JP4195627B2 - 建設機械の回転軸の接続装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の部材を接続する技術に関するものであり、特に建設機械の回転軸の接続装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には先導管と軸体と軸体の周囲に取り付けられたらせん状羽根を有し、この軸体でらせん状羽根が取り付けられる部分は軸方向に沿って中央部が太く両端部が細くなるように構成され、らせん状羽根の上面および下面に爪を設けた土壌掘削工具を回転させ、かつ先導管より圧縮空気を噴出しながら土壌を掘削し、所定の深さに達した後に土壌掘削工具を逆回転させて土壌を撹拌させながららせん状羽根部よりセメントミルクを注入して土壌とセメントミルクを混合させ、土壌中に改良体を造成することにより、地上にセメントミルクを含む排泥を発生させず、環境問題を引き起こすことなく軟弱地盤の改良工事を実現することが記載されている。
【0003】
この土壌掘削工具を回転可能に支持するとともに空気やセメントミルクを外部から供給するために、スイベルや中間ロッドが使用されるが、スイベルと中間ロッド、中間ロッド同士、および中間ロッドと土壌掘削工具の接続には、特別な接続装置を用いることが記載されている。すなわち、土木機械の回転軸の接続装置であって、二重管である前記回転軸の内管同士および内管と外管の間の空間同士が流体が通過可能に接続される通路を有し、かつ接続された回転軸間の相対的な回転を防止する回転防止機構が設けられている土木機械の回転軸の接続装置である。オスカップリングとメスカップリングの組み合わせにより構成され、オスカップリングの内壁の一部およびメスカップリングの外壁の一部は断面が四角の形状となっており、当該四角面が合わせ面として相互に接する。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第03/006785号パンフレット
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の土壌掘削工具は正逆どちらの回転時においても土壌の撹拌を行うものであるが、特許文献1に記載の接続装置は正逆どちらの回転方向においても緩まないように回転軸を接続できるものである。また、回転軸を通して空気やセメントミルクを外部から供給するためにも特に有効な接続装置である。
【0006】
一方、軸方向のずれについては、オスカップリングとメスカップリングをボルトによって締結することで防止している。このためメスカップリングにはネジ穴が、オスカップリングは通し穴が設けられており、これらの穴にボルトを通すようになっている(たとえば、特許文献1の図7)。従って、土壌掘削工具の上下動による荷重はこのボルトにより受けることになる。ここで、上下動による荷重が繰り返されるとオスカップリングの通し穴は上下方向に少しずつ広げられていく可能性がある。そのためにボルトを軸に対して直角に保持することができなくなり、ボルトは上下に振り回されるようになり、最終的にはボルトが破断して接続が維持できなくなる。特許文献1の接続装置は通常の土壌における使用には十分耐えるものであるが、硬い土壌での施行や、より高速での使用のために、接続装置の強度のさらなる向上が求められる。この発明は、複数の部材をボルトにより接続する技術であって、接続部分が繰り返し荷重を受けても破損しにくい強固な接続技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明の建設機械の回転軸の接続装置は、オスカップリングとメスカップリングおよびこのオスカップリングとメスカップリングを締結するボルトと座金を有する建設機械の回転軸の接続装置であって、オスカップリングの内壁の一部およびメスカップリングの外壁の一部は相互に接する非円柱面状の合わせ面を有し、メスカップリングには前記ボルトが入るネジ穴が設けられており、オスカップリングには前記ネジ穴と同軸に通し穴が設けられており、この通し穴には外周側の入口に外側に開くテーパー面があるものであり、ボルトはネジ部と頭部の間に環状の溝また山が設けられているものであり、座金は、前記ボルトが入る穴を構成する円柱面状の内周側面と、前記通し穴のテーパー面と係合する円錐面状の外周側面とを有し、前記内周側面にはボルトの溝または山と係合する環状の溝また山が設けられていて、複数の部分部材に分割されており、この部分部材を前記ボルトの外周にて組合わせたときに部分部材同士の間に間隙が生じることを特徴とするものである。