JP3560117B2 - 地盤改良機 - Google Patents

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤改良機の攪拌翼の改善に係り、より詳しくは正回転トルクと同等の逆回転トルクを得ることができ、攪拌翼の構造が簡単で、信頼性が優れると共に、攪拌翼を逆回転させても土砂等の押さえ付け作用を発揮させることのできる地盤改良機の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、地盤の液状化対策を目的とした地盤改良には、例えばDJM工法等の深層混合処理工法が採用されている。このような地盤改良工法に使用される典型的な地盤改良機(従来例1)の構成を、その構成説明図の図7(a)と、図7(a)のB矢視図の図7(b)とを参照しながら説明すると、符号51は図示しない地盤改良機本体に取付けられ、改良対象地盤に出入自在、かつ内部に地盤を改良する改良材を供給する改良材供給路を有する可逆回転自在な回転軸である。そして、この回転軸51の下端側に、相反する方向に突出する後述する構成になる上段攪拌翼52が突設されると共に、この上段攪拌翼52の下側で、かつこの上段攪拌翼52と90°位相が相違する位置に下段攪拌翼53が突設されている。そして、上段攪拌翼52は正回転側翼部52aと、逆回転側翼部52bと、これら正回転側翼部52aと逆回転側翼部52bとの中間に位置する中央翼部52cとから構成されている。より詳しくは、正回転側が低く逆回転側が高くなるように傾斜していて、垂直線と表面とのなす角度、即ち掬い角が大きな正回転側翼部52aと、この正回転側翼部52aよりも掬い角が大きく若干傾斜した中央翼部52cと,この中央翼部52cの反正回転側翼部側に鋭角を持って連なり、正回転側翼部52aと同方向に傾斜する、負の掬い角を持つ逆回転側翼部52bとから構成されている。
【0003】
また、下段攪拌翼53は横断断面がくの字状に形成され、掬い角が大きな正回転側翼部53aと、この正回転側翼部53aに鈍角を持って連なり、若干傾斜した大きな掬い角を持つ逆回転側翼部53bとから構成されている。つまり、この下段攪拌翼53の横断断面形状は、あたかも上段攪拌翼52から逆回転側翼部52bを取除いたような形状に形成されている。そして、回転軸51の外周の上・下段攪拌翼52,53の下方位置に、回転軸51の中空部に設けられた図示しない改良材供給路から供給される改良材を噴射する改良材噴射ノズル54,55が設けられると共に、左右の下段攪拌翼53の先端側であって、かつその正回転側翼部53aの正回転側の端部に掘削用ビット56,56が取付けられている。
なお、回転軸51の外周で、かつ上段攪拌翼52の上方に突設されてなる平板状のもの、ならびに上段攪拌翼52と下段攪拌翼53との間に突設されてなる平板状のものはそれぞれ空気回収用フィン57,58である。
【0004】
従って、回転軸51を回転させながら改良対象地盤に突入させると共に、改良材噴射ノズル54,55から改良材を噴射すると、上・下段攪拌翼52,53の回転により噴射された改良材と土砂とが混合され、改良対象地盤が改良される。ところが、地盤改良機の上・下段攪拌翼52,53を逆回転させると、受働土圧の影響によって逆回転トルクが大きくなり、場合によっては地盤改良の攪拌翼駆動能力を上回る事態が生じて、地盤改良工事ができなくなってしまうことがある。このような不具合の発生をなくするために、攪拌翼の横断断面形状に種々の工夫が凝らされているが、そのような地盤改良機の攪拌翼は、例えば特開昭57−6017号公報において開示されている。
【0005】
以下、この従来例2に係る地盤改良機の概要構成を、その部分切断平面図の図8(a)と、図8(a)のC−C線矢視図の図8(b)とを参照しながら、同公報に記載されている同一名称ならびに同一符号を以って説明すると、回転軸1の放射方向に、硬化剤(改良材)を供給する供給管3,3′‥‥が設けられ、これら供給管3,3′‥‥により、横断断面形状がくの字状に形成されてなる攪拌部材2,2′‥‥の曲部が回動可能に支持されて、所定の角度だけこれら供給管3,3′‥‥回りに回動し得るように構成されてなるものである。
【0006】
