JP3563245B2 - ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のディスクを収納したパッケージから選択された1枚のディスクを取り出して記録又は再生を行なうディスク装置に係り、特にパッケージをディスク装置に装填したときに、パッケージ内からのディスクの突出を防止するとともに、パッケージを装填してからディスクの記録又は再生動作に至るまでに要する時間を短縮できるディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数枚のディスクが収納されたパッケージが挿入され、パッケージ内のいずれかのディスクが選択されて再生または記録が行なわれるディスク装置として、パッケージ内に、ディスクを載置する複数のトレイが収納されるものがある。
このディスク装置では、装置本体の装填領域にパッケージが挿入されると、引出し手段によりパッケージ内の選択されたディスクが引出される。引き出されたディスクはディスク駆動手段に装填され、回転駆動されて記録または再生が行なわれる。
車載用などのディスク装置では、前記パッケージが、トレイを引出すための開口部を横方向に向け且つ、開口部が形成されていない側壁を前方に向けて装置本体内に挿入される。一方、同じく車載用のディスク装置またはコンピュータのデータ処理用に用いられるディスク装置では、パッケージが前記開口部を前方に向けてディスク装置の装填領域に挿入されるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、パッケージが挿入方向を前方に向けて挿入されるものでは、パッケージを装置本体に勢いよく挿入したときに、衝撃または慣性力により、パッケージ内のトレイが装置本体内に不用意に飛び出しやすく、パッケージの挿入を完了したときに、トレイの選択動作に支障をきたすことがある。または、パッケージを挿入する前に、パッケージの開口部からトレイの一部が突出している状態で、そのままパッケージが挿入され、挿入口から突出しているトレイにより、前記のように選択動作に支障をきたすことがある。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、パッケージが開口部を前方に向けて挿入されたときに、パッケージ内のトレイの不用意な突出を防止できるようにしたディスク装置を提供することを目的としている。
【0005】
また本発明は、パッケージが挿入されたときにトレイの飛び出しが防止できるが、パッケージが挿入された直後に飛び出し防止機構に邪魔されることなく、直ちにパッケージ内からのトレイおよびディスクの取り出しを可能としたディスク装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ディスクが載置されたトレイが複数枚積層されて収納され且つ前記トレイを出し入れする開口部が形成されたパッケージと、前記パッケージが前記開口部を挿入方向に向けて挿入される装填領域と、前記ディスクの記録および/または再生を行なうディスク駆動手段と、前記ディスクの並び方向へ移動し前記ディスクを選択する移動ベースと、前記移動ベースに設けられて選択された前記トレイを前記パッケージ内から引き出して前記ディスク駆動手段へ装填可能にする引出し手段とを有するディスク装置において、前記装填領域に挿入された前記パッケージ内の前記トレイに前記開口部側から対向して、前記パッケージ内からの前記トレイの突出を防止する規制部材と、前記パッケージ内から前記ディスクを引き出す際に前記規制部材を前記トレイの出し入れが可能な領域に待避させる規制解除手段が設けられており、
前記パッケージが前記装填領域に挿入されたときに、前記規制部材が対向しない前記トレイに、所定位置に停止している前記引出し手段の一部分が対向して、前記パッケージからの前記トレイの突出が防止されることを特徴とするものである。
【0007】
本発明では、パッケージが開口部を前方に向けて装置本体に挿入された状態で、パッケージ内のトレイの前方に規制部材が対向するため、パッケージの挿入動作により、パッケージ内のトレイが飛び出すのを防止できる。また、パッケージの開口部からトレイが突出した状態でパッケージが挿入されたときも、パッケージの挿入が完了したときに、規制部材によりトレイがパッケージ内に戻される。
【0008】