前記非円柱面状の合わせ面は、平面とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は締結部材を示す平面図である。ここでは、部材Aと部材Bを締結部材1で締結した状態を示している。この締結部材は、座金2とボルト3により構成されている。部材Aにはボルト3が入るねじ穴4と、このネジ穴4に続く通し穴5が設けられている。通し穴5はネジ穴4より大きい径であり、平面状の底面5aと外部に開いたテーパー状の側面5bを有する。部材Bには部材Aのネジ穴4と同軸に通し穴6が設けられており、この通し穴6で部材Aと向いた側の出口が外に向いて狭くなっていくテーパー面6aが設けられている。そして、このテーパー面6aは通し穴5の側面5bとともに連続な円錐面を構成するような形状になっている。
【0011】
図2にこのボルト3の平面図を示す。ボルト3はネジ部31と頭部32を有するが、さらにネジ部31と頭部32の間に環状の山33が設けられている。
【0012】
図3には座金2の断面図を示す。座金2は分割された複数の部分部材21a、bからなり、組み合わされた状態では略円環状の外形を有する。上面22および下面23は軸に垂直な平面であり、外周側面24は円錐面となっている。一方、内周側面25は円柱面であるが、一部には環状の溝26が設けられている。この内周側面25の径はボルト3のネジ部の径とほぼ同じであり、内周側面によって作られる中心部の空間にボルト3が入るようになっている。また、ボルト3の環状の山33と座金2の環状の溝26は互いに係合する形状となっている。
【0013】
次に、この締結部材1の作用について説明する。ボルト3の環状の山33と座金2の環状の溝26を係合させるようにして、座金2をボルト3の周囲に取付ける。座金2は複数の部分部材21に分割されているので、各部分部材21をボルト2の側面から容易に取り付けることができる。ここでは、1個の座金2は2個の部分部材21に分割されている。2分割とすることで、部分部材の数を最小とし、さらに、ボルト3への取付け作業も少なくできる。しかし、分割数が3以上とすることもできる。ここで、1個の座金2を構成する全ての部分部材21(この例では2個)を取付けたとき、部分部材21aと部分部材21bの間には間隙が生じるようになっている。また、座金2の上面22は、ボルト3の頭部の下面31aに当接するようになっている。
【0014】
ついで、部材Aのネジ穴4と部材Bの通し穴6を合わせ、座金2が取付けられたボルト3により締結する。座金2の外周側面24は、部材Aの通し穴の側面5bおよび部材Bの通し穴のテーパー面6aに当接する形状になっている。また、座金2の下面23は、部材Aの通し穴の底面5aとほぼ同じ径である。したがって、ボルト3を取付けたときに、座金2は部材Aと部材Bの接する部分にできた円錐状の穴にすっぽり入ることになる。この状態でボルト3を十分に締めれば、部材Aと部材Bとは強固に締結される。
【0015】
このようにして締結した状態で、部材Aと部材Bを相互にずらすような力が加わった場合について説明する。例えば、図1に示すように部材Aと矢印Aの方向に、部材Bを矢印Bの方向にずらそうとする力が加わったとする。ここで、部材Bと締結部材1は相互に係合する円錐面で接しているので、ボルト3と座金2を介して部材Bに加わる力は、テーパー面6aの全体に平均的に加えられることになる。したがって、部材Bの通し穴6は円形を保ったまま径が若干広がるような変形を受けることになり、矢印Bの方向のみに細長くなるような変形は受けない。したがって、このような力が繰り返しかけられても、通し穴6の変形は小さい。また、座金2は分割された部分部材21で構成されていて、かつ、部分部材21間に間隙が設けられているので、通し穴6が多少変形しても、間隙が増減することによりこの変形に追随し、座金2の外周側面24は通し穴6に良好に接触した状態を保ち続ける。したがって、図1に示すような力やその反対向きの力がかかっても、ボルト3は斜めになることはなく、破損しにくい。
【0016】
【実施例1】
つぎに、本発明の第一の実施例について説明する。この実施例は本発明を建設機械の回転軸の接続に適用した例である。回転する部材の一端に設けられたオスカップリングと別の部材の一端に設けられたメスカップリングの組合わせによる接続を行うものである。
