JPH10228133A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH10228133A
JPH10228133A JP4484997A JP4484997A JPH10228133A JP H10228133 A JPH10228133 A JP H10228133A JP 4484997 A JP4484997 A JP 4484997A JP 4484997 A JP4484997 A JP 4484997A JP H10228133 A JPH10228133 A JP H10228133A
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developing
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JP4484997A
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Takayuki Nagatsuka
貴幸 永塚
Katsuhiko Tanaka
勝彦 田中
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無色或いは淡色の電荷制御剤を開発すること
により、色再現性の良好なカラートナーの提供、更に長
期耐久でも潜像に忠実な画像、ハイライト部が均一な画
像を継続的に得ることができ、非常に素早く適正な帯電
量を有するようになり、低湿下や高湿下に放置しても高
品質の画像が安定して得られ、トナー飛散も生じない静
電荷像現像用トナーを提供すること。 【解決手段】 潜像保持体と、これに対向する現像剤担
持体とによって形成される現像領域に対して印加される
電位パターンが、直流成分に交流成分を1サイクル以上
重畳した後、直流成分のみを印加するパターンである画
像形成方法に供されるトナーであって、フェノール又は
その誘導体と、アルデヒドとの環状化合物を含有するこ
とを特徴とする静電荷像現像用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録のような画像形成方法において使用される静電荷潜像
を顕像化させるための静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】静電荷像現像用トナーは、現像される静
電潜像の極性に応じて、正または負の電荷を有する必要
がある。トナーに電荷を保有せしめるためには、トナー
の成分である樹脂微粒子の摩擦帯電性を利用することも
出来るが、この方法ではトナーの帯電性が小さいので、
現像によって得られる画像はカブリ易く、不鮮明なもの
となる。そこで、所望の摩擦帯電性をトナーに付与する
ために、帯電性を付与し得る染料、顔料、更には電荷制
御剤をトナー中に添加することが行われている。
【0003】今日、当該技術分野で知られている電荷制
御剤としては、負摩擦帯電性のものとしては、モノアゾ
染料の金属錯塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン
酸の金属錯塩、銅フタロシアニン顔料、酸成分を含む樹
脂等が知られている。又、正摩擦帯電性のものとして
は、ニグロシン染料、アジン染料、トリフェニルメタン
系染顔料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩を
側鎖に有するポリマー等が知られている。
【0004】しかしながら、これらの電荷制御剤の多く
は、有色でありカラートナーには使えない。これに対し
て、ノンメタルのCCA(Charge Contro
lAgentの略)は無色/淡色になり易く、カラー向
けに提案されているものも多い。しかしながら、ノンメ
ンタルのCCAは帯電の立ち上がりが遅かったり、長期
間、連続複写すると帯電量が徐々に低下する等の欠点を
有し、満足できる性能を示すものは殆どなかった。
【0005】ノンメタルのCCAのうち、樹脂系の電荷
制御剤を使用した場合は、適正な帯電量を有するように
なるまでにある一定時間を要する。このため、長期間停
止していた後に複写する場合に、特に帯電量不足になり
易い。その結果、得られる画像にカブリが起こったり、
適正な画像濃度に安定する迄に数十〜数百枚の複写が必
要であったりする。
【0006】この他、電荷制御剤によっては、トナーに
添加した場合に以下のような欠点を有する場合がある。
即ち、高湿環境で十分な画像濃度を得にくかったり、帯
電量が低下してしまったり、樹脂への分散性に問題があ
ったり、保存安定性及び熱安定性に問題がある等であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、無色或いは淡色の優れた特性の電荷制御剤を開発す
ることによって、色再現性の良好なカラートナーを提供
することにある。又、本発明の目的は、長期耐久におい
ても潜像に忠実な画像を継続的に得ることのできる静電
荷像現像用トナーを提供することにある。又、本発明の
目的は、長期耐久においても、ハイライト部が均一な画
像を継続的に得ることのできる静電荷像現像用トナーを
提供することにある。又、本発明の目的は、トナーが、
非常に素早く適正な帯電量を有するようになる静電荷像
現像用トナーを提供することにある。又、本発明の目的
は、低湿環境下に放置しても、高湿環境下に放置して
も、その後に画像を形成した場合に高い画像品質が安定
して得られ、且つトナー飛散も生じることのない静電荷
像現像用トナーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、潜像保持体
と、これに対向する現像剤担持体とによって形成される
現像領域に対して印加される電位パターンが、直流成分
に交流成分を1サイクル以上重畳した後、直流成分のみ
を印加するパターンである画像形成方法に供されるトナ
ーであって、フェノール又はその誘導体と、アルデヒド
との環状化合物を含有することを特徴とする静電荷像現
像用トナーである。そして、特に、環状化合物として、
下記の一般式(I)で表わされる化合物を含有する場合
に本発明の著しい効果が得られる。 [上記式中、nは4〜10の整数を表し、R1は、水素
原子、アルキル基又は−(CH2)mCOOR(Rは、水素
原子又はアルキル基を表し、mは1〜3の整数を示す)
