JP2004270260A - 無排土による基礎柱体施工装置及び無排土による基礎柱体施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】杭を打設せず、掘削排土を排出すること無く基礎地盤を柱体改良する基礎柱体施工装置及び無排土施工方法を提供する。
【解決手段】正逆回転をするオーガロッド1と、固化材スラリーを注入するためにオーガロッドの先端寄りに設けられた第1の吐出口6aと、オーガロッドの後端側の位置に設けられた第2の吐出口6bと、オーガロッドの先端部に設けられた掘削刃3と、掘削刃の位置からオーガロッドの後端側の位置に設けられ、オーガロッドの回転による共回りを防止するように回転リング9によって支持された固定翼5と、固定翼の位置からオーガロッドの上端側の位置に設けられ、オーガロッドの軸周面に巻回した螺旋形状の圧密攪拌翼2と、オーガロッドの先端に設けられた第1の攪拌翼4aと、圧密攪拌翼の位置からオーガロッドの上端側の位置に設けられた第2の攪拌翼4bとを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】正逆回転をするオーガロッド1と、固化材スラリーを注入するためにオーガロッドの先端寄りに設けられた第1の吐出口6aと、オーガロッドの後端側の位置に設けられた第2の吐出口6bと、オーガロッドの先端部に設けられた掘削刃3と、掘削刃の位置からオーガロッドの後端側の位置に設けられ、オーガロッドの回転による共回りを防止するように回転リング9によって支持された固定翼5と、固定翼の位置からオーガロッドの上端側の位置に設けられ、オーガロッドの軸周面に巻回した螺旋形状の圧密攪拌翼2と、オーガロッドの先端に設けられた第1の攪拌翼4aと、圧密攪拌翼の位置からオーガロッドの上端側の位置に設けられた第2の攪拌翼4bとを備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟弱な地盤の上に住宅等の構築物を支持するために基礎を無排土で構築するための無排土による基礎柱体施工装置及び無排土による基礎柱体施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟弱な地盤上に構築する住宅等の構築物を支持するために基礎杭を打設するという技術は古くから用いられており、近代に入ってからは機械力を用いて基礎杭を打設する施工に技術的改良が進んだ。しかし、近年、市街地や住宅地の地盤基礎工事において、杭打ち作業に伴う騒音公害が社会問題となり、無振動、無騒音の基礎杭施工技術の開発が進められている。
【0003】
地盤改良装置としては、種々形状の施工装置が開発され用いられているがそのほとんどが基礎杭打設用としての抗の埋設穴を地中に掘穴する目的のものである。
これらの地盤改良装置は、オーガロッドの下方に先端地盤掘進用としての掘進刃及び地盤を掘削する複数枚の撹乱刃が設けられ、さらに上記のオーガロッドの軸部にスクリュウ羽根を敷設して掘削地盤を地上に楊土する機能を有している。
【0004】
地盤改良施工法には、地盤改良装置により杭の埋設穴を掘削した後オーガロッドを引抜き、この掘削穴内に杭を建てこむ方法や、オーガロッドにより中堀しながら杭を建てこみ、その後オーガロッドを引抜いて埋設する方法などがある。
【0005】
一方、排土処理の困難さを解決するため、地盤掘削と同時にこれらの掘削土を地上に楊土することなく掘削土を掘穴周部に圧密して崩土のない強固な抗穴を掘削する方法が知られている。
【0006】
この方法を実施する装置は、図5に示すように、オーガヘッド60の先端部に適宜形状の掘進刃61を取り付け、該掘進刃61の上部に円錐状圧土面63を形成し、該円錐状圧土面63に、数枚の撹乱刃62を付設すると共に該オーガヘッドの上部に三角形隆起凸部65を数条の緩らせん状に隆起形成設けてなるオーガロッド64を一体に連結した構造を有する地盤改良装置が開示されている。
【0007】
この方法を実施する装置は、オーガロッド64面に形成した緩らせん状の三角形隆起凸部65の突端にて孔周を拡開すると同時に、各圧土面が孔周壁土壌を恰もコテ面の如き作用を有し、掘削土壌を孔周壁に圧締した孔壁を有する杭孔を地中に施工する(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−158971号公報(第1−2頁、第1図)
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した掘削地盤を地上に楊土する地盤改良装置による掘削では、コンクリート杭の断面積と同量の掘削土を地上に排出しなければならず、市街地における施工に際しては廃土処理が難問となっている。場合によっては産業廃棄物として処理しなければならず、産業廃棄物処理のためには多額の費用を要する。
【0009】
また、杭周辺の地層を乱すため、杭周ではあまり大きな支持力が得られないといった問題点と、排土量が多いので排土するためには大きな動力と施工時間がかかるという問題点もある。
【0010】
さらに、特許文献1の無排土掘穴装置においては、オーガロッドの回転に伴って穴周壁を圧締するものであるから回転時に相当の抵抗が生じエネルギ負担が大きいという問題がある。また、オーガロッドで圧密、拡開した穴の中にケーシングもしくは基礎杭(パイル)を挿入する際、穴の内面との間に大きい摩擦抵抗を生じるので、この挿入作業に大きい動力と長い作業時間とを必要とするという問題がある。
【0011】
本発明は、上記の問題を解決するものであって、住宅等の構築物を支持する地盤の地盤改良において、杭を打設せず又掘削による排土を排出しないで基礎地盤を柱体改良する無排土による基礎柱体施工装置及び無排土による基礎柱体施工方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明は、地盤を掘削し掘削により生成される排土を攪拌するため正回転及び逆回転の回転駆動をするオーガロッドと、搬送された固化材スラリーを掘削した穴に注入するために前記オーガロッドの先端寄りに設けられた第1の吐出口と、前記第1の吐出口の前記オーガロッドの後端側の位置に所定の間隔で設けられた第2の吐出口と、前記オーガロッドの先端部に設けられ地盤を掘削する掘削刃と、前記掘削刃の位置から前記オーガロッドの後端側の位置に前記オーガロッドの中心軸に直交して設けられ、前記オーガロッドの回転による共回りを防止するように回転リングによって支持された固定翼と、前記固定翼の位置から前記オーガロッドの上端側の位置に設けられ前記オーガロッドの軸周面に巻回した螺旋形状の圧密攪拌翼と、前記オーガロッドの先端に設けられた第1の攪拌翼と、前記圧密攪拌翼の位置から前記オーガロッドの後端側の位置に前記オーガロッドの中心軸に直交して設けられた第2の攪拌翼と、を備えたことを特徴とする無排土による基礎柱体施工装置を提供するものである。
【0013】
ここで、本発明は前記オーガロッドの軸周面に巻回した螺旋形状の圧密攪拌翼を備え、搬送された固化材スラリーを掘削した穴に注入するために前記オーガロッドの先端側に第1の吐出口と、前記第1の吐出口と所定の間隔で第2の吐出口を設けた。これにより本発明の無排土による基礎柱体施工装置は、排土と固化材スラリーを圧密して柱体を形成するので排土を穴の外部に排出することが無い。
【0014】
また、複数箇所に吐出口を設けたことにより排土と固化材スラリーの攪拌効率を上げることができる。さらに、地盤の基礎に基礎杭を使用しないため打杭音等の騒音により環境を破壊すること無く地盤の基礎施工を行うことを可能とする。
【0015】
