JP2003161093A - 土木機械の回転軸の接続装置 - Google Patents

土木機械の回転軸の接続装置

Info

Publication number
JP2003161093A
JP2003161093A JP2002295407A JP2002295407A JP2003161093A JP 2003161093 A JP2003161093 A JP 2003161093A JP 2002295407 A JP2002295407 A JP 2002295407A JP 2002295407 A JP2002295407 A JP 2002295407A JP 2003161093 A JP2003161093 A JP 2003161093A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
civil engineering
spiral blade
rotating shafts
engineering machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002295407A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Yamashita
伸一 山下
Sayoko Yamashita
小夜子 山下
Tsutomu Inaba
力 稲葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nishimatsu Construction Co Ltd
Yamashin Industry Inc
Original Assignee
Nishimatsu Construction Co Ltd
Yamashin Industry Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nishimatsu Construction Co Ltd, Yamashin Industry Inc filed Critical Nishimatsu Construction Co Ltd
Priority to JP2002295407A priority Critical patent/JP2003161093A/ja
Publication of JP2003161093A publication Critical patent/JP2003161093A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Earth Drilling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】土壌改良工事において、排泥を排出させること
なく環境問題を引き起こさず、簡易な設備で、経済性の
高い施工を可能とする土木機械の回転軸の接続装置、土
壌掘削工具、スイベル及び土壌改良工法を提供し、さら
に、排泥を排出させることなく経済的に汚染された土壌
を浄化する土壌浄化工法を提供することを目的とする。 【解決手段】土木機械の回転軸の接続装置であって、二
重管である前記回転軸の内管同士および内管と外管の間
の空間同士が流体が通過可能に接続される通路を有し、
かつ接続された回転軸間の相対的な回転を防止する回転
防止機構が設けられていることにより、正逆どちらの方
向に回転する場合にも中間ロッド22が緩まないような
接続が可能となり、環境問題を引き起こすことなく軟弱
地盤の改良工事および汚染された土壌の浄化を実現す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明に係る土壌掘削工具の
接続装置は、軟弱な地盤の改良や汚染された土壌の浄化
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来軟弱地盤に機械工法で穴を掘る場合
には、崩落防止のためのベントナイト等の安定剤を水に
溶かして使用し、エアーとセメントの粉体と骨材(砂)
を圧送して排泥に置き換える機械撹拌工法がある。
【0003】従来の地盤改良工法では、超高圧噴射によ
る撹拌工法と大型クローラー杭打機によるオーガー撹拌
工法及びビット撹拌工法が主体であるが、超高圧噴射工
法では、撹拌杭を施工する場合にセメントミルクに20
MPa乃至40MPaの高圧をかけて、ノズルの先端か
