JP2008127892A - 地中構造物の構築方法、地盤掘削装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)地盤の少なくとも一部を削孔撹拌し、(B)削孔撹拌された対象土にセメントミルクを注入し、(C)対象土とセメントミルクとを混合撹拌し、(D)対象土とセメントミルクの混合物をサンプリングし、サンプリングした混合物における注入液の混入率を算出し、算出した注入液の混入率に基づき、セメントミルクの供給量を調整することにより地中構造物10を構成するソイルセメント13の少なくとも一部を構築する。
【選択図】図4
Description
"改訂版 建築物の改良地盤の設計及び品質管理指針 ―セメント系固化材を用いた深層・浅層混合処理工法―" 財団法人 日本建築センター、平成14年11月30日、p.409−414
上記の地中構造物の構築方法において、前記サンプリングした混合物における前記注入液の混入率を求め、求めた注入液の混入率に基づき、前記注入液の供給量を調整してもよい。
X=V1/V2×(D1−D3)/(D1−D2) …(1)
図1は、本実施形態の地中構造物の構築方法により構築されたソイルセメント13からなる地中構造物10の一例を示す図であり、(A)は鉛直方向断面図であり、(B)は水平方向断面図である。同図に示すように、地中構造物10は、ソイルセメント13と、ソイルセメント13に埋設された芯材11とで構成され、建物2を支持する杭として機能する。地中構造物10を構成するソイルセメント13の支持層3にあたる部分は高強度ソイルセメント16からなり、その他の部分は普通強度のソイルセメントからなる。高強度ソイルセメント16は、普通強度のソイルセメントに比べて土砂に対するセメント量の割合を増加させることにより形成され、4[N/mm2]以上の強度を有する。ただし、一般的には高強度ソイルセメント16の強度の上限は20[N/mm2]程度である。後に詳述するように、本実施形態の地中構造物10を構成するソイルセメント13は、複数の改良区間20に分割され、下方から上方に向かって、改良区間20ごとに順次形成されたものである。
また、地盤掘削装置100は、注入液供給装置120により削孔撹拌された対象土に注入液を供給した後、カッタードラム110を回転させることにより、対象土と注入液とを混合撹拌してソイルセメントを形成することができる。
エアーリフト130は、混合物を圧送する揚泥ポンプ132と、揚泥ポンプ132により圧送された対象土とセメントミルクとの混合物に空気を混入させるエアー供給装置131と、を備える。また、混合物を地上まで送るための配管内には逆流防止用の弁が取り付けられており、逆流が防止されている。かかる構成により、エアーリフト130は、エアー供給装置131により対象土とセメントミルクの混合物に空気を混入させ、混合物の比重を下げることで、揚泥ポンプ132により混合物を地上高さまで揚げることができる。
注入される注入液の体積V1は、注入液供給装置120における注入時間と流量とを積算するなどの方法により求めることができる。
改良区間20の地盤の密度D2は、地中構造物10を構築する前に実施される地盤調査の結果から得ることができる。
改良区間20の体積V2は、地盤掘削装置100の性能や施工計画に基づき決定される。
排出される対象土及び注入液の混合物の密度D3は、サンプリングした混合物の質量及び体積などを測定することにより算出できる。
M=V2×D1×X+V2×D2×(1−X) …(2)
また、質量の収支を考えると、改良区間20の質量Mは以下の式で表される。
M=V1×D1+V2×D2−V1×D3 …(3)
式(2)及び式(3)からから次式(4)が導かれる。
X=V1/V2×(D1−D3)/(D1−D2) …(4)
まず、予め、設計条件などに基づき、地中構造物10の改良区間20にあたる部分において必要な注入液の設計混入率X0(改良区間20におけるソイルセメント13に必要な強度を発現させるべく、最低限必要な注入液の混入率)を求めておく。
次に、図4(B)に示すように、下端の改良区間20にあたる位置で注入液供給装置120を起動し、地盤を削孔撹拌することにより発生した対象土に注入液を供給する。
次に、図4(C)に示すように、カッタードラム110を回転させることにより、対象土と注入液とを混合撹拌する。
次に、図4(E)に示すように、算出された注入液の混入率Xが設計混入率X0未満の場合には、混入率Xが設計混入率X0に達するまで注入液の供給、及び対象土と注入液との混合撹拌を繰り返す。
