−基、−OSO基、−OSO2
−基、−OCS−基、−SCO−基、−SCS−基また
は−WCR1112−基を表わす。ここでWは酸素原子、
硫黄原子または3級アミノ基(−NR13−)を表わし、
11およびR12はそれぞれ独立に水素原子または置換基
を表わし、R13は置換基を表わす。またR11、R12及び
13の各々が2価基を表わし、連結して環状構造を形成
する場合も含む。L5 は共役系に沿った電子移動により
PUGを放出する基もしくはL4 で定義される基を表わ
す。)
【発明の実施の形態】以下に、一般式(I)および一般
式(II)で示されるカプラーについて詳しく述べる。
【0013】一般式(I)において、Aは詳しくはカプ
ラー残基または酸化還元基を表わす。
【0014】Aで表わされるカプラー残基としては、例
えばイエローカプラー残基(例えばアシルアセトアニリ
ド、マロンジアニリドのような開鎖ケトメチレン型カプ
ラー残基)、マゼンタカプラー残基(例えば5−ピラゾ
ロン型、ピラゾロトリアゾール型またはイミダゾピラゾ
ール型のようなカプラー残基)、シアンカプラー残基
(例えばフェノール型、ナフトール型、ヨーロッパ公開
特許第249,453号に記載のイミダゾール型または
同304,001号に記載のピラゾロピリミジン型のよ
うなカプラー残基)および無呈色カプラー残基(例えば
イミダノン型またはアセトフェノン型のようなカプラー
残基)が挙げられる。また、米国特許第4,315,0
70号、同4,183,752号、同4,174,96
9号、同3,961,959号、同4,171,223
号または特開昭52−82423号に記載の複素環型の
カプラー残基であってもよい。
【0015】Aが酸化還元基を表わすとき、酸化還元基
とは、現像主薬酸化体によりクロス酸化されうる基であ
り、例えばハイドロキノン類、カテコール類、ピロガロ
ール類、1,4−ナフトハイドロキノン類、1,2−ナ
フトハイドロキノン類、スルホンアミドフェノール類、
ヒドラジド類またはスルホンアミドナフトール類が挙げ
られる。これらの基は具体的には、例えば特開昭61−
230135号、同62−251746号、同61−2
78852号、米国特許第3,364,022号、同
3,379,529号、同3,639,417号、同
4,684,604号またはJ.Org.Chem.,
29,588(1964)に記載されているものであ
る。
【0016】Aの好ましい例は、下記一般式(Cp−
1)、(Cp−2)、(Cp−3)、(Cp−4)、
(Cp−5)、(Cp−6)、(Cp−7)、(Cp−
8)、(Cp−9)、(Cp−10)または、(Cp−
11)で表わされるカプラー残基である。これらのカプ
ラーは、カップリング速度が大きく好ましい。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】 上式において、カップリング位より派生している*印
は、一般式(I)においてはL1 以下と、一般式(II)
においてはL4 以下の基との結合位置を表わす。
【0021】上式において、R51、R52、R53、R54
56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63、R
64またはR65が耐拡散基を含む場合、それは炭素数の総
数が8ないし40、好ましくは10ないし30になるよ
うに選択され、それ以外の場合、炭素数の総数は15以
下が好ましい。
【0022】以下にR51〜R65、k、d、eおよびfに
ついて詳しく説明する。以下でR41は脂肪族基、芳香族
基または複素環基を表わし、R42は芳香族基または複素
環基を表わし、R43、R44およびR45は水素原子、脂肪
族基、芳香族基または複素環基を表わす。
【0023】R51はR41と同じ意味を表わす。R52およ
びR53は、各々R42と同じ意味を表わす。kは0または
1を表わす。R54はR41と同じ意味の基、R41CON
(R43)−基、R4143N−基、R41SO2 N(R43
−基、R41S−基、R43O−基、R45N(R43)CON
(R44)−基、または :::C−基を表わす。R55はR41
と同じ意味の基を表わす。R56およびR57は、各々R43
基と同じ意味の基、R41S−基、R43O−基、R41CO
N(R43)−基、またはR41SO2 N(R43)−基を表
わす。R58はR41と同じ意味の基を表わす。R59はR41
と同じ意味の基、R41CON(R43)−基、R41OCO
N(R43)−基、R41SO2 N(R43)−基、R4344
NCON(R45)−基、R41O−基、R41S−基、ハロ
ゲン原子、またはR4143N−基を表わす。dは0ない
し3を表わす。dが複数のとき、複数個のR59は同じ置
換基または異なる置換基を表わす。また、それぞれのR
59が2価基となって連結し環状構造を形成してもよい。
環状構造を形成するときの例としては、例えばピリジン
環またはピロール環を形成する場合が挙げられる。R60
はR41と同じ意味の基を表わす。R61はR41と同じ意味
の基を表わす。R62はR41と同じ意味の基、R41OCO
NH−基、R41SO2 NH−基、R4344NCON(R
45)−基、R43RNSO2 N(R45)−基、R43O−
基、R41S−基、ハロゲン原子またはR4143N−基を
表わす。R63はR41と同じ意味の基、R43CON
(R45)−基、R4344NCO−基、R41SO2 N(R
44)−基、R4344NSO2 −基、R41SO2 −基、R
43OCO−基、R43O−SO2 −基、ハロゲン原子、ニ
トロ基、シアノ基またはR43CO−基を表わす。eは0
ないし4の整数を表わす。複数個のR62またはR63があ
るとき、これらは各々同じものまたは異なるものを表わ
す。R64およびR65は各々、R4344NCO−基、R41
CO−基、R4344NSO2 −基、R41OCO−基、R
41SO2 −基、ニトロ基またはシアノ基を表わす。Z1
は、窒素原子または=C(R66)−基(R66は水素原子
またはR63と同じ意味の基を表わす)を表わす。Z2
イオウ原子または酸素原子を表わす。fは0または1を
表わす。
【0024】上記において、脂肪族基とは炭素数1〜3
2、好ましくは1〜22の飽和または不飽和、鎖状また
は環状、直鎖または分岐、置換または無置換の脂肪族炭
化水素基である。代表的な例としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、(t)−ブチ
ル、(i)−ブチル、(t)−アミル、ヘキシル、シク
ロヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、1,1,
3,3−テトラメチルブチル、デシル、ドデシル、ヘキ
サデシル、またはオクタデシルが挙げられる。
【0025】芳香族基とは、炭素数6〜20で、好まし
くは置換もしくは無置換のフェニル基、または置換もし
くは無置換のナフチル基である。
【0026】複素環基とは、炭素数1〜20、好ましく
は1〜7で、複素原子が窒素原子、酸素原子もしくはイ
オウ原子から選ばれる、好ましくは3員ないし8員環の
置換もしくは無置換の複素環基である。複素環基の代表
的な例としては、2−ピリジル、2−フリル、2−イミ
ダゾリル、1−インドリル、2,4−ジオキソ−1,3
−イミダゾリジン−5−イル、2−ベンゾオキサゾリ
ル、1,2,4−トリアゾール−3−イルまたは4−ピ
ラゾリルが挙げられる。
【0027】前記脂肪族炭化水素基、芳香族基および複
素環基が置換基を有するとき、代表的な置換基として
は、ハロゲン原子、R47O−基、R46S−基、R47CO
N(R48)−基、R47N(R48)CO−基、R46OCO
N(R47)−基、R46SO2 N(R47)−基、R4748
NSO2 −基、R46SO2 −基、R47OCO−基、R47
48NCON(R49)−基、R46と同じ意味の基、R46
COO−基、R47OSO2 −基、シアノ基またはニトロ
基が挙げられる。ここで、R46は脂肪族基、芳香族基、
または複素環基を表わし、R47、R48およびR49は各々
脂肪族基、芳香族基、複素環基または水素原子を表わ
す。脂肪族基、芳香族基または複素環基の意味は前に定
義したのと同じ意味である。
【0028】次に、R51〜R65、k、d、eおよびfの
好ましい範囲について説明する。
【0029】R51は脂肪族基または芳香族基が好まし
い。R52およびR55は芳香族基が好ましい。R53は芳香
族基および複素環基が好ましい。
【0030】一般式(Cp−3)において、R54は、R
41CONH−基、またはR4143N−基が好ましい。R
56およびR57は脂肪族基、芳香族基、R41O−基、また
はR41S−基が好ましい。R58は脂肪族基または芳香族
基が好ましい。一般式(Cp−6)において、R59はク
ロール原子、脂肪族基またはR41CONH−基が好まし
い。dは1または2が好ましい。R60は芳香族基が好ま
しい。一般式(Cp−7)において、R59はR41CON
H−基が好ましい。一般式(Cp−7)においては、d
は1が好ましい。R61は脂肪族基または芳香族基が好ま
しい。一般式(Cp−8)において、eは0または1が
好ましい。R62としては、R41OCONH−基、R41
ONH−基またはR41SO2 NH−基が好ましく、これ
らの置換位置はナフトール環の5位が好ましい。一般式
(Cp−9)において、R63としてはR41CONH−
基、R41SO2 NH−基、R4143NSO2 −基、R41
SO2 −基、R4143NCO−基、ニトロ基またはシア
ノ基が好ましく、1は1または2が好ましい。一般式
(Cp−10)において、R63は、(R432 NCO−
基、R43OCO−基またはR43CO−基が好ましく、e
は1または2が好ましい。一般式(Cp−11)におい
て、R54は脂肪族基、芳香族基またはR41CONH−基
が好ましく、fは1が好ましい。またAは耐拡散基を有
することが好ましい。
【0031】一般式(I)において、L1 として好まし
くは以下のものが挙げられる。
【0032】(1)ヘミアセタールの開裂反応を利用す
る基 例えば米国特許第4,146,396号、特開昭60−
249148号および同60−249149号に記載さ
れた、下記一般式(T−1)で表わされる基である。こ
こで、*印は一般式(I)で表わされる化合物のAまた
はL1 と結合する位置を表わし、**印はL1 またはL
2 と結合する位置を表わす。
【0033】一般式(T−1) *−(W−CR11(R12))t −** 式中、Wは酸素原子、イオウ原子または−NR13−基を
表わし、R11およびR12は水素原子または置換基を表わ
し、R13は置換基を表わし、tは1または2を表わす。
tが2のとき、2つの−W−CR11(R12)は同じもの
もしくは異なるものを表わす。R11およびR12が置換基
を表わすときの該置換基およびR13の代表的な例として
は、各々R15基、R15CO−基、R15SO2 −基、R15
(R16)NCO−基またはR15(R16)NSO2 −基が
挙げられる。ここで、R15は脂肪族基、芳香族基または
複素環基を表わし、R16は水素原子、脂肪族基、芳香族
基または複素環基を表わす。R11、R12及びR13の各々
が2価基を表わし、これらが連結して環状構造を形成す
る場合も包含される。一般式(T−1)で表わされる基
の具体的例としては、下記のような基が挙げられる。
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】(2)分子内求核置換反応を利用して開裂
反応を起こさせる基 例えば米国特許第4,248,292号に記載されたタ
イミング基が挙げられる。下記一般式(T−2)で表わ
すことができる。
【0038】一般式(T−2) *−Nu−Link−E−** 式中、Nuは求核基を表わし、酸素原子またはイオウ原
子が求核種の例である。Eは求電子基を表わし、Nuよ
り求核攻撃を受けて**印との結合を開裂できる基であ
る。Linkは、NuとEとが分子内求核置換反応する
ことができるように、これらを立体的に関係づける連結
基を表わす。一般式(T−2)で表わされる基の具体例
は、例えば以下のものである。
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】(3)共役系に沿った電子移動反応を利用
して開裂反応を起こさせる基 例えば米国特許第4,409,323号、同第4,42
1,845号、特開昭57−188035号、同58−
98728号、同58−209736号、同58−20
9738号に記載された、下記一般式(T−3)で表わ
される基である。
【0042】
【化14】 式中、*印、**印、W、R11、R12およびtは、(T
−1)について説明したのと同じ意味を表わす。ただ
し、R11とR12とが結合してベンゼン環または複素環の
構成要素となってもよい。また、R11もしくはR12とW
とが結合して、ベンゼン環または複素環を形成してもよ
い。また、Z1 とZ2 はそれぞれ独立に炭素原子または
窒素原子を表わし、xとyは0または1を表わす。Z1
が炭素原子のときxは1であり、Z1 が窒素原子のとき
xは0である。Z2 とyとの関係も、Z1 とxとの関係
と同じである。また、tは1または2を表わし、tが2
のとき2つの−[Z1 (R11X =Z2 (R12Y ]−
は同じでも異なっていてもよい。また、**印に隣接す
る−CH2 −基は、炭素数1ないし6のアルキル基また
はフェニル基で置換されても良い。
【0043】以下に(T−3)の具体例を挙げる。
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】(4)エステルの加水分解による開裂反応
を利用する基 例えば西独公開特許第2,626,315号に記載され
た連結基であり、以下の一般式(T−4)および(T−
5)で表される基が挙げられる。式中、*印および**
印は一般式(T−1)について説明したのと同じ意味で
ある。
【0049】一般式(T−4) *−OCO−** 一般式(T−5) *−SCS−**
【0050】(5)イミノケタールの開裂反応を利用す
る基 例えば米国特許第4,546,073号に記載された連
結基であり、以下の一般式(T−6)で表わされる基で
ある。
【0051】
【化19】 式中、*印、**印およびWは一般式(T−1)におい
て説明したのと同じ意味であり、R14はR13と同じ意味
を表わす。一般式(T−6)で表わされる基の具体的例
としては、以下の基が挙げられる。
【0052】
【化20】 1 として好ましい例は、一般式(T−1)〜(T−
5)で示されるものであり、特に好ましくは(T−
1)、(T−3)および(T−4)である。jは好まし
くは0または1である。
【0053】一般式(I)において、L2 で示される基
は3価以上のタイミング基を表わし、好ましくは次の一
般式(T−L1 )、もしくは(T−L2 )で表わされる
ものである。
【0054】一般式(T−L1 ) *−W−[Z1 −R11x =Z2 (R12Y t −CH
2 −** 式中のW、Z1 、Z2 、R11、R12、x、yおよびt
は、一般式(T−3)について説明したのと同じ意味を
表わす。また、*印は一般式(I)中のA−(L1 1
−と結合する位置を、**印は−(L3 n −PUGと
結合する位置を表わす。ただし、複数個存在するR11
たはR12のうちの少なくとも1つは置換もしくは無置換
のメチレン基で、−(L3 n −PUGと結合する基を
表わす。
【0055】(T−L1 )として好ましい例はWが窒素
原子を表わす場合であり、さらに好ましくはWとZ2
結合して5員環を形成する場合であり、特に好ましくは
イミダゾール、もしくはピラゾール環を形成する場合で
ある。
【0056】一般式(T−L2 ) *−N−(Z3 −**)2 式中、*印と**印は一般式(T−L1 )と同義であ
る。Z3 基は置換もしくは無置換のメチレン基を表わ
し、2つのZ3 基は同じであっても異なっていても良
い。また、2つのZ3 基が結合して環を形成しても良
い。
【0057】以下に(T−L1 )および(T−L2 )の
具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0058】
【化21】
【0059】
【化22】
【0060】
【化23】
【0061】
【化24】
【0062】
【化25】
【0063】
【化26】
【0064】
【化27】 但し、ここで具体例に挙げた基はさらに置換基を有して
いてもよく、そのような置換基の例としては、アルキル
基(例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチ
ル、ヘキシル、メトキシメチル、メトキシエチル、クロ
ロエチル、シアノエチル、ニトロエチル、ヒドロキシプ
ロピル、カルボキシエチル、ジメチルアミノエチル、ベ
ンジル、フェネチル)、アリール基(例えばフェニル、
ナフチル、4−ヒドロキシフェニル、4−シアノフェニ
ル、4−ニトロフェニル、2−メトキシフェニル、2,
6−ジメチルフェニル、4−カルボキシフェニル、4−
スルホフェニル)、複素環基(例えば2−ピリジル、4
−ピリジル、2−フリル、2−チエニル、2−ピロリ
ル)、ハロゲン原子(例えばクロロ、ブロモ)、ニトロ
基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、イソプ
ロポキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、
アルキルチオ基(例えばメチルチオ、イソプロピルチ
オ、t−ブチルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニ
ルチオ)、アミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、
ジイソプロピルアミノ)、アシルアミノ基(例えばアセ
チルアミノ、ベンゾイルアミノ)、スルホンアミド基
(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミ
ド)、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニ
ル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル)、アリールオキシカルボニル(例えばフェノキシカ
ルボニル)もしくはカルバモイル基(例えばN−エチル
カルバモイル、N−フェニルカルバモイル)が挙げられ
る。
【0065】中でも好ましいのは、アルキル基、ニトロ
基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アシル
アミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル
基、およびカルバモイル基である。
【0066】また、一般式(T−L1 )において、**
印に隣接する−CH2 −基は炭素数1ないし6のアルキ
ル基またはフェニル基で置換されていても良い。
【0067】一般式(I)において、mは好ましくは1
である。
【0068】一般式(I)において、L3 で表わされる
基はL1 と同義である。
【0069】一般式(I)において、nは好ましくは0
または1であり、特に好ましくは0である。
【0070】一般式(I)において、PUGで表わされ
る写真性有用基は詳しくは現像抑制剤、色素、カブラセ
剤、現像薬、カプラー、漂白促進剤、定着促進剤などで
ある。好ましい写真性有用基の例は、米国特許第4,2
48,962号に記載のある写真性有用基(該特許中、
一般式PUGで表わされるもの)、特開昭62−493
53号に記載のある色素(該明細書中、カプラーより放
出される離脱基の部分)、米国特許第4,477,56
3号に記載のある現像抑制剤、および特開昭61−20
1247号および特開平2−55号に記載のある漂白促
進剤(該明細書中、カプラーより放出される離脱基の部
分)が挙げられる。本発明において、写真性有用基とし
て特に好ましいものは現像抑制剤である。
【0071】現像抑制剤として好ましいのは、下記一般
式(INH−1)〜(INH−13)で表わされる基で
ある。
【0072】
【化28】
【0073】
【化29】
【0074】
【化30】 式中のR21は、水素原子、または置換もしくは無置換の
炭化水素基(例えばメチル、エチル、プロピル、フェニ
ル)を表わす。
【0075】
【化31】
【0076】
【化32】
【0077】
【化33】 式中の*は、一般式(I)で表わされる化合物のL2
しくはL3 で表わされる基と結合する位置を表わす。
【0078】また、**は置換基と結合する位置を表わ
し、該置換基の例としては、置換もしくは無置換の脂肪
族基、アリール基、複素環基が挙げられ、写真処理時に
処理液中で分解する基がこれら置換基中に含まれている
のが好ましい。
【0079】具体的にいえば、脂肪族基としては、例え
ばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、デシ
