JP3556310B2 - 住宅 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、換気性に優れた棟構造を有する屋根を効率良く施工するのに適した屋根パネルを用いた住宅に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、特に、木質パネルを用いたプレハブ住宅等の木造住宅において、湿気を含む屋根内部の空気を外部に導き換気性を良好として建物の老朽化を防止するため、棟木に換気用の穴を設けた構造が用いられている。
【0003】
このような従来の換気棟屋根構造においては、図9にその一例が示されているように、それぞれ並列配置された複数の屋根パネル1,・・・と2,・・・とが棟を挟んで互いに対向するように配置されており、対向する屋根パネル1と2との間には、この間隙に入るように所定長さに加工され組み付けられ、対向する屋根パネル1および2の位置決めを行なうための結合棟木3が、所定間隔ごとに複数配置されている。隣り合う結合棟木3の間には、それぞれ所望の換気面積が得られるような幅、たとえば5分の1M(1Mは約、900mm、910mm、1000mmのいずれかであり、以下、同様である。)程度の幅の換気用の穴Gが形成されている。また、対向する屋根パネル1と2とは、各屋根パネルから下部の木製屋根梁にスクリュー釘等を打ち込むことによって結合固定され、また、結合棟木3は、各屋根パネルからそれぞれの結合棟木3にスクリュー釘等を打ち込むことによって各屋根パネルに固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように構成することによって、複数の結合棟木3,3・・・間のすきまGを通して自由に換気がなされ得るようになっているのであるが、上記従来の換気棟屋根構造においては、結合棟木3の作成、組み付け、正確な位置決め等、面倒な難しい作業を現場で手作業によって行わなければならず、このため、正確な作業、工期短縮等が難しくなるおそれもあった。
【0005】
本発明は、上記の問題を除去するためになされたものであり、換気性に優れた棟構造を有する屋根の施工を容易かつ正確に行なうことを可能とするとともに、工期の短縮を図ることもできる屋根パネルを用いた住宅を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1記載の住宅は、複数の芯材からなる枠体とこの枠体上に取り付けられた面材とを有するパネルと、所定長の間隙を残して前記パネルの一枠体側面の一端に合致するように固定される所定形状の結合棟木片とを有する屋根パネルを用いた住宅であって、棟を挟んで二つの前記屋根パネルの前記結合棟木片同士が当接して二つの屋根パネルが結合固定した換気棟屋根構造を有し、前記換気棟屋根構造を構成する、少なくとも一組の当接する二つの前記屋根パネルのうち、一の屋根パネルに設けられた前記間隙と、当該一の屋根パネルに当接する他の一の屋根パネルに設けられた前記間隙とが重ならないことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の住宅において、前記パネルは、前記パネルの一枠体側面に固定される結合棟木片の長さが前記間隙の長さよりも大きいことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の住宅において、前記屋根パネルには、前記結合棟木片が取り付けられる枠体側面の前記所定長の間隙に対応する位置に、所定の大きさの貫通孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の住宅において、前記屋根パネルには、前記結合棟木片が取り付けられる枠体側面の前記所定長の間隙に対応する位置に、所定の長さおよび深さを有する切り欠きが形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の住宅において、前記屋根パネルは、基準長さの約1または2n倍(nは整数)のパネル幅を有し、このパネル幅が前記基準長さの約4倍以上であるときには、その側縁から前記基準長さの約2倍の長さごとに芯材が設けられ、かつ、隣り合う芯材間の間隔が前記基