JP5975266B2 - 砕石杭形成用アタッチメント - Google Patents
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地盤改良技術には幾つかの方法が提案されているが、砕石杭工法は自然石を用い、環境にやさしくしかもCO2負荷が小さい工法として高い評価を得ている。
特許文献1には、回転軸の下端に螺旋状の掘削翼を備え、この掘削翼より上部の回転軸部を包囲する円筒状のケーシングと、このケーシング周側壁の長さ方向に沿い、複数の開閉自在な砕石投入口が二列に設けれた無排土砕石杭形成具の発明が開示されている。
また、特許文献3には、螺旋状の地中掘削翼と、少なくとも一つの付加掘削翼とを備えた砕石杭形成ヘッドが開示されている。この砕石地中杭形成ヘッドは正転方向の回転で螺旋状の地中掘削翼が円筒部と共回りして地中を下方に向かって掘削する。そして、反転方向の回転で、付加掘削翼が円筒部内に投入された砕石を上方から下方に掻き下ろし、地中掘削翼が砕石に押圧を加える。この付加掘削翼は、地中掘削翼から分離されて地中掘削翼の上方に配置されるのが特徴とされている。
また、スクリュー形掘削ツールでは、地中に形成された穴空間に砕石を投入して砕石杭を形成する際、砕石をスクリュー翼の上部に投入させる。また、この投入された砕石を、スクリューの逆回転によりスクリュー上部から下方に掻き降ろし、地中の穴空間に充填させて砕石杭を形成する。この時、スクリューが掻き降ろした砕石を回転しながら下方に強く押しつけることで、堅牢な砕石杭を形成させている。
砕石杭形成用アタッチメントである。
この砕石杭形成用アタッチメントには、少なくとも掘削手段と、該掘削手段の下端部に配置される撹拌パドルの2つの基本構成要素が装備される。
このうち、一方の基本構成要素である撹拌パドルは、略円形断面のロッドの軸方向表面に複数の多角平板がそれぞれその平板面を沿わせて一体に取付けられて構成される。また、撹拌パドルを上方視したとき、多角平板のロッドへの当接角度(図13の角度α)を、ロッドの接線方向を基準として0〜90度より小さい範囲に設定する。しかもこれら複数の多角平板はロッド軸を中心点として点対象に配置される。
掘削時の撹拌パドルの回転方向を正回転、締固め時の回転方向を逆回転と定めると、撹拌パドルは正回転で、土砂が回転中心に集積するように作用し、逆回転で、砕石が回転中心より拡散するように作用する。また、土砂の回転中心への集積効果や、砕石を回転中心より拡散させる効果は、多角平板のロッドへの当接角度で調節可能に設定される。
このうち、筒状のケーシングを用いる場合は、ケーシング外壁に螺旋状のスクリューを設けて旋回させることで更に掘削能力を高めることができる。
なお、地中に形成する砕石杭用の穴空間は、筒状のケーシングを用いなくても周知のスクリュー方式の掘削機を用いても形成できる。
なお、平板や曲面平板をロッドに対し傾斜させることで、撹拌パドルに撹拌効果に加えて掘削効果を賦与させることができる。この掘削効果は傾斜角の大きさに比例して大きくなり、砕石の落下は傾斜角が小さい程有利であり、両特性はトレードオフの関係にある。
レーンの何れにも着脱自在に装着できる着脱手段を有している。この脱着脱着装置は地盤改良装置、バックフォー、クレーンにそれぞれ特有の着脱手段であっても、複数の装置に共通して使用できるものであってもよい。これにより本発明の砕石杭形成用アタッチメントは様々な装置に装着して使用することができる。
第2の構成例によれば、撹拌パドルに曲面平板を用いるので、撹拌パドル表面に負荷される面圧の均一化と、撹拌効果の促進が図れる。
第4の構成例によれば、平板の下端部に斜板が設けられ、この斜板で砕石表面を押圧するが、斜板は一定の面積を有するので、凹凸の激しい砕石表面状態であっても、圧接の衝撃を緩和させながら押圧できる。従って、パドルの磨滅箇所は一様に分散化し、また施工装置の受ける押圧衝撃も緩和され、安定した運転操作ができる。
