JP3563308B2 - 車両用収納装置のヒンジ部構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インストルメントパネルに配設された収納装置に関し、詳細には収納ボックスの収納開口を開閉する蓋部材のヒンジ部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の収納装置として、例えば、図8に示すように、フロントシート前方に配設されたインストルメントパネル50に収納ボックス51を配設し、該収納ボックス51に蓋部材52をヒンジ部材53を介して車両前後方向に回動可能に装着し、該蓋部材52により上記収納ボックス51の収納開口51aを開閉するようにした構造のものがある。
【0003】
また上記収納ボックス51の収納開口51aの下縁部にはヒンジ取付け座51bが形成されており、このヒンジ取付け座51bに上記ヒンジ部材53の取付け部53bがタッピング54により締め付けて固定されており、該ヒンジ部材53のヒンジ軸53aに蓋部材52が軸支されている。
【0004】
ところで、上記蓋部材52を取付けるには、従来、まず蓋部材52にヒンジ部材53を取付け、この蓋部材52を開いた状態に保持してヒンジ部材53の取付け部53bをヒンジ取付け座51bに配置し、この状態で蓋部材52と収納ボックス51との間からタッピング54を締め付けることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来では、蓋部材を開いた状態に保持してタッピングでヒンジ部材を固定するという手間のかかる作業となることから、作業性が低いという問題があり、またヒンジ部材の組付け精度が低く、蓋部材の組付け精度にばらつきが生じ、見栄えが悪化するという懸念がある。
【0006】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、蓋部材を組み付ける際の作業性を向上できるとともに、組付け精度を向上して見栄えの悪化を防止できる車両用収納装置のヒンジ部構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フロントシートの前方に配設されたインストルメントパネルに収納開口を有する収納ボックスを設け、該収納ボックスの収納開口の縁部にヒンジ取付け座を形成し、上記収納開口を開閉する蓋部材を回動可能に支持するヒンジ部材を上記ヒンジ取付け座に固定するようにした車両用収納装置のヒンジ部構造において、上記ヒンジ取付け座に第1方向に開口する第1差込み孔を形成するとともに、上記第1方向と略直交する第2方向に開口する第2差込み孔を形成し、上記ヒンジ部材に、上記第1差込み孔に挿入することにより上記第2方向の位置決めを行う第1位置決め片を一体形成するとともに、上記第2差込み孔に挿入することにより上記第1方向の位置決めを行う第2位置決め片を一体形成し、上記第1,第2位置決め片の少なくとも一方により上記第1,第2方向と略直交する第3方向の位置決めを行うことを特徴としている。
【0008】
ここで、上記第1〜第3方向とは、それぞれが互いに直交する方向のことをいい、例えば第1方向を車両前後方向とするとともに、第2方向を車両上下方向とした場合には、第3方向は車幅方向となる。
【0009】
【発明の作用効果】
本発明に係るヒンジ部構造によれば、収納ボックスのヒンジ取付け座に第1方向に開口する第1差込み孔を形成するとともに、上記第1方向と略直交する第2方向に開口する第2差込み孔を形成し、ヒンジ部材に第1差込み孔に挿入される第1位置決め片を形成するとともに、第2差込み孔に挿入される第2位置決め片を形成したので、例えば、上記第1方向を車両前後方向とした場合には、上記第1位置決め片により車両上下方向の位置決めを行うことができ、また第2方向を車両上下方向とした場合には第2位置決め片により車両前後方向の位置決めを行うことができ、さらに第1,第2位置決め片の少なくとも一方により第3方向の車幅方向の位置決めを行うことができる。これによりヒンジ部材の組付け精度を向上でき、見栄えの悪化を防止できる効果がある。
【0010】
また上記ヒンジ部材の第1,第2位置決め片をそれぞれ第1,第2差込み孔に挿入することにより車両上下方向,前後方向及び車幅方向に対する移動が阻止されるので、位置決めした状態で仮保持することができ、組付け時の作業性を向上できる効果がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図7は、本発明の一実施形態による車両用収納装置のヒンジ部構造を説明するための図であり、図1はインストルメントパネルの斜視図、図2,図3,図4はそれぞれ収納ボックスのヒンジ部分,チェックアーム部分,ロック機構部分の断面側面図、図5は収納ボックスのヒンジ部分の断面平面図、図6,図7はヒンジ部材の斜視図,断面図である。