従って、上記構成の従来例2に係る地盤改良機によれば、回転軸1が正回転されると、攪拌部材は図(b)において実線で示すように、土砂等の抵抗により正回転側に掬い角を持つように回動し、逆に回転軸1が逆回転されると、二点鎖線で示すように、逆回転側に掬い角を持つように回動することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例2(特開昭57−6017号公報)に係る地盤改良機によれば、上記のとおり、攪拌部材(以下、攪拌翼という。)が供給管回りに所定角度だけ回動する構成であるから、回転軸の正回転、逆回転の如何を問わず自在に回動して攪拌翼の掬い角が同等になる。従って、攪拌翼を逆回転させても逆回転トルクが大きくなるようなことがなく、従来例1に係る地盤改良機の解決すべき課題が解決されるので、極めて有用であると考えられる。
【0008】
しかしながら、上記のとおり、攪拌翼が供給管を回動中心として回動する構成であるため、攪拌翼の構造が複雑でコスト的に不利になるという経済上の解決すべき課題があるのに加えて、例えばこの地盤改良機を砂層地盤改良に適用すると、強度確保の困難さから、砂の抵抗に起因する負荷が大きいため故障する恐れが生じるという信頼性上の解決すべき課題がある。さらに、攪拌翼の逆回転に際して、土砂等の押さえ付け作用を発揮することができないので、改良地盤の品質向上を期待することができないという解決すべき課題もある。
【0009】
従って、本発明の目的とするところは、正回転トルクと同等の逆回転トルクを得ることができ、しかも攪拌翼の構造が簡単で、信頼性が優れると共に、攪拌翼の逆回転に際して土砂等の押さえ付け作用を発揮することができる地盤改良機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、従って上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る地盤改良機が採用した手段は、改良対象地盤に出入自在、かつ内部に地盤を改良する改良材を供給する改良材供給路を有する可逆回転自在な回転軸を備え、この回転軸の最下端には掘削ビットが設けられ、下端側には放射状に突設され、前記改良材供給路から供給される改良材を噴射し、噴射された改良材と土砂とを混合して改良対象地盤を改良する攪拌翼を備えた地盤改良機において、前記放射状に突設された攪拌翼は、回転軸長さ方向に複数段設けられると共に、各段における攪拌翼は同一高さ位置に複数設けられ、各攪拌翼は回転方向に対してそれぞれ正の掬い角を持つ正回転側翼部と逆回転側翼部とを備え、その横断断面形状を中高に形成し、かつ逆回転側翼部の幅を正回転側翼部の幅より小幅に形成すると共に、正回転側翼部の下端が逆回転側翼部の下端よりも下位位置になるように設定したことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に係る地盤改良機が採用した手段は、改良対象地盤に出入自在、かつ内部に地盤を改良する改良材を供給する改良材供給路を有する可逆回転自在な回転軸を備え、この回転軸の最下端には掘削ビットが設けられ、下端側には放射状に突設され、前記改良材供給路から供給される改良材を噴射し、噴射された改良材と土砂とを混合して改良対象地盤を改良する攪拌翼を備えた地盤改良機において、前記放射状に突設された攪拌翼は、回転軸長さ方向に複数段設けられると共に、各段における攪拌翼は同一高さ位置に複数設けられ、各攪拌翼は回転方向に対してそれぞれ正の掬い角を持つ正回転側翼部と逆回転側翼部とを備え、その横断断面形状を中高に形成し、かつ逆回転側翼部の幅を正回転側翼部の幅より小幅に形成し、更に前記回転軸の中空部に流体供給路を設け、前記正回転側翼部の表面または逆回転側翼部の表面あるいは正回転側翼部と逆回転側翼部との表面に、前記流体供給路を通して圧送される流体を噴射する流体噴射ノズルを設けたことを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3に係る地盤改良機が採用した手段は、改良対象地盤に出入自在、かつ内部に地盤を改良する改良材を供給する改良材供給路を有する可逆回転自在な回転軸を備え、この回転軸の最下端には掘削ビットが設けられ、下端側には放射状に突設され、前記改良材供給路から供給される改良材を噴射し、噴射された改良材と土砂とを混合して改良対象地盤を改良する攪拌翼を備えた地盤改良機において、前記回転軸の中空部に流体供給路を設けると共に、前記攪拌翼の正回転側翼部の表面または逆回転側翼部の表面あるいは正回転側翼部と逆回転側翼部との表面に、前記流体供給路を通して圧送される流体を噴射する流体噴射ノズルを設けたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態1に係る地盤改良機を、掘削用ビットを省略したその模式的構成説明図の図1(a)と、図1(a)のA矢視図の図1(b)とを参照しながら説明する。
