JP2002072279A - レンズ付きフィルムユニット - Google Patents

レンズ付きフィルムユニット

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JP2002072279A
JP2002072279A JP2000261480A JP2000261480A JP2002072279A JP 2002072279 A JP2002072279 A JP 2002072279A JP 2000261480 A JP2000261480 A JP 2000261480A JP 2000261480 A JP2000261480 A JP 2000261480A JP 2002072279 A JP2002072279 A JP 2002072279A
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lens
layer
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JP2000261480A
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English (en)
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Yasushi Nozawa
靖 野沢
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B17/00Details of cameras or camera bodies; Accessories therefor
    • G03B17/02Bodies

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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  • Exposure Control For Cameras (AREA)
  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真にとって重要な性能であるシャープネス
(鮮鋭度)に優れた写真を提供できるレンズ付きフィルム
ユニットを提供すること。また、さらに説明すれば、シ
ャープネスに優れた写真を提供することと、アンダー防
止策とが両立した写真を提供できるレンズ付きフィルム
ユニットを提供すること。 【解決手段】 撮影レンズとシャッタ装置と絞りとを有
した撮影機構を備え、予め未露光の写真フィルムが装填
されたレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記シャ
ッタ装置のシャッタ速度をT秒、前記写真フィルムのI
SO感度をSとしたときに、T及びSが log2(1/T)−log2(0.3×S)<−1.7 の条件式を満たすことを特徴とするレンズ付きフイルム
ユニット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色々な撮影環境に
おいてシャープな写真を提供できるレンズ付きフィルム
ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】撮影レンズ、シャッタ装置、フィルム巻
き上げ装置等の簡単な撮影機構を内蔵したユニット本体
に未露光のフィルムが製造時に装填されたレンズ付フィ
ルムユニットが販売され、手軽さ等から写真をより身近
なものにするのに貢献している。レンズ付フィルムユニ
ットには、夜間や室内等での撮影も可能なストロボ内蔵
型の物も有り、多くのユーザーに利用されている。
【0003】これら、レンズ付フィルムユニットの性能
を向上させるために、色々な工夫がなされている。特
に、露出調節機能無し、もしくは簡単な露出調節機能
で、明るい屋外と室内ストロボ撮影のようにあらゆる条
件をカバーしなければならないこと、また、コスト、コ
ンパクトさ等から、小さなガイドナンバーのストロボ装
置しかつけれない事から、室内撮影での露出アンダーに
よる失敗写真の問題は、以前から注目されていた。特開
平5−188454号では、フィルムユニットのEV値
を11以上13.5以下とし、ストロボのガイドナンバ
ーを10以上15以下とする事による、露出アンダー防
止策が開示されている。また、特開平6−258787
号では、特定写真感度が640以上でポイントガンマが
0.4以上の領域の広さを規定した感光材料を内蔵した
レンズ付フィルムユニットにより、室内撮影から屋外撮
影まで満足できる写真を提供する方法が開示されてい
る。特開平8−184944号では、ストロボ切り替え
手段と連動したシャッタ速度切替手段を備えるレンズ付
フィルムユニットによるストロボ撮影のアンダー防止策
が開示されている。同様に、特開平9−5817号、特
開平10−260507号には、被写体輝度に応じて絞
りを切り替える事によるアンダー防止策が開示されてい
る。
【0004】また、本出願人による特開2000-131727号
では、シャッタ装置のシャッタ速度をT秒、前記絞りの
絞り値をA、前記写真フィルムのISO感度をSとした
ときに、 -6≦2log2(A)+log2(1/T)-log2(0.3×S)≦5 の条件式を満たすレンズ付フィルムユニットにより、適
切な濃度、特に背景とストロボ照射された主要被写体と
の濃度比を適切にする方法が開示されている。
【0005】これらの発明はそれなりに効果があり、特
に露出アンダーで眠い写真の改善には効果が大きかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、本発明の目的
は、写真にとってもう一つの重要な性能であるシャープ
ネス(鮮鋭度)に優れた写真を提供できるレンズ付きフィ
ルムユニットを提供することにある。
【0007】また、さらに説明すれば、シャープネスに
優れた写真を提供する事と、上述のアンダー防止策とが
両立した写真を提供できるレンズ付きフィルムユニット
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の方
法により達成することができた。 (1)撮影レンズとシャッタ装置と絞りとを有した撮影
機構を備え、予め未露光の写真フィルムが装填されたレ
ンズ付きフイルムユニットにおいて、前記シャッタ装置
のシャッタ速度をT秒、前記写真フィルムのISO感度
をSとしたときに、T及びSが log2(1/T)−log2(0.3×S)<−1.7 の条件式を満たすことを特徴とするレンズ付きフイルム
ユニット。
【0009】(2)該未露光の写真フィルムが、支持体
上に各々感度の異なる2層以上の青感性ハロゲン化銀乳
剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀
乳剤層を有し、該青感性、緑感性、赤感性乳剤層各々の
2層以上の乳剤層の中の最高感層に含有されるハロゲン
化銀乳剤が含有する粒子の全投影面積の60%以上が、
アスペクト比5.0以上の平板状粒子によって占められ
ており、かつ、該最高感度層に含有されるハロゲン化銀
乳剤について、下記式(I)で示される粒子ナンバーが
1.00以下であることを特徴とする上記(1)に記載
のレンズ付きフィルムユニット。
【0010】 (粒子ナンバー)=AH/(Dc 2×Th) (I) ここで、 AH :最高感層中に含有されるハロゲン化銀の銀換算
における銀塗布量(g/m2) Dc :最高感層中に含有される平板状粒子の平均円相
当直径(μm) Th :最高感層中に含有される平板状粒子の平均厚み
(μm) である。ただし、上記アスペクト比及び粒子ナンバーに
ついての規定は、該最高感層が、別々の製造工程を経て
調製された複数のハロゲン化銀乳剤であって、各乳剤が
含有するハロゲン化銀粒子の平均球相当直径が互いに異
なるものを含有する場合、最大の平均球相当直径を有す
る乳剤について満足すればよい。
【0011】(3)該未露光の写真フィルムが、支持体
上に各々感度の異なる2層以上の青感性ハロゲン化銀乳
剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀
乳剤層を有し、同一感色性の2層以上の乳剤層のうちの
最高感層の銀の含有量が全て0.3g/m2以上1.3
g/m2以下であり、かつ同一の感色性の2層以上の乳
剤層の中の最高感層のうち少なくとも2層に含まれるハ
ロゲン化銀粒子の全投影面積の60%以上が、アスペク
ト比5.0以上の平板状粒子によって占められているこ
とを特徴とする上記(1)に記載のレンズ付きフィルム
ユニット。
【0012】(4)該未露光の写真フィルムが、支持体
上に各々感度の異なる2層以上の青感性ハロゲン化銀乳
剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀
乳剤層を有し、同一感色性の2層以上の乳剤層のうちの
最高感乳剤層の銀の含有量の総和が1.5g/m2以上
3.5g/m2以下であり、かつ同一の感色性の2層以
上の乳剤層の中の最高感層のうち少なくとも2層に含ま
れるハロゲン化銀粒子の全投影面積の60%以上が、ア
スペクト比5.0以上の平板状粒子によって占められて
いることを特徴とする上記(1)に記載のレンズ付きフ
ィルムユニット。
【0013】(5)該平板状ハロゲン化銀粒子が、 (a)平均ヨウ化銀含有率が2モル%以上10モル%以
下、かつ (b)表面ヨウ化銀含有率が1モル%以上4モル%以
下、かつ (c)1粒子当たり10本以上の転位線を有する、平板
状粒子であることを特徴とする上記(2)〜(4)のい
ずれか1項に記載のレンズ付きフィルムユニット。
【0014】(6)被写体光量に応じた光量信号を出力
する測光手段と、前記光量信号に応じて前記フイルムへ
の露光量を変化させる調節機構を備えることを特徴とす
る上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のレンズ付
きフィルムユニット。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明における式 log2(1/T)−log2(0.3×S)
について説明する(シャッタ装置のシャッタ速度をT
秒、写真フィルムのISO感度をSとした)。式中の各
項は、TV(タイムバリュー)、SV(スピードバリュ
ー)として知られているものであり、なお、Tは1/6
0、1/125、1/250(sec)などで表わされ
るシャッタ速度、Sは、100、400、1600など
の数字で表わされるISO感度の事であり、各々APE
X(additive system of photographic exposure)方式
による値で表わしたのが、TV(タイムバリュー)、S
V(スピードバリュー)である。
【0016】本発明のレンズ付きフィルムユニットは、
式 log2(1/T)−log2(0.3×S) が、−1.7
未満でなければいけない。好ましくは、−4以上−1.
