JP2021169733A - 撹拌装置 - Google Patents

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Abstract

【課題】既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良し、施工コストの低減を図る。【解決手段】ケーシング24の下端にケーシング24と同軸上でケーシング24に一体回転可能に連結され、下端に吐出口3402Bが設けられた回転軸34と、回転軸34の下端に回転軸34と一体回転可能に設けられた掘削翼36と、掘削翼36の上方の回転軸34の箇所に回転軸34と同軸上で回転可能に支持されたドラム38と、杭抜き孔の内壁に侵入しドラム38の回転を阻止するドラム回転防止板40と、ドラム38の内周部で支持されドラム38の半径方向内側に配置された上部固定翼42および下部固定翼44と、回転軸34に回転軸34と一体回転可能に設けられた上部撹拌翼46および下部撹拌翼48と、ケーシング24に設けられた注入管2402と吐出口3402Bを接続する集約管5006とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、既存杭の撤去後に残る杭抜き孔の埋戻し作業に用いられる撹拌装置に関する。
一般に既存の建設物等の構造物が解体された場合、地上の施設の解体とともに、これらを支持していた既存杭も引き抜かれ撤去される。
住宅地等の地盤が軟らかく既存杭の埋設深度が浅い場合には、地上に覗いている既存杭の頭部を重機で把持して持ち上げることで引き抜くことは可能であるが、地盤が硬く、かつ深く埋設されている既存杭の場合には難しい。
例えば、既存杭が河川の橋脚等に使用されていたり、大型の建設物の地盤に使用されていた場合は、前述のように容易に引き抜くことができない。
そこで、既存杭の引き抜きを容易にするための技術が実施されている。
一般に行われている工法は、既存杭の周囲の地盤を柔軟にして引き抜きやすくする工法である(特許文献1参照)。
例えば、地盤を掘削して既設杭の頭部を露出させて、ケーシングを既設杭の上方に配置する。次いで、回転駆動部によりケーシングを回転させながら既存杭の周囲の地盤を掘削する。この際、ケーシングの先端から水を噴射することで地盤を溶かして泥水状にし、ケーシングの自重と回転力により既存杭の周囲の地盤を円筒状に掘削していく。その後、ケーシングが既存孔の下端とほぼ同じ位置に到達すると、既存杭の全長に亘って既設杭の外周面とその周囲の地盤とが縁切りされた状態となる。そして、ケーシングを引き上げて、露出している既設杭の頭部にワイヤロープを巻回し、ワイヤロープを他の重機によって引き上げることで既設杭が地盤から引き抜かれ撤去される。
このように地中に埋設された既存杭が引き抜かれた場合、引き抜かれた地盤には杭抜き孔が形成され、この杭抜き孔を埋め戻す必要があるが、既存杭が引き抜かれた後の杭抜き孔には、泥水が溜まっている。
この泥水は時間経過と共に沈殿するため、杭抜き孔の下部には比重が重く粘性が高い孔底堆積土が堆積する一方、杭抜き孔の上部は細粒土が浮遊する比重が軽く粘性が低い泥水が溜まることになる。
これに対し、杭抜き孔に自硬性の溶液である固化材スラリーを注入してエアブローによって撹拌を行なうことで泥水固化を実施して杭抜き孔の地盤を周囲の地盤と同様に改良することが行なわれる。
あるいは、スクリューオーガでセメントミルクなどの固化材スラリーを杭抜き孔に注入しながら撹拌することで泥水固化を行ない杭抜き孔の地盤を周囲の地盤と同様に改良することが行なわれる。
特開2015−183501号公報
しかしながら上記従来技術では、エアブローによる撹拌を用いる場合は、杭抜き孔に堆積した孔底堆積土の粘性が高いと、孔底堆積土の全体と固化材スラリーとを十分に撹拌することが難しく、杭抜き孔に堆積した孔底堆積土の全体に固化材スラリーを行き渡らせる上で改善の余地があり、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上で不利がある。
また、スクリューオーガを用いる場合は、掘削する装置とは別の重機であるスクリューオーガを用意しなくてはならず施工コストが嵩む不利がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、杭抜き時に孔内に堆積した孔底堆積土の全体に固化材スラリーを行き渡らせることで既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上で有利となり、かつ、施工コストの低減を図る上で有利な撹拌装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため本発明は、ケーシングの下端に前記ケーシングに一体回転可能に連結され杭抜き孔に挿入される撹拌装置であって、前記ケーシングの下端に前記ケーシングと同軸上で前記ケーシングに一体回転可能に連結され、中空状で下端に吐出口が設けられた回転軸と、前記回転軸の下端に前記回転軸と一体回転可能に設けられ掘削刃を有する掘削翼と、前記掘削翼の上方の前記回転軸の箇所に前記回転軸と同軸上で回転可能に支持された円筒状のドラムと、前記ドラムの外周面に設けられ前記杭抜き孔の内壁に侵入し前記ドラムの回転を阻止するドラム回転防止部と、前記ドラムの内周部で支持され前記ドラムの半径方向内側に配置された固定翼と、前記回転軸に前記回転軸と一体回転可能に設けられた撹拌翼と、前記ケーシングの外周面に設けられた注入管と前記吐出口を接続する配管とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記撹拌翼は、前記ドラムの半径方向に延在し、前記ドラムの半径方向内側の前記回転軸の箇所に配置された下部撹拌翼を含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記撹拌翼は、前記ドラムの半径方向に延在し、前記ドラムの上方の前記回転軸の箇所に配置された上部撹拌翼