JP3559690B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録のような画像形成方法における静電荷潜像を顕像化するための静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
トナーは、現像される静電潜像の極性に応じて、正または負の電荷を有する必要がある。
【0003】
トナーに電荷を保有せしめるためには、トナーの成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することも出来るが、この方法ではトナーの帯電が安定しないので、濃度の立ち上がりが遅く、カブリ易い。そこで、所望の摩擦帯電性をトナーに付与するために電荷制御剤を添加することが行われている。
【0004】
今日、当該技術分野で知られている電荷制御剤としては、負摩擦帯電性として、モノアゾ染料の全属錯塩、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族ジオール等の金属錯塩、酸成分を含む樹脂等が知られている。正摩擦帯電性として、ニグロシン染料、アジン染料、トリフェニルメタン系染顔料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマー等が知られている。
【0005】
電荷制御剤によっては、以下のような欠点を有する。画像濃度とカブリのバランスが取りにくい、高湿環境で、十分な画像濃度を得にくい、樹脂への分散性が悪い、保存安定性、定着性に悪影響を与える等である。
【0006】
従来、フェノールとアルデヒドの縮合物は、特開平2−201378号公報を始めとして、いくつかの提案がなされている。しかしながら、これらの公報に提案されているのは、フェノールのオルト位での縮合の単一ユニット数だけの縮合物の添加である。
【0007】
また、従来トナーに添加してきたフェノールのオルト位での縮合の単一ユニット数の環状縮合物は融点が高く、有機溶媒に対する溶解性が低い。そのため、高い帯電量が得られる反面、トナー中へ分散させることが容易とは言えない。また、このような単一のユニット数のものでは、帯電性の調整が容易とは言えなかった。例えば、高い帯電量を得ようとすると、帯電の速度が低下したり、逆に帯電速度を向上させようとすると、帯電量が低下する傾向にあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、摩擦帯電部材を汚染せず摩擦帯電付与能力を低下させることの無い静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、耐久により帯電性の低下がなく安定した現像の行われる静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、高湿下においても低湿下においても安定して帯電し、良好な現像の行われる静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、以下の構成によって達成される。
【0012】
少なくとも結着樹脂とフェノール誘導体化合物を含有するトナーにおいて、該フェノール誘導体化合物がフェノールあるいはその誘導体とアルデヒドの縮合物であって、該縮合物が鎖状縮合物あるいは環状縮合物あるいはこれらの混合物であり、該縮合物が下記一般式(1)及び(II)で表されるユニットを含むことを特徴とするトナーによって達成される。ここで「ユニット数」とは、フェノール単位を1ユニットとして数え、フェノール単位の数をユニット数とする。
【0013】
【化2】
〔式中、R 1 はハロゲン原子、ヒドロキシ基またはカルボキシル基を有していても良いアルキル基;ハロゲン原子、アルキル基またはカルボキシル基を有していても良いアリール基;ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基またはカルボキシル基を有していても良いアラルキル基;ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはカルボキシル基を有していても良いアリサイクリック基;水素原子;ハロゲン原子;フルオロアルキル基;カルボキシル基;ヒドロキシ基;シアノ基;エステル基;アシル基;エーテル基;ニトロ基;アルキル基で置換されていても良いアミノ基;アルキル基で置換されていても良いスルホン基;またはトリアルキルシリル基を示し、R2は水素原子、アルキル基、フェニル基、アラルキル基、トリアルキルシリル基、−COR5(R5は水素原子、アルキル基を示す)または−(CH2)mCOOR6(R6は水素原子またはアルキル基を示し、mは1〜3の整数を示す)を示し、R 3 は水素原子、アルキル基、ハロゲン基、ニトロ基を示し、R4は水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。〕
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、フェノールとアルデヒドのオルト−パラ縮合物を用いることにより、立ち上がりの良さを保持しつつ、高温・高湿環境においても高い帯電量を得ることができることを見い出した。
【0015】
本発明の縮合物は水酸基を多数有しており、水分子の持つ極性を利用し、帯電が強調される効果が出る寄与の方を大きいものとすることができる。
【0016】
高温・高湿環境での帯電量が十分になるだけでなく、長期の耐久での濃度低下も抑えられる。本発明の縮合物は水酸基が一定方向に配向しないので、水分子を吸着した場合、水分子の極性を利用した帯電の強調を効果的に行うことができ、また過剰放電をすることがなくなる。
【0017】
本発明は、ユニット数の異なるフェノールとアルデヒドの縮合物を2種以上含有することが好ましい。ユニット数が同じものでも鎖状物と環状物は異なるユニット数のものとして数える。
【0018】