8未満、より好ましくは、−3.5以上−1.9未満で
ある。
【0017】式 log2(1/T)−log2(0.3×S)
が、大きければ大きいほどシステムとして同じ感度を保
つには、大きな絞り値が必要となる。したがって、値が
小さいほど、晴天時の風景写真などの遠景の写真をより
小さな絞りを用いる事により、シャープに写す事が出来
るし、室内写真など高い感度が必要な場合でも、あまり
大きな絞り値にする必要が無いため、ある程度の被写界
深度を確保出来、ピント調節機能を持たないレンズ付き
フィルムユニットでもそこそこのシャープネスを確保す
る事が出来ると思われる。
【0018】シャッタ速度Tは、手ブレ、被写体ブレを
おこさないようにする為に、1/30秒〜1/500秒
であることが好ましく、より好ましくは1/60秒〜1
/500秒、さらに好ましくは1/100秒〜1/25
0秒である。ISO感度Sは、640以上であることが
好ましく、より好ましくは1000以上、さらに好まし
くは1600以上である。
【0019】本発明のレンズ付きフィルムユニットの絞
りは、可変式絞りを有していても良いし、固定式絞りを
有していても良い。固定絞りの場合には、絞り値として
は、好ましくは5.6以上18以下、より好ましくは8
以上16以下、さらに好ましくは9.5以上13以下で
ある。
【0020】本発明のレンズ付きフイルムユニットは、
被写体光量に応じた光量信号を出力する測光手段と、前
記光量信号に応じて前記フイルムへの露光量を変化させ
る調節機構を備えることがより好ましい。被写体光量を
測定する測光手段としては、例えばCdS(硫化カドミ
ウム)を用いることができる。その他、太陽電池、CC
D、MOSトランジスタ、フォトダイオード、セレンな
どを用いても良い。通常は測光結果を電気信号として出
力する素子が利用しやすい。
【0021】フイルムへの露光量を変化させる手段とし
ては、絞り値を変化させる方法、NDフィルターなどに
よりレンズへの透過光量を調節する方法、シャター速度
を調節する方法、などが利用できる。露光量の変化は、
最も簡単には、露光量大と小の2段階の調節手段を有す
ることである。絞り値の変化で行う場合には、2種類の
開口径を持つ絞り板の出し入れ、もしくは、大開口径の
固定絞りを備え、小開口径の絞りを出し入れする方法が
ある。透過光量の調節を行う場合は、NDフィルターの
出し入れなどにより実現することができる。場合によっ
ては、さらに多段の露光量調節、あるいは無段で連続ス
テップの露光量調節を行っても良い。
【0022】2段階の露光量調節を行う場合は、予め切
り替えを行うべき所定の被写体輝度を定めておく。すな
わち、所定の被写体輝度より高い場合は、露光量を減ら
し、低い場合は露光量を増やすわけである。測光手段に
より出力された信号は、このように所定の輝度と比較さ
れ、大小の結果に応じて露光量を切り替えるメカニズム
に連結される。絞りを切り替える方法としては、絞り板
を物理的に動作させる方法、液晶の濃度変化により実質
的な絞り値を変える方法などにより実現することができ
る。絞り板を物理的に動作させる方法については、特開
平10-260507号に開示されているように、通電の有無に
より形状変化が起こる形状記憶素子を利用することがで
きる。
【0023】また、モーターにより絞り板を移動させる
方法を用いることもできる。また、特開平9-5817号に開
示されているように電磁石を用いて移動させることもで
きる。絞り板を移動させるために必要な電力は、ストロ
ボ用の乾電池もしくは二次電池から得ることもできる
し、所定の輝度より明るい場合にのみ絞り板の移動が必
要な設計にして、太陽電池により電力を得ても良い。
【0024】絞り値を変化させる事により2段階の露光
量調節を行う場合には、前記測光手段が検出した被写体
輝度が低い場合に設定される調節可能な明るい絞り値を
1としたときに、 4.0≦F1≦11.0 の関係を満たすことが望ましい。さらに好ましくは、 5.6≦F1≦9.5 の関係を満たすことであり、最も好ましくは、 6.7≦F1≦8.5 の関係を満たすことである。
【0025】この絞り値は、室内夜間撮影で背景を撮影
できるようにするための明るさ、および固定焦点、固定
シャッタースピードのレンズ付きフイルムとして必要な
披写界深度より決定された。
【0026】また、本発明においては、前記測光手段が
検出した被写体輝度が高い場合に設定される調節可能な
暗い絞り値をF2としたときに、 11.0≦F2≦32 の関係を満たすことが望ましく、より好ましくは、 13.0≦F2≦22 の関係を満たすことが望ましい。
【0027】この要件を満たすことにより日中屋外の高
輝度な被写体を撮影しても、フイルムへの露光量は適切
な露光量の範囲内に収めることができ、品質の高い写真
プリントを提供することができる。
【0028】本発明のレンズ付きフィルムユニットに装
填する写真フィルムのISO感度は、前述したように、
640以上であることが好ましく、より好ましくは10
00以上、さらに好ましくは1600以上である。
【0029】写真フィルムの感度を上げると、画質特に
粒状の劣化や、特開昭63−226650号に開示され
ているような自然放射線などの影響による経時中の感度
低下、粒状劣化などの問題が生じる事が知られている。
これらを少しでも改良するために、特開昭63−226
650号の発明や、米国特許4,434,226号など
に開示される平板乳剤の使用などが知られている。
【0030】本発明のレンズ付きフィルムユニットに装
填する写真フィルムは、同一の感色性の各ハロゲン化銀
乳剤層が感度の異なる2層以上のハロゲン化銀乳剤層か
ら構成される事が好ましい。より好ましくは3層以上で
ある。同一感色性の2層以上の乳剤層のうちの少なくと
も最高感乳剤層には、平板状乳剤を用いる事が好まし
い。該ハロゲン化銀粒子の全投影面積の60%以上が平
板状ハロゲン化銀粒子より成る事が好ましく、より好ま
しくは70%以上である。また、同一感色性の2層以上
の乳剤層のうちの最高感乳剤層のうち少なくとも2層に
は平板状乳剤を用いる事が好ましく、すべての最高感度
層に平板状乳剤を用いる事がより好ましい。
【0031】該全投影面積の60%以上を占める平板状
ハロゲン化銀粒子のアスペクト比が5以上であることが
好ましく、より好ましくは8以上、さらに好ましくは1
0以上である。アスペクト比の上限は特にないが、現在
の乳剤調製技術では、50程度が限界と考えている。
【0032】本発明においてアスペクト比とはハロゲン
化銀の厚みに対する直径の比を意味する。すなわち、個
々のハロゲン化銀粒子の直径を厚みで除した値である。
ここで、直径とは、ハロゲン化銀粒子を顕微鏡または電
子顕微鏡で観察したとき、粒子の投影面積と等しい面積
を有する円の直径を指すものとする。
【0033】アスペクト比の測定方法の一例としては、
レプリカ法による透過電子顕微鏡写真を撮影して、個々
の粒子の円相当径と厚みを求める方法がある。この場合
厚みはレプリカの影(シャドー)の長さから算出する。
【0034】本発明で用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子についてさらに詳細に説明する。
【0035】平板状粒子とは、2つの互いに平行な主平
面とこれらの主平面を連結する側面を外表面として有す
る。平板上粒子は、1枚の双晶面か2枚以上の平行な双
晶面を有する粒子であり、この場合、双晶面とは(11
1)面の両側で全ての格子点イオンが鏡像関係に有る場
合にこの(111)面のことを言う。この平板上粒子は
粒子の主平面に対して垂直方向から見た時に主平面が三
角形状、六角形状もしくはこれらが丸みを帯びた円形状
をしており、三角形状のものは三角形の、六角形のもの
は六角形の、円形のものは円形状をしている。
【0036】次に、平板状ハロゲン化銀粒子の調製方法
について説明する。ハロゲン化銀乳剤の調製方法として
は、ハロゲン化銀核を形成した後、更にハロゲン化銀粒
子を成長させて所望のサイズの粒子を得る方法が一般的
であり、本発明でも同様であることに変りはない。ま
た、平板状粒子の形成に関しては、少なくとも核形成、
熟成、成長の工程が含まれる。この工程は、米国特許第
4945037号に詳細に記載されている。成長工程とは、銀
塩水溶液とハロゲン塩溶液とをダブルジェット法で反応
容器に添加し、ハロゲン化銀粒子核を成長させる工程で
ある。ダブルジェット法での成長において反応溶液中の
pAgを制御する方法を用いることも出来る。
【0037】本発明で用いる平板状粒子の円相当直径
は、0.3μm〜5.0μmが好ましく、更に好ましく
は1.0μm〜4.0μmである。また、本発明で用い
る平板状粒子は単分散であることが好ましい。単分散の
平板状粒子の構造および製造方法は、例えば、特開昭6
3−151618号等の記載に従うが、その形状を簡単
に述べると、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の70%以
上が、最小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さ
を有する辺の長さの比が、2以下である六角形であり、
かつ、平行な2面を外表面として有する平板状粒子によ
って占められており、さらに、該六角形平板状粒子の粒
子サイズ分布の変動係数(その投影面積の円相当径であ
らわされる粒子サイズのバラツキ(標準偏差)を平均粒
子サイズで割った値)が20%以下の単分散性を持つも
のである。好ましくは、粒子サイズ分布の変動係数は1
8%以下である。
【0038】本発明で用いる平板状粒子の厚みは、約
0.8μm未満であることが好ましいが、より好ましく
は0.05μm〜0.6μm、更に好ましくは0.1μ
m〜0.5μmである。その際、厚みの分布の変動係数
は20%以下の単分散性を持つものが好ましい。
【0039】本発明に用いる平板状ハロゲン化銀粒子
は、ヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀である。本発明に用いる
平板状粒子の平均ヨウ化銀含有率は、2モル%以上10
モル%以下であることが好ましい。平均ヨウ化銀含有率
の測定は、X線マイクロアナライザーを用いて、1個1
個の粒子の組成を分析することにより測定できる。平均