ル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2
−メチルチオエチル、ベンジル、4−メトキシベンジ
ル、フェネチル、1−メトキシカルボニルエチル、プロ
ピルオキシカルボニルメチル、メトキシカルボニル、フ
ェノキシカルボニル、2−(プロピルオキシカルボニ
ル)エチル、ブチルオキシカルボニルメチル、ペンチル
オキシカルボニルメチル、2−シアノエチルオキシカル
ボニルメチル、2,2−ジクロロエチルオキシカルボニ
ルメチル、3−ニトロプロピルオキシカルボニルメチ
ル、4−ニトロベンジルオキシカルボニルメチル、2,
5−ジオキソ−3,6−ジオキサデシル、−CO2 CH
2 CO2 100で表わされる基が挙げられる。
【0080】ここで、R100 は炭素数1ないし8の無置
換アルキル基を表わす。また、アリール基の例として
は、フェニル、ナフチル、4−メトキシカルボニルフェ
ニル、4−エトキシカルボニルフェニル、2−メチルチ
オフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、4−
(2−シアノエチルオキシカルボニル)−フェニルが挙
げられる。
【0081】また、複素環基としては、例えば4−ピリ
ジル、3−ピリジル、2−ピリジル、2−フリル、2−
テトラヒドロピラニルが挙げられる。
【0082】これらの中で、INHとして好ましいのは
(INH−1)、(INH−2)、(INH−3)、
(INH−4)、(INH−9)および(INH−1
2)であり、特に好ましくは(INH−1)、(INH
−2)および(INH−3)である。
【0083】また、INHと結合する置換基として好ま
しいのは、脂肪族基または置換もしくは無置換のフェニ
ル基である。
【0084】一般式(I)で表わされる化合物として特
に好ましいのは、下記一般式(Ia)もしくは(Ib)
で表わされる化合物である。
【0085】一般式(a) A−(L1 j −W−[Z1 −(R11x =Z
2 (R12y t−CH2 −PUG 一般式(b) A−(L1 )−N−(Z3 −PUG)2 式中の記号は、一般式(I)、(T−L1 )および(T
−L2 )で説明したのと同義である。一般式(Ia)に
おいて、jは0または1が好ましい。一般式(Ia)お
よび(Ib)において、L1 としては−OC(=0)−
基が好ましく、またPUGとしては現像抑制剤が好まし
い。
【0086】但し、複数の写真性有用基が異なる機能を
有するものである場合、タイミング基は分子内求核置換
を利用するものではない。
【0087】また、ここで写真性有用基の機能とは、現
像抑制剤、色素、カブラセ剤、現像薬、カプラー、漂白
促進剤もしくは定着剤等が示す機能を意味する。
【0088】さらに、同一化合物中から放出されるふた
つ以上のPUGは、同一の現像抑制剤であることが特に
好ましい。
【0089】次に、一般式(II)で表わされる化合物に
ついて説明する。一般式(II)において、AとPUGは
一般式(I)で定義したのと同義である。L4 は−OC
O−基、−OSO−基、−OSO2 −基、−OCS−
基、−SCO−基、−SCS−基または−WCR1112
−基を表わす。ここで、W、R11およびR12は一般式
(I)で表わされる化合物のL1 の説明における一般式
(T−1)中の定義と同義である。
【0090】L4 が−WCR1112−基を表わすときの
好ましい例は、Wが酸素原子または3級アミノ基を表わ
すときであり、さらに好ましくは、L4 が−OCH2
基またはWとR11もしくはR12が環を形成する基を表わ
す場合である。
【0091】また、L4 が−WCR1112−以外の基を
表わす場合、このL4 は好ましくは−OCO−基、−O
SO−基、−OSO2 −基であり、特に好ましくは−O
CO−基である。
【0092】L5 で表わされる基は、共役系に沿った電
子移動でPUGを放出する基もしくはL4 で定義される
基を表わす。共役系に沿った電子移動によりPUGを放
出する基は、一般式(I)のL1 の説明の中の一般式
(T−3)で表わされる基と同義である。L5 として好
ましいのは、共役系に沿った電子移動によりPUGを放
出する基であり、さらに好ましくは窒素原子でL4 と結
合しうる基である。
【0093】一般式(II)で表わされる化合物のうちで
好ましいものは、下記一般式(III)もしくは一般(IV)
で表わされる化合物である。
【0094】一般式(III)
【0095】
【化34】 式中、Aは一般式(I)での定義と同義である。R101
とR102 は、それぞれ独立に水素原子もしくは置換基を
表わす。R103 とR104 は、それぞれ独立に水素原子も
しくは置換基を表わす。INHは現像抑制能を有する基
を表わす。R10 5 は無置換のフェニル基もしくは1級ア
ルキル基、またはアリール基以外の基で置換された1級
アルキル基を表わす。但し、R101 〜R104 のうち少な
くとも1つは水素原子以外の置換基である。
【0096】一般式(IV)
【0097】
【化35】 一般式(IV)で表わされる化合物について詳しく説明す
ると、一般式(IV)において、A、INH、およびR
105 は一般式(III)で定義したのと同義である。
111 、R112 およびR113 はそれぞれ水素原子もしく
は有機残基を表わし、R111 、R112 およびR113 の任
意の2つが2価基となって連結し、環を形成しても良
い。
【0098】一般式(III)で表わされる化合物について
更に詳しく説明する。
【0099】一般式(III)において、Aは一般式(I)
におけると同義である。R101 およびR102 は、それぞ
れ独立に水素原子もしくは置換基を表わす。置換基の具
体例としては、アリール基(例えばフェニル、ナフチ
ル、p−メトキシフェニル、p−ヒドロキシフェニル、
p−ニトロフェニル、o−クロロフェニル)、アルキル
基(例えばメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、
tert−ブチル、tert−アミル、イソブチル、s
ec−ブチル、オクチル、メトキシチメル、1−メトキ
シエチル、2−クロロエチル)、ハロゲン原子(例えば
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、アルコキシ基
(例えばメトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プ
ロピルオキシ、tert−ブチルオキシ、イソブチルオ
キシ、ブチルオキシ、オクチルオキシ、2−メトキシエ
トキシ、2−クロロエトキシ、ニトロメチル、2−シア
ノエチル、2−カルバモイルエチル、または2−ジメチ
ルカルバモイルエチル)、アリールオキシ基(例えばフ
ェノキシ、ナフトキシ、またはp−メトキシフェノキ
シ)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチ
オ、イソプロピルチオ、プロピルチオ、tert−ブチ
ルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、オクチ
ルチオまたは2−メトキシエチルチオ)、アリールチオ
基(例えばフェニルチオ、ナフチルチオ、またはp−メ
トキシフェニルチオ)、アミノ基(例えばアミノ、メチ
ルアミノ、フェニルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチル
アミノ、ジイソプロピルアミノ、またはフェニルメチル
アミノ)、カルバモイル基(例えばカルバモイル、メチ
ルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカル
バモイル、ジイソプロピルカルバモイル、エチルカルバ
モイル、イソプロピルカルバモイル、tert−ブチル
カルバモイル、フェニルカルバモイルまたはフェニルメ
チルカルバモイル)、スルファモイル基(例えばスルフ
ァモイル、メチルスルファモイル、エチルスルファモイ
ル、イソプロピルスルファモイル、フェニルスルファモ
イル、オクチルスルファモイル、ジメチルスルファモイ
ル、ジエチルスルファモイル、ジイソプロピルスルファ
モイル、ジヘキシルスルファモイル、またはフェニルメ
チルスルファモイル)、アルコキシカルボニル基(例え
ばメトキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、イ
ソプロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシ
カルボニル、tert−アミルオキシカルボニル、また
はオクチルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボ
ニル基(例えばフェノキシカルボニルまたはp−メトキ
シフェノキシカルボニル)、アシルアミノ基(例えばア
セチルアミノ、プロパノイルアミノ、ペンタノイルアミ
ノ、N−メチルアセチルアミノ、またはベンゾイルアミ
ノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミ
ド、エタンスルホンアミド、ペンタンスルホンアミド、
ベンゼンスルホンアミドまたはp−トルエンスルホンア
ミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えばメトキ
シカルボニルアミノ、イソプロピルオキシカルボニルア
ミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノまたはヘキ
シルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボ
ニルアミノ基(例えばフェノキシカルボニルアミノ)、
ウレイド基(例えば3−メチルウレイド、または3−フ
ェニルウレイド)、シアノ基もしくはニトロ基が挙げら
れる。
【0100】R101 とR102 は同じでも異なっていても
良いが、両者の式量の和が120未満であることが好ま
しい。また、好ましい置換基としてはアルキル基、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基が挙げられ、特に好ましくはア
ルキル基である。
【0101】一般式(III)において、R103 とR104
表わされる基は、それぞれ独立に水素原子もしくはアル
キル基を表わす。アルキル基としては、例えばメチル、
エチル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチ
ル、ヘキシル、または2−メトキシエチルが挙げられ
る。R103 およびR104 として好ましいのは、水素原
子、メチル基、もしくはエチル基であり、特に好ましく
は水素原子である。
【0102】一般式(III)において、R105 で表わされ
る基は無置換のフェニル基もしくは1級アルキル基、ま
たはアリール基以外の基で置換された1級アルキル基を
表わす。アルキル基としては、例えばエチル、プロピ
ル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、2
−メチルブチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、3−
メチルペンチル、4−メチルペンチル、2−エチルブチ
ル、ヘプチル、またはオクチルが挙げられる。置換基と
しては、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル
チオ基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル
基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、スルホ
ンアミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド
基、シアノ基、ニトロ基、もしくは−CO2 CH2 CO
2 106 で表わされる基が挙げられ、それぞれの基の具
体例としてはR101 およびR102 の置換基で挙げたもの
の中でアリール基を含む基を除いたものが挙げられる。
【0103】また、R106 は炭素数3ないし6の無置換
アルキル基(例えばプロピル、ブチル、イソブチル、ペ
ンチル、イソペンチル、ヘキシル)を表わす。
【0104】さらに、R105 は2種類以上の置換基で置
換されていてもよい。R105 の置換基として好ましいの
は、フルオロ、クロロ、アルコキシ基、カルバモイル
基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、も
しくは−CO2 CH2 CO2 106 である。これらのう
ちで特に好ましいのは、アルコキシカルボニル基、もし
くは−CO2 CH2 CO2 106 基である。
【0105】また、R105 として好ましいのはフェニル
基、もしくは炭素数2ないし6の1級無置換アルキル
基、または先にR105 の好ましい置換基として挙げた基
により置換された1級アルキル基である。特に好ましく
は、炭素数3ないし5の1級無置換アルキル基またはア
ルコキシカルボニル基で置換された1級アルキル基であ
る。
【0106】一般式(III)において、INHで表わされ
る基は現像抑制能を有する基を表わし、その具体例は、
一般式(I)のPUGの説明で挙げた(INH−1)〜
(INH−13)である。その好ましい範囲等も、一般
式(I)の場合と同じである。
【0107】次に、一般式(IV)で表わされる化合物に
ついて詳しく説明する。
【0108】まず、R111 、R112 およびR113 のそれ
ぞれが、水素原子もしくは1価の有機基を表わす場合に
ついて説明する。
【0109】R112 およびR113 が1価の有機基を表わ
す場合、有機基としてはアルキル基(例えばメチル、エ
チル)もしくはアリール基(例えばフェニル)が好まし
い。R112 およびR113 として好ましいのは、少なくと
もいずれかが水素原子である場合であり、特に好ましく
はR112 とR113 が水素原子であるときである。
【0110】R111 は有機基を表わし、好ましくは以下
に挙げる基である。アルキル基(例えばメチル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、se
c−ブチル、ネオペンチル、ヘキシル)、アリール基
(例えばフェニル)、アシル基(例えばアセチル、ベン
ゾイル)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル、ベ
ンゼンスルホニル)、カルバモイル基(例えばエチルカ
ルバモイル、フェニルカルバモイル)、スルファモイル
基(例えばエチルスルファモノル、フェニルスルファモ
イル)、アルコキシカルバホニル基(例えばエトキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル)、アリールオキシカル
ボニル基(例えばフェノキシカルボニル、4−メチルフ
ェノキシカルボニル)、アルコキシスルホニル基(例え
ばブトキシスルホニル、エトキシスルホニル)、アリー
ルオキシスルホニル基(例えばフェノキシスルホニル、
4−メトキシフェノキシスルホニル)、シアノ基、ニト
ロ基、ニトロソ基、チオアシル基(例えばチオアセチ
ル、チオベンゾイル)、チオカルバモイル基(例えばエ
チルチオカルバモイル)、イミドイル基(例えばN−エ
チルイミドイル基)、アミノ基(例えばアミノ、ジメチ
ルアミノ、メチルアミノ)、アシルアミノ基(例えばホ
ルミルアミノ、アセチルアミノ、N−メチルアセチルア
ミノ)、アルコキシ基(例えばメトキシ、イソプロピル
オキシ)、またはアリールオキシ基(例えばフェノキ
シ)である。
【0111】また、これらの基は更に置換基を有してい
てもよく、その置換基の例としてはR111 として挙げた
基のほか、ハロゲン原子(例えばフルオロ、クロロ、ブ
ロモ)、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。
【0112】R111 は、水素原子以外の原子の数が15
以下であることが好ましい。
【0113】また、R111 として更に好ましいのは置換
もしくは無置換のアルキル基もしくはアリール基であ
り、特に好ましいのは置換もしくは無置換のアルキル基
である。
【0114】次に、R111 ,R112 およびR113 で表わ
される基において、これらのうちの任意の2つが2価基
となって連結し、環を形成する場合について説明する。
【0115】形成される環の大きさは4ないし8員環が
好ましく、より好ましくは4ないし6員環である。
【0116】2価基として好ましいのは、以下に挙げる
基である。
【0117】−C(=0)−N(R114 )−、−SO2
−N(R114 )−、−(CH2 3−、−(CH2 4
−、−(CH2 5 −、−C(=0)−(CH2
2 −、−C(=0)−N(R114 )−C(=0)−、−
SO2 −N(R114 )−C(=0)−、−C(=0)−
C(R114 )(R115 )−、−(CH2 2 −O−CH
2−である。
【0118】ここで、R114 およびR115 は水素原子、
もしくはR111 が1価の有機基を表わす場合と同義であ
り、R114 とR115 は同じであっても異なっていてもよ
い。
【0119】R111 ,R112 ,R113 のうち、2価基と
して参与しない残りの基は水素原子もしくは1価の有機
基を表わし、有機基の具体例等は環を形成しない場合に
示したR111 ,R112 ,R113 の場合と同じである。
【0120】R111 ,R112 ,R113 のうちの任意の2
つが結合して環を形成する場合、好ましくはR112 とR
113 のいずれかが水素原子であり、残りのR112 ないし
11 3 がR111 と環を形成する場合である。更に好まし
くは、先に挙げた2価基の左端が一般式(I)の窒素原
子と結合し、右端が炭素原子と結合する場合である。
【0121】また、R111 ,R112 ,R113 として好ま
しいのは、環を形成せず、それぞれが水素原子もしくは
1価の有機基を表わす場合である。
【0122】一般式(I)および(II)において、Aと
PUGで表わされる基を除いた残基の式量は64以上か
つ240以下であることが好ましく、更に好ましくは7
0以上かつ200以下であり、特に好ましくは90以上
かつ180以下である。
【0123】以下に本発明の一般式(I)〜(IV)で表
わされる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらによ
って限定されるものではない。
【0124】なお、一般式(I)においてAがカプラー
残基を表すものについては(CA)を頭につけた番号
で、一般式(II)〜(IV)においてAがカプラー残基を
表わすものについては(CB)を頭につけた番号で、一
般式(I)〜(IV)においてAが酸化還元基を表すもの
については(SA)を頭につけた番号で示した。
【0125】
【化36】
【0126】
【化37】
【0127】
【化38】
【0128】
【化39】
【0129】
【化40】
【0130】
【化41】
【0131】
【化42】
【0132】
【化43】
【0133】
【化44】
【0134】
【化45】
【0135】
【化46】
【0136】
【化47】
【0137】
【化48】
【0138】
【化49】
【0139】
【化50】
【0140】
【化51】
【0141】
【化52】
【0142】
【化53】
【0143】
【化54】
【0144】
【化55】
【0145】
【化56】
【0146】
【化57】
【0147】
【化58】
【0148】
【化59】
【0149】
【化60】
【0150】
【化61】
【0151】
【化62】
【0152】
【化63】
【0153】
【化64】
【0154】
【化65】
【0155】
【化66】
【0156】
【化67】
【0157】
【化68】
【0158】
【化69】
【0159】
【化70】 本発明の化合物の合成には、例えば米国特許第4847
383号、同第4770990号、同第4684604
号、同第4886736号、特開昭60−218645
号、同61−230135号、および特開平6−324
439号に記載の方法もしくは類似の方法を利用するこ
とができる。
【0160】以下、具体的合成例について述べる。
【0161】(合成例1): 例示化合物(CA−1)
の合成 下記合成ルートにより合成した。
【0162】
【化71】 CA−1a(3.40g)を塩化チオニル(30ml)中
60℃で1時間反応させた後,過剰の塩化チオニルを減
圧下で留去した。この残渣を、CA−1b(7.48
g)とジイソプロピルエチルアミン(10.5ml)のジ
メチルホルムアミド溶液(0℃)に加え、1時間攪拌し
た。その後、この溶液を水(500ml)中にあけ、生じ
た結晶を瀘取することにより、CA−1cを粗結晶とし
て9.8g得た。構造はNMRにより確認した。
【0163】CA−1c(3.20g)とCA−1d
(1.38g)とを、1,2−ジクロロエタン(30m
l)中で1時間反応させた。そこに、CA−1e(3.
