JP3563267B2 - 交流電源のゼロクロス検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機の定着ヒータ制御、露光ランプ制御の交流電圧出力処理制御等に適用される交流電源のゼロクロス検出装置に関する。更に詳述すると、本発明は、交流電源を用いてゼロクロスポイントを基点として、出力電圧制御を行う交流電源のゼロクロス検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、交流電源のゼロクロス検出装置は、ゼロクロス点の検出に、多かれ少なかれノイズの影響を受けるのが一般的である。
【0003】
従来例1として、ノイズ等によるゼロクロス検出の誤動作をハード回路構成にて防止する技術を示す。本従来例1では、ゼロクロスポイントを検出する回路構成に加えて、ノイズ等よりも高いプラス/マイナスのバイアス電圧を印可する回路を設けている。この2種類の回路構成より得られた出力波形の組み合わせにより、ノイズ等の影響を除外した安定したゼロクロスポイントを検出する装置が特開平6−6192号公報に開示されている。
【0004】
また、従来例2として、従来例1と同様に、ノイズ等によるゼロクロス検出の誤動作をハード回路構成にて防止を図る技術を示す。本従来例2では、ゼロクロスポイントを検出する回路構成に加えて、電源電圧の極性を検出する回路構成を設け、2種類の回路構成より得られた出力波形を組み合わせることにより、ノイズ等の影響を除外した安定したゼロクロスポイントを検出する装置が特開平8−308215号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、ゼロクロス検出回路にノイズ等の影響を受け難くなるようにして、付加回路を追加して安定したゼロクロス検出をハードの回路構成にて行っているため、装置自体が高価になってしまうという問題点を伴う。
【0006】
本発明は、ソフトウエア処理にてコストアップすることなく安定したゼロクロス検出を行う交流電源のゼロクロス検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有することとする。
本発明にかかる交流電源のゼロクロス検出装置は、交流電源のゼロクロスポイントを検出するゼロクロス検出手段と、ゼロクロス検出手段により検出された交流電源のゼロクロスポイントをトリガとして、被制御装置に供給される出力電圧の出力制御処理を行う制御手段と、を有し、制御手段は、ゼロクロスポイントを任意の時間の間カウントし、電源周波数を検出し、該検出した電源周波数を基に、(1/検出周波数)−α、(但しαは任意の定数)の時間を設定し、ゼロクロスポイントをトリガとして、出力電圧の出力制御処理を行った際に、上記設定した、(1/検出周波数)−α、の時間だけ、ゼロクロス検出手段により検出された交流電源のゼロクロスポイントを検出しないことを特徴とするものである。また、本発明にかかる定着装置は、トナー像を記録媒体に定着させる定着手段と、交流電源のゼロクロスポイントを検出するゼロクロス検出手段と、ゼロクロス検出手段により検出された交流電源のゼロクロスポイントをトリガとして、定着手段に供給される出力電圧の出力制御処理を行う制御手段と、を有し、制御手段は、ゼロクロスポイントを任意の時間の間カウントし、電源周波数を検出し、該検出した電源周波数を基に、(1/検出周波数)−α、(但しαは任意の定数)の時間を設定し、ゼロクロスポイントをトリガとして、出力電圧の出力制御処理を行った際に、上記設定した、(1/検出周波数)−α、の時間だけ、ゼロクロス検出手段により検出された交流電源のゼロクロスポイントを検出しないことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明において、(1/検出周波数)−α、のα時間は、公称電源周波数の許容値範囲よりも大きいことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明において、α時間は、調整可能なことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明による交流電源のゼロクロス検出装置の実施の形態を詳細に説明する。図1〜図7を参照すると本発明の交流電源のゼロクロス検出装置の実施形態が示されている。
【0011】
図1は、本発明の実施形態である交流電源のゼロクロス検出装置の概略を示す回路図である。ゼロクロス検出装置1は、定着ローラ2と、露光ランプ3と、定着ヒータ4と、サーミスタ5と、交流電源6と、電源スイッチ(SW)7と、CPU8と、制御用ドライバ9と、トライアック10と、制御用ドライバ11と、トライアック12とから構成される。
【0012】
