JP3563344B2 - 海洋深層水を利用した玄米茶の素 - Google Patents
海洋深層水を利用した玄米茶の素 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3563344B2 JP3563344B2 JP2000350460A JP2000350460A JP3563344B2 JP 3563344 B2 JP3563344 B2 JP 3563344B2 JP 2000350460 A JP2000350460 A JP 2000350460A JP 2000350460 A JP2000350460 A JP 2000350460A JP 3563344 B2 JP3563344 B2 JP 3563344B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- deep
- brown rice
- deep sea
- ocean
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Cereal-Derived Products (AREA)
- Tea And Coffee (AREA)
- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は海洋深層水を利用した玄米茶の素に関し、特には海洋深層水に含まれているミネラル成分を有効に生かすとともに海洋深層水のミネラルバランスを再現した玄米茶の素に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から玄米の持つ風味を生かした玄米茶が多くの人に好まれており、玄米茶の素として市販されている。これらの玄米茶の素の一般的な製法は、玄米を精選・精白してから水道水に一定時間浸漬し、次に蒸気で蒸す蒸着工程を行ってから乾燥、焙煎、冷却工程を行い、包装仕上工程により製品として完成する。更に塩分を補給する目的で、上記冷却工程時に玄米に塩水を噴霧して塩入り玄米茶の素を作製する方法も知られている。
【0003】
一方、近時は海洋深層水の持つ清浄性と豊富なミネラル成分が需要者の注目を浴びてブームを呼び、該海洋深層水を脱塩処理した水が飲料水の分野に進入している現状にある。上記の海洋深層水は、現在世界中でも「ノルウエー沖」、「ハワイ沖」、「高知県の室戸岬沖」の3ケ所のみで実用的に取水されており、通常海洋表層で見られる風波とか表層温度変化に伴う対流,混合も生じない環境下にある海水で、地上で使用されている各種の油類とか化学物質,農薬等の有害物質に起因する海洋汚染の影響を受けることがなく、しかも海水中の溶存有機物が非常に少なく、微生物的な観点から極めて清浄であるという特徴を有している。水温は年間平均で13℃以下という低温であり、人体が必要とする多くの天然元素を含んでいる。
【0004】
表1は海洋表層水と海洋深層水の各種項目に関して分析した結果を示す一覧表であり、一般項目をみると、水温平均は海洋表層水の21℃に対して海洋深層水は13.1℃と低く、pHは同8.19に対して7.87、DOは同8.33mg/Lに対して7.28mg/L、TOCは1.60mg/Lに対して0.98mg/Lで、ともに海洋深層水の方が低いが、生菌数は海洋表層水の103〜104に対して海洋深層水は102であり、一桁以上も低くなっている。
【0005】
【表1】
【0006】
ミネラル成分としての栄養塩類の項目では、NO3−Nは海洋表層水の1.49μg−at/Lに対して海洋深層水では25.9μg−at/L、PO4−Pは同0.34μg−at/Lに対して1.65μg−at/L、SiO2−Siは同13.6μg−at/Lに対して64.2μg−at/Lと海洋深層水の方が遙かに大きくなっている。他の微量元素の項目でも海洋表層水よりも海洋深層水の方が含有量が高いという分析結果が得られている。
【0007】
また、海洋深層水の脱塩水を原子吸光光度法により分析した結果、カルシウムが0.4mg/L、マグネシウムが1.0mg/L含まれていることが判明した。更に海洋深層水の濃縮水を同様に原子吸光光度法により分析した結果、カルシウムが560mg/L、マグネシウムが1700mg/Lも含まれているという結果が得られた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記従来の玄米茶の素は人体が必要とする天然の微量元素(ミネラル)が含まれておらず、健康飲料用として必ずしも満足するものが得られていないという課題がある。特に近時は天然に存在する微量元素の重要性が見直されている現状にある。