20g)の酢酸エチル(20ml)溶液を水冷下で加え、
続いてジイソプロピルエチルアミン(4.5ml)を加え
た後、1時間攪拌した。
【0164】1規定塩酸で反応を止め、クロロホルム
(30ml)を加えて反応液を希釈した。その後、反応液
を水で3回水洗し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し
た。有機溶媒を留去して得られた油状物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン=1:
5)にて精製することにより、例示化合物CA−1を
1.20g得た。構造はNMRにより確認した。m.p.1
33.0〜134.0℃。
【0165】(合成例2): 例示化合物(CA−1
9)の合成 下記合成ルートにより合成した。
【0166】
【化72】 CA−19a(10.7g)と37%ホルマリン水溶液
(30ml)とを、酢酸(100ml)中において70℃で
5時間反応させた後、溶媒を減圧下で留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘ
キサン2:1)にて精製することにより、CA−19b
を6.4g(収率53%)得た。
【0167】次に、CA−19b(3.2g)とCA−
19c(2.1g)をクロロホルム(40ml)に懸濁さ
せ、そこにヨウ化亜鉛(5.7g)を加え、室温で2時
間反応させた。1N塩酸で反応を止め、クロロホルム4
0mlで希釈した後、反応液を水で2回洗浄した。有機層
を硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した後、得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘ
キサン1:4)にて精製することにより、例示化合物
(CA−19)を4.1g(収率25%)得た。構造は
NMR、マススペクトル、元素分析により確認した。
【0168】(合成例3): 例示化合物(CA−2)
の合成 下記合成ルートにより合成した。
【0169】
【化73】 CB−2a(10mmol)をクロロホルム(30ml)に懸
濁させ、そこに塩化チオニル(20mmol)を加え、50
℃で1時間反応させた後、溶媒を留去した。ここで得ら
れた残渣を、CB−2b(10mmol)とジイソプロピル
エチルアミン(20mmol)のジメチルホルムアミド(3
0ml)溶液に加えて1時間反応させた後、氷水(200
ml)中にあけた。クロロホルム50mlを加えて攪拌した
後に水相を分離し、有機相を水(100ml)で更に2回
洗浄した。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮
することによりCB−2cを得た。
【0170】得られたCB−2cをクロロホルム(30
ml)に溶かし、そこにクロロ炭酸ニトロフェニル(10
mmol)を加えて1時間反応させた。続いてCB−2d
(10mmol)の酢酸エチル(50ml)溶液を加え、更に
ジイソプロピルエチルアミン(50mmol)を加えた後、
1時間反応させた。1N塩酸(10ml)を加えて反応を
止めた後、酢酸エチル(10ml)で希釈した。有機層を
水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液:酢酸エチル−ヘキサン1:3)にて精製することに
より、例示化合物CB−2を1.94g(23%収率)
を得た。m.p.101.5〜102.5℃。
【0171】(合成例4): 例示化合物CB−3の合
成 下記合成ルートにて合成した。
【0172】
【化74】 (CB−3a)を原料として,例示化合物CB−2と同
様の方法により合成することができた。収率31%。
m.p.68.0−69.0℃。
【0173】(合成例5): 例示化合物(CB−1
6)の合成
【0174】
【化75】 (CB−16a)200gと(CB−16b)34.7
gを酢酸エチル(500ml)に溶解し、そこにジイソプ
ロピルエチルアミン(142ml)を加えて4時間攪拌し
た。析出した結晶を瀘取し、酢酸エチルで洗浄すること
により、(CB−16c)を176g(75%)得た。
【0175】(CB−16c)53.6gとパラホルム
アルデヒド(27.9g)とを、1,2−ジクロロエタ
ン(500ml)と酢酸(54ml)との混合液中におい
て、還流下で4時間反応させた。室温に冷却後、反応液
を水洗いし、無水硫酸ナリトウムで乾燥後濃縮した。得
られた残渣を、クロロホルムを溶出液とするシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製することにより、(C
B−16d)を23.2g(41.2%)得た。
【0176】(CB−16d)23.2gと(CB−1
6e)6.78gをクロロホルム(250ml)に溶解
し、そこに沃化亜鉛26.88gを加えて3時間攪拌し
た。1N塩酸を加えた後、反応液を水洗した。有機層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキ
サン1:4)にて精製することにより、例示化合物(C
B−16)を7.0g得た(23.9%)。m.p.1
17.0〜118.5℃。
【0177】(合成例6): 例示化合物(CB−1
8)の合成 合成5と同様の方法により合成した。m.p.61.5
−63.0℃。
【0178】(合成例7): 例示化合物CB−25の
合成 特開昭60−218645号の合成例2と同様の方法に
より合成した。収率7% m.p.115℃。
【0179】(合成例8): 例示化合物SA−6の合
成 下記合成ルートにより合成した。
【0180】
【化76】 SA−6a(特開昭61−230135号に記載の方法
と同様の方法にて合成した)11.6gを、水冷下塩化
チオニル30mlに加え、50℃で更に1時間反応させ
た。過剰の塩化チオニルを減圧下留去し、析出した結晶
を少量の氷冷したクロロホルムで洗浄することにより、
SA−6bを粗結晶として得た。次に、このSA−6b
13.1gを、SA−6c 7.2gとトリエチルア
ミン12.1gのN,N−ジメチルホルムアミド(10
0ml)溶液に0℃で加え、その後に室温で1時間さらに
反応させた。
【0181】2N塩酸60mlと氷水300mlの水溶液に
反応混合物をあけ、更に酢酸エチル300mlを加えて攪
拌した。その液を分液ロートに移して油層をとり、水で
数回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃
縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて精製(酢酸エチル−ヘキサン=1/4〜1/1(V
/V)を溶出液として用いた)することにより、例示化
合物SA−6をアモルファスとして3.7g得た。
【0182】次に、本発明の緑感性ハロゲン化銀乳剤層
のうち最も高感度のハロゲン化銀乳剤層に用いる平板状
ハロゲン化銀乳剤について詳しく説明する。
【0183】本発明に用いる平板状ハロゲン化銀乳剤の
ハロゲン化銀粒子は平均アスペクト比が2以上かつヨウ
化銀含有率5モル%以上のヨウ臭化銀からなるものであ
る。
【0184】本発明に使用する平板状ハロゲン化銀乳剤
において、アスペクト比とは、ハロゲン化銀粒子におけ
る厚みに対する直径の比を意味する。すなわち、個々の
ハロゲン化銀粒子の直径を厚みで除した値である。ここ
で直径とは、ハロゲン化銀乳剤を顕微鏡又は電子顕微鏡
で観察したとき、粒子の投影面積と等しい面積を有する
円の直径を指すものとする。
【0185】平均アスペクト比とは、個々のハロゲン化
銀粒子のアスペクト比を求め、アスペクト比の大きな順
に各粒子の投影面積を加えていき、その面積が全粒子の
投影面積の50%に到達したときの、それらの粒子のア
スペクト比の平均値をいう。
【0186】本発明のハロゲン化銀乳剤に用いられる平
板状ハロゲン化銀粒子において、粒子径は粒子厚さの2
倍以上であるが、好ましくは3〜20倍、より好ましく
は4〜15倍、特に好ましくは5〜10倍である。ま
た、全ハロゲン化銀粒子の投影面積における平板状ハロ
ゲン化銀粒子の占める割合は50%以上であるが、好ま
しくは70%以上、特に好ましくは85%以上である。
【0187】本発明のハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀
粒子の平均ヨウ化銀含有量は5モル%以上であり、好ま
しくは5モル%以上30モル%未満、さらに好ましく
は、5モル%以上20モル%未満、特に好ましくは、5
モル%以上15モル%未満である。
【0188】また、平板状ハロゲン化銀粒子の径は、
0.02〜20μm 、好ましくは0.3〜10.0μm
であり、特に好ましくは0.4〜5.0μm である。粒
子の厚みとしては、好ましくは0.5μm 以下である。
ここで平板状ハロゲン化銀粒子径とは、粒子の投影面積
に等しい面積の円の直径をいう。また、粒子の厚みと
は、平板状ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行な面
の間の距離で表わされる。
【0189】本発明において、より好ましい平板状ハロ
ゲン化銀粒子は、粒子直径が0.3μm 以上かつ10.
0μm 以下で、粒子厚さが0.3μm 以下であり、平均
(直径/厚さ)が5以上かつ10以下のものである。こ
れ以上になると、感光材料を折り曲げたり固く巻き込ん
だり、あるいは鋭利な物に触れた時に、写真性能に異常
が出ることがあるため好ましくない。さらに好ましいの
は、粒子直径が0.4μm 以上かつ5.0μm 以下で、
平均(直径/厚さ)が5以上の粒子が全ハロゲン化銀粒
子の全投影面積の85%以上を占めるハロゲン化銀乳剤
の場合である。
【0190】本発明で使用する平板状ハロゲン化銀粒子
は、沃臭化銀の混合ハロゲン化銀における組成分布は均
一でも局在化していてもよい。
【0191】本発明で使用する平板状のハロゲン化銀乳
剤は、Cugnac,Chateauの報告や、Duf
fin著“Photographic Emulsio
nChemistry”(Focal Press刊、
New York 1966年)66頁〜72頁、及び
A.P.H.Trivelli,W.F.Smith編
“Phot.Jouranl”80(1940年)28
5頁に記載されているが、特開昭58−113927
号、同58−113928号、同58−127921号
に記載された方法を参照すれば容易に調製することがで
きる。
【0192】例えば、pBrが1.3以下の比較的高p
Ag値の雰囲気中において平板状粒子が重量で40%以
上存在する種晶を形成し、同程度のpBrに保ちつつ銀
及びハロゲン溶液を同時に添加しながら種晶を成長させ
ることにより得られる。この粒子成長過程においては、
新たな結晶核が発生しないように銀及びハロゲン溶液を
添加することが望ましい。
【0193】平板状ハロゲン化銀粒子の大きさは、温度
調節、溶剤の種類や質の選択、粒子成長時に用いる銀
塩、及びハロゲン化物の添加速度等をコントロールする
ことにより調整することができる。
【0194】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の製造時
に、必要に応じてハロゲン化銀溶剤を用いることによ
り、粒子サイズ、粒子の形状(直径/厚み比等)、粒子
サイズの分布、粒子の成長速度をコントロールすること
ができる。溶剤の使用量は、反応溶液の10-3〜1.0
重量%の範囲が好ましく、特に10-2〜10-1重量%の
範囲が好ましい。本発明においては、溶剤の使用量の増
加と共に粒子サイズ分布を単分散化し、成長速度を進め
ることができる一方、溶剤の使用量と共に粒子の厚みが
増加する傾向もある。
【0195】本発明においては、ハロゲン化銀溶剤とし
て公知のものを使用することができる。しばしば用いら
れるハロゲン化銀溶剤の例としては、アンモニア、チオ
エーテル、チオ尿素類、チオシアネート塩、チアゾリン
チオン類を挙げることができる。チオエーテルに関して
は、米国特許第3,271,157号、同第3,57
4,628号、同第3,790,387号等を参考にす
ることができる。また、チオ尿素類に関しては特開昭5
3−82408号、同55−77737号、チオシアネ
ート塩に関しては米国特許第2,222,264号、同
第2,448,534号、同第3,320,069号、
チアゾリンチオン類に関しては、特開昭53−1443
19号をそれぞれ参考にすることができる。
【0196】ハロゲン化銀粒子の形成又は物理熟成の過
程においては、例えばカドミウム塩、亜鉛塩、タリウム
塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯
塩、鉄塩又は鉄錯塩を共存させてもよい。
【0197】本発明で使用する平板状ハロゲン化銀粒子
の製造時には、粒子成長を速めるために添加する銀塩溶
液(例えばAgNO3 水溶液)とハロゲン化物溶液(例
えばKBr水溶液)の添加速度、添加量、添加濃度を上
昇させる方法が好ましく用いられる。これらの方法に関
しては、例えば米国特許第1,335,925号、同第
3,650,757号、同第3,672,900号、同
第4,242,445号、特開昭55−142329
号、同55−158124号等の記載を参考にすること
ができる。
【0198】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、必要
により化学増感することができる。化学増感のために、
例えば、H.Frieser編“Die Grundl
agen der Photogrophischen
Prozesse mitSilberhaloge
niden”(Akademishce Verlag
sgesellschaft.1968年)675頁〜
735頁に記載の方法を用いることができる。
【0199】すなわち、活性ゼラチンや銀と反応し得る
硫黄を含む化合物(例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、メ
ルカプト化合物類、ローダニン類)を用いる硫黄増感
法;還元性物質(例えば第一錫塩、アミン類、ヒドラジ
ン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合
物)を用いる還元増感法、;貴金属化合物(例えば、金
錯塩の他、Pt、Ir、Pd等の周期律表第VIII族の金
属の錯塩)を用いる貴金属増感法などを単独又は組み合
わせて用いることができる。
【0200】これらの具体例は,硫黄増感法については
米国特許第1,574,944号、同第2,278,9
47号、同第2,410,689号、同第2,728,
668号、同第3,656,955号等、還元増感法に
ついては米国特許第2,419,974号、同第2,9
83,609号、同第4,054,458号等、貴金属
増感法については米国特許第2,399,083号、同
第2,448,060号、英国特許第618,061号
等の各明細書に記載されている。
【0201】特に省銀の観点から、本発明の平板状ハロ
ゲン化銀粒子は金増感又は硫黄増感、或るはこれらの併
用が好ましい。
【0202】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、必要
に応じてメチン色素類その他によって緑感性乳剤として
最適に分光増感することが好ましい。用いられる色素に
は、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色
素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素及びヘミオキソノ
ール色素が包含される。特に有用な色素は、シアニン色
素、メロシアニン色素、及び複合メロシアニン色素に属
する色素である。
【0203】有用な増感色素の例としては、ドイツ特許
第929,080号、米国特許第2,493,748
号、同第2,503,776号、同第2,519,00
1号、同第2,912,329号、同第3,656,9
59号、同第3,672,897号、同第4,025,
349号、英国特許第1,242,588号、特公昭4
4−14030号に記載されたものを挙げることができ
る。
【0204】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらを組合せて用いてもよく、特に増感色素の組
合せは強色増感の目的でしばしば用いられる。その代表
例は、米国特許第2,688,545号、同第2,97
7,229号、同第3,397,060号、同第3,5
22,052号、同第3,527,641号、同第3,
617,293号、同第3,628,964号、同第
3,666,480号、同第3,672,898号、同
第3,679,728号、同第3,814,609号、
同第4,026,707号、英国特許第1,344,2
81号、特公昭43−4936号、同53−12375
号、特開昭52−109925、同52−110618
号に記載されている。
【0205】本発明で使用する写真乳剤には、感光材料
の製造工程中、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、また写真性能を安定化させる目的で、種々の化合
物を含有させることができる。すなわちアゾール類、例
えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾイール類、
トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイミダ
ゾール類(特に、ニトロ又はハロゲン置換体);複素環
メルカプト化合物、例えば、メルカプトチアゾール類、
メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミ
ダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカプト
テトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテ
トラゾール)、メルカプトピリミジン類;カルボキシル
基やスルホン基等の水溶性基を有する上記の複素環メル
カプト化合物類;例えばオキサドリンチオンのようなチ
オケト化合物;アザインデン類、例えばトリアザインデ
ン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換
(1,3,3a,7)テトラアザインデン類);ベンゼ
ンチオスルホン酸類;ベンゼンスルフィン酸;等のよう
なカブリ防止剤または安定剤として知られた、多くの化
合物を加えることができる。これらのさらに詳しい具体
例及びその使用方法については、例えば米国特許第3,
954,474号、同第3,982,947号、同第
4,021,248号の各明細書、又は特公昭52−2
8660号公報の記載を参考にすることができる。
【0206】本発明の前記乳剤は、単分散乳剤であるこ
とが好ましい。
【0207】本発明に関わる単分散乳剤とは、ハロゲン
化銀粒子の粒径に関する変動係数が0.25以下の粒径
分布を有する乳剤である。ここで変動係数とは、粒径に
関する標準偏差を平均粒径で除した値である。すなわ
ち、個々の乳剤粒子の粒径がriであり、その数がni
であるとき、平均粒径は
【0208】
【数1】 で定義され、その標準偏差は
【0209】
【数2】 と定義される。
【0210】本発明でいう個々の粒子径とは、ハロゲン
化銀乳剤をティ・エイチ・ジェームス(T.H.Jam
es)ら著「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィ
ック・プロセス」(The Theory of th
e Photographic Process)第3
版36〜43頁、マクミラン社発行(1966年)に記
載されているような、当業界でよく知られた方法(通常
は電子顕微鏡撮影)で微小撮影した場合に、投影された
面積に相当した投影面積相当直径である。ここでハロゲ
ン化銀粒子の投影相当直径とは、上述の著書に示されて
いるように、ハロゲン化銀粒子の投影面積と等しい円の
直径で定義される。従って、ハロゲン化銀粒子の球状以
外(たとえば立方体、八面体、十四面体、平板状、ジャ
ガイモ状など)の場合も、上述のように平均粒径rおよ
びその偏差Sを求めることが可能である。
【0211】ハロゲン化銀粒子の粒径にかかわる変動係
数は0.25以下であるが、好ましくは0.20以下、
より好ましくは0.15以下である。
【0212】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、特開
昭63−151618号等に記載されている単分散六角
平板状ハロゲン化銀乳剤であることが特に好ましい。
【0213】ここで六角平板状ハロゲン化銀粒子とは、
その{1,1,1}面の形状が六角形であり、隣辺比率
が2以下であることを特徴としている。ここで隣辺比率
とは、六角形を形成する最小の長さを有する辺の長さに
対する最大の長さを有する辺の長さの比である。本発明
の六角平板状ハロゲン化銀粒子は、隣辺比率が2以下で
あれば、その角が幾分丸味みをおびていてもよい。角が
丸みをおびている場合の辺の長さは、その辺の直線部分
を延長し、隣接する辺の直線部分を延長した線との交点
の間の距離で表わされる。本発明の六角平板状粒子の六
角形を形成する各辺は、その1/2以上が実質的に直線
からなることが好ましく、特に4/5以上が実質的に直
線からなることが好ましい。本発明において、隣辺比率
は1〜1.5であることが好ましい。
【0214】本発明の六角平板状ハロゲン化銀乳剤は、
分散媒とハロゲン化銀粒子とからなり、該ハロゲン化銀
粒子の全投影面積の50%以上、好ましくは70%以
上、より好ましくは90%以上が上記六角平板状ハロゲ
ン化銀粒子によって占められている。
【0215】本発明における六角平板状ハロゲン化銀粒
子の沃化銀の粒子内分布は、粒子全体に均一であっても
よいし、粒子内部と表面層とで沃化銀含量が異なっても
よい。また、粒子内部に異なった沃化銀含量の層がいく
つもあるいわゆる多重構造であってもよい。
【0216】六角平板状ハロゲン化銀乳剤の製造法につ
いては、米国特許第4,797,354号を参考にする
ことができる。
【0217】単分散六角平板状ハロゲン化銀乳剤の作り
方としては、製造工程を核形成、オストワルド熟成及び
粒子成長の過程に分ける。核形成時には、pBrを1.