を含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記固定翼は、前記ドラムの半径方向に延在し、前記固定翼の前記ドラムの半径方向内側の箇所は、前記回転軸に回転可能に支持され、前記ドラムは、前記固定翼を介して前記回転軸に回転可能に支持されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記固定翼は、前記ドラムの内周部の上下に設けられた上部固定翼と下部固定翼とで構成され、前記下部撹拌翼は、上下方向において前記上部固定翼と前記下部固定翼との間に配置されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記ドラム回転防止部は、厚さと、前記厚さよりも大きい寸法の幅と、前記幅よりも大きい寸法の長さを有する板状部材で形成され、前記板状部材は、前記幅方向を前記ドラムの半径方向に向け、前記長さ方向を前記ドラムの軸心方向に沿った方向にして前記ドラムの外周面に取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記板状部材の上端部および下端部は、端部に向かうにつれて前記厚さが小さくなる刃部が形成され、前記板状部材の前記下端部は、前記ドラムの外周面から前記ドラムの半径方向外側に延在する水平部と、前記水平部から前記幅方向の前記ドラムの半径方向外側の端部に接続される傾斜部とから構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記板状部材は、前記ドラムの外周面の周方向に間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記上部撹拌翼の前記ドラムの半径方向に沿った端部に、前記端部から一部を突出させた撹拌促進部材が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記掘削翼と前記上部撹拌翼と前記下部撹拌翼は、板状に形成された翼部材を有し、当該翼部材の板面が前記回転軸の軸方向に対して傾斜する方向に設けられ、前記上部固定翼と前記下部固定翼は、板状に形成された翼部材を有し、当該翼部材の板面が前記回転軸の軸方向に沿った方向に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記回転軸の上部と前記ケーシングの下部とを連結し、前記配管が設けられたアダプターをさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、ケーシングの下端にケーシングに一体回転可能に連結された回転軸に設けられた掘削翼および撹拌翼と、ドラム回転防止部によって回転を阻止されたドラムに支持された固定翼とを備えており、ケーシングの回転に伴って回転する掘削翼および撹拌翼とケーシングが回転しても回転しない固定翼とにより、既存杭を撤去した杭抜き孔に堆積する孔底堆積土の撹拌が促進されるため、杭抜き孔に供給される固化材スラリーと孔底堆積土とが効率よく均一に混合される。したがって、杭抜き孔に堆積した孔底堆積土の全体に固化材スラリーを行き渡らせることで既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上で有利となる。
また、回転軸の下端に設けられた吐出口から固化材スラリーを吐出させながら、撹拌装置を孔内堆積土中に押し込み回転させながら撹拌するため、孔底堆積土と固化材スラリーの撹拌がより促進され、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上で有利となる。
また、既存杭を引き抜くための掘削装置のケーシングの下端に撹拌装置を設けて使用することができ、従来のように掘削装置と異なる他の重機を用いずに地盤改良を行え、地盤改良に要する時間を大幅に短縮でき、施工コストの低減を図る上で有利となる。
また、本発明によれば、ドラムの半径方向に延在する撹拌翼が、ドラムの半径方向内側に配置された下部撹拌翼を含んで構成されることで、ドラム内の孔底堆積土の撹拌がより促進され、杭抜き孔に供給される固化材スラリーと孔底堆積土とがさらに効率よく均一に混合される。したがって、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上でより有利となる。
また、本発明によれば、ドラムの半径方向に延在する撹拌翼が、ドラムの上方に配置された上部撹拌翼を含んで構成されることで、ドラム上方の孔底堆積土の撹拌がより促進され、杭抜き孔に供給される固化材スラリーと孔底堆積土とがさらに効率よく均一に混合される。したがって、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上でより有利となる。
また、本発明によれば、ドラムの半径方向に延在する固定翼のドラムの半径方向内側の箇所が回転軸に回転可能に支持され、ドラムは固定翼を介して回転軸に回転可能に支持されているため、ドラムを回転可能に支持する支持部材を別途設けることなく省略でき、コスト削減を図る上で有利となる。
また、本発明によれば、固定翼がドラムの内周部の上下に設けられた上部固定翼と下部固定翼とで構成されているため、ドラムを安定した状態で支持する上で有利となる。また、下部撹拌翼は、上下方向において上部固定翼と下部固定翼との間に配置されているため、回転する上部撹拌翼および下部撹拌翼と、固定された上部固定翼および下部固定翼とが交互に配置されることで、孔底堆積土の塊による共回りを抑制でき、固化材スラリーと孔底堆積土とがさらに効率よく均一に混合される。したがって、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上でより有利となる。
また、本発明によれば、ドラム回転防止部が板状部材で形成されドラムの外周面に取り付けられているため、簡易な構成によりドラムの回転を防止することができる。