ヨウ化銀含有率とは、X線マイクロアナライザーにより
少なくとも100個の乳剤粒子のヨウ化銀含有率を測定
した際の算術平均である。個々の乳剤粒子のヨウ化銀含
有率の測定法は、例えば欧州特許第147868A号に
記載されている。
【0040】該平板状粒子の平均ヨウ化銀含有率が2モ
ル%未満であると、ヨウ化銀に基づく感度/粒状比の向
上が望めなくなり、また平均ヨウ化銀含有率が10モル
%を超えると、化学増感効率が低下するため、高感度化
を達成できなくなるという問題が顕在化してくる。
【0041】本発明で用いる平板状ハロゲン化銀粒子の
表面ヨウ化銀含有率は1モル%以上4モル%以下である
ことが好ましい。ここで、「表面」とは、粒子表面より
50オングストローム以内の領域、すなわち次に説明す
るXPS法により検出可能な領域をいう。
【0042】粒子表面のヨウ化銀含有率の測定について
は、XPS法(X-ray Photoelectron Spectroscopy:X
線光電子分光法)によって測定することができる。XP
S法の原理に関しては、例えば相原惇一らの「電子の分
光」(共立ライブラリー16:共立出版昭和53年発
行)に詳しく述べられている。XPSの標準的な測定方
法は、励起X線としてMg−Kαを使用し、適当な試料
形態としたハロゲン化銀粒子から放出される沃素(I)
と銀(Ag)の光電子の強度を観測する方法である。沃
素の含量を求めるには、沃素の含量が既知である数種類
の標準試料を用いて、沃素(I)と銀(Ag)の光電子
の強度比(強度(I)/強度(Ag))の検量線を作成
し、この検量線により求めることができる。ハロゲン化
銀乳剤では、ハロゲン化銀粒子表面に吸着したゼラチン
をタンパク質分解酵素などで分解、除去した後にXPS
の測定を行わなければならない。
【0043】該平板状粒子の表面ヨウ化銀含有率が1モ
ル%未満や4モル%を超えると、化学増感効率が低下
し、感度/粒状比の向上が望めなくなり、高感度化を達
成できなくなるという問題が顕在化してくる。
【0044】本発明で用いる平板状ハロゲン化銀粒子は
転位線を有することが好ましい。平板粒子の転位線は、
例えば、J.F.Hamilton,Photo.Sci.Eng.,11,
57,(1967)やT.Shiozawa,J.Soc.Photo.Sc
i,Japan,35,213(1972)に記載の低温での
透過型電子顕微鏡を用いて直接的な方法により観察する
ことができる。
【0045】すなわち、粒子が転位を発生するほどの圧
力をかけないように注意して乳剤からとりだしたハロゲ
ン化銀粒子を電子顕微鏡観察用のメッシュにのせ、電子
線による損傷(例えばプリントアウト)を防ぐように試
料を冷却した状態で透過法による観察を行う。この場
合、粒子の厚みが大きいほど電子線が透過しにくくなる
ので、高圧型(0.25μmの厚さに対して、200k
V以上)の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に観察する
ことができる。なお、電子線に対する試料の傾斜角度に
よって転位線は見えたり見えなかったりするので、転位
線を観察するためには、同一粒子についてできるだけ多
くの試料傾斜角度での粒子写真を撮影して転位線の存在
位置を確認する必要がある。このような方法により得ら
れた粒子の写真より、主平面に対して垂直方向から見た
場合の各粒子についての転位線の位置および数を求める
ことができる。
【0046】本発明におけるハロゲン化銀粒子は、該粒
子投影部の外周からの面積で20%以内、好ましくは1
0%以内の部分に転位線が存在することが好ましい。転
位線は、外周部近傍に外周部に沿って存在しても良い
し、コーナ部近傍に局在しても良い。コーナー部近傍と
は、粒子の中心と各頂点を結ぶ直線の中心からx%の位
置の点から、各頂点を作る辺に垂線を下した時に、その
垂線とその辺とで囲まれた三次元の部分のことである。
このxの値は好ましくは50以上100未満、さらに好
ましくは75以上100未満である。存在する転位線は
1粒子当り平均10本以上が好ましい。より好ましくは
1粒子当り平均20本以上である。
【0047】転位線の導入工程に関しては、特開昭63
−220238号に記載されているAg+イオンおよび
-イオンの水溶液をダブルジェット法で添加し、沃化
銀を含むハロゲン化銀層を形成する方法や、特開平11
−15088号に記載されているAgI微粒子を急激に
添加してその後シェル形成する方法、または米国特許5
496694号に記載されている沃化物イオン放出剤を
用いて沃化物イオンを急激に添加せしめながら沃化銀を
含むハロゲン化銀層を形成する方法、特開平4−149
51号や特開平9−189974号に記載されているよ
うにハロゲン化銀粒子の特定な部位に選択的に転位線を
導入する方法を用いることができる。
【0048】本発明のカラー写真感光材料は、青感性、
緑感性、赤感性ハロゲン化銀乳剤層の各々最も感度の高
い乳剤層における粒子ナンバーが1.00以下である事
が好ましい。より好ましくは0.90以下であり、0.
80以下であることがさらに好ましい。
【0049】ここで、「粒子ナンバー」とは、複数の同
一感色性層からなる乳剤層の中で最高感層に含有される
ハロゲン化銀平板状粒子の平均円相当直径(Dc:μ
m)および該粒子の平均厚み(Th:μm)と該ハロゲ
ン化銀粒子の塗布銀量(AH:g/m2)との関係におい
て、下記(I)式で表される。
【0050】 (I)式 粒子ナンバー=AH/(Dc 2×Th) (Dc 2×Th)は平板状ハロゲン化銀粒子の体積と相関
する値であり、塗布銀量を(Dc 2×Th)で除した値が
粒子ナンバーである。これは、すなわち乳剤層中に含ま
れる粒子の個数に相関する値と見なすことができる。
【0051】本発明者は、驚くべきことに、感色性の異
なる各々の最高感度層に使用したアスペクト比5以上の
平板状粒子の粒子ナンバーが、高感度でかつ高画質(特
に高鮮鋭度)を両立したハロゲン化銀カラー写真感光材
料の実現と相関することを新たに見出したのである。
【0052】各感色性層の最高感度層に平板状粒子を用
いる場合、該層に含有させる平板状粒子の粒子サイズ、
具体的には、円相当直径と厚みに応じて、使用する銀量
を決定すれば、高感度、高画質、良好な保存性を兼備し
たカラー感光材料が得られることは驚きであった。これ
は、単純に使用する銀量を減ずるのではなく、最高感度
層に使用する最高感度を有する平板状粒子の総粒子数を
ある量以下に制限すれば好ましい性能が達せられること
を意味する。
【0053】該最高感度層に平板状粒子を使用しても、
粒子ナンバーが1.00を超える場合は、感度、画質、
保存性の中の少なくとも1つの性能が劣化する。また、
感色性の異なる青感性、緑感性、赤感性各々の最高感度
乳剤層の中で、一つでも粒子ナンバーが1.00を超え
る層があれば、感度、画質、保存性の中の少なくとも1
つの性能が劣化する。
【0054】本発明のレンズ付きフィルムユニットにお
いて用い得るカラー写真感光材料の各感色性の異なる最
高感層中には、例えば、別々の製造工程を経て調製され
た平均粒子サイズの異なる複数のハロゲン化銀乳剤を混
合しても良い。その場合は、それぞれ混合する各乳剤に
おいて、その平均球相当直径が最大の乳剤が含有する全
粒子の投影面積の60%以上がアスペクト比5以上の平
板状粒子からなっており、最大の平均球相当直径を有す
る乳剤についての塗布銀量(AH)、平均円相当直径
(Dc)、及び平均厚み(Th)から計算された粒子ナン
バーが1.00以下であることが好ましい。
【0055】最高感層が、平均粒子サイズの異なる複数
のハロゲン化銀乳剤を含有する場合において、最高感層
に含有される全乳剤に占める平均球相当直径が最大の乳
剤の割合は、銀量換算で50質量%以上であることが好
ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。こ
こで球相当直径とは、個々の粒子の体積と等しい体積を
有する球体の直径を意味する。
【0056】前記最高感度層に含まれる球相当径換算で
最も大きな粒子以外に混合されるハロゲン化銀粒子の形
態は、立方体、八面体、十四面体等の正常晶の粒子や、
主平面に(111)面を有する平板状粒子、主平面が
(100)面よりなる平板状粒子、エピタキシャルを有
する粒子など、特に制限はないが、平板状粒子であるこ
とが好ましい。その場合の平板状粒子は、投影面積の6
0%以上がアスペクト比5以上の平板状粒子であること
が好ましく、ハロゲン組成は沃臭化銀もしくは塩沃臭化
銀のハロゲン組成よりなることが好ましく、1粒子あた
り10本以上の転位線を有していることが好ましく、該
平板状粒子の使用される銀量とDc,Thから計算される
粒子ナンバーは1.00以下であることが好ましい。
【0057】カラー写真感光材料においては、同じ感色
層の乳剤層を感度の異なる2層以上の乳剤層から構成す
る際にはいわゆる粒状消失効果を利用するために、より
感度の高い乳剤層の銀の含有量を多くした設計とするの
が高画質のカラー写真感光材料を得るための常識であっ
た。ところが、特に高感度カラー写真感光材料において
は、より感度の高い乳剤層の銀の含有量を多くすると、
感度の低い乳剤層の銀の含有量を多くするよりも保存後
の経時劣化が大きくなるため、同じ感色性の乳剤層のう
ち最も感度の高い乳剤層の銀の含有量を低く押さえるこ
とで自然放射線の影響による高感度カラー写真感光材料
の保存後の性能劣化を実用上問題とならないレベルに押
さえることができて、好ましい。
【0058】本発明の一つの態様において、本発明のレ
ンズ付きフィルムユニットに装填する写真フィルムの赤
感性層、緑感性層、青感性層のそれぞれの最も感度の高
い乳剤層の銀の含有量は0.3g/m2以上1.3g/
2以下である事が好ましく、より好ましくは0.3g
/m2以上1.2g/m2以下である。
【0059】また、本発明の別の態様において、本発明
のレンズ付きフィルムユニットに装填する写真フィルム
の赤感性層、緑感性層、青感性層のそれぞれの最も感度
の高い乳剤層の銀の含有量の総和は1.5g/m2以上
3.5g/m2以下である事が好ましく、より好ましく
は1.5g/m2以上3.0g/m2以下である。
【0060】本発明のレンズ付きフィルムユニットに装
填する写真フィルムに含まれる全ての銀の含有量は3.