【0014】
図に示す符号1は、改良対象地盤に出入自在、かつ内部に地盤を改良する改良材を送給する、図示しない改良材供給路を有する可逆回転自在な回転軸である。
そして、この回転軸1の下端側に、相反する方向に突出する後述する構成になる上段攪拌翼2が突設されると共に、この上段攪拌翼2の下側であって、かつこの上段攪拌翼2と90°位相が相違する位置に下段攪拌翼3が突設されている。なお、上・下段攪拌翼2,3はそれぞれ2枚ずつであるが、従来例2に係る地盤改良機のように3枚ずつであっても、また段数は3段以上であっても良いので、特に攪拌翼の枚数や段数に限定されるものではない。
【0015】
上記上段攪拌翼2の横断断面形状は台形山形状に折曲形成されてなる形状になっている。より詳しくは、垂直線と表面とのなす角度、即ち掬い角θ U1 が大きな回転軸1の正回転側の正回転側翼部2aと、同じく掬い角θ U2 が大きな回転軸1の逆回転側の逆回転側翼部2bと、これら正回転側翼部2aと逆回転側翼部2bとが連なる面がほぼ水平な中央翼部2cとからなっている。また、上記下段攪拌翼3も、上段攪拌翼2と同様に、横断断面形状が台形状に折曲形成されてなる形状になっていて、垂直線と表面とのなす角度、即ち掬い角θ L1 が大きな回転軸1の正回転側の正回転側翼部3aと、同じく掬い角θ L2 が大きな回転軸1の逆回転側の逆回転側翼部3bと、これら正回転側翼部3aと逆回転側翼部3bとが連なり、回転軸1の正回転側方向に大きな掬い角を持つ、平面が若干傾斜した中央翼部3cとからなっている。なお、掬い角θU1,θU2,θL1,θL2は、何れも30〜60°の範囲内に設定することが好ましい。
【0016】
さらに、上段攪拌翼2の逆回転側翼部2bの幅は、正回転側翼部2aの幅よりも小幅に設定されていて、正回転側翼部2aの下端面が逆回転側翼部2bの下端面よりもδU下位位置になるように設定されると共に、下段攪拌翼3も上段攪拌翼2と同様に、逆回転側翼部3bの幅が正回転側翼部3aの幅よりも小幅に設定されていて、正回転側翼部3aの下端面が逆回転側翼部3bの下端面よりもδL下位位置になるように設定されている。このように、攪拌翼の正回転側翼部の下端面と逆回転側翼部の下端面との間に、高さの差δU,δLを設けたのは、上・下段攪拌翼2,3の逆回転に際して、土砂等の押さえ付け作用を発揮させることを狙いとしたものである。なお、回転軸1の外周面であって、かつ上段攪拌翼2の中央翼部2cの下側と、下段攪拌翼3の中央翼部3cの下側とのそれぞれに開口してなるものは、回転軸1の中空部に設けられた図示しない改良材供給路から送給される改良材を噴射する改良材噴射ノズル4,5である。
【0017】
以下、上記構成の本実施の形態1に係る地盤改良機の作用態様について説明すると、回転軸1を図示しない地盤改良機で回転させながら改良対象地盤に突入させると共に、改良材を改良材供給路から供給して改良材噴射ノズル4,5から噴射させると、上・下段攪拌翼2,3の回転により改良材と土砂等が混合されて改良対象地盤が改良される。ところが、このような地盤改良に際して上・下段攪拌翼2,3を逆回転させても、これら上・下段攪拌翼2,3の逆回転側翼部2b,3bは掬い角θU2,θL2を持っていて、正回転トルクと同等程度の逆回転トルクとなるので、従来例1のように、受働土圧の影響による逆回転トルクの増大によって地盤改良工事ができなくなってしまうというようなことがないので、従来例2と同等の効果を得ることができる。
【0018】
