JP3558196B2 - 給紙装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタ、複写機、ファクシミリ等に適用される給紙装置、特に、画像形成装置本体に対して、着脱可能に構成され、外部から記録紙の供給が可能な給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像形成装置本体内に格納されている記録紙が、自動的に給送されて転写される格納記録紙給紙装置の他に、一般的に手差し装置と呼ばれる画像形成装置外部からサイズまたは紙質の異なる記録紙を供給する外部記録紙給紙装置が知られている。
【0003】
また、初期の安価な複写装置においては、本体内の前記格納記録紙給紙装置を持たずに、本体に着脱可能に構成された前記外部記録紙給紙装置が装着されている。
【0004】
一方、記録媒体は、普通紙以外に、ハガキ、封筒、便せん、OHPシート、その他多数の記録紙が存在し、使用目的によって、これらの記録媒体を選択して使用される。
したがって、前記外部記録紙給紙装置は、同じ材質の記録媒体のみを用いるのではなくて、異なった記録媒体を使用可能とする機能が要求される。
【0005】
しかしながら、材質が異なる記録媒体は、その厚さ、強度、摩擦抵抗等が異なり、給紙ローラが記録媒体に接触して送り出す物理的条件は微妙に異なる。
例えば、給紙ローラが普通紙で給紙可能に調整設定されていたとしても、摩擦抵抗の少ないOHPシートの場合において、普通紙の設定条件のままでは良好な給紙は困難である。すなわち、より給紙ローラにOHPシートを押圧接触させるとともに、給紙方向に若干の押圧力を付加する必要がある。
【0006】
また、ハガキ、封筒等においても普通紙とは曲げ強度の点でも異なり、普通紙仕様では給送が困難である。
このような理由から、材質の異なる記録媒体には、それ専用の給紙装置仕様が必要となる。
【0007】
上述したように、記録媒体の材質の相違に対応して給紙装置仕様が異なる外部記録紙給紙装置を複数用意して選択使用することにより、良好な給紙を実現することができる。
よって、専用の給紙装置仕様に則って、供給される記録媒体に合わせて給紙ローラを用意し、記録媒体を該給紙ローラに適宜の押圧力で接触させて前記外部記録紙給紙装置を構成すればよい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画像記録装置本体に、脱着する給紙装置の場合は、該給紙装置で記録媒体のジャムが発生した際には、前記給紙ローラで給送中の記録媒体を除去するには、前記給紙装置を取り外すか、また、前記給紙ローラに適宜の押圧力で接触している記録媒体を前記押圧力に抗して引き抜く必要がある。
【0009】
前記給紙装置を取り外す場合であっても、また、記録媒体を引き抜く場合であっても、それらの操作中に記録媒体が破損し、記録媒体の破片が画像形成装置本体内に侵入して、機構部分に駆動上の不都合状態を惹起したり、もしくは画像の転写部材に張り付き、画像形成に影響を与える等の問題があった。
【0010】
本発明は上述の事情に鑑み、簡単な操作で記録媒体のジャム処理を可能とする給紙装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、コストの上昇を押さえ、簡単な構成の給紙装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像形成装置本体に対して外部から記録紙を供給する給紙装置において、
前記画像形成装置本体内の開口部内に回転自在に配設された給紙ローラと、
録紙先端部を載置して、該記録紙先端部を前記給紙ローラ表面に押圧する押圧位置と、前記記録紙先端部の押圧を解除する離間位置とを選択的に取得可能な記録紙押圧手段と、
前記押圧位置及び前記離間位置との間の前記記録紙押圧手段の移動を制御する移動制御手段とを有し、