本発明では、実施の形態に示すように、移動ベースにディスク駆動手段と引出し手段の双方が搭載されて、引出し手段で引き出されたディスクがそのまま移動ベース上でディスク駆動手段により駆動されるもののみならず、移動ベースに引出し手段のみ搭載され、パッケージ内のトレイが引き出されてディスクが移動ベース上に載置された後に、この移動ベースが移動して、他の位置にあるディスク駆動手段にディスクが搭載されて駆動されるものであってもよい。
【0009】
上記において、引出し手段が対向するトレイに隣接するトレイには、この引出し手段と共に所定位置に停止している前記移動ベースの一部が対向して、パッケージからのトレイの突出が防止されるものとすることが可能である。
【0010】
この場合に、他のトレイの突出が規制部材により規制されている状態で、前記引出し手段により突出が防止されているトレイは、この引出し手段によりその位置から引出し可能とすることが好ましい。
【0011】
上記の手段では、パッケージが挿入されたときに、パッケージ内のいずれか1個または複数のトレイの前方に規制部材が対向して、パッケージ内のトレイの突出が防止されるとともに、それ以外のトレイには移動ベースおよび引出し手段が対向するが、この状態で、引出し手段によりトレイを引き出すことができる。すなわち、規制部材により他のトレイが規制されている状態で、引出し手段を動作させることにより、パッケージ内のトレイを直ちに引き出すことができるため、規制部材を動作させる前にトレイの引出が可能になり、パッケージの挿入からディスクの駆動までにかかる時間を短縮できる。
【0012】
この場合に、引出し手段および移動ベースを移動させる駆動機構の一部に前記規制解除手段が設けられ、引出し手段および移動ベースが、前記駆動機構により前記所定位置から他のトレイに対向する位置ヘ移動するときに、前記規制解除手段により、規制部材が待避位置に移動させられるようにすることができる。
【0013】
この構造では、それまで規制部材により規制されていたトレイを引き出そうとするときに、移動ベースおよび引出し手段を移動させて、トレイを選択できる位置ヘ移動させると、その時点で規制部材が待避していることになる。よって、移動ベースを移動させてトレイの選択を行うだけで規制部材を待避させることができ、規制部材を待避させるための別個の機構が不要であり、また移動ベースをトレイの選択位置へ移動した時点で、直ちにディスク選択動作に移行でき、ディスク駆動までに要する時間を短くできる。
【0014】
また、パッケージ内には、各トレイを収納状態に保持するばね製の保持手段が設けられ、装填領域に挿入されたパッケージ内のトレイが前記規制部材、または前記引出し手段あるいは移動ベースに当たった時点で、前記保持手段によりトレイをパッケージ内に戻して保持する力が発揮されることが好ましい。
【0015】
上記構造では、パッケージの挿入時の衝撃や加速度により、パッケージ内のトレイが規制部材(または引出し手段あるいは移動ベース)に当たる位置まで突出しても、それ以上トレイが前方へ出ないため、パッケージ内の保持手段によりトレイがパッケージ内に戻されて保持されることになる。よって、パッケージ内のトレイは常に、保持手段により確実に保持された状態に保たれる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して説明する。
図1は、本発明における選択式のディスク装置の実施の形態を示す平面図、図2は図1のII矢視方向から見た縦断面図、図3はディスクパッケージの平断面図である。
図1に示すディスク装置の構造は、筐体Aが図示X方向に延びた形状であり、図示右端側が装填領域Bおよび図示左端側がディスク駆動領域Cとなっている。装填領域Bはディスクパッケージ(以下、パッケージという)Pが装填される領域であり、ディスク駆動領域Cにはディスク駆動手段Eおよび移動ベースとして昇降移動ベース10などが設けられている。また図示右端側の端面には、パッケージPが挿入される挿入口A1が設けられている。
【0017】
前記昇降移動ベース10上には、ディスク駆動手段Eが搭載されている。このディスク駆動手段Eは、駆動ベースE1上にディスクDの中心穴部分を保持するターンテーブル11とこのターンテーブル11を回転駆動するスピンドルモータ12を有している。またディスクDの半径方向へ延びるガイド軸14とこのガイド軸14と平行に延びる駆動スクリュー軸15とが設けられ、光ヘッド13の軸受部13bが前記ガイド軸14に摺動自在に支持され、光ヘッド13の雌ねじ部13cが駆動スクリュー軸15に螺合している。光ヘッド13内には、レーザーダイオードなどの発光素子、ディスクからの反射光を検出する受光素子、ビームスプリッターなどの光学素子が収納され、対物レンズ13aがディスクDの記録面に対向して設けられている。