【0012】
図において、1はフロントシート(不図示)の前方に配設された樹脂製のインストルメントパネルであり、該インストルメントパネル1の運転席側にはステアリングシャフト(不図示)が挿通される凹部1aが切り欠き形成され、該凹部1aの上側には計器ユニット装着用開口1bが形成されている。また上記インストルメントパネル1の車幅方向中央部には上から順にエアコン取付け開口1c,ラジオ取付け開口1d,アッシュトレイ取付け開口1eが形成されている。
【0013】
上記インストルメントパネル1の助手席側には本実施形態の特徴をなすヒンジ部構造が適用された収納装置が配設されている。この収納装置は、上記インパネ1にボックス開口1fを形成し、該ボックス開口1fに樹脂製の収納ボックス2を配設するとともに、該収納ボックス2に同じく樹脂製の蓋部材3を配設して構成されている。
【0014】
上記収納ボックス2は、収納開口2bを有する底の深いボックス本体2aの該開口2b縁に上記インストルメントパネル1のボックス開口1f縁に当接するフランジ部2cを形成し、該ボックス本体2aの下側に小物用収納凹部2cを形成して構成されている。この収納ボックス2の収納開口2bはインストルメントパネル1と略連続面をなすように形成されている。
【0015】
上記収納ボックス2の上フランジ部2cには嵌合孔2fを有する取付け部2eが車両前方に延長形成されており、該嵌合孔2fには上記インストルメントパネル1に形成された嵌合片1gが嵌装されている。これにより収納ボックス2の上部はインストルメントパネル1に支持されている。
【0016】
上記収納ボックス2には蓋部材3が車両前後方向に回動可能に配設されている。この蓋部材3は車室側に面する蓋本体4の裏面にインナ部材5を不図示のタッピング等により締結固定した構造のものであり、この蓋本体4の裏面には円形状の補強リブ4aが形成されている。
【0017】
上記蓋本体4の上端部には凹部4bが凹設されており、該凹部4b内にはロック機構(不図示)が配設されている。このロック機構は凹部4b内に回動可能にかつロック方向に付勢されたノブ6を手前に引くことによりロックを解除し、蓋部材3を閉めることにより自動的にロックするように構成されている(図4参照)。
【0018】
上記インナ部材5の左側部には蓋部材3の全開位置を規制するチェックアーム8の一端部8aがピン9により軸支されており、このピン9はインナ部材5に形成された矩形箱状の支持部5aに架設支持されている。このチェックアーム8の他端部8bには鉤状のストッパ部8cが形成されており、この他端部8bは上記収納ボックス2の左側フランジ部2c´に形成された孔10内を挿通してインパネ1内に延びている。上記蓋部材3を開くと上記ストッパ部8cが孔10の縁部に係合し、これにより蓋部材3は全閉位置から略水平をなす全開位置の間で回動するようになっている(図3参照)。
【0019】
また上記インナ部材5の左右上端部には上記収納ボックス2の左右側フランジ部2c´に当接可能なクッションゴム7が挿着されており、該クッションゴム7によりロック時の衝撃を吸収するようになっている。
【0020】
上記収納ボックス2の収納開口2bの下縁部には、ねじ孔15aを有するヒンジ取付け座15,15が水平をなすように一体形成されている。この左, 右のヒンジ取付け座15にヒンジ部材16がタッピング14により締め付け固定されており、該ヒンジ部材16に上記蓋部材3が回動可能に支持されている。
【0021】
そして上記ヒンジ取付け座15の前縁には垂直上方に延びる前縦壁15bが起立形成されており、この前縦壁15bには車両前後方向(第1方向)に開口する矩形状の第1差込み孔17が形成されている。
【0022】
また上記ヒンジ取付け座15の後縁には垂直下方に延びる後縦壁15cが段落ち形成されており、この後縦壁15cには上下方向(第2方向)に開口する矩形状の第2差込み孔18が形成されている。上記ヒンジ取付け座15には車両後方から第2差込み孔18内に挿入したクリップ20が嵌装されている。
【0023】
上記ヒンジ部材16は、タッピング14が挿入される取付け孔16dを有する取付け部16aに下向きコ字状の本体部16bを形成するとともに、該本体部16bにヒンジ軸16cを一体形成して構成されている。このヒンジ軸16cは、図5に示すように、上記インナ部材5に形成された左, 右一対の支持片5c,5cにより回動可能に支持されている。
【0024】
そして上記ヒンジ部材16の取付け部16aの前端面には第1位置決め片22が前方に一体に突出形成されており、該第1位置決め片22は第1差込み孔17内に挿入されている。また上記取付け部16aの下面後端には第2位置決め片23が下方に一体に突出形成されており、該第2位置決め片23は第2差込み孔18内に挿入されている。