第6の実施例によれば、ケーシング下端に設けられた爪により、掘削能力アップが図れ砕石杭形成時間を短縮できる。また、撹拌パドルとは別に付加翼が設けられるので、地下水層が存在する軟弱地盤に対し、撹拌パドルと付加翼の間に充填される土砂や砕石により、ケーシング内への泥水の侵入を完全に遮断でき、安定した施工を実施できる。
ドルである。
このうち、図3は基本となる多角平板パドル10である。多角平板パドル10はロッド1
1を挟み一対の多角平板12、12がロッド11の軸心を対象点として対象配置される。
図13は多角平板12のロッド11に対する当接角度の説明図で、図3の多角平板パドル
10では当接角度、α=0としている。また、図14はロッド軸に対する多角平板12の
配設方向を示すもので、図3の多角平板パドル10ではβ=0としている。各平板は長方
形の4隅のうち、外周側底辺を切落した形状としている。また、長辺の平板面をロッド軸
と並行に重ねて一体化される。平板の材質は例えば鋼板であり、一体化は例えば溶接等に
より実施することができる。ロッド下端面には図示しない爪を設けることができる。また、
平板隅部の切落しにより、切落しが無い場合に生じ易い衝撃反力の抑制や、平板の異常摩
耗などを抑制することができる。
多角平板パドル10は、例えば図9に示すようにエコジオ地盤改良装置30に組込まれ使
用される。
砕石杭形成工事は次の手順で進められる。
(1)まず、エコジオ地盤改良装置30のキャタピラ38を駆動させて、車体35を砕石 杭形成地点まで移動させ、アウトリガー37を伸長させて、車体35を工事地点に 固定させる。
(2)砕石杭形成アタッチメント20の下部に設けられたプレス装置24を地表に押付け 、駆動モータ33を正転させ、これにより駆動される多角平板パドル10を回転さ せながら、多角平板パドル10を地盤19に接触させて掘削作業を開始させる。
(4)多角平板パドル10が地盤内に完全に侵入するとケーシング21の下端部が地盤に 接触し、ケーシングスクリュー22が地盤の掘削を開始する。このとき、プレス装 置24のプレスにより、掘削土砂が地表に盛り上がるのは防止される。
(6)所定の深さまで掘り進み穴空間80が形成されたことを確認して駆動モータが停止 させる。ケーシング21の外周に設けられた開閉蓋27をこじ開け、ホッパー26 に設けられた樋の先端をケーシング21内部に挿入する。次いで、駆動モータ43 を逆回転させる。このとき、ホッパー26に設けられた図示しない砕石投入装置を 駆動させ、ケーシング21内への砕石81の投入を開始させる。
(8)ケーシング内に最初に投入された砕石は、穴空間80内に泥水が存在する場合であ っても、地盤内に形成された穴空間80内の底部まで落下する。多角平板パドル1 0は多角平板12、12で構成されるため、最初に投入された砕石は多角平板パド ル10の隙間をすり抜け容易に多角平板パドル10の下部まで落下する。また、砕 石は逐次投入されるので、後続の砕石により多角平板パドル10は埋め込まれた状 態になる。
(10)ケーシング21は、多角平板パドル10が砕石81を押付けるとき受ける反力と 、スライダー34の引上げ力により逐次地上に引上げられる。
(11)砕石81の充填が地上まで到達することで、砕石杭82の形成工事は終了する。
図4は3枚平板パドルの外観図である。3枚平板パドル17はロッド11を挟み3枚の多
角平板18、18、18がロッド11の軸心を対象点として対象配置される。各平板は長
方形の4隅のうち、外周側底辺を切落した形状としている。また、長辺の平板面をロッド
軸と並行に重ねて一体化される。平板の材質は例えば鋼板であり、一体化は例えば溶接等
