JPH06258787A - 写真製品 - Google Patents

写真製品

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JPH06258787A
JPH06258787A JP5069075A JP6907593A JPH06258787A JP H06258787 A JPH06258787 A JP H06258787A JP 5069075 A JP5069075 A JP 5069075A JP 6907593 A JP6907593 A JP 6907593A JP H06258787 A JPH06258787 A JP H06258787A
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JP
Japan
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group
layer
photographic
chemical
sensitive
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JP5069075A
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English (en)
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Yasushi Nozawa
靖 野沢
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/205,742 priority patent/US5422231A/en
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    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/3041Materials with specific sensitometric characteristics, e.g. gamma, density
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    • G03C2200/00Details
    • G03C2200/19Colour negative

Abstract

(57)【要約】 【目的】 よく使われる室内撮影、曇天から晴天までの
日中撮影の色々な明るさの領域で満足のいく写真の得ら
れる露光機能を付与した感光材料内蔵写真製品を提供す
る。更には、該写真製品から得られる画像の彩度を改良
する。 【構成】 支持体上に赤、緑、青感性ハロゲン化銀乳剤
層をそれぞれ少なくとも1層有し、特定写真感度が6
40以上で、赤、緑、青のすべての層のポイントガン
マ<γ>が0.4以上の領域がLogEで2.8以上で
あるカラー写真感光材料を内蔵した、露光機能を付与し
た感光材料内蔵写真製品。更には、彩度の改良のため、
該写真製品の重層効果の大きさIE(X/Y)を特定の
範囲に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は露光機能を付与した感光
材料内蔵写真製品、すなわちレンズ付きフィルムに関す
るもので、特に、よく使われる室内撮影、曇天から晴天
までの日中撮影の色々な明るさの領域で満足のいく写真
が得られる露光機能を付与した感光材料内蔵写真製品に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、いわゆるレンズ付きフィルムに
は、主として晴天、明るい曇天時の屋外撮影用の製品
と、ストロボを内蔵した近距離の屋内撮影用の製品の2
種類が販売されている。従来の露光機能を付与した感光
材料内蔵写真製品は例えば、特公平2−32615号、
実公平3−39784号、実願昭61−75091号、
同61−75794号、同61−126942号、同6
1−136276号、同61−139993号、同61
−246977号、同61−246978号などに記載
されているように、感光材料がフィルムサイズに合わせ
てカートリッジに内蔵され、これがレンズ、シャッタ
ー、ファインダー、フラッシュ、その他の機能を備えた
ケースに装着されて外装されている感光材料内蔵写真製
品である。
【0003】屋外撮影用のレンズ付きフィルムの場合、
晴天、明るい曇天時に使用した場合には、充分なシステ
ム感度であるが、夕刻や、雨天など、あるいは、明るい
時でも日陰や、被写体が逆光になった時などには、シス
テム感度不足で露出不足となるため、満足な仕上がりの
写真が得られないという欠点があった。
【0004】また、屋内撮影用のレンズ付きフィルムの
場合、被写体までの距離が3m以内の場合には、充分な
システム感度があるが、それ以上の距離になるとシステ
ム感度不足で露出不足となるため、満足な仕上がりの写
真が得られないという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、良く使われる室内撮影、曇天から晴天までの日
中撮影の色々な明るさの領域で満足のいく写真が得られ
るカラー写真感光材料を内蔵した露光機能を付与した感
光材料内蔵写真製品を提供することにある。さらに、本
発明の目的は、露出の調節機能を持たない露光機能を付
与した感光材料内蔵写真製品でありながら、暗い曇天時
や、3m以上数mの距離でストロボ使用時のシステム感
度不足を補いながら、色彩度の高い写真が得られ、明る
い夏の海岸や、高い山での撮影でも充分満足のいくカラ
ー写真感光材料を内蔵した露光機能を付与した感光材料
内蔵写真製品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、 (1) 支持体上にそれぞれ少なくとも1層の赤感性乳
剤層、緑感性乳剤層及び青感性乳剤層を有し、特定写真
感度が640以上のカラー写真感光材料を内蔵する露光
機能を付与した感光材料内蔵写真製品であって、該感光
材料の青、緑、赤のすべての濃度関数曲線D(Log
E)のポイントガンマ(<γ>=dD/dLogE)
が、0.4以上の領域がLogEで2.8以上であるこ
とを特徴とする露光機能を付与した感光材料内蔵写真製
品。 (2) 該感光材料の以下に定義される重層効果の大き
さIE(X/Y)が 0.15<IE(R/G), −0.05<IE(R/
B) 0.10<IE(G/R), 0.15<IE(G/
B) 0.03<IE(B/G), 0.15<IE(B/
R) であることを特徴とする(1)に記載の写真製品。 (3) 該露光機能を付与した感光材料内蔵写真製品に
用いられるレンズが固定絞りを有し、かつ、シャッター
が固定シャッター速度を有し、ストロボを内蔵すること
を特徴とする(1)または(2)に記載の写真製品。 (4) 該固定絞り(F値)が8〜16であり、該固定
シャッター速度が1/50〜1/200秒であり、該ス
トロボのガイドナンバーがISO感度100の感光材料
に対して7.5〜15であることを特徴とする(3)に
記載の写真製品。 によって、達成された。
【0007】レンズ付きフィルムのシステム感度は屋外
撮影用ではレンズのF値、シャッター速度、内蔵した感
光材料の感度で決まり、屋内撮影用ではレンズのF値、
ストロボのガイドナンバー、内蔵した感光材料の感度で
決まる。レンズのF値を小さくすることにより、システ
ム感度を上げようとすると、いわゆる被写界深度が浅く
なり、ピントの合う距離の範囲が狭くなってしまう。こ
の欠点を補うには、例えばオートフォーカス機構を付与
することが考えられるが、現在の技術ではコスト高、シ
ステムの重量増などを伴い、レンズ付きフィルムの大き
な利点である安価、手軽さなどを損なってしまわざるを
得ない。また、別の手段としては、広角のレンズを用い
ることにより、相対的に被写界深度を深くすることが考
えられるが、当然、撮影倍率が下がってしまい特殊な用
途を除けば、好ましいことではない。したがって、最も
一般的に記念写真、スナップ写真などの用途に用いよう
と考えたときに必要な1〜2m程度の近距離から10m
以上の距離までほぼ満足できるピントを確保しようと考
えると、F値は大きければ大きいほど良く、8以上であ
る事が望ましい。
【0008】また、シャッター速度を遅くしてシステム
感度を上げようとすると、当然、手ブレ、被写体ブレの
問題を生じる。屋内撮影用のストロボのガイドナンバー
を上げる方法もやはり現在の技術ではコスト高、システ
ムの重量増などを伴い、レンズ付きフィルムの大きな利
点である安価さ、手軽さなどを損なってしまわざるを得
ない。
【0009】一方、高感度のカラーネガフィルムとして
は、ISO感度1000、1600、3200などの超
高感度感光材料が各社から発売されている。本発明者ら
は、これらの高感度フィルムを用いて、暗い曇天時や、
3m以上数mの距離でストロボ使用時のシステム感度不
足を補う事を試みたところ、かなりの効果が得られた
が、その一方で、明るい夏の海岸や、高い山での撮影で
は、ねむく、不満足な写真しか得られず、実用に供する
ことはできなかった。また、暗い曇天時や、3m以上数
mの距離でストロボ使用時のシステム感度不足を補う意
味で確かにこれらの高感度フィルムはかなりの効果があ
ったが、露出の調節ができる通常のカメラにISO感度
100もしくは400のカラーネガフィルムを用いた写
真と比較すると、色彩度の低い不満足な写真しか得られ
なかった。
【0010】従来より、カラー写真感光材料の色彩度を
上げるための手段として層間抑制効果を利用する事が知
られている。カラーネガ感光材料の例で言えば、緑感層
から赤感層へ現像抑制効果(以下重層効果と呼称)を与
えることにより、白色露光における赤感層の発色を、赤
露光したときのそれよりも押さえることができる。カラ
ーネガペーパーの系は、白色露光で露光した場合にカラ
ープリント上でグレーに再現されるように階調がバラン
スされているので前記の重層効果は赤露光した際に白色
露光の場合よりもネガ上で高濃度のシアン発色を与える
結果、プリント上でシアン発色の抑えられた、より飽和
度の高い赤の再現を与えることが可能になる。同様に赤
感層から緑感層への重層効果は、飽和度の高い緑の再現
を与える。
【0011】この効果を利用し、彩度が高く、色再現及
び調子再現性に優れたカラー写真感光材料についての記
載が特開平1−182847号になされている。この特
許には、重層効果を付与する方法について詳しく触れら
れているが、感光材料の感度に関しては何等記載がな
い。実施例から推定すると、ISO感度100程度と想
像できる。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
露光機能を付与した感光材料内蔵写真製品には、特定写
真感度が640以上のカラー写真感光材料を内蔵させな
ければならない。より好ましくは特定写真感度が800
以上のカラー写真感光材料を内蔵させることである。特
定写真感度の上限は特に限定されないが、3200以下
が好ましい。ここでいう、特定写真感度とは特開昭63
−226650号に記載された定義に準じて求めた感度
のことであり、国際規格であるISO感度に類似した感
度であるが、不確定さをより少なくするために露光後現
像処理までの時間を短くし、現像処理条件を一定にし、
多くのカラーペーパーの分光感度に近い分光特性のフィ
ルターを用いて濃度測定したものである。すなわち、試
験は温度20±5℃、相対湿度60±10%の室内で行
い、試験する感光材料はこの状態に1時間以上放置した
後に使用する。露光は、特開昭63−226650号に
記載された相対分光エネルギー、照度変化方法で行い、
露光時間は1/100秒とする。露光から現像処理まで
も特開昭63−226650号に記載されたものと全く
同様に行う。濃度測定、特定写真感度の決定はステータ
スM濃度の代わりに図1に示された分光特性を持つ青、
緑、赤のフィルターによりそれぞれの濃度を測定する以
外は特開昭63−226650号に記載されたものと全
く同様に行う。
【0013】次に本発明の濃度関数曲線D(LogE)
のポイントガンマ(<γ>=dD/dLogE)につい
て説明する。本発明のポイントガンマ<γ>とは、特定
写真感度を算出するのに用いたのと全く同様の青、緑、
赤の各々の濃度関数曲線D(LogE)(いわゆる特性
曲線)を用いて、下記式にしたがって算出されたものを
言う。 <γ>=dD/dLogE この式の意味するところは例えば T. H. James編 The T
heory of the Photographic Process (第4版)502ペー
ジ (Macmillan Pub. Co., Inc., New York, 1977)など
を参照されたい。
【0014】本発明のカラー写真感光材料においては、
青、緑、赤のすべての濃度関数曲線D(LogE)のポ
イントガンマ<γ>が0.4以上の領域がLogEで
2.8以上でなければいけない。好ましくは、3.0以
上、更に好ましくは3.2以上である。ポイントガンマ
<γ>が0.4以上の領域の上限は、そのために必要な
カプラー塗布量、銀塗布量が増えてしまうため、膜厚増
加による鮮鋭度の劣化、コスト高などにより決まる。カ
プラー、乳剤の性質、この領域内での平均ポイントガン
マ<γ>などに依存し、必ずしも一義的には決められな
いが、通常4.0以下が好ましい。
【0015】この領域内でのポイント<γ>は0.4以
上でなければいけない。好ましくは0.5以上1.0以
下、更に好ましくは0.6以上0.9以下である。本発
明のカラー写真感光材料においては、青、緑、赤のすべ
ての濃度関数曲線D(LogE)のポイントガンマ<γ
>が0.4以上の領域がLogEで2.8以上でなけれ
ばいけない。1層もしくは2層のポイントガンマ<γ>
が0.4以上の領域が広くてもそれなりの効果は得られ
るが、明るい晴天時での白地の再現などを考えると、す
べての層が広い領域にわたって、ポイントガンマ<γ>
が0.4以上でなければいけない。
【0016】本発明の露光機能を付与した感光材料内蔵
写真製品は、撮影用レンズ例えば単眼レンズまたは非球
面レンズなどとシャッター機構などの露光機構を持ち、
カラー写真感光材料を巻き回して直接的に、また収納器
に収納してなる収納室(フィルムロール室)を持つ包装
ユニットである。該収納室に直接感光材料を収納するこ
とが好ましい。感光材料はパトローネや、カートリッジ
に入れても良い。本発明に用いられる撮影用レンズは、
可変式絞りを有していても良いし、固定絞りを有してい
ても良いが、感光材料内蔵写真製品が手軽で簡便に取り
扱えるためには、固定絞りを有する事が好ましい。絞り
値(F値)としては好ましくは8以上16以下、さらに
好ましくは9以上14以下である。また、シャッター速
度は、可変式でも固定式でも良いが、絞りと同様固定式
が好ましい。好ましくは1/50秒〜1/200秒、さ
らに好ましくは1/80秒〜1/160秒である。
【0017】また、本発明の目的である、良く使われる
室内撮影、曇天から晴天までの日中撮影の色々な明るさ
の領域で満足のいく写真が得られる露光機能を付与した
感光材料内蔵写真製品を得るためには、ストロボを内蔵
していることが好ましい。室内、夜間などで、遠くの被
写体まで撮影しようとすれば当然、ガイドナンバーの大
きなストロボを内蔵する事が好ましいが、本発明の軽
量、手軽さ、という目的のためには、ストロボのガイド
ナンバーは、ISO感度100の感光材料に対して7.