また、本発明によれば、板状部材の上端部および下端部に端部に向かうにつれて厚さが小さくなる刃部が形成され、板状部材の下端部は、ドラムの外周面からドラムの半径方向外側に延在する水平部と、水平部から幅方向のドラムの半径方向外側の端部に接続される傾斜部とから構成されているため、撹拌装置が杭抜き孔に挿入される際および抜き出される際に板状部材を杭抜き孔の内壁に容易に侵入させる上で有利となる。
また、本発明によれば、ドラムの外周面の周方向に複数設けられているため、ドラムの回転を確実に防止する上で有利となる。
また、本発明によれば、上部撹拌翼は、ドラムの半径方向に沿った端部に、当該端部から一部を突出させた撹拌促進部材が設けられているため、孔底堆積土の塊が拡散されやすくなり、孔底堆積土の撹拌がより促進され、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上で有利となる。
また、掘削翼と上部撹拌翼と下部撹拌翼の翼部材の板面が、回転軸の軸方向に対して傾斜させて設けられ、上部固定翼と下部固定翼の翼部材の板面が、回転軸の軸方向に沿った方向に設けられているため、これら掘削翼、撹拌翼、および固定翼が設けられた角度と回転軸の回転方向とを異ならせることで孔底堆積土の撹拌がより促進され、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上で有利となる。
本実施の形態の撹拌装置が適用される掘削装置の説明図である。 本実施の形態の撹拌装置の説明図である。 本実施の形態の撹拌装置の側面図である。 本実施の形態の撹拌装置の断面図である。 (A)はドラムの断面図であり、(B)はドラムの平面図である。 (A)は掘削翼の平面図を示す図4のA矢視図であり、(B)は上部撹拌翼の平面図を示す図4のB矢視図であり、(C)は下部撹拌翼の平面図を示す図4のC矢視図である。 (D)は上部固定翼の平面図を示す図4のD矢視図であり、(E)は下部固定翼の平面図を示す図4のE矢視図である。 本実施の形態の撹拌装置を用いた杭抜き孔の撹拌工法の流れを示す説明図である。
以下に図1〜8を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態の撹拌装置30による撹拌工法では、既存杭を縁切・引抜工法により引抜いた際に杭抜き孔に発生する孔底堆積土に固化材スラリーを吐出し、杭抜き孔を均質に撹拌して地盤改良する工法である。
まず、図1を参照して、本実施の形態の撹拌装置30が適用される掘削装置1について説明する。
掘削装置1は、地盤に埋設された既存杭を引き抜くものであって、施工機本体10と、ケーシング24とを含んで構成されている。
施工機本体10は、クローラ12Aが設けられた下部走行体12と、下部走行体12の上部に旋回ベアリングを介して旋回可能に設けられた上部旋回体14とを備えている。
上部旋回体14の前部には、リーダ16およびリーダブラケット14Aが設けられている。
リーダ16は、リーダブラケット14Aに対して前後左右に傾動可能に取り付けられるリーダ基部材16Aの上部に、複数のリーダ部材16Bを連結したものであって、リーダ16の中間部には、リーダ16を傾動可能に保持するリーダホルダ16Cが設けられている。
リーダホルダ16Cの後部には、左右一対のバックステー18の先端が連結され、このバックステー18によってリーダ16が後方から支持されている。
リーダ16の前面には、各種作業装置、例えば、ケーシングを回転駆動する電動式の回転駆動装置20がリーダ16に沿って昇降可能に設けられる。
また、上部旋回体14の後部には、回転駆動装置20の電源となる発電機22が載置されている。
発電機22は、使用する電力容量が大きいため、給電設備を現場内に設置することが困難な場合に用いる。発電機22の容量は、回転駆動装置20の能力により選定する。
また、上部旋回体14に設けられた運転席14Bには、オペレータが油圧系統の各種操作を行うレバーやペダルが配置されるとともに、施工管理装置などの標準的な各種機器が設けられている。施工管理装置は、例えば、杭抜き孔の施工深度や杭抜き孔に注入する水などの注入量を表示したり、そのデータを記録するものであって、施工管理が省力化される。
ケーシング24は、杭抜き作業において、既存杭と地盤との摩擦抵抗を小さくし、縁を切るものであって、施工機本体10に設けられている回転駆動装置20により回転力(動力)を得る。
ケーシング24は、金属製で円筒状のケーシング分割体24A、26B、26Cの軸心方向の上端と下端がそれぞれボルトを介して連結されることで構成されている。
本実施の形態のケーシング24は、最も上位に設けられる上端ケーシング分割体24Aと、最も下位に設けられる下端ケーシング分割体24Cと、それらの中間に設けられる3つの中間ケーシング分割体24Bとが連結されて構成されている。
各ケーシング分割体24A、24B、24Cは、その内径が既存杭の外径よりも大きい寸法で形成されている。
上端ケーシング分割体24Aは、その上部が回転軸20Aと一体回転可能かつ着脱可能に連結されている。
下端ケーシング分割体24Cは、その外周面の下端に沿って間隔をおいた箇所に掘削刃2404が取着されている。
さらに、ケーシング24の全長にわたる外周面には、2本の注入管2402(図2参照)がケーシング24を挟んで対向して設けられ、既存杭の杭抜き作業において地盤に水を注水する。
なお、本実施の形態の注入管2402は2本であるが本数は任意である。
以上のように構成された掘削装置1により、地盤に埋設された既存杭の引き抜き作業が行われる。
そして、本実施の形態の撹拌装置30は、既存杭の引き抜き作業に用いるこの掘削装置1のケーシング24のうち、最も下位に位置する下端ケーシング分割体24Cに置き換えられる。
したがって、撹拌装置30による撹拌工法では、掘削装置1における施工機本体10と、ケーシング24のうちの上端ケーシング分割体24A、中間ケーシング分割体24Bとはそのまま利用されることになり、中間ケーシング分割体24Bの下端に撹拌装置30が連結される。