さらに、前記圧密攪拌翼は、攪拌と同時にヒービングさせることにより混合品質を向上させるためにテーパー状の形状を有し、前記オーガロッドの軸周面に4分の3周に渡り、螺旋状に巻回し固着され、前記オーガロッドの正回転で掘削及び攪拌を行い、逆回転で圧密を行う。
【0016】
これにより、圧密攪拌翼(テーパー状スパイラル)で掘削した排土を攪拌とともにヒービングを発生させるため攪拌品質を向上させる。また、さらに周辺土と固化材スラリーの圧密が進むことで、従来の工法において見られた不連続部分やくびれ等の構造上の欠陥部分ができない密度の高い改良柱状体を形成することを可能とする。
【0017】
さらに、前記オーガロッド内には、前記固化材スラリーを搬送するための固化材搬送路が形成され、該固化材搬送路は前記第1の吐出口、前記第2の吐出口に接続されている。前記第1及び第2吐出口は、前記固化材スラリーの吐出量を制御する制御手段により制御された量の前記固化材スラリーを吐出するように構成されている。
【0018】
ここで、前記吐出口は前記オーガロッドの先端寄りに第1の吐出口と所定の間隔で第2の吐出口が設けられている。これにより、前記固化材スラリーの注入圧力を下げることが可能となり、地表方向への排土の押上げ圧力を低下させることを可能とする。
【0019】
前記固化材スラリーは、セメント系固化材と水を混合して生成される。また、前記掘削刃は、前記オーガロッドの長手方向中心線に直行して取り付けられており、前記掘削刃は掘削する穴の直径の長さを有し複数の掘削ビットが取り付けられている。
【0020】
さらに、前記第2の攪拌翼は、前記オーガロッドの回転にともなって回転し排土を攪拌するとともに攪拌した排土を圧密する。これにより排土の攪拌と同時に圧密するので地表上に排土を出さない。
【0021】
前記固定翼は、前記オーガロッドの周面を回転可能な支持リングに支持されオーガロッドが回転しても回転しないように構成されている。これにより固定翼は回転しないのでオーガロッドの掘削の方向を制御することが可能である。
【0022】
さらに、本発明は、オーガロッドの先端から後端に向って取り付けられている、排土を攪拌する第1の攪拌翼と、地盤を掘削する掘削刃と、オーガロッドの回転との共回りを防止された固定翼と、固化材スラリーを注入する第1の吐出口と、前記第1の吐出口から所定の間隔で設けられた第2の吐出口と、前記排土と前記固化材スラリーを攪拌及び圧密する螺旋形状の圧密攪拌翼と、掘削した排土を攪拌する1又は複数の第2の攪拌翼と、で構成された無排土による基礎柱体施工装置による無排土基礎柱体施工方法であって、前記オーガロッドの上端部に回転駆動を与えつつ前記オーガロッドを地中に螺入し、前記掘削刃が掘削した穴の排土を前記圧密攪拌翼及び前記第2の攪拌翼で攪拌及び圧密し、同時に、前記穴に前記吐出口から前記固化材スラリーを注入しつつ前記固化材スラリーと排土を前記圧密攪拌翼及び前記第2の攪拌翼で攪拌して圧密し、無廃土で地盤中に垂直円柱面を有する柱体を形成し前記固化材スラリーの固化により地盤の基礎を柱体施工することを特徴とする無排土による基礎柱体施工方法を提供するものである。
【0023】
これにより、本発明の無排土による基礎柱体施工方法は、地盤の基礎の柱体施工を無排土化することによりコストの削減及び基礎杭の打設音を発生させない環境に配慮した地盤改良施工方法の実施を可能にした。
【0024】
前記柱体施工は、前記オーガロッドを正回転して前記掘削刃で地盤を掘削するとともに固化材スラリーを注入しつつ攪拌及び圧密し所定の深度まで掘削した後、前記オーガロッドを逆回転させながら引き上げ、さらに前記オーガロッドを前記柱体に再度挿入し正回転させ再攪拌し所定の深度に到達した後、前記オーガロッドを逆回転させ前記柱体を圧密しながら引き上げることにより地盤の柱体施工する。これにより、圧密攪拌翼(テーパー状スパイラル)で掘削した排土を攪拌するとともにヒービングを発生させるため攪拌品質を向上させることができた。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る無排土による基礎柱体施工装置及び無排土による基礎柱体施工方法の実施の形態例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の装置を使用して地盤の基礎を改良施工するための地盤の基礎改良施工装置例の全体図を示す。地盤の基礎改良工事を施工するための装置全体の構成例は、基礎柱体施工装置10を吊り下げて保持し地盤の基礎改良位置を移動しつつ地盤に穴を掘削し地盤の基礎に柱体施工をする改良専用機11と、地盤を基礎柱体施工するために注入する固化材を水と攪拌し固化材スラリーを生成するミキサー12と、ミキサー12から基礎柱体施工装置10に接続され固化材スラリーを搬送するパイプ14と、ミキサー12内の固化材スラリーを基礎柱体施工装置10に搬送する動力を供給するポンプ13と、固化材スラリーの投入量を計量する計量計及び掘削した穴の深度を計測する深度計を含む計測器16と、ミキサー12及びポンプ13等に電力を供給する発電機15で構成されている。
【0027】
ここで、図示した例は、小規模の構成のものであるが、深層用等の大規模工事編成においても大型の改良専用機、スラリープラント、固化材サイロ(図示せず)等の関連装置を所定の能力を有する機器で構成し本発明の基礎柱体施工装置10を使用するようにしてもよい。
【0028】
図2(a)は、本発明の実施の形態例における基礎柱体施工装置10全体の側面図を示す。図2(b)は、図2(a)に示す基礎柱体施工装置10のオーガロッド1先端側矢印X方向から見た正面図を示す。図1及び図2に示すように本実施の形態例の基礎柱体施工装置10は、その長手方向を上下に垂直に立てて使用される。以下の説明においては、この使用状態の姿勢に基づいて適宜、上、下の呼称を用いる。
【0029】
基礎柱体施工装置10は、改良すべき地盤の掘削及び攪拌を行うため回転駆動し固化材を搬送する固化材搬送路(図示せず)を有するオーガロッド1と、オーガロッド1に取り付けられた以下に説明する装置で構成されている。
【0030】
オーガロッド1は、後端(上端)に駆動装置(図示せず)が連結され、駆動装置の正回転又は逆回転により正回転又は逆回転の回転駆動する。オーガロッド1の先端部(下端)には、地盤を掘削する掘削刃3が設けられている。オーガロッド1の先端部に取り付けられた掘削刃3は、オーガロッド1の正回転と共に回転し地盤を掘削する。
【0031】
図2(a)に示す実施の形態例では、掘削刃3は、地盤を掘削するための掘削ビット8を4個8a、8b、8c、8d有する構成を示しているが、掘削ビット8は4個でなく2個でも6個の構成であってもよい。掘削ビット8の構成は、改良すべき地盤の掘削穴の大きさ、地盤の土質等より掘削に最適な構成としてもよい。
【0032】
掘削刃3の上方には回転するオーガロッド1と共回りをしない固定翼5が設けられている。固定翼5は、オーガロッド1の中心軸に直交して取り付けられている。固定翼5は、オーガロッド1の周面に設けられた回転可能な支持リング9に支持され、オーガロッド1の回転駆動につれて回転しないように構成されている。この構成により、固定翼5はオーガロッド1の回転駆動に追従して回転することがなく掘削穴内で一定方向に固定しているため、固化材スラリーの回転を防止することが可能となる。
【0033】
固定翼5の上方にはオーガロッド1の軸周面に4分の3周の長さで螺旋形状に巻回したテーパー状の圧密攪拌翼2が固着されている。図2に示すように、圧密攪拌翼2は、オーガロッド1の中心軸に対して所定の角度Zを有して螺旋形状に巻回してオーガロッド1の軸周面に取り付けられている。すなわち圧密攪拌翼2はスクリュウ状にオーガロッド1の周面に固着して取り付けられている。そして螺旋の角度Zは、例えばオーガロッド1の中心線に直行する回転方向(水平軸)に対して10度程度とする。
