JP3559113B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は感熱記録材料に関し、更に詳しくはロイコ染料と顕色剤との間の発色反応を利用した感熱記録材料の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録材料は一般に紙、合成紙、プラスチックフィルム等の支持体上に熱発色性組成物を主成分とする感熱発色層を設けたもので、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光、ストロボランプ等で加熱することにより発色画像が得られる。この種の記録材料は他の記録材料に比べて現像、定着等の煩雑な処理を施すことなく、比較的簡単な装置で短時間に記録が得られること、騒音の発生及び環境汚染が少ないこと、コストが安いことなどの利点により、図書、文書などの複写に用いられる他、電子計算機、ファクシミリ、巻売機、ラベル、レコーダーなど多方面にわたる記録材料として広く利用されている。
【0003】
このような感熱記録材料に用いられる熱発色性組成物は一般に発色剤と、この発色剤を熱時発色せしめる顕色剤とからなり、発色剤としては、例えば、ラクトン、ラクタム又はスピロピラン環を有する無色又は淡色のロイコ染料が、また顕色剤としては従来から有機酸、フェノール性物質が用いられている。この発色剤と顕色剤とを組合せた記録材料は、殊に得られる画像の色調が鮮明であり、且つ地肌の白色度が高く、しかも、画像の耐候性が優れているという利点を有し、広く利用されている。
【0004】
しかしながら、前記のようなロイコ系の感熱記録材料の場合、使用環境によっては記録画像の安定性が悪く、例えば、油やプラスチックフィルム中の可塑剤と接触すると、その記録画像が消色するという欠点を有していた。
【0005】
このような問題点を克服するものとして、ロイコ染料と顕色剤を主成分とする感熱発色層の上面に水溶性高分子からなるオーバーコート層を塗設し、更に支持体の裏面に水溶性高分子からなるバックコート層を設けて、バリアー性を付与することが知られている。
【0006】
ところが、このような水溶性高分子からなるオーバーコート層及びバックコート層を設けた感熱記録材料を、ロール状に巻成した状態で夏場等の高温高湿環境下に保存した場合、対接するオーバーコート層とバックコート層が互いに粘着して貼り付き、ブロッキング現象を起して感熱記録材料としての機能をそこねてしまうという問題を有していた。
【0007】
そこで、ブロッキング現象対策として裏面に特定の物質を添加する方法が取られている。例えば、スチレン−マレイン酸共重合体アルカリ塩を含有させたもの(特開昭61−57386号公報、富士フィルム)、コロイダルシリカを含有させたもの(特開昭62−32081号公報、富士フィルム)などが知られている。
【0008】
しかしながら、これらの方法は、オーバーコート層に水溶性樹脂を使用した場合、バックコート層にはエマルジョンやラテックス等の使用を行っているが、充分に耐水性、バリアー性が得られておらず、耐水性、バリアー性について未だ解決されていない。
【0009】
さらに、耐水性、バリアー性の欠点と、ブロッキングの欠点を克服するものとして、オーバーコート層とバックコート層に用いる樹脂と架橋剤とが、それぞれ異なる架橋反応を示すものを用いる方法(特開平5−301456号公報、リコー)が示されている。
【0010】
この方法はブロッキングの発生がなく、且つ、耐水性、バリアー性に優れるという品質的に優れた方法であるが、製造過程において、オーバーコート層とバックコート層に用いる、それぞれの樹脂及び架橋剤の溶解設備、ストックタンク、塗布液仕込過程の各タンク、送液過程の各配管等をそれぞれ別々に設ける必要があり、設備負担の大きいことが欠点となる。
【0011】
【発明が開発しようとする課題】
本発明の目的は、前記した従来の感熱記録材料にみられる欠点を克服し、高温高湿下においてもブロッキング現象等のない、極めて保存性に優れた、設備対応性に優れた感熱記録材料を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、支持体上にロイコ染料と顕色剤を含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、表面保護層が該感熱発色層上に設けられると共に支持体裏面に裏面保護層が設けられており、該表面保護層と裏面保護層が同一の樹脂及び架橋剤を主成分とし、該裏面保護層中に架橋反応に関与しない樹脂が添加されていることを特徴とする感熱記録材料が提供される。
【0013】
本発明の好ましい1つの態様においては、表面保護層及び裏面保護層中に、樹脂としてポリビニルアルコール及び/又は変成ポリビニルアルコールが用いられ、裏面保護層中に架橋反応に関与しない樹脂としてセルロースエーテルが用いられていることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の好ましい他の態様においては、裏面保護層中に、樹脂として用いられているポリビニルアルコール及び/又は変成ポリビニルアルコールの1重量%に対してセルロースエーテルが0.005〜0.2重量%添加されていることを特徴としている。
【0015】
本発明者らは、鋭意検討した結果、表面保護層及び裏面保護層中に樹脂としてポリビニルアルコール及び/又は変成ポリビニルアルコールを用い、且つ、該樹脂に効果を示す架橋剤を用いることで、耐水性、バリアー性に優れたものとし、且つ同一素材の使用により設備対応の負担を軽減した上で、塗布液の最終仕込段階で、該裏面保護層塗液中にセルロースエーテルを添加することで、ブロッキングの発生しない感熱記録材料を得ることができ、更に、添加するセルロースエーテルの効果は、裏面保護層中に使用される主要樹脂1重量%に対し0.005〜0.2重量%、特に好ましくは、0.01〜0.1重量%の添加で著しく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
