JP4000276B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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  • Tires In General (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤにかかり、特に、新品時にウエット性能を確保しつつ転がり性能をも確保することができ、さらにウエット性能の低下を抑制できる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来タイヤでの新品時ウエット性能と操縦性の両立は、ウエット性能で必要とされるパターン内溝部の面積と、操縦性に大きく寄与するブロック剛性の確保、いわゆるブロック面積とブロック高さ(低い方が良)の二律背反性能であり、設定が難しい。
【0003】
また、ユーザー要求の大きい摩耗後のウエット性能の確保は、ウエット性能よりのゴムを摩耗後に露出させる等の手段を用いるが、ウエット性能よりのゴムにすることで転がり抵抗が大きくなり、転がり性能においては大きな懸念項目であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来からのタイヤは、トレッドゴム層が1層、または2層からなるもので構成されているが、両者とも幅方向に均一に摩耗するように設計されている。
【0005】
したがって、ウエット性能に大きく起因する接地状態の矩形が殆ど変化せず、溝体積も減少することで、ハイドロプレーニング性能は低下する。
【0006】
また、後者の2層構造を用いることで、ウエット性能よりのゴムを摩耗後に露出させる等の手法を用いる場合があるが、ウエット性能よりのゴムにすることで転がり抵抗が大きくなり、転がり性能においては大きく懸念されている。
【0007】
また、最近のタイヤは、溝の深さが接地端部に向うにしたがって浅くなる方向、即ち、図5(A)の断面図に示すように、溝底をタイヤ幅方向に結ぶ溝底ライン100と踏面との間隔がタイヤ幅方向に向って狭くなる方向であり、これは、図5(B)に示すように、路面104との実接地状態においても同じである。
【0008】
即ち、図5に示すように、溝底ライン100(溝深さ)がトレッド中央に向うほ深くなり、接地面の水がトレッド中央へ向って流れる懸念があり、新品時排水性が低下する懸念される。
【0009】
本発明は、上記事実を考慮し、新品時にウエット性能を確保しつつ転がり性能をも確保することができる空気入りタイヤを提供することが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、トレッドに排水用の溝が形成された空気入りタイヤであって、前記トレッドは、新品時の踏面に、タイヤ赤道面側に中央ゴム層、前記中央ゴム層のタイヤ幅方向両側に両側ゴム層が露出しており、前記両側ゴム層を構成するゴムをA、前記中央ゴム層を構成するゴムをBとしたときに、ウエット性能はゴムBよりもゴムAが良く、転がり性能はゴムAよりもゴムBが良く、前記溝の溝底をタイヤ幅方向に結んだ溝底ラインが、新品時の踏面に対して平行またはタイヤ赤道面側からタイヤ幅方向外側に向けて徐々に離間しており、接地形状のタイヤ周方向の寸法をLc、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向外側へ接地半幅の80%位置におけるタイヤ周方向長さをLsとし、(Ls/Lc)×100(%)を矩形率と定義したときに、前記矩形率は、前記トレッドが摩耗するにしたがって漸減する、ことを特徴としている。
【0011】
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0012】
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、溝の溝底をタイヤ幅方向に結んだ溝底ラインが、少なくとも新品時の踏面に対して平行またはタイヤ赤道面側からタイヤ幅方向外側へ向けて徐々に離間している、即ち、タイヤ赤道面側からタイヤ幅方向外側へ向けて溝断面積が大きくなるので、ウエット路面走行時に、溝内に取り込んだ水をタイヤ赤道面側からタイヤ幅方向外側の接地端外側へ向けて効率的に排出することができ、新品時に高いウエット性能を確保することができる。
【0013】