【0017】
図4はオスカップリングの正面図である。このオスカップリング40は、直径102mmの略円柱状の外周面を有するが、外周の一部には円柱面でない形状の面を有する部分がある。本実施例では略正方形状の断面を構成する4つの長方形平面41が設けられている。この長方形平面41が、後述するメスカップリングとの非円柱面の合わせ面となる。また、外周面には4本のM27×P20のネジ穴4が90度ごとに設けられている。この4本のネジ穴4のうち、対向する一対のネジ穴の軸は同一断面上に存在するが、他の一対のネジ穴の軸はこれより若干ずれた断面上に存在する。本例においてはこのずれは17mmである。
【0018】
図5にネジ穴4の断面図を示す。各ネジ穴4の外側には同軸に通し穴6が設けられいる。通し穴6の底面6aは円形平面であり、側面6bは外に開いた円錐面になっている。この円錐面の傾斜角は8度になっている。
【0019】
オスカップリング4は中心部が中空になっており、第一流体通路42を構成する。また、その外部に4本の連続した穴が4本のネジ穴5の間を通して設けられていて、第一流体通路42とは独立した第二流体通路43を構成する。
【0020】
図6はメスカップリングの正面図である。メスカップリング50は略円筒状の部材であり、内周面はオスカップリング40の外周面と係合する円柱面を有する。内周面にはさらに、円柱面でない形状の面を有する部分がある。本実施例ではやはり、略正方形状の断面を構成する4つの長方形平面51が設けられている。この長方形平面51は、オスカップリング40の長方形平面41と係合する形状になっており、これらの面によってオスカップリング40とメスカップリング50が接する非円柱面の合わせ面となっている。このように非円柱面の合わせ面を設けることにより、回転軸を正逆どちらの方向に回転させても、オスカップリング40とメスカップリング50が相対的に回転することができなくなる。非円柱面のうち長方形平面が形成が容易で便宜であるが、相対的な回転を防止できるものなら他の面形状でもよく、たとえば、合わせ面を相互に係合する山と溝にしてもよい。なお、合わせ面を相互に係合する雄ネジと雌ネジにすることは、本発明においては非円柱面の合わせ面に含めない。ネジが締まる方向の回転のときは問題ないが、その逆方向の回転の際にはネジはゆるまることになり、正逆両方向に力がかかるような場合に適用できなくなるからである。
【0021】
また、メスカップリング40には4本の通し穴6が設けられている。この通し穴の内周側の出口には外に向かって狭くなるテーパー面6aが設けられている。この4本の通し穴6は、オスカップリング40とメスカップリング50を係合させたときに、オスカップリング40の4本のネジ穴5と位置が合うように設けられている。
【0022】
相互に軸方向にそって、オスカップリング40とメスカップリング50の着脱は容易に行える。オスカップリング40とメスカップリング50を係合させたら、座金2を取付けたボルト3をオスカップリング40の通し穴6およびメスカップリング50のネジ穴4に通して締結し、オスカップリング40とメスカップリング50を軸方向にずれないように固定する。
【0023】
以上のようにオスカップリング40とメスカップリング50を介して2本の回転軸が接続される。非円柱面状の合わせ面を有するので、正逆どちら方向の回転においても、2本の回転軸が相対的に回転することはない。また、ボルト3によって軸方向のずれも防止されており、ボルト2とメスカップリング50の通し穴6は円錐面状の外周側面を有する座金2を介して接続されているので、接合部に引っ張りや圧縮の荷重が繰り返されても、通し穴6が軸方向に細長く延びることはなく、ボルト2は軸に垂直な状態を維持するので破損しにくい。オスカップリング40に設けられた第一流体通路42と第二流体通路43を介して接続されるので、二重管など2系統の流路を有する回転軸同士を接続することができる。
【0024】
【実施例2】
次に本発明の第二の実施例について説明する。本発明を軟弱地盤の改良のための建設機械に適用した例であり、接続部分の基本的な構造に関しては第一の実施例と同じである。
【0025】
