JPH0544310Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、加温して食用に供するレトルト食品
や水を添加してから加熱して食用に供する食品が
詰められたプラスチツク製容器であつて電子レン
ジで加熱される容器（以下、単に「パウチ」と言
うことがある）を収納する電子レンジ加熱用パウ
チ収納用紙箱（以下、単に「パウチ収納用紙箱」
と言うことがある）に関するものである。

〔従来の技術〕

パウチに高温高圧殺菌されて詰められている調
理済みのカレー、スープ、肉だんごなどのレトル
ト食品と称される食品や凍結乾燥させた固体状や
粉末状の食品に水を添加して電子レンジで加温す
る場合は、加温による内容物の熱膨張によるパウ
チの破裂を避けるために、パウチをその収納用箱
から取り出して皿などに移し替えて必要に応じて
水を添加して後に加温する場合と、加温によつて
空気や水が膨張するためにパウチに通気孔をあけ
その通気孔から必要に応じて水を添加して後に加
温する場合とがある。

前者の加温方法はせつかく耐熱性などを有する
パウチを使用しているにもかかわらずパウチが有
効に活用されないばかりか、使用者は電子レンジ
で使用可能な皿などを別途使用しなければならな
いので煩雑であり、後者の加温方法はパウチ自体
が自立性を有していなければパウチに設けた通気
孔から内部の液状体又は粘性の小さい食品が洩れ
出る現象が生じてしまうためパウチが倒れ易い形
状のものでは実施できないという問題点があつ
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

そこで本考案は、パウチ内の食品を皿などに移
し替えずに、パウチをその収納箱に保持した状態
で電子レンジ内で加温できる電子レンジ加熱用パ
ウチ収納用紙箱を提供することを課題とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案者らは、上記課題を解決するために種々
検討した結果、パウチを収納するための収納用紙
箱を構成する前板に、パウチの厚みより僅かに大
きな間隔で２本の折れ目線と、その両端を結ぶ破
断用線と、該２本の折れ目線の両端部同士を短絡
状に連結する中央破断用線とを設け、これらの破
断用線に沿つて破断して破断された部分を前記２
本の折れ目線に沿つて収納用紙箱の外側に引き起
こすことによつてパウチの下部を挿入でき且つ挿
入されたパウチの両側を狭持して自立させるため
のパウチ立て用開口部を設けるように構成すれば
良いことを究明して本考案を完成したのである。

以下、図面に基づいて本考案に係る電子レンジ
加熱用パウチ収納用紙箱の詳細を説明する。

第１図は本考案に係る電子レンジ加熱用パウチ
収納用紙箱の１実施例を示す斜視図、第２図は第
１図の実施例に示した電子レンジ加熱用パウチ収
納用紙箱に形成したパウチ立て用開口部にパウチ
を自立させた状態を示す斜視図、第３図は本考案
に係る電子レンジ加熱用パウチ収納用紙箱の他の
実施例の斜視図である。

図面中、１はそれぞれ矩形状の前板１ａ、側板
１ｂ、後板１ｃ及び側板１ｄが順次側方に連続し
て四角筒を形成しており且つその底部開口部及び
頂部開口部がそれぞれ底片１ｅ及び蓋片１ｆで閉
塞される胴体であつて、電子レンジ加熱用パウチ
３を収納する紙箱を構成している。２は胴体１内
に収納されているパウチ３の厚みより僅かに大き
な間隔で且つパウチ３の幅より大きな幅のパウチ
立て用開口部であつて、２本の折れ目線２ａ，２
a′と、この２本の折れ目線２ａ，２a′の両端部同
士を連結し且つこの連結された２本の折れ目線２
ａ，２a′とで囲まれる部分にパウチ３の底部を自
立状態に収納できる大きさの開口部を形成する破
断用線２ｂ，２b′と、この２本の折れ目線２ａ，
２a′の両端部同士を短絡状に連結する中央破断用
線２ｃとにより形成される構成であり、上記破断
用線２ｂ，２b′と中央破断用線２ｃとに沿つて破
断すると各折れ目線２ａ，２a′にそれぞれ連結さ
れた２つの蓋片２ｄ，２d′が形成されるようにな
つている。

なお、図例におけるパウチ立て用開口部２は前
板１ａの横方向にすなわち底片１ｅ及び蓋片１ｆ
と平行に設けられているが、本考案においてはそ
の位置関係は特に規制されず、前板１ａの縦方向
や斜め方向など任意の方向に設ければ良い。また
２本の折れ目線２ａ，２a′と破断用線２ｂ，２
b′とは、図例の如く互い違いの位置に設けられて
いると共にその折れ目線２ａ，２a′の長さをパウ
チ立て用開口部２の全長の約２分の１以上の長さ
とすれば、形成される蓋片２ｄ，２d′の幅が広く
なりパウチ３を挾持する力が大きくなつてパウチ
３の自立性を高めるためより好適である。