また、新品時のトレッドの踏面には、タイヤ赤道面側に中央ゴム層、中央ゴム層のタイヤ幅方向両側に両側ゴム層が露出している。
【0014】
踏面全体をウエット性能よりのゴムとすると転がり抵抗が悪化するが、本発明では、両側ゴム層にウエット性能に優れたゴムを使用し、中央ゴム層に転がり性能に優れたゴムを使用しているので、新品時にウエット性能を確保しつつ転がり性能をも確保することができる。
【0015】
ウエット性能に優れたゴムとは、例えば、摩擦係数(対路面)の大きなゴムのことである。
【0016】
また、転がり性能に優れたゴムとは、例えば、低ヒステリシスロスのゴムのことである。
なお、矩形率が小さくなると、タイヤの進行方向側の形状が、矩形から円弧形状に近づくことになり、ウエット路面走行時、タイヤ進行方向の路面の水をタイヤの左右に排除し易くなり、その結果、タイヤ進行方向の路面の水が接地面内に入り難くなってウエット性能(特に、ハイドロプレーニング性能)の低下を抑制する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記中央ゴム層の幅は、踏面からタイヤ径方向内側へ向うにしたがって徐々に広くなっている、ことを特徴としている。
【0018】
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0019】
請求項2に記載の空気入りタイヤでは、トレッドが摩耗すると、踏面において中央ゴム層の幅(面積)が徐々に増加し、両側ゴム層の幅(面積)が徐々に減少する。
【0020】
また、トレッドが摩耗すると矩形率が減少し、ハイドロプレーニング性能が良くなる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、前記中央ゴム層は、新品時に踏面に露出していないタイヤ径方向内側部分が、少なくとも接地端部まで到達している、ことを特徴としている。
【0022】
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0023】
ウエット性能に寄与する両側ゴム層は、新品時から摩耗末期まで踏面に露出していれば良く、摩耗末期の踏面よりも内側に存在している必要はない。
【0024】
また、転がり性能のことを考慮すれば、ウエット性能を発揮すべき以外の部分には、転がり性能を向上できるゴムとすることが好ましい。
【0025】
転がり性能の良いゴムからなる中央ゴム層のタイヤ径方向内側部分を少なくとも接地端部まで到達させることにより、ウエット性能を確保しつつ、転がり性能の良いゴムのボリュームを増やし、転がり性能を最大限に高めることができる。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、摩耗時の矩形率の減少度合いは、摩耗中期で1〜5%、摩耗末期で2〜10%である、ことを特徴としている。
【0030】
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0031】
摩耗時の矩形率の減少率をこのような範囲内に設定することにより、摩耗末期までウエット性能の低下を抑制することができる。
【0032】
なお、摩耗中期とは、(溝の深さ−1.6mm)×50%摩耗した時期をいう。
【0033】
また、摩耗末期とは、溝の残り深さが1.6mmになった時期をいう。
【0034】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、耐摩耗性はゴムAよりもゴムBが良く、ゴム弾性率はゴムAよりもゴムBが高い、ことを特徴としている。
【0035】
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0036】
ゴムAの耐摩耗性よりもゴムBの耐摩耗性を良くすると、タイヤ赤道側のゴムBの摩耗の進行がトレッドの両側のゴムAの摩耗の進行よりも相対的に遅くなり、接地形状としては、タイヤ進行側の形状が矩形から円弧形状へと変化する速度が早まり、ウエット性能の低下を防止する上で好ましい。
【0037】
また、ゴムAのゴム弾性率よりもゴムBのゴム弾性率を高くすると、操縦性能に大きく起因する微小舵角時の応答性に一番影響のあるパターンセンター部の剛性を高めることができ、操縦性能を向上することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤについて説明する。
