JP3571109B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、フローコントロールバルブを備えたパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7〜図10に、従来例を示す。
図7に示すようにポンプ1の吐出口1aは、流路2を介してパワーシリンダ回路PSに接続するとともに、この流路2の途中に可変絞り3を設けている。
さらに、この流路2には、フローコントロールバルブFVを設けている。このフローコントロールバルブFVは、ボディbのスプール孔6にスプール7を摺動自在に組み込むとともに、スプール孔6内を圧力室8aとパイロット室8bとに区画している。そして、上記圧力室8aは、ポンプポート4とドレンポート5とに連通させている。上記ポンプポート4は可変絞り3の上流側に常時連通させている。一方ドレンポート5は、スプール7が図示のノーマル位置にあるとき、完全にふさがれるとともに、スプール7が、図面右方向に移動したとき、その移動量に応じた開度を維持するものである。上記パイロット室8bは、その中にスプリング9を設けるとともに、パイロット通路29を介して前記可変絞り3の下流側に常時連通させている。
【0003】
上記の回路図を具体的に示したのが図8〜図10であり、ここでは、ポンプ1としてベーンポンプVPを用いている。
ポンプボディ10及びカバー11からなるハウジングHに、軸穴12を形成するとともに、軸穴12内に設けた軸受13によってシャフト14を回転自在に支持している。シャフト14は、ポンプボディ10内に設けたロータ15の回転軸となっている一方、このロータ15には複数のベーン16を放射状に組み込んでいる。
さらに、上記ロータ15の周囲には、楕円形の内壁を有するカムリング17を設けている。そして、シャフト14が駆動すると、ロータ15も回転するが、このときベーン16がカムリング17の内壁に沿って出たり入ったりする。つまり、各ベーン16の先端がカムリング17に密接したまま回転するとともに、これら各ベーン16間のそれぞれが、独立した室を構成する。
そして、各室が収縮行程に入ったときに吐出口から流体を吐出する一方、各室が拡大行程に入ったとき、流体を吸入することになる。
なお、ロータ15及びカムリング17の側面にはサイドプレート18を設けている。このサイドプレート18の背面側には高圧室19を形成するとともに、この高圧室19にはポンプ吐出圧が導かれる。そして、この高圧室19内の流体圧により、サイドプレート18をロータ15側に押しつけ、ローディングバランスを保つ。
【0004】
ハウジングHには、フローコントロールバルブFVを一体に設けている。つまり、フローコントロールバルブFVのボディbを、ベーンポンプVPのハウジングHと共用させている。
図10はフローコントロールバルブFVの断面図で、このフローコントロールバルブFVには、可変絞り3も一体に組み込んでいる。
ハウジングHに、ベーンポンプVPの吐出口に連通するポンプポート4と、タンクTに連通するドレンポート5を形成するとともに、これらポート4、5に連通するスプール孔6を形成する。
スプール孔6内にはスプール7を摺動自在に組み込むとともに、スプール孔6を圧力室8aとパイロット室8bとに区画している。そして、前記したように圧力室8aは可変絞り3の上流側に連通し、パイロット室8bは可変絞り3の下流側に連通している。また、このパイロット室8bにはスプリング9を設け、その弾性力をスプール7の一端に作用させている。
そして、スプール7がスプリング9の弾性力及びパイロット室8bの圧力に抗して移動すると、その移動に応じてドレンポート5の開度が制御されることになる。
また、スプール孔6の他端側にコネクタ20を挿入固定している。このコネクタ20にはアクチュエータポート20aを形成する一方、コネクタ20の先端には、貫通孔21を有する部材22を設けている。
【0005】
一方、スプール7の先端にはロッド部材23を固定するとともに、このロッド部材23を上記貫通孔21に貫通させる。そして、これらロッド部材23、その大径部23a及び貫通孔21のそれぞれが相まって可変絞り3を構成する。なお、この可変絞り3は、図10に示すノーマル状態、つまりスプリング9によってスプール7が、ロッド部材23を介してストッパ22aに当接しているときに、その開度が最大となる。
また、スプール7がスプリング9に抗して移動し、ロッド部材23の大径部23aが貫通孔21に近づくにつれ、その開度が小さくなる。