図1において、定着ローラ2内には定着ヒータ4が内蔵されている。また、定着ヒータ4は、定着ローラ2が加熱されるように構成されている。この定着ヒータ4は、電源スイッチ(SW)7を介して交流電源6に接続され、また、トライアック10に接続されている。トライアック10は、制御用ドライバ9を介してCPU8に接続され、電源印加のON/OFF制御が行われる。従って、電源スイッチ7がON状態でトライアック10がONした時に、定着ヒータ4へ電力が供給される。
【0013】
定着ローラ2の中央部に接触してサーミスタ5が設けられている。このサーミスタ5は、CPU8に接続され、検出したローラ温度の検出信号をCPU8に入力する。CPU8は、サーミスタ5からのアナログ信号をデジタル信号に変換し、定着ローラ2の温度データを得る。サーミスタ5により検出されたローラ温度の信号を基に、CPU8がトライアック10を制御し、定着ヒータ4への電源印加/非印加を制御する。
【0014】
また、露光ランプ3は、図示しないが、複写機等のコンタクトガラス上の原稿を露光するように構成されている。露光ランプ3は、定着ヒータ4と同様に電源スイッチ(SW)7を介して交流電源6と接続され、また、トライアック12に接続されている。このトライアック12は、制御用ドライバ11を介してCPU8に接続され、ON/OFF制御が行われる。従って、電源スイッチ(SW)7がON状態でトライアック12がONした時、露光ランプ3に電力が供給される。
【0015】
露光ランプ3の両端部の実効電圧を検出するために、実効値検出回路17が設けられている。この実効値検出回路17は、交流電圧の実効値を直流に変換して、CPU8に入力される。CPU8は、実効値検出回路17からのアナログ信号をデジタル信号に変換し、露光ランプ3に出力されている交流の実効値電圧を得る。
【0016】
また、交流電源6の電圧ゼロクロスポイントを検出するために、ゼロクロス検出回路16が設けられている。ゼロクロス検出回路16は、ゼロクロスポイントを検出する毎に、CPU8に対して検出信号を出力をする。
【0017】
図2は、各種の波形を示したものである。図2には7種類の波形の形態、「1交流波形」、「2ゼロクロス検出」、「3出力電圧波形」、「4ゼロクロスにノイズが混入したもの」、「5ノイズ混入時の出力電圧波形」、「6ゼロクロスのノイズをマスクしたもの」、「7ゼロクロスのノイズをマスクしたときの出力電圧波形」、が示されている。
【0018】
「1交流波形」は、複写機等へ供給される交流電源の波形を示すものである。「2ゼロクロス検出」は、ゼロクロス検出回路16に交流電源が供給され、ゼロクロスポイントを検出する毎にゼロクロス信号をHighレベルで出力する形態を示した波形である。「3出力電圧波形」は、定着ヒータまたは露光ランプ3へ出力する電圧波形を示したものである。なお、網点で示される部分が出力されている。
【0019】
「4ゼロクロスにノイズが混入したもの」は、「1交流波形」に何らかのノイズがのると、ゼロクロス検出波形に影響を与えてしまい、図示されるようなゼロクロス検出波形になってしまうことを示したものである。
【0020】
「5ノイズ混入時の出力電圧波形」は、「4ゼロクロスにノイズが混入したもの」の波形にて露光ランプ3または定着ヒータ4の出力電圧制御を行うと、この波形のような出力電圧しか出力されないという1例を示したものである。なお、この例では、網点で示される部分しか出力されない。
【0021】
本来であれば、「3出力電圧波形」のように出力されなければいけないのに、この出力波形では、露光ランプ3であればランプ不点灯に近いので原稿が露光されず、複写機等で仕上がるコピーは、トナーが全面に定着された黒べた画像となる。また、定着ヒータ4であれば、定着ローラ2の表面温度が下降してしまい、トナーが完全に定着されていない画像となってしまう。
【0022】
「6ゼロクロスのノイズをマスクしたもの」は、網点で囲ってある部分は、信号がHighレベルになっても、ゼロクロス検出信号としてみなさないものであることを示したものである。これが、本発明の実施形態を示すものである。
【0023】
「7ゼロクロスのノイズをマスクしたときの出力電圧波形」は、「6ゼロクロスのノイズをマスクしたもの」を使用したときの、露光ランプ3または定着ヒータ4の出力電圧波形である。「6ゼロクロスのノイズをマスクしたもの」を使用することにより、ゼロクロス検出波形にノイズがのっても、露光ランプ3または定着ヒータ4の出力電圧波形は安定したものとなることを示している。
【0024】
図3〜図7は、複写機等の装置に電源が投入されている時の周波数検出処理と露光ランプ3及び定着ヒータ4による処理の手順例を示したものである。ここでの、露光ランプ点灯制御(ステップS10/図4)は、電源が投入されていると常に点灯制御するような構成としている。しかし、実際はコピースタート時からコピー終了時の間のみ点灯していればよく、常に点灯している必要はない。本発明の実施形態の説明では、これらは本発明の技術内容と関係がないために、常に点灯制御するような構成にしてある。