を表し、R2及びR4は、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、置換されていてもよいアミノ基を表し、R
3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、
アラルキル(aralkyl)基、置換基を有していて
もよいアリール基、置換基を有していてもよいアリサイ
クリック基(環状アルキル基)、置換基を有してもよい
カルバモイル基、フルオロアルキル基、ニトロ基、置換
されていてもよいスルホン基、置換されていてもよいカ
ルボキシル基、置換されていてもよいアミノ基、又は−
Si(CH3)3を表し、R5は、水素原子またはアルキル
基を表す。]
【0009】
【発明の実施の形態】以下に好ましい実施の形態を挙げ
て、本発明を更に詳細に説明する。本発明で使用する上
記に挙げたような環状化合物の重要な効果は、長期耐久
における帯電量の安定性に優れる点である。通常、トナ
ーを担持するキャリアやスリーブでは、長期耐久により
トナーの成分により汚染されてゆき、所謂、スペントを
生じる。これに対し、本発明者らは、鋭意研究の結果、
本発明で使用する環状化合物をトナー中に含有させれ
ば、スペントに対して影響を受けにくくなり、長期耐久
における帯電量の変化を小さくすることができることを
見いだして本発明に至った。従来より電荷制御剤として
多く用いられている金属錯体系の化合物においては、こ
の特性は珍しいものではない。しかし、ノンメンタルの
化合物からなる電荷制御剤においては、この特性を示す
ものが殆どなかった。この特性が生じるメカニズムにつ
いては、現段階では判明しておらず説明できないが、カ
リックスアレーンの特徴的な構造に起因しているためな
のかもしれない。
【0010】更に、本発明の静電荷像現像用トナーは、
現像領域に対して印加される電位パターンが、直流成分
に交流成分を1サイクル以上重畳した後、直流成分のみ
を印加するパターンである画像形成方法に用いた場合に
優れた効果を発揮する。図3に、直流成分に交流成分を
重畳した場合の現像領域に対して印加される電位パター
ンを示したが、これに対し、例えば、直流成分に交流成
分を2サイクル重畳した後、直流成分のみを6サイクル
分印加した例では、現像領域に対して印加される電位パ
ターンは図1に示しすようになる。又、図2の電位パタ
ーンの例では、直流成分に交流成分を1サイクル重畳し
た後、直流成分のみを4サイクル分印加している。
【0011】図1及び図2で示されるような電位パター
ンが現像領域に対して印加されると、直流成分のみが印
加されている間は、トナーには一方向にクーロン力が働
き続けることになる。この時、帯電量の高いトナーには
強いクーロン力が働くため速く感光ドラムに到達する。
逆に、帯電量の低いトナーは感光ドラムまでなかなか達
しないことになる。この現象を利用することによって、
帯電量不足のトナーを感光体表面まで飛翔させないよう
にすることが可能となり、この結果、帯電量不足のトナ
ーによるカブリを防ぐことができる。更に、上記の電位
パターンの印加によって感光体ドラム表面付近のトナー
において適切な帯電量のトナーが増えるので、潜像に対
する忠実性も向上する。
【0012】上記の効果は、例えば、図1及び図2に示
した電位パターンの場合のように、直流成分に交流成分
を重畳する時間をT1とした時、直流成分のみを印加す
る時間を、このT1よりも長い時間にした場合に得られ
ることが多いが、トナーの粒径、比重、帯電量、感光ド
ラム迄の距離等の因子によって適宜適正な現像バイアス
に設定する必要がある。しかしながら、以上のような画
像形成方法においては、帯電量が低下した時に感光ドラ
ムまで飛翔できるトナー量が少なくなるため、画像濃度
低下が起きる場合がある。従って、前記の傾向と合わせ
ると、通常のノンメタルのCCAと、カブリや潜像に対
する忠実性を向上させ得る上記の現像バイアスとを組み
合わせると、画像濃度の低下が生じ易いと言える。
【0013】更に、高画質化を達成すべく、近年ではト
ナー粒径を小さくする傾向にあり、トナー粒子の1粒子
当たりの電荷量Qが小さくなってきている。このため、
トナーに働くクーロン力が弱くなり、上記の画像濃度の
低下に対して許容範囲が狭くなってきている。トナー粒
径が小さくなり、トナーに働くクーロン力が弱くなる
と、ファンデルワールス力に抵抗できないトナーが増え
る。小さいトナーを使用した場合にカブリが生じ易いの
はこのためであるが、これに対して有効なのが前記した
パターンの現像バイアスである。
【0014】従って、粒径が小さいトナーに対するほ
ど、本発明で採用する画像形成方法における現像バイア
スと、フェノール又はその誘導体と、アルデヒドとの環
状化合物を含有するトナーの組み合わせの効果が大き
い。即ち、この組み合わせの結果、画質の向上のために
粒径を小さくした場合の現像剤の設計の許容範囲が狭く
なりにくく、小さいトナーで且つ適正な帯電量を有する
トナーによる高画質のメリットを得ることが可能とな
る。
【0015】本発明の静電荷像現像用トナーにおいて
は、トナー粒径が、重量平均粒径で3〜15μmのトナ
ーであることが好ましいが、特に、その粒度分布が、重
量平均粒径が9μm以下であり、10.8μm以上の粒
子比率が10個数%以下であるものが好ましい。本発明
において更に好ましくは、トナーの重量平均粒径が8μ
m以下、10.8μm以上の粒子比率が5個数%以下の
ものがよい。
【0016】更に、トナーの粒径分布において、5μm
以下の粒径を有するトナー粒子が12〜60個数%含有
され、8〜12.7μmの粒径を有するトナー粒子が1
〜33個数%含有され、16μm以上の粒径を有するト
ナー粒子が2.0重量%以下含有されているものである
ことが現像特性の上からより好ましい。
【0017】本発明において、トナー中に特定の環状化
合物を含有させることによる更なる効果として、トナー
粒子の流動性を向上させる点が挙げられる。トナーの流
動性は、通常は外添剤によって制御するが、その母体の
流動性も高い方が好ましい。即ち、母体の流動性が高い
と、トナーとしての流動性も高くなり、粒子がバラバラ
になり易く、この結果、得られる複写画像の画質が向上
する。又、トナーの流動性がよいことは、トナーの製造
においても好ましく、収率や生産性の向上が達成され
る。
【0018】以下、本発明で使用するフェノール又はそ
の誘導体と、アルデヒドとの環状化合物について説明す
る。本発明においては、環状化合物として、下記の一般