ら噴射して圧力で杭を作る工法であるので排泥が多く出
て、又大型クローラー杭打機によるオーガー撹拌工法は
施工場所等に問題があった。
【0004】超高圧噴射撹拌工法では比較的コンパクト
な機械による工事が可能であるが、多量の排泥(排出ス
ライム)が発生し、環境上好ましくなく、又、この排泥
を処理しようとすれば高額な費用がかかるという問題が
ある。
【0005】一方、大型クローラー杭打機によるオーガ
ー撹拌工法においては、施工機械が大型であり、施工で
きる場所が限定されるという問題と、施工のため大型プ
ラントの運搬、設置を必要とするため、広い場所を構え
なければならず、その費用も高額であるという問題があ
る。
【0006】なお、産業活動の結果として、有害物質が
地中に漏れ、土壌が汚染されるということが近年問題と
なっている。有害物質の排出を抑えることは重要である
が、一旦排出されてしまってからは有効な解決手段はな
かった。有害物質を分解・中和するような薬剤を散布し
てもその効果は表面の土壌に限られ、地中深くまで処理
することは困難であるし、機械的に掘り返せば費用が大
きくなる上、地中の有害物質を地上に持ち出すことにも
なりうる。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】軟弱地盤を強化するためには超高圧噴射撹
拌工法が有力であるが、発生する排泥により環境問題あ
るいは処理のための費用の問題が発生することはすでに
述べた。これを解決する有力な技術として、特開200
1−159130号公開特許公報に「機械撹拌エアーセ
メントミルク混合圧送工法及び装置」として、コンプレ
ッサにて空気を圧送し切削ビット先端部より空気を噴出
しながら切削ビットにて地盤を掘り進み、削孔完了後グ
ラウトポンプにてセメントミルクを圧送して切削ビット
にて掘削された土壌とセメントミルクを撹拌し地中杭を
造成する技術が記載されている。この技術によれば、切
削させた土壌とセメントミルクを完全に撹拌して地中杭
を形成させることにより排泥を地上に排出することな
く、環境問題を引き起こすことなく、しかも安価、簡便
に土壌強化工事を施工することができる。本発明は特開
2001−159130号公開特許公報に記載の発明に
関連するものであり、当該発明をより発展させるための
土壌掘削工具、スィベル、接続装置、土壌改良工法及び
土壌浄化工法を提供し、従来の工法に伴う排泥の発生に
よる環境問題及び大規模な設備による大きな費用の発生
という課題を解決することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の土木機械の回転軸の接続装置は、二重管
である前記回転軸の内管同士および内管と外管の間の空
間同士が流体が通過可能に接続される通路を有し、かつ
回転軸間の相対的な回転を防止する回転防止機構が設け
られているものである。
【0009】上述の目的を達成するために、本発明の土
木機械の回転軸の接続装置を適用する土壌掘削工具は、
先導管と軸体と軸体の周囲に取り付けられたらせん状羽
根を有する土壌掘削工具であって、前記軸体でらせん状
羽根が取り付けられる部分は軸方向に沿って中央部が太
く両端部が細くなるように構成されたものである。前記
らせん状羽根の上面および下面に爪を設けて、土壌の撹
拌をより効果的に行うことができる。また、前記爪を板
状にして、軸体を中心とする円周に接する方向に設け、
撹拌をスムーズに行うことができ、さらに、前記爪を長
方形板状にしてらせん状羽根の上面の爪はらせん羽根が
下向きに進行する場合の回転時の進行方向側の角が切り
取られており、らせん状羽根の下面の爪はらせん羽根が
上向きに進行する場合の回転時の進行方向側の角が切り
取られているように構成して、爪による土壌の撹拌とら
せん状羽根の進退をよりスムーズにすることもできる。
【0010】上述の目的を達成するために、本発明の土
木機械の回転軸の接続装置を適用するスィベルは、土壌
掘削工具を回転自在に支持するものであって、非回転部
には空気導入口と注入剤導入口が設けられ、非回転部に
対し回転自在に回転軸が設けられ、前期回転軸は内管と
外管からなる二重管であり、内管内部の中空部がする空
気導入口又は注入剤導入口のどちらか一方と、内管と外
管の間の空間が他の一方と流体が通過可能につながって
いるものである。
【0011】そして、本発明の土木機械の回転軸の接続
装置を適用する土木機械は、上述の土壌掘削工具を上述