【0025】
これにより上記ヒンジ部材16は、第1位置決め片22により車両上下方向及び車幅方向における移動が阻止されており、また上記第2位置決め片23により車両前後方向及び車幅方向における移動が阻止されている。
【0026】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の蓋部材3を取付けるには、まず蓋部材3にヒンジ部材16を装着し、クリップ20を第2差込み孔18から挿入してヒンジ取付け座15に嵌装する。そしてヒンジ部材16の第1位置決め片22を第1差込み孔17に後方から差し込むとともに、第2位置決め片23を第2差し込み孔18に上方から差し込む。これによりヒンジ16を位置決めした状態に仮保持する。次いでヒンジ部材16をヒンジ取付け座15にタッピング14により締め付けて固定する。
【0027】
本実施形態によれば、収納ボックス2のヒンジ取付け座15に前縦壁15bを起立させて形成するとともに、後縦壁15cを段落ち形成し、前縦壁15bに車両前後方向に開口する第1差込み孔17を形成し、上記後縦壁15cに上下方向に開口する第2差込み孔18を形成し、ヒンジ部材16に第1差込み孔17に挿入される第1位置決め片22を一体形成するとともに、上記第2差込み孔18に挿入される第2位置決め片23を一体形成したので、上記ヒンジ部材16の第1,第2位置決め片22,23を差し込むことにより車両上下方向,前後方向,及び車幅方向における位置決めを行うことができる。これにより蓋部材3の収納ボックス2に対する組付け精度を向上でき、組付けのばらつきによる見栄えの悪化を防止できる。
【0028】
また上述の組付け手順のように、上記ヒンジ部材16を収納ボックス2に位置決めした状態に仮保持することができ、蓋部材を開いた状態に保持する必要はなく、組付け作業を容易に行うことができ、作業性を向上できる。
【0029】
上記ヒンジ取付け座15の後縦壁15cに上下方向に開口する第2差込み孔18を形成したので、この第2差込み孔18を利用してクリップ20を車両後方から取付け座15に装着することができ、クリップ挿着用の孔を別途形成するのを回避できる。また、収納ボックス2を樹脂成形する際に、前体壁15b,後縦壁15c及び第1,第2差込み孔17,18は同時に形成することができ、またヒンジ部材16を樹脂成形する際に、第1,第2位置決め片22,23は同時に形成できるので、コストをほとんど上昇させることなく実現できる。
【0030】
なお、上記実施形態では、第1,第2方向をそれぞれ車両前後方向,上下方向とした場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、要は第1方向に対して第2方向を直交方向に形成し、この第1,第2方向と直交する方向を第3方向とすることにより、何れの方向にも位置決め可能である。
【0031】
また上記実施形態では、第1,第2位置決め片22,23の両方で車幅方向の位置決めを行うようにしたが、本発明は第1,第2位置決め片の何れか一方のみで車幅方向の位置決めを行うようにしてもよい。
【0032】
さらに上記実施形態では、インストルメントパネル1に別体の収納ボックス2を配設した場合を説明したが、本発明はインストルメントパネルに収納ボックスを一体形成した場合にも勿論適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による車両用収納装置のヒンジ部構造を説明するためのインストルメントパネルの斜視図である。
【図2】上記インストルメントパネルに配設された収納ボックスのヒンジ部材部分の断面側面図である。
【図3】上記収納ボックスのチェックアーム部分の断面側面図である。
【図4】上記収納ボックスのロック機構部分の断面側面図である。
【図5】上記収納ボックスのヒンジ部材部分の断面平面図である。
【図6】上記ヒンジ部材の斜視図である。
【図7】上記ヒンジ部材の断面図である。
【図8】従来の一般的なヒンジ部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 収納ボックス
2b 収納開口
3 蓋部材
15 ヒンジ取付け座
16 ヒンジ部材
17 第1差込み孔
18 第2差込み孔
22 第1位置決め片
23 第2位置決め片
【発明の属する技術分野】
本発明は、インストルメントパネルに配設された収納装置に関し、詳細には収納ボックスの収納開口を開閉する蓋部材のヒンジ部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の収納装置として、例えば、図8に示すように、フロントシート前方に配設されたインストルメントパネル50に収納ボックス51を配設し、該収納ボックス51に蓋部材52をヒンジ部材53を介して車両前後方向に回動可能に装着し、該蓋部材52により上記収納ボックス51の収納開口51aを開閉するようにした構造のものがある。