本発明においては、感熱発色層上に表面保護層、支持体裏面上に裏面保護層が設けられるが、該保護層には、樹脂としてポリビニルアルコール、カルボン酸変性ポリビニルアルコール等を、また架橋剤としてポリアミド・エピハロヒドリン共重合体を主成分とするものを用いると、バリアー性、耐水性の点で特に優れたものが得られる。ただ、これらに限定されるわけではなく、樹脂としてはエポキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等が、また架橋剤としてはグリオキサール等も用いられる。
【0017】
一方、架橋反応に関与しない樹脂として添加するセルロースエーテルとしては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が用いられるが、これらに限定されるわけではない。
また、添加するセルロースエーテルの量は、裏面保護層中に使用される主要樹脂1重量%に対し0.005重量%未満ではブロッキングに対する充分な効果が望めず、0.2重量%を超えるにあたっては、裏面保護層の耐水性を低下させるといった背反を示すようになる。
【0018】
また、本発明のオーバーコート層及びバックコート層には、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で慣用の補助添加成分、例えばフィラー、熱可融性物質(又は滑剤)、界面活性剤等を含有させることができる。この場合のフィラー及び熱可融性物質の具体例としては、後記感熱発色層との関連で例示されたものと同様のものが挙げられる。
【0019】
本発明の感熱発色層において用いられるロイコ染料は単独又は2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱材料に適用されているものが任意に適用され、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、
3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、
3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、
3−(N−エチル−N−p−トリル)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
2−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、
3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン、
3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、
ベンゾイルロイコメチレンブルー、
6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、
6′−ブロモ−3′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、
3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニル)フタリド、
3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニル)フタリド、
3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニル)フタリド、
3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−メチルフェニル)フタリド、
3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、
2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、
3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、
3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5、6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4´−ブロモフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4´、5´−ベンゾフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、
3−ジブチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、
3−ジエチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジエチルアミノ)フタリド、
3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−(4′−ジエチルアミノ−2′−メトキシフェニル)−3−{4’’−(p−ジエチルアミノフェニル)−4’’−(p−クロロフェニル)−1’’−3’’−ブタジエニル}−ベンゾ{α}フタリド等。
【0020】
また、本発明の感熱発色層で用いる顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物、例えばフェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸及びその金属塩等が好ましく適用され、その具体例としては以下に示すようなものが挙げられる。
4,4′−イソプロピリデンビスフェノール、
4,4′−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、
4,4′−セカンダリーブチリデンビスフェノール
4,4′−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、
4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール、
4,4′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、
2,2′ーメチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、
4,4′−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリブチルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、