5〜15である事が好ましく、8〜13がさらに好まし
い。ストロボのガイドナンバーは、当業界で良く知られ
た用語であるが、例えば写真大百科事典(講談社)など
に説明されている。本発明の特定写真感度640以上の
感光材料と比較的小型のストロボとの組み合わせによ
り、軽量で簡便な取扱い性と通常撮影する頻度の多い数
mまでの範囲の室内、夜間撮影の領域で満足できる写真
が得られるのである。
【0018】次に重層効果の大きさIE(X/Y)につ
いて説明する。IE(X/Y)は、XからYに対する重
層効果の大きさを表し、図2に示す方法で求められる。
図中、YDMINは、感色性層Xへ段階露光したときの感色
性層Yの最低濃度を表す。
【0019】例えば、緑感性層から赤感性層への重層効
果の大ききさIE(G/R)は、次のようにして求めら
れる。まず緑色光(富士写真フイルム製フィルター:B
PN−55)にて試料に段階的に露光を与えた後、つづ
いて赤色光(富士写真フイルム製フィルター:SC−6
0)にてRDMIN+1.0の濃度になるように一様に露光
を与えて得られる図2に示す特性曲線を求める。この特
性曲線において、緑感性層カブリ濃度と、これを与える
露光量Pから1.51ogEだけ高露光側へ移動する間
に低下する赤感性層の濃度低下をIE(G/R)とす
る。青感性層から赤感性層への重層効果は、青色光(富
士写真フイルム製フィルター:BPN−45)を用い
て、同様に求めることが出来る。
【0020】IE(X/Y)は、正の値も、負の値も取
り得る。これは、カラーカプラーの副吸収による色の濁
りがあるためであり、IE(X/Y)が負の値であるか
ら、重層効果が効いていないということにはならない。
【0021】一般的に重層効果を利用して、彩度を上げ
る場合には、感度と色の彩度がトレードオフする関係に
なる。本発明の好ましい重層効果の大きさと高感度を両
立させるには、我々の永遠の課題である、ハロゲン化銀
乳剤の優れた感度/粒状比を利用することはもちろん、
下記のような重層効果付与技術を利用することができ
る。
【0022】第1に全赤感層及び全緑感層中のハロゲン
化銀乳剤の平均AgI含率を2〜5モル%にすることで
ある。乳剤のAgI含率は、増加させればヨードイオン
の抑制による重層効果を与えることができるが、逆に自
分自身は重層効果を受けにくくなる。我々は、検討の結
果前述の範囲のAgI含率に設定することにより、高感
度を維持しながら、大きな重層効果を得ることができる
ことを見出だした。
【0023】第2には、後述する一般式(1)または一
般式(2)で表されるDIR化合物を用いる事である。
これにより、従来非常に重層効果をかけにくかった、支
持体により近い感色性層から支持体からより遠い感色性
層(通常赤感層から緑感層、赤感層から青感層)への重
層効果を増加させる事が可能になった。
【0024】第3には赤感層から青感層ヘマスキングを
強化させることを可能にした、後述するイエローカラー
ドシアンカプラーの利用である。これら、一般式(1)
または一般式(2)のDIR化合物およびイエローカラ
ードシアンカプラーの利用により、赤感層から緑感層や
青感層への重層効果を適切なバランスで増加させる事が
可能となった。
【0025】本発明に用いるハロゲン化銀粒子は、臭化
銀、塩化銀、沃化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、沃臭化銀、
塩沃臭化銀である。それ以外の銀塩、例えばロダン銀、
硫化銀、セレン化銀、炭酸銀、リン酸銀、有機酸銀が別
粒子として、あるいはハロゲン化銀粒子の一部分として
含まれていてもよい。適度に現像を抑制させる場合に
は、沃化銀を含有することが好ましく、本発明の乳剤の
場合、1〜30モル%の沃化銀を含むハロゲン化銀であ
り、好ましくは、1.5〜15モル%、特に好ましくは
2〜10モル%である。
【0026】本発明において、全赤感性層および/また
は全緑感性層のハロゲン化銀粒子の平均AgI含率は、
2〜5モル%であることが好ましく、3〜4モル%であ
ることが更に好ましい。全赤感性層のハロゲン化銀粒子
の平均AgI含率とは、全赤感性乳剤層に存在する全ハ
ロゲン化銀のモル量(AgX)で全沃化銀のモル量(A
gI)を除して100を乗じた値である。本発明におい
て、赤感性層および緑感性層の少なくとも一つの乳剤層
は、平均AgI含率が6モル%以下であることが好まし
い。
【0027】本発明に用いられるDIR化合物は、好ま
しくは下記一般式(1) または一般式(2) で表される化合
物である。 一般式(1) A−(L1)j−(L2)m−〔(L3)n−PUG〕s 一般式(1) 中、Aはカプラー残基または酸化還元基を表
し、L1およびL3は2価のタイミング基を表し、L2
3価もしくはそれ以上の結合手を有するタイミング基を
表し、PUGは写真性有用基を表す。jとnはそれぞれ
独立に0、1または2を表し、mは1または2を表し、
sはL2の価数から1を引いた数であり2以上の整数を
表す。またL1、L2もくしはL3が分子内に複数個存在
するとき、それらは全て同じであっても異なっていても
良い。また複数個存在するPUGは全て同じであっても
異なっていても良い。 一般式(2) A−L4−L5−PUG 一般式(2) 中、AとPUGは一般式(1) と同義である。
4は−OCO−基、−OSO−基、−OSO2−基、−
OCS−基、−SCO−基、−SCS−基または−WC
1112−基を表す。ここでWは酸素原子、硫黄原子ま
たは3級アミノ基(−NR13−)を表し、R11およびR
12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R13
は置換基を表す。またR11、R12及びR13の任意の2つ
が2価基を表し、連結して環状構造を形成する場合も含
む。L5は共役系に沿った電子移動によりPUGを放出
する基もしくはL4で定義される基を表す。
【0028】次に一般式(1) および一般式(2) で示され
るDIR化合物について詳しく述べる。
【0029】一般式(1) においてAはカプラー残基また
は酸化還元基を表わす。
【0030】Aで表わされるカプラー残基としては、例
えばイエローカプラー残基(例えばアシルアセトアニリ
ド、マロンジアニリドなどの開鎖ケトメチレン型カプラ
ー残基)、マゼンタカプラー残基(例えば5−ピラゾロ
ン型、ピラゾロトリアゾール型またはイミダゾピラゾー
ル型などのカプラー残基)、シアンカプラー残基(例え
ばフェノール型、ナフトール型、ヨーロッパ公開特許第
249,453号に記載のイミダゾール型または同30
4,001号に記載のピラゾロピリミジン型などのカプ
ラー残基)および無呈色カプラー残基(例えばインダノ
ン型またはアセトフェノン型などのカプラー残基)が挙
げられる。また、米国特許第4,315,070号、同
4,183,752号、同4,174,969号、同
3,961,959号、同5,171,223号または
特開昭52−82423号に記載のヘテロ環型のカプラ
ー残基であってもよい。
【0031】Aが酸化還元基を表すとき、酸化還元基と
は、現像主薬酸化体によりクロス酸化されうる基であ
り、例えばハイドロキノン類、カテコール類、ピロガロ
ール類、1,4−ナフトハイドロキノン類、1,2−ナ
フトハイドロキノン類、スルホンアミドフェノール類、
ヒドラジド類またはスルホンアミドナフトール類が挙げ
られる。これらの基は具体的には例えば特開昭61−2
30135号、同62−251746号、同61−27
8852号、米国特許第3,364,022号、同3,
379,529号、同3,639,417号、同4,6
84,604号または J. Org. Chem., 29, 588 (1964)
に記載されているものである。
【0032】一般式(1) において、L1は好ましくは以
下のものが挙げられる。 (1) ヘミアセタールの開裂反応を利用する基 例えば米国特許第4,146,396号、特開昭60−
249148号および同60−249149号に記載が
あり、下記一般式(T−1)で表される基である。ここ
で*印は一般式(I) で表される化合物のAまたはL1
結合する位置を表し、**印はL1またはL2と結合する
位置を表す。 一般式(T−1) *−(W−CR11(R12) )t−** 式中、Wは酸素原子、イオウ原子または−NR13−基を
表し、R11およびR12は水素原子または置換基を表し、
13は置換基を表し、tは1または2を表す。tが2の
とき、2つの−W−CR11(R12) −は同じものもしく
は異なるものを表す。R11およびR12が置換基を表すと
きおよびR13の代表的な例は各々R15基、R15CO−
基、R15SO2−基、R15(R16) NCO−基またはR
15(R16)NSO2−基が挙げられる。ここでR15は脂肪
族基、芳香族基または複素環基を表し、R16は水素原
子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。R11
12及びR13の任意の2つが2価基を表し、連結して環
状構造を形成する場合も包含される。一般式(T−1)
で表される基の具体的例としては、以下に示されるよう
な基が挙げられる。
【0033】
【化1】
【0034】
【化2】
【0035】
【化3】
【0036】(2) 分子内求核置換反応を利用して開裂反
応を起こさせる基 例えば米国特許第4,248,292号に記載のあるタ
イミング基が挙げられ、下記一般式(T−2)で表すこ
とができる。 一般式(T−2) *−Nu−Link−E−** 式中、Nuは求核基を表し、酸素原子またはイオウ原子
が求核種の例であり、Eは求電子基を表し、Nuより求
核攻撃を受けて**印との結合を開裂できる基であり、
LinkはNuとEとが分子内求核置換反応することが
できるように立体的に関係づける連結基を表す。一般式
(T−2)で表される基の具体例としては例えば、以下
に示されるような基が挙げられる。
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】(3) 共役系に沿った電子移動反応を利用し
て開裂反応を起こさせる基 例えば米国特許第4,409,323号、同4,42
1,845号、特開昭57−188035号、同58−
98728号、同58−209736号、同58−20
9737号、同58−209738号等に記載があり、
下記一般式(T−3)で表わされる基である。
【0040】
【化6】
【0041】式中、*印、**印、W、R11、R12およ
びtは式(T−1)について説明したのと同じ意味を表
す。ただし、R11とR12とが結合してベンゼン環または
複素環の構成要素となってもよい。また、R11もしくは
12とWとが結合してベンゼン環または複素環を形成し
てもよい。また、Z1とZ2はそれぞれ独立に炭素原子ま
たは窒素原子を表し、xとyは0または1を表す。Z1
が炭素原子のときxは1であり、Z1が窒素原子のとき
xは0である。Z2とyとの関係もZ1とxとの関係と同
じである。また、tは1または2を表し、tが2のとき
2つの−[Z1(R11)x=Z2(R12)y]−は同じでも異
なっていてもよい。また**印に隣接する−CH2−基
は炭素数1ないし6のアルキル基またはフェニル基で置
換されても良い。
【0042】以下に一般式(T−3)の具体例を挙げ
る。
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】(4) エステルの加水分解による開裂反応を
利用する基 例えば西独公開特許第2,626,315号に記載のあ
る連結基であり、以下の一般式(T−3)および(T−
4)で表される基が挙げられる。 一般式(T−4) *−OCO−** 一般式(T−5) *−SCS−** 式中、*印および**印は一般式(T−1)について説
明したのと同じ意味である。 (5) イミノケタールの開裂反応を利用する基 例えば米国特許第4,546,073号に記載のある連
結基であり、下記一般式(T−6)で表される基であ
る。
【0048】
【化11】
【0049】式中、*印、**印およびWは一般式(T
−1)において説明したのと同じ意味であり、R14はR
13と同じ意味を表わす。一般式(T−6)で表わされる
基の具体的例としては以下に示される基が挙げられる。
【0050】
【化12】
【0051】一般式(1) において、L1として好ましく
は一般式(T−1)〜(T−5)で示されるものであ
り、特に好ましくは一般式(T−1)、(T−3)およ
び(T−4)である。
【0052】一般式(1) において、jは好ましくは0ま
たは1である。
【0053】一般式(1) において、L2で示される基は
3価以上のタイミング基を表し、好ましくは次の一般式
(T−L1)もしくは(T−L2)で表されるものであ
る。 一般式(T−L1) *−W−[Z1(R11x=Z2(R12yt−CH2−*
* 式中、W、Z1、Z2、R11、R12、x、yおよびtは一
般式(T−3)について説明したのと同じ意味を表す。
また*印は一般式(1) 中のA−(L1)j−と結合する位
置を、**印は−(L3)n−PUGと結合する位置を表
す。ただし複数個存在するR11またはR12のうちの少な
くとも1つは置換もしくは無置換のメチレン基で−(L
3)n−PUGと結合する基を表す。
【0054】一般式(T−L1)として好ましくは、W
が窒素原子を表す場合であり、さらに好ましくはWとZ
2が結合して5員環を形成する場合であり、特に好まし
くはイミダゾール、もしくはピラゾール環を形成する場
合である。 一般式(T−L2) *−N−(Z3−**)2 式中、*印と**印は一般式(T−L1)におけるそれ
と同義である。Z3基は置換基もしくは無置換のメチレ
ン基を表し、2つのZ3基は同じであっても異なってい
ても良い。また2つのZ3基が結合して環を形成しても
良い。
【0055】以下に一般式(T−L1)および(T−
2)の具体例を挙げるが本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0056】
【化13】
【0057】
【化14】
【0058】
【化15】
【0059】
【化16】
【0060】
【化17】
【0061】
【化18】
【0062】
【化19】
【0063】但し、ここで具体例に挙げた基はさらに置
換基を有していてもよく、そのような置換基としては例
えばアルキル基(例えばメチル、エチル、イソプロピ
ル、t−ブチル、ヘキシル、メトキシメチル、メトキシ
エチル、クロロエチル、シアノエチル、ニトロエチル、
ヒドロキシプロピル、カルボキシエチル、ジメチルアミ
ノエチル、ベンジル、フェネチル)、アリール基(例え
ばフェニル、ナフチル、4−ヒドロキシフェニル、4−
シアノフェニル、4−ニトロフェニル、2−メトキシフ
ェニル、2,6−ジメチルフェニル、4−カルボキシフ
ェニル、4−スルホフェニル)、ヘテロ環基(例えば2
−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル、2−チエニ
ル、2−ピロリル)、ハロゲン原子(例えばクロロ、ブ
ロモ)、ニトロ基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エ
トキシ、イソプロポキシ)、アリールオキシ基(フェノ
キシ)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、イソプロ
ピルチオ、t−ブチルチオ)、アリールチオ基(例えば
フェニルチオ)、アミノ基(例えばアミノ、ジメチルア
ミノ、ジイソプロピルアミノ)、アシルアミノ基(例え
ばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、スルホンアミ
ド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼンスルホン
アミド)、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカル
ボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキ
シカルボニル)もしくはカルバモイル基(例えばN−エ
チルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)が挙げ
られる。
【0064】中でも好ましくはアルキル基、ニトロ基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アシルアミ
ノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、お
よびカルバモイル基である。
【0065】また一般式(T−L1)で**印に隣接す
る−CH2−基は炭素数1ないし6のアルキル基または
フェニル基で置換されていても良い。
【0066】一般式(1) においてmは好ましくは1であ
る。
【0067】式(1) においてL3で表わされる基はL1
同義である。
【0068】一般式(1) においてnは好ましくは0また
は1であり、特に好ましくは0である。
【0069】式(1) においてPUGで表わされる写真性
有用基は詳しくは現像抑制剤、色素、カブラセ剤、現像
薬、カプラー、漂白促進剤、定着促進剤などである。好
ましい写真性有用基の例は米国特許第4,248,96
2号に記載のある写真性有用基(該特許中、一般式PU
Gで表わされるもの)、特開昭62−49353号に記
載のある色素(該明細書中、カプラーより放出される離
脱基の部分)、米国特許第4,477,563号に記載
のある現像抑制剤、および特開昭61−201247お
よび特開平2−55号等に記載のある漂白促進剤(該明
細書中、カプラーより放出される離脱基の部分)が挙げ
られる。本発明において、写真性有用基として特に好ま
しいものは現像抑制剤である。
【0070】現像抑制剤として好ましくは下記に示す一
般式(INH−1)〜(INH−13)で表される基で
ある。
【0071】
【化20】
【0072】
【化21】
【0073】
【化22】
【0074】一般式(INH−6)中、R21は水素原子
または、置換もしくは無置換の炭化水素基(例えばメチ
ル、エチル、プロピル、フェニル)を表す。
【0075】
【化23】
【0076】
【化24】
【0077】
【化25】
【0078】式中*は一般式(1) で表される化合物のL
2もしくはL3で表される基と結合する位置を表す。
【0079】また**は置換基と結合する位置を表わ
し、置換基としては置換もしくは無置換のアルキル基、
アリール基、ヘテロ環基、アルキルチオ基、アルキルま
たはアリールオキシカルボニル基等が挙げられ、写真処
理時に処理液中で分解する基がこれら置換基中に含まれ
ていることが好ましい。
【0080】具体的に置換または無置換のアルキル基と
しては例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキ
シル、デシル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘ
キシル、2−メチルチオエチル、ベンジル、4−メトキ
シベンジル、フェネチル、1−メトキシカルボニルエチ
ル、プロピルオキシカルボニルメチル、2−(プロピル
オキシカルボニル)エチル、ブチルオキシカルボニルメ
チル、ペンチルオキシカルボニルメチル、2−シアノエ
チルオキシカルボニルメチル、2,2−ジクロロエチル
オキシカルボニルメチル、3−ニトロプロピルオキシカ
ルボニルメチル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル
メチル、2,5−ジオキソ−3,6−ジオキサデシル等
が挙げられる。
【0081】置換もしくは無置換のアリール基としては
例えばフェニル、ナフチル、4−メトキシカルボニルフ
ェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、2−メチル
チオフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、4−
(2−シアノエチルオキシカルボニル)−フェニル等が
挙げられる。
【0082】置換もしくは無置換のヘテロ環基としては
4−ピリジル、3−ピリジル、2−ピリジル、2−フリ
ル、2−テトラヒドロピラニル等が挙げられる。置換も
しくは無置換のアルキルチオ基としてはメチルチオ、t
−ブチルチオ、1−メトキシカルボニルエチルチオ等が
挙げられる。置換もしくは無置換のアルキルまたはアリ
ールオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニルメトキシカルボニル、イソペン
チルオキシカルボニルメトキシカルボニル、N−ヘキシ
ルカルバモイルメトキシカルボニル、フェノキシカルボ
ニル等が挙げられる。
【0083】これらの中でINH(現像抑制剤)として
好ましくは一般式(INH−1)、(INH−2)、
(INH−3)、(INH−4)、(INH−9)およ
び(INH−12)であり、特に好ましくは一般式(I
NH−1)、(INH−2)および(INH−3)であ
る。
【0084】またINHと結合する置換基として好まし
くはアルキル基または置換もしくは無置換のフェニル基
またはアルキルもしくはアリールオキシカルボニル基で
ある。
【0085】一般式(1) で表される化合物として特に好
ましくは以下一般式(1a)もしくは(1b)で表され
る化合物である。
【0086】一般式(1a) A−(L1)j−W−[Z1(R11)x=Z2(R12)yt−CH2−PUG 一般式(1b) A−L1−N−(Z3−PUG)2 式中の記号は一般式(1)、(T−L1)および(T−
2)と同義である。一般式(1a)においてjは0ま
たは1が好ましい。一般式(1a)および(1b)にお
いてL1としては−OC(=O)−基が好ましく、また
PUGとしては現像抑制剤が好ましい。
【0087】但し複数の写真性有用基が異なる機能のも
のである場合、タイミング基は分子内求核置換を利用す
るものではない。
【0088】またここで写真性有用基の機能とは現像抑
制剤、色素、カブラセ剤、現像薬、カプラー、漂白促進
剤、もしくは定着剤等が示す機能を意味する。
【0089】さらに、同一化合物中から放出されるふた
つ以上のPUGは同一現像抑制剤であることが特に好ま
しい。
【0090】次に一般式(2) で表わされる化合物につい
て説明する。一般式(2) においてAとPUGは一般式
(1) と同義である。L4は−OCO−基、−OSO−
基、−OSO2−基、−OCS−基、−SCO−基、−
SCS−基または−WCR1112−基を表す。ここで
W、R11およびR12は一般式(1) で表される化合物のL
1の説明における一般式(T−1)中の定義と同義であ
る。
【0091】L4が−WCR1112−基を表すときの好
ましい例としては、Wが酸素原子または3級アミノ基を
表すときであり、さらに好ましくはL4が−OCH2−基
またはWとR11もしくはR12が環を形成する基を表す場
合である。
【0092】またL4が−WCR1112−以外の基を表
す場合、好ましくは−OCO−基、−OSO−基、−O
