JP3630940B2 - 磁性トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録のような画像形成方法における静電荷潜像を顕像化するための磁性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
トナーは、現像される静電潜像の極性に応じて、正または負の電荷を有する必要がある。
【0003】
トナーに電荷を保有せしめるためには、トナーの成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することも出来るが、この方法ではトナーの帯電が安定しないので、濃度の立ち上がりが遅く、カブリ易い。そこで、所望の摩擦帯電性をトナーに付与するために電荷制御剤を添加することが行われている。
【0004】
今日、当該技術分野で知られている電荷制御剤としては、負摩擦帯電性として、モノアゾ染料の金属錯塩、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族ジオール等の金属錯塩、酸成分を含む樹脂等が知られている。正摩擦帯電性として、ニグロシン染料、アジン染料、トリフェニルメタン系染顔料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマー等が知られている。
【0005】
しかしながら、電荷制御剤によっては、以下のような欠点を有する。画像濃度とカブリのバランスが取りにくい、高湿環境で、十分な画像濃度を得にくい、樹脂への分散性が悪い、保存安定性、定着性に悪影響を与える等である。
【0006】
従来、フェノールとアルデヒドの縮合物は、特開平2−201378号公報を始めとして、いくつかの提案がなされている。しかしながら、これらの公報に提案されているのは、単一ユニット数だけの縮合物の添加である。
【0007】
また、従来トナーに添加してきた単一ユニット数の環状縮合物は融点が高く、有機溶媒に対する溶解性が低い。そのため、高い帯電量が得られる反面、トナー中へ分散させることが容易とは言えない。また単一のユニット数のものでは、帯電性の調整が容易とは言えなかった。例えば、高い帯電量を得ようとすると、帯電の速度が低下したり、逆に帯電速度を向上させようとすると、帯電量が低下する傾向にあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、摩擦帯電部材を汚染せず、摩擦帯電付与能力を低下させることの無い磁性トナーを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、耐久により帯電性の低下がなく、安定した現像の行われる磁性トナーを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、高湿下においても、低湿下においても安定して帯電し、良好な現像の行われる磁性トナーを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記の目的は、以下の構成によって達成される。
【0012】
結着樹脂、フェノール誘導体化合物及び磁性体を少なくとも含有する磁性トナーにおいて、
1)該フェノール誘導体化合物がフェノールあるいはその誘導体とアルデヒドとの縮合物であって、ユニット数の異なる縮合物を少なくとも3種以上含有し、該縮合物は、ユニット数が4から8個の縮合物を少なくとも2種以上含有し、1種の縮合物の存在比が60%以下である鎖状縮合物あるいは環状縮合物あるいはこれらの混合物であり、
2)該磁性体が鉄元素基準で異種元素を0.05重量%以上含有する磁性酸化鉄であることを特徴とする磁性トナーによって達成される。ここで「ユニット数」とは、フェノール単位を1ユニットして数え、フェノール単位の数をユニット数とする。
【0013】
本発明者は、フェノールとアルデヒドの縮合物を用いることにより、立ち上がりの良さを保持しつつ、高温・高湿環境においても高い帯電量を得ることができることを見い出した。さらに、この特徴を異種元素を有する磁性酸化鉄を含有する磁性トナーと組み合わせることにより、優れたトナーとなることを見い出し、磁性トナーにおいてその効果は著しく、優れた現像性が得られることを見い出した。
【0014】
本発明の縮合物は水酸基を多数有しており、水分子の持つ極性を利用し、帯電が強調される効果が出る寄与の方を大きいものとすることができる。
【0015】
高温・高湿環境での帯電量が十分になるだけでなく、長期の耐久での濃度低下も抑えられる。本発明の縮合物は種々の異種元素を有する磁性酸化鉄を含有する磁性トナーにとって最適になる。すなわち、異種元素の酸化物、水酸化物、異種元素を取り込んだ酸化鉄、異種元素を混晶させた酸化鉄が、水分子を吸着し、水分子の極性を利用した帯電の強調を効果的に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、ユニット数の異なるフェノールとアルデヒドの縮合物を2種以上含有する。
【0017】
このことによる第一の効果は、帯電の減衰特性が好ましいものになる点である。いろいろな大きさの縮合物があることにより、大きな分子の間に小さい分子が進入でき、結果的に分子間の電子伝導が変化するためと考えられる。「帯電の減衰特性が好ましい」とは、具体的には放置した時に帯電が維持されることや、耐久時に過剰な帯電を持たないようにリークさせることを言う。また、この帯電減衰特性効果は、本発明の磁性体により効果的に発揮される。
【0018】
また、2種以上含有することにより、現像後のトナーがまとまって挙動することが見出された。2種以上の縮合物を含むことにより、転写性が良好になり、転写時に紙の凹凸に従って起こる転写不良が起こりにくくなる。また、定着工程においても定着飛び散りが低減する。これも、現像後の帯電の減衰と関係していると思われる。
【0019】
2種以上含有する第二の効果は、合成時の収率が向上し、コストが低下する点である。これは、ユニット数の異なる縮合物はそれぞれ反応に適したモノマーの条件が異なる。よって、反応途中の残存モノマーはそのどれかの条件に適合すれば良いので、反応に寄与しないモノマーが少なくなると考えられる。
【0020】
また、ユニット数の異なる縮合物を2種以上含有することにより、得られる粉体の結晶性が低下する。そのため、弱い力で微粒子にすることができ、結果としてトナー樹脂への分散性が向上する。これらの効果は、ユニット数が3種以上のとき、より向上し、ユニット数が4から8個の縮合物を含むことが好ましく、より安定した帯電性が得られる。またこの時、1種の縮合物の存在比が90%以下であることが好ましく、更には80%以下であることが好ましく、特には70%以下であり、更には60%以下である時に、前述の効果は、より顕著に現れるようになる。
【0021】
また、従来帯電制御剤として提案されてきた縮合物は、単一の環状物である。これに対して本発明は、ユニット数の異なる複数の縮合物を用いるので、鎖状の構造を有するものであっても、環状の構造を有する成分であってもよく、それぞれに効果が得られる。
【0022】
鎖状の縮合物は、分散性に優れるので、帯電性にやや劣るが、均一な帯電性が得られやすい。環状の化合物は、帯電性に優れるので、分散性には劣っているが、高い帯電量が得られる。これらの弊害は、ユニット数の異なる複数の縮合物を用いることで軽減される。また、鎖状縮合物と環状縮合物を同時に用いると、それぞれの特長が活かされ、帯電の立ち上がりの速さも現れてくる。鎖状の構造を有する縮合物は、一般の樹脂と同様に比較的低温から軟化する。この成分と環状の成分が混ざることで結果的に良好な帯電性が得られる。これは以下のような現象であると思われる。環状の成分は、高い帯電性を示すが、この成分は凝集性があり、分散が悪くなることがある。一方、鎖状の成分は帯電量は高くないが、軟化しやすく、分散性が良い。さらにこの両者は基本的に同じ骨格を有するので親和性があり、微細な混合状態を形成されやすい。すなわち、鎖状の成分が環状の成分の分散助剤となっていると考えられ、そのため均一で高い帯電が達成できるのであろう。