図8に本実施例の建設機械を示す。作業台車60は無限軌道61を備えて自走可能であり、工事現場において装置全体を容易に移動させることができるものである。作業台車60には上下動可能なアーム62を介してリーダー63が取り付けられている。リーダー63はチャック64を上下に移動可能に取り付けるスライド式の取り付け装置である。施工場所に作業台車60を移動させたら、アーム62の角度を調整してリーダー63を垂直に立てる。チャック64に最上段の中間ロッド65を通し、チャック64で中間ロッド65をつかむ。最上段の中間ロッド65の上にスィベル66がつながれ、最下段の中間ロッドの下に土壌掘削工具67が接続される。チャック64は油圧駆動により中間ロッド65を正逆両方向に回転させることができる。すなわち、中間ロッド65はチャック64の回転を先端の土壌掘削工具67に伝達する駆動軸の働きをする。スィベル66に注入剤ホース68と空気ホース69とが接続され、それぞれのホースは図示しないプラントのグラウトポンプとコンプレッサーにつながれる。スィベル66、中間ロッド65および土壌掘削工具67は、それぞれ二重管構造であるが、空気および注入剤の通路がつながるよう接続される。
【0026】
図9は土壌掘削工具67の一例を示す正面図である。土壌掘削工具67は先端に先導管70を有し、この先導管70の先端部分には切削チップ71が設けられている。この切削チップ71により地盤を切削しながら、先導管70が地中に入っていく。先導管70に続いて軸体72が設けられ、その周囲にらせん状羽根73が設けられている。軸体72は中空となっているが、図9に示すようにらせん状羽根73が設けられている部分は、軸方向に沿って中央部が太く両端部が細くなるように構成されている。ここでは、図9に示すように円筒の両側に円錐を接続したような形状になっており、両端部から中央部へ向かって径が大きくなっている。そして、らせん状羽根73の外周も、両端部から中央部へ向かって全体として径が大きくなっている。図9に示す例においてらせん状羽根73の最大径は1000mmである。また、軸体72の長さは約800mmで、中央部分の約160mmは一定の太さとなっており、上下の約320mmの範囲において軸径は約140mmから約400mmへと一定の割合で変化しており、そのテーパー角は22°程度である。後述するように軸体72のテーパー角はらせん状羽根73が地中を進行する場合にスムーズに土砂を後方に送るため有用な機能を有するが、かかる機能を十分に発揮するためには22°程度にするのが好ましい。らせん状羽根73は軸方向に160mm進むごとに一周するようなピッチになっており、軸体72の長さに沿って5周している。軸体72がテーパー状になっている範囲ではらせん状羽根5の外径は中央部に向かって一定の割合で大きくなっている。一方、軸体72の太さが一定である範囲では、らせん状羽根73の外径も一定となっている。本例においてはらせん状羽根73は外径が最大の状態で完全に一周しており、下側より見れば外形は完全な円形を形成しているため、掘り進めていくときに軸はぶれることなく真直ぐに進んでいく。
【0027】
軸体72は中空となっているが、内部には内管が設けられており、内管は注入剤噴射ノズル75(注入剤排出口)へつながっている。注入剤噴射ノズル75は軸体72の最も径が大きい位置において外へ向かって設けられている。軸体72と内管の間の隙間は圧縮空気の通路となり、先導管70の先端に設けられた空気噴出口76より圧縮空気が噴出できるようになっている。
【0028】
らせん状羽根73の上下面にはそれぞれ長方形の板状の爪74が複数取り付けられている。爪74は軸体72を中心とする円周に接する方向に、すなわち、爪74の板厚の方向が半径方向になるように設けられている。この方向で取付けることにより排泥の発生がより起こりにくくなる。図10はこの爪74の拡大斜視図である。爪74の長方形の形状のうち、一つの角が面取りされている。この面取りは、角を直線で切り落とすのでもよいし、丸みをつけるのでもよい。この面取りされた角は、らせん状羽根73の回転方向にあわせて向けられる。本例では、掘り進む際は正回転方向に回転するが、らせん状羽根73の上面に設けられた爪74bはこの回転方向に向いた側に面取りされた角を向けて取り付けられる。土壌掘削工具67を引き上げるときは、逆方向に回転するが、らせん状羽根73の下面に設けられた爪74aはこのときの進行方向に向いた側に面取りされた角を向けて取り付ける。このように向けることにより、掘り進めるときはらせん状羽根5の下面に設けられた爪74aが鋭く土壌にくい込みながら土壌を効果的に撹拌し、一方、上面に設けられた爪74bは切削・撹拌された土壌を滑らかに後方へ送り、こぶし程度の大きさの石が混ざっていても噛み込みにくくなっている。逆に、引き上げるときはらせん状羽根73の上面に設けられた爪74bが効果的に土壌を切削・撹拌し、下面に設けられた爪74aが土壌を滑らかに後方へ送る。