0g/m2以上9.0g/m2以下が好ましく、さらに好
ましくは3.0g/m2以上8.0g/m2以下である。
【0061】ここで言う銀の含有量とは、ハロゲン化銀
や金属銀などの全ての銀の含有量を銀に換算したもので
ある。感光材料の銀の含有量を分析するにはいくつかの
方法が知られており、どの方法を用いてもよいが、例え
ば、蛍光X線法を用いた元素分析などが簡便である。
【0062】その他、本発明の感光材料に使用すること
ができる層配列等の技術、ハロゲン化銀乳剤、色素形成
カプラー、DIRカプラー等の機能性カプラー、各種の
添加剤等、及び現像処理については、欧州特許第056
5096A1号(1993年10月13日公開)及びこ
れに引用された特許に記載されている。以下に各項目と
これに対応する記載個所を列記する。
【0063】1.層構成:61頁23〜35行、61頁
41行〜62頁14行、 2.中間層:61頁36〜40行、 3.重層効果付与層:62頁15〜18行、 4.ハロゲン化銀ハロゲン組成:62頁21〜25行、 5.ハロゲン化銀粒子晶癖:62頁26〜30行、 6.ハロゲン化銀粒子サイズ:62頁31〜34行、 7.乳剤製造法:62頁35〜40行、 8.ハロゲン化銀粒子サイズ分布:62頁41〜42
行、 9.平板粒子:62頁43〜46行、 10.粒子の内部構造:62頁47行〜53行、 11.乳剤の潜像形成タイプ:62頁54行〜63頁5
行、 12.乳剤の物理熟成・化学増感:63頁6〜9行、 13.乳剤の混合使用:63頁10〜13行、 14.かぶらせ乳剤:63頁14〜31行、 15.非感光性乳剤:63頁32〜43行、 16.塗布銀量:63頁49〜50行、 17.ホルムアルデヒドスカベンジャー:64頁54〜5
7行、 18.メルカプト系カブリ防止剤:65頁1〜2行、 19.かぶらせ剤等放出剤:65頁3〜7行、 20.色素:65頁7〜10行、 21.カラーカプラー全般:65頁11〜13行、 22.イエロー、マゼンタ及びシアンカプラー:65頁1
4〜25行、 23.ポリマーカプラー:65頁26〜28行、 24.拡散性色素形成カプラー:65頁29〜31行、 25.カラードカプラー:65頁32〜38行、 26.機能性カプラー全般:65頁39〜44行、 27.漂白促進剤放出カプラー:65頁45〜48行、 28.現像促進剤放出カプラー:65頁49〜53行、 29.その他のDIRカプラー:65頁54行〜66頁4
行、 30.カプラー分散方法:66頁5〜28行、 31.防腐剤・防かび剤:66頁29〜33行、 32.感材の種類:66頁34〜36行、 33.感光層膜厚と膨潤速度:66頁40行〜67頁1
行、 34.バック層:67頁3〜8行、 35.現像処理全般:67頁9〜11行、 36.現像液と現像薬:67頁12〜30行、 37.現像液添加剤:67頁31〜44行、 38.反転処理:67頁45〜56行、 39.処理液開口率:67頁57行〜68頁12行、 40.現像時間:68頁13〜15行、 41.漂白定着、漂白、定着:68頁16行〜69頁31
行、 42.自動現像機:69頁32〜40行、 43.水洗、リンス、安定化:69頁41行〜70頁18
行、 44.処理液補充、再使用:70頁19〜23行、 45.現像薬内蔵感材:70頁24〜33行、 46.現像処理温度:70頁34〜38行、
【0064】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。但し、本発明
はこの実施例に限定されるものではない。
【0065】実施例1 乳剤の調製 (乳剤Em−Eの製法)重量平均分子量15000の低
分子量酸化処理ゼラチン1.6g、KBr1.0gを含
む水溶液1300ミリリットル(以下、「mL」とも表
記する)を58℃に保ち,pHを9に調整し激しく攪拌
した。
【0066】AgNO31.3gを含む水溶液とKBr
1.1gと重量平均分子量15000の低分子量酸化処
理ゼラチン0.7gを含む水溶液をダブルジェット法で
30秒間に渡り添加し、核形成を行った。KBrを6.
6g添加し、78℃に昇温して熟成した。熟成終了後,
重量平均分子量10万のアルカリ処理ゼラチンを無水コ
ハク酸で化学修飾したゼラチン15.0gを添加し、そ
の後pHを5.5に調整した。AgNO329.3gを
含む水溶液230mLとKBr15.8gおよびKI
1.92gとを含む水溶液をダブルジェット法で30分
間に亘り添加した。この時,銀電位を飽和カロメル電極
に対して−20mVに保った。さらに、AgNO3
4.5gを含む水溶液とKBr42.3gおよびKI
5.14gとを含む水溶液233mLをダブルジェット
法で最終流量が初期流量の1.33倍になるように流量
加速して37分間に亘り添加した。この時、添加されて
いる間、銀電位を−20mVに保った。次に、AgNO
370.8gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェ
ット法で銀電位を−10mVに保ちながら35分間に亘
り添加した。
【0067】温度を40℃に降温した後、化合物1を
4.9g添加し、さらに0.8Mの亜硫酸ナトリウム水
溶液を32mL添加した。次にNaOH水溶液を用いて
pH9.0に調整し5分間保持した。温度を55℃に昇
温した後、H2SO4にてpHを5.5に調整した。ベン
ゼンチオスルホン酸ナトリウムを1mg添加し、カルシ
ウム濃度が1ppmの石灰処理ゼラチンを13g添加し
た。添加終了後、AgNO371.0gを含む水溶液2
50mLおよびKBr水溶液を銀電位を+75mVに保
ちながら20分間に亘り添加した。この時、黄血塩を銀
1モルに対して1.0×10-5モルおよびK2IrCl6
を銀1モルに対して1×10-8モル添加した。
【0068】水洗した後,ゼラチンを添加し40℃でp
H6.5,pAg8.8に調整した。56℃に昇温した
後、化合物2および増感色素ExS−5、ExS−6、
ExS−7、ExS−8、ExS−9を添加した後、チ
オシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、
ヘキサフルオロフェニルジフェニルホスフィンセレニド
および化合物F−11、化合物3を添加し最適に化学増
感した。化学増感終了時に化合物F−2を添加した。
【0069】この乳剤は、平均球相当直径1.33μ
m、平均円相当直径2.63μm、平均アスペクト比1
1.4の平板状粒子であった。得られた粒子を液体窒素
で冷却しながら透過電子顕微鏡で観察した結果、粒子中
心部から投影面積で80%以内に転位線が存在しない粒
子が全数の約90%であり、粒子外周部から投影面積で
20%の粒子周辺部には1粒子当り10本以上の転位線
が観察された。
【0070】(乳剤Em−Kの製法) (種乳剤の調製)重量平均分子量15000の低分子量
酸化処理ゼラチン1.0g,KBr0.9gを含む水溶
液1200mLを35℃に保ち激しく攪拌した。AgN
31.85gを含む水溶液40mLとKBr1.82
gおよび分子量15000の低分子量ゼラチン1.0g
を含む水溶液35mLをダブルジェット法で30秒間添
加し、核形成を行った。添加終了後,直ちにKBr5.
4gを加えて,75℃に昇温し熟成を行った。熟成終了
後,重量平均分子量10万のアルカリ処理ゼラチンを無
水コハク酸で化学修飾したゼラチン35gを添加し、そ
の後pHを5.5に調整した。AgNO336gを含む
水溶液250mLとKBr21.2gおよびKI2.8
1gとを含む水溶液282mLを銀電位−5mVに保ち
ながらダブルジェット法で25分間に亘り添加した。そ
の後、AgNO3200gを含む水溶液650mLとK
Br134.1gおよびKI13.9gとを含む水溶液
900mLをダブルジェット法で最終流量が初期流量の
1.4倍になるように流量加速して100分間に亘り添
加した。この時,銀電位を飽和カロメル電極に対して+
5mVに保った。水洗した後,ゼラチンを加えpH5.