前記移動制御手段の操作により前記記録紙先端部の押圧を解除可能に構成され、さらに前記移動制御手段は前記離間位置において、前記記録紙押圧手段と係合して自己保持されることを特徴とする。
また、本発明は、画像形成装置本体に対して外部から記録紙を供給する給紙装置において、
前記画像形成装置本体内の開口部内に回転自在に配設された給紙ローラと、
記録紙先端部を載置して、該記録紙先端部を前記給紙ローラ表面に押圧する押圧位置と、前記記録紙先端部の押圧を解除する離間位置とを選択的に取得可能な記録紙押圧手段と、
前記押圧位置及び前記離間位置との間の前記記録紙押圧手段の移動を制御する移動制御手段とを有し、
前記移動制御手段の操作により前記記録紙先端部の押圧を解除可能に構成し、さらに、前記移動制御手段は、前記押圧位置において、記録紙表面と当接して記録紙を当接保持する保持面を有することを特徴とする。
【0012】
図1に示すように、給紙装置用給紙ローラ51は画像形成装置本体内の給紙装置取付開口部72内に配置されている。
そして、画像形成装置本体に、一の給紙装置(フィーダ)65を、前記給紙装置取付開口部72内に格納される格納位置と、記録紙を重力線に対して傾斜して給送する給送位置とを選択的に取得可能であるとともに、着脱可能に構成している。
【0013】
また、給紙装置65内に、記録紙先端部を載置し、該記録紙先端部を前記給紙ローラ51表面に押圧する押圧位置と、前記記録紙先端部の押圧を解除する離間位置とを選択的に取得可能な記録紙押圧手段(ボトムプレート)64が設けられている。
【0014】
また、移動制御手段(紙押さえ)60が配設され、該移動制御手段60の操作により前記押圧位置及び前記離間位置との間の前記記録紙押圧手段64の移動が制御され、前記移動制御手段60の操作により、前記記録紙押圧手段64は前記離間位置に移動し、前記記録紙先端部の前記給紙ローラ51への押圧を解除する。
【0015】
したがって、前記記録紙先端部は前記給紙ローラ51から離間して、すくなくとも、ジャムした記録紙を残して、前記離間位置に復帰し、前記給紙ローラ51への押圧力が解除されているので、容易にジャムした記録紙を排除することができる。
【0016】
また、前記記録紙押圧手段64の下流側に前記離間位置において、記録紙の先端が当接する先端当接面と、該先端当接面に延設して、記録紙を介して前記給紙ローラを押圧する表面当接面とを有する前記給紙ローラに対して接離自在な記録紙分離手段を設け、
前記移動制御手段の操作により、前記表面当接面より上流側の記録紙の先端部の押圧を解除して、記録紙の先端を前記先端当接面側に退避させるように構成することも本発明の有効な手段である。
【0017】
前記記録紙押圧手段64の下流側には、記録紙分離手段61が設けられている。該記録紙分離手段61は、記録紙を介して前記給紙ローラを押圧する表面当接面(フリクションパッド)62を有しているので、該記録紙分離手段に記録紙がジャムする場合があるが、その場合は、前記移動制御手段60の操作により、前記表面当接面より上流側の記録紙の先端部の押圧を解除して、記録紙の先端を前記先端当接面側に退避させることにより、前記表面当接面62と前記給紙ローラ51間にジャムした記録紙以外は、前記離間位置に退避し、また、前記記録紙分離手段61は前記給紙ローラ51に対して接離自在であるために、記録紙の上面から記録紙分離手段61を押すことにより容易にジャムした記録紙を引き出すことができる。
【0018】
そして、前述したように、前記移動制御手段60を、前記離間位置において、前記記録紙押圧手段64と係合して自己保持されるように構成すると、操作者が前記移動制御手段を押さえて、前記離間位置に保持する必要はなく、容易にジャムした記録紙を排除することができる。
【0019】
また、前述のように、前記移動制御手段60を、前記押圧位置において、記録紙表面と当接して記録紙を当接保持する保持面を有して構成し、さらには、前記保持面を、記録紙の進行方向に沿って延在し、記録紙を両側端側をガイドするガイド手段の領域内の記録紙表面と当接するように配設して構成することも本発明の有効な手段である。