また、これら上・下段攪拌翼2,3は、従来例2に係る地盤改良機のように、攪拌翼が供給管回りに所定角度だけ回動する構成でなく、曲げ形成されただけの構成で構造が簡単であるから、従来例2に係る地盤改良機に比較してコスト的に有利になり、そしてこれら上・下段攪拌翼2,3の基端側が回転軸1に突設されている構成であるから強度に関しても有利になり、結果的に地盤改良機の信頼性の向上が可能になる。さらに、上記のとおり、上・下段攪拌翼2,3の逆回転側翼部2b,3bの端面と正回転側翼部2a,2bの端面との間に、高さの差δU,δLが設けられていて、上・下段攪拌翼2,3の逆回転に際して、正回転側翼部2a,2bの内側面で土砂等を押さえ付けることができるので、改良地盤の品質向上を期待することができるという優れた効果がある。
【0019】
本発明の実施の形態2に係る地盤改良機を、掘削用ビットを省略したその模式的斜視図の図2を参照しながら説明する。但し、この実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、流体噴射ノズルの有無にあるから、同一のものには同一符号を付して、その相違する点だけについて説明すると、回転軸1の中空部に図示しない流体供給路を設けると共に、この回転軸1の外周部に、流体供給路から供給される流体を上・下段攪拌翼2,3の正回転側翼部2a,3aの表面に噴射する流体噴射ノズル6,7を設けてなる構成としたものである。なお、これら流体噴射ノズル6,7から噴射させる流体としては、水等の液体や空気等の気体の何れをも使用することができる。そして、流体を噴射させる時期は、上・下段攪拌翼2,3が改良対象地盤の土砂等を押さえ付ける逆回転時だけであっても良く、また地盤改良中を通じて噴射し続けても良い。
【0020】
従って、上・下段攪拌翼2,3の正回転側翼部2a,3aの表面に流体が噴射されると、上・下段攪拌翼2,3と土砂との間の抵抗が減少するので、回転トルクが減少し、地盤改良機の信頼性が一層向上する。また、これにより、地盤改良機の小形化と軽量化とが可能になるという効果も生じる。なお、この実施の形態2にあっては、上記のとおり、回転軸1の外周に、上・下段攪拌翼2,3の正回転側翼部2a,3aの表面に流体を噴射する流体噴射ノズル6,7を設けたが、逆回転側翼部2b,3bの表面に,あるいは正回転側翼部2a,3aの表面と逆回転側翼部2b,3bの表面とのそれぞれに流体を噴射する流体噴射ノズルを設けることができる。
【0021】
本発明の実施の形態3に係る地盤改良機を、掘削用ビットを省略したその模式的斜視図の図3を参照しながら説明する。但し、この実施の形態3が上記実施の形態2と相違するところは、流体噴射ノズルの配設位置の相違にあるから、同一のものには同一符号を付して、その相違する点だけについて説明すると、回転軸1の中空部に図示しない流体供給路を設けて、この流体供給路の回転軸1から導出した導出管路8,9を上・下段攪拌翼2,3の中央翼部2c,3cに沿わせると共に、先端を折曲げて導出管路8,9の先端部に設けた流体噴射ノズル8a,9aのそれぞれを回転軸1の方向に向け、これら流体噴射ノズル8a,9aからこれら上・下段攪拌翼2,3の正回転側翼部2a,3aの表面に流体を噴射するようにしたものである。
【0022】
従って、これら流体噴射ノズル8a,9aから上・下段攪拌翼2,3の正回転側翼部2a,3aの表面に流体が噴射されると、上・下段攪拌翼2,3と土砂との間の抵抗が減少するので、本実施の形態3は上記実施の形態2と同効である。勿論、本実施の形態3に係る地盤改良機の場合でも、逆回転側翼部2b,3bの表面に,あるいは正回転側翼部2a,3aの表面と逆回転側翼部2b,3bの表面とのそれぞれに流体を噴射する構成にすることができる。
【0023】
ところ、以上では、地盤改良機の上・下段攪拌翼2,3の横断断面形状が台形山形状に折曲形成されてなる形状であって、かつ正回転側翼部と逆回転側翼部との面が平坦である場合を例として説明した。しかしながら、例えば実施の形態4に係る攪拌翼の横断断面図の図4(a)に示すように、正回転側翼部と逆回転側翼部との面が凹状に湾曲する構成であっても、また実施の形態5に係る攪拌翼の横断断面図の図4(b)に示すように、正回転側翼部と逆回転側翼部との面が円弧状に膨出する構成であっても、さらに実施の形態6に係る攪拌翼の横断断面図の図4(c)に示すように、中央翼部がなく、正回転側翼部と逆回転側翼部とが直接連なる三角山形状に形成されてなる構成であっても良いものである。
【0024】