のスィベル及び接続装置とともに作業台車に取り付け、
接続装置を介して土壌掘削工具を回転させるものであ
る。
【0012】また、上述の目的を達成するために、本発
明の土木機械の回転軸の接続装置を適用する土壌改良工
法は、先導管と軸体と軸体の周囲に取り付けられたらせ
ん状羽根を有し、前記軸体でらせん状羽根が取り付けら
れる部分は軸方向に沿って中央部が太く両端部が細くな
るように構成され、前記らせん状羽根の上面および下面
に爪を設けた土壌掘削工具を回転させ、かつ先導管より
圧縮空気を噴出しながら土壌を掘削し、所定の深さに達
した後に土壌掘削工具を逆回転させて土壌を撹拌させな
がららせん状羽根部よりセメントミルクを注入して土壌
とセメントミルクを混合させ、土壌中に改良体を造成す
るものである。注入剤としてセメントミルクのかわりに
土壌中の汚染物質を浄化する薬剤を使用することによ
り、土壌浄化工法を実現することもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明に係る土壌掘削工具の一例を
示す斜視図であり、図2は同正面図、図3は同底面図で
ある。本発明に係る土壌掘削工具1は軸体のまわりにら
せん状羽根を有するループ式ビットである。先端に先導
管2を有し、切削チップ3が設けられている。切削チッ
プ3により地盤を切削しながら、先導管2が地中に入っ
ていく。先導管2に続いて軸体4が設けられ、その周囲
にらせん状羽根5が設けられている。軸体4は中空とな
っているが、図2に示すようにらせん状羽根5が設けら
れている部分は、軸方向に沿って中央部が太く両端部が
細くなるように構成されている。ここでは、図2に示す
ように円筒の両側に円錐を接続したような形状になって
おり、両端部から中央部へ向かって径が大きくなってい
る。そして、ループ状羽根5を含む全体の形状で見て
も、両端部から中央部へ向かって全体として径が大きく
なっている。ループ状羽根5の最大径は、排泥を発生さ
せないためには400mm以上であることが好ましく、
設備の規模を余り大きくしないためには2000mm以
下であることが好ましい。本例においてループ状羽根5
の最大径は1000mmである。また、軸体4の長さは
約800mmで、中央部分の約160mmは一定の太さ
となっており、上下の約320mmの範囲において軸径
は約140mmから約400mmへと一定の割合で変化
しており、そのテーパー角は22°程度である。後述す
るように軸体4のテーパー角はループ状羽根5が地中を
進行する場合にスムーズに土砂を後方に送るため有用な
機能を有するが、かかる機能を十分に発揮するためには
22°程度にするのが好ましい。ループ状羽根5は軸方
向に160mm進むごとに一周するようなピッチになっ
ており、軸体4の長さに沿って5周している。軸体4が
テーパー状になっている範囲ではループ状羽根5の外径
は中央部に向かって一定の割合で大きくなっている。一
方、軸体4の太さが一定である範囲では、ループ状羽根
5の外径も一定となっている。本例においてはループ状
羽根5は外径が最大の状態で完全に一周しており、底面
図で見れば外形は完全な円形を形成しているため、掘り
進めていくときに軸はぶれることなく真直ぐに進んでい
く。
【0014】軸体4は中空となっているが、内部には内
管が設けられており、内管は注入剤噴射ノズル7(注入
剤排出口)へつながっている。注入剤噴射ノズル7は軸
体4の最も径が大きい位置において外へ向かって設けら
れている。本例では注入剤噴射ノズル7は2本設けられ
ているが、3本以上設けてもよい。また、軸体4に対し
て完全に垂直に設ける以外にも、ある程度傾けてもよ
い。軸体と内管の間の隙間は圧縮空気の通路となり、先
導管2の先端より圧縮空気が噴出できるようになってい
る。
【0015】らせん状羽根6の上下面にはそれぞれ長方
形の板状の爪6が複数取り付けられている。爪6は軸体
4を中心とする円周に接する方向に、すなわち、爪6の
板厚の方向が半径方向になるように設けられている。こ
の方向で取付けることにより排泥の発生がより起こりに
くくなる。爪6の長方形の形状のうち、一つの角が面取
りされている。この面取りは、角を直線で切り落とすの
でもよいし、丸みをつけるのでもよい。この面取りされ
た角は、らせん状羽根5の回転方向にあわせて向けられ
る。本例では、掘り進む際は図3において反時計方向に
回転するが、らせん状羽根5の上面に設けられた爪6b
はこの回転方向に向いた側に面取りされた角を向けて取