このことによる第一の効果は、帯電の減衰特性が好ましいものになる点である。いろいろな大きさの縮合物があることにより、大きな分子の間に小さい分子が進入でき、結果的に分子間の電子伝導が変化するためと考えられる。「帯電の減衰特性が好ましい」とは、具体的には放置した時に帯電が維持されることや耐久時に過剰な帯電を持たないようにリークさせることを言う。
【0019】
また、2種以上含有することにより、現像後のトナーがまとまって挙動することが見出された。2種以上の縮合物を含むことにより、転写性が良好になり、転写時に紙の凹凸に従って起こる転写不良が起こりにくくなる。また、定着工程においても定着飛び散りが低減する。これも、現像後の帯電の減衰と関係していると思われる。
【0020】
2種以上含有する第二の効果は、合成時の収率が向上し、コストが低下する点である。これは、ユニット数の異なる縮合物はそれぞれ反応に適したモノマーの条件が異なる。よって、反応途中の残存モノマーはそのどれかの条件に適合すれば良いので、反応に寄与しないモノマーが少なくなると考えられる。
【0021】
また、ユニット数の異なる縮合物を2種以上含有することにより、得られる粉体の結晶性が低下する。そのため、弱い力で微粒子にすることができ、結果としてトナー樹脂への分散性が向上する。またこの時、1種の縮合物の存在比が90%以下であることが好ましく、更には80%以下であることが好ましく、特には70%以下であり、更には60%以下である時に、前述の効果はより顕著に現れるようになる。
【0022】
鎖状の縮合物は、分散性に優れるので、均一な帯電性が得られやすい。環状の化合物は、帯電性に優れるので、高い帯電量が得られる。また、鎖状縮合物と環状縮合物を同時に用いると、それぞれの特長が活かされ、帯電の立ち上がりの速さも現れてくる。鎖状の構造を有する縮合物は、一般の樹脂と同様に比較的低温から軟化する。この成分と環状の成分が混ざることで結果的に良好な帯電性が得られる。これは以下のような現象であると思われる。環状の成分は、高い帯電性を示し、一方、鎖状の成分は軟化しやすく、分散性が良い。さらにこの両者は基本的に同じ骨格を有するので親和性があり、微細な混合状態を形成されやすい。すなわち、鎖状の成分が環状の成分の分散助剤となっていると考えられ、そのため均一で高い帯電が達成できるのであろう。
【0023】
このように本発明の縮合物をトナー中に含有すると、トナーの帯電量分布が高いレベルで均一なものが得られる。
【0024】
本発明の縮合物は、フェノール類とアルデヒド類を塩基性条件下で、加熱することによって得ることができる。鎖状縮合物、環状縮合物を選択的に得て、その後混合しても良い。塩基性化合物の添加条件を調整し、さらに洗浄、抽出の条件を調整すれば種々の縮合物が得られる。複数の塩基性化合物を添加することでユニット数の異なる縮合物の種類を多くすることができる。鎖状縮合物や環状縮合物の混合物も加熱温度、原料の添加時間、合成濃度等の合成条件、溶媒、塩基性化合物の量、pHを調整することにより種々のものが得られる。また、洗浄、抽出に用いることのできる溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール、エーテル、ヘキサン、ジオキサン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
【0025】
本発明の鎖状縮合物の末端は、水素原子、アルキル基、水酸基、水酸基を含むアルキル基がよく、高湿環境での帯電量において有利である水素、アルキル基が好ましい。
【0026】
例えば、一般式(II)においては、一方がフェノールに縮合し、一方は水素あるいは水酸基となり、一般式(I)においては、一方がアルデヒドに縮合し、一方は水素、アルキル基、ヒドロキシアルキル基となる。
【0027】
本発明の縮合物中の鎖状縮合物と環状縮合物との存在比は1:20〜30:1であるのが好ましい。さらに好ましくは1:10〜20:1であるのが良い。鎖状のものが1:20より少ないと分散向上効果が表れる処方が限定され、1:10以上でないと、カラートナーのような軟らかい樹脂での効果が小さくなる。また、鎖状のものが1:20以上含まれることにより、現像に適した帯電に速く到達し、現像器に供給されたトナーが素早く入れ替わって消費されるようになる。1:10以上含むことにより、特に低湿環境での入れ替わりが速くなる。これにより、耐久した時に劣化したトナーが発生しにくくなり、画質が向上する。また、過剰な帯電を持つトナーの発生(いわゆるチャージアップ)が低減し、画像濃度の推移も安定する。
【0028】
逆に環状のものが30:1よりも少ないと高い帯電量が必要な場合に、トナー処方が限定されてしまう。環状のものが20:1よりも少ないと、粒径の小さな磁性トナーへの適用が困難になる。
【0029】
なお、ここではユニット数1のものは環状縮合物に含むものとする。
【0030】
また、本発明においては、縮合物が下記一般式(III)及び(IV)で表されるユニットを含むことが好ましい。
【0031】
【化3】
〔式中、R5はハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、置換基を有していても良いアリール基、アリサイクリック基、フルオロアルキル基またはトリアルキルシリル基を示し、R6は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、トリメチルシリル基、−COR9(R9は水素原子、アルキル基を示す)を示し、R7は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基、炭素数1〜8のエステル基、置換されていても良いアミノ基、炭素数1〜8のエーテル基を示し、R8は水素原子またはアルキル基を示す。〕
【0032】
本発明の縮合物の構造としては、一般式(I)及び(II)における置換基Rnにおいて、縮合反応を阻害しないものであれば、適用可能である。