なお、本実施の形態の撹拌装置30は、既存杭を引き抜いた杭抜き孔を対象としており、杭抜き孔に大きな障害物が残置されていないものとする。
また、既存杭を引き抜く際に、既存杭が部分的に地中に残置されておらず、既存杭が全長にわたりすべて撤去されているものとする。
以下に、図2〜7を参照して撹拌装置30の詳細について説明する。
撹拌装置30は、杭抜き孔に挿入されるものであって、中間ケーシング分割体24Bの下端に一体回転可能に連結される。
図2に示すように、撹拌装置30は、撹拌機32と、アダプター50とを含んで構成されている。
撹拌機32は、ケーシング24とアダプター50を介して回転駆動装置20の回転力が伝達されるものであって、回転軸34と、掘削翼36と、ドラム38と、ドラム回転防止板40と、上部固定翼42と、下部固定翼44と、上部撹拌翼46と、下部撹拌翼48とを備えている。
回転軸34は、中間ケーシング分割体24Bの下端に、アダプター50を介して、ケーシング24と同軸上でケーシング24に一体回転可能に連結されている。
回転軸34は、金属製で円筒状の中空状に形成された孔部34Aを有し、外形が六角形状に形成されている。
回転軸34の下端には、回転軸34の下方に至るにつれて外径が次第に小さくなる円錐面3402Aを有しその先端に吐出口3402Bが設けられた吐出部3402が取り付けられている。
本実施の形態では、ケーシング24の注入管2402からアダプター50を介して注入された固化材スラリーが、回転軸34の内部を通過して吐出部3402の吐出口3402Bから杭抜き孔に吐出される。
掘削翼36は、金属製で回転軸34の下端寄りの箇所に回転軸34と一体回転可能に設けられている。
掘削翼36は、図6(A)に示すように、回転軸34に取り付けられる取付部材3602と、取付部材3602の外周面に取り付けられた3枚の翼部材3604とから構成されている。
取付部材3602は、円筒状に形成され、内周面が回転軸34の外周面に嵌合する六角孔に形成されている。
3枚の翼部材3604は、板状に形成され、回転軸34の周方向に120度の間隔おいた3箇所に、取付部材3602からドラム38の半径方向に延在して設けられている。
3枚の翼部材3604は、板面が回転軸34の軸方向に対して傾斜する方向に設けられ、長手方向の一端が取付部材3602の外周面に溶接により取り付けられている。
また、3枚の翼部材3604は、下側に位置する短手方向の端部に、それぞれ3つの掘削刃3606を有している。
3つの掘削刃3606は、金属製の棒状部材で、短手方向の端部にそれぞれ所定の方向に向けて設けられている。
なお、本実施の形態の翼部材3604は3枚設けられているが、その枚数は任意である。また、本実施の形態の翼部材3406に設けられた掘削刃3606はそれぞれ3つであるが、その個数は任意である。
ドラム38は、金属製の円筒状に形成され、掘削翼36の上方の回転軸34の箇所に、上部固定翼42および下部固定翼44を介して回転軸34と同軸上で回転可能に支持されている。ドラム38の回転軸34への支持方法については後述する。
ドラム38は、図5(A)(B)に示すように、内周面の上端で径方向を挟んで対向する位置に上部固定翼42を取り付けるための一対の矩形状の取付板3802が溶接により取り付けられている。また、ドラム38は、内周面の下端で径方向を挟んで対向する位置に下部固定翼44を取り付けるための一対の矩形状の取付板3804が溶接により取り付けられている。本実施の形態では、それら一対の取付板3802と一対の取付板3804は、互いに径方向に90度の位相をずらして設けられている。
また、ドラム38は、孔底堆積土が通過できるよう外周部に等間隔に4つの開口部38Aが設けられている。なお、開口部38Aの個数や大きさは任意である。
ドラム回転防止板(ドラム回転防止部、板状部材)40は、図5(A)(B)に示すように、ドラム38の外周面に設けられ杭抜き孔の内壁に侵入することでドラム38の回転を阻止するものであって、厚さと、厚さよりも大きい寸法の幅と、幅よりも大きい寸法の長さを有する板状部材で形成されている。
ドラム回転防止板40は、幅方向をドラム38の半径方向に向け、長さ方向をドラム38の軸心方向に沿った方向にして、ドラム38の外周面に取り付けられている。ドラム回転防止板40は、ドラム38の周方向に間隔をおいて複数設けられているが、本実施の形態では、ドラム38の径方向を挟んで対向する2か所に設けられている。
ドラム回転防止板40は、その基部に設けられた取付板4002がドラム38の内周面に当て付けられ、ドラム回転防止板40はドラム38の開口からドラム38の外周面の半径方向外側に突出した状態で、4つのボルト40Aがドラム38の外周面から取付板4002に締結することで配置されている。
また、ドラム回転防止板40の下端部4004は、ドラム38の外周面からドラム38の半径方向外側に延在する水平部4004Aと、水平部4004Aから幅方向のドラム38の半径方向外側の端部に接続される傾斜部4004Bとから構成されている。
そして、ドラム回転防止板40の上端部4006と下端部4004である水平部4004Aおよび傾斜部4004Bとは、端部に向かうにつれて厚さが小さくなる刃部が形成されており、杭抜き孔の内壁に侵入しやすくなっている。
上部固定翼42は、金属製でドラム38の内周部の上端で支持されドラム38の半径方向内側に配置されている。
上部固定翼42は、図7(D)に示すように、回転軸34に取り付けられ回転軸34を支持する支持部材4202と、支持部材4202の外周面に取り付けられた2枚の翼部材4204とから構成されている。
支持部材4202は、円筒状に形成され、内周面が回転軸34の外周面が嵌合する六角孔に形成された軸受けである。したがって、支持部材4202は、回転軸34に回転可能に支持されており、内部を挿通する回転軸34が回転しても支持部材4202の外周面は回転しない。なお、支持部材4202が特許請求の範囲に示す固定翼のドラムの半径方向内側の箇所に相当する。
また、支持部材4202は、外周部の対向する位置に2枚の翼部材4204を取り付けるための取付板4206が設けられている。
