JPH09230558A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及びそのための現像処理装置 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及びそのための現像処理装置

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JPH09230558A
JPH09230558A JP8058458A JP5845896A JPH09230558A JP H09230558 A JPH09230558 A JP H09230558A JP 8058458 A JP8058458 A JP 8058458A JP 5845896 A JP5845896 A JP 5845896A JP H09230558 A JPH09230558 A JP H09230558A
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JP
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sensitive material
photosensitive material
roller
layer
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JP8058458A
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English (en)
Inventor
Naoki Arai
直樹 新井
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ローラ対遮蔽手段を持つ複数タンク構成の処
理において、優れた写真性能を有し搬送性を損なわず、
キズの発生の少ないハロゲン化銀カラー写真感材の処理
方法を提供する。 【解決手段】 感光材料の搬送方向に沿って設けられ、
現像能を有する処理液、脱銀能を有する処理液、水洗及
び/又は安定化処理液がそれぞれ貯留している複数の処
理槽を有するハロゲン化銀写真感材処理装置の処理槽中
に感材を浸漬して処理する。該処理装置は、仕切り部を
備えている。その仕切り部は、処理槽(24、26等)
の間を仕切ると共に前記感材が通過可能な開口を囲む仕
切り兼包囲部(18、60等)と、開口の近傍に設けら
れ前記開口を通過する感材と接触することにより感材に
搬送力を付与可能なローラ対(54、56等)と、ロ−
ラ対と仕切り兼包囲部との隙間を遮蔽する遮蔽手段(7
4、76等)とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像露光されたハ
ロゲン化銀写真感光材料(以下、「感材」と略する)を
処理液に浸漬して処理する感材処理処理方法及びそれに
用いる処理装置に関し、より詳細には、感材を互いに隣
接する処理槽の間の仕切りの間を通過させて下流側の処
理槽へ送る搬送路において、ローラの周囲にシール構造
を有する処理装置での処理に適性を有する感材を用いる
感材の処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像露光されたフィルム等の感材を処理
する感材処理装置、例えば自動現像装置では、発色現像
液、漂白定着液、水洗水等の処理液で順次処理した後乾
燥処理する。このような自動現像装置では、互いに隣接
する処理槽の間で上流側の処理槽から空気中に引き出し
た感材を下流側の処理槽へ送り込むようにしたものが一
般的であり、感材を互いに隣接する処理槽の間で空気中
に引き出すことにより互いに隣接する処理槽間の処理液
が混じり合うのを防止している。
【0003】一方、感材を処理液中から引出したときに
は、実質的に処理液による感材の処理が行われいない。
このため、感材の処理時間の短縮を図るために、上流側
の処理槽から下流側の処理槽へ直接感材を送り込むよう
に搬送路を構成した自動現像装置が種々提案されてい
る。
【0004】このような自動現像装置では、フィルムを
通過させる開口によって上流側の処理液と下流側の処理
液とがこの間仕切りに設けた開口から流れ込んで混じり
合うのを防止するためにブレードを設けて、このブレー
ドを押し広げて感材を通過させるようにしたものがあ
る。しかし、ブレードを設けた場合、このブレードが感
材を通過させるときの抵抗となって、感材の搬送性が損
なわれてしまう。
【0005】このような問題を解消するには、開口に一
対のローラを配置すると共に、ローラの周面と開口との
間をブレードによって閉塞し、このローラ対によって感
材を挟持しながら送り出すことで可能となる。
【0006】しかし、ローラ対とブレードによって開口
を閉塞しても、ローラの端面とこのローラを支持する側
板との隙間から処理液が混じり合ってしまう。
【0007】上記事実を考慮して、感材を、液外を通過
させずに搬送性を損なうことなく搬送し、しかも回転す
るローラの周囲をシールして処理液の混じり合いや、漏
出が低減可能なローラ対遮蔽手段を設けた処理装置が知
られている。しかし、このローラ対の圧力の強弱に対応
して、上流と下流の処理液の混じり合い方が少なくなっ
たり多くなったりすることや、感材の搬送性が変化する
ことが知られている。処理液の混じり合い方をより少な
くし、かつ感材の搬送性(主に、キズのつき難さ、ジャ
ミングのし難さ)をより確実に確保することが望まれて
いる。
【0008】ところで、従来、感材においては、撮影時
やプリント時に各種の情報を入力したり出力したりする
ことは殆ど不可能であり、わずかに光学的に撮影日時を
入力/出力できるのみであった。しかし、特開平4−6
8336、特開平4−73737、或いは特開平5−8
8283号明細書に開示されているように、感材に透明
磁気記録層を全面に付与することにより、撮影の日時、
天候、縮小/拡大比などの撮影条件、再プリント枚数、
ズームしたい箇所、メッセ−ジ、および、現像、プリン
ト条件などを感材に入力可能となる。またテレビ/ビデ
オなどの映像機器への入力時においても、各種情報が提
供できようになり、将来有望な方法である。
【0009】他方、こういった感材の処理方法において
は、一般にカラー現像、脱銀、水洗及び安定処理が施さ
れる。昨今、ミニラボのような店頭での処理が普及する
につれて、仕上がり時間の短納期化および廃液量の低減
に対する要求が高まりつつある。従って、前記各処理工
程の短縮化と低補充化が各種検討されている。しかし、
前記のローラ対遮蔽手段を複数タンク構成(例えば3タ
ンク構成)の水洗及び又は安定工程に適用し、水洗及び
又は安定工程の合計処理時間を25秒〜60秒の迅速処
理や、水洗及び又は安定工程の合計補充量が少ない条件
でランニング処理を行った場合には、ランニング前後の
イエローの最小濃度変化が大きく、また、磁気記録性能
が劣化してしまい(S/N比の悪化)、満足な情報提供
ができないこと、処理液中の該搬送ローラによる搬送不
良(いわゆるジャミング)の発生、およびフィルム表面
へのキズの発生が判明した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ローラ対遮蔽手段を持つ複数タンク構成の処理にお
いて、優れた写真性能を有し搬送性を損なわず、キズの
発生の少ない感材の処理方法を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、感材として磁気記録層を有す
るものを使用した場合には、磁気記録された情報のS/
N比を劣化させることなく、上記の利点を発揮可能な感
材の処理方法を提供することにある。更に、本発明の他
の目的は、そのような処理方法に好適に利用可能な処理
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めには、改良された感材を上記のローラ対遮蔽手段を設
けた処理装置に関する技術に組み合わせることが効果的
であることがわかった。即ち、上記の課題は下記の処理
方法を用いることにより解決されることを見出した。 (1) 感材、即ち、ハロゲン化銀カラー写真感光材料
の搬送方向に沿って設けられ、現像能を有する処理液が
貯留している処理槽、脱銀能を有する処理液が貯留して
いる処理槽、水洗及び/又は安定化処理液が貯留してい
る処理槽を少なくとも有する感材現像処理装置の処理槽
中に感材を浸漬して処理する感材の処理方法において、
該処理装置として、隣接する処理槽の少なくとも1カ所
がローラ対にて感材の通過を可能にした仕切り部を備え
ており、その仕切り部は、処理槽の間を仕切ると共に前
記感材が通過可能な開口を囲む仕切り兼包囲部と、開口
の近傍に設けられ前記開口を通過する感材と接触するこ
とにより感材に搬送力を付与可能なローラ対と、ロ−ラ
対と仕切り兼包囲部との隙間を遮蔽する遮蔽手段とを有
する処理装置を利用し、前記感材として、ポリオルガノ
シロキサン、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル、
高級脂肪酸アミド、及び高級脂肪酸金属塩の少なくとも
1つを最外層の一方又は両方に含有する感材を用いるこ
とを特徴とする感材の処理方法。 (2) 前記仕切り部は、処理槽の間を仕切ると共に、
前記感材が通過可能な開口が設けられた間仕切りと、前
記間仕切りの開口近傍から突設された一対の側板と、前
記一対の側板に掛け渡され前記開口を通過する感材と接
触することにより感材に搬送力を付与可能なローラと、
前記ローラの上面及び下面と前記間仕切りの開口周縁と
の間を閉塞して処理液の流れを防止する第1の遮蔽手段
と、前記ローラの端面と前記一対の側板のそれぞれの間
に設けられ、側板とローラ端面との間を閉塞して処理液
の流れを防止する第2の遮蔽手段を有する処理装置であ
る(1)に記載の感材の処理方法。 (3) 前記水洗及び/又は安定化処理液による処理と
して、前記水洗処理液による処理のみ、安定化処理液に
よる処理のみ、又はその両方の処理のいずれを行う場合
にも、合計の処理時間が、25秒〜60秒である(1)
又は(2)に記載の感材の処理方法。 (4) 前記水洗及び/又は安定化処理液による処理と
して、前記水洗処理液による処理のみ、安定化処理液に
よる処理のみ、又はその両方の処理のいずれを行う場合
にも、合計の補充量が、感材1m2 当たり200〜80
0mLである請求項(1)ないし(3)のいずれかに記
載の感材の処理方法。 (5) 該感材が、支持体上の乳剤層側にそれぞれ少な
くとも1層の赤感層、緑感層及び青感層を有し、かつ支
持体上の乳剤層側とは反対側に磁性体粒子を含有する磁
気記録層を有する(1)ないし(4)のいずれかに記載
のハロゲン化銀カラー写真感材の処理方法。
【0012】ローラ対遮蔽手段を複数の水洗及び又は安
定処理槽に適用した現像処理機を用い、高級脂肪酸と高
級アルコールのエステル、ポリオルガノシロキサン、高
級脂肪酸アミド及び高級脂肪酸金属塩の少なくとも1つ
の化合物要因を変化させた感材のランニング処理を行
い、感材の搬送性とキズのつき易さ、諸写真性能を評価
したところ、搬送性が向上し、キズがつきにくく、ま
た、イエローの最小濃度変化が小さいなど、諸写真性能
の出力は良好であった。かくして、上記(1)の本発明
が完成された。上記(2)では、1つの好ましい処理装
置が使用されている。上記(3)〜(4)の中に規定さ
れている条件を利用すると、特にフィルム表面のキズの
発生、ジャミングの発生が少ない。このことから、本発
明は、特に、迅速処理に好適であることがわかる。上記
(5)は、磁気記録層を利用した感材を利用した場合で
あり、この場合も、上記特定の化合物とが最外層に含ま
れると、搬送性がよく、諸写真性能の出力も良好であ
る。特に、その最外層が磁気記録層が設けられた側に存
在する場合、磁気記録された情報のS/N比を劣化させ
ることもない。この(5)の態様と、(3)、(4)の
形態が組み合わさると、特に優れた写真性能、磁気特性
を発揮する。
【0013】上記処理方法に利用できる感材処理装置
は、以下の装置である。即ち、 (6) 感材が搬送可能に設置され、その搬送方向に沿
って設けられた、現像能を有する処理液を入れる処理
槽、脱銀能を有する処理液を入れる処理槽、水洗及び/
又は安定化処理液を入れる処理槽を少なくとも有しそれ
らの処理槽中に感材を浸漬して処理可能な、複数の隣接
する処理槽を有する感材処理装置において、当該該処理
装置は、隣接する処理槽の少なくとも1カ所がローラ対
にて感材の通過を可能にした仕切り部を備えており、そ
の仕切り部は、処理槽の間を仕切ると共に前記感材が通
過可能な開口を囲む仕切り兼包囲部と、開口に近接して
設けられ前記開口を通過する感材と接触することにより
感材に搬送力を付与可能なローラ対と、ロ−ラ対と仕切
り兼包囲部との隙間を遮蔽するシール構造体とを有し、
前記感材は、ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸と高
級アルコールのエステル、高級脂肪酸アミド、及び高級
脂肪酸金属塩の少なくとも1つを最外層の一方又は両方
に含有する感材であることを特徴とする感材処理装置で
ある。特に、前記水洗及び/又は安定化処理液を入れる
処理槽が、前記水洗処理液による処理槽のみ、安定化処
理液による処理槽のみ、又はその両方の処理槽のいずれ
の場合にも、感光材料の線速度を5mm/秒以上、20秒
以下とする搬送手段が設けられている上記(6)のハロ
ゲン化銀写真感光材料処理装置が好ましい。
【0014】なお、本発明では、現像能を有する処理液
は、一般の現像主液を含有した現像液(例えば、カラー
現像液)の他、いわゆるアクチベーター液(感光材料に
現像液を内蔵させておく方式で用いる高pHの処理液)
も含む。本発明において、シール構造を用いたローラ
は、どの処理工程に用いてもよいが、最も好ましくは複
数の水洗槽の間、複数の安定化槽の間、水洗槽と安定化
槽との間に用いられる。また、脱銀能を有する槽(例え
ば、定着槽)と水洗/安定化槽との間に設けてもよい。
更に、他の工程に設けてもよい。上記の方式は、処理液
中感材を搬送することができ、迅速処理適性から好まし
く、槽間において空気中に一度出す必要がないため、処
理適性の観点からも好ましいことである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。本発明の処理方法では、処理装置として、隣接する
処理槽の少なくとも1カ所がローラ対にて感材の通過を
可能にした仕切り部を備えており、その仕切り部は、処
理槽の間を仕切ると共に前記感材が通過可能な開口を囲
む仕切り兼包囲部と、開口に近接して設けられ、前記開
口を通過する感材と接触することにより感材に搬送力を
付与可能なローラ対と、ロ−ラ対と仕切り兼包囲部との
隙間を遮蔽するローラ対遮蔽手段と、を有する処理装置
を利用する。そのローラ対は、例えば、一対の側板の間
に掛け渡される。好ましくは、上記ローラ対遮蔽手段
は、一対の側板の間に掛け渡された回転するローラの周
囲をシールするローラ周囲の遮蔽手段であって、それぞ
れの一辺がローラの周面の上下に当接させ、それぞれの
一辺の両端を前記一対の側板に当接させて掛け渡した第
1の遮蔽手段と、前記ローラの端面に沿って前記第1の
遮蔽手段の接触位置を所定幅で結んで前記側板とローラ
の端面の隙間を埋める第2の遮蔽手段と、によってロー
ラの周囲をシールする手段である。
【0016】上記ローラ対遮蔽手段では、ローラの周面
に当接する第1の遮蔽手段のみでなく、側板とローラの
端面との間に第2の遮蔽手段を設けている。これによっ
て、回転するローラの周囲を緊密にシールすることがで
きる。例えば、処理槽同士を仕切る間仕切りに設けた開
口にローラを配置し、ローラの周囲と間仕切りの開口周
縁の間を第1及び第2の遮蔽手段でシールすることによ
り、開口を通過する流体の流れを確実に防止することが
できる。
