JP3563114B2 - 流量制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、流体圧機器にポンプから供給される流体流量を制御する装置に関し、油圧パワーステアリング装置における操舵補助力発生用の圧油流量を制御するのに適するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧パワーステアリング装置の操舵補助力発生用の油圧アクチュエータに供給される圧油は、一般に車両のエンジン回転数に応じた流量の流体を吐出するポンプにより供給される。図8の実線Aで示すように、そのアクチュエータへの圧油流量Qの供給特性は、エンジンの回転数Nが低い領域では供給流量が回転数Nに応じ次第に増加し、エンジンの回転数Nが高くなると供給流量が略一定となり、さらにエンジン回転数が高くなると回転数Nに応じ供給流量が減少し、さらにエンジン回転数が高くなると供給流量が略一定となる所謂ドルーピング特性とされ、これにより、車両の低速での旋回性能と高速での走行安定性能の向上が図られている。
【0003】
そのようなドルーピング特性を得るため、例えば図7に示すように、車両のエンジン101の回転数に略比例した流量の流体を吐出するポンプ102と、そのポンプ102により操舵補助力発生用流体圧アクチュエータ103に供給される流体の圧力を制御するバルブ104と、そのポンプ102の下流側に設けられる固定絞り109と、その固定絞り109とタンク105とを接続するバイパス通路110に設けられる第1可変絞り106と、その固定絞り109とアクチュエータ103との接続通路に設けられる第2可変絞り107とを備える流量制御装置が用いられている(特公平2‐41469号公報)。
【0004】
その第1可変絞り106は、そのポンプ102の吐出流量Qが第1設定流量Qaを超えると第2可変絞り107の上下流の圧力差に応じバイパス通路110の開度を大きくし、その超過分をタンク105側に還流させる。その第2可変絞り107は、ポンプ102の吐出流量Qが第2設定流量Qbを超えると固定絞り109の上下流の圧力差に応じ固定絞り109とアクチュエータ103との接続通路の開度を小さくし、これにより第1可変絞り106によりバイパス通路110の開度を大きくさせ、アクチュエータ103への供給流量を減少させる。そのポンプ102の吐出流量Qが第3設定流量Qcを超えると第2可変絞り107による通路の開度変化は阻止され、これによりアクチュエータ103への供給流量は一定とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような油圧パワーステアリング装置用の制御バルブ104は、圧油導入ポートとアクチュエータ103の一方の油室との間の可変絞りAと、圧油導入ポートとアクチュエータ103の他方の油室との間の可変絞りBと、圧油排出ポートとアクチュエータ103の一方の油室との間の可変絞りCと、圧油排出ポートとアクチュエータ103の他方の油室との間の可変絞りDとを有し、各可変絞りA、B、C、Dの開度は操舵抵抗と操舵方向に応じ開度が変化する。すなわち、左右一方に操舵する際は、アクチュエータの一方の油室に圧油を供給するための可変絞りAとアクチュエータの他方の油室から圧油を排出するための可変絞りDの開度が大きくなり、アクチュエータの他方の油室に圧油を供給するための可変絞りBとアクチュエータの一方の油室から圧油を排出するための可変絞りCの開度が小さくなる。左右他方に操舵する際は左右一方に操舵する際とは逆に各可変絞りA、B、C、Dの開度が変化する。
【0006】
操舵抵抗の変化に迅速に応答して操舵補助力を付与する必要があるため、各可変絞りA、B、C、Dにおいては操舵が行われていない時でも圧油が絞られ、流路抵抗になっている。そのため、操舵補助を行なっていない時は、制御バルブ104における流路抵抗により無駄なエネルギーが消費されている。特に、上記のようにアクチュエータへの圧油流量の供給特性がドルーピング特性とされている場合、中低速域でのエネルギー消費の無駄が大きくなるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決することのできる流量制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の流量制御装置は、ポンプと、そのポンプにより流体圧機器に供給される流体の圧力を制御するバルブと、そのポンプと制御バルブとの間をタンク側に接続するバイパス通路と、その流体圧機器への供給流体圧力の上昇時に前記バイパス通路の開度を小さくする方向に移動すると共に供給流体圧力の低下時にその開度を大きくする方向に移動する第1弁部材と、そのポンプ吐出流量の増加時に前記バイパス通路の開度を大きくする方向に移動すると共にポンプ吐出流量の減少時にその開度を小さくする方向に移動する第2弁部材と、そのポンプと第1、第2弁部材との間をタンク側に接続する別のバイパス通路と、そのポンプ吐出流量が設定流量を超えると、その別のバイパス通路の開度を大きくする可変絞り弁とを備える。