【0033】
一般式(I)における置換基R1では、アルキル基、置換基を有していても良いアリール基、アラルキル基、アリサイクリック基である場合、帯電量の高さ、帯電の立ち上がりが良好になりやすい。その中でも置換基を有していても良いフェニル基、クミル基、ノルマルアルキル基、シクロアルキル基が良く、さらに好ましくは少なくとも1種のフェニル基あるいは、炭素数3以下のアルキル基、炭素数8以下のシクロアルキル基を有するものが、帯電の維持性が向上するので良い。また、フェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を有することにより、適度な帯電量を保持するようになり、転写、定着においても制御がしやすくなる。このことにより転写、定着での画像の乱れが低減する。
【0034】
また、トナー定着性能に悪影響を与える置換基もあるが、メチル基、フェニル基、シクロヘキシル基は悪影響がない点でも好ましい。
【0035】
さらに原料フェノールにおいて、o−フェニルフェノールを用いてフェニル基を導入あるいはo−クレゾールを用いてメチル基を導入するのが、合成の容易さの点で好ましい。
【0036】
一般式(I)における置換基R2では、水素原子が好ましいが、その他では、アルキル基、アラルキル基が良い。
【0037】
一般式(I)における置換基R3では、水素原子が好ましいが、その他では、アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基が帯電量向上効果があり良い。
【0038】
一般式(I)における置換基R4では、水素原子が好ましいが、その他では、メチル基が縮合反応を阻害せず、トナー性能に有害な不純物が含まれにくいので良い。
【0039】
置換基の異なる2種以上のユニットを有する縮合物も好ましい。2種以上用いることにより、得られる粉体の結晶性がくずれ、トナーへの分散性、帯電の立ち上がり方を調整することができる。組合せとしては、例えばフェニル基とシクロヘキシル基、フェニル基とメチル基、メチル基とシクロヘキシル基の組み合わせが良い。
【0040】
本発明の縮合物をトナーに含有させる方法としては、トナー内部に添加する方法と外添する方法がある。内添する場合の好ましい添加量としては、結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部の範囲で用いられる。また、外添する場合は、0.01〜5質量部が好ましく、特にメカノケミカル的にトナー表面に固着させるのが好ましい。
【0041】
また本発明の縮合物は、従来の技術で述べたような公知の電荷制御剤と組み合わせて使用することもできる。
【0042】
以下に本発明の縮合物の具体的構造を例示する。
【0043】
存在比は、分子量分布をFD−MS(電解脱離質量分析)を用いて測定し、m/zピークの強度比を存在比として求める。各ユニットの分子量を計算し、そのユニットで構成される縮合物の分子量を計算し、ユニット構成を求める。
【0044】
縮合物(1):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。o−クレゾールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0045】
【化4】
構造式の一例
【0046】
【化5】
【0047】
【表1】
【0048】
縮合物(2):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。2,3−キシレノールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0049】
【化6】
構造式の一例
【0050】
【化7】
【0051】
【表2】
【0052】
縮合物(3):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。2,5−キシレノールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0053】
【化8】
構造式の一例
【0054】
【化9】
【0055】
【表3】
【0056】
縮合物(4):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。o−クレゾールとアセトアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0057】
【化10】
構造式の一例
【0058】
【化11】
【0059】
【表4】
【0060】
縮合物(5):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。o−クレゾールとベンズアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0061】
【化12】
構造式の一例
【0062】
【化13】
【0063】
【表5】
【0064】
縮合物(6):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。2−メチルアニソールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0065】
【化14】
構造式の一例
【0066】
【化15】
【0067】
【表6】
【0068】
縮合物(7):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。チモールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0069】
【化16】
構造式の一例
【0070】
【化17】
【0071】
【表7】
【0072】
縮合物(8):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。2,3,5−トリメチルフェノールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0073】