2枚の翼部材4204は、矩形板状に形成され、回転軸34を挟んで対向する位置に、支持部材4202からドラム38の半径方向に延在して設けられている。
2枚の翼部材4204は、板面が回転軸34の軸方向の軸方向に沿った方向(鉛直方向)に設けられ、長手方向の一端が支持部材4202の取付板4206にボルト42Aにより固定されることで取り付けられ、長手方向の他端がドラム38の取付板3802にボルト42Bにより固定されることで取り付けられている。
下部固定翼44は、金属製でドラム38の内周部の下端で支持されドラム38の半径方向内側に配置されている。
下部固定翼44は、図7(E)に示すように、回転軸34に取り付けられ回転軸34を支持する支持部材4402と、支持部材4402の外周面に取り付けられた2枚の翼部材4404とから構成されている。
支持部材4402は、円筒状に形成され、内周面が回転軸34の外周面が嵌合する六角孔に形成された軸受けである。したがって、支持部材4402は、回転軸34に回転可能に支持されており、内部を挿通する回転軸34が回転しても支持部材4402の外周面は回転しない。なお、支持部材4402が特許請求の範囲に示す固定翼のドラムの半径方向内側の箇所に相当する。
また、支持部材4402は、外周部の対向する位置で、取付板4206と直交する位置に2枚の翼部材4404を取り付けるための取付板4406が設けられている。
2枚の翼部材4404は、矩形板状に形成され、回転軸34を挟んで対向する位置に、支持部材4402からドラム38の半径方向に延在して設けられている。
2枚の翼部材4404は、板面が回転軸34の軸方向に沿った方向(鉛直方向)に設けられ、長手方向の一端が支持部材4402の取付板4406にボルト44Aにより固定されることで取り付けられ、長手方向の他端がドラム38の取付板3804にボルト44Bにより固定されることで取り付けられている。
上部撹拌翼46は、金属製でドラム38の上方の回転軸34の箇所に配置され回転軸34と一体回転可能に設けられている。
上部撹拌翼46は、図6(B)に示すように、回転軸34に取り付けられる取付部材4602と、取付部材4602の外周面に取り付けられた3枚の翼部材4604とから構成されている。
取付部材4602は、円筒状に形成され、内周面が回転軸34の外周面が嵌合する六角孔に形成されている。
3枚の翼部材4604は、板状に形成され、回転軸34の周方向に120度の間隔おいた3箇所に、取付部材4602からドラム38の半径方向に延在して設けられている。
3枚の翼部材4604は、ドラム38の半径方向外側に向かうにつれて幅が小さく形成され、板面が回転軸34の軸方向に対して傾斜する方向に設けられ、長手方向の一端が取付部材4602の外周面に溶接により取り付けられている。
また、3枚の翼部材4604のドラム38の半径方向に沿った一方の端部には、端部から一部を突出させた矩形板状の撹拌促進部材4606が設けられている。3枚の翼部材4604それぞれに設けられた撹拌促進部材4606は、回転軸34を中心とする半径がそれぞれ異なる円周上に設けられている。
また、3枚の翼部材4604の長手方向の他端、すなわちドラム38側の端部には、撹拌を補助する補助プレート4608が設けられている。
なお、本実施の形態の翼部材4604は3枚設けられているが、その枚数は任意である。
下部撹拌翼48は、金属製でドラム38の半径方向内側の回転軸34の箇所で上下方向において上部固定翼42と下部固定翼44との間に配置され、回転軸34と一体回転可能に設けられている。
下部撹拌翼48は、図6(C)に示すように、回転軸34に取り付けられる取付部材4802と、取付部材4802の外周面に取り付けられた2枚の翼部材4804とから構成されている。
取付部材4802は、円筒状に形成され、内周面が回転軸34の外周面が嵌合する六角孔に形成されている。
2枚の翼部材4804は、板状に形成され、回転軸34を挟んで対向する位置に、取付部材4802からドラム38の半径方向に延在して設けられている。
2枚の翼部材4804は、ドラム38の半径方向外側に向かうにつれて幅が小さく形成され、板面が回転軸34の軸方向に対して傾斜する方向に設けられ、長手方向の一端が取付部材4802の外周面に溶接により取り付けられている。
アダプター50は、図2に示すように、円筒状に形成され、回転軸34の上部と中間ケーシング分割体24Bの下部とを連結するものであって、アダプター本体5002と、アダプター本体5002の下端に設けられた接続管5004とにより構成されている。
アダプター50と下端ケーシング分割体24Bとを連結する場合、アダプター本体5002の上端に下端ケーシング分割体24Bの下端を挿入して嵌合させ、アダプター本体5002の内周面と中間ケーシング分割体24Bの外周面を重ねてボルト(不図示)により固定する。
接続管5004は、円筒状に形成され、内周面が回転軸34の外周面が嵌合する六角孔に形成されている。
アダプター50と回転軸34とを連結する場合、接続管5004の内部に回転軸34の頭部を挿入して嵌合させ、接続管5004の外周部から複数のボルト50Aにより固定する。
アダプター本体5002は、ケーシング24の外周面に設けられた2本の注入管2402に接続され、2本の注入管2402を回転軸34に集約し、回転軸34の下端に設けられた吐出口3402に接続する2本の集約管5006(配管)が設けられている。
すなわち、2本の集約管5006は、アダプター50の上端からアダプター本体5002の外周面に沿って降下させるように設けられ、アダプター本体5002の上下方向の途中から内部に収容され、回転軸34の内部に設けられた孔部34Aに集約されて下端に設けられた吐出口3402に接続される。
なお、集約管5006の本数は任意であるが、ケーシング24に設けられた注入管2402の本数に合わせて設けられている。
次に、撹拌機32の寸法について図3、図6、図7を参照して説明する。