準長さの約2倍であるときに、この隣り合う芯材間に位置するパネル枠体側面のほぼ中央部に前記所定長の間隙が形成されるとともに、その両側に前記所定形状の結合棟木片が固定されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の住宅において、1M(モデュール)が約900mm,約910mmおよび約1000mmのいずれかであるとき、前記基準長さが4分の1Mであり、前記パネル幅が約1Mであるときにはその中央部に芯材が設けられ、かつ、隣り合う芯材間の間隔が約2分の1Mあるときには、この隣り合う芯材間に位置するパネル枠体側面のほぼ中央部に前記所定長の間隙が形成されるとともに、その両側に前記所定形状の結合棟木片が固定されていることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
請求項1記載の住宅は、住宅を構成する屋根パネルの、パネルの枠体側面に、所定長の間隙を残して所定形状の結合棟木片があらかじめ固定されていて、棟を挟んで二つの屋根パネルの結合棟木片同士が当接して二つの屋根パネルが結合固定した換気棟屋根構造を有し、この換気棟屋根構造を構成する、少なくとも一組の当接する二つの屋根パネルに設けられた間隙同士が重ならないものである。
したがって、結合棟木片の製作、組み付け、枠体側面の正確な位置への取り付け等の作業を、工場の製造設備を用いてきわめて容易に、かつ、正確に行なうことができる。そして、このように所定形状の結合棟木片があらかじめ正確に取り付けられている屋根パネルを用いることにより、前記の所定長の間隙を通して十分な換気が可能となり、また、このように換気性に優れた棟構造を有する屋根の施工を容易かつ正確に行なうことが可能となるとともに、工期の短縮を図ることもできる。
【0013】
請求項2記載の住宅においては、住宅を構成する屋根パネルが、パネルの一枠体側面に固定される結合棟木片の長さが前記間隙の長さよりも大きく形成されているため、棟を挟んで対向する屋根パネルの一方の結合棟木片がこれに対向する他方のパネル枠体の前記間隙に入り込んでしまうということがなく、対向する結合棟木同士を確実に当接させることができる。その結果、対向する屋根パネルの位置決めをより確実なものとすることができる。
【0014】
請求項3記載の住宅においては、住宅を構成する屋根パネルの、結合棟木片が取り付けられる枠体側面の前記所定長の間隙に対応する位置に所定の大きさの貫通孔が形成されているため、前記換気のための間隙の長さを小さくしても必要な通気量がこの貫通孔によって補完され十分確保される。その結果、パネルの枠体側面に取り付けられる結合棟木片の長さを大きくすることが可能となり、これによって、棟を挟んで対向する屋根パネルの位置決めを確実なものとすることができる。
【0015】
請求項4記載の住宅においては、住宅を構成する屋根パネルの、枠体側面の前記所定長の間隙に対応する位置に所定の幅および深さを有する切り欠きが形成されているため、前記間隙の長さを小さくしても必要な通気量がこの切り欠きによって補完され十分確保される。その結果、パネルの枠体側面に取り付けられる結合棟木の長さを大きくすることが可能となり、これによって、棟を挟んで対向する屋根パネルの位置決めを確実なものとすることができる。
【0016】
請求項5記載の住宅においては、住宅を構成する屋根パネルが、基準長さの約1または2n倍(nは整数)のパネル幅を有し、このパネル幅が前記基準長さの約4倍以上であるときには、その側縁から基準長さの約2倍の長さごとに芯材が設けられ、かつ、隣り合う芯材間の間隔が基準長さの約2倍であるときに、この隣り合う芯材間に位置するパネル枠体側面のほぼ中央部に前記所定長の間隙が形成されるとともに、その両側に前記所定形状の結合棟木片が固定されているため、顧客の好みに合わせた自由な設計により、棟を挟んで対向する屋根パネルとしてどのようなサイズのパネルが配置されたとしても、用いられる屋根パネルがこの条件を満足している限り、対向する結合棟木同士を確実に当接させることができる。その結果、前記の所定長の間隙を通して十分な換気が可能となるとともに、対向する屋根パネルの位置決めをより確実なものとすることができる。
【0017】