【0017】本発明に好ましく用いられる感材処理装置
は、感材の搬送方向に沿って隣接して設けられた複数の
処理槽のそれぞれに貯留している処理液中に感材を浸漬
して処理する感材処理装置であって、隣接する処理槽の
少なくとも1カ所がローラ対にて感材の通過を可能にし
た仕切り部を備えており、その仕切り部は、互いに隣接
する前記処理槽の間を仕切ると共に前記感材が通過可能
な開口が設けられた間仕切りと、前記間仕切りの開口近
傍から突設された一対の側板と、前記一対の側板に掛け
渡され前記開口を通過する感材と接触することにより感
材に搬送力を付与可能なローラと、前記ローラの上面及
び下面と前記間仕切りの開口周縁との間を閉塞して処理
液の流れを防止する第1の遮蔽手段と、前記ローラの端
面と前記一対の側板のそれぞれの間に設けられ側板とロ
ーラ端面との間を閉塞して処理液の流れを防止する第2
の遮蔽手段と、を有する。この形態では、間仕切りと、
側板とが上記仕切り兼包囲部に対応する。
【0018】上記感材処理装置では、互いに隣接する処
理槽の間の間仕切りに設けた開口の周縁を、ローラが掛
け渡された一対の側板と、ローラの周面に当接する第1
の遮蔽部材によって囲っており、また、このローラの端
面と側板の間に、第2の遮蔽手段を設けている。また、
ローラの周面近傍に生じる隙間を遮蔽する種々の構造に
加えて、このローラの周面近傍に生じている隙間だけで
なく、ローラの端面とローラを支持している側板の間に
生じている隙間をも遮蔽し、回転するローラの周囲を確
実にシールしている。これによって、互いに隣接する処
理槽内の処理液が混じり合うことがなく、効率的に感材
の処理を行うことができる。また、互いに隣接する処理
槽内の処理液を仕切っている部分にローラを配置してい
るため、感材を正確に搬送することができる。
【0019】本発明のより好ましい感材処理装置では、
前記第2の遮蔽手段が、前記側板と前記ローラの端面の
間に介在された非吸水性の弾性部材であるか、あるいは
前記第2の遮蔽手段が、前記側板の表面ないし前記ロー
ラの端面の間に設けられた低摩擦力の滑り部材である
か、あるいは前記第2の遮蔽手段が、前記側板と前記ロ
ーラの端面との間に設けられた撥水性を有するゲル状の
シール部材である。。上記感材処理装置の一つの形態で
は、側板とローラの端面との間に弾性体を介在させて、
この隙間を緊密に埋めている。この弾性体としては、処
理液を吸い込むことのない非吸水性のものが好ましい。
また、弾性部材は、側板、ローラの端面の何れに設けて
もよく、ローラを側板に取り付けたときに、弾性変形し
て、ローラの回転を妨げることなく、ローラの端面と側
板の間を緊密に遮蔽できるものであればよい。
【0020】上記感材処理装置の他の一つの形態では、
ローラの端面と側板の間に配置した滑り部材によってロ
ーラの端面と側板の間を遮蔽している。ローラの端面に
滑る部材を接触させることにより、ローラに不必要な負
荷を加えることなく、ローラを円滑に回転させることが
できる。なお、この場合、側板とローラの端面をそれぞ
れ摩擦抵抗の低い部材を用い、側板にローラの端面を直
接接触させるようにしてもよい。上記感材処理装置の更
に他の一つの形態では、側板とローラの端面との間にゲ
ル状のシール部材を設けている。ゲル状のシール部材を
用いることにより、側板とローラの端面を緊密にシール
することができ、処理液が混じり合うのを確実に防止で
きる。なお、このシール部材としては、ゲル状の部材を
ローラの端面と接触したときの摩擦抵抗の低い部材によ
って包み込んで形成したものでもよい。
【0021】本発明によれば、搬送性が向上するが(即
ち、ジャミングが起きにくく、傷も発生しにくいが)、
やはり、ローラ対の圧力は注意すべきである。ローラ間
の圧力を上げれば槽間での液の混じり合いは少なくなる
が、所望の搬送性が得られにくくなる。しかし、本発明
では、感材の処理液中での性質(滑り性と予想してい
る)が調節され、これら相反する性能を従来よりも満足
に満たすことができる。以下、本発明の処理方法で使用
するのに好適な、感材処理装置である自動現像装置10
の水洗及び又は安定処理液処理部12が示されている。
この自動現像装置10では、感材の一例として長尺のネ
ガフィルム(以下「フィルム14」と言う)を処理液処
理部12で処理した後に、処理液処理部12の下流側に
設けている図示しない乾燥部によって乾燥処理して仕上
げるようになっている。
【0022】この自動現像装置10の水洗及び又は安定
処理液処理部12には、水洗及び又は安定処理槽16が
設けられている。この処理槽16には、間仕切りである
複数の仕切り板18が設けられている。図1及び図2に
示されるように、水洗及び又は安定処理槽16の内部に
は、側壁16A及び底板16Bからリブ20が突設され
ており、処理槽16は、リブ20によって処理槽16の
内面に沿って形成された略矩形状の開口に仕切り板18
Aが嵌め込まれて分割されている。このリブ20と仕切
り板18との間には、シール部材22が介在されてお
り、これによって、緊密にシールされている。
【0023】このように仕切り板18によって分割され
た水洗及び又は安定処理槽16の各部には、フィルム1
4の搬送方向(矢印A方向)に沿って、水洗(安定)−
1槽24、水洗(安定)−2槽26及び水洗(安定)−
3槽28とされている。処理液処理部12の水洗(安
定)−1槽24、水洗(安定)−2槽26及び水洗(安
定)−3槽28のそれぞれには、フィルム14の搬送用
の搬送ラック30、32、34が設けられている。ま
た、それぞれの仕切り板18には、フィルム14の通過
用の矩形状の挿通口36が穿設されている。
【0024】水洗(安定)−1槽24内の搬送ラック3
0には、一対のラック側板30Aの間に複数の搬送ロー
ラ38が設けられ、水洗(安定)−1槽20の上方に配
置された挿入ローラ40によって上方から送り込まれる
フィルム14を仕切り板18の挿通口36へ向けて略L
字状の屈曲させながら搬送するようになっている。水洗
(安定)−2槽26内の搬送ラック32には、一対のラ
ック側板32Aの間に設けられた複数の搬送ローラ38
によって、水洗(安定)−1槽側の仕切り板18の挿通
口36から水洗(安定)−3槽側の仕切り板18の挿通
口36の間を直線状にフィルム14を搬送する搬送路が
構成されている。また、水洗(安定)−3槽28内の搬
送ラック34には、一対のラック側板34Aの間に設け
られた複数の搬送ローラ38によって、仕切り板18の
挿通口36から斜め上方へ向けてフィルム14を搬送す
る搬送路が構成されている。
【0025】このため、挿入ローラ40によって自動現
像装置10に引き入れられたフィルム14は、各処理槽
内の処理液中から引き出されることなく、搬送ローラ3
8に挟持されながら搬送され、それぞれの処理液に浸漬
された後に水洗槽28から送り出されるようになってい
る。水洗槽28から送り出されたフィルム14は、図示
しないスクイズローラ等によって表面の水分が除去され
ながら搬送されて乾燥部へ送られる。一方、搬送ラック
30、32、34のそれぞれには、ラック側板30A、
32A、34Aにフィルム14の搬送路に沿ってガイド
溝42が形成されている。図2に示されるように、この
ガイド溝42には、搬送ローラ38によって搬送される
フィルム14の幅方向の両端部の非画像部分に対向して
設けられている。なお、図2には、水洗(安定)−2部
26のフィルム搬送方向に沿った断面を示している。
【0026】フィルム14は、幅方向の両端部がガイド
溝42に入り込んだ状態で搬送されることにより、所定
の搬送路に沿って案内されるようになっている。すなわ
ち、自動現像装置10では、長尺のフィルム14のリー
ダレス搬送を行うようになっている。なお、各搬送ロー
ラ38は、それぞれラック側板30A、32A、34A
に軸受44を介して回転可能に支持されており、対向す
る搬送ローラ38の軸受44の間に介在される図示しな
いコイルバネ等によってフィルム14を挟持する挟持力
が付与されている。また、搬送ローラ38には、ラック
側板30A、32A、34Aに突出した回転軸38Aに
設けられたギヤ46を介して図示しない同一の駆動源か
ら駆動力が伝達されて回転駆動するようになっている。
【0027】ところで、図1及び図2に示されるよう
に、それぞれの仕切り板18には、フィルム14の搬送
方向上流側に挿通口32に対向する仕切りラック50が
設けられている。この仕切りラック50には、フィルム
14を挟持して搬送するローラ対52が設けられてお
り、このローラ対52は、上下のローラ54、56が挿
通口36の幅方向の両側から突設された一対のラック側
板58の間に掛け渡されている。それぞれのラック側板
58には、所定の間隔で貫通孔58Aが穿設されてお
り、この貫通孔58Aにローラ54、56の回転軸54
A、56Aがそれぞれ挿入されて、軸受44を介して回
転可能に支持されている。
【0028】また、ローラ対52の一方のラック側板5
8から突出した回転軸54A、56Aには、ギヤ46が
設けられており、前記した搬送ローラ38と同一の駆動
源から伝達される駆動力によって一体回転し、フィルム
14を挟持して送り出すようになっている。なお、ロー
ラ54、56としては、硬度20°〜50°の比較的柔
らかいゴムローラ等が好ましい。これによって、フィル
ム14を挟持したときに、フィルム14の表面を傷める
ことがなく、また、フィルム14を挟持したときに、不
必要な隙間が生じることが少なく、上流側と下流側との
間の機密性を高めることができる。ここでは硬度30°
のゴムローラを用いた。
【0029】図2及び図4に示されるように、ラック側
板58には、互いに対向する面に補助側板60が設けら
れている。この補助側板60には、長軸方向が上下方向
に向けられた長円状の凹部60Aが形成されると共に、
この凹部60A内に、ラック側板58の貫通孔58Aよ
り小径の貫通孔60Bが穿設されている。補助側板60
は、貫通孔60Bがラック側板58の貫通孔58Aと同
軸となるように配設されている。また、補助側板60の
凹部60Aは、ローラ54、56の外形寸法より僅かに
大きな径で貫通孔60Bと同軸的に形成した円状の凹部
をつなぎ合わせた形状となっている。
【0030】ローラ対52は、それぞれのローラ54、
56の回転軸54A、56Aが補助側板60の貫通孔6
0Bからラック側板58の貫通孔58Aへ挿入されて取
り付けられている。図2に示されるように、ラック側板
58の貫通孔58Aの内部には、小径部58Bが形成さ
れており、この小径部58B内に耐薬品性のシールリン
グ62(図2参照)が配設されており、このシールリン
グ62が回転軸54A、56Aと共に小径部58Bの周
縁部分に緊密に当接している。ラック側板58の貫通孔
58Aの内部では、このシールリング62によって処理
液の流れが防止され、ラック側板58の外面近傍と補助
側板60の内面近傍のそれぞれの処理液が、貫通孔58
A、60Bを介して混じり合うことがないようになって
いる。
【0031】一方、図1、図2及び図4に示されるよう
に、補助側板60の凹部60Aには、第2の閉塞手段と
して弾性部材64が配設されている。この弾性部材64
は、凹部60Aの形状に合わせた長円形状で、ローラ5
4、56の回転軸54A、56Aが挿入される貫通孔6
4Aが穿設されている。また、この弾性部材64の肉厚
は、ローラ54、56をラック側板58の間に配置した
ときに、補助側板60の凹部60Aの底面とローラ5
4、56との端面の間隔と同じかこの間隔よりも僅かに
大きくされており、補助側板60の間にローラ54、5
6を配置したときに、弾性変形して、補助側板60の凹
部とローラ54、56の端面とに緊密に当接するように
なっている。
【0032】これによって、ローラ54、56の端面と
補助側板58との間の隙間を緊密に閉塞して、ローラ5
4、56の端面と補助側板60の間を処理液が流れない
ようにしている。なお、この弾性部材64としては、独
立気泡が形成された非吸水性のスポンジ状の樹脂、シリ
コンゴム等の非吸水性又は非親水性の部材を用いてい
る。また、ローラ54、56の接触点に広い面積で対向
させることが、処理液の流出を防止するのにより好まし
い。
【0033】このように配設されたローラ対52のフィ
ルム搬送方向(矢印A方向)の上流側には、ローラ対5
2の間へフィルム14を案内するガイド溝66がそれぞ
れに形成された一対のガイドブロック68が配設されて
いる。また、このローラ対52のフィルム搬送方向の下
流側には、仕切り板18の挿通口36内から突設された
一対のガイドブロック70が設けられている。このガイ
ドブロック70には、ローラ対52に挟持されて挿通口
36へ向けて送り出されるフィルム14の幅方向の両端
部を案内するガイド溝72が形成されている。
【0034】これらのガイド溝66、72は、前記した
ガイド溝42と同様に、フィルム14の幅方向の両端の
非画像部分を収容して、フィルム14を所定の方向へ案
内するようになっている。なお、ガイドブロック68、
70は、それぞれガイド溝66、72の周囲がローラ対
52の向けて突出し、ローラ対52の間へ確実にフィル
ム14を案内することができると共に、ローラ対52か
ら送り出されたフィルム14の幅方向の両端部がガイド
溝72に確実に収容されるようになっており、それぞれ
のガイドブロック68、70は、ガイド溝66、72の
上方及び下方がローラ54、56の周面に沿って湾曲さ
れて、ローラ対52の駆動と干渉しないようにされてい
る。
【0035】一方、図1及び図4に示されるように、一
対のラック側板58の間には、上下に略三角形状のブロ
ック74、76が対で配置されて掛け渡されている。こ
れらのブロック74、76は、仕切り板18の挿通口3
6の上部及び下部から突設され、フィルム14の搬送幅
方向の両端が、ラック側板58に設けられた補助側板6
0の内面に緊密に接合される。このため、挿通口36の
フィルム搬送方向の上流側の周囲は、一対の側板58と
ブロック74、76によって緊密に囲われている。な
お、ブロック74、76は、ローラ対52の上下のロー
ラ54、56の周面へ向けて突設され、ローラ54、5
6の周面に沿って湾曲されている。
【0036】これらのブロック74、76には、ブロッ
ク74、76と共に第1の閉塞手段を構成するブレード
78が配設されている。このブレード78は、ブロック
74、76の上面及び下面からローラ54、56の周面
へ向けて突設され、先端部がローラ54、56の周面に
当接されている。なお、ブレード78は、ローラ54、
56の周面に軸線方向の両端の間で接触されている。こ
のため、ローラ54、56とブロック74、76の間の
隙間を処理液が流れることがないようにしている。ま
た、これらのブレード78は、耐薬品性の弾性体によっ
て形成されており、ローラ54、56の回転を妨げるこ
となく、ローラ54、56の周面に緊密に接触するよう
になっている。
【0037】なお、各搬送ラック30、32、34及び
ガイドブロック68、70に形成されたガイド溝42、
66、72は、フィルム14の搬送方向の上流側が拡幅
及び拡径されて、ガイド溝42、66、72のつなぎ目
部分でフィルム14に引っ掛かりが生じて、搬送不良を
起こさないようにされている。
【0038】次に上記装置の作用を説明する。自動現像
装置10では、挿入ローラ40によって装置内部に引き
入れたフィルム14を水洗及び又は安定処理液処理部1
2へ送り込む。水洗及び又は安定処理液処理部12で
は、送り込まれたフィルム14を搬送ラック30によっ
て水洗(安定)−1槽24内の発色現像液に浸漬しなが
ら搬送した後、水洗(安定)−1槽24と水洗(安定)
−2槽26の間の仕切り板18に配設された仕切りラッ
ク50へ案内する。仕切りラック50へ案内されたフィ
ルム14は、ローラ対52によって挟持されて、空気中
に引き出されることなく挿通口36から隣接する水洗
(安定)−2槽26へ送り込まれる。
【0039】水洗(安定)−2槽26では、このフィル