【0018】
パッケージPは、直径が12cmのディスクおよび直径が8cmのディスクを複数枚収納可能である。また再生専用のROM系ディスクと記録が可能なRAM系ディスクの双方が混在して収納することもできる。例えばROM系ディスクは、CDやDVD−ROMなどであり、RAM系ディスクは、DVD−RAMなどである。また直径が8cmのディスクはシングルCDなどである。
【0019】
図3に示すように、パッケージPは合成樹脂製のケース1から形成され、図示左側に開口部1aを有し、この開口部1aがトレイTおよびディスクDの引出し口である。ケース1の内部には複数枚のトレイTが引出し自在に収納されている。図の例では、ケース1内に5枚のトレイTを収納可能である。ケース1の左側板1bと右側板1cの内面には複数の水平リブ(図示せず)が突出形成されており、各トレイTの左右両側縁部が、前記水平リブの間にてガイドされ、各トレイTはX方向へ摺動自在となっている。トレイTの一方の側縁部(図示下側の側縁部)では、図示右端に規制突起T1が、図示左端に規制突起T2が突出形成されて、ケース1の左側板1bの内面には、前記両規制突起T1とT2の間に位置するストッパ突起1dが一体に形成されている。各トレイTの図示右側の端辺には保持突起T3が一体に突出形成されており、ケース1の図示右側の前面板1eの内側には、個々のトレイTの保持突起T3を保持する保持手段として板ばね2が設けられている。
【0020】
図3にて実線で示すように、トレイTがケース1の内部に収納されている状態では、トレイTの保持突起T3が板ばね2で保持され、各トレイTが開口部1aから飛び出さないようにロック状態(保持状態)にある。前記トレイTを前記開口部1aから図示左方向へ引くと、保持突起T3が板ばね2から外れ、トレイTを開口部1aから引き出すことができる。ただし、保持突起T3のX1側の両側部には傾斜面T3a,T3aが形成されているため、図3の状態からトレイTを少しだけX1方向へ引出したときには、板ばね2の先端部2a,2aが傾斜面T3a、T3aを摺動し、トレイTはパッケージ内へX2方向へ引き戻される。すなわち、板ばね2の先端部2a,2aが、保持突起T3の側部の突部頂点を乗り越えない限り、トレイTがパッケージP内に引き戻される。
【0021】
保持突起T3が板ばね2から外れて保持が解除され、トレイTが所定寸法だけ引き出されると、トレイTの側縁部に形成された規制突起T1が、ケース1の前記ストッパ突起1dに当たり、その位置がトレイTが最も引出された位置となる。図3では、ケース1から最も引き出された状態のトレイTを鎖線で示している。さらにケース1内からトレイTを強制的に引き出すと、規制突起T1が形成されている部分が弾性変形し、規制突起T1がストッパ突起1dを乗り越え、トレイTをケース1の外方へ取り出すことができる。なお、各トレイTの図示左側の側方には、装置本体側からトレイTに対して引出し力を与えるためのフックT4が設けられている。
【0022】
図4は、図1をIV矢視方向から見た側面図、図5はディスク装置を部分的に拡大した図4のV矢視の拡大平面図であり、(A)は係合前の状態を示し、(B)は係合状態を示す。
筐体A内のディスク駆動領域C内に設けられた昇降移動ベース10は金属板で曲げ形成され、その両端には側部10a,10aを有している。図4に示すように筐体Aの側板には、垂直(Z軸)方向に延びる長孔A2,A2が穿設されており、この側板10aの外面には、傾斜孔21a,21aを有する駆動部材21が図示X軸方向に摺動自在に設けられている。そして、これら長孔A2および傾斜孔21aの両孔に、昇降移動ベース10の側部10a,10aに植設されたガイドピン10b,10bがそれぞれ挿通されている。また筐体Aの内部には図示しない昇降駆動機構が設けられ、この昇降駆動機構の駆動力により、駆動部材21が図示X方向に移動させられる。
【0023】