請求項6記載の住宅においては、1M(モデュール)が約900mm,約910mmおよび約1000mmのいずれかであるとき、前記基準長さが4分の1Mであり、前記パネル幅が約1Mであるときにはその中央部に芯材が設けられ、かつ、隣り合う芯材間の間隔が約2分の1Mあるときに、この隣り合う芯材間に位置するパネル枠体側面のほぼ中央部に前記所定長の間隙が形成されるとともに、その両側に前記所定形状の結合棟木片が固定されている。このため、顧客の好みに合わせた自由な設計により、棟を挟んで対向する屋根パネルとしてどのようなサイズのパネルが配置されたとしても、用いられる屋根パネルがこの条件を満足している限り、対向する結合棟木同士を確実に当接させることができる。その結果、前記の所定長の間隙を通して十分な換気が可能となるとともに、対向する屋根パネルの位置決めをより確実なものとすることができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。図1および図2は、本発明の屋根パネルを適用した屋根構造の一実施例を示すものであり、図1は棟を挟んで屋根パネルが敷き込まれた状態を示す斜視図、図2は棟部分の屋根構造を示す縦断面図である。
【0019】
この実施例における屋根は、図1に示されているように、多数の屋根パネル11,・・・および12,・・・が棟を挟んで互いに向かい合うように並列配置されている。それぞれの屋根パネル11,12は、縦芯材11b,12bと横芯材11a,12aとを矩形状に組み立てるとともに、必要に応じこの矩形枠の内部に補強芯材を組み付けて枠体を構成し、この枠体の一方の面(上面)に合板等の面材11d,12dを貼り付けたものである(図2、3参照)。これらの屋根パネル11,・・・、12,・・・は工場で所定の規格に従って精度良く量産されたものであり、この実施例では、約1M、約2分の1M、約4分の1Mのいずれかの幅を有するように作られている。棟に接する屋根パネル11,・・・、12,・・・は、図2に示されるように、棟の角度に合致するように上面が加工形成された埋木17を介して、スクリュー釘18,19により木製屋根梁16に支持固定されている。
【0020】
棟に接する屋根パネル11,12は、図3に示されているように、それぞれの屋根パネルの棟に接する側の横芯材12aの高さAが縦芯材12bの高さBよりもわずかに小さくなるように形成されている。これによって、棟に接する屋根パネル11と12とが結合棟木13を挟んで互いに向かい合うように配置されたときに、横芯材11aと12aとの間の下部に、通気を図るための隙間Cが形成されるようになっている。
【0021】
図3に示されている屋根パネルは、それぞれ約2分の1Mの幅を有する2つの屋根パネル12が並んで配置されているものであって、各屋根パネルの枠体の横芯材12a側の側面上には、約10分の3Mの長さを有する結合棟木片15が接着、釘等によって取り付けられている。結合棟木片15は、その端部が各枠体側面の一端に合致するように長手方向に向かって取り付けられ、他端との間には約10分の2M幅の隙間(換気穴)Gがあけられている。
【0022】
この屋根パネル12に棟を挟んで対向する屋根パネル11は、棟に接する側の横芯材11a側面上に設けられる結合棟木片14が、対向する屋根パネル12の結合棟木片15に対応するような位置に形成されている点を除いて、屋根パネル12と同様に作られている(図2参照)。屋根パネル11,・・・および12,・・・は、それぞれ対応する結合棟木片14,15が互いに対向し当接するように配置された後、対向する結合棟木片14,15およびこれが設けられた芯材11a,12a相互にスクリュー釘が打ち込まれ互いに結合される。また、前述のように、これらの屋根パネル11,12は、埋木17を介してスクリュー釘18,19を木製屋根梁16に打ち込むことにより、支持固定される。このようにして、図1および図2に示されている屋根構造の施工が行なわれる。
【0023】
このような屋根構造によれば、室内の空気は、対向する屋根パネル11,12の横芯材11aと12aとの間の下部に形成された隙間Cおよび結合棟木片14,15に形成された所定幅の換気穴Gを通って、外部に自由に流れるようになっており、木質パネルを用いたプレハブ住宅等における換気性を良好にすることができる。この場合の換気面積は(Cの幅)×(Gの幅)となる。