【0009】
他方で海水は微量元素を多く含んでおり、飲料その他の食品に添加する塩として優れているが、海洋汚染の進んだ現代では海水中の表層水はそのままでは添加することはできない。そこで前記したように海洋深層水を脱塩処理した水が近時では多く利用されているが、脱塩作業時に各種の栄養塩類及び微量元素等のミネラル成分の多くが除去されてしまうことが多く、前記表1中の海洋深層水の持つミネラルバランスを実現しているとはいい難いという問題がある。
【0010】
そこで本発明はこのような従来の玄米茶の素が有している課題を解消して、海洋深層水を使用したことによって食品添加物とか調味料を使用しなくても多くの天然微量元素(ミネラル)を含み、かつ該海洋深層水の持つミネラルバランスを再現した玄米茶の素を得ることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、海洋深層水の濃縮水中に精白した玄米を所定時間浸漬してから蒸気で蒸す蒸着工程、乾燥工程、焙煎工程、冷却工程を実施して作製した海洋深層水を利用した玄米茶の素を基本手段として提供する。
【0012】
上記海洋深層水の濃縮水に代えて、海洋深層水の原水もしくは海洋深層水の脱塩水,鉱泉水又は水道水の何れか一種又は複数の水に前記濃縮水を加えたことによって海洋深層水の含有率が25%以上の水を用いてもよい。更に海洋深層水から分離抽出した天然の固体塩中、もしくは天然塩溶解液中に精白した玄米を所定時間浸漬してから玄米茶の素に仕上げる手段を提供する。
【0013】
又、前記冷却工程での冷却水として海洋深層水の濃縮水を使用して、乾燥した玄米の焙煎をしてから該濃縮水を噴射、混合、冷却して玄米茶の素に仕上げる。
【0014】
かかる海洋深層水を利用した玄米茶の素によれば、海洋深層水の濃縮水は原水よりも多量の各種元素成分を含有しており、海洋深層水に含まれているミネラル成分を有効に生かすとともに該海洋深層水のミネラルバランスを再現することができて健康飲料としても好ましい玄米茶の素を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明にかかる海洋深層水を利用した玄米茶の素の具体的な実施形態を説明する。図1は本実施形態にかかる玄米茶の素の製造工程例を示すフロー図であり、先ずステップ1で玄米を用意し、ステップ2で精選してからステップ3で精白する。尚、九分づき米の原料米の精白度は歩留まりが約91%である。上記のステップと並行してステップ4で海面下200メートル以深の深海から取水した海洋深層水を用意し、ステップ5で該海洋深層水の濾過を行ってからステップ6で海洋深層水の濃縮水を得る。
【0016】
ステップ7では、前記ステップ6で得られた海洋深層水の濃縮水を調合タンクに入れて、この濃縮水中にステップ3で精白した玄米を浸漬する。浸漬する目的は海洋深層水の濃縮水に含まれているミネラル成分を玄米中に浸透させるためであり、浸漬時間は1時間±15分程度とする。又、玄米を浸漬する水は必ずしも海洋深層水の濃縮水に限定されず、海洋深層水の脱塩水,鉱泉水又は水道水の何れか一種又は複数の水に前記濃縮水を加えたことによって海洋深層水の含有率が25%以上の水であってもよい。
【0017】
上記浸漬後に調合タンクから玄米を取り出して、ステップ8で蒸気で蒸す蒸着工程を実施する。次にステップ9で乾燥工程を行ってからステップ10で焙煎工程を行い、更にステップ11で冷却工程を行う。そしてステップ12で袋詰め仕上げ工程を行って玄米茶の素として製品が完成する。
【0018】
前記ステップ7における海洋深層水の濃縮水中に精白した玄米を浸漬する工程に代えて、ステップ5で濾過処理しただけの海洋深層水中に精白した玄米を浸漬しても良く、又、海洋深層水から分離抽出した天然の固体塩中に精白した玄米を浸漬するか、海洋深層水から分離抽出した天然塩溶解液中に精白した玄米を浸漬してもよい。
【0019】