【化18】
構造式の一例
【0074】
【化19】
【0075】
【表8】
【0076】
縮合物(9):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。o−フェニルフェノールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0077】
【化20】
構造式の一例
【0078】
【化21】
【0079】
【表9】
【0080】
縮合物(10):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。o−トリフルオロメチルフェノールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0081】
【化22】
構造式の一例
【0082】
【化23】
【0083】
【表10】
【0084】
縮合物(11):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。o−ブチルフェノールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0085】
【化24】
構造式の一例
【0086】
【化25】
【0087】
【表11】
【0088】
縮合物(12):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。o−クレゾールと2,3−キシレノールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はクレゾール:キシレノール:アルデヒド=1:1:4)
【0089】
【化26】
構造式の一例
【0090】
【化27】
【0091】
【表12】
【0092】
縮合物(13):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。o−クレゾールとo−フェニルフェノールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はクレゾール:フェノール:アルデヒド=1:1:4)
【0093】
【化28】
構造式の一例
【0094】
【化29】
【0095】
【表13】
【0096】
縮合物(14):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。o−(クロロフェニル)フェノールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0097】
【化30】
構造式の一例
【0098】
【化31】
【0099】
【表14】
【0100】
縮合物(15):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。o−フルオロフェノールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0101】
【化32】
構造式の一例
【0102】
【化33】
【0103】
【表15】
【0104】
縮合物(16):
以下のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物。o−シクロヘキシルフェノールとホルムアルデヒドが出発原料。
(仕込み比はフェノール:アルデヒド=1:2)
【0105】
【化34】
構造式の一例
【0106】
【化35】
【0107】
【表16】
【0108】
以下の縮合物例は、縮合物存在比は省略し、ユニット及び構造式の一例のみの記載とする。
【0109】
縮合物例(17):
ユニット
【0110】
【化36】
構造式の一例
【0111】
【化37】
【0112】
縮合物例(18):
ユニット
【0113】
【化38】
構造式の一例
【0114】
【化39】
【0115】
縮合物例(19):
ユニット
【0116】
【化40】
構造式の一例
【0117】
【化41】
【0118】
縮合物例(20):
ユニット
【0119】
【化42】
構造式の一例
【0120】
【化43】
【0121】
縮合物例(21):
ユニット
【0122】
【化44】
構造式の一例
【0123】
【化45】
【0124】
縮合物例(22):
ユニット
【0125】
【化46】
構造式の一例
【0126】
【化47】
【0127】
縮合物例(23):
ユニット
【0128】
【化48】
構造式の一例
【0129】
【化49】
【0130】
縮合物例(24):
ユニット
【0131】
【化50】
構造式の一例
【0132】
【化51】
【0133】
縮合物例(25):
ユニット
【0134】
【化52】
構造式の一例
【0135】
【化53】
【0136】
縮合物例(26):
ユニット
【0137】
【化54】
構造式の一例
【0138】
【化55】
【0139】
縮合物例(27):
ユニット
【0140】
【化56】
構造式の一例
【0141】
【化57】
【0142】
縮合物例(28):
ユニット
【0143】
【化58】
構造式の一例
【0144】
【化59】
【0145】
縮合物例(29):
ユニット
【0146】
【化60】
構造式の一例
【0147】
【化61】
【0148】
縮合物例(30):
ユニット
【0149】
【化62】
構造式の一例
【0150】
【化63】
【0151】
縮合物例(31):
ユニット
【0152】
【化64】
構造式の一例
【0153】
【化65】
【0154】
縮合物例(32):
ユニット
【0155】
【化66】
構造式の一例
【0156】
【化67】
【0157】
縮合物例(33):
ユニット
【0158】
【化68】
構造式の一例
【0159】
【化69】
【0160】
縮合物例(34):
ユニット
【0161】
【化70】
構造式の一例
【0162】