【0025】
図3に示されるフローチャートに基づいて処理手順を説明する。このフローチャートは、ゼロクロス検出回路からの検出信号が、LowレベルからHighレベルとなった、エッジ検出毎に実行されるものである。
【0026】
まず、電源投入初期は、図示していないが、CPU等の複写機をコントロールするための制御系の初期化が行われる。例えば、CPU、RAM、I/O制御用IC等である。初期化により、「周波数測定終了」となると(ステップS1)、周波数測定終了を示すメモリ状態は、周波数未測定状態となっている。このため、次の「ゼロクロスカウンタ+1」の処理に移る(ステップS2)。このカウンタの加算処理(周波数検出)は、次の「周波数測定時間経過」が満足するまで(ステップS3/はい)、ゼロクロス検出毎に行われる。通常、周波数検出は、500msecかけて行われている。
【0027】
そして、「周波数測定時間経過」が満足すると(ステップS3/はい)、「周波数を求める」を実行するが(ステップS4)、周波数測定時間を200msecとすれば、ゼロクロスカウンタの値が「45以上55以下」であれば50Hzとし、「56以上65以下」であれば60Hzとしている。このように、カウンタ値に幅をもたせているのは、周波数変動があることを前提としているからである。
【0028】
次に、周波数測定終了を示すために「周波数測定終了」メモリを「ON」する(ステップS5)。上記メモリをONすれば、この次にこのフローチャート実行時には、周波数測定処理部は実行せずに「ゼロクロスマスク タイムアップ」の判断から実行するようになる。
【0029】
次に、測定した周波数が50Hzまたは60Hzで確定できたかの判断を行うが、確定できていなければ、正規な露光ランプまたは定着ヒータ制御ができないので、異常処理を行い、場合によっては、繰り返し周波数測定処理が実行できるようにするか、あるいは、そのまま異常として扱い複写機等の装置を使用できないようにする。
【0030】
次に、周波数が50Hzまたは60Hzに確定できていれば、「ゼロクロスタイマをタイムアップ状態にする」処理を行う(ステップS8)。これは、上記の周波数測定が50Hzまたは60Hzに確定できていたとすれば、ゼロクロス入力は正常だと判断して、次の判断の「ゼロクロスタイマ タイムアップ?」で(ステップS9)、スムーズにそのまま「露光ランプ点灯制御」に移行できるようにする(ステップS10)。
【0031】
次に、「ゼロクロスタイマ タイムアップ?」の判断であるが(ステップS10)、ここで判断するタイムアップの時間とは、50Hzの場合電源周波数変動率が±3%が最大変動率とすれば、
((1/50)/2)−((1/50)/2)×0.03[msec]
以下とする。
【0032】
60Hzの場合は、
((1/60)/2)−((1/60)/2)×0.03[msec]
以下である。従って、ここで、前回のゼロクロス検出による露光ランプまたは定着ヒータ制御を実行してから、上記タイムアップ時間経過以内では、ゼロクロス検出による露光ランプまたは定着ヒータ制御は行わないことになる。それは、露光ランプまたは定着ヒータ制御を実行すると「ゼロクロスタイマ」がリセットされて再スタートするためである。そして、ゼロクロスタイマがタイムアップすると、次の「露光ランプ点灯制御」(ステップS10)、「定着ヒータ点灯制御」(ステップS11)が順次行われ、最後に「ゼロクロスタイマ」がリセットされ再スタートされる(ステップS12)。
【0033】
図3のフローチャートで、図3に示した「ゼロクロスタイマ」関連の処理「ゼロクロスマスク処理」(ステップS8、ステップS9、ステップS12)があることによって、正規なゼロクロス検出周期の間にノイズ等を拾って、ランダムにゼロクロス検出されても、不正に「露光ランプ点灯制御」(ステップS10)、「定着ヒータ点灯制御」(ステップS11)、が順次行われることはなくなる。
【0034】
図4〜図7は、図3で述べた、「露光ランプ点灯制御」(ステップS10/図4、図5)、「定着ヒータ点灯制御」(ステップS11/図6、図7)の実行状態を、さらに詳細なフローチャートで示したものである。基本的に、「露光ランプ点灯制御」/図4のステップS21〜ステップS23、「露光ランプ用トライアックON処理」/図5のステップS31〜ステップS33、「定着ヒータ点灯制御」/図6のステップS41〜ステップS43、「定着ヒータ用トライアックON処理」/図7のステップS51〜ステップS53は、何れも共にゼロクロスポイントを起点として、位相制御方式を用いている。これらは、露光ランプの設定電圧の適正値と定着ヒータの設定温度を一定に保つために、必要な電圧の適正値となるように各トライアックをONする位相角をプログラム上の演算により求める。