り付けられる。逆に、土壌掘削工具1を引き上げるとき
は、時計回りに回転するが、らせん状羽根5の下面に設
けられた爪6aはこの時計回りの方向に向いた側に面取
りされた角を向けて取り付ける。このように向けること
により、掘り進めるときはらせん状羽根5の下面に設け
られた爪6aが鋭く土壌にくい込みながら土壌を効果的
に撹拌し、一方、上面に設けられた爪6bは切削・撹拌
された土壌を滑らかに後方へ送り、こぶし程度の大きさ
の石が混ざっていても噛み込みにくくなっている。逆
に、引き上げるときはらせん状羽根5の上面に設けられ
た爪6bが効果的に土壌を切削・撹拌し、下面に設けら
れた爪6aが土壌を滑らかに後方へ送る。
【0016】図10にらせん状羽根5上での爪6の配置
例を示す。本例においてらせん状羽根5の最大径は10
00mmであり、爪6は長さ60mm、高さ50mm、
厚さ9mmで、面取りはC10である。爪は図10で見
るように軸を中心とした回転角に従って一定の順序で設
けられている。らせん状羽根5の外周付近に爪が6分の
1周、すなわち60°ごとに取付けられていて、また、
同じ角度にあたる位置で軸体の近くにも1個の爪が取付
けられる。そして、外周付近に爪がある角度から12分
の1周、すなわち30°ずれた角度にも1個の爪が取付
けられるが、この爪の半径方向の位置は先の2個の爪の
中間付近となる。つまり、30°ごとに1個の爪と2個
の爪が交互に千鳥状に配置される。なお、らせん状羽根
5の上端および下端の近くの幅の狭い部分においては1
個の爪が続けて配置されてもよいが、その場合でも、半
径方向の位置は交互に変えることが好ましい。らせん状
羽根5の上面・下面とも同様の配置である。従って、ら
せん状羽根5の下端近くでは外周付近に配置された爪6
と先導管部に設けられた切削チップ3によりほぼ円錐状
の形状が形成され、ドリルのように効果的に土壌を切削
し、さらに千鳥状に配置された爪により効果的に土壌を
撹拌する。図11には最大径1500mmのらせん状羽
根5上での爪6の配置例を示す。この場合も1000m
m径の場合とほぼ同じ順序で配置するが、らせん状羽根
5の外周付近と軸体の近くに爪が取付けられている角度
において、この2個の爪の間にも1個の爪を配置してい
る。そして30°ずれた角度では当該3個の爪の間に2
個の爪をやはり千鳥状に配置する。
【0017】次に、本発明に係るスィベルの一例を図5
に示す。スィベル9の上部は非回転部10であり、回転
しない。非回転部10には注入剤導入口11と空気導入
口12が側面に設けられている。非回転部10に対して
回転自在に回転軸14がベアリング13を介して取り付
けられている。回転軸14は内管15と外管16から構
成される二重管構造になっている。内管15は中空とな
っており、この中空部が注入剤通路17を構成する。注
入剤通路17は注入剤導入口11から導入された注入剤
が通過できるようにつながっている。内管15と外管1
6の間にも隙間が設けられており、この隙間が空気通路
18を構成する。空気通路18は空気導入口12から導
入された空気が通過できるようにつながっている。
【0018】図7および図8に本発明に係る接続装置の
一例を示す。接続装置はオスカップリング19とメスカ
ップリング20の組み合わせにより構成される。また、
中間ロッド22は前述のスィベル9と土壌掘削装置1を
つなぐものであるが、この中間ロッドの一端にオスカッ
プリング19が、他端にメスカップリング20が溶接さ
れている。従って、オスカップリング19とメスカップ
リング20を組み合わせることにより、2本の中間ロッ
ドが接続されることになる。ここで、オスカップリング
19の内壁の一部およびメスカップリング20の外壁の
一部は断面が四角の形状になっており、この四角面が合
わせ面として相互に接する。つまり、この合わせ面はオ
スカップリング19とメスカップリング20とを相互に
回転しないように結合させる回転防止機構として機能す
る。また、オスカップリング19とメスカップリング2
0は4本のボルトにより軸方向のずれが生じないように
固定されている。
【0019】メスカップリング20及び中間ロッド22
は、スィベルの回転軸14と同様に内管と外管よりなる
二重管構造になっている。スィベル9および土壌掘削工
具1の端部にも同様の構造のオスカップリング又はメス
カップリングが設けられ、中間ロッド22に接続できる
ようになっている。なお、本実施例においては、スィベ