【0039】
先ず、本発明である空気入りタイヤ10の全体構造について説明する。
【0040】
図1には、空気入りタイヤ10(以下、適宜「タイヤ10」と略称する。)の回転軸に沿った断面が示されている。
【0041】
このタイヤ10は、1対のビードコア12と、1対のビードコア12にトロイド状に跨るカーカス14を有している。
【0042】
このカーカス14を構成しているカーカスプライ16は、ビードコア12の回りをタイヤ軸方向内側から外側へ向けて折り返されている。
【0043】
このカーカスプライ16の本体部16Aと折返部16Bとの間には、ビード部20の剛性を確保するために、比較的硬度の高いゴムからなるスティフナ22が配設されている。
【0044】
カーカス14のタイヤ軸方向外側には、サイドゴム層24が設けられている。
【0045】
カーカス14のタイヤ半径方向外側には、2枚のベルトプライ26からなるベルト層28が設けられている。
【0046】
カーカス14の内面にはインナーライナー34が設けられている。
【0047】
ベルト層28のタイヤ半径方向外側には、トレッド30の一部を構成する中央ゴム層32が設けられている。
【0048】
中央ゴム層32は、一方のショルダー部から他方のショルダー部まで延在しており、幅方向中央部分に凸部32Aが形成されている。
【0049】
中央ゴム層32の幅は、タイヤ径方向内側へ向うにしたがって徐々に広くなっている。
【0050】
中央ゴム層32のタイヤ径方向外側には、凸部32Aの両側に両側ゴム層34が設けられている。
【0051】
両側ゴム層34を構成するゴムをA、中央ゴム層32を構成するゴムをBとしたときに、ウエット性能はゴムBよりもゴムAが良く、転がり性能はゴムAよりもゴムBが良く、耐摩耗性はゴムAよりもゴムBが良く、ゴム弾性率はゴムAよりもゴムBが高い関係となっている。
【0052】
ここで、本実施形態では、ウエット性能の良いゴムとは、路面に対するグリップ力の大きなゴム、即ち、路面に対する摩擦係数の大きなゴムのことであり、転がり性能の良いゴムとは、タイヤの転がり抵抗を少なく出来る、低ヒステリシスロスのゴムのことである。
【0053】
なお、新品時のトレッド30において、踏面に露出する中央ゴム層32の幅W1は、トレッド幅W0の5〜15%が好ましい。
【0054】
ここで、「トレッド幅」とは、空気入りタイヤをJATMA YEAR BOOK(2001年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときの接地形状のタイヤ幅方向の寸法である。なお、使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
【0055】
また、両側ゴム層34は、タイヤの摩耗末期まで踏面に露出しているようにその厚みが設定されている。
【0056】
図1及び図2に示すように、トレッド30には、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝36及びタイヤ幅方向に沿って延びる横溝38が複数形成されている。
【0057】
図1に示すように、周方向溝36及び横溝38の溝底をタイヤ幅方向に結ぶ溝底ライン(図1の2点鎖線)40は、タイヤ赤道面CL側からタイヤ幅方向外側へ向けて徐々に離間している。
(作用)
次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作用を説明する。
【0058】
この空気入りタイヤ10は、図1及び図4(A)に示すように溝底をタイヤ幅方向に結んだ溝底ライン40が、少なくとも新品時の踏面30Aに対してタイヤ赤道面CL側からタイヤ幅方向外側へ向けて徐々に離間しており、タイヤ赤道面CL側からタイヤ幅方向外側へ向けて溝断面積が大きくなっている。
【0059】
この状態は、図4(B)に示すように、ウエット路面42との接地時においても同様であり、溝内に取り込んだ水をタイヤ赤道面CL側からタイヤ幅方向外側の接地端外側へ向けて効率的に排出することができる。このため、新品時に、高いウエット性能が得られる。
【0060】
新品時のトレッド30の踏面には、タイヤ赤道面CL側に低ヒステリシスロスのゴムで構成された中央ゴム層32が、その両側に摩擦係数の高い両側ゴム層34が露出しているので、新品時にウエット性能を確保しつつ、転がり性能も確保することができる。