【0029】
図11はスィベルの断面図である。スィベル66の上部は非回転部77であり、回転しない。非回転部77には注入剤導入口78と空気導入口79が側面に設けられている。非回転部77に対して回転自在に回転部80がベアリング81を介して取り付けられている。回転部80は内管82と外管83から構成される二重管構造になっている。内管82は中空となっており、この中空部が注入剤通路84を構成する。注入剤通路84は注入剤導入口78から導入された注入剤が通過できるようにつながっている。内管82と外管83の間にも隙間が設けられており、この隙間が空気通路85を構成する。空気通路85は空気導入口79から導入された空気が通過できるようにつながっている。
【0030】
図12に本実施例に係る接続装置の断面図を示す。接続装置はオスカップリング40とメスカップリング50の組み合わせにより構成される。また、中間ロッド65は前述のスィベル66と土壌掘削装置67をつなぐものであるが、この中間ロッド65の一端にオスカップリング40が、他端にメスカップリング50が溶接されている。従って、オスカップリング40とメスカップリング50を組み合わせることにより、2本の中間ロッドが接続されることになる。ここで、オスカップリング40の内壁の一部およびメスカップリング50の外壁の一部は断面が四角の形状になっており、この四角面が合わせ面として相互に接する。つまり、この合わせ面はオスカップリング40とメスカップリング50とを相互に回転しないように結合させる回転防止機構として機能する。また、オスカップリング40とメスカップリング50は座金2が取付けられた4本のボルト3により軸方向のずれが生じないように固定されている。
【0031】
メスカップリング50及び中間ロッド65は、スィベルの回転部80と同様に内管と外管よりなる二重管構造になっている。スィベル66および土壌掘削工具67の端部にも同様の構造のオスカップリング又はメスカップリングが設けられ、中間ロッド65に接続できるようになっている。また、スィベル66の下部に設けられらオスカップリングは中間ロッド65に設けられているオスカップリング40と係合する部分は共通であり、中間ロッド65のメスカップリング50がそのまま接続できるようになっている。中間ロッド65の外径は排泥の発生をより抑えるために60〜250mmの範囲内にするのが好ましく、本例においては約140mmとなっている。中間ロッド65の長さは、作業の効率や施工時の設備の高さを考慮して決められるが、6m、4m、2mと複数の長さのものを備えておくと、様々な施工条件に対応できる汎用性の高いシステムとなる。
【0032】
土壌掘削工具67により掘り進めるときには、コンプレッサーで空気を送り土壌掘削工具67の先端より噴出するとともに、土壌掘削工具67のらせん状羽根73が下向きに進行するよう回転させる。ある程度掘り進めたら、中間ロッド65を継ぎ足して、さらに深く掘り進める。らせん状羽根73の上面の爪74bは進行方向側が切りかかれているので、石が混じっている土壌でも土砂を滑らかに後方へ送る。また、切削した土砂を滑らかに後方に送るために、らせん状羽根73の外周は先端から中央部に向かって径が広がり、また上部へ向かって径が小さくなる形状になっている。土壌掘削工具67では、前記軸体72でらせん状羽根73が取り付けられる部分は軸方向に沿って中央部が太く両端部が細くなる。そのため、中央部においてもらせん状羽根73および軸体72は強固であり、また掘り進みながらスムーズに土砂を後方に送るため、施工中に土壌掘削工具67が地中で破損しにくくなり、比較的硬い地盤や粘土質の場所でも施工ができる。
【0033】