ル9の下部に設けられらオスカップリング19aは中間
ロッド22に設けられているオスカップリング19bと
若干形状が異なるが、係合する部分は共通であり、中間
ロッド22のメスカップリングがそのまま接続できるよ
うになっている。中間ロッド22の外径は排泥の発生を
より抑えるために60〜250mmの範囲内にするのが
好ましく、本例においては約140mmとなっている。
中間ロッド22の長さは、作業の効率や施工時の設備の
高さを考慮して決められるが、6m、4m、2mと複数
の長さのものを備えておくと、様々な施工条件に対応で
きる汎用性の高いシステムとなる。
【0020】図9に本発明に係る土木機械の一例を示
す。作業台車23は無限軌道24を備えて自走可能であ
り、工事現場において装置全体を容易に移動させること
ができるものである。作業台車23には上下動可能なア
ーム25を介してリーダー26が取り付けられている。
リーダー26はチャック27を上下に移動可能に取り付
けるスライド式の取り付け装置である。施工場所に作業
台車23を移動させたら、アーム25の角度を調整して
リーダー26を垂直に立てる。チャック27に最上段の
中間ロッドを通し、チャック27で中間ロッドをつか
む。最上段の中間ロッドの上にスィベル9がつながれ、
最下段の中間ロッドの下に土壌掘削工具1が接続され
る。チャック27は油圧駆動により中間ロッド22を正
逆両方向に回転させることができる。すなわち、中間ロ
ッド22はチャック27の回転を先端の土壌掘削工具1
に伝達する駆動軸の働きをする。スィベル9に注入剤ホ
ース28と空気ホース29とが接続され、それぞれのホ
ースは図示しないプラントのグラウトポンプとコンプレ
ッサーにつながれる。スィベル9、中間ロッド22およ
び土壌掘削工具1は、それぞれ二重管構造であるが、上
述の接続機構により、空気および注入剤の通路がつなが
るよう接続される。
【0021】土壌掘削工具1により掘り進めるときに
は、コンプレッサーで空気を送り土壌掘削工具1の先端
より噴出するとともに、土壌掘削工具1のらせん状羽根
が下向きに進行するよう回転させる。ある程度掘り進め
たら、中間ロッド22を継ぎ足して、さらに深く掘り進
める。らせん状羽根の上面の爪6aは進行方向側が切り
かかれているので、石が混じっている土壌でも土砂を滑
らかに後方へ送る。また、切削した土砂を滑らかに後方
に送るために、らせん状羽根のループは先端から中央部
にむかって径が広がり、また上部へ向かって径が小さく
なる形状になっている。ここで、らせん状羽根は大きい
方が土砂を押さえる力は強く有利であるが、らせん状羽
根には地中で抵抗がかかり、特に中央部のループの径の
大きい部分での抵抗は大きくなる。軸体が一定の太さで
あると中央部において羽根は大きく突き出した形状にな
り、大きな力がかかるとともに、羽根は破損しやすい。
また、軸体にかかる力も大きくなり破損しやすい。本発
明の土壌掘削工具1では、前記軸体4でらせん状羽根5
が取り付けられる部分は軸方向に沿って中央部が太く両
端部が細くなる。そのため、中央部においてもらせん状
羽根および軸体は強固であり、また掘り進みながらスム
ーズに土砂を後方に送るため、施工中に土壌掘削工具1
が地中で破損しにくくなり、比較的硬い地盤や粘土質の
場所でも施工ができる。
【0022】最終深さまで掘り進めたら、チャック27
の回転方向を逆にして、らせん状羽根が上向きに進行す
るよう回転させながら、土壌掘削工具1を引き上げる。
この際、注入剤ホース28より注入剤を導入し、土壌掘
削工具1の注入剤排出口より注入剤を地中に注入する。
引き上げ時にはらせん状羽根の上面の爪が土砂を撹拌す
る。らせん状羽根の下面の爪は逆回転時における進行方
向側が切りかかれているので、同様に土砂を滑らかに後
方へ送る。そして、本発明に係る土木機械および工法に
おいては、土砂の機械的撹拌と注入剤の噴出による土砂
の撹拌が同時に行われ、切削された土砂と注入剤は効率
的に混合される上、切削された土砂が排泥として地上に
排出されることがない。引き上げるときは、掘り進める
ときとは逆に、中間ロッドを順次取り外しながら作業を
進める。所定の高さまで引き上げたら注入剤の注入を停
止して、土壌掘削工具1を引き上げる。このようにして
一つの穴の施工が完了したら、作業台車23を次の位置
に移動させ、同様の施工を繰り返す。
【0023】施工においては、掘り進むときは中間ロッ
ド22を継ぎ足していき、引き上げるときは中間ロッド