【0009】
特に油圧パワーステアリング装置における操舵補助力発生用の圧油流量を制御する場合、本発明の流量制御装置は、ポンプと、そのポンプにより操舵補助力発生用流体圧アクチュエータに供給される流体の圧力を制御するバルブと、そのポンプと制御バルブとの間をタンク側に接続するバイパス通路と、そのバイパス通路の開度調節用可変絞り弁とを備え、その可変絞り弁は、そのアクチュエータに供給される流体圧力の上昇時に前記バイパス通路の開度を小さくする方向に移動すると共に供給流体圧力の低下時にその開度を大きくする方向に移動する第1弁部材と、そのポンプ吐出流量の増加時に前記バイパス通路の開度を大きくする方向に移動すると共にポンプ吐出流量の減少時にその開度を小さくする方向に移動する第2弁部材とを有し、そのポンプと第1、第2弁部材との間をタンク側に接続する別のバイパス通路と、そのポンプ吐出流量が設定流量を超えると、その別のバイパス通路の開度を大きくする可変絞り弁とを備える。
【0010】
【本発明の作用および効果】
本発明の構成によれば、流体圧機器に供給される流体圧力の上昇時は、第1弁部材はバイパス通路の開度を小さくする方向に移動するので、ポンプ吐出流量が少なく第2弁部材がバイパス通路の開度を小さくする方向に移動すると、バイパス通路の開度は小さくなり若しくはバイパス通路は閉鎖され、バイパス通路を通りタンク側に至る流体流量に対する流体圧機器に供給される流体流量の割合が増加する。また、流体圧機器に供給される流体圧力の上昇時に、第1弁部材がバイパス通路の開度を小さくする方向に移動しても、ポンプ吐出流量が多く第2弁部材がバイパス通路の開度を大きくする方向に移動すると、バイパス通路の開度は大きくなるので、バイパス通路を通りタンク側に至る流体流量に対する流体圧機器に供給される流体流量の割合が低下する。これにより、ドルーピング特性を得ることができる。
一方、その流体圧機器に供給される流体圧力の低下時は、第1弁部材はバイパス通路の開度を大きくする方向に移動するので、ポンプ吐出流量が少なく第2弁部材がバイパス通路の開度を小さくする方向に移動しても、バイパス通路の開度は大きく、バイパス通路を通りタンク側に至る流体流量に対する流体圧機器に供給される流体流量の割合が増加することはない。また、その流体圧機器に供給される流体圧力の低下時は、第1弁部材はバイパス通路の開度を大きくする方向に移動するので、ポンプ吐出流量が多く第2弁部材がバイパス通路の開度を大きくする方向に移動すると、バイパス通路の開度はさらに大きくなり、バイパス通路を通りタンク側に至る流体流量に対する流体圧機器に供給される流体流量の割合が増加することはない。これにより、制御バルブにおける流路抵抗による無駄なエネルギー消費を低減できる。
【0011】
油圧パワーステアリング装置における操舵補助力発生用の圧油流量を制御する場合、操舵を行なうと、操舵補助力発生用油圧アクチュエータに供給される流体圧力は上昇し、第1弁部材はバイパス通路の開度を小さくする方向に移動するので、低速でポンプ吐出流量が少なく第2弁部材がバイパス通路の開度を小さくする方向に移動すると、バイパス通路の開度は小さくなり若しくはバイパス通路は閉鎖され、バイパス通路を通りタンク側に至る流体流量に対するアクチュエータに供給される流体流量の割合が増加する。また、操舵時に第1弁部材がバイパス通路の開度を小さくする方向に移動しても、高速でポンプ吐出流量が多く第2弁部材がバイパス通路の開度を大きくする方向に移動すると、バイパス通路の開度は大きくなるので、バイパス通路を通りタンク側に至る流体流量に対するアクチュエータに供給される流体流量の割合が低下する。これにより、ドルーピング特性を得ることができ、低速での旋回性能と高速での走行安定性能の向上が図れる。