式(I)で表わされる化合物を使用する場合に本発明の
著しい効果が得られる。 [上記式中、nは4〜10の整数を表し、R1は、水素
原子、アルキル基又は−(CH2)mCOOR(Rは、水
素原子又はアルキル基を表し、mは1〜3の整数を示
す)を表し、R2及びR4は、水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、置換されていてもよいアミノ基を表し、R
3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、
アラルキル(aralkyl)基、置換基を有していて
もよいアリール基、置換基を有していてもよいアリサイ
クリック基(環状アルキル基)、置換基を有してもよい
カルバモイル基、フルオロアルキル基、ニトロ基、置換
されていてもよいスルホン基、置換されていてもよいカ
ルボキシル基、置換されていてもよいアミノ基、又は−
Si(CH3)3を表し、R5は、水素原子またはアルキル
基を表す。]
【0019】更に、本発明で使用する環状化合物として
は、上記の一般式(I)中の置換基R3が、0.10n
3以上の大きさを有するものを使用すると、帯電量が
高くなり好ましい。より好ましくは、置換基R3の大き
さが、0.15nm3以上のものがよい。更に、置換基
3の大きさが同じ場合には、例えば、アルキル基より
もアリール基のようなバルキーな基の方が高湿環境下で
放置した場合に有利となるので好ましい。ここで、置換
基の大きさとは、置換基R3が水素原子である場合に対
する、その置換基である場合との化合物の大きさの差を
いう。化合物の大きさとは、イオンを構成する原子のフ
ァンデルワールス半径により占有される全領域であり、
計算により求めることができる。例えば、ポリグラフ
(MSI製)等の市販の化学計算用プログラムを用い、
最小エネルギー構造を計算させて、容易に求めることが
できる。更に、置換基R3に電子吸引性基を付加する
と、帯電量が高くなり、より好ましい。
【0020】次に、以下に本発明のトナー中に電荷制御
剤として好適に使用されるフェノール又はその誘導体
と、アルデヒドとの環状化合物の具体例を示す。本発明
においては、特に、フェノール又はその誘導体とホルム
アルデヒドとの環状化合物が好ましく使用される。しか
し、これらは合成の容易さ等も考慮して例示したもので
あり、本発明を何ら限定するものではない。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】尚、上記式(1)〜(16)中の繰り返し
回数nは、通常の合成ではn=6或いはn=8を主成分
とするものが合成し易い。尚、合成では、繰り返し回数
n=4やn=10のものを生成し、これらの混合物を使
用するのが普通である。
【0027】本発明で使用する上記したような環状化合
物をトナーに含有させる方法としては、トナー内部に添
加する方法と外添する方法がある。トナー中に内添する
場合の好ましい添加量としては、結着樹脂100重量部
に対して0.1〜10重量部、より好ましくは、0.5
〜5重量部の範囲とする。又、外添する場合には、結着
樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部が好まし
く、特にメカノケミカル的にトナー表面に固着させるの
が好ましい。又、本発明においては、上記したような環
状化合物を、従来技術の項で述べたような従来公知の電
荷制御剤と組み合わせて使用することもできる。
【0028】本発明の静電荷像現像用トナーは、上記し
た環状化合物の他、外添剤として、無機微粉末が含有さ
れていてもよい。この際に使用する無機微粉末として
は、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機酸
化物、或いは、カーボンブラック、フッ化カーボン等が
粒径の細かい粒子を作り易いという点で好ましい。これ
らの中でも、本発明においては、酸化物中の金属イオン
の電気陰性度(χi)が8〜15の値を有する無機酸化
物が好ましく、更に好ましくは電気陰性度が10〜14
のものが好適である。即ち、これらような無機酸化物
は、帯電的に中性であるので粒子に働く引力が弱いた
め、トナー表面に分散させた時に分散性に優れ、且つ流
動性付与能も高い。尚、無機酸化物中の金属の電気陰性
度χiは、ポーリングの電気陰性度をχo、金属イオンの
価数をZとすると、次式より求められる。 χi=(1+2×Z)χo
【0029】特に、本発明の静電荷像現像用トナーにお
いては、金属イオンの電気陰性度が8〜15の無機酸化
物のうち、酸化チタン、アルミナ、Fe23、Fe34
やチタン酸ストロンチウム等が、トナーに対する分散性
の効果の点や、帯電への効果の点で好ましい。尚、チタ
ン酸ストロンチウムのような複合酸化物の場合の電気陰
性度を求める場合は、加重平均して求める。更に、本発
明においては、これらの中でも特に、無機微粉末として
酸化チタン及びアルミナを用いた場合が環境依存性が良
好であり、且つ流動性付与能に優れている点からも好ま
しい。これらは、無機微粉末として通常使用されている
シリカ微粉体を含め、夫々併用してもよい。
【0030】これらの無機微粉末を外添した場合に、ト
ナー粒子表面を覆う場合の好ましい面積比率は、30〜
80%である。又、トナー表面に分散させた際に細かい
粒子となる方が流動性付与性が高くなるので好ましい。
従って、本発明において使用する無機微粉末としては、
その粒子の平均粒径が5〜100nmであるものが好ま
しく、BET法で測定した窒素吸着による比表面積で8
0m2/g以上(特に100〜400m2/g)の範囲の
ものが母体微粉体として好ましく。特に処理された微粉
体としては、50m2/g以上(特に80〜350m2
g)の範囲のものが好ましい。
【0031】これらの無機微粉体の適用量は、トナー母
体重量に対して、0.03〜5%添加した時に適切な面
積比率になる。又、本発明に用いることのできる無機微
粉体は、その疎水化度が30%以上の値を示すものであ
ることが好ましい。疎水化処理剤としては、含ケイ素表
面処理剤であるシラン化合物とシリコーンオイルが好ま
しい。
【0032】本発明の静電荷像現像用トナーは、キャリ
アと混合して二成分系現像剤として用いることもでき
る。この場合に、キャリアの電流値を、キャリア表面の
凹凸度合い、被覆する樹脂の量を調整して20〜200