【0061】
トレッド30が摩耗すると、踏面において中央ゴム層32の幅(面積)が徐々に増加し、両側ゴム層34の幅(面積)が徐々に減少する。
【0062】
また、トレッド30が摩耗すると矩形率が減少し、ハイドロプレーニング性能が良くなる。
【0063】
トレッド30は、摩擦係数の高いゴムAが必要箇所にのみ配置されており、その他は、低ヒステリシスロスのゴムBとしているので、ウエット性能を確保しつつ、転がり性能を最大限に高めることができる。
【0064】
また、中央ゴム層32を構成するゴムBの方が、両側ゴム層34を構成するゴムAよりも耐摩耗性が良いので、中央ゴム層32の摩耗の進行が両側ゴム層34の摩耗の進行よりも相対的に遅くなって矩形率が低下し、例えば、図3(A)の形状から図3(B)の形状へと変化する速度が早まり、ウエット路面走行時のタイヤ進行方向の路面の水をタイヤの左右に排除し易くなり、その結果、タイヤ進行方向の路面の水が接地面内に入り難くなってウエット性能(ハイドロプレーニング性能)の低下を抑制する。
【0065】
なお、ウエット性能の低下を抑制する上では、摩耗時の矩形率の減少度合いを摩耗中期で1〜5%、摩耗末期で2〜10%とすることが好ましい。
【0066】
さらに、中央ゴム層32を構成するゴムBの方が、両側ゴム層34を構成するゴムAよりもゴム弾性率が高いので、操縦性能に大きく起因する微小舵角時の応答性に一番影響のあるパターンセンター部の剛性を高めることができ、操縦性能を向上することができる。
【0067】
摩耗時の矩形率の減少度合いを、摩耗中期で1〜5%、摩耗末期で2〜10%とすることで、摩耗末期までウエット性能の低下を抑制することができる。
【0068】
また、新品時のトレッド30において、踏面30Aに露出する中央ゴム層32の幅W1が、トレッド幅W0の5%未満になると、新品時の操縦性能が不十分となる。
【0069】
また、新品時のトレッド30において、踏面30Aに露出する中央ゴム層32の幅W1が、トレッド幅W0の25%を越えると、新品時のウエット性能が不十分となる。
【0070】
なお、上記実施形態の空気入りタイヤ10の溝底ライン40は、タイヤ赤道面CL側からタイヤ幅方向外側へ向けて踏面30Aと徐々に離間していたが、部分的に平行であっても良く、全体的に平行であっても良い。
【0071】
少なくとも、踏面30Aと溝底ライン40との間隔がタイヤ赤道面CL側へ向けて狭くならなければ良い。
【0072】
また、上記実施形態の空気入りタイヤ10のトレッド30には、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝36及びタイヤ幅方向に沿って延びる横溝38が各々複数形成されていたが、本発明はこれに限らず、トレッド30に形成される溝の形態は、図2に示すようなブロックパターンに限らず、方向性パターン等の周知の他のパターンであっても良い。
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、従来例のタイヤ、及び本発明の適用された実施例のタイヤを用意し、ドライ操縦性、ウエット操縦性、摩耗形態、加速HP、CHP(55〜80km/h平均)G、ウエットブレーキ、矩形率、転がり抵抗について比較を行った。
【0073】
以下にタイヤの構成、試験方法、及びタイヤに用いたゴムの試験方法を説明する。
【0074】
実施例のタイヤ:トレッドが図1に示すような中央ゴム層及び両側ゴム層からなるタイヤ。新品時の踏面に表れる中央ゴム層の幅はトレッド幅の20%である(実車装着時)。
【0075】
なお、トレッドに用いたゴムの配合内容及び特性は以下の表1に記載した通りである。
【0076】
従来例のタイヤ:図6に示すように、中央ゴム層32と両側ゴム層34との境界は、溝底ライン(図6の2点鎖線)40よりもタイヤ径方向外側に位置しており、両側ゴム層34はタイヤの摩耗中期で摩滅するようにその厚みが設定されている。
【0077】
なお、トレッドに用いたゴムの配合内容及び特性は、実施例と同一である。
【0078】
耐摩耗性:ランボーン型摩耗試験機を用いて、室内でスリップ率25%の条件で試験を行い、評価は、従来例の摩耗量の逆数を100とする指数で表示した。
【0079】
指数の数値が大きいほど耐摩耗性に優れていることを表している。
【0080】
ゴム弾性率:動的貯蔵弾性率Eは、JIS K 7198の試験方法に記載された方法に従い求める値(ただし、温度30°C、周波数50Hz、及び動的ひずみ1%の試験条件の下。)である。
