JP2005307524A - 土壌掘削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 排泥の少ない簡便な土壌掘削工具を提供する。
【解決手段】 下端部に土壌改良材を注入する注入口11をもつ軸管1と、この軸管1の下方に設けられた遠心方向に延びる掘削翼2と、この掘削翼の上方の軸管に間隔を隔てて設けられた複数枚の押さえ翼からなる押さえスクリュー3とを有する土壌掘削工具。スクリューで掘削された土壌を下方に押さえつけるためにスクリュー下方に大きな土圧が作用し、坑の開口よりの汚泥の漏れ出しを押さえることができる。
【選択図】図1

Description

本発明に係る土壌掘削工具は、軟弱な地盤の改良に使用される工具に関する。
軟弱な地盤を強化して改良する地盤改良工法としては、硬化剤を超高圧噴射して硬化剤と土壌とを混合し強化坑を形成する超高圧噴射による攪拌工法と大型クローラ坑打機によるオーガー攪拌工法及びビット攪拌工法が知られている。
各種工法の中で、比較的排泥の少ない工法として次の工法を挙げることができる。一つは、クローラー式坑打機を使用し、先端に攪拌翼を設けたロッドを使用し、攪拌翼の付け根から粉粒状の固化剤を地盤中にエアーと共に噴射し、原地盤の土壌と混合攪拌して円柱状の固化坑を造成する、深層混合処理工法である。他の一つは、バックホータイプの専用機械で先端に螺旋状の特殊なビットを装着したロッドを用い、ビットの中央部に設けたノズルより固化剤とエアーを地盤中に噴射し原地盤と混合攪拌すると共にビットの回転効果によって円柱状の固化坑を造成する工法である。この工法は下記の特許公報に詳細に説明されている。
特開2001−159130号公報
いずれの工法も排泥を無くすることは実際上困難である。本発明は排泥の少ない簡便な土壌掘削工具を提供することを目的とする。
本発明の土壌掘削工具は、下端部に土壌改良材を注入する注入口をもつ軸管と、
該軸管の下方に設けられた遠心方向に延びる掘削翼と、該掘削翼の上方の該軸管に間隔を隔てて設けられた複数枚の押さえ翼からなる押さえスクリューとを有することを特徴とする。本発明の土壌掘削工具はスクリューが下方向に進む回転方向となるように軸管を回転させ、軸管の注入口より土壌改良材を注入しながらまたは注入せず、下端部の掘削翼で坑を掘り下げる。そして、所定深さの坑を形成した後、軸管の回転方向を逆にし、軸管の注入口より土壌改良材を注入しつつまたは注入を停止しつつ、掘削翼で坑内の土壌と土壌改良材を攪拌混合すると共にスクリュウで土壌を下方に押し下げ、スクリュウの下方の坑内の圧力を高くし、土壌と土壌改良材の混合物を坑の内壁面に押し付けつつスクリューの上方の土壌をスクリュウの下方に送って土壌あるいは土壌と土壌改良材との混合物が坑の開口部より溢れ出るのを抑制するものである。
本発明の土壌掘削工具を構成する軸管としては内管及び外管からなる二重管、一重の単管を用いることができる。また、軸管を長くするために使用される接続管を用いることもできる。
掘削翼は軸管の下方に設けられた遠心方向に延びる少なくとも2枚の翼で形成される。各翼の下方に、土壌を削るための爪が遠心方向に間隔を隔てて設けるのが好ましい。また、掘削翼は軸方向に対して傾斜し、軸管の回転により掘削翼で土壌を軸方向に送るものであるのが好ましい。そして、掘削翼を構成する翼は周方向に幅の狭い板状のもので、軸管を中央にして互いに傾斜が逆方向の2枚で構成するのが好ましい。
スクリューは掘削翼の上方の軸管に間隔を隔てて設けられ、複数枚の押さえ翼からなる。この押さえ翼は翼の傾斜している翼面に沿って土壌を軸方向に案内して送る機能を持たせたものである。このため押さえ翼の周方向の幅の広いものが好ましい。周方向の幅は、遠心方向に向かうほどその幅も広くなるのが好ましい。スクリュウを構成する押さえ翼は2枚又はそれ以上の枚数とすることができる。スクリュウによる土壌の押さえ作用を高くするために、スクリュウの軸方向投影面積はスクリューの遠心端で描かれる面積の50%以上、より好ましくは80%以上とすのが好ましい。スクリュウの軸方向投影面積を大きくするとスクリュウで土壌が送られる側の圧力が高くなった場合にも、逆方向に土壌が押し戻されるのを効果的に阻止することができる。なお、1枚の翼の周方向の後端とそれに隣り合う押さえ翼の前端の間隔は掘削する土壌に混じっている石が翼と翼の間に挟まらないように広くするのが好ましい。
スクリューの直径は掘削翼の直径と同程度、土壌中に大きな石が存在する場合にはスクリューの直径は掘削翼の直径より小さくするのが好ましい。これにより大きな石が比較的スムースにスクリューにより軸方向に送ることができる。
なお、スクリューを構成する押さえ翼は十分な強度を持つものである必要がある。
軸管には、掘削翼と押さえスクリュウとの間に攪拌翼を設けるのが好ましい。攪拌翼は掘削翼と同じように幅の狭い板状とするのがよい。攪拌翼の直径は掘削翼の直径と同じかあるいはそれより小さくするのが好ましい。なお、攪拌翼はスクリューよりも土壌の押さえ作用の小さいもので、翼の傾斜も、軸方向投影面積も攪拌翼の遠心端で描かれる面積の30%以下とするのがこのましい。
なお、掘削翼とスクリュー及び掘削翼とスクリューと攪拌翼は周方向の同じ方向に傾斜するものとすることが好ましい。
