JP4636997B2 - 地下連続壁用水平多軸掘削機及びそれを使用した地下連続壁工法 - Google Patents
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Description
ドラムの回転駆動は、一例を挙げると、ドラム内に油圧モータを配置し、ドラムの回転軸を駆動するものであるが、油圧モータに作動油を供給するための配管をドラムとドラムの間からドラム内に供給するようにしてあるので、必然的に配管を設置するための空間をドラム間に設けなければならず、そのため、いずれの掘削歯も到達しない領域が生じ、その結果未掘削部分が残ってしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、図8に示すように、ドラムに設けた掘削歯を揺動できるようにヒンジ構造として枢支し、掘削歯が掘削土砂からの抵抗力でドラムの中心側に倒れるようにして掘削機の中心部に未掘削部分が発生するのを防止することが特許文献1で提案されている。
また、本発明者は、図9に示すように、水平多軸掘削機のドラムのドライブシャフトの両端の主ドラムの内側に設けた副ドラムがカラーに横移動可能に取り付けてあり、副ドラムの最内側に上部周縁からドライブシャフトに向かって厚みが薄くなる傾斜案内板を取り付けることによって副ドラムがドライブシャフトに対して傾斜状態で回転するようにしてドラムの下部には未掘削領域が形成されないようにした水平多軸掘削機を提案した。
そこで、大きな摩擦力を生ずることなく、副ドラムを傾斜させるための機構のメンテナンスを容易にし、ドラムの掘削歯が到達し得ない領域が発生しないようにするものである。
副ドラム側面の本体中心側に、副ドラムの傾斜を制御するためのカムとプレートが取り付けてあり、副ドラムの回転に伴ってカムとカムプレートによって副ドラムは傾斜する。
更に具体的には、副ドラムの掘削歯の取り付け位置には中心側に突出するカムが設けてあり、このカムが水平多軸掘削機の中心の両側に設けた上部が下部より外側に突出するカムプレートによって副ドラムを傾斜させて掘削歯の未到達領域を解消するものである。
また、掘削撹拌歯を表面に配設したドラムを並列配置した水平多軸掘削機において、水供給装置、土砂揚泥装置、撹拌用エア供給装置及びセメントミルク供給装置を備えたものであり、礫や玉石を土砂揚泥装置で土壌中から除去し、地上で分離撤去して土砂を戻すことができるようにしたものである。
水供給装置と土砂揚泥装置を備えた多軸掘削機を使用することにより、水を供給して地盤を掘削しながら土砂揚泥装置で掘削土砂を排土し、一定大きさ以上の石等を選別除去して掘削穴に戻し、所定深度に達したら、セメントミルクを供給すると共に土砂とセメントミルクを撹拌混合し、掘削現場の土砂を利用して地下連続壁を構築するものである。
また、土砂揚泥装置によって礫や玉石を地上に排出するので掘削段階で障害物となり得るものが除去されており、地下連続壁の芯材を所定の深度まで挿入することが容易である。
水平多軸掘削機は、図2のドライブシャフト組立体10の断面図に示すように、内部に油圧モータ11が内蔵されており、ドライブシャフト12の両端のフランジ13には図1に示すように主ドラム2が取り付けられ、主ドラム2の内面側には凹部21が形成されている。
この主ドラム2の内側には凹部21にならった凸部22を有する副ドラム3が設けてあり、両者はドライブシャフト12によって同期して回転する。
副ドラム3は、図4に示すように、固定リング32と揺動リング33がピン4で連結されており、固定リング32は主ドラム2と連結されており、揺動リング33はピン4を中心にして僅かな角度(1〜5度)の揺動が可能である。
副ドラム3の掘削歯31の位置には、本体の内側に突出するカム34が設けてあり、カムプレート14にカム34が接触しながら回転する。