【化71】
【0163】
縮合物例(35):
ユニット
【0164】
【化72】
構造式の一例
【0165】
【化73】
【0166】
本発明においては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機酸化物や、カーボンブラック、フッ化カーボンなど粒径の細かい粒子の無機微粉末を添加することが好ましい。
【0167】
シリカ、アルミナ、酸化チタンは、トナー表面に分散させた時に細かい粒子となる方が流動性付与性が高くなるので好ましい。平均粒径としては5〜100nmになるものが良く、さらに好ましくは5〜50nmが良い。BET法で測定した窒素吸着による比表面積では30m2/g以上(特に60〜400m2/g)の範囲のものが母体微粉体として好ましく、表面処理された微粉体としては、20m2/g以上(特に40〜300m2/g)の範囲のものが好ましい。
【0168】
これらの微粉体の適用量は、トナー母体重量に対して、0.03〜5%添加した時に適切な表面被覆率になる。
【0169】
本発明に用いる無機微粉体の疎水化度としては、30%以上の値を示すのが好ましい。疎水化処理剤としては、含ケイ素表面処理剤であるシラン化合物とシリコーンオイルが好ましい。
【0170】
例えば、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン等のようなアルキルアルコキシシランや、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン等のシラン化合物を用いることができる。
【0171】
また、以下の正帯電性のものも、帯電量の調整等のため用いても良い。アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、アミノ変性のシリコーンオイル等を用いることができる。
【0172】
本発明に使用される結着樹脂の種類としては、例えば、スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。
【0173】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、ビニルトルエン等のスチレン誘導体;例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;例えば、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル等のメタクリル酸エステル類;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有するジカルボン酸類;例えば、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビニル系単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0174】
ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
【0175】
結着樹脂がスチレン−アクリル系の場合、トナーの分子量分布が、THF可溶分のGPCによる分子量分布で、分子量3千〜5万の領域に少なくとも1つピークが存在し、分子量10万以上の領域に少なくとも1つピークが存在し、分子量分布10万以下の成分が50〜90%となるような結着樹脂が好ましい。
【0176】
結着樹脂がポリエステル系の樹脂の場合は、同様のトナーの分子量分布で、分子量3千〜5万の領域に少なくとも1つピークが存在し、分子量10万以下の成分が60〜100%となるような結着樹脂が好ましい。さらに好ましくは、分子量5千〜2万の領域少なくとも1つピークが存在するのが良い。
【0177】
この中でも、ポリエステル樹脂は定着性に優れているが、特に下記一般式で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など)とを共縮重合したポリエステル樹脂が、良好な帯電特性を有するので好ましい。
【0178】
【化74】
(式中Rは、エチレンまたはプロピレン基であり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、且つx+yの平均値は2〜10である。)
【0179】
本発明では、トナーにワックス成分を含有させるのは好ましい形態のひとつである。
【0180】
本発明に用いられる炭化水素系ワックスとしては、例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合したアルキレンポリマー、低圧下でチーグラー触媒で重合したアルキレンポリマー、高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー、一酸化炭素・水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分を水素添加して得られる合成炭化水素等が使用できる。これらの炭化水素系ワックスのうち、特定の成分を抽出分別した炭化水素系ワックスが特に適している。プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留を利用した分別結晶方式などの方法によって、低分子量を除去したもの、低分子量分を抽出したもの、およびさらにこれから低分子量成分を除去したものなどが好ましい。
【0181】
この他、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス、脂肪族固形アルコール、ビニルモノマー等でグラフト変性したワックス等も用いることができる。
【0182】
また、これらのワックスの分子量で好ましい範囲は、数平均分子量(Mn、ポリエチレン換算)が500〜1200で、重量平均分子量(Mw)が800〜3600のものが好ましい。分子量が上記範囲より小さくなると耐ブロッキング性、現像性に劣るようになり、上記範囲より分子量が大きくなると、良好な定着性、耐オフセット性が得にくくなる。