【0034】
オーガロッド1が正回転して掘削を行う時、圧密攪拌翼2はオーガロッド1に掘削方向(下方向)への推力を加えることになる。さらに、圧密攪拌翼2の周縁は、回転により排土を掘削穴の壁面に押圧し圧密して掘削穴の壁面を固める。これにより掘削穴の壁面の強度を高め壁面の崩壊を防ぐことができる。
【0035】
圧密攪拌翼2は、オーガロッド1の正転時には掘削及び攪拌を行い、逆転時には排土及び固化材スラリーを掘削穴下方へ圧密を行う。
【0036】
また、構築する構造物により地盤の基礎施工規模は異なり、それに従って基礎の柱体の直径の大きさも異なる。掘削する穴の大きさにより、圧密攪拌翼2は複数種類の直径を有するものを揃えておくことがのぞましい。例えば、400φ、600φ、800φ等の複数種類の圧密攪拌翼2を用意する。
【0037】
上記したように、圧密攪拌翼2をテーパー状の螺旋形状に形成したことにより攪拌と共にヒービングを発生させるので攪拌品質が向上する。
【0038】
さらに、オーガロッド1には、オーガロッド1の先端に第1の攪拌翼4aと、圧密攪拌翼2の上方にオーガロッド1の中心軸に直交して設けられた第2の攪拌翼4bと、が設けられている。オーガロッド1の先端に設けられた第1の攪拌翼4aは、オーガロッド1の先端に固着して取り付けられている。第1の攪拌翼4aは、オーガロッドの回転と同期して回転しながら掘削刃3が掘削した排土を攪拌するとともに掘削刃3の掘削の効率を上げる。
【0039】
圧密攪拌翼2の上方にはオーガロッド1の軸中心線に直行する方向に軸周面に対向して第2の攪拌翼4bが固着して取り付けられている。第2の攪拌翼4bは、オーガロッド1の回転方向に対して排土を下方に圧密するため所定の角度が設けられている。第2の攪拌翼4bの長さは、掘削刃3が掘削する穴の径と同じ長さに形成されている。第2の攪拌翼4bは、オーガロッド1の回転駆動に同期して回転し、掘削により生成された排土を攪拌すると共に排土を掘削穴の下方に圧密する。
【0040】
さらに、オーガロッド1には固化材スラリーを搬送する固化材搬送路(図示せず)が設けられ、搬送された固化材スラリーを掘削穴に注入するためにオーガロッド1の先端寄りに所定の間隔で2箇所の吐出口6a、6bが設けられている。
【0041】
この吐出口6a、6bは、ミキサー12から搬送された固化材スラリーを掘削穴に吐出するものである。吐出口6a、6bを2箇所に設けたことにより固化材スラリーの注入圧力を下げることが可能となり排土の地表方向への押上げ圧力を下げることができる。これにより排土が掘削穴の外部に排出することがなくなるとともに、排土と固化材スラリーの攪拌効率を上げることができた。
【0042】
なお、本実施の形態例において圧密攪拌翼2は、オーガロッド1の軸周面に4分の3周の長さで螺旋形状に巻回したテーパー状の圧密攪拌翼2としているが、オーガロッド1の軸周面に所定の長さで設けるようにしてもよい。
【0043】
ここで、地盤改良の基礎柱体施工ための掘削において、基礎柱体施工装置10は改良専用機11に保持されて吊り下げられた状態で掘削位置に移動し、位置決めの後地盤に降ろされる。オーガロッド1はオーガロッド1の上端部に接続された駆動装置(図示せず)により回転駆動される。オーガロッド1の回転駆動と改良専用機11及び基礎柱体施工装置10の自重によりオーガロッド1の先端部に取り付けられた掘削刃3は地盤に押圧され掘削を行う。
【0044】
さらに、掘削により生成された排土は、オーガロッド1の掘削により増えてくるがテーパー状で螺旋形状の圧密攪拌翼2の回転により下方に圧密される。さらに掘削され掘削により生成された排土は、第2の攪拌翼4bで攪拌されながら下方向に押圧され圧密されるので地表に排土を排出することがない。
【0045】
予め設定された所定の深度まで掘削が終了すると回転を止めオーガロッド1は一旦引き上げられるが、オーガロッド1を引き上げる時は、オーガロッド1を逆回転させる。この時、排土は攪拌されながら圧密攪拌翼2の逆回転により下方に圧密される。これにより、従来の工法において見られた不連続部分やくびれ等の構造上の欠陥部分ができない密度の高い改良柱状体を形成することが可能となった。
【0046】
尚、吐出口6a、6bより吐出する固化材スラリーは、セメント系固化材と水を混合して生成したものである。セメント系固化材と水は所定の割合でミキサーに投入され攪拌されて固化材スラリーを生成する。固化材スラリーは、ミキサー12からパイプ14によりオーガロッド1の後端部に設けられたパイプ接続部を経てオーガロッド1内の固化材搬送路を搬送され第1の吐出口6a、第2の吐出口6bから掘削した穴に注入される。
【0047】
地盤を掘削する掘削深度は、予め計測器16の記憶部に記憶されており深度を計測しながら掘削を行い、予め設定した深度に到達するとオーガロッド1は回転を止め掘削を終了する。
【0048】
図3(a)は、本発明の他の実施の形態例における基礎柱体施工装置40全体の側面図を示す。また、図3(b)は、図3(a)に示す基礎柱体施工装置40のオーガロッド1先端側矢印Y方向から見た正面図を示す。
【0049】
図3(a)及び図3(b)において、図1及び図2で示したと同一の機能の構成要素については同一の符号を付して説明する。
【0050】
基礎柱体施工装置40は、改良すべき地盤の掘削を行うため回転駆動し固化材を搬送する搬送路(図示せず)を有するオーガロッド1と、オーガロッド1の先端部に設けられ地盤を掘削する掘削刃30とを備えている。
【0051】
オーガロッド1の先端部に取り付けられた掘削刃30は、オーガロッド1の正回転と共に回転し地盤を掘削する。図3に示す実施の形態例では、掘削刃30は、掘削ビット8を2個(8a、8b)有する構成を示している。
【0052】
さらに、オーガロッド1には、オーガロッド1の掘削刃30の近傍からオーガロッド1の上端近傍に至る長さを有しオーガロッド1の軸周面に巻回したテーパー状の圧密攪拌翼20が固着されている。図3に示すように、テーパー状の圧密攪拌翼20は、螺旋形状に巻回してオーガロッド1の軸周面に取り付けられるが、その角度は所定の角度とする。例えば、オーガロッド1の中心線に直行する水平線に対して10度程度とする。そして、その直径は施工する地盤の掘削穴により、例えば400φ、600φ、800φ等の種類を用意する。
【0053】
圧密攪拌翼20は、オーガロッド1の正転時には掘削及び攪拌を行い、逆転時には排土及び固化材スラリーの攪拌及び圧密を行う。
【0054】
さらに、オーガロッド1には固化材搬送路(図示せず)が設けられ、搬送された固化材スラリーを掘削穴に注入するためにオーガロッド1の先端寄りに第1の吐出口6aと、第1の吐出口6aと所定の間隔の位置に第2の吐出口6bが設けられている。
【0055】
この吐出口6a、6bは、ミキサー12から搬送された固化材スラリーを掘削穴に吐出するものである。吐出口6a、6bを2箇所に設けたことにより固化材スラリーの注入圧力を下げることが可能となり排土の地表方向への押上げ圧力を下げることができた。これにより排土と固化材スラリーの攪拌効率を上げることができた。
【0056】
図3に示す他の実施の形態例の基礎柱体施工装置40においては、図2に示した第2の攪拌翼4bを設けておらず攪拌のための第2の攪拌翼4bから生じる抵抗が減少するのでオーガロッド1を回転させるエネルギ使用量を減少させることが可能となる。
【0057】
ここで、本発明の基礎柱体施工装置10を使用した地盤改良施工方法について説明する。
【0058】
図4(A)は、地盤改良のための基礎柱体施工手順を説明する工程図を示す。図4(B)は、図4(A)に示した基礎柱体施工工程の動作を説明するタイミング図を示す。先ず、図4(A)(a)に示すように、改良すべき地盤の位置を決めた後、改良専用機11は、基礎柱体施工装置10を位置決めが行われた所定の位置に吊降ろしオーガロッド1をセットする。