μAにするのがよい。この際に使用するキャリア表面を
被覆する樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共
重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エ
ステル共重合体、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、ポ
リアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂等或いはこれらの混合物を用いることが出
来る。
【0033】又、本発明で用いることのできるキャリア
コアの磁性材料としては、例えば、フェライト、鉄過剰
型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄等の酸化物
や、鉄、コバルト、ニッケル等の金属或いはこれらの合
金が挙げられる。又、これらの磁性材料に含まれる元素
としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニ
ウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモ
ン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、
マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム
等が挙げられる。
【0034】本発明の静電荷像現像用トナーは、先に述
べた特定の環状化合物を電荷制御剤として含有すること
を特徴とするが、その他は通常のトナーと同様に、着色
剤と樹脂微粒子とからなる。本発明において、樹脂微粒
子を作製する場合に使用される結着樹脂の種類として
は、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の
単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、ス
チレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナ
フタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル
共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合
体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノー
ル樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイ
ン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシ
レン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。又、架
橋されたスチレン系共重合体も好ましい結着樹脂として
使用できる。
【0035】スチレン系共重合体を作製する場合のスチ
レンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、ア
クリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド等の二重結合を有するモノカルボン酸若しくはそ
の置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸
メチル、マレイン酸ジメチル等の二重結合するジカルボ
ン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香
酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレ
ン、ブチレン等のエチレン系オレフィン類;ビニルメチ
ルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
イソブチルエーテル等のビニルエーテル類;等のビニル
単量体が単独若しくは2つ以上用いられる。
【0036】架橋されたスチレン系共重合体を作製する
場合に使用される架橋剤としては、主として2個以上の
重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族
ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン
ジオールジメタクリレート等の二重結合を2個有するカ
ルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテ
ル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニ
ル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が
単独もしくは混合物として用いられる。
【0037】本発明において使用する結着樹脂がスチレ
ン−アクリル系の共重合体の場合には、トナーの分子量
分布が、THF可溶分のGPCによる分子量分布で、分
子量3,000〜50,000の領域に少なくとも1つ
ピークが存在し、分子量100,000以上の領域に少
なくとも1つピークが存在し、分子量分布100,00
0以下の成分が50〜90%となるような結着樹脂を使
用することが好ましい。又、結着樹脂がポリエステル系
の樹脂の場合は、上記と同様のトナーの分子量分布で、
分子量3,000〜50,000の領域に少なくとも1
つピークが存在し、分子量100,000以下の成分が
60〜100%となるような結着樹脂を使用することが
好ましい。更に好ましくは、分子量5,000〜20,
000の領域に少なくとも1つピークが存在するような
結着樹脂を使用するのがよい。
【0038】ポリエステル樹脂は定着性に優れ、カラー
トナーに適しているが、本発明においては、特に、下記
の一般式(II)で代表されるビスフェノール誘導体をジ
オール成分とし、これと、2価以上のカルボン酸又はそ
の酸無水物又はその低級アルキルエステルとからなるカ
ルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、
ピロメリット酸等)とを共縮重合したポリエステル樹脂
が、カラートナーとした場合に、良好な帯電特性を有す