【0183】
本発明では、ワックスのMw/Mnが5.0以下が良く、より好ましくは3.0以下が良い。
【0184】
これらワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部用いるのが効果的である。
【0185】
本発明に使用される着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリールメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系染顔料等、従来公知の染顔料を単独或いは混合して使用し得る。
【0186】
本発明のトナーは、キャリアと混合して二成分トナーとして用いることができる。キャリアの電流値は、キャリア表面の凹凸度合い、被覆する樹脂の量を調整して20〜200μAにするのが良い。
【0187】
キャリア表面を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂など或いは、これらの混合物を用いることができる。
【0188】
キャリアコアの磁性材料としては、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄等の酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの合金を用いることができる。また、これらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等が挙げられる。
【0189】
本発明では、磁性材料を含有させて磁性トナーとして用いることもできる。本発明では、磁性微粉体の粒度分布の変動係数が40%以下のものを用いるのが好ましい。
【0190】
磁性微粉体の粒度分布の変動係数を40%以下とすることにより、磁性微粉体が均一に分散するようになる。より好ましくは30%以下が良い。分散が良い理由は、微小過ぎて凝集性の高い粒子が少ないからであろう。また、帯電量も高くなる傾向にある。
【0191】
なお、粒径は個数平均であり、変動係数とは分散の標準偏差を平均粒径で割った値である。
【0192】
磁性微粉体の平均粒径としては、0.05〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.4μmが良い。磁性トナー中に含有させる量としては樹脂成分100質量部に対し40〜120質量部が好ましい。
【0193】
本発明に用いる磁性微粉体の材料としては、例えば、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの合金を用いることができる。また、これらの磁性材料に添加できる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等が挙げられる。
【0194】
本発明で用いられる各種特性付与を目的とした添加剤としては、例えば、以下のようなものが用いられる。
【0195】
(1)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロンチウム,酸化セリウム,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウム)など。
【0196】
(2)滑剤:フッ素系樹脂粉末(ポリフッ化ビニリデン,ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムなど)など。
【0197】
(3)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化錫,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化アルミニウムなど)・カーボンブラック・樹脂微粒子など。
【0198】
これら添加剤は、トナー粒子100質量部に対し、0.05〜10質量部が用いられ、好ましくは0.1〜5質量部が用いられる。これら添加剤は、単独で用いても、また、複数併用しても良い。
【0199】
本発明に係るトナーを製造するにあたっては、上述したようなトナー構成材料をボールミルその他の混合機により十分混合した後、熱ロールニーダー、エクストルーダーの熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化後、機械的な粉砕、分級によってトナーを得る方法が好ましく、他には、あるいは結着樹脂を構成すべき単量体に所定の材料を混合して乳化懸濁液とした後に、重合させてトナーを得る重合法トナー製造法;あるいはコア材、シェル材から成るいわゆるマイクロカプセルトナーにおいて、コア材あるいはシェル材、あるいはこれらの両方に所定の材料を含有させる方法;結着樹脂溶液中に構成材料を分散した後、噴霧乾燥することによりトナーを得る方法;等の方法が応用できる。さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分に混合し、本発明に係るトナーを製造することができる。
【0200】
【実施例】
以下、具体的実施例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0201】
本発明に用いられる結着樹脂は以下のようなものである。まず、懸濁重合法でスチレン−ブチルアクリレート−モノブチルマレート−ジビニルベンゼン共重合体A(St/BA/MBM/DVB=78/20/2/0.05,Tg=67℃,Mw=1,020,000)を作製した。ついで、溶液重合法でスチレン−ブチルアクリレート−モノブチルマレート共重合体B(St/BA/MBM=83/15/2,Tg=60℃,Mw=12,000)を作製した。共重合体Bを70質量部に対し共重合体Aを30質量部を溶液中で混合したものを結着樹脂とした。
【0202】