【0024】
また、この実施例の屋根パネルは、パネルの端部芯材側面に、所定長の間隙Gを残して、所定形状の結合棟木片があらかじめ固定されているものであり、したがって、結合棟木片の加工、組み付け、芯材側面の正確な位置への取り付け等の作業を、工場の製造設備を用いてきわめて容易に、かつ、正確に行なうことができる。また、パネル枠体の一側面に固定される結合棟木片の長さを前記間隙の長さよりも大きく形成すれば、棟を挟んで対向する屋根パネルの一方の結合棟木片がこれに対向する他方のパネル枠体の前記間隙に入り込んでしまうということがなく、対向する結合棟木同士を確実に当接させることができる。その結果、対向する屋根パネルの位置決めをより確実なものとすることができる。そして、このように所定形状の結合棟木片があらかじめ正確に取り付けられている屋根パネルを用いれば、換気性に優れた棟構造を有する屋根の施工を容易かつ正確に行なうことができるとともに、工期の短縮を図ることもできる。特に、この実施例による屋根パネルは、対向する屋根パネルが決まっている企画住宅等にきわめて有効なものである。
【0025】
一方、近年は顧客の好みに合わせた自由な設計による住宅が増加している。このような自由な設計による場合、棟を挟んで対向する屋根パネルとしてどのようなサイズのパネルが配置されるかは決まっておらず、したがって、換気面積が定まらないとともに、対向する屋根パネルの結合棟木同士が確実に当接するのかどうかも分からないため、結合棟木が対向する屋根パネルの位置決めを確実に行なうことを保証できないという問題がある。
【0026】
図4は、フリー設計による棟に接する屋根パネル配置の第2の実施例を示す模式的平面図である。この屋根パネルは、住宅の設計の際に用いられる基準長さ(この実施例では4分の1M)の約1または約2n倍(nは整数)のパネル幅を有している。図4の実施例においては、それぞれ約4分の1M、約2分の1M、約1Mの3種類のパネル幅を有する屋根パネル21,22,23が用いられている。これらの3種類の屋根パネルから、フリー設計に適合するようそれぞれ最適なものが選択され用いられる。
【0027】
ここで用いられる屋根パネルの第2の実施例が図5に示されている。この図においては、幅約1Mの屋根パネル23が示されており、その側縁から約2分の1Mの位置には縦芯材24が設けられ、また、枠体の棟に接する側の側面上には、長さ約6分の1M、約3分の1M、6分の1Mの第1、第2および第3の結合棟木片35a,35b,35cが接着や釘等によって取り付けられている。第1および第3の結合棟木片35a,35cは、それぞれの端部がこの枠体側面(横芯材23aのある面)の両端に合致するように長手方向に向かって取り付けられ、さらに第2の結合棟木片35bは、第1および第3の結合棟木片35a,35cとの間にそれぞれ約6分の1Mの間隙(換気穴)G,Gをあけて取り付けられている。また、端部芯材23aの側面上の前記間隙G,Gに対応する位置には、それぞれ所定の換気面積を確保できるような直径の複数の貫通孔36a,36bが形成されている。この貫通孔36a,36bは、それぞれの中心がこの枠体側面の両端から約4分の1Mとなるような位置に形成されている。ただし、縦芯材が形成されている位置には、換気穴あるいは貫通孔が形成されないようになっている。
【0028】
結合棟木片の長さが長くなるにつれて、結合棟木片間の間隙G,Gの長さが短くなる。前記横芯材23aの側面上の前記間隙G,Gに対応する位置に設けられている上記貫通孔36a,36bは、より大きな換気量をとりたいとき、これを補完するためのものである。
【0029】
したがって、この実施例の屋根パネル23によれば、端部芯材23aの間隙G,Gに対応する位置に所定の大きさの貫通孔36a,36bを形成したため、間隙G、Gの長さを小さくしても必要な換気量を十分確保することが可能となる。また、その結果、パネルの枠体側面に取り付けられる結合棟木片35a,35b,35cの長さを大きくすることができ、これによって結合棟木の接合部による支持力を向上させることができるとともに、対向する屋根パネルの位置決めを確実に行なうことが可能となる。
【0030】