4,4′−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、
4,4′−ジフェノールスルホン、
4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4−ベンジロキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4′−ジフェノールスルホキシド、
P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、
P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、
プロトカテキユ酸ベンジル、
没食子酸ステアリル、
没食子酸ラウリル、
没食子酸オクチル、
1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、
1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、
N,N′−ジフェニルチオ尿素、
N,N′−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、
サリチルアニリド、
5−クロロ−サリチルアニリド、
2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、
2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、
1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、
ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、
1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
2,4′−ジフェノールスルホン、
3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、
3,3′−ジアリル−4,4′−ジフェノールスルホン、
α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、
チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、
テトラブロモビスフェノールA、
テトラブロモビスフェノールS等。
【0021】
本発明の感熱記録材料を製造するために、ロイコ染料及び顕色剤を支持体上に結合支持させる場合、慣用の種々の結合剤を適宜用いることができ、その具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコ−ル、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、エチルセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、ポリアクリル酸ソ−ダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックス等。
【0022】
また、本発明の感熱記録材料においては、前記ロイコ染料及び顕色剤と共に、必要に応じこの種の感熱記録材料に慣用される添加成分、例えば、フィラー、分散剤、発色画像安定化剤、酸化防止剤、消泡剤、光安定化剤、螢光増白剤、界面活性剤、熱可融性物質(又は滑剤)等を併用することができる。この場合、フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末を挙げることができる。
【0023】
また、熱可融性物質としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルエステル、ジフェニルカーボネート、テレフタル酸ジベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ビス(フェノキシ)ブタン、1,4−ビス(フェノキシ)−2−ブテン、ジベンゾイルメタン、1,4−ビス(フェニルチオ)ブタン、
1,4−ビス(フェニルチオ)−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,3−ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン等が挙げられる。
【0024】
なお、本発明の感熱記録材料に用いられる支持体としては、紙が主として用いられるが、各種不織布、プラスチックフィルム、合成紙、金属箔等あるいはこれらを組合せた複合シート等を任意に用いることができる。
【0025】
本発明の感熱記録材料は、例えば、前記した各成分を含む感熱発色層塗布液を、紙、合成紙、プラスチックフィルム等の適当な支持体の表面に塗布乾燥し、その上に前記した各成分を含有するオーバーコート層塗布液を塗布乾燥し、更に前記した各成分を含有するバックコート層塗布液を支持体裏面に塗布乾燥することによって製造され、各種の記録分野、殊に、高い画像安定性を必要とする高速記録用の感熱記録材料として利用される。
【0026】
本発明の感熱記録材料は、種々の分野において利用されるが、殊に、前記した優れた発色画像安定性を利用し、感熱記録型ラベルシートや、感熱記録型磁気券紙として有利に利用することができる。感熱記録型ラベルシートの場合、支持体の一方の面に、前記したロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱発色層と前記オーバーコート層を設け、支持体の他の面に、前記バックコートを設け、更に接着剤層を介して剥離台紙を設ければよく、磁気券紙の場合は、この剥離台紙に代えて、強磁性体と結合剤とを主成分とする磁気記録層を設ければよい。
【0027】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお以下において示す部及び%はいずれも重量基準である。
【0028】
実施例1
〈中間層の形成〉
47%スチレンアクリルエマルジョン 3部
20%二酸化ケイ素分散液 5部
10%変性ポリビニルアルコール水溶液 5部