7、pAg8.8、乳剤1kg当たりの銀換算の重量1
39.0g,ゼラチン重量56gに調整し、種乳剤とし
た。
【0071】カルシウム濃度が1ppmの石灰処理ゼラ
チン33g、KBr3.4gを含む水溶液1200mL
を75℃に保ち激しく攪拌した。前述した種乳剤を89
g加えた後,変成シリコンオイル(日本ユニカ−株式会
社製品,L7602)を0.3g添加した。H2SO4
添加してpHを5.8に調整し,ベンゼンチオスルホン
酸ナトリウム,2mgと二酸化チオ尿素2mgを添加し
た後、AgNO351.0gを含む水溶液600mLと
KBr36.2gおよびKI3.49gとを含む水溶液
600mLをダブルジェット法で最終流量が初期流量の
1.1倍になるように流量加速して85分間に亘り添加
した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−3
5mVに保った。さらに、AgNO344.7gを含む
水溶液300mLとKBr30.6gおよびKI3.0
6gとを含む水溶液300mLをダブルジェット法で最
終流量が初期流量の1.1倍になるように流量加速して
56分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメ
ル電極に対して−35mVに保った。次に、AgN
3,36.9gを含む水溶液180mLとKBr水溶
液をダブルジェット法で40分間に亘り添加した。この
時,銀電位を飽和カロメル電極に対して+10mVに保
った。KBrを添加して銀電位を−70mVに調整した
後,0.037μmの粒子サイズのAgI微粒子乳剤を
KI重量換算で1.38g添加した。添加終了後,直ち
に,AgNO317.4gを含む水溶液100mLを1
5分間に亘り添加した。水洗した後,ゼラチンを添加し
40℃でpH5.8、pAg8.7に調整した。60℃
に昇温した後、化合物2および増感色素ExS−10、
ExS−13を添加し、チオシアン酸カリウム、塩化金
酸、チオ硫酸ナトリウム、ヘキサフルオロフェニルジフ
ェニルホスフィンセレニド、化合物F−11と、化合物
3を添加し最適に化学増感した。化学増感終了時に化合
物F−3を添加した。
【0072】この乳剤は、平均球相当直径1.65μ
m、平均円相当直径3.10μm、円相当直径の変動係
数20%、平均アスペクト比10.0の平板状粒子であ
った。
【0073】得られた粒子を液体窒素で冷却しながら透
過電子顕微鏡で観察した結果、粒子中心部から投影面積
で80%以内に転位線が存在しない粒子が全数の約98
%であり、粒子外周部から投影面積で20%の粒子周辺
部には1粒子当り10本以上の転位線が観察された。
【0074】(乳剤Em−Nの製法)脱イオンゼラチン
48g、KBr0.75gとを含む水溶液1250mL
を70℃に保ち激しく攪拌した。
【0075】この溶液中に、AgNO312.0gを含
む水溶液276mLと等モル濃度のKBr水溶液をダブ
ルジェット法により7分間かけてpAg7.26に保ち
ながら添加した。次に、AgNO3108.0gを含む
水溶液600mLと等モル濃度のKBrとKIの混合水
溶液(2.0モル%のKI)をダブルジェット法により
18分30秒かけてpAg7.30に保ちながら添加し
た。この時、添加終了する5分前に0.1重量%のチオ
スルフォン酸水溶液を18.0mL添加した。通常のフ
ロキュレーション法による脱塩・水洗を行って再分散さ
せた後、40℃でpH6.2,pAg7.6に調整し
た。温度を40℃に制御した後、化合物2および増感色
素ExS−10、ExS−12を添加し、チオシアン酸
カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、ヘキサフル
オロフェニルジフェニルホスフィンセレニド、化合物F
−11、化合物3とを添加した後、68℃に昇温し、最
適に化学増感した。化学増感終了時に化合物F−2を添
加した。
【0076】この乳剤は、球相当径0.19μm、球相
当径の変動係数14%の立方体粒子であった。乳剤Em
−A〜Mのその他の乳剤は、上記乳剤Em−E、Kの調
製における温度、pH、銀電位、硝酸銀量、KI量、化
合物量、増感色素種、種乳剤量などを適宜変更すること
によって調製した。
【0077】このようにして調製した乳剤の一覧表を表
1に示す。
【表1】
【0078】塗布試料の作成 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー
感光材料である試料001を作成した。
【0079】(感光層の組成)各層に使用する素材の主
なものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー ExS:分光増感色素
UV:紫外線吸収 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 (具体的な化合物は以下の記載で、記号の次に数値が付
けられ、後ろに化学式が挙げられている)。
【0080】各成分に対応する数字は、g/m2単位で
表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については銀換算の
塗布量を示す。また、分光増感色素については同一層の
ハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモル単位で示し
た。
【0081】第1層(第1ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.070 ゼラチン 0.660 ExM−1 0.048 Cpd−2 0.001 F−8 0.001 HBS−1 0.090 HBS−2 0.010。
【0082】第2層(第2ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.090 ゼラチン 0.830 ExM−1 0.057 ExF−1 0.002 F−8 0.001 HBS−1 0.090 HBS−2 0.010。
【0083】第3層(中間層) ExC−2 0.010 Cpd−1 0.086 UV−2 0.029 UV−3 0.052 UV−4 0.011 HBS−1 0.100 ゼラチン 0.580。
【0084】第4層(低感度赤感乳剤層) Em−D 銀 0.61 Em−C 銀 0.51 ExC−1 0.222 ExC−2 0.010 ExC−3 0.072 ExC−4 0.148 ExC−5 0.005 ExC−6 0.008 ExC−8 0.071 ExC−9 0.010 ExS−1 1.4×10-3 ExS−2 6.0×10-4 ExS−3 2.0×10-5 UV−2 0.036 UV−3 0.067 UV−4 0.014 Cpd−2 0.010 Cpd−4 0.012 HBS−1 0.240 HBS−5 0.010 ゼラチン 1.630。
【0085】第5層(中感度赤感乳剤層) Em−B 銀 0.66 ExC−1 0.111 ExC−2 0.039 ExC−3 0.018 ExC−4 0.074 ExC−5 0.019 ExC−6 0.024 ExC−8 0.010 ExC−9 0.005 ExS−1 6.3×10-4 ExS−2 2.6×10-4 ExS−3 8.7×10-6 Cpd−2 0.020 Cpd−4 0.021 HBS−1 0.129 ゼラチン 0.900。
【0086】第6層(高感度赤感乳剤層) Em−A 銀 1.29 ExC−1 0.122 ExC−6 0.032 ExC−8 0.110 ExC−9 0.005 ExC−10 0.159 ExS−1 3.2×10-4 ExS−2 2.6×10-4 ExS−3 8.8×10-6 Cpd−2 0.068 Cpd−4 0.015 HBS−1 0.440 ゼラチン 1.610。
【0087】第7層(中間層) Cpd−1 0.081 Cpd−6 0.002 固体分散染料ExF−4 0.015 HBS−1 0.049 ポリエチルアクリレートラテックス 0.088 ゼラチン 0.759。
【0088】第8層(赤感層へ重層効果を与える層) Em−J 銀 0.39 Cpd−4 0.010 ExM−2 0.082 ExM−3 0.006 ExM−4 0.026 ExY−1 0.010 ExY−4 0.040 ExC−7 0.007 ExS−4 7.0×10-4 ExS−5 2.5×10-4 HBS−1 0.203 HBS−3 0.003 HBS−5 0.010 ゼラチン 0.570。
【0089】第9層(低感度緑感乳剤層) Em−H 銀 0.23 Em−G 銀 0.15 Em−I 銀 0.26 ExM−2 0.388 ExM−3 0.040 ExY−1 0.003 ExY−3 0.002 ExC−7 0.009 ExS−5 3.0×10-4 ExS−6 8.4×10-5 ExS−7 1.1×10-4 ExS−8 4.5×10-4 ExS−9 1.3×10-4 HBS−1 0.337 HBS−3 0.018 HBS−4 0.260 HBS−5 0.110 Cpd−5 0.010 ゼラチン 1.470。
【0090】第10層(中感度緑感乳剤層) Em−F 銀 0.38 ExM−2 0.084 ExM−3 0.012 ExM−4 0.005 ExY−3 0.002 ExC−6 0.003 ExC−7 0.007 ExC−8 0.008 ExS−7 1.0×10-4 ExS−8 7.1×10-4 ExS−9 2.0×10-4 HBS−1 0.096 HBS−3 0.002 HBS−5 0.002 Cpd−5 0.004 ゼラチン 0.382。
【0091】第11層(高感度緑感乳剤層) Em−E 銀 0.92 ExC−6 0.002 ExC−8 0.010 ExM−1 0.014 ExM−2 0.023 ExM−3 0.023 ExM−4 0.005 ExM−5 0.040 ExY−3 0.003 ExS−7 8.4×10-4 ExS−8 5.9×10-4 ExS−9 1.7×10-4 Cpd−3 0.004 Cpd−4 0.007 Cpd−5 0.010 HBS−1 0.259 HBS−5 0.020 ポリエチルアクリレートラテックス 0.099 ゼラチン 0.781。
【0092】第12層(イエローフィルター層) Cpd−1 0.088 固体分散染料ExF−2 0.051 固体分散染料ExF−8 0.010 HBS−1 0.049 ゼラチン 0.593。
【0093】第13層(低感度青感乳剤層) Em−N 銀 0.12 Em−M 銀 0.09 Em−L 銀 0.50 ExC−1 0.024 ExC−7 0.011 ExY−1 0.002 ExY−2 0.956 ExY−4 0.091 ExS−10 8.5×10-5 ExS−11 6.4×10-4 ExS−12 8.5×10-5 ExS−13 5.0×10-4 Cpd−2 0.037 Cpd−3 0.004 HBS−1 0.372 HBS−5 0.047 ゼラチン 2.201。
【0094】第14層(高感度青感乳剤層) Em−K 銀 1.16 ExY−2 0.235 ExY−4 0.018 ExS−10 1.5×10-4 ExS−13 2.0×10-4 Cpd−2 0.075 Cpd−3 0.001 HBS−1 0.087 ゼラチン 1.156。
【0095】第15層(第1保護層) 0.07μmの ヨウ臭化銀乳化剤 銀 0.28 UV−1 0.358 UV−2 0.179 UV−3 0.254 UV−4 0.025 F−11 0.0081 S−1 0.078 ExF−5 0.0024 ExF−6 0.0012 ExF−7 0.0010 HBS−1 0.175 HBS−4 0.050 ゼラチン 2.231。