ステップ11の冷却工程とは焙煎後に釜から原料を取り出すと該原料が発火する惧れがあるため、この発火を防止することが主目的であるが、更に塩分とミネラルを補給するために、前記ステップ10,11の焙煎工程と冷却工程の水は従来の水道水等を用いずに海洋深層水もしくは該海洋深層水の濃縮水を冷却水として使用して、乾燥した玄米を200℃の焙煎をしてから海洋深層水の濃縮水を噴射、混合してから冷却して塩入り玄米茶の素に仕上げることもできる。
【0020】
本発明で採用した海洋深層水は、室戸岬沖の水深320メートル地点から取水した海水であり、深層水中に含まれている三態窒素のうち、アンモニア態窒素,亜硝酸態窒素はごく僅かであり、生物に与える影響は小さく、硝酸態窒素についても表層部では微量であったが、水深が増加するにつれて濃度が高まり、水深200メートル以深の水中での無機溶存態窒素の95%以上が硝酸態窒素で24μM存在している。その他リン酸態リンが1.7μM、珪酸態珪素が41μM溶存しており、いずれも表層部の5〜10倍以上の栄養塩濃度を有している。
【0021】
海洋深層水中に含まれている生体の発育上で必須の天然元素とは、Fe(鉄)、I(沃素)、Cu(銅)、Mn(マンガン)、Zn(亜鉛)、Co(コバルト)、Mo(モリブデン)、Se(セレン)、Cr(クロム)、Sn(スズ)、V(バナジウム)、F(フッ素)、Si(ケイ素)、Ni(ニッケル)、As(ヒ素)の15元素であり、これらの元素が海洋深層水に全てバランス良く含まれていることが大きな特徴となっている。従って海洋深層水は海洋生物の生長とか増殖に対しても大きな潜在能力を秘めた海水であるといえる。このような潜在能力は、近年メダイやコンブ、深海サンゴ等の養殖実験に利用されて大きな成果を上げていることからも実証されている。特に前記ノルウエー沖の海洋深層水は、フィヨルド深層水と呼ばれてサケ養殖に適していることが報告されている。
【0022】
海洋深層水中の生菌数は、前記表1中に示したように表層水中のそれと比較して、一桁又はそれ以上少なくなっており、しかも病原生物はほとんど含まれていないため、海水に由来する魚病菌による病気に関する惧れは全くなく、玄米茶の素に採用した際の安全性が極めて高いという大きな特徴がある。本発明はこのような海洋深層水に含まれている天然元素を玄米茶の素に採り入れることによって、生体の発育を促進するという従来の玄米茶では実現することができない特性を持つ飲料を提供することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば海洋深層水に含まれている各種の栄養塩類及び微量元素等のミネラル成分の多くが補給され、特に海洋深層水の濃縮水は原水よりも多量の各種元素成分を含有しているため、海洋深層水に含まれているミネラル成分を有効に生かすとともに海洋深層水のミネラルバランスを再現した玄米茶の素が得られる。また、人体に必須の塩として海水中の天然塩が微量元素を多く含んでおり、玄米茶の素に添加する塩として最適であって健康飲料としても好適である。
【0024】
玄米を浸漬する水として、海洋深層水の濃縮水に代えて海洋深層水の原水もしくは海洋深層水の脱塩水,鉱泉水又は水道水の何れか一種又は複数の水に前記濃縮水を加えて海洋深層水の含有率が25%以上の水を用いてもよく、更に海洋深層水から分離抽出した天然の固体塩、天然塩溶解液をも利用可能である。又、冷却工程での冷却水として海洋深層水の濃縮水を使用することにより、塩分補給に好適な塩入り玄米茶の素に仕上げることもできる。
【0025】
従って本発明によれば、食品添加物とか各種調味料を使用しなくても多くの天然微量元素を含み、海洋深層水の持つミネラルバランスを再現したことによって健康飲料として最適な玄米茶の素を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる玄米茶の素の製造工程例を示すフロー図。整理番号 P3206
【発明の属する技術分野】
本発明は海洋深層水を利用した玄米茶の素に関し、特には海洋深層水に含まれているミネラル成分を有効に生かすとともに海洋深層水のミネラルバランスを再現した玄米茶の素に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から玄米の持つ風味を生かした玄米茶が多くの人に好まれており、玄米茶の素として市販されている。これらの玄米茶の素の一般的な製法は、玄米を精選・精白してから水道水に一定時間浸漬し、次に蒸気で蒸す蒸着工程を行ってから乾燥、焙煎、冷却工程を行い、包装仕上工程により製品として完成する。更に塩分を補給する目的で、上記冷却工程時に玄米に塩水を噴霧して塩入り玄米茶の素を作製する方法も知られている。
