JP2004008179A - 海洋深層水を利用した焼カツオ及びその製造方法 - Google Patents
海洋深層水を利用した焼カツオ及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004008179A JP2004008179A JP2002169982A JP2002169982A JP2004008179A JP 2004008179 A JP2004008179 A JP 2004008179A JP 2002169982 A JP2002169982 A JP 2002169982A JP 2002169982 A JP2002169982 A JP 2002169982A JP 2004008179 A JP2004008179 A JP 2004008179A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- bonito
- skipjack
- deep
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
Abstract
【課題】海洋深層水に含まれている多くの天然微量元素(ミネラル)を含み、しかもまろやかな味わいを持つ焼カツオ及びその製造方法を得ることを目的とする。
【解決手段】原料としてのカツオに海洋深層水を用いて味付けを施してから焼成処理を行って得た焼カツオとその製造方法を基本手段としている。具体的な製造方法として、カツオを三枚におろして片身としてから縦方向の切込みを入れ、海洋深層水を用いて味付けを施してから焼成炉内に入れて焼成処理を行う。味付けは海洋深層水の原水を霧状にしてカツオの片身に散布するか、海洋深層水を6%程度添加した水中にカツオの片身を約1時間浸漬して行う。焼成は焼成炉内で300℃で35分〜40分間の処理を行うか、焼成炉内に水の入った容器を入れて、カツオの片身を300℃で35分〜40分間の蒸し焼き処理を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】原料としてのカツオに海洋深層水を用いて味付けを施してから焼成処理を行って得た焼カツオとその製造方法を基本手段としている。具体的な製造方法として、カツオを三枚におろして片身としてから縦方向の切込みを入れ、海洋深層水を用いて味付けを施してから焼成炉内に入れて焼成処理を行う。味付けは海洋深層水の原水を霧状にしてカツオの片身に散布するか、海洋深層水を6%程度添加した水中にカツオの片身を約1時間浸漬して行う。焼成は焼成炉内で300℃で35分〜40分間の処理を行うか、焼成炉内に水の入った容器を入れて、カツオの片身を300℃で35分〜40分間の蒸し焼き処理を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は海洋深層水を利用した焼カツオ及びその製造方法に関し、特には海洋深層水に含まれているミネラル成分を有効に生かして、まろやかな味わいを持つ焼カツオとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から一般に市販されているカツオ製品としては土佐節とか薩摩節に代表される所謂鰹節が有名である。また、鰹節以外に三枚におろしたカツオをボイルしてから醤油,柚子等で味付けをして生干しにした生り節も知られている。
【0003】
一方、近時は海洋深層水の持つ清浄性と豊富なミネラル成分が需要者の注目を浴びてブームを呼び、該海洋深層水を脱塩処理した水が飲料水の分野に進入している現状にある。上記の海洋深層水は室戸岬沖その他の複数個所で実用的に取水されており、通常海洋表層で見られる風波とか表層温度変化に伴う対流,混合も生じない環境下にある海水で、地上で使用されている各種の油類とか化学物質,農薬等の有害物質に起因する海洋汚染の影響を受けることがなく、しかも海水中の溶存有機物が非常に少なく、微生物的な観点から極めて清浄であるという特徴を有している。水温は年間平均で13℃以下という低温であり、人体が必要とする多くの天然元素を含んでいる。
【0004】
表1は海洋表層水と海洋深層水の各種項目に関して分析した結果を示す一覧表であり、一般項目をみると、水温平均は海洋表層水の21℃に対して海洋深層水は13.1℃と低く、pHは同8.19に対して7.87、DOは同8.33mg/Lに対して7.28mg/L、TOCは1.60mg/Lに対して0.98mg/Lで、ともに海洋深層水の方が低いが、生菌数は海洋表層水の103〜104に対して海洋深層水は102であり、一桁以上も低くなっている。
【0005】
【表1】
【0006】
ミネラル成分としての栄養塩類の項目では、NO3−Nは海洋表層水の1.49μg−at/Lに対して海洋深層水では25.9μg−at/L、PO4−Pは同0.34μg−at/Lに対して1.65μg−at/L、SiO2−Siは同13.6μg−at/Lに対して64.2μg−at/Lと海洋深層水の方が遙かに大きくなっている。他の微量元素の項目でも海洋表層水よりも海洋深層水の方が含有量が高いという分析結果が得られている。