撹拌機32の掘削翼径B1(掘削翼36の外径)、上部撹拌翼径B2(上部撹拌翼46の外径)、およびドラム径Dd(ドラム38の外径)が既存杭の引き抜きで使用するケーシング径(ケーシング24の外径)に対して大きすぎると、撹拌時に杭抜き孔の孔壁から摩擦抵抗を受けてしまい、掘進が困難となる恐れがある。
また、反対に小さすぎた場合は、杭抜き孔と撹拌機32の隙間が大きくなり、均質な撹拌が施されない可能性がある。
そのため、例えば、撹拌機32の掘削翼径B1、上部撹拌翼径B2、およびドラム径Ddは、既存杭の引き抜きで使用したケーシング径±100mm以内とする。
また、下部撹拌翼径B3(下部撹拌翼48の外径)は、ドラム38の内部に設けられているため、ドラム径Ddより小さく形成されている。
また、上部固定翼径(上部固定翼42の外径)および下部固定翼径(下部固定翼44の外径)は、ドラム38の内径により定められることになる。
ケーシング径が1000mm程度の場合、撹拌機32の各部材の寸法は、例えば次の(1)〜(4)のように設定して作製する。
(1)掘削翼径B1=上部撹拌翼径B2=ドラム径Dd=970mm
これらの径の長さは、ケーシング径の±100mm以内であるケーシング径−30mmとなっている。
(2)下部撹拌翼径B3=ドラム径Dd−80mm=970mm−80mm=890mm
下部撹拌翼48は、ドラム38の内部で回転するため、ドラム38の内径より短くなっている。
(3)ドラム長L1(ドラム38の上下方向の長さ)=610mm
(4)ドラム回転防止板の幅L2≧30mm
ドラム回転防止板40の幅L2が長いと、撹拌装置30の掘進時の抵抗が大きくなり施工不能となる可能性がある。また、製造可能な最小寸法から算出し30mmを最小値と設定する。
次に、本実施の形態の撹拌装置30を用いた杭抜き孔の撹拌工法の流れについて図8を参照しながら説明する。
まず、掘削装置1により既存杭の周囲の地盤の掘削し、既存杭を撤去する。
図8(A)に示すように、既存杭が撤去されると、杭抜き孔60の下部には比重が重く粘性が高い孔底堆積土62が堆積し、杭抜き孔60の上部には細粒土が浮遊する比重が軽く粘性が低い泥水64が溜まった状態となる。
次に、掘削装置1から既存の下端ケーシング分割体24Cを取り外し、撹拌装置30に交換し、中間ケーシング分割体24Bの下端に取り付ける。
具体的には、図2に示すように、アダプター50のアダプター本体5002の上端に中間ケーシング分割体24Bの下端を挿入して嵌合させボルト(不図示)により固定して、中間ケーシング分割体24Bとアダプター50とを連結する。
この時、ケーシング24の外周面に設けられた2本の注入管2402を、アダプター本体5002の2本の集約管5006に接続する。
そして、接続管5004の内部に撹拌機32の回転軸34の頭部を挿入して嵌合させ、接続管5004の外周部から複数のボルト50Aにより固定して、アダプター50と撹拌機32とを連結する。これにより、ケーシング24の外周面に設けられた2本の注入管2402が回転軸34の下端に設けられた吐出口3402Bに接続される。
なお、ここでは、中間ケーシング分割体24Bにアダプター50を連結した後、撹拌機32を連結したが、アダプター50と撹拌機32とを予め連結したものを中間ケーシング分割体24に連結してもよい。
次に、撹拌装置30の軸心が杭抜き孔60の軸心と一致するように位置決めをする。
そして、作業者が操作して回転駆動装置20を時計回りに回転駆動させることでケーシング24を正転させつつ、回転駆動装置20をリーダ16に沿って下降させ、ケーシング24を下降させていく。
撹拌装置30を杭抜き孔60に挿入させ、ケーシング24の自重と回転駆動装置20の回転力により泥水64や孔底堆積土62を撹拌しながら、杭抜き孔60の下端である底部S1に到達するまで下降させる。
このとき、杭抜き孔60の孔内の掘削抵抗が高い場合、または撹拌機32の中空部が詰まってしまう恐れがある場合には、回転軸34の下端に設けられた吐出口3402Bから杭抜き孔60への注水または圧縮空気を併用使用しながら掘削を行う。
撹拌装置30が底部S1までたどり着くと、回転駆動装置20を反時計回りに回転駆動させることでケーシング24を逆転させつつ、回転駆動装置20をリーダ16に沿って上昇させ、ケーシング24を上昇させていく。
撹拌装置30を回転駆動装置20の回転力により孔底堆積土62を撹拌しながら所定の中間深度部部S2まで上昇させる。
なお、撹拌装置30を下降させる際には回転駆動装置20を時計回りに回転駆動させケーシング24を正転させ、撹拌装置30を上昇させる際には回転駆動装置20を反時計回りに回転駆動させ逆転させるものとし、以下においても同様である。
次に、施工規模に応じた適正な能力を有するプラント(不図示)により各種材料を所定量で配合して固化材スラリーを作成し、混合した固化材スラリーを注入ポンプおよび高圧ホース(いずれも不図示)によりケーシング24の注入管2402まで搬送して流し込み、注入管2402に接続された集約管5006、回転軸34の内部を通過させ、回転軸34の下端の吐出口3402Bから杭抜き孔60に吐出する。
なお、注入ポンプは、各種材料を所定量で配合した固化材スラリーが十分注入可能な能力のあるものを使用する。
次に、図8(B)に示すように、撹拌装置30を中間深度部S2から底部S1までの間で上下2往復させながら撹拌する。
具体的には、まず回転軸34の下端から固化材スラリーを吐出させながら、撹拌装置30を中間深度部S2から底部S1まで降下させて撹拌し、その後、固化材スラリーの吐出を止めて中間深度部S2、底部S1、中間深度部S2の順に撹拌装置30を昇降させなら撹拌することで2往復する。
次に、図8(C)に示すように、撹拌装置30を中間深度部S2から上部深度部S3までの間で上下2往復させながら撹拌する。
具体的には、一旦、撹拌装置30を上部深度部S3まで上昇させた後、回転軸34の下端から固化材スラリーを吐出させながら、撹拌装置30を上部深度部S3から中間深度部S2まで降下させて撹拌し、その後、固化材スラリーの吐出を止めて上部深度部S3、中間深度部S2、上部深度部S3の順に撹拌装置30を昇降させなら撹拌することで2往復する。