これにより、ソイルセメントにおける注入液の混入率Xを高めて行くことができ、設計混入率X0となるように調整することができる。こうして、算出された注入液の混入率Xが設計混入率X0になった時点で注入液の供給及び混合撹拌を終了する。
上記の工程を繰り返すことにより、図4(F)に示すように、地中構造物10を構成するソイルセメント13を構築することができる。
そして、図4(H)に示すように、ソイルセメント13が硬化することにより、ソイルセメント13からなる地中構造物10が構築される。
4 軟弱層
10 地中構造物
11 芯材
12 H型鋼
13 ソイルセメント
14 第1の鋼板
15 第2の鋼板
16 高強度ソイルセメント
18 凸部
20 改良区間
100 地盤掘削装置
110 カッタードラム
120 ソイルセメント供給装置
130 エアーリフト
131 エアー供給装置
132 揚泥ポンプ
140 サンプリング装置
141 回転軸
142 回転翼
143 筒状部材
Claims (10)
- 地盤に埋設されるソイルセメントからなる地中構造物を構築する方法であって、
前記地盤の地中構造物に相当する部分の少なくとも一部を削孔撹拌し、前記削孔撹拌された対象土にセメント系材料からなる注入液を注入し、前記対象土と前記注入液とを混合撹拌することによりソイルセメントを形成しながら、前記対象土と前記注入液の混合物をサンプリングすることを特徴とする地中構造物の構築方法。 - 請求項1記載の地中構造物の構築方法であって、
前記サンプリングした混合物における前記注入液の混入率を求め、求めた注入液の混入率に基づき、前記注入液の供給量を調整することを特徴とする地中構造物の構築方法。 - 請求項1又は2記載の地中構造物の構築方法であって、
前記対象土と前記注入液の混合物に空気を混入させ、空気を混入させた前記混合物を揚泥ポンプで揚泥することにより前記対象土と前記注入液の混合物をサンプリングすることを特徴とする地中構造物の構築方法。 - 請求項1又は2記載の地中構造物の構築方法であって、
下端が前記混合物内に到達するように設置された鉛直方向に延びる円筒状の筒状部材と、前記筒状部材の略中心に配置された回転軸と、前記筒状部材と隙間がないように前記回転軸に螺旋状にとりつけられた回転翼と、を備え、前記回転軸を回転させることにより、前記回転翼が前記筒状部材下端より前記混合物を前記筒状部材内に取りこみ、上方に押し上げることのできるサンプリング装置を用いて、前記対象土と前記注入液の混合物をサンプリングすることを特徴とする地中構造物の構築方法。 - 請求項1から4何れかに記載の地中構造物の構築方法であって、
前記対象土に混合された注入液の密度をD1、前記対象土に混合された注入液の累積体積をV1、前記注入液を混合する前の前記対象土の密度をD2、前記注入液を混合する前の前記対象土の体積をV2、前記サンプリングした混合物の密度をD3、とした場合に、前記注入液の混入率Xを、次式(1)により算出することを特徴とする地中構造物の構築方法。
X=V1/V2×(D1−D3)/(D1−D2) …(1) - 請求項1から5何れかに記載の地中構造物の構築方法であって、
前記対象土に注入液を注入し、前記対象土と前記注入液とを混合撹拌する工程を繰り返すことによりソイルセメントの強度を調整することを特徴とする地中構造物の構築方法。 - 前記地中構造物を構成するソイルセメントの少なくとも一部を高強度ソイルセメントとすることを特徴とする請求項1から6何れかに記載の地中構造物の構築方法。
- 地盤を削孔撹拌する削孔撹拌手段と、
前記削孔撹拌手段により削孔撹拌された対象土にセメント系材料からなる注入液を供注入する注入手段と、
前記削孔撹拌手段により削孔撹拌された対象土と前記注入液とを混合撹拌する撹拌手段と、
前記混合撹拌された対象土と注入液の混合物をサンプリングする手段と、
を備えることを特徴とする地盤掘削装置。 - 前記サンプリングする手段は、
前記混合物に空気を混入させる手段と、
前記空気を混入させた混合物を揚泥する揚泥ポンプと、
を備えることを特徴とする請求項8記載の地盤掘削装置。 - 前記サンプリング手段は、
下端が前記混合物内に到達するように設置された鉛直方向に延びる円筒状の筒状部材と、前記筒状部材内に配置された回転軸と、前記筒状部材と隙間がないように前記回転軸に螺旋状にとりつけられた回転翼と、を備え、
前記回転軸を回転させることにより、前記回転翼が前記筒状部材下端より前記混合物を前記筒状部材内に取りこみ、上方に押し上げることによりサンプリングすることを特徴とする請求項8記載の地盤掘削装置。
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