【0007】
また、海洋深層水の脱塩水を原子吸光光度法により分析した結果、カルシウムが0.4mg/L、マグネシウムが1.0mg/L含まれていることが判明した。更に海洋深層水の濃縮水を同様に原子吸光光度法により分析した結果、カルシウムが560mg/L、マグネシウムが1700mg/Lも含まれているという結果が得られた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、従来からカツオ製品として知られている生り節は、三枚におろしたカツオをボイルして醤油,柚子等で味付けし、生干しにして製造しているが、ボイルすることによって甘味成分や脂肪が抜けてパサパサとした食感になり、カツオ本来の味覚が損なわれてしまうという難点がある。
【0009】
一方、近時は天然に存在する微量元素の重要性が見直されてきており、各種の食品においても微量元素を供給することのできる製品の提供が期待されている。海水は微量元素を多く含んでおり、飲料その他の食品に添加する塩として優れているが、海洋汚染の進んだ現代では海水中の表層水はそのままでは添加することはできない。そこで近時では海洋深層水を脱塩処理した水が多く利用されているが、脱塩作業時に各種の栄養塩類及び微量元素等のミネラル成分の多くが除去されてしまうことが多く、前記表1中の海洋深層水の持つミネラルバランスを実現しているとはいい難いという問題がある。
【0010】
そこで本発明はこのような従来のカツオを原料とする食品が有している課題を解消して、海洋深層水に含まれている多くの天然微量元素(ミネラル)を含み、しかもまろやかな味わいを持つ焼カツオ及びその製造方法を得ることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、カツオを原料とし、この原料に海洋深層水を用いて味付けを施してから焼成処理を行って得た焼カツオとその製造方法を基本手段としている。
【0012】
具体的な製造方法として、原料としてのカツオを三枚におろして片身としてから縦方向の切込みを入れ、海洋深層水を用いて味付けを施してから焼成炉内に入れて焼成処理を行って焼カツオを作製する。味付けは海洋深層水の原水を霧状にしてカツオの片身に散布するか、海洋深層水を6%程度添加した水中にカツオの片身を約1時間浸漬して行う。
【0013】
焼成炉内でカツオの片身を300℃で35分〜40分間の焼成処理を行うか、焼成炉内に水の入った容器を入れて、カツオの片身を300℃で35分〜40分間の蒸し焼き処理を行う。
【0014】
かかる海洋深層水を利用した焼カツオは、カツオをボイルしていないので、カツオが本来持っている甘味と脂肪が生かされて味覚と食感が損なわれず、かつ、海洋深層水に含まれているミネラル成分を有効に生かして、まろやかな味わいを持つ焼カツオが提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明にかかる海洋深層水を利用した焼カツオ及びその製造方法の具体的な実施形態を説明する。本発明は原料としてのカツオに海洋深層水を用いて味付けを施してから焼成処理を行うようにした焼カツオとその製造方法を提供するものである。
【0016】
図1は本実施形態にかかる焼カツオの製造工程例を示すフロー図であり、先ずステップ1で原料として新鮮なカツオを用意する。このカツオとしては脂の乗った「トロカツオ」といわれるものが適当である。ステップ2でこの原料を三枚におろして片身とし、一方の片身の腹骨を取る。次にステップ3で得られたカツオの片身に縦方向の切込みを入れる。この切込み工程は後述する海洋深層水の浸透を容易にするとともに、海洋深層水に含まれているミネラル成分を浸透させてカツオの旨みを引き出すために行う。
【0017】
上記のステップと並行して、ステップ4で海面下200メートル以深の深海から取水した海洋深層水を用意し、ステップ5で該海洋深層水の原水を霧状にしてカツオの片身に散布して味付けを行う。このように海洋深層水の原水を使用することが本発明の特徴の一つであり、味覚とともに焼カツオとしての照りが格段によくなって濃い飴色を呈して食欲をそそり、見栄えも向上する。この散布手段に代えて、カツオの片身を海洋深層水を6%程度添加した水中に所定時間、例えば1時間程度浸漬してもよい。
【0018】
次に海洋深層水によって味付けしたカツオの片身をそのまま、又は一晩冷蔵庫で保冷した後にステップ6で焼成炉内に入れて一定時間だけ焼成処理を行う。焼成は300℃で35分〜40分間とする。また、焼成炉としてコンベクションオーブンを利用して、該オーブン内に水の入った容器を入れて、300℃で35分〜40分間の蒸し焼き処理を行ってもよい。
【0019】
次にステップ7で焼成炉から取り出したカツオの冷却工程を行い、ステップ8で真空パック等の包装工程を行ってステップ9で製品が完成する。
【0020】