【0096】第16層(第2保護層) H−1 0.400 B−1(直径1.7μm) 0.050 B−2(直径1.7μm) 0.150 B−3 0.050 S−1 0.200 ゼラチン 0.711。
【0097】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために、W−1ないしW−6、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉛塩、白金塩、イリジウム
塩、ロジウム塩が含有されている。
【0098】有機固体分散染料の分散物の調製第12層
のExF−2を次の方法で分散した。
【0099】 ExF−2のウエットケーキ(17.6重量%の水を含む) 2.800kg オクチルフェニルジエトキシメタンスルホン酸ナトリウム 0.376kg (31重量%水溶液) F−15(7%水溶液) 0.011kg 水 4.020kg 計 7.210kg (NaOHでpH=7.2に調整) 上記組成のスラリーをディゾルバーで攪拌して粗分散し
た後、アジテータミルLMK−4を用い、周速10m/
s、吐出量0.6kg/min、0.3mm径のジルコ
ニアビーズ充填率80%で分散液の吸光度比が0.29
になるまで分散し、固体微粒子分散物を得た。染料微粒
子の平均粒径は0.29μmであった。
【0100】同様にして、ExF−4、ExF−8の固
体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径はそれぞれ、
0.28μm、0.49μmであった。
【0101】以下、各層に用いた化合物を示す。
【化1】
【0102】
【化2】
【0103】
【化3】
【0104】
【化4】
【0105】
【化5】
【0106】
【化6】
【0107】
【化7】
【0108】
【化8】
【0109】
【化9】
【0110】
【化10】
【0111】
【化11】
【0112】
【化12】
【0113】
【化13】
【0114】
【化14】
【0115】
【化15】
【0116】このようにして作製した試料001はIS
O感度1600であった(感度の算出方法は後述す
る)。試料001に対して、第15層のExF−5、
6、7の塗布量を増やしてISO感度を1000にし、
鮮鋭度を向上させた以外は全く同様に試料002を作成
した。
【0117】レンズ付きフィルムユニットの作成 特開平8−320538号の実施例に記載の方法に倣っ
て、レンズ付きフィルムユニットA〜Hを作成した。こ
れは、基本的にフジフィルム製New写ルンですエース
800Flash27と同じ仕様の試作品であるが、装
填する写真フィルムとして、前述の試料001、002
を使う点、また、シャッタ速度、絞り、ストロボのガイ
ドナンバーは、表2に示したように調節した点が異なっ
ている。
【0118】
【表2】
【0119】試作品の評価 ISOで決められた方法に従って、試料001、002
の特性曲線を求めた。その際、露光後の潜像経時は5日
間で行ない、現像は富士写真フイルム社製自動現像機F
P−360Bを用いて以下により行った。尚、漂白浴の
オーバーフロー液を後浴へ流さず、全て廃液タンクへ排
出する様に改造を行った。このFP−360Bは発明協
会公開技法94−4992号に記載の蒸発補正手段を搭
載している。
【0120】次に、各試料の現像処理方法を示す。 (処理方法) 工程 処理時間 処理温度 補充量 タンク容量 発色現像 3分15秒 37.8℃ 20mL 17L 漂白 50秒 38℃ 5mL 5L 定着(1) 50秒 38℃ 5L 定着(2) 50秒 38℃ 8mL 5L 水洗 30秒 38℃ 17mL 3.5L 安定(1) 20秒 38℃ 3L 安定(2) 20秒 38℃ 15mL 3L 乾 燥 1分30秒 60℃ 補充量は感光材料35mm幅1.1m当たりの量であ
る。「L」は、リットルを表す。
【0121】安定液及び定着液は(2)から(1)への
向流方式であり、水洗水のオーバーフロー液は全て定着
浴(2)へ導入した。尚、現像液の漂白工程への持ち込
み量、漂白液の定着工程への持ち込み量、及び定着液の
水洗工程への持ち込み量は感光材料35mm幅1.1m
当たりそれぞれ2.5mL、2.0mL、2.0mLで
あった。また、クロスオーバーの時間はいずれも6秒で
あり、この時間は前工程の処理時間に包含される。
【0122】上記処理機の開口面積は発色現像液で10
0cm2、漂白液で120cm2、その他の処理液は約1
00cm2であった。
【0123】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 3.0 カテコール−3,5−ジスルホン酸 ジナトリウム 0.3 0.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.3 炭酸カリウム 39.0 39.0 ジナトリウム−N,N−ビス(2−スル ホナートエチル)ヒドロキシルアミン 1.5 2.0 臭化カリウム 1.3 0.3 沃化カリウム 1.3mg − 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3, 3a,7−テトラザインデン 0.05 − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ〕 アニリン硫酸塩 4.5 6.5 水を加えて 1.0L 1.0L pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.18。
【0124】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二 鉄アンモニウム一水塩 113 170 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 コハク酸 34 51 マレイン酸 28 42 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水で調整〕 4.6 4.0。
【0125】(定着(1)タンク液)上記漂白タンク液
と下記定着タンク液の5対95(容量比)混合液(pH
6.8)。
【0126】 (定着(2)) タンク液(g) 補充液(g) チオ硫酸アンモニウム水溶液 240mL 720mL (750g/L) イミダゾール 7 21 メタンチオスルホン酸アンモニウム 5 15 メタンスルフィン酸アンモニウム 10 30 エチレンジアミン四酢酸 13 39 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水、酢酸で調整〕 7.4 7.45。
【0127】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3m
g/L以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナ
トリウム20mg/Lと硫酸ナトリウム150mg/L
を添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあ
った。
【0128】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.2 (平均重合度10) 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン・ナトリウム 0.10 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1− イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5。
【0129】この特性曲線より、ISOで決められた方
法に従ってISO感度を求めた。
【0130】レンズ付きフィルムユニットを用いた実技
撮影後も、上記と同様の潜像経時、現像処理を行った
後、カラーペーパーはフジカラーFAペーパーを用い、
拡大倍率10倍で、カラーペーパーの現像処理はCP−
45Xの標準処理で行った。
【0131】以下のような条件下で実技撮影を行い(各
条件で5シーンずつ撮影した)、10名の評価者(うち
1名は本発明者)で5段階の官能評価を行い、その平均
点で評価した。数字が大きいほど、優れることを意味す
る。結果を、表3に示す。なお、撮影はすべて神奈川県
南足柄市で2000年4月に行った。
【0132】(1)晴天の日の午後2時頃(LV14)
に、遠景の風景を撮影 (2)薄曇の日の午前10時頃(LV12)に、女性モ
デルを距離2mで撮影した。
【0133】(3)薄曇の日に木陰の多いお寺の境内で
(LV8.5〜10.5)、女性モデルを使いスナップ
撮影した。この際ストロボは使わなかった。
【0134】(4)蛍光灯下の室内(LV6)で、女性
モデルを使い距離2mで、ストロボを使い撮影した。
【0135】(5)蛍光灯下の室内(LV6)で、女性
モデルを使い距離5.5mで、ストロボを使い撮影し
た。
【0136】
【表3】
【0137】結果を、本発明者が官能評価した際のコメ
ントを加えて解説する。レンズ付きフィルムユニット
A、Eは、この実施例で基準となる本発明のレンズ付き
フィルムユニットである。Aは、log2(1/T)−log2
(0.3×S)を本発明の範囲内にし、特に日中の撮影に
おいて絞り込むことにより、今までのレンズ付きフィル
ムでは考えられなかった、シャープな写真を提供するこ
とを意図したものである。
【0138】また、Eは、明るい日中撮影のシャープネ
スはそこそこに保ちながら、暗い屋外撮影および屋内の
ストロボ撮影に特長を持たせた物である。すなわち、従
来のレンズ付きフィルムの、感度不足、ストロボ到達距
離の不足を補い、それのみならず、ストロボガイドNo
を下げることにより、ストロボ撮影時に周囲が黒くつぶ
れて不自然な仕上がりになる事の低減を計ると同時に、
ユニットの小サイズ化、低コスト化を図った設計を行っ
た物である。
【0139】これに対して、装填するフィルムとして
(フィルムとしての適性露光時の鮮鋭度は高いが)感度
が相対的に低い物を用いた物が、その他の試作フィルム
ユニットである。B、Fは、フィルムの感度が低い分、
絞り値を変更することにより、フィルムユニットとして
のシステム感度を一定にした物、同様にシャッタ速度を
調節した物が、D、Hである。また、フィルム感度分そ
のままシステム感度を下げたままにした物が、C、Gで
ある。結果として、表2から明らかなように、D、Hは
本発明の範囲内であり、B、C、F、Gは範囲外であ
る。
【0140】シーン(1)の撮影は、どのフィルムユニ
ットも充分な感度を持つ明るさであるため、評価点は、
絞り値とほぼ完全に対応していると言える。特筆すべき
は、フィルムの鮮鋭度が高い物を使うよりも、絞りの効
果の方が大きいことである。これは、AとBの比較、E
とFとの比較でわかる。
【0141】シーン(2)の撮影の評価結果は、(1)
ほどすっきり説明できないが、シーン(1)と同じ効果
に、システム感度が低いC、Gがややアンダー気味で評
価点を落としている事が付け加わった結果と考えてい
る。
【0142】シーン(3)は、同様のシャープネスの効
果もあるが、フィルムユニットとしてのシステム感度が
最も支配的に評価点を決めた結果と考えられる。システ
ム感度がもっとも高い、E、F、Hの中でも、より絞り
値の大きい本発明のE、H、その中でも、シャッタ速度
の速いEが最も評価点が高いのは、よりシャープな写真
が得られている結果であり、本発明の効果が端的に表れ