0〜2.5に保ち、できるだけ平行な双晶面をもつ核
(平板粒子核)を多くつくるような過飽和条件(温度、
ゼラチン濃度、銀塩水溶液と、ハロゲン化アルカリ水溶
液の添加速度、pBr、ヨードイオン含量、撹拌回転
数、pH、ハロゲン化銀溶剤量、塩濃度など)で核形成を
行う。オストワルド熟成時には、核形成時に形成された
平板状粒子核以外の粒子を消滅せしめ、平板粒子核のみ
を成長させかつ単分散性の良い核にするために、温度、
pBr、pH、ゼラチン濃度、ハロゲン化銀溶剤量などを
調節する。粒子成長時には、pBr及び添加する銀イオ
ン量とハロゲンイオン量を調節することによって、所望
のアスペクト比と粒子サイズをもつ六角平板状ハロゲン
化銀粒子を得ることができる。粒子成長時は、銀イオン
及びハロゲンイオンの添加速度を結晶臨界成長速度の3
0〜100%にすることが好ましい。
【0218】本発明の前記乳剤は、ハロゲン化銀粒子の
個数の50%が、1粒子当たり10本以上の転位を含む
ことが好ましい。
【0219】平板粒子の転位は、たとえばJ.F.Ha
milton,Phot.Sci.Eng.,11,5
7,(1967)やT.Shiozawa,J.So
c.Phot.Sci Japan,35,213(1
972)に記載の、低温での透過型電子顕微鏡を用いた
直接的な方法により観察することができる。すなわち、
乳剤から、粒子に転位が発生するほどの圧力をかけない
よう注意して取り出したハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡
観察用のメッシュにのせ、電子線による損傷(プリント
アウト等)を防ぐように試料を冷却した状態で、透過法
により観察を行う。このとき、粒子の厚みが厚いほど電
子線が透過しにくくなるので、高圧型(0.25μm の
厚さの粒子に対し200kV)の電子顕微鏡を用いた方が
より鮮明に観察することができる。このような方法によ
って得られた粒子の写真から、主平面に対して垂直方向
から見た場合の各粒子についての転位の位置及び数を用
いることができる。
【0220】本発明の平板粒子の転位の位置は、平板粒
子の長軸方向の中心から辺までの長さのx%の距離から
辺にかけて発生している。このxの値は、好ましくは1
0≦x<100であり、より好ましくは30≦x<98
であり、さらに好ましくは50≦x<95である。この
とき、この転位の開始する位置を結んで作られる形状
は、粒子形と相似に近いが、完全な相似形でなくゆがむ
ことがある。転位線の方向は、略中心から辺に向かう方
向であるが、しばしば蛇行している。
【0221】本発明の平板粒子の転位の数については、
10本以上の転位を含む粒子が50個数%以上存在する
ことが好ましい。さらに好ましくは、10本以上の転位
を含む粒子が80個数%以上、特に20本以上の転位を
含む粒子が80個数%以上存在するものが好ましい。
【0222】さらに、本発明の平板状ハロゲン化銀粒子
で好ましく用いられる、ハロゲン化銀粒子の50個数%
以上が1粒子当たり10本以上の転位を含むハロゲン化
銀粒子においては、ハロゲン化銀粒子の個々の沃化銀含
有率の相対標準偏差が30%以下であることが特に好ま
しく、さらに好ましくは20%以下が好ましい。
【0223】個々の乳剤粒子の沃化銀含有率は、例えば
X線マイクロ・アナライザーを用いて、一個一個の粒子
の組成を分析することによって測定できる。ここで「個
々の粒子の沃化銀含有率の相対標準偏差」とは、例えば
X線マイクロ・アナライザーにより少なくとも100個
の乳剤粒子の沃化銀含有率を測定した際の、沃化銀含有
率の標準偏差を平均沃化銀含有率で除した値に100を
乗じて得られる値である。個々の乳剤粒子の沃化銀含有
率測定の具体的方法は、例えば、欧州特許第147,8
48A号に記載されている。
【0224】個々の粒子の沃化銀含有率の相対標準偏差
が大きいと、個々の粒子の化学増感の適点が異なり、す
べての乳剤粒子の性能を引き出すことが不可能になる。
また、転位の数の粒子間の相対標準偏差も大きくなる傾
向にある。
【0225】個々の粒子の沃化銀含有率Yi(モル%)
と、各粒子の球相当直径Xi(ミクロン)の間には、相
関がある場合とない場合があるが、相関がないことが望
ましい。
【0226】平板粒子のハロゲン組成に関する構造につ
いては、X線回折、EPMA法(XMA法という名称も
ある;電子線でハロゲン化銀粒子を走査して、ハロゲン
化銀組成を検出する方法)、ESCA法(XPS法とい
う名称もある;X線を照射し粒子表面から出てくる光電
子を分光する方法)などを組み合わせることにより確認
できる。
【0227】本発明において粒子表面とは、表面より5
0オングストローム程度の深さまでの領域をいう。この
ような領域のハロゲン組成は、通常ESCA法により測
定することができる。粒子内部とは、上記の表面領域以
外の領域をいう。
【0228】前記の転位線を有する平板状粒子よりなる
乳剤は、特開昭63−220238号、特開平4−18
1939号に記載されている方法に基づいて調製するこ
とができる。また,本発明のハロゲン化銀乳剤は、粒子
サイズ分布が狭いことが好ましく、核形成−オストワル
ド熟成及び粒子成長の段階を経て調製する特開平6−2
35988号に記載されている方法を好ましく用いるこ
とができる。
【0229】しかしながら、乳剤の個々の粒子の沃化銀
含有率は、特に稾密な制御をしないと不均一になりがち
であった。
【0230】乳剤の個々の粒子の沃化銀含有率を均一に
するために、まず、オストワルド熟成後の粒子のサイズ
と形状をできるだけ均一にすることが肝要である。さら
に成長段階において、硝酸銀水溶液とアルカリ・ハライ
ド水溶液を、pAg を6.0から10.0の範囲で一定に
保ちつつ、ダブル・ジェット法で添加し、特に均一な被
覆を行うためには、添加中の溶液の過飽和度は高い方が
好ましい。例えば米国特許第4,242,445号に記
載されているような方法で、結晶の成長速度が結晶臨界
成長速度の30〜100%になるような比較的高い過飽
和度で添加を行うことが望ましい。
【0231】本発明の平板粒子の転位は、粒子の内部に
特定の高ヨード相を設けることによってコントロールす
ることができる。具体的には、基板粒子を調製し、次に
高ヨード相を設け、その外側を高ヨード相よりヨード含
有率の低い相でカバーすることによって得られる。ここ
で、個々の粒子の沃化銀含有率を均一にするために、上
記高ヨード相の形成条件を適切に選択することが重要で
ある。
【0232】内部の高ヨード相とは、ヨードを含むハロ
ゲン化銀固溶体をいう。この場合のハロゲン化銀として
は、沃化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀が好ましいが、沃化
銀または沃臭化銀(ヨード含有率10〜40モル%)で
あることが好ましく、特に沃化銀であることが好まし
い。
【0233】この内部高ヨード相は、基板の平板粒子の
平面に均一に沈着したものではなく、むしろ局在的に存
在させることが重要である。このような局在化は、平板
の主平面上、側面上、辺上、角上のいずれの場所で起っ
てもよい。さらに、内部高ヨード相を、そのような部位
に選択的にエピタキシャルに配位していても良い。
【0234】このための方法として、沃化物塩を単独に
添加する、いわゆるコンバージョン法や、例えば特開昭
59−133540号、特開昭58−108526号、
特開昭59−162540号に記載されているようなエ
ピタキシャル接合法を用いることができる。その時に以
下のような条件を選択することが、個々の粒子の沃化銀
含有率を均一にするために有効である。すなわち、沃化
物塩添加時のpAg は8.5〜10.5の範囲が好まし
く、9.0〜10.5の範囲が特に好ましい。温度は、
50℃〜30℃の範囲に保つことが好ましい。沃化物塩
の添加は、十分に攪拌された条件下で、全銀量に対し1
モル%以上の沃化物塩を30秒から10分間にわたって
添加することが好ましい。
【0235】基板の平板粒子のヨード含有率は高ヨード
相よりも低く、好ましくは0〜12モル%、さらに好ま
しくは0〜10モル%である。
【0236】高ヨード相をカバーする外側の相は、高ヨ
ード相のヨード含有率よりも低く、好ましくは0〜12
モル%、さらに好ましくは0〜10モル%であり、最も
好ましくは0〜3モル%である。
【0237】この内部高ヨード相は、平均粒子の長軸方
向に関して粒子中心から粒子全体の銀量で5モル%〜8
0モル%の範囲にある、粒子中心を中心とする環状領域
内に存在することが好ましく、さらに好ましくは10モ
ル%〜70モル%、特に20モル%〜60モル%の範囲
の環状領域内に存在することが好ましい。
【0238】ここで、粒子の長軸方向とは平板粒子の直
径方向をいい、短軸方向とは平板粒子の厚さ方向をい
う。
【0239】内部高ヨード相を形成するハロゲン化銀の
量は、銀量にして粒子全体の銀量の50モル%以下であ
り、さらに好ましくは10モル%以下であり、特に5モ
ル%以下であることが好ましい。
【0240】種々の化合物をハロゲン化銀沈殿生成過程
で存在せしめることによって、ハロゲン化銀粒子の性質
をコントロールできる。このような化合物は、反応器中
に最初に存在せしめても良い。また、常法に従って、1
もしくは2以上の塩を加えると共に添加することもでき
る。米国特許第2,448,060号、同第2,62
8,167号、同第3,737,313号、同第3,7
72,031号、並びにリサーチ・ディスクロージャ
ー、134巻、1975年6月、13452に記載され
るように、銅、イリジウム、鉛、ビスマス、カドミウ
ム、亜鉛、カルコゲン化合物(例えば、硫黄、セレン及
びテルルの化合物)、金および第VII 属貴金属の化合物
のような化合物をハロゲン化銀沈殿生成過程で存在せし
めることによって、ハロゲン化銀の特性をコントロール
できる。特公昭58−1410号、モイザー(Moisar)
ら著、ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエ
ンス、25巻、1977、19−27頁に記載されるよ
うに、ハロゲン化銀乳剤は沈殿生成過程において粒子の
内部を還元増感することができる。
【0241】本発明に用いられる平板粒子においては、
エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀
が接合されていてもよく、また、例えばロダン銀、酸化
鉛のようなハロゲン化銀以外の化合物と接合されていて
も良い。これらの乳剤粒子は、例えば、米国特許第4,
094,684号、同第4,142,900号、同第
4,459,353号、英国特許第2,038,792
号、米国特許第4,349,622号、同第4,39
5,478号、同第4,433,501号、同第4,4
63,087号、同第3,656,962号、同第3,
852,067号、特開昭59−162540号に開示
されている。
【0242】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、通常
化学的に増感されている。
【0243】化学増感は、上記ハロゲン化銀乳剤成形後
に行われるが、ハロゲン化銀乳剤形成後、化学増感を行
う間に、前記乳剤を水洗してもよい。
【0244】化学増感については、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643(1978年12月:23
頁)及び同No.18716(1979年11月:648
頁右欄)に記載されており、pAg 5〜10、pH5〜8及
び温度30〜80℃において硫黄、セレン、テルル、
金、白金、パラジウム、イリジウムまたはこれら増感剤
の複数の組み合わせを用いて行うことができる。
【0245】また、本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤
は、分光増感色素の存在下で化学増感されることが好ま
しい。分光増感色素の存在下で化学増感する方法は、例
えば米国特許第4,425,426号、同第4,44
2,201号、特開昭59−9658号、同61−10
3149号、同61−133941号などに記載されて
いる。使用する分光増感色素としては、通常ハロゲン化
銀写真感光材料に用いられる分光増感色素であればいか
なるものでもよく、その分光増感色素は、リサーチ・デ
ィスクロージャーNo.17643の23〜24頁及び同
No.18716の648頁右欄〜649頁右欄に記載さ
れている。分光増感色素は一種類でもよく、数種類混ぜ
て使用してもよい。
【0246】分光増感色素を添加する時期は、化学増感
の開始前(粒子形成時、粒子形成終了時、水洗後)、化
学増感の途中及び化学増感終了時のいずれの時期でもよ
いが、粒子形成終了後で化学増感の開始前又は化学増感
の終了時が好ましい。
【0247】添加される分光増感色素の量は任意である
が、飽和吸着量の30〜100%が好ましく、より好ま
しくは50〜90%である。
【0248】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、通常
分光増感されている。用いられる分光増感色素の例は、
上記と同様上記の2つのリサーチ・ディスクロージャー
に記載されている。上述のように化学増感時に分光増感
色素を存在させた乳剤は、分光増感するために、同種又
は別種の色素をさらに追加で添加してもよいし、しなく
てもよい。
【0249】本発明の乳剤は感光性乳剤層に単独で用い
てもよいし、平均粒子サイズの異なる2種以上の乳剤を
併用するようにしてもよい。また、2種以上の乳剤を用
いる場合、本発明で規定する平均アクペクト比の乳剤と
そうでないものとを用いてもよい。上記のように、乳剤
を混合して用いることは、階調コントロール、低露光量
領域から高露光量領域すべてにわたる粒状性のコントロ
ール、及び発色現像依存性(時間及び発色現像主薬・亜
硫酸ナトリウム塩等の現像液内組成依存性、pH依存性)
のコントロールなどの観点から好ましい。
【0250】また本発明の乳剤は、特開昭60−143
332号、同60−254032号に記載されている、
粒子間の沃化銀含有率の相対標準偏差が20%以下であ
ることが特に好ましい。
【0251】本発明で使用される緑感性ハロゲン化銀乳
剤層の感度を20%以上低減する染料について説明す
る。本発明におけるマゼンタ染料とは、染料を添加した
感光材料の乾膜中で、実質的に500〜600nmに分
光吸収極大波長を有するものであればよく、染料は1種
或いは2種以上の併用であってもよい。
【0252】本発明におけるマゼンタ染料は特定の層に
固定化されているものでも、拡散性のものでもどちらで
もよい。
【0253】本発明におけるマゼンタ染料の例として
は、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、
インドアニリン染料、オキソノール染料、メロシアニン
染料、シアニン染料、アリーリデン染料、スチリル染
料、トリフェニルメタン染料等を挙げることができる。
【0254】目的とする層に染料を固定化する手段は、
どのような方法によってもよいが、例えば、次のような
方法が挙げられる。
【0255】目的とする層への染料の添加方法は、染料
水溶液を添加してゼラチンを直接染色する方法、染料を
後述するような水中油滴分散法、つまり、常圧での沸点
が175℃以上の高沸点有機溶媒を用い、必要に応じて
沸点50℃以上160℃以下の有機溶媒をも使用して染
料を溶解し、界面活性剤を含むゼラチン水溶液中に乳化
分散したものを添加する方法、国際公開特許WO88/
4974号、特表平1−502912号及び欧州公開特
許第456,148号に記載されたいわゆる固体分散し
たものを添加する方法或いは高分子媒染剤を介して染料
の拡散を防ぐ方法等がある。代表的高分子媒染剤として
は、例えば、特開平5−188548号の(化9)に記
載のものである。本発明においては、これらいずれの方
法も用いることができるが、水中油滴分散法による添加
が特に好ましい。
【0256】本発明において、染料の添加量は、緑感構
成ハロゲン化銀乳剤層の感度を20%以上低減する量が
必要である。
【0257】固定化されたマゼンタ染料を用いる場合
は、緑感光性層より支持体から見て遠方に含有させるの
が好ましいが、感光性の乳剤層に添加させることが好ま
しく、青感光性層に添加することが特に好ましい。従来
はこのような固定化されたマゼンタ染料は例えば、特開
昭62−166330号等に記載の如く非感光性乳剤
層、特に保護層に添加されていることが多く、また、好
ましいと思われてきたが、本発明者らは種々検討の結
果、感光性乳剤層に添加することが鮮鋭性を向上させる
うえで特に好ましいことを見出した。この理由は明らか
ではないが、光散乱体である感光性ハロゲン化銀乳剤層
と同一層にあることで光の散乱を抑制しているものと推
定される。
【0258】本発明に用いられるマゼンタ染料として
は、特願平6−28840、RD18716に記載され
ているものを用いればよい。
【0259】以上の例示化合物は、特開昭61−488
54号、同61−7838号、同60−243654
号、同60−32851号、同62−276539号、
同52−92716号、国際公開特許WO88/497
4号、特開平3−7931号、同4−45436号、同
5−43809号に記載されているか又は記載の方法に
準じて合成できる。
【0260】本発明の感光材料の支持体は何を用いても
構わないが、ポリ(アルキレン芳香族ジカルボキシレー
ト)からなり、そのガラス転移温度が50℃以上200
℃以下であり、且つ、下塗り層塗布前或いは下塗り層塗
布後、ハロゲン化銀乳剤層塗布前の間に、40℃以上ガ
ラス転移温度未満の温度で熱処理されたものであること
が好ましい。
【0261】以下、本発明の感光材料の支持体に用いら
れるポリ(アルキレン芳香族ジカルボキシレート)につ
いて記す。以下、本発明においてポリエステルとは、特
に断らない限り、前記ポリ(アルキレン芳香族ジカルボ
キシレート)を指す。本発明に用いられるポリエステル
として種々のものが存在するが、巻きぐせの付きにくさ
と力学強度、及びコストをバランスして高い性能を持つ
のがベンゼンジカルボン酸もしくはナフタレンジカルボ
ン酸とジオールを主成分とするポリエステル、中でも特
に、ポリエチレンテレフタレート(PET)系、ポリエ
チレンナフタレート系のポリエステルが好ましく挙げら
れる。なお、本発明の説明で用いるナフタレートとはナ
フタレンジカルボキシレートを意味する。
【0262】本発明の支持体に用いられるポリエステル
は、芳香族ジカルボン酸とジオールとを必須成分として
形成される。芳香族ジカルボン酸とは、ベンゼン核を少
なくとも1個有するジカルボン酸であり、その具体的な
化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、無水フタル酸、1,4−又は1,5−又は2,6−
又は2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−
4,4′−ジカルボン酸、テトラクロロ無水フタル酸、
さらに、以下の式で示される化合物等を挙げることがで
きる。
【0263】
【化77】
【0264】必須の芳香族ジカルボン酸のほかに使用可
能な二塩基性酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、無水コハク酸、マレイン酸、フマ
ル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水シトラコン
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3,6-エンドメチレンテ
トラヒドロ無水フタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボ
ン酸、さらに、以下の式で示される二塩基性酸等を挙げ
ることができる。
【0265】
【化78】
【0266】次に、ジオールとしては、エチレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタン
ジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカ
ンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,1−シ
クロヘキサンジメタノール、カテコール、レゾルシン、
ハイドロキノン、1,4−ベンゼンジメタノール、さら
に、以下の式で示されるジオール等を挙げることができ
る。
【0267】
【化79】
【0268】
【化80】
【0269】また、必要に応じて、本発明のポリエステ
ルには、単官能又は、3以上の多官能の水酸基含有化合
物あるいは、酸含有化合物が共重合されていても構わな
い。また、本発明のポリエステルには、分子内に水酸基
とカルボキシル基(あるいはそのエステル)を同時に有
する化合物が共重合されていてもよく、該化合物として
は、以下の式で示されるものが挙げられる。
【0270】
【化81】
【0271】これらのジオール、ジカルボン酸から成る
ポリエステルの中で、さらに好ましいものとしては、ポ
リ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタ
レート)、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタ
レート)(PCT)等のホモポリマーが挙げられ、ま
た、特に好ましい必須な芳香族ジカルボン酸として、
2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)、テレフ
タル酸(TPA)、イソフタル酸(IPA)、オルトフ
タル酸(OPA)、ビフェニル−4,4′−ジカルボン
酸(PPDC)、ジオールとして、エチレングリコール
(EG)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、
ネオペンチルグリコール(NPG)、ビスフェノールA
(BPA)、ビフェノール(BP)が挙げられる。さら
に、共重合成分であるヒドロキシカルボン酸としてパラ
ヒドロキシ安息香酸(PHBA)、6−ヒドロキシ−2
−ナフタレンカルボン酸(HNCA)を共重合させたも
のが挙げられる。
【0272】これらの中でさらに好ましいものとして、
テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸とエチレングリ
コールのコポリマー(テレフタル酸とナフタレンジカル
ボン酸の混合モル比は0.9:0.1〜0.1:0.9
の間が好ましく、0.8:0.2〜0.2:0.8が更
に好ましい。)、テレフタル酸とエチレングリコール、
ビスフェノールAのコポリマー(エチレングリコールと
ビススェノールAの混合モル比は0.6:0.4〜0:
1.0の間が好ましく、更には0.5:0.5〜0.
1:0.9が好ましい。)、イソフタール酸、ビフェニ
ル−4,4′−ジカルボン酸、テレフタル酸とエチレン
グリコールのコポリマー(イソフタール酸;ビフェニル
−4,4′−ジカルボン酸のモル比はテレフタル酸を1
とした時それぞれ0.1〜0.5、0.1〜0.5、更
に好ましくは、それぞれ0.2〜0.3、0.2〜0.
3が好ましい。)、テレフタル酸、ネオペンチルグリコ
ールとエチレングリコールのコポリマー(ネオペンチル
グリコールとエチレングリコールのモル比は1:0〜
0.7:0.3が好ましく、より好ましくは0.9:
0.1〜0.6:0.4。)、テレフタル酸、エチレン
グリコールとビフェノールのコポリマー(エチレングリ
コールとビフェノールのモル比は、0:1.0〜0.
8:0.2が好ましく、さらに好ましくは0.1:0.