また、図4に示されているように、パネル幅が約2分の1Mの屋根パネル22の場合には、補強用の縦芯材は設けられず、棟に接する側の端部芯材22a側面上には、長さ約6分の1Mの第1および第2の結合棟木片45a,45bが約6分の1Mの間隙(換気穴)Gをあけて接着や釘等によって取り付けられている。また、パネル幅が約4分の1Mの屋根パネル21の場合には、補強用の縦芯材は設けられず、棟に接する側の端部芯材21a側面上に間隙(換気穴)Gも設けられないようになっている。
【0031】
用いられる屋根パネルの種類、縦芯材が形成される位置、換気穴の位置および幅を上記のように構成すれば、図4からも理解されるように、どのように配置されるとしても、これらの種類から屋根パネルを選択し用いる以上、結合棟木が対向する屋根パネルの換気穴に入り込むということはなく、対向する結合棟木同士が確実に当接することになる。この実施例では、対向する結合棟木同士が少なくとも12分の1Mの幅だけは当接している。したがって、結合棟木による屋根パネルの位置決めをより確実に行なうことができる。
【0032】
図6は屋根パネルの第3の実施例を示すものであり、屋根パネルの棟に接する側の横芯材の構成のみが図5に示された第2の実施例の場合と異なっている。この第3の実施例においては、第2の実施例と同様に、屋根パネル52の枠体の棟に接する側の側面(横芯材52aがある側面)上に、長さ約6分の1M、約3分の1M、6分の1Mの第1、第2および第3の結合棟木片55a,55b,55cが接着、釘等によって取り付けられている。第1および第3の結合棟木片55a,55cは、それぞれの端部がこの枠体側面の両端に合致するように長手方向に向かって取り付けられ、さらに第2の結合棟木片55bが第1および第3の結合棟木片55a,55cとの間にそれぞれ約6分の1Mの間隙G,Gをあけて取り付けられている。また、端部芯材52aの側面上の前記間隙G,Gに対応する位置には、それぞれ約6分の1Mの長さ、所定の換気面積を確保できるような深さの切り欠き56a,56bが形成されている。この切り欠き56a,56bは、それぞれの中心が枠体側面の両端から4分の1Mとなるような位置に形成されている。
【0033】
結合棟木片の長さが長くなるにつれて、結合棟木片間の間隙G,Gの長さが短くなる。前記端部芯材52aの側面上の前記間隙G,Gに対応する位置に設けられている上記切り欠き56a,56bは、より大きな換気量をとりたいとき、これを補完するためのものである。
【0034】
したがって、この実施例の屋根パネル52によれば、端部芯材52aの間隙G,Gに対応する位置に所定の大きさの切り欠き56a,56bを形成したため、間隙G、Gの長さを小さくしても必要な換気量を十分確保することが可能となる。また、その結果、パネルの端部芯材側面に取り付けられる結合棟木片55a,55b,55cの長さを大きくすることができ、これによって結合棟木の接合部による支持力を向上させることができるとともに、対向する屋根パネルの位置決めを確実に行なうことが可能となる。
【0035】
なお、上記実施例においては長方形状の屋根パネルのみ示してきたが、これに限らず、台形状、ひし形状等、各種異形状の屋根パネルに本発明を適用できることは言うまでもない。たとえば、図7には寄棟屋根の一例が示されており、その棟に接する屋根パネル中には台形の屋根パネル71およびひし形の屋根パネル72が用いられているが、このような異形状の屋根パネル71,72にも本発明を適用することが可能である。
【0036】
図8は台形の屋根パネル82の実施例を示すものであり、屋根の棟に接する側の枠体側面82a上に6つの結合棟木片85a〜85fが所定間隙Gをおいて取り付けられている。この屋根パネル82に対し棟を挟んで対向する屋根パネルにも、棟に接する側の枠体側面上に結合棟木片が設けられ、これらの結合棟木片が屋根パネル82の結合棟木片85a〜85fと当接するように形成されればよい。
【0037】