ム14を搬送ラック32によって搬送しながら水洗(安
定)液に浸漬した後、下流側の水洗(安定)−3槽28
との間の仕切り板18に設けられている仕切りラック5
0へ案内する。仕切りラック50では、このフィルム1
4を挿通口36から水洗槽28へ、空気中へ引き出すこ
となく送り込む。水洗(安定)−3槽28へ送り込まれ
たフィルム14は、搬送ラック34によって水洗水中を
搬送された後、空気中へ引き出され、水洗及び又は安定
処理液処理部12から図示しない乾燥部へ送りこまれ
る。
【0040】自動現像装置10では、このように水洗及
び又は安定処理液処理部12内の各処理液中を、空気に
接触させることなく搬送して、水洗及び又は安定の各処
理液によって処理された後、乾燥処理されて仕上げられ
る。このため、例えば、フィルム14を下流側の処理槽
へ向けて送り出すときに、空気中に引き出すことによる
実質的な非処理状態を生じさせていないので、効率良く
短時間で処理が行われる。
【0041】ところで、自動現像装置10では、水洗及
び又は安定処理槽16を水洗(安定)−1槽24、水洗
(安定)−2槽26及び水洗(安定)−3槽28に区画
すると共に、上流側の処理槽から下流側の処理槽へ直接
フィルム14を送り込む挿通口36が形成された仕切り
板18に、挿通口36に対向させて仕切りラック50を
設けている。この仕切りラック50は、一対のラック側
板58、補助側板60及びブロック74、76によって
挿通口36の周囲を緊密に囲っている。
【0042】このように挿通口36の周囲を囲っている
ラック側板58とブロック74、76によって囲った開
口には、ローラ対52を配置しており、このローラ対5
2の上下のローラ54、56の周面には、ブロック7
4、76から突設されたブレード78が当接されてい
る。このブレード78は、ローラ54、56のそれぞれ
の軸線に沿って緊密に当接しているため、ローラ対52
の周面とブロック74、76の間を処理液が通過するこ
とがない。なお、ブレード78としては、ローラ54、
56と接触したときに、互いの摩耗が少なく、かつ、ロ
ーラ54、56の周面に緊密に接触する形状及び材質の
ものが好ましい。
【0043】また、ローラ対52が掛け渡されたラック
側板58の補助側板60と各ローラ54、56の端面と
の間には、弾性部材64が配設されている。この弾性部
材64は、各ローラ54、56の回転を妨げることな
く、ローラ54、56の端面と補助側板60の間の隙間
を埋め、この隙間を処理液が通過してしまうことがない
ようにしている。すなわち、挿通口36の周囲を囲った
ラック側板58とブロック74、76の間の開口部分に
配置したローラ対52の周囲の隙間を、ブレード78と
弾性部材64によって緊密に埋めているため、ローラ対
52の上流側と下流側を緊密に塞ぐことができ、挿通口
36を介して上流側の処理槽と下流側の処理槽が混じり
合うのを確実に防止している。
【0044】上流側の処理液と下流側の処理液が混じり
合ってしまうと、それぞれの処理液の処理性能が低下
し、フィルム14に仕上がり不良を生じさせてしまう。
これを防止するためには、それぞれの処理液の補充量を
多くする必要があり、また、処理液の入替え(母液の入
替え)も頻繁に行う必要があり、装置のランニングコス
トを上昇させてしまう。これに対して、本実施形態で
は、互いに隣接する処理槽の間に形成された挿通口36
に対向して前記した仕切りラック50を配置しているた
め、この挿通口36を通過して互いに隣接する処理槽内
の処理液が混じり合うのを確実に防止している。このた
め、ローラ対の密閉性に注意を払えば、処理液が混じり
合うのを予測して補充液の補充量を多くする必要もなけ
れば、頻繁に処理液を入れ換える作業も不要となってい
る。
【0045】このため、自動現像装置10では、効率の
良いフィルム14の処理を可能とすると共に、各処理液
及び補充液の量を多くする必要がなく、ランニングコス
トを上昇させることがない。また、補充液の補充及び処
理液の入替えを少なくすることができるため、装置のメ
ンテナンスが容易となる。なお、本実施形態は、本発明
方法で利用する処理装置の一例を示すものであり、本発
明を限定するものではない。例えば、補助側板60を用
いずにラック側板58とローラ54、56の端面を対向
させて、この隙間を埋めるようにしてもよい。
【0046】また、ローラの周囲をシールして処理液の
流れを防止する方法としては、ローラの周面のみでな
く、軸線方向の両端の端面に生じ易い隙間をもシールす
ればよい。例えば、図5に示されるように、ローラ対5
2のそれぞれのローラ54、56の端面に、ローラ5
4、56の外形寸法より大きい円板状の弾性部材80を
同軸的に装着し、このローラ対52を補助側板60の凹
部60Aへ挿入すればよい。このとき、弾性部材80
が、凹部60Aの内壁とローラ54、56の端面の間を
緊密に閉塞して、凹部60Aとローラ54、56の端面
との間で処理液が流れるのを防止することができる。
【0047】この弾性部材としては、非吸水性のスポン
ジ状樹脂、ゴム等の種々の弾性体を用いることができ
る。ローラの端面と側板との間の隙間を埋める方法とし
ては、ローラの外形寸法を側板に設けた穴より僅かに大
きくしてローラの外周部近傍の端面と側板の穴の周縁部
を当接させてシールする方法がある(例えば米国特許第
5,313,242 号等)。このようにシールする場合、ローラ
の外周部を二重構造にして、外周部には滑り易い材質に
した特殊なローラを用いる必要があると共に、ローラの
外形寸法がシール性に影響を及ぼすため極めて精度の高
い高価なローラを必要とする。しかも、上下のローラの
間に隙間が生じると、この隙間からシール性が損なわれ
るため、ローラ対の間に厚みのある材料が挿入されたと
きには、シール性が損なわれるか、この材料の搬送が困
難となる。
【0048】これに対して、補助側板60とローラ5
4、56の端面との間に弾性部材80を配置してシール
しており、この弾性部材80は、ローラ54、56の外
径寸法より大きくして、ローラ54、56の接触点で
は、この弾性部材80が互いに押圧しあって接触面積を
広げている。このため、フィルム14を挿入したとき
に、ローラ54、56の間に隙間が生じても、ローラ5
4、56の端面側でのシール性が損なわれることがな
い。すなわち、本実施例では、ローラ54、56によっ
てフィルム14を確実に挟持して送り出すことができ
る。
【0049】また、前記したシール方法では、側板に設
ける穴をローラの外周面に沿わせて略8の字状に精度良
く形成する必要があるのに対して、本実施例では、補助
側板60に設けた凹部60Aは、正確にローラ54、5
6の周面に沿わせて形成する必要がなく、例えば、略矩
形状に形成して、この凹部60Aの上端から下端の間を
弾性部材80で仕切ることができればよい。
【0050】この弾性部材80は、非吸水性であること
により押圧されて収縮したときでも処理液を吸い込んで
しまうことがない。このため、対で配置された弾性部材
80が互いに押圧しあって潰れていた部分が、次に押圧
力が解除されて膨らんでも処理液を吸い込んでしまうこ
とがなく、これによって、弾性部材80が伸縮を繰り返
しても、上流側の処理液と下流側の処理液とが混じり合
ってしまうことがない。なお、この弾性部材80として
は、ローラ54、56よりも柔らかい(硬度が小さい)
ことがより好ましい。
【0051】また、図6に示されるように、補助側板6
0の凹部60Aにリブ82を形成するようにしてもよ
い。このリブ82には、回転軸54A、56Aが挿通さ
れる拡径部84及びローラ54、56の接触点近傍に広
い範囲で対向する拡幅部86を形成している。また、リ
ブ82の上端部及び下端部は、図示しないブレード78
のローラ54、56の周面への接触位置となっている。
このように形成さたリブ82を用いることにより、ロー
ラ54、56の端面と補助側板60の間をシールするこ
とができる。
【0052】このリブ82の材質としては、弾性部材7
8、80と同様に非吸水性のスポンジ、ゴム等を用いる
ことができる。また、リブ82としては、テフロン、高
分子ポリエチレン等の摩擦係数の低い部材を用いてもよ
い。このとき、ローラ54、56の端面も摩擦係数の低
い部材(例えばリブ82と同じ材質)を用い、リブ82
が接触しているときの摩擦抵抗を低くするようにすれば
よい。また、必要に応じてリブ82の先端とローラ5
4、56の端面との間にシリコングリース等の潤滑用部
材を介在させるようにしてもよい。
【0053】これによって、補助側板60とローラ5
4、56の端面との間の隙間をシールすることができ
る。特に、グリース等の潤滑用部材を滑り部材として介
在させることにより、リブ82の先端の接触面とローラ
54、56の端面の間の隙間を緊密に埋めてシールする
ことができ好ましい。なお、ローラ54、56の端面と
補助側板60(又はラック側板58)を直接接触させる
場合には、リブ82等を設けずに補助側板60又はラッ
ク側板58の表面に直接ローラ54、56の端面を当接
させるようにしてもよい。さらに、図7に示されるよう
に、補助側板60の貫通孔の周囲にシール部材88を配
置してもよい。このシール部材88としては、ゲル状部
材90を用い、必要に応じて、このゲル状部材90を袋
状の滑り部材92に収容したものを用いることができ
る。
【0054】補助側板60とローラ54、56の端面の
間に配置されたシール部材88は、補助側板60とロー
ラ54、56の端面との間で押され、その流動性によっ
て補助側板60とローラ54、56の端面との間を緊密
に埋めてシールする。このとき滑り部材92を用いるこ
とにより、ローラ54、56の回転が妨げられるのを防
止することができる。なお、このシール部材88を用い
たときにも、ローラ54、56の接触点に広い幅で対向
させることにより、より確実にシールすることができ
る。
【0055】ローラ対の圧力は、一般的には、その材質
や硬度にもよるが、400〜800gfが用いられる。
ローラ間の圧力を上げれば槽間での液の混じり合いは少
なくなるが、搬送性、すなわちジャミングの点やキズの
付きやすさ、軸受けへの負荷などの点で問題が起こるこ
とが予想できる。これら相反する性能を満足するには後
に詳細に述べるが、特定化合物を感材の最外層に使用す
ることによって感材の処理液中での表面特性を調節する
のが効果的であることがわかった。さらに、予想外なこ
とに、ランニング処理でのイエローステインの増加や磁
気層のS/N比の劣化が改良されることもわかった。感
材のランニング処理液中での表面特性がローラ対に何ら
かの影響を及ぼし処理液の遮蔽能に変化を与えたものと
推測している。
【0056】なお、以上の説明では、フィルム14をガ
イド溝42によって案内して搬送する自動現像装置10
を用いたが、本発明に用いられる感材処理装置の構成
は、これに限定するものではなく、例えば、長尺のネガ
フィルムに限らず、シート状のフィルムであってもよ
く、また、印画紙等の他の感材を処理する感材処理装置
であってもよい。
【0057】次に、本発明の処理方法に用いられる感材
について説明する。その感材は、支持体上に少なくとも
1層の感光性層が設けられていればよい。その感光性層
は、黒白写真用の感光性層でもよいが、典型的な例とし
ては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光
度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層
を少なくとも1つ有する感材である。該感光性層は青色
光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単
位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感材に
おいては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から
順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置され
る。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、
また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような
設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間
および最上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。
これらには、後述のカプラー、DIR化合物、混色防止
剤等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する
複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB
923,045に記載されているように高感度乳剤層、低感度
乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光度が低くな
る様に配列するのが好ましい。また、特開昭57-112751
、同62- 200350、同62-206541 、62-206543 に記載さ
れているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支
持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。具体例
として支持体から最も遠い側から、低感度青感光性層
(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性層
(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感度赤感光性層
(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/
GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの
順等に設置することができる。また特公昭 55-34932 公
報に記載されているように、支持体から最も遠い側から
青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56-25738、同62-63936に記載されている
ように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL
/GH/RHの順に配列することもできる。また特公昭49-1
5495に記載されているように上層を最も感光度の高いハ
ロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロ
ゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハ
ロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が
順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列
が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成
される場合でも、特開昭59-202464 に記載されているよ
うに、同一感色性層中において支持体より離れた側から
中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置
されてもよい。その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/
中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/
高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。 また、4