9〜0.7:0.3である。)、パラヒドロキシ安息香
酸、エチレングリコールとテレフタル酸のコポリマー
(パラヒドロキシ安息香酸とエチレングリコールのモル
比は1:0〜0.1:0.9が好ましく、さらに好まし
くは0.9:0.1〜0.2:0.8)等の共重合体が
好ましい。これらのホモポリマー及びコポリマーは、従
来公知のポリエステルの製造方法に従って合成できる。
例えば酸成分をグリコール成分と直接エステル化反応す
るか、又は、酸成分としてジアルキルエステルを用いる
場合は、まず、グリコール成分とエステル交換反応を
し、これを減圧下で加熱して余剰のグリコール成分を除
去することにより合成することができる。あるいは、酸
成分を酸ハライドとしておき、グリコールと反応させて
もよい。この際、必要に応じて、エステル交換反応、触
媒あるいは重合反応触媒を用いたり、耐熱安定化剤を添
加してもよい。これらのポリエステル合成法について
は、例えば、高分子実験学第5巻「重縮合と重付加」
(共立出版、1980年)第103頁〜第136頁、
「合成高分子V」(朝倉書店、1971年)第187頁
〜第286頁の記載を参考に行うことができる。これら
のポリエステルの好ましい平均分子量(重量)の範囲は
約10,000乃至500,000である。さらに、こ
れらのポリエステルには別の種類のポリエステルとの接
着性を向上させるために、別のポリエステルを一部ブレ
ンドしたり、別のポリエステルを構成するモノマーを共
重合させたり、又は、これらのポリエステル中に、不飽
和結合を有するモノマーを共重合させ、ラジカル架橋さ
せたりすることができる。得られたポリマーを2種類以
上混合したポリマーブレンドは、特開昭49−5482
号、同64−4325号、特開平3−192718号、
リサーチ・ディスクロージャー、第283巻、第739
〜41頁、同284巻、第779−82頁、同294
巻、第807−14頁に記載した方法に従って、容易に
成形することができる。
【0273】本発明におけるガラス転移温度(Tg)と
は、示差熱分析計(DSC)を用い、サンプルフィルム
10mgをヘリウム窒素気流中、20℃/分で昇温してい
った時、ベースラインから偏奇しはじめる温度と新たな
ベースラインに戻る温度の算術平均温度と定義される。
ただし、吸熱ピークが現われた時は、この吸熱ピークの
最大値を示す温度をTgとして定義する。本発明に用い
られるポリエステルはそのTgが50℃以上であるが、
一般に、感光材料は、その使用条件を十分注意されて取
り扱われるわけではなく、特に真夏の屋外においてその
気温が40℃までに晒されることが多々有り、この観点
から本発明のポリエステルのTgは安全をみこして55
℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは、Tg
は60℃以上であり、特に好ましくは70℃以上であ
る。これは、支持体に用いられるポリエステルがガラス
転移温度を超える温度に晒されると、本発明の熱処理に
よる巻き癖改良の効果が消失するため、一般ユーザーに
使われた際に過酷な条件である温度、即ち夏季の温度4
0℃を超える温度以上のガラス転移温度を有するポリエ
ステルであることが必須であり、前記の使用条件を考慮
すれば、Tgは50℃以上が好ましい。一方、本発明に
用いられるポリエステルのガラス転移温度の上限は20
0℃である。200℃を超えるガラス転移温度のポリエ
ステルでは透明性の良いフィルムが得られない。従って
本発明に用いられるポリエステルのTgは、50℃以上
200℃以下であることが必要である。
【0274】次に本発明に用いるポリエステルの好まし
い具体的化合物例を示すが、本発明がこれに限定される
ものではない。 ポリエステル化合物例 P−0:〔テレフタル酸(TPA)/エチレングリコール(EG))(100/ 100)〕(PET) Tg=80℃ P−1:〔2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)/エチレングリコール (EG)(100/100)〕(PEN) Tg=119℃ P−2:〔(TPA)/シクロヘキサンジメタノール(CHDM)(100/ 100)〕 Tg=93℃ P−3:〔TPA/ビスフェノールA(BPA)(100/100)〕 Tg=192℃ P−4:2,6−NDCA/TPA/EG(50/50/100) Tg=92℃ P−5:2,6−NDCA/TPA/EG(75/25/100) Tg=102℃ P−6:2,6−NDCA/TPA/EG/BPA(50/50/75/25) Tg=112℃ P−7:TPA/EG/BPA(100/50/50) Tg=105℃ P−8:TPA/EG/BPA(100/25/75) Tg=135℃ P−9:TPA/EG/CHDM/BPA(100/25/25/50) Tg=115℃ P−10:IPA/PPDC/TPA/EG(20/50/30/100) Tg=95℃
【0275】 P−11:NDCA/NPG/EG(100/70/30) Tg=105℃ P−12:TPA/EG/BP(100/20/80) Tg=115℃ P−13:PHBA/EG/TPA(200/100/100) Tg=125℃ P−14:PEN/PET(60/40) Tg=95℃ P−15:PEN/PET(80/20) Tg=104℃ P−16:PAr/PEN(50/50) Tg=142℃ P−17:PAr/PCT(50/50) Tg=118℃ P−18:PAr/PET(60/40) Tg=101℃ P−19:PEN/PET/PAr(50/25/25) Tg=108℃ P−20:TPA/5−スルフォイソフタル酸(SIP)/EG(95/5/10 0) Tg=65℃
【0276】これらポリエステル支持体(フィルムベー
ス)は50μm 以上100μm 以下の厚みが好ましい。
50μm 未満では乾燥時に発生する感光層の収納応力に
耐えることができず、一方100μm を越えるとコンパ
クト化のために厚みを薄くしようとする目的と矛盾す
る。より好ましくは支持体の厚みは80μm 以上100
μm 以下である。但し、シート状の感光材料として使用
する場合は、100μmを超える厚みであってもよく、
その上限値は300μm である。以上のような本発明の
ポリエステルは全てTACよりも強い曲弾性率を有し、
当初の目的であるフィルムの薄手化を実現することがで
きた。しかも、これらの中で強い曲弾性を有していたの
がPET、PENであり、これらを用いるとTACで1
22μm 必要だった膜厚を100μm 以下にまで薄くす
ることが可能となった。次に本発明のポリエステル支持
体は熱処理を施されることを特徴とし、その際には40
℃以上ガラス転移温度未満の温度で0.1〜1500時
間行う必要がある。該熱処理により得られる効果は熱処
理温度が高いほど早く達成できる。しかし、熱処理温度
がガラス転移温度を越えると、フィルム内の分子がむし
ろ乱雑に動いて自由体積が増大し、分子が流動し易い、
即ち、巻きぐせの付き易いフィルムとなる。従って、該
熱処理はガラス転移温度未満で行うことが必要である。
【0277】従って、該熱処理はガラス転移温度を少し
下廻る温度で行うことが処理時間短縮のために望まし
く、40℃以上ガラス転移温度未満、より好ましくは、
ガラス転移温度を30℃下廻る温度以上ガラス転移温度
未満である。この温度条件で熱処理を行う場合、0.1
時間経時以降に効果が認められる。また、1500時間
以上処理を行っても、その効果はほとんど飽和して向上
することはない。従って、0.1時間以上1500時間
以下で熱処理することが好ましい。また本発明のポリエ
ステルを熱処理する方法において、処理時間を短縮する
ために、予めTg以上に短時間加熱(好ましくはTgの
20℃以上100℃以下の5分〜3時間処理する)した
のち、40℃以上ガラス転移温度未満にして熱処理する
こともできる。加熱方法としては、加熱倉庫にフィルム
のロールをそのまま放置して加熱処理してもよいが、加
熱ゾーンを搬送して熱処理してもよく、製造適性を考慮
すると後者の方が好ましい。また、熱処理で用いられる
ロール巻き芯は、そのフィルムへの温度伝播を効率よく
行いうるために、中空か或いは、加熱出来るように電気
ヒーター内蔵するか又は高温液体を流液できるような構
造を有するものが好ましい。ロール巻き芯の材質は特に
限定されないが、熱による強度低下や変形のないものが
好ましく、例えばステンレス、ガラスファイバー入り樹
脂等を挙げることが出来る。
【0278】また、本発明のポリエステルには、その写
真用支持体としての機能を更に高める為に、種々の添加
剤を共存させることが好ましい。例えば、ポリエステル
フィルム中に、蛍光防止及び経時安定性付与の目的で、
紫外線吸収剤を練り込んでも良い。紫外線吸収剤として
は、可視領域に吸収を持たないものが望ましく、かつそ
の添加量はポリエステルフィルムの重量に対して通常
0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.05重量
%〜10重量%程度である。0.01重量%未満では紫
外線劣化を抑える効果が期待できない。紫外線吸収剤と
しては2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオ
キシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,
4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジ
ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノンなど
のベンゾフェノン系、2(2′−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2′−ヒドロキ
シ−3′、5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ジ−t−ブ
チル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の
ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル、サリチル
酸メチル等のサリチル酸系、2,4,6−トリス〔2′
−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘキシルオキシ)
フェニル〕トリアジン、2−フェニル−4,6−ジ
〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘキシルオ
キシ)フェニルトリアジン等のトリアジン系紫外線吸収
剤が挙げられる。
【0279】また、本発明のポリエステルフィルムを写
真感光材料用支持体として使用する際に問題となる性質
の一つに支持体が高屈折率であるために発生するふちか
ぶりの問題が挙げられる。本発明のポリエステル、特に
芳香族系ポリエステルの屈折率は、1.6〜1.7と高
いのに対し、この上に塗設する感光層の主成分であるゼ
ラチンの屈折率は1.50〜1.55とこの値より小さ
い。従って、光がフィルムエッジから入射した時、ベー
スと乳剤層の界面で反射しやすい。従って、ポリエステ
ル系のフィルムはいわゆるライトパイピング現象(ふち
かぶり)を起こす。この様なライトパイピング現象を回
避する方法としては、フィルムに不活性無機粒子等を含
有させる方法ならびに染料を添加する方法等が知られて
いる。本発明において好ましいライトパイピング防止方
法はフィルムヘイズを著しく増加させない染料添加によ
る方法である。フィルム染色に使用する染料については
特に限定されないが、色調は感光材料の一般的な性質上
グレー染色が好ましく、また染料はポリエステルフィル
ムの製膜温度域での耐熱性に優れ、かつポリエステルと
の相溶性に優れたものが好ましい。染料としては、上記
観点から三菱化成製のダイアレジン(Diaresin)、日本
化薬製のカヤセット(Kayaset )等ポリエステル用とし
て市販されている染料を混合することにより目的を達成
することが可能である。染色濃度に関しては、マクベス
社製の色濃度計にて可視光域での色濃度を測定した場
合、少なくとも0.01以上であることが必要である。
更に好ましくは0.03以上である。
【0280】本発明によるポリエステルフィルムは、用
途に応じて易滑性を付与することも可能であり、易滑性
付与手段としては特に限定されないが、不活性無機化合
物の練り込み、あるいは界面活性剤の塗布等が一般的手
法として用いられる。かかる不活性無機粒子としてはシ
リカ(SiO2 ) 、二酸化チタン(TiO2 ) 、硫酸バリウム(
BaSO4 ) 、炭酸カルシウム( CaCO3 ) 、タルク、カオリ
ン等が例示される。また、上記のポリエステル合成反応
系に不活性な粒子を添加する外部粒子系による易滑性付
与以外に、ポリエステルの重合反応時に添加する触媒等
を析出させる内部粒子系による易滑性付与方法も採用可
能である。これら易滑性付与手段には特に限定を加える
ものでは無いが、写真感光材料用支持体としては透明性
が重要な要件となるため、上記易滑性付与方法手段では
外部粒子系としてはポリエステルフィルムに比較的近い
屈折率をもつ酸化ケイ素(SiO2 )の使用、或いは、析
出する粒子径を比較的小さくすることが可能な内部粒子
系を選択することが望ましい。
【0281】さらに、練り込みによる易滑性付与を行う
場合、よりフィルムの透明性を得るために機能付与した
層を積層する方法も好ましい。この手段としては具体的
には複数の押し出し機ならびにフィードブロック、ある
いはマルチマニフォールドダイによる共押出し法が例示
される。これらのポリマーフィルムを支持体に使用する
場合、これらポリマーフィルムがいずれも疎水性の表面
を有するため、支持体上にゼラチンを主とした保護コロ
イドからなる写真層(例えば感光性ハロゲン化銀乳剤
層、中間層、フィルター層等)を強固に接着させる事は
非常に困難である。この様な難点を克服するために試み
られた従来技術としては、(1) 薬品処理、機械的処理、
コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、
グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混
酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理をした
のち、直接写真乳剤を塗布して接着力を得る方法と、
(2) 一旦これらの表面処理をした後、あるいは表面処理
なしで、下塗層を設けこの上に写真乳剤層を塗布する方
法との二法がある(例えば米国特許第2,698,24
1号、同第2,764,520号、同第2,864,7
55号、同第3,462,335号、同第3,475,
193号、同第3,143,421号、同第3,50
1,301号、同第3,460,944号、同第3,6
74,531号、英国特許第788,365号、同第8
04,005号、同第891,469号、特公昭48−
43122号、同51−446号等)。
【0282】これらの表面処理は、いずれも、本来は疎
水性であった支持体表面に多少とも、極性基を作らせる
こと、表面の架橋密度を増加させること、等によるもの
と思われ、その結果として、下塗液中に含有される成分
の極性基との親和力が増加すること、ないし接着表面の
堅牢度が増加すること等が考えられる。又、下塗層の構
成としても種々の工夫が行なわれており、第1層として
支持体によく接着する層(以下、下塗第1層と略す)を
設け、その上に第2層として写真層とよく接触する親水
性の樹脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂
重層法と、疎水性基と親水性基との両方を含有する樹脂
層を一層のみ塗布する単層法とがある。
【0283】(1) の表面処理のうち、コロナ放電処理
は、最もよく知られている方法であり、従来公知のいず
れの方法、例えば特公昭48−5043号、同47−5
1905号、特開昭47−20867号、同49−83
767号、同51−41770号、同51−13157
6号等に開示された方法により達成することができる。
放電周波数は50Hz〜5000KHz、好ましくは5
KHz〜数100KHzが適当である。放電周波数が小
さすぎると、安定な放電が得られずかつ被処理物にピン
ホールが生じ、好ましくない。又周波数が高すぎると、
インピーダンスマッチングのための特別な装置が必要と
なり、装置の価格が大となり、好ましくない。被処理物
の処理強度に関しては、通常のポリエステル、ポリオレ
フィン等のプラスチックフィルムの濡れ性改良の為に
は、0.001KV・A・分/ m2 〜5KV・A・分/
m2 、好ましくは0.01KV・A・分/ m2 〜1KV・A
・分/ m2が適当である。電極と誘導体ロールのギャッ
プクリアランスは0.5〜2.5mm、好ましくは1.0
〜2.0mmが適当である。
【0284】多くの場合、もっとも効果的な表面処理で
あるグロー放電処理は、従来知られているいずれの方
法、例えば特公昭35−7578号、同36−1033
6号、同45−22004号、同45−22005号、
同45−24040号、同46−43480号、米国特
許第3,057,792号、同第3,057,795
号、同第3,179,482号、同第3,288,63
8号、同第3,309,299号、同第3,424,7
35号、同第3,462,335号、同第3,475,
307号、同第3,761,299号、英国特許99
7,093号、特開昭53−129262号等を用いる
ことができる。
【0285】グロー放電処理条件は、一般には圧力は
0.005〜20Torr、好ましく0.02〜2Torrが適
当である。圧力が低すぎると表面処理効果が低下し、ま
た圧力が高すぎると過大電流が流れてスペークがおこり
やすく、危険でもあり、被処理物を破壊する恐れもあ
る。放電は、真空タンク中で1対以上の空間を置いて配
置された金属板或いは金属棒間に高電圧を印加すること
により生じる。この電圧は、雰囲気気体の組成、圧力に
より色々な値をとり得るものであるが、通常上記圧力範
囲内では、500〜5000Vの間で安定な定常グロー
放電が起こる。接着性を向上せしめるのに特な好適な電
圧範囲は、2000〜4000Vである。また、放電周
波数として、従来技術に見られるように、直流から数1
000MHz、好ましくは50Hz〜20MHzが適当
である。放電処理強度に関しては、所望の接着性能が得
られることから0.01KV・A・分/ m2 〜5KV・A・
分/ m2 、好ましくは0.15KV・A・分/ m2 〜1KV
・A・分/ m2 が適当である。
【0286】次に(2) の下塗法について述べると、これ
らの方法はいずれもよく研究されており、重層法におけ
る下塗第1層では、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン
酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発
原料とする共重合体を始めとして、ポリエステルイミ
ン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロ
ース、など数多くのポリマーについて、下塗第2層では
主としてゼラチンについてその特性が検討されてきた。
【0287】単層法においては、多くの支持体を膨潤さ
せ、親水性下塗ポリマーと界面混合させることによって
良好な接着性を達成している場合が多い。本発明に使用
する親水性下塗ポリマーとしては、水溶性ポリマー、セ
ルロースエステル、ラテックスポリマー、水溶性ポリエ
ステルなどが例示される。水溶性ポリマーとしては、ゼ
ラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン酸
ソーダ、でんぷん、ポリビニールアルコール、ポリアク
リル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などであり、
セルロースエステルとしてはカルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロースなどである。ラテック
スポリマーとしては塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニ
リデン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共重合
体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重合体
などである。この中でも最も好ましいのはゼラチンであ
る。
【0288】本発明に使用される支持体を膨潤させる化
合物として、レゾルシン、クロルレゾルシン、メチルレ
ゾルシン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、フェノール、o−クロルフェノール、p−クロ
ルフェノール、ジクロルフェノール、トリクロルフェノ
ール、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリフルオロ酢
酸、抱水クロラールなどがあげられる。この中で好まし
いのは、レゾルシンとp−クロルフェノールである。本
発明の下びき層には公知の種々のゼラチン硬化剤を用い
ることができる。ゼラチン硬化剤としてはクロム塩(ク
ロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、
グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、エピ
クロルヒドリン樹脂、シアヌルクロリド系化合物(例え
ば、特公昭47−6151号、同47−33380号、
同54−25411号、特開昭56−130740号に
記載の化合物)、ビニルスルホンあるいはスルホニル系
化合物(例えば、特公昭47−24259号、同50−
35807号、特開昭49−24435号、同53−4
1221号、同59−18944号に記載の化合物)、
カルバモイルアンモニウム塩系化合物(例えば、特公昭
56−12853号、同58−32699号、特開昭4
9−51945号、同51−59625号、同61−9
641号に記載の化合物)、アミジニウム塩系化合物
(例えば、特開昭60−225148号に記載の化合
物)、カルボジイミド系化合物(例えば、特開昭51−
126125号、同52−48311号に記載の化合
物)、ピリジニウム塩系化合物(例えば、特公昭58−
50699号、特開昭52−54427号、特開昭57
−44140号、同57−46538号に記載の化合
物)、その他ベルギー特許第825,726号、米国特
許第3,321,313号、特開昭50−38540
号、同52−93470号、同56−43353号、同
58−113929号に記載の化合物などを挙げること
ができる。
【0289】本発明の下びき層には、画像の透明性や粒
状性を実質的に損なわれない程度に無機又は有機の微粒
子をマット剤として含有させることができる。無機微粒
子のマット剤としてはシリカ(SiO2 ) 、二酸化チタン(T
iO2 ) 、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどを使用
することができる。有機の微粒子マット剤としては、ポ
リメチルメタアクリレート、セルロースアセテートプロ
ピオネート、ポリスチレン、米国特許第4,142,8
94号に記載されている処理液可溶性のもの、米国特許
第4,396,706号に記載されているポリマーなど
を用いることができる。これら微粒子マット剤の平均粒
子径は1〜10μm のものが好ましい。
【0290】これ以外にも、下塗層には、必要に応じて
各種の添加剤を含有させることができる。例えば界面活
性剤、帯電防止剤、アンチハレーション剤、着色用染
料、顔料、塗布助剤、カブリ防止剤等である。本発明に
おいて、下塗第1層用の下塗液を使用する場合には、レ
ゾルシン、抱水クロラール、クロロフェノールなどの如
きエッチング剤を下塗液中に含有させる必要は全くな
い。しかし所望により前記の如きエッチング剤を下塗中
に含有させることは差し支えない。本発明に係わる下塗
液は、一般によく知られた塗布方法、例えばディップコ
ート法、エアーナイココート法、カーテンコート法、ロ
ーラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコー
ト法、或いは米国特許第2,681,294号明細書に
記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法
により塗布することが出来る。所望により、米国特許第
2,761,791号、同第3,508,947号、同
第2,941,898号、及び同第3,526,528
号明細書、原崎勇次著、「コーティング工学」253頁
(1973年、朝倉書店発行)などに記載された方法に
より2層以上の層を同時に塗布することが出来る。
【0291】バック層のバインダーとしては、疎水性ポ
リマーでもよく、下びき層に用いる如き親水性ポリマー
であってもよい。本発明の感光材料のバック層には、帯
電防止剤、易滑剤、マット剤、界面活性剤、染料等を含
有することができる。本発明のバック層で用いられる帯
電防止剤としては、特に制限はなく、たとえばアニオン
性高分子電解質としてはカルボン酸及びカルボン酸塩、
スルホン酸塩を含む高分子で例えば特開昭48−220
17号、特公昭46−24159号、特開昭51−30
725号、同51−129216号、同55−9594
2号に記載されているような高分子である。カチオン性
高分子としては例えば特開昭49−121523号、同
48−91165号、特公昭49−24582号に記載
されているようなものがある。またイオン性界面活性剤
もアニオン性とカチオン性とがあり、例えば特開昭49
−85826号、同49−33630号、米国特許第
2,992,108号、同第3,206,312号、特
開昭48−87826号、特公昭49−11567号、
同49−11568号、特開昭55−70837号など
に記載されているような化合物を挙げることができる。
【0292】本発明のバック層の帯電防止剤として最も
好ましいものは、ZnO、TiO2、SnO2 、Al2
3 、In2 3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO
3 、V2 5 の中から選ばれた少くとも1種の結晶性の
金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子であ
る。本発明に使用される導電性の結晶性酸化物又はその
複合酸化物の微粒子はその体積抵抗率が107 Ωcm以
下、より好ましくは105 Ωcm以下である。またその粒
子サイズは0.002〜0.7μm 、特に0.005〜
0.3μm とすることが望ましい。
【0293】さらに、本発明のハロゲン化銀カラー写真
感光材料には、各種の情報を記録するために磁気記録層
を有していてもよい。強磁性体は公知のものを使用する
ことがてきる。磁気記録層は支持体層のバック面に用い
るのが好ましく、塗布又は印刷によって設けることがで
きる。また、各種の情報を記録するために光学的に記録
するスペースを感光材料に与えてもよい。
【0294】本発明の感光材料がカメラ内で用いられる
フィルムのカメラ内での中心部の中空部あるいはスプー
ルは小さい程好ましいが、3mm以下では感材の圧力によ
る写真性の悪化が著しく実用上使用できない。従って本
発明では好ましいフィルムのカメラ内での中心部の中空
部あるいはスプールは3mm以上であり、また上限は12
mmが好ましく、更に好ましくは3mmから10mm、特に好
ましくは4mmから9mmである。また、スプールの巻き込
み内径は同様に小さい程好ましいが、5mm以下では感材
の圧力による写真性の悪化が著しく、又多数枚の駒数を
装填出来ず実用上使用できない。従って本発明では好ま
しいカメラ内のスプールの巻き込み内径はスプールは5
mm以上であり、又上限は15mmが好ましく、より好まし
くは6mmから13.5mm、更に好ましくは7mmから1
3.5mm、特に好ましくは7mmから13mmである。
【0295】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はな
い。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化
銀写真感光材料である。その場合、該感光性層は青色
光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単
位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材
料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側
から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置
される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であって
も、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれよう
な設置順をもとり得る。
【0296】上記のハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各種の中間層等の非感光性層を設けて
もよい。
【0297】該中間層には、特開昭61−43748
号、同59−113438号、同59−113440
号、同61−20037号、同61−20038号明細
書に記載されるようなカプラー、DIR化合物等が含ま
れていてもよく、通常用いられるように混色防止剤を含
んでいてもよい。
【0298】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層の構成を好ましく用いる
ことができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が
低くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳
剤層の間には非感光性層が設けられていてもよい。ま
た、特開昭57−112751号、同62−20035
0号、同62−206541号、62−206543号
等に記載されれているように支持体より離れた側に低感
度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置しても
よい。
【0299】具体例に基づいて説明すれば、支持体から
最も遠い側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青
感光性層(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度
緑感光性層(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感
度赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/
GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL
/RL/RHの順等に設置することができる。
【0300】また、特公昭55−34932号公報に記
載されているように、支持体から最も遠い側から青感光
性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもで
きる。また、特開昭56−25738号、同62−63
936号明細書に記載されているように、支持体から最
も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順
に配列することもできる。
【0301】別の具体例として、特公昭49−1549
5号公報に記載されているように、上層に最も感光度の
高いハロゲン化銀乳剤層、中層にそれよりも低い感光度
のハロゲン化銀乳剤層、下層に中層よりも更に感光度の
低いハロゲン化銀乳剤層を配置することによって、支持
体に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3
層から構成される配列が挙げられる。このような感光度
の異なる3層から構成される場合でも、特開昭59−2
02464号明細書に記載されているように、同一感色
性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層/
高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。
【0302】その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。また、4
層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
【0303】色再現性を改良するために、米国特許第
4,663,271号、同第4,705,744号、同
第4,707,436号、特開昭62−160448
号、同63−89850号の明細書に記載の、BL,G
L,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効
果のドナー層(CL)を主感光層に隣接もしくは近接し
て配置することが好ましい。
【0304】上記のように、それぞれの感光材料の目的
に応じて種々の層構成・配列を選択することができる。
【0305】以下に、本発明のハロゲン化銀乳剤以外の
ハロゲン化乳剤について述べる。
【0306】本発明の写真感光材料に含有される好まし
いハロゲン化銀は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、
ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀であ
る。特に好ましいのは、約2モル%から約10モル%ま
でのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀で
ある。
【0307】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するも
の、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、
双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの
複合形でもよい。
【0308】ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm以下
の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大
サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよ
い。
【0309】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No
17643(1978年12月)、22〜23頁、
“I.乳剤製造(Emulsion preparat
ion and types)”、および同No.187
16(1979年11月)、648頁、同No.3071
05(1989年11月)、863〜865頁、および
グラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル社
刊(P.Glafkides,Chemie etPh
isique Photographique,Pau
l Montel,1967)、ダフィン著「写真乳剤
化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duffi
n,Photographic Emulsion C
hemistry(Focal Press,196
6)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォ
ーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et
al.,Making and Coating Ph
otographic Emulsion,Focal
Press,1964)などに記載された方法を用い
て調製することができる。
【0310】米国特許第3,574,628号、同3,
655,364号および英国特許第1,413,748
号などに記載された単分散乳剤も好ましい。
【0311】また、アスペクト比が約3以上であるよう
な平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガ
トフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エ
ンジニアリング(Gutoff,Photograph
ic Science and Engineerin
g)、第14巻、248〜257頁(1970年);米
国特許第4,434,226号、同第4,414,31
0号、同第4,433,048号、同第4,439,5
20号および英国特許第2,112,157号などに記
載の方法により簡単に調整することができる。
【0312】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい。また、エピタキシャル接合によっ
て組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、
また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また、種々の結晶形の
粒子の混合物を用いてもよい。
【0313】上記の乳剤は潜像を主として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型で
も、或いは表面と内部の両方に潜像を有する型のいずれ
でもよいが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内
部潜像型の場合、特開昭63−264740号に記載の
コア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよい。このコ
ア/シェル型内部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭59
−133542号に記載されている。この乳剤のシェル
の厚みは、現像処理等によって異なるが、3×40nmが
好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
【0314】ハロゲン化銀乳剤としては、通常、物理熟
成、化学熟成および分光増感を行ったものを使用する、
このような工程で使用される添加剤はリサーチ・ディス
クロージャーNo.17643、同No.18716および
同No.307105に記載されており、その該当箇所を
後掲の表にまとめた。
【0315】本発明の感光材料では、感光性ハロゲン化
銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、
粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性が異なる2種
類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することがで
きる。
【0316】米国特許第4,082,553号に記載の
粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第
4,626,498号、特開昭59−214852号に
記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイ
ド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的
に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用できる。
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子と
は、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に
(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のこと
をいう。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀
粒子の調製法は、米国特許第4,626,498号、特
開昭59−214852号に記載されてれいる。
【0317】粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハ
ロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、同
一のハロゲン組成をもつものでも異なるハロゲン組成を
もつものでもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハ
ロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩
沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのか
ぶらされたハロゲン化銀粒子の粒子サイズには特別な限
定はないが、平均粒子サイズとしては0.01〜0.7
5μm、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、
粒子形状については特に限定はなく、規則的な粒子でも
よい。また、多分散乳剤でもよいが、単分散乳剤(ハロ
ゲン化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95%が
平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であ
ることが好ましい。
【0318】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。
【0319】微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が
0〜100モル%であり、必要に応じて塩化銀および/
または沃化銀を含有してもよい、好ましくは沃化銀を
0.5〜10モル%含有するものである。
【0320】微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面
積の円相当直径の平均値)が0.01〜0.5μmが好
ましく、0.02〜0.2μmがより好ましい。
【0321】微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロ
ゲン化銀と同様の方法で調整できる。この場合、ハロゲ
ン化銀粒子の表面は光学的に増感される必要はなく、ま
た分光増感も不要である。ただし、これを塗布液に添加
するのに先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザイン
デン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系
化合物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加して
おくことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有
層に、コロイド銀を好ましく含有させることができる。
【0322】本発明の感光材料の塗布銀量は、10.0
g/m2 以下が好ましく、7.0g/m2 以下が最も好
ましい。
【0323】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0324】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4.増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5.かぶり防止 24〜25頁 649頁右欄 868〜870頁 剤、安定剤 6.光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター 〜650頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 7.ステイン 25頁右欄 650頁左欄 872頁 防止剤 〜右欄 8.色素画像 25頁 650頁左欄 872頁 安定剤 9.硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 10.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 11.可塑剤、 27頁 650頁右欄 876頁 潤滑剤、 12.塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 13.スタチツク 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 14.マツト剤 878〜879頁
【0325】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性
能の劣化を防止するために、米国特許4,411,98
7号や同第4,435,503号に記載された、ホルム
アルデヒドと反応して固定化できる化合物を感光材料に
添加することが好ましい。
【0326】本発明の感光材料に、米国特許第4,74
0,454号、同第4,788,132号特開昭62−
18539号、特開平1−283551号に記載のメル
カプト化合物を含有させることが好ましい。
【0327】本発明の感光材料には、現像処理によって
生成した現像銀量とは無関係に、特開平1−10605
2号に記載のかぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶
剤またはそれらの前躯体を放出する化合物を含有させる
ことが好ましい。
【0328】本発明の感光材料に、国際公開W088/
04794号、特表平1−502912号に記載された
方法で分散された染料、またはEP317,308A
号、米国特許4,420,555号、特開平1−259
358号に記載の染料を含有させることが好ましい。
【0329】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643、VII −C〜G、および同N
o.307105、VII −C〜Gに記載された特許に記
載されている。
【0330】イエローカプラーとしては、本発明の一般
式(1)及び(2)で表されるもの以外に、例えば米国
特許第3,933,501号、同第4,022,620
号、同第4,326,024号、同第4,401,75
2号、同第4,248,961号、特公昭58−107
39号、英国特許第1,425,020号、同第1,4
76,760号、米国特許第3,973,968号、同
第4,314,023号、同第4,511,649号、
欧州特許第249,473A号、等に記載のものが好ま
しい。
【0331】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同第4,351,897
号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,06
1,432号、同第3,725,067号、リサーチ・
ディスクロージャーNo.24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.24230(1984年6月)、特開昭
60−43659号、同61−72238号、同60−
35730号、同55−118034号、同60−18
5951号、米国特許第4,500,630号、同第
4,540,654号、同第4,556,630号、国
際公開W088/04795号等に記載のものが特に好
ましい。
【0332】シアンカプラーとしては、フェノー系及び
ナフトール系カプラーが挙げられる。なかでも、例えば
米国特許第4,052,212号、同第4,146,3
96号、同第4,228,233号、同第4,296,
200号、同第2,369,929号、同第2,80
1,171号、同第2,772,162号、同第2,8
95,826号、同第3,772,002号、同第3,
758,308号、同第4,334,011号、同第
4,327,173号、西独特許公開第3,329,7
29号、欧州特許第121,365A号、同第249,
453A号、米国特許第3,446,622号、同第
4,333,999号、同第4,775,616号、同
第4,451,559号、同第4,427,767号、
同第4,690,889号、同第4,254,212
号、同第4,296,199号、特開昭61−4265
8号に記載のものが好ましい。さらに、特開昭64−5
53号、同64−554号、同64−555号、同64
−556に記載のピラゾロアゾール系カプラーや、米国
特許第4,818,672号に記載のイミダゾール系カ
プラーも使用することができる。
【0333】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同第4,08
0,211号、同第4,367,282号、同第4,4
09,320号、同第4,576,910号、英国特許
2,102,137号、欧州特許第341,188A号
等に記載されている。
【0334】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。
【0335】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.
17643のVII −G項、同No.307105のVII −
G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57−
39413号、米国特許第4,004,929号、同第
4,138,258号、英国特許第1,146,368
号に記載のものが好ましい。また、米国特許第4,77
4,181号に記載のカップリング時に放出された蛍光
色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラーや、
米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反
応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基と
して有するカプラーを用いることも好ましい。
【0336】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出する化合物もまた、本発明で好ましく使用でき
る。現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、本発明の
一般式(I)(II)で表わされるもの以外に、前述のR
D17643、VII −F項及び同No.307105、VI
I −F項に記載された特許、特開昭57−151944
号、同57−154234号、同60−184248
号、同63−37346号、同63−37350号、米
国特許4,248,962号、同4,782,012号
に記載されたものが好ましい。
【0337】R.D.No.11449、同24241、
特開昭61−201247号等に記載の漂白促進剤放出
カプラーは、漂白能を有する処理工程の時間を短縮する
のに有効である。特に、前述の平板状ハロゲン化銀粒子
を用いた感光材料に添加する場合に、その効果が大であ
る。現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を放出
するカプラーとしては、英国特許第2,097,140
号、同第2,131,188号、特開昭59−1576
38号、同59−170840号に記載のものが好まし
い。また、特開昭60−107029号、同60−25
2340号、特開平1−44940号、同1−4568
7号に記載の、現像主薬の酸化体との酸化還元反応によ
り、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤等を放
出する化合物も好ましい。
【0338】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427
号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,4
72号、同第4,338,393号、同第4,310,
618号等に記載の多等量カプラー、特開昭60−18
5950号、特開昭62−24252号等に記載のDI
Rレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出
カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしく
はDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第
173,302A号、同第313,308A号に記載の
離脱後復色する色素を放出するカプラー、米国特許第
4,555,477号等に記載のリガンド放出カプラ
ー、特開昭63−75747号に記載のロイコ色素を放
出するカプラー、米国特許第4,774,181号に記
載の蛍光色素を放出するカプラー等が挙げられる。
【0339】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。
【0340】水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の
例は、例えば米国特許第2,322,027号に記載さ
れている。水中油滴分散法に用いられる、常圧での沸点
が175℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、例
えばフタル酸エステル類(例えばジブチルフタレート、
ジシクロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシル
フタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−t
−アミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−ジ−t
−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジ
エチルプロピル)フタレート);リン酸またはホスホン
酸のエステル類(例えばトリフェニルホスフェート、ト
リクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニ
ルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、ト
リ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホ
スフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリク
ロロプロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフ
ェニルホスホネート);安息香酸エステル類(例えば2
−エチルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエー
ト、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエー
ト);アミド類(例えばN,N−ジエチルドデカンアミ
ド、N,N−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシ
ルピロリドン);アルコール類またはフェノール類(例
えばイソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert
−アミルフェノール);脂肪族カルボン酸エステル類
(例えばビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオ
クチルアゼレート、グリセロールトリブチレート、イソ
ステアリルラクテート、トリオクチルシトレート);ア
ニリン誘導体(例えばN,N−ジブチル−2−ブトキシ
−5−tert−オクチルアニリン);炭化水素類(例
えばパラフィン、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナ
フタレン)が挙げられる。また補助溶剤としては、沸点
が約30℃以上、好ましくは50℃以上約160℃以下
の有機溶剤などが使用できる。その典型例としては、例
えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−エトキシエ
チルアセテート、ジメチルホルムアミドが挙げられる。
【0341】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用のラテックスの具体例は、例えば米国特許第4,19
9,363号、西独特許出願(OLS)第2,541,
274号および同第2,541,230号に記載されて
いる。
【0342】本発明のカラー感光材料中には、例えばフ
ェネチルアルコールや特開昭63−257747号、同
62−272248号、および特開平1−80941号
に記載の1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、n
−ブチル p−ヒドロキシベンゾエート、フェノール、
4−クロル−3,5−ジメチルフェノール、2−フェノ
キシエタノール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダ
ゾールのような各種の防腐剤もしくは防騾剤を添加する
ことが好ましい。
【0343】本発明は各種のカラー感光材料に適用する
ことができる。その代表例としては、例えば一般用もし
くは映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくは
テレビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラ
ーポジフィルムおよびカラー反転ペーパーを挙げること
ができる。
【0344】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18
716の647頁右欄から648頁左欄、及び同No.3
07105の879頁に記載されている。
【0345】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が30μm以下である
ことが好ましく、28μm以下がより好ましく、25μ
m以下が更に好ましく、23μm以下が特に好ましい。
また、膨脹潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20
秒以下がより好ましい。膜厚は、25℃相対湿度55%
調湿下(2日)で測定した膜厚を意味する。膜膨潤速度
1/2 は、当該技術分野において公知の手法に従って測
定することができる。例えば、エー・グリーン(A.G
reen)らによりフォトグラフィック・サイエンス・
アンド・エンジニアリング(Photogr.Sci.