【0003】
一方、近時は海洋深層水の持つ清浄性と豊富なミネラル成分が需要者の注目を浴びてブームを呼び、該海洋深層水を脱塩処理した水が飲料水の分野に進入している現状にある。上記の海洋深層水は、現在世界中でも「ノルウエー沖」、「ハワイ沖」、「高知県の室戸岬沖」の3ケ所のみで実用的に取水されており、通常海洋表層で見られる風波とか表層温度変化に伴う対流,混合も生じない環境下にある海水で、地上で使用されている各種の油類とか化学物質,農薬等の有害物質に起因する海洋汚染の影響を受けることがなく、しかも海水中の溶存有機物が非常に少なく、微生物的な観点から極めて清浄であるという特徴を有している。水温は年間平均で13℃以下という低温であり、人体が必要とする多くの天然元素を含んでいる。
【0004】
表1は海洋表層水と海洋深層水の各種項目に関して分析した結果を示す一覧表であり、一般項目をみると、水温平均は海洋表層水の21℃に対して海洋深層水は13.1℃と低く、pHは同8.19に対して7.87、DOは同8.33mg/Lに対して7.28mg/L、TOCは1.60mg/Lに対して0.98mg/Lで、ともに海洋深層水の方が低いが、生菌数は海洋表層水の103〜104に対して海洋深層水は102であり、一桁以上も低くなっている。
【0005】
【表1】
【0006】
ミネラル成分としての栄養塩類の項目では、NO3−Nは海洋表層水の1.49μg−at/Lに対して海洋深層水では25.9μg−at/L、PO4−Pは同0.34μg−at/Lに対して1.65μg−at/L、SiO2−Siは同13.6μg−at/Lに対して64.2μg−at/Lと海洋深層水の方が遙かに大きくなっている。他の微量元素の項目でも海洋表層水よりも海洋深層水の方が含有量が高いという分析結果が得られている。
【0007】
また、海洋深層水の脱塩水を原子吸光光度法により分析した結果、カルシウムが0.4mg/L、マグネシウムが1.0mg/L含まれていることが判明した。更に海洋深層水の濃縮水を同様に原子吸光光度法により分析した結果、カルシウムが560mg/L、マグネシウムが1700mg/Lも含まれているという結果が得られた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記従来の玄米茶の素は人体が必要とする天然の微量元素(ミネラル)が含まれておらず、健康飲料用として必ずしも満足するものが得られていないという課題がある。特に近時は天然に存在する微量元素の重要性が見直されている現状にある。
【0009】
他方で海水は微量元素を多く含んでおり、飲料その他の食品に添加する塩として優れているが、海洋汚染の進んだ現代では海水中の表層水はそのままでは添加することはできない。そこで前記したように海洋深層水を脱塩処理した水が近時では多く利用されているが、脱塩作業時に各種の栄養塩類及び微量元素等のミネラル成分の多くが除去されてしまうことが多く、前記表1中の海洋深層水の持つミネラルバランスを実現しているとはいい難いという問題がある。
【0010】
そこで本発明はこのような従来の玄米茶の素が有している課題を解消して、海洋深層水を使用したことによって食品添加物とか調味料を使用しなくても多くの天然微量元素(ミネラル)を含み、かつ該海洋深層水の持つミネラルバランスを再現した玄米茶の素を得ることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、海洋深層水の濃縮水中に精白した玄米を所定時間浸漬してから蒸気で蒸す蒸着工程、乾燥工程、焙煎工程、冷却工程を実施して作製した海洋深層水を利用した玄米茶の素を基本手段として提供する。
【0012】
上記海洋深層水の濃縮水に代えて、海洋深層水の原水もしくは海洋深層水の脱塩水,鉱泉水又は水道水の何れか一種又は複数の水に前記濃縮水を加えたことによって海洋深層水の含有率が25%以上の水を用いてもよい。更に海洋深層水から分離抽出した天然の固体塩中、もしくは天然塩溶解液中に精白した玄米を所定時間浸漬してから玄米茶の素に仕上げる手段を提供する。