層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。色再
現性を改良するために、US 4,663,271、同 4,705,744、
同 4,707,436、特開昭62-160448 、同63- 89850 の明細
書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が
異なる重層効果のドナー層(CL) を主感光層に隣接もし
くは近接して配置することが好ましい。
【0058】本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀
は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ
塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいの
は約0.2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含む
ヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。
【0059】本発明に利用され得るカラー写真感材に用
いることができる技術および無機・有機素材について
は、欧州特許第436,938A2号の下記の箇所及び
下記に引用の特許に記載されている。 1.層構成: 第146頁34行目〜第14
7頁25行目 2.ハロゲン化銀乳剤: 第147頁26行目〜第14
8頁12行目 3.イエローカプラー: 第137頁35行目〜第14
6頁33行目、第149頁21行目〜23行目 4.マゼンタカプラー: 第149頁24行目〜第28
行目;欧州特許第421,453A1号の第3頁5行目
〜第25頁55行目 5.シアンカプラー: 第149頁29行目〜33行
目;欧州特許第432,804A2号の第3頁28行目
〜第40頁2行目 6.ポリマーカプラー: 第149頁34行目〜38行
目;欧州特許第435,334A2号の第113頁39
行目〜第123頁37行目 7.カラードカプラー: 第53頁42行目〜第137
頁34行目、第149頁39行目〜45行目 8.その他の機能性カプラー: 第7頁1行目〜第53
頁41行目、第149頁46行目〜第150頁3行目;
欧州特許第435,334A2号の第3頁1行目〜第2
9頁50行目 9.防腐・防黴剤: 第150頁25行目〜28行
目 10.ホルマリンスカベンジャー: 第149頁15行目
〜17行目 11.その他の添加剤: 第153頁38行目〜47行
目;欧州特許第421,453A1号の第75頁21行
目〜第84頁56行目、第27頁40行目〜第37頁4
0行目 12.分散方法: 第150頁4行目〜24行目 13.支持体: 第150頁32行目〜34行
目 14.膜厚・膜物性: 第150頁35行目〜49行
目 15.発色現像工程: 第150頁50行目〜第15
1頁47行目 16.脱銀工程: 第151頁48行目〜第15
2頁53行目 17.自動現像機: 第152頁54行目〜第15
3頁2行目 18.水洗・安定工程: 第153頁3行目〜37行目
【0060】次に、本発明に使用される感材の処理液
は、特に制限はないが、主に、カラー写真用感材を使用
する場合に関して、そのカラー用処理液について、以
下、代表的な例を挙げて説明する。本発明において、感
材の発色現像液には、特開平4-121739の第9頁右上欄1
行〜第11頁左下欄4行に記載の化合物を使用することが
できる。特に迅速な処理を行う場合の発色現像主薬とし
ては、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2
−ヒドロキシエチル)アニリン、4−アミノ−3−メチ
ル−N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アニ
リン、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(4
−ヒドロキシブチル)アニリン、4−アミノ−3−メチ
ル−N−エチル−N−[β−(メタンスルホンアミド)
エチル]アニリンが好ましい。これらの発色現像主薬は
発色現像液1リットルあたり0.01〜0.08モルの範囲で使
用することが好ましく、特には 0.015〜0.06モル、更に
は0.02〜0.05モルの範囲で使用することが好ましい。ま
た発色現像液の補充液には、この濃度の 1.1〜3倍の発
色現像主薬を含有させておくことが好ましく、特に 1.3
〜 2.5倍を含有させておくことが好ましい。発色現像液
には、発色現像主薬の酸化物のタ−ル化防止剤として亜
硫酸塩が使用される。亜硫酸塩は1リットルあたり0.01
〜0.05モルの範囲で使用するのが好ましく、特には0.02
〜0.04モルの範囲が好ましい。補充液においては、これ
らの1.1〜3倍の濃度で使用することが好ましい。ま
た、発色現像液のpHは 9.8〜 11.0 の範囲が好ましい
が、特には10.0〜10.5が好ましく、また補充液において
は、これらの値から 0.1〜 1.0の範囲で高い値に設定し
ておくことが好ましい。このようなpHを安定して維持す
るには、炭酸塩、リン酸塩、スルホサリチル酸塩、ホウ
酸塩などの公知の緩衝剤が使用される。
【0061】発色現像液の補充量は、感材1m2 あたり
80〜1300ミリリットルが好ましいが、環境汚濁負荷の低
減の観点から、より少ない方が好ましく、具体的には13
0 〜600ミリリットル、更には130 〜 520ミリリットル
が好ましい。発色現像液中の臭化物イオン濃度は、通
常、1リットルあたり0.01〜0.06モルであるが、感度を
保持しつつカブリを抑制してディスクリミネーションを
向上させ、かつ、粒状性を良化させる目的からは、1リ
ットルあたり 0.015〜0.03モルに設定することが好まし
い。臭化物イオン濃度をこのような範囲に設定する場合
に、補充液には下記の式で算出した臭化物イオンを含有
させればよい。ただし、Cが負になる時は、補充液には
臭化物イオンを含有させないことが好ましい。 C=A−W/V C:発色現像補充液中の臭化物イオン濃度(モル/リッ
トル) A:目標とする発色現像液中の臭化物イオン濃度(モル
/リットル) W:1m2 の感材を発色現像した場合に、感材から発色
現像液に溶出する臭化物イオンの量(モル) V:1m2 の感材に対する発色現像補充液の補充量(リ
ットル) また、補充量を低減した場合や、高い臭化物イオン濃度
に設定した場合、感度を高める方法として、1−フェニ
ル−3−ピラゾリドンや1−フェニル−2−メチル−2
−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンに代表されるピ
ラゾリドン類や3,6−ジチア−1,8−オクタンジオ
ールに代表されるチオエーテル化合物などの現像促進剤
を使用することも好ましい。
【0062】本発明において、漂白能を有する処理液に
は、特開平4-125558の第4頁左下欄16行〜第7頁左下欄
6行に記載された化合物や処理条件を適用することがで
きる。漂白剤は酸化還元電位が 150mV以上のものが好ま
しいが、その具体例としては特開平5-72694 、同5-1733
12に記載のものが好ましく、特に1,3−ジアミノプロ
パン四酢酸、特開平5-173312号第7頁の具体例1の化合
物の第二鉄錯塩が好ましい。また、漂白剤の生分解性を
向上させるには、特開平4-251845、同4-268552、EP588,
289 、同 591,934、特開平6-208213に記載の化合物第二
鉄錯塩を漂白剤として使用することが好ましい。これら
の漂白剤の濃度は、漂白能を有する液1リットルあたり
0.05〜 0.3モルが好ましく、特に環境への排出量を低減
する目的から、 0.1モル〜0.15モルで設計することが好
ましい。また、漂白能を有する液が漂白液の場合は、1
リットルあたり 0.2モル〜1モルの臭化物を含有させる
ことが好ましく、特に 0.3〜 0.8モルを含有させること
が好ましい。
【0063】漂白能を有する液の補充液には、基本的に
以下の式で算出される各成分の濃度を含有させる。これ
により、母液中の濃度を一定に維持することができる。 CR =CT ×(V1 +V2 )/V1 +CP CR :補充液中の成分の濃度 CT :母液(処理タンク液)中の成分の濃度 CP :処理中に消費された成分の濃度 V1 :1m2 の感材に対する漂白能を有する補充液の補
充量(ミリリットル) V2 :1m2 の感材による前浴からの持ち込み量(ミリ
リットル) その他、漂白液にはpH緩衝剤を含有させることが好まし
く、特にコハク酸、マレイン酸、マロン酸、グルタル
酸、アジピン酸など、臭気の少ないジカルボン酸を含有
させることが好ましい。また、特開昭53-95630、RDN
o.17129、US 3,893,858に記載の公知の漂白促進剤を使
用することも好ましい。漂白液には、感材1m2 あたり
50〜1000ミリリットルの漂白補充液を補充することが好
ましく、特には80〜 500ミリリットル、さらには 100〜
300ミリリットルの補充をすることが好ましい。さらに
漂白液にはエアレーションを行なうことが好ましい。
【0064】本発明において、定着能を有する処理液に
ついては、特開平4-125558の第7頁左下欄10行〜第8頁
右下欄19行に記載の化合物や処理条件を適用することが
できる。特に、定着速度と保恒性を向上させるために、
特開平6-301169の一般式(I)と(II)で表される化合
物を、単独あるいは併用して定着能を有する処理液に含
有させることが好ましい。またp−トルエンスルフィン
酸塩をはじめ、特開平1-224762に記載のスルフィン酸を
使用することも、保恒性の向上の上で好ましい。漂白能
を有する液や定着能を有する液には、脱銀性の向上の観
点からカチオンとしてアンモニウムを用いることが好ま
しいが、環境汚染低減の目的からは、アンモニウムを減
量或いはゼロにする方が好ましい。漂白、漂白定着、定
着工程においては、特開平1-309059に記載のジェット攪
拌を行なうことが特に好ましい。
【0065】漂白定着また定着工程における補充液の補
充量は、感材1m2 あたり 100〜1000ミリリットルであ
り、好ましくは 150〜 700ミリリットル、特に好ましく
は 200〜 600ミリリットルである。漂白定着や定着工程
には、各種の銀回収装置をインラインやオフラインで設
置して銀を回収することが好ましい。インラインで設置
することにより、液中の銀濃度を低減して処理できる結
果、補充量を減少させることができる。また、オフライ
ンで銀回収して残液を補充液として再利用することも好
ましい。漂白定着工程や定着工程は複数の処理タンクで
構成することができ、各タンクはカスケード配管して多
段向流方式にすることが好ましい。現像機の大きさとの
バランスから、一般には2タンクカスケード構成が効率
的であり、前段のタンクと後段のタンクにおける処理時
間の比は、 0.5:1〜1:0.5 の範囲にすることが好ま
しく、特には 0.8:1〜1:0.8 の範囲が好ましい。漂
白定着液や定着液には、保恒性の向上の観点から金属錯
体になっていない遊離のキレート剤を存在させることが
好ましいが、これらのキレート剤としては、漂白液に関
して記載した生分解性キレート剤を使用することが好ま
しい。
【0066】水洗及び又は安定液の補充量は、感材1m
2 あたり200〜800ミリリットルが好ましく、特に
は200〜700ミリリットル、さらには200〜60
0ミリリットルが、水洗または安定化機能の確保と環境
保全のための廃液減少の両面から好ましい範囲である。
このような補充量で行なう処理においては、バクテリア
や黴の繁殖防止のために、チアベンダゾール、1,2−
ベンゾイソチアゾリン−3オン、5−クロロ−2−メチ
ルイソチアゾリン−3−オンのような公知の防黴剤やゲ
ンタマイシンのような抗生物質、イオン交換樹脂等によ
って脱イオン処理した水を用いることが好ましい。脱イ
オン水と防菌剤や抗生物質は、併用することがより効果
的である。
【0067】また、水洗及び又は安定液タンク内の液
は、特開平3-46652 、同3-53246 、同-355542 、同3-12
1448、同3-126030に記載の逆浸透膜処理を行なって補充
量を減少させることも好ましく、この場合の逆浸透膜
は、低圧逆浸透膜であることが好ましい。
【0068】水洗水及び又は安定液の補充量を大幅に減
少し得るが、タンク内における水の滞留時間の増加によ
る、バクテリアの繁殖、生成した浮遊物が感材に付着す
る等の問題の解決策として、特開昭62-288,838号に記載
のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる
方法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭
57-8,542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベン
ダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩
素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著
「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会
編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技
術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986
年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0069】本発明において、水洗水や安定液の処理温
度は15〜45℃、好ましくは20〜42℃である。ま
た、水洗及び安定化工程の合計処理時間は25秒〜60
秒、好ましくは30秒〜55秒である。特に後者の好ま
しい処理時間において、本発明の効果は有効に発揮でき
る。
【0070】更に、本発明において、感材は、上記水洗
に代り、直接安定液によって処理することもできる。こ
のような安定化処理においては、特開昭57-8543 号、同
58-14834号、同60-220345 号に記載の公知の方法はすべ
て用いることができる。
【0071】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重
亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、上記塩濃度を越え
ない範囲で添加することができる。安定液中の遊離ホル
ムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの飛
散が少なくなるため好ましい。このような点から色素画
像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾ
ールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロ
ールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−3
13753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。本発明に置いては、こういった画像安定化剤を添加
しない方が、低塩濃度に維持するためにも、好ましい態
様である。また、その他必要に応じて塩化アンモニウム
や亜硫酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、
Alなどの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許