【0035】
図4で示したステップS22における「実効値検出回路から…」の処理の実効値検出は、図2で示される「3出力電圧波形」図のトライアックをONするポイント(図中Aで指している箇所)にて、出力電圧の実効値を求めている。
【0036】
本発明は、交流電源のゼロクロス検出のみを行うことを前提とし、周波数は50Hzまたは60Hzのどちらかのみであることから、ゼロクロス検出回路は現状のままとし、ソフトウエアにて安定したゼロクロス検出を行うものとし、コストアップすることなく達成しようとするものである。
【0037】
(実施例1)
本実施例1の交流電源のゼロクロス検出装置は、交流電源のゼロクロスポイントを検出するゼロクロス検出回路と、交流電源を用いてゼロクロスポイントをトリガとして交流電圧の出力制御処理を行う制御回路と、ゼロクロス検出回路により検出されたゼロクロスポイントを任意の時間の間カウントし電源周波数を検出する電源周波数検出回路と、電源周波数検出回路により検出された検出周波数を基に、(1/検出周波数)−αの時間にゼロクロスポイントと同期する出力信号または時間を計数するゼロクロスポイント管理回路とを有して構成される。
【0038】
このように、交流電源を用いた出力電圧制御をゼロクロスポイント管理回路による出力信号の出力中または時間計数中である場合に、ゼロクロスポイントをトリガとして、交流電圧の出力制御する処理を行わない。それは、ゼロクロス検出回路にノイズ等が混入すると、本来の交流電源のゼロクロスポイント以外に、ノイズもゼロクロス検出回路で拾ってしまい、予期せぬ間隔でゼロクロスポイントが発生してしまうからである。このようになると、複写機等でいうと、交流電圧でコントロールされる定着ヒータおよび露光ランプ等の出力電圧制御に支障をきたし、点灯するべきタイミングのときに点灯しないなどの障害が発生し、画像上に黒べた画像が発生したり、定着不良を引き起こしてしまう。本実施例1は、上記不具合を解消するためのものである。
【0039】
電源周波数検出により、検出した周波数値を基にゼロクロスポイント管理手段から、信号出力中または時間計数中であれば、ゼロクロスポイントとしてプログラム処理を行わないので、正規のゼロクロスポイントにて、安定した交流電源を使用した交流電圧の出力制御(露光ランプ制御、定着ヒータ制御等)が行える。
【0040】
(実施例2)
本実施例2の交流電源のゼロクロス検出装置は、実施例1のゼロクロスポイント管理回路の信号出力時間、または計数する時間「(1/検出周波数)−α」のα時間を、公称電源周波数の許容値範囲よりも大きくする。その理由は、電源周波数は、全世界公称値50Hzまたは60Hzであるが、変動率は、各国毎に異なっている。そこで、海外規格通信社が発行している「WORLD VOLTAGE」(全世界の電圧変動率、周波数変動率等を示した書籍)での周波数変動率はフォークランドの±3%が最大値と目されており、この周波数変動率が大きい諸国でも、不具合なく複写機等の装置が使用できることを目的とする。
【0041】
ゼロクロスポイント管理からの信号出力または時間計数の時間を海外規格通信社が発行している「WORLD VOLTAGE」に掲げられている、全世界における周波数変動率が保証できる時間に設定しておくことによって、本実施例2を用いた複写機等の装置を全世界で不具合が発生することなく使用できることになる。
【0042】
(実施例3)
本実施例3の交流電源のゼロクロス検出装置は、上記の実施例に加え、さらに、α時間を調整可能とする。それは、上記における周波数変動率からはずれてしまう状況になっても、不具合が発生することなく複写機等の装置が使用できることを目的とする。実施例3でいうゼロクロス検出をマスクする時間を調整できるようにするものは、図示しないが、複写機等の操作部上のキーアクセス操作にて、調整可能状態になるようにプログラムしておき、そこで、変更された値をメモリ(RAM)に保存し、図3のステップS8における「ゼロクロスマスクタイマ」のタイムアップ条件で、保存メモリの値とタイマ値を比較するようにプログラムしておけばよい。
【0043】
ゼロクロスポイント管理からの信号出力または時間計数の時間を、調整できるようにすることにより、電源事情により公称周波数変動率から外れてしまう地域においても、不具合が発生することなく使用できることになる。
【0044】