本発明の実施の形態7に係る地盤改良機を、掘削用ビットを省略したその模式的斜視図の図5を参照しながら、上記実施の形態2と同一のもの並びに同一機能を有するものに同一符号を付して説明すると、回転軸1には上段攪拌翼2と下段攪拌翼3とが突設されている。上段攪拌翼2の横断断面はくの字状に形成され、掬い角が大きな正回転側翼部2aと、この正回転側翼部2aに鈍角を持って連なり、若干傾斜した大きな掬い角を持つ逆回転側翼部2bとから構成されていて、横断断面形状は従来例1の下段攪拌翼と同形状になるものである。また、下段攪拌翼3の横断断面形状も上段攪拌翼2の横断断面形状と同様に、掬い角が大きな正回転側翼部3aと、この正回転側翼部3aに鈍角を持って連なり、若干傾斜した大きな掬い角を持つ逆回転側翼部3bとから構成されている。そして、回転塾1の中空部に図示しない流体供給路を設けると共に、この回転軸1の外周部に、流体供給路から供給される流体を上・下段攪拌翼2,3の正回転側翼部2a,3aの表面に噴射する流体噴射ノズル6,7を設けた構成としたものである。
【0025】
以上の説明から良く理解されるように、本実施の形態7と上記実施の形態2とは、上・下段攪拌翼2,3の横断断面形状が相違(横断断面形状の従来例1の下段攪拌翼と同様である。)するだけである。従って、逆回転により上・下段攪拌翼2,3には改良対象地盤の土砂等の押さえ付け力に基づく抵抗が作用するが、上・下段攪拌翼2,3の正回転側翼部2a,3aの表面に流体が噴射され、回転トルクが減少するので、本実施の形態7は上記実施の形態と同効である。
【0026】
本発明の実施の形態8に係る地盤改良機を、掘削用ビットを省略したその模式的斜視図の図6を参照しながら、上記実施の形態3と同一のもの並びに同一機能を有するものに同一符号を付して説明すると、同図から良く理解されるように、回転軸1に突設されている上段攪拌翼2と下段攪拌翼3との横断断面形状は、上記実施の形態4に係る上・下段攪拌翼2,3と同様であって、かつ実施の形態3と同様に、回転軸1の中空部に図示しない流体供給路を設け、この流体供給路の回転軸1から導出した導出管路8,9を上・下段攪拌翼2,3の逆回転側翼部2b,3bに沿わせると共に、先端を折曲げて導出管路8,9の先端部に設けた流体噴射ノズル8a,9aを回転軸1の方向に向け、これら流体噴射ノズル8a,9aからこれら上・下段攪拌翼2,3の正回転側翼部2a,3aの表面に流体を噴射するようにしたものである。
【0027】
以上の説明から良く理解されるように、本実施の形態8と上記実施の形態7とは、流体の噴射方式が相違するだけである。従って、上記実施の形態7と同様に、逆回転により上・下段攪拌翼2,3には改良対象地盤の土砂等の押さえ付け力に基づく抵抗が作用するが、上・下段攪拌翼2,3の正回転側翼部2a,3aの表面に流体が噴射されると、上・下段攪拌翼2,3と土砂との間の抵抗が減少するので、本実施の形態8は上記実施の形態と同効である。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1に係る地盤改良機によれば、攪拌翼の横断断面形状が中高になるように形成され、正回転側翼部と逆回転側翼部とが掬い角を持っていて、攪拌翼に作用する正回転トルクと逆回転トルクとが同等程度なるので、従来例1のように、受働土圧の影響による逆回転トルクの増大によって地盤改良工事ができなくなってしまうというようなことがなく、従来例2と同等の効果を得ることができる。また、攪拌翼は曲げ形成されただけの構成で、供給管回りに所定角度だけ回動する従来例2に係る地盤改良機の攪拌翼のように複雑でなく構造が簡単であるからコスト的に有利になり、そして攪拌翼の基端側が回転軸に突設されている構成であるから強度に関しても有利になり、地盤改良機の信頼性の向上が可能になる。そして、攪拌翼の正回転側翼部の下端が逆回転側翼部の下端より下位位置になるように設定されていて、攪拌翼の逆回転に際して、正回転側翼部下部の内側面で土砂等を押さえ付けることができるので、改良地盤の品質向上を期待することができるという優れた効果がある。
【0029】
また、本発明の請求項2に係る地盤改良機によれば、上記効果に加えて、流体噴射ノズルから噴射される流体により攪拌翼と土砂との抵抗が減少して、攪拌翼の回転トルクが小さくなるので、地盤改良機の信頼性が一層向上するという優れた効果がある。
【0030】