例えば、図4に示すように昇降移動ベース10が下層部に位置している初期状態から、駆動部材21が昇降駆動機構により図示X2方向に駆動されると、ガイドピン10b,10bが駆動部材21の傾斜孔21a,21aによって図示Z1方向に持ち上げられる。同様に、昇降移動ベース10が上層側に位置する時に駆動部材21が図示X1方向に移動すると、ガイドピン10b,10bは昇降部材21の傾斜孔21a,21aにより下降させられる。このとき、ガイドピン10bは傾斜孔21aのみならず、筐体Aの長孔A2にもガイドされて移動することとなるため、昇降移動べース10はZ方向に直線的に昇降移動する。
【0024】
図1に示すように、筐体A内の図示上端(Y1)側には規制部材としてストッパ19が設けられている。図4に示すように、ストッパ19は、切欠部19cが形成された扉状の規制部19bを有し、図示X1側の端部には回転軸19aが設けられ、この回転軸19aが筐体A内に回転自在に支持されている。よって、ストッパ19は回転軸19aを支点として回動自在である。ただし、ストッパ19の回転軸19aには、ねじりコイルばね等の付勢部材(図示省略)が設けられており、規制部19bが図1(または図5)で反時計回り方向に付勢されて筐体Aに平行する待避位置(イ)となっている。また規制部19bの下部端面には、筐体Aの底面より図示Z2方向に突出する凸部19dが設けられている。
【0025】
図4に示すように駆動部材21は図示X2方向に延長されており、Z2側が筐体Aの底面側にて内部方向に曲げられて、規制解除部21bが形成されている。この実施の形態では、駆動部材21および規制解除部21bが規制解除手段として機能する。
【0026】
図5(A),(B)では、規制解除部21bが点線または一点鎖線で示されており、図示右端(X1)側に傾斜部21cが形成されている。駆動部材21が図示X1方向に移動すると、規制解除部21bの傾斜部21cが前記規制部19bの下部端面に設けられた凸部19dに当接する。さらに駆動部材21がX1方向に移動すると、傾斜部21cにより凸部19dが押され、ストッパ19は時計方向に回動させられて、実線で示す規制位置(ロ)に至る。
また駆動部材21が図示X2方向に移動すると、傾斜部21cが凸部19dから外れ、ストッパ19は、前記付勢部材の付勢力により反時計回りに回動させられ、図5(A)で点線で示す待避位置(イ)となる。このように、駆動部材21のX方向への移動に連動して、ストッパ19を待避位置(イ)または規制位置(ロ)のいずれにも設定できる。
【0027】
また、図1,図4および図5に示すように、昇降移動ベース10のX2側の先端には、図示Z1方向に向く折り曲げ部10cが形成されている。そして、この折り曲げ部10cの下部には引出し手段としてX2方向に延びる引出しレバー18が設けられている。引出しレバー18は、昇降移動ベース10とともにZ方向へ昇降移動し、昇降移動ベース10に搭載された引出し駆動機構(図示しない)により図示X方向へ駆動される。
【0028】
図5(A),(B)に示すように、引出しレバー18は昇降移動ベース10の下面に設けられた基部18bと、この基部18bから突出形成された係合部18aとが一体成形されている。基部18bには、Z軸方向に延びるガイドピン22a,22bが並んで設けられ、両ガイドピン22a,22bは、昇降移動ベース10に穿設されたガイド溝10d内に挿通されている。すなわち、引出しレバー18は、このガイド溝10dに案内されて昇降移動ベース10上をX軸方向に直線的に移動できるものとなっている。
【0029】
またこのガイド溝10dの図示X2側の端部には、クランク部10eが形成されており、図示しない引出し駆動機構により引出しレバー18が最もX2方向に移動させられると、図5(A)示すように、ガイドピン22aのみがクランク部10eに入り込むため、引出しレバー18はガイドピン22bを中心に反時計回り方向に回動する。よって、係合部18aは、トレイTから離間し、フックT4を係合できない符号▲1▼に示す状態となる。図5(A)の位置から引出しレバー18をX1方向に移動させると、ガイドピン22aはクランク部10eから脱出し、直線状のガイド溝10d内に入る。よって、引出しレバー18は時計方向に回動して図5(B)に示す状態に復帰し、トレイTのフックT4を係合できる符号▲2▼に示す状態となる。さらにそのまま引出しレバー18をX1方向に移動させることにより、トレイTがケース1の開口部1aから引き出される。
【0030】