中間深度部S2から上部深度部S3までの撹拌が終了すると、回転駆動装置20をリーダ16に沿って上昇させてケーシング24を引き上げ、図8(D)に示すように、改良土66等で埋め戻して、一連の作業が完了する。
そして、時間経過と共に、杭抜き孔60の孔底堆積土62と混合された固化材スラリーが固化し、杭抜き孔60の地盤が周囲の地盤と同様の強度、剛性を有する地盤に改良される。
なお、本実施の形態では撹拌装置30により底部S1から中間深度部S2までの撹拌、および中間深度部S2から上部深度部S3までの撹拌の2段撹拌を行った場合について説明したが、杭抜き孔60の長さに合わせて撹拌を行えばよく、1段撹拌でも3段以上の撹拌を行ってもよい。
このように、本実施の形態の撹拌装置30によれば、中間ケーシング分割体24Bの下端にケーシング24に一体回転可能に連結された回転軸34に設けられた掘削翼36、上部撹拌翼46、および下部撹拌翼48と、ドラム回転防止板40によって回転を阻止されたドラム38に支持された上部固定翼42および下部固定翼44とを備えている。このため、ケーシング24の回転に伴って回転する掘削翼36、上部撹拌翼46、および下部撹拌翼48と、ケーシング24が回転しても回転しない上部固定翼42および下部固定翼44とにより、既存杭を撤去した杭抜き孔に堆積する孔底堆積土の撹拌が促進されるため、杭抜き孔に供給される固化材スラリーと孔底堆積土とが効率よく均一に混合される。したがって、杭抜き孔に堆積した孔底堆積土の全体に固化材スラリーを行き渡らせることで既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上で有利となる。
また、回転軸34の下端に設けられた吐出口3402Bから固化材スラリーを吐出させながら、撹拌装置30を孔内堆積土中に押し込み回転させながら撹拌するため、孔底堆積土と固化材スラリーの撹拌がより促進され、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上で有利となる。
また、既存杭を引き抜くための掘削装置1のケーシング24の下端に撹拌装置30を設けて使用することができ、従来のように掘削装置1と異なる他の重機を用いずに地盤改良を行え、地盤改良に要する時間を大幅に短縮でき、施工コストの低減を図る上で有利となる。
また、ケーシング24と撹拌機32とをアダプター50を介して接続しているため、嵌合部分が異なるタイプのケーシング24に撹拌機32を接続する場合でも、アダプター50の嵌合部をケーシン24の異なるタイプの嵌合部分に合わせて製作するだけで撹拌機32が接続できるため、撹拌装置30の適用範囲を拡大するとともに施工コストの低減を図る上で有利となる。
また、本実施の形態の撹拌装置30によれば、ドラム38の半径方向に延在する撹拌翼が、ドラム38の半径方向内側に配置された下部撹拌翼48を含んで構成されることで、ドラム38内の孔底堆積土の撹拌がより促進され、杭抜き孔に供給される固化材スラリーと孔底堆積土とがさらに効率よく均一に混合される。したがって、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上でより有利となる。
また、本実施の形態の撹拌装置30によれば、ドラム38の半径方向に延在する撹拌翼が、ドラム38の上方に配置された上部撹拌翼46を含んで構成されることで、ドラム38上方の孔底堆積土の撹拌がより促進され、杭抜き孔に供給される固化材スラリーと孔底堆積土とがさらに効率よく均一に混合される。したがって、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上でより有利となる。
また、本実施の形態の撹拌装置30によれば、ドラム38の半径方向に延在する上部固定翼42および下部固定翼44のドラム38の半径方向内側の箇所が回転軸34に回転可能に支持され、ドラム38は上部固定翼42および下部固定翼44を介して回転軸34に回転可能に支持されているため、ドラム38を回転可能に支持する支持部材を別途設けることなく省略でき、コスト削減を図る上で有利となる。
また、本実施の形態の撹拌装置30によれば、固定翼が、ドラム38の内周部の上下に設けられた上部固定翼42と下部固定翼44とで構成されているため、ドラム38を安定した状態で支持する上で有利となる。また、下部撹拌翼48は、上下方向において上部固定翼42と下部固定翼44との間に配置されているため、回転する上部撹拌翼46および下部撹拌翼48と、固定された上部固定翼42および下部固定翼44とが交互に配置されることで、孔底堆積土の塊による共回りを抑制でき、固化材スラリーと孔底堆積土とがさらに効率よく均一に混合される。したがって、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上でより有利となる。
また、本実施の形態の撹拌装置30によれば、ドラム回転防止板40が板状部材で形成されドラム38の外周面に取り付けられているため、簡易な構成によりドラム38の回転を防止することができる。
また、実施の形態の撹拌装置30によれば、ドラム回転防止板40の上端部および下端部に端部に向かうにつれて厚さが小さくなる刃部が形成され、ドラム回転防止板40の下端部は、ドラム38の外周面からドラム38の半径方向外側に延在する水平部4004Aと、水平部4004Aから幅方向のドラム38の半径方向外側の端部に接続される傾斜部4004Bとから構成されているため、撹拌装置30が杭抜き孔に挿入される際および抜き出しされる際にドラム回転防止板40を杭抜き孔の内壁に容易に侵入させる上で有利となる。
また、本実施の形態の撹拌装置30によれば、ドラム38の外周面の周方向に複数設けられているため、ドラム38の回転を確実に防止することができる。
また、本実施の形態の撹拌装置30によれば、上部撹拌翼46は、ドラム38の半径方向に沿った端部に、当該端部から一部を突出させた撹拌促進部材4606が設けられているため、孔底堆積土の塊が拡散されやすくなり、孔底堆積土の撹拌がより促進され、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上で有利となる。