【0059】
次に、図4(A)(b)に示すように、オーガロッド1を正回転し(図4(B)に示した「右回転」)、掘削を行いながら吐出口6a、6bから排土に応じた量の固化材スラリーを注入する。この時、基礎柱体施工装置10は、掘削した排土と固化材スラリーとを圧密攪拌翼2及び第2の攪拌翼4で攪拌を行いつつ下方に圧密する。なお、固化材の注入開始時点は自由に設定可能である。例えば、所定の深度の穴の掘削が終了した後注入を開始する。または、設定した深度の掘削が50%終了した時点で注入を開始する等の設定が可能である。
【0060】
注入する固化材スラリーの注入量は予め設定されており計測器16の記憶部に記憶され注入量が制御(制御手段)されている。固化材スラリーの注入量は計測器16内の計量計により計量されて注入量が管理されている。
【0061】
図4(A)(c)に示すように、所定の深度まで掘進したことを計測器16内の深度計が検出するとオーガロッド1の正回転を停止する。正回転を停止した後、オーガロッド1を逆回転(図4(B)に示した「左回転」)させる。改良専用機11は、所定の速度で一旦基礎柱体施工装置10を地表まで引き上げる。引き上げが終了するとオーガロッド1の逆回転を停止する。この時、固化材スラリーを注入しつつオーガロッド1を引き上げるようにしてもよい。
【0062】
基礎柱体施工装置10が一旦地表まで引き上げられた穴には、図4(A)(d)に示すように、排土と固化材スラリーが攪拌され、まだ固化していない柱状体が地盤改良地点の地表面近傍まで充填している。
【0063】
次に、まだ固化していない柱状体を再度攪拌して密度の高い強固な改良柱体にするため再攪拌作業を行う。図4(A)(e)に示すように、一旦引き上げた基礎柱体施工装置10は、再度先に掘削した穴(柱状体)に挿入される。オーガロッド1を正回転し、空堀をしつつ固化材スラリーと排土とを再度攪拌しながら所定の深度までオーガロッド1を進める。オーガロッド1が所定の深度まで到達すると、オーガロッド1の正回転を停止する。
【0064】
次に、図4(A)(f)に示すように、改良専用機11は、オーガロッド1を逆回転させ再攪拌した固化材スラリーと排土とを攪拌及び圧密しながら所定の速度で基礎柱体施工装置10を地表まで引き上げる。
【0065】
これで地盤改良のための基礎柱体施工位置の内、1箇所の基礎柱体の形成が完了する。基礎柱体施工装置10は、次の地盤改良のための基礎柱体施工位置へ移動され、上記したと同様に、図4(A)(a)乃至図4(A)(f)の動作を繰り返す。
【0066】
このように、本発明の無排土による基礎柱体施工方法は、基礎柱体施工を無排土化することにより排土処理が不要となり、施工時間の短縮及び工事費用の削減を図ることが可能となる。
【0067】
さらに、杭の打設による騒音、振動等を排除することにより環境に配慮した地盤改良における無排土による基礎柱体施工方法の実現を可能とした。
【0068】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明の基礎柱体施工装置は、地盤を掘削し掘削により生成される排土を攪拌するため正回転及び逆回転の回転駆動をするオーガロッドと、搬送された固化材スラリーを掘削した穴に注入するために前記オーガロッドの先端寄りに設けられた第1の吐出口と、前記第1の吐出口の位置から前記オーガロッドの後端側の位置に所定の間隔で設けられた第2の吐出口と、前記オーガロッドの先端部に設けられ地盤を掘削する掘削刃と、前記掘削刃の位置から前記オーガロッドの後端側の位置に前記オーガロッドの中心軸に直交して設けられ、前記オーガロッドの回転による共回りを防止するように回転リングによって支持された固定翼と、前記固定翼の位置から前記オーガロッドの上端側の位置に設けられ前記オーガロッドの軸周面に巻回した螺旋形状の圧密攪拌翼と、前記オーガロッドの先端に設けられた第1の攪拌翼と、前記圧密攪拌翼の位置から前記オーガロッドの上端側の位置に前記オーガロッドの中心軸に直交して設けられた第2の攪拌翼とを備えたことを特徴とする。
【0069】
本発明による基礎柱体施工装置及びその施工方法は、無排土により基礎柱体施工をすることにより排土の処理コストが低減され、地盤形成のための杭打ちの騒音を無くし、産業廃棄物を出さない等により環境破壊を防止することを実現した。
【0070】
さらに、テーパー状スパイラル(圧密攪拌翼)で掘削した排土を攪拌するとともにヒービングを発生させるため攪拌品質を向上させることができた。
【0071】
また、さらに排土と固化材スラリーの圧密が進むことで密度の高い基礎柱体を形成することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基礎柱体施工装置を使用して地盤改良工事を施工するための地盤の基礎改良施工装置例の全体図を示す。
【図2】本発明の基礎柱体施工装置の第1の例を示す。
(a)は、本発明の実施の形態例における基礎柱体施工装置の側面図を示す。
(b)は、(a)に示す基礎柱体施工装置のオーガロッド先端側矢印X方向から見た正面図を示す。
【図3】本発明の基礎柱体施工装置の第2の例を示す。
(a)は、本発明に係る他の実施の形態例における基礎柱体施工装置全体の側面図を示す。
(b)は、(a)に示す基礎柱体施工装置のオーガロッド先端側矢印Y方向から見た正面図を示す。
【図4】本発明の基礎柱体施工装置を用いた施工例を示す。
(A)は、施工手順を説明する工程図を示す。
(B)は、(A)に示した工程の動作を説明するタイミング図を示す。
【図5】従来技術に係る地盤改良装置の側面図を示す。
【符号の説明】
1 オーガロッド
2 圧密攪拌翼
3 掘削刃
4a、4b 攪拌翼
5 固定翼
6a、6b 吐出口
8a、8b、8c、8d 掘削ビット
10 基礎柱体施工装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟弱な地盤の上に住宅等の構築物を支持するために基礎を無排土で構築するための無排土による基礎柱体施工装置及び無排土による基礎柱体施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟弱な地盤上に構築する住宅等の構築物を支持するために基礎杭を打設するという技術は古くから用いられており、近代に入ってからは機械力を用いて基礎杭を打設する施工に技術的改良が進んだ。しかし、近年、市街地や住宅地の地盤基礎工事において、杭打ち作業に伴う騒音公害が社会問題となり、無振動、無騒音の基礎杭施工技術の開発が進められている。
【0003】
地盤改良装置としては、種々形状の施工装置が開発され用いられているがそのほとんどが基礎杭打設用としての抗の埋設穴を地中に掘穴する目的のものである。
これらの地盤改良装置は、オーガロッドの下方に先端地盤掘進用としての掘進刃及び地盤を掘削する複数枚の撹乱刃が設けられ、さらに上記のオーガロッドの軸部にスクリュウ羽根を敷設して掘削地盤を地上に楊土する機能を有している。
【0004】
地盤改良施工法には、地盤改良装置により杭の埋設穴を掘削した後オーガロッドを引抜き、この掘削穴内に杭を建てこむ方法や、オーガロッドにより中堀しながら杭を建てこみ、その後オーガロッドを引抜いて埋設する方法などがある。
【0005】
一方、排土処理の困難さを解決するため、地盤掘削と同時にこれらの掘削土を地上に楊土することなく掘削土を掘穴周部に圧密して崩土のない強固な抗穴を掘削する方法が知られている。
【0006】
