JP3263930B2 - 海洋深層水を利用した漬物食品 - Google Patents
海洋深層水を利用した漬物食品Info
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Description
味付け液として下漬け用の下漬け液及び本漬用の味付け
液として利用した漬物食品に関するものである。
法を説明すると、原料となる漬物材料の洗浄,食塩水を
用いた下漬,水洗,味を付けるための本漬が基本工程と
なっている。一般に本漬の際には食品添加物として、品
質改良剤,日持向上剤,増粘剤,調味料,着色料,香
料,保存料,甘味料等の中から漬物食品の種類に応じて
適宜に選択して混合調製した味付け液を添加するのが通
例である。
酒粕,みりん粕,芥子粉,ワサビなどに漬け込み、自然
発酵の進行と食塩による漬物材料の水分を置換し、更に
時間とともに乳酸菌等の微生物が発生し、アミノ酸、酸
味料等で味付けをすることによって漬物独特の旨みを引
き出している。
酸化防止剤などがあり、日持向上剤には酢酸ナトリウム
液とかキトサンが、増粘剤にはポリアクリル酸ナトリウ
ムとか増粘多糖類がある。調味料にはアミノ酸などがあ
り、着色料には色に対応して赤3とか黄4,黄5,うこ
ん,赤102などがある。また、香料は漬物に応じて多
種類のものがあり、保存料にはソルビン酸カリウムなど
があり、甘味料にはサッカリン・ナトリウム,甘草,ス
テビア,ソルビトールなどがある。
食品は、食塩水を用いた下漬と味を付けるための本漬が
基本工程となっており、本漬の際には各種の食品添加物
を混合調製した味付け液を使用している。これら多くの
食品添加物は価格的に高価であり、かつ、近時の自然食
品に対する嗜好性が高くなっている現状にあって、人工
の食品添加物を多種類使用することは社会的に敬遠され
る傾向にある。
物臭が嫌われた結果、味付け液を添加して短時間で味付
けした方が管理が容易で品質が一定するために考案され
た漬物であり、近時多くの消費者に好まれている。しか
し、このあさ漬けの場合でも各種の食品添加物を混合調
製した味付け液を用いているため、前記問題点はそのま
ま残存している。
微量元素(ミネラル)が含まれておらず、必ずしも満足
するものが得られていない現状にある。特に近時は天然
に存在する微量元素の重要性が見直されている現状にあ
る。更に人体に必須の塩として通常精製塩が添加されて
いるが、このような精製塩よりも海水から採取した天然
塩の方が微量元素を多く含んでいて優れている。
塩のニガリが含まれているため、漬物食品の下漬と本漬
用の食塩水として使用できれば理想的であるが、海洋汚
染の進んだ現代では海水中の表層水はそのまま使用する
ことはできない。
が有している課題を解消して、多くの天然微量元素(ミ
ネラル)を含み、かつ、清浄性及び富栄養性に優れた海
洋深層水を使用して、旨味があり、雑味が少なくて香気
豊かな高品質の漬物食品を得ることを目的とするもので
ある。
するために、漬物材料の下漬と本漬の段階で下漬け用の
下漬け液及び本漬用の味付け液として、或いは下漬の段
階で下漬け用の下漬け液として、更には本漬の段階で本
漬用の味付け液として、海面下200メートル以上の深
海から取水した清浄な海水である海洋深層水を濾過以外
の物理的・化学的処理をすることなく未処理の状態で特
定量添加して製造することを特徴とする海洋深層水を利
用した漬物食品を提供する。
と本漬の段階で、下漬け用の下漬け液及び本漬用の味付
け液として、海面下200メートル以上の深海から取水
した清浄な海水である海洋深層水を、濾過以外の物理的
・化学的処理をすることなく未処理の状態で使用するこ
とにより、海洋深層水にバランス良く含まれている微量
元素が有効に利用されて、得られた漬物食品中に人体が
必要とする微量元素及び天然塩のニガリが含まれ、しか
も通常塩仕込よりもアミノ酸の生成量が多く、海洋深層
水の持つミネラル、富栄養という特性によって旨味があ
り、雑味が少なくて香気豊かな高品質の漬物食品が提供
される。
利用した漬物食品の具体的な実施例を説明する。即ち、
本実施形態では漬物材料の下漬と本漬の段階で下漬け用
の下漬け液及び本漬用の味付け液として、或いは下漬の
段階で下漬け用の下漬け液として、更には本漬の段階で
本漬用の味付け液として、特定量の海洋深層水を添加し
て製造することを特徴とするものである。
えば白菜を洗浄し、水切り後に下漬け用の下漬け液とし
て海洋深層水を用いた下漬を行い、所定時間経過した後
に水洗し、再度水切りした後、味を付けるために本漬用