【0013】
又、前記冷却工程での冷却水として海洋深層水の濃縮水を使用して、乾燥した玄米の焙煎をしてから該濃縮水を噴射、混合、冷却して玄米茶の素に仕上げる。
【0014】
かかる海洋深層水を利用した玄米茶の素によれば、海洋深層水の濃縮水は原水よりも多量の各種元素成分を含有しており、海洋深層水に含まれているミネラル成分を有効に生かすとともに該海洋深層水のミネラルバランスを再現することができて健康飲料としても好ましい玄米茶の素を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明にかかる海洋深層水を利用した玄米茶の素の具体的な実施形態を説明する。図1は本実施形態にかかる玄米茶の素の製造工程例を示すフロー図であり、先ずステップ1で玄米を用意し、ステップ2で精選してからステップ3で精白する。尚、九分づき米の原料米の精白度は歩留まりが約91%である。上記のステップと並行してステップ4で海面下200メートル以深の深海から取水した海洋深層水を用意し、ステップ5で該海洋深層水の濾過を行ってからステップ6で海洋深層水の濃縮水を得る。
【0016】
ステップ7では、前記ステップ6で得られた海洋深層水の濃縮水を調合タンクに入れて、この濃縮水中にステップ3で精白した玄米を浸漬する。浸漬する目的は海洋深層水の濃縮水に含まれているミネラル成分を玄米中に浸透させるためであり、浸漬時間は1時間±15分程度とする。又、玄米を浸漬する水は必ずしも海洋深層水の濃縮水に限定されず、海洋深層水の脱塩水,鉱泉水又は水道水の何れか一種又は複数の水に前記濃縮水を加えたことによって海洋深層水の含有率が25%以上の水であってもよい。
【0017】
上記浸漬後に調合タンクから玄米を取り出して、ステップ8で蒸気で蒸す蒸着工程を実施する。次にステップ9で乾燥工程を行ってからステップ10で焙煎工程を行い、更にステップ11で冷却工程を行う。そしてステップ12で袋詰め仕上げ工程を行って玄米茶の素として製品が完成する。
【0018】
前記ステップ7における海洋深層水の濃縮水中に精白した玄米を浸漬する工程に代えて、ステップ5で濾過処理しただけの海洋深層水中に精白した玄米を浸漬しても良く、又、海洋深層水から分離抽出した天然の固体塩中に精白した玄米を浸漬するか、海洋深層水から分離抽出した天然塩溶解液中に精白した玄米を浸漬してもよい。
【0019】
ステップ11の冷却工程とは焙煎後に釜から原料を取り出すと該原料が発火する惧れがあるため、この発火を防止することが主目的であるが、更に塩分とミネラルを補給するために、前記ステップ10,11の焙煎工程と冷却工程の水は従来の水道水等を用いずに海洋深層水もしくは該海洋深層水の濃縮水を冷却水として使用して、乾燥した玄米を200℃の焙煎をしてから海洋深層水の濃縮水を噴射、混合してから冷却して塩入り玄米茶の素に仕上げることもできる。
【0020】
本発明で採用した海洋深層水は、室戸岬沖の水深320メートル地点から取水した海水であり、深層水中に含まれている三態窒素のうち、アンモニア態窒素,亜硝酸態窒素はごく僅かであり、生物に与える影響は小さく、硝酸態窒素についても表層部では微量であったが、水深が増加するにつれて濃度が高まり、水深200メートル以深の水中での無機溶存態窒素の95%以上が硝酸態窒素で24μM存在している。その他リン酸態リンが1.7μM、珪酸態珪素が41μM溶存しており、いずれも表層部の5〜10倍以上の栄養塩濃度を有している。
【0021】
海洋深層水中に含まれている生体の発育上で必須の天然元素とは、Fe(鉄)、I(沃素)、Cu(銅)、Mn(マンガン)、Zn(亜鉛)、Co(コバルト)、Mo(モリブデン)、Se(セレン)、Cr(クロム)、Sn(スズ)、V(バナジウム)、F(フッ素)、Si(ケイ素)、Ni(ニッケル)、As(ヒ素)の15元素であり、これらの元素が海洋深層水に全てバランス良く含まれていることが大きな特徴となっている。従って海洋深層水は海洋生物の生長とか増殖に対しても大きな潜在能力を秘めた海水であるといえる。このような潜在能力は、近年メダイやコンブ、深海サンゴ等の養殖実験に利用されて大きな成果を上げていることからも実証されている。特に前記ノルウエー沖の海洋深層水は、フィヨルド深層水と呼ばれてサケ養殖に適していることが報告されている。