SO2−基であり、特に好ましくは−OCO−基であ
る。
【0093】L5で表わされる基は、共役系に沿った電
子移動でPUGを放出する基もしくはL4で定義される
基を表す。共役系に沿った電子移動でPUGを放出する
基は一般式(1) のL1の説明の中の一般式(T−3)で
表わされる基と同義である。L5として好ましくは共役
系に沿った電子移動によりPUGを放出する基であり、
さらに好ましくは窒素原子でL4と結合しうる基であ
る。
【0094】一般式(2) で表される化合物のうち好まし
いものは、下記一般式(3) もしくは一般式(4) で表され
る化合物である。
【0095】
【化26】
【0096】一般式(3) 中、Aは一般式(1) と同義であ
る。R101とR102はそれぞれ独立に水素原子もしくは置
換基を表す。R103とR104はそれぞれ独立に水素原子も
しくは置換基を表す。INHは現像抑制能を有する基を
表す。R105は無置換のフェニル基、1級アルキル基、
アルキルチオ基、アリール基以外の基で置換された1級
アルキル基または−CO2C(R107)(R108)CO2
106で表される基を表す。ここで、R106は無置換アルキ
ル基を、R107及びR108は各々独立に水素原子または無
置換アルキル基を表す。但しR101〜R104のうち少なく
とも1つは水素原子以外の置換基である。
【0097】
【化27】
【0098】一般式(4) においてA、INH、およびR
105は一般式(3) と同義である。R111、R112およびR
113はそれぞれ水素原子もしくは有機基を表し、R111
112およびR113の任意の2つが2価基となって連結し
環を形成しても良い。
【0099】一般式(3) で表わされる化合物について更
に詳しく説明する。
【0100】一般式(3)において、Aは一般式(1) と同
義である。R101およびR102はそれぞれ独立に水素原子
もしくは置換基を表わす。置換基として具体的には例え
ばアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−メトキ
シフェニル、p−ヒドロキシフェニル、p−ニトロフェ
ニル、o−クロロフェニル)、アルキル基(例えばメチ
ル、エチル、イソプロピル、プロピル、tert−ブチル、
tert−アミル、イソブチル、sec−ブチル、オクチル、
メトキシメチル、1−メトキシエチル、2−クロロエチ
ル、ニトロメチル、2−シアノエチル、2−カルバモイ
ルエチル、2−ジメチルカルバモイルエチル)、ハロゲ
ン原子(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、
アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、イソプロピ
ルオキシ、プロピルオキシ、tert−ブチルオキシ、イソ
ブチルオキシ、ブチルオキシ、オクチルオキシ、2−メ
トキシエトキシ、2−クロロエトキシ)、アリールオキ
シ基(例えばフェノキシ、ナフトキシ、p−メトキシフ
ェノキシ)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチ
ルチオ、イソプロピルチオ、プロピルチオ、tert−ブチ
ルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、オクチル
チオ、2−メトキシエチルチオ)、アリールチオ基(例
えばフェニルチオ、ナフチルチオ、p−メトキシフェニ
ルチオ)、アミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、フ
ェニルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイ
ソプロピルアミノ、フェニルメチルアミノ)、カルバモ
イル基(例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジ
メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジイソプ
ロピルカルバモイル、エチルカルバモイル、イソプロピ
ルカルバモイル、tert−ブチルカルバモイル、フェニル
カルバモイル、フェニルメチルカルバモイル)、スルフ
ァモイル基(例えばスルファモイル、メチルスルファモ
イル、エチルスルファモイル、イソプロピルスルファモ
イル、フェニルスルファモイル、オクチルスルファモイ
ル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイ
ル、ジイソプロピルスルファモイル、ジヘキシルスルフ
ァモイル、フェニルメチルスルファモイル)、アルコキ
シカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、プロピル
オキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、te
rt−ブチルオキシカルボニル、tert−アミルオキシカル
ボニル、オクチルオキシカルボニル)、アリールオキシ
カルボニル基(例えばフェノキシカルボニル、p−メト
キシフェノキシカルボニル)、アシルアミノ基(例えば
アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ペンタノイルア
ミノ、N−メチルアセチルアミノ、ベンゾイルアミ
ノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミ
ド、エタンスルホンアミド、ペンタンスルホンアミド、
ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミ
ド)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシ
カルボニルアミノ、イソプロピルオキシカルボニルアミ
ノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシ
カルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ
基(例えばフェノキシカルボニルアミノ)、ウレイド基
(例えば3−メチルウレイド、3−フェニルウレイ
ド)、シアノ基もしくはニトロ基などが挙げられる。
【0101】R101とR102は同じでも異なっていても良
いが、両者の式量の和が120未満であることが好まし
い。また好ましい置換基としてアルキル基、ハロゲン原
子、アルコキシ基が挙げられ、好ましくはアルキル基で
ある。
【0102】一般式(3) においてR103とR104で表され
る基はそれぞれ独立に水素原子もしくはアルキル基を表
わす。アルキル基としては例えばメチル、エチル、イソ
プロピル、tert−ブチル、イソブチル、ヘキシル、2−
メトキシエチルが挙げられる。R103およびR104として
好ましくは水素原子、メチル基、もしくはエチル基であ
り、特に好ましくは水素原子である。
【0103】一般式(3) においてR105で表される基
は、無置換のフェニル基もしくは1級アルキル基、アル
キルチオ基、アリール基以外の基で置換された1級アル
キル基または−CO2C(R107)(R108)CO2106
表される基を表す。アルキル基としては例えばエチル、
プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、2−メチルブチル、ヘキシル、2−メチルペンチ
ル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2−エ
チルブチル、ヘプチル、またはオクチルなどが挙げられ
る。置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ア
ルキルチオ基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモ
イル基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、ス
ルホンアミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレ
イド基、シアノ基もしくはニトロ基が挙げられ、それぞ
れの基の具体例としてはR101およびR102の置換基で挙
げられたものの中でアリール基を含む基を除いたものな
どが挙げられる。
【0104】またR106は炭素数3ないし6の無置換ア
ルキル基(例えばプロピル、ブチル、イソブチル、ペン
チル、イソペンチル、ヘキシル)を表す。R107、R108
は水素原子、炭素数1ないし8の無置換のアルキル基
(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、オクチル)を表し、
107、R108は同じであっても異なっていてもよい。
【0105】さらにR105は2種以上の置換基で置換さ
れていてもよい。R105の置換基として好ましくはフル
オロ、クロロ、アルコキシ基、カルバモイル基、アルコ
キシカルボニル基、シアノ基もしくはニトロ基である。
これらのうちで特に好ましくはアルコキシカルボニル基
である。
【0106】またR105として好ましくはフェニル基、
もしくは炭素数2ないし6の1級無置換アルキル基、−
CO2C(R107)(R108)CO2106においてR106が炭
素数3ないし6の無置換のアルキル基でしかもR107
108がともに水素原子からなる基、または先程R105
好ましい置換基として挙げた基により置換された1級ア
ルキル基である。特に好ましくは炭素数3ないし5の1
級無置換アルキル基またはアルコキシカルボニル基で置
換された1級アルキル基である。
【0107】一般式(3) においてINHで表わされる基
は現像抑制剤を有する基を表わし、その具体例は一般式
(1) のPUGの説明で挙げた一般式(INH−1)〜
(INH−13)である。その好ましい範囲等も一般式
(1) と同じである。
【0108】次に一般式(4) で表わされる化合物につい
て詳しく説明する。
【0109】まずR111、R112およびR113それぞれが
水素原子もしくは1価の有機基を表わ場合について説明
する。
【0110】R112およびR113が1価の有機基を表す場
合、有機基としてはアルキル基(例えばメチル、エチ
ル)もしくはアリール基(例えばフェニル)が好まし
い。R112およびR113として好ましくは少なくともいず
れかが水素原子である場合であり、特に好ましくはR
112とR113が水素原子であるときである。
【0111】R111は有機基を表し、好ましくは以下に
挙げる基である。アルキル基(例えばメチル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチ
ル、ネオペンチル、ヘキシル)、アリール基(例えばフ
ェニル)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル)、
スルホニル基(例えばメタンスルホニル、ベンゼンスル
ホニル)、カルバモイル基(例えばエチルカルバモイ
ル、フェニルカルバモイル)、スルファモイル基(例え
ばエチルスルファモイル、フェニルスルファモイル)、
アルコキシカルボニル基(例えばエトキシカルボニル、
ブトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基
(例えばフェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシ
カルボニル)、アルコキシスルホニル基(例えばブトキ
シスルホニル、エトキシスルホニル)、アリールオキシ
スルホニル基(例えばフェノキシスルホニル、4−メト
キシフェノキシスルホニル)、シアノ基、ニトロ基、ニ
トロソ基、チオアシル基(例えばチオアセチル、チオベ
ンゾイル)、チオカルバモイル基(例えばエチルチオカ
ルバモイル)、イミドイル基(例えばN−エチルイミド
イル)、アミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、メ
チルアミノ)、アシルアミノ基(例えばホルミルアミ
ノ、アセチルアミノ、N−メチルアセチルアミノ)、ア
ルコキシ基(例えばメトキシ、イソプロピルオキシ)、
またはアリールオキシ基(例えばフェノキシ)である。
【0112】また、これらの基は更に置換基を有してい
てもよく、置換基としてはR111として挙げた基のほか
ハロゲン原子(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ)、カ
ルボキシル基、スルホ基が挙げられる。
【0113】R111としては水素原子以外の原子の数が
15以下であることが好ましい。
【0114】またR111として更に好ましくは置換もし
くは無置換のアルキル基もしくはアリール基であり、特
に好ましくは置換もしくは無置換のアルキル基である。
【0115】次にR111、R112およびR113で表わされ
る基において、これらのうちの任意の2つが2価基とな
って連結し環を形成する場合について説明する。
【0116】形成する環の大きさとしては4ないし8員
環が好ましく、より好ましくは4ないし6員環を形成す
る場合である。
【0117】2価基として好ましくは以下に挙げる基で
ある。
【0118】−C(=O)−N(R114)−、−SO2
N(R114)−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(C
2)5−、−C(=O)−(CH2)2−、−C(=O)−
N(R114)−C(=O)−、−SO2−N(R114)−C
(=O)−、−C(=O)−C(R114)(R115)−、−
(CH2)2−O−CH2−である。
【0119】ここでR114およびR115は水素原子もしく
はR111が1価の有機基を表す場合と同義であり、R114
とR115は同じであっても異なっていてもよい。
【0120】R111、R112、R113のうち2価基として
参与しない残りの基は水素原子もしくは1価の有機基を
表わし、有機基の具体例等は環を形成しない場合に示し
たR 111、R112、R113の場合と同じである。
【0121】R111、R112、R113のうちの任意の2つ
が結合し環を形成する場合、好ましくはR112とR113
いずれかが水素原子であり、残りのR112ないしR113
111と環を形成する場合であり、更に好ましくは先ほ
ど挙げた2価基の左端が一般式(4) の窒素原子と結合
し、右端が炭素原子と結合する場合である。
【0122】またR111、R112、R113として好ましく
は環を形成せず、それぞれが水素原子もしくは1価の有
機基を表す場合である。
【0123】一般式(1) および(2) においてAとPUG
で表される基を除いた残基の式量は64以上240以下
であることが好ましく、更に好ましくは70以上200
以下であり、特に好ましくは90以上180以下であ
る。
【0124】以下に本発明の一般式(1) 〜(4) で表わさ
れる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらによって
限定されるものではない。
【0125】なお、一般式(1) においてAがカプラー残
基を表わすものについては(CA)を頭につけた番号
で、一般式(2)〜(4)においてAがカプラー残基を表わす
ものについては(CB)を頭につけた番号で、一般式
(1)〜(4)においてAが酸化還元基を表わすものについて
は(SA)を頭につけた番号で示した。
【0126】
【化28】
【0127】
【化29】
【0128】
【化30】
【0129】
【化31】
【0130】
【化32】
【0131】
【化33】
【0132】
【化34】
【0133】
【化35】
【0134】
【化36】
【0135】
【化37】
【0136】
【化38】
【0137】
【化39】
【0138】
【化40】
【0139】
【化41】
【0140】
【化42】
【0141】
【化43】
【0142】
【化44】
【0143】
【化45】
【0144】
【化46】
【0145】
【化47】
【0146】
【化48】
【0147】
【化49】
【0148】
【化50】
【0149】
【化51】
【0150】
【化52】
【0151】
【化53】
【0152】
【化54】
【0153】
【化55】
【0154】
【化56】
【0155】
【化57】
【0156】
【化58】
【0157】
【化59】
【0158】
【化60】
【0159】
【化61】
【0160】
【化62】
【0161】本発明の化合物の合成は例えば米国特許第
4,847,383号、同4,770,990号、同
4,684,604号、同4,886,736号、特開
昭60−218645号、同61−230135号、特
願平2−37070号、同2−170832号、および
同2−251192号に記載の方法もしくは類似の方法
を利用することができる。
【0162】以下に具体的合成例について述べる。 (合成例1) 例示化合物(CA−1)の合成 下記に示す合成ルートにより合成した。
【0163】
【化63】
【0164】CA−1a(3.40g)を塩化チオニル
(30ml)中60℃で1時間反応させた後過剰の塩化チ
オニルを減圧下留去した。この残渣をCA−1b(7.
48g)とジイソプロピルエチルアミン(10.5ml)
のジメチルホルムアミド溶液(0℃)に加え1時間攪拌
した。その後この溶液を水(500ml)中にあけ、生じ
た結晶を濾取することによりCA−1cを粗結晶として
9.8g得た。構造はNMRにより確認した。
【0165】CA−1c(3.20g)とCA−1d
(1.38g)を1,2−ジクロロエタン(30ml)中
で1時間反応させた。そこに、CA−1e(3.20
g)の酢酸エチル(20ml)溶液を水冷下加え、続いて
ジイソプロピルエチルアミン(4.5ml)を加えた後1
時間攪拌した。1規定塩酸で反応を止め、クロロホルム
(30ml)を加え反応液を希釈した。その後反応液を水
で3回水洗し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥した。
有機溶媒を留去して得られた油状物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン=1:5)
にて精製することにより例示化合物CA−1を1.20
gを得た。構造はNMRにより確認した。m.p.13
3.0〜134.0℃。
【0166】 (合成例2) 例示化合物(CA−12)の合成 下記に示す合成ルートにより合成した。
【0167】
【化64】
【0168】CA−12a(10.7g)と37%ホル
マリン水溶液(30ml)を酢酸(100ml)中70℃で
5時間反応させた後溶媒を減圧下留去した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサ
ン2:1)にて精製することによりCA−12bを6.
4g(収率53%)得た。
【0169】次にCA−12b(3.2g)とCA−1
2c(2.1g)をクロロホルム(40ml)に懸濁さ
せ、そこにヨウ化亜鉛(5.7g)を加え室温で2時間
反応させた。1N塩酸で反応を止めクロロホルム40ml
で希釈した後反応液を水で2回洗浄した。有機層を硫酸
ナトリウムで乾燥、濃縮後得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン1:
4)にて精製することにより例示化合物(CA−12)
を4.1g(収率25%)得た。構造はNMR、マス、
元素分析により確認した。
【0170】 (合成例3) 例示化合物(CB−2)の合成 下記で表わされる合成ルートにより合成した。
【0171】
【化65】
【0172】CB−2a(10mmol)をクロロホルム
(30ml)に、懸濁させそこに塩化チオニル(20mmo
l)を加え50℃で1時間反応させた後溶媒を留去す
る。ここで得られた残渣をCB−2b(10mmol)とジ
イソプロピルエチルアミン(20mmol)のジメチルホル
ムアミド(30ml)溶液に加え1時間反応させた後氷水
(200ml)中にあける。クロロホルム50mlを加え攪
拌した後水相を分離し、有機層を水(100ml)で更に
2回洗浄した後硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮することに
よりCB−2cを得た。
【0173】得られたCB−2cをクロロホルム(30
ml)に溶かし、そこにクロロ炭酸ニトロフェニル(10
mmol)を加え1時間反応させた後、CB−2b(10mm
ol)の酢酸エチル(50ml)溶液を加え、更にジイソプ
ロピルエチルアミン(50mmol)を加えた後1時間反応
させる。1N塩酸(10ml)を加え反応を止めた後酢酸
エチル(10ml)で希釈する。有機層を水で洗浄後硫酸
ナトリウムで乾燥、濃縮する。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル−ヘ
キサン1:3)にて精製することにより例示化合物CB
−2を1.94g(収率23%収率)得る。m.p.1
01.5〜102.5℃。
【0174】 (合成例4) 例示化合物(CB−3)の合成 下記で表わされる合成ルートにて合成した。
【0175】
【化66】
【0176】(CB−3a)を原料として例示化合物C
B−2と同様の方法により合成することができる。収率
31%。m.p.68.0〜69.0℃。
【0177】 (合成例5) 例示化合物(CB−11)の合成 下記で表わされる合成ルートにて合成した。
【0178】
【化67】
【0179】(CB−11a)200gと(CB−11
b)34.7gを酢酸エチル(500ml)に溶解し、そ
こにジイソプロピルエチルアミン(142ml)を加え4
時間攪拌した。析出した結晶を濾取し酢酸エチルで洗浄
することにより(CB−11c)を176g(75%)
得た。
【0180】(CB−11c)53.6gとパラホルム
アルデヒド(27.9g)を1,2−ジクロロエタン
(500ml)と酢酸(54ml)の混合液中還流下4時間
反応させた。室温に冷却後反応液を水洗し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後濃縮した。得られた残渣をクロロホル
ムを溶出液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製することにより(CB−11d)を23.2
g(41.2%)得た。
【0181】(CB−11d)23.2gと(CB−1
1e)6.78gをクロロホルム(250ml)に溶解
し、そこに沃化亜鉛26.88gを加え3時間攪拌し
た。1N塩酸を加えた後反応液を水洗した。有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサ
ン1:4)にて精製することにより例示化合物(CB−
11)を7.0g得た(23.9%)。m.p.11
7.0〜118.5℃。
【0182】 (合成例6) 例示化合物(CB−13)の合成 合成例5と同様の方法により合成した。m.p.61.