の味付け液として海洋深層水を用いた本漬を行うことが
基本工程となっている。また、下漬或いは本漬の一方の
み海洋深層水を使用することもできる。
に説明する。即ち、この海洋深層水は、通常海洋表層で
見られる風波とか表層温度変化に伴う対流,混合も生じ
ない環境下にある海水で、地上で使用されている各種の
油類とか化学物質,農薬等の有害物質に起因する海洋汚
染の影響を受けることがない。しかも海水中の溶存有機
物が非常に少なく、かつ、微生物的な観点から極めて清
浄であるという特徴を有している。水温は年間平均で1
0℃以下という低温であり、しかも人体が必要とする多
くの天然元素を含んでいる。この海洋深層水は現在世界
中でも「ノルウエー沖」、「ハワイ沖」、「高知県の室
戸岬沖」の3ケ所のみで実用的に取水されている。尚、
本実施例で用いた海洋深層水は、上記室戸岬沖の水深3
20メートル地点から取水したものである。
温9℃、塩分3.43%、DO(溶存酸素)4.4ppm
前後の比較的安定した環境下にあることが確認されてい
る。取水した深層水中に含まれている三態窒素のうち、
アンモニア態窒素,亜硝酸態窒素はごく僅かであり、生
物に与える影響は小さく、硝酸態窒素についても表層部
では微量であったが、水深が増加するにつれて濃度が高
まり、水深200メートル以深の水中での無機溶存態窒
素の95%以上が硝酸態窒素で24μM存在している。
その他リン酸態リンが1.7μM、珪酸態珪素が41μ
M溶存しており、いずれも表層部の5〜10倍以上の栄
養塩濃度を有している。
深層水を温泉とかプール等の観光目的に利用したり、低
温であることに着目して、冷房とか温度差発電等の工業
的利用、更には魚類とか海藻,サンゴの養殖、プランク
トンの培養等の水産目的に利用しようとする試みがなさ
れている。
で必須の天然元素とは、Fe(鉄)、I(沃素)、Cu
(銅)、Mn(マンガン)、Zn(亜鉛)、Co(コバ
ルト)、Mo(モリブデン)、Se(セレン)、Cr
(クロム)、Sn(スズ)、V(バナジウム)、F(フ
ッ素)、Si(ケイ素)、Ni(ニッケル)、As(ヒ
素)の15元素であり、これらの元素が海洋深層水に全
てバランス良く含まれていることが大きな特徴となって
いる。従って海洋深層水は海洋生物の生長とか増殖に対
しても大きな潜在能力を秘めた海水であるといえる。こ
のような潜在能力は、近年メダイやコンブ、深海性サン
ゴ等の養殖実験に利用されて大きな成果を上げているこ
とからも実証されている。特に前記ノルウエー沖の海洋
深層水は、フィヨルド深層水と呼ばれてサケ養殖に適し
ていることが報告されている。
と比較して、1桁又はそれ以上少なくなっており、しか
も病原生物はほとんど含まれていないため、海水に由来
する魚病菌による病気に関する惧れは全くなく、漬物食
品の下漬と本漬の段階で使用した際の安全性が極めて高
いという大きな特徴がある。本発明はこのような海洋深
層水に含まれている天然元素を採り入れることによっ
て、生体の発育を促進するという特性を持つ漬物食品を
提供することを主眼点としている。
00メートル以上の深海から取水した清浄な海水を濾過
以外の物理的・化学的処理をすることなく未処理の状態
で使用している。
し、水切り後に軽く圧搾してから半割りにする。別途に
海洋深層水2リットルに精製塩132gを加えて溶解し
た総量2.13リットル、9.38%の塩水を下漬け用の
下漬け液とする。
精製塩2.5kgを振って前記下漬け用の下漬け液を加
えて、塩漬(下漬)とする。タンク内の段数は4段と
し、塩漬後に40kg〜80kgの重石をして塩漬状態
を保つ。次に漬物材料を1日〜2日経過後にタンクから
取り出して充分に水洗し、軽く圧搾してから味付け(本
漬)を行う。
トルに水35リットルと精製塩1.05kgを加えて溶
解し、これに食品添加物として、酸味料1.5,調味料
50,甘味料0.1の割合で混合したものを2.63kg
添加して作製する。味付け液中には3.15%の塩水が
含まれて全体の塩度は3.04%となる。
て200cc入れて味付け(本漬)を行い、その後、味
付け液を入れたまま適宜の大きさに分割して透明容器に
密封し、製品とする。
は香辛料,例えばL−アルギニン0.3%とか蛋白加水
分解物40.3%を添加しても良い。調味料としてはグ
ルタミンサンNaとかアジメート、AM等が使用可能で
ある。アジメートはアミノ酸等として表示され、クエン
酸ナトリウム11.4%,乳酸カルシウム6.8%,リン
酸カルシウム7.3%,DL−アラニン5.9%,d−酒
石酸水素カリウム4.9%,5′−イノシン酸ナトリウ