カム34とカムプレート14は、逆の配置にしてもよく、副ドラム側にカムプレート14を設け、本体側の最上部に外側に突出するカム34を設けるようにしてもよい。この場合、カムプレート14は平板のリングである。
以上のように、水平位置で揺動リング33の内側と外側が入れ替わりながら、上部では外側に傾き、下部では中心側に向くので、従来、掘削歯が到達し得ずに堀り残りとなる掘削機本体の中心下部を掘削することができ、掘り残しがなくなるのである。
また、地下連続壁などの溝を掘削するだけでなく、地盤改良機や掘削土砂を固壁材として利用する地下連続壁工法にも適用することができる。
図5に示すように、水平多軸掘削機1の本体上部は、上側に向かって絞ってあって斜面16が形成してあり、ドラムが掘り起こした掘削土砂と固化材を混合して地盤改良をしたり、現地土壌を利用した地下連続壁の構築の場合、掘削機が粘性の大きな泥状体にあるときの装置を地上に引き上げる際の抵抗を軽減し、引き上げを容易にしている。
エアリフト管5の両脇にセメントミルクと土砂の混合を促進するための撹拌用空気を噴出する空気ノズル81が設けてあり、空気はエアコンプレッサーに接続されているエアパイプを通じて供給される。最外側には、掘削土砂を流動化するための水を噴出する水供給パイプ9に接続された水供給ノズル91が設けてある。
対向するドラムは互いに逆回転して土壌を掘り起こして緩め、掘削機本体1の中心側にかき集められ、供給された水によって泥状となり、エアリフトによって地上に排出される。
対向するドラムの掘削撹拌歯の回転軌跡がオーバーラップするため、掘削撹拌されない領域がほとんどなくなる。
図6に示すように、ドラムの直径程度の深さの溝を形成し、その中に水平多軸掘削機1をセットし、水を供給しながら掘削を開始し、泥状化した掘削土砂をエアリフトで地上に排出すると共にセメントミルクを固結材として供給し、エアを噴出して土砂とセメントミルクを均一に混合する。
掘削現場に礫層が存在したり、玉石が混在していると掘削速度が低下すると共に、掘削土砂とセメントミルクを混合して地下連続壁とする場合、補強用のH鋼等の芯材を掘削穴に挿入する際に、芯材が玉石に邪魔されて所定の深度まで挿入できず、切断しなければならないことがある。芯材が所定深度まで設置できないと、地下連続壁の強度にも影響するが、土砂と固結材のセメントミルクがすでに混合されているため、玉石を除去するなどの対応策をとるのが困難であった。
11 油圧モータ
12 ドライブシャフト
13 フランジ
14 カムプレート
2 主ドラム
3 副ドラム
34 カム
4 ピン
Claims (6)
- 水平多軸掘削機のドライブシャフトの両端に主ドラムが取り付けてあり、この主ドラムの内側に副ドラムがドライブシャフトに対して傾斜可能に設けてあり、副ドラムはカムによって傾斜させられて掘削歯が下部において掘削機本体の中心近傍を通過する水平多軸掘削機。
- 請求項1において、副ドラム側面の本体中心側に副ドラムの傾斜を制御するカムとカムプレートが取り付けてある水平多軸掘削機。
- 請求項1または2において、副ドラムはピンによってドライブシャフトに対して傾斜可能に設けてある水平多軸掘削機。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、水供給装置、土砂揚泥装置、撹拌用エア供給装置及びセメントミルク供給装置を備えた水平多軸掘削機。
- 請求項4の水平多軸掘削機を使用し、水を供給して地盤を掘削しながら土砂揚泥装置によって掘削土砂を排土し、掘削土砂中の礫や玉石を選別除去して掘削穴に掘削土砂を戻す溝壁掘削方法。
- 請求項4の水平多軸掘削機を使用し、水を供給して地盤を掘削しながら土砂揚泥装置によって掘削土砂を排土し、掘削土砂中の礫や玉石を選別除去して掘削穴に掘削土砂を戻し、所定深度に達したら、セメントミルクを供給しながら土砂とセメントミルクを撹拌混合する地下連続壁工法。
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