JP3560862B2 - 電子レンジ加熱包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子レンジ加熱が可能なようにレトルト食品等の調理済み食品を密封充填した包装袋の外包装に適用される外装用箱を備えた電子レンジ加熱包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、電子レンジ加熱が可能な調理済み食品入り包装袋が普及する傾向にあり、該包装袋には、通常扁平箱形の外装用箱を用いて外包装が施されている。調理済み食品の電子レンジ加熱時には多量の水蒸気が発生し電子レンジ加熱を継続する間に、包装袋の内圧が次第に上昇して行く。従って包装袋に逃圧手段を備えておかないと、包装袋が過膨張状態となり、またひどい場合には、破裂の危険性すらある。
【0003】
従来、逃圧手段として、例えば特開平11−99065号公報には、電子レンジ加熱包装袋のコーナ部に開封ノッチを形成しておき、用時に、該ノッチに基づき、包装袋のコーナ部を切除開封し逃圧口となす形式のものが提案されている。また本出願人は、特開平10−72070,10−310181,11−130159号公報等において、包装袋の上面に逃圧用部として背貼り部を設け、用時には、該背貼り部の一部を切断する等して逃圧口を形成できる構成のものを提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前者形式の包装袋では、逃圧口よりの内容食品の漏出を防止するために、外装容器内に包装袋を収納し該外装容器ひいては包装袋を起立させた状態で電子レンジにより加熱を行う構成になっている。ところが包装袋は通常扁平袋状であり、また外装容器は通常扁平箱形でいずれも自立性がないので、外装容器の一側面に衝立用ミシン目等を形成し、該ミシン目に基づき切り出した板片部により容器衝立部を組み立て、該衝立部により包装袋ひいては外装容器に自立性を与えているが、上記衝立部の組立は大変面倒であり、調理準備の容易性に欠けるという問題点があった。
【0005】
一方背貼りタイプの包装袋の場合は背貼り部を通じ水蒸気が抜けるので、包装袋を特に起立させなくても逃圧口より内容食品が漏洩するという危険性はない。従って、水平横倒しの安定した状態で電子レンジ加熱を行うことができる。電子レンジ加熱時に発生する水蒸気は一応背貼り部の逃圧口より外部に抜けてゆくが、包装袋の内圧上昇ひいては膨張傾向は依然として残り、水平横倒し状態での電子レンジ加熱にもかかわらず形状的に不安定で転がりやすくなり、また消費者に破裂の危険性があるかのような印象及び不安感を与え、商品イメージを損なう恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記包装袋の電子レンジ加熱調理時に見られる問題点をすべてクリアでき、調理準備が容易で、しかも電子レンジ加熱時には、包装袋の形状を安定化でき、消費者の不安感を消去でき、特に上面に背貼り部等の逃圧用部を備えた包装袋の外包装に適用して有用な外装用箱及び電子レンジ加熱包装体を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、扁平袋状にして上面に逃圧用部を有する電子レンジ加熱包装袋と、該包装袋の外包装に適用される扁平箱形の外装用箱とを備え、内圧を利用して剥離開口させる弱シール部又は脆弱部を有する背貼り部が上記逃圧用部として設けられ、外装用箱の少なくとも上面に、外包装状態において、上記背貼り部を外部に露出させるための切離開封部が備えられていることを特徴とする電子レンジ加熱包装体に係る。
【0009】
【発明の実施形態】
以下に本発明の一実施形態を添付図面に基づき説明する。尚、全図を通じ、同一符号は、実質的に同一部分を示している。図1,2は本発明の第1の実施形態を示し、本発明外装用箱Aは、上面aの片側位置に逃圧用部、たとえば背貼り部bを備えた電子レンジ加熱包装袋Bの外包装に適用されている。
【0010】
本実施形態において、外装用箱Aの箱本体1は扁平箱形で紙製であり、基本的には、通常のレトルト食品(レトルトパウチ)の外包装に適用されている包装紙箱と同じ構成,材質を有し、その内部には上記包装袋Bが収納され、また上面には、該包装袋Bの上面の片側に位置する背貼り部bとほぼ一致するように、切離開封部2が形成されている。
【0011】
切離開封部2は上記包装袋Bの電子レンジ加熱時に背貼り部bを外部に露出させるためのものであり、ミシン目、ドットライン、ハーフカットライン等の切離線3に沿って箱本体1から切り離すことができる。切離開封部2は、図1に示すように、例えば台形状で両斜辺と両側辺は切離線3から、また底辺は罫線4から構成され、切離開封後は罫線4を支点として上方へ開くことができる構成になっている。切離開封部2の両斜辺の交点の部分に指による押し抜きが可能な摘み部5を形成しておくと、切離開封操作に便利である。
【0012】
図1に示す外包装状態の時は、箱本体1が紙製であり光を遮断する。包装袋Bは電子レンジ加熱の関係でアルミ箔は積層されておらず遮光性に欠けるが、箱本体1の遮光性によってこれを補うことができる。箱本体1の遮光性は、切離線3として非貫通型、例えばハーフカットライン等を選択することにより、より一層向上できる。
【0013】
電子レンジにより包装袋Bを加熱調理するに際しては、切離開封部2を切離線3に沿って箱本体1から切り離し、切り離し後は、罫線4を支点に上方へ開くことにより、箱本体1の上面の片側に開口6を形成できる。この開口6は包装袋Bの背貼り部bに一致しており、該背貼り部bは該開口6を通じ外部に露出される。背貼り部bは外包装状態の時は箱本体1面に押されて伏倒状態に拘束されているが、外部露出後は箱本体1からの拘束から開放され、図2に示すように容易に起立させることができる。切離開封部2の切り離し開口操作はほぼワンタッチ操作で行うことができ、加熱調理の準備を簡単容易に迅速確実に行うことができる。
