JP3557544B2 - 角質柔軟化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は角質柔軟化粧料に関し、さらに詳細には、美しい外観のパール光沢を有し、角質柔軟効果及び古くなった余分な角質の除去効果に優れ、使用感の良好な角質柔軟化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、角質柔軟効果を付与する化粧水として、アルカリ性化粧水が知られている。アルカリ性化粧水は、水酸化カリウムや炭酸カリウム等のアルカリ成分を配合することによって、表皮角質層に対して水及び水溶性物質の浸透性を高める作用を有し、皮膚の水分量を正常化して肌に潤いと滑らかさを与えるものであり、ベルツ水がその代表として挙げられる。また、一方で、従来から、シャンプー、リンス、ローション、クリーム、洗顔料等の化粧料において、各種のパール剤を配合することにより、美観を呈するパール光沢を付与し、商品価値を高める試みがなされている。パール光沢を有する組成物に関しては、例えば、特公昭47−804号公報、特開昭56−71021号公報、特開昭57−15409号公報、特開昭57−156410号公報、特開昭57−165308号公報、特開昭60−38308号公報、特開平4−45843号公報、特開平8−231985号公報等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アルカリ性化粧水において、皮膚柔軟効果の発現のためにアルカリ成分を多量に配合すると、皮膚刺激を生じる場合があり、安全性上好ましいものではなかった。また、パール剤を多量に配合した化粧料においては、使用中に肌がざらついたり、使用後の肌がきしむ等の官能上の問題を生じる場合があった。したがって、角質柔軟効果及び古くなった余分な角質の除去効果に優れ、皮膚に比較的安全で官能特性をも満足し、さらに美しいパール光沢を有する化粧料の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記実情に鑑み、鋭意研究を行った結果、特定のパール剤と、塩基性物質と、特定の非イオン性界面活性剤とを含有することにより、美しいパール外観を有し、適度の角質柔軟効果を示すばかりでではなく、そのパール成分である結晶が古くなった不要な角質除去効果を示し、さらに、後肌がすべすべでしなやかになるという官能面においても優れた特性を有する角質柔軟化粧料がえられることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)高級脂肪酸グリコールエステルから選ばれる一種又は二種以上のパール剤0.005〜10重量%
(B)塩基性物質0.001〜5重量%
(C)エーテル型非イオン性界面活性剤0.01〜10重量%
を含有し、且つpHが8 . 0〜11 . 5であることを特徴とする角質柔軟化粧料である。以下詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる成分(A)のパール剤は、高級脂肪酸グリコールエステルであり、その一種又は二種以上を目的に応じて適宜選択して用いる。
【0007】
高級脂肪酸グリコールエステルとしては、次の一般式(1)で表されるものが適当である。
XO−(CH2CH2O)n−COR1 (1)
[式中、R1は炭素数13〜21の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の炭化水素基、Xは水素原子又は−COR1、nは1〜3を示す]
高級脂肪酸グリコールエステルの具体例としては、モノステアリン酸エチレングリコール、モノパルミチン酸エチレングリコール、モノイソステアリン酸エチレングリコール等の高級脂肪酸モノエチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジベヘン酸エチレングリコール等の脂肪酸ジエチレングリコール、並びにこれらの脂肪酸トリエチレングリコール等が挙げられる。これらの中でも、特にジステアリン酸エチレングリコールが好ましい。
【0009】
これらのパール剤の配合量は、0.005〜10重量%(以下、単に「%」と記す)であり、より好ましくは、0.01〜5%である。0.005%未満であると、美しいパール光沢並びに良好な角質除去効果を得ることができず、また、10%を超えて配合した場合、感触や使用性等の観点から好ましくない。
【0010】
本発明に用いられる成分(B)の塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、L−アルギニン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。これらの中でも、特に炭酸ナトリウムが好ましい。
【0011】
これらの塩基性物質の配合量は、0.001〜5%であり、より好ましくは、0.01〜3%である。0.001%未満では本発明の目的である角質柔軟効果を得ることができず、また、5%を超えて配合した場合、皮膚安全性や感触等の観点から好ましくない。さらに、本発明の角質柔軟化粧料においては、これら塩基性物質の配合によりpHを8.0〜11.5と調整すると、角質柔軟効果が良好で、かつ過度の皮膚刺激を生じることもないのでより好ましいものとなる。より好ましくは、pH8.5〜11.0である。
【0012】