この方法を実施する装置は、図5に示すように、オーガヘッド60の先端部に適宜形状の掘進刃61を取り付け、該掘進刃61の上部に円錐状圧土面63を形成し、該円錐状圧土面63に、数枚の撹乱刃62を付設すると共に該オーガヘッドの上部に三角形隆起凸部65を数条の緩らせん状に隆起形成設けてなるオーガロッド64を一体に連結した構造を有する地盤改良装置が開示されている。
【0007】
この方法を実施する装置は、オーガロッド64面に形成した緩らせん状の三角形隆起凸部65の突端にて孔周を拡開すると同時に、各圧土面が孔周壁土壌を恰もコテ面の如き作用を有し、掘削土壌を孔周壁に圧締した孔壁を有する杭孔を地中に施工する(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−158971号公報(第1−2頁、第1図)
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した掘削地盤を地上に楊土する地盤改良装置による掘削では、コンクリート杭の断面積と同量の掘削土を地上に排出しなければならず、市街地における施工に際しては廃土処理が難問となっている。場合によっては産業廃棄物として処理しなければならず、産業廃棄物処理のためには多額の費用を要する。
【0009】
また、杭周辺の地層を乱すため、杭周ではあまり大きな支持力が得られないといった問題点と、排土量が多いので排土するためには大きな動力と施工時間がかかるという問題点もある。
【0010】
さらに、特許文献1の無排土掘穴装置においては、オーガロッドの回転に伴って穴周壁を圧締するものであるから回転時に相当の抵抗が生じエネルギ負担が大きいという問題がある。また、オーガロッドで圧密、拡開した穴の中にケーシングもしくは基礎杭(パイル)を挿入する際、穴の内面との間に大きい摩擦抵抗を生じるので、この挿入作業に大きい動力と長い作業時間とを必要とするという問題がある。
【0011】
本発明は、上記の問題を解決するものであって、住宅等の構築物を支持する地盤の地盤改良において、杭を打設せず又掘削による排土を排出しないで基礎地盤を柱体改良する無排土による基礎柱体施工装置及び無排土による基礎柱体施工方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明は、地盤を掘削し掘削により生成される排土を攪拌するため正回転及び逆回転の回転駆動をするオーガロッドと、搬送された固化材スラリーを掘削した穴に注入するために前記オーガロッドの先端寄りに設けられた第1の吐出口と、前記第1の吐出口の前記オーガロッドの後端側の位置に所定の間隔で設けられた第2の吐出口と、前記オーガロッドの先端部に設けられ地盤を掘削する掘削刃と、前記掘削刃の位置から前記オーガロッドの後端側の位置に前記オーガロッドの中心軸に直交して設けられ、前記オーガロッドの回転による共回りを防止するように回転リングによって支持された固定翼と、前記固定翼の位置から前記オーガロッドの上端側の位置に設けられ前記オーガロッドの軸周面に巻回した螺旋形状の圧密攪拌翼と、前記オーガロッドの先端に設けられた第1の攪拌翼と、前記圧密攪拌翼の位置から前記オーガロッドの後端側の位置に前記オーガロッドの中心軸に直交して設けられた第2の攪拌翼と、を備えたことを特徴とする無排土による基礎柱体施工装置を提供するものである。
【0013】
ここで、本発明は前記オーガロッドの軸周面に巻回した螺旋形状の圧密攪拌翼を備え、搬送された固化材スラリーを掘削した穴に注入するために前記オーガロッドの先端側に第1の吐出口と、前記第1の吐出口と所定の間隔で第2の吐出口を設けた。これにより本発明の無排土による基礎柱体施工装置は、排土と固化材スラリーを圧密して柱体を形成するので排土を穴の外部に排出することが無い。
【0014】
また、複数箇所に吐出口を設けたことにより排土と固化材スラリーの攪拌効率を上げることができる。さらに、地盤の基礎に基礎杭を使用しないため打杭音等の騒音により環境を破壊すること無く地盤の基礎施工を行うことを可能とする。
【0015】
さらに、前記圧密攪拌翼は、攪拌と同時にヒービングさせることにより混合品質を向上させるためにテーパー状の形状を有し、前記オーガロッドの軸周面に4分の3周に渡り、螺旋状に巻回し固着され、前記オーガロッドの正回転で掘削及び攪拌を行い、逆回転で圧密を行う。
【0016】
これにより、圧密攪拌翼(テーパー状スパイラル)で掘削した排土を攪拌とともにヒービングを発生させるため攪拌品質を向上させる。また、さらに周辺土と固化材スラリーの圧密が進むことで、従来の工法において見られた不連続部分やくびれ等の構造上の欠陥部分ができない密度の高い改良柱状体を形成することを可能とする。
【0017】
さらに、前記オーガロッド内には、前記固化材スラリーを搬送するための固化材搬送路が形成され、該固化材搬送路は前記第1の吐出口、前記第2の吐出口に接続されている。前記第1及び第2吐出口は、前記固化材スラリーの吐出量を制御する制御手段により制御された量の前記固化材スラリーを吐出するように構成されている。
【0018】
ここで、前記吐出口は前記オーガロッドの先端寄りに第1の吐出口と所定の間隔で第2の吐出口が設けられている。これにより、前記固化材スラリーの注入圧力を下げることが可能となり、地表方向への排土の押上げ圧力を低下させることを可能とする。
【0019】
前記固化材スラリーは、セメント系固化材と水を混合して生成される。また、前記掘削刃は、前記オーガロッドの長手方向中心線に直行して取り付けられており、前記掘削刃は掘削する穴の直径の長さを有し複数の掘削ビットが取り付けられている。
【0020】
さらに、前記第2の攪拌翼は、前記オーガロッドの回転にともなって回転し排土を攪拌するとともに攪拌した排土を圧密する。これにより排土の攪拌と同時に圧密するので地表上に排土を出さない。
【0021】
前記固定翼は、前記オーガロッドの周面を回転可能な支持リングに支持されオーガロッドが回転しても回転しないように構成されている。これにより固定翼は回転しないのでオーガロッドの掘削の方向を制御することが可能である。
【0022】
さらに、本発明は、オーガロッドの先端から後端に向って取り付けられている、排土を攪拌する第1の攪拌翼と、地盤を掘削する掘削刃と、オーガロッドの回転との共回りを防止された固定翼と、固化材スラリーを注入する第1の吐出口と、前記第1の吐出口から所定の間隔で設けられた第2の吐出口と、前記排土と前記固化材スラリーを攪拌及び圧密する螺旋形状の圧密攪拌翼と、掘削した排土を攪拌する1又は複数の第2の攪拌翼と、で構成された無排土による基礎柱体施工装置による無排土基礎柱体施工方法であって、前記オーガロッドの上端部に回転駆動を与えつつ前記オーガロッドを地中に螺入し、前記掘削刃が掘削した穴の排土を前記圧密攪拌翼及び前記第2の攪拌翼で攪拌及び圧密し、同時に、前記穴に前記吐出口から前記固化材スラリーを注入しつつ前記固化材スラリーと排土を前記圧密攪拌翼及び前記第2の攪拌翼で攪拌して圧密し、無廃土で地盤中に垂直円柱面を有する柱体を形成し前記固化材スラリーの固化により地盤の基礎を柱体施工することを特徴とする無排土による基礎柱体施工方法を提供するものである。
【0023】
これにより、本発明の無排土による基礎柱体施工方法は、地盤の基礎の柱体施工を無排土化することによりコストの削減及び基礎杭の打設音を発生させない環境に配慮した地盤改良施工方法の実施を可能にした。
【0024】