るので好ましい。 (式中、Rは、エチレン又はプロピレン基であり、X、
Yは、夫々1以上の整数であり、且つX+Yの平均値は
2〜10である。)
【0039】本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー
中に磁性材料を含有させて磁性トナーとすることもでき
る。この際に用いられる磁性微粉体の平均粒径として
は、0.05〜0.5μmのものが好ましく、より好ま
しくは、0.1〜0.4μmのものがよい。又、本発明
に用いる磁性材料は、粒度の変動係数が30%以下のも
のがよい。トナー中に含有させる磁性材料の含有量とし
ては、樹脂成分100重量部に対して40〜120重量
部程度とすることが好ましい。
【0040】本発明に用いる磁性微粉体の材料として
は、例えば、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、
鉄過剰型フェライト等の酸化物や、鉄、コバルト、ニッ
ケルのような金属或いはこれらの合金を用いることがで
きる。又、これらの磁性材料に添加できる元素として
は、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、
マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、
ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレ
ン、チタン、タングステン、バナジウム等が挙げられ
る。
【0041】本発明の静電荷像現像用トナーに、ワック
ス成分を含有させることは、本発明の好ましい形態の一
つである。本発明に用いる炭化水素系ワックスとして
は、例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合したア
ルキレンポリマー、低圧下でチーグラー触媒で重合した
アルキレンポリマー、高分子量のアルキレンポリマーを
熱分解して得られるアルキレンポリマー、一酸化炭素、
水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化
水素の蒸留部分を水素添加して得られる合成炭化水素等
が使用できる。これらの炭化水素ワックスのうち、本発
明においては、特定の成分を抽出分別した炭化水素ワッ
クスが特に適している。例えば、プレス発汗法、溶剤
法、真空蒸留を利用した分別結晶方式等の方法により、
低分子量のものを除去した炭化水素系ワックス、低分子
量分のみを抽出したもの、及び更にこれから低分子量成
分を除去した炭化水素系ワックス等が好ましい。
【0042】この他、マイクロクリスタリンワックス、
カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワッ
クス、脂肪族固形アルコール等も用いることができる。
又、これらのワックスの好ましい分子量の範囲として
は、数平均分子量(Mn、ポリエチレン換算)が500
〜1,200で、重量平均分子量(Mw)が800〜
3,600のものが好ましい。分子量が上記範囲未満で
は、耐ブロッキング性及び現像性に劣るようになり、上
記範囲を超えると、良好な定着性及び耐オフセット性が
得られにくくなる。本発明においては、使用するワック
スのMw/Mnの値が5.0以下のものがよく、より好
ましくは3.0以下のものがよい。又、本発明において
は、これらワックスの含有量は、結着樹脂100重量部
に対し0.5〜10重量部用いるのが効果的である。
【0043】本発明の静電荷像現像用トナーに使用し得
る着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ランプ
ブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブル
ー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブル
ー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロ
ー、ローズベンガル、トリアリールメタン系染料、モノ
アゾ系、ジスアゾ系染顔料等の従来公知の染顔料を、単
独或いは混合して使用し得る。
【0044】更に、本発明の静電荷像現像用トナーに、
必要に応じて用いられる各種特性付与を目的とした添加
剤としては、例えば、下記の1)〜4)のものが挙げら
れる。 1)流動性付与剤:シリカ、アルミナ、チタニア等の金
属酸化物、カーボンブラック、フッ化カーボン等。更
に、夫々に疎水化処理が行われたものが、より好まし
い。 2)研磨剤:チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム等の
金属酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ケイ素等の炭
化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム
等。 3)滑剤:フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチ
レン等のフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩等。 4)荷電制御性粒子:酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の金属酸化物、カーボ
ンブラック、平均粒径0.05〜3μmの球状樹脂微粒
子等。
【0045】これらの添加剤は、トナー粒子100重量
部に対して、0.05〜10重量部程度が用いられ、好
ましくは、0.1〜5重量部が用いられる。本発明にお
いては、これら添加剤を単独で用いても、又、複数併用
してもよい。
【0046】本発明の静電荷像現像用トナーを製造する
にあたっては、上述したような各種のトナー構成材料を
入れてボールミルその他の混合機により十分混合した
後、熱ロールニーダー、エクストルーダー等の熱混練機
を用いてよく混練し、冷却固化後、機械的な粉砕、分級
によってトナーを得る方法が好ましい。他の方法として
は、結着樹脂を構成すべき単量体に所定の材料を混合し
て乳化懸濁液とした後に、重合させてトナーを得る重合
法トナー製造法;コア材、シェル材から成るいわゆるマ
イクロカプセルトナーにおいて、コア材或いはシェル