可変絞り3の下流側であるアクチュエータポート20a側の流体を、圧力感知孔24→環状溝25→通路口26→通路27→小孔28からなるパイロット通路29を通ってパイロット室8bに導くとともに、その圧力をスプール7の一端に作用させている。
なお、スプール7のパイロット室8b側には、スプリング31、ボールサポート32、ボールポペット33、及びシート部材34からなるリリーフバルブを設けている。
【0006】
次に、このパワーステアリング装置の作用を説明する。
ベーンポンプVPのシャフト14は図示していないエンジンに連結されており、エンジンを始動するとシャフト14に連結するロータ15が回転する。したがって、エンジン回転数が上昇すればするほど、ベーンポンプVPの吐出量が多くなる。
そして、この吐出流体は、フローコントロールバルブFVの圧力室8aに導かれるとともに、アクチュエータポート20aからパワーステアリング回路PSに供給される。
このとき、可変絞り3前後には圧力差が発生する。そして、その上流側の圧力が圧力室8a側のスプール7の端面に作用し、下流側の圧力がパイロット通路29を介して、パイロット室8b側のスプール7の端面に作用する。
しかし、可変絞り3前後の差圧がある大きさになるまで、つまり、あるポンプ吐出量に達するまでは、スプリング9が保持するイニシャル荷重でスプール7が移動せず、ポンプポート4とドレンポート5を遮断した状態を保つ。したがって、ポンプ吐出量のすべてがパワーステアリング回路PSに供給される(図6の特性線Kの区間a)。
【0007】
そして、エンジン回転数が高くなって、つまり、ポンプ吐出量が多くなって、可変絞り3前後の差圧がある大きさ以上になると、スプール7はスプリング9に抗して移動する。そして、スプール7に作用する圧力差とスプリング9の弾性力とがつりあう位置でスプール7は止まるとともに、この位置に応じた開度でポンプポート4とドレンポート5を連通することになる。
また、エンジン回転数Nが高くなればなるほど、パワーステアリング回路PSへの供給量Qは少なくなる特性を有するが、それは次の理由からである。すなわち、ポンプ吐出量が多くなると、可変絞り3前後の差圧が大きくなるので、スプールは図10の左方向に移動する。スプール7がこのように移動すれば、ロッド部材23の大径部23aが貫通孔21に突入するので、その可変絞り3の開度がいっそう小さくなる。しかも、大径部23aの一部が貫通孔21内に入ったときと、その全部が貫通孔21内に入ったときとでは、そのチョーク効果が異なる。したがって、大径部23aが貫通孔21内に入れば入るほど、その前後の差圧が大きくなる。
【0008】
このようにして図6の特性線Kの区間bで示すように、エンジン回転数Nが所定の値よりも高くなると、パワーステアリング回路PSに供給される流量が減少し、そのアシスト力を小さくする。
しかも、エンジン回転数Nは、車速に比例するので、結局、車速に応じたアシスト力を付与することができる。
なお、最大供給量Q1は、必要とされる最大のアシスト力を基準に設定しておけばよい。
また、パワーステアリング回路PSへ供給される最高圧は、リリーフバルブによって決められている。つまり、パワーステアリング回路PSの負荷圧が異常に上昇すると、パイロット室8bの圧力も大きくなるとともに、この圧力がボールポペット33に作用する。そして、この圧力がスプリング32によって決められているリリーフ設定圧より大きくなると、ボールポペット33を押し開いてパイロット室8bとドレンポート5を連通する。
【0009】
上記のようにパイロット室8bとドレンポート5が連通すると、圧力感知孔24に流れが生じ、そこに圧力損失が発生する。そのためにパイロット室8b内の圧力が急激に低下するとともに、スプール7は図10の左に移動してポンプポート4とドレンポート5の開度を大きくし、供給圧を低くする。
そして、パワーステアリング回路PSの回路圧がリリーフ設定圧より小さくなると、再びボールポペット33がシート面34aに着座するので、パワーステアリング回路PSの最高圧を一定に保つことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のパワーステアリング装置では、操舵アシスト力を付与するのに必要な流量を、常にパワーステアリング回路PSに供給している。
しかしながら、車両走行時にパワーステアリング装置を使用する頻度は、運転時間の約20%程度である。そして、ハンドルの中立時あるいは微小操舵時などは、全運転時間の80%を占めるといわれているが、これらの運転状況では、パワーステアリング装置のアシスト力を必要としない。
