JP3558313B2 - 電流差動継電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電力系統を保護する保護継電器、とりわけ送電線を電流差動原理に基づき保護する電流差動継電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
送電線の保護方式として、各端子の電流の瞬時値を用いて送電線の内外部事故を識別する電流差動方式が多用されている。電流差動リレーを適用する際に問題になるのは、保護区間内の充電電流の影響である。
【0003】
即ち、図7において、保護送電線1の各A,B端にて変流器2A,2Bを用いて各端の電流iA ,iB に対応する電気量を取込み、通信手段4を用いて前記取込んだ瞬時値量を送受し合い、電流差動保護を行なう電流差動リレー3A,3Bは、(1) 式によって差動電流を算出して動作判定を行なう。
【0004】
ところが、保護区間内の充電電流の影響により、F点の外部事故時に充電電流iC が流出するため、B電気所での取込み量はiB +iC となる。従って、差動電流Id は、(2) 式で表わされる。
【0005】
【数1】
Id =|iA +iB | ………………(1)
Id =|iA +iB +iC | …………(2)
(2) 式において外部事故時にはiA +iB =0であるから、(2) 式はId =|iC |となり、内部充電電流が大きいと、電流差動リレーは誤動作する虞がある。
【0006】
内部充電処理は、送電線がケーブル系であれば、対地間で大きな値を有し、架空線であっても1000kV級の基幹系送電線などでは長距離化により相間あるいは回線間の充電電流が大きいことが知られている。
【0007】
このため、自端子の電圧値を用いて、前記保護区間内充電容量をリレー内部で補償し、充電電流による誤動作を防止する対策が行なわれている。参考文献:電気協同研究第41巻第4号「ディジタルリレー」P.178「超超高圧系電流差動リレーにおける充電電流補償」(昭和61年1月21日発行)。
【0008】
図8は上記技術を適用した従来技術の一例である。A端の送電線の電圧は、電圧変成器(略称PD)5Aにより取込み、入力処理部6Aにて変流器(略称CT)2Aから取込まれた電流量と共に、同一時刻にサンプリングされ、アナログ・ディジタル変換される。
【0009】
そして、電流データは送受信部7Aを介して対向電気所間で送受信される。演算部8Aは前記入力処理部6Aの出力及び送受信部7Aの出力を用いて、(3) 式の演算により処理差動判定を行なう。
【数2】
Id =|iA +iB −C・dVA /dt|≧K0 ………(3)
【0010】
上式において、iA ,iB は各端子における処理データであり、C・dVA /dtはA電気所で取込んだ電圧VA の微分値から求めた送電線の充電電流である。Cは送電線の静電容量を表わす定数である。K0はリレーの動作感度であり、この値より差動電流Id が大きい時に内部事故と判定し、小さい時には外部事故と判定するものである。対向するB電気所も上記と同様な構成である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図8において、電気量を取込む電圧変成器5Aが不良、例えばPD2次断線となった時を考える。この時には、VA =0となり、(3) 式はId =|iA +iB |≧K0となる。iA +iB の中には、(2) 式で述べたように充電電流iC が含まれており、このiC の大きさがリレーの動作感度K0を超える場合にはリレー誤動作に至ることになる。
【0012】
即ち、保護区間の内部充電電流が大きい系統に対しては、従来の充電電流補償方式の電流差動リレーは、電圧変成器5Aの断線等の不良に対して誤動作を生じるという問題点があった。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、補償のための電圧量が喪失した場合であっても、誤動作する懸念のない電流差動継電装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る電流差動継電装置は、電力系統の自端電気所で得られた端子電流に対応する電気量と、相手端電気所から伝送路を介して自端への伝送されてきた端子電流に対応する電気量と、自端電圧により算出した電力系統内部の充電電流補償値を用いて差動電流を算出して保護判定を行なう電流差動継電装置において、前記充電電流補償値の変化分を算出する手段と、前記差動電流の変化分を算出する手段と、前記充電電流補償値の変化分の大きさが所定値以上で、かつ前記差電流の変化分の大きさと一致することを条件に自端電圧不良を検出する手段と、前記自端電圧不良が検出されたとき前記電流差動継電装置を不動作方向に制御する制御手段とを備えた。