材、或いはこれらの両方に所定の材料を含有させる方
法;結着樹脂溶液中に構成材料を分散した後、噴霧乾燥
することによりトナーを得る方法等の各種の方法が応用
できる。更に、必要に応じて所望の添加剤をヘンシルミ
キサー等の混合機により十分に混合して本発明の静電荷
像現像用トナーを製造することができる。
【0047】以下に、本発明において使用する各種特性
値を得るための測定方法について述べる。トナーの粒度分布 トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できるが、
本発明においては、コールターマルチサイザーを用いて
行うのが適当である。即ち、測定装置に、コールターマ
ルチサイザーII(コールター社製)を用い、アパチャー
として100μmアパチャーを用いて、トナーの体積、
個数を測定して2〜40μmの粒子の体積分布と個数分
布とを算出した。そして、本発明で使用する体積分布か
ら求めた重量基準の重量平均径(D)、体積分布から
求めた重量基準の粗粉量、個数分布から求めた個数基準
の微粉量等を求めた。
【0048】凝集度の測定 凝集度の測定には、パウダーテスター(細川ミクロン社
製)を用いた。先ず、振動台に、下から200メッシ
ュ、100メッシュ、60メッシュの順でフルイを重ね
てセットする。この重ねたフルイの上にトナー5gを静
かに乗せ、次に15秒間振動を加える。その後、各フル
イ上に残ったトナーの質量を夫々測定して、下記式によ
り凝集度を求める。 凝集度(%)=(a/5+b/5×3/5+c/5×1
/5)×100 [式中のa、b及びcは、夫々以下の質量を表わす。
a;60メッシュのフルイ上のトナー質量(g)、b;
100メッシュのフルイ上のトナー質量(g)、c;2
00メッシュのフルイ上のトナー質量(g)]
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これは、本発明を何ら限定するものではない。
尚、以下の配合における部数は、全て重量部である。 (結着樹脂1の合成)先ず、下記の成分を、縮合重合さ
せて結着樹脂1を得た。 ・プロポキシ化ビスフェノール 52mol% ・フマル酸 40mol% ・テレフタル酸 5mol% ・無水トリメリット酸 1mol%
【0050】(結着樹脂2の合成)先ず、下記の成分
を、懸濁重合させて重合体Aを得た。 ・スチレン 75部 ・ブチルアクリレート 20部 ・マレイン酸モノブチル 5部 ・2,2ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン 0.1部 ・ベンゾイルパーオキサイド 0.1部
【0051】次に、下記の成分を、キシレンを溶媒とし
た溶液重合をさせて重合体Bを得た。 ・スチレン 83部 ・ブチルアクリレート 17部 ・ジ−t−ブチルパーオキサイド 2.0部 上記で得られた重合体A及び重合体Bと、更にポリプロ
ピレンワックス(Mn=810,Mw=1,330)と
を用いて、30:70:3の重量比で溶液混合して、結
着樹脂2を得た。
【0052】(結着樹脂3の合成)下記の成分を、縮合
重合させて結着樹脂3を得た。 ・プロポキシ化ビスフェノール 55mol% ・テレフタル酸 38mol% ・無水トリメリット酸 7mol%
【0053】実施例1 ・上記で得られた結着樹脂1 100部 ・銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15) 3部 ・化合物例(1)の粉末(n=8が主成分) 4部 上記材料をブレンダーでよく混合した後、110℃に設
定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を
冷却後、粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機を用
いて微粉砕した。更に、得られた微粉砕品をコアンダ効
果を利用した多分割分級装置で分級して、重量平均粒径
が6.7μmの樹脂微粉体を得た。得られた微粉体につ
いての凝集度は、52%であった。
【0054】上記で得られた微粉体100部に疎水化処
理アルミナ(平均粒径30nm)1.0部をヘンシェル
ミキサーで混合して、シアン色のトナーを得た。次に、
このトナーに、平均粒径45μmのフェライト粒子をシ
リコーン樹脂で被覆したキャリアを加えてトナーと混合
して、二成分系現像剤とした。混合比率はキャリア94
部に対してトナー6部とした。
【0055】得られた現像剤を市販のカラー電子写真複
写機CLC−700(キヤノン社製)に搭載して複写試
験を行った。この時の現像バイアスを図1に示す。23
℃/60%RHの環境下で複写したところ、初期から濃
度1.55の良好なシアン色画像が得られた。その画質
はハーフトーン画像が非常に滑らかで、しかもカブリの
ない画像であった。又、1万枚、連続して複写したとこ
ろ、濃度1.52の良好な画像が得られ、複写枚数の増
加に伴う画質の劣化は殆ど認められなかった。又、この
時、スリーブ上の現像剤をサンプリングし、帯電量を測
定したところ、50枚目で−26.7mC/kgであ
り、1万枚目では−26.5mC/kgであって安定し
ていた。
【0056】更に、そのまま続けて23℃/10%RH
の環境下で1万枚複写したところ、初期から濃度1.4
8の良好なシアン色画像が得られ、画像濃度の低下現象
は見られなかった。又、ハーフトーン画像の滑らかさ
や、画像のシャープさ等の画質の複写枚数の増加に伴う
劣化も認められなかった。続いて、30℃/80%RH
の環境下で、上記と同様にして複写試験したところ、初
期から濃度1.60の良好なシアン色画像が得られた。
更に1万枚複写したところ、画像濃度の低下現象は見ら
れなかった。又、複写機内のトナー飛散も認められなか
った。
【0057】実施例2 実施例1において、化合物例(1)を4部用いる代わり
に、化合物例(2)(n=8が主成分)を4部用いるこ
と以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。樹脂微
粉体の重量平均粒径6.9μmであり、樹脂微粉体の凝
集度は、55%であった。そして、得られたトナーを使
用して実施例1と同一の方法で複写試験した。
【0058】この結果、23℃/60%RHの環境下で
複写したところ、初期から濃度1.61の良好なシアン
色画像が得られた。その画質はハーフトーン画像が非常
に滑らかで、しかもカブリのない画像であった。又、1