図4に示すように、駆動部材21が最もX1方向へ移動し、昇降移動ベース10が最下部に位置する場合には、最下段のトレイTaとその真上(下から2段め)のトレイTbのフックT4は、ストッパ19の切欠部19cに対向する。この切欠部19cを介して、最下段のトレイTaのフックT4は引出しレバー18の基部18bの当接面18cに対向し、トレイTbのフックT4は昇降移動ベース10の先端の折り曲げ部10cに対向する。そして、引出しレバー18の係合部18aは、切欠部19cを介してフックT4に係合できる状態に対向している。
【0031】
上記のように構成されるディスク装置の動作について説明する。
ディスク装置内へディスクパッケージPを装填する前の段階では、図4に示すように昇降移動ベース10は最下部の位置に移動している。すなわち、駆動部材21は最もX1側に移動し、傾斜孔21a,21aにより昇降移動ベース10が下降させられている。
このとき、図5(A)に示すように、規制解除部21bの傾斜部21cによって凸部19dが押され、ストッパ19が時計方向へ回動して規制位置(ロ)となっている。また、引出しレバー18はZ2方向に最も移動し、図5(A)にて符号▲1▼の状態で待機している。
【0032】
パッケージPのケース1は、図1および図2のディスク装置のX2側に設けられた挿入口A1から挿入され、図示しないロック機構によりケース1は装填領域B内にロックされる。
パッケージPは、開口部1aがX2側に向けられた状態で装填領域Bへ挿入される。挿入が完了すると、パッケージP内の上から3段目までの3枚のトレイTc、Td、Teの被押圧部T5が、図5(A)に示すように規制位置(ロ)に回動したストッパ19の規制部19bに微小距離で対向する。また最下段のトレイTaでは、フックT4が引出しレバー18の当接面18cに微小距離で対向し、下から2段目のトレイTbでは、フックT4が昇降移動ベース10の折り曲げ部10cに微小距離で対向する。
【0033】
よって、パッケージPが装填領域に装填されたときの衝撃や加速度で開口部1aからトレイが飛び出そうとしても、規制部19bおよび、当接面18cならびに折り曲げ部10cによりトレイの飛び出しが防止できる。またパッケージPの開口部1aからトレイがわずかに突出した状態で、パッケージPが挿入されたときにも、パッケージPの挿入動作でトレイTが、規制部19bおよび、当接面18cならびに折り曲げ部10cに当り、パッケージP内に戻される。
【0034】
ここで、パッケージPが装填領域Bに装填された状態での、各トレイTと、規制部19bおよび当接面18cと折り曲げ部10cとの間隔であるが、その間隔分だけトレイTがパッケージP内から突出しようとしても、図3に示す板ばね2によりトレイTをパッケージP内へ戻せるように設定されている。すなわち、板ばね2の先端部2aが、保持突起T3の頂部を乗り越えない範囲で、トレイTが突出したときに、トレイが規制部19b、当接面18c、折り曲げ部10cに当たるようになっている。したがって、パッケージP内のトレイTは開口部1aから突出することのないように、パッケージP内の板ばね2で常に保持される。
パッケージPが装填領域Bに挿入された直後に、直ちに最下段のトレイTaをパッケージP内から引き出すことができる。
【0035】
パッケージPが挿入された直後に、引出しレバー18のガイドピン22bをX1方向へ移動させると、ストッパ19の切欠部19c内において、引出しレバー18の係合部18aが図5(B)に示すように時計方向へ回動して▲2▼の状態になり、トレイTaのフックT4に係合する。そのまま引出しレバー18をX1方向へ移動させると、最下段のトレイTaはパッケージPの開口部1aからディスク駆動手段Eの方向へ引き出される。ただし、他のトレイは、昇降移動ベース10の折り曲げ部10cおよびストッパ19の規制部19bにより飛び出さないように規制されたままである。よって、パッケージPが挿入されてから最下段のトレイTa上のディスクを駆動可能となるまでの時間を最短にできる。
【0036】
また、トレイTb,Tc,Td,Teのいずれかを引き出すときも、昇降移動ベース10を上昇させることにより直ちに引出し動作が可能になる。
この場合には、駆動部材21をX2方向へ移動させ、傾斜孔21a,21aにより昇降移動ベース10を上昇させ、引出しレバー18が、Tb〜Teのいずれかのディスクを引き出せる位置に対向した時点で昇降移動ベース10を停止させる。
【0037】