5〜63.0℃ (合成例7) 例示化合物(CB−19)の合成 特開昭60−218645号の合成例2と同様の方法に
より合成することができる。収率7%。m.p.115
℃。 (合成例8) 例示化合物(SA−5)の合成 下記に表わされる合成ルートにより合成した。
【0183】
【化68】
【0184】SA−5a(特開昭61−230135号
に記載の方法と同様の方法にて合成した)の11.6g
を水冷下塩化チオニル30mlに加え50℃で更に1時間
反応させた。過剰の塩化チオニルを減圧下留去し、析出
した結晶を少量の氷冷したクロロホルムで洗浄すること
により(SA−5b)を粗結晶として得た。次に(SA
−5b)13.1gを(SA−5c)7.2gとトリエ
チルアミン12.1gのN,N,−ジメチルホルムアミ
ド(100ml)溶液に0℃で加え、その後室温で1時間
さらに反応させた。
【0185】2N塩酸60mlと氷水300mlの水溶液に
反応混合物をあけ、更に酢酸エチル300mlを加え攪拌
した。その液を分液ロートに移し油層をとり、水で数回
洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製
(酢酸エチル−ヘキサン=1/4〜1/1(v/v)を溶出
液として用いた)することにより例示化合物SA−5を
アモルファスとして3.7g得た。
【0186】本発明の一般式(1) または(2) で表わされ
る化合物は感光材料中のいかなる層に添加してもよい
が、感光性乳剤層および/またはその隣接層に添加する
ことが好ましく、赤感光性乳剤層および/または緑感光
性乳剤層に添加することが特に好ましい。同一の感色性
層が感度の異なる2層以上に分かれている場合には、最
高感度層、最低感度層および中間感度層のいずれの層に
添加してもよい。
【0187】またその感光材料中への総添加量は0.0
01〜1.0g/m2であり、好ましくは0.010〜
0.5g/m2、より好ましくは0.020〜0.40g
/m2、更に好ましくは0.030〜0.30g/m2であ
る。
【0188】一般式(1) と一般式(2) の化合物を併用す
る場合、その混合割合は任意に選ぶことができ、特にそ
の制限はない。また、一般式(1) または一般式(2) の化
合物と本発明以外の現像抑制剤放出型化合物を目的に応
じて併用することもできる。
【0189】次に本発明のイエローカラードシアンカプ
ラーについて説明する。
【0190】本発明において、イエローカラードシアン
カプラーとは、カプラーの可視吸収領域における吸収極
大を400nmから500nmの間に有し、かつ芳香族
第1級アミン現像主薬酸化体とカップリングして可視吸
収領域における吸収極大が630nmから750nmの
間のシアン色素を形成するシアンカプラーであるものを
いう。
【0191】本発明のイエローカラードシアンカプラー
のうち、芳香族第1級アミン現像主薬酸化体とのカップ
リング反応により、水溶性の6−ヒドロキシ−2−ピリ
ドン−5−イルアゾ基、水溶性のピラゾロン−4−イル
アゾ基、水溶性の2−アシルアミノフェニルアゾ基また
は水溶性の2−スルホンアミドフェニルアゾ基を含む化
合物残基を放出可能なシアンカプラーが好ましく用いら
れる。
【0192】本発明のカラードシアンカプラーは好まし
くは下記に示される一般式(CI)〜(CIV)で表され
る。
【0193】
【化69】
【0194】一般式(CI)〜(CIV)でにおいてCp
はシアンカプラー残基(Tはそのカップリング位に結合
している)を、Tはタイミング基を、kは0または1の
整数を、XはN、O、またはSを含みそれらにより
(T) kもしくはCpと結合しQとを連結する2価の連
結基を表し、Qはアリーレン基または2価の複素環基を
表す。
【0195】一般式(CI)において、R11及びR12
各々独立に水素原子、カルボキシル基、スルホ基、シア
ノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複
素環基、カルバモイル基、スルファモイル基、カルボン
アミド基、スルホンアミド基またはスルホニル基を、R
13は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基または複素環基をそれぞれ表す。ただし、T、X、
Q、R11、R12またはR13のうち少なくとも一つは水溶
性基(例えばヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、ア
ミノ、アンモニウミル、ホスホノ、ホスフィノ、ヒドロ
キシスルホニルオキシ)を含むものとする。
【0196】尚、一般式(CI)における下記に示され
る基
【0197】
【化70】
【0198】が下記のような互変異性体構造をとり得る
ことは常識であり、これら互変異性体構造も本発明の一
般式(CI)で規定された構造に含まれるものである。
【0199】
【化71】
【0200】一般式(CII)において、R14はアシル基
またはスルホニル基を、R15は置換可能な基を、jは0
ないし3の整数を表す。jが2以上の整数のときR15
同じであっても異なっていてもよい。但し、T、X、
Q、R14またはR15のうち少なくとも一つは水溶性基
(例えばヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、ホスホ
ノ、ホスフィノ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アミ
ノ、アンモニウミル)を含むものとする。
【0201】一般式(CIII)及び(CIV)において、R
16は水素原子、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、複
素環基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、スルファモイル基、カルボ
ンアミド基、スルホンアミド基、またはスルホニル基
を、R17は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基または複素環基をそれぞれ表す。但し、T、
X、Q、R16またはR17のうち少なくとも一つは水溶性
基(例えばヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、ホス
ホノ、ホスフィノ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アミ
ノ、アンモニウミル)を含むものとする。
【0202】また、下記に示される基
【0203】
【化72】
【0204】は互変異性体の関係にあり同じ化合物であ
る。
【0205】以下に一般式(CI)〜(CIV)で表わさ
れる化合物についてさらに詳しく説明する。
【0206】Cpが表わすカプラー残基としては公知の
シアンカプラー残基(例えばフェノール型、ナフトール
型)が挙げられる。
【0207】Tで表わされるタイミング基は一般式(C
I)〜(CIV)で表されるカプラーと芳香族第1級アミ
ン現像主薬の酸化体とカップリング反応によりCpとの
結合が開裂した後、Xとの結合が開裂する基であり、カ
ップリング反応性の調節、カプラーの安定化、X以下の
放出タイミングの調節等種々の目的に用いられる。タイ
ミング基の例としては、下記式(T−1)〜(T−7)
で表される公知の連結基が挙げられる。下記式(T−
1)〜(T−7)で表される各基において、*印はC
p、**印はXと各々結合する。
【0208】
【化73】
【0209】式中、R20はベンゼン環に置換可能な基を
表し、R21は以下に説明するR41であり、R22は水素原
子または置換基を表す。tは0ないし4の整数を表す。
20およびR22の置換基としてはR41、ハロゲン原子、
43O−、R43S−、R43(R44)NCO−、R43OO
C−、R43SO2−、R43(R44)NSO2−、R43CO
N(R43)−、R41SO2N(R43)−、R43CO−、
41COO−、R41SO−、ニトロ、R43(R44)NC
ON(R45)−、シアノ、R41OCON(R43)−、R
43OSO2−、R43(R44)N−、R43(R44)NSO2
N(R45)−、または下記に示される基
【0210】
【化74】
【0211】が挙げられる。
【0212】上式においてR41は脂肪族基、芳香族基ま
たは複素環基を表し、R43、R44およびR45は水素原
子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。
【0213】上記において脂肪族基とは炭素数1〜3
2、好ましくは1〜22の飽和または不飽和、鎖状また
は環状、直鎖または分岐、置換または無置換の脂肪族炭
化水素基である。代表的な例としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、(t)ブチル、
(i)ブチル、(t)アミル、ヘキシル、シクロヘキシ
ル、2−エチルヘキシル、オクチル、1,1,3,3−
テトラメチルブチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシ
ル、オクタデシルが挙げられる。
【0214】芳香族基とは炭素数6〜20の芳香族基で
あり、好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基、ま
たは置換もしくは無置換のナフチル基である。
【0215】複素環基とは炭素数1〜20、好ましくは
1〜7の、複素原子として窒素原子、酸素原子もしくは
イオウ原子から選ばれる、好ましくは3員ないし8員環
の置換もしくは無置換の複素環基である。複素環基の代
表的な例としては2−ピリジン、2−チエニル、2−フ
リル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2,4
−ジオキソ−1,3−イミダゾリジン−5−イル、1,
2,4−トリアゾール−2−イルまたは1−ピラゾリル
が挙げられる。
【0216】前記脂肪族炭化水素基、芳香族基および複
素環基が置換基を有するとき代表的な置換基としては、
ハロゲン原子、R47O−、R46S−、R47CON
(R48)−、(R47)(R48)NCO−、R46OCON
(R47)−、R46SO2N(R47)−、(R47
(R48)NSO2−、R46SO2−、R47OCO−、(R
47)(R48)NCON(R49)−、R46と同じ意味の
基、下記に示される基、
【0217】
【化75】
【0218】R46COO−、R47OSO2−、シアノ基
またはニトロ基が挙げられる。ここでR46は脂肪族基、
芳香族基、または複素環基を表し、R47、R48およびR
49は各々脂肪族基、芳香族基、複素環基または水素原子
を表す。脂肪族基、芳香族基または複素環基の意味は前
に定義したのと同じ意味である。
【0219】kは0または1の整数であるが、一般にk
が0である場合、すなわちCpとXとが直接結合する場
合が好ましい。
【0220】XはN、OまたはSによりCp−(T)k
−と結合する2価の連結基であり、−O−、−S−、−
OCO−、−OCO(O)−、−OCO(S)−、−O
CONH−、−SO2−、−OSO2NH−もしくはNで
Cp−(T)k−と結合する複素環基(例えばピロリジ
ン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ピロール、
ピラゾール、イミダゾール、1,2,4−トリアゾー
ル、ベンゾトリアゾール、スクシンイミド、フタルイミ
ド、オキサゾリジン−2,4−ジオン、イミダゾリジン
−2,4−ジオン、1,2,4−トリアゾリジン−3,
5−ジオンから誘導される基)またはこれらの基とアル
キレン基(例えばメチレン、エチレン、プロピレン)、
シクロアルキレン基(例えば1,4−シクロヘキシレ
ン)、アリーレン基(例えばo−フェニレン、p−フェ
ニレン)、2価の複素環基(例えばピリジン、チオフェ
ンなどから誘導される基)、−CO−、−SO2−、−
COO−、−CONH−、−SO2NH−、−SO2
−、−NHCO−、−NHSO2−、−NHCONH
−、−NHSO2NH−、−NHCOO−などを複合し
た連結基が好ましい。
【0221】Xはさらに好ましくは下記一般式(I)で
表わされる。 一般式(I) *−X1−(L−X2)m−** 一般式(I)において、*はCp−(T)k−と結合す
る位置を、**はQと結合する位置を、X1は−O−ま
たは−S−を、Lはアルキレン基を、X2は−O−、−
S−、−CO−、−SO2−、−OCO−、−COO
−、−NHCO−、−CONH−、−SO2NH−、−
NHSO2−、−SO2O−、−OSO2−、−OCO
(O)−、−OCONH−、−NHCOO−、−NHC
ONH−、−NHSO2NH−、−OCO(S)−、−
SCO(O)−、−OSO2NH−または−NHSO2
−を、mは0〜3の整数を表す。
【0222】Xの総炭素原子数(以下C数という)は好
ましくは0〜12、より好ましくは0〜8である。Xと
して最も好ましいものは−OCH2CH2O−である。
【0223】Qはアリーレン基または2価の複素環基を
表す。Qがアリーレン基のときアリーレン基は縮合環で
あっても置換基(例えばハロゲン原子、ヒドロキシル、
カルボキシル、スルホ、ニトロ、シアノ、アミノ、アン
モニウム、ホスホノ、ホスフィノ、アルキル、シクロア
ルキル、アリール、カルボンアミド、スルホンアミド、
アルコキシ、アリールオキシ、アシル、スルホニル、カ
ルボキシル、カルバモイル、スルファモイル)を有して
いてもよく、C数は好ましくは6〜15、より好ましく
は6〜10である。Qが2価の複素環基のとき複素環基
は少なくとも1個のN、O、S、P、SeまたはTeか
ら選ばれるヘテロ原子を環内に含む3〜8員、好ましく
は5〜7員の単環もしくは縮合環の複素環基(例えばピ
リジン、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、
イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンゾチア
ゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチ
オフェン、1,3,4−チアジアゾール、インドール、
キノリンなどから誘導される基)であって、置換基(Q
がアリーレン基の場合の置換基に同じ)を有していても
よく、C数は好ましくは2〜15、より好ましくは2〜
10である。Qとして最も好ましいものは、下記に示さ
れる基
【0224】
【化76】
【0225】である。
【0226】従って本発明において最も好ましい−
(T)k−X−Q−は、下記に示される基
【0227】
【化77】
【0228】である。
【0229】R11、R12またはR13がアルキル基である
とき、アルキル基は直鎖状、分岐鎖状のいずれであって
も、不飽和結合を含んでいてもよく、置換基(例えばハ
ロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、ホ
スホノ、ホスフィン、シアノ、アルコキシ、アリール、
アルコキシカルボニル、アミノ、アンモニウミル、アシ
ル、カルボンアミド、スルホンアミド、カルバモイル、
スルファモイル、スルホニル)を有していてもよい。
【0230】R11、R12またはR13がシクロアルキシル
基であるとき、シクロアルキル基は3〜8員環のシクロ
アルキル基であって架橋基を有していても、不飽和結合
を含んでいても、置換基(R11、R12またはR13がアル
キル基の場合の置換基に同じ。)を有していてもよい。
【0231】R11、R12またはR13がアリール基である
とき、アリール基は縮合環であっても、置換基(R11
12またはR13がアルキル基の場合の置換基の他、例え
ばアルキル、シクロアルキルがある。)を有していても
よい。
【0232】R11、R12またはR13が複素環基であると
き、複素環基は少なくとも1個のN、S、O、R、Se
またはTeから選ばれたヘテロ原子を環内に含む3〜8
員(好ましくは5〜7員)の単環もしくは縮合環の複素
環基(例えばイミダゾリル、チエニル、ピラゾリル、チ
アゾリル、ピリジル、キノリニル)であって、置換基
(R11、R12またはR13がアリール基の場合の置換基に
同じ)を有していてもよい。
【0233】ここでカルボキシル基はカルボキシラート
基を、スルホ基はスルホナート基を、ホスフィノ基はホ
スフィナート基を、ホスホノ基はホスホナート基をそれ
ぞれ含んでよく、この時対イオンは例えばLi+ 、Na
+ 、K+ 、アンモニウムである。
【0234】R11は好ましくは水素原子、カルボキシル
基、C数1〜10のアルキル基(例えばメチル、t−ブ
チル、スルホメチル、2−スルホエチル、カルボキシメ
チル、2−カルボキシエチル、2−ヒドロキシエチル、
ベンジル、エチル、イソプロピル)またはC数6〜12
のアリール基(例えばフェニル、4−メトキシフェニ
ル、4−スルホフェニル)であり、特に好ましくは水素
原子、メチル基またはカルボキシル基である。
【0235】R12は好ましくはシアノ基、カルボキシル
基、C数1〜10のカルバモイル基、C数0〜10のス
ルファモイル基、スルホ基、C数1〜10のアルキル基
(例えばメチル、スルホメチル)、C数1〜10のスル
ホニル基(例えばメチルスルホニル、フェニルスルホニ
ル)、C数1〜10のカルボンアミド基(例えばアセト
アミド、ベンズアミド)またはC数1〜10のスルホン
アミド基(例えばメタンスルホンアミド、トルエンスル
ホンアミド)であり、特に好ましくはシアノ基、カルバ
モイル基またはカルボキシル基である。
【0236】R13は好ましくは水素原子、C数1〜12
のアルキル基(例えばメチル、スルホメチル、カルボキ
シメチル、2−スルホエチル、2−カルボキシエチル、
エチル、n−ブチル、ベンジル、4−スルホベンジル)
またはC数6〜15のアリール基(例えばフェニル、4
−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェニル、4−
メトキシフェニル、2,4−ジカルボキシフェニル、2
−スルホフェニル、3−スルホフェニル、4−スルホフ
ェニル、2,4−ジスルホフェニル、2,5−ジスルホ
フェニル)であり、より好ましくはC数1〜7のアルキ
ル基またはC数6〜10のアリール基である。
【0237】R14は具体的には一般式(II)で表わされ
るアシル基もしくは一般式(III)で表わされるスルホニ
ル基である。 一般式(II) R31CO− 一般式(III) R31SO2− R31がアルキル基であるときアルキル基は直鎖状、分岐
鎖状のいずれであっても、不飽和結合を含んでいてもよ
く、置換基(例えばハロゲン原子、ヒドロキシル、カル
ボキシル、スルホ、ホスホノ、ホスフィノ、シアノ、ア
ルコキシ、アリール、アルコキシカルボニル、アミノ、