一方、操舵を行なっていない場合、そのアクチュエータに供給される流体圧力は低下し、第1弁部材はバイパス通路の開度を大きくする方向に移動するので、低速でポンプ吐出流量が少なく第2弁部材がバイパス通路の開度を小さくする方向に移動しても、バイパス通路の開度は大きく、バイパス通路を通りタンク側に至る流体流量に対するアクチュエータに供給される流体流量の割合が増加することはない。また、操舵を行なっておらず第1弁部材がバイパス通路の開度を大きくする方向に移動していると、高速でポンプ吐出流量が多く第2弁部材がバイパス通路の開度を大きくする方向に移動すると、バイパス通路の開度はさらに大きくなり、バイパス通路を通りタンク側に至る流体流量に対するアクチュエータに供給される流体流量の割合が増加することはない。これにより、制御バルブにおける流路抵抗による無駄なエネルギー消費を低減できる。
【0012】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0013】
図1に示す流量制御装置は、車両のエンジン1の回転数に略比例した流量の圧油を吐出するポンプ2と、そのポンプ2により操舵補助力発生用油圧アクチュエータ3に供給される圧油の圧力を制御するバルブ4と、そのポンプ2の下流側に設けられる第1固定絞り9と、その第1固定絞り9とタンク5とを接続する第1バイパス通路10の開度調節用第1可変絞り弁6と、その第1固定絞り9とアクチュエータ3との接続通路に設けられる第2固定絞り7と、その第2固定絞り7と制御バルブ4との間をタンク5側に接続する第2バイパス通路15と、その第2バイパス通路15の開度調節用第2可変絞り弁16とを備える。
【0014】
その第1可変絞り弁6は、第2固定絞り7の上下流の圧力差に応じて変位する弁部材6aを有し、ポンプ2の吐出流量Qが第1設定流量Qa以下では、その弁部材6aにより第1バイパス通路10は閉鎖され、その吐出流量Qが第1設定流量Qaを超えると、その圧力差に応じて弁部材6aが変位して第1バイパス通路10の開度が大きくされ、その超過分はタンク5側に還流される。
【0015】
そのアクチュエータ3は、例えば操舵用車輪に連結される油圧シリンダにより構成できる。その制御バルブ4は、圧油導入ポート4aとアクチュエータ3の一方の油室3aとの間の可変絞りAと、圧油導入ポート4aとアクチュエータ3の他方の油室3bとの間の可変絞りBと、圧油排出ポート4bとアクチュエータ3の一方の油室3aとの間の可変絞りCと、圧油排出ポート4bとアクチュエータ3の他方の油室3bとの間の可変絞りDとを有する。各可変絞りA、B、C、Dの開度は、ハンドル操作の際の操舵抵抗と操舵方向に応じ変化するものとされ、左右一方に操舵する際は、アクチュエータ3の一方の油室3aに圧油を供給するための可変絞りAとアクチュエータ3の他方の油室3bから圧油を排出するための可変絞りDの開度が大きくなり、アクチュエータ3の他方の油室3bに圧油を供給するための可変絞りBとアクチュエータ3の一方の油室3aから圧油を排出するための可変絞りCの開度が小さくなる。これにより、アクチュエータ3の一方の油室3aにおける油圧が上昇し、左右一方への操舵補助力が発生する。左右他方に操舵する際は左右一方に操舵する際とは逆に各可変絞りA、B、C、Dの開度が変化し、左右他方への操舵補助力が発生する。また、操舵抵抗の変化に迅速に応答して操舵補助力を付与する必要があるため、各可変絞りA、B、C、Dにおいては操舵が行われていない時でも圧油が絞られる。
【0016】
その第2可変絞り弁16は、ハウジング21と、このハウジング21内に直線的に図中上下に往復移動可能に設けられた筒状の第1弁部材22と、その第1弁部材22と同一方向に直線的に往復移動可能に設けられた筒状の第2弁部材23とを有する。
【0017】
その第1弁部材22の外周にフランジ22aが形成され、そのフランジ22aの図中上方側の端面と第1弁部材22の外周とハウジング21の内周とハウジング21の内周に形成された環状部21aとで囲まれる第1油室25が形成され、その第1油室25にバネ26が内蔵され、そのバネ26の弾性力により第1弁部材22は図中下方に押され、その第1弁部材22の下方移動を規制するストッパー27がハウジング21に取り付けられている。その第1油室25がタンク5側に配管30を介し接続されることで、そのフランジ22aの図中上方側の端面に略大気圧が作用する。そのフランジ22aの図中下方側の端面に、圧油導入ポート4aにおける油圧が作用する。これにより、第1弁部材22は圧油導入ポート4aにおける油圧すなわちアクチュエータ3に供給される油圧の変化に応じ変位する。操舵を行なっていない状態では、フランジ22aの図中上方側の端面に作用するバネ26の弾性力が圧油導入ポート4aにおける油圧よりも大きく、第1弁部材22は図中下方の移動端に位置し、操舵を行なうと、フランジ22aの図中上方側の端面に作用するバネ26の弾性力よりも圧油導入ポート4aにおける油圧の方が大きくなり、第1弁部材22は図中上方の移動端に変位する。その第1弁部材22の上方移動は前記環状部21aにより規制される。なお、バネ26の弾性力は弱くされ、操舵を行なうと殆ど瞬時に第1弁部材22は図中上方の移動端まで変位するものとされている。