このように、運転時間の大部分を占めるアシスト力不要時にも、従来の装置では、アシスト力を付与するための必要流量をパワーステアリング回路PSに供給してしまう。そのために無駄な圧力損失が、可変絞り3や、ポンプ1とパワーシリンダ回路PSを接続する流路2、あるいはパワーステアリング回路PSで発生してしまうことになる。
そして、これらの圧力損失の分だけ大きなポンプ駆動トルクを必要とし、無駄なエネルギーを消費してしまうとともに、圧力損失が生じる際に油温が上昇してしまう恐れもあった。
この発明の目的は、アシスト力が不要な時には、パワーステアリング回路側へ供給する流量を抑えることで圧力損失を少なくし、無駄なエネルギーを消費することがないパワーステアリング装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、エンジンの回転数に応じて吐出量が変化するポンプと、ポンプをパワーステアリング回路に接続する流路と、この流路途中に設けた絞りと、パワーステアリング回路への供給流量を制御するフローコントロールバルブとを備え、このフローコントロールバルブは、ボディと、ポンプ吐出口に接続したポンプポートと、タンクに連通するドレンポートと、上記ボディに摺動自在に組み込んだスプールと、このスプールの一端に形成し、かつ、ポンプポートと連通する圧力室と、上記スプールを挟んで圧力室の反対側に設けた第1パイロット室と、この第1パイロット室に設けるとともに、スプールに作用させたスプリングとからなり、絞りの上流側の圧力を圧力室に導き、下流側の圧力を第1パイロット室に導き、絞り前後の差圧が所定圧以上になったとき、圧力室の圧力が、スプリングのバネ力及び第1パイロット室の圧力作用に打ち勝って、スプールを移動させるとともに、そのスプールの位置に応じた開度でポンプポートとドレンポートとを連通させる構成にしたパワーステアリング装置を前提にするものである。
【0012】
この発明は、上記の装置を前提にしつつ、第1パイロット室内でスプールと移動体とを対向させるとともに、それら両者間にスプリングを介在させ、しかも、この移動体にピストン部を形成し、このピストン部でドレン室と第2パイロット室とを区画し、上記ドレン室は上記第1パイロット室との連通を遮断する構成にする一方、この移動体内に切換スプールを組み込むとともに、この切換スプールは、そのノーマル位置で第2パイロット室をドレン室に連通させる一方、第1パイロット室の圧力が設定圧以上になったとき、切換スプールが移動して、第2パイロット室とドレン室との連通を遮断するとともに、第1パイロット室と第2パイロット室とを連通させる構成にし、かつ、第1パイロット室に臨ませた移動体の受圧面に対して、第2パイロット室に臨ませた移動体の受圧面の面積を大きく設定したことを特徴とする。
【0013】
【作用】
この発明は、上記のように構成したので、ステアリング操作をしていないときには、その負荷圧が上昇しないので、第1パイロット室内の圧力も設定圧以下を維持する。第1パイロット室が設定圧以下を保てば、切換スプールもノーマル位置を維持して、第2パイロット室をドレン室に連通させる。したがって、移動体は第1パイロット室に設けたスプリングの作用で終端位置を維持し、スプリングは最大に伸びた状態を維持する。つまり、そのイニシャル荷重を制御可能範囲内で最小に保つ。しかも、このイニシャル荷重は任意の値に設定可能である。
上記のようにイニシャル荷重が制御可能範囲内で最小に保たれている状態では、可変絞りの前後にわずかな差圧が発生しても、スプールはスプリングに抗して移動し、圧力室をドレンポートに連通させる。したがって、このときの流量は、イニシャル荷重が最小の状態にあるスプリングのバネ力によって決まることになる。
また、ステアリング操作をすれば、当然のこととして、その負荷圧が上昇するとともに、第1パイロット室内の圧力も上昇する。第1パイロット室内の圧力が設定圧以上になると、切換スプールが移動して、第1パイロット室と第2パイロット室とを連通させ、第1パイロット室と第2パイロット室とを同圧にする。このように両パイロット室が同圧になれば、移動体の受圧面の面積差によって、移動体がスプリングに抗して移動し、そのスプリングのイニシャル荷重を大きくする。スプリングのイニシャル荷重が大きくなれば、当然のこととして流量も上昇することになる。
【0014】
【実施例】