【0081】
ドライ操縦性(フィーリング):排気量2.0リットルの乗用車の全輪に試験タイヤを装着し、道路上を60〜80km/hで走行したときのテストドライバーのフィーリングにより評価。
【0082】
評価はテストドライバーによる十点満点評価(フィーリング)とした。数値が大きいほどドライ操縦性に優れていることを表している。
【0083】
ウエット操縦性(フィーリング):テストコース上に水を撒いて湿潤路面とし、ドライ操縦性と同様に評価。
【0084】
評価はテストドライバーによる十点満点評価(フィーリング)とした。数値が大きいほどウエット操縦性に優れていることを表している。
【0085】
摩耗形態:0.8G程度の加減速を4km当りで2回行う走行モードを繰り返す。トレッドのセンター付近のセンター摩耗率と、ショルダー付近のショルダーブロック摩耗率との比率を算出。
【0086】
加速HP(ハイドロプレーニング)(計器):湿潤路面を加速走行し、車両走行速度とタイヤの回転数を測定し、タイヤの回転数が上昇した速度(駆動側のタイヤがスリップしてタイヤの周速が車両走行速度よりも上昇した場合)をハイドロプレーニング発生速度とする。
【0087】
評価は、従来品の新品時のハイドロプレーニング発生速度を100とする指数で表し、数値が大きいほどハイドロプレーニングが発生し難い。
【0088】
CHP(コーナリングハイドロプレーニング:55〜85km/h平均)G(計器):試験旋回半径(ここでは100m)に沿って走行し、計測区間(湿潤路面)では横向き加速度が一定状態を保持する。この時の車両速度と横向き加速度を測定する。計測区間を走行する毎に速度を上げて測定を行う。ハイドロプレーニングが発生して横向き加速度が低下した時の車両速度を測定する。なお、評価は加速HPと同じである。
【0089】
ウエットブレーキ(計器):試験タイヤを乗用車の全輪に装着し、水を撒いて湿潤路面としたテストコースにて60km/hで制動し、タイヤがロックしてから停車するまでの走行距離(制動距離)を測定した。
【0090】
評価は、従来例の新品時の制動距離を100とする指数で表しており、数値が小さいほどウエットブレーキ性能が良いことを表している。
【0091】
転がり抵抗(計器):内圧200kPaを充填し、荷重4.9Nの付加の下で60km/hで回転する直径1.7mのドラムにタイヤを押し当て、転がり抵抗を測定し、その逆数を従来(新品)を100として指数表示した。数値が大きいほど転がり抵抗が小さく、転がり性能に優れていることを表している。
室内試験条件
タイヤサイズ:PSR205/65R15
リム幅:6.5J×15
内圧:210kPa
荷重:4.81kN
実車試験条件
タイヤサイズ:PSR205/65R15
リム幅:6.5J×15
内圧:210kPa
車両:トヨタ自動車株式会社製カムリ(排気量2000cc)
荷重:車両重量+ドライバー+助手席60kgf
【0092】
【表1】
Figure 0004000276
カーボン:東海カーボン(株)、シーストKH(製品名)
シリカ:日本シリカ工業(株)、ニップシールAQ(製品名)
オイル:アロマオイル
加硫促進剤:ジフェニルグアニジン
【0093】
【表2】
Figure 0004000276
試験結果
ドライ操縦性、及びウエット操縦性においては、実施例のタイヤは、新品時及び摩耗時において、従来例のタイヤ対比で同等以上のフィーリング結果が得られ、優位性が確認できる。
【0094】
走行後の摩耗形態はほぼ同等の変化量であり、早期摩耗感が無い事が確認できる。
【0095】
ハイドロプレーニング性(加速HP,CHP(G))においては、実施例のタイヤは、新品時にて従来例のタイヤ対比で同等以上の結果となっており、優位性が確認でき、また、新品時から摩耗時への性能低下も少ない事が確認できる。
【0096】
矩形率においては、摩耗後の接地形状変化が従来例のタイヤが殆ど変化しないのに対して、実施例のタイヤは丸くなる方向へ移行しているのが確認できる。
【0097】
転がり性能においては、新品時、及び摩耗時での転がり抵抗が良化しているのが確認できる。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、新品時にウエット性能を確保しつつ転がり性能をも確保することができ、摩耗の進行によるウエット性能の低下を抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0099】