22を取り外していくので、地上に出ている部分は常に
低く抑えられており、転倒防止のための支持体を広げる
必要もないので、施工が容易であるとともに、狭い場所
や地盤が弱いところでも施工ができる。上述の接続装置
により中間ロッドの着脱は容易であり、空気や注入剤の
供給も円滑に行われる。また、本発明においては、掘り
進むときにも、引き上げるときにも土砂を積極的に機械
撹拌するので、正逆どちらの方向に回転する場合にも中
間ロッド22が緩まないような接続が必要となるが、接
続装置には回転防止機構が設けられているため接続箇所
が緩んで抜けるようなことはない。
【0024】
【実施例1】本発明を地盤改良工事に適用した例であ
る。注入剤としては高濃度のセメントミルクを用いる。
本工法に使用するセメントミルクは改良体の強度を十分
なものとするために通常の工法の場合(例えば注入剤1
3に対してセメント量760kg程度)よりセメント
の比率を多くすることが好ましい。ここで、セメント量
を多くすると注入剤の比重が大きくなりポンプでの吸引
が悪くなりやすいので、芳香族スルホンと特殊変性リグ
ニンを主成分とする減水剤を配合することが好ましい。
この減水剤の配合によりセメントミルクが流れやすくな
ってポンプにより送りやすくなるとともに、改良体の強
度が増す。本実施例においては減水剤として芳香族スル
ホンと特殊変性リグニンを主成分とする商品名サンフロ
ーSW−2000S(日本製紙株式会社)を使用し、注
入剤1m3に対してセメント1000kgとサンフロー
SW−2000Sを5kg配合し、改良体の圧縮強度1
MPaを得た。プラントで空気と混合されたセメントミ
ルクを0.6〜2.5MPaの低圧で噴出する方法と、
18.0〜29.0MPaの超高圧でセメントミルクを
噴出する方法がある。後者の超高圧噴出撹拌の場合は、
空気とセメントミルクは混合させずに別々に送り、空気
は掘り進むときに先導管先端より下方向に、セメントミ
ルクは引き上げるときにらせん状羽根の横の注入剤排出
口7より横方向に噴出する。どちらの方法においても、
切削された土砂はセメントミルクと混合され、改良体と
して地中杭を構成するので、地上に排泥として排出され
ない。引き上げるときは図3において時計回りにらせん
状羽根は回転し、上から土砂を引き込むとともに撹拌・
混合された土砂とセメントを羽根により下に強く押し付
けるので、強固な地中杭を形成でき、また、排泥の発生
を強力に抑制する。このため、排泥による環境問題を起
こすことがなく、また、排泥の処理のための多額の費用
も発生しないため、地球環境に優しく、施工性、経済
性、安全性にすぐれた工法となっている。
【0025】なお、超高圧噴出撹拌の場合は、セメント
ミルクを横方向に高圧噴射するために、らせん状羽根の
径よりも広い範囲の改良体の造成が可能であり、工期の
短縮および経済性の向上が実現できるとともに、密着施
工や改良体相互の施工が可能となり工事の全体的な一体
化がはかれる。例えば直径1mのらせん状羽根を使用し
て超高圧噴出撹拌を行った場合には直径1.6〜1.8
mの範囲で造成でき、かかる範囲であれば改良体の強度
も高い。直径1.5mのらせん状羽根を使用した場合に
は直径2.6m程度の範囲で造成できる。本実施例のお
いては、直径1mのらせん状羽根を使用し、らせん状羽
根の回転速度を毎秒0.467回転、注入剤吐出圧力を
18〜22MPa、空気吐出量を1.5〜3.0m3
min、空気吐出圧力を0.6〜0.7MPaとした。
単位時間当たりの注入量には留意が必要で、過度の注入
を行うと排泥を発生させないという本発明の効果が発揮
できない場合がある。排泥を発生させない限界での単位
時間当たり注入量の70%程度で注入するのが好まし
い。本実施例では70リットル/minとした。引き上
げ速度(以下、1m引き上げるのに要する時間で表示)
は、C<0.01N/mm2(=MPa)での粘性土で
は3.0min/m、0.01N/mm2≦C≦0.0
3N/mm2(5≦N≦10)の土質では5.0min
/m、10≦N≦15の砂質土では6.0min/mと
した。また、グラウトポンプとしては70〜150リッ
トル/minの能力のものを用い、主に140リットル
/min程度の注入量で使用する直径1.5mのらせん
状羽根にも対応できるようにした。
【0026】一方、低圧噴出の場合は、注入剤噴射ノズ
ル7の内径は8〜12mmとし、らせん状羽根の回転速
度を毎秒0.467回転、注入剤吐出圧力を0.6〜