また、掘削翼36の翼部材3604と、上部撹拌翼46の翼部材4604と、下部撹拌翼48の翼部材4804の板面が、回転軸34の軸方向に対して傾斜させて設けられ、上部固定翼42の翼部材4204と下部固定翼44の翼部材4404の板面が、回転軸34の軸方向に沿った方向に設けられている。このため、これら掘削翼、撹拌翼、および固定翼が設けられた角度と回転方向とを異ならせることで孔底堆積土62の撹拌がより促進され、既存杭の撤去後の地盤を周辺の地盤と同等の強度、剛性に改良する上で有利となる。
1 掘削装置
10 撹拌装置
16 リーダ
20 回転駆動装置
24 ケーシング
24B 中間ケーシング分割体
24C 下端ケーシング分割体
2402 注入管
30 撹拌装置
32 撹拌機
34 回転軸
3402B 吐出口
36 掘削翼
3602 取付部材
3604 翼部材
3606 掘削刃
38 ドラム
3802、3804 取付板
38A 開口部
40 ドラム回転防止板
4002 取付板
4004 下端部
4004A 水平部
4004B 傾斜部
4006 上端部
42 上部固定翼
4202 支持部材
4204 翼部材
4206 取付板
44 下部固定翼
4402 支持部材
4404 翼部材
4406 取付板
46 上部撹拌翼
4602 取付部材
4604 翼部材
4606 撹拌促進部材
4608 補助プレート
48 下部撹拌翼
4802 取付部材
4804 翼部材
50 アダプター
5002 アダプター本体
5004 接続管
5006 集約管
60 杭抜き孔
62 孔底堆積土
64 泥水
S1 底部
S2 中間深度部
S3 上部深度部

Claims (11)

  1. ケーシングの下端に前記ケーシングに一体回転可能に連結され杭抜き孔に挿入される撹拌装置であって、
    前記ケーシングの下端に前記ケーシングと同軸上で前記ケーシングに一体回転可能に連結され、中空状で下端に吐出口が設けられた回転軸と、
    前記回転軸の下端に前記回転軸と一体回転可能に設けられ掘削刃を有する掘削翼と、
    前記掘削翼の上方の前記回転軸の箇所に前記回転軸と同軸上で回転可能に支持された円筒状のドラムと、
    前記ドラムの外周面に設けられ前記杭抜き孔の内壁に侵入し前記ドラムの回転を阻止するドラム回転防止部と、
    前記ドラムの内周部で支持され前記ドラムの半径方向内側に配置された固定翼と、
    前記回転軸に前記回転軸と一体回転可能に設けられた撹拌翼と、
    前記ケーシングの外周面に設けられた注入管と前記吐出口を接続する配管と、
    を備えることを特徴とする撹拌装置。
  2. 前記撹拌翼は、前記ドラムの半径方向に延在し、前記ドラムの半径方向内側の前記回転軸の箇所に配置された下部撹拌翼を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
  3. 前記撹拌翼は、前記ドラムの半径方向に延在し、前記ドラムの上方の前記回転軸の箇所に配置された上部撹拌翼を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項2記載の撹拌装置。
  4. 前記固定翼は、前記ドラムの半径方向に延在し、
    前記固定翼の前記ドラムの半径方向内側の箇所は、前記回転軸に回転可能に支持され、
    前記ドラムは、前記固定翼を介して前記回転軸に回転可能に支持されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の撹拌装置。
  5. 前記固定翼は、前記ドラムの内周部の上下に設けられた上部固定翼と下部固定翼とで構成され、
    前記下部撹拌翼は、上下方向において前記上部固定翼と前記下部固定翼との間に配置されている、
    ことを特徴とする請求項3を引用する請求項4記載の撹拌装置。
  6. 前記ドラム回転防止部は、厚さと、前記厚さよりも大きい寸法の幅と、前記幅よりも大きい寸法の長さを有する板状部材で形成され、
    前記板状部材は、前記幅方向を前記ドラムの半径方向に向け、前記長さ方向を前記ドラムの軸心方向に沿った方向にして前記ドラムの外周面に取り付けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の撹拌装置。
  7. 前記板状部材の上端部および下端部は、端部に向かうにつれて前記厚さが小さくなる刃部が形成され、
    前記板状部材の前記下端部は、前記ドラムの外周面から前記ドラムの半径方向外側に延在する水平部と、前記水平部から前記幅方向の前記ドラムの半径方向外側の端部に接続される傾斜部とから構成されている、
    ことを特徴とする請求項6記載の撹拌装置。
  8. 前記板状部材は、前記ドラムの外周面の周方向に間隔をおいて複数設けられている、
    ことを特徴とする請求項6または7記載の撹拌装置。
  9. 前記上部撹拌翼の前記ドラムの半径方向に沿った端部に、前記端部から一部を突出させた撹拌促進部材が設けられている、
    ことを特徴とする請求項3または請求項3を引用する請求項4〜8のいずれか一項記載の撹拌装置。
  10. 前記掘削翼と前記上部撹拌翼と前記下部撹拌翼は、板状に形成された翼部材を有し、当該翼部材の板面が前記回転軸の軸方向に対して傾斜する方向に設けられ、
    前記上部固定翼と前記下部固定翼は、板状に形成された翼部材を有し、当該翼部材の板面が前記回転軸の軸方向に沿った方向に設けられている、
    ことを特徴とする請求項5または請求項5を引用する請求項6〜9のいずれか一項記載の撹拌装置。
  11. 前記回転軸の上部と前記ケーシングの下部とを連結し、前記配管が設けられたアダプターをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載の撹拌装置。
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