本発明で採用した海洋深層水は、室戸岬沖の水深320メートル地点から取水した海水であり、深層水中に含まれている三態窒素のうち、アンモニア態窒素,亜硝酸態窒素はごく僅かであり、生物に与える影響は小さく、硝酸態窒素についても表層部では微量であったが、水深が増加するにつれて濃度が高まり、水深200メートル以深の水中での無機溶存態窒素の95%以上が硝酸態窒素で24μM存在している。その他リン酸態リンが1.7μM、珪酸態珪素が41μM溶存しており、いずれも表層部の5〜10倍以上の栄養塩濃度を有している。
【0021】
海洋深層水中に含まれている生体の発育上で必須の天然元素とは、Fe(鉄)、I(沃素)、Cu(銅)、Mn(マンガン)、Zn(亜鉛)、Co(コバルト)、Mo(モリブデン)、Se(セレン)、Cr(クロム)、Sn(スズ)、V(バナジウム)、F(フッ素)、Si(ケイ素)、Ni(ニッケル)、As(ヒ素)の15元素であり、これらの元素が海洋深層水に全てバランス良く含まれていることが大きな特徴となっている。従って海洋深層水は海洋生物の生長とか増殖に対しても大きな潜在能力を秘めた海水であるといえる。このような潜在能力は、近年メダイやコンブ、深海サンゴ等の養殖実験に利用されて大きな成果を上げていることからも実証されている。
【0022】
海洋深層水中の生菌数は、前記表1中に示したように表層水中のそれと比較して、1桁又はそれ以上少なくなっており、しかも病原生物はほとんど含まれていないため、海水に由来する魚病菌による病気に関する惧れは全くなく、焼カツオの味付けに採用しても安全性が極めて高いという大きな特徴がある。本発明はこのような海洋深層水に含まれている天然元素を焼カツオの作製に採り入れることが特徴の一つとなっている。
【0023】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば従来から知られている生り節のように原料をボイルしていないので、カツオが本来持っている味覚を保持するとともに食感が損なわれることがなく、まろやかな味わいを持つ焼カツオを提供することができる。しかも、原料として脂の乗った「トロカツオ」を使用することにより、「トロカツオ」の脂と海洋深層水の塩分及びミネラル分とが焼成によって旨味をまして味覚を改善した焼カツオを提供することができる。
【0024】
特に味付け処理に海洋深層水の原水を用いることによって製品中に海洋深層水に含まれている各種の栄養塩類及び微量元素等のミネラル成分の多くが補給され、海洋深層水のミネラルバランスを再現するとともに人体に必須の塩として海水中の天然塩及び微量元素を含んだ焼カツオが得られる。また、海洋深層水を使用することにより、焼カツオとしての照りが格段によくなり、濃い飴色を呈して食欲をそそり、見栄えも向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる焼カツオの製造工程例を示すフロー図。
【符号の説明】
1…原料
3…切込み形成工程
4…海洋深層水
5…味付け工程
6…焼成処理工程
7…冷却工程
8…包装工程
9…製品
整理番号 P3447
【発明の属する技術分野】
本発明は海洋深層水を利用した焼カツオ及びその製造方法に関し、特には海洋深層水に含まれているミネラル成分を有効に生かして、まろやかな味わいを持つ焼カツオとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から一般に市販されているカツオ製品としては土佐節とか薩摩節に代表される所謂鰹節が有名である。また、鰹節以外に三枚におろしたカツオをボイルしてから醤油,柚子等で味付けをして生干しにした生り節も知られている。
【0003】
一方、近時は海洋深層水の持つ清浄性と豊富なミネラル成分が需要者の注目を浴びてブームを呼び、該海洋深層水を脱塩処理した水が飲料水の分野に進入している現状にある。上記の海洋深層水は室戸岬沖その他の複数個所で実用的に取水されており、通常海洋表層で見られる風波とか表層温度変化に伴う対流,混合も生じない環境下にある海水で、地上で使用されている各種の油類とか化学物質,農薬等の有害物質に起因する海洋汚染の影響を受けることがなく、しかも海水中の溶存有機物が非常に少なく、微生物的な観点から極めて清浄であるという特徴を有している。水温は年間平均で13℃以下という低温であり、人体が必要とする多くの天然元素を含んでいる。
【0004】
表1は海洋表層水と海洋深層水の各種項目に関して分析した結果を示す一覧表であり、一般項目をみると、水温平均は海洋表層水の21℃に対して海洋深層水は13.1℃と低く、pHは同8.19に対して7.87、DOは同8.33mg/Lに対して7.28mg/L、TOCは1.60mg/Lに対して0.98mg/Lで、ともに海洋深層水の方が低いが、生菌数は海洋表層水の103〜104に対して海洋深層水は102であり、一桁以上も低くなっている。
【0005】
【表1】
【0006】
ミネラル成分としての栄養塩類の項目では、NO3−Nは海洋表層水の1.49μg−at/Lに対して海洋深層水では25.9μg−at/L、PO4−Pは同0.34μg−at/Lに対して1.65μg−at/L、SiO2−Siは同13.6μg−at/Lに対して64.2μg−at/Lと海洋深層水の方が遙かに大きくなっている。他の微量元素の項目でも海洋表層水よりも海洋深層水の方が含有量が高いという分析結果が得られている。