前記柱体施工は、前記オーガロッドを正回転して前記掘削刃で地盤を掘削するとともに固化材スラリーを注入しつつ攪拌及び圧密し所定の深度まで掘削した後、前記オーガロッドを逆回転させながら引き上げ、さらに前記オーガロッドを前記柱体に再度挿入し正回転させ再攪拌し所定の深度に到達した後、前記オーガロッドを逆回転させ前記柱体を圧密しながら引き上げることにより地盤の柱体施工する。これにより、圧密攪拌翼(テーパー状スパイラル)で掘削した排土を攪拌するとともにヒービングを発生させるため攪拌品質を向上させることができた。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る無排土による基礎柱体施工装置及び無排土による基礎柱体施工方法の実施の形態例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の装置を使用して地盤の基礎を改良施工するための地盤の基礎改良施工装置例の全体図を示す。地盤の基礎改良工事を施工するための装置全体の構成例は、基礎柱体施工装置10を吊り下げて保持し地盤の基礎改良位置を移動しつつ地盤に穴を掘削し地盤の基礎に柱体施工をする改良専用機11と、地盤を基礎柱体施工するために注入する固化材を水と攪拌し固化材スラリーを生成するミキサー12と、ミキサー12から基礎柱体施工装置10に接続され固化材スラリーを搬送するパイプ14と、ミキサー12内の固化材スラリーを基礎柱体施工装置10に搬送する動力を供給するポンプ13と、固化材スラリーの投入量を計量する計量計及び掘削した穴の深度を計測する深度計を含む計測器16と、ミキサー12及びポンプ13等に電力を供給する発電機15で構成されている。
【0027】
ここで、図示した例は、小規模の構成のものであるが、深層用等の大規模工事編成においても大型の改良専用機、スラリープラント、固化材サイロ(図示せず)等の関連装置を所定の能力を有する機器で構成し本発明の基礎柱体施工装置10を使用するようにしてもよい。
【0028】
図2(a)は、本発明の実施の形態例における基礎柱体施工装置10全体の側面図を示す。図2(b)は、図2(a)に示す基礎柱体施工装置10のオーガロッド1先端側矢印X方向から見た正面図を示す。図1及び図2に示すように本実施の形態例の基礎柱体施工装置10は、その長手方向を上下に垂直に立てて使用される。以下の説明においては、この使用状態の姿勢に基づいて適宜、上、下の呼称を用いる。
【0029】
基礎柱体施工装置10は、改良すべき地盤の掘削及び攪拌を行うため回転駆動し固化材を搬送する固化材搬送路(図示せず)を有するオーガロッド1と、オーガロッド1に取り付けられた以下に説明する装置で構成されている。
【0030】
オーガロッド1は、後端(上端)に駆動装置(図示せず)が連結され、駆動装置の正回転又は逆回転により正回転又は逆回転の回転駆動する。オーガロッド1の先端部(下端)には、地盤を掘削する掘削刃3が設けられている。オーガロッド1の先端部に取り付けられた掘削刃3は、オーガロッド1の正回転と共に回転し地盤を掘削する。
【0031】
図2(a)に示す実施の形態例では、掘削刃3は、地盤を掘削するための掘削ビット8を4個8a、8b、8c、8d有する構成を示しているが、掘削ビット8は4個でなく2個でも6個の構成であってもよい。掘削ビット8の構成は、改良すべき地盤の掘削穴の大きさ、地盤の土質等より掘削に最適な構成としてもよい。
【0032】
掘削刃3の上方には回転するオーガロッド1と共回りをしない固定翼5が設けられている。固定翼5は、オーガロッド1の中心軸に直交して取り付けられている。固定翼5は、オーガロッド1の周面に設けられた回転可能な支持リング9に支持され、オーガロッド1の回転駆動につれて回転しないように構成されている。この構成により、固定翼5はオーガロッド1の回転駆動に追従して回転することがなく掘削穴内で一定方向に固定しているため、固化材スラリーの回転を防止することが可能となる。
【0033】
固定翼5の上方にはオーガロッド1の軸周面に4分の3周の長さで螺旋形状に巻回したテーパー状の圧密攪拌翼2が固着されている。図2に示すように、圧密攪拌翼2は、オーガロッド1の中心軸に対して所定の角度Zを有して螺旋形状に巻回してオーガロッド1の軸周面に取り付けられている。すなわち圧密攪拌翼2はスクリュウ状にオーガロッド1の周面に固着して取り付けられている。そして螺旋の角度Zは、例えばオーガロッド1の中心線に直行する回転方向(水平軸)に対して10度程度とする。
【0034】
オーガロッド1が正回転して掘削を行う時、圧密攪拌翼2はオーガロッド1に掘削方向(下方向)への推力を加えることになる。さらに、圧密攪拌翼2の周縁は、回転により排土を掘削穴の壁面に押圧し圧密して掘削穴の壁面を固める。これにより掘削穴の壁面の強度を高め壁面の崩壊を防ぐことができる。
【0035】
圧密攪拌翼2は、オーガロッド1の正転時には掘削及び攪拌を行い、逆転時には排土及び固化材スラリーを掘削穴下方へ圧密を行う。
【0036】
また、構築する構造物により地盤の基礎施工規模は異なり、それに従って基礎の柱体の直径の大きさも異なる。掘削する穴の大きさにより、圧密攪拌翼2は複数種類の直径を有するものを揃えておくことがのぞましい。例えば、400φ、600φ、800φ等の複数種類の圧密攪拌翼2を用意する。
【0037】
上記したように、圧密攪拌翼2をテーパー状の螺旋形状に形成したことにより攪拌と共にヒービングを発生させるので攪拌品質が向上する。
【0038】
さらに、オーガロッド1には、オーガロッド1の先端に第1の攪拌翼4aと、圧密攪拌翼2の上方にオーガロッド1の中心軸に直交して設けられた第2の攪拌翼4bと、が設けられている。オーガロッド1の先端に設けられた第1の攪拌翼4aは、オーガロッド1の先端に固着して取り付けられている。第1の攪拌翼4aは、オーガロッドの回転と同期して回転しながら掘削刃3が掘削した排土を攪拌するとともに掘削刃3の掘削の効率を上げる。
【0039】
圧密攪拌翼2の上方にはオーガロッド1の軸中心線に直行する方向に軸周面に対向して第2の攪拌翼4bが固着して取り付けられている。第2の攪拌翼4bは、オーガロッド1の回転方向に対して排土を下方に圧密するため所定の角度が設けられている。第2の攪拌翼4bの長さは、掘削刃3が掘削する穴の径と同じ長さに形成されている。第2の攪拌翼4bは、オーガロッド1の回転駆動に同期して回転し、掘削により生成された排土を攪拌すると共に排土を掘削穴の下方に圧密する。
【0040】
さらに、オーガロッド1には固化材スラリーを搬送する固化材搬送路(図示せず)が設けられ、搬送された固化材スラリーを掘削穴に注入するためにオーガロッド1の先端寄りに所定の間隔で2箇所の吐出口6a、6bが設けられている。
【0041】
この吐出口6a、6bは、ミキサー12から搬送された固化材スラリーを掘削穴に吐出するものである。吐出口6a、6bを2箇所に設けたことにより固化材スラリーの注入圧力を下げることが可能となり排土の地表方向への押上げ圧力を下げることができる。これにより排土が掘削穴の外部に排出することがなくなるとともに、排土と固化材スラリーの攪拌効率を上げることができた。
【0042】
なお、本実施の形態例において圧密攪拌翼2は、オーガロッド1の軸周面に4分の3周の長さで螺旋形状に巻回したテーパー状の圧密攪拌翼2としているが、オーガロッド1の軸周面に所定の長さで設けるようにしてもよい。
【0043】
ここで、地盤改良の基礎柱体施工ための掘削において、基礎柱体施工装置10は改良専用機11に保持されて吊り下げられた状態で掘削位置に移動し、位置決めの後地盤に降ろされる。オーガロッド1はオーガロッド1の上端部に接続された駆動装置(図示せず)により回転駆動される。オーガロッド1の回転駆動と改良専用機11及び基礎柱体施工装置10の自重によりオーガロッド1の先端部に取り付けられた掘削刃3は地盤に押圧され掘削を行う。
【0044】
さらに、掘削により生成された排土は、オーガロッド1の掘削により増えてくるがテーパー状で螺旋形状の圧密攪拌翼2の回転により下方に圧密される。さらに掘削され掘削により生成された排土は、第2の攪拌翼4bで攪拌されながら下方向に押圧され圧密されるので地表に排土を排出することがない。