【0020】
すなわち、図1に示すように、フィーダ65の記録紙載置面73上に記録紙66は載置されるが、移動制御手段(紙押さえ)60の保持面60bは、ボトムプレート64による記録紙66を給紙ローラ51に押圧する押圧位置において、記録紙の表面を重力により当接して保持している。したがって、記録紙66が上方に浮き、給紙状態が変化してジャムを起因する恐れが少ない。
【0021】
また、記録紙の両側端側をガイドするガイド手段の領域内の記録紙表面と当接するように前記当接面を配置する場合は、記録紙の浮きとともに、左右のズレを押さえ良好な給紙動作を実現することができる。なお、給紙装置は、例えば、前記画像形成装置本体に着脱可能に構成され、前記開口部に格納される格納位置と、記録紙を重力方向に対して傾斜して給送する給送位置とを選択的に取得可能に構成する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0023】
図9は本発明に適用される画像形成装置の一実施の形態を示し、該画像形成装置1には、図上時計回りに回転するa−Si感光体ドラム(感光体)9の周囲に、回転方向に沿って、現像器10、転写ローラ19、クリーニング用の摺察ローラ11、クリーニングブレード13、及び帯電ユニット8が配設されている。
【0024】
現像器10には、現像ローラ32が配設され、該現像ローラ32の表面は前記感光体9の表面と所定間隔離間している。
そして、現像器10はトナーコンテナ31から適宜所定量のトナーが供給可能に構成されている。
また、トナーコンテナ31に上方には上部扉7が基部7aを中心として矢印方向に開閉可能に配置され、トナーコンテナ31を脱着可能に構成している。
【0025】
感光体9の上部には感光体9の表面に画像のドットを形成するスキャナユニット5が設けられ、該スキャナユニット5は図示しないレーザ光源からのレーザ光を反射するポリゴンミラー2、前記レーザ光を反射ミラー4を介して帯電ユニット8と現像ローラ32との間の感光体表面に画像ドットを結像する走査光学系3を有して構成されている。
【0026】
画像形成装置1の下部には、該装置を制御する制御回路が収納される基部54が設けられ、該基部54の上側には記録紙カセット80が外部から着脱可能に配置され、該記録紙カセット80には転写前記録紙収納庫14が設けられ、押圧板52上に載置された記録紙は搬送ローラ53及び15により通路16および17を通ってレジストローラ18、30まで搬送可能に構成されている。
【0027】
画像形成装置1の右側には後述する外部記録紙給紙装置(65)として機能する前方扉50が、仮想線で示す50′のように開閉可能に配置され、前方扉50が50′のごとく開成すると、その前方扉50′に載置される記録紙は給紙ローラ51により通路17に搬送可能に構成されている。
そして、前記給紙ローラ51は、その表面を、記録紙の摩擦係数より大きな所定の摩擦係数μ1を有したゴムにて形成されている。
【0028】
また、コロ55は、前記前方扉50が画像形成装置本体内の給紙装置取付開口部72から取り外されている状態においては、図示しない外部給紙装置により多量の枚数の記録紙を画像形成装置本体に供給する際において、付勢力により前記給紙ローラ51と押圧接触して、従動する。
【0029】
画像形成装置1の左方には、定着ローラ23及び24によって定着部が構成され、感光体9と転写ローラ19間を通過した記録紙は定着ローラ23、24により定着され、定着後の記録紙は搬送ローラ25、26により通路27を通って、ローラ28、29により排紙部6に集積されるように構成されている。
【0030】
また、画像形成装置1の上部には各種情報を表示する表示部47、インストールスイッチ48及び電源スイッチ49等が設けられている。
【0031】