ム2.6%,フマル酸ナトリウム4.9%,DL−メチオ
ニン2.0%,L−リジン塩酸塩2.6%,L−グルタミ
ンサンNa2.4%,コハク酸2.0%,L−アスパラギ
ンサンナトリウム1.0%,炭酸カリウム(無水)2.4
%,D−ソルビトール3.2%が含有されている。
ショ糖脂肪酸エステル,酢酸ナトリウムを含む)が用い
られ、甘味料はステビア50NKが適当である。
洗浄し、水切り後に軽く圧搾してから半割りにする。別
途に海洋深層水500ccに精製塩33gを加えて溶解
した9.38%の塩水を作って下漬け用の下漬け液とす
る。他の下漬け用の下漬け液の例として、海洋深層水1
0リットルに精製塩660gを加えて溶解した9.38
%の塩水を用いた。
精製塩2.5kgを振って前記下漬け用の下漬け液を加
えて、塩漬(下漬)とする。タンク内の段数は4段と
し、塩漬後に40kg〜80kgの重石をして塩漬状態
を保つ。1日〜2日経過後にタンクから取り出して充分
に水洗し、軽く圧搾してから味付け(本漬)を行う。
ルに水69リットルと精製塩2240gを加えて溶解
し、これに食品添加物として、酸味料1.5,調味料5
0,甘味料0.1の割合で混合したものを2.63kg添
加する。他の味付け液の例として、海洋深層水65リッ
トルに水5リットルと食品添加物2590gとを加えた
3.15%塩水を用いた。
に充分に洗浄し、海洋深層水5リットルに水5リット
ル,精製塩194gを加えて溶解した3.57%の塩水
を作って下漬け用の下漬け液とする。他の下漬け用の下
漬け液の例として、海洋深層水500ccに水9.5リ
ットル、精製塩353gを加えて溶解した3.57%の
塩水と、海洋深層水10リットルに塩18gを加えただ
けの3.57%塩水を用いた。
の重石をして前記下漬け用の下漬け液を加えて塩漬(下
漬)し、1日経過後に味付け(本漬)を行う。
ルに水5リットルと精製塩93gを加えて溶解し、これ
に食品添加物として、酸味料1.5,調味料50,甘味
料0.1の割合で混合したものを77.20g添加する。
他の味付け液の例として、海洋深層水500ccに水
9.5リットルと精製塩250gを加え、食品添加物7
8.4gを加えた2.6%塩水と、海洋深層水8リット
ルに水2.5リットルと食品添加物80.32gを加え
た2.6%塩水を用いた。
で4.82%〜99.82%、本漬用の味付け液で4.8
4%〜75.61%とした。基本的には2.6%塩水7
1.9リットルに対して食品添加物550gを加えたも
のを用いる。
に充分に洗浄し、海洋深層水2リットルに水2リット
ル,精製塩950gを加えて溶解した20%の塩水を作
って下漬け用の下漬け液とする。漬物材料が水に浮かな
い程度の10〜20kgの重石をして前記下漬け用の下
漬け液を加えて塩漬(下漬)し、5時間経過後に味付け
(本漬)を行う。
ルに水5リットルと精製塩93gを加えて溶解し、これ
に食品添加物として、酸味料1.5,調味料50,甘味
料0.1の割合で混合したものを261g添加する。
深層水500ccに水3.5リットルと精製塩2.1k
gを加えて溶解した塩水と、海洋深層水4リットルに精
製塩850gを加えて溶解した塩水を用いた。
層水500ccに水9.5リットルと精製塩250gを
加え、食品添加物265gを加えた塩水と、海洋深層水
8リットルに水2.5リットルと食品添加物271gを
加えた塩水を用いた。
で8.2%〜82.47%、本漬用の味付け液で4.75
%〜75.2%とした。基本的には2.6%塩水71.9
リットルに対して食品添加物1.86kgを加えたもの
を用いる。
したものにタンク内で6ケ月程度塩漬けし、本漬用の味
付け液として海洋深層水15リットルに水15リット
ル,精製塩300gを加えて溶解した2.6%の塩水に
食品添加物521gを加えた塩水を用いた。
層水500ccに水29.5リットルと精製塩800g
を加え、食品添加物530gを加えた塩水と、海洋深層
水30リットルに水9.23リットルと食品添加物67
5gを加えた塩水を用いた。
深層水30.8リットルに食品添加物として調味料1
0,保存料40,着色料2,酸味料1の割合で混合した
ものを530g添加する。海洋深層水の割合は、味付け
液で1.62%〜76.47%とした。
従来の漬物とを30名に試食させたところ、本実施例の
漬物の方がソフトでまろやかであるという理由で22名
に支持された。
の下漬け液及び本漬用の味付け液として海洋深層水を使
用したが、下漬け用の下漬け液或いは本漬用の味付け液
の一方にのみ海洋深層水を使用し、他方は精製塩を使用
して漬物を製造して得られた本実施例の漬物と従来の漬