【0014】
背貼り部bは、大別して、図5に示すように、一部切断により逃圧口cを開口させるタイプのものと、図6に示すように、弱シール部dや脆弱部等を包装体Bの内圧を利用して自然に剥離開口させるタイプのものがある。
【0015】
前者タイプの背貼り部bは一部切断により逃圧口cを開口した後に、また後者タイプの背貼り部cはそのままの状態で、箱本体1ひいては包装袋Bを電子レンジ内の例えばターンテーブル上に水平横倒し状態に置き加熱を行う。先に述べたように、背貼りタイプは包装袋Bを水平横倒し状態で加熱を行っても内容食品が逃圧口cから漏出する恐れがない。
【0016】
電子レンジ加熱中は、包装袋B内の調理済み食品から水蒸気が発生し、包装袋B内の圧力が上昇する。包装袋Bは、図7に拡大して示すように、その片側寄りの部分B1は、開口6を通じ外部に露出し、残部B2は紙箱本体1内に収納されている。而して内圧上昇により露出部分B1は膨張するが、大部分を占める残部B2は、箱本体1により膨張が抑止され、全体として形状が安定化する。またこの形状安定化により消費者に破裂等の恐怖感或いは不安感を与えることがなくなる。また残部B2の膨張抑止により、内圧上昇が促進され、弱シール部や脆弱部の破断等による開口タイプでは、開口までの時間を短縮できる。また図7に示すように、電子レンジ加熱中は背貼り部bが箱本体1の開口6より外部に突出するので、圧抜きのための水蒸気を箱本体1の外部に向けて安定確実に排出することができる。紙製の箱本体1は、電子レンジ加熱にかかわらず熱くならないので、加熱調理後は電子レンジ内から容易に取り出すことができる。
【0017】
図3,4は本発明の第2の実施形態を示し、本発明外装用箱は、背貼り部bを中央部に有する包装袋Bの外包装に適用されている。本実施形態において、切離開封部2は箱本体1の中央部に形成され、該切離開封部2は箱本体1の上面の中央領域において横幅方向に延出する2本の平行する横切離線3,3と該切離線3,3の一端側を連成する縦切離線31とを備えている。縦切離線31を箱本体1の側面部に円弧状に食い込ませ、押し抜き可能な摘み部5を形成しておくと切離開封操作に便利である。横切離線3,3の他端側は罫線4により連結されており、切離開封後は該罫線4を支点として上方へ開くことができる構成になっている。
【0018】
切離開封部2を切離線3,3,31に従い紙箱本体1から切り離すことにより、箱本体1の上面の中央部に開口6を形成でき、該開口6を通じ包装袋B中央部の背貼り部bを外部に露出させることができる。
【0019】
それ以外の構成は、先の実施形態と実質的に異なるところがない。本実施形態においても、電子レンジ加熱における包装袋Bの形状安定化を図ることができる。
【0020】
本発明において、箱本体1は、水蒸気雰囲気中での加熱に耐え得る構成を有していることが好ましく、例えば接着部分には、水蒸気雰囲気中での加熱によっても実質的に接着強度を低下しない接着剤を使用したり、あるいは箱本体1の構成材として、紙材にプラスチックフィルムがラミネートされている耐水性構成材を用い、プラスチックフィルムの溶着によりその接着部分の接着を行うことにより、水蒸気雰囲気中での加熱にかかわらず包装袋Bの膨張に充分に耐える箱本体1を製作できる。また箱本体1は紙材だけでなく、例えば電子レンジ加熱に耐え得る好ましくは不透明のプラスチックフィルム(又はシート)から構成することができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、上記の構成により、加熱調理の準備を簡単容易に行うことができ、しかも電子レンジ加熱時には包装袋の形状安定化が可能で、消費者に安心感を与えることができる電子レンジ加熱包装体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す切離開封前の斜視図である。
【図2】同、切離開封後の斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す切離開封前の斜視図である。
【図4】同、切離開封後の斜視図である。
【図5】背貼り部の一例を示す正面図である。
【図6】背貼り部の他の一例を示す正面図である。
【図7】図1に示す実施形態の電子レンジ加熱時の状況を概略的に示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 箱本体
2 切離開封部
3 切離線
4 罫線
5 摘み部
6 開口

Claims (3)

  1. 扁平袋状にして上面に逃圧用部を有する電子レンジ加熱包装袋と、該包装袋の外包装に適用される扁平箱形の外装用箱とを備え、内圧を利用して剥離開口させる弱シール部又は脆弱部を有する背貼り部が上記逃圧用部として設けられ、外装用箱の少なくとも上面に、外包装状態において、上記背貼り部を外部に露出させるための切離開封部が備えられていることを特徴とする電子レンジ加熱包装体
  2. 背貼り部が上記包装袋の上面の片側寄りの部分に備えられ、切離開封部が外装用箱の少なくとも上面の上記背貼り部に対応する位置に備えられていることを特徴とする請求項1記載の電子レンジ加熱包装体
  3. 背貼り部が上記包装袋の上面の中央部に備えられ、切離開封部が外装用箱の少なくとも上面の上記背貼り部に対応する位置に備えられていることを特徴とする請求項1記載の電子レンジ加熱包装体
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