【0023】
このように本発明の縮合物をトナー中に含有すると、トナーの帯電量分布が高いレベルで均一なものが得られる。また、本発明の磁性体はこの帯電量均一化を補助し、これら縮合物の相乗効果をより高めるものである。そのため、高温高湿環境はトナー飛散の生じやすい環境であるが、本発明の縮合物を含有することにより、トナー飛散が著しく低減する。
【0024】
本発明の縮合物は、フェノール類とアルデヒド類をアルカリ性条件下で、加熱することによって得ることができる。鎖状縮合物、環状縮合物を選択的に得て、その後混合しても良い。選択的に得るためには、アルカリ金属の添加条件を調整し、さらに洗浄、抽出の条件を調整すれば良い。複数のアルカリ金属を添加することで、ユニット数の異なる縮合物の種類を多くすることができる。鎖状縮合物や環状縮合物の混合物も加熱温度、原料の添加時期、合成濃度等の合成条件、溶媒、アルカリ金属の量、pHを調整することにより種々のものが得られる。また、洗浄、抽出に用いることのできる溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール、エーテル、ヘキサン、ジオキサン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
【0025】
本発明の鎖状縮合物の末端は、水素原子、アルキル基、水酸基を含むアルキル基がよく、高湿環境での帯電量において有利である水素、アルキル基が好ましい。例えば、一般式(II)においては、一方がフェノールに縮合し、一方は水素あるいは水酸基となり、一般式(I)においては、一方がアルデヒドに縮合し、一方は水素、アルキル基、ハイドロキシアルキル基となる。
【0026】
本発明の縮合物中の鎖状縮合物と環状縮合物との存在比は1:20〜30:1であるのが好ましい。さらに好ましくは1:10〜20:1であるのが良い。鎖状のものが1:20より少ないと分散向上効果が表れる処方が限定され、1:10以上でないと、カラートナーのような軟らかい樹脂での効果が小さくなる。また、鎖状のものが1:20以上含まれることにより、現像に適した帯電に速く到達し、現像器に供給されたトナーが素早く入れ替わって消費されるようになる。1:10以上含むことにより、特に低湿環境での入れ替わりが速くなる。これにより、耐久した時に劣化したトナーが発生しにくくなり、画質が向上する。また、過剰な帯電を持つトナーの発生(いわゆるチャージアップ)が低減し、画像濃度の推移も安定する。
【0027】
逆に環状のものが30:1よりも少ないと高い帯電量が必要な場合に、トナー処方が限定されてしまう。環状のものが20:1よりも少ないと、粒径の小さな磁性トナーへの適用が困難になる。
【0028】
なお、ここではユニット数1のものは鎖状縮合物に含むものとする。
【0029】
また本発明においては、縮合物が下記一般式(I)及び(II)で表されるユニットを含むこと好ましい。
【0030】
【化3】
[式中、iは0または1を表し、
iが0の場合、R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換基を有していても良いアリール基、アラルキル基、置換基を有していても良いアリサイクリック基、フルオロアルキル基、ニトロ基、置換されていても良いスルホン基、置換されていても良いアミノ基またはトリアルキルシリル基を表し、
iが1の場合、R1はアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、アラルキル基、置換基を有していても良いアリサイクリック基、置換されていても良いアミノ基またはトリアルキルシリル基を表し、
R2は水素原子、アルキル基、フェニル基、アラルキル基、−COR5(R5は水素原子、アルキル基を示す)または−(CH2)mCOOR6(R6は水素原子またはアルキル基を表し、mは1〜3の整数を示す)を表し、
R3は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ハイドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基、トリアルキルシリル基、炭素数1〜8のエステル基、置換されていても良いアミノ基、アシル基、置換されていても良いスルホン基、炭素数1〜8のエーテル基を表し、R4は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。]
【0031】
また、該縮合物が下記一般式(III)で表されるユニットを含む縮合物であるものも用いられる。
【0032】
【化4】
[R1,R2は同一であっても異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換基を有していても良いアリール基、アラルキル基、置換基を有していても良いアリサイクリック基、フルオロアルキル基、ニトロ基、置換されていても良いスルホン基、置換されていても良いアミノ基またはトリアルキルシリル基を表し、
R3,R4は同一であっても異なっていても良く、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ハイドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基、トリアルキルシリル基、炭素数1〜8のエステル基、置換されていても良いアミノ基、アシル基、置換されていても良いスルホン基、炭素数1〜8のエーテル基を表し、
X1、X2、X3、X4は、連結位置を示し、一般式(II)で表わされるユニットを介して(I)で表わされるユニット、または(III)で表わされるユニットと連結して環を形成しても良く、末端である場合は水素原子またはアルキル基またはハイドロキシアルキル基を表す。]
【0033】
本発明の縮合物の構造としては、一般式(I)〜(III)における置換基Rnにおいて、縮合反応を阻害しないものであれば、適用可能である。
【0034】
一般式(I)における置換基R1では、アルキル基、置換基を有していても良いアリール基、アラルキル基、アリサイクリック基である場合、帯電量の高さ、帯電の立ち上がりが良好になりやすい。その中でも置換基を有していても良いフェニル基、クミル基、ノルマルアルキル基、シクロアルキル基が良く、さらに好ましくは少なくとも1種のフェニル基あるいは、炭素数3以下のアルキル基、炭素数8以下のシクロアルキル基を有するものが、帯電の維持性が向上するので良い。また、フェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を有することにより、適度な帯電量を保持するようになり、転写、定着においても制御がしやすくなる。このことにより転写、定着での画像の乱れが低減する。
【0035】
また、トナー定着性能に悪影響を与える置換基もあるが、メチル基、フェニル基、シクロヘキシル基は悪影響がない点でも好ましい。
【0036】
さらに原料フェノールにおいてp−フェニルフェノールまたはp−クレゾールを用いてフェニル基またはメチル基を導入するのが、合成の容易さの点で好ましい。
【0037】
一般式(I)における置換基R2では、水素原子が好ましいが、その他では、アルキル基、アラルキル基が良い。
【0038】
一般式(I)における置換基R3では、水素原子が好ましいが、その他ではアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基が帯電量向上効果があり良い。
【0039】
一般式(I)における置換基R4では、水素原子が好ましいが、その他ではメチル基が縮合反応を阻害せず、トナー性能に有害な不純物が含まれにくいので良い。
【0040】
置換基の異なる2種以上のユニットを有する縮合物も好ましい。2種以上用いることにより、得られる粉体の結晶性がくずれ、トナーへの分散性、帯電の立ち上がり方を調整することができる。組合せとしては、例えばフェニル基とシクロヘキシル基、フェニル基とメチル基、メチル基とシクロヘキシル基の組合せが良い。
【0041】
本発明の縮合物をトナーに含有させる方法としては、トナー内部に添加する方法と外添する方法がある。内添する場合の好ましい添加量としては、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、より好ましくは、0.5〜5重量部の範囲で用いられる。また、外添する場合は、0.01〜5重量部が好ましい。
【0042】
また本発明の縮合物は、従来の技術で述べたような公知の電荷制御剤と組み合わせて使用することもできる。
【0043】
本発明に用いられる磁性体は、異種元素を含有するマグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄及びその混合物があげられる。
【0044】
中でもリチウム、ベリリウム、ボロン、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、錫、鉛、亜鉛、カルシウム、バリウム、スカンジウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、銅、ニッケル、ガリウム、カドミウム、インジウム、銀、パラジウム、金、水銀、白金、タングステン、モリブデン、ニオブ、オスミウム、ストロンチウム、イットリウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ビスマスから選ばれる少なくとも一つ以上の元素を含有する磁性酸化鉄であることを好ましい。特にリチウム、ベリリウム、ボロン、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、ゲルマニウム、ジルコニウム、錫、第4周期の遷移金属元素が好ましい元素である。これらの元素は酸化鉄結晶格子の中に取り込まれても良いし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれていても良いし、表面に酸化物あるいは水酸化物として存在しても良い。
【0045】
これらの元素は、磁性体生成時に各々の元素の塩を混在させpH調整により、粒子中の取り込むことが出来る。また、磁性体粒子生成後にpH調整、あるいは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより、粒子表面に析出させることが出来る。
【0046】
これらの元素を有する磁性体は、結着樹脂に対し馴染みが良く、非常に分散性が良い。更にこの分散性のよさが、本発明で用いられる縮合物の分散性を向上することが出来、本発明の縮合物の効果を十分に発揮することが出来る。つまり磁性体が分散メディアとして働き、縮合物の分散を磁性体の分散性の良さが援助し、縮合物の分散性を向上させるわけである。また、これらの磁性体は水分子を吸着し、縮合物が、水分子による帯電に強調を発揮しやすくする効果を持っている。
【0047】
またこれらの磁性体は、粒度分布が揃い、その結着樹脂中への分散性とあいまって、トナーの帯電性を安定化することが出来る。また近年はトナー粒径の小径化が進んできており、体積平均粒径10μm以下のような場合でも、帯電均一性が促進され、トナーの凝集性も軽減され、画像濃度の向上、カブリの改善等現像性が向上する。特に体積平均粒径6.0μm以下のトナーにおいてはその効果は顕著であり、極めて高精細な画像が得られる。体積平均粒径は2.5μm以上である方が十分な画像濃度が得られて好ましい。一方でトナーの小粒径化が進むと縮合物の遊離も生じやすくなるが、本発明のトナーは帯電均一性に優れているので多少の遊離縮合物が存在してもスリーブ汚染の影響を受けにくくなる。
【0048】
これらの異種元素の含有率は、磁性酸化鉄の鉄元素を基準として0.05重量%であることを特徴とし、0.05〜10重量%であることが好ましい。更に好ましくは0.1〜7重量%であり、特に好ましくは0.2〜5重量%である。0.05重量%より少ないと、これら元素の含有効果が得られなく、良好な分散性、帯電均一性が得られなくなる。10重量%より多くなると、電荷の放出が多くなり帯電不足を生じ、画像濃度が低くなったり、カブリが増加することがある。
【0049】
また、これら異種元素の含有分布において、磁性体の表面に近い方に多く存在しているものが好ましい。たとえば、酸化鉄の鉄元素の溶解率が20%のときの異種元素の溶解率が、全異種元素の存在量の20%を超えていることが好ましい。さらには25%以上がよく、30%以上が特に好ましい。表面存在量を多くすることにより分散効果や電気的拡散効果を、より向上させることができる。
【0050】
これらの磁性体は平均粒径1.0μm以下が好ましく、さらには0.1〜0.5μmのものが好ましい。BET比表面積は2〜40mm2/gのものが用いられる。形状には特に制限はなく、任意の形状のものが用いられる。磁気特性としては磁場795.8kA/m下で飽和磁化が10〜200Am2/kg、残留磁化が1〜100Am2/kg、抗磁力が1〜30kA/mであるものが用いられる。これらの磁性体は結着樹脂100重量部に対し、20〜200重量部で用いられる。
【0051】
本発明の磁性酸化鉄中の元素量は、蛍光X線分析装置SYSTEM3080(理学電機工業(株)社製)を使用し、JIS K0119蛍光X線分析通則に従って、蛍光X線分析を行なうことにより測定した。元素分布については、溶解前後の元素量を測定し差を求めることにより得られる。
【0052】
また、個数平均径は透過電子顕微鏡により拡大撮影した写真をデジタイザー等で測定することにより求めることが出来る。
【0053】
本発明のトナーの体積平均粒径は、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、電解液はISOTON R−II(1%NaCl水溶液、コールターサイエンティフィックジャパン社製)を用いて測定する。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、体積、個数を測定して、体積平均粒径を算出する。
【0054】
体積平均粒径が6μm以上の場合は100μmのアパーチャーを用い2〜60μmの粒子を測定し、体積平粒径6〜2.5μmの場合は50μmのアパーチャーを用い1〜30μmの粒子を測定し、体積平均粒径2.5μm未満の場合は30μmのアパーチャーを用い0.6〜18μmの粒子を測定する。
【0055】
以下に本発明の縮合物の具体的構造を例示する。
【0056】
存在比は、分子量分布をFD−MS(電解脱離質量分析)を用いて測定し、m/zピークの強度比を存在比として求める。各ユニットの分子量を計算し、そのユニットで構成される縮合物の分子量を計算し、ユニット構成を求める。
【0057】
縮合物(1):
以下の4種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アルデヒド=1:2)
ユニット間はメチレンで結合
【0058】
【化5】
構造式の一例
【0059】
【化6】
【0060】
【表1】
【0061】
縮合物(2):
縮合物(1)と同様の4種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アルデヒド=1:2)
ユニット間はメチレンで結合
【0062】
【化7】
【0063】
【表2】
【0064】
縮合物(3):
縮合物(1)と同様の4種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アルデヒド=1:2)
ユニット間はメチレンで結合
【0065】
【表3】
【0066】
縮合物(4):
以下の2種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アルデヒド=1:2)
ユニット間はメチレンで結合
【0067】
【化8】
構造式の一例
【0068】
【化9】
【0069】
【表4】
【0070】
縮合物(5):
縮合物(4)と同様の2種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アルデヒド=1:2)
ユニット間はメチレンで結合
構造式の一例
【0071】
【化10】
【0072】
【表5】
【0073】
縮合物(6):
縮合物(4)と同様の2種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アルデヒド=1:2)
ユニット間はメチレンで結合
【0074】
【表6】
【0075】
縮合物(7):
以下の3種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アルデヒド=1:2)
ユニット間はメチレンで結合
【0076】
【化11】
構造式の一例
【0077】
【化12】
【0078】
【表7】
【0079】
縮合物(8):
縮合物(7)と同様の3種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アルデヒド=1:2)
ユニット間はメチレンで結合
構造式の一例
【0080】
【化13】
【0081】
【表8】
【0082】
縮合物(9):
縮合物(7)と同様の3種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アルデヒド=1:2)
ユニット間はメチレンで結合
【0083】
【表9】
【0084】
縮合物(10):
以下の6種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
AとEとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:E:アルデヒド=1:1:4)
ユニット間はメチレンで結合
【0085】
【化14】
【0086】
【表10】
【0087】
縮合物(11):
以下の7種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
AとEとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:E:アルデヒド=1:1:4)
ユニット間はメチレンで結合
【0088】
【化15】
【0089】
【表11】
【0090】
縮合物(12):
以下の5種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
AとEとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:E:アルデヒド=1:1:4)
ユニット間はメチレンで結合
【0091】
【化16】
【0092】
【表12】
【0093】
縮合物(13):
以下の4種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
AとCとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:C:アルデヒド=1:1:4)
ユニット間はメチレンで結合
【0094】
【化17】
【0095】
【表13】
【0096】
縮合物(14):
以下の2種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
AとBとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:B:アルデヒド=1:1:4)
ユニット間はメチレンで結合
【0097】
【化18】
【0098】
【表14】
【0099】
縮合物(15):
AとB、Cのユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
Aとホルムアルデヒドとアセトアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:ホルムアルデヒド:ベンズアルデヒド=1:1:1.5)
【0100】
【化19】
【0101】
【表15】
【0102】
縮合物(16):
以下の4種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
A(Xは水素)とホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アルデヒド=1:2)
ユニット間はメチレンで結合、Xは連結位置を表し、末端の場合は水素原子、メチル基、ハイドロキシメチル基を表す。
【0103】
【化20】
【0104】
【表16】
【0105】
縮合物(17):
以下の2種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アルデヒド=1:2)
ユニット間はメチレンで結合
水酸基のアルキル化は、縮合反応後に沃化ブチルを反応させる。
【0106】
【化21】
【0107】
【表17】
【0108】
縮合物(18):
以下のA,B,C,Dのユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットおよびE,Fのユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
AとCとホルムアルデヒドとアセトアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:C:ホルムアルデヒド:アセトアルデヒド=1:1:2:2)
ユニット間はメチレンで結合
【0109】
【化22】
【0110】
【表18】
【0111】
縮合物(19):
以下の6種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
AとCとEとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:C:E:アルデヒド=1:1:1:6)
ユニット間はメチレンで結合
【0112】
【化23】
【0113】
【表19】
【0114】
縮合物(20):
以下の6種のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合物の混合物
AとCとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:C:アルデヒド=1:1:4)
ユニット間はメチレンで結合
【0115】
【化24】
【0116】
【表20】
【0117】
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、下記の重合体の使用が可能である。
【0118】
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。好ましい結着樹脂としては、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂がある。
【0119】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、アクリルアミドなどのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を有するジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのようなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0120】
スチレン系重合体またはスチレン系共重合体は架橋されていてもよくまた混合樹脂でもかまわない。
【0121】
結着樹脂の架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよい。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリンなどのような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
【0122】
該スチレン系共重合体の合成方法としては、塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法及び乳化重合法のいずれでも良い。
【0123】
塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速度を早めることで、低分子量の重合体を得ることもできるが、反応をコントロールしにくい問題点がある。溶液重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利用して、また開始剤量や反応温度を調節することで低分子量重合体を温和な条件で容易に得ることができ、GPCのクロマトグラムにおいて分子量5,000〜10万の領域に分子量の極大値を有する低分子量重合体を得る時には好ましい。
【0124】
溶液重合で用いる溶媒としては、キシレン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピルアルコール、ベンゼン等が用いられる。スチレンモノマー混合物の場合はキシレン、トルエン又はクメンが好ましい。重合生成するポリマーによって適宜選択される。
【0125】
反応温度としては、使用する溶媒、開始剤、重合するポリマーによって異なるが、70℃〜230℃で行なうのが良い。溶液重合においては溶媒100重量部に対してモノマー30重量部〜400重量部で行なうのが好ましい。
【0126】
更に、重合終了時に溶液中で他の重合体を混合することも好ましく、数種の重合体をよく混合できる。
【0127】
また、GPCのクロマトグラムにおいて分子量100,000以上の領域に分子量の極大値を有する高分子量重合体や架橋重合体を得る重合法としては、乳化重合法や懸濁重合法が好ましい。
【0128】
このうち、乳化重合法は、水にほとんど不溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行なう方法である。この方法では反応熱の調節が容易であり、重合の行なわれる相(重合体と単量体からなる油相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、その結果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。さらに、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重合生成物が微細粒子であるために、トナーの製造において、着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容易であること等の理由から、トナー用バインダー樹脂の製造方法として他の方法に比較して有利である。
【0129】
しかし、添加した乳化剤のため生成重合体が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操作が必要であるので懸濁重合が簡便な方法である。
【0130】
懸濁重合においては、水系溶媒100重量部に対して、モノマー100重量部以下(好ましくは10〜90重量部)で行なうのが良い。使用可能な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、水系溶媒に対するモノマー量等で適当量があるが、一般に水系溶媒100重量部に対して0.05〜1重量部で用いられる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用する開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択すべきである。また開始剤種類としては、水に不溶或は難溶のものであれば用いることが可能である。
【0131】
これらの重合法において使用する開始剤としては、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミンパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン等が挙げられ、これらが単独あるいは併用して使用できる。
【0132】
その使用量はモノマー100重量部に対し、0.05重量部以上(好ましくは0.1〜15重量部)の濃度で用いられる。
【0133】
本発明に用いられるポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
【0134】
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0135】
【化25】
【0136】
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0〜10である。)
【0137】
また(B)式で示されるジオール類;
【0138】
【化26】
【0139】
(式中、R’は−CH2CH2−又は
【0140】
【化27】
であり、x’,y’は0以上の整数であり、かつ、x’+y’の平均値は0〜10である。)
が挙げられる。
【0141】
2価の酸成分としては、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0142】
また、架橋成分としても働く3価以上のアルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ましい。
【0143】
3価以上の多価アルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
【0144】
また、本発明における3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;
次式
【0145】
【化28】
【0146】
(式中、Yは炭素数1以上の側鎖を1個以上有する炭素数1〜30のアルキレン基又はアルケニレン基)で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0147】
本発明に用いられるアルコール成分としては40〜60mol%、好ましくは45〜55mol%、酸成分としては60〜40mol%、好ましくは55〜45mol%であることが好ましい。
【0148】
また3価以上の多価の成分は、全成分中の1〜60mol%であることも好ましい。
【0149】
該ポリエステル樹脂も通常一般に知られている縮重合によって得られる。
【0150】
本発明に係るトナー中には上記結着樹脂成分の他に、該結着樹脂成分の含有量より少ない割合で以下の化合物を含有させてもよい。例えばシリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、2種以上のα−オレフィンの共重合体などが挙げられる。
【0151】
本発明の該トナーに用いられる結着樹脂のガラス転移点(Tg)は好ましくは45〜80℃、より好ましくは50〜70℃である。
【0152】
本発明においては、トナーに離型性を与えるために次のようなワックス類を含有させることが好ましい。融点が70〜165℃で、160℃における溶融粘度が1000mPa・s以下のワックスであり、その具体例としてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックスや、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1のような直鎖のα−オレフィン及び分枝部分が末端にあるような分枝α−オレフィン及びこれらの不飽和基の位置の異なるオレフィンの単独重合体もしくはこれらの共重合体等が挙げられる。
【0153】
更に、ビニル系モノマーによりブロック共重合体としたり、グラフト変性などを施した変性ワックスでも良い。
【0154】
また、上記ワックスの添加量は、結着樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部であることが好ましく、1〜8重量部であることがより好ましい。なお、2種類以上のワックスを併用して添加しても良い。
【0155】
本発明のトナーに外添して用いられる無機微粉体としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機酸化物や、カーボンブラック、フッ化カーボンなどが粒径の細かい粒子を作りやすい点で好ましい。
【0156】
シリカ、アルミナ、酸化チタンは、トナー表面に分散させた時に細かい粒子となる方が流動性付与性が高くなるので好ましい。平均粒径としては5〜200nmになるものが良く、さらに好ましくは10〜100nmが良い。BET法で測定した窒素吸着による比表面積では20m2/g以上(特に30〜400m2/g)の範囲のものが母体微粉体として好ましく、表面処理された微粉体としては、10m2/g以上(特に20〜300m2/g)の範囲のものが好ましい。
【0157】
これらの微粉体の適用量は、磁性トナー重量に対して、0.03〜5%添加した時に適切な表面被覆率になる。
【0158】
本発明に用いる無機微粉体の疎水化度としては、30%以上の値を示すのが好ましい。疎水化処理剤としては、含ケイ素表面処理剤であるシラン化合物とシリコーンオイルが好ましい。
【0159】
例えば、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン等のようなアルキルアルコキシシランや、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン等のシラン化合物を用いることができる。
【0160】
また、以下の正帯電性のものも、帯電量の調整等のため用いても良い。アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、アミノ変性のシリコーンオイル等を用いることができる。
【0161】
また、現像性、耐久性を向上させるために次の無機粉体を添加することも好ましい。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンなどの金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムなどの複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩;カオリンなどの粘土鉱物;アパタイトなどリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素などのケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトなどの炭素粉末が挙げられる。なかでも、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムなどが好ましい。
【0162】
更に次のような滑剤粉末を添加することもできる。テフロン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂;フッ化カーボンなどのフッ素化合物が挙げられる。
【0163】
本発明のトナーは、キャリアと併用して二成分現像剤として用いることができ、二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものがすべて使用可能であるが、具体的には、表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金または酸化物などの平均粒径20〜300μmの粒子が使用される。
【0164】
またそれらキャリア粒子の表面に、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂等の物質を付着または被覆させたもの等が好ましく使用される。
【0165】
本発明のトナーに使用し得る着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料があげられる。トナーの着色剤としては、例えば顔料としてカーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100重量部に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の添加量が良い。また同様の目的で、更に染料が用いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料があり樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部の添加量が良い。
【0166】
本発明に係る磁性トナーを作製するには結着樹脂、縮合物、磁性体、必要に応じてワックス、その他の荷電制御剤、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に縮合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行って本発明に係る磁性トナーを得ることが出来る。
【0167】
さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合し、本発明に係る磁性トナーを得ることができる。
【0168】
【実施例】
以下、具体的実施例によって本発明を説明する。
【0169】
本発明に用いられる磁性体について述べる。
【0170】
マグネタイト生成時に内部に存在する元素の塩を添加しpHを調整しながら、マグネタイト粒子を生成させ、磁性体1〜5を得た。磁性体1は珪酸塩を、磁性体2は珪酸塩とアルミニウム塩を、磁性体3は燐酸塩を、磁性体4はマグネシウム塩を添加してマグネタイト粒子を製造した。磁性体5は亜鉛塩を添加して、マグネタイト粒子を生成させた後、珪酸塩を添加しpHを調整して、マグネタイト粒子表面にシリカを析出させて磁性体を得た。磁性体6は燐酸塩を添加して、マグネタイト粒子を生成させた後、珪酸塩を添加しpHを調整して、マグネタイト粒子表面にシリカを析出させて磁性体を得た。特に塩を添加せずにマグネタイト粒子を生成させ、磁性体8を得た。磁性体8生成後、ジルコニウム塩を添加してpHを調整しマグネタイト粒子表面に、ジルコニアを析出させて磁性体7を得た。
【0171】
これらの磁性体の物性を表21に記す。
【0172】
【表21】
【0173】
<実施例1>
スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量部
磁性体1 100重量部
縮合物(3) 2重量部
ポリエチレンワックス 4重量部
【0174】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径5.8μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したBET260m2/gのシリカを1.5重量部外添混合した。
【0175】
この磁性トナーを、市販の電子複写機NP−6085を用いて、23℃,5%Rhの環境と30℃,80%Rhの環境で20,000枚の複写試験を行った。その結果、両環境で画像濃度が高くカブリのない高精細な画像が得られた。その詳細は表22及び23に記す。
【0176】
画像濃度は、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、反射濃度の測定を行い、5mm丸(5φ)の画像を測定した。カブリは、反射濃度計(リフレクトメーター モデルTC−6DS東京電色社製)を用いて行い、画像形成後の白地部反射濃度最悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Ds−Drをカブリ量としてカブリの評価を行った。数値の少ない方がカブリ抑制が良い。画質の評価としては、画像比率が5〜100%の5%毎の20階調の網点画像を複写し、何階調表現できるかで評価した。階調数が多いほど高精細に複写できたことになる。
【0177】
<実施例2>
スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量部
磁性体2 90重量部
縮合物(6) 2重量部
ポリエチレンワックス 4重量部
【0178】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径6.4μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したBET260m2/gのシリカを1.2重量部外添混合した。
【0179】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0180】
<実施例3>
スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量部
磁性体3 90重量部
縮合物(9) 2重量部
ポリエチレンワックス 4重量部
【0181】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径7.6μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したBET260m2/gのシリカを1.0重量部外添混合した。
【0182】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0183】
<実施例4>
スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量部
磁性体4 100重量部
縮合物(10) 2重量部
ポリエチレンワックス 4重量部
【0184】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径5.8μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したBET260m2/gのシリカを1.5重量部外添混合した。
【0185】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0186】
<実施例5>
スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量部
磁性体5 90重量部
縮合物(11) 2重量部
ポリエチレンワックス 4重量部
【0187】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径6.3μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したBET260m2/gのシリカを1.2重量部外添混合した。
【0188】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0189】
<実施例6>
スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量部
磁性体6 90重量部
縮合物(12) 2重量部
ポリエチレンワックス 4重量部
【0190】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径7.7μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したBET260m2/gのシリカを1.0重量部外添混合した。
【0191】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0192】
<実施例7>
スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量部
磁性体7 100重量部
縮合物(14) 2重量部
ポリエチレンワックス 4重量部
【0193】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径5.5μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したBET260m2/gのシリカを1.5重量部外添混合した。
【0194】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0195】
<実施例8>
架橋ポリエステル樹脂 100重量部
磁性体1 90重量部
縮合物(15) 2重量部
ポリプロピレンワックス 4重量部
【0196】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、120℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径6.6μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ジメチルシリコーンで疎水化処理したBET140m2/gのシリカを1.2重量部外添混合した。
【0197】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0198】
<実施例9>
架橋ポリエステル樹脂 100重量部
磁性体2 90重量部
縮合物(16) 2重量部
ポリプロピレンワックス 4重量部
【0199】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、120℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径6.4μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ジメチルシリコーンで疎水化処理したBET140m2/gのシリカを1.2重量部、チタン酸ストロンチウムを3.0重量部外添混合した。
【0200】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0201】
<実施例10>
架橋ポリエステル樹脂 100重量部
磁性体3 90重量部
縮合物(17) 2重量部
ポリプロピレンワックス 4重量部
【0202】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、120℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径6.7μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ジメチルシリコーンで疎水化処理したBET140m2/gのシリカを1.2重量部、チタン酸ストロンチウムを3.0重量部外添混合した。
【0203】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0204】
<実施例11>
架橋ポリエステル樹脂 100重量部
磁性体4 90重量部
縮合物(18) 2重量部
ポリプロピレンワックス 4重量部
【0205】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、120℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径6.6μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ジメチルシリコーンで疎水化処理したBET140m2/gのシリカを1.2重量部、チタン酸ストロンチウムを3.0重量部外添混合した。