【0018】
その第2弁部材23の内部に第1弁部材22の図中上端側が挿入される。その第2弁部材23の内径は図中上方側が下方側よりも小さくされ、その上方側の内径は第1弁部材22の外径より僅かに大きくされ、また、第1弁部材22の図中上端は上方に向かうに従い先細とされている。これにより、第1弁部材22の外周の図中上端と第2弁部材23の内周の図中下端との間は、第1弁部材22と第2弁部材23の相対変位に応じ開度が変化する絞り部35とされている。その第1弁部材22に、第2弁部材23の内部の図中下方側に位置するように通孔22bが形成され、圧油導入ポート4aから圧油が第1弁部材22の内部から通孔22bを通り第2弁部材23の内部に至り、絞り部35を通ってタンク5側に至る。
【0019】
その第2弁部材23の外周にフランジ23aが形成され、そのハウジング21の図中上端にバネ受け36が取り付けられ、そのフランジ23aの図中上方側の端面と第2弁部材23の外周とハウジング21の内周とそのバネ受け36とで囲まれる第2油室40が形成され、その第2油室40にバネ41が内蔵され、そのバネ41の弾性力により第2弁部材23は図中下方に押される。そのフランジ23aの図中下方側の端面と第2弁部材23の外周とハウジング21の内周とハウジング21の内部に形成された段差21bとで囲まれる第3油室45が形成される。その第2油室40は第1固定絞り9と第2固定絞り7との間に配管51を介し接続され、その第3油室45はポンプ2と第1固定絞り9との間に配管52を介し接続され、これにより、そのフランジ23aの端面を介し第2弁部材23にポンプ2の吐出流量に対応する油圧が作用し、第2弁部材23はポンプ2の吐出流量の変化に応じ変位する。すなわち、エンジン1の回転数が低くポンプ2の吐出流量が少ない時は、バネ41の弾性力がポンプ2の吐出流量に対応する油圧よりも大きく、第2弁部材23は図中下方の移動端に位置し、その下方移動は前記環状部21aにより規制される。エンジン1の回転数が高くなってポンプ2の吐出流量が増加すると、その吐出流量に対応する油圧が大きくなり、その油圧とバネ41の弾性力とが釣り合う位置まで第2弁部材23は図中上方に移動する。さらにエンジン1の回転数が高くなってポンプ2の吐出流量が増加すると、第2弁部材23は図中上方の移動端に位置し、その上方移動は前記バネ受け36により規制される。
【0020】
図5、図6において、実線Xはエンジン1の回転数Nに対するポンプ2の吐出流量Qの特性を示し、実線Yはエンジン1の回転数Nに対するアクチュエータ3に供給される圧油流量Q1と第2可変絞り弁16に供給される圧油流量Q2との和Q3の特性を示し、実線Zはエンジン1の回転数Nに対するアクチュエータ3に供給される圧油流量Q1の特性を示す。また、図5は操舵を行なっていない時の、図6は操舵を行なっている時の各特性を示す。
【0021】
すなわち、操舵時であっても操舵を行なっていない時でも、第1可変絞り弁6は、そのポンプ2の吐出流量Qが第1設定流量Qaを超えると第2固定絞り7の上下流の圧力差に応じ第1バイパス通路10の開度を大きくし、その超過分流量Q4をタンク5に還流させるので、アクチュエータ3に供給される圧油流量Q1と第2可変絞り弁16に供給される圧油流量Q2との和Q3は略一定になる。
【0022】
操舵時は、アクチュエータ3に供給される油圧は上昇し、第1弁部材22は絞り部35の開度すなわち第2バイパス通路15の開度を小さくするよう図中上方の移動端に移動するので、低速でポンプ吐出流量が少なく第2弁部材23が第2バイパス通路15の開度を小さくする方向に移動すると、図2に示すように第2弁部材23の内周上部に第1弁部材22の上部が嵌合状態となって絞り部35は閉鎖され、第2固定絞り7を通過する圧油は全て制御バルブ4を介しアクチュエータ3に供給される。また、操舵時に第1弁部材22が図中上方の移動端に移動しても、高速でポンプ吐出流量が多く第2弁部材23が第2バイパス通路15の開度を大きくする方向に移動すると、図3に示すように絞り部35の開度は大きくなり、第2バイパス通路15を通りタンク5側に至る圧油流量Q2に対するアクチュエータ3に供給される流体流量Q1の割合が低下する。