【0007】
また、海洋深層水の脱塩水を原子吸光光度法により分析した結果、カルシウムが0.4mg/L、マグネシウムが1.0mg/L含まれていることが判明した。更に海洋深層水の濃縮水を同様に原子吸光光度法により分析した結果、カルシウムが560mg/L、マグネシウムが1700mg/Lも含まれているという結果が得られた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、従来からカツオ製品として知られている生り節は、三枚におろしたカツオをボイルして醤油,柚子等で味付けし、生干しにして製造しているが、ボイルすることによって甘味成分や脂肪が抜けてパサパサとした食感になり、カツオ本来の味覚が損なわれてしまうという難点がある。
【0009】
一方、近時は天然に存在する微量元素の重要性が見直されてきており、各種の食品においても微量元素を供給することのできる製品の提供が期待されている。海水は微量元素を多く含んでおり、飲料その他の食品に添加する塩として優れているが、海洋汚染の進んだ現代では海水中の表層水はそのままでは添加することはできない。そこで近時では海洋深層水を脱塩処理した水が多く利用されているが、脱塩作業時に各種の栄養塩類及び微量元素等のミネラル成分の多くが除去されてしまうことが多く、前記表1中の海洋深層水の持つミネラルバランスを実現しているとはいい難いという問題がある。
【0010】
そこで本発明はこのような従来のカツオを原料とする食品が有している課題を解消して、海洋深層水に含まれている多くの天然微量元素(ミネラル)を含み、しかもまろやかな味わいを持つ焼カツオ及びその製造方法を得ることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、カツオを原料とし、この原料に海洋深層水を用いて味付けを施してから焼成処理を行って得た焼カツオとその製造方法を基本手段としている。
【0012】
具体的な製造方法として、原料としてのカツオを三枚におろして片身としてから縦方向の切込みを入れ、海洋深層水を用いて味付けを施してから焼成炉内に入れて焼成処理を行って焼カツオを作製する。味付けは海洋深層水の原水を霧状にしてカツオの片身に散布するか、海洋深層水を6%程度添加した水中にカツオの片身を約1時間浸漬して行う。
【0013】
焼成炉内でカツオの片身を300℃で35分〜40分間の焼成処理を行うか、焼成炉内に水の入った容器を入れて、カツオの片身を300℃で35分〜40分間の蒸し焼き処理を行う。
【0014】
かかる海洋深層水を利用した焼カツオは、カツオをボイルしていないので、カツオが本来持っている甘味と脂肪が生かされて味覚と食感が損なわれず、かつ、海洋深層水に含まれているミネラル成分を有効に生かして、まろやかな味わいを持つ焼カツオが提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明にかかる海洋深層水を利用した焼カツオ及びその製造方法の具体的な実施形態を説明する。本発明は原料としてのカツオに海洋深層水を用いて味付けを施してから焼成処理を行うようにした焼カツオとその製造方法を提供するものである。
【0016】
図1は本実施形態にかかる焼カツオの製造工程例を示すフロー図であり、先ずステップ1で原料として新鮮なカツオを用意する。このカツオとしては脂の乗った「トロカツオ」といわれるものが適当である。ステップ2でこの原料を三枚におろして片身とし、一方の片身の腹骨を取る。次にステップ3で得られたカツオの片身に縦方向の切込みを入れる。この切込み工程は後述する海洋深層水の浸透を容易にするとともに、海洋深層水に含まれているミネラル成分を浸透させてカツオの旨みを引き出すために行う。
【0017】
上記のステップと並行して、ステップ4で海面下200メートル以深の深海から取水した海洋深層水を用意し、ステップ5で該海洋深層水の原水を霧状にしてカツオの片身に散布して味付けを行う。このように海洋深層水の原水を使用することが本発明の特徴の一つであり、味覚とともに焼カツオとしての照りが格段によくなって濃い飴色を呈して食欲をそそり、見栄えも向上する。この散布手段に代えて、カツオの片身を海洋深層水を6%程度添加した水中に所定時間、例えば1時間程度浸漬してもよい。
【0018】
次に海洋深層水によって味付けしたカツオの片身をそのまま、又は一晩冷蔵庫で保冷した後にステップ6で焼成炉内に入れて一定時間だけ焼成処理を行う。焼成は300℃で35分〜40分間とする。また、焼成炉としてコンベクションオーブンを利用して、該オーブン内に水の入った容器を入れて、300℃で35分〜40分間の蒸し焼き処理を行ってもよい。
【0019】
次にステップ7で焼成炉から取り出したカツオの冷却工程を行い、ステップ8で真空パック等の包装工程を行ってステップ9で製品が完成する。
【0020】