ていると考える。
【0143】シーン(4)は全体に評価点が高くどのユ
ニットでもそれなりの写真が得られてはいるが、特にシ
ステム感度が高い、E〜Hでは、周囲が黒くつぶれて不
自然な仕上がりになる現象が見られず、背景がちゃんと
描写された自然な仕上がりの写真が多かった。また、そ
れ以外の評価点の差は、本発明の主たる狙いである鮮鋭
度の差が出ているものと信じている。
【0144】シーン(5)の撮影は、ストロボの到達距
離の差が最も支配的なシーンである。
【0145】以上の個々のシーンの説明、および、表3
に示した、各シーンの合計点を見れば、本発明の有用性
は明らかである。
【0146】実施例2 実施例1において、支持体を三酢酸セルロースフィルム
の代わりに、米国特許第597,682号の実施例1の
試料001、002に使用されている支持体を用い13
5フォーマットの代わりにAPSフォーマットを用い
て、類似の実験を行い、同様の結果を得た。
【0147】実施例3 本実施例は、被写体光量に応じた光量信号を出力する測
光手段と、光量信号に応じてフィルムへの露光量を変化
させる調節機構を備える本発明のレンズ付きフィルムユ
ニットの有用性を示すためのものである。
【0148】実施例1の表3の結果を吟味すれば明らか
なように、シーン(1)、(2)ではフィルムユニット
A、D、シーン(3)、(4)、(5)ではフィルムユ
ニットE、Hを使えば、最も理想的な写真が得られるこ
とは明らかである。これを実現するための発明が請求項
6であり、本実施例にて具体例を示す。
【0149】実施例2において、被写体光量に応じた光
量信号を出力する測光手段と、前記光量信号に応じて前
記フィルムへの露光量を変化させる調節機構を備えた下
記のレンズ付きフィルムユニットに試料001、002
を装填して同様の評価を行った。ただし、その際、レン
ズ付きフィルムユニットの仕様は後述するように表4の
ようになるようにした。
【0150】レンズ付きフィルムユニット11の外観を示
す図2において、レンズ付きフィルムユニット11は、そ
の前面に、ファインダ対物窓12、撮影レンズ13を露呈す
る撮影窓14、ストロボ発光窓16が設けられている。撮影
レンズ13としては、本実施例ではFナンバー=8.0あ
るいは6.4のものを用いる。ストロボ発光窓16の下方
には、ストロボ充電スイッチ17がスライド自在に設けら
れている。このストロボ充電スイッチ17をスライドさせ
ると、ストロボ充電が開始される。
【0151】ストロボ充電スイッチ17の横には、太陽電
池18が取り付けられている。この太陽電池18は、被写体
光量に応じて、絞り調節を行うための測光手段であり、
本体に内蔵されたアナログメータ(後述57)に接続されて
いる太陽電池18は、例えば、アモルファスシリコン型の
ものが使用されており、受光量に応じて起電力を発生
し、この起電力によってアナログメータを駆動する。
【0152】太陽電池18の受光面は、撮影レンズ13から
ストロボ発光窓16よりでかつ、ストロボ発光窓16の中心
線(図中一点鎖線で示す)から撮影レンズ13よりに配置さ
れている。これにより、レンズ付きフィルムユニット11
本体を保持する指が、太陽電池18の受光面を遮ってしま
うことを防止している。また、この受光面をレンズ付き
フィルムユニット11本体の前面に配置することにより、
被写体光が撮影レンズ13に入射する向きと同じ方向で測
光できるので、被写体光量が正確に測定される。
【0153】レンズ付きフィルムユニット11の上面には
シャッタボタン21、フイルムカウンタ窓22、充電完了表
示窓23が設けられており、背面には、巻き上げノブ24
と、ファインダ接眼窓(図3の符号26参照)とが設けられ
ている。
【0154】図3に示すように、レンズ付きフィルムユ
ニット11は、中央に露光部29及びストロボ装置31が設け
られた本体基部32と、その前後に被せられる前カバー33
及び後カバー34とから構成されるユニット本体と、カー
トリッジ36及びカートリッジ36から引き出してロール形
態にした写真フィルム37とからなる。
【0155】カートリッジ36及び写真フィルム37は、本
体基部32に形成されたカートリッジ収納室32a、フィル
ム収納室32bにそれぞれレンズ付きフィルムユニット11
の製造時点で予め組み込まれる。後カバー34の下方に
は、カートリッジ収納室32a、フィルム収納室32bの底部
開口を光密に覆う底蓋34a、34bが一体に形成されてい
る。底蓋34aは、撮影済みの写真フィルム37が巻き込ま
れたカートリッジ36を取り出すときに開放される。
【0156】巻き上げノブ24は、カートリッジ収納室32
aの上部に取り付けられており、その下面に一体に形成
された巻上げ軸がカートリッジ36のスプールに係合す
る。撮影ごとに巻上げノブ24を回動操作することによっ
て、撮影済みの写真フィルム37は1コマ分ずつカートリ
ッジ36に巻き込まれる。このフィルム1コマ巻上げに連
動して、露光部29に組み込まれたシャッタ機構が次回の
撮影のためにチャージされ、さらにフィルム1コマ給送
が完了すると露光部29に組み込まれたロックレバーによ
って巻上げノブ24の回動がロックされる。
【0157】ストロボ装置31は、メインコンデンサ39、
シンクロスイッチ41、ストロボ発光制御スイッチ42、昇
圧コイルなどの回路部品を取り付けた回路基板43と、ス
トロボ放電管やリフレクタ等を含む発光部46と、電源電
池47とからなる。発光部46は、ストロボ発光窓16から外
部に露呈される。回路基板43には、回路パターンがプリ
ントされるとともに、各種回路素子が取り付けられてス
トロボ回路が形成されている鉋回路基板43の前面には、
ストロボ発光制御スイッチ42の他、充電スイッチ接片44
と、その前方にストロボスイッチ17を支持する支持板48
が取り付けられる。
【0158】充電スイッチ接片44は、メインコンデンサ
39への充電を開始するためのもので、ストロボスイッチ
17のスライドによりオン/オフが行われる。シンクロス
イッチ41は、ストロボ回路にトリガ信号を送ってストロ
ボ発光させるためのもので、シャッタボタン21の押下に
同期して作動する。ストロボ発光制御スイッチ42は、被
写体光量に応じてストロボ発光のオン/オフを制御する
ためのもので、カム板51に連動して切り換えられる。
【0159】露光部29は、前方に向かって角筒状に突出
した暗箱基部52をベ一スにして、シャッタ機構及び巻き
上げ機構の他、ファインダ機構が組み付けられている。
暗箱基部52の背面には、露光枠が形成されており、撮影
位置に送られてきた写真フィルム37の前面で1コマ分の
露光範囲を制限する。
【0160】図4に示すように、暗箱基部52の前面に
は、シャッタ開口52aが形成されており、その前方に、
シャッタ羽根53と、一対の絞り板54、55と、これらを覆
うシャッタカバー56とが取り付けられる。シャッタカバ
ー56には、撮影レンズ13が組み込まれている、暗箱基部
52の上面には、カム板51との連動により、各絞り板54、
55の移動量を調節するアナログメータ57が取り付けられ
る。アナログメータ57は、コイルと磁石とからなる周知
の電流計であり、供給される電流の大きさによって針57
aの振れ量が変化する。アナログメータ57は、太陽電池1
8と接続されて電流の供給を受ける。カム板51は、この
針57aと係合することにより、該針57aの振れ量に応じて
移動量が決定される。
【0161】シャッタ羽根53は、周知の蹴飛ばし式のも
ので、羽根部53aとその上方に延びた取付部53bとからな
る。取付部53bが暗箱基部52の前面に形成されたピンと
係合し、このピンを中心軸として、シャッタ開口52aを
閉じる閉じ位置と該開口52aを開放する開き位置との間
で、回動自在に取り付けられる取付部53bと暗箱基部52
との間には、バネ58がかけられており、シャッタ羽根53
は、このバネ58によって閉じ位置方向に付勢される。
【0162】シャッタボタン21が押下されると、その下
方に延設された蹴飛ばし部21aが、レリーズレバー59を
抑圧する。レリーズレバ−59が抑圧されると、シャッタ
チャージが解放されて、蹴飛ばしレバー60が取付部53b
の頭部を蹴飛ばす。これにより、羽根部53aが回動し、
シャッタ開口52aが開閉される。また、取付部53bには、
抑圧部53cが設けられている。この抑圧部53cは、シャッ
タ開閉に連動してストロボ発光させるためのもので、シ
ャッタ羽根53が全開位置にきた時に、シンクロスイッチ
41を押圧して、これをオンする。
【0163】絞り板54、55は、その下方に略半円形状の
切り欠きが形成され、それらが向き合うように設けられ
る。絞り板54、55は、それぞれに形成された穴54a、55a
が暗箱基部52に設けられたピンと係合して、回動自在に
取り付けられる。この回動により絞り板54、55が互いに
重なり合うことで、切り欠きが絞り開口を形成し、重な
り合いの程度によって絞り開口の大きさが調節される。
【0164】また、絞り板54、55には、長穴54b、55bが
それぞれ設けられている。絞り板54、55は、この長穴54
b、55bにカム板51に設けられた作動ピン58が押通される
ことにより、カム板51と連動する。また、絞り板54には
規制ピン54cが設けられている。この規制ピン54cは、絞
り板55の回動を規制するためのもので、絞り板54、55の
かみ合わせの誤差などにより、絞り開口が全閉すること
がないようにしている。
【0165】カム板51は、絞り板54、55を回動させるた
めのものである。その素材としては、弾性を有する薄い
プラスチック等で形成される。カム板51は、穴51aが本
体基部32に設けられたピン61と係合することにより、回
動自在に支持される。カム板51の上面には、階段状にカ
ム面51bが形成されている。カム板51が、正面から見て
時計方向に回動すると、カム面51bと針57aとが当接す
る。このカム面51bは高い面と低い面の2段に形成されて
おり、針57aがこれらのいずれの面と当接することによ
って、カム板51の移動量も2段階に変化する。
【0166】針57aの上方には、カム面51bと対向するよ
うに、規制面62がファインダ枠と一体に設けられてい
る。この規制面62が、カム面51bを針57aに押しあてなが
ら回動するカム板51の回動を規制する。また、この規制
面62は、カム面51bに押しあてられた針57aを、カム面51
bと共同して挟み込むことにより、針57aの位置を固定す
る。
【0167】カム面51bは、正面から見て、左側が低く
形成されている。このため、針47aの振れ量が小さい時
には、カム板51の回動量は小さく、針47aの振れ量が大
きい時には、カム板51の回動量も大きくなる。カム板51
の回動量の変化に応じて、作動ピン58の移動量も変化す
るので、絞り板54、55の移動量も変化する。これによ
り、被写体光量に応じて絞り開口の大きさが調節され
る。
【0168】カム板51の回動は、シャッタボタン21に連
動して行われる。このため、カム板51の一端には、蹴飛
ばし部21aに向かって延びる連動レバー63が形成されて
いる。この連動レバー63は、蹴飛ばし部21aに設けられ
た突部21bと係合するように配置される。シャッタボタ
ン21が押下されると、突部21bによって、連動レバー63
が押し上げられて、カム板51が時計方向に回動する。こ
のように、絞り板54、55は、シャッタボタン21を押す力
で作動する。このため、絞り板54、55を作動させるため
の、電源は不要となる。
【0169】ストロボ回路の例を示す図5において、ス
トロボ回路は、充電スイッチ接片44がONすると、発振ト