図1〜図5に示した実施例は、スプール7と対向して移動体35を設けるとともに、この移動体35内に切換スプール36を設けた点に特徴があり、その他は従来と同様である。そこで、以下には、従来と相違する点を中心に説明するとともに、従来と同様の構成要素に関しては、同一符号を用い、その詳細な説明を省略する。
図1は回路図であり、図2及び図3は非操舵時の状態を示し、図4及び図5は操舵時の状態を示すものである。
この実施例におけるフローコントロールバルブFVは、通路29を介して可変絞り3の下流側に接続した第1パイロット室8b内において、スプール7と移動体35とを対向させている。そして、この両者の対向部間にスプリング9を介在させている。
【0015】
上記のようにした移動体35には、その中央部分にピストン部37を形成し、このピストン部37で、第2パイロット室38とドレン室39とを区画している。そして、ドレン室39には、停止段部39aを形成し、ピストン部37がこの停止段部39aに接した状態でそれ以上移動できないようにしている。
第2パイロット室38は、移動体35を挟んで第1パイロット室8bと反対側に設けている。また、ドレン室39は、図示のようにタンクTに連通させるとともに、第1パイロット室8bとの連通は遮断されている。そして、第1パイロット室8b側に面した移動体の一方の受圧面35aに対して、第2パイロット室に面した他方の受圧面35b(ピストン部37の受圧面も含む)の受圧面積を大きくしている。
上記移動体35には、その軸線上にスプール孔40を形成しているが、第1パイロット室8b側であるスプール孔40の一端が開放され、第2パイロット室38側である他端がふさがれている。このようにしたスプール孔40に切換スプール36を摺動自在に組み込んでいる。したがって、この切換スプール36の一端には、第1パイロット室8bの圧力が作用するものである。
さらに、この移動体35には、環状溝41を形成し、この環状溝41と第2パイロット室38とを、通孔42を介して連通させている。
上記切換スプール36は、2つのランド部43、44を形成するとともに、これらランド部43、44間を環状凹部45としている。そして、この切換スプール36の外方のランド部44側には、スプリング46のバネ力を作用させている。
【0016】
なお、上記環状凹部45は、その移動位置に関係なく、通路47を介して常にドレン室39に連通する。また、切換スプール36には連通孔48を形成し、スプリング46を設けた室を環状凹部45を介してドレン室39に連通させている。
上記のようにした切換スプール36は、図示のノーマル位置において、そのランド部43で、第1パイロット室8bと環状溝41との連通を遮断する一方、第2パイロット室38を、環状凹部45及び通路47を介してドレン室39に連通させる。
この状態から第1パイロット室8bの圧力が、スプリング46で定めた設定圧以上になると、切換スプール36がスプリング46に抗して移動し、第1パイロット室8bと環状溝41とを連通させる。また、この環状溝41は通孔42を介して第2パイロット室38にも連通しているので、結局、第1パイロット室8bと第2パイロット室38とが連通することになる。
したがって、第1パイロット室8b及び第2パイロット室38のそれぞれに、可変絞り3の下流側の圧力が導かれることになる。
両パイロット室8b、38に圧力が導かれると、移動体35の受圧面35aと35bとの受圧面積の違いにより、移動体35がスプリング9に抗して移動することになる。
【0017】
次に、この実施例の作用を説明する。
ポンプ1を駆動すると、その圧力流体が、圧力室8aに導かれるとともに、可変絞り3を介してパワーステアリング回路PSにも導かれる。
そして、非操舵時であれば、パワーステアリング回路PSの負荷圧、言い換えれば、可変絞り3の下流側の圧力が、スプリング46で定めた圧力以上に上昇しない。そのために、移動体35が図示のノーマル位置を保ち、第1パイロット室8b内のスプリング9のイニシャル荷重を小さく設定する。
このようにスプリング9のイニシャル荷重が小さく設定されるので、圧力室8aの圧力作用が、第1パイロット室8b内のスプリング9のバネ力に打ち勝って、スプール7がスプリング9に抗して移動する。このようにスプール7が移動すれば、ドレンポート5が開くので、その分、ポンプ1の負担も小さくなる。
そして、非操舵時の最大供給流量を、従来と比較して示したのが図6で、この実施例の非操舵時の最大供給流量Q2が、従来の最大供給流量Q1よりも小さくなっているのがわかる。
また、操舵時には、その負荷圧が上昇するが、その上昇した圧力が第1パイロット室8bにも導かれる。このときの圧力が、スプリング46で定めた設定圧以上になれば、切換スプール36がスプリング46に抗して移動し、第1パイロット室8bと第2パイロット室38とを連通させる。