Eng.)、19巻、2号、124〜129頁に記載さ
れた型のスエロメーター(膨潤計)を使用することによ
り測定できる。また、T1/2 は発色現像液で30℃、3
分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を
飽和膜厚とし、飽和膜厚の1/2に到達するまでの時間
として定義する。
【0346】膨脹潤速度T1/2 は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率と
は、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:
(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従って計算できる。
【0347】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層の膨潤率は150〜500%が好まし
い。
【0348】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.18
716の651左欄〜右欄、および同No.307105
の880〜881頁に記載された通常の方法によって現
像処理することができる。
【0349】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
される。その代表例としては、3−メチル−4−アミノ
−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ
−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3
−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンス
ルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ
−N−エチル−β−メトキシエチルアニリン及びこれら
の硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩な
どが挙げられる。これらの中で、特に、3−メチル−4
−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニ
リン硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ2
種以上併用することもできる。
【0350】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤や、塩化物
塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベン
ゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像
抑制剤またはカブリ防止剤などを含むのが一般的であ
る。また必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチル
ヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N−ビスカルボキ
シメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセミ
カルバジド類、トリエタノールアミン、カテコールスル
ホン酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエ
チレングリコールのような有機溶剤、ベンジンアルコー
ル、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、ア
ミン類のような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カ
プラー、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助
現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノ
ポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボ
ン酸に代表されるような各種キレート剤を併用してもよ
い。このうち、キレート剤としては、例えばエチレンジ
アミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエ
チルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1
−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレン
ホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N.,N−テ
トラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−
ヒドロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表例とし
て挙げることができる。
【0351】また、反転処理を実施する場合は通常黒白
現像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、
例えばハイドロキノンのようなジヒドロキシベンゼン
類、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような3−ピラ
ゾリドン類またはN−メチル−p−アミノフェノールの
ようなアミノフェノール類に代表される公知の黒白現像
主薬を単独であるいは組み合わせて用いることができ
る。これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは9〜12
であることが一般的である。また、これらの現像液の補
充量は、処理するカラー写真感光材料にもよるが、一般
に感光材料1平方メートル当たり3リットル以下であ
り、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させておくこと
により500ml以下にすることもできる。補充量を低減
する場合には、処理槽の空気との接触面積を小さくする
ことによって、液の蒸発および空気酸化を防止すること
が好ましい。
【0352】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。即
ち、 開口率=[処理液と空気との接触面積(cm2 )]÷[処
理液の容量(cm3 )] 上記の開口率は、0.1以下であることが好ましく、よ
り好ましくは0.001〜0.05である。このように
開口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処理液
面に浮き蓋等の遮蔽物を設けるほかに、特開平1−82
033号に記載された可動蓋を用いる方法、特開昭63
−216050号に記載されたスリット現像処理方法を
挙げることができる。開口率を低減させることは、発色
現像及び黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程、
例えば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全
ての工程において適用することが好ましい。また、現像
液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることに
より、補充量を低減することもできる。
【0353】発色現像処理の時間は通常2〜5分の間で
設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現像主薬を高濃
度に使用することにより、更に処理時間の短縮を図るこ
ともできる。
【0354】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後に漂白定着処理する処
理方法でもよい。更に二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後に漂白処理することも目的に応じ任意に
実施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III)のような
多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物が
用いられる。代表的漂白剤としては、鉄(III)の有機錯
塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイ
ミノ二酢酸、1,3-ジアミノプロパン四酢酸、グリコール
エーテルジアミン四酢酸のようなアミノポリカルボン酸
類と鉄(III)との錯塩、又はクエン酸、酒石酸もしくは
リンゴ酸と鉄(III)との錯塩を用いることができる。こ
れらのうち、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩、及
び1,3-ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)錯塩を始めとす
るアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は、迅速処理と環
境汚染防止の観点から好ましい。さらに、アミノポリカ
ルボン酸鉄(III)錯塩は漂白液においても、漂白定着液
においても特に有用である。これらのアミノポリカルボ
ン酸鉄(III)錯塩を用いた漂白液又は漂白定着液のpH
は、通常4.0〜8であるが、処理の迅速化のために更
に低いpHで処理することもできる。
【0355】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:例えば、米国特許第3,893,858号、西独
特許第1,290,812号、同第2,059,988
号、特開昭53−32736号、同53−57831
号、同53−37418号、同53−72623号、同
53−95630号、同53−95631号、同53−
104232号、同53−124424号、同53−1
41623号、同53−28426号、リサーチ・ディ
スクロージャーNo.17129号(1978年7月)に
記載のメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合
物;特開昭50−140129号に記載のチアゾリジン
誘導体;特公昭45−8506号、特開昭52−208
32号、同53−32735号、米国特許第3,70
6,561号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第1,
127,715号、特開昭58−16,235号に記載
の沃化物塩;西独特許第996,410号、同第2,7
48,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類、
特公昭45−8836号に記載のポリアミン化合物;そ
の他特開昭49−40943号、49−59644号、
同53−94927号、同54−35727号、同55
−26506号、同58−163940号に記載の化合
物;臭化物イオンが使用できる。なかでも、メルカプト
基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果が大
きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,85
8号、西独特許第1,290,812号、特開昭53−
95630号に記載の化合物が好ましい。更に、米国特
許第4,552,834号に記載の化合物も好ましい。
これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮影用
のカラー感光材料を漂白定着するときに、これれらの漂
白促進剤は特に有効である。
【0356】漂白液や漂白定着液には、上記の化合物の
他に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させ
ることが好ましい。特に好ましい有機酸は酸解離定数
(pKa)が2〜5の化合物で、具体的には、例えば酢酸、
プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸が好ましい。
【0357】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
しては、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエー
テル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩をあげるこ
とができるが、チオ流酸塩の使用が一般的であり、特に
チオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。また、
チオ流酸塩と、例えばチオシアン酸塩、チオエーテル系
化合物、チオ尿素との併用も好ましい。定着液や漂白定
着液の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボ
ニル重亜硫酸付加物あるいは欧州特許第294769A
号に記載のスルフィン酸化合物が好ましい。更に、定着
液や漂白定着液には、液の安定化の目的で、各種アミノ
ポリカルボン酸類や有機ホスホン酸類を添加するのが好
ましい。
【0358】本発明において、定着液または漂白定着液
には、pH調整のためにpKa が6.0〜9.0の化合物、
好ましくは、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、
1−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールの如
きイミダゾール類を0.1〜10モル/リットル添加す
ることが好ましい。
【0359】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。
好ましい温度範囲においては脱銀速度が向上し、かつ処
理後のステイン発生が有効に防止される。
【0360】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な手段
としては、例えば次の方法が挙げられる。即ち、特開昭
62−183460号に記載された、感光材料の乳剤面
に処理液の噴流を衝突させる方法;特開昭62−183
461号に記載された、回転手段を用いて攪拌効果を上
げる方法;液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面
を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流
化することによって攪拌効果をより向上させる方法;処
理液全体の循環流量を増加させる方法である。このよう
な攪拌向上のための手段は、漂白液、漂白定着液、定着
液のいずれにおいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜
中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速
度を高めるものと考えられる。また、前記の攪拌向上手
段は、漂白促進剤を使用した場合により一層有効であ
り、促進効果を著しく増加させたり、漂白促進剤による
定着阻害作用を解消させることができる。
【0361】本発明の感光材料に用いられる自動現像機
は、特開昭60−191257号、同60−19125
8号、同60−191259号に記載の感光材料搬送手
段を有していることが好ましい。
【0362】前記の特開昭60−191257号に記載
のとおり、このような搬送手段は前浴から後浴への処理
液の持込みを著しく削減できるから、処理液の性能劣化
を防止する上で大きな効果を奏する。このような効果
は、各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の
低減を達成するために特に有効である。
【0363】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等の使用素材による)、用途、水洗水
温、水洗タンクの数(段数)、向流もしくは順流等の補
充方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得
る。このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水
量との関係は、Journal of the Soc
iety of Motion Pictureand
Television Engineers 第64
巻、P.248〜253(1955年5月号)に記載の
方法で求めることができる。前記文献に記載の多段向流
方式によれば水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内
における水の滞留時間の増加によりバクテリアが繁殖
し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生
じる。本発明のカラー感光材料の処理においては、この
ような問題の解決のために、特開昭62−288,83
8号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを
低減させる方法を極めて有効に用いることができる。ま
た、特開昭57−8,542号に記載のイソチアゾロン
化合物や、例えばサイアベンダゾール類、塩素化イソシ
アヌール酸ナトリウムのような塩素系殺菌剤、その他ベ
ンゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防騾剤の化学」
(1986年)三共出版、衛生技術会編「微生物の滅
菌、殺菌、防騾技術」(1982年)工業技術会、日本
防菌防騾学会編「防菌防騾剤辞典」(1986年)に記
載の殺菌剤を用いることもできる。
【0364】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、4〜9、好ましくは5〜8である。水洗水温およ
び水洗時間も、感光材料の特性、用途等に応じて種々設
定し得るが、一般には15〜45℃で20秒〜10分、
好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択さ
れる。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代えて、
直接安定液によって処理することもできる。このような
安定化処理においては、特開昭57−8543号、同5
8−14834号、同60−220345号に記載の公
知の方法はすべて用いることができる。
【0365】また、前記水洗処理に続いて、更に安定化
処理を行なう場合もある。その例として、撮影用カラー
感光材料の最終浴として使用される、色素安定化剤と界
面活性剤を含有する安定浴を挙げることができる。色素
安定化剤としては、ホルマリンやグルタルアルデヒドな
どのアルデヒド類、N−メチロール化合物、ヘキサメチ
レンテトラミンあるいはアルデヒド亜硫酸付加物などを
挙げることができる。この安定浴にも各種キレート剤や
防騾剤を加えることもできる。
【0366】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は、脱銀工程のような他の工程において
再利用することもできる。
【0367】自動現像機などを用いた処理において、上
記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、水を加
えて濃度補正することが好ましい。
【0368】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料に
は、処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内
蔵させても良い。内蔵させるためには、発色現像主薬の
各種プレカーサーを用いるのが好ましい。例えば、米国
特許第3,342,597号記載のインドアニリン系化
合物、同第3,342,599号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.14,850及び同No.15,159に
記載のシッフ塩基型化合物、同13,924号に記載の
アルドール化合物、米国特許第3,719,492号に
記載の金属塩錯体、特開昭53−135628号に記載
のウレタン系化合物を挙げることができる。
【0369】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1−
フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型
的な化合物は、特開昭56−64339号、同57−1
44547号、および同58−115438号等に記載
されている。
【0370】本発明における各種処理液は、10℃〜5
0℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度
が標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時
間を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理
液の安定性の改良を達成することができる。
【0371】
【実施例】以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0372】実施例1 (乳剤) 乳剤1の調製 (工程A)攪拌機を備えた反応容器に、ゼラチン水溶液
(蒸留水1200ml、平均分子量15000のゼラチ
ン0.96g、pBr2.20、pH5.3)を入れ、
溶液の温度を40℃に保持した。この溶液中にAgNO
3 水溶液37.5ml(AgNO3 1.3gを含む)と
KBr水溶液25ml(KBr1.05gを含む)を3
0秒間かけて同時に添加して核形成を行った。30秒後に
KBr水溶液12.1ml(KBr1.21gを含む)
を添加し、75℃に昇温した。熟成後ゼラチン水溶液
(不活性ゼラチン35g、蒸留水251mlを含む)を
添加した。
【0373】(工程B)75℃において、AgNO3
溶液116ml(AgNO3 29.0gを含む)とKB
r水溶液91ml(KBr19.9mlを含む)を添加
した。このとき、AgNO3 水溶液の添加開始流速を5
ml/min、終了流速を15ml/minとした。ま
たKBr水溶液の添加開始流速を5ml/min、終了
流速を10.7ml/minとした。そしてAgNO3
水溶液302.3ml(AgNO3 96.7gを含む)
と等モル濃度のKBrとKIの混合水溶液(2.0mol
%Iを含む)をpBrを2.55に維持するように添加
した。このとき、添加開始流速を5.0ml/min、
終了流速を26.0ml/minとした。さらにAgN
3 水溶液96.5ml(AgNO3 24.1gを含
む)と等モル濃度のKBr水溶液をpBrを2.40に
維持するように添加した。
【0374】(工程C)55℃に降温して、AgNO3
水溶液153.0ml(AgNO3 10.4gを含む)
を30.60ml/minでKIの水溶液414.5m
l(KI5.2gを含む)を82.9ml/minで同
時添加した。続いて、KBr水溶液71.1ml(KB
r7.11gを含む)を添加し、さらにAgNO3 水溶
液228.3ml(AgNO3 57.1gを含む)を2
8.54ml/minで、等モル濃度のKBr水溶液を
23ml/minで同時添加した。
【0375】(工程D)生成した乳剤は通常のフロキュ
レーション法による脱塩・水洗を行い、再分散させて、
増感色素ExS−4、ExS−5、ExS−6を0.
1:0.2:0.7の比率で飽和吸着量の75%添加し
た後にチオ硫酸ナトリウム、フォスフォニルセレニド、
塩化金酸及びチオシアン酸カリウムを用いて最適に化学
増感した。
【0376】以下に得られた乳剤1の粒子のサイズを示
す。 円相当直径 :1.268 μm 変動係数 :0.18 厚さ :0.181 μm 平均アスペクト比 :7.0 球相当径 :0.720 μm トータルAgI含有率 :3.3 mol % ヨウ化銀含有率の相対標準偏差 :16 %
【0377】乳剤2の調製 乳剤1の工程Bおよび工程Cを以下のように変更する以
外は乳剤1と同様にして乳剤2を作製した。 (工程B)75℃において、AgNO3 水溶液116m
l(AgNO3 29.0gを含む)とKBr水溶液91
ml(KBr19.9mlを含む)を添加した。このと
き、AgNO3 水溶液の添加開始流速を5ml/mi
n、終了流速を15ml/minとした。またKBr水
溶液の添加開始流速を5ml/min、終了流速を1
0.7ml/minとした。そしてAgNO3 水溶液3
02.3ml(AgNO3 96.7gを含む)と等モル
濃度のKBrとKIの混合水溶液(3.3mol %Iを含
む)をpBrを2.85に維持するように添加した。こ
のとき、添加開始流速を5.0ml/min、終了流速
を26.0ml/minとした。さらにAgNO3 水溶
液96.5ml(AgNO3 24.1gを含む)と等モ
ル濃度のKBr水溶液をpBrを2.40に維持するよ
うに添加した。 (工程C)55℃に降温して、AgNO3 水溶液15
3.0ml(AgNO3 10.4gを含む)を30.6
0ml/minでKIの水溶液414.5ml(KI
8.5gを含む)を82.9ml/minで同時添加し
た。続いて、AgNO3 水溶液228.3ml(AgN
3 57.1gを含む)を28.54ml/minで、
等モル濃度のKBr水溶液を23ml/minで同時添
加した。
【0378】乳剤3の調製 乳剤2の工程Bを以下のように変更する以外は乳剤2と
同様にして乳剤3を作製した。 (工程B)75℃において、AgNO3 水溶液116m
l(AgNO3 29.0gを含む)とKBr水溶液91
ml(KBr19.9mlを含む)を添加した。このと
き、AgNO3 水溶液の添加開始流速を5ml/mi
n、終了流速を15ml/minとした。またKBr水
溶液の添加開始流速を5ml/min、終了流速を1
0.7ml/minとした。そしてAgNO3 水溶液3
02.3ml(AgNO3 96.7gを含む)と等モル
濃度のKBrとKIの混合水溶液(3.3mol %Iを含
む)をpBrを2.55に維持するように添加した。こ
のとき、添加開始流速を5.0ml/min、終了流速
を26.0ml/minとした。さらにAgNO3 水溶
液96.5ml(AgNO3 24.1gを含む)と等モ
ル濃度のKBr水溶液をpBrを2.40に維持するよ
うに添加した。
【0379】乳剤4の調製 乳剤1の工程Bおよび工程Cを以下のように変更する以
外は乳剤1と同様にして乳剤4を作製した。 (工程B)75℃において、AgNO3 水溶液116m
l(AgNO3 29.0gを含む)とKBr水溶液91
ml(KBr19.9mlを含む)を添加した。このと
き、AgNO3 水溶液の添加開始流速を5ml/mi
n、終了流速を15ml/minとした。またKBr水
溶液の添加開始流速を5ml/min、終了流速を1
0.7ml/minとした。そしてAgNO3 水溶液3
02.3ml(AgNO3 96.7gを含む)と等モル
濃度のKBrとKIの混合水溶液(3.3mol %Iを含
む)をpBrを2.55に維持するように添加した。こ
のとき、添加開始流速を5.0ml/min、終了流速
を26.0ml/minとした。さらにAgNO3 水溶
液96.5ml(AgNO3 24.1gを含む)と等モ
ル濃度のKBr水溶液をpBrを2.40に維持するよ
うに添加した。 (工程C)55℃に降温して、AgNO3 水溶液15
3.0ml(AgNO3 10.4gを含む)を30.6
0ml/minでKIの水溶液414.5ml(KI
8.5gを含む)を82.9ml/minで同時添加し
た。続いて、KBr水溶液71.1ml(KBr7.1
1gを含む)を添加し、さらにAgNO3 水溶液22
8.3ml(AgNO3 57.1gを含む)を28.5
4ml/minで、等モル濃度のKBr水溶液を23m
l/minで同時添加した。
【0380】乳剤5の調製 乳剤4の工程Bを以下のように変更する以外は乳剤4と
同様にして乳剤5を作製した。 (工程B)75℃において、AgNO3 水溶液116m
l(AgNO3 29.0gを含む)とKBr水溶液91
ml(KBr19.9mlを含む)を添加した。このと
き、AgNO3 水溶液の添加開始流速を5ml/mi
n、終了流速を15ml/minとした。またKBr水
溶液の添加開始流速を5ml/min、終了流速を1
0.7ml/minとした。そしてAgNO3 水溶液3
02.3ml(AgNO3 96.7gを含む)と2倍モ
ル濃度のKBrとKIの混合水溶液(3.3mol %Iを
含む)をpBrを2.55に維持するように添加した。
このとき、添加開始流速を5.0ml/min、終了流
速を26.0ml/minとした。さらにAgNO3
溶液96.5ml(AgNO3 24.1gを含む)と等
モル濃度のKBr水溶液をpBrを2.40に維持する
ように添加した。
【0381】乳剤6の調製 乳剤4の工程Bを以下のように変更する以外は乳剤4と
同様にして乳剤6を作製した。 (工程B)75℃において、AgNO3 水溶液116m
l(AgNO3 29.0gを含む)とKBr水溶液91
ml(KBr19.9mlを含む)を添加した。このと
き、AgNO3 水溶液の添加開始流速を5ml/mi
n、終了流速を15ml/minとした。またKBr水
溶液の添加開始流速を5ml/min、終了流速を1
0.7ml/minとした。そしてAgNO3 水溶液3
02.3ml(AgNO3 96.7gを含む)と等モル
濃度のKBrとKIの混合水溶液(3.3mol %Iを含
む)をpBrを2.55に維持するように添加した。こ
のとき、添加流速は5.0ml/minの定量添加とし
た。さらにAgNO3 水溶液96.5ml(AgNO3
24.1gを含む)と等モル濃度のKBr水溶液をpB
rを2.40に維持するように添加した。
【0382】生成した乳剤2〜6についても通常のフロ