<実施例1>
・結着樹脂 100質量部
・マグネタイト 100質量部
(球形、平均粒子径0.20μm、BET=8.1m2/g、σs=84.7Am2/kg、σr=6.5Am2/kg)
・低分子量ポリエチレンワックス(融点110℃) 4質量部
・縮合物例(1) 2質量部
【0203】
上記材料をヘンシェルミキサーで良く前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕物を更に風力分級機で分級し、重量平均粒径5.7μmの分級微粉体を得た。
【0204】
得られた分級微粉体100質量部に、乾式法で製造されたシリカ微粉体100質量部をヘキサメチルジシラザン10質量部とジメチルシリコーン10質量部で処理した疎水性シリカ1.5質量部(BET比表面積182m2/g)を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、目開き150μmのメッシュで篩い負帯電性一成分磁性トナー1を得た。
【0205】
得られたトナー1について、次に示す各評価試験を行った。
【0206】
[画像評価試験]
市販のプリンターLBP−930(キヤノン(株)社製)を用い、低温/低湿環境、および高温/高湿環境の各環境下に於いてそれぞれ15000枚のプリントを行い、画像濃度、カブリを評価した。(評価環境:低温/低湿(15℃/10%RH)、高温/高湿(30℃/80%RH))
【0207】
画像濃度は、「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて測定した。カブリは、「反射濃度計」(東京電色技術センター社製)を用いて、転写紙の反射濃度と、ベタ白をコピーした後の転写紙の反射濃度とを測定し、その差分をカブリ値とし、その値が小さい方がカブリ抑制が良い。
【0208】
濃度の面内均一性は、幅20mm長さ100mmのベタライン(プロセス進行方向)の交互画像の後に1ドット1スペース画像をプリントし、1ドット1スペースの濃淡差により評価した。この濃度差が小さい方が濃度の面内一様性が良いものである。
【0209】
画質は、孤立ドットを100個画像形成し100個のうち何ドット表すことができたかによって評価する。ドット再現数が多い方が高画質といえるものである。
【0210】
画像評価試験の評価結果を表17及び18にまとめた。
【0211】
<実施例2>
実施例1において、縮合物(1)を縮合物(2)に変更する以外は実施例1と同様にして、分級微粉体並びにトナー2を得た。
【0212】
このトナー2について、実施例1と同様に各評価を行った。評価結果を表17及び18にまとめた。
【0213】
<実施例3>
実施例1において、縮合物(1)を縮合物(3)に変更する以外は実施例1と同様にして、分級微粉体並びにトナー3を得た。
【0214】
このトナー3について、実施例1と同様に各評価を行った。評価結果を表17及び18にまとめた。
【0215】
<実施例4>
実施例1において、縮合物(1)を縮合物(4)に変更する以外は実施例1と同様にして、分級微粉体並びにトナー4を得た。
【0216】
このトナー4について、実施例1と同様に各評価を行った。評価結果を表17及び18にまとめた。
【0217】
<実施例5>
実施例1において、縮合物(1)を縮合物(5)に変更する以外は実施例1と同様にして、分級微粉体並びにトナー5を得た。
【0218】
このトナー5について、実施例1と同様に各評価を行った。評価結果を表17及び18にまとめた。
【0219】
<実施例6>
実施例1において、縮合物(1)を縮合物(6)に変更する以外は実施例1と同様にして、分級微粉体並びにトナー6を得た。
【0220】
このトナー6について、実施例1と同様に各評価を行った。評価結果を表17及び18にまとめた。
【0221】
<実施例7>
実施例1において、縮合物(1)を縮合物(7)に変更する以外は実施例1と同様にして、分級微粉体並びにトナー7を得た。
【0222】
このトナー7について、実施例1と同様に各評価を行った。評価結果を表17及び18にまとめた。
【0223】
<実施例8>
実施例1において、縮合物(1)を縮合物(8)に変更する以外は実施例1と同様にして、分級微粉体並びにトナー8を得た。
【0224】
このトナー8について、実施例1と同様に各評価を行った。評価結果を表17及び18にまとめた。
【0225】
<実施例9>
実施例1において、縮合物(1)を縮合物(9)に変更する以外は実施例1と同様にして、分級微粉体並びにトナー9を得た。
【0226】
このトナー9について、実施例1と同様に各評価を行った。評価結果を表17及び18にまとめた。
【0227】
<実施例10>
実施例1において、縮合物(1)を縮合物(12)に変更する以外は実施例1と同様にして、分級微粉体並びにトナー10を得た。
【0228】
このトナー10について、実施例1と同様に各評価を行った。評価結果を表17及び18にまとめた。
【0229】
<比較例1>
実施例1において、縮合物(1)を下に示す縮合物(36)に変更する以外は実施例1と同様にして、分級微粉体並びにトナー11を得た。
【0230】
このトナー11について、実施例1と同様に各評価を行った。評価結果を表17及び18にまとめた。
【0231】
【化75】
【0232】
<比較例2>
実施例1において、縮合物(1)を下に示す化合物(37)に変更する以外は実施例1と同様にして、分級微粉体並びにトナー12を得た。
【0233】
このトナー12について、実施例1と同様に各評価を行った。評価結果を表17及び18にまとめた。
【0234】
【化76】
【0235】
【表17】
【0236】
【表18】
【0237】
<実施例11>
・ポリエステル樹脂 100質量部
(プロポキシビスフェノール52mol%,テレフタル酸30mol%,ドデセニルコハク酸15mol%,トリメリット酸4mol%,Tg=62℃、Mw=18000)
・縮合物(10) 2質量部
・銅フタロシアニン 3質量部
