JP3562772B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、操縦安定性と乗心地を他の性能を損なうことなく改良した空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来技術】
通常、乗用車用タイヤはトレッドが路面の凹凸上を通過したときの衝撃で発生する振動を減衰して騒音の発生を低減し、また乗り心地をよくするためトレッドゴムの接地面には、カーボンブラック配合量に相対して軟化剤の配合量を多くして動的剪断弾性率を小さくした1.6〜2.5MPaの範囲のゴム組成物が使用されていた。また、トレッドゴムがキャップゴムとベースゴムとの2層構造になっている場合は、転がり抵抗を小さくするためベースゴムにカーボンブラックの配合量を少なくしてヒステリシスロスを小さくしたゴム組成物が用いられ、その結果、動的剪断弾性率はキャップゴムより小さくなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
乗用車が高速で走行されるようになって、タイヤに操縦安定性の向上が要請されている。そのためトレッドに使用されるゴム組成物の剛性を小さくして表面が路面状態に応じて容易に変形するようにし、路面と接触する実面積を大きくすることにより摩擦を大きくして操縦安定性を高めている。剛性を下げるために軟化剤を多量配合したゴム組成物をトレッドに用いた場合、比較的軟化剤配合量が少ないベルトのスチールコード埋設ゴムにトレッドの軟化剤が濃度差を少なくしょうとして移行して埋設ゴムの接着力の低下を来たし、また埋設ゴムの軟化剤量が増加することにより剛性の低下を来たし、スチールコードとの剛性の差が拡大し、ベルトの端での剪断歪が大きくなってセパレーションが発生しやすくなる。カーボンブラックの配合量を少なくして弾性率を小さくする場合には、ヒステリシスロスが小さくなってヒステリシスロスと深い関係にある耐スキッド性が低下し、操縦安定性が不充分である。また、トレッドゴムの弾性率が小さい場合には、自動車を旋回させるためにタイヤに加えられた横方向の力をトレッドが変形して緩和し、応答性が低下するとともに、湿潤路面を走行するときトレッドパターンのブロックが変形して動きやすくなってサイプが狭められ、路面上の水膜を破る効果が低下し滑りやすくなって操縦安定性が低下する。一方、操縦安定性を高くするためトレッドの剛性を過度に高くすれば、トレッドパターンブロックの路面の形状に応じての変形がしにくくなり、路面に接触する実接地面積が少なくなって耐スキッド性が低下し、操縦安定性が充分に向上しない。本発明はトレッド表面の変形による耐スキッド性を損なうことなく、トレッドの剛性を高め操縦安定性が改良された空気入りタイヤを提供することを発明の課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トレッドゴムの路面に接触する部分の剛性を従来タイヤのレベルに保ち、トレッドの基礎部の剛性を高め、トレッドが全体としての剛性を高めたものである。
【0005】
すなわち、タイヤ円周方向に対して直角に多数のコードを配列してビードコアーの周りに内から外に向かって折り返して係止したカーカスプライのクラウン部外面に多数のスチールコードで補強されたベルトを備え、このベルトを覆うようにしてトレッドゴムが配置された空気入りタイヤにおいて、トレッドゴムは接地面側のキャップゴムとベルトに接する面側のベースゴムの2層構造になっていて、キヤップゴムは温度60℃で測定した動的剪断弾性率Gc’が1.5〜2.0MPaのゴム組成物でなり、ベースゴムを形成するゴム組成物はオイル配合量がゴム成分100重量部に対して10重量部以下で、温度60℃で測定した動的剪断弾性率GB’が1.6〜3.0MPa、かつベースゴムの動的剪断弾性率がキャップゴムの動的剪断弾性率より大きい空気入りタイヤである。
【0006】
好ましくは、ベースゴムのゴム組成物に配合されるオイル量はカーボンブラックの0.15倍以下にされ、温度60℃で測定したキャップゴムの損失正接tan δは0.35以上にされる。
【0007】
【作用】
キャップゴムの動的剪断弾性率GC’(以後GC’と略称する)が2MPaより大きいと騒音低減、乗心地改良効果が得られず、1.5MPa未満のゴム組成物はカーボンブラックの配合量が少ない場合またはカーボンブラックの配合量に対して軟化剤が多い場合は耐摩耗性、操縦安定性、耐ウエットスキッド性等が劣る。ベースゴムの動的剪断弾性率GB’(以後GB’と略称する)が1.6未満では、トレッド表面部の変形を容易にして耐ウエットスキッド性の改良を目的としてキャップゴムの剛性を小さくすることで動きやすくなるのをベースゴムの剛性を高め、それによりトレッド全体の動きを小さくして操縦安定性の低下を防止する効果が補えず、3.0MPaより大きいとキャップゴムのGC’を小さくすることによる騒音の低減、乗心地の改良効果が損われる。キャップゴムの損失正接tan δが0.35より小さいと耐ウエットスキッド性が小さくなり、操縦安定性が低下する。
【0008】