また、中速でポンプ吐出流量が低速より多く高速より少ない場合、操舵時に第1弁部材22が図中上方の移動端に移動しても、図4に示すように絞り部35の開度は第2弁部材23の位置に応じ変化するので、第2バイパス通路15を通りタンク5側に至る圧油流量Q2に対するアクチュエータ3に供給される流体流量Q1の割合は、エンジン1の回転数Nすなわちポンプ2の吐出流量に応じ変化する。これにより、ドルーピング特性を得ることができ、低速での旋回性能と高速での走行安定性能の向上が図れる。
【0023】
操舵を行なっていない場合、アクチュエータ3に供給される油圧は低下し、第1弁部材22は第2バイパス通路15の開度を大きくするよう図中下方の移動端に移動するので、低速でポンプ吐出流量が少なく第2弁部材23が第2バイパス通路15の開度を小さくする方向に移動しても、第1図に示すように絞り部35の開度は大きく、第2バイパス通路15を通りタンク5側に至る流体流量Q2に対するアクチュエータ3に供給される流体流量Q1の割合が増加することはない。また、操舵を行なっておらず第1弁部材22が第2バイパス通路15の開度を大きくするよう図中下方の移動端に移動していると、高速でポンプ吐出流量が多く第2バイパス通路15が第2バイパス通路15の開度を大きくする方向に移動すると、第2バイパス通路15の開度はさらに大きくなり、第2バイパス通路15を通りタンク5側に至る流体流量Q2に対するアクチュエータ3に供給される流体流量Q1の割合が増加することはない。これにより、制御バルブ4における流路抵抗による無駄なエネルギー消費を低減できる。
【0024】
なお、本発明は上記実施例に限定されない。例えば、油圧パワーステアリング装置における操舵補助力発生用の圧油以外の流体流量の制御にも本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の流量制御装置の構成説明図
【図2】その実施例の第2可変絞り弁の低速での操舵時の断面図
【図3】その第2可変絞り弁の高速での操舵時の断面図
【図4】その第2可変絞り弁の中速での操舵時の断面図
【図5】その流量制御装置の操舵時の流量制御特性を示す図
【図6】その流量制御装置の非操舵時の流量制御特性を示す図
【図7】従来の流量制御装置の構成説明図
【図8】従来の流量制御装置の操舵時の流量制御特性を示す図
【符号の説明】
1 エンジン
2 ポンプ
3 アクチュエータ
4 制御バルブ
6 第1可変絞り弁
15 第2バイパス通路
16 第2可変絞り弁
22 第1弁部材
23 第2弁部材
Claims (2)
- ポンプと、
そのポンプにより流体圧機器に供給される流体の圧力を制御するバルブと、
そのポンプと制御バルブとの間をタンク側に接続するバイパス通路と、
その流体圧機器への供給流体圧力の上昇時に前記バイパス通路の開度を小さくする方向に移動すると共に供給流体圧力の低下時にその開度を大きくする方向に移動する第1弁部材と、
そのポンプ吐出流量の増加時に前記バイパス通路の開度を大きくする方向に移動すると共にポンプ吐出流量の減少時にその開度を小さくする方向に移動する第2弁部材と、
そのポンプと第1、第2弁部材との間をタンク側に接続する別のバイパス通路と、
そのポンプ吐出流量が設定流量を超えると、その別のバイパス通路の開度を大きくする可変絞り弁とを備える流量制御装置。 - ポンプと、
そのポンプにより操舵補助力発生用流体圧アクチュエータに供給される流体の圧力を制御するバルブと、
そのポンプと制御バルブとの間をタンク側に接続するバイパス通路と、
そのバイパス通路の開度調節用可変絞り弁とを備え、
その可変絞り弁は、そのアクチュエータに供給される流体圧力の上昇時に前記バイパス通路の開度を小さくする方向に移動すると共に供給流体圧力の低下時にその開度を大きくする方向に移動する第1弁部材と、そのポンプ吐出流量の増加時に前記バイパス通路の開度を大きくする方向に移動すると共にポンプ吐出流量の減少時にその開度を小さくする方向に移動する第2弁部材とを有し、
そのポンプと第1、第2弁部材との間をタンク側に接続する別のバイパス通路と、
そのポンプ吐出流量が設定流量を超えると、その別のバイパス通路の開度を大きくする可変絞り弁とを備える流量制御装置。
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