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、交流電源のゼロクロスポイントを検出し、ゼロクロスポイントをトリガとして交流電圧の出力制御処理を行う。検出されたゼロクロスポイントを任意の時間の間カウントし電源周波数を検出し、検出された検出周波数を基に、(1/検出周波数)−α、の時間にゼロクロスポイントと同期する出力信号または時間を計数する。交流電源を用いた出力電圧制御を、ゼロクロスポイント管理による出力信号の出力中または時間計数中であれば、ゼロクロスポイントをトリガとして行なう出力電圧の出力制御を、(1/検出周波数)−αの時間だけ行なわないようにする。従って、検出した周波数値を基にゼロクロスポイント管理の信号出力中または時間計数中であれば、ゼロクロスポイントとしてプログラム処理を行わないので、正規のゼロクロスポイントにて、安定した交流電源を使用した交流電圧の出力制御(露光ランプ制御、定着ヒータ制御等)が行える。
【0046】
また、本発明は、ゼロクロスポイント管理の信号出力時間、または計数する時間「(1/検出周波数)−α」のα時間を、公称電源周波数の許容値範囲よりも大きくする。例えば、ゼロクロスポイント管理の信号出力または時間計数の時間を、海外規格通信社が発行している「WORLD VOLTAGE」に掲げられている、全世界における周波数変動率が保証できる時間に設定しておくことによって、本発明を用いた複写機等の装置を全世界で不具合が発生することなく使用できる。
【0047】
また、本発明は、α時間を調整可能とする。ゼロクロスポイント管理の信号出力または時間計数の時間を、調整できるようにすることにより、電源事情により公称周波数変動率からはずれてしまう地域においても、不具合が発生することなく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交流電源のゼロクロス検出装置の実施形態を示す構成図であり、本発明が適用される定着ヒータ及び露光ランプと、その制御系を示している。
【図2】本発明の実施形態における動作を説明するための各種の波形を示している。
【図3】複写機等の装置に電源が投入されている時の、周波数検出処理と露光ランプ及び定着ヒータ処理の手順例を示したフローチャートである。
【図4】図3のサブルーチン1を示している。
【図5】図3のサブルーチン2を示している。
【図6】図3のサブルーチン3を示している。
【図7】図3のサブルーチン4を示している。
【符号の説明】
1 ゼロクロス検出装置
2 定着ローラ
3 露光ランプ
4 定着ヒータ
5 サーミスタ
6 交流電源
7 電源スイッチ(SW)
8 CPU
9 制御用ドライバ
10 トライアック
11 制御用ドライバ
12 トライアック
17 実効値検出回路

Claims (4)

  1. 交流電源のゼロクロスポイントを検出するゼロクロス検出手段と、
    前記ゼロクロス検出手段により検出された前記交流電源のゼロクロスポイントをトリガとして、被制御装置に供給される出力電圧の出力制御処理を行う制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、
    前記ゼロクロスポイントを任意の時間の間カウントし、電源周波数を検出し、該検出した前記電源周波数を基に、(1/検出周波数)−α、(但しαは任意の定数)の時間を設定し、
    前記ゼロクロスポイントをトリガとして、前記出力電圧の出力制御処理を行った際に、前記設定した、(1/検出周波数)−α、の時間だけ、前記ゼロクロス検出手段により検出された前記交流電源のゼロクロスポイントを検出しないことを特徴とする交流電源のゼロクロス検出装置。
  2. 請求項1記載の交流電源のゼロクロス検出装置において、前記(1/検出周波数)−α、のα時間は、公称電源周波数の許容値範囲よりも大きいことを特徴とする交流電源のゼロクロス検出装置。
  3. 請求項2記載の交流電源のゼロクロス検出装置において、前記α時間は、調整可能なことを特徴とする交流電源のゼロクロス検出装置。
  4. トナー像を記録媒体に定着させる定着手段と、
    交流電源のゼロクロスポイントを検出するゼロクロス検出手段と、
    前記ゼロクロス検出手段により検出された前記交流電源のゼロクロスポイントをトリガとして、前記定着手段に供給される出力電圧の出力制御処理を行う制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、
    前記ゼロクロスポイントを任意の時間の間カウントし、電源周波数を検出し、該検出した前記電源周波数を基に、(1/検出周波数)−α、(但しαは任意の定数)の時間を設定し、
    前記ゼロクロスポイントをトリガとして、前記出力電圧の出力制御処理を行った際に、前記設定した、(1/検出周波数)−α、の時間だけ、前記ゼロクロス検出手段により検出された前記交流電源のゼロクロスポイントを検出しないことを特徴とする定着装置。
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