2.5MPa、注入速度は50リットル/minとし
た。
【0027】
【実施例2】本発明を土壌浄化工事に適用した例であ
る。本実施例においては、注入剤として土壌中の汚染物
質を分解・中和等するような薬剤を使用する。汚染除去
に必要な深さまで掘り進んだ後、土壌掘削工具1を逆回
転して引き上げながら薬剤を土壌中に注入する。らせん
状羽根6で土砂を機械的に撹拌しながら薬剤を注入する
ので効果的である。汚染が深いところまで進行している
場合でも、土壌掘削工具1が到達する範囲であれば汚染
除去が行える。さらに、本実施例においても排泥を発生
させないので、汚染された土砂が地表に現れてくること
もなく、安全に施工することができる。実施例1と同様
に超高圧噴出撹拌を行えば、少ない作業で広範囲をもれ
なく施工できる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、排泥を出すことなく土
砂を掘削及び撹拌することができ、施工現場周辺の環境
を保護することができる。地中で土砂をスムーズかつ効
果的に撹拌し、しかも地中で破損しにくい。土壌改良に
おいても汚染土壌の浄化においても、大型の設備を要せ
ず、短い工期と少ない費用で効果的な施工ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る土壌掘削工具の斜視図である。
【図2】同正面図である。
【図3】同底面図である。
【図4】土壌掘削工具の爪の斜視図である。
【図5】本発明に係るスィベルの断面図である。
【図6】スィベル中での注入剤と空気の流れを示す断面
図である。
【図7】本発明に係る接続装置と中間ロッドの断面図で
ある。
【図8】接続装置の詳細を示す断面図である。
【図9】本発明の土木機械を示す正面図である。
【図10】らせん状羽根上での爪の配置例を示す展開図
である。
【図11】らせん状羽根上での爪の別の配置例を示す展
開図である。
【符号の説明】
1.土壌掘削工具 2.先導管 3.切削チップ 4.軸体 5.らせん状羽根 6.爪 7.注入剤排出口 8.空気噴出口 9.スィベル 10.非回転部 11.注入剤導入口 12.空気導入口 13.ベアリング 14.回転軸 15.内管 16.外管 17.注入剤通路 18.空気通路 19.オスカップリング 20.メスカップリング 21.ボルト 22.中間ロッド 23.作業台車 24.無限軌道 25.アーム 26.リーダー 27.チャック 28.注入剤ホース 29.空気ホース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 小夜子 高知県高知市五台山長江4869番地3 有限 会社さかわ土木工業内 (72)発明者 稲葉 力 東京都港区虎ノ門1丁目20番10号 西松建 設株式会社内 Fターム(参考) 2D040 AA00 AB05 AC05 BA02 BA06 BD05 CA01 CB03 DA01 DA03 DA16 DC06 EA01 EA11 EA21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】土木機械の回転軸の接続装置であって、二
    重管である前記回転軸の内管同士および内管と外管の間
    の空間同士が流体が通過可能に接続される通路を有し、
    かつ接続された回転軸間の相対的な回転を防止する回転
    防止機構が設けられている土木機械の回転軸の接続装
    置。
  2. 【請求項2】オスカップリングとメスカップリングの組
    み合わせにより構成され、オスカップリングの内壁の一
    部およびメスカップリングの外壁の一部に相互に接する
    直線状の合わせ面が設けられている請求項1に記載の土
    木機械の回転軸の接続装置。
  3. 【請求項3】オスカップリングとメスカップリングの組
    み合わせにより構成され、オスカップリングの内壁の一
    部およびメスカップリングの外壁の一部は断面が四角の
    形状となっており、当該四角面が合わせ面として相互に
    接する請求項1に記載の土木機械の回転軸の接続装置。
JP2002295407A 2001-07-13 2002-10-08 土木機械の回転軸の接続装置 Pending JP2003161093A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002295407A JP2003161093A (ja) 2001-07-13 2002-10-08 土木機械の回転軸の接続装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-213012 2001-07-13