本発明の土壌掘削工具を使用するために必要なスイベル、接続管を接続するための接続金具、作業台車、土壌改良材、土壌改良材を圧送する圧送装置、コンプレッサ等は従来のものを使用できる。
本発明の土壌掘削工具は、従来と同じように、作業台車に取り付け、かつセメントミルク等の土壌改良材を注入する圧送装置に連結し、掘削を開始する。作業台車の駆動装置により土壌掘削工具の軸管を掘削翼が下方に滑り込む回転方向に駆動し掘削翼により削り取られた土壌を掘削翼で上方に送りつつ掘り進める。スクリューは掘削翼により上方に送られた土壌をさらに上方に移送する。この掘り進める過程で軸管を通して圧縮空気を掘削翼の近辺に送ることもできる。これにより削り取られた土壌を崩し、土壌粒粉化の効率を上げることもできる。また、土壌改良材を注入することもできる。
所定深さに達した後、軸管の駆動装置の駆動方向を逆にし、掘削翼及びスクリュウにより削り取られた土壌を上方より下方に送るようにする。そして軸管の注入口より土壌改良材を注入し、土壌と土壌改良材を混和する。掘削翼では削り取られた土壌を下方に送る。下方に送られた土壌は掘削翼の下方の穴の底の部分の土圧を高め、掘削翼の間から上方に逆流し、土壌と土壌改良材の混合が進む。
攪拌翼を備える場合には、攪拌翼もさらに土壌と土壌改良材の攪拌を進める。スクリュウは押さえ翼の大きな翼面積により効率的に土壌を下方に送りスクリュウより下方の土圧を高める。高い土圧により土壌と土壌改良材の混和物は形成された坑の内周面を押し広げる作用も顕著になる。
この状態で、軸管を回転駆動することにより土壌掘削工具自体は徐々に上方に昇り坑全体をその内周径を広げつつ土壌と土壌改良材の混和物で埋める。なお、削られた土壌はスクリュウの押さえ作用により土壌が上方に漏れ出すのを効果的に抑制し、地表に漏れ出す土壌の量を最小にすることができる。
最後に土壌掘削工具を引き抜き土壌改良作業は終了する。その後土壌改良材の作用で土壌が固化し硬い坑が形成される。
なお、1本の土壌掘削工具を用いる例について説明したが、並列に2本以上の土壌掘削工具で作業を行うこともできる。
押さえスクリューで土壌を効果的に下方に移送できるためスクリュー下方の土圧が高くなる。一方、坑の開口より漏れ出す排泥を効果的に抑制できる。このため排泥が少ない土壌改良が可能となる。
本発明の土壌掘削工具を用いて坑を形成した坑中の使用状態の模式図を図1に示す。この土壌掘削工具は、軸管1と掘削翼2とスクリュー3と攪拌翼4とを持つ。軸管1は単管で外径89mm、内径65mmのものである。軸管1の下端には軸孔を縦方向に横切るように爪11が固定されている。軸管1の下端の爪11の両側の開口が注入口となる。
掘削翼2は軸管1の下端部の外周に180度回転して固定された2枚の板状の翼21、22からなる。各翼21、22は、水平に対して20度傾斜し、下端には研削歯となる凹凸部が形成されている。掘削翼2の両端の距離は600mmである。
スクリュー3は3枚の押さえ翼31、32、33で構成されている。各翼31、32、33はそれぞれ120度の間隔でスリーブ34の外周面に固定されている。なお、スリーブ34は軸管1の外周側に同軸的に装着固定されている。
スクリュー3の外周径は900mm、翼31、32、33の軸方向の高さは200mm、傾斜角度は25度である。また、スクリュウ3の軸方向投影面積はこのスクリューの遠心端で描かれる面積の65%である。
掘削翼2の軸方向中心からスクリュー3の軸方向中心間での距離は約600mmである。
攪拌翼4は2枚の幅の狭い長方形板状の翼よりなる。2枚の翼は180度間隔で軸管1の外周面に固定されている。攪拌翼4の軸方向の高さは65mm、傾斜角度は25度である。また、攪拌翼4の軸方向投影面積はこの攪拌翼4の遠心端で描かれる面積の約15%である。
本実施例の土壌掘削工具を用いて土壌改良を行う方法は、発明の開示の欄で説明したのと同じである。
本発明の土壌掘削工具の別の例を図2に示す。この土壌掘削工具は、軸管10と掘削翼20とスクリュウ30とからなる。前記した最適実施態様のものに対して、この例は攪拌翼を備えていないことで大きく異なる。この土壌掘削工具では掘削翼が攪拌翼としても機能する。
今までの土壌掘削工具のスクリューとしては3枚翼のものを用いたが図3にその平面図と立面図を示すように5枚翼のものでもよい。
本発明の最適実施態様の土壌掘削工具の坑中の使用状態の模式図である。 本発明の他の実施例の土壌掘削工具の立面図である。 本発明の土壌掘削工具のスクリューの平面図と立面図である。
符号の説明
1、10:軸管 2、20:掘削翼 3、30:スクリュー
4:攪拌翼

Claims (3)

  1. 下端部に土壌改良材を注入する注入口をもつ軸管と、
    該軸管の下方に設けられた遠心方向に延びる掘削翼と、
    該掘削翼の上方の該軸管に間隔を隔てて設けられた複数枚の押さえ翼からなる押さえスクリューと
    を有することを特徴とする土壌掘削工具。
  2. 前記スクリュウの軸方向投影面積は該スクリューの遠心端で描かれる面積の50%以上である請求項1記載の土壌掘削工具。
  3. 更に前記掘削翼と前記押さえスクリュウとの間の前記軸管に攪拌翼が設けられている請求項1又は2記載の土壌掘削工具。
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