なお、上述の各実施例において示されている、屋根パネルの寸法、結合棟木片、その間に設けられる間隙G、貫通孔36、切り欠き56等の寸法および位置等は、最適な例を示すものであり、本発明がこれに限定されるべきものでないことはもちろんである。ただし、前記間隙Gは、これらが設けられる枠体側面上の縦芯材にかからない位置に形成されることが望ましく、また、貫通孔36および切り欠き56は、これらが設けられる枠体側面上の縦芯材にかからない位置に形成される必要がある。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る住宅によれば、以下のような優れた効果を奏する。請求項1記載の住宅は、住宅を構成する屋根パネルの、パネルの枠体側面に、所定長の間隙を残して所定形状の結合棟木片があらかじめ固定されていて、棟を挟んで二つの屋根パネルの結合棟木片同士が当接して二つの屋根パネルが結合固定した換気棟屋根構造を有し、この換気棟屋根構造を構成する、少なくとも一組の当接する二つの屋根パネルに設けられた間隙同士が重ならないものである。したがって、複雑な断面形状の結合棟木片の加工、組み合わせ、枠体側面の正確な位置への取り付け等の作業を、工場の製造設備を用いてきわめて容易に、かつ、正確に行なうことができる。そして、このように所定形状の結合棟木片があらかじめ正確に取り付けられている屋根パネルを用いることにより、換気性に優れた棟構造を有する屋根の施工を容易かつ正確に行なうことができるとともに、工期の短縮を図ることもできる。
【0039】
請求項2記載の住宅によれば、住宅を構成する屋根パネルが、パネルの一枠体側面に固定される結合棟木片の長さが前記間隙の長さよりも大きく形成されているため、棟を挟んで対向する屋根パネルの一方の結合棟木片がこれに対向する他方のパネル枠体の前記間隙に入り込んでしまうということがなく、対向する結合棟木同士を確実に当接させることができる。その結果、対向する屋根パネルの位置決めをより確実なものとすることができる。
【0040】
請求項3記載の住宅によれば、住宅を構成する屋根パネルの、結合棟木片が取り付けられる枠体側面の前記所定長の間隙に対応する位置に所定の大きさの貫通孔が形成されているため、前記換気のための間隙の長さを小さくしても必要な通気量がこの貫通孔によって補完され十分確保される。その結果、パネルの枠体側面に取り付けられる結合棟木片の長さを大きくすることが可能となり、これによって、棟を挟んで対向する屋根パネルの位置決めを確実なものとすることができる。
【0041】
請求項4記載の住宅によれば、住宅を構成する屋根パネルに、枠体側面の前記所定長の間隙に対応する位置に所定の幅および深さを有する切り欠きが形成されているため、前記間隙の長さを小さくしても必要な通気量がこの切り欠きによって補完され十分確保される。その結果、パネルの枠体側面に取り付けられる結合棟木の長さを大きくすることが可能となり、これによって、棟を挟んで対向する屋根パネルの位置決めを確実なものとすることができる。
【0042】
請求項5記載の住宅によれば、住宅を構成する屋根パネルが、基準長さの約1または2n倍(nは整数)のパネル幅を有し、このパネル幅が前記基準長さの約4倍以上であるときには、その側縁から基準長さの約2倍の長さごとに芯材が設けられ、かつ、隣り合う芯材間の間隔が基準長さの約2倍であるときに、この隣り合う芯材間に位置するパネル枠体側面のほぼ中央部に前記所定長の間隙が形成されるとともに、その両側に前記所定形状の結合棟木片が固定されているため、顧客の好みに合わせた自由な設計により、棟を挟んで対向する屋根パネルとしてどのようなサイズのパネルが配置されたとしても、用いられる屋根パネルがこの条件を満足している限り、対向する結合棟木同士を確実に当接させることができる。その結果、前記の所定長の間隙を通して十分な換気が可能となるとともに、対向する屋根パネルの位置決めをより確実なものとすることができる。
【0043】