このように構成された画像形成装置1は、電源スイッチ49を閉成すると、図示しないメインモータの駆動を開始し、図示しないスタートスイッチにより感光体9が時計方向に回転し、スキャナユニット5が感光体9の表面に画像を形成し、該画像は現像器10の現像ローラ32により現像され、この現像された画像は転写ローラ19により記録紙に転写され、定着ローラ23、24により定着され、ローラ25,26,28,29により排紙部6に搬送されて集積される。
【0032】
次に、図2〜図5を用いて外部記録紙給紙装置(フィーダ)65の構成を説明する。図2は、フィーダに記録紙が装着されていない状態を示す構成図、図3は、記録紙をフィーダに装着した状態を示す構成図、図4は、後板67を引き起こした状態を示す構成図、図5は後板支持板68を前方扉内から引き出した状態を示す構成図である。
【0033】
前方扉50内には、記録紙を受ける後板67を格納した後板支持板68が引き出し可能に収納され、前記後板支持板68を引き出した状態で、後板67は図3、図4の状態に引き起こすことができる。
【0034】
前方扉50を外面に有する箱体75には、幅方向に延在する記録紙載置面73と該載置面73上に設けられ、幅方向にスライド可能なペーパーガイド76とが配設されている。
【0035】
また、図2に示すように、箱体75には、60aを回動中心として回動可能な紙押さえ60が配設され、該紙押さえ60は押さえ部60bが前記記録紙載置面73と当接する実線で示す位置と、爪部60fと後述するボトムプレート64の突起64cと係合して保持される仮想線で示す離間位置とを選択的に取得可能に構成されている。
【0036】
ボトムプレート64は、箱体75内の幅方向に延在して、64aと回動中心として回動可能に構成され、幅方向両端部分に前記紙押さえ60の爪部60fと係合する一対の突起64c,64cが設けられ、バネ63により時計方向に回動習性が付与されている。
【0037】
また、図3に示すように、箱体75には、記録紙66を収納するときに、記録紙66の先端が当接する当接面74を有したセパレータ61が、61aを回動中心として回動可能に配設されている。
このセパレータ61は、図4に示すように、門状に形成され門の上梁部分の上面に所定摩擦係数μ2を有したゴム製のフリクションパッド62が貼設されている。
そして、この摩擦係数μ2は、記録紙の摩擦係数より大きく、且つ、給紙ローラ51の摩擦係数μ1より小さな値に設定される。尚、フリクションパッド62の材質はゴム以外に、コルク、人工皮革等の使用が可能である。
【0038】
また、図4に示すように、箱体75には、画像形成装置本体の開口部72に配設した支持ダボ58、58(図6)に係合してフィーダ65が回動可能に保持される係合部75a,75bが設けられている。
【0039】
図6は画像形成装置のフィーダ取付部分を示す斜視図である。同図において、画像形成装置本体の開口部72には、図示しない駆動源からの駆動力が減速機構からクラッチを介して伝達される給紙ローラ51が配設されている。そして、該給紙ローラ51の大部分は給紙ローラカバー57によって覆われ、前記給紙ローラ51の下方にはコロ55が軸55aを回転中心として回転自在に配置され、前記軸55aは、コロ保持部56内に設けたバネ59により給紙ローラ51の表面に向かってコロ55が押圧されるように、付勢され、スリット56a内を摺動可能に設けられている。
【0040】
上述したように構成されたフィーダ65の係合部75a,75bを、図6に示す支持ダボ58、58に係合すると、図7及び図10の(a)に示す状態でフィーダ65が画像形成装置本体に装着される。
この状態においては、フィーダの一面は外面として前記画像形成装置本体の側壁を兼ねるように装着され、フィーダの外面は前面扉となり画像形成装置本体内にフィーダを違和感なく収納することができる。
【0041】
画像形成装置本体に収納されたフィーダ65は、図7(a)の状態において、凹部75dに指を挿入して右方に引くことでフィーダ65を(b)に示すごとく傾斜して配置することができる。このときに、セパレータ62は給紙ローラ51とコロ55との間に挿入され、コロ55の付勢力によってセパレータ62は所定の押圧力で給紙ローラ51表面に押圧している。