最終深さまで掘り進めたら、チャック64の回転方向を逆にして、らせん状羽根73が上向きに進行するよう回転させながら、土壌掘削工具67を引き上げる。この際、注入剤ホース69より注入剤を導入し、土壌掘削工具67の注入剤排出口76より注入剤を地中に注入する。引き上げ時にはらせん状羽根73の上面の爪74bが土砂を撹拌する。らせん状羽根73の下面の爪74aは逆回転時における進行方向側が切りかかれているので、同様に土砂を滑らかに後方へ送る。そして、この建設機械においては、土砂の機械的撹拌と注入剤の噴出による土砂の撹拌が同時に行われ、切削された土砂と注入剤は効率的に混合される上、切削された土砂が排泥として地上に排出されることがない。引き上げるときは、掘り進めるときとは逆に、中間ロッド65を順次取り外しながら作業を進める。所定の高さまで引き上げたら注入剤の注入を停止して、土壌掘削工具67を引き上げる。このようにして一つの穴の施工が完了したら、作業台車60を次の位置に移動させ、同様の施工を繰り返す。
【0034】
施工においては、掘り進むときは中間ロッド65を継ぎ足していき、引き上げるときは中間ロッド65を取り外していくので、地上に出ている部分は常に低く抑えられており、転倒防止のための支持体を広げる必要もないので、施工が容易であるとともに、狭い場所や地盤が弱いところでも施工ができる。
【0035】
この実施例の建設機械においては、正逆両方向での回転においても土壌の撹拌が行われるために、大きな接続部分には大きなトルクがかかるが、どちらの方向の回転においても接続部分はゆるむことはない。また、施工中には土壌掘削工具の上下動が頻繁に繰り返され、接続部分にも引っ張り荷重および圧縮荷重が繰り返し加わるが、メスカップリング50の通し穴6が軸方向に沿って細長く伸びることは生じないため、ボルト3の破損が発生せず、各回転軸は強固に接続された状態を維持する。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、接続すべき2つの部材の一つに設けられた通し穴のテーパーと座金の円錐面状の外周側面の接触を介してボルトが締結されるために、2つの部材を相互にずらすような力が接続部分にかかっても、通し穴が細長く伸びることは生じず、ボルトは垂直な状態を維持し、斜めになるように振り回されて折れるということがおこらなくなる。したがって、耐久性・信頼性が高い接続が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】締結部材の正面図である。
【図2】ボルトの正面図である。
【図3】座金の断面図である。
【図4】オスカップリングの正面図である。
【図5】同断面図である。
【図6】メスカップリングの正面図である。
【図7】同断面図である。
【図8】建設機械を示す正面図である。
【図9】土壌掘削工具の正面図である。
【図10】土壌掘削工具の爪の斜視図である。
【図11】スィベルの断面図である。
【図12】接続装置の詳細を示す断面図である。
【符号の説明】
1.締結部材
2.座金
3.ボルト
4.ネジ穴
5.通し穴
6.通し穴
21.部分部材
24.外周側面
25.内周側面
26.環状の溝
31.ネジ部
32.頭部
33.環状の山
40.オスカップリング
41.長方形平面
50.メスカップリング
51.長方形平面
60.作業台車
65.中間ロッド
66.スィベル
67.土壌掘削工具^
Claims (2)
- オスカップリングとメスカップリングおよびこのオスカップリングとメスカップリングを締結するボルトと座金を有する建設機械の回転軸の接続装置であって、オスカップリングの内壁の一部およびメスカップリングの外壁の一部は相互に接する非円柱面状の合わせ面を有し、メスカップリングには前記ボルトが入るネジ穴が設けられており、オスカップリングには前記ネジ穴と同軸に通し穴が設けられており、この通し穴には外周側の入口に外側に開くテーパー面があるものであり、ボルトはネジ部と頭部の間に環状の溝また山が設けられているものであり、座金は、前記ボルトが入る穴を構成する円柱面状の内周側面と、前記通し穴のテーパー面と係合する円錐面状の外周側面とを有し、前記内周側面にはボルトの溝または山と係合する環状の溝また山が設けられていて、複数の部分部材に分割されており、この部分部材を前記ボルトの外周にて組合わせたときに部分部材同士の間に間隙が生じることを特徴とする建設機械の回転軸の接続装置。
- 前記合わせ面が平面である請求項1に記載の建設機械の回転軸の接続装置。
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JP2004278766A (ja) | 2004-10-07 |
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