4,786,583号に記載のアルカノールアミンや、
前記の定着液や漂白定着液に含有することができる保恒
剤、例えば、特開平1−231051号公報に記載のス
ルフィン酸化合物を必要に応じて添加することができ
る。
【0072】水洗水及び/又は安定液には処理後の感材
の乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活性剤
を含有することができる。中でもノニオン性界面活性剤
を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエチレ
ンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノールと
しては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニルフェ
ノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加モル
数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効果の
高いシリコン系界面活性剤を用いることも好ましい。
【0073】水洗水及び/又は安定液中には、各種キレ
ート剤を含有させることができる。好ましいキレート剤
としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキ
シエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′−
トリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−N,
N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの有機
ホスホン酸、あるいは、欧州特許345,172A1号
に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物などをあ
げることができる。
【0074】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。自現機などを用いた処理において、上
記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、蒸発に
よる濃縮を補正するために、適当量の水または補正液な
いし処理補充液を補充することが好ましい。水補充を行
う具体的方法としては、特に制限はないが、中でも特開
平1−254959号、同1−254960号公報記載
の、漂白槽とは別のモニター水槽を設置し、モニター水
槽内の水の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂白槽に
おける水の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例して漂白
槽に水を補充する方法や特開平3−248155号、同
3−249644号、同3−249645号、同3−2
49646号公報記載の液レベルセンサーやオーバーフ
ローセンサーを用いた蒸発補正方法が好ましい。各処理
液の蒸発分を補正するための水は、水道水を用いてもよ
いが上記の水洗工程に好ましく使用される脱イオン処理
した水、殺菌された水とするのがよい。
【0075】また、感材に塗布された磁気記録層へのゴ
ミの付着を軽減するには、特開平6-289559に記載の安定
液が好ましく使用できる。本発明における処理において
は、発明協会公開技報、公技番号94-4992 に開示された
処理液の蒸発補正を実施することが特に好ましい。特に
第2頁の(式−1)に基づいて、現像機設置環境の温度
及び湿度情報を用いて補正する方法が好ましい。蒸発補
正に使用する水は、水洗の補充タンクから採取すること
が好ましく、その場合は水洗補充水として脱イオン水を
用いることが好ましい。
【0076】本発明に用いられる処理剤としては、上記
公開技報の第3頁右欄15行から第4頁左欄32行に記載の
ものが好ましい。また、これに用いる現像機としては、
第3頁右欄の第22行から28行に記載のフイルムプロセサ
ーが好ましい。本発明を実施するに好ましい処理剤、自
動現像機、蒸発補正方式の具体例については、上記の公
開技報の第5頁右欄11行から第7頁右欄最終行までに記
載されている。
【0077】写真用現像処理装置は、一般的に、現像
槽、定着槽、水洗槽を有しており、カラー感材の場合に
は、基本的には発色現像槽、漂白槽)、定着槽)、水洗
槽)を有し、水洗槽の代りに安定槽を有してもよいし両
者を有してもよい。また、漂白槽、定着槽は、漂白定着
槽であってもよい。これらの層は複数でもよい。他に、
中間水洗槽、第1現像槽などを有してもよい。また、こ
れらの槽の容積、感材搬送のパス長、滞留時間等は処理
装置の目的によって変化する。更にこれらの補充液タン
ク、移液手段などを有している。なお、現像入口から乾
燥出口までの長さは、好ましくは750〜4500mmで
ある。他に感材の搬送手段、乾燥手段等を有している。
【0078】本発明では、以下に示す特定化合物を、感
材の乳剤側の最外層、及び(支持体を挟んでその反対側
にバック層がある場合)そのバック層側の最外層の少な
くとも一方に、好ましくは、その両側の最外層に含有さ
せる。その化合物は、ポリオルガノシロキサン、高級脂
肪酸と高級アルコールのエステル、高級脂肪酸アミド、
及び高級脂肪酸金属塩の少なくとも1つの化合物であ
る。これによって、感材は処理液やローラ対の間で、あ
るいは、空気中に感材が触れる場合には空気中でも、滑
り性が発揮され、本発明の効果に寄与する。好ましい滑
り性としては空気中での(最外層とステンレス球との)
動摩擦係数で0.25以下0.01以上である。この時の測定は
直径 5mmのステンレス球に対し、荷重100 g、 60cm /
分で搬送した時の値を表す(25℃、60%RH)。この評価
において相手材として感光層面に置き換えてももほぼ同
レベルの値となる。さらに、好ましい動摩擦係数は、0.
20以下、 0.03 以上である。このような滑り性を発揮さ
せる化合物が、特に好ましく利用できる。上記ポリオル
ガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポ
リジエチルシロキサン、ポリスチリルメチルシロキサ
ン、ポリメチルフェニルシロキサン等を用いることがで
きる。特にポリジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を
有するエステルが好ましい。上記の「高級」とは、好ま
しくは、炭素数10以上、より好ましくは、12以上で
ある。そして、好ましくは、60以下、より好ましくは
50以下である。
【0079】それぞれの代表的化合物例を、その商品名
等も場合により含めて、以下に示すがそれらに限定され
るものではない。 (A.ポリオルガノシロキサン) A−1.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
92) A−2.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
96−20cs) A−3.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
96−100cs) A−4.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
96−500cs) A−5.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
96−1000cs) A−6.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
96H−6000cs) A−7.ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF−
96H−12500cs) A−8.ポリジメチルシロキサン−アルキレンオキシド
コポリマー (チッソ(株):PS07
4) A−9.ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン
(ビックケミー・ジャパン:BYK−310) A−10.水酸基含有ポリエステル変性ジメチルポリシ
ロキサン(ビックケミー・ジャパン:BYK−370)
【0080】(B.高級脂肪酸と高級アルコールのエス
テル) B−1.C18H37COOC16H33 B−2.C15H31COOC16H33 B−4.C17H35COOC40H81 なお、これら長鎖アルキル
基を持つエステルには分散剤としてC50H101O(CH2CH2O)
16Hを併用した。 (C.高級脂肪酸アミド) C−1.C21H43CONHC4H9 C−2.C21H43CONHC2H5 C−3.C17H35CONHC4H9 C−4.C21H43CONH2
【0081】(D.高級脂肪酸金属塩) D−1.(C17H35COO)2Ca D−2. C21H43COOK 上記の特定化合物が単独若しく複数種で最外層における
塗布量は、利用する個々の化合物、含める層の種類等に
よって異なるが、通常は、0.2〜90mg/m2 であ
り、好ましくは0.4〜60mg/m2 である。なお、
上記以外に滑り性を発揮する任意の化合物を併用しても
よい。滑り性を発揮する化合物は、最外層以外の任意の
層に添加してもよいが、最外層に添加することが好まし
い。
【0082】本発明において、バック層側に磁気記録層
が設けられた感材を利用し、そのバック層側の最外層に
上記特定化合物を利用すれば、感材の搬送性の向上のみ
ならず、優れた磁気情報を提供できる。その磁気記録層
について説明する。磁気記録層は、磁性体粒子をバイン
ダー中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持
体上に塗設したものである。上記磁性体粒子は、γFe2O
3 などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネ
タイト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強
磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフ
ェライト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用でき
る。Co被着γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好まし
い。形状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状
等いずれでもよい。比表面積では SBET で20m2/g 以上
が好ましく、30m2/g 以上が特に好ましい。強磁性体の
飽和磁化(σs)は、好ましくは 3.0×104 〜 3.0×105A
/mであり、特に好ましくは4.0 ×104 〜2.5 ×105A/mで
ある。強磁性体粒子を、シリカおよび/またはアルミナ
や有機素材による表面処理を施してもよい。さらに、磁
性体粒子は特開平6-161032に記載された如くその表面に
シランカップリング剤又はチタンカップリング剤で処理
されてもよい。又特開平4-259911、同5-81652 号に記載
の表面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用でき
る。
【0083】次に磁性体粒子に用いられるバインダー
は、特開平4-219569号に記載のの熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ
又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導
体,糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用するこ
とができる。上記樹脂のTgは -40℃〜 300℃、重量平均
分子量は 0.2万〜 100万である。例えばビニル系共重合
体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテー
ト、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
アセテートブチレート、セルローストリプロピオネート
などのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好まし
い。特にセルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。
バインダーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネ
ート系の架橋剤を添加して硬化処理することができる。
イソシアネート系の架橋剤としては、トリレンジイソシ
アネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、などのイソシアネート類、これらのイソ
シアネート類とポリアルコールとの反応生成物(例え
ば、トリレンジイソシアナート3molとトリメチロールプ
ロパン1molの反応生成物)、及びこれらのイソシアネー
ト類の縮合により生成したポリイソシアネートなどがあ
げられ、例えば特開平6-59357 に記載されている。
【0084】前述の磁性体粒子を上記バインダ−中に分
散する方法は、特開平6-35092 号に記載されている方法
のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルな
どが好ましく併用も好ましい。特開平5-088283号に記載
の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気
記録層の厚みは 0.1μm〜10μm、好ましくは 0.2μm
〜 5μm、より好ましくは 0.3μm〜 3μmである。磁
性体粒子とバインダーの重量比は好ましくは 0.5:100〜
60:100からなり、より好ましくは1:100 〜30:100であ
る。磁性体粒子の塗布量は 0.005〜 3g/m2 、好ましく
は0.01〜 2g/m2、さらに好ましくは0.02〜 0.5g/m2
である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.01〜0.5
0 が好ましく、0.03〜0.20がより好ましく、0.04〜0.15
が特に好ましい。磁気記録層は、写真用支持体の裏面に
塗布又は印刷によって全面またはストライプ状に設ける
ことができる。磁気記録層を塗布する方法としてはエア
ードクター、ブレード、エアナイフ、スクイズ、含浸、
リバースロール、トランスファーロール、グラビヤ、キ
ス、キャスト、スプレイ、ディップ、バー、エクストリ
ュージョン等が利用でき、特開平5-341436号等に記載の
塗布液が好ましい。
【0085】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層,潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US 5,336,589、同 5,250,404、同
5,229,259、同 5,215,874、EP 466,130に記載されてい
る。
【0086】感材に利用する支持体は、当業界で利用さ
れうるものならば任意であるが、ポリエステル支持体が
好ましい。ポリエステル支持体について記すが、感材、
処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細について
は、公開技報、公技番号94-6023(発明協会;1994.3.15.)