請求項6記載の住宅によれば、1M(モデュール)が約900mm,約910mmおよび約1000mmのいずれかであるとき、前記基準長さが4分の1Mであり、前記パネル幅が約1Mであるときにはその中央部に芯材が設けられ、かつ、隣り合う芯材間の間隔が約2分の1Mあるときに、この隣り合う芯材間に位置するパネル枠体側面のほぼ中央部に前記所定長の間隙が形成されるとともに、その両側に前記所定形状の結合棟木片が固定されている。このため、顧客の好みに合わせた自由な設計により、棟を挟んで対向する屋根パネルとしてどのようなサイズのパネルが配置されたとしても、用いられる屋根パネルがこの条件を満足している限り、対向する結合棟木同士を確実に当接させることができる。その結果、前記の所定長の間隙を通して十分な換気が可能となるとともに、対向する屋根パネルの位置決めをより確実なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の屋根パネルを適用した屋根構造の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の棟部分の屋根構造の一実施例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の屋根パネルの第1実施例を示す斜視図である。
【図4】フリー設計による本発明の屋根パネルの配置例を示す平面図である。
【図5】本発明の屋根パネルの第2実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明の屋根パネルの第3実施例を示す斜視図である。
【図7】本発明の異形状屋根パネルを用いた屋根形状の例を示す平面図である。
【図8】異形状屋根パネルの実施例を示す平面図である。
【図9】従来の屋根構造の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11,12,21,22,23,52,71,72,82 屋根パネル
11a,12a,21a,22a,23a,52a,82a 横芯材
12b,24,25 縦芯材
13 結合棟木
14,15,35a〜35c,45a,45b,55a〜55c,85a〜85f 結合棟木片
36 貫通孔
56 切り欠き
G 間隙
Claims (6)
- 複数の芯材からなる枠体とこの枠体上に取り付けられた面材とを有するパネルと、所定長の間隙を残して前記パネルの一枠体側面の一端に合致するように固定される所定形状の結合棟木片とを有する屋根パネルを用いた住宅であって、
棟を挟んで二つの前記屋根パネルの前記結合棟木片同士が当接して二つの屋根パネルが結合固定した換気棟屋根構造を有し、
前記換気棟屋根構造を構成する、少なくとも一組の当接する二つの前記屋根パネルのうち、一の屋根パネルに設けられた前記間隙と、当該一の屋根パネルに当接する他の一の屋根パネルに設けられた前記間隙とが重ならないことを特徴とする住宅。 - 請求項1記載の住宅において、前記屋根パネルは、前記パネルの一枠体側面に固定される結合棟木片の長さが前記間隙の長さよりも大きいことを特徴とする住宅。
- 請求項1記載の住宅において、前記屋根パネルには、前記結合棟木片が取り付けられる枠体側面の前記所定長の間隙に対応する位置に、所定の大きさの貫通孔が形成されていることを特徴とする住宅。
- 請求項1記載の住宅において、前記屋根パネルには、前記結合棟木片が取り付けられる枠体側面の前記所定長の間隙に対応する位置に、所定の長さおよび深さを有する切り欠きが形成されていることを特徴とする住宅。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の住宅において、前記屋根パネルは、基準長さの約1または2n倍(nは整数)のパネル幅を有し、このパネル幅が前記基準長さの約4倍以上であるときには、その側縁から前記基準長さの約2倍の長さごとに芯材が設けられ、かつ、隣り合う芯材間の間隔が前記基準長さの約2倍であるときに、この隣り合う芯材間に位置するパネル枠体側面のほぼ中央部に前記所定長の間隙が形成されるとともに、その両側に前記所定形状の結合棟木片が固定されていることを特徴とする住宅。
- 請求項5に記載の住宅において、前記屋根パネルは、1M(モデュール)が約900mm,約910mmおよび約1000mmのいずれかであるとき、前記基準長さが4分の1Mであり、前記パネル幅が約1Mであるときにはその中央部に芯材が設けられ、かつ、隣り合う芯材間の間隔が約2分の1Mあるときには、この隣り合う芯材間に位置するパネル枠体側面のほぼ中央部に前記所定長の間隙が形成されるとともに、その両側に前記所定形状の結合棟木片が固定されていることを特徴とする住宅。
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