アンモニウミル、アシル、カルボンアミド、スルホンア
ミド、カルバモイル、スルファモイル、スルホニル)を
有していてもよい。
【0238】R31がシクロアルキル基であるとき、シク
ロアルキル基は3〜8員環のシクロアルキル基であっ
て、架橋基を有していても、不飽和結合を有していて
も、置換基(R31がアルキル基の場合の置換基に同じ)
を有していてもよい。
【0239】R31がアリール基であるとき、アリール基
は縮合環であっても、置換基(R31がアルキル基の場合
の置換基のほか、アルキル、シクロアルキルなどがあ
る)を有していてもよい。
【0240】R31が複素環基であるとき、複素環基は少
なくとも1個のN、S、O、P、SeまたはTeから選
ばれたヘテロ原子を環内に含む3〜8員(好ましくは5
〜7員)の単環もしくは縮合環の複素環基(例えばイミ
ダゾリル、チエニル、ピラゾリル、チアゾリル、ピリジ
ル、キノリニル)であって、置換基(R31がアリール基
の場合の置換基に同じ)を有していてもよい。
【0241】ここでカルボキシル基はカルボキシラート
基を、スルホ基はスルホナート基を、ホスフィノ基はホ
スフィナート基を、ホスホノ基はホスホナート基をそれ
ぞれ含んでよく、この時対イオンは例えばLi+ 、Na
+ 、K+ 、アンモニウムである。
【0242】R31は好ましくはC数1〜10のアルキル
基、(例えばメチル、カルボキシメチル、スルホエチ
ル、シアノエチル)、C数5〜8のシクロアルキル基
(例えばシクロヘキシル、2−カルボキシシクロヘキシ
ル)、もしくはC数6〜10のアリール基(例えばフェ
ニル、1−ナフチル、4−スルホフェニル)であり、特
に好ましくは、C数1〜3のアルキル基、C数6のアリ
ール基である。
【0243】R15は置換可能な基であり、好ましくは電
子供与性基であり、特に好ましくは−NR3233もしく
は−OR34である。置換位置としては4−位が好まし
い。R32、R33およびR34は水素原子、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基もしくはヘテロ環基であ
り、R31と同様である。またR32とR33の間で環を形成
してもよく、形成される窒素ヘテロ環としては脂環式の
ものが好ましい。
【0244】jは0ないし3の整数を表わし、好ましく
は1もしくは2であり、特に好ましくは1である。
【0245】R16またはR17がアルキル基であるときア
ルキル基は直鎖状、分岐鎖状のいずれであっても、不飽
和結合を含んでいてもよく、置換基(例えばハロゲン原
子、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、ホスホノ、
ホスフィノ、シアノ、アルコキシ、アリール、アルコキ
シカルボニル、アミノ、アンモニウミル、アシル、カル
ボンアミド、スルホンアミド、カルバモイル、スルファ
モイル、スルホニル)を有していてもよい。
【0246】R16またはR17がシクロアルキル基である
とき、シクロアルキル基は3〜8員環のシクロアルキル
基であって、架橋基を有していても、不飽和結合を有し
ていても、置換基(R16またはR17がアルキル基の場合
の置換基に同じ)を有していてもよい。
【0247】R16またはR17がアリール基であるとき、
アリール基は縮合環であっても、置換基(R16またはR
17がアルキル基の場合の置換基のほか、アルキル、シク
ロアルキルなどがある)を有していてもよい。
【0248】R16またはR17が複素環基であるとき、複
素環基は少なくとも1個のN、S、O、P、Seまたは
Teから選ばれたヘテロ原子を環内に含む3〜5員(好
ましくは5〜7員)の単環もしくは縮合環の複素環基
(例えばイミダゾリル、チエニル、ピラゾリル、チアゾ
リル、ピリジル、キノリニル)であって、置換基(R16
またはR17がアリール基の場合の置換基に同じ)を有し
ていてもよい。
【0249】ここでカルボキシル基はカルボキシラート
基を、スルホ基はスルホナート基を、ホスフィノ基はホ
スフィナート基を、ホスホノ基はホスホナート基をそれ
ぞれ含んでよく、この時対イオンは例えばLi+ 、Na
+ 、K+ 、アンモニウム等である。
【0250】R16は好ましくはシアノ基、カルボキシル
基、C数1〜10のカルバモイル基、C数2〜10のア
ルコキシカルボニル基、C数7〜11のアリールオキシ
カルボニル基、C数0〜10のスルファモイル基、スル
ホ基、C数1〜10のアルキル基(例えばメチル、カル
ボキシメチル、スルホメチル)、C数1〜10のスルホ
ニル基(例えばメチルスルホニル、フェニルスルホニ
ル)、C数1〜10のカルボンアミド基(例えばアセト
アミド、ベンズアミド)、C数1〜10のスルホンアミ
ド基(例えばメタンスルホンアミド、トルエンスルホン
アミド)、アルキルオキシ基(例えばメトキシ、エトキ
シ)またはアリールオキシ基(例えばフェノキシ)であ
り、特に好ましくはシアノ基、カルバモイル基、アルコ
キシカルボニル基、カルボキシル基である。
【0251】R17は好ましくは水素原子、C数は1〜1
2のアルキル基(例えばメチル、スルホメチル、カルボ
キシメチル、エチル、2−スルホエチル、2−カルボキ
シエチル、3−スルホプロピル、3−カルボキシプロピ
ル、5−スルホペンチル、5−カルボキシペンチル、4
−スルホベンジル)またはC数6〜15のアリール基
(例えばフェニル、4−カルボキシフェニル、3−カル
ボキシフェニル、2,4−ジカルボキシフェニル、4−
スルホフェニル、3−スルホフェニル、2,5−ジスル
ホフェニル、2,4−ジスルホフェニル)であり、より
好ましくはC数1〜7のアルキル基またはC数6〜10
のアリール基である。
【0252】以下に本発明のイエローカラードシアンカ
プラーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0253】
【化78】
【0254】
【化79】
【0255】
【化80】
【0256】
【化81】
【0257】
【化82】
【0258】
【化83】
【0259】
【化84】
【0260】
【化85】
【0261】
【化86】
【0262】
【化87】
【0263】本発明の一般式(CI)で表わされるイエ
ローカラードカプラーは一般に6−ヒドロキシ−2−ピ
リドン類とカプラー構造を含む芳香族ジアゾニウム塩ま
たは複素環基ジアゾニウム塩とのジアゾカップリング反
応により合成することができる。
【0264】前者すなわち6−ヒドロキシ−2−ピリド
ン類はクリンスベルグ編“複素環式化合物−ピリジンお
よびその誘導体類−第3部”(インターサイエンス出
版、1962年)、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン
・ケミカル・ソサエティー(J.Am. Chem. Soc.)194
3年,65巻,449頁、ジャーナル・オブ・ザ・ケミ
カルテクノロジー・アンド・バイオテクノロジー(J. C
hem. Tech. Biotechnol.) 1986年,36巻,410
頁、テトラヘドロン(Tetrahedron)1966年,22
巻,445頁、特公昭61−52827号、西独特許第
2,162,612号、同2,349,709号、同
2,902,486号、米国特許第3,763,170
号等に記載の方法で合成することができる。
【0265】後者のジアゾニウム塩は米国特許第4,0
04,929号、同4,138,258号、特開昭61
−72244号、同61−273543号等に記載の方
法により合成することができる。6−ヒドロキシ−2−
ピリドン類とジアゾニウム塩とのジアゾカップリング反
応はメタノール、エタノール、メチルセロソルブ、酢
酸、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水等
の溶媒またはこれらの混合溶媒中で行なうことができ
る。このとき塩基として例えば酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ピリジ
ン、トリエチルアミン、テトラメチル尿素、テトラメチ
ルグアニジンを用いることができる。反応温度は通常−
78℃〜60℃、好ましくは−20℃〜30℃である。
【0266】以下に本発明のイエローカラードシアンカ
プラーの合成ルートを示す。
【0267】
【化88】
【0268】
【化89】
【0269】
【化90】
【0270】
【化91】
【0271】
【化92】
【0272】一般式(CII)〜(CIV)で表わされるイ
エローカラードシアンカプラーは特公昭58−6939
号、特開平1−197563号および一般式(CI)で
表わされるカプラー合成法として前述した特許等に記載
の方法により合成することができる。
【0273】本発明においては、一般式(CI)および
一般式(CII)で表わされるイエローカラードシアンカ
プラーが更に好ましく用いられる。一般式(CI)で表
わされるものが特に好ましく用いられる。
【0274】本発明のイエローカラードシアンカプラー
は、感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤層もしくはそ
の隣接層に添加することが好ましく、赤感光性乳剤層に
添加することが特に好ましい。その感光材料中への総添
加量は、0.005〜0.30g/m2であり、好ましく
は0.02〜0.20g/m2、より好ましくは0.03
〜0.15g/m2である。
【0275】本発明のイエローカラードシアンカプラー
の添加方法は後述のように通常のカプラーと同様にして
添加することが可能である。
【0276】本発明に用いられる支持体としては、ポリ
エチレン芳香族ジカルボキシレート系ポリエステル支持
体で、そのガラス転移点が50℃以上、200℃以下で
あり、かつ下塗り層付与前あるいは下塗り層付与後、乳
剤塗布前に40℃以上ガラス転移温度以下の温度で熱処
理されたものが好ましい。以下に、この支持体について
説明する。
【0277】露光機能を付与した感光材料内蔵写真製品
(以下、「フイルム一体型カメラ」ともいう)では、例
えば、36駒撮りフイルムは24駒撮りフイルムの6割
ほど長いため、パトローネから引出した未露光フイルム
をロール状に巻込んでサプライ室に装填するときに、そ
の長い分だけ巻回数が多く密巻状態(巻緩みし難い)と
なる。しかも、この場合、サプライ室内のフイルムの最
内層の径は24駒撮りフイルムの時の径よりも当然小さ
くなるため、巻始め端(フィルム舌端)がきついカール
となる。従って、全駒の撮影終了後パトローネ内に収容
されたフィルムはきついカールの付いた舌端が、パトロ
ーネ内壁に密着してしまい、現像に際して治具による舌
端抜出作業を極めて困難にしていた。
【0278】即ち、フイルム一体型カメラでは通常のカ
メラのような裏蓋がなく、撮影済フイルムが収容された
パトローネは、巻上室の下端に設けたパトローネ挿脱蓋
を開けて軸方向に沿って取り出すことから、フイルム舌
端をパトローネ内に完全に収容しないと、これが邪魔と
なって取り出せない。従って、フイルム一体型カメラか
ら取り出したパトローネを現像するに際し、必ず治具を
用いた舌端抜出作業を伴うことから、該作業を困難にす
る36駒撮りフイルムの装填は現像側の立場からは敬遠
されていた。また、24駒撮りにおいても更にカメラを
薄くする場合には、巻き径を小さくする必要があるが、
そうするとカールがつきやすくなり舌端抜出作業が極め
て困難になり問題である。特に、夏場に高温雰囲気にさ
らされるとカールが強くなり舌端抜出作業が更に困難に
なるばかりでなく、ミニラボ等の後端フリーの現像処理
において不均一および後端折れの致命的故障を引き起こ
す。上述の2つの課題、即ち、強い力学強度と少い巻き
ぐせを達成するためには、2つの方法が存在する。第1
の方法は、巻きぐせ回復性を有するTACを変性し、力
学強度の向上を狙う方法である。第2の方法は、力学強
度に優れる、本発明のポリエチレンテレフタレート(P
ET)に代表されるポリエステル支持体に、巻きぐせが
付きにくいように改良する方法である。
【0279】前者の方法でこの課題を達成することは、
非常に困難であると予想される。すなわち、現行カラー
ネガ写真材料で用いているTAC支持体の厚みは122
μmあり、これを100μmにまで低下させると、曲弾
性率は、厚みの3乗に比例するため、122μm支持体
の55%にまで低下する。即ち、約2倍強い弾性率を持
つ支持体を達成する必要がある。また、スプール径を1
0mm以下にまで低下させると、巻きぐせ回復性を有す
るTACですら、現像処理中に充分に回復しきれず、前
述の「処理ムラ」や「折れ」が発生し、舌端抜出作業が
困難となる。このように、「弾性率の2倍向上」と「巻
きぐせ回復性の向上」と「舌端抜出作業の向上」という
3つの課題を同時に解決することはかなり困難であると
考えられる。
【0280】一方、後者の方法で達成しようとする場
合、例えば、PETを用いた場合本来有する強い弾性率
のため、TAC122μm相当の曲げ弾性を100μm
更には90μmで達成できる。従って、これらの支持体
の巻きぐせ改良のみを行えば良いわけであり、検討の結
果、前述の支持体に到った。これらの目的を達成するた
めに安価でかつ優れた生産性、機械的強度、ならびに寸
度安定性を有するポリエチレンテレフタレートは、TA
Cを代替するものと考えられてきたが、写真感光材料と
して広範囲に用いられているロール形態では巻きぐせカ
ールが強く残留するため現像処理後の取り扱い性が悪
く、上記の優れた性質がありながらその使用範囲が限定
されてきた。上記目的を達成する為に本発明は、支持体
としてポリエチレン芳香族ジカルボキシレート系ポリエ
ステルを薄膜化し、乳剤塗布前に加熱処理をしたものを
用いることが有効であることを見いだし、このフイルム
をフイルム一体型カメラに組み込むと、駒数を多くする
場合や薄型にする上で極めて有効であることを見いだし
た。
【0281】まず本発明のポリエテルについて記す。本
発明のポリエステルとして種々のものが存在するが、巻
きぐせの付きにくさと力学強度、及びコストをバランス
して高い性能を持つのがベンゼンジカルボン酸とエチレ
ングリコールを主成分とするポリエステル、中でも特
に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチ
レンナフタレート系のポリエステルが好ましく挙げられ
る。本発明のポリエステルは、ジオールと芳香族ジカル
ボン酸を必須成分として形成されるが、使用可能な二塩
基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水コハク
酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン
酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ジ
フェニレンp,p′−ジカルボン酸、テトラクロロ無水
フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フ
タル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、
【0282】
【化93】
【0283】
【化94】
【0284】等を挙げることができる。必須である芳香
族ジカルボン酸は前述したジカルボン酸の中で、ベンゼ
ン核を少なくとも一個有するものである。次にジオール
としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタン
ジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデ
カンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキ
サンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、
カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、1,4−ベ
ンゼンジメタノール、
【0285】
【化95】
【0286】
【化96】
【0287】等を挙げることができる。また、必要に応
じて、単官能または、3以上の多官能の水酸基含有化合
物あるいは、酸含有化合物が共重合されていても構わな
い。また、本発明のポリエステルには、分子内に水酸基
とカルボキシル基(あるいはそのエステル)を同時に有
する化合物が共重合されていても構わなく、以下が挙げ
られる。
【0288】
【化97】
【0289】これらのジオール、ジカルボン酸から成る
ポリエステルの中で、さらに好ましいものとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート
(PCT)等のホモポリマー、および、特に好ましい必
須な芳香族ジカルボン酸として2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸(NDCA)、テレフタル酸(TPA)、イソ
フタル酸(IPA)、オルトフタル酸(OPA)、パラ
フェニレンジカルボン酸(PPDC)、ジオールとし
て、エチレングリコール(EG)、シクロヘキサンジメ
タノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NP
G)、ビスフェノールA(BPA)、ビフェノール(B
P)、共重合成分であるヒドロキシカルボン酸としてパ
ラヒドロキシ安息香酸(PHBA)、6−ヒドロキシ−
2−ナフタレンカルボン酸(HNCA)を共重合させた
ものが挙げられる。
【0290】これらの中でさらに好ましいものとして、
テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸とエチレングリ
コールのコポリマー(テレフタル酸とナフタレンジカル
ボン酸の混合モル比は0.9:0.1〜0.1:0.9
の間が好ましく、0.8:0.2〜0.2:0.8が更
に好ましい。)、テレフタル酸とエチレングリコール、
ビスフェノールAのコポリマー(エチレングリコールと
ビスフェノールAの混合モル比は0.6:0.4〜0:
1.0の間が好ましく、更には0.5:0.5〜0:
0.9が好ましい。)、イソフタール酸、パラフェニレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸とエチレングリコールの
コポリマー(イソフタール酸;パラフェニレンジカルボ
ン酸のモル比はテレフタル酸を1とした時それぞれ0.
1〜0.5、0.1〜0.5、更に好ましくは、それぞ
れ0.2〜0.3、0.2〜0.3が好ましい)、テレ
フタル酸、ネオペンチルグリコールとエチレングリコー
ルのコポリマー(ネオペンチルグリコールとエチレング
リコールのモル比は1:0〜0.7:0.3が好まし
く、より好ましくは0.9:0.1〜0.6:0.