【0015】
本発明の請求項1に係る電流差動継電装置は、充電電流の変化分と、充電電流補償後の差動電流の変化分を常に比較し、両者の変化分がほぼ等しい場合は電圧変成器の不良による自端電圧喪失等(以下、PD不良と称す)が発生したものと判定し、差電流増加によって誤動作しないように電流差動継電装置を不動作方向に制御させる。
【0016】
本発明の請求項2に係る電流差動継電装置は、請求項1において、前記電流差動継電装置を不動作方向に制御する制御手段は、前記電流差動継電装置の動作をロックさせる手段から構成した。
【0017】
本発明の請求項2に係る電流差動継電装置は、充電電流の変化分と、充電電流補償後の差動電流の変化分を常に比較し、両者の変化分がほぼ等しい場合はPD不良が発生したものと判定し、差電流増加によって誤動作しないように電流差動継電装置の動作をロックする。
【0018】
本発明の請求項3に係る電流差動継電装置は、請求項1において、前記電流差動継電装置を不動作方向に制御する制御手段は、前記電流差動継電装置の動作感度を低下させる手段から構成した。そして充電電流の変化分と充電電流補償後の差動電流の変化分とがほぼ等しい場合は、前記同様にPD不良が発生したものと判定し、差電流増加によって誤動作しないように電流差動継電装置の動作感度を低下する。
【0019】
本発明の請求項4に係る電流差動継電装置は、電力系統の自端電気所で得られた端子電流に対応する電気量と、相手端電気所から伝送路を介して自端への伝送されてきた端子電流に対応する電気量と、自端電圧により算出した電力系統内部の充電電流補償値を用いて差動電流を算出して保護判定を行なう電流差動継電装置において、前記充電電流補償値の変化分を算出する手段と、前記差動電流の変化分を算出する手段と、前記充電電流補償値の変化分の大きさが所定値以上で、かつ前記差電流の変化分の大きさと一致することを条件に自端電圧不良を検出する手段と、前記自端電圧不良が検出されたとき前記充電電流補償値の大きさによって前記電流差動継電装置を不動作方向に制御する機能を活殺する切換手段とを備えた。
【0020】
本発明の請求項4に係る電流差動継電装置は、充電電流の変化分と、充電電流補償後の差動電流の変化分を常に比較し、両者の変化分がほぼ等しい場合はPD不良が発生したものと判定し、充電電流の大きさが例えば電流差動継電装置の動作感度以上である場合は、誤動作しないように電流差動継電装置を不動作方向に切換えを行なう。
【0021】
本発明の請求項5に係る電流差動継電装置は、請求項4において、前記電流差動継電装置を不動作方向に制御する機能を活殺する切換手段は、前記電流差動継電装置の動作ロック機能を活殺する切換手段から構成した。
【0022】
本発明の請求項6に係る電流差動継電装置は、請求項4において、前記電流差動継電装置を不動作方向に制御する機能を活殺する切換手段は、前記電流差動継電装置の動作感度の低下機能を活殺する切換手段から構成した。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に係る電流差動継電装置の第1の実施の形態を以下に説明する。図1は実施形態の機能ブロック図である。図1において、10は電流差動継電装置で、充電電流補償量算出手段11,差動電流検出手段12,充電電流補償量の変化分検出手段13,差電流の変化分検出手段14及び演算手段15から構成される。
【0024】
そして、充電電流補償量算出手段11では、自端電圧VA を入力して充電電流を算出し、差動電流検出手段12では自端と相手端電流iA ,iB 及び充電電流補償量を入力して差電流を算出する。そして、充電電流補償の変化分を変化分検出手段13及び差電流の変化分を変化分検出手段14にて検出し、その結果によって電流差動特性の感度を継電器としての不動作方向に変えるように構成している。
【0025】
図2は処理内容を説明するフローチャートである。ステップS21は充電電流補償項C・dV/dtの変化分を求めるステップである。Vは自端子でサンプルされた電圧量、Cは補償を行なう充電容量に対応する値で定数である。
【0026】
最新時点(m時点)の充電電流補償項は、自端にて導入された電圧vのm時点における微分値に比例した量として、[C・dV/dt]mと表される。この微分演算の方法としては、例えば特公平3−20969号「保護継電装置」に開示された考え方を用いることができる。」
【0027】
又、[C・dV/dt]m−12はm時点より12サンプリング前の充電電流補償項の大きさである。サンプリング間隔を電気角30°とすると、12サンプリング前とは系統電気量の1サイクル前のデータに対応する。即ち、ステップS21は現時点と1サイクル前の充電電流補償項の差の絶対値として、[ΔC・dV/dt]m を求める処理である。