駆動部材21がX2方向へ移動すると、規制解除部21bの傾斜部21cが凸部19dから外れるため、ストッパ19は図5(A)で破線で示すように反時計方向へ回動して待避位置(イ)に至り、トレイの突出を妨げなくなる。したがって、昇降移動ベース10を上昇させてトレイの選択を完了した直後に、他の駆動機構でストッパ19を待避させる時間を設けることなく、直ちに引出しレバー18をX1方向へ移動させて、トレイを引き出すことが可能になる。
上記においては、切欠部19cはストッパ19の下部に形成したが、切欠部19cを下部以外の位置に形成し、最下段以外のトレイに、切欠部を介して引出しレバーまたは昇降移動ベースが対向するように構成することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、パッケージが開口部を前方に向けて挿入されるディスク装置において、パッケージの開口部からトレイが突出しようとしても、規制部材、引出し手段、移動ベースにより、トレイの飛び出しが防止できる。
【0039】
またパッケージが挿入された時点で、引出し手段が対向するトレイを直ちに引き出すことができる。また他のトレイも、移動ベースを移動させてディスクの選択を完了した直後に、直ちに引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるディスク装置の実施の形態を示す平面図、
【図2】図1のII方向から見た縦断面図、
【図3】ディスクパッケージの平断面図、
【図4】図1のIV方向から見た側面図、
【図5】(A)は係合前の状態を示し、(B)は係合状態を示すものであり、共に図4のV矢視の拡大平面図、
【符号の説明】
A 筐体
B 装填領域
C ディスクパッケージ駆動領域
E ディスク駆動手段
T トレイ
T3 保持突起
T4 フック
T5 被押圧部
P ディスクパッケージ
1 ケース
2 板ばね(保持手段)
10 昇降移動ベース(移動ベース)
18 引出しレバー(引出し手段)
18a 係合部
18b 基部
18c 当接面
19 ストッパ(規制部材)
19a 回転軸
19b 規制部
19c 切欠部
19d 凸部
21 駆動部材
21b 規制解除部

Claims (5)

  1. ディスクが載置されたトレイが複数枚積層されて収納され且つ前記トレイを出し入れする開口部が形成されたパッケージと、前記パッケージが前記開口部を挿入方向に向けて挿入される装填領域と、前記ディスクの記録および/または再生を行なうディスク駆動手段と、前記ディスクの並び方向へ移動し前記ディスクを選択する移動ベースと、前記移動ベースに設けられて選択された前記トレイを前記パッケージ内から引き出して前記ディスク駆動手段へ装填可能にする引出し手段とを有するディスク装置において、前記装填領域に挿入された前記パッケージ内の前記トレイに前記開口部側から対向して、前記パッケージ内からの前記トレイの突出を防止する規制部材と、前記パッケージ内から前記ディスクを引き出す際に前記規制部材を前記トレイの出し入れが可能な領域に待避させる規制解除手段が設けられており、
    前記パッケージが前記装填領域に挿入されたときに、前記規制部材が対向しない前記トレイに、所定位置に停止している前記引出し手段の一部分が対向して、前記パッケージからの前記トレイの突出が防止されることを特徴とするディスク装置。
  2. 引出し手段が対向するトレイに隣接するトレイには、この引出し手段と共に所定位置に停止している前記移動ベースの一部が対向して、パッケージからのトレイの突出が防止される請求項記載のディスク装置。
  3. 他のトレイの突出が規制部材により規制されている状態で、前記引出し手段により突出が防止されているトレイは、この引出し手段によりその位置から引出し可能とされる請求項または記載のディスク装置。
  4. 引出し手段および移動ベースを移動させる駆動機構の一部に前記規制解除手段が設けられ、引出し手段および移動ベースが、前記駆動機構により前記所定位置から他のトレイに対向する位置ヘ移動するときに、前記規制解除手段により、規制部材が待避位置に移動させられる請求項ないしのいずれかに記載のディスク装置。
  5. パッケージ内には、各トレイを収納状態に保持するばね製の保持手段が設けられ、装填領域に挿入されたパッケージ内のトレイが前記規制部材に当たった時点で、前記保持手段によりトレイをパッケージ内に戻して保持する力が発揮される請求項1ないしのいずれかに記載のディスク装置。
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