4)、テレフタル酸、エチレングリコールとビフェノー
ルのコポリマー(エチレングリコールとビフェノールの
モル比は、0:1.0〜0.8:0.2が好ましく、さ
らに好ましくは0.1:0.9〜0.7:0.3であ
る。)、パラヒドロキシ安息香酸、エチレングリコール
とテレフタル酸のコポリマー(パラヒドロキシ安息香
酸、エチレングリコールのモル比は1:0〜0.1:
0.9が好ましく、さらに好ましくは0.9:0.1〜
0.2:0.8)等の共重合体が好ましい。これらのホ
モポリマーおよびコポリマーは、従来公知のポリエステ
ルの製造方法に従って合成できる。例えば酸成分をグリ
コール成分と直接エステル化反応するか、または酸成分
としてジアルキルエステルを用いる場合は、まず、グリ
コール成分とエステル交換反応をし、これを減圧下で加
熱して余剰のグリコール成分を除去することにより、合
成することができる。あるいは、酸成分を酸ハライドと
しておき、グリコールと反応させてもよい。この際、必
要に応じて、エステル交換反応、触媒あるいは重合反応
触媒を用いたり、耐熱安定化剤を添加してもよい。これ
らのポリエステル合成法については、例えば、高分子実
験学,第5巻「重縮合と重付加」(共立出版、1980
年)第103頁〜第136頁、“合成高分子V”(朝倉
書店、1971年)第187頁〜第286頁の記載を参
考に行うことができる。これらのポリエステルの好まし
い平均分子量の範囲は約10,000ないし500,0
00である。さらに、これらのポリエステルには別の種
類のポリエステルとの接着性を向上させるために、別の
ポリエステルを一部ブレンドしたり、別のポリエステル
を構成するモノマーを共重合させたり、または、これら
のポリエステル中に、不飽和結合を有するモノマーを共
重合させ、ラジカル架橋させたりすることができる。得
られたポリマーを2種類以上混合したポリマーブレンド
は、特開昭49−5482号、同64−4325号、特
開平3−192718号、リサーチ・ディスクロージャ
ー283,739−41、同284,779−82、同
294,807−14に記載した方法に従って、容易に
形成することができる。
【0291】本発明のポリエステルはそのTgが50℃
以上であるが、その使用条件は、一般に十分注意されて
取り扱われるわけではなく、特に真夏の屋外においてそ
の気温が40℃までに晒されることが多々有り、この観
点から本発明のTgは安全をみこして55℃以上が好ま
しい。さらに好ましくは、Tgは60℃以上であり特に
好ましくは70℃以上である。これは、この熱処理によ
る巻き癖改良の効果が、ガラス転移温度を超える温度に
さらされると消失するため、一般ユーザーに使われた際
に過酷な条件である温度、即ち夏季の温度40℃を超え
る温度以上のガラス転移温度を有するポリエステルが好
ましい。一方、透明性を有し、Tg200℃を越える汎
用ポリエステルフイルムは現在まで存在しない。従って
本発明に用いられるポリエステルのTg温度は、50℃
以上200℃以下であることが必要である。
【0292】次に本発明に用いるポリエステルの好まし
い具体的化合物例を示すが、本発明がこれに限定される
ものではない。 ポリエステル化合物例 P−0:〔テレフタル酸(TPA)/エチレングリコール(EG)(100 /100)〕(PET) Tg=80℃ P−1:〔2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)/エチレングリコー ル(EG)(100/100)〕(PEN) Tg=119℃ P−2:〔テレフタル酸(TPA)/シクロヘキサンジメタノール(CHDM )(100/100)〕 Tg=93℃ P−3:〔TPA/ビスフェノールA(BPA) (100/100)〕 Tg=192℃ P−4: 2,6−NDCA/TPA/EG(50/50/100) Tg=92℃ P−5: 2,6−NDCA/TPA/EG(75/25/100) Tg=102℃ P−6: 2,6−NDCA/TPA/EG/BPA(50/50/75/ 25) Tg=112℃ P−7: TPA/EG/BPA(100/50/50)Tg=105℃ P−8: TPA/EG/BPA(100/25/75)Tg=135℃ P−9: TPA/EG/CHDM/BPA(100/25/25/50) Tg=115℃
【0293】 P−10:IPA/PPDC/TPA/EG(20/50/30/100) Tg=95℃ P−11:NDCA/NPG/EG(100/70/30) Tg=105℃ P−12:TPA/EG/BP(100/20/80) Tg=115℃ P−13:PHBA/EG/TPA(200/100/100) Tg=125℃ P−14:PEN/PET(60/40) Tg=95℃ P−15:PEN/PET(80/20) Tg=104℃ P−16:PAr/PEN(50/50) Tg=142℃ P−17:PAr/PCT(50/50) Tg=118℃ P−18:PAr/PET(60/40) Tg=101℃ P−19:PEN/PET/PAr(50/25/25)Tg=108℃ P−20:TPA/5−スルフォイソフタル酸(SIP)/EG(95/5/ 100) Tg=65℃
【0294】これらの支持体は、50μm以上100μ
m以下の厚みである。50μm未満では乾燥時に発生す
る感光層の収縮応力に耐えることができず、一方100
μmを越えるとコンパクト化のために厚みを薄くしよう
とする目的と矛盾する。以上のような本発明のポリエス
テルは全てTACよりも強い曲弾性率を有し、当初の目
的であるフィルムの薄手化を実現可能であった。しか
し、これらの中で強い曲弾性を有していたのがPET,
PENでありこれを用いるとTACで122μm必要だ
った膜厚を100μm以下にまで薄くすることが可能で
ある。次に本発明のポリエステル支持体は、熱処理を施
されることを特徴とし、その際には、40℃以上ガラス
転移温度以下の温度で0.1〜1500時間行う必要が
ある。この効果は熱処理温度が高いほど早く進む。しか
し熱処理温度がガラス転移温度を越えるとフイルム内の
分子がむしろ乱雑に動き逆に自由体積が増大し、分子が
流動し易い、即ち巻きぐせの付き易いフイルムとなる。
従ってこの熱処理はガラス転移温度以下で行うことが必
要である。
【0295】従ってこの熱処理は、ガラス転移温度を少
し下廻る温度で行うことが処理時間短縮のために望まし
く、40℃以上ガラス転移温度以下、より好ましくは、
ガラス転移温度を30℃下廻る温度以上ガラス転移温度
以下である。一方、この温度条件で熱処理を行う場合、
0.1時間以降効果が認められる。また、1500時間
以上では、その効果はほとんど飽和する。従って、0.
1時間以上1500時間以下で熱処理することが好まし
い。さらにまた本発明のポリエステルを熱処理する方法
において、時間を短縮するために予めTg以上に短時間
加熱(好ましくはTgの20℃以上100℃以下の5分
〜3時間処理する)することが、好ましい。又加熱方法
においては、加熱倉庫にフィルムのロールをそのまま放
置して加熱処理してもよいが、更には加熱ゾーンを搬送
して熱処理してもよく製造適性を考慮すると後者のほう
が好ましい。さらに熱処理で用いられるロール巻き芯
は、そのフィルムへの温度伝播が効率よくいくために中
空かないしは加熱出来るように電気ヒーター内蔵または
高温液体を流液できるような構造を有するものが好まし
い。ロール巻き芯の材質は特に限定されないが、熱によ
る強度ダウンや変形のないものが好ましく、例えばステ
ンレス,ガラスファイバー入り樹脂を挙げることが出来
る。
【0296】次に本発明のポリエステルについて、その
写真支持体としての機能を更に高める為に、種々の添加
剤を共存させることが好ましい。これらのポリエステル
フィルム中に蛍光防止および経時安定性付与の目的で紫
外線吸収剤を、練り込んでも良い。紫外線吸収剤として
は、可視領域に吸収を持たないものが望ましく、かつそ
の添加量はポリエステルフィルムの重量に対して通常
0.01重量%ないし20重量%、好ましくは0.05
重量%ないし10重量%程度である。0.01重量%未
満では紫外線劣化を抑える効果が期待できない。紫外線
吸収剤としては2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ド
デシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,
2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノンなどのベンゾフェノン系、2−(2′−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′−ジ−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フ
ェニル、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収
剤が挙げられる。
【0297】また、本発明のポリエステルフイルムを写
真感光材料用支持体として使用する際に問題となる性質
の一つに支持体が高屈折率であるために発生するふちか
ぶりの問題があげられる。本発明のポリエステル特に芳
香族系ポリエステルの屈折率は、1.6〜1.7と高い
のに対し、この上に塗設する感光層の主成分であるゼラ
チンの屈折率は1.50〜1.55とこの値より小さ
い。従って、光がフイルムエッジから入射した時、ベー
スと乳剤層の界面で反射しやすい。従って、ポリエステ
ル系のフイルムはいわゆるライトパイピング現象(ふち
かぶり)を起こす。この様なライトパイピング現象を回
避する方法としてはフイルムに不活性無機粒子等を含有
させる方法ならびに染料を添加する方法等が知られてい
る。本発明において好ましいライトパイピング防止方法
はフイルムヘイズを著しく増加させない染料添加による
方法である。フイルム染色に使用する染料については特
に限定を加えるものでは無いが色調は感光材料の一般的
な性質上グレー染色が好ましく、また染料はポリエステ
ルフィルムの製膜温度域での耐熱性に優れ、かつポリエ
ステルとの相溶性に優れたものが好ましい。染料として
は、上記観点から三菱化成製のDiaresin、日本
化薬製のKayaset等ポリエステル用として市販さ
れている染料を混合することにより目的を達成すること
が可能である。染色濃度に関しては、マクベス社製の色
濃度計にて可視光域での色濃度を測定し少なくとも0.
01以上であることが必要である。更に好ましくは0.
03以上である。
【0298】本発明によるポリエステルフイルムは、用
途に応じて易滑性を付与することも可能であり、易滑性
付与手段としては特に限定を加えるところでは無いが、
不活性無機化合物の練り込み、あるいは界面活性剤の塗
布等が一般的手法として用いられる。かかる不活性無機
粒子としてはSiO2、TiO2、BaSO4、CaC
3、タルク、カオリン等が例示される。また、上記の
ポリエステル合成反応系に不活性な粒子を添加する外部
粒子系による易滑性付与以外にポリエステルの重合反応
時に添加する触媒等を析出させる内部粒子系による易滑
性付与方法も採用可能である。これら易滑性付与手段に
は特に限定を加えるものでは無いが、写真感光材料用支
持体としては透明性が重要な要件となるため、上記易滑
性付与方法手段では外部粒子系としてはポリエステルフ
イルムと比較的近い屈折率をもつSiO2 、あるいは析
出する粒子径を比較的小さくすることが可能な内部粒子
系を選択することが望ましい。
【0299】更には、練り込みによる易滑性付与を行う
場合、よりフイルムの透明性を得るために機能付与した
層を積層する方法も好ましい。この手段としては具体的
には複数の押し出し機ならびにフィードブロック、ある
いはマルチマニフォールドダイによる共押出し法が例示
される。これらのポリマーフイルムを支持体に使用する
場合、これらポリマーフイルムがいずれも疎水性の表面
を有するため、支持体上にゼラチンを主とした保護コロ
イドからなる写真層(例えば感光性ハロゲン化銀乳剤
層、中間層、フィルター層等)を強固に接着させる事は
非常に困難である。この様な難点を克服するために試み
られた従来技術としては、(1)薬品処理、機械的処
理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処
理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処
理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理
をしたのち、直接写真乳剤を塗布して接着力を得る方法
と、(2)一旦これらの表面処理をした後、あるいは表
面処理なしで、下塗層を設けこの上に写真乳剤層を塗布
する方法との二法がある。(例えば米国特許第2,69
8,241号、同2,764,520号、同2,86
4,755号、同3,462,335号、同3,47
5,193号、同3,143,421号、同3,50
1,301号、同3,460,944号、同3,67
4,531号、英国特許第788,365号、同80
4,005号、同891,469号、特公昭48−43
122号、同51−446号等)。
【0300】これらの表面処理は、いずれも、本来は疎
水性であった支持体表面に多少共、極性基を作らせる
事、表面の架橋密度を増加させることなどによるものと
思われ、その結果として下塗液中に含有される成分の極
性基との親和力が増加すること、ないし接着表面の堅牢
度が増加すること等が考えられる。又、下塗層の構成と
しても種々の工夫が行なわれており、第1層として支持
体によく接着する層(以下、下塗第1層と略す)を設
け、その上に第2層として写真層とよく接着する親水性
の樹脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂重
層法と、疎水性基と親水性基との両方を含有する樹脂層
を一層のみ塗布する単層法とがある。
【0301】(1)の表面処理のうち、コロナ放電処理
は、最もよく知られている方法であり、従来公知のいず
れの方法、例えば特公昭48−5043号、同47−5
1905号、特開昭47−28067号、同49−83
767号、同51−41770号、同51−13157
6号等に開示された方法により達成することができる。
放電周波数は50Hz〜5000KHz、好ましくは5
KHz〜数100KHzが適当である。放電周波数が小
さすぎると、安定な放電が得られずかつ被処理物にピン
ホールが生じ、好ましくない。又周波数が高すぎると、
インピーダンスマッチングのための特別な装置が必要と
なり、装置の価格が大となり、好ましくない。被処理物
の処理強度に関しては、通常のポリエステル、ポリオレ
フィン等のプラスチックフィルムの濡れ性改良の為に
は、0.001KV・A・分/m2〜5KV・A・分/
2 、好ましくは0.01KV・A・分/m2 〜1KV
・A・分/m2 が適当である。電極と誘電体ロールのギ
ャップクリアランスは0.5〜2.5mm、好ましくは
1.0〜2.0mmが適当である。
【0302】多くの場合、もっとも効果的な表面処理で
あるグロー放電処理は、従来知られているいずれの方
法、例えば特公昭35−7578号、同36−1033
6号、同45−22004号、同45−22005号、
同45−24040号、同46−43480号、米国特
許3,057,792号、同3,057,795号、同
3,179,482号、同3,288,638号、同
3,309,299号、同3,424,735号、同
3,462,335号、同3,475,307号、同
3,761,299号、英国特許997,093号、特
開昭53−129262号等を用いることができる。
【0303】グロー放電処理条件は、一般に圧力は0.
005〜20Torr、好ましくは0.02〜2Tor
rが適当である。圧力が低すぎると表面処理効果が低下
し、また圧力が高すぎると過大電流が流れ、スパークが
おこりやすく、危険でもあるし、被処理物を破壊する恐
れもある。放電は、真空タンク中で1対以上の空間を置
いて配置された金属板或いは金属棒間に高電圧を印加す
ることにより生じる。この電圧は、雰囲気気体の組成、
圧力により色々な値をとり得るものであるが、通常上記
圧力範囲内では、500〜5000Vの間で安定な定常
グロー放電が起る。接着性を向上せしめるのに特に好適
な電圧範囲は、2000〜4000Vである。又、放電
周波数として、従来技術に見られるように、直流から数
1000MHz、好ましくは50Hz〜20MHzが適
当である。放電処理強度に関しては、所望の接着性能が
得られることから0.01KV・A・分/m2 〜5KV
・A・分/m2 、好ましくは0.15KV・A・分/m
2 〜1KV・A・分/m2 が適当である。
【0304】次に(2)の下塗法について述べると、こ
れらの方法はいずれもよく研究されており、重層法にお
ける下塗第1層では、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン
酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発
原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレンイミ
ン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロ
ース、など数多くのポリマーについて、下塗第2層では
主としてゼラチンについてその特性が検討されてきた。
【0305】単層法においては、多くの支持体を膨潤さ
せ、親水性下塗ポリマーと界面混合させることによって
良好な接着性を達成している場合が多い。本発明に使用
する親水性下塗ポリマーとしては、水溶性ポリマー、セ
ルロースエステル、ラテックスポリマー、水溶性ポリエ
ステルなどが例示される。水溶性ポリマーとしては、ゼ
ラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン酸
ソーダ、でんぷん、ポリビニールアルコール、ポリアク
リル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などであり、
セルロースエステルとしてはカルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロースなどである。ラテック
スポリマーとしては塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニ
リデン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共重合
体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重合体
などである。この中でも最も好ましいのはゼラチンであ
る。
【0306】本発明に使用される支持体を膨潤させる化
合物として、レゾルシン、クロルレゾルシン、メチルレ
ゾルシン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、フェノール、o−クロルフェノール、p−クロ
ルフェノール、ジクロルフェノール、トリクロルフェノ
ール、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリフルオロ酢
酸、抱水クロラールなどがあげられる。この中で好まし
いのは、レゾルシンとp−クロルフェノールである。本
発明の下びき層には種々のゼラチン硬化剤を用いること
ができる。ゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム明
ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルタ
ールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハロゲ
ン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−ト
リアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂などを挙げる
ことができる。
【0307】本発明の下びき層にはSiO2 、Ti
2 、マット剤の如き無機物微粒子又はポリメチルメタ
クリレート共重合体微粒子(1〜10μm)をマット剤
として含有することができる。これ以外にも、下塗液に
は、必要に応じて各種の添加剤を含有させることができ
る。例えば界面活性剤、帯電防止剤、アンチハレーショ
ン剤、着色用染料、顔料、塗布助剤、カブリ防止剤等で
ある。本発明において、下塗第1層用の下塗液を使用す
る場合には、レゾルシン、抱水クロラール、クロロフェ
ノールなどの如きエッチング剤を下塗液中に含有させる
必要は全くない。しかし所望により前記の如きエッチン
グ剤を下塗中に含有させることは差し支えない。
【0308】本発明に係わる下塗液は、一般によく知ら
れた塗布方法、例えばディップコート法、エアーナイフ
コート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイ
ヤーバーコート法、グラビアコート法、或いは米国特許
第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用
するエクストルージョンコート法により塗布することが
出来る。所望により、米国特許第2,761,791
号、同3,508,947号、同2,941,898
号、及び同3,526,528号明細書、原崎勇次著、
「コーティング工学」253頁(1973年、朝倉書店
発行)などに記載された方法により2層以上の層を同時
に塗布することが出来る。
【0309】バック層のバインダーとしては、疎水性ポ
リマーでもよく、下びき層に用いる如き親水性ポリマー
であってもよい。本発明の感光材料のバック層には、帯
電防止剤、易滑剤、マット剤、界面活性剤、染料等を含
有することができる。本発明のバック層で用いられる帯
電防止剤としては、特に制限はなく、たとえばアニオン
性高分子電解質としてはカルボン酸及びカルボン酸塩、
スルホン酸塩を含む高分子で例えば特開昭48−220
17号、特公昭46−24159号、特開昭51−30
725号、特開昭51−129216号、特開昭55−
95942号に記載されているような高分子である。カ
チオン性高分子としては例えば特開昭49−12152
3号、特開昭48−91165号、特公昭49−245
82号に記載されているようなものがある。またイオン
性界面活性剤もアニオン性とカチオン性とがあり、例え
ば特開昭49−85826号、特開昭49−33630
号、米国特許第2,992,108、米国特許第3,2
06,312、特開昭48−87826号、特公昭49
−11567号、特公昭49−11568号、特開昭5
5−70837号などに記載されているような化合物を
挙げることができる。
【0310】本発明のバック層の帯電防止剤として最も
好ましいものは、ZnO、TiO2、SnO2 、Al2
3 、In2 3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO
3 2 5 の中から選ばれた少くとも1種の結晶性の金
属酸化物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。
本発明に使用される導電性の結晶性酸化物又はその複合
酸化物の微粒子はその体積抵抗率が107 Ωcm以下、
より好ましくは105 Ωcm以下である。またその粒子
サイズは0.002〜0.7μm、特に0.005〜
0.3μmとすることが望ましい。本発明のフィルム一
体型カメラ内で用いられるフィルムのカメラ内での中心
部の空あるいはスプールは小さい程好ましいが、3mm
以下では感光材料の圧力による写真性の悪化が著しく実
用上使用できない。従って本発明では好ましいフィルム
のカメラ内での中心部の空あるいはスプールは3mm以
上であり、叉上限は12mmが好ましく、より好ましく
は3mmから12mm、更に好ましくは3mmから10
mm、特に好ましくは4mmから9mmである。叉、ス
プールの巻き込み内径は同様に小さい程好ましいが、5
mm以下では感光材料の圧力による写真性の悪化が著し
く叉多数枚の駒数を装填出来ず実用上使用できない。従
って本発明では好ましいカメラ内のスプールの巻き込み
内径はスプールは5mm以上であり、叉上限は15mm
が好ましく、より好ましくは6mmから13.5mm、
更に好ましくは7mmから13.5mm、特に好ましく
は7mmから13mmである。
【0311】本発明の感光材料は、支持体上にそれぞれ
少なくとも1層の青感色性層、緑感色性層、赤感色性層
のハロゲン化銀乳剤層が設けられていればよく、ハロゲ
ン化銀乳剤層および非感光性層の層数および層順に特に
制限はない。典型的な例としては、支持体上に、実質的
に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン
化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハ
ロゲン化銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、
緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感
光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料に
おいては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から
順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性層の順に設置さ
れる。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であって
も、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたよ
うな設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層
の間および最上層、最下層には各種の中間層等の非感光
性層を設けてもよい。該中間層には、特開昭61-43748
号、同59-113438号、同59-113440号、同61-20037号、同
61-20038号公報に記載されるようなカプラー、DIR化
合物等が含まれていてもよく、通常用いられるように混
色防止剤を含んでいてもよい。各単位感光性層を構成す
る複数のハロゲン化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470
号あるいは英国特許第923,045号に記載されるように高
感度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いる
ことができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が
低くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳
剤層の間には非感光性層が設けられていてもよい。ま
た、特開昭57-112751号、同62-200350号、同62-206541
号、同62-206543号等に記載されているように支持体よ
り離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳
剤層を設置してもよい。具体例として支持体から最も遠
い側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層
(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層
(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層
(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、また
はBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができ
る。また特公昭55-34932号公報に記載されているよう
に、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL
/RLの順に配列することもできる。また特開昭56-25738
号、同62-63936号公報に記載されているように、支持体
から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に
配列することもできる。また特公昭49-15495号公報に記
載されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化
銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀
乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化
銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低め
られた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げら
れる。このような感光度の異なる3層から構成される場
合でも、特開昭59-202464号公報に記載されているよう
に、同一感色性層中において支持体より離れた側から中
感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置さ
れてもよい。その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。また、4
層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。上記
のように、それぞれの感光材料の目的に応じて種々の層
構成・配列を選択することができる。
【0312】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するも
の、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、
双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの
複合形でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm以
下の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大
サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよ
い。本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例え
ばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978
年12月),22〜23頁, “I. 乳剤製造(Emulsion prepara
tion and types)”、及び同No.18716 (1979年11月), 6
48頁、同No.307105(1989年11月), 863〜865 頁、及びグ
ラフキデ著「写真の物理と化学」,ポールモンテル社刊
(P. Glafkides, Chimie et Physique Photographique,
Paul Montel, 1967) 、ダフィン著「写真乳剤化学」,
フォーカルプレス社刊(G. F. Duffin, Photographic E
mulsion Chemistry (Focal Press, 1966))、ゼリクマン
ら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊
(V. L. Zelikman et al., Making and Coating Photog
raphic Emulsion, Focal Press, 1964) などに記載され
た方法を用いて調製することができる。
【0313】米国特許第3,574,628号、同3,655,394号お
よび英国特許第1,413,748号などに記載された単分散乳
剤も好ましい。また、アスペクト比が約3以上であるよ
うな平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、
ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・
エンジニアリング(Gutoff, Photographic Science and
Engineering), 第14巻 248〜257頁(1970年);米国特
許第4,434,226号、同4,414,310号、同4,433,048号、同
4,439,520号および英国特許第2,112,157号などに記載の
方法により簡単に調製することができる。結晶構造は一
様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成から
なるものでもよく、層状構造をなしていてもよい、ま
た、エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン
化銀が接合されていてもよく、また例えばロダン銀、酸
化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されていて
もよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよ
い。上記の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜
像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内
部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネ
ガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像型のう
ち、特開昭63-264740号に記載のコア/シェル型内部潜
像型乳剤であってもよい。このコア/シェル型内部潜像
型乳剤の調製方法は、特開昭59-133542号に記載されて
いる。この乳剤のシェルの厚みは、現像処理等によって
異なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好まし
い。
【0314】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロー
ジャーNo.17643、同No.18716および同No.307105に記載
されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。本発
明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイ
ズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度
の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、
同一層中に混合して使用することができる。米国特許第
4,082,553号に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化
銀粒子、米国特許第4,626,498号、特開昭59-214852号に
記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイ
ド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的
に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用できる。
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子と
は、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に
(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のこと
をいう。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀
粒子の調製法は、米国特許第4,626,498号、特開昭59-21
4852号に記載されている。粒子内部がかぶらされたコア
/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲ
ン化銀は、同一のハロゲン組成をもつものでも異なるハ
ロゲン組成をもつものでもよい。粒子内部または表面を
かぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、
沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いることができ
る。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の粒子サイ
ズには特別な限定はないが、平均粒子サイズとしては0.