【0028】
ステップS22は差動処理Id とは下式により充電電流補償を実施した差動電流である。
【数3】
Id =|iA +iB −C・dV/dt|
【0029】
最新時点(m時点)の前記差動電流の大きさを[Id ]m とすると、これはm時点の自端電流iA ,相手端電流iB 及び前記充電電流補償量[C・dV/dt]m にて下式にて表される。
【数4】
[Id ]m =|iAm+iBm−[C・dV/dt]m |
【0030】
又、[Id ]m−12はm時点より12サンプリング前のId の大きさである。即ち、ステップS22は現時点と1サイクル前の|Id |値の差の絶対値[ΔId ]m を求める処理である。
【0031】
ステップS23は[ΔC・dV/dt]m の大きさを所定値KDと比較する条件分岐の手段である。条件成立時にはステップS24へ進み、ステップS21で求めた[ΔC・dV/dt]m の大きさがステップS22で求めた[ΔId ]m の大きさに一致しているか否かをチェックする処理である。
【0032】
ステップS24にて条件が成立しない時にはステップS26へ移り、(4) 式による高感度の動作判定が行なわれる。
【数5】
Id =|iA +iB −C・dVA /dt|≧KI ………(4)
KI は定数であり、リレーの検出感度に対応する。
【0033】
ステップS23にて条件が成立した時、更にステップS24にて条件が成立している場合はステップS25へ移り、(5) 式による低感度の動作判定が行なわれる。
【数6】
Id =|iA +iB −C・dVA /dt|≧KII ………(5)
KIIは定数であり、KI ≦KIIの関係である。例えば、KII=2KI とすることにより、(5) 式は(4) 式に対して感度を2倍に低下させたことになる。
【0034】
ステップS27は演算に使用するデータを、1サンプリング次のデータを用いるようにするため、時点mをプラス1だけ進めるステップである。そして、再びステップS21へ戻り、1サンプリング分だけ更新されたデータを用いた演算が行なわれる。
【0035】
ステップS28はPD不良継続判定を行なうステップであり、前記ステップS24にて条件成立したことを条件に強制的にステップS25へ進め、ステップS24にて条件不成立となったことを条件に、ステップS21へ進める手段である。
【0036】
図3は演算された諸量の時間的変化を概念的に描いたタイムチャートである。t−t0 時点以前には平常状態であり、|C・dV/dt|の大きさも充電処理補償値に対応する値で一定値を保っている。|ΔC・dV/dt|の大きさも零状態であり、充電処理補償が適正に行なわれているので、差電流の変化分|ΔId |値も零である。
【0037】
t−t0 時点でPD不良が発生したとすると、|C・dV/dt|の値は零に落ちはじめ、図2のステップS21で求められる|ΔC・dV/dt|の値は立ち上がってくる。これと共に、|ΔId |値も上昇しはじめることになる。
【0038】
ステップS23にて|ΔC・dV/dt|の値が所定値KDを超えるか否かの判定が行なわれる。ここでKDはリレーの検出感度相当の値である。図3の例で|ΔC・dV/dt|のピークがKDを超えていたとすると、その時の|ΔId |値と大きさ比較を行なう。
【0039】
PD不良直後の|C・dV/dt|の値は|ΔId|値とほぼ等しいため、ステップS24の条件が成立し、ステップS25にて低感度検出の事故判定を行なうことになる。一度、PD不良と検出されると、ステップS28にて強制的にステップS25へ進められることになる。
【0040】
ステップS28の詳細内容を図4に一例として示す。即ち、ステップS28−1では充電電流補償値|C・dV/dt|はPD不良時はほぼ零であるから、ステップS28−2へ移り、ここで前記のルーチン(ステップS27以前の状態)でKの値がKI だったか、KIIだったかの選択が行なわれる。
【0041】
1サンプリング前のデータを使ってPD不良の判定は既に行なわれていれば、ステップS25へ移されることになる。平常状態においてステップS28−1では、充電電流補償値がある程度大きさを持っていればステップS21へ進むが、|C・dV/dt|の大きさが零となるような整定をしている場合にはステップS28−2へ進むことになる。
【0042】
以上説明したように、PD不良が発生した場合にも充電電流補償の変化分を検出することにより、充電電流補償値喪失によるリレーの不要応動を防止することができる。
【0043】
上記実施の形態によれば充電電流の変化分と、充電電流補償値の変化分とから自端電圧の不良を検出し、電流差動継電装置の動作感度を低下させるものであった。しかしながら、本願はこの手段に限定されるものではなく、以下に考え得る手段を挙げる。
【0044】