【0018】
したがって、移動体35は、その受圧面35aと35bとの受圧面積差によって、スプリング9を縮める方向に移動するが、このときの移動体35の最大移動量は、それが停止段部39aに接触するまでである。このように移動体35が移動すれば、スプリング9のイニシャル荷重が大きく設定されることになる。イニシャル荷重が大きくなれば、その分、スプール7が、圧力室8a内の圧力作用で移動するストローク量も相対的に小さくなり、ドレンポート5から流出する流量が少なくなる。
上記のことから明らかなように、この実施例によれば、非操舵時には、ポンプ1の最大供給流量Q2を、操舵時の最大供給流量Q1よりも少なくしているので、
非操舵時のエネルギー損失を少なくできる。
しかし、操舵時には、最大供給流量Q1を確保して、パワーステアリング回路PS側がパワー不足にならないようにしている。
【0019】
【発明の効果】
この発明のパワーステアリング装置では、操舵アシスト力が不要のとき、パワーステアリング回路側へ供給する流量を抑えることができる。したがって、絞りやパワーシリンダ回路で発生する圧力損失を抑えることができ、その分ポンプを駆動させるためのトルクも小さくすることができる。
そして、操舵アシスト力が必要な時には、必要な流量をパワーステアリング回路側に供給することができる。
このように、操舵アシスト力が不要のときには、圧力損失を抑えることができるので、無駄なエネルギーを消費することがなく、また油温の上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すパワーステアリング装置の回路図である。
【図2】非操舵時のフローコントロールバルブの断面図である。
【図3】非操舵時の移動体を示す部分拡大断面図である。
【図4】操舵時のフローコントロールバルブの断面図である。
【図5】操舵時の移動体を示す部分拡大断面図である。
【図6】非操舵時における供給流量特性を示したグラフである。
【図7】従来例のパワーステアリング装置の回路図である。
【図8】ベーンポンプの断面図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】フローコントロールバルブの断面図である。
【符号の説明】
1 ポンプ
2 流路
3 可変絞り
4 ポンプポート
5 ドレンポート
7 スプール
8a 圧力室
8b パイロット室
9 スプリング
35 移動体
36 切換スプール
37 ピストン部
38 第2パイロット室
39 ドレン室
Claims (1)
- エンジンの回転数に応じて吐出量が変化するポンプと、このポンプをパワーステアリング回路に接続する流路と、この流路途中に設けた絞りと、パワーステアリング回路への供給流量を制御するフローコントロールバルブとを備え、このフローコントロールバルブは、ボディと、上記絞りの上流側に接続した圧力室と、この圧力室をタンクに連通するドレンポートと、上記ボディに摺動自在に組み込んだスプールと、このスプールを挟んで圧力室の反対側に設けた第1パイロット室と、この第1パイロット室に設けてスプールにバネ力を作用させたスプリングとからなり、上記絞りの上流側の圧力を圧力室に導き、下流側の圧力を第1パイロット室に導き、絞り前後の差圧が所定圧以上になったとき、圧力室の圧力が、スプリングのバネ力及び第1パイロット室の圧力作用に打ち勝って、スプールを移動させるとともに、そのスプールの位置に応じた開度でドレンポートとを開く構成にしたパワーステアリング装置において、上記第1パイロット室内でスプールと移動体とを対向させるとともに、それら両者間にスプリングを介在させ、しかも、この移動体にピストン部を形成し、このピストン部でドレン室と第2パイロット室とを区画し、上記ドレン室は上記第1パイロット室との連通を遮断する構成にする一方、この移動体内に切換スプールを組み込むとともに、この切換スプールは、そのノーマル位置で第2パイロット室をドレン室に連通させる一方、第1パイロット室の圧力が設定圧以上になったとき、切換スプールが移動して、第2パイロット室とドレン室との連通を遮断するとともに、第1パイロット室と第2パイロット室とを連通させる構成にし、かつ、第1パイロット室に臨ませた移動体の受圧面に対して、第2パイロット室に臨ませた移動体の受圧面の面積を大きく設定したパワーステアリング装置。
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