01〜0.75μm、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、
粒子形状については特に限定はなく、規則的な粒子でも
よく、また、多分散乳剤でもよいが、単分散(ハロゲン
化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95%が平均粒
子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であることが
好ましい。
【0315】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の
含有率が0〜100モル%であり、必要に応じて塩化銀お
よび/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化
銀を0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲ
ン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)
が0.01〜0.5μmが好ましく、0.02〜0.2μmがより好ま
しい。微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン化
銀と同様の方法で調製できる。この場合、ハロゲン化銀
粒子の表面は、化学的に増感される必要はなく、また分
光増感も不要である。ただし、これを塗布液に添加する
のに先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン
系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合
物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておく
ことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層
に、コロイド銀を好ましく含有させることができる。本
発明の感光材料の塗布銀量は、9.0g/m2以下が好まし
く、8.0g/m2以下が最も好ましい。
【0316】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1. 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2. 感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5. かぶり防止剤、 24〜25頁 649頁右欄 868〜870頁 安 定 剤 6. 光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料、 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 7. ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左欄 872頁 〜右欄 8. 色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 9. 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 10. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 11. 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 12. 塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 13. スタチツク防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁 14. マツト剤 878〜879頁
【0317】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性
能の劣化を防止するために、米国特許4,411,987号や同
4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと反応し
て、固定化できる化合物を感光材料に添加することが好
ましい。本発明の感光材料に、米国特許第4,740,454
号、同4,788,132号、特開昭62-18539号、特開平1-28355
1号に記載のメルカプト化合物を含有させることが好ま
しい。本発明の感光材料に、特開平1-106052号に記載
の、現像処理によって生成した現像銀量とは無関係にか
ぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤またはそれら
の前駆体を放出する化合物を含有させることが好まし
い。本発明の感光材料に、国際公開WO88/04794号、特開
平1-502912号に記載された方法で分散された染料または
欧州特許第317,308A号、米国特許第4,420,555号、特開
平1-259358号に記載の染料を含有させることが好まし
い。
【0318】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643 , VII−C〜G、及び同No.307105,
VII−C〜Gに記載された特許に記載されている。イエ
ローカプラーとしては、例えば米国特許第3,933,501
号、同4,022,620号、同4,326,024号、同4,401,752号、
同4,248,961号、特公昭58-10739号、英国特許第1,425,0
20号、同1,476,760号、米国特許第3,973,968号、同4,31
4,023号、同4,511,649 号、欧州特許第 249,473A 号、
等に記載のものが好ましい。
【0319】マゼンタカプラーとしては5-ピラゾロン系
及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特許
第4,310,619号、同4,351,897号、欧州特許第73,636号、
米国特許第3,061,432号、同3,725,067号、リサーチ・デ
ィスクロージャーNo.24220(1984年6月)、特開昭60-3
3552号、リサーチ・ディスクロージャーNo.24230(1984
年6月)、特開昭60-43659号、同61-72238号、同60-357
30号、同55-118034号、同60-185951号、米国特許第4,50
0,630号、同4,540,654号、同4,556,630号、国際公開WO8
8/04795号等に記載のものが特に好ましい。シアンカプ
ラーとしては、フェノール系及びナフトール系カプラー
が挙げられ、米国特許第4,052,212号、同4,146,396号、
同4,228,233号、同4,296,200号、同2,369,929号、同2,8
01,171号、同2,772,162号、同2,895,826号、同3,772,00
2号、同3,758,308号、同4,334,011号、同4,327,173号、
西独特許公開第3,329,729号、欧州特許第121,365A号、
同249,453A号、米国特許第3,446,622号、同4,333,999
号、同4,775,616号、同4,451,559号、同4,427,767号、
同4,690,889号、同4,254,212号、同4,296,199号、特開
昭61-42658号等に記載のものが好ましい。さらに、特開
昭64-553号、同64-554号、同64-555号、同64-556号に記
載のピラゾロアゾール系カプラーや、米国特許第4,818,
672号に記載のイミダゾール系カプラーも使用すること
ができる。ポリマー化された色素形成カプラーの典型例
は、米国特許第3,451,820号、同4,080,211号、同4,367,
282号、同4,409,320号、同4,576,910号、英国特許2,10
2,137号、欧州特許第341,188A号等に記載されている。
【0320】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許第2,125,5
70号、欧州特許第96,570号、西独特許(公開)第3,234,
533号に記載のものが好ましい。発色色素の不要吸収を
補正するためのカラード・カプラーは、リサーチ・ディ
スクロージャーNo.17643のVII−G項、同No.307105 のV
II−G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57-39413
号、米国特許第4,004,929号、同4,138,258号、英国特許
第1,146,368号に記載のものが好ましい。特に前述の一
般式(CI)〜(CIV)で表されるイエローカラードシ
アンカプラーが本発明に好ましい用いられる。また、米
国特許第4,774,181号に記載のカップリング時に放出さ
れた蛍光色素により発色色素の不要吸収を補正するカプ
ラーや、米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反
応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基と
して有するカプラーを用いることも好ましい。カップリ
ングに伴って写真的に有用な残基を放出する化合物もま
た本発明で好ましく使用できる。現像抑制剤を放出する
DIRカプラーは、前述のRD No.17643,VII−F項及
び同No.307105,VII−F項に記載された特許、特開昭57-
151944号、同57-154234号、同60-184248号、同63-37346
号、同63-37350号、米国特許第4,248,962号、同4,782,0
12号に記載されたものが好ましい。特に前述の一般式
(1) および一般式(2) で表されるDIR化合物が本発明
に好ましい用いられる。現像時に画像状に造核剤もしく
は現像促進剤を放出するカプラーとしては、英国特許第
2,097,140号、同2,131,188号、特開昭59-157638号、同5
9-170840号に記載のものが好ましい。また、特開昭60-1
07029号、同60-252340号、特開平1-44940号、同1-45687
号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元反応により、
かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤等を放出す
る化合物も好ましい。
【0321】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427号等に記
載の競争カプラー、米国特許第4,283,472号、同4,338,3
93号、同4,310,618号等に記載の多当量カプラー、特開
昭60-185950号、特開昭62-24252号等に記載のDIRレ
ドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出カプ
ラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしくはD
IRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第173,
302A号、同313,308A号に記載の離脱後復色する色素を放
出するカプラー、RD No.11449 、同No.24241、特開昭
61-201247号等に記載の漂白促進剤放出カプラー、米国
特許第4,555,477号等に記載のリガンド放出カプラー、
特開昭63-75747号に記載のロイコ色素を放出するカプラ
ー、米国特許第4,774,181号に記載の蛍光色素を放出す
るカプラー等が挙げられる。
【0322】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,027号
などに記載されている。水中油滴分散法に用いられる常
圧での沸点が175℃以上の高沸点有機溶剤の具体例とし
ては、フタル酸エステル類(ジブチルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレ
ート、デシルフタレート、ビス(2,4-ジ-t-アミルフェ
ニル)フタレート、ビス(2,4-ジ-t-アミルフェニル)
イソフタレート、ビス(1,1-ジエチルプロピル)フタレ
ートなど)、リン酸またはホスホン酸のエステル類(ト
リフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、
2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリシクロ
ヘキシルホスフェート、トリ-2-エチルヘキシルホスフ
ェート、トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチ
ルホスフェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ
-2-エチルヘキシルフェニルホスホネートなど)、安息
香酸エステル類(2-エチルヘキシルベンゾエート、ドデ
シルベンゾエート、2-エチルヘキシル-p-ヒドロキシベ
ンゾエートなど) 、アミド類(N,N-ジエチルドデカンア
ミド、N,N-ジエチルラウリルアミド、N-テトラデシルピ
ロリドンなど) 、アルコール類またはフェノール類(イ
ソステアリルアルコール、2,4-ジ-tert-アミルフェノー
ルなど)、脂肪族カルボン酸エステル類(ビス(2-エチ
ルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼレート、グリ
セロールトリブチレート、イソステアリルラクテート、
トリオクチルシトレートなど)、アニリン誘導体(N,N-
ジブチル-2-ブトキシ-5-tert-オクチルアニリンな
ど)、炭化水素類(パラフィン、ドデシルベンゼン、ジ
イソプロピルナフタレンなど)などが挙げられる。また
補助溶剤としては、沸点が約30℃以上、好ましくは50℃
以上約160℃以下の有機溶剤などが使用でき、典型例と
しては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2-エトキシエ
チルアセテート、ジメチルホルムアミドなどが挙げられ
る。ラテックス分散法の工程、効果および含浸用のラテ
ックスの具体例は、米国特許第4,199,363号、西独特許
出願(OLS)第2,541,274号および同2,541,230号などに記
載されている。
【0323】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63-257747号、同62-272248号、お
よび特開平1-80941号に記載の1,2-ベンズイソチアゾリ
ン-3-オン、n-ブチル-p-ヒドロキシベンゾエート、フェ
ノール、4-クロル-3,5-ジメチルフェノール、2-フェノ
キシエタノール、2-(4-チアゾリル)ベンズイミダゾー
ル等の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好
ましい。本発明は種々のカラー感光材料に適用すること
ができる。一般用もしくは映画用のカラーネガフィル
ム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィル
ム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー
反転ペーパーなどを代表例として挙げることができる。
本発明に使用できる適当な支持体は、例えば、前述のR
D.No.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁
左欄、および同No.307105の879頁に記載されているが、
前述のポリエステル支持体が特に好ましい。本発明の感
光材料は、乳剤層を有する側の全親水性コロイド層の膜
厚の総和が28μm以下であることが好ましく、23μm以
下がより好ましく、18μm以下が更に好ましく、16μm
以下が特に好ましい。また膜膨潤速度T1/2は30秒以下
が好ましく、20秒以下がより好ましい。膜厚は、25℃相
対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、膜
膨潤速度T1/2は、当該技術分野において公知の手法に
従って測定することができる。例えば、エー・グリーン
(A.Green)らによりフォトグラフィック・サイエンス・
アンド・エンジニアリング (Photogr. Sci. &Eng.),19
卷, 2号,124〜129頁に記載の型のスエロメーター(膨
潤計)を使用することにより、測定でき、T1/2は発色
現像液で30℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤
膜厚の90%を飽和膜厚とし、飽和膜厚の1/2に到達する
までの時間と定義する。膜膨潤速度T1/2は、バインダ
ーとしてのゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗
布後の経時条件を変えることによって調整することがで
きる。また、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率と
は、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:
(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚 に従って計算できる。
【0324】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD No.17643 の28〜29頁、同No.18716の651左欄
〜右欄、および同No.307105の880〜881頁に記載された
通常の方法によって現像処理することができる。本発明
の感光材料の現像処理に用いる発色現像液は、好ましく
は芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分とするア
ルカリ性水溶液である。この発色現像主薬としては、ア
ミノフェノール系化合物も有用であるが、p-フェニレン
ジアミン系化合物が好ましく使用され、その代表例とし
ては3-メチル-4-アミノ-N,N-ジエチルアニリン、3-メチ
ル-4-アミノ-N-エチル-N-β-ヒドロキシエチルアニリ
ン、3-メチル-4-アミノ-N-エチル-N-β-メタンスルホン
アミドエチルアニリン、3-メチル-4-アミノ-N-エチル-
β-メトキシエチルアニリン、及びこれらの硫酸塩、塩
酸塩もしくはp-トルエンスルホン酸塩などが挙げられ
る。これらの中で、特に、3-メチル-4-アミノ-N-エチル
-N-β-ヒドロキシエチルアニリン硫酸塩が好ましい。こ
れらの化合物は目的に応じ2種以上併用することもでき
る。発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩も
しくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、臭化物
塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾー
ル類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤また
はカブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要
に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシル
アミン、亜硫酸塩、N,N-ビスカルボキシメチルヒドラジ
ンの如きヒドラジン類、フェニルセミカルバジド類、ト
リエタノールアミン、カテコールスルホン酸類の如き各
種保恒剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール
のような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレン
グリコール、四級アンモニウム塩、アミン類のような現
像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、1-フェニ
ル-3-ピラゾリドンのような補助現像主薬、粘性付与
剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、ア
ルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるよ
うな各種キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢
酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シ
クロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ
ジ酢酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、
ニトリロ-N,N,N-トリメチレンホスホン酸、エチレンジ
アミン-N,N,N,N-テトラメチレンホスホン酸、エチレン
ジアミン-ジ(o-ヒドロキシフェニル酢酸) 及びそれら
の塩を代表例として挙げることができる。
【0325】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1-フェニ
ル-3-ピラゾリドンなどの3-ピラゾリドン類またはN-メ
チル-p-アミノフェノールなどのアミノフェノール類な
ど公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用
いることができる。これらの発色現像液及び黒白現像液
のpHは9〜12であることが一般的である。またこれらの
現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよ
るが、一般に感光材料1平方メートル当たり3リットル
以下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させて
おくことにより500 ml以下にすることもできる。補充量
を低減する場合には処理槽の空気との接触面積を小さく
することによって液の蒸発、空気酸化を防止することが
好ましい。処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。即
ち、 開口率=〔処理液と空気との接触面積 (cm2)〕÷〔処理
液の容量 (cm3)〕 上記の開口率は、0.1以下であることが好ましく、より
好ましくは0.001〜0.05である。このように開口率を低
減させる方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋
等の遮蔽物を設けるほかに、特開平1-82033号に記載さ
れた可動蓋を用いる方法、特開昭63-216050号に記載さ
れたスリット現像処理方法を挙げることができる。開口
率を低減させることは、発色現像及び黒白現像の両工程
のみならず、後続の諸工程、例えば、漂白、漂白定着、
定着、水洗、安定化などの全ての工程において適用する
ことが好ましい。また、現像液中の臭化物イオンの蓄積
を抑える手段を用いることにより補充量を低減すること
もできる。発色現像処理の時間は、通常2〜5分の間で
設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現像主薬を高濃
度に使用することにより、更に処理時間の短縮を図るこ
ともできる。
【0326】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III)などの多価
金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用
いられる。代表的漂白剤としては鉄(III)の有機錯塩、
例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ
二酢酸、1,3-ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸類も
しくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩などを用
いることができる。これらのうちエチレンジアミン四酢
酸鉄(III)錯塩、及び1,3-ジアミノプロパン四酢酸鉄(II
I)錯塩を始めとするアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩
は迅速処理と環境汚染防止の観点から好ましい。さらに
アミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は漂白液において
も、漂白定着液においても特に有用である。これらのア
ミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩を用いた漂白液又は漂
白定着液のpHは通常4.0〜8であるが、処理の迅速化の
ためにさらに低いpHで処理することもできる。
【0327】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の公報に記載されてい
る:米国特許第3,893,858号、西独特許第1,290,812号、
同2,059,988号、特開昭53-32736号、同53-57831号、同5
3-37418号、同53-72623号、同53-95630号、同53-95631
号、同53-104232号、同53-124424号、同53-141623号、
同53-28426号、リサーチ・ディスクロージャーNo.17129
号(1978年7月)などに記載のメルカプト基またはジス
ルフィド基を有する化合物;特開昭50-140129号に記載
のチアゾリジン誘導体;特公昭45-8506号、特開昭52-20
832号、同53-32735号、米国特許第3,706,561号に記載の
チオ尿素誘導体;西独特許第1,127,715号、特開昭58-16
235号に記載の沃化物塩;西独特許第966,410号、同2,74
8,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭4
5-8836号記載のポリアミン化合物;その他特開昭49-409
43号、同49-59644号、同53-94927号、同54-35727号、同
55-26506号、同58-163940号記載の化合物;臭化物イオ
ン等が使用できる。なかでもメルカプト基またはジスル
フィド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で好ま
しく、特に米国特許第3,893,858号、西独特許第1,290,8
12号、特開昭53-95630号に記載の化合物が好ましい。更
に、米国特許第4,552,834号に記載の化合物も好まし
い。これらの漂白促進剤は感光材料中に添加してもよ
い。撮影用のカラー感光材料を漂白定着するときにこれ
らの漂白促進剤は特に有効である。漂白液や漂白定着液
には上記の化合物の他に、漂白ステインを防止する目的
で有機酸を含有させることが好ましい。特に好ましい有
機酸は、酸解離定数(pKa)が2〜5である化合物で、具
体的には酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸などが好
ましい。定着液や漂白定着液に用いられる定着剤として
はチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化合
物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等を挙げることができ
るが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫酸
アンモニウムが最も広範に使用できる。また、チオ硫酸
塩とチオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素
などの併用も好ましい。定着液や漂白定着液の保恒剤と
しては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重亜硫酸付
加物あるいは欧州特許第294,769A号に記載のスルフィン
酸化合物が好ましい。更に、定着液や漂白定着液には液
の安定化の目的で、各種アミノポリカルボン酸類や有機
ホスホン酸類の添加が好ましい。本発明において、定着
液または漂白定着液には、pH調整のためにpKaが6.0〜9.