先ず、第1は2つの変化分を比較して自端電圧の不良を検出したならば、電流差動継電装置の動作をロックさせることである。
【0045】
又、第2は2つの変化分を比較して自端電圧の不良を検出したならば、切換手段を設けて、充電電流補償値の大きさによって電流差動継電装置の動作感度の低下機能を活殺することである。即ち、両者の変化分がほぼ等しい場合はPD不良が発生したものと判定し、充電電流の大きさが、例えば電流差動継電装置の動作感度以上である場合は、誤動作しないように動作感度を低下させ、動作感度以下の場合は誤動作の虞がないため感度低下は行なわれないように切換えをする。
【0046】
又、第3は2つの変化分を比較して自端電圧の不良を検出したならば、切換手段を設けて、充電電流補償値の大きさによって電流差動継電装置の動作ロック機能を活殺することである。即ち、両者の変化分がほぼ等しい場合はPD不良が発生したものと判定し、充電電流の大きさが例えば電流差動継電装置の動作感度以上である場合は、誤動作しないように動作をロックし、動作感度以下の場合は誤動作の虞がないためロックは行なわないように切換えをする。
【0047】
他の変形の形態については以下に列挙する。
(a) 上記実施の形態では、2種類の特性式(4) 式,(5) 式をステップS25,S26に持たせて、ステップS23及びステップS24の条件により切換えるようにしたが、図5のように構成しても良い。即ち、ステップS23及びステップS24において条件成立時には、ステップS29にてα=α′なる定数設定が行なわれ、次のステップS31にてId ≧αKI なる差動検出を行なうことになる。
【0048】
これは図2のステップS25と同様な構成となる。又、ステップS23及びステップS24にて条件不成立時には、ステップS30へ移り、α=1と置かれ、次のステップS31ではId ≧KI なる差動判定が行なわれることになる。ここで、KI は図2のステップS26と同様な構成となる。
【0049】
(b) 上記実の施形態では、電流差動特性として単純差動特性で説明してきたが、これに限定されず比率抑制を持たせた下式のような構成の特性式としても同様に適用可能である。
【数7】
Id ≧K1・Σ|I|+K0
Σ|I|=|iA |+|iB |
ここで、Σ|I|:各端電流のスカラー和。
K1:特性の傾き。
K0:最小検出感度に対応する値。
【0050】
図2のステップS26がId ≧K1・Σ|I|+KI 、ステップS25がId ≧K1・Σ|I|+KIIなる式で構成される。
【0051】
(c) 上記(b) では抑制量として各端のスカラー和にて説明したが、これに限定されるわけではなく、又、特性自体を2乗式で構成した下式のようなものも本発明は同様に適用できる。
【数8】
Id 2 ≧K2・Σ|I|2 +K3
(K2,K3は定数)
【0052】
(d) 本発明の適用系統は2端子のみならず、多端子系統にまで適用できるのは言うまでもない。
(e) 充電電流補償方式として、自端子の自相電圧のみを用いる方式で説明してきたが、補償精度を高めるために、全相電圧を用いて補償しても良い。
【0053】
図6は3相の送電線60,61,62において、A,B,C各相間の静電容量Cab,Cbc,Cca及び各相の対地静電容量Cae,Cbe,Cceを示したものである。これより、各相の充電電流ica,icb,iccは下記マトリックスに従う。[参考文献:電気学会雑誌105巻12号P.10](昭和60年12月20日発行)。
【0054】
【数9】
【0055】
実施の形態では(6) 式の静電容量のマトリックス中、対角要素以外は零としたが、ここでは自端子,自回線の全静電結合を(6) 式により補償しようとするものである。この時も本発明は前述と全く同様に適用できる。即ち、図2のステップS21充電電流補償値の変化分は、a相を例にとれば、|ica|=|Caa・dV/dt−Cab・dV/dt−Cac・dV/dt|の変化分を求めることになる。又、隣回線の静電接合をも考慮し、隣回線の電圧も導入して補償をかける場合にも上述と同様に適用可能である。
【0056】
(f) 実施の形態において、低感度化する定数としてKII=2KI を一例として説明したが、これにとらわれることなく、リレー判定の不要応動を防止する観点より定数を選択すれば良い。
【0057】
(g) 実施の形態では充電電流補償のために導入する電圧は、線路電圧として説明したが、母線電圧としても良い。
(h) 各相電気量に応動する差動リレーのみならず、零相電流により差動保護を行なう場合でも同様に適用可能である。
【0058】
(i) 実施の形態において、ステップS28−1では|C・dV/dt|≒0としたが、これは|C・dV/dt|<ε1(ε1は定数)なる判定としても同様である。又、ステップS24では等号形式で条件を記したが、|[ΔId ]m −|ΔCdV/dt|m <ε2(ε2は定数)なる不等式形式の当判定としても同様に適用できる。