万枚複写したところ、濃度1.59の良好な画像が得ら
れ、複写枚数の増加に伴う画質の劣化は殆ど認められな
かった。この時、スリーブ上の現像剤をサンプリング
し、帯電量を測定したところ、50枚目で−25.3m
C/kgであり、1万枚目では−25.2mC/kgで
あって、安定していた。
【0059】更に、そのまま続けて23℃/10%RH
の環境下で1万枚複写したところ、初期から濃度1.5
0の良好なシアン色画像が得られ、画像濃度の低下現象
は見られなかった。又、ハーフトーン画像の滑らかさ
や、画像のシャープさ等の画質の複写枚数の増加に伴う
劣化も認められなかった。続いて、30℃/80%RH
の環境下で同様に複写試験したところ、初期から濃度
1.64の良好な画像が得られた。更に1万枚複写した
ところ、画像濃度の低下現象は見られなかった。又、複
写機内のトナー飛散も認められなかった。
【0060】比較例1 実施例1において、化合物例(1)を4部用いる代わり
に、下記式の化合物を4部用いること以外は、実施例1
と同様にしてトナーを得た。 尚、得られた樹脂微粉体の重量平均粒径7.0μmであ
り、樹脂微粉体の凝集度は75%と高かった。
【0061】得られたトナーを実施例1と同一の方法で
複写試験した。23℃/60%RHの環境下で複写した
ところ、初期は、濃度1.66のシアン色画像が得られ
た。しかし、ハーフトーン画像の滑らかさは実施例1に
比べて劣っていた。又、1万枚複写したところ、濃度は
1.77と上昇し、複写枚数の増加に伴う画質の劣化が
認められた。
【0062】比較例2 実施例1において、化合物例(1)を4部用いる代わり
に、下記式の化合物を4部用いること以外は実施例1と
同様にして、トナーを得た。 尚、得られた樹脂微粉体の重量平均粒径7.1μmであ
り、樹脂微粉体の凝集度は、64%であった。
【0063】得られたトナーを実施例1と同一の方法で
複写試験した。23℃/60%RHの環境下で複写した
ところ、初期には、濃度1.73のシアン色画像が得ら
れた。しかし、ハーフトーン画像の滑らかさは実施例1
に比べて劣っていた。又、3千枚複写した時点で、濃度
は2.00と高くなった。この時、スリーブ上の現像剤
をサンプリングし、帯電量を測定したところ、50枚目
で−25.3mC/kgであったのに対し、1万枚目で
は−14.8mC/kgと低下していた。又、複写枚数
の増加に伴う画質の劣化も著しかったので、耐久試験を
中止した。
【0064】比較例3 図3に示した現像バイアスを印加する以外は実施例1と
同様にして、複写試験を行った。23℃/60%RHの
環境下で複写したところ初期濃度が1.20となったの
で、現像コントラストを250Vから350Vにして濃
度を1.63にした。又、カブリも実施例1に比べて悪
かったので、Vbackを−110Vから−150Vにし
た。この結果、初期の画質は良好であったが、1万枚複
写したところ、カブリとハーフトーンのガサツキが目立
つ画像になった。この時、スリーブ上の現像剤の帯電量
を測定したが、50枚目で−25.7mC/kgであ
り、1万枚では−25.4mC/kgであって、安定し
ていた。
【0065】実施例3 ・結着樹脂2 100部 ・マグネタイト 100部 ・化合物例(3)の粉末(n=8が主成分) 3部 上記材料をブレンダーでよく混合した後、130℃に設
定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を
冷却後、粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機を用
いて微粉砕した。更に、得られた微粉砕品をコアンダ効
果を利用した多分割分級装置で分級して、重量平均粒径
6.5μmの黒色微粉体を得た。この微粉体の凝集度
は、64%であった。
【0066】得られた微粉体100部に、ヘキサメチル
ジシラザンとジメチルシリコーンオイルで処理したシリ
カ微粉体(粒径15nm)1.0部と、チタン酸ストロ
ンチウム(粒径900nm)3.0部とを混合して、黒
色の磁性トナーを得た。上記の磁性トナーについて、市
販の電子写真複写機GP−55(キヤノン社製)の改造
機を用い、23℃/10%RHの環境下で1万枚の複写
テストを行った。この時の現像バイアスを図2に示す。
その結果、初期から画像濃度1.38の鮮やかな黒色画
像が得られ、その後、1.42±0.04のレベルを推
移した。更に、それに続けて、30℃/80%RHの環
境下で2万枚の複写テストを行ったところ、画像濃度は
1.40±0.08のレベルを推移し、カブリのない画
像が得られた。
【0067】実施例4 ・結着樹脂3 100部 ・カーボンブラック 5部 ・化合物例(2)の粉末(n=8が主成分) 3部 上記材料を用いて、実施例3と同様にして重量平均粒径
8.5μmの黒色の樹脂微粉体を得た。得られた樹脂微
粉体100部に、疎水性処理アルミナ微粉体(平均粒径
30nm)0.6部を混合して黒色トナーを得た。
【0068】次いで、重量平均粒径55μmのアクリル
コートフェライトキャリア94部と得られたトナー6部
を混合して2成分系現像剤とした。この現像剤につい
て、NP−6060(キヤノン社製)の改造機にて、2
成分系現像剤用の現像器を用いて5万枚の複写テストを
実施した。この時の現像バイアスは図2に示すパターン
であった。その結果、初期から画像濃度1.33でカブ
リのない鮮明な黒色画像が得られた。又、5万枚複写後
の画像も濃度1.40で鮮明なものであり、トナー融着
等による画像欠陥も見られなかった。
【0069】実施例5 ・結着樹脂3 100部 ・銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15) 5部 ・化合物例(4)の粉末(n=8が主成分) 3部 上記材料を用いて、実施例1と同様にして重量平均粒径
8.7μmの樹脂微粉体を得た。得られた樹脂微粉体1
00部に、実施例1で使用した疎水化処理アルミナの代
わりにジメチルシリコーンオイルで処理した酸化チタン
微粉体(平均粒径30nm)1.3部を混合してシアン
色のトナーを得た。
【0070】この現像剤について、FC−310をネガ
トナー用に改造して、非磁性1成分系現像剤用の改造現
像器を用いて5千枚の複写テストを実施した。この時の
現像バイアスは図2に示すパターンであった。その結
果、初期から画像濃度1.38でカブリのない鮮明なシ
アン色画像が得られた。5千枚複写後の画像も濃度1.