【0042】
次に、フィーダ65に記録紙を収納する動作を説明する。図2に示すように、実線で示す紙押さえ60を反時計方向に回動すると、紙押さえ60の爪部60fの先端はボトムプレート64の上面を押し、ボトムプレート64は反時計方向に回動し、爪部60fはボトムプレート64の突起64cを乗り越えて、その位置で紙押さえ60は仮想線60′で示すように保持される。この状態においては、紙押さえ60の押さえ部60bは記録紙載置面73から離間した位置に保持され、前記押さえ部60bと記録紙載置面73との間には記録紙収納用の空所が形成される。
【0043】
後板支持枠68を箱体75から引き出すと基部でクリックされ、さらに後板67を時計方向に回動して起立させると図3に示すような状態となる。
記録紙66を記録紙載置面73と紙押さえ60の押さえ部60bとの間に挿入すると、記録紙66の下部先端はセパレータ61の当接面74に当接する。
その状態で、紙押さえ60を時計方向に回動させると、紙押さえ60の止め部60fとボトムプレート64の突起64cとの係合が解除され、押さえ部60bは記録紙66の表面を仮想線で示す如く当接して保持する。
尚、紙押さえ部60bの自重は、記録紙66の給紙状態に何ら影響しない重さである。
【0044】
一方、紙押さえ60の止め部60fとボトムプレート64の突起64cとの係合が解除されると、ボトムプレート64が時計方向に回動するが、その際の衝撃により記録紙66の先端部は振動し、先端部の密着状態はほぐされ、ボトムプレート64の先端部分が記録紙66の下面を上方に押圧して、記録紙66の表面を給紙ローラ51の表面に押圧接触する。
そのときは、上側の記録紙の先端は下側の記録紙先端より若干進行方向に送り出された状態で記録紙は給紙ローラ51とボトムプレート64とによって保持される。
【0045】
この状態で、フィーダ65を画像形成装置本体から取り外す際に、給紙ローラ51の表面へ押圧されている記録紙66が、給紙ローラ51から離間することによって、ボトムプレート64はバネ63により、図3上時計方向に回動する。その回動による押圧力により、ボトムプレート64が紙押さえ60の先端60fを押し、紙押さえ60は支点60aを中心に時計方向に回転する。この回転力は、紙押さえ部60bで記録紙66を下方向に押すために、記録紙66が滑り落ちることを防止できる。
また、フィーダ65を画像形成装置本体から取り外すと、記録紙66がローラ51から離れるためにボトムプレート64により押し上げられるが、紙押さえ60の先端60fがボトムプレート64に接触するために、必要以上の押し上げを抑えることができる。
また、記録紙66の積載枚数により紙押さえ部60bの位置は支点60aを中心として変動する為、支点60aを介して先端60fの位置が変わり、たとえば、記録紙枚数が多ければ、前記先端60fによってボトムプレート64をより下方に押し込む。
そして、このボトムプレート64の上に記録紙66が乗っているため、積載枚数によらず、給紙ローラ51と押圧接触する最上部の記録紙66の位置は変化せず、再びフィーダ65を画像形成装置本体に装着する際に、記録紙66がローラ51の下側に入るようになる。
【0046】
操作者の図示しない指令操作に同期して、給紙ローラ51が時計方向に回転すると、給紙ローラ51の表面は記録紙66の摩擦係数より大きい摩擦係数を有しているので、一番上の記録紙の送出を開始する。この一番上の記録紙の下面はセパレータ61に貼設されたフリクションパッド62と接触するが、給紙ローラ51の摩擦係数μ1はフリクションパッド62の摩擦係数μ2より大きいので記録紙はフリクションパッド62によって停止させられることがなく、送出される。
【0047】
何らかの事情で、2枚の記録紙が給紙ローラ51とフリクションパッド62との間に挿入された場合においても、フリクションパッド62の摩擦係数μ2は記録紙の摩擦係数より大きいので、下の記録紙はフリクションパッド62により停止され、上の記録紙は給紙ローラ51によって送出される。