【0003】
また上記収納ボックス51の収納開口51aの下縁部にはヒンジ取付け座51bが形成されており、このヒンジ取付け座51bに上記ヒンジ部材53の取付け部53bがタッピング54により締め付けて固定されており、該ヒンジ部材53のヒンジ軸53aに蓋部材52が軸支されている。
【0004】
ところで、上記蓋部材52を取付けるには、従来、まず蓋部材52にヒンジ部材53を取付け、この蓋部材52を開いた状態に保持してヒンジ部材53の取付け部53bをヒンジ取付け座51bに配置し、この状態で蓋部材52と収納ボックス51との間からタッピング54を締め付けることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来では、蓋部材を開いた状態に保持してタッピングでヒンジ部材を固定するという手間のかかる作業となることから、作業性が低いという問題があり、またヒンジ部材の組付け精度が低く、蓋部材の組付け精度にばらつきが生じ、見栄えが悪化するという懸念がある。
【0006】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、蓋部材を組み付ける際の作業性を向上できるとともに、組付け精度を向上して見栄えの悪化を防止できる車両用収納装置のヒンジ部構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フロントシートの前方に配設されたインストルメントパネルに収納開口を有する収納ボックスを設け、該収納ボックスの収納開口の縁部にヒンジ取付け座を形成し、上記収納開口を開閉する蓋部材を回動可能に支持するヒンジ部材を上記ヒンジ取付け座に固定するようにした車両用収納装置のヒンジ部構造において、上記ヒンジ取付け座に第1方向に開口する第1差込み孔を形成するとともに、上記第1方向と略直交する第2方向に開口する第2差込み孔を形成し、上記ヒンジ部材に、上記第1差込み孔に挿入することにより上記第2方向の位置決めを行う第1位置決め片を一体形成するとともに、上記第2差込み孔に挿入することにより上記第1方向の位置決めを行う第2位置決め片を一体形成し、上記第1,第2位置決め片の少なくとも一方により上記第1,第2方向と略直交する第3方向の位置決めを行うことを特徴としている。
【0008】
ここで、上記第1〜第3方向とは、それぞれが互いに直交する方向のことをいい、例えば第1方向を車両前後方向とするとともに、第2方向を車両上下方向とした場合には、第3方向は車幅方向となる。
【0009】
【発明の作用効果】
本発明に係るヒンジ部構造によれば、収納ボックスのヒンジ取付け座に第1方向に開口する第1差込み孔を形成するとともに、上記第1方向と略直交する第2方向に開口する第2差込み孔を形成し、ヒンジ部材に第1差込み孔に挿入される第1位置決め片を形成するとともに、第2差込み孔に挿入される第2位置決め片を形成したので、例えば、上記第1方向を車両前後方向とした場合には、上記第1位置決め片により車両上下方向の位置決めを行うことができ、また第2方向を車両上下方向とした場合には第2位置決め片により車両前後方向の位置決めを行うことができ、さらに第1,第2位置決め片の少なくとも一方により第3方向の車幅方向の位置決めを行うことができる。これによりヒンジ部材の組付け精度を向上でき、見栄えの悪化を防止できる効果がある。
【0010】
また上記ヒンジ部材の第1,第2位置決め片をそれぞれ第1,第2差込み孔に挿入することにより車両上下方向,前後方向及び車幅方向に対する移動が阻止されるので、位置決めした状態で仮保持することができ、組付け時の作業性を向上できる効果がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図7は、本発明の一実施形態による車両用収納装置のヒンジ部構造を説明するための図であり、図1はインストルメントパネルの斜視図、図2,図3,図4はそれぞれ収納ボックスのヒンジ部分,チェックアーム部分,ロック機構部分の断面側面図、図5は収納ボックスのヒンジ部分の断面平面図、図6,図7はヒンジ部材の斜視図,断面図である。
【0012】
図において、1はフロントシート(不図示)の前方に配設された樹脂製のインストルメントパネルであり、該インストルメントパネル1の運転席側にはステアリングシャフト(不図示)が挿通される凹部1aが切り欠き形成され、該凹部1aの上側には計器ユニット装着用開口1bが形成されている。また上記インストルメントパネル1の車幅方向中央部には上から順にエアコン取付け開口1c,ラジオ取付け開口1d,アッシュトレイ取付け開口1eが形成されている。