また、本発明の請求項3に係る地盤改良機によれば、攪拌翼の横断断面形状によっては、逆回転時に改良対象地盤の土砂等の押さえ付け力に基づく抵抗が作用するが、流体噴射ノズルから噴射される流体により攪拌翼と土砂との抵抗が減少して、攪拌翼の回転トルクが小さくなるので、本発明の請求項に係る地盤改良機と同様な効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係り、図1(a)は掘削用ビットを省略した地盤改良機の模式的構成説明図で、図1(b)は図1(a)のA矢視図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係り、掘削用ビットを省略した地盤改良機の模式的斜視である。
【図3】本発明の実施の形態3に係り、掘削用ビットを省略した地盤改良機の模式的斜視である。
【図4】図4(a)は実施の形態4に係る攪拌翼の横断断面図で、図4(b)は実施の形態5に係る攪拌翼の横断断面図で、図4(c)は実施の形態6に係る攪拌翼の横断断面図である。
【図5】本発明の実施の形態7に係り、掘削用ビットを省略した地盤改良機の模式的斜視である。
【図6】本発明の実施の形態8に係り、掘削用ビットを省略した地盤改良機の模式的斜視である。
【図7】従来例1に係り、図7(a)は地盤改良機の構成説明図で、図7(b)は図(a)のA矢視図である。
【図8】従来例2に係り、図8(a)は地盤改良機の部分切断平面図で、図(b)は図(a)のC−C線矢視図である。
【符号の説明】
1…回転軸
2…上段攪拌翼,2a…正回転側翼部,2b…逆回転側翼部,2c…中央翼部
3…下段攪拌翼,3a…正回転側翼部,3b…逆回転側翼部,3c…中央翼部
4…改良材噴射ノズル
5…改良材噴射ノズル
6…流体材噴射ノズル
7…流体材噴射ノズル
8…導出管路,8a…流体材噴射ノズル
9…導出管路,9a…流体材噴射ノズル

Claims (3)

  1. 改良対象地盤に出入自在、かつ内部に地盤を改良する改良材を供給する改良材供給路を有する可逆回転自在な回転軸を備え、この回転軸の最下端には掘削ビットが設けられ、下端側には放射状に突設され、前記改良材供給路から供給される改良材を噴射し、噴射された改良材と土砂とを混合して改良対象地盤を改良する攪拌翼を備えた地盤改良機において、前記放射状に突設された攪拌翼は、回転軸長さ方向に複数段設けられると共に、各段における攪拌翼は同一高さ位置に複数設けられ、各攪拌翼は回転方向に対してそれぞれ正の掬い角を持つ正回転側翼部と逆回転側翼部とを備え、その横断断面形状を中高に形成し、かつ逆回転側翼部の幅を正回転側翼部の幅より小幅に形成すると共に、正回転側翼部の下端が逆回転側翼部の下端よりも下位位置になるように設定したことを特徴とする地盤改良機。
  2. 改良対象地盤に出入自在、かつ内部に地盤を改良する改良材を供給する改良材供給路を有する可逆回転自在な回転軸を備え、この回転軸の最下端には掘削ビットが設けられ、下端側には放射状に突設され、前記改良材供給路から供給される改良材を噴射し、噴射された改良材と土砂とを混合して改良対象地盤を改良する攪拌翼を備えた地盤改良機において、前記放射状に突設された攪拌翼は、回転軸長さ方向に複数段設けられると共に、各段における攪拌翼は同一高さ位置に複数設けられ、各攪拌翼は回転方向に対してそれぞれ正の掬い角を持つ正回転側翼部と逆回転側翼部とを備え、その横断断面形状を中高に形成し、かつ逆回転側翼部の幅を正回転側翼部の幅より小幅に形成し、更に前記回転軸の中空部に流体供給路を設け、前記正回転側翼部の表面または逆回転側翼部の表面あるいは正回転側翼部と逆回転側翼部との表面に、前記流体供給路を通して圧送される流体を噴射する流体噴射ノズルを設けたことを特徴とする地盤改良機。
  3. 改良対象地盤に出入自在、かつ内部に地盤を改良する改良材を供給する改良材供給路を有する可逆回転自在な回転軸を備え、この回転軸の最下端には掘削ビットが設けられ、下端側には放射状に突設され、前記改良材供給路から供給される改良材を噴射し、噴射された改良材と土砂とを混合して改良対象地盤を改良する攪拌翼を備えた地盤改良機において、前記回転軸の中空部に流体供給路を設けると共に、前記攪拌翼の正回転側翼部の表面または逆回転側翼部の表面あるいは正回転側翼部と逆回転側翼部との表面に、前記流体供給路を通して圧送される流体を噴射する流体噴射ノズルを設けたことを特徴とする地盤改良機。
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