【0045】
予め設定された所定の深度まで掘削が終了すると回転を止めオーガロッド1は一旦引き上げられるが、オーガロッド1を引き上げる時は、オーガロッド1を逆回転させる。この時、排土は攪拌されながら圧密攪拌翼2の逆回転により下方に圧密される。これにより、従来の工法において見られた不連続部分やくびれ等の構造上の欠陥部分ができない密度の高い改良柱状体を形成することが可能となった。
【0046】
尚、吐出口6a、6bより吐出する固化材スラリーは、セメント系固化材と水を混合して生成したものである。セメント系固化材と水は所定の割合でミキサーに投入され攪拌されて固化材スラリーを生成する。固化材スラリーは、ミキサー12からパイプ14によりオーガロッド1の後端部に設けられたパイプ接続部を経てオーガロッド1内の固化材搬送路を搬送され第1の吐出口6a、第2の吐出口6bから掘削した穴に注入される。
【0047】
地盤を掘削する掘削深度は、予め計測器16の記憶部に記憶されており深度を計測しながら掘削を行い、予め設定した深度に到達するとオーガロッド1は回転を止め掘削を終了する。
【0048】
図3(a)は、本発明の他の実施の形態例における基礎柱体施工装置40全体の側面図を示す。また、図3(b)は、図3(a)に示す基礎柱体施工装置40のオーガロッド1先端側矢印Y方向から見た正面図を示す。
【0049】
図3(a)及び図3(b)において、図1及び図2で示したと同一の機能の構成要素については同一の符号を付して説明する。
【0050】
基礎柱体施工装置40は、改良すべき地盤の掘削を行うため回転駆動し固化材を搬送する搬送路(図示せず)を有するオーガロッド1と、オーガロッド1の先端部に設けられ地盤を掘削する掘削刃30とを備えている。
【0051】
オーガロッド1の先端部に取り付けられた掘削刃30は、オーガロッド1の正回転と共に回転し地盤を掘削する。図3に示す実施の形態例では、掘削刃30は、掘削ビット8を2個(8a、8b)有する構成を示している。
【0052】
さらに、オーガロッド1には、オーガロッド1の掘削刃30の近傍からオーガロッド1の上端近傍に至る長さを有しオーガロッド1の軸周面に巻回したテーパー状の圧密攪拌翼20が固着されている。図3に示すように、テーパー状の圧密攪拌翼20は、螺旋形状に巻回してオーガロッド1の軸周面に取り付けられるが、その角度は所定の角度とする。例えば、オーガロッド1の中心線に直行する水平線に対して10度程度とする。そして、その直径は施工する地盤の掘削穴により、例えば400φ、600φ、800φ等の種類を用意する。
【0053】
圧密攪拌翼20は、オーガロッド1の正転時には掘削及び攪拌を行い、逆転時には排土及び固化材スラリーの攪拌及び圧密を行う。
【0054】
さらに、オーガロッド1には固化材搬送路(図示せず)が設けられ、搬送された固化材スラリーを掘削穴に注入するためにオーガロッド1の先端寄りに第1の吐出口6aと、第1の吐出口6aと所定の間隔の位置に第2の吐出口6bが設けられている。
【0055】
この吐出口6a、6bは、ミキサー12から搬送された固化材スラリーを掘削穴に吐出するものである。吐出口6a、6bを2箇所に設けたことにより固化材スラリーの注入圧力を下げることが可能となり排土の地表方向への押上げ圧力を下げることができた。これにより排土と固化材スラリーの攪拌効率を上げることができた。
【0056】
図3に示す他の実施の形態例の基礎柱体施工装置40においては、図2に示した第2の攪拌翼4bを設けておらず攪拌のための第2の攪拌翼4bから生じる抵抗が減少するのでオーガロッド1を回転させるエネルギ使用量を減少させることが可能となる。
【0057】
ここで、本発明の基礎柱体施工装置10を使用した地盤改良施工方法について説明する。
【0058】
図4(A)は、地盤改良のための基礎柱体施工手順を説明する工程図を示す。図4(B)は、図4(A)に示した基礎柱体施工工程の動作を説明するタイミング図を示す。先ず、図4(A)(a)に示すように、改良すべき地盤の位置を決めた後、改良専用機11は、基礎柱体施工装置10を位置決めが行われた所定の位置に吊降ろしオーガロッド1をセットする。
【0059】
次に、図4(A)(b)に示すように、オーガロッド1を正回転し(図4(B)に示した「右回転」)、掘削を行いながら吐出口6a、6bから排土に応じた量の固化材スラリーを注入する。この時、基礎柱体施工装置10は、掘削した排土と固化材スラリーとを圧密攪拌翼2及び第2の攪拌翼4で攪拌を行いつつ下方に圧密する。なお、固化材の注入開始時点は自由に設定可能である。例えば、所定の深度の穴の掘削が終了した後注入を開始する。または、設定した深度の掘削が50%終了した時点で注入を開始する等の設定が可能である。
【0060】
注入する固化材スラリーの注入量は予め設定されており計測器16の記憶部に記憶され注入量が制御(制御手段)されている。固化材スラリーの注入量は計測器16内の計量計により計量されて注入量が管理されている。
【0061】
図4(A)(c)に示すように、所定の深度まで掘進したことを計測器16内の深度計が検出するとオーガロッド1の正回転を停止する。正回転を停止した後、オーガロッド1を逆回転(図4(B)に示した「左回転」)させる。改良専用機11は、所定の速度で一旦基礎柱体施工装置10を地表まで引き上げる。引き上げが終了するとオーガロッド1の逆回転を停止する。この時、固化材スラリーを注入しつつオーガロッド1を引き上げるようにしてもよい。
【0062】
基礎柱体施工装置10が一旦地表まで引き上げられた穴には、図4(A)(d)に示すように、排土と固化材スラリーが攪拌され、まだ固化していない柱状体が地盤改良地点の地表面近傍まで充填している。
【0063】
次に、まだ固化していない柱状体を再度攪拌して密度の高い強固な改良柱体にするため再攪拌作業を行う。図4(A)(e)に示すように、一旦引き上げた基礎柱体施工装置10は、再度先に掘削した穴(柱状体)に挿入される。オーガロッド1を正回転し、空堀をしつつ固化材スラリーと排土とを再度攪拌しながら所定の深度までオーガロッド1を進める。オーガロッド1が所定の深度まで到達すると、オーガロッド1の正回転を停止する。
【0064】
次に、図4(A)(f)に示すように、改良専用機11は、オーガロッド1を逆回転させ再攪拌した固化材スラリーと排土とを攪拌及び圧密しながら所定の速度で基礎柱体施工装置10を地表まで引き上げる。
【0065】
これで地盤改良のための基礎柱体施工位置の内、1箇所の基礎柱体の形成が完了する。基礎柱体施工装置10は、次の地盤改良のための基礎柱体施工位置へ移動され、上記したと同様に、図4(A)(a)乃至図4(A)(f)の動作を繰り返す。
【0066】
このように、本発明の無排土による基礎柱体施工方法は、基礎柱体施工を無排土化することにより排土処理が不要となり、施工時間の短縮及び工事費用の削減を図ることが可能となる。
【0067】
さらに、杭の打設による騒音、振動等を排除することにより環境に配慮した地盤改良における無排土による基礎柱体施工方法の実現を可能とした。