【0022】
海洋深層水中の生菌数は、前記表1中に示したように表層水中のそれと比較して、一桁又はそれ以上少なくなっており、しかも病原生物はほとんど含まれていないため、海水に由来する魚病菌による病気に関する惧れは全くなく、玄米茶の素に採用した際の安全性が極めて高いという大きな特徴がある。本発明はこのような海洋深層水に含まれている天然元素を玄米茶の素に採り入れることによって、生体の発育を促進するという従来の玄米茶では実現することができない特性を持つ飲料を提供することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば海洋深層水に含まれている各種の栄養塩類及び微量元素等のミネラル成分の多くが補給され、特に海洋深層水の濃縮水は原水よりも多量の各種元素成分を含有しているため、海洋深層水に含まれているミネラル成分を有効に生かすとともに海洋深層水のミネラルバランスを再現した玄米茶の素が得られる。また、人体に必須の塩として海水中の天然塩が微量元素を多く含んでおり、玄米茶の素に添加する塩として最適であって健康飲料としても好適である。
【0024】
玄米を浸漬する水として、海洋深層水の濃縮水に代えて海洋深層水の原水もしくは海洋深層水の脱塩水,鉱泉水又は水道水の何れか一種又は複数の水に前記濃縮水を加えて海洋深層水の含有率が25%以上の水を用いてもよく、更に海洋深層水から分離抽出した天然の固体塩、天然塩溶解液をも利用可能である。又、冷却工程での冷却水として海洋深層水の濃縮水を使用することにより、塩分補給に好適な塩入り玄米茶の素に仕上げることもできる。
【0025】
従って本発明によれば、食品添加物とか各種調味料を使用しなくても多くの天然微量元素を含み、海洋深層水の持つミネラルバランスを再現したことによって健康飲料として最適な玄米茶の素を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる玄米茶の素の製造工程例を示すフロー図。整理番号 P3206
Claims (6)
- 海洋深層水の濃縮水中に精白した玄米を所定時間浸漬してから蒸気で蒸す蒸着工程、乾燥工程、焙煎工程、冷却工程を実施して作製したことを特徴とする海洋深層水を利用した玄米茶の素。
- 海洋深層水の濃縮水に代えて、海洋深層水の原水を用いたことを特徴とする請求項1記載の海洋深層水を利用した玄米茶の素。
- 海洋深層水の濃縮水に代えて、海洋深層水の脱塩水,鉱泉水又は水道水の何れか一種又は複数の水に前記濃縮水を加えたことによって海洋深層水の含有率が25%以上の水を用いたことを特徴とする請求項1記載の海洋深層水を利用した玄米茶の素。
- 海洋深層水から分離抽出した天然の固体塩中に精白した玄米を所定時間浸漬してから蒸気で蒸す蒸着工程、乾燥工程、焙煎工程、冷却工程を実施して作製したことを特徴とする海洋深層水を利用した玄米茶の素。
- 海洋深層水から分離抽出した天然塩溶解液中に精白した玄米を所定時間浸漬してから蒸気で蒸す蒸着工程、乾燥工程、焙煎工程、冷却工程を実施して作製したことを特徴とする海洋深層水を利用した玄米茶の素。
- 前記冷却工程での冷却水として海洋深層水の濃縮水を使用して、乾燥した玄米の焙煎をしてから該濃縮水を噴射、混合、冷却して玄米茶の素に仕上げることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載の海洋深層水を利用した玄米茶の素。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000350460A JP3563344B2 (ja) | 2000-11-17 | 2000-11-17 | 海洋深層水を利用した玄米茶の素 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000350460A JP3563344B2 (ja) | 2000-11-17 | 2000-11-17 | 海洋深層水を利用した玄米茶の素 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002142676A JP2002142676A (ja) | 2002-05-21 |
JP3563344B2 true JP3563344B2 (ja) | 2004-09-08 |