に記載されている。好ましいポリエステルはジオールと
芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成され、芳香族
ジカルボン酸として2,6−、1,5−、1,4−、及
び2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げら
れる。この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキ
サンジメタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙
げることができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を50モル%〜 100モル%含むポリエステ
ルである。中でも特に好ましいのはポリエチレン 2,
6−ナフタレートである。平均分子量の範囲は約 5,000
ないし 200,000である。このようなポリエステルのTgは
通常50℃以上であり、さらに90℃以上が好ましい。
【0087】ポリエステル支持体は、巻き癖をつきにく
くするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好まし
くはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理はこの
温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しながら
熱処理してもよい。この熱処理時間は、0.1 時間以上15
00時間以下、さらに好ましくは 0.5時間以上 200時間以
下である。支持体の熱処理は、ロ−ル状で実施してもよ
く、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。表面
に凹凸を付与し(例えばSnO2や Sb2O5等の導電性無機微
粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端部に
ロ−レットを付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部
の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望まし
い。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バッ
ク層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後の
どこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤
塗布後である。このポリエステルには紫外線吸収剤を練
り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、三菱
化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエステ
ル用として市販されている染料または顔料を練り込むこ
とにより目的を達成することが可能である。
【0088】次に、本発明で利用する感材では、支持体
と感光性層とを接着させるために、表面処理することが
好ましい。薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火
焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活
性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化
処理、などの表面活性化処理が挙げられる。表面処理の
中でも好ましいのは、紫外線照射処理、火焔処理、コロ
ナ処理、グロー処理である。次に下塗法について述べる
と、単層でもよく2層以上でもよい。下塗層用バインダ
ーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエ
ン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料とする共
重合体を始めとして、ポリエチレンイミン、エポキシ樹
脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチン
が挙げられる。支持体を膨潤させる化合物としてレゾル
シンとp−クロルフェノールがある。下塗層にはゼラチ
ン硬化剤としてはクロム塩(クロム明ばんなど)、アル
デヒド類(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒドな
ど)、イソシアネート類、活性ハロゲン化合物(2,4
−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、
エピクロルヒドリン樹脂、活性ビニルスルホン化合物な
どを挙げることができる。SiO2、TiO2、無機物微粒子又
はポリメチルメタクリレート共重合体微粒子(0.01〜10
μm)をマット剤として含有させてもよい。
【0089】また本発明に利用する感材においては、帯
電防止剤が好ましく用いられる。それらの帯電防止剤と
しては、カルボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を
含む高分子、カチオン性高分子、イオン性界面活性剤化
合物を挙げることができる。帯電防止剤として最も好ま
しいものは、 ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、Si
O2、MgO 、BaO 、MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも
1種の体積抵抗率が107 Ω・cm以下、より好ましくは10
5 Ω・cm以下である粒子サイズ 0.001〜1.0 μm結晶性
の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,
S,Si,C など)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あ
るいはこれらの複合酸化物の微粒子である。感材への含
有量としては、5 〜500mg/m2 が好ましく特に好ましく
は10〜350mg/m2 である。導電性の結晶性酸化物又はそ
の複合酸化物とバインダーの量の比は1/300 〜100/1 が
好ましく、より好ましくは 1/100〜100/5 である。
【0090】本発明に利用する感材にはマット剤が有る
事が好ましい。マット剤としては乳剤面、バック面とど
ちらでもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好
ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でも
よく、好ましくは両者を併用することである。例えばポ
リメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート
/メタクリル酸= 9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン
粒子などが好ましい。粒径としては 0.8〜10μmが好ま
しく、その粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径の
0.9 〜 1.1倍の間に全粒子数の90%以上が含有されるこ
とが好ましい。又 マット性を高めるために 0.8μm以
下の微粒子を同時に添加することも好ましく例えばポリ
メチルメタクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタク
リレート/メタクリル酸= 9/1(モル比)、 0.3μ
m))、ポリスチレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリ
カ(0.03μm)が挙げられる。
【0091】次に本発明で用いられる感材に好適に利用
できるフィルムパトローネについて記す。そのパトロー
ネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよい。好ま
しいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更
に本発明のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有して
もよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、
アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリ
マー等を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防
止されたパトローネは特開平1-312537、同1-312538に記
載されている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下
が好ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を
付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込ん
だプラスチックを使って製作される。パトローネのサイ
ズは現在 135サイズのままでもよいし、カメラの小型化
には、現在の 135サイズの25mmのカートリッジの径を22
mm以下とすることも有効である。パトローネのケースの
容積は、30cm3以下好ましくは 25cm3以下とすることが
好ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用さ
れるプラスチックの重量は5g〜15g が好ましい。
【0092】更に、スプールを回転してフイルムを送り
出すパトローネでもよい。またフイルム先端がパトロー
ネ本体内に収納され、スプール軸をフイルム送り出し方
向に回転させることによってフイルム先端をパトローネ
のポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらは
US 4,834,306、同 5,226,613に開示されている。本発明
に用いられる写真フイルムは現像前のいわゆる生フイル
ムでもよいし、現像処理された写真フイルムでもよい。
又、生フイルムと現像済みの写真フィルムが同じ新パト
ローネに収納されていてもよいし、異なるパトローネで
もよい。
【0093】本発明に利用する感材の好適なカートリッ
ジとしては、米国特許第4, 848, 893号、同5,
317, 355号、同5, 347, 334号、同5, 2
96, 886号、特開平 6−85128号の態様が挙
げられる。本発明に利用する感材を撮影するカメラとし
て好ましい態様を記す。簡易装填として特開平6−88
86号、同6−99908号、自動巻き上げとして特開
平6−57398号、同6−101135号、撮影途中
取り出しとして特開平6−205690号、プリントア
スペクト比選択記録機能として特開平5−293138
号、同5−283382号、二重露光防止機能として特
開平6−101194号、使用状態表示機能として特開
平5−150577号の態様が好ましい。本発明で用い
られるラボ処理、機器として好ましい態様を記す。磁気
記録利用関連としては特開平6−95265号、同4−
123054号、米国特許5, 034, 838号、同
5, 041, 933号、プリントアスペクト比選択可能
機構として特開平5−19364号、プリントへの情報
印字機能として特開平2−184835号、同4−18
6335号、同6−79968号、インデックスプリン
ト機能として特開平5−11353号、同5−2325
94号、アタッチ、デタッチ機能として特開平6−14
8805号、スプライス機能として特開平5−1194
61号、カートリッジマガジン機能として特開平4−3
46346号、同5−19439号の態様が好ましい。
【0094】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0095】本実施例で用いた感材は、下記の方法によ
り作成した。 1)支持体 ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー100重
量部と紫外線吸収剤としてTinuvinP.326
(チバ・ガイギー社製)2重量部とを乾燥した後、30
0℃にて溶融後、T型ダイから押し出し140℃で3.
3倍の縦延伸を行い、続いて130℃で3.3倍の横延
伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固定して厚さ90
μmのPENフイルムを得た。なおこのPENフィルム
にはブルー染料,マゼンタ染料及びイエロー染料(前述
の公技番号94−6023号記載のI−1、I−4、I
−6、I−24,I−26、I−27、II−5)を適
当量添加した。
【0096】2)帯電防止層の塗設 厚さ90μmのポリエチレンナフタレート支持体につい
て、その各々の両面に、処理雰囲気圧力0.2Torr、雰
囲気気体中のH2O分圧75%:放電周波数30KHz、出
力2500W、処理強度0.5kV・A・分/m2 でグロ
ー放電処理を施した。この支持体上の片側の面に、下記
組成の塗布液を特公昭58−4589号公報のバー塗布
法を用いて塗布した。 ・導電性微粒子分散液(SnO2/Sb2O5 複合酸化物粒子濃度 10%の水分散液、一次粒子径0.005μmの二次 凝集体でその平均粒径が0.05μm) 270mg/m2 ・ゼラチン 22.5mg/m2 ・ポリグリセロールポリグリシジルエーテル 8.3mg/m2 ・ポリ(重合度20)オキシエチレンソルビタン モノラウレート 5.4mg/m2 さらに、帯電防止層を塗設後、直径20cmのステンレス
巻芯に巻きつけて、110℃(PEN支持体のTg:1
19℃)、48時間加熱し熱履歴させた。 3)下塗層の塗設 帯電防止層を塗設した面とは反対の側の面に下塗り層と
して下記組成の塗布液をバー塗布法を用いて塗布した。 ・ゼラチン 110mg/m2 ・サリチル酸 25mg/m2 ・ポリ(アミド−エピクロルヒドリン)重縮合物 5mg/m2 ・メタノール/n−プロパノール 85/10(wt比)の混合溶剤を用いた 。
【0097】4)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の帯電防止層を塗布した片方の面に
バック層として下記組成の磁気記録層、さらに滑り層を
塗設した。
【0098】4−1)磁気記録層の塗設 下記の磁気記録層を設けた。その時の乾燥温度と時間は
110℃4分であった。 ・3−ポリ(重合度15)オキシエチレンプロピルオキシトリメトキシシラン( 15重量%)で被覆処理されたコバルト- γ- 酸化鉄 (比表面積43m2/g,長軸0.14 μm,単軸0.03μm,飽和磁化89emu/g,Fe+2/Fe +3=6/94,表面は酸化アルミ と酸化珪素 で酸化鉄の2重量%で処理されている)(酸化鉄の分散はオープンニーダーとサ ンドミルで実施した) 55mg/m2 ・ジアセチルセルロース(バインダー) 1140mg/m2 ・ミリオネート MR−400 (日本ポリウレタン工業(株)製)(架橋剤) 8.5mg/m2 ・Al2 3 (平均粒径1.0μm)(研磨剤) 15mg/m2
【0099】磁気記録層用の塗布液の溶剤としては、2
−ブタノン/シクロヘキサノン 1/1(wt比)の混
合溶剤を用いた。
【0100】4−2)滑り層の塗設 下記に示す化合物の固形分塗布量が下記のようになるよ
うに、2−プロパノール/シクロヘキサノン 85/1
5(wt比)の組成の混合溶剤を用いて塗布液を調製
し、バーコーターを用いて塗布した。また乾燥条件は1
10℃4分間で乾燥した。これを滑り層の基本組成とし
た。 ・ヒドロキシプロピルセルロース(バインダー) 25.0mg/m2 ・C6 13CH(OH)C1020COOC4081 7.5 mg/m2 (化合物a)(滑り剤B−3) .C50101 O(CH2 CH2 O)16H 7.5 mg/m2 (化合物b) (化合物aの分散剤) ・BYK−310(ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン) BYKケミジャパン(株)製(滑り剤A−9) 1.5mg/m2 ・C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4SO3N a (塗布助剤)1.5mg/m2 なお、化合物aと化合物bは2−プロパノール/シクロ
ヘキサノンの混合溶媒中での分散物(平均粒径0.02
μm)にしてから添加した。
【0101】塗布はバーコーターを用いて塗布した。ま
た乾燥条件は110℃5分間であった。X−ライト(ブ
ルーフィルター)での磁気記録層のDB の色濃度増加分
は約0.1、また磁気記録層の飽和磁化モーメントは
4.2emu/g、保磁力7.3×104 A/m、角形比は
65%であった。
【0102】5)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に下記の組成の
各層を同時重層塗布し、カラーネガティブ写真フィルム
を作成した。これを感光層の基本組成とした。
【0103】感光層の作成 下記に示すような組成の各層を重層塗布し、カラーネガ
フィルムである各試料を作成した。 (乳剤の調製) 沃臭化銀乳剤の調製:不活性ゼラチン30g、臭化カリ
ウム6g、蒸留水1リットルを溶かした水溶液を75℃
で攪拌しておき、ここへ硝酸銀5.0gを溶かした水溶
液35cc及び臭化カリウム3.2g、沃化カリウム0.