本発明で採用した海洋深層水は、室戸岬沖の水深320メートル地点から取水した海水であり、深層水中に含まれている三態窒素のうち、アンモニア態窒素,亜硝酸態窒素はごく僅かであり、生物に与える影響は小さく、硝酸態窒素についても表層部では微量であったが、水深が増加するにつれて濃度が高まり、水深200メートル以深の水中での無機溶存態窒素の95%以上が硝酸態窒素で24μM存在している。その他リン酸態リンが1.7μM、珪酸態珪素が41μM溶存しており、いずれも表層部の5〜10倍以上の栄養塩濃度を有している。
【0021】
海洋深層水中に含まれている生体の発育上で必須の天然元素とは、Fe(鉄)、I(沃素)、Cu(銅)、Mn(マンガン)、Zn(亜鉛)、Co(コバルト)、Mo(モリブデン)、Se(セレン)、Cr(クロム)、Sn(スズ)、V(バナジウム)、F(フッ素)、Si(ケイ素)、Ni(ニッケル)、As(ヒ素)の15元素であり、これらの元素が海洋深層水に全てバランス良く含まれていることが大きな特徴となっている。従って海洋深層水は海洋生物の生長とか増殖に対しても大きな潜在能力を秘めた海水であるといえる。このような潜在能力は、近年メダイやコンブ、深海サンゴ等の養殖実験に利用されて大きな成果を上げていることからも実証されている。
【0022】
海洋深層水中の生菌数は、前記表1中に示したように表層水中のそれと比較して、1桁又はそれ以上少なくなっており、しかも病原生物はほとんど含まれていないため、海水に由来する魚病菌による病気に関する惧れは全くなく、焼カツオの味付けに採用しても安全性が極めて高いという大きな特徴がある。本発明はこのような海洋深層水に含まれている天然元素を焼カツオの作製に採り入れることが特徴の一つとなっている。
【0023】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば従来から知られている生り節のように原料をボイルしていないので、カツオが本来持っている味覚を保持するとともに食感が損なわれることがなく、まろやかな味わいを持つ焼カツオを提供することができる。しかも、原料として脂の乗った「トロカツオ」を使用することにより、「トロカツオ」の脂と海洋深層水の塩分及びミネラル分とが焼成によって旨味をまして味覚を改善した焼カツオを提供することができる。
【0024】
特に味付け処理に海洋深層水の原水を用いることによって製品中に海洋深層水に含まれている各種の栄養塩類及び微量元素等のミネラル成分の多くが補給され、海洋深層水のミネラルバランスを再現するとともに人体に必須の塩として海水中の天然塩及び微量元素を含んだ焼カツオが得られる。また、海洋深層水を使用することにより、焼カツオとしての照りが格段によくなり、濃い飴色を呈して食欲をそそり、見栄えも向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる焼カツオの製造工程例を示すフロー図。
【符号の説明】
1…原料
3…切込み形成工程
4…海洋深層水
5…味付け工程
6…焼成処理工程
7…冷却工程
8…包装工程
9…製品
整理番号 P3447
Claims (6)
- カツオを原料とし、この原料に海洋深層水を用いて味付けを施してから焼成処理を行って得たことを特徴とする海洋深層水を利用した焼カツオ。
- カツオを原料とし、該原料を三枚におろして片身としてから縦方向の切込みを入れ、海洋深層水を用いて味付けを施してから焼成炉内に入れて焼成処理を行って焼カツオを作製することを特徴とする海洋深層水を利用した焼カツオの製造方法。
- 海洋深層水の原水を霧状にしてカツオの片身に散布して味付けを行う請求項2に記載の海洋深層水を利用した焼カツオの製造方法。
- 海洋深層水を6%程度添加した水中にカツオの片身を約1時間浸漬して味付けを行う請求項2に記載の海洋深層水を利用した焼カツオの製造方法。
- 焼成炉内でカツオの片身を300℃で35分〜40分間の焼成処理を行う請求項2,3又は4に記載の海洋深層水を利用した焼カツオの製造方法。
- 焼成炉内に水の入った容器を入れて、カツオの片身を300℃で35分〜40分間の蒸し焼き処理を行う請求項2,3又は4に記載の海洋深層水を利用した焼カツオの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002169982A JP2004008179A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 海洋深層水を利用した焼カツオ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002169982A JP2004008179A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 海洋深層水を利用した焼カツオ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004008179A true