により実施することができる。ロッド下端面には図示しない爪を設けることができる。ま
た、平板枚数2枚の図3よりも衝撃反力や、平板の異常摩耗を一層抑制することができる。
付加翼71はロッド11の軸心を対象点として2枚の曲面翼が対象配置されて構成される。付加翼71は、掘削工程と、砕石投入時のそれぞれの工程に於いて次の機能を発揮する。まず、掘削時においては、斜板付パドル60と付加翼71間のスペースに掘削中の土砂が充填されるので、例えば地盤中に水脈があっても、ケーシング21内に泥水が浸入するのを防止できる。
次の砕石投入工程に於いては、付加翼71の上方から投入される砕石を付加翼71で一旦受け止め、付加翼の回転により強制的に下方へ掻き下ろす。このとき、付加翼は駆動モータ33により回転駆動されるので、付加翼の回転トルクにより、砕石は強い力で下方にプレスされる。従って、地下水層の泥水がケーシング21内に侵入してしまった場合であっても砕石が受ける泥水の浮力に抗して、安定的に砕石を斜板付パドル60の下までに供給でき、堅牢な砕石杭を形成させることができる。
図10のスクリュー式地盤改良装置40は、主要部がロッド42の周囲に形成されるオーガースクリュー41と、ロッド42の下端に設けられる多角平板パドル10と、駆動モータ43で構成される。
またこれら主要部はジョイント部44を介して、建柱車48に積載されるクレーン装置47から伸びるブーム46の先端部に懸垂される。駆動モータ43は建柱車48に搭載されるクレーン装置47の制御部により制御される。
砕石杭形成工事は次の手順で進められる。
(1)作業現場まで建柱車48を移動させ、建柱車48の位置決めを行った後、アウトリ ガー45のジャッキを作動させ建柱車48の車体を所定位置に固定する。次いで、 ロッド42を地面に対し鉛直になるよう懸垂させ、多角平板パドル10を接地させ 駆動モータ43を正回転させながらブーム下端を逐次降下させ掘削作業を開始させ る。
(2)ブーム46の先端の下降により、多角平板パドル10は接触する地盤の土砂を撹拌 するので、ブーム46の下端の下降に伴い多角平板パドル10は逐次地盤内に侵入 する。
(4)掘削工程では多角平板パドル10で地盤を撹拌し、オーガースクリュー41で地盤 を掘り進みながら、所定の掘削深さに到達する。
(6)穴空間80に投入される砕石は、オーガースクリュー41の逆回転で逐次穴空間8 0の底部まで輸送される。多角平板パドル10の位置まで輸送された砕石は多角平 板パドル10の隙間を通過して容易に多角平板パドル10の下部まで落下する。ま た、砕石は次々輸送されるので、後続の砕石により多角平板パドル10は埋められ る。
(9)オーガースクリュー41は、砕石を穴空間80の深部に輸送するとき受ける反力と 、クレーン装置47のブーム46の引上げ力で、逐次地上に引き上げられる。
(10)オーガースクリュー41と多角平板パドル10が地上に引き上げられ、砕石81 の充填が地上まで到達することで、砕石杭が所定位置に形成され工事は終了する。
図12にバックフォー装置93に砕石杭形成用アタッチメント20を組込んだバックフォー砕石杭形成装置90を示す。砕石杭形成用アタッチメント20は、駆動結合部23と駆動モータ33が結合し、カム結合部とカム機構39が結合されて一体化される。また、砕石杭形成用アタッチメント20の下部にはプレス装置24が設置され、掘削時に排出される土砂の盛り上がりが抑えられる。鉛直方向に立設されるリーダー32にはガイドレールが設けられており、スラーダー34が砕石杭形成用アタッチメント20と一体にこのガイドレール上を昇降する。
(1)砕石杭施工範囲に地下水層がある場合、発明装置では問題にならないが、比較装置 では砕石杭の形成は困難になる。