【0013】
上記インストルメントパネル1の助手席側には本実施形態の特徴をなすヒンジ部構造が適用された収納装置が配設されている。この収納装置は、上記インパネ1にボックス開口1fを形成し、該ボックス開口1fに樹脂製の収納ボックス2を配設するとともに、該収納ボックス2に同じく樹脂製の蓋部材3を配設して構成されている。
【0014】
上記収納ボックス2は、収納開口2bを有する底の深いボックス本体2aの該開口2b縁に上記インストルメントパネル1のボックス開口1f縁に当接するフランジ部2cを形成し、該ボックス本体2aの下側に小物用収納凹部2cを形成して構成されている。この収納ボックス2の収納開口2bはインストルメントパネル1と略連続面をなすように形成されている。
【0015】
上記収納ボックス2の上フランジ部2cには嵌合孔2fを有する取付け部2eが車両前方に延長形成されており、該嵌合孔2fには上記インストルメントパネル1に形成された嵌合片1gが嵌装されている。これにより収納ボックス2の上部はインストルメントパネル1に支持されている。
【0016】
上記収納ボックス2には蓋部材3が車両前後方向に回動可能に配設されている。この蓋部材3は車室側に面する蓋本体4の裏面にインナ部材5を不図示のタッピング等により締結固定した構造のものであり、この蓋本体4の裏面には円形状の補強リブ4aが形成されている。
【0017】
上記蓋本体4の上端部には凹部4bが凹設されており、該凹部4b内にはロック機構(不図示)が配設されている。このロック機構は凹部4b内に回動可能にかつロック方向に付勢されたノブ6を手前に引くことによりロックを解除し、蓋部材3を閉めることにより自動的にロックするように構成されている(図4参照)。
【0018】
上記インナ部材5の左側部には蓋部材3の全開位置を規制するチェックアーム8の一端部8aがピン9により軸支されており、このピン9はインナ部材5に形成された矩形箱状の支持部5aに架設支持されている。このチェックアーム8の他端部8bには鉤状のストッパ部8cが形成されており、この他端部8bは上記収納ボックス2の左側フランジ部2c´に形成された孔10内を挿通してインパネ1内に延びている。上記蓋部材3を開くと上記ストッパ部8cが孔10の縁部に係合し、これにより蓋部材3は全閉位置から略水平をなす全開位置の間で回動するようになっている(図3参照)。
【0019】
また上記インナ部材5の左右上端部には上記収納ボックス2の左右側フランジ部2c´に当接可能なクッションゴム7が挿着されており、該クッションゴム7によりロック時の衝撃を吸収するようになっている。
【0020】
上記収納ボックス2の収納開口2bの下縁部には、ねじ孔15aを有するヒンジ取付け座15,15が水平をなすように一体形成されている。この左, 右のヒンジ取付け座15にヒンジ部材16がタッピング14により締め付け固定されており、該ヒンジ部材16に上記蓋部材3が回動可能に支持されている。
【0021】
そして上記ヒンジ取付け座15の前縁には垂直上方に延びる前縦壁15bが起立形成されており、この前縦壁15bには車両前後方向(第1方向)に開口する矩形状の第1差込み孔17が形成されている。
【0022】
また上記ヒンジ取付け座15の後縁には垂直下方に延びる後縦壁15cが段落ち形成されており、この後縦壁15cには上下方向(第2方向)に開口する矩形状の第2差込み孔18が形成されている。上記ヒンジ取付け座15には車両後方から第2差込み孔18内に挿入したクリップ20が嵌装されている。
【0023】
上記ヒンジ部材16は、タッピング14が挿入される取付け孔16dを有する取付け部16aに下向きコ字状の本体部16bを形成するとともに、該本体部16bにヒンジ軸16cを一体形成して構成されている。このヒンジ軸16cは、図5に示すように、上記インナ部材5に形成された左, 右一対の支持片5c,5cにより回動可能に支持されている。
【0024】
そして上記ヒンジ部材16の取付け部16aの前端面には第1位置決め片22が前方に一体に突出形成されており、該第1位置決め片22は第1差込み孔17内に挿入されている。また上記取付け部16aの下面後端には第2位置決め片23が下方に一体に突出形成されており、該第2位置決め片23は第2差込み孔18内に挿入されている。
【0025】
これにより上記ヒンジ部材16は、第1位置決め片22により車両上下方向及び車幅方向における移動が阻止されており、また上記第2位置決め片23により車両前後方向及び車幅方向における移動が阻止されている。