JP2004008179A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30436386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002169982A Pending JP2004008179A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 海洋深層水を利用した焼カツオ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004008179A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101205864B1 (ko) * | 2010-07-13 | 2012-11-28 | 원순철 | 해양심층수를 이용한 북어 및 그의 제조방법 |
EP2774495A1 (en) * | 2013-03-04 | 2014-09-10 | Mer et Terre B.V. | Method for treating meat and fish |
-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002169982A patent/JP2004008179A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101205864B1 (ko) * | 2010-07-13 | 2012-11-28 | 원순철 | 해양심층수를 이용한 북어 및 그의 제조방법 |
EP2774495A1 (en) * | 2013-03-04 | 2014-09-10 | Mer et Terre B.V. | Method for treating meat and fish |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101580501B1 (ko) | 해양심층수 코다리 및 그의 제조방법 | |
JP3510585B2 (ja) | 海洋深層水を利用した穀物茶 | |
JP2006034125A (ja) | 乾燥ひじきの製造方法 | |
KR101413235B1 (ko) | 육질과 기호성이 향상된 반건조 어류의 제조방법 및 상기 방법으로 제조된 반건조 어류 | |
KR101459110B1 (ko) | 해양심층수를 이용한 해초의 가공방법 및 그 해초를 이용한 해초샐러드의 제조방법 | |
JP2004008179A (ja) | 海洋深層水を利用した焼カツオ及びその製造方法 | |
KR101571791B1 (ko) | 해양심층수를 이용한 가금육의 가공방법 | |
JP3563344B2 (ja) | 海洋深層水を利用した玄米茶の素 | |
JP3611516B2 (ja) | 海洋深層水を利用した炊き込みご飯の素 | |
JP2003009803A (ja) | 海洋深層水を利用した味付け筍及びその製造方法 | |
JP3530510B2 (ja) | 海洋深層水を利用した発酵健康茶及びその製造方法 | |
KR20120034354A (ko) | 포장용 김치 제조방법 및 그 제품 | |
JP3263930B2 (ja) | 海洋深層水を利用した漬物食品 | |
JP3572281B2 (ja) | 海洋深層水を利用した発酵健康食品及びその製造方法 | |
KR101238253B1 (ko) | 해양심층수를 이용한 백김치의 제조방법 | |
KR20080101293A (ko) | 해양 심층수 함유 식해 | |
JPH11225716A (ja) | 飲食物の製造法。 | |
KR101230402B1 (ko) | 밤꽃 순을 이용한 김치의 제조방법 | |
JP3647739B2 (ja) | 発芽活性を有する炊き込みご飯の素 | |
KR20150060243A (ko) | 해양심층수를 이용한 어류의 가공방법 | |
JP4888664B2 (ja) | 鰻の蒲焼の製造方法、これによる鰻の蒲焼、並びにこれに使用する浸漬調味液及び鰻の蒲焼用のつけ焼きタレ | |
JP3953487B2 (ja) | 黒豆茶 | |
KR20110080766A (ko) | 간장게장의 제조방법 | |
KR20100023685A (ko) | 어류 가공 방법 | |
KR20140146418A (ko) | 해양심층수의 유용 성분을 이용하는 절임배추 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040528 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040608 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040729 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040831 |