【0048】
操作中に、万一状態が悪い記録紙が混入していた場合は、該記録紙がジャムとなり、画像形成装置は停止し、給紙ローラも停止するが、その際には、紙押さえ60の梁60eの内面60cを押して、図1上反時計方向に回動し、紙押さえ60の爪部60fとボトムプレート64の突起64cとを係合して紙押さえ60を実線位置に保持させる。
【0049】
この状態で、ボトムプレート64による記録紙66を給紙ローラ51表面への押圧力が解除されるとともに、紙押さえ60の押さえ部60bによる記録紙66への押圧が解除され、給紙ローラ51と記録紙との間にジャムした記録紙を容易に取り除くことができる。
【0050】
また、給紙ローラ51とセパレータ61との間にジャムした記録紙は、セパレータ61のフリクションパッド62部分が給紙ローラ51に対して接離可能に構成されているので、ジャムした記録紙表面を押すことによって容易にジャムした記録紙を取り除くことができる。
【0051】
図8は、フィーダの給紙部分の機構の他の実施の形態を示す図である。(a)は、セパレータ61の代わりに、表面をフッ素コートして記録紙より大きい値の摩擦係数を付与したマイラーシート78を給紙ローラ51側に貼設したセパレータ77Aを設けたものである。
【0052】
また、(b)は、セパレータ61とともに、表面をフッ素コートして記録紙より大きい値の摩擦係数を付与したマイラーシート78を給紙ローラ51側に貼設したセパレータ77Bを設け、セパレータ77Bの先端部77Baにおいて、記録紙66が接触するように構成したものである。
フリクションプレート62で静電気が発生して帯電しても前記先端部77Baにおいて除電可能に構成したものである。
【0053】
また、(c)は、セパレータ61の代わりに、記録紙より大きい値の摩擦係数を付与したバネ性を有する細線を給紙ローラ51側に貼設したセパレータ77Cを設けたものである。
【0054】
本実施の形態においては、フィーダ65は、記録紙を載置する記録紙載置面73と、該記録紙載置面73に記録紙を押圧保持する保持位置と、前記押圧保持を解除する離間位置とを選択的に取得可能に構成された紙押さえ60と、前記離間位置において、記録紙の先端が当接する当接面74を有するセパレータ61とを備えて構成されているが、前記記録紙載置面73を前記当接面74側に延長した延長線L4に対して、前記給紙装置用給紙ローラ51の中心点から垂直に下ろした直線L2と、前記当接面74もしくは、該当接面74の延長線との成す角度βが、5゜〜35゜で構成することが望ましい。
【0055】
今、紙押さえ60を前記離間位置にある時に、記録紙66を前記記録紙載置面73上に載置すると、重力線L1と前記延長線L4との交点P1より左側の記録紙は重力により若干垂れ下がり、記録紙の先端が前記当接面74と当接する。
この垂れ下がりのために、前記延長線L4の交点P1と、前記直線L2と前記延長線L4との交点P2間の長さより記録紙66の前記交点P1から先端までの長さが長くなり、前記紙押さえ60が前記離間位置から保持位置へ移行する際に、ボトムプレート64から外れた衝撃で記録紙の先端部がほぐされる。
【0056】
そして、前記当接面74は、延長線L3で表されるように前記直線L2と角度βを有して交点P3にて交差し、交点P2と前記当接面74とは若干の間隔離間しているので、下側より上側の記録紙が送り出し方向に進行した位置を取ることができ、給紙ローラ51表面に記録紙の良好な押圧接触が可能である。
【0057】
また、前記記録紙載置面は、重力方向に対して、30゜〜45゜の角度傾斜して配置することが望ましい。
図1に示すように、前記記録紙載置面73は、重力線L1と角度αを有して配置されている。この角度αを多く取りすぎると、記録紙66の先端が交点P1を支点として時計方向に浮きあがり、記録紙66の表面が給紙ローラ51の表面に当たり、湾曲した状態で紙押さえ60によって保持されるので、ジャムの原因となる。