JP2001213012 2001-07-13
JP2002295407A JP2003161093A (ja) 2001-07-13 2002-10-08 土木機械の回転軸の接続装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001365491A Division JP3391781B2 (ja) 2001-07-13 2001-11-30 土壌掘削工具、土壌掘削のための土木機械及び土壌改良工法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003161093A true JP2003161093A (ja) 2003-06-06

Family

ID=26618652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002295407A Pending JP2003161093A (ja) 2001-07-13 2002-10-08 土木機械の回転軸の接続装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003161093A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009502A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Yamashin Kogyo Kk 土壌掘削工具、土壌改良工法および土壌浄化工法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009502A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Yamashin Kogyo Kk 土壌掘削工具、土壌改良工法および土壌浄化工法
JP4695733B2 (ja) * 2005-06-30 2011-06-08 山伸工業株式会社 土壌掘削工具、土壌改良工法および土壌浄化工法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4796477B2 (ja) 鋼管ソイルセメント杭の施工方法および合成杭のの施工方法
JP3391781B2 (ja) 土壌掘削工具、土壌掘削のための土木機械及び土壌改良工法
CN102535449A (zh) 一种搅拌桩施工方法及其固化剂装置
JP4679705B2 (ja) 機械撹拌エアーセメントミルク混合圧送工法を施工する装置
JP2007204983A (ja) 土壌掘削工具用スィベルおよび土壌改良工法
JP3974936B2 (ja) 土壌掘削工具、土壌掘削工具を備えた建設機械、地盤改良工法及び土壌浄化工法
JP4695733B2 (ja) 土壌掘削工具、土壌改良工法および土壌浄化工法
JP2003161093A (ja) 土木機械の回転軸の接続装置
JP4695734B2 (ja) 土壌掘削工具および土壌改良工法
JP3974937B2 (ja) 地盤改良工法
JP5020683B2 (ja) 汚染土壌の封じ込め方法
JP5603097B2 (ja) 地中油汚染部の浄化方法
JP2004278034A (ja) 土壌掘削工具
JP4660690B2 (ja) 汚染地下水処理用浄化体の形成方法
CN115178580B (zh) 一种偶数轴多级高压搅拌喷液装置
JP5681463B2 (ja) 水底地盤の地盤改良装置
JP6245543B2 (ja) 土壌改良体造成工法
JP5681462B2 (ja) 掘削部材および土壌改良システム
JP2006045999A (ja) 土壌改良方法
CN115739961A (zh) 一种偶数轴加液喷粉搅拌装置及土壤修复方法
JP4195627B2 (ja) 建設機械の回転軸の接続装置
JP4625655B2 (ja) 地下水浄化壁の構築装置
JP2023067040A (ja) 地盤改良工法及び地盤改良装置
JP2005307524A (ja) 土壌掘削工具
JP2008069623A (ja) 地盤削孔装置及び地盤削孔工法