【0026】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の蓋部材3を取付けるには、まず蓋部材3にヒンジ部材16を装着し、クリップ20を第2差込み孔18から挿入してヒンジ取付け座15に嵌装する。そしてヒンジ部材16の第1位置決め片22を第1差込み孔17に後方から差し込むとともに、第2位置決め片23を第2差し込み孔18に上方から差し込む。これによりヒンジ16を位置決めした状態に仮保持する。次いでヒンジ部材16をヒンジ取付け座15にタッピング14により締め付けて固定する。
【0027】
本実施形態によれば、収納ボックス2のヒンジ取付け座15に前縦壁15bを起立させて形成するとともに、後縦壁15cを段落ち形成し、前縦壁15bに車両前後方向に開口する第1差込み孔17を形成し、上記後縦壁15cに上下方向に開口する第2差込み孔18を形成し、ヒンジ部材16に第1差込み孔17に挿入される第1位置決め片22を一体形成するとともに、上記第2差込み孔18に挿入される第2位置決め片23を一体形成したので、上記ヒンジ部材16の第1,第2位置決め片22,23を差し込むことにより車両上下方向,前後方向,及び車幅方向における位置決めを行うことができる。これにより蓋部材3の収納ボックス2に対する組付け精度を向上でき、組付けのばらつきによる見栄えの悪化を防止できる。
【0028】
また上述の組付け手順のように、上記ヒンジ部材16を収納ボックス2に位置決めした状態に仮保持することができ、蓋部材を開いた状態に保持する必要はなく、組付け作業を容易に行うことができ、作業性を向上できる。
【0029】
上記ヒンジ取付け座15の後縦壁15cに上下方向に開口する第2差込み孔18を形成したので、この第2差込み孔18を利用してクリップ20を車両後方から取付け座15に装着することができ、クリップ挿着用の孔を別途形成するのを回避できる。また、収納ボックス2を樹脂成形する際に、前体壁15b,後縦壁15c及び第1,第2差込み孔17,18は同時に形成することができ、またヒンジ部材16を樹脂成形する際に、第1,第2位置決め片22,23は同時に形成できるので、コストをほとんど上昇させることなく実現できる。
【0030】
なお、上記実施形態では、第1,第2方向をそれぞれ車両前後方向,上下方向とした場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、要は第1方向に対して第2方向を直交方向に形成し、この第1,第2方向と直交する方向を第3方向とすることにより、何れの方向にも位置決め可能である。
【0031】
また上記実施形態では、第1,第2位置決め片22,23の両方で車幅方向の位置決めを行うようにしたが、本発明は第1,第2位置決め片の何れか一方のみで車幅方向の位置決めを行うようにしてもよい。
【0032】
さらに上記実施形態では、インストルメントパネル1に別体の収納ボックス2を配設した場合を説明したが、本発明はインストルメントパネルに収納ボックスを一体形成した場合にも勿論適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による車両用収納装置のヒンジ部構造を説明するためのインストルメントパネルの斜視図である。
【図2】上記インストルメントパネルに配設された収納ボックスのヒンジ部材部分の断面側面図である。
【図3】上記収納ボックスのチェックアーム部分の断面側面図である。
【図4】上記収納ボックスのロック機構部分の断面側面図である。
【図5】上記収納ボックスのヒンジ部材部分の断面平面図である。
【図6】上記ヒンジ部材の斜視図である。
【図7】上記ヒンジ部材の断面図である。
【図8】従来の一般的なヒンジ部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 収納ボックス
2b 収納開口
3 蓋部材
15 ヒンジ取付け座
16 ヒンジ部材
17 第1差込み孔
18 第2差込み孔
22 第1位置決め片
23 第2位置決め片
Claims (1)
- フロントシートの前方に配設されたインストルメントパネルに収納開口を有する収納ボックスを設け、該収納ボックスの収納開口の縁部にヒンジ取付け座を形成し、上記収納開口を開閉する蓋部材を回動可能に支持するヒンジ部材を上記ヒンジ取付け座に固定するようにした車両用収納装置のヒンジ部構造において、上記ヒンジ取付け座に第1方向に開口する第1差込み孔を形成するとともに、上記第1方向と略直交する第2方向に開口する第2差込み孔を形成し、上記ヒンジ部材に、上記第1差込み孔に挿入することにより上記第2方向の位置決めを行う第1位置決め片を一体形成するとともに、上記第2差込み孔に挿入することにより上記第1方向の位置決めを行う第2位置決め片を一体形成し、上記第1,第2位置決め片の少なくとも一方により上記第1,第2方向と略直交する第3方向の位置決めを行うことを特徴とする車両用収納装置のヒンジ部構造。
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