【0058】
また、前記角度αを少なく取ると、ストッパ手段61の当接面74で記録紙の先端が撓み、湾曲した状態で前記記録紙66を前記記録紙載置面73上に載置されるので、その状態で紙押さえ60によって保持され、記録紙先端が下側に曲がった状態で給紙ローラ51表面と押圧接触し、ジャムの原因となる。
【0059】
本実施の形態は、前記記録紙載置面が、重力方向に対して、30゜〜45゜の角度傾斜して配置されているので、良好な給紙動作を実現することができる。
【0060】
以上詳述したように、本実施の形態は、フィーダ65を画像形成装置本体に対して着脱可能に構成し、給紙装置用給紙ローラ51を前記画像形成装置本体内の給紙装置取付開口部内に配置し、フィーダ65の交換に際して共通して使用するように構成し、前記画像形成装置本体に、フィーダ65が装着されている状態において、フィーダ65内の記録紙が前記給紙ローラ51外周表面に押圧接触可能に構成した。
【0061】
したがって、給紙ローラ51は画像形成装置本体内に配置されたままであるために、前記給紙ローラ51と図示しない画像形成装置本体内の減速駆動機構との連結は良好に保持される。
【0062】
また、フィーダ65内の記録紙66が前記給紙ローラ51外周表面に、図1の仮想線66′で示すように押圧接触可能に構成されているので、フィーダを交換装着することによって記録媒体に適合した仕様で押圧接触することができ、良好な給紙が保証される。
【0063】
【発明の効果】
以上記載したごとく本発明によれば、前記画像形成装置本体内の開口部内に給紙ローラを回転自在に配設し、さらに、記録紙先端部を載置し、該記録紙先端部を前記給紙ローラ表面に押圧する押圧位置と、前記記録紙先端部の押圧を解除する離間位置とを選択的に取得可能な記録紙押圧手段と、前記押圧位置及び前記離間位置との間の前記記録紙押圧手段の移動を制御する移動制御手段とを配設し、前記移動制御手段の操作により前記記録紙先端部の押圧を解除可能に構成し、さらに前記移動制御手段は前記離間位置において、前記記録紙押圧手段と係合して自己保持される
したがって、移動制御手段の操作により、前記記録紙先端部の前記給紙ローラへの押圧が解除され、容易にジャムした記録紙を排除することができ、さらに、操作者が前記移動制御手段を押さえて、前記離間位置に保持する必要はなく、容易にジャムした記録紙を排除することができる。
【0064】
また、本発明は、前記記録紙押圧手段の下流側に、記録紙を介して前記給紙ローラを押圧する表面当接面とを有する前記給紙ローラに対して接離自在な記録紙分離手段を設け、前記移動制御手段の操作により、前記表面当接面より上流側の記録紙の先端部の押圧を解除して、記録紙の先端を前記先端当接面側に退避させるように構成しているので、記録紙の上面から記録紙分離手段を押すことにより容易にジャムした記録紙を引き出すことができる。
【0066】
さらに、本発明では、前記移動制御手段を、前記押圧位置において、記録紙表面と当接して記録紙を当接保持する保持面を有して構成しているので、記録紙が上方に浮き、給紙状態が変化してジャムを起因する恐れが少ない。
【0067】
また、本発明は、前記保持面を、記録紙の進行方向に沿って延在し、記録紙を両側端側をガイドするガイド手段の領域内の記録紙表面と当接するように配設しているので、記録紙の浮きとともに、左右のズレを押さえ良好な給紙動作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る動作を説明する説明図である。
【図2】使用状態位置に傾斜配置し、記録紙が装着されていない状態を示すフィーダの断面図である。
【図3】使用状態位置に傾斜配置し、記録紙を装着した状態を示すフィーダの断面図である。
【図4】後板を引き上げた状態を示すフィーダの斜視図である。
【図5】後板支持板を引き出した状態を示すフィーダの斜視図である。