【0068】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明の基礎柱体施工装置は、地盤を掘削し掘削により生成される排土を攪拌するため正回転及び逆回転の回転駆動をするオーガロッドと、搬送された固化材スラリーを掘削した穴に注入するために前記オーガロッドの先端寄りに設けられた第1の吐出口と、前記第1の吐出口の位置から前記オーガロッドの後端側の位置に所定の間隔で設けられた第2の吐出口と、前記オーガロッドの先端部に設けられ地盤を掘削する掘削刃と、前記掘削刃の位置から前記オーガロッドの後端側の位置に前記オーガロッドの中心軸に直交して設けられ、前記オーガロッドの回転による共回りを防止するように回転リングによって支持された固定翼と、前記固定翼の位置から前記オーガロッドの上端側の位置に設けられ前記オーガロッドの軸周面に巻回した螺旋形状の圧密攪拌翼と、前記オーガロッドの先端に設けられた第1の攪拌翼と、前記圧密攪拌翼の位置から前記オーガロッドの上端側の位置に前記オーガロッドの中心軸に直交して設けられた第2の攪拌翼とを備えたことを特徴とする。
【0069】
本発明による基礎柱体施工装置及びその施工方法は、無排土により基礎柱体施工をすることにより排土の処理コストが低減され、地盤形成のための杭打ちの騒音を無くし、産業廃棄物を出さない等により環境破壊を防止することを実現した。
【0070】
さらに、テーパー状スパイラル(圧密攪拌翼)で掘削した排土を攪拌するとともにヒービングを発生させるため攪拌品質を向上させることができた。
【0071】
また、さらに排土と固化材スラリーの圧密が進むことで密度の高い基礎柱体を形成することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基礎柱体施工装置を使用して地盤改良工事を施工するための地盤の基礎改良施工装置例の全体図を示す。
【図2】本発明の基礎柱体施工装置の第1の例を示す。
(a)は、本発明の実施の形態例における基礎柱体施工装置の側面図を示す。
(b)は、(a)に示す基礎柱体施工装置のオーガロッド先端側矢印X方向から見た正面図を示す。
【図3】本発明の基礎柱体施工装置の第2の例を示す。
(a)は、本発明に係る他の実施の形態例における基礎柱体施工装置全体の側面図を示す。
(b)は、(a)に示す基礎柱体施工装置のオーガロッド先端側矢印Y方向から見た正面図を示す。
【図4】本発明の基礎柱体施工装置を用いた施工例を示す。
(A)は、施工手順を説明する工程図を示す。
(B)は、(A)に示した工程の動作を説明するタイミング図を示す。
【図5】従来技術に係る地盤改良装置の側面図を示す。
【符号の説明】
1 オーガロッド
2 圧密攪拌翼
3 掘削刃
4a、4b 攪拌翼
5 固定翼
6a、6b 吐出口
8a、8b、8c、8d 掘削ビット
10 基礎柱体施工装置
Claims (12)
- 地盤を掘削し掘削により生成される排土を攪拌するため正回転及び逆回転の回転駆動をするオーガロッドと、
搬送された固化材スラリーを掘削した穴に注入するために前記オーガロッドの先端寄りに設けられた第1の吐出口と、
前記第1の吐出口の位置から前記オーガロッドの後端側の位置に所定の間隔で設けられた第2の吐出口と、
前記オーガロッドの先端部に設けられ地盤を掘削する掘削刃と、
前記掘削刃の位置から前記オーガロッドの後端側の位置に前記オーガロッドの中心軸に直交して設けられ、前記オーガロッドの回転による共回りを防止するように回転リングによって支持された固定翼と、
前記固定翼の位置から前記オーガロッドの上端側の位置に設けられ前記オーガロッドの軸周面に巻回した螺旋形状の圧密攪拌翼と、
前記オーガロッド先端に設けられた第1の攪拌翼と、前記圧密攪拌翼の位置から前記オーガロッドの上端側の位置に前記オーガロッドの中心軸に直交して設けられた第2の攪拌翼と、を備えたことを特徴とする無排土による基礎柱体施工装置。 - 前記圧密攪拌翼は、攪拌と同時にヒービングさせることにより混合品質を向上させるためにテーパー状の形状を有し、前記オーガロッドの軸周面の4分の3周に渡り螺旋状に巻回し固着されていることを特徴とする請求項1に記載の無排土による基礎柱体施工装置。
- 前記圧密攪拌翼は、前記オーガロッドの正回転で掘削及び攪拌を行い、逆回転で圧密を行うことを特徴とする請求項2に記載の無排土による基礎柱体施工装置。
- 前記オーガロッド内には、前記固化材スラリーを搬送するための固化材搬送路が形成され、該固化材搬送路は前記第1の吐出口、前記第2の吐出口に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の無排土による基礎柱体施工装置。
- 前記第1及び第2吐出口は、前記固化材スラリーの吐出量を制御する制御手段により制御された量の前記固化材スラリーを吐出することを特徴とする請求項4に記載の無排土による基礎柱体施工装置。
- 前記固化材スラリーは、セメント系固化材と水を混合して生成されることを特徴とする請求項5に記載の無排土による基礎柱体施工装置。
- 前記掘削刃は前記オーガロッドの長手方向中心線に直行して取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の無排土による基礎柱体施工装置。
- 前記掘削刃は掘削する穴の直径の長さを有し複数の掘削ビットが取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の基礎柱体施工装置。
- 前記第2の攪拌翼は前記オーガロッドの回転にともなって回転し排土を攪拌するとともに攪拌した排土を圧密することを特徴とする請求項1に記載の無排土による基礎柱体施工装置。
- 前記固定翼は前記オーガロッドの周面に設けられた回転可能な支持リングに支持されオーガロッドの回転により回転しないように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の無排土による基礎柱体施工装置。
- オーガロッドの先端から後端に向って取り付けられている、排土を攪拌する第1の攪拌翼と、地盤を掘削する掘削刃と、オーガロッドの回転との共回りを防止された固定翼と、固化材スラリーを注入する第1の吐出口と、前記第1の吐出口から所定の間隔で設けられた第2の吐出口と、前記排土と前記固化材スラリーを攪拌及び圧密する螺旋形状の圧密攪拌翼と、掘削した排土を攪拌する1又は複数の第2の攪拌翼と、で構成された無排土による基礎柱体施工装置による無排土基礎柱体施工方法であって、
前記オーガロッドの上端部に回転駆動を与えつつ前記オーガロッドを地中に螺入し、
前記掘削刃が掘削した穴の排土を前記圧密攪拌翼及び前記第2の攪拌翼で攪拌及び圧密し、
同時に、前記穴に前記吐出口から前記固化材スラリーを注入しつつ前記固化材スラリーと排土を前記圧密攪拌翼及び前記第2の攪拌翼で攪拌してヒービングさせて圧密し、
無廃土で地盤中に垂直円柱面を有する柱体を形成し前記固化材スラリーの固化により地盤の基礎を柱体施工することを特徴とする無排土による基礎柱体施工方法。 - 前記柱体施工は、前記オーガロッドを正回転して前記掘削刃で地盤を掘削するとともに固化材スラリーを注入しつつ攪拌及び圧密し所定の深度まで掘削した後、前記オーガロッドを逆回転させながら引き上げ、さらに前記オーガロッドを固化前の前記柱体に再度挿入し正回転させ再攪拌し所定の深度に到達した後、前記オーガロッドを逆回転させ前記柱体を圧密しながら引き上げることにより地盤の基礎を柱体施工することを特徴とする請求項11に記載の無排土による基礎柱体施工方法。
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JP2005307524A (ja) * | 2004-04-20 | 2005-11-04 | Taiyo Kiso Kogyo Kk | 土壌掘削工具 |
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- 2003-03-07 JP JP2003061593A patent/JP2004270260A/ja active Pending
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