キュレーション法による脱塩・水洗を行い、再分散させ
て、増感色素ExS−4、ExS−5、ExS−6を
0.1:0.2:0.7の比率で飽和吸着量の75%添
加した後にチオ硫酸ナトリウム、フォスフォニルセレニ
ド、塩化金酸及びチオシアン酸カリウムを用いて各々最
適に化学増感した。
【0383】表1に得られた乳剤1〜6の粒子のサイ
ズ、AgIの含有率を示す。
【0384】
【表1】
【0385】1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成し
た。ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー 100
重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイ
ギーCiba-Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、300℃
にて溶融後、T型ダイから押し出し、 140℃で 3.3倍の
縦延伸を行ない、続いて 130℃で 3.3倍の横延伸を行
い、さらに 250℃で6秒間熱固定して厚さ92μmの PEN
フイルムを得た。なおこの PENフィルムにはブルー染
料,マゼンタ染料及びイエロー染料(公開技報: 公技番
号 94-6023号記載のI-1,I-4,I-6,I-24,I-26,I-27,II-5)
を、イエロー濃度0.01、マゼンタ濃度0.08、シアン濃度
0.09になるように添加した。さらに、直径20cmのステン
レス巻き芯に巻付けて、 113℃、30時間の熱履歴を与
え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0386】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン(0.1g/m2 )、ソジウムα−スルホジ−2−エ
チルヘキシルサクシネート(0.01 g/m2 ) 、サリチル
酸(0.025g/m2)、PQ−1(0.005g/m2 )、PQ
−2(0.006g/m2 )からなる下塗液を塗布して(10 m
l/m2 、バーコーター使用)、下塗層を延伸時高温面
側に設けた。乾燥は 115℃、6分実施した(乾燥ゾーン
のローラーや搬送装置はすべて 115℃となっている)。 3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0387】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径 0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物
の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒
子径 約0.08μm;0.027g/m2 ) 、ゼラチン( 0.03g
/m2 )、(CH2 =CHSO2 CH2 CH2 NHCO)2 CH2 (0.02
g/m2 )、ポリ(重合度10)オキシエチレン−p−ノ
ニルフェノール(0.005g/m2 )、PQ−3(0.008g/
2 )及びレゾルシンを塗布した。 3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15) オキシエチレン−プロピルオキシ
トリメトキシシラン(15 重量%)で被覆処理されたコバ
ルト−γ−酸化鉄 (比表面積43m2 /g、長軸0.14μ
m、単軸0.03μm、飽和磁化 89 emu/g、Fe+2
Fe+3=6/94、表面は酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄
の2重量%で処理されている)0.06g/m2 をジアセチ
ルセルロース1.15g/m2 (酸化鉄の分散はオープンニ
ーダーとサンドミルで実施した)、硬化剤としてPQ−
4(0.075g/m2 )、PQ−5(0.004g/m2 )を、溶
媒としてアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、ジブチルフタレートを用いてバーコーターで塗布
し、膜厚 1.2μmの磁気記録層を得た。滑り剤としてC
6 13CH(OH)C1020COOC4081(50g/m
2 )、マット剤としてシリカ粒子(平均粒径1.0 μm)と
研磨剤の酸化アルミ(レイノルズメタルReynolds Metal
社製ERC-DBM; 平均粒径0.44μm) をそれぞれ5 mg/
2 および15mg/m2 となるように添加した。乾燥は
115℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装
置はすべて 115℃)。X−ライト(ブルーフィルター)
での磁気記録層のDB の色濃度増加分は約 0.1、また磁
気記録層の飽和磁化モーメントは4.2 emu/g、保磁
力 7.3×104 A/m、角形比は65%であった。
【0388】3−3)滑り層の調製 ヒドロキシエチルセルロース( 25mg/m2 )、PQ−
6(7.5mg/m2 )、PQ−7(1.5mg/m2 )、ポリ
ジメチルシロキサン(B−3) 1.5mg/m2)を塗布
した。なお、この混合物は、キシレン/プロピレングリ
コールモノメチルエーテル(1/1)中で 105℃で溶融
し、常温のプロピレンモノメチルエーテル(10倍量)に
注加分散して作製した後、アセトン中で分散物(平均粒
径0.01μm)にしてから添加した。乾燥は 115℃、6分行
なった(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて 115
℃)。滑り層は、動摩擦係数0.10(5mmφのステンレス硬
球、荷重100g、スピード6cm/分)、静摩擦係数0.09(ク
リップ法)、また後述する乳剤面と滑り層の動摩擦係数
も0.18と優れた特性であった。
【0389】
【化82】
【0390】
【化83】
【0391】4)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成
の各層を重層塗布し、カラーネガフィルムを作製した。
これを試料101とする。
【0392】(感光層組成)各層に使用する素材の主な
ものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2 単位で表した塗布量
を示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0393】(試料101) 第1層(第1ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.08 ゼラチン 0.70 第2層(第2ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.09 ゼラチン 1.00 ExM−1 0.12 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 0.030 固体分散染料ExF−3 0.040 HBS−1 0.15 HBS−2 0.02
【0394】第3層(中間層) 沃臭化銀乳剤N 銀 0.06 ExC−2 0.05 ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 0.70
【0395】第4層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.07 沃臭化銀乳剤B 銀 0.28 ExS−1 3.3×10-4 ExS−2 1.4×10-5 ExS−3 4.6×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−6 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 1.10
【0396】第5層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 銀 0.70 ExS−1 4.2×10-4 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 5.9×10-4 ExC−1 0.12 ExC−2 0.04 ExC−3 0.05 ExC−4 0.08 ExC−5 0.02 ExC−6 0.015 Cpd−4 0.02 Cpd−2 0.02 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.80
【0397】第6層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.90 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.5×10-5 ExS−3 4.9×10-4 ExC−1 0.05 ExC−3 0.03 ExC−6 0.020 ExC−7 0.010 Cpd−2 0.040 Cpd−4 0.040 HBS−1 0.22 HBS−2 0.050 ゼラチン 1.10
【0398】第7層(中間層) Cpd−1 0.060 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.040 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.10
【0399】第8層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.27 沃臭化銀乳剤F 銀 0.22 沃臭化銀乳剤G 銀 0.16 ExS−7 7.5×10-4 ExS−8 3.4×10-4 ExS−4 2.5×10-5 ExS−5 9.0×10-5 ExS−6 4.3×10-4 ExM−3 0.22 ExM−4 0.07 ExY−1 0.01 ExY−5 0.0020 HBS−1 0.30 HBS−3 0.015 Cpd−4 0.010 ゼラチン 0.95
【0400】第9層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤G 銀 0.45 沃臭化銀乳剤H 銀 0.35 ExS−4 3.6×10-5 ExS−7 1.7×10-4 ExS−8 8.0×10-4 ExC−8 0.0020 ExM−3 0.193 ExM−4 0.05 ExY−1 0.015 ExY−4 0.005 ExY−5 0.002 Cpd−4 0.015 HBS−1 0.13 HBS−3 4.4×10-3 ゼラチン 0.80
【0401】第10層(高感度緑感乳剤層) 乳剤4 銀 1.40 ExS−4 6.3×10-5 ExS−7 1.7×10-4 ExS−8 7.8×10-4 ExY−1 0.01 ExM−4 0.005 ExM−2 0.020 ExM−5 0.001 ExM−6 0.001 ExM−3 0.02 Cpd−3 0.001 Cpd−4 0.040 HBS−1 0.25 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ExF−8 0.0181 ゼラチン 1.33
【0402】第11層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.015 Cpd−1 0.16 固体分散染料ExF−5 0.060 固体分散染料ExF−6 0.060 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0403】第12層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 銀 0.07 沃臭化銀乳剤K 銀 0.13 沃臭化銀乳剤L 銀 0.19 ExS−9 8.4×10-4 ExC−1 0.03 ExC−8 7.0×10-3 ExY−1 0.060 ExY−2 0.75 ExY−3 0.40 ExY−4 0.040 Cpd−2 0.005 Cpd−4 0.005 Cpd−3 0.004 HBS−1 0.28 ゼラチン 2.60
【0404】第13層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.37 ExS−9 6.0×10-4 ExY−2 0.070 ExY−3 0.020 ExY−4 0.0050 Cpd−2 0.10 Cpd−3 1.0×10-3 Cpd−4 5.0×10-3 HBS−1 0.075 ゼラチン 0.55
【0405】第14層(第1保護層) 沃臭化銀乳剤N 銀 0.10 UV−1 0.13 UV−2 0.10 UV−3 0.16 UV−4 0.025 ExF−9 0.005 ExF−10 0.005 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 1.8
【0406】第15層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 0.04 B−2(直径 1.7 μm) 0.09 B−3 0.13 ES−1 0.20 ゼラチン 0.70
【0407】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防騾・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−18及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
パラジウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されて
いる。下記表2に試料101に使用した乳剤A〜Nの平
均AgI含量及び粒子サイズを示す。
【0408】
【表2】
【0409】表2において、 (1)乳剤J〜Mは特開平2-191938号の実施例に従い、
二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時
に還元増感されている。 (2)乳剤C〜E、G、H、Mは特開平3-237450号の実
施例に従い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシア
ン酸ナトリウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増
感が施されている。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例
に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には、高圧電子顕微鏡を用いると、特
開平3-237450号に記載されているような転位線が観察さ
れる。 (5)乳剤A〜E、G、H、J〜Mは、Rh、Ir、F
eを最適量含んでいる。また、平板度は、平板粒子の投
影面積における平均円相当径をDc、平板状粒子の平均
厚さをtとしたときに、Dc/t2 で定義されるものを
いう。
【0410】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水21.7
ミリリットル及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシ
エトキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ3ミリリット
ル並びに5%水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキ
シエチレンエ−テル(重合度10) 0.5gとを 700ミリリ
ットルのポットミルに入れ、染料ExF−2を 5.0gと
酸化ジルコニウムビ−ズ(直径1mm) 500ミリリットル
を添加して内容物を2時間分散した。この分散には中央
工機製のBO型振動ボールミルを用いた。分散後、内容
物を取り出し、12.5%ゼラチン水溶液8gに添加し、ビ
ーズを瀘過して除き、染料のゼラチン分散物を得た。染
料微粒子の平均粒径は0.44μmであった。
【0411】同様にして、ExF−3、ExF−4及び
ExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径
はそれぞれ、0.24μm、0.45μm、0.52μmであった。
ExF−5は欧州特許出願公開(EP)第549,489A号明細
書の実施例1に記載の微小析出(Microprecipitation)
分散方法により分散した。平均粒径は0.06μmであっ
た。以下に上記各層の作製に使用した化合物を示す。
【0412】
【化84】
【0413】
【化85】
【0414】
【化86】
【0415】
【化87】
【0416】
【化88】
【0417】
【化89】
【0418】
【化90】
【0419】
【化91】
【0420】
【化92】
【0421】
【化93】
【0422】
【化94】
【0423】
【化95】
【0424】
【化96】
【0425】
【化97】
【0426】
【化98】
【0427】
【化99】
【0428】
【化100】
【0429】第10層の乳剤4を乳剤1に、DIRカプ
ラーExY−1を等モルの(CB−18)に変更する以
外は試料101と同様にして試料102を作製した。
【0430】第10層の乳剤1を乳剤2に変更する以外
は試料102と同様にして試料103を作製した。
【0431】第10層の乳剤1を乳剤3に変更する以外
は試料102と同様にして試料104を作製した。
【0432】第10層の乳剤1を乳剤4に変更する以外
は試料102と同様にして試料105を作製した。
【0433】第10層の乳剤1を乳剤5に変更する以外
は試料102と同様にして試料106を作製した。
【0434】第10層の乳剤1を乳剤6に変更する以外
は試料102と同様にして試料107を作製した。
【0435】第10層のDIRカプラー(CB−18)
を等モルの(CB−3)、(CA−19)、(CA−
2)に変更する以外は試料105と同様にして試料10
8〜110を作製した。
【0436】第10層のExF−8をExF−11に変
更しさらに塗布量を18.1mg/m2から 27.5 mg/m
2 に変更する以外は試料105と同様にして試料111
を作製した。
【0437】試料101〜111を塗布後14日間25
℃65%RHの雰囲気下に放置した後に各々をフリーザ
ー(−20℃)及び30℃80%RH雰囲気下に14日
間保存した。
【0438】これらの試料に白色光にて像様露光を施
し、下記カラー現像処理を行ない、マゼンタ濃度(カブ
リ+0.15)を与える露光量の逆数の対数を相対感度
として求めた。
【0439】また、粒状度を示すRMS値(48μm 直
径のアパーチャーでマゼンタ濃度(カブリ+0.5)に
おける値)と、鮮鋭性を示すマゼンタ画像のMTF値を
測定した。表3に結果を示した。
【0440】
【表3】
【0441】
【表4】
【0442】カラー現像処理は自動現像機を用い、以下
に記載の方法で(液の累積補充量がその母液タンク容量
の3倍になるまで)処理した。 処理方法 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分15秒 38℃ 33ml 20リットル 漂 白 6分30秒 38℃ 25ml 40リットル 水 洗 2分10秒 24℃ 1200ml 20リットル 定 着 4分20秒 38℃ 25ml 30リットル 水洗 (1) 1分05秒 24℃ (2) から(1) へ 10リットル の向流配管方式 水洗 (2) 1分00秒 24℃ 1200ml 10リットル 安 定 1分05秒 38℃ 25ml 10リットル 乾 燥 4分20秒 55℃ * 補充量は35mm幅1m当たりの量。
【0443】次に、処理液の組成を示す。 (発色現像液) 母液(g) 補充液(g)
【0444】 ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.1 1−ヒドロキシエチリデン−1,1− ジホスホン酸 3.0 3.2 亜硫酸ナトリウム 4.0 4.4 炭酸カリウム 30.0 37.0 臭化カリウム 1.4 0.7 沃化カリウム 1.5mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2.8 4−[N−エチル−N−β−ヒドロキ シエチルアミノ]−2−メチルアニ リン硫酸塩 4.5 5.5 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 10.05 10.10 (漂白液) 母液(g) 補充液(g)
【0445】 エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリ ウム三水塩 100.0 120.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 10.0 臭化アンモニウム 140.0 160.0 硝酸アンモニウム 30.0 35.0 アンモニア水(27%) 6.5ml 4.0ml 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 6.0 5.7 (定着液) 母液(g) 補充液(g)
【0446】 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 0.7 亜硫酸ナトリウム 7.0 8.0 重亜硫酸ナトリウム 5.0 5.5 チオ硫酸アンモニウム水溶液(70%) 170.0ml 200.0ml 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 6.7 6.6 (安定液) 母液(g) 補充液(g)
【0447】 ホルマリン(37%) 2.0ml 3.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニル フェニルエーテル(平均重合度10) 0.3 0.45 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 0.08 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 5.0−8.0 5.0−8.0 。
【0448】表3より、本発明の試料は高感度であり、
30℃80%RHに保存後の感度低下が少なく、かつ粒
状性、鮮鋭性に優れていることががわかる。特に、アス
ペクト比が高く、粒径の変動係数およびヨウ化銀の含有
率の相対標準偏差が小さい乳剤を用いた試料105、1
08〜111が特に好ましい。
【0449】
【発明の効果】本発明によれば、それぞれ少なくとも一
層の、青感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀
乳剤層並びに非感光性の親水性コロイド層、及び異なる
感光度をもつ少なくとも二層の緑感性ハロゲン化銀乳剤
層を支持体上に有するハロゲン化銀カラー写真感光材料
において、最も高感度の該緑感性ハロゲン化銀乳剤層が
平均アスペクト比が2以上で、ヨウ化銀含有率が5モル
%以上のヨウ臭化銀乳剤を含有し、かつ該緑感性ハロゲ
ン化銀層の少なくとも一層に下記化1の一般式(I)で
表わされる化合物および/または下記化2の一般式(I
I)で表される化合物を含有し、さらに該青感性ハロゲ
ン化銀乳剤層、該赤感性ハロゲン化銀乳剤層、該親水性
コロイド層又は該緑感性ハロゲン化銀乳剤層の少なくと
も一層に該緑感性ハロゲン化銀乳剤層が分光増感された
領域の光を吸収することにより該緑感性ハロゲン化銀乳
剤層の感度を20%以上低減する染料を含有することを
特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いるこ
とにより、高感度で且つ粒状性、色再現性および鮮鋭性
が共に優れ、保存期間中に写真性能の変動が少ない感光
材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/035 G03C 1/035 G M 1/40 1/40 1/795 1/795 1/81 1/81 1/83 1/83 7/00 510 7/00 510 530 530

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ少なくとも一層の、青感性ハロ
    ゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀乳剤層並びに非感
    光性の親水性コロイド層、及び異なる感光度をもつ少な
    くとも二層の緑感性ハロゲン化銀乳剤層を支持体上に有
    するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、最も高
    感度の該緑感性ハロゲン化銀乳剤層が平均アスペクト比
    が2以上で、ヨウ化銀含有率が5モル%以上のヨウ臭化
    銀乳剤を含有し、かつ該緑感性ハロゲン化銀層の少なく
    とも一層に下記一般式(I)で表わされる化合物および
    /または下記一般式(II)で表される化合物を含有し、
    さらに該青感性ハロゲン化銀乳剤層、該赤感性ハロゲン
    化銀乳剤層、該親水性コロイド層又は該緑感性ハロゲン
    化銀乳剤層の少なくとも一層に該緑感性ハロゲン化銀乳
    剤層が分光増感された領域の光を吸収することにより該
    緑感性ハロゲン化銀乳剤層の感度を20%以上低減する
    染料を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写
    真感光材料。 【化1】 (式中Aはカプラー残基または酸化還元基を表わし、L
    1 およびL3 は2価のタイミング基を表わし、L2 は3
    価もしくはそれ以上の結合手を有するタイミング基を表
    わし、PUGは写真性有用基を表わす。jとnはそれぞ
    れ独立に0、1または2を表わし、mは1または2を表
    わし、sはL2 の価数から1を引いた数であり2以上の
    整数を表わす。またL1 、L2 もしくはL3 が分子内に
    複数個存在するとき、それらは全て同じであっても異な
    っていても良い。また複数個存在するPUGは全て同じ
    であっても異なっていても良い。) 【化2】 (式中、AとPUGは一般式(I)における定義と同義
    である。L4 は−OCO−基、−OSO基、−OSO2
    −基、−OCS−基、−SCO−基、−SCS−基また
    は−WCR1112−基を表わす。ここでWは酸素原子、
    硫黄原子または3級アミノ基(−NR13−)を表わし、
    11およびR12はそれぞれ独立に水素原子または置換基
    を表わし、R13は置換基を表わす。またR11、R12及び
    13の各々が2価基を表わし、連結して環状構造を形成
    する場合も含む。L5 は共役系に沿った電子移動により
    PUGを放出する基もしくはL4 で定義される基を表わ
    す。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)および一般式(II)に
    おいて、AとPUGで表される基を除いた残基の式量が
    64以上240以下であることを特徴とする請求項1に
    記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン化銀乳剤粒子の個数の50
    %が、1粒子当たり10本以上の転位を含むことを特徴
    とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン化銀乳剤は、その粒径に係
    わる変動係数が0.25以下である単分散乳剤であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  5. 【請求項5】 前記ハロゲン化銀乳剤粒子は、その全投
    影面積の50%以上が平行な二面を外表面として有し、
    最小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有す
    る辺の長さの比が2以下の六角平板状ハロゲン化銀粒子
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいず
    れか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  6. 【請求項6】 前記ハロゲン化銀粒子の個々の沃化銀含
    有率の相対標準偏差が25%以下であることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料。
  7. 【請求項7】 前記支持体がポリ(アルキレン芳香族ジ
    カルボキシレート)からなり、そのガラス転移温度が5
    0℃以上200℃以下であり、且つ、下塗り層塗布前或
    いは下塗り層塗布後、ハロゲン化銀乳剤層塗布前の間
    に、40℃以上ガラス転移温度未満の温度で熱処理され
    たものであることを特徴とする請求項1に記載のハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料。
  8. 【請求項8】 前記ポリ(アルキレン芳香族ジカルボキ
    シレート)が、ベンゼンジカルボン酸若しくはナフタレ
    ンジカルボン酸とジオールとを必須成分とするポリエス
    テルであることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化
    銀カラー写真感光材料。
  9. 【請求項9】 前記ポリエステルが、ポリエチレンテレ
    フタレート又はポリエチレンナフタレートであることを
    特徴とする請求項8記載のハロゲン化銀カラー写真感光
    材料。
  10. 【請求項10】 前記ポリ(アルキレン芳香族ジカルボ
    キシレート)からなる支持体の厚みが80μm以上10
    0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のい
    ずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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