42で鮮明なものであり、トナー融着による画像欠陥も
見られなかった。又、感光ドラム上にも、付着物は見ら
れなかった。
【0071】実施例6 ・結着樹脂3 100部 ・マグネタイト 110部 ・化合物例(1)の粉末(n=8が主成分) 3部 上記材料を用いて、実施例1と同様にして重量平均粒径
6.6μmの黒色の樹脂微粉体を得た。得られた樹脂微
粉体100部に、実施例3で用いたものと同じシリカ微
粉体1.3部を混合して磁性トナーを得た。この現像剤
について、LBP−720(キヤノン社製)にて、5千
枚の複写テストを実施した。この時の現像バイアスは図
2に示すパターンであった。その結果、初期から画像濃
度1.42でカブリのない鮮明な黒色画像が得られた。
5千枚複写後の画像も濃度1.41で鮮明なものであっ
た。
【0072】実施例7 銅フタロシアニン顔料の代わりに下記に挙げる着色剤を
を使用した以外は実施例1と同様にして、イエロートナ
ー、マゼンタトナー、及びブラックトナーを得た。 1.イエロートナー 着色剤:C.I.ピグメントイエロー17、3部 重量平均粒径:6.8μm 凝集度:49% 2.マゼンタトナー 着色剤:C.I.ピグメントレッド122、5部 重量平均粒径:6.7μm 凝集度:53% 3.ブラックトナー 着色剤:カーボンブラック(粒径30μm)、5部 重量平均粒径:7.3μm 凝集度:48%
【0073】これらのトナーを実施例1と同様にして2
成分系現像剤にした。得られた3色の現像剤と、実施例
1で得られたシアン色の現像剤とを用いて、CLC−7
00(キヤノン社製)にて、フルカラーの複写テストを
実施した。この時の現像バイアスは図1に示すパターン
であった。この結果、得られたフルカラー画像は、ハイ
ライト部分の色再現が良好で、ドットが均一で滑らかな
画質であった。又、各色単独の画像濃度の評価した結
果、シアントナーは、1.61、イエロートナーは、
1.65、マゼンタトナーは、1.57、ブラックトナ
ーは、1.57であった。以後、1万枚の複写を行った
が、その間の画像濃度変動は小さく、1万枚後のフルカ
ラー画像も、初期とほぼ同等の画質であった。
【0074】表1に、実施例及び比較例の静電荷像現像
用トナーの構成と、これを用いた現像剤の構成をまとめ
て示し、表2に、得られた現像剤を用いて画像を形成し
た場合の画像評価結果、及び帯電量の変化を示した。
【0075】表1 実施例と比較例のトナー構成、及び
これを用いた現像剤組成
【0076】表2 実施例及び比較例のトナーを用いた
画像形成の評価
【0077】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、無色或いは淡色の優れた特性の電荷制御剤を使用す
ることによって、色再現性の良好なカラートナーが得ら
れる。又、本発明によれば、長期耐久においても潜像に
忠実で、ハイライト部が均一な画像を継続的に得ること
のできる静電荷像現像用トナーが提供される。又、本発
明によれば、トナーが、非常に素早く適正な帯電量を有
するようになる静電荷像現像用トナーが提供される。
又、本発明によれば、低湿環境下に放置しても、高湿環
境下に放置しても、その後に画像を形成した場合に高い
画像品質が安定して得られ、且つトナー飛散も生じるこ
とのない静電荷像現像用トナーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用する現像バイアスの電位パター
【図2】 本発明で使用する現像バイアスの電位パター
【図3】 従来の現像バイアスの電位パターン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜像保持体と、これに対向する現像剤担
    持体とによって形成される現像領域に対して印加される
    電位パターンが、直流成分に交流成分を1サイクル以上
    重畳した後、直流成分のみを印加するパターンである画
    像形成方法に供されるトナーであって、フェノール又は
    その誘導体と、アルデヒドとの環状化合物を含有するこ
    とを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 環状化合物が一般式(I)で表わされる
    化合物である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。 [上記式中、nは4〜10の整数を表し、R1は、水素
    原子、アルキル基又は−(CH2)mCOOR(Rは、水素
    原子又はアルキル基を表し、mは1〜3の整数を示す)
    を表し、R2及びR4は、水素原子、ハロゲン原子、アル
    キル基、置換されていてもよいアミノ基を表し、R
    3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、
    アラルキル(aralkyl)基、置換基を有していて
    もよいアリール基、置換基を有していてもよいアリサイ
    クリック基(環状アルキル基)、置換基を有してもよい
    カルバモイル基、フルオロアルキル基、ニトロ基、置換
    されていてもよいスルホン基、置換されていてもよいカ
    ルボキシル基、置換されていてもよいアミノ基、又は−
    Si(CH3)3を表し、R5は、水素原子またはアルキル
    基を表す。]
  3. 【請求項3】 一般式(I)で表わされる環状化合物の
    置換基R3が、0.10nm3以上の大きさを有する請求
    項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 トナーの粒度分布において、重量平均粒
    径が9μm以下であり、10.8μm以上の粒子比率が
    10個数%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用
    トナー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014112205A (ja) * 2012-10-29 2014-06-19 Mitsubishi Chemicals Corp 静電荷像現像用トナー
JP2015075576A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 三菱化学株式会社 静電荷像現像用トナー

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