〔作用〕

上述したような構造の本考案に係る電子レンジ
加熱用パウチ収納用紙箱において食品が詰められ
ている収納用紙箱内のパウチ３を電子レンジで加
温するには、胴体１の蓋片１ｆを開いて収納用紙
箱内のパウチ３を取り出した後に、先ず破断用線
２ｂ，２b′と中央破断用線２ｃとに沿つて破断さ
せ、次に第２図に示すように２つの蓋片２ｄ，２
d′を折れ目線２ａ，２a′に沿つて外側に折り曲げ
て破断用線２ｂ，２b′と中央破断用線２ｃと折れ
目線２ａ，２a′とで囲まれた部分をパウチ立て用
開口部２として開口させ、パウチ収納用紙箱から
取り出したパウチ３の下部をそのパウチ立て用開
口部２内に挿入する。すると、パウチ収納用紙箱
は側板１ｂ，１d′の高さ分の厚さを有していると
共にパウチ３の前後両側が外側に折り曲げられた
２つの蓋片２ｄ，２d′によつて挟持される。すな
わち、２つの蓋片２ｄ，２d′は２本の折れ目線２
ａ，２a′に沿つて折り曲げても紙材の復元力によ
りパウチ３を押圧して挟持するため、パウチ３は
パウチ立て用開口部２に安定して直立されるよう
になるのである。このようにしてパウチ立て用開
口部２に挿入されたパウチ３の両側をそれぞれ蓋
片２ｄ，２d′で挾持してパウチ３を自立させた後
に、このパウチ３を自立させたパウチ収納用紙箱
を電子レンジ内に位置せしめて加温すれば良いの
である。

なお、第３図に示す如く破断用線２ｂ，２b′が
側板１ｂ，１ｄに亘つて設けられている構成とす
ると、その部分に指を押当てることによつて破断
用線２ｂ，２b′が容易に破断できて好ましい。

〔考案の効果〕

以上詳述した如く、本考案に係る電子レンジ加
熱用パウチ収納用紙箱は、パウチに詰められてい
る食品を電子レンジで加温する際に、食品を他の
食器に移し替えて加温することなくパウチをパウ
チ立て用開口部に立てて簡単にそのまま加温でき
るようになるのであり、その際にパウチがパウチ
立て用開口部の相対する２つの蓋片によつて挟持
されて安定して自立されるため、パウチの転倒に
よつてパウチにあけた通気孔から液状等の食品が
洩れ出ることが確実に防止され、電子レンジ内部
を汚すこともなくなる。

また、パウチ収納用紙箱が紙製であることか
ら、加温後もあまり高温にならないためパウチ収
納用紙箱を素手で持つことができ、その結果パウ
チを電子レンジ内から安全に且つ簡単に取り出す
ことが可能となる。

なお、破断用線を側板に亘るように設ける構成
とすることにより、その破断がより容易になる。

このように本考案に係る電子レンジ加熱用パウ
チ収納用紙箱は種々の利点を有しており、その実
用的価値は非常に大きなものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電子レンジ加熱用パウチ
収納用紙箱の１実施例を示す斜視図、第２図は第
１図の実施例に示した電子レンジ加熱用パウチ収
納用紙箱に形成したパウチ立て用開口部にパウチ
を自立をさせた状態を示す斜視図、第３図は本考
案に係る電子レンジ加熱用パウチ収納用紙箱の他
の実施例の斜視図である。 図面中、１……胴体、１ａ……前板、１ｂ……
側板、１ｃ……後板、１ｄ……側板、１ｅ……底
片、１ｆ……蓋片、２……パウチ立て用開口部、
２ａ，２a′……折れ目線、２ｂ，２b′……破断用
線、２ｃ……中央破断用線、２ｄ，２d′……蓋
片、３……電子レンジ加熱用パウチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ それぞれ矩形状の前板１ａ、側板１ｂ、後板
   １ｃ及び側板１ｄが順次側方に連続して四角筒
   の胴体１を形成しており且つ胴体１の底部開口
   部及び頂部開口部がそれぞれ底片１ｅ及び蓋片
   １ｆで閉塞される電子レンジ加熱用パウチ３を
   収納する紙箱であつて、前記前板１ａに、収納
   されている電子レンジ加熱用パウチ３の厚みよ
   り僅かに大きな間隔で設けられている２本の折
   れ目線２ａ，２a′と、該２本の折れ目線２ａ，
   ２a′の両端部同士を連結し且つこの連結された
   ２本の折れ目線２ａ，２a′間に電子レンジ加熱
   用パウチ３の厚みより僅かに大きな間隔で且つ
   電子レンジ加熱用パウチ３の幅より大きな幅の
   パウチ立て用開口部２を形成するための破断用
   線２ｂ，２b′と、該２本の折れ目線２ａ，２
   a′の両端部同士を短絡状に連結する中央破断用
   線２ｃとが設けられていることを特徴とする電
   子レンジ加熱用パウチ収納用紙箱。 ２ ２本の折れ目線２ａ，２a′の両端部同士を連
   結する破断用線２ｂ，２b′の一部が側板１ｂ，
   １ｄに亘つて設けられている請求項１に記載の
   電子レンジ加熱用パウチ収納用紙箱。