Family
ID=18823685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000350460A Expired - Fee Related JP3563344B2 (ja) | 2000-11-17 | 2000-11-17 | 海洋深層水を利用した玄米茶の素 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3563344B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101028595B1 (ko) | 2008-01-09 | 2011-04-13 | 서희동 | 해양 심층수를 이용하여 기능미를 제조하는 방법 |
KR100831029B1 (ko) | 2008-01-10 | 2008-05-20 | 토성농업협동조합 | 해양심층수가 코팅된 쌀 및 그 제조방법 |
-
2000
- 2000-11-17 JP JP2000350460A patent/JP3563344B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002142676A (ja) | 2002-05-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3545692B2 (ja) | 海洋深層水を利用したスポーツドリンク | |
KR102096169B1 (ko) | 해양심층수의 염도조절수를 이용한 배추절임 제조방법 | |
JPH0734728B2 (ja) | 海洋深層水を利用した清涼飲料 | |
JP3510585B2 (ja) | 海洋深層水を利用した穀物茶 | |
KR100823038B1 (ko) | 해양 심층수를 이용하여 된장과 간장을 만드는 방법 | |
JP3545685B2 (ja) | 海洋深層水を利用した抽出飲料 | |
JP3563344B2 (ja) | 海洋深層水を利用した玄米茶の素 | |
JP3611516B2 (ja) | 海洋深層水を利用した炊き込みご飯の素 | |
JP4045060B2 (ja) | 鉱泉水由来のミネラル成分含有の深層水飲料 | |
JP2002255712A (ja) | 海洋深層水を利用した葉面散布剤 | |
JP2003009803A (ja) | 海洋深層水を利用した味付け筍及びその製造方法 | |
JP3263930B2 (ja) | 海洋深層水を利用した漬物食品 | |
JP3530510B2 (ja) | 海洋深層水を利用した発酵健康茶及びその製造方法 | |
JP3647739B2 (ja) | 発芽活性を有する炊き込みご飯の素 | |
JP4045061B2 (ja) | 深層水由来のミネラル成分含有の鉱泉水飲料 | |
JP2004008179A (ja) | 海洋深層水を利用した焼カツオ及びその製造方法 | |
JP3572281B2 (ja) | 海洋深層水を利用した発酵健康食品及びその製造方法 | |
KR20090060783A (ko) | 해양심층수를 이용한 미네랄 성분이 강화된 발아현미의제조방법 | |
JP3953487B2 (ja) | 黒豆茶 | |
KR20120034354A (ko) | 포장용 김치 제조방법 및 그 제품 | |
JPH11225716A (ja) | 飲食物の製造法。 | |
KR20100014209A (ko) | 해양 심층수를 이용하여 메주를 만드는 방법 | |
JP2001292748A (ja) | 海洋深層水を利用した飲料 | |
KR20150060243A (ko) | 해양심층수를 이용한 어류의 가공방법 | |
JPH07274838A (ja) | 海洋深層水を利用した冷菓及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040518 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040602 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |