JP3486534B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP3486534B2
JP3486534B2 JP23388997A JP23388997A JP3486534B2 JP 3486534 B2 JP3486534 B2 JP 3486534B2 JP 23388997 A JP23388997 A JP 23388997A JP 23388997 A JP23388997 A JP 23388997A JP 3486534 B2 JP3486534 B2 JP 3486534B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録のような画像形成方法における静電荷潜像を顕像化す
るための静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】トナーは、現像される静電潜像の極性に
応じて、正または負の電荷を有する必要がある。
【0003】トナーに電荷を保有せしめるためには、ト
ナーの成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することも出
来るが、この方法ではトナーの帯電が安定しないので、
濃度の立ち上がりが遅く、カブリ易い。そこで、所望の
摩擦帯電性をトナーに付与するために電荷制御剤を添加
することが行われている。
【0004】今日、当該技術分野で知られている電荷制
御剤としては、負摩擦帯電性として、モノアゾ染料の金
属錯塩、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族
ジオール等の金属錯塩、酸成分を含む樹脂等が知られて
いる。正摩擦帯電性として、ニグロシン染料、アジン染
料、トリフェニルメタン系染顔料、4級アンモニウム
塩、4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマー等が知
られている。
【0005】しかしながら、これらの電荷制御剤のほと
んどは、有色でありカラートナーには使えない。そし
て、カラートナーに適用可能な、無色、白色あるいは淡
色のものは、性能的に使えないものがほとんどである。
それらはハイライトの均一性が得られなかったり、耐久
試験での画像濃度の変動が大きい等の欠点を有する。
【0006】この他、電荷制御剤によっては、以下のよ
うな欠点を有する。画像濃度とカブリのバランスが取り
にくい、高湿環境で、十分な画像濃度を得にくい、樹脂
への分散性が悪い、保存安定性、定着性に悪影響を与え
る等である。
【0007】従来、フェノールとアルデヒドの縮合物
は、特開平2−201378号公報を始めとして、いく
つかの提案がなされている。しかしながら、これらの公
報に提案されているのは、単一ユニット数だけの縮合物
の添加である。
【0008】また、従来トナーに添加してきた単一ユニ
ット数の環状縮合物は融点が高く、有機溶媒に対する溶
解性が低い。そのため、高い帯電量が得られる反面、ト
ナー中へ分散させることが容易とは言えない。特に、カ
ラートナー用の低粘度樹脂を用いた場合、分散が不十分
になりやすく、トナー飛散が悪化することがある。また
単一のユニット数のものでは、帯電性の調整が容易とは
言えなかった。例えば、高い帯電量を得ようとすると、
帯電の速度が低下したり、逆に帯電速度を向上させよう
とすると、帯電量が低下する傾向にあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、均一
な帯電量を有するようになる静電荷像現像用トナーを提
供することにある。
【0010】本発明の目的は、低湿下に放置しても、高
湿下に放置しても高い画像品質が安定して得られ、トナ
ー飛散も生じない静電荷像現像用トナーを提供すること
にある。
【0011】本発明の目的は、長期耐久でも潜像に忠実
な画像を得続けることのできる静電荷像現像用トナーを
提供することにある。
【0012】本発明の目的は、無色あるいは淡色の電荷
制御剤により、色再現性の良好なカラートナーを提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の構
成によって達成される。
【0014】 結着樹脂、フェノール誘導体化合物及び
ワックスを少なくとも含有するトナーにおいて、1)該
フェノール誘導体化合物がフェノールあるいはその誘導
体とアルデヒドとの縮合物であって、ユニット数の異な
る縮合物を少なくとも2種以上含有するものであって、
ユニット数が4から8個の縮合物を含み、1種の縮合物
の存在比が60%以下であり、該縮合物が鎖状縮合物あ
るいは環状縮合物あるいはこれらの混合物であり、2)
該ワックスがE型粘度計で測定される120℃における
溶融粘度で22mPa・s未満のワックスAと120℃
における溶融粘度で22〜100mPa・sのワックス
Bを有することを特徴とするトナーによって達成され
る。ここで「ユニット数」とは、フェノール単位を1ユ
ニットして数え、フェノール単位の数をユニット数とす
る。
【0015】
【発明の実施の形態】従来帯電制御剤として提案されて
きたカリックスアレーンは、環状物であり、ユニット数
は単一分布である。これに対して本発明は、ユニット数
の異なる縮合物を2種以上含有する。
【0016】このことによる第一の効果は、帯電の減衰
特性が好ましいものになる点である。いろいろな大きさ
の縮合物があることにより、大きな分子の間に小さい分
子が進入でき、結果的に分子間の電子伝導が変化するた
めと考えられる。「帯電の減衰特性が好ましい」とは、
具体的には放置した時に帯電が維持されることや、耐久
時に過剰な帯電を持たないようにリークさせることを言
う。
【0017】また、2種以上含有することにより、現像
後のトナーがまとまって挙動することが見出された。2
種以上の縮合物を含むことにより、転写性が良好にな
り、転写時に紙の凹凸に従って起こる転写不良が起こり
にくくなる。また、定着工程においても定着飛び散りが
低減する。これも、現像後の帯電の減衰と関係している
と思われる。
【0018】2種以上含有する第二の効果は、合成時の
収率が向上し、コストが低下する点である。これは、ユ
ニット数の異なる縮合物はそれぞれ反応に適したモノマ
ーの条件が異なる。よって、反応途中の残存モノマーは
そのどれかの条件に適合すれば良いので、反応に寄与し
ないモノマーが少なくなると考えられる。
【0019】また、ユニット数の異なる縮合物を2種以
上含有することにより、得られる粉体の結晶性が低下す
る。そのため、弱い力で微粒子にすることができ、結果
としてトナー樹脂への分散性が向上する。これらの効果
は、ユニット数が3種以上のとき、より向上し、ユニッ
ト数が4から8個の縮合物を含むことが好ましく、より
安定した帯電性が得られる。またこの時、1種の縮合物
の存在比が90%以下であることが好ましく、更には8
0%以下であることが好ましく、特には70%以下であ
り、更には60%以下である時に、前述の効果は、より
顕著に現れるようになる。
【0020】また、従来帯電制御剤として提案されてき
た縮合物は、単一の環状物である。これに対して本発明
は、ユニット数の異なる複数の縮合物を用いるので、鎖
状の構造を有するものであっても、環状の構造を有する
成分であってもよく、それぞれに効果が得られる。
【0021】鎖状の縮合物は、分散性に優れるので、帯
電性にやや劣るが、均一な帯電性が得られやすい。環状
の化合物は、帯電性に優れるので、分散性には劣ってい
るが、高い帯電量が得られる。これらの弊害は、ユニッ
ト数の異なる複数の縮合物を用いることで軽減される。
また、鎖状縮合物と環状縮合物を同時に用いると、それ
ぞれの特長が活かされ、帯電の立ち上がりの速さも現れ
てくる。鎖状の構造を有する縮合物は、一般の樹脂と同
様に比較的低温から軟化する。この成分と環状の成分が
混ざることで結果的に良好な帯電性が得られる。これは
以下のような現象であると思われる。環状の成分は、高
い帯電性を示すが、この成分は凝集性があり、分散が悪
くなることがある。一方、鎖状の成分は帯電量は高くな
いが、軟化しやすく、分散性が良い。さらにこの両者は
基本的に同じ骨格を有するので親和性があり、微細な混
合状態を形成されやすい。すなわち、鎖状の成分が環状
の成分の分散助剤となっていると考えられ、そのため均
一で高い帯電が達成できるのであろう。
【0022】このように本発明の縮合物をトナー中に含
有すると、トナーの帯電量分布が高いレベルで均一なも
のが得られる。そのため、高温高湿環境はトナー飛散の
生じやすい環境であるが、本発明の縮合物を含有するこ
とにより、トナー飛散が著しく低減する。
【0023】また本発明に係るワックスAとワックスB
とを用いることにより、これらの縮合物の更なる分散性
の向上が得られる。ワックスAは非常に低粘度であり、
結着樹脂と縮合物を可塑化し互いの相溶性を高め、分散
性の向上と結着樹脂と縮合物の密着性が得られ、より均
一な帯電性と、縮合物の脱離が防げられ耐久性も向上す
る。その反面、この弊害として、離型性が劣ったり、表
面張力が変化し、耐オフセット性が悪化するところがあ
る。ところが、ワックスBを併用すると、ワックスBの
離型効果により、耐オフセット性を十分に持つことがで
きるようになる。更に、ワックスBは縮合物の過度の可
塑化を防止し、表面張力の変化を減少させることがで
き、トナー表面に適度な分散粒度で存在できるようにな
るため、耐オフセット性と摩擦帯電能が向上し、すばや
い立ち上がりと高い帯電量を得られるようになる。
【0024】本発明の縮合物は、フェノール類とアルデ
ヒド類をアルカリ性条件下で、加熱することによって得
ることができる。鎖状縮合物、環状縮合物を選択的に得
て、その後混合しても良い。選択的に得るためには、ア
ルカリ金属の添加条件を調整し、さらに洗浄、抽出の条
件を調整すれば良い。複数のアルカリ金属を添加するこ
とで、ユニット数の異なる縮合物の種類を多くすること
ができる。鎖状縮合物や環状縮合物の混合物も加熱温
度、原料の添加時期、合成濃度等の合成条件、溶媒、ア
ルカリ金属の量、pHを調整することにより種々のもの
が得られる。また、洗浄、抽出に用いることのできる溶
媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、アルコー
ル、エーテル、ヘキサン、ジオキサン、トルエン、クロ
ロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド
などが挙げられる。
【0025】本発明の鎖状縮合物の末端は、水素原子、
アルキル基、水酸基を含むアルキル基がよく、高湿環境
での帯電量において有利である水素、アルキル基が好ま
しい。例えば、一般式(II)においては、一方がフェ
ノールに縮合し、一方は水素あるいは水酸基となり、一
般式(I)においては、一方がアルデヒドに縮合し、一
方は水素、アルキル基、ハイドロキシアルキル基とな
る。
【0026】本発明の縮合物中の鎖状縮合物と環状縮合
物との存在比は1:20〜30:1であるのが好まし
い。さらに好ましくは1:10〜20:1であるのが良
い。鎖状のものが1:20より少ないと分散向上効果が
表れる処方が限定され、1:10以上でないと、カラー
トナーのような軟らかい樹脂での効果が小さくなる。ま
た、鎖状のものが1:20以上含まれることにより、現
像に適した帯電に速く到達し、現像器に供給されたトナ
ーが素早く入れ替わって消費されるようになる。1:1
0以上含むことにより、特に低湿環境での入れ替わりが
速くなる。これにより、耐久した時に劣化したトナーが
発生しにくくなり、画質が向上する。また、過剰な帯電
を持つトナーの発生(いわゆるチャージアップ)が低減
し、画像濃度の推移も安定する。
【0027】逆に環状のものが30:1よりも少ないと
高い帯電量が必要な場合に、トナー処方が限定されてし
まう。環状のものが20:1よりも少ないと、粒径の小
さな磁性トナーへの適用が困難になる。
【0028】なお、ここではユニット数1のものは鎖状
縮合物に含むものとする。
【0029】また本発明においては、縮合物が下記一般
式(I)及び(II)で表されるユニットを含むこと好
ましい。
【0030】
【化3】 [式中、iは0または1を表し、iが0の場合、R1
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換基を有して
いても良いアリール基、アラルキル基、置換基を有して
いても良いアリサイクリック基、フルオロアルキル基、
ニトロ基、置換されていても良いスルホン基、置換され
ていても良いアミノ基またはトリアルキルシリル基を表
し、iが1の場合、R1はアルキル基、置換基を有して
いても良いアリール基、アラルキル基、置換基を有して
いても良いアリサイクリック基、置換されていても良い
アミノ基またはトリアルキルシリル基を表し、R2は水
素原子、アルキル基、フェニル基、アラルキル基、−C
OR5(R5は水素原子、アルキル基を示す)または−
(CH2mCOOR6(R6は水素原子またはアルキル基
を表し、mは1〜3の整数を示す)を表し、R3は水素
原子、アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ハ
イドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキ
ル基、トリアルキルシリル基、炭素数1〜8のエステル
基、置換されていても良いアミノ基、アシル基、置換さ
れていても良いスルホン基、炭素数1〜8のエーテル基
を表し、R4は水素原子、アルキル基またはアリール基
を表す。]
【0031】また、該縮合物が下記一般式(III)で
表されるユニットを含む縮合物であるものも用いられ
る。
【0032】
【化4】 [R1,R2は同一であっても異なっていても良く、水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換基を有していて
も良いアリール基、アラルキル基、置換基を有していて
も良いアリサイクリック基、フルオロアルキル基、ニト
ロ基、置換されていても良いスルホン基、置換されてい
ても良いアミノ基またはトリアルキルシリル基を表し、
3,R4は同一であっても異なっていても良く、水素原
子、アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ハイ
ドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル
基、トリアルキルシリル基、炭素数1〜8のエステル
基、置換されていても良いアミノ基、アシル基、置換さ
れていても良いスルホン基、炭素数1〜8のエーテル基
を表し、X1、X2、X3、X4は、連結位置を示し、一般
式(II)で表わされるユニットを介して(I)で表わ
されるユニット、または(III)で表わされるユニッ
トと連結して環を形成しても良く、末端である場合は水
素原子またはアルキル基またはハイドロキシアルキル基
を表す。]
【0033】本発明の縮合物の構造としては、一般式
(I)〜(III)における置換基Rnにおいて、縮合
反応を阻害しないものであれば、適用可能である。
【0034】一般式(I)における置換基R1では、ア
ルキル基、置換基を有していても良いアリール基、アラ
ルキル基、アリサイクリック基である場合、帯電量の高
さ、帯電の立ち上がりが良好になりやすい。その中でも
置換基を有していても良いフェニル基、クミル基、ノル
マルアルキル基、シクロアルキル基が良く、さらに好ま
しくは少なくとも1種のフェニル基あるいは、炭素数3
以下のアルキル基、炭素数8以下のシクロアルキル基を
有するものが、帯電の維持性が向上するので良い。ま
た、フェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基を有することによ
り、適度な帯電量を保持するようになり、転写、定着に
おいても制御がしやすくなる。このことにより転写、定
着での画像の乱れが低減する。
【0035】また、トナー定着性能に悪影響を与える置
換基もあるが、メチル基、フェニル基、シクロヘキシル
基は悪影響がない点でも好ましい。
【0036】さらに原料フェノールにおいてp−フェニ
ルフェノールまたはp−クレゾールを用いてフェニル基
またはメチル基を導入するのが、合成の容易さの点で好
ましい。
【0037】一般式(I)における置換基R2では、水
素原子が好ましいが、その他では、アルキル基、アラル
キル基が良い。
【0038】一般式(I)における置換基R3では、水
素原子が好ましいが、その他ではアルキル基、ハロゲン
原子、ニトロ基が帯電量向上効果があり良い。
【0039】一般式(I)における置換基R4では、水
素原子が好ましいが、その他ではメチル基が縮合反応を
阻害せず、トナー性能に有害な不純物が含まれにくいの
で良い。
【0040】置換基の異なる2種以上のユニットを有す
る縮合物も好ましい。2種以上用いることにより、得ら
れる粉体の結晶性がくずれ、トナーへの分散性、帯電の
立ち上がり方を調整することができる。組合せとして
は、例えばフェニル基とシクロヘキシル基、フェニル基
とメチル基、メチル基とシクロヘキシル基の組合せが良
い。
【0041】本発明の化合物をトナーに含有させる方法
としては、トナー内部に添加する方法と外添する方法が
ある。内添する場合の好ましい添加量としては、結着樹
脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ま
しくは、0.5〜5質量部の範囲で用いられる。また、
外添する場合は、0.01〜5質量部が好ましい。
【0042】また本発明の化合物は、従来の技術で述べ
たような公知の電荷制御剤と組み合わせて使用すること
もできる。
【0043】E型粘度計で測定される120℃における
溶融粘度が22mPa・s未満であるワックスAを有す
ることを特徴とし、好ましくは1mPa・s以上22m
Pa・s未満、更に好ましくは1〜20mPa・s、特
には1〜15mPa・sで、大きな可塑効果が得られる
ために定着性向上や本発明の縮合物の分散効果に働く。
一方、溶融粘度が低いので、トナー表面に出たワックス
膜は弱く、離型効果を発揮することが出来ない。更に表
面近傍にはこのワックスが多いので、表面の可塑効果は
より大きくなりトナーの粘度が下がりオフセットに不利
に働くようになる。また、構造的にn−パラフィン構造
であるパラフィンワックスであることが、より作用を大
きくすることが出来る。
【0044】また本発明はE型粘度計で測定される12
0℃における溶融粘度が22〜100mPa・sである
ワックスBを有することを特徴とし、好ましくは25〜
90mPa・sで、特には30〜80mPa・sで、適
度な溶融粘度を有するために、トナー表面に出たワック
ス膜に強度が得られ、優れた離型効果、剥離効果が得ら
れる。更に、表面近傍のワックスは、相分離をしトナー
中に染み込むこともないので、トナー像が冷却固化した
ときに、ワックス層が存在するため、滑り性に優れ、画
像に擦れに対する耐久性ができ、部材や他の画像を汚す
ことが無くなる。また本発明の縮合物の分散粒径を適正
化できる。このことから、可塑効果は、それほど大きく
はなく、大きな定着性向上は得られない。また、構造的
にi−パラフィン構造を若干含むフィッシャートロプシ
ュワックスであることが、より効果を高くすることが出
来る。
【0045】本発明は、上記E型粘度計で測定される1
20℃における溶融粘度が22mPa・s未満であるワ
ックスAと22〜100mPa・sであるワックスBを
併用すること特徴とし、好ましくはそれぞれが1〜20
mPa・sおよび25〜90mPa・sで、特には1〜
15mPa・sおよび30〜80mPa・sで、可塑効
果、離型効果、剥離効果、滑り効果、縮合物分散効果を
あわせ持つことが出来る。また、表面近傍に、ワックス
Aが多く存在するため、ワックスBのワックス膜が効率
的に形成されるので、少量の添加量でも優れた離型効
果、剥離効果、滑り効果を得ることができ、他材料から
くる耐オフセットの悪化を防止できる。結果として、少
量のワックス成分で、これらの効果を十分に発揮できる
ので、ワックス成分が与える現像性の悪化や、耐ブロッ
キング性の悪化、分散不良から生じるクリーニングトラ
ブル、ドラム融着等を防止することが出来る。また、そ
れぞれが構造的にワックスAがパラフィンワックス、ワ
ックスBがフィッシャートロプシュワックスであること
が、より効果を高くする上で好ましい。
【0046】上述のような併用効果をより強く発揮する
には、両者のワックスのE型粘度計で測定される120
℃における溶融粘度の差が10〜100mPa・sであ
ることが好ましく、更に好ましくは15〜90mPa・
sで、特には15〜70mPa・sである。
【0047】本発明のトナーの作用効果について、更に
具体的に述べる。本発明における可塑効果は、トナーの
溶融粘度を下げトナーの定着性を上げるのは勿論のこ
と、本発明では、トナー表面近傍の可塑効果がより大き
いので、表面近傍のトナーの溶融粘度はより下がり、記
録媒体へのアンカー効果が働き、定着性向上に大きく貢
献するとともに縮合物の分散性向上に働く。
【0048】本発明における離型効果は、トナーの離型
性を上げ、耐オフセット性を向上させるのは当然のこと
として、本発明では、たとえオフセットしても、クリー
ニング部材で綺麗にクリーニングされる。またクリーニ
ング部材から再移行による、ローラー汚れによる画像汚
れが発生することがない。また、トナーが、ドラム上で
十分にクリーニングされなかったとき、トナーがクリー
ニングブレードで摩擦されると一部が溶け、融着を発生
するようになるが、この時本発明のトナーは、ワックス
膜が効果的に働き、優れた離型性を示すため、これらの
融着がクリーニングブレードに取られるようになり、融
着を消失することが出来るようになる。従って、たとえ
融着が発生しても、画像欠陥として現われる前に、解消
される。また、本発明の縮合物を適度に凝集させ、摩擦
帯電が効率的に行われる粒径に分散できる。
【0049】本発明の剥離効果は、定着ローラーからの
剥離性に優れ、容易に定着ローラーから、記録媒体が分
離される。従って排紙分離爪に頼ることなく、定着ロー
ラーから分離されるので、分離爪を汚すことがなく、こ
の分離爪が他の画像を汚すこともなく、またこの分離爪
に記録媒体がひっかかり定着排紙ジャムを起こすことが
無くなる。
【0050】本発明の滑り効果は、擦れに対しトナー像
が強くなるので、画像が接触する部材を汚染することが
少なくなり、これらの汚染からくる他の画像への汚れを
防ぐことが出来る。複写機、プリンターのシステム化、
高速化に伴ない画像が擦られる機会が多くなり、その強
さも大きくなるので、よりトナー像には負担が大きくな
り、擦れに対する耐久性が必要となってくるが、本発明
のトナーにおいては、滑り性に優れているので、マシン
の高機能化、高速化に耐えうるようになる。例えば、両
面機能、多重機能、縮小編集機能、カール取り機構、背
面排紙機能、ソート機能、紙折り機能、バインディング
機能、スティープル機能、その他フィニッシャー機能な
どで画像が強くしごかれる機会が増加して来ており、こ
れらの機能に耐えうる画像の得られるトナーが必要とさ
れ、本発明のトナーはこれらの要望に答えるものであ
る。また、得られた画像を原稿とし、オートドキュメン
トフィーダに使用されることも多く、中には何度も通さ
れる原稿もある。この際、原稿の接触する部材を汚せ
ば、他の原稿を汚すことにもなるし、自らの原稿を汚す
ことにもなる。本発明のトナーは、画像を原稿として用
いても部材を汚すことなく、安心して原稿として用いる
ことが出来る。すなわち本発明のトナーは、電子写真機
器のフルオートメーション化をバックアップすることが
出来るのである。
【0051】本発明に用いられるワックスは、次のよう
なものが利用できる。ポリオレフィンワックス、フィッ
シャートロプシュワックス、パラフィンワックス、マイ
クロクリスタリンワックス等の炭化水素系ワックスおよ
びこれらのワックスの酸化物、ビニルモノマーとのブロ
ック共重合体物、グラフト変性物等の誘導体ワックス。
アルコールワックス、脂肪酸ワックス、アルコールアル
キレンオキサイド付加物ワックス、エステルワックス、
アルコール誘導体ワックス、アミドワックス、ケトンワ
ックスおよびこれらのワックスの酸化物、グラフト変性
物等の誘導体ワックス、さらにこれらのワックスと炭化
水素系ワックスの混合物。モンタンワックス、動物系ワ
ックス、植物系ワックス、ペトロラクタムおよびこれら
の誘導体ワックス。上記誘導体ワックスのケン化物、塩
等でもよい。
【0052】また好ましく用いられるワックスとして
は、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフ
ィン;高分子量ポリオレフィン重合時にえられる低分子
量副生成物を精製したポリオレフィン;低圧下でチーグ
ラー触媒、メタロセン触媒等の触媒を用いて重合したポ
リオレフィン;放射線、電磁波、光等を利用して重合し
たポリオレフィン;高分子量ポリオレフィンを熱分解し
て得られる低分子量ポリオレフィン;パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロ
プシュワックス;ジントール法、ヒドロコール法、アー
ゲ法等により合成される合成炭化水素ワックス;炭素数
1個の化合物をモノマーとする合成ワックスである。
【0053】また、これらのワックスを、プレス発汗
法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス法、融
液晶析法等を用いて分子量分布をシャープにしたものや
脂肪酸、アルコール、低分子化合物、その他の不純物を
除去したものが好ましく用いられる。
【0054】特に好ましく用いられるのは、パラフィン
ワックス、フィッシャートロプシュワックス、E型粘度
計で測定される120℃における溶融粘度22mPa・
s未満のワックス、22〜100mPa・sのワックス
であり、なかでもE型粘度計で測定される120℃にお
ける溶融粘度22mPa・s未満のパラフィンワック
ス、22〜100mPa・sのフィッシャートロプシュ
ワックスが好ましい。
【0055】本発明において、溶融粘度はE型回転粘度
計を用いて測定される。粘度計としては、例えばVT−
500(HAAKE社製)を利用できる。本発明におい
ては、VT−500を用い、温度レギュレータ付きオイ
ルバスにより測定装置を120℃に温度調整し、センサ
ーにPK1,0.5°を使用し、シェアレート6000
-1で測定した。
【0056】以下に本発明の縮合物の具体的構造を例示
する。
【0057】存在比は、分子量分布をFD−MS(電解
脱離質量分析)を用いて測定し、m/zピークの強度比
を存在比として求める。各ユニットの分子量を計算し、
そのユニットで構成される縮合物の分子量を計算し、ユ
ニット構成を求める。
【0058】縮合物(1):以下の4種のユニットから
選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合
物の混合物 Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アル
デヒド=1:2) ユニット間はメチレンで結合
【0059】
【化5】 構造式の一例
【0060】
【化6】
【0061】
【表1】
【0062】縮合物(2):縮合物(1)と同様の4種
のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから
構成される縮合物の混合物 Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アル
デヒド=1:2) ユニット間はメチレンで結合
【0063】
【化7】
【0064】
【表2】
【0065】縮合物(3):縮合物(1)と同様の4種
のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから
構成される縮合物の混合物 Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アル
デヒド=1:2) ユニット間はメチレンで結合
【0066】
【表3】
【0067】縮合物(4):以下の2種のユニットから
選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合
物の混合物 Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アル
デヒド=1:2) ユニット間はメチレンで結合
【0068】
【化8】 構造式の一例
【0069】
【化9】
【0070】
【表4】
【0071】縮合物(5):縮合物(4)と同様の2種
のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから
構成される縮合物の混合物 Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アル
デヒド=1:2) ユニット間はメチレンで結合 構造式の一例
【0072】
【化10】
【0073】
【表5】
【0074】縮合物(6):縮合物(4)と同様の2種
のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから
構成される縮合物の混合物 Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アル
デヒド=1:2) ユニット間はメチレンで結合
【0075】
【表6】
【0076】縮合物(7):以下の3種のユニットから
選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮合
物の混合物 Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アル
デヒド=1:2) ユニット間はメチレンで結合
【0077】
【化11】 構造式の一例
【0078】
【化12】
【0079】
【表7】
【0080】縮合物(8):縮合物(7)と同様の3種
のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから
構成される縮合物の混合物 Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アル
デヒド=1:2) ユニット間はメチレンで結合 構造式の一例
【0081】
【化13】
【0082】
【表8】
【0083】縮合物(9):縮合物(7)と同様の3種
のユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットから
構成される縮合物の混合物 Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アル
デヒド=1:2) ユニット間はメチレンで結合
【0084】
【表9】
【0085】縮合物(10):以下の6種のユニットか
ら選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮
合物の混合物 AとEとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:
E:アルデヒド=1:1:4) ユニット間はメチレンで結合
【0086】
【化14】
【0087】
【表10】
【0088】縮合物(11):以下の7種のユニットか
ら選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮
合物の混合物 AとEとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:
E:アルデヒド=1:1:4) ユニット間はメチレンで結合
【0089】
【化15】
【0090】
【表11】
【0091】縮合物(12):以下の5種のユニットか
ら選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮
合物の混合物 AとEとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:
E:アルデヒド=1:1:4) ユニット間はメチレンで結合
【0092】
【化16】
【0093】
【表12】
【0094】縮合物(13):以下の4種のユニットか
ら選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮
合物の混合物 AとCとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:
C:アルデヒド=1:1:4) ユニット間はメチレンで結合
【0095】
【化17】
【0096】
【表13】
【0097】縮合物(14):以下の2種のユニットか
ら選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮
合物の混合物 AとBとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:
B:アルデヒド=1:1:4) ユニット間はメチレンで結合
【0098】
【化18】
【0099】
【表14】
【0100】縮合物(15):AとB、Cのユニットか
ら選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮
合物の混合物 Aとホルムアルデヒドとアセトアルデヒドが出発原料
(仕込み比はA:ホルムアルデヒド:アセトアルデヒド
=1:1:1.5)
【0101】
【化19】
【0102】
【表15】
【0103】縮合物(16):以下の4種のユニットか
ら選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮
合物の混合物 A(Xは水素)とホルムアルデヒドが出発原料(仕込み
比はA:アルデヒド=1:2)
【0104】
【化20】
【0105】
【表16】
【0106】縮合物(17):以下の2種のユニットか
ら選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮
合物の混合物 Aとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:アル
デヒド=1:2) ユニット間はメチレンで結合 水酸基のアルキル化は、縮合反応後に沃化ブチルを反応
させる。
【0107】
【化21】
【0108】
【表17】
【0109】縮合物(18):以下のA,B,C,Dの
ユニットから選ばれる少なくとも一つのユニットおよび
E,Fのユニットから選ばれる少なくとも一つのユニッ
トから構成される縮合物の混合物 AとCとホルムアルデヒドとアセトアルデヒドが出発原
料(仕込み比はA:C:ホルムアルデヒド:アセトアル
デヒド=1:1:2:2) ユニット間はメチレンで結合
【0110】
【化22】
【0111】
【表18】
【0112】縮合物(19):以下の6種のユニットか
ら選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮
合物の混合物 AとCとEとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比は
A:C:E:アルデヒド=1:1:1:6) ユニット間はメチレンで結合
【0113】
【化23】
【0114】
【表19】
【0115】縮合物(20):以下の6種のユニットか
ら選ばれる少なくとも一つのユニットから構成される縮
合物の混合物 AとCとホルムアルデヒドが出発原料(仕込み比はA:
C:アルデヒド=1:1:4) ユニット間はメチレンで結合
【0116】
【化24】
【0117】
【表20】
【0118】本発明に用いられる磁性体は、マグネタイ
ト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄、鉄、コ
バルト、ニッケルの様な金属あるいはこれらの金属とア
ルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜
鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、
カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステ
ン、バナジウム等の金属の合金及びその混合物があげら
れる。
【0119】これらの磁性体は平均粒径1.0μm以下
が好ましく、さらには0.1〜0.5μmのものが好ま
しい。BET比表面積は2〜40mm2/gのものが用
いられる。形状には特に制限はなく、任意の形状のもの
が用いられる。磁気特性としては磁場795.8kA/
m下で飽和磁化が10〜200Am2/kg、残留磁化
が1〜100Am2/kg、抗磁力が1〜30kA/m
であるものが用いられる。これらの磁性体は結着樹脂1
00質量部に対し、20〜200質量部で用いられる。
【0120】本発明の磁性酸化鉄中の元素量は、蛍光X
線分析装置SYSTEM3080(理学電機工業(株)
社製)を使用し、JIS K0119蛍光X線分析通則
に従って、蛍光X線分析を行なうことにより測定した。
また、個数平均径は透過電子顕微鏡により拡大撮影した
写真をデジタイザー等で測定することにより求めること
が出来る。
【0121】本発明のトナーの体積平均粒径は、コール
ターマルチサイザー(コールター社製)を用い、電解液
はISOTON R−II(1%NaCl水溶液、コー
ルターサイエンティフィックジャパン社製)を用いて測
定する。測定法としては、前記電解水溶液100〜15
0ml中に分散剤として界面活性剤を0.1〜5ml加
え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁し
た電解液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行
い、前記測定装置により、体積、個数を測定して、体積
平均粒径を算出する。
【0122】体積平均粒径が6μm以上の場合は100
μmのアパーチャーを用い2〜60μmの粒子を測定
し、体積平粒径6〜2.5μmの場合は50μmのアパ
ーチャーを用い1〜30μmの粒子を測定し、体積平均
粒径2.5μm未満の場合は30μmのアパーチャーを
用い0.6〜18μmの粒子を測定する。
【0123】本発明のトナーに使用される結着樹脂とし
ては、下記の重合体の使用が可能である。
【0124】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびそ
の置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共
重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン
−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テ
ルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが
使用できる。好ましい結着樹脂としては、スチレン系共
重合体もしくはポリエステル樹脂がある。
【0125】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えばアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−
2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリ
ル、メタクリルニトリル、アクリルアミドなどのような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を有す
るジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、
酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのようなビニルエステ
ル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのよ
うなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン
類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエー
テル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用い
られる。
【0126】スチレン系重合体またはスチレン系共重合
体は架橋されていてもよくまた混合樹脂でもかまわな
い。
【0127】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよ
い。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリンな
どのような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなど
のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジ
ビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィ
ド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および3
個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合
物として用いられる。
【0128】該スチレン系共重合体の合成方法として
は、塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法及び乳化重合
法のいずれでも良い。
【0129】塊状重合法では、高温で重合させて停止反
応速度を早めることで、低分子量の重合体を得ることも
できるが、反応をコントロールしにくい問題点がある。
溶液重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利
用して、また開始剤量や反応温度を調節することで低分
子量重合体を温和な条件で容易に得ることができ、GP
Cのクロマトグラムにおいて分子量5,000〜10万
の領域に分子量の極大値を有する低分子量重合体を得る
時には好ましい。
【0130】溶液重合で用いる溶媒としては、キシレ
ン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピル
アルコール、ベンゼン等が用いられる。スチレンモノマ
ー混合物の場合はキシレン、トルエン又はクメンが好ま
しい。重合生成するポリマーによって適宜選択される。
【0131】反応温度としては、使用する溶媒、開始
剤、重合するポリマーによって異なるが、70℃〜23
0℃で行なうのが良い。溶液重合においては溶媒100
質量部に対してモノマー30質量部〜400質量部で行
なうのが好ましい。
【0132】更に、重合終了時に溶液中で他の重合体を
混合することも好ましく、数種の重合体をよく混合でき
る。
【0133】また、GPCのクロマトグラムにおいて分
子量100,000以上の領域に分子量の極大値を有す
る高分子量重合体や架橋重合体を得る重合法としては、
乳化重合法や懸濁重合法が好ましい。
【0134】このうち、乳化重合法は、水にほとんど不
溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水
相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行
なう方法である。この方法では反応熱の調節が容易であ
り、重合の行なわれる相(重合体と単量体からなる油
相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、そ
の結果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。
さらに、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重
合生成物が微細粒子であるために、トナーの製造におい
て、着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容
易であること等の理由から、トナー用バインダー樹脂の
製造方法として他の方法に比較して有利である。
【0135】しかし、添加した乳化剤のため生成重合体
が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操
作が必要であるので懸濁重合が簡便な方法である。
【0136】懸濁重合においては、水系溶媒100質量
部に対して、モノマー100質量部以下(好ましくは1
0〜90質量部)で行なうのが良い。使用可能な分散剤
としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコー
ル部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、水系
溶媒に対するモノマー量等で適当量があるが、一般に水
系溶媒100質量部に対して0.05〜1質量部で用い
られる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用
する開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択すべ
きである。また開始剤種類としては、水に不溶或は難溶
のものであれば用いることが可能である。
【0137】これらの重合法において使用する開始剤と
しては、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、クミンパーピバレート、t−ブチルパーオキシラ
ウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチ
ロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカ
ルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−
ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ
ーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソ
フタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパ
ーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパ
ーオキシα−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパー
オキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキ
シヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオ
キシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−
ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−
ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t−
ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t−ブ
チルパーオキシ)シラン等が挙げられ、これらが単独あ
るいは併用して使用できる。
【0138】その使用量はモノマー100質量部に対
し、0.05質量部以上(好ましくは0.1〜15質量
部)の濃度で用いられる。
【0139】本発明に用いられるポリエステル樹脂の組
成は以下の通りである。
【0140】2価のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また
(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0141】
【化25】
【0142】(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基
であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、
x+yの平均値は0〜10である。)
【0143】また(B)式で示されるジオール類;
【0144】
【化26】
【0145】(式中、R’は−CH2CH2−又は
【0146】
【化27】 であり、x’,y’は0以上の整数であり、かつ、x’
+y’の平均値は0〜10である。)が挙げられる。
【0147】2価の酸成分としては、例えばフタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベン
ゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエス
テル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級
アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデ
シルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアル
キルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステ
ル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸
などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アル
キルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙
げられる。
【0148】また、架橋成分としても働く3価以上のア
ルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ま
しい。
【0149】3価以上の多価アルコール成分としては、
例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロ
ール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、
1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタン
トリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオ
ール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,
3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
【0150】また、本発明における3価以上の多価カル
ボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリ
ット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,
2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタ
レントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカル
ボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,
5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル
−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テト
ラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−
オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及び
これらの無水物、低級アルキルエステル;次式
【0151】
【化28】
【0152】(式中、Yは炭素数1以上の側鎖を1個以
上有する炭素数1〜30のアルキレン基又はアルケニレ
ン基)で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの
無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及
びその誘導体が挙げられる。
【0153】本発明に用いられるアルコール成分として
は40〜60mol%、好ましくは45〜55mol
%、酸成分としては60〜40mol%、好ましくは5
5〜45mol%であることが好ましい。
【0154】また3価以上の多価の成分は、全成分中の
1〜60mol%であることも好ましい。
【0155】該ポリエステル樹脂も通常一般に知られて
いる縮重合によって得られる。
【0156】本発明に係るトナー中には上記結着樹脂成
分の他に、該結着樹脂成分の含有量より少ない割合で以
下の化合物を含有させてもよい。例えばシリコーン樹
脂、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビ
ニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、
フェノール樹脂、2種以上のα−オレフィンの共重合体
などが挙げられる。
【0157】本発明の該トナーに用いられる結着樹脂の
ガラス転移点(Tg)は好ましくは45〜80℃、より
好ましくは50〜70℃である。
【0158】本発明のトナーに外添して用いられる無機
微粉体としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無
機酸化物や、カーボンブラック、フッ化カーボンなどが
粒径の細かい粒子を作りやすい点で好ましい。
【0159】シリカ、アルミナ、酸化チタンは、トナー
表面に分散させた時に細かい粒子となる方が流動性付与
性が高くなるので好ましい。平均粒径としては5〜20
0nmになるものが良く、さらに好ましくは10〜10
0nmが良い。BET法で測定した窒素吸着による比表
面積では20m2/g以上(特に30〜400m2/g)
の範囲のものが母体微粉体として好ましく、表面処理さ
れた微粉体としては、10m2/g以上(特に20〜3
00m2/g)の範囲のものが好ましい。
【0160】これらの微粉体の適用量は、磁性トナー重
量に対して、0.03〜5%添加した時に適切な表面被
覆率になる。
【0161】本発明に用いる無機微粉体の疎水化度とし
ては、30%以上の値を示すのが好ましい。疎水化処理
剤としては、含ケイ素表面処理剤であるシラン化合物と
シリコーンオイルが好ましい。
【0162】例えば、ジメチルジメトキシシラン、トリ
メチルエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン等の
ようなアルキルアルコキシシランや、ジメチルジクロル
シラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロ
ルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジ
クロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニル
トリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビ
ニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン等の
シラン化合物を用いることができる。
【0163】また、以下の正帯電性のものも、帯電量の
調整等のため用いても良い。アミノプロピルトリメトキ
シシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチ
ルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノ
プロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピ
ルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメ
トキシシラン等のシランカップリング剤や、アミノ変性
のシリコーンオイル等を用いることができる。
【0164】また、現像性、耐久性を向上させるために
次の無機粉体を添加することも好ましい。マグネシウ
ム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジ
ルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、
アンチモンなどの金属酸化物;チタン酸カルシウム、チ
タン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムなどの複
合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭
酸アルミニウム等の金属塩;カオリンなどの粘土鉱物;
アパタイトなどリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素
などのケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイト
などの炭素粉末が挙げられる。なかでも、酸化亜鉛、酸
化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタ
ン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムなどが好ま
しい。
【0165】更に次のような滑剤粉末を添加することも
できる。テフロン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素
樹脂;フッ化カーボンなどのフッ素化合物が挙げられ
る。
【0166】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の適当な顔料又は染料があげられる。トナーの
着色剤としては、例えば顔料としてカーボンブラック、
アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイ
エロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリ
ンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダン
スレンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を
維持するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100質量
部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10
質量部の添加量が良い。また同様の目的で、更に染料が
用いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染
料、キサンテン系染料、メチン系染料があり樹脂100
質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは0.3
〜10質量部の添加量が良い。
【0167】本発明に係る静電荷像現像用トナーを作製
するには結着樹脂、ワックス、縮合物、着色剤としての
顔料、又は染料、磁性体、必要に応じてその他の荷電制
御剤、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボー
ルミル等の混合機により充分混合してから加熱ロール、
ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶
融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に縮合物、顔
料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉
砕及び分級を行って本発明に係るところのトナーを得る
ことが出来る。
【0168】さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェ
ルミキサー等の混合機により充分混合し、本発明に係る
静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0169】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
る。
【0170】本発明に用いられるワックスについて表2
1に示すが、粘度はE型粘度計により120℃で測定さ
れた値である。
【0171】
【表21】
【0172】本発明に用いられる結着樹脂は以下のよう
なものである。まず、懸濁重合法で開始剤としてトリス
(t−ブチルパーオキシ)トリアジンを用いたスチレン
ブチルアクリレート共重合体A(St/BA=80/2
0,Tg=67℃,Mw=920,000)を作製し
た。ついで、溶液重合法でスチレンブチルアクリレート
共重合体B(St/BA=85/15,Tg=61℃,
Mw=15,000)を作製した。共重合体B70質量
部に対し共重合体Aを30質量部溶液中で混合したもの
を結着樹脂とした。更にこの中にワックスを添加し加熱
溶解混合し、脱溶剤後、乾燥粉砕したものを樹脂組成物
とした。ワックスの添加量は、表22示すとおりである
が、部数は結着樹脂100質量部に対するものである。
【0173】
【表22】
【0174】 <実施例1> ・樹脂組成物1 100質量部 ・マグネタイト(平均径0.2μm) 100質量部 ・縮合物(1) 2質量部
【0175】上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合
した後、110℃に設定した二軸混練押出機にて混練し
た。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した
後、ジェット気流を用いた粉砕機を用いて微粉砕し、コ
アンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体
積平均径5.7μmの分級品を得た。このトナー100
質量部に疎水性シリカ1.2質量部をヘンシェルミキサ
ーで外添混合しトナー1とした。
【0176】また、この現像剤の定着試験、オフセット
試験、画像耐久試験の結果を表24に示す。その結果、
良好な定着特性、耐久特性が得られ、複写画像を原稿と
して用いたときの原稿汚れの発生もなかった。
【0177】オフセット試験 電子写真複写機NP−8530(キヤノン株式会社製)
を用いて耐オフセット性試験を行なった。室温15℃の
環境に十分に馴染んだ複写機の電源を入れ、スタンバイ
直後に90g/cm2紙のA3画像を200枚連続で複
写した。
【0178】オフセットは上記試験中の画像および上記
試験後、定着器が3回オーバーシュートした時点で画像
を取り目視でトナーによる画像汚れで判断した。 ○:画像上にオフセット現象による汚れは発生しない。 △:画像上にオフセット現象による汚れが少し発生す
る。 ×:画像上にオフセット現象による汚れが発生する。
【0179】画像耐久試験1 電子写真複写機NP−8530(キヤノン株式会社製)
を用い、A4サイズの画像面積率5%の原稿でA4サイ
ズの80g/m2の転写紙に50枚ずつ両面の計10,
000枚の画出しを行ない、得られた画像を再び転写紙
として用い両面の画出しを10,000枚行ない、これ
を更に3回繰り返した。この時の画像の汚れを評価し
た。1セット毎に画像評価用の画像を取り画像濃度を測
定した。この試験は23℃,5%RHの環境下で行っ
た。 ○:画像に汚れは発生しなかった。 △:画像に多少の汚れを発生した。 ×:画像に汚れを発生した。
【0180】画像耐久試験2 画像耐久試験1を30℃,80%RHの環境下で行っ
た。 ○:画像に汚れは発生しなかった。 △:画像に多少の汚れを発生した。 ×:画像に汚れを発生した。
【0181】原稿汚れ試験 電子写真複写機NP−8530(キヤノン株式会社製)
のオートドキュメントフィーダを用い、複写画像を原稿
としたときの画像汚れを試験した。A4サイズの画像面
積率20%の両面複写画像50枚を、オートドキュメン
トフィーダに両面原稿から片面コピーモードで5回連続
して通して原稿の汚れを評価した。 ○:原稿に汚れは発生しなかった。 △:原稿に多少の汚れを発生した。 ×:原稿に汚れを発生した。
【0182】<実施例2〜14>表23に示す処方及び
体積平均径であるほかは実施例1と同様にしてトナー2
〜14を得た。これらのトナー2〜14から実施例1と
同様にして得られた評価結果を表24に示す。
【0183】<比較例1>実施例1と同様にして表23
に示すようなトナー15を得た。このトナー15の評価
結果を表24に示す。縮合物(21)は縮合物(14)
のユニットAのメチレン結合である8員環が98%の縮
合物。
【0184】<比較例2>実施例1と同様にして表23
に示すようなトナー16を得た。このトナー16の評価
結果を表24に示す。
【0185】
【表23】
【0186】
【表24】
【0187】 <実施例15> ・ポリエステル樹脂1 100質量部 (プロポキシビスフェノール52mol%,テレフタル酸30mol%,ドデセ ニルコハク酸15mol%,トリメリット酸4mol%,Tg=62℃、Mw= 18000) ・ワックスA 2質量部 ・ワックスF 1質量部 ・縮合物(15) 2質量部 ・銅フタロシアニン 3質量部
【0188】上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合
した後、100℃に設定した二軸混練押出機にて混練し
た。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した
後、ジェット気流を用いた粉砕機を用いて微粉砕し、コ
アンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体
積平均径8.6μmの分級品を得た。このトナー100
質量部に疎水性チタニア1.0質量部をヘンシェルミキ
サーで外添混合しトナー17とした。
【0189】このトナー17を用い、市販のカラープリ
ンターLBP−2030(キヤノン株式会社製)でラン
ニング試験を行った。23℃/60%の環境で3000
枚のランニングテストを行った。画像濃度、カブリ、濃
度ムラの現像性評価結果を表25に記す。
【0190】カブリの測定 画像形成前の転写材、及び画像形成後の白地部につい
て、反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−
6DS 東京電色社製)を用いて反射濃度を5点測定
し、平均値を求める。画像形成前後での反射濃度の差を
カブリの評価とする。
【0191】濃度ムラの評価 4階調の画像(ベタ、中間2階調、ハイライト)を目視
により判断した。 A:4階調すべて、がさつき、濃度ムラがない。 B:ハーフトーン部に濃度ムラが確認できる。 C:ハーフトーン部に濃度ムラ、がさつきが見られ、ハ
イライト部の均一性も悪いが、実用上問題なし。 D:濃度ムラが目立ち、実用上不可。
【0192】 <実施例16> ・ポリエステル樹脂1 100質量部 ・ワックスB 2質量部 ・ワックスG 1質量部 ・縮合物(16) 2質量部 ・ジメチルキナクリドン 3質量部
【0193】上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合
した後、100℃に設定した二軸混練押出機にて混練し
た。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した
後、ジェット気流を用いた粉砕機を用いて微粉砕し、コ
アンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体
積平均径8.8μmの分級品を得た。このトナー100
質量部に疎水性アルミナ1.0質量部をヘンシェルミキ
サーで外添混合しトナー18とした。
【0194】このトナー18を用い、実施例15と同様
のランニング試験を行った。23℃/60%の環境で3
000枚のランニングテストを行った。画像濃度、カブ
リ、濃度ムラの現像性評価結果を表25に記す。
【0195】 <実施例17> ・ポリエステル樹脂1 100質量部 ・ワックスC 2質量部 ・ワックスJ 1質量部 ・縮合物(17) 2質量部 ・ジスアゾ顔料 3.5質量部
【0196】上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合
した後、100℃に設定した二軸混練押出機にて混練し
た。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した
後、ジェット気流を用いた粉砕機を用いて微粉砕し、コ
アンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体
積平均径8.7μmの分級品を得た。このトナー100
質量部に疎水性チタニア1.0質量部をヘンシェルミキ
サーで外添混合しトナー19とした。
【0197】このトナー19を用い、実施例15と同様
のランニング試験を行った。23℃/60%の環境で3
000枚のランニングテストを行った。画像濃度、カブ
リ、濃度ムラの現像性評価結果を表25に記す。
【0198】 <実施例18> ・ポリエステル樹脂1 100質量部 ・ワックスA 2質量部 ・ワックスE 1質量部 ・縮合物(20) 2質量部 ・カーボンブラック 3質量部
【0199】上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合
した後、100℃に設定した二軸混練押出機にて混練し
た。得られた混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した
後、ジェット気流を用いた粉砕機を用いて微粉砕し、コ
アンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、体
積平均径8.5μmの分級品を得た。このトナー100
質量部に疎水性アルミナ1.0質量部をヘンシェルミキ
サーで外添混合しトナー20とした。
【0200】このトナー20を用い、実施例15と同様
のランニング試験を行った。23℃/60%の環境で3
000枚のランニングテストを行った。画像濃度、カブ
リ、濃度ムラの現像性評価結果を表25に記す。
【0201】
【表25】
【0202】
【発明の効果】本発明によれば、前述したような複数の
ユニット構成のフェノールとアルデヒドの縮合物と低粘
度のワックスを2種用いることで、トナーに帯電効率向
上、帯電均一性向上、高帯電量安定化、可塑効果、離型
効果、剥離効果、滑り効果を与え、定着性、耐オフセッ
ト性、画像耐久性、現像耐久性に優れたトナーを提供す
ることが出来る。
【0203】また本発明は、現像性に優れたうえで、複
写機、プリンターのシステム化、高速化、高機能化に対
応し、ドキュメント作製作業にトラブルを生じさせない
画像を与えるトナーを提供することができる。
【0204】さらに本発明は、繰り返し使用に耐えうる
原稿となる画像を与えるトナーを提供することが出来
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−65232(JP,A) 特開 平8−305087(JP,A) 特開 平8−50367(JP,A) 特開 平7−301951(JP,A) 特開 平7−295299(JP,A) 特開 平7−209909(JP,A) 特開 平7−64336(JP,A) 特開 平5−341577(JP,A) 特開 平5−119535(JP,A) 特開 平4−346360(JP,A) 特開 平4−139456(JP,A) 特開 平3−237468(JP,A) 特開 平3−237467(JP,A) 特開 平2−201378(JP,A) 特開 平1−161255(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、フェノール誘導体化合物及び
    ワックスを少なくとも含有するトナーにおいて、1)該
    フェノール誘導体化合物がフェノールあるいはその誘導
    体とアルデヒドとの縮合物であって、ユニット数の異な
    る縮合物を少なくとも2種以上含有するものであって、
    ユニット数が4から8個の縮合物を含み、1種の縮合物
    の存在比が60%以下であり、該縮合物が鎖状縮合物あ
    るいは環状縮合物あるいはこれらの混合物であり、2)
    該ワックスがE型粘度計で測定される120℃における
    溶融粘度で22mPa・s未満のワックスAと120℃
    における溶融粘度で22〜100mPa・sのワックス
    Bを有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 該フェノール誘導体化合物がフェノール
    あるいはその誘導体とアルデヒドとの縮合物であって、
    ユニット数の異なる縮合物を少なくとも3種以上含有す
    るものであって、該縮合物が鎖状縮合物あるいは環状縮
    合物あるいはこれらの混合物であることを特徴とする請
    求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該フェノール誘導体化合物がフェノール
    あるいはその誘導体とアルデヒドとの縮合物であって、
    該縮合物が鎖状縮合物と環状縮合物との混合物であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用
    トナー。
  4. 【請求項4】 該ワックスが、E型粘度計で測定される
    120℃における溶融粘度で1〜20mPa・sのワッ
    クスAと120℃における溶融粘度で25〜90mPa
    ・sのワックスBからなることを特徴とする請求項1乃
    のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 該ワックスAと該ワックスBのE型粘度
    計で測定される120℃における溶融粘度の差が10m
    Pa・s以上であることを特徴とする請求項1乃至
    いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 該縮合物が下記一般式(I)及び(I
    I)で表されるユニットを含むことを特徴とする請求項
    1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。 【化1】 [式中、iは0または1を表し、 iが0の場合、R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、置換基を有していても良いアリール基、アラルキ
    ル基、置換基を有していても良いアリサイクリック基を
    表し、 iが1の場合、R1はアルキル基、置換基を有していて
    も良いアリール基、アラルキル基、置換基を有していて
    も良いアリサイクリック基を表し、 R2は水素原子、アルキル基を表し、 R3は水素原子、アルキル基を表し、R4は水素原子、ア
    ルキル基を表す。]
  7. 【請求項7】 該フェノールが、p−フェニルフェノー
    ル、p−ノルマルアルキルフェノール、p−シクロアル
    キルフェノールあるいはこれらの誘導体を少なくとも1
    種含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記
    載の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 該アルデヒドが、ホルムアルデヒドであ
    ることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の
    静電荷像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 該トナーの体積平均粒径が6.0μm以
    下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに
    記載の静電荷像現像用トナー。
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