本発明に用いられる成分(C)のエーテル型非イオン性界面活性剤は、肌なじみの向上や、油性成分の可溶化又は乳化、粉体の分散等の目的で配合され、液性がアルカル域であっても加水分解等を受けにくいものである。具体的には、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(2〜25E.O.)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(2〜40E.O.)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(2〜100E.O.)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(2〜50E.O.)、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(5〜30E.O.)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(1〜30E.O.、1〜10P.O.)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(10〜30E.O.、1〜10P.O.)等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられ、これらの一種又は二種以上を目的に応じて適宜選択して用いることができる。これらの中でも、特にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが好ましい。
【0013】
これらのエーテル型非イオン性界面活性剤の配合量は、0.01〜10%であり、より好ましくは、0.05〜5%である。0.01%未満であると、肌なじみが低下したり、油性成分の可溶化又は乳化が困難となり、また、10%を超えて配合すると、べたつき等の感触の悪化を招いたり、皮膚安全性の観点から好ましくない。
【0014】
本発明の角質柔軟化粧料は、主としてスキンケア化粧料の形態として、化粧水、美容液、乳液、クリーム等に用いることができる。また、本発明の角質柔軟化粧料の製造方法としては、成分(A)のパール剤を予め界面活性剤を用いて水系に分散したパール剤処理物を調製して、所定量配合するのが好ましい。
【0015】
本発明の角質柔軟化粧料には、前記必須成分の他に、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、前述した成分(C)以外の非イオン性界面活性剤、各種油性成分、紫外線吸収剤、シリコーン類、水溶性高分子等の増粘剤、多価アルコール、エタノール等の低級アルコール、有機および無機粉体、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、保湿剤、防腐剤、香料、各種美容成分、色素等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。予め、以下に示す2種のパール剤処理物を調製した。
【0019】
【0020】
(調製方法)
A:成分1〜2を均一に加熱混合する。
B:Aを加熱した成分3に添加して混合攪拌し、室温まで冷却してパール剤処理物を得た。
【0021】
【0022】
(調製方法)
A:成分1〜2を均一に加熱混合する。
B:Aを徐々に冷却しながら成分3を添加混合し、室温まで冷却してパール剤処理物を得た。
【0023】
実施例1〜4及び比較例1〜4 化粧水
下記表1及び表2に示す組成の化粧水を製造し、角質柔軟効果、角質除去効果、刺激感のなさ、パール光沢について評価した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
(製造方法)
A:成分1〜5を均一に混合する。
B:成分6〜12を均一に混合する。
C:BにAを添加して混合攪拌し、化粧水を得た。
【0027】
(評価方法)
1.角質柔軟効果、角質除去効果、刺激感のなさ女性専門評価パネル15名により、角質柔軟効果、角質除去効果並びに刺激感のなさについて評価した。上記化粧水をコットンに適量取って、顔面を拭き取るように使用し、使用中の刺激感のなさ、使用後の肌の柔軟性(角質柔軟効果)、コットンへの汚れ移り(角質除去効果)について5段階評価し、さらにそれを平均して判定した。
[評価][内容]
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
[判定]
◎:平均点4.5点以上
○:平均点3.5点以上4.5点未満
△:平均点2.5点以上3.5点未満
×:平均点2.5点未満
【0028】
2.パール光沢得られた化粧水のパール光沢を肉眼にて観察し、下記基準より評価した。
[評価]
◎:非常に良好
○:良好
△:普通
×:不良
上記評価方法により得られた結果を表1に併せて示す。
【0029】
得られた結果から明らかなように、本発明に係る実施例1〜4は、優れた角質柔軟効果と角質除去効果を有し、皮膚刺激も少なく、且つ美しいパール光沢を兼ね備えた化粧水であった。それに対し、比較例1〜4においては、全ての項目を満足し得るものは得られなかった。
【0030】
【0031】(製造方法)
A:成分1〜5を均一に混合する。
B:成分6〜12を均一に混合する。
C:BにAを添加して混合し、美容液を得た。
実施例5は、美しいパール光沢を有し、角質柔軟効果及び角質除去効果に優れ、刺激感の少ないpH8.5の美容液であった。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の角質柔軟化粧料は、美しい外観のパール光沢を有し、角質柔軟効果及び古くなった余分な角質の除去効果に優れ、使用感の良好なものである。
Claims (1)
- 次の成分(A)〜(C);
(A)高級脂肪酸グリコールエステルから選ばれる一種又は二種以上のパール剤0.005〜10重量%
(B)塩基性物質0.001〜5重量%
(C)エーテル型非イオン性界面活性剤0.01〜10重量%
を含有し、且つpHが8 . 0〜11 . 5であることを特徴とする角質柔軟化粧料。
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