【0206】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0207】
<実施例12>
架橋ポリエステル樹脂 100重量部
磁性体5 90重量部
縮合物(19) 2重量部
ポリプロピレンワックス 4重量部
【0208】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、120℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径6.7μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ジメチルシリコーンで疎水化処理したBET90m2/gのシリカを1.2重量部、チタン酸ストロンチウムを3.0重量部外添混合した。
【0209】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0210】
<比較例1>
スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量部
磁性体1 80重量部
縮合物(21) 2重量部
[縮合物(21)は縮合物(14)のユニットAのメチレン結合である8員環が98%の縮合物]
ポリエチレンワックス 4重量部
【0211】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径5.8μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したBET260m2/gのシリカを1.5重量部外添混合した。
【0212】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0213】
<比較例2>
スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量部
磁性体8 80重量部
縮合物(21) 2重量部
ポリエチレンワックス 4重量部
【0214】
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体積平均粒径5.8μm磁性トナーを得た。この磁性トナー100重量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したBET260m2/gのシリカを1.5重量部外添混合した。
【0215】
このトナーを実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表22及び23に記す。
【0216】
【表22】
【0217】
【表23】
【0218】
【発明の効果】
本発明の磁性トナーは、摩擦帯電部材を汚染せず摩擦帯電付与能力を低下させることの無い磁性トナーであり、現像性の安定化に効果を発揮する。すなわち、耐久により帯電性の低下がなく、安定した現像の行われる磁性トナーとすることができる。更に、高湿下においても、低湿下においても安定して帯電し、良好な現像を行うことができる。
Claims (8)
- 結着樹脂、フェノール誘導体化合物及び磁性体を少なくとも含有する磁性トナーにおいて、
1)該フェノール誘導体化合物がフェノールあるいはその誘導体とアルデヒドとの縮合物であって、ユニット数の異なる縮合物を少なくとも3種以上含有し、該縮合物は、ユニット数が4から8個の縮合物を少なくとも2種以上含有し、1種の縮合物の存在比が60%以下である鎖状縮合物あるいは環状縮合物あるいはこれらの混合物であり、
2)該磁性体が鉄元素基準で異種元素を0.05重量%以上含有する磁性酸化鉄であることを特徴とする磁性トナー。 - 該フェノール誘導体化合物がフェノールあるいはその誘導体とアルデヒドとの縮合物であって、該縮合物が鎖状縮合物と環状縮合物との混合物であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
- 該磁性体がリチウム、ベリリウム、ボロン、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、ゲルマニウム、ジルコニウム、錫及び第4周期の遷移金属元素からなるグループから選ばれる少なくとも一つ以上の元素を含有する磁性酸化鉄であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
- 該縮合物が下記一般式(I)及び(II)で表されるユニットを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性トナー。
iが0の場合、R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換基を有していても良いアリール基、アラルキル基、置換基を有していても良いアリサイクリック基、フルオロアルキル基、ニトロ基、置換されていても良いスルホン基、置換されていても良いアミノ基またはトリアルキルシリル基を表し、
iが1の場合、R1はアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、アラルキル基、置換基を有していても良いアリサイクリック基、置換されていても良いアミノ基またはトリアルキルシリル基を表し、
R2は水素原子、アルキル基、フェニル基、アラルキル基、−COR5(R5は水素原子、アルキル基を示す)または−(CH2)mCOOR6(R6は水素原子またはアルキル基を表し、mは1〜3の整数を示す)を表し、
R3は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ハイドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基、トリアルキルシリル基、炭素数1〜8のエステル基、置換されていても良いアミノ基、アシル基、置換されていても良いスルホン基、炭素数1〜8のエーテル基を表し、R4は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。] - 該縮合物が下記一般式(III)で表されるユニットを含む縮合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁性トナー。
R3及びR4は同一であっても異なっていても良く、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ハイドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基、トリアルキルシリル基、炭素数1〜8のエステル基、置換されていても良いアミノ基、アシル基、置換されていても良いスルホン基または炭素数1〜8のエーテル基を表し、
X1,X2,X3及びX4は、連結位置を示し、前記一般式(II)で表わされるユニットを介して前記一般式(I)で表わされるユニット、または該一般式(III)で表わされるユニットと連結して環を形成しても良く、末端である場合は水素原子、アルキル基またはハイドロキシアルキル基を表す。] - 該フェノールが、p−フェニルフェノール、p−ノルマルアルキルフェノール、p−シクロアルキルフェノールあるいはこれらの誘導体を少なくとも1種含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁性トナー。
- 該アルデヒドが、ホルムアルデヒドであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の磁性トナー。
- 該磁性トナーの体積平均粒径が6.0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁性トナー。
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