【0238】
上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、100℃に設定した二軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた粉砕機を用いて微粉砕し、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均径7.7μmの分級品を得た。得られた分級微粉体100質量部に、硫酸法で製造されたアナターゼ型チタニア微粉体100質量部をイソブチルトリメトキシラン10質量部とジメチルシリコーン10質量部で処理した疎水性チタニア(BET比表面積75m2/g)1.5質量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、目開き200μmのメッシュで篩いトナー13を得た。
【0239】
得られたトナー13について、次に示す各評価試験を行った。
【0240】
[画像評価試験]
市販のカラープリンターLBP−2030(キヤノン株式会社製)を用い、低温/低湿環境、および高温/高湿環境の各環境下に於いてそれぞれ3000枚プリントを行い、画像濃度、カブリを評価した。(評価環境:低温/低湿(15℃/10%RH)、高温/高湿(30.0℃/80%RH))
【0241】
画像濃度は、「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて測定した。カブリは、「反射濃度計」(東京電色技術センター社製)を用いて、転写紙の反射濃度と、ベタ白をコピーした後の転写紙の反射濃度とを測定し、その差分をカブリ値とし、その値が小さい方がカブリ抑制が良い。カブリの測定は、画像形成前の転写材、及び画像形成後の白地部について、反射濃度計(リフレクトメーターモデルTC−6DS 東京電色社製)を用いて反射濃度を5点測定し、平均値を求める。画像形成前後での反射濃度の差をカブリの評価とする。
【0242】
濃度の面内均一性は、幅20mm長さ100mmのベタライン(プロセス進行方向)の交互画像の後に1ドット1スペース画像をプリントし、1ドット1スペースの濃淡差により評価した。この濃度差が小さい方が濃度の面内一様性が良いものである。
【0243】
画質は、孤立ドットを100個画像形成し100個のうち何ドット表すことができたかによって評価する。ドット再現数が多い方が高画質といえるものである。
【0244】
画像評価試験の評価結果を表19及び20にまとめた。
【0245】
<実施例12>
・ポリエステル樹脂 100質量部
・縮合物(13) 2質量部
・ジメチルキナクリドン 3質量部
【0246】
上記材料をヘンシェルミキサで予備混合した後、100℃に設定した二軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた粉砕機を用いて微粉砕し、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均径7.8μmの分級品を得た。熱分解法で製造されたγ型アルミナ微粉体100質量部をn−ブチルトリメトキシラン10質量、ジメチルシリコーン5質量部で処理した疎水性アルミナ(BET比表面積82m2/g)1.5質量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、目開き200μmのメッシュで篩いトナー14を得た。
【0247】
このトナー14を用い、実施例11と同様のランニング試験を行った。画像濃度、カブリ、濃度ムラ等の現像性評価結果を表19及び20に記す。
【0248】
【表19】
【0249】
【表20】
【0250】
【発明の効果】
本発明の静電荷像現像用トナーによれば、本発明に示したオルトパラフェノール縮合体を荷電制御剤として用いることにより、トナーの帯電特性および現像特性を向上させることができ、帯電付与能力が改善され現像特性を向上させることができ、長期にわたり画像濃度変動が小さくカブリの増加も無く、ドット再現に優れ、面内濃度一様性にも優れた高精細画像を安定して提供することができる。
Claims (6)
- 少なくとも結着樹脂とフェノール誘導体化合物を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該フェノール誘導体化合物がフェノールあるいはその誘導体とアルデヒドの縮合物であって、該縮合物が鎖状縮合物あるいは環状縮合物あるいはこれらの混合物であり、該縮合物が下記一般式(1)及び(II)で表されるユニットを含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 該フェノール誘導体化合物がフェノールあるいはその誘導体とアルデヒドの縮合物であって、ユニット数の異なる縮合物を少なくとも2種以上含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 該フェノール誘導体化合物がフェノールあるいはその誘導体とアルデヒドの縮合物であって、該縮合物が鎖状縮合物と環状縮合物の混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 該フェノールが、o−フェニルフェノールあるいはo−ノルマルアルキルフェノールあるいはo−シクロアルキルフェノールあるいはこれらの誘導体を少なくとも1種含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 該アルデヒドが、ホルムアルデヒドであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 該トナーの体積平均粒径が6.0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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