物とを30名に試食させたところ、下漬け用の下漬け液
及び本漬用の味付け液として双方に海洋深層水を使用し
た漬物と同様に本実施例の漬物の方が従来の漬物よりソ
フトでまろやかであるという理由で22名に支持され
た。よって、下漬と本漬の双方に海洋深層水を使用する
ことがより好ましいが、下漬と本漬の一方にのみ海洋深
層水を使用してもその効果があるものである。
かる海洋深層水を利用した漬物食品によれば、海面下2
00メートル以上の深海から取水した清浄な海水である
海洋深層水を、濾過以外の物理的・化学的処理をするこ
となく未処理の状態で漬物材料の下漬と本漬の一方又は
双方の段階で下漬け用の下漬け液或いは本漬用の味付け
液中に特定量添加して使用することにより、この海洋深
層水にバランス良く含まれている微量元素を有効に利用
することが可能となり、人体の成育に必要とする微量元
素及び天然塩を含む漬物食品を提供して製品とした場合
の商品価値を高めるという効果を発揮する。
りも海洋深層水の方がアミノ酸の生成量が多く、海洋深
層水の持つミネラル、富栄養という特性によって旨味が
あり、雑味が少なくて香気豊かな高品質の漬物食品が提
供される。
種の食品添加物を混合調製した味付け液に較べて海洋深
層水は安価であり、人工の食品添加物を多種類使用しな
くても良いため、近時の自然食品に対する嗜好性に対し
ても適合することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 漬物材料の下漬と本漬の段階で、下漬け
用の下漬け液及び本漬用の味付け液として、海面下20
0メートル以上の深海から取水した清浄な海水である海
洋深層水を濾過以外の物理的・化学的処理をすることな
く未処理の状態で特定量添加して製造することを特徴と
する海洋深層水を利用した漬物食品。 - 【請求項2】 漬物材料の下漬の段階で、下漬け用の下
漬け液として、海面下200メートル以上の深海から取
水した清浄な海水である海洋深層水を濾過以外の物理的
・化学的処理をすることなく未処理の状態で特定量添加
して製造することを特徴とする海洋深層水を利用した漬
物食品。 - 【請求項3】 下漬後の漬物材料の本漬の段階で、本漬
用の味付け液として、海面下200メートル以上の深海
から取水した清浄な海水である海洋深層水を濾過以外の
物理的・化学的処理をすることなく未処理の状態で特定
量添加して製造することを特徴とする海洋深層水を利用
した漬物食品。
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JP14326797A JP3263930B2 (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | 海洋深層水を利用した漬物食品 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14326797A JP3263930B2 (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | 海洋深層水を利用した漬物食品 |
Publications (2)
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JPH10313777A JPH10313777A (ja) | 1998-12-02 |
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Family
ID=15334781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14326797A Expired - Fee Related JP3263930B2 (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | 海洋深層水を利用した漬物食品 |
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-
1997
- 1997-05-15 JP JP14326797A patent/JP3263930B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Title |
---|
中野政弘編「光琳全書(第21巻)発酵食品」第3版、株式会社 光琳、平成元年6月15日 P176−179 |
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