98gを溶かした水溶液35ccをそれぞれ70cc/分の
流速で30秒間添加した後、pAgを10に上げて30
分間熟成して、種乳剤を調製した。
【0104】続いて硝酸銀145gを溶かした水溶液1
リットルのうちの所定量及び臭化カリウムと沃化カリウ
ムの混合物の水溶液を、等モル量ずつ所定の温度、所定
のpAgで臨界成長速度近くの添加速度で添加し平板コ
ア乳剤を調製した。さらにひきつづいて、残りの硝酸銀
水溶液及びコア乳剤調製のときとは異なった組成の臭化
カリウムと沃化カリウムの混合物の水溶液を、等モル量
ずつ臨界成長速度近くの添加速度で添加し、コアを被覆
しコア/シェル型の沃臭化銀乳剤を調製した。アスペク
ト比の調節はコア及びシェル調製時のpAgを選択する
ことにより行った。この乳剤粒子1000個につき個々
の粒子のアスペクト比を測定し、アスペクト比が2:1
以上の粒子の投影面積比を求めたところ64%であっ
た。また、アスペクト比が5:1以上の粒子の投影面積
は48%であった。平均粒子径は1.63μm、平均粒
子厚は0.36μm、平均ヨード含率は7.6モル%で
あった。また、これら乳剤粒子の80%以上に10本以
上の転位線が存在することを透過型電子顕微鏡により確
認した。
【0105】続いて、上記乳剤に増感色素の存在下で金
−硫黄−セレン増感を施した。乳剤を60℃に昇温し、
増感色素ExS−6を以下の感光層組成の第14層に示
す量で加え、60℃で20分間保持した後60℃にてp
H6.3で、1−(4−カルボキシフェニル)−5−メ
ルカプトテトラゾールを1.0×10-5モル/モルA
g、チオ硫酸ナトリウムを0.19×10-5モル/モル
Ag、ジフェニルペンタフルオロフェニルフォスフィン
セレナイド1.0×10-5モル/モルAg、塩化金酸を
0.33×10-5モル/モルAg、およびチオシアン酸
カリウム160×10-5モル/モルAgを添加して、金
−硫黄−セレン増感を最適になるように行なった。ここ
で「金−硫黄−セレン増感を最適になるように行なう」
とは、1/100秒露光した時の感度が最も高くなるよ
うな化学増感を言う。この乳剤を乳剤Pとした。上記の
増感法のうち増感色素をExS−4、−5、−8を第8
層に示す量にかえた乳剤を乳剤Qとした。この他の乳剤
については乳剤要因一覧表として表1に示した。
【0106】(多層カラー感材の作製)上記の下塗りを
施した磁気記録層を有する90μmのポリエチレンナフ
タレートフィルム支持体上に、下記に示すような組成の
各層よりなる多層カラー感材である試料を作製した。 (感光層の組成)塗布量はハロゲン化銀およびコロイド
銀については銀のg/m2 単位で表した量を、またカプ
ラー、添加剤およびゼラチンについてはg/m2 単位で
表した量を、また増感色素については同一層内のハロゲ
ン化銀1モルあたりのモル数で示した。なお、添加物を
示す記号は下記に示す意味を有する。ただし、複数の効
用を有する場合はそのうち一つを代表して載せた。 UV;紫外線吸収剤、Solv;高沸点有機溶剤、Ex
F;染料、ExS;増感色素、ExC;シアンカプラ
ー、ExM;マゼンタカプラー、ExY;イエローカプ
ラー、Cpd;添加剤、H;ゼラチン硬化剤
【0107】第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.15 ゼラチン 1.00 UV−1 3.0×10-2 UV−2 6.0×10-2 UV−3 7.0×10-2 ExF−1 1.0×10-2 ExF−2 4.0×10-2 ExF−3 5.0×10-3 ExM−3 0.11 Cpd−5 1.0×10-3 Solv−1 0.16 Solv−2 0.10
【0108】第2層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 塗布銀量 0.35 沃臭化銀乳剤B 塗布銀量 0.18 ゼラチン 0.77 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.4×10-4 ExS−5 2.3×10-4 ExS−7 4.1×10-6 ExC−1 9.0×10-2 ExC−2 5.0×10-3 ExC−3 4.0×10-2 ExC−5 8.0×10-2 ExC−6 2.0×10-2 ExC−9 2.5×10-2 Cpd−4 2.2×10-2 Cpd−7 1.3×10-3
【0109】第3層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 塗布銀量 0.55 ゼラチン 1.46 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.4×10-4 ExS−5 2.4×10-4 ExS−7 4.3×10-6 ExC−1 0.19 ExC−2 1.0×10-2 ExC−3 1.0×10-2 ExC−4 1.6×10-2 ExC−5 0.19 ExC−6 2.0×10-2 ExC−7 2.5×10-2 ExC−9 3.0×10-2 Cpd−4 1.5×10-3 Cpd−7 2.5×10-3
【0110】第4層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 塗布銀量 1.05 ゼラチン 1.38 ExS−1 2.0×10-4 ExS−2 1.1×10-4 ExS−5 1.9×10-4 ExS−7 1.4×10-5 ExC−1 2.0×10-2 ExC−3 2.0×10-2 ExC−4 9.0×10-2 ExC−5 5.0×10-2 ExC−8 1.0×10-2 ExC−9 1.0×10-2 Cpd−4 1.0×10-3 Cpd−7 1.0×10-3 Solv−1 0.70 Solv−2 0.15
【0111】第5層(中間層) ゼラチン 0.62 Cpd−1 0.13 ポリエチルアクリレートラテックス 8.0×10-2 Solv−1 8.0×10-2
【0112】第6層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 塗布銀量 0.10 沃臭化銀乳剤F 塗布銀量 0.28 ゼラチン 0.31 ExS−3 1.0×10-4 ExS−4 3.1×10-4 ExS−5 6.4×10-5 ExM−1 0.12 ExM−7 2.1×10-2 Solv−1 0.09 Solv−3 7.0×10-3 Solv−5 0.05 Solv−6 0.06
【0113】第7層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤G 塗布銀量 0.20 沃臭化銀乳剤H 塗布銀量 0.20 ゼラチン 0.54 ExS−3 2.7×10-4 ExS−4 8.2×10-4 ExS−5 1.7×10-4 ExM−1 0.27 ExM−7 7.2×10-2 ExY−1 5.4×10-2 Solv−1 0.23 Solv−3 1.8×10-2 Solv−5 0.10 Solv−6 0.20
【0114】第8層(高感度緑感乳剤層) 乳剤Q 塗布銀量 0.65 ゼラチン 0.61 ExS−4 4.3×10-4 ExS−5 8.6×10-5 ExS−8 2.8×10-5 ExM−2 5.5×10-3 ExM−3 1.0×10-2 ExM−5 1.0×10-2 ExM−6 3.0×10-2 ExY−1 1.0×10-2 ExC−1 4.0×10-3 ExC−4 2.5×10-3 Cpd−6 1.0×10-2 Solv−1 0.12 Solv−5 0.05
【0115】第9層(中間層) ゼラチン 0.56 UV−4 4.0×10-2 UV−5 3.0×10-2 Cpd−1 4.0×10-2 ポリエチルアクリレートラテックス 5.0×10-2 Solv−1 3.0×10-2
【0116】第10層(赤感層に対する重層効果のドナー
層) 沃臭化銀乳剤I 塗布銀量 0.40 沃臭化銀乳剤J 塗布銀量 0.20 沃臭化銀乳剤K 塗布銀量 0.39 ゼラチン 0.87 ExS−3 6.7×10-4 ExM−2 0.16 ExM−4 3.0×10-2 ExM−5 5.0×10-2 ExY−2 2.5×10-3 ExY−5 2.0×10-2 Solv−1 0.30 Solv−5 3.0×10-2
【0117】第11層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 9.0×10-2 ゼラチン 0.84 Cpd−1 5.0×10-2 Cpd−2 5.0×10-2 Cpd−5 2.0×10-3 Solv−1 0.13 H−1 0.25
【0118】第12層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 塗布銀量 0.40 沃臭化銀乳剤M 塗布銀量 0.20 沃臭化銀乳剤N 塗布銀量 0.30 ゼラチン 1.75 ExS−6 9.0×10-4 ExY−4 8.5×10-2 ExY−2 5.5×10-3 ExY−3 6.0×10-2 ExY−5 1.00 ExC−1 5.0×10-2 ExC−2 8.0×10-2 Solv−1 0.54
【0119】第13層(中間層) ゼラチン 0.60 ExY−4 0.14 Solv−1 0.14
【0120】第14層(高感度青感乳剤層) 乳剤P 塗布銀量 0.80 ゼラチン 0.95 ExS−6 4.0×10-4 ExY−2 1.0×10-2 ExY−3 2.0×10-2 ExY−5 0.18 ExC−1 1.0×10-2 Solv−1 9.0×10-2
【0121】第15層(第1保護層) 微粒子沃臭化銀乳剤O 塗布銀量 0.12 ゼラチン 0.63 UV−4 0.11 UV−5 0.18 Cpd−3 0.10 Solv−4 2.0×10-2 ポリエチルアクリレートラテックス 9.0×10-2
【0122】第16層(第2保護層) 微粒子沃臭化銀乳剤O 塗布銀量 0.36 ゼラチン 0.85 B−1 (直径 2.0μm) 8.0×10-2 B−2 (直径 2.0μm) 8.0×10-2 B−3 2.0×10-2 ジメチルポリシロキサン (信越化学:KF96-500cs) 1.5×10-3 W−5 2.0×10-2 H−1 0.18
【0123】こうして作製した試料には、上記の他に、
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(ゼラチンに
対して平均 200ppm )、n−ブチル−p−ヒドロキシベ
ンゾエート(同約 1,000ppm )、および2−フェノキシ
エタノール(同約 10,000ppm)が添加された。更に、各
層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、
帯電防止性および塗布性をよくするためにW−1〜W−
6、B−1〜B−6、F−1〜F−16および鉄塩、鉛
塩、金塩、白金塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有さ
れている。
【0124】
【表1】
【0125】
【化1】
【0126】
【化2】
【0127】
【化3】
【0128】
【化4】
【0129】
【化5】
【0130】
【化6】
【0131】
【化7】
【0132】
【化8】
【0133】
【化9】
【0134】
【化10】
【0135】
【化11】
【0136】
【化12】
【0137】
【化13】
【0138】
【化14】
【0139】
【化15】
【0140】
【化16】
【0141】
【化17】
【0142】上記基本組成のバック面、乳剤面の塗布物
を試料へとした。
【0143】試料イ:試料への第二保護層の滑り剤を除
去した。さらにバックの滑り層の滑り剤及びその分散剤
を除去した。 試料ロ:試料イの滑り層に滑り剤A−9(段落79〜8
1参照)を1.5mg/m2 となるよう添加した。 試料ハ:試料イの滑り層に滑り剤B−3を7.5mg/
2 と分散剤化合物bを7.5mg/m2 となるよう添
加した。 試料ニ:試料イの滑り層に滑り剤C−4を5.0mg/
2 と成るよう添加した。 試料ホ:試料イの滑り層に滑り剤D−2を5.5mg/
2 となるよう添加した。
【0144】以上のように作成した試料を24mm幅、
160cmに裁断し、さらに感材の長さ方向の片側幅方
向から0.7mmの所に2mm四方のパーフォレーショ
ンを5.8mm間隔で2つ設ける。この2つのセットを
32mm間隔で設けたものを作成し、米国特許第5,2
96,887号のFIG.1〜FIG.7に説明されて
いるプラスチック製のフィルムカートリッジに収納し
た。この試料に磁気記録層の塗布面側から、ヘッドギャ
ップ5μm、ターン数50、パーマロイ材質のオーディ
オタイプ磁気記録ヘッドを用いて、送り速度100mm
/秒で記録波長50μmのデジタル飽和記録を行なっ
た。
【0145】上記記載の試料を、色温度4800°Kで
露光時間100分の1秒の5cmsのグレー露光を与
え、下記処理工程と処理液でシネ式自動現像機により処
理を行ったのち、再び元のプラスチック製のフィルムカ
ートリッジに収納した。下記処理工程にて、1日当たり
26本、約1m2 の感材を20日間ランニング処理し、
合計520本の処理をそれぞれの感材で行った。これら
試料のISO感度は250〜200であった。
【0146】以下、本実施例に用いた処理について説明
する。発色現像、漂白定着については、感材が処理槽間
を空中で搬送するタイプのシネ式自動現像機(クロスオ
ーバー時間はそれぞれ5秒)を用い、安定(1)〜
(3)については、図1〜4に示したローラ対遮蔽を備
えた自動処理装置を用いた。処理工程及び処理液組成を
以下に示す。 (処理工程) 処理工程 温度 時間 補充量 タンク容量 発色現像 45℃ 60秒 260mL/m2 2リットル 漂白定着 40℃ 70秒 260mL/m2 3リットル 安定(1) 40℃ 表2参照 − 1リットル 安定(2) 40℃ 表2参照 − 1リットル 安定(3) 40℃ 表2参照 表2参照 1リットル 乾 燥 75℃ 40秒 − 安定は(3)から(1)への3タンク向流方式とした。
安定工程時間は(1)〜(3)全て同一の時間であり、
その合計時間を表2に記載した。