(イタコン酸変性ポリビニルアルコール鹸化度87mole%)
12.5%ポリアミドエピクロヒドリン水溶液 1部
上記組成の混合物を撹拌し中間層塗布液とし、坪量50g/m2の上質紙に乾燥後の塗布量が2.5g/m2になるようにワイヤーバーを用い塗布乾燥し中間層を形成した。
〈感熱発色層の形成〉
〔A液〕
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 10部
10%変性ポリビニルアルコール水溶液 10部
(イタコン酸変性ポリビニルアルコール鹸化度87mole%)
水 30部
〔B液〕
4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン 10部
シュウ酸ジパラメチルベンジルエステル 20部
含水二酸化ケイ素 5部
10%変性ポリビニルアルコール水溶液 25部
(イタコン酸変性ポリビニルアルコール鹸化度87mole%)
水 40部
上記組成の混合物をそれぞれボールミルで24時間分散し、〔A液〕及び〔B液〕を調製した。
次いで、〔A液〕及び〔B液〕を重量比で1:2となるよう混合して、感熱発色層塗布液とし、上記中間層上に乾燥後の塗布量が、8g/m2になるようにワイヤーバーを用い塗布乾燥し感熱発色層を形成した。
〈表面保護層の形成〉
20%二酸化ケイ素分散液 2.5部
10%変性ポリビニルアルコール水溶液 10部
(イタコン酸変性ポリビニルアルコール鹸化度87mole%)
30%ステアリン酸亜鉛分散液 0.3部
12.5%ポリアミドエピクロヒドリン水溶液 3.2部
上記組成の混合物を撹拌し表面保護層塗布液とし、上記感熱発色層コート紙の表面に乾燥付着量が3.5g/m2になるようにワイヤーバーを用い塗布乾燥し表面保護層を形成した。
〈裏面保護層の形成〉
20%二酸化ケイ素分散液 1.5部
10%変性ポリビニルアルコール水溶液 10部
(イタコン酸変性ポリビニルアルコール鹸化度87mole%)
12.5%ポリアミドエピクロヒドリン水溶液 3.2部
5%メチルセルロース水溶液 0.2部
上記組成の混合物を撹拌し裏面保護層塗布液とし、支持体裏面に乾燥付着量が2.0g/m2になるようにワイヤーバーを用い塗布乾燥し裏面保護層を形成した。
次いで、スーパーキャレンダーにて表面処理を行ない、本発明の感熱記録材料を作製した。
【0029】
実施例2
実施例1の裏面保護層中の5%メチルセルロース水溶液を1部とした以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を作製した。
【0030】
実施例3
実施例1の裏面保護層中の5%メチルセルロース水溶液を3部とした以外は実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を作製した。
【0031】
実施例4
実施例2の裏面保護層中のメチルセルロース水溶液をヒドロキシメチルセルロース水溶液とした以外は実施例2と同様にして本発明の感熱記録材料を作製した。
【0032】
比較例1
実施例1の裏面保護層中の5%メチルセルロース水溶液を添加しない以外は実施例1と同様にして比較用の感熱記録材料を作製した。
【0035】
比較例2
実施例1の裏面保護層塗布液に代えて以下の組成の混合物を撹拌し裏面保護層塗布液とした以外は実施例1と同様にして比較用の感熱記録材料を作製した。
25%スチレン−無水マレイン酸共重合体アンモニウム塩 3部
25%炭酸カルシウム分散液 5部
【0036】
以上のようにして得られた感熱記録材料を試料として、ブロッキングテスト、耐水性テスト及び耐可塑剤性テストを行った。それらの結果を表1に示す。
なお、試験前の印字濃度は1.35である。
(1)ブロッキングテスト
上記の試料をカレンダー処理後、直ちに水分7%に調湿し、25mm巾×150mmの長方形に切断後、30枚重ねとし密封して感熱記録材料の水分を保持した状態にて、片側の端25mm巾×10mm四方に2.5kgfの加重をかけ、40℃にて24時間放置した後、加重していない片側を1枚ずつ持ち上げサンプルの自重で剥がれる枚数にて判定した。
評価基準(剥がれた枚数)
25枚〜30枚・・・極めて良好
20枚〜24枚・・・良好、問題ない
15枚〜19枚・・・ブロッキング傾向あり
5枚〜14枚・・・ブロッキングを越こしている
0枚〜 4枚・・・ひどくブロッキングしている
(2)耐水性
上記の試料を40℃、dryで15時間放置後、20℃の水に24時間浸漬し、指で裏面保護層をこすって溶出する程度を判定した。
評価基準
5・・・極めて良好
4・・・良好
3・・・普通
2・・・不良
1・・・極めて不良
(3)耐可塑剤性
上記の試料を40℃、dryで15時間放置後150℃熱ブロックにて圧力2kgf/cm2接触時間1秒で印字した後ポリ塩化ビニルフィルムを裏面に3枚重ねとし50℃、dry条件下に加重150gf/cm2にて48時間放置後印字画像濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
本発明の感熱記録材料は、前記の構成としたことより、高温高湿下においてもブロッキング現象の発生がなく、極めて保存性に優れた、しかも製造設備負担の少ないものである。
Claims (3)
- 支持体上にロイコ染料と顕色剤を含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、表面保護層が該感熱発色層上に設けられると共に支持体裏面に裏面保護層が設けられており、該表面保護層と裏面保護層が同一の樹脂及び架橋剤を主成分とし、該裏面保護層中に架橋反応に関与しない樹脂が添加されていることを特徴とする感熱記録材料。
- 前記表面保護層及び裏面保護層中に、樹脂としてポリビニルアルコール及び/又は変成ポリビニルアルコールが用いられ、裏面保護層中に架橋反応に関与しない樹脂としてセルロースエーテルが用いられていることを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料。
- 前記裏面保護層中に、樹脂として用いられているポリビニルアルコール及び/又は変成ポリビニルアルコールの1重量%に対してセルロースエーテルが0.005〜0.2重量%添加されていることを特徴とする請求項2記載の感熱記録材料。
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