(2)発明装置での砕石投入量は、計算量より大幅に多く、撹拌パドルの撹拌効果により 砕石杭が幅方向に拡大されて形成されることが確認できる。また、撹拌パドルの機 能を考慮すると、砕石の充填密度も十分高いものと推定される。
本発明による砕石杭形成アタッチメントを装備する地盤改良装置は、地下水位の高い軟弱地盤であっても、確実に砕石杭を形成でき、しかもアタッチメント下端部に取付けられる撹拌パドルの摩耗寿命が長い。これらの特徴を生かし、一般住宅やビル建設の地盤改良のみならず、米国で施工実績の進んでいる風力発電の風車、工場、石油タンク向け分野の地盤改良装置としても好適に活用できる。
11 ロッド
14 曲面パドル
20 砕石杭形成アタッチメント
21 ケーシング
22 ケーシングスクリュー
23 駆動結合部
24 プレス装置
26 ホッパー
27 開閉蓋
30 エコジオ地盤改良装置
31 ジョイント部
33 駆動モータ
35 車体
40 スクリュー式地盤改良装置
41 オーガースクリュー
43 駆動モータ
46 ブーム
48 建柱車
49 ホッパー
50 屈折平板パドル
60 斜板付パドル
62 斜板
70 付加翼付撹拌パドル
71 付加翼
80 穴空間
82 砕石杭
90 バックフォー砕石杭形成装置
93 バックフォー装置
α 当接角度
β ロッド軸に対する多角平板の配設方向
Claims (7)
- 地中に挿入されて空間を形成し、前記地中から上昇しつつ前記空間に砕石杭を形成する
砕石杭形成用アタッチメントであって、
少なくとも掘削手段と、該掘削手段の下端部に配置される撹拌パドルとを備えて構成され
ており、
前記撹拌パドルは、複数の多角平板が略円形断面のロッド中心に前記多角平板の平板面が
前記ロッドの軸方向表面に沿わせて点対象に配置され、前記多角平板の前記ロッドへの当
接角度が、前記ロッドの接線方向を基準として0〜90度より小さい範囲に設定されて一
体化されており、
掘削時の回転(正回転)により、土砂が回転中心に集積するように作用し、
締固め時の回転(逆回転)により、砕石が回転中心より拡散するように作用するものであ
って、
前記掘削手段が前記ロッドを包囲する筒状のケーシングまたは、スクリューであることを
特徴とする砕石杭形成用アタッチメント。 - 前記多角平板が曲面を有する曲面平板であることを特徴とする請求項1に記載の砕石杭
形成用アタッチメント。 - 前記多角平板で形成される前記撹拌パドルが径方向途中に於いて、外周が遅れ方向に屈
折する屈折平板又は、外周が遅れ方向に曲る曲面平板であることを特徴とする請求項1若
しくは2の何れか1項に記載の砕石杭形成用アタッチメント。 - 前記撹拌パドルの前記平板、または前記屈折平板がそれぞれの平板に加え、該平板の下
端部に斜板を備えることを特徴とする請求項1若しくは3の何れか1項に記載の砕石杭形
成用アタッチメント。 - 前記撹拌パドルの前記平板または曲面平板が、前記ロッドの軸方向に対し所定角度傾斜
して固着・配設されることを特徴とする請求項1若しくは4の何れか1項に記載の砕石杭
形成用アタッチメント - 前記ケーシングが筒部と、該筒部下端に固設される爪で構成され、
前記撹拌パドルが、複数段に形成され、最下段に形成される前記撹拌パドルに加え、前記
撹拌パドルから隔離され、前記撹拌パドルの上方で、且つ、前記ケーシング下端より所定
寸法内側に配置される付加翼が、前記ロッドと一体に配設されていることを特徴とする請求項1若しくは5の何れか1項に記載の砕石杭形成用アタッチメント。 - 前記砕石杭形成用アタッチメントが、地盤改良装置、バックフォー又は、クレーン車に
着脱自在に装着できる着脱手段を有することを特徴とする請求項1若しくは6の何れか一
項に記載の砕石杭形成用アタッチメント
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