ランジスタ66が導通して昇圧コイル67が作動する。昇圧
コイル67から得られる二次電流によってメインコンデン
サ39とトリガコンデンサ68に充電が行われ、メインコン
デンサ39が規定の充電レベルに達するとネオン管69が点
灯する。シャッタ羽根53の開放によりシンクロスイッチ
41がONすると、トリガコンデンサ68の放電によりトリガ
コイル71の一次側に電流が流れ、その二次側に接続され
たトリガ電極72に高電圧が発生する。これによりメイン
コンデンサ39に蓄えられていた電荷がストロボ放電管73
を通して放電され、ストロボ発光する。
【0170】ストロボ発光制御スイッチ42は、トリガコ
ンデンサ68からトリガコイル71への電流の供給路上に設
けられている。ストロボ発光制御スイッチ42がオンの時
には、トリガコイル71へ電流が供給されてストロボ発光
する。他方、ストロボ発光制御スイッチ42がオフされて
いる時には、シンクロスイッチ41がオンしても、トリガ
コイル71へ電流部供給されないのでストロボ発光が禁止
される。
【0171】以下、上記構成による作用について図1を
参照しながら説明する。まず、図1(A)に示すように、
被写体光量が少ない場合には、針57aの振れ量は少な
く、針57aは、カム面51bの高い面との対向位置にある。
この状態で、シャッタボタン21が手押しされると、突部
21bが連動レバー63を押し上げる。これにより、カム板5
1が反時計方向に回動する。カム板51が回動すると、作
動ピン58が上方に移動して絞り板54、55が互いに近づく
方向に回動して、絞り開口が形成される。
【0172】カム板51の回動は、カム面51bが針57aと当
接して、この針57aを規制面62に押し当てたところで止
まる。カム板51の回動量は少ないので、絞り開口は大径
になる。
【0173】この時、針57aは、カム面51bと規制面62と
に挟みこまれて、その位置で固定される。このため、シ
ャッタボタン21が全押しされて、シャッタが作動するま
での間、被写体光量が変化しても、針57aの位置が変化
することはない。したがって、シャッタ作動中に、絞り
開口の径が変化してしまうようなことはない。
【0174】この状態で、さらに、シャッタボタン21が
押し込まれると図1中二点鎖線で示すように、連動レバ
ー63は、突部21bによってさらに抑圧を受け、弾性変形
する。この弾性変形により、シャッタボタン21の全押し
が許容される。シャッタボタン21が全押しされると、蹴
飛ばし部21aから抑圧を受けて、レリーズレバー59が解
放され、シャッタ羽根53が開閉する。
【0175】シャッタ羽根53が開閉すると、シンクロス
イッチ41がオンされて、メインコンデンサ39が充電され
ている場合には、ストロボ発光が行われる。撮影レンズ
13から入射した被写体光は、絞り開口を通って、写真フ
ィルム37に結像する。絞り開口が大径になっているか
ら、適正な露光量を得ることができる。シャッタボタン
21から手を離すと、連動レバー63から蹴飛ばし部21aが
離れて、カム板51が、自重により反時計方向に回動して
初期位置に復帰する。
【0176】次に、被写体光量が多い場合には、図1
(B)に示すように、針57aは、その振れ量が大きくなり、
カム面51bの低い面と対向する位置にくる。この状態
で、シャッタボタン21が手押しされると突部21bが連動
レバー63を押し上げ、カム板51は、カム面51bが針57aを
規制面62に押し当てるまで回動する。この時、カム板51
の回動量が大きいので、作動ピン58の移動量も増加し、
絞り板54、55の回動量も大きくなる。このため、絞り開
口が小径になるように調節される。
【0177】この状態で、さらに、シャッタボタン21が
押し込まれると、図中二点鎖線で示すように、連動レバ
ー63が弾性変形し、シャッタボタン21の全押しが許容さ
れる。シャッタボタン21が全押しされ、シャッタ羽根53
が開閉すると、シンクロスイッチ41がオンされる、撮影
レンズ13から入射した被写体光は、絞り開口を通って、
写真フィルム37に結像する。絞り開口が小径に調節され
ているから、適正な露光量を得ることができる。
【0178】上記の例においては、測光手段として、太
陽電池を使用した例で説明したが、太陽電池でなくとも
よく、光導電素子を使用してもよい。光導電素子として
は、例えば、CdSやフォトダイオードなどが使用され
る。
【0179】表4に示す仕様でフィルムユニットI〜L
を作成し、実施例1と全く同様の評価を行った。結果を
表5に示す。
【0180】
【表4】
【0181】
【表5】
【0182】実施例1の結果から容易に類推できるよう
に、どのシーンでも非常に高い評価結果となり、また、
本発明のユニットI、Lが比較例J、Kよりも優れてい
ることも明らかである。
【0183】実施例4 本実施例は請求項2、3、4の有用性を示すための物で
ある。なお、本実施例のフィルムユニットはすべて本発
明の請求項1の範囲内のものである。実施例1に記載の
フィルムユニットAに対して、装填する写真フィルム0
01を以下に示すように変更した402〜407に変更
してA2〜A7を作成した。
【0184】試料001に対して、赤感性、緑感性、青
感性乳剤層各々の2層以上の乳剤層の中の最高感層、第
6層、第11層、第14層の銀の含有量と使用する乳剤
のみを表6に示すように変更して試料402〜407を
作成した。
【0185】
【表6】
【0186】実施例1と同様にシーン(1)とシーン
(4)の2シーンで評価し結果を表7に示す。
【0187】
【表7】
【0188】A2、A3とAとの比較から粒子ナンバー
の効果、A4、A5とAとの比較から最高感層の銀の含
有量の効果、A6、A7とAとの比較から最高感層の銀
含有量の総和の効果は明らかである。A2、A3はシー
ン(1)での遠景のシャープネスのみならず、シーン(4)
での背景描写に難があり低い評価点になっていると考え
られる。また、A4、A5は特にシーン(1)での遠景の
シャープネスの悪化が大きかった。A6、A7は、両シ
ーンともやや眠たい感じのさえない仕上がりであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】絞り調節機構の作動状態を示す説明図である。
【図2】図1の絞り調節機構を内蔵したレンズ付きフィ
ルムユニットの全体斜視図である。
【図3】図1のレンズ付きフィルムユニットの分解斜視
図である。
【図4】絞り調節機構の要部を示す分解斜視図である。
【図5】測光手段として太陽電池を使用した場合のスト
ロボ回路を示す回路図である。
【符号の説明】
11…レンズ付きフィルムユニット 18…太陽電池 21…シャッタボタン 42…ストロボ発光禁止スイッチ 51…カム板 54、55…絞り板 57…アナログメータ 57a…針
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/035 G03C 1/035 K G 1/74 1/74 3/00 575 3/00 575Z 599 599A 7/00 510 7/00 510

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズとシャッタ装置と絞りとを有
    した撮影機構を備え、予め未露光の写真フィルムが装填
    されたレンズ付きフイルムユニットにおいて、 前記シャッタ装置のシャッタ速度をT秒、前記写真フィ
    ルムのISO感度をSとしたときに、T及びSが log2(1/T)−log2(0.3×S)<−1.7 の条件式を満たすことを特徴とするレンズ付きフイルム
    ユニット。
  2. 【請求項2】 該未露光の写真フィルムが、支持体上に
    各々感度の異なる2層以上の青感性ハロゲン化銀乳剤
    層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀乳
    剤層を有し、該青感性、緑感性、赤感性乳剤層各々の2
    層以上の乳剤層の中の最高感層に含有されるハロゲン化
    銀乳剤が含有する粒子の全投影面積の60%以上が、ア
    スペクト比5.0以上の平板状粒子によって占められて
    おり、かつ、該最高感度層に含有されるハロゲン化銀乳
    剤について、下記式(I)で示される粒子ナンバーが
    1.00以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    レンズ付きフィルムユニット。 (粒子ナンバー)=AH/(Dc 2×Th) (I) ここで、 AH :最高感層中に含有されるハロゲン化銀の銀換算
    における銀塗布量(g/m2) Dc :最高感層中に含有される平板状粒子の平均円相
    当直径(μm) Th :最高感層中に含有される平板状粒子の平均厚み
    (μm) である。ただし、上記アスペクト比及び粒子ナンバーに
    ついての規定は、該最高感層が、別々の製造工程を経て
    調製された複数のハロゲン化銀乳剤であって、各乳剤が
    含有するハロゲン化銀粒子の平均球相当直径が互いに異
    なるものを含有する場合、最大の平均球相当直径を有す
    る乳剤について満足すればよい。
  3. 【請求項3】 該未露光の写真フィルムが、支持体上に
    各々感度の異なる2層以上の青感性ハロゲン化銀乳剤
    層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀乳
    剤層を有し、同一感色性の2層以上の乳剤層のうちの最
    高感層の銀の含有量が全て0.3g/m2以上1.3g
    /m2以下であり、かつ同一の感色性の2層以上の乳剤
    層の中の最高感層のうち少なくとも2層に含まれるハロ
    ゲン化銀粒子の全投影面積の60%以上が、アスペクト
    比5.0以上の平板状粒子によって占められていること
    を特徴とする請求項1に記載のレンズ付きフィルムユニ
    ット。
  4. 【請求項4】 該未露光の写真フィルムが、支持体上に
    各々感度の異なる2層以上の青感性ハロゲン化銀乳剤
    層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、赤感性ハロゲン化銀乳
    剤層を有し、同一感色性の2層以上の乳剤層のうちの最
    高感乳剤層の銀の含有量の総和が1.5g/m2以上
    3.5g/m2以下であり、かつ同一の感色性の2層以
    上の乳剤層の中の最高感層のうち少なくとも2層に含ま
    れるハロゲン化銀粒子の全投影面積の60%以上が、ア
    スペクト比5.0以上の平板状粒子によって占められて
    いることを特徴とする請求項1に記載のレンズ付きフィ
    ルムユニット。
  5. 【請求項5】 該平板状ハロゲン化銀粒子が、 (a)平均ヨウ化銀含有率が2モル%以上10モル%以
    下、かつ (b)表面ヨウ化銀含有率が1モル%以上4モル%以
    下、かつ (c)1粒子当たり10本以上の転位線を有する、 平板状粒子であることを特徴とする請求項2〜4のいず
    れか1項に記載のレンズ付きフィルムユニット。
  6. 【請求項6】 被写体光量に応じた光量信号を出力する
    測光手段と、前記光量信号に応じて前記フイルムへの露
    光量を変化させる調節機構を備えることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1項に記載のレンズ付きフィルム
    ユニット。
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