【0147】各処理液の組成は以下の通りである。 (発色現像液) (単位g) タンク液 補充液 ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 4.0 タイロン 3.0 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 6.7 炭酸カリウム 39.0 39.0 臭化カリウム 2.0 0 ヨウ化カリウム 0.0013 0 ジナトリウム−N,N−ビス(2−スルホナート エチル)ヒドロキシルアミン 10.0 13.0 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2− ヒドロキシエチル)アニリン 10.0 16.0 水を加えて 1リットル 1リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.35
【0148】 (漂白定着液) (単位g) タンク液 補充液 N,N’−ビス(カルボキシメチル)−N−(1−カルボキシエチル) −N’−(2−カルボキシフェニル)エチレンジアミン 0.18モル 0.20モル 塩化第二鉄 0.16モル 0.18モル チオ硫酸アンモニウム水溶液(750g/リットル) 300mL 330mL ヨウ化アンモニウム 1.0 ---- 亜硫酸アンモニウム 20.0 45.0 p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 20.0 25.0 コハク酸 12.0 12.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(硝酸とアンモニア水にて調整)6.0 5.5
【0149】 (安定液) タンク液と補充液は同じ処方 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.05 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾ−ル 1.3 1,4−ビス(1、2、4−トリアゾ−ル− 1−イルメチル)ピペラジン 0.75 1000mL pH(NaOH/グリコ−ル酸にて) 6.5
【0150】上記方法で処理された感材に対し、下記に
示す方法により、フィルム表面へのキズのつき易さ、ジ
ャミングの発生率、ランニング前後でのイエロー最小濃
度変化、およびランニング後の磁気記録の出力、を評価
した。
【0151】<ジャミングの発生率の評価>前記加工品
を520本ランニング処理し安定浴で発生した搬送不良
(殆どがジャミングであった)の発生率を求めた。カラ
ーネガでの処理故障は取返しがつかないことを考慮し、
1回でも発生した場合を許容外とした。
【0152】<フィルムキズの評価>処理済の520本
のフィルムを目視にて判断し、以下の4段階評価を行っ
た。 ◎:520本とも全くキズがない。 ○:520本中、キズのあるフィルムはあるが、いずれ
もプリントには現れていない。 △:520本中、キズのあるフィルムがあり、プリント
上にて認識される確率が0.5%以下。 ×:520本中、キズのあるフィルムがあり、プリント
上にて認識される確率が0.5%を越える。これを許容
外とした。
【0153】<イエローの最小濃度の測定とその評価>
ランニング当初およびランニング後の特性曲線において
イエローの最小濃度を読み取り、その濃度差(ΔDmi
n)を求めた。ラボにおける同条件プリントの管理幅か
ら、ΔDmin<0.06を許容とした。
【0154】<磁気記録の出力の測定方法とその評価>
処理後の感材を、ヘッドギャップ2.5μm 、ターン数
2000、パーマロイ材の磁気再生ヘッドを用いて孤立
再生波の出力信号レベルを測定した。保存前の感材の平
均出力レベルを100とし、これに対する保存後の感材
の平均出力を%で表した。磁気記録情報の出力は、85
%以上が確保されていないと読み取りエラーが発生して
しまう。85%以上を許容とした。
【0155】結果を表2に示す。
【0156】
【表2】
【0157】表2より以下のことがわかる。本発明の所
定化合物を用いない感材イでの実験1〜4からは、水洗
と安定の合計時間が70秒である実験1はキズ、ジャミ
ング、写真性、磁気出力とも良好であるが、水洗と安定
の合計時間が55秒以下になると写真性、特にイエロー
の最小濃度変化が著しく、磁気記録の出力も不可レベル
である。キズとジャミングは40秒の実験3から悪化の
傾向が見られ、25秒の実験4で不可レベルとなる。一
方、本発明の所定化合物を用いた感材ロでの実験5〜8
は、水洗と安定の合計時間が55秒以下になっても各性
能とも良好であることがわかる。本発明所定の、ローラ
対遮蔽手段を有する処理装置と、本発明所定の化合物を
含有した感材の組合せに関して、安定の合計時間が25
〜60秒が特に好ましい態様であることがわかる。
【0158】また、表2より以下のこともわかる。本発
明所定の化合物を用いない感材イでの実験9〜13から
は、水洗と安定の合計補充量が900mL/m2 である
実験9は各性能とも良好であるが、水洗と安定の合計補
充量が700mL/m2 以下になると写真性、特にイエ
ローの最小濃度変化が著しく、磁気記録の出力も不可レ
ベルである。一方、本発明の化合物を含有した感材ハを
用いた実験14〜18は、水洗と安定の合計補充量が8
00mL/m2 以下になっても各性能とも良好であるこ
とがわかる。本発明のローラ対遮蔽手段を有する処理装
置と、本発明所定の化合物を用いた感材の組合せに関し
て、安定の合計補充量が200〜800mL/m2 が特
に好ましい態様であることがわかる。
【0159】この他の化合物例を用いた感材ニ、ホが許
容されることが実験19、20で示される。。バック側
だけでなく乳剤側の保護層にも含有させた場合にさらに
好ましいことが実験21で示される。
【0160】
【発明の効果】以上説明したように、所定のローラ対遮
蔽手段を有した感材処理装置を用い、また所定の化合物
を最外層に含有する感材を処理することが可能な本発明
の処理方法及び処理装置によれば、良好な搬送性、キズ
付き難さは発揮し、それのみならず良好な写真性能を得
ることが可能なのは予想外の効果である。また、磁気記
録層を、支持体の乳剤層側とは反対側に有する感材を利
用する態様の本発明によれば、上記の効果のみならず、
良好な磁気記録の出力を提供可能である。このような点
が、本発明は、撮影用カラー感光材料、特に長尺の透明
な支持体を有した感光材料に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に適用した自動現像装置の処理液処理
部の概略構成を示す概略断面図である。
【図2】処理液処理部内の一部のフィルム搬送方向に沿
って切断した概略断面図である。
【図3】仕切りラックを示す概略斜視図である。
【図4】仕切りラックの概略構成を示す分解斜視図であ
る。
【図5】第2の遮蔽手段の適用例を示すローラ対近傍の
要部斜視図である。
【図6】第2の遮蔽手段の適用例を示すローラ対近傍の
要部斜視図である。
【図7】第2の遮蔽手段の適用例を示すローラ対近傍の
要部斜視図である。
【符号の説明】
10 自動現像装置(感材処理装置) 12 処理液処理部 14 フィルム(感材) 16 処理槽 18 仕切り板 24 水洗(安定)−1槽 26 水洗(安定)−2槽 28 水洗(安定)−3槽 36 挿通口 50 仕切りラック 52 ローラ対 58 ラック側板 64 弾性部材(第2の遮蔽手段) 74、76 ブロック(第1の遮蔽手段) 78 ブレード(第1の遮蔽手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 11/00 501 G03C 11/00 501 G03D 3/13 G03D 3/13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光材料の搬送方向に沿って設けられ、
    現像能を有する処理液が貯留している処理槽、脱銀能を
    有する処理液が貯留している処理槽、水洗及び/又は安
    定化処理液が貯留している処理槽を少なくとも有するハ
    ロゲン化銀写真感光材料現像処理装置の処理槽中に感光
    材料を浸漬して処理するハロゲン化銀写真感光材料の処
    理方法において、 該処理装置として、隣接する処理槽の少なくとも1カ所
    がローラ対にて感光材料の通過を可能にした仕切り部を
    備えており、その仕切り部は、処理槽の間を仕切ると共
    に前記感光材料が通過可能な開口を囲む仕切り兼包囲部
    と、開口の近傍に設けられ前記開口を通過する感光材料
    と接触することにより感光材料に搬送力を付与可能なロ
    ーラ対と、ロ−ラ対と仕切り兼包囲部との隙間を遮蔽す
    る遮蔽手段とを有する処理装置を利用し、 前記ハロゲン化銀写真感光材料として、ポリオルガノシ
    ロキサン、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル、高
    級脂肪酸アミド、及び高級脂肪酸金属塩の少なくとも1
    つを最外層の一方又は両方に含有する感光材料を用いる
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記仕切り部は、処理槽の間を仕切ると
    共に、前記感光材料が通過可能な開口が設けられた間仕
    切りと、前記間仕切りの開口近傍から突設された一対の
    側板と、前記一対の側板に掛け渡され前記開口を通過す
    る感光材料と接触することにより感光材料に搬送力を付
    与可能なローラと、前記ローラの上面及び下面と前記間
    仕切りの開口周縁との間を閉塞して処理液の流れを防止
    する第1の遮蔽手段と、前記ローラの端面と前記一対の
    側板のそれぞれの間に設けられ、側板とローラ端面との
    間を閉塞して処理液の流れを防止する第2の遮蔽手段を
    有する処理装置である請求項1に記載のハロゲン化銀写
    真感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記水洗及び/又は安定化処理液による
    処理として、前記水洗処理液による処理のみ、安定化処
    理液による処理のみ、又はその両方の処理のいずれを行
    う場合にも、合計の処理時間が、25秒〜60秒である
    請求項1又は2に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処
    理方法。
  4. 【請求項4】 前記水洗及び/又は安定化処理液による
    処理として、前記水洗処理液による処理のみ、安定化処
    理液による処理のみ、又はその両方の処理のいずれを行
    う場合にも、合計の補充量が、感光材料1m2 当たり2
    00〜800mLである請求項1ないし3のいずれかに
    記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  5. 【請求項5】 該感光材料が、支持体上の乳剤層側にそ
    れぞれ少なくとも1層の赤感層、緑感層及び青感層を有
    し、かつ、支持体上の乳剤層側とは反対側に磁性体粒子
    を含有する磁気記録層を有する請求項1ないし4のいず
    れかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方
    法。
  6. 【請求項6】 感光材料が搬送可能に設置され、 その搬送方向に沿って設けられた、現像能を有する処理
    液を入れる処理槽、脱銀能を有する処理液を入れる処理
    槽、水洗及び/又は安定化処理液を入れる処理槽を少な
    くとも有しそれらの処理槽中に感光材料を浸漬して処理
    可能な、複数の隣接する処理槽を有するハロゲン化銀写
    真感光材料用現像処理装置において、 当該該処理装置は、隣接する処理槽の少なくとも1カ所
    がローラ対にて感光材料の通過を可能にした仕切り部を
    備えており、その仕切り部は、処理槽の間を仕切ると共
    に前記感光材料が通過可能な開口を囲む仕切り兼包囲部
    と、開口に近接して設けられ前記開口を通過する感光材
    料と接触することにより感光材料に搬送力を付与可能な
    ローラ対と、ロ−ラ対と仕切り兼包囲部との隙間を遮蔽
    するシール構造体とを有し、 前記ハロゲン化銀写真感光材料は、ポリオルガノシロキ
    サン、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル、高級脂
    肪酸アミド、及び高級脂肪酸金属塩の少なくとも1つを
    最外層の一方又は両方に含有する感光材料であることを
    特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用現像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記水洗及び/又は安定化処理液を入れ
    る処理槽が、前記水洗処理液による処理槽のみ、安定化
    処理液による処理槽のみ、又はその両方の処理槽のいず
    れの場合にも、感光材料の線速度を5mm/秒以上、20
    秒以下とする搬送手段が設けられている請求項6のハロ
    ゲン化銀写真感光材料用現像処理装置。
JP8058458A 1996-02-21 1996-02-21 ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及びそのための現像処理装置 Pending JPH09230558A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008250255A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Fujifilm Corp ハロゲン化銀乳剤およびハロゲン化銀カラー写真感光材料

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