0の化合物、好ましくは、イミダゾール、1-メチルイミ
ダゾール、1-エチルイミダゾール、2-メチルイミダゾー
ルの如きイミダゾール類を0.1〜10モル/リットル添加
することが好ましい。
【0328】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。好ましい
温度範囲においては、脱銀速度が向上し、かつ処理後の
ステイン発生が有効に防止される。脱銀工程において
は、攪拌ができるだけ強化されていることが好ましい。
攪拌強化の具体的な方法としては、特開昭62-183460号
に記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる
方法や、特開昭62-183461号の回転手段を用いて攪拌効
果を上げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレ
ードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳
剤表面を乱流化することによってより攪拌効果を向上さ
せる方法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙
げられる。このような攪拌向上手段は、漂白液、漂白定
着液、定着液のいずれにおいても有効である。攪拌の向
上は乳剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果と
して脱銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の
攪拌向上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効
であり、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤によ
る定着阻害作用を解消させることができる。本発明の感
光材料に用いられる自動現像機は、特開昭60-191257
号、同60-191258号、同60-191259号に記載の感光材料搬
送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭60-1
91257号に記載のとおり、このような搬送手段は前浴か
ら後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理液の
性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は各工
程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減に特
に有効である。
【0329】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係はJournal of theSociety of Motion Picture and
Television Engineers 第64巻、P. 248〜253(1955年5
月号)に記載の方法で、求めることができる。前記文献
に記載の多段向流方式によれば、水洗水量を大幅に減少
し得るが、タンク内における水の滞留時間の増加によ
り、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に
付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感光材料の
処理において、このような問題が解決策として、特開昭
62-288838号に記載のカルシウムイオン、マグネシウム
イオンを低減させる方法を極めて有効に用いることがで
きる。また、特開昭57-8542号に記載のイソチアゾロン
化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール
酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾ
ール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共
出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」
(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴
剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもでき
る。本発明の感光材料の処理における水洗水のpHは4〜
9であり、好ましくは5〜8である。水洗水温、水洗時
間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し得るが、一
般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは25〜40℃で
30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発明の感光材
料は、上記水洗に代り、直接安定液によって処理するこ
ともできる。このような安定化処理においては、特開昭
57-8543号、同58-14834号、同60-220345号に記載の公知
の方法はすべて用いることができる。また、前記水洗処
理に続いて、更に安定化処理する場合もあり、その例と
して、撮影用カラー感光材料の最終浴として使用され
る、色素安定化剤と界面活性剤を含有する安定浴を挙げ
ることができる。色素安定化剤としては、ホルマリンや
グルタルアルデヒドなどのアルデヒド類、N-メチロール
化合物、ヘキサメチレンテトラミンあるいはアルデヒド
亜硫酸付加物などを挙げることができる。この安定浴に
も各種キレート剤や防黴剤を加えることもできる。
【0330】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。自動現像機などを用いた処理におい
て、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、
水を加えて濃縮補正することが好ましい。本発明のハロ
ゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略化及び迅速化の
目的で発色現像主薬を内蔵しても良い。内蔵するために
は、発色現像主薬の各種プレカーサーを用いるのが好ま
しい。例えば米国特許第3,342,597号記載のインドアニ
リン系化合物、同3,342,599号、リサーチ・ディスクロ
ージャーNo.14,850及び同No.15159に記載のシッフ塩基
型化合物、同No.13924号記載のアルドール化合物、米国
特許第3,719,492号記載の金属塩錯体、特開昭53-135628
号記載のウレタン系化合物を挙げることができる。本発
明のハロゲン化銀カラー感光材料は、必要に応じて、発
色現像を促進する目的で、各種の1-フェニル-3-ピラゾ
リドン類を内蔵しても良い。典型的な化合物は特開昭56
-64339号、同57-144547号および同58-115438号等に記載
されている。本発明における各種処理液は10℃〜50℃に
おいて使用される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的で
あるが、より高温にして処理を促進し処理時間を短縮し
たり、逆により低温にして画質の向上や処理液の安定性
の改良を達成することができる。
【0331】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0332】実施例1 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー
感光材料である試料101を作製した。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収
剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機
溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬
化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を
示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0333】(試料101) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.60 ExM−1 0.11 ExF−1 3.4×10-3 HBS−1 0.16
【0334】第2層(中間層) ExC−2 0.055 UV−1 0.011 UV−2 0.030 UV−3 0.053 HBS−1 0.05 HBS−2 0.020 ポリエチルアクリレートラテックス 8.1×10-2 ゼラチン 0.75
【0335】第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.46 ExS−1 5.0×10-4 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 5.0×10-4 ExC−1 0.11 ExC−3 0.045 ExC−4 0.07 ExC−5 0.0050 ExC−7 0.001 ExC−8 0.010 Cpd−2 0.005 HBS−1 0.090 ゼラチン 0.87
【0336】第4層(中感度赤感乳剤層) 乳剤D 銀 0.70 ExS−1 3.0×10-4 ExS−2 1.2×10-5 ExS−3 4.0×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.055 ExC−4 0.085 ExC−5 0.007 ExC−8 0.009 Cpd−2 0.036 HBS−1 0.11 ゼラチン 0.70
【0337】第5層(高感度赤感乳剤層) 乳剤E 銀 1.62 ExS−1 2.0×10-4 ExS−2 1.0×10-5 ExS−3 3.0×10-4 ExC−1 0.125 ExC−3 0.040 ExC−6 0.010 ExC−8 0.014 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.60
【0338】第6層(中間層) Cpd−1 0.07 HBS−1 0.04 ポリエチルアクリレートラテックス 0.19 ゼラチン 1.30
【0339】第7層(低感度緑感乳剤層) 乳剤A 銀 0.24 乳剤B 銀 0.10 乳剤C 銀 0.14 ExS−4 4.0×10-5 ExS−5 1.8×10-4 ExS−6 6.5×10-4 ExM−1 0.005 ExM−2 0.30 ExM−3 0.09 ExY−1 0.015 HBS−1 0.26 HBS−3 0.006 ゼラチン 0.80
【0340】第8層(中感度緑感乳剤層) 乳剤D 銀 0.94 ExS−4 2.0×10-5 ExS−5 1.4×10-4 ExS−6 5.4×10-4 ExM−2 0.16 ExM−3 0.045 ExY−1 0.008 ExY−5 0.030 HBS−1 0.14 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.90
【0341】第9層(高感度緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.29 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.011 ExM−1 0.016 ExM−4 0.046 ExM−5 0.023 Cpd−3 0.050 HBS−1 0.20 HBS−2 0.08 ポリエチルアクリレートラテックス 0.26 ゼラチン 1.57
【0342】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.010 Cpd−1 0.10 HBS−1 0.055 ゼラチン 0.70
【0343】第11層(低感度青感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤C 銀 0.25 乳剤D 銀 0.10 ExS−7 8.0×10-4 ExY−1 0.010 ExY−2 0.70 ExY−3 0.055 ExY−4 0.006 ExY−6 0.075 ExC−7 0.040 HBS−1 0.25 ゼラチン 1.60
【0344】第12層(高感度青感乳剤層) 乳剤F 銀 1.30 ExS−7 3.0×10-4 ExY−2 0.15 ExY−3 0.06 HBS−1 0.070 ゼラチン 1.13
【0345】第13層(第1保護層) UV−2 0.08 UV−3 0.11 UV−4 0.26 HBS−1 0.09 ゼラチン 2.40
【0346】第14層(第2保護層) 乳剤G 銀 0.10 H−1 0.37 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 0.75
【0347】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
イリジウム塩、パラジウム塩、ロジウム塩が含有されて
いる。
【0348】
【表1】
【0349】表−Aにおいて、 (1)乳剤A〜Fは特開平2-191938号の実施例に従い、
二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時
に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Fは特開平3-237450号の実施例に従い、
各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウ
ムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されて
いる。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例
に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3-237450号に記載されてい
るような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されてい
る。
【0350】
【化98】
【0351】
【化99】
【0352】
【化100】
【0353】
【化101】
【0354】
【化102】
【0355】
【化103】
【0356】
【化104】
【0357】
【化105】
【0358】
【化106】
【0359】
【化107】
【0360】
【化108】
【0361】
【化109】
【0362】
【化110】
【0363】
【化111】
【0364】
【化112】
【0365】
【化113】
【0366】試料101に対して、各乳剤層に用いる乳
剤種と塗布量を表−Bに示すように変化させて試料10
2〜105を作成した。
【0367】
【表2】
【0368】各々の試料の特定写真感度とポイントガン
マ<γ>を本文中の方法にしたがって求め、表−Cに示
した。次に、各試料を裁断、加工し、通常の金属製パト
ローネに収納し、露光機能を付与した感光材料包装ユニ
ットのフィルムロール室に巻き回して収納し、露光機能
を付与した感光材料内蔵写真製品を得た。この際用いた
レンズの焦点距離は32mm、F値は10.5であり、シ
ャッター速度は1/100秒に設定した。また、この感
光材料内蔵写真製品には、ISO感度100の感光材料
に対してガイドナンバーが9.5のストロボを内蔵させ
た。これらの感光材料内蔵写真製品を用いて、下記の各
条件下で撮影を行い、特定写真感度を求めるのに用いた
のと全く同じ現像処理を行った後、通常の方法を用い
て、フジカラーペーパーSUPER FAVに焼き付けた。 条件1:夜間、被写体までの距離3mでストロボ使用し
て撮影。 条件2:夜間、被写体までの距離5mでストロボ使用し
て撮影。 条件3:夜間、被写体までの距離7mでストロボ使用し
て撮影。 条件4:晴天時、被写体までの距離5mでストロボは使
わず、順光で撮影。(この時、被写体の照度は約300
00luxであり、いわゆるLV値は13だった。) 条件5:曇天時、被写体までの距離5mでストロボは使
わず、順光で撮影。(この時、被写体の照度は約500
0luxであり、いわゆるLV値は11弱だった。) 条件6:標高1500mのスキー場で晴天時、被写体ま
での距離5mでストロボは使わず、順光で撮影。(この
時、被写体の照度は約200000luxであり、いわゆ
るLV値は16だった。) 得られたカラープリントの官能評価結果を表−Cに示
す。なお、官能評価の基準は以下の通りである。 ◎:非常に良好。 ○:良好。 △:やや劣る。 ×:
劣る。
【0369】
【表3】
【0370】表−Cより明らかなように、特定写真感度
が640に満たない比較試料102では、曇天の条件5
で満足な結果が得られないこと、また、ストロボ撮影時
にも数人を画面内にいれようと思うと必要な条件2です
でにストロボの到達距離が足りず、システム感度不足に
なっている。それに対して特定写真感度640以上の感
光材料を内蔵した本発明では、曇天時も満足な写真が得
られ、ストロボ撮影時にも条件2はもちろん、条件3で
もある程度満足できる写真が得られることがわかる。ま
た、ポイントガンマ<γ>が0.4以上の領域がLog
Eで2.8以下の比較試料104では、条件6のような
明るい条件の撮影で満足できる結果が得られず、本発明
の有用性が明らかである。
【0371】実施例2 本実施例は、本発明において重層効果の大きさIE(X
/Y)を大きくすることにより、より本発明の効果を好
ましく発現できることを示すためのものである。実施例
1の試料101に対して、赤感性層、緑感性層の乳剤の
AgI含率を表−Dに示すように変化させ、同時に赤感
性層、緑感性層の乳剤量を、試料206は1.2倍、試
料207は1.35倍、試料208は0.85倍として
試料206〜208を作成した。
【0372】
【表4】
【0373】各々の試料を用いて実施例1と同様に感光
材料内蔵写真製品を作成し、実施例1の条件2、条件
4、条件5にて、撮影を行い、実施例1と同様にカラー
ペーパーに焼き付け、官能評価を行った。それと同時
に、本文中に定義した方法にしたがって、重層効果の大
きさを測定した。これらの結果を、表−Eに示す。
【0374】
【表5】
【0375】表−Eより、重層効果の大きさを請求項2
の範囲に入れることにより、特に条件2や条件5で彩度
の高い、好ましい結果が得られることがわかる。
【0376】
【発明の効果】本発明による、特定写真感度640以上
およびポイントガンマ<γ>0.4以上の領域がLog
Eで2.8以上である露光機能を付与した感光材料内蔵
写真製品は、よく使われる室内撮影、曇天から晴天まで
の日中撮影の色々な明るさの領域で満足のいく写真が得
られる。また、重層効果の大きさを特定の範囲に規定す
ることにより、彩度の高い写真が得られ、より好まし
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】濃度測定および特定写真感度の決定に用いる、
青、緑、赤のフィルターの分光特性である。
【図2】重層効果の大きさIE(X/Y)を求めるため
の特性曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にそれぞれ少なくとも1層の赤
    感性乳剤層、緑感性乳剤層及び青感性乳剤層を有し、特
    定写真感度が640以上のカラー写真感光材料を内蔵す
    る露光機能を付与した感光材料内蔵写真製品であって、
    該感光材料の青、緑、赤のすべての濃度関数曲線D(L
    ogE)のポイントガンマ(<γ>=dD/dLog
    E)が、0.4以上の領域がLogEで2.8以上であ
    ることを特徴とする露光機能を付与した感光材料内蔵写
    真製品。
  2. 【請求項2】 該感光材料の重層効果の大きさIE(X
    /Y)が 0.15<IE(R/G), −0.05<IE(R/
    B) 0.10<IE(G/R), 0.15<IE(G/
    B) 0.03<IE(B/G), 0.15<IE(B/
    R) であることを特徴とする請求項1に記載の写真製品。
  3. 【請求項3】 該露光機能を付与した感光材料内蔵写真
    製品に用いられるレンズが固定絞りを有し、かつ、シャ
    ッターが固定シャッター速度を有し、ストロボを内蔵す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の写真製
    品。
  4. 【請求項4】 該固定絞り(F値)が8〜16であり、
    該固定シャッター速度が1/50〜1/200秒であ
    り、該ストロボのガイドナンバーがISO感度100の
    感光材料に対して7.5〜15であることを特徴とする
    請求項3に記載の写真製品。
  5. 【請求項5】 該支持体がポリエチレン芳香族ジカルボ
    キシレート系ポリエステル支持体で、そのガラス転移点
    が50℃以上、200℃以下であり、かつ下塗り層付与
    前あるいは下塗り層付与後、乳剤塗布前に40℃以上ガ
    ラス転移温度以下の温度で熱処理されたものであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に
    記載の写真製品。
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