ベースゴムには、ゴム成分100重量部(以後単に部と略称する)に対してカーボンブラックが通常使用される量である40〜100部配合され、オイルの配合量は10部以下にされる。さらに、オイルの配合量はカーボンブラックの0.15以下にされる。カーボンブラックが40部未満では耐摩耗性が劣り、100部より多いと発熱特性が悪くなる。オイルが10部より多くなると比較的軟化剤配合量が少ないベルトのスチールコード埋設ゴムに、ベースゴムのオイルが濃度差を少なくしようとして移行して埋設ゴムの接着力の低下を来たし、また埋設ゴムの軟化剤量が増加することにより剛性の低下を来たし、スチールコードとの剛性差が拡大してベルトの端での剪断歪が大きくなってセパレーションが発生しやすくなる。さらにオイルの配合量がカーボンブラック配合量の0.15倍より多いとスチールコード埋設ゴムへの移行を吸着して抑制する効果が小さくなる。
【0009】
【実施例1】
表1に示すゴムに表1に示すカーボンブラックとオイルの他に亜鉛華3部、ステアリン酸2部、硫黄1.8部、加硫促進剤CBS1部、老化防止剤2部、パラフィンワックス1部を配合して混合し、次いで加硫したゴム組成物の温度60℃で測定した動的剪断弾性率と損失正接tan δを表1に示した。
【0010】
尚、表中のSBR1712は37.5部油展された乳化重合のスチレン−ブタジエンゴムであり、SBR1502は乳化重合のスチレン−ブタジエンゴムであり、TUF1534は旭化成社製の37.5部油展された溶液重合のスチレン−ブタジエンゴムであり、syn 1.2はシンジオタックチック1,2結合含有量が多い樹脂状のポリブタジエンである。
【0011】
【表1】
Figure 0003562772
【0012】
【実施例2】
図面を参照しながら本発明を更に詳しく説明する。図1は本発明の空気入りタイヤの断面の右半分の図である。図において、1はタイヤ円周方向に対して直角に多数のコードを配列してなるカーカスプライである。このカーカスプライ1の端はビードコアー7の周りに内から外に向かって折り返して係止しており、クラウン部の外面には多数のスチールコードがタイヤ周方向に対して15〜30度の角度で傾斜して配列したベルトプライ2a、2bをコード傾斜方向が反対向きにして積層したベルト2が配置されており、このベルト2を覆うようにしてトレッドゴム3が配置している。トレッドゴム3は接地面側に位置するキャップゴム4とベルト2に接して位置するベースゴム5の2層構造になっており、表面側にトレッドパターンの複数の溝6が設けられブロックを区画している。キャップゴム4とベースゴム5の界7は複数の溝6のそれぞれの底を連ねた仮想曲線8の近辺にある。
【0013】
実施例1に示した配合を表2に示す組み合わせでキャップゴムとベースゴムを形成してサイズ175/70R13の乗用車用空気入りタイヤを作成して、乗心地、操縦安定性、ベルト耐久性を評価し、その結果を表2に示した。尚、乗心地と操縦安定性はテスト車に装着して走行し、10点満点でフィーリング評価した。ベルト耐久性はJIS D 4230で定める高速耐久性試験の規定時間より延長してドラム走行した後、タイヤを解体してベルト端のセパレーションした部分の長さを測定し、比較例1を100として結果を指数で示した。(値が小さいほどよい)
【0014】
【表2】
Figure 0003562772
【0015】
比較例1はトレッドを配合A単独で形成した従来タイヤである。比較例2はベースゴムにGB’の大きい配合Eを使用した例で操縦安定性が劣り、比較例3はベースゴムにオイル配合量が多くGB’の小さい配合Cを使用した例で操縦安定性とベルト耐久性が劣り、比較例4はキャップゴムにGC’の小さい配合Cを、ベースゴムにGB’の大きい配合Eを使用した例で操縦安定性が劣り、比較例5はキャップゴムに配合Bを、ベースゴムに配合Fを使用し、動的剪断弾性率がともに本発明の範囲に入っているので操縦安定性、乗心地は改良されるが、ベースゴム使用した配合Fはオイル量が多いのでベルト耐久性が劣る。
【0016】
【発明の効果】
トレッドをキャップゴムとベースゴムの2層構造にして、キャップゴムの動的剪断弾性率をほぼ従来タイヤのトレッドに使用されるレベルにし、ベースゴムの動的剪断弾性率をキャップゴムより大きくすることにより、トレッド接地面は柔軟で路面との接触実面積が維持されて耐スキッド性がよく、トレッド全体の剛性が高くなって変形しにくくされ、自動車の旋回時等で加えられる応力が変形によって緩和される作用が小さくされ、その結果操縦安定性が改良される。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるタイヤの右半分の断面図である。
【符号の説明】
1 カーカスプライ
2 ベルト
3 トレッドゴム
4 キャップゴム
5 ベースゴム
7 ビードコア

Claims (1)

  1. タイヤ円周方向に対して直角に多数のコードを配列してビードコアーの周りに内から外に向かって折り返して係止したカーカスプライのクラウン部外面に多数のスチールコードで補強されたベルトを備え、このベルトを覆うようにしてトレッドゴムが配置された空気入りタイヤにおいて、トレッドゴムは接地面側のキャップゴムとベルトに接する面側のベースゴムの2層構造になっていて、キヤップゴムは温度60℃で測定した動的剪断弾性率Gc’が1.5〜2.0MPaのゴム組成物でなり、ベースゴムを形成するゴム組成物はオイル配合量がゴム成分100重量部に対して10重量部以下で、温度60℃で測定した動的剪断弾性率GB’が1.6〜3.0MPa、かつベースゴムの動的剪断弾性率がキャップゴムの動的剪断弾性率より大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。
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