請求項2に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ハイドロプレーニング性能が向上する、という優れた効果を有する。
【0100】
請求項3に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ウエット性能を確保しつつ、転がり性能を最大限に高めることができる、という優れた効果を有する。
【0101】
【0102】
請求項4に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、摩耗末期までウエット性能の低下を抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0103】
請求項5に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ウエット性能の低下をより一層抑制することができ、また、操縦性能を向上することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの回転軸に沿った断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの平面図である。
【図3】 (A)は一実施形態に係る空気入りタイヤの新品時の接地形状であり、(B)は一実施形態に係る空気入りタイヤの摩耗時の接地形状である。
【図4】 (A)は一実施形態に係る空気入りタイヤの非接地時のトレッドの断面図であり、(B)は一実施形態に係る空気入りタイヤの接地時のトレッドの断面図である。
【図5】 (A)は従来例に係る空気入りタイヤの非接地時のトレッドの断面図であり、(B)は従来例に係る空気入りタイヤの接地時のトレッドの断面図である。
【図6】 従来例に係る空気入りタイヤの回転軸に沿った断面図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ
32 中央ゴム層
34 両側ゴム層
36 周方向溝
38 ラグ溝

Claims (5)

  1. トレッドに排水用の溝が形成された空気入りタイヤであって、
    前記トレッドは、新品時の踏面に、タイヤ赤道面側に中央ゴム層、前記中央ゴム層のタイヤ幅方向両側に両側ゴム層が露出しており、
    前記両側ゴム層を構成するゴムをA、前記中央ゴム層を構成するゴムをBとしたときに、ウエット性能はゴムBよりもゴムAが良く、転がり性能はゴムAよりもゴムBが良く、
    前記溝の溝底をタイヤ幅方向に結んだ溝底ラインが、新品時の踏面に対して平行またはタイヤ赤道面側からタイヤ幅方向外側に向けて徐々に離間しており、
    接地形状のタイヤ周方向の寸法をLc、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向外側へ接地半幅の80%位置におけるタイヤ周方向長さをLsとし、(Ls/Lc)×100(%)を矩形率と定義したときに、前記矩形率は、前記トレッドが摩耗するにしたがって漸減する、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記中央ゴム層の幅は、踏面からタイヤ径方向内側へ向うにしたがって徐々に広くなっている、ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記中央ゴム層は、新品時に踏面に露出していないタイヤ径方向内側部分が、少なくとも接地端部まで到達している、ことを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 摩耗時の矩形率の減少度合いは、摩耗中期で1〜5%、摩耗末期で2〜10%である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記両側ゴム層を構成するゴムをA、前記中央ゴム層を構成するゴムをB、としたときに、
    耐摩耗性はゴムAよりもゴムBが良く、ゴム弾性率はゴムAよりもゴムBが高い、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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