【0059】
(j) 実施の形態のステップS21及びS22では、1サイクル前の値を用いたが、これに限定する必要はなく、|C・dV/dt|及び|Id |の変化分が求められれば特に数値は限定されない。
【0060】
(k) 図2において、PD不良継続検出を行なうステップS27では図5の形に限定されず、電圧入力自体が零付近になったことを検出するようにしても良い。
(l) 実施の形態ではPD不良と判定した時には感度を落とすようにしたが(例えば図2のステップS25あるいは図5のステップS29)、リレー判定結果そのものをロックするようにしても良い。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば保護区間内充電電流を各端の電圧値を用いて補償をかけ、電流差動保護を行なうものにおいて、充電電流補償値の変化分を常時チェックし、その変化分が所定値以上に達した時の差電流の変化分と近似的に等しい大きさになった時には、PD不良が発生したと判断し、所定の操作をするようにしたものである。
【0062】
これにより充電電流補償値を大きく整定しなければならない系統に電流差動継電装置を適用する場合において、PD不良が発生し、補償電圧が喪失した場合でも、電流差動継電装置の不要応動を防止することができ、更に通常事故時の検出感度を損なうことなく、適用可能とした大きな効果を持たせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電流差動継電装置の実施の形態を示す機能ブロック図。
【図2】演算ステップを表わすフローチャート。
【図3】演算される諸量の時間的変化を概念的に表わしたタイムチャート。
【図4】図2のPD不良継続検出方法の一例図。
【図5】処理内容の更に他の実施形態のフローチャート。
【図6】3相送電線の静電容量接合を示す図。
【図7】内部充電電流の影響を説明する図。
【図8】充電電流補償による電流差動継電装置の構成例図。
【符号の説明】
10 電流差動継電装置
11 充電電流補償量算出手段
12 差動電流検出手段
13 充電電流補償量の変化分検出手段
14 差動電流の変化分検出手段
15 演算手段
Claims (6)
- 電力系統の自端電気所で得られた端子電流に対応する電気量と、相手端電気所から伝送路を介して自端へ伝送されてきた端子電流に対応する電気量と、自端電圧により算出した電力系統内部の充電電流補償値を用いて差動電流を算出して保護判定を行なう電流差動継電装置において、前記充電電流補償値の変化分を算出する手段と、前記差動電流の変化分を算出する手段と、前記充電電流補償値の変化分の大きさが所定値以上で、かつ前記差電流の変化分の大きさと一致することを条件に自端電圧不良を検出する手段と、前記自端電圧不良が検出されたとき前記電流差動継電装置を不動作方向に制御する制御手段とを備えたことを特徴とする電流差動継電装置。
- 請求項1記載の電流差動継電装置において、前記電流差動継電装置を不動作方向に制御する手段は、前記電流差動継電装置の動作をロックさせる手段であることを特徴とする電流差動継電装置。
- 請求項1記載の電流差動継電装置において、前記電流差動継電装置を不動作方向に制御する手段は、前記電流差動継電装置の動作感度を低下させる手段であることを特徴とする電流差動継電装置。
- 電力系統の自端電気所で得られた端子電流に対応する電気量と、相手端電気所から伝送路を介して自端へ伝送されてきた端子電流に対応する電気量と、自端電圧により算出した電力系統内部の充電電流補償値を用いて差動電流を算出して保護判定を行なう電流差動継電装置において、前記充電電流補償値の変化分を算出する手段と、前記差動電流の変化分を算出する手段と、前記充電電流補償値の変化分の大きさが所定値以上で、かつ前記差電流の変化分の大きさと一致することを条件に自端電圧不良を検出する手段と、前記自端電圧不良が検出されたとき前記充電電流補償値の大きさによって前記電流差動継電装置を不動作方向に制御する機能を活殺する切換手段とを備えたことを特徴とする電流差動継電装置。
- 請求項4記載の電流差動継電装置において、前記電流差動継電装置を不動作方向に制御する機能を活殺する切換手段は、前記電流差動継電装置の動作ロック機能を活殺する切換手段であることを特徴とする電流差動継電装置。
- 請求項4記載の電流差動継電装置において、前記電流差動継電装置を不動作方向に制御する機能を活殺する切換手段は、前記電流差動継電装置の動作感度の低下機能を活殺する切換手段であることを特徴とする電流差動継電装置。
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