【図6】画像形成装置のフィーダ取付部分を示す斜視図である。
【図7】画像形成装置本体にフィーダを装着した状態を示す断面図であり、(a)は収納状態を示す図、(b)は使用状態位置に傾斜配置した状態を示す図である。
【図8】フィーダの給紙部分の機構の他の実施の形態を示す図であり、(a)は第2実施形態を示す図、(b)は第3実施形態を示す図、(c)は第4実施の形態を示す図である。
【図9】本発明が適用される画像形成装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図10】画像形成装置本体にフィーダを装着した状態を示す斜視図であり、(a)は収納状態を示す図、(b)は使用状態位置に傾斜配置した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
50 前方扉
51 給紙ローラ
55 コロ
56 コロ支持部
57 給送ローラーカバー
58 支持ダボ
60 紙押さえ(移動制御手段)
61 セパレータ
62 フリクションパッド
64 ボトムプレート(記録紙押圧手段)
65 フィーダ(給紙装置)
66 記録紙
67 後板
68 後板支持板
70 外部給紙装置
71 排紙装置
72 開口部
73 記録紙載置面
74 当接面
76 ペーパーガイド
77 セパレータ(77A,77B,77C)
78 マイラシート
79 細線

Claims (5)

  1. 画像形成装置本体に対して外部から記録紙を供給する給紙装置において、
    前記画像形成装置本体内の開口部内に回転自在に配設された給紙ローラと、
    録紙先端部を載置して、該記録紙先端部を前記給紙ローラ表面に押圧する押圧位置と、前記記録紙先端部の押圧を解除する離間位置とを選択的に取得可能な記録紙押圧手段と、
    前記押圧位置及び前記離間位置との間の前記記録紙押圧手段の移動を制御する移動制御手段とを有し、
    前記移動制御手段の操作により前記記録紙先端部の押圧を解除可能に構成され、さらに前記移動制御手段は前記離間位置において、前記記録紙押圧手段と係合して自己保持されることを特徴とする給紙装置。
  2. 画像形成装置本体に対して外部から記録紙を供給する給紙装置において、
    前記画像形成装置本体内の開口部内に回転自在に配設された給紙ローラと、
    記録紙先端部を載置して、該記録紙先端部を前記給紙ローラ表面に押圧する押圧位置と、前記記録紙先端部の押圧を解除する離間位置とを選択的に取得可能な記録紙押圧手段と、
    前記押圧位置及び前記離間位置との間の前記記録紙押圧手段の移動を制御する移動制御手段とを有し、
    前記移動制御手段の操作により前記記録紙先端部の押圧を解除可能に構成し、さらに、前記移動制御手段は、前記押圧位置において、記録紙表面と当接して記録紙を当接保持する保持面を有することを特徴とする給紙装置。
  3. 前記保持面は、記録紙の進行方向に沿って延在し、記録紙を、両側端側をガイドするガイド手段の領域内の記録紙表面と当接するように配設されていることを特徴とする請求項2記載の給紙装置。
  4. 前記画像形成装置本体に着脱可能に構成され、前記開口部に格納される格納位置と、記録紙を重力方向に対して傾斜して給送する給送位置とを選択的に取得可能に構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の給紙装置。
  5. 前記記録紙押圧手段の下流側に前記離間位置において、記録紙の先端が当接する先端当接面と、該先端当接面に延設して、記録紙を介して前記給紙ローラを押圧する表面当接面とを有する前記給紙ローラに対して接離自在な記録紙分離手段を設け、
    前記移動制御手段の操作により、前記表面当接面より上流側の記録紙の先端部の押圧を解除して、記録紙の先端を前記先端